(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】データ収集装置、信号発生位置特定システム、データ収集方法、信号発生位置特定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08C 15/00 20060101AFI20231020BHJP
G08C 15/06 20060101ALI20231020BHJP
G01M 3/24 20060101ALI20231020BHJP
【FI】
G08C15/00 E
G08C15/06 H
G01M3/24 D
(21)【出願番号】P 2022075350
(22)【出願日】2022-04-28
【審査請求日】2022-04-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売日(公開日) 2021年11月30日~2022年4月25日 販売先 フジ地中情報株式会社(東京都港区海岸3-20-20)、株式会社三金(東京都千代田区神田須田町2丁目23)、他 漏水調査会社及び商社(別紙〔販売・出荷先一覧〕) <資 料> 〔販売・出荷先一覧〕
(73)【特許権者】
【識別番号】000112691
【氏名又は名称】フジテコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】太田 宏一
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/226069(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/149103(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/087751(WO,A1)
【文献】特開昭49-114752(JP,A)
【文献】特開2014-116811(JP,A)
【文献】特開昭55-38749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-19/48
G01M 3/24
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング部と、
前記サンプリングの開始時刻を設定する設定部と、
外部の装置から基準信号を
受信する基準信号
受信部と、
所定の時間間隔で
計時し、自装置の時刻信号を
発生させる時刻信号
発生部と、
前記基準信号
が示す時刻と、前記基準信号受信部が前記基準信号
を受信した時点において前記時刻信号
発生部が示す時刻
とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成部と、
前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて
、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作部と、
前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を備えるデータ収集装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記基準信号に基づいて現在時刻を設定する、
請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記外部の装置から取得した前記開始時刻を示す時刻情報に基づいて前記開始時刻を設定する、
請求項1または2に記載のデータ収集装置。
【請求項4】
複数のデータ収集装置と、データ解析装置と、を有する信号発生位置特定システムであって、
前記複数のデータ収集装置のそれぞれは、
所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング部と、
前記サンプリングの開始時刻を設定する設定部と、
前記データ解析装置から
送信された基準信号を
受信する基準信号
受信部と、
所定の時間間隔で
計時し、自装置の時刻信号を
発生させる時刻信号
発生部と、
前記基準信号
が示す時刻と、前記基準信号受信部が前記基準信号
を受信した時点において前記時刻信号
発生部が示す時刻
とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成部と、
前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて
、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作部と、
前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記データ記憶部に記憶された前記収集データを出力するデータ出力部と、
を備え、
前記データ解析装置は、
前記基準信号を発生させる基準信号発生部と、
前記基準信号発生部が発生させた前記基準信号を
送信する基準信号
送信部と、
前記データ収集装置から出力された前記収集データを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された前記収集データに基づいて、前記信号の発生位置を特定するデータ解析部と、
を備える信号発生位置特定システム。
【請求項5】
データ収集装置が、
所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング工程と、
前記サンプリングの開始時刻を設定する設定工程と、
外部の装置から基準信号を
受信する基準信号
受信工程と、
所定の時間間隔で
計時し、自装置の時刻信号を
発生させる時刻信号
発生工程と、
前記基準信号
が示す時刻と、前記基準信号受信工程にて前記基準信号
を受信した時点において前記時刻信号
発生工程にて発生させた時刻
とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成工程と、
前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて
、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作工程と、
前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御工程と、
を含む処理を実行するデータ収集方法。
【請求項6】
複数のデータ収集装置と、データ解析装置と、を有する信号発生位置特定システムの信号発生位置特定方法であって、
データ収集装置が、
所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング工程と、
前記サンプリングの開始時刻を設定する設定工程と、
前記データ解析装置から
送信された基準信号を
受信する基準信号
受信工程と、
所定の時間間隔で
計時し、自装置の時刻信号を
発生させる時刻信号
発生工程と、
前記基準信号
が示す時刻と、前記基準信号受信工程にて前記基準信号
を受信した時点において前記時刻信号
発生工程にて発生させた時刻
とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成工程と、
前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて
、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作工程と、
前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御工程と、
前記データ記憶部に記憶された前記収集データを出力するデータ出力工程と、
を含む処理を実行し、
前記データ解析装置が、
前記基準信号を発生させる基準信号発生工程と、
前記基準信号発生工程において発生させた前記基準信号を
送信する基準信号
送信工程と、
