(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-19
(45)【発行日】2023-10-27
(54)【発明の名称】装着機、測定装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20231020BHJP
【FI】
H05K13/08 A
(21)【出願番号】P 2022171561
(22)【出願日】2022-10-26
(62)【分割の表示】P 2021113463の分割
【原出願日】2015-07-15
【審査請求日】2022-10-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】弁理士法人中部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 利幸
(72)【発明者】
【氏名】岩島 賢史
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-179600(JP,A)
【文献】特開2006-165432(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品の電気的特性を測定する測定装置を備えた装着機であって、
前記測定装置は、
本体と、
前記本体に設けられ、吸着ノズルにより測定位置まで搬送された部品の電気的特性を、前記部品が前記吸着ノズルから開放された状態で測定する一対の測定子と、
前記本体に設けられ、廃棄通路と連通可能な第1の開口と、
前記廃棄通路を介して前記一対の測定子により測定された後の前記部品を収容するごみ箱と、
前記本体に固定的に設けられた部材に設けられ、前記一対の測定子により測定された後の前記部品を前記ごみ箱に収容するためのエアを噴出する
第2の開口と、
を備え、
前記ごみ箱と前記
第2の開口とが、
上下方向から見た場合に、前記測定位置を挟んで配置されたことを特徴とする装着機。
【請求項2】
前記ごみ箱と前記
第2の開口とが、前記第2の開口から噴出されるエアの噴出方向において並んで配置されたことを特徴とする請求項1に記載の装着機。
【請求項3】
装着機の装置本体に搭載された測定装置であって、
本体と、
前記本体に設けられ、測定位置で部品の電気的特性を測定する一対の測定子と、
前記本体に設けられ、廃棄通路と連通可能な第1の開口と、
前記廃棄通路を介して前記一対の測定子により測定された後の前記部品を収容するごみ箱と、
前記本体に固定的に設けられた部材に設けられ、前記一対の測定子により測定された後の前記部品を前記ごみ箱に収容するためのエアを 噴出する
第2の開口と、
を備え、
前記ごみ箱と前記
第2の開口とが
上下方向から見た場合に、前記測定位置を挟んで配置されたことを特徴とする測定装置 。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に装着される部品の検査を行う装着機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献2,3には、プローブを備え、そのプローブの接触により部品の電気的特性を測定する検査装置が記載されている。特許文献1には、保持台に載置させられた部品を両端から挟んで電気的特性を測定する検査装置が記載されている。この検査装置において、送風口部28から保持台のV溝に沿ってエアが供給され、そのV溝上にある測定後の部品が導入口部7´へ送られる。そして、不良品は廃棄され、良品は回路基板への装着に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公昭52-30703号公報
【文献】実開平1-76100号公報
【文献】国際公開第2014/155657パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、部品の電気的特性を自動で測定可能な装着機において、電気的特性の測定後、部品をごみ箱に良好に収容することである。
【課題を解決するための手段、作用および効果】
【0005】
本発明に係る装着機は、測定位置で部品の電気的特性を測定する一対の測定子と、一対の測定子により測定された後の部品を収容するごみ箱と、一対の測定子により測定された後の部品をごみ箱に収容するためのエアを噴出する開口とを備えたものである。また、本装着機において、ごみ箱と開口とが測定位置を挟んで配置される。
このように、ごみ箱と開口とが測定位置を挟んで配置された装着機において、電気的特性が測定された後の部品をごみ箱に収容するために開口からエアが噴出されるため、電気的特性が測定された後の部品をごみ箱に良好に収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態である検査装置を含む装着機の斜視図である。
【
図6】上記装着機の制御装置を概念的に示す図である。
【
図7】(a)上記制御装置の記憶部に記憶されたLCR測定プログラムを表すフローチャートである。(b)上記検査装置においてLCRが測定される場合のタイムチャートである。
【
図8】上記制御装置の記憶部に記憶された部品適正判定プログラムを表すフローチャートである。
【
図9】上記検査装置の作動を示す図である。(a)初期状態を示す図であり、(b)クランプ状態を示す図であり、(c)測定状態を示す図であり、(d)廃棄状態を示す図である。
【
図10】上記検査装置の
図2とは異なる角度から見た斜視図である。
【発明の実施形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態である検査装置を含む装着機について図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示す装着機は、部品を回路基板に装着するものであり、装置本体2,回路基板搬送保持装置4,部品供給装置6,ヘッド移動装置8等を含む。
回路基板搬送保持装置4は、回路基板P(以下、基板Pと略称する)を水平な姿勢で搬送して保持するものであり、
図1において、基板Pの搬送方向をx方向、基板Pの幅方向をy方向、基板Pの厚み方向をz方向とする。y方向、z方向は、それぞれ、装着機の前後方向、上下方向である。これら、x方向、y方向、z方向は互いに直交する。部品供給装置6は、基板Pに装着される電子部品(以下、部品と略称する)sを供給するものであり、複数のテープフィーダ14等を含む。ヘッド移動装置8は、装着ヘッド16を保持してx、y、z方向へ移動させるものであり、装着ヘッド16は、部品sを吸着して保持する吸着ノズル18を有する。
【0008】
また、符号20はカメラを示す。カメラ20は、吸着ノズル18によって保持された部品sを撮像するものであり、カメラ20によって撮像された画像に基づいて、部品sが回路基板Pに装着される予定のものであるか否かが判定される。符号22は検査装置を示す。検査装置22は、部品sの電気的特性を測定して、検査するものである。部品sの電気的特性が測定され、測定された電気的特性が、JOB情報に含まれる部品sに関する情報(電気的特性)と一致するか否か、すなわち