前記データ収集装置から出力された前記収集データを取得するデータ取得工程と、
前記データ取得工程において取得された前記収集データに基づいて、前記信号の発生位置を特定するデータ解析工程と、
を含む処理を実行する信号発生位置特定方法。
【請求項7】
データ収集装置のコンピュータを、
所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング部、
前記サンプリングの開始時刻を設定する設定部、
外部の装置から基準信号を
受信する基準信号
受信部、
所定の時間間隔で
計時し、自装置の時刻信号を
発生させる時刻信号
発生部、
前記基準信号
が示す時刻と、前記基準信号受信部が前記基準信号
を受信した時点において前記時刻信号
発生部が示す時刻
とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成部、
前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて
、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作部、
前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御部、
として機能させるプログラム。
【請求項8】
複数のデータ収集装置と、データ解析装置と、を有する信号発生位置特定システムのプログラムであって、
前記複数のデータ収集装置のそれぞれを、
所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング部、
前記サンプリングの開始時刻を設定する設定部、
前記データ解析装置から
送信された基準信号を
受信する基準信号
受信部、
所定の時間間隔で
計時し、自装置の時刻信号を
発生させる時刻信号
発生部、
前記基準信号
が示す時刻と、前記基準信号受信部が前記基準信号
を受信した時点において前記時刻信号
発生部が示す時刻
とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成部、
前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて
、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作部、
前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御部、
前記データ記憶部に記憶された前記収集データを出力するデータ出力部、
として機能させ、
前記データ解析装置のコンピュータを、
前記基準信号を発生させる基準信号発生部、
前記基準信号発生部が発生させた前記基準信号を
送信する基準信号
送信部、
前記データ収集装置から出力された前記収集データを取得するデータ取得部、
前記データ取得部によって取得された前記収集データに基づいて、前記信号の発生位置を特定するデータ解析部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ収集装置、信号発生位置特定システム、データ収集方法、信号発生位置特定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水道事業者等が使用する漏水位置を特定する装置として相関式漏水探知器が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。相関式漏水探知器は、例えば、1台のデータ解析装置と、複数のセンサを付属したデータ収集装置とを備える。複数のセンサは、水道管の消火栓、バルブ、メータ等に取付けられ、水道管を伝わる漏水音を取得する。データ収集装置は、センサからの信号をアンプやフィルタ等を用いて処理し、処理した結果をデータ解析装置へ送信する。データ解析装置は、相関演算等により複数のセンサへの漏水音の到達時間差を算出し、到達時間差と、配管の長さと、音速とに基づいて漏水位置(信号発生位置)を特定する。
【0003】
データ解析装置がデータ収集装置から漏水音を取得する方式には、リアルタイム方式と、ロガー方式とがある。リアルタイム方式は、有線または無線によってリアルタイムにデータ収集装置からデータ解析装置へ送信する方式である。ロガー方式は、データ収集装置が漏水音の取得結果を記憶し、取得完了後に当該取得結果をデータ解析装置へ出力する方式である。リアルタイムに送信する方式は、無線は環境によって通信できないことがあり、有線は長距離敷設しなければならないため手間がかかってしまう。
【0004】
一方で、ロガー方式は、漏水音の収集時に通信を要しないものの、漏水位置の探知精度を上げるには時間差が重要な要因となる。このため、各データ収集装置の録音開始時刻を合わせることを要する。そこで、各データ収集装置のセンサの取付け前と、録音データを回収する際の時刻差を測定し、開始時刻を補正する方法が知られている。また、高精度な発振器を使用することにより、各データ収集装置の録音開始時刻を合わせることも知られている。さらに、GPS(Global Positioning System)の時刻情報を使用して、各データ収集装置の発振器の時刻を同期させることにより、各データ収集装置の録音開始時刻を合わせる方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、ロガー方式において簡単な構成で迅速且つ高精度に漏水位置(信号発生位置)を特定することができないといった問題があった。具体的には、録音開始時刻を補正する方法では、時刻差を測定および補正するための専用の装置が必要となってしまうという問題があった。また、高精度の発振器を使用する方法では、高精度な発振器が高価であるばかりか、大型化しまうことや、消費電力が増大してしまうという問題があった。また、GPSの時刻情報を使用する方法は、GPS信号を受信できる環境でなければならず、さらに、GPS信号と発振器とを同期させるのに数分の時間を要してしまう、といった問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような技術的背景に鑑みてなされたものであり、ロガー方式において簡単な構成で迅速且つ高精度に信号発生位置を特定することができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様であるデータ収集装置は、所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング部と、前記サンプリングの開始時刻を設定する設定部と、外部の装置から基準信号を受信する基準信号受信部と、所定の時間間隔で計時し、自装置の時刻信号を発生させる時刻信号発生部と、前記基準信号が示す時刻と、前記基準信号受信部が前記基準信号を受信した時点において前記時刻信号発生部が示す時刻とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成部と、前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作部と、前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御部と、を備えるデータ収集装置である。
【0009】
また、本発明の一態様である信号発生位置特定システムは、複数のデータ収集装置と、データ解析装置と、を有する信号発生位置特定システムであって、前記複数のデータ収集装置のそれぞれは、所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング部と、前記サンプリングの開始時刻を設定する設定部と、前記データ解析装置から送信された基準信号を受信する基準信号受信部と、所定の時間間隔で計時し、自装置の時刻信号を発生させる時刻信号発生部と、前記基準信号が示す時刻と、前記基準信号受信部が前記基準信号を受信した時点において前記時刻信号発生部が示す時刻とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成部と、前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作部と、前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記データ記憶部に記憶された前記収集データを出力するデータ出力部と、を備え、前記データ解析装置は、前記基準信号を発生させる基準信号発生部と、前記基準信号発生部が発生させた前記基準信号を送信する基準信号送信部と、前記データ収集装置から出力された前記収集データを取得するデータ取得部と、前記データ取得部によって取得された前記収集データに基づいて、前記信号の発生位置を特定するデータ解析部と、を備える信号発生位置特定システムである。
【0010】
また、本発明の一態様であるデータ収集方法は、データ収集装置が、所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング工程と、前記サンプリングの開始時刻を設定する設定工程と、外部の装置から基準信号を取得する基準信号取得工程と、所定の時間間隔で生成された自装置の時刻信号を受信する時刻信号受信工程と、所定の時間間隔で計時し、自装置の時刻信号を発生させる時刻信号発生工程と、前記基準信号が示す時刻と、前記基準信号受信工程にて前記基準信号を受信した時点において前記時刻信号発生工程にて発生させた時刻とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成工程と、前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作工程と、前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御工程と、を含む処理を実行するデータ収集方法である。
【0011】
また、本発明の一態様である信号発生位置特定方法は、複数のデータ収集装置と、データ解析装置と、を有する信号発生位置特定システムの信号発生位置特定方法であって、データ収集装置が、所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング工程と、前記サンプリングの開始時刻を設定する設定工程と、前記データ解析装置から出力された基準信号を取得する基準信号取得工程と、所定の時間間隔で生成された自装置の時刻信号を受信する時刻信号受信工程と、所定の時間間隔で計時し、自装置の時刻信号を発生させる時刻信号発生工程と、前記基準信号が示す時刻と、前記基準信号受信工程にて前記基準信号を受信した時点において前記時刻信号発生工程にて発生させた時刻とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成工程と、前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作工程と、前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御工程と、前記データ記憶部に記憶された前記収集データを出力するデータ出力工程と、を含む処理を実行し、前記データ解析装置が、前記基準信号を発生させる基準信号発生工程と、前記基準信号発生工程において発生させた前記基準信号を送信する基準信号送信工程と、前記データ収集装置から出力された前記収集データを取得するデータ取得工程と、前記データ取得工程において取得された前記収集データに基づいて、前記信号の発生位置を特定するデータ解析工程と、を含む処理を実行する信号発生位置特定方法である。
【0012】
また、本発明の一態様であるプログラムは、データ収集装置のコンピュータを、所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング部、前記サンプリングの開始時刻を設定する設定部、外部の装置から基準信号を受信する基準信号受信部、所定の時間間隔で計時し、自装置の時刻信号を発生させる時刻信号発生部、前記基準信号が示す時刻と、前記基準信号受信部が前記基準信号を受信した時点において前記時刻信号発生部が示す時刻とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成部、前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作部、前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御部、として機能させるプログラムである。
【0013】
また、本発明の一態様であるプログラムは、複数のデータ収集装置と、データ解析装置と、を有する信号発生位置特定システムのプログラムであって、前記複数のデータ収集装置のそれぞれを、所定の位置で観測された信号をサンプリングするサンプリング部、前記サンプリングの開始時刻を設定する設定部、前記データ解析装置から出力された基準信号を受信する基準信号受信部、所定の時間間隔で計時し、自装置の時刻信号を発生させる時刻信号発生部、前記基準信号が示す時刻と、前記基準信号受信部が前記基準信号を受信した時点において前記時刻信号発生部が示す時刻とに基づいて、パラメータ値を生成する加工パラメータ生成部、前記パラメータ値に基づいて、前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて、前記基準信号が示す時刻に同期して前記サンプリングを開始させる周期動作部、前記サンプリングに基づく収集データをデータ記憶部に記憶させる記憶制御部、前記データ記憶部に記憶された前記収集データを出力するデータ出力部、として機能させ、前記データ解析装置のコンピュータを、前記基準信号を発生させる基準信号発生部、前記基準信号発生部が発生させた前記基準信号を送信する基準信号送信部、前記データ収集装置から出力された前記収集データを取得するデータ取得部、前記データ取得部によって取得された前記収集データに基づいて、前記信号の発生位置を特定するデータ解析部、として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、ロガー方式において簡単な構成で迅速且つ高精度信号発生位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る信号発生位置特定システム1の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】基準信号の周期と時刻信号の周期との偏差による信号波形の偏差を表す模式図である。
【
図3】本実施形態に係るデータ収集装置10による線形補間処理を表す模式図である。
【
図4】本実施形態に係るデータ収集装置10の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係るデータ解析装置20の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】データ収集装置10が行うタイミング同期処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7A】周期動作部105が行うサンプリング制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7B】サンプリング部108が行うサンプリング処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】データ収集装置10が行うデータ加工処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】データ収集装置10が行うデータ送信処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
[信号発生位置特定システムの全体構成]
以下、信号発生位置特定システム1の全体構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る信号発生位置特定システム1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、信号発生位置特定システム1は、複数のデータ収集装置10と、データ解析装置20と、センサ30とを備える。
【0018】
センサ30は、発生した弾性波を検知する。センサ30は、少なくとも2つの観測地点に配置される。信号発生位置特定システム1は、センサ30によって観測された弾性波を解析することによって、当該弾性波の発生位置を特定するためのシステムである。信号発生位置特定システム1は、例えば、水道やガス等の配管に沿って複数個所に設置されたセンサ30(音センサ等)から音波を取得することによって、漏水やガス漏れ等の発生位置を特定することが可能である。なお、発生位置を効率よく特定するためには、センサ30は、配管に沿って、例えば、網状かつ固定的に配置されるのが望ましい。
【0019】
データ収集装置10は、例えば、漏水探知機等の情報処理装置である。複数のデータ収集装置10は、例えば、複数個所に設置されたセンサ30の近傍にそれぞれ設置される。データ収集装置10は、近傍のセンサ30から入力信号を取得する。入力信号は、近傍のセンサ30によって観測された弾性波の信号波形を示すアナログ信号である。なお、
図1において、データ収集装置10およびセンサ30は、2つ示しているが、3つ以上であってもよい。また、センサ30は、データ収集装置10に付属して設けられることに限らず、データ収集装置10に具備されていてもよい。
【0020】
また、データ収集装置10は、配置場所に配置される前に、データ解析装置20から所定の時間間隔(以下「第1の時間間隔」という。)で出力される基準信号を受信する。基準信号は、データ解析装置20によって計時された現在時刻を示す信号である。データ収集装置10は、受信した基準信号が示す時刻と、当該基準信号を受信した時点において発生させた時刻信号が示す時刻との偏差、に基づいてパラメータ値を生成する。
【0021】
また、データ収集装置10は、所定の時間間隔(以下「第2の時間間隔」という。)で現在時刻を計時し、時刻信号を発生させる。時刻信号は、データ収集装置10によって計時された現在時刻を示す信号である。データ収集装置10は、時刻信号を上記パラメータ値で補正し、基準信号に同期したタイミング(以下、「同期タイミング」という。)で動作する。これにより、複数のデータ収集装置10は、相互に同期したタイミングで動作し続けることになる。また、データ収集装置10は、データ解析装置から受信した録音開始時刻を設定する。同期タイミングの設定および録音開始時刻の設定が完了すると、作業スタッフによって、複数のデータ収集装置10は、それぞれ、所定の配置場所に配置される。
【0022】
データ収集装置10は、所定の配置場所に配置されると、録音開始時刻まで待機する。データ収集装置10は、録音開始時刻になると、取得したアナログ信号に対して、同期タイミングに基づいてサンプリングを開始することにより、デジタル化されたサンプリングデータを生成する。また、データ収集装置10は、生成したサンプリングデータに対して、上記パラメータ値に基づいて、補間処理(例えば、線形補間処理等)を行う。これにより、データ収集装置10は、補間処理がなされたサンプリングデータ(以下、「補間処理済みデータ」という。)を生成する。補間処理済みデータは、データ解析装置20に記憶される。補間処理済みデータは、収集データの一例である。
【0023】
録音が完了すると、作業スタッフによって、複数のデータ収集装置10は、それぞれ回収される。データ収集装置10は、回収されると、生成した補間処理済みデータをデータ解析装置20へ出力する。データ収集装置10とデータ解析装置20とは、有線または無線により通信を行う。データ収集装置10は、通信によって、補間処理済みデータをデータ解析装置20へ出力する。
【0024】
データ解析装置20は、例えば、マイクロコンピュータ、産業用コンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレット型端末等の情報処理装置である。データ解析装置20は、第1の時間間隔で上述した基準信号を発生させる。データ解析装置20は、発生させた基準信号をデータ収集装置10へ送信する。
【0025】
また、データ解析装置20は、各データ収集装置10からそれぞれ補間処理済みデータを受信すると、受信した各補間処理済みデータに基づいて信号波形をそれぞれ復元する。データ解析装置20は、復元した複数の信号波形の偏差に基づいて解析を行い、弾性波の発生位置を特定する。なお、特定した結果を示す情報は、外部の装置に出力されてもよいし、データ解析装置20が備える不図示のディスプレイに出力されてもよい。
【0026】
[データ収集装置10が行う補間処理について]
次に、
図2~
図4を用いて、データ収集装置10が行う補間処理について説明する。
図2は、基準信号の周期と時刻信号の周期との偏差による信号波形の偏差を表す模式図である。
図2(A)において、実線の縦線は、データ解析装置20から出力される基準信号の周期を表すものとする。また、破線の縦線は、ある1つのデータ収集装置10(以下、「データ収集装置10a」という。)が発生させる時刻信号の周期を表すものとする。また、一点鎖線の縦線は、もう1つのデータ収集装置10(以下、「データ収集装置10b」という。)が発生させる時刻信号の周期を表すものとする。
【0027】
図2(A)に示す例において、データ収集装置10aの時刻信号の周期は、基準信号の周期よりも短い。すなわち、データ収集装置10aが備えるクロックは、データ解析装置20が備えるクロックよりも速い。また、データ収集装置10bの時刻信号の周期は、基準信号の周期よりも長い。すなわち、データ収集装置10bが備えるクロックは、データ解析装置20が備えるクロックよりも遅い。このように、基準信号に基づく時刻と、データ収集装置10aの時刻信号に基づく時刻と、データ収集装置10bの時刻信号に基づく時刻との間には、偏差が存在する。このような偏差が補正されることなくデータ解析装置20によってサンプリングデータから復元された場合における信号波形の一例を
図2(B)に示す。
【0028】
図2(B)は、データ収集装置10a、10bの各時刻信号に基づくサンプリングデータが、データ解析装置20のクロックに基づいて(すなわち、基準信号の周期に基づいて)復元された信号波形を示す。
図2(B)に示す波形は、
図2(A)に示す実際の入力信号の波形とは異なる波形であり、すなわち、実際の波形とは異なる波形に復元されることを示している。
図2(B)において、破線の波形は、データ収集装置10aのサンプリングデータに基づいて復元された信号波形を表す。一方、一点鎖線の波形は、データ収集装置10bのサンプリングデータに基づいて復元された信号波形を表す。
【0029】
例えば、音波である場合には、データ収集装置10aのサンプリングデータに基づいて復元された音は、実際に音の発生箇所において発生した音よりも低い音になる。また、データ収集装置10bのサンプリングデータに基づいて復元された音は、実際に音の発生箇所において発生した音よりも高い音になる。このように、例え同じ音が観測されたとしても、復元された音にはずれ(偏差)が生じる。
【0030】
これに対し、本実施形態に係るデータ収集装置10は、復元する信号波形の偏差を無くすように補間処理を行うようにしている。
図3は、本実施形態に係るデータ収集装置10による線形補間処理を表す模式図である。
図3において、実線の縦線は、データ解析装置20から出力される基準信号の周期を表すものとする。また、破線の縦線は、ある1つのデータ収集装置10が発生させる時刻信号の周期を表すものとする。
図3に示すように、データ収集装置10の時刻信号の周期は、基準信号の周期よりも短い。また、
図3に示す信号波形は、時刻信号の周期に対応するサンプリングデータによって復元された波形を示す。
【0031】
データ収集装置10は、基準信号に基づく時刻と、自己のデータ収集装置10が発生する時刻信号に基づく時刻と、の偏差により、データ解析装置20が備えるクロックと、自己のデータ収集装置10が備えるクロックと、の偏差を検出する。
図3に示すように、データ収集装置10は、検出したクロックの偏差に基づいて、基準信号の周期に対応するサンプリングデータの値を、例えば線形補間処理等の補間処理によって生成する。
【0032】
そして、データ収集装置10は、補間処理済みデータをメモリに記憶し、所定の配置場所から回収されると、データ解析装置20からの送信要求(データ送信開始コマンド)に応じて、記憶している補間処理済みデータをデータ解析装置20へ送信する。これにより、データ解析装置20は、基準信号の周期に統一されたサンプリングデータを各データ収集装置10から取得する。そして、データ解析装置20は、クロックの偏差が補正されたサンプリングデータに基づいて信号波形のずれ(偏差)を解析する。これにより、データ解析装置20は、弾性波の発生位置を正確に特定することができる。
【0033】
[データ収集装置の構成]
以下、データ収集装置10の機能構成について説明する。
図4は、本実施形態に係るデータ収集装置10の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、データ収集装置10は、時刻信号発生部101と、基準信号受信部102と、加工パラメータ生成部103と、加工パラメータ記憶部104と、周期動作部105と、時刻カウンタ106と、信号受信部107と、サンプリング部108と、入力バッファ109と、データ加工部110と、記憶バッファ111と、データ記憶部112と、送信バッファ113と、データ送信部114とを備える。
【0034】
時刻信号発生部101は、時刻信号取得部の一例である。時刻信号発生部101は、第2の時間間隔で生成された自装置の時刻信号を取得する。具体的には、時刻信号発生部101は、時刻(以下「第2の時刻」という場合がある。)を計時する。時刻信号発生部101は、例えば、セラミック発信子や水晶振動子等の発振子を備え、第2の時間間隔で、計時された時刻を示す時刻信号を生成し、生成した時刻信号を、加工パラメータ生成部103、周期動作部105、およびサンプリング部108へ出力する。第2の時間間隔は、例えば1μs(マイクロ秒)である。
【0035】
基準信号受信部102は、基準信号取得部の一例である。基準信号受信部102は、外部の装置から基準信号を取得する。外部の装置は、例えば、データ解析装置20である。ただし、外部の装置は、データ解析装置20とは異なる装置でもよい。基準信号受信部102は、データ解析装置20と通信接続するための通信インターフェースである。基準信号受信部102は、有線または無線によってデータ解析装置20と通信接続する。基準信号受信部102は、データ解析装置20およびデータ収集装置10が通信できる状態において、データ解析装置20から第1の時間間隔で送信される基準信号を受信する。基準信号は、データ解析装置20によって第1の時間間隔で計時された時刻(以下「第1の時刻」という場合がある。)を示す信号である。第1の時間間隔は、例えば、1s(秒)である。基準信号受信部102は、受信した基準信号を加工パラメータ生成部103および時刻カウンタ106へ出力する。
【0036】
加工パラメータ生成部103は、基準信号受信部102によって基準信号が第1の時間間隔で受信されると、第1の時間間隔と、時刻信号発生部101によって時刻信号が生成される第2の時間間隔とのずれを算出する。加工パラメータ生成部103は、当該ずれを複数回算出し、さらに平均値を算出し、当該平均値をパラメータ値として、加工パラメータ記憶部104に記憶させる。
【0037】
パラメータ値の生成について具体的に説明する。加工パラメータ生成部103は、基準信号受信部102から出力される基準信号を第1の時間間隔(例えば、1s)で取得する。また、加工パラメータ生成部103は、時刻信号発生部101から出力される時刻信号を第2の時間間隔(例えば1μs)で取得する。加工パラメータ生成部103は、取得した基準信号が示す時刻(第1の時刻)と、基準信号を取得した時点において取得した時刻信号が示す時刻(第2の時刻)と、に基づいてパラメータ値を生成する。加工パラメータ生成部103は、生成したパラメータ値を加工パラメータ記憶部104に格納する。
【0038】
パラメータ値は、例えば、加工パラメータ生成部103が取得した基準信号が示す時刻と、基準信号を取得した時点において取得した時刻信号が示す時刻と、の偏差を示す値(単位:ppm(Parts Per Million))である。なお、加工パラメータ生成部103が、基準信号を取得した時点で、時刻信号発生部101に対して時刻信号を出力するように要求することによって、時刻信号を取得する構成であってもよい。
【0039】
加工パラメータ記憶部104は、加工パラメータ生成部103によって生成されたパラメータ値を記憶する。なお、加工パラメータ記憶部104に記憶されたパラメータ値は、例えば、データ加工部110によって読み取りが行われた時点で削除されてもよい。加工パラメータ記憶部104は、例えば、RAM、フラッシュメモリ、EEPROM、HDD等の記憶媒体、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせとすればよい。
【0040】
周期動作部105は、時刻信号発生部101から出力された時刻信号が示す第2の時刻を、加工パラメータ記憶部104に記憶されるパラメータ値で補正する。これにより、周期動作部105は、第1の時刻に同期したタイミング(1秒周期)で動作し続ける。このため、各データ収集装置10の周期動作部105は、それぞれ第1の時刻に同期したタイミングで動作することになる。同期に要する時間は、10~20秒程度である。
【0041】
また、基準信号受信部102は、基準信号が示す現在時刻を時刻カウンタ106へ出力する。時刻カウンタ106は、基準信号に基づいて現在時刻を設定する。これにより、時刻カウンタ106は、基準信号が示す現在時刻(第1の時刻)に基づいて計時することが可能になる。なお、時刻カウンタ106が高精度なものであれば、すなわち、現在時刻を高精度に計時することができるものであれば、基準信号が示す現在時刻に基づく計時を行わなくてもよい。
【0042】
また、時刻カウンタ106は、サンプリングの開始時刻(録音開始時刻)を設定する。時刻カウンタ106は、設定部の一例である。時刻カウンタ106は、作業スタッフによって入力された録音開始時刻を設定する。作業スタッフによる録音開始時刻の入力対象の装置は、例えば、データ解析装置20である。データ収集装置10は、データ解析装置20に入力された録音開始時刻をデータ解析装置20から受信し、受信した録音開始時刻を時刻カウンタ106に設定する。時刻カウンタ106は、現在時刻を示す時刻情報と、録音開始時刻を示す時刻情報とに基づいて計時する。なお、作業スタッフによる録音開始時刻の入力対象の装置は、データ収集装置10としてもよい。
【0043】
信号受信部107は、センサ30と通信接続するための通信インターフェースである。信号受信部107は、無線または有線の通信路を介して、センサ30と通信接続する。信号受信部107は、センサ30から常時出力される、弾性波の信号波形を示すアナログ信号を受信する。信号受信部107は、常時受信するアナログ信号をサンプリング部108へ常時出力する。
【0044】
時刻カウンタ106は、録音開始時刻になると、周期動作部105に起動信号を送信する。なお、時刻カウンタ106は、時刻信号発生部101とは別の発振器で動作しているため、基準信号に同期していない。周期動作部105は、起動信号を受信している場合、サンプリング部108にサンプリングの開始指示を行う。各データ収集装置10の周期動作部105は、それぞれ同期しているため、各データ収集装置10間で同時刻に録音(サンプリング)を開始させることができる。
【0045】
サンプリング部108は、周期動作部105からサンプリングの開始指示があると、信号受信部107から出力されるアナログ信号を取得する。サンプリング部108は、アナログ信号に対してサンプリングを行うことにより、サンプリングデータを生成する。サンプリングデータは、例えば、第2の時間間隔ごとの時刻と、信号波形のレベルが量子化された値と、が対応付けられたデータである。
【0046】
サンプリング部108は、アナログ信号を時刻信号発生部101の時刻信号でサンプリングし、入力バッファ109に出力する。入力バッファ109は、サンプリング部108によって生成されたサンプリングデータを記憶する。なお、入力バッファ109に記憶されたサンプリングデータは、例えば、データ加工部110によって読み取りが行われた時点で削除されてもよい。入力バッファ109は、例えば、RAM(Random Access read/write Memory;読み書き可能なメモリ)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、及びHDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせとすればよい。
【0047】
ここで、サンプリング部108によってサンプリングされるサンプリング周波数は、時刻信号発生部101で生成されたクロックを使用しているため、データ収集装置10間で微妙にずれることになる。このずれを補正するために、データ加工部110は、補間処理を行う。具体的には、データ加工部110は、入力バッファ109に記憶されたデータを、加工パラメータ記憶部104に記憶されたパラメータ値を用いて補間処理し、記憶バッファ111に出力する。
【0048】
データ加工部110は、記憶制御部の一例である。データ加工部110は、入力バッファ109に記憶されたサンプリングデータを取得する。データ加工部110は、例えば、入力バッファ109に記憶されたサンプリングデータのデータ量が所定のデータ量に達した時点で、サンプリングデータを取得する。なお、データ加工部110が、所定の時間間隔でサンプリングデータを取得する構成であってもよい。
【0049】
また、データ加工部110は、加工パラメータ記憶部104に記憶されたパラメータ値を取得する。データ加工部110は、例えば、入力バッファ109に記憶されたサンプリングデータを取得した時点で、パラメータ値を取得する。データ加工部110は、パラメータ値に基づいて、サンプリングデータを補間処理することにより、補間処理済みデータを生成する。データ加工部110は、生成した補間処理済みデータを記憶バッファ111に格納する。
【0050】
なお、補間処理済みデータは、例えば、基準信号に基づく時刻と、補間処理によって算出された信号波形のレベルを示す値と、が対応付けられたデータである。具体的に補足すると、データ加工部110は、例えば、時刻信号に基づく時刻と信号波形のレベルを示す値とが対応付けられたサンプリングデータと、パラメータ値が示す値との偏差に基づいて、基準信号に基づく時刻に対応する信号波形のレベルを示す値を補間処理によって算出する。なお、補間処理は、例えば、線形補間による補間処理であるが、これに限らず、多項式補間による補間処理や、標本化定理による補間処理としてもよい。
【0051】
記憶バッファ111は、データ加工部110によって補間処理された補間処理済みデータを一時的に蓄積し、データ記憶部112に出力する。データ記憶部112は、記憶バッファ111から出力された補間処理済みデータを記憶する。データ収集装置10は、所定の録音時間が経過すると、録音(サンプリング)を終了し、通信待機状態になる。録音時間は、作業スタッフによって予め設定される時間(例えば、1~5分程度)とするが、これに限らず、データ収集装置10の回収後に作業スタッフから所定の操作を受け付けるまでの時間としてもよい。記憶バッファ111およびデータ記憶部112は、それぞれ、例えば、RAM、フラッシュメモリ、EEPROM、HDD等の記憶媒体、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせとすればよい。
【0052】
送信バッファ113は、データ記憶部112に記憶される補間処理済みデータを記憶する。なお、送信バッファ113に記憶された補間処理済みデータは、例えば、データ送信部114によって送信された時点で削除されてもよい。送信バッファ113は、例えば、RAM、フラッシュメモリ、EEPROM、HDD等の記憶媒体、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせとすればよい。
【0053】
データ送信部114は、データ出力部の一例である。データ送信部114は、データ解析装置20と通信接続するための通信インターフェースである。データ送信部114は、例えば、有線または無線によってデータ解析装置20と通信接続する。データ収集装置10がデータ解析装置20からデータ送信開始コマンドを受信すると、データ送信部114は、補間処理済みデータをデータ解析装置20に送信する。なお、補間処理済みデータは、データ解析装置20へ送信されることに限らず、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の所定の記憶媒体に記憶されて、データ解析装置20に読み取られるようにしてもよい。すなわち、補間処理済みデータの出力態様は、送信による出力態様に限らず、所定の記憶部への書き込みによる出力態様としてもよい。
【0054】
[データ解析装置の構成]
次に、データ解析装置20の機能構成について説明する。
図5は、本実施形態に係るデータ解析装置20の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、データ解析装置20は、基準信号発生部201と、基準信号送信部202と、データ受信部203と、データ記憶部204と、データ解析部205とを備える。
【0055】
基準信号発生部201は、時刻(第1の時刻)を計時する。基準信号発生部201は、例えばセラミック発信子や水晶振動子等の発振子を備え、第1の時間間隔(例えば、1秒)で、計時された時刻を示す基準信号を生成し、生成された基準信号を基準信号送信部202へ出力する。
【0056】
基準信号送信部202は、基準信号出力部の一例である。基準信号送信部202は、複数のデータ収集装置10とそれぞれ通信接続するための通信インターフェースである。基準信号送信部202は、有線または無線によって各データ収集装置10とそれぞれ通信接続する。基準信号送信部202は、基準信号発生部201によって第1の時間間隔で生成された基準信号を取得する。基準信号送信部202は、取得した基準信号を第1の時間間隔で各データ収集装置10へ送信する。
【0057】
また、基準信号送信部202は、作業スタッフから受け付けた録音開始時刻を示す時刻情報をそれぞれ複数のデータ収集装置10へ送信する。すなわち、データ解析装置20は、作業スタッフから録音開始時刻を受け付け、受け付けた録音開始時刻を示す時刻情報を、データ収集装置10へ送信する。
【0058】
データ受信部203は、複数のデータ収集装置10とそれぞれ通信接続するための通信インターフェースである。データ受信部203は、有線または無線によって各データ収集装置10とそれぞれ通信接続する。データ解析装置20がデータ収集装置10に補間処理済みデータの送信要求を行うと、データ受信部203は、各データ収集装置10から補間処理済みデータがそれぞれ送信されて、補間処理済みデータを受信する。データ受信部203は、受信したそれぞれの補間処理済みデータをデータ記憶部204に格納する。
【0059】
データ記憶部204は、データ受信部203が受信した補間処理済みデータを記憶する。なお、データ記憶部204に記憶された補間処理済みデータは、例えば、データ解析部205によって読み取りが行われた時点で削除されてもよい。データ記憶部204は、例えば、RAM、フラッシュメモリ、EEPROM、HDD等の記憶媒体、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせとすればよい。
【0060】
データ解析部205は、データ記憶部204に記憶された、複数のデータ収集装置10から送信された補間処理済みデータをそれぞれ取得する。なお、データ解析部205が補間処理済みデータを取得するタイミングは任意である。当該タイミングは、例えば、作業スタッフが弾性波の発生位置の特定を所望するタイミングであり、具体的には、作業スタッフの操作に応じたタイミングである。
【0061】
データ解析部205は、取得した複数の補間処理済みデータを解析することにより、弾性波(信号)の発生位置を特定する。具体的には、データ解析部205は、取得した複数の補間処理済みデータから信号波形をそれぞれ復元する。そして、データ解析部205は、復元した複数の信号波形のずれ(偏差)に基づいて、弾性波の発生位置を特定する。
【0062】
[データ収集装置10が行うタイミング同期処理]
次に、
図6~
図10を用いて、データ収集装置10が行う処理について説明する。
図6は、データ収集装置10が行うタイミング同期処理の一例を示すフローチャートである。
図6において、データ収集装置10は、データ解析装置20から第1の時間間隔(1秒)で送信される基準信号を基準信号受信部102が受信したか否かを判断する(ステップS101)。データ収集装置10は、基準信号受信部102が基準信号を受信するまで待機する(ステップS101:NO)。
【0063】
一方、基準信号受信部102が基準信号を受信した場合(ステップS101:YES)、加工パラメータ生成部103は、データ収集装置10によって基準信号が示す時刻と、基準信号を取得した時点において取得した時刻信号であって時刻信号発生部101が生成した時刻信号が示す時刻と、のずれを計測する(ステップS102)。そして、加工パラメータ生成部103は、計測した時刻のずれを格納する(ステップS103)。例えば、加工パラメータ生成部103は、直近の10個分のデータを格納する。
【0064】
次に、データ収集装置10は、基準信号受信部102がデータ解析装置20から録音開始時刻を示す時刻情報を受信したか否かを判断する(ステップS104)。データ収集装置10は、基準信号受信部102が録音開始時刻を示す時刻情報を受信しない場合(ステップS104:NO)、ステップS101の処理に戻る。一方、基準信号受信部102が録音開始時刻を示す時刻情報を受信した場合(ステップS104:YES)、時刻カウンタ106は、録音開始時刻を設定する(ステップS105)。
【0065】
そして、加工パラメータ生成部103は、格納した複数のずれの平均値をパラメータ値として算出する(ステップS106)。そして、加工パラメータ生成部103は、算出したパラメータ値を加工パラメータ記憶部104に記憶させ(ステップS107)、一連の処理を終了する。
【0066】
[周期動作部105が行うサンプリング制御処理]
図7Aは、周期動作部105が行うサンプリング制御処理の一例を示すフローチャートである。
図7Aにおいて、周期動作部105は、録音開始までの待機中に、時刻信号発生部101が所定の時間間隔で生成した時刻信号(パラメータ値で補正され第1の時刻に同期した第2の時刻)を取得したか否かを判断する(ステップS201)。周期動作部105は、時刻信号を取得するまで待機する(ステップS201:NO)。
【0067】
一方、周期動作部105が時刻信号を取得すると(ステップS201:YES)、周期動作部105は、時刻カウンタ106から起動信号を受信したか否かを判断する(ステップS202)。周期動作部105は、時刻カウンタ106から起動信号を受信していない場合(ステップS202:NO)、言い換えれば、起動信号のフラグが立っていない場合、加工パラメータ記憶部104に記憶されるパラメータ値を使用して次に呼び出される第2の時刻(同期タイミング)を設定し(ステップS203)、ステップS201の処理に戻る。
【0068】
一方、周期動作部105は、時刻カウンタ106から起動信号を受信した場合(ステップS202:YES)、言い換えれば、起動信号のフラグが立っている場合、サンプリング部108にサンプリング開始信号を出力する(ステップS204)。
【0069】
そして、周期動作部105は、録音中に、時刻信号発生部101が所定の時間間隔で生成した時刻信号(第1の時刻に同期したパラメータ値で補正された第2の時刻)を取得したか否かを判断する(ステップS205)。周期動作部105は、時刻信号を取得するまで待機する(ステップS205:NO)。周期動作部105は、時刻信号を取得すると(ステップS205:YES)、録音(サンプリング)を終了するか否かを判断する(ステップS206)。なお、ステップS206の判断は、例えば、予め設定される録音時間が経過したか否かの判断である。
【0070】
録音を終了しない場合(ステップS206:NO)、周期動作部105は、加工パラメータ記憶部104に記憶されるパラメータ値を使用して次に呼び出される第2の時刻(同期タイミング)を設定し(ステップS207)、ステップS205の処理に戻る。これにより、周期動作部105は、基準信号に同期させて、サンプリング部108によるサンプリングの開始および終了を制御することができるため、各データ収集装置10間で録音時間の長さを合わせることができる。一方、ステップ206において、録音を終了する場合(ステップS206:YES)、データ収集装置10は、一連の処理を終了する。
【0071】
[サンプリング部108が行うサンプリング処理]
図7Bは、サンプリング部108が行うサンプリング処理の一例を示すフローチャートである。
図7Bにおいて、サンプリング部108は、周期動作部105から出力されるサンプリング開始信号を取得したか否かを判断する(ステップS211)。サンプリング部108は、サンプリング開始信号を取得するまで待機する(ステップS211:NO)。サンプリング開始信号を取得すると(ステップS211:YES)、サンプリング部108は、サンプリングの実行を終了するか否かを判断する(ステップS212)。なお、ステップS212の判断は、具体的には、周期動作部105が行うステップS206(
図7A参照)の処理に基づく判断である。
【0072】
サンプリングの実行を終了しない場合(ステップS212:NO)、サンプリング部108は、時刻信号発生部101が所定の時間間隔で生成した時刻信号を取得したか否かを判断する(ステップS213)。サンプリング部108は、時刻信号を取得しない場合(ステップS213:NO)、ステップS212の処理に戻る。一方、時刻信号を取得すると(ステップS213:YES)、サンプリング部108は、時刻信号を取得した時点における、アナログ信号に基づく信号波形のレベルを計測する(ステップS214)。
【0073】
そして、サンプリング部108は、取得した時刻信号が示す時刻と信号波形のレベルを示す値とが対応付けられたサンプリングデータを生成し、生成したサンプリングデータを、入力バッファ109に格納し(ステップS215)、ステップS212の処理に戻る。ステップS212において、サンプリングの実行を終了する場合(ステップS212:YES)、データ収集装置10は、一連の処理を終了する。これにより、サンプリング部108は、基準信号に同期させて、サンプリングを開始および終了するため、各データ収集装置10間で録音時間の長さを合わせることができる。
【0074】
[データ収集装置10が行うデータ加工処理]
図8は、データ収集装置10が行うデータ加工処理の一例を示すフローチャートである。
図8において、データ加工部110は、入力バッファ109に記憶されたサンプリングデータのデータ量を確認する(ステップS301)。そして、データ加工部110は、入力バッファ109に記憶されたサンプリングデータのデータ量が所定のデータ量に達したか否かを判断する(ステップS302)。所定のデータ量に達していない場合(ステップS302:NO)、データ加工部110は、ステップS301に戻り、サンプリングデータのデータ量の確認を継続する。
【0075】
一方、入力バッファ109に記憶されたサンプリングデータのデータ量が所定のデータ量に達した場合(ステップS302:Yes)、データ加工部110は、入力バッファ109に記憶されたサンプリングデータを取得するとともに、加工パラメータ記憶部104に記憶されているパラメータ値を取得する(ステップS303)。
【0076】
そして、データ加工部110は、パラメータ値に基づいて、サンプリングデータを補間する補間処理を実行する(ステップS304)。次に、データ加工部110は、補間処理によって生成された補間処理済みデータを記憶バッファ111に一時的に蓄積した後、データ記憶部112に格納する(ステップS305)。
【0077】
そして、データ加工部110は、補間処理の実行を終了するか否かを判断する(ステップS306)。なお、ステップS306の判断は、例えば、予め設定される録音時間が経過したか否かの判断である。補間処理の実行を終了しない場合(ステップS306:NO)、データ収集装置10は、ステップS301に戻る。一方、補間処理の実行を終了する場合(ステップS306:YES)、データ収集装置10、一連の処理を終了する。
【0078】
[データ収集装置10が行うデータ送信処理]
図9は、データ収集装置10が行うデータ送信処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示す処理は、作業スタッフによってデータ収集装置10が配置場所から回収された後の処理であり、具体的には、データ収集装置10がデータ解析装置20の近くに配置されて、データ収集装置10とデータ解析装置20との通信が可能な状態となった際の処理を示す。
【0079】
図9において、データ収集装置10は、データ解析装置20からデータ送信開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS401)。データ収集装置10は、データ送信開始コマンドを受信するまで待機し(ステップS401:NO)、データ送信開始コマンドを受信すると(ステップS401:YES)、データ送信部114は、データ記憶部112に記憶されている補間処理済みデータを、送信バッファ113を介して取得する(ステップS402)。そして、データ送信部114は、取得した補間処理済みデータをデータ解析装置20へ送信し(ステップS403)、一連の処理を終了する。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係るデータ収集装置10は、基準信号に基づいて時刻信号が示す時刻を補正するとともに、開始時刻になると、補正した時刻信号に基づいてアナログ信号のサンプリングを開始させる。これにより、各データ収集装置10の周期動作部105を、それぞれ基準信号に同期したタイミングで動作させて、それぞれ同時刻に録音(サンプリング)を開始させることができる。そして、データ解析装置20は、録音された補間処理済みデータから信号波形を復元し、復元した複数の信号波形のずれ(偏差)に基づいて、弾性波の発生位置を特定することができる。このため、録音開始時刻の時刻差を測定および補正するための専用の装置や、高精度の発振器や、GPSの時刻情報などを用いなくても、各データ収集装置10の録音開始時刻を合わせることができる。これにより、ロガー方式において、各データ収集装置10で、簡単の構成で迅速且つ高精度に録音開始時刻を合わせることができる。したがって、ロガー方式において、簡単の構成で迅速且つ高精度に漏水位置(信号発生位置)を特定することができる。
【0081】
また、本実施形態に係るデータ収集装置10において、時刻カウンタ106は、基準信号に基づいて現在時刻を設定する。これにより、時刻カウンタ106は、基準信号が示す現在時刻(第1の時刻)に基づいて計時することが可能になる。したがって、各データ収集装置10間の録音開始時刻をより精度よく合わせることできる。
【0082】
また、本実施形態に係るデータ収集装置10において、時刻カウンタ106は、データ解析装置20から取得した開始時刻を示す時刻情報に基づいて開始時刻を設定する。これにより、各データ収集装置10間の録音開始時刻をより精度よく合わせることできる。
【0083】
また、本実施形態に係る信号発生位置特定システム1は、複数のデータ収集装置10と、データ解析装置20とを備え、データ解析装置20が、データ収集装置10から出力された収集データに基づいて、弾性波の発生位置を特定する。ロガー方式において、簡単の構成で迅速且つ高精度に漏水位置(信号発生位置)を特定することができる。
【0084】
なお、上述した実施形態におけるデータ収集装置10及びデータ解析装置20の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して、この記憶媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、データ収集装置10及びデータ解析装置20に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵される、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、及びハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0085】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信回線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0086】
また、上述した実施形態におけるデータ収集装置10及びデータ解析装置20の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。データ収集装置10及びデータ解析装置20の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0087】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明してきたが、上記実施形態は本発明の例示に過ぎず、本発明が上記実施形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本発明の技術思想及び要旨を逸脱しない範囲で構成要素の追加、省略、置換、及びその他の変更を行ってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…信号発生位置特定システム、10…データ収集装置、20…データ解析装置、101…時刻信号発生部、102…基準信号受信部、103…加工パラメータ生成部、104…加工パラメータ記憶部、105…周期動作部、106…時刻カウンタ、107…信号受信部、108…サンプリング部、109…入力バッファ、110…データ加工部、111…記憶バッファ、112…データ記憶部、113…送信バッファ、114…データ送信部、201…基準信号発生部、202…基準信号送信部、203…データ受信部、204…データ記憶部、205…データ解析部
【要約】
【課題】ロガー方式において簡単な構成で迅速且つ高精度に信号発生位置を特定すること。
【解決手段】データ収集装置は、サンプリング部108と、時刻カウンタ106と、基準信号受信部102と、時刻信号発生部101と、周期動作部105と、データ記憶部112とを備える。サンプリング部108は、所定の位置で観測された信号をサンプリングする。時刻カウンタ106は、サンプリングの開始時刻を設定する。基準信号受信部102は、データ解析装置から基準信号を取得する。時刻信号発生部101は、自装置の時刻信号を取得する。周期動作部105は、前記基準信号に基づいて前記時刻信号が示す時刻を補正するとともに、前記開始時刻になると、補正した時刻に基づいて前記サンプリングを開始させる。データ記憶部112は、前記サンプリングに基づく収集データを記憶する。
【選択図】
図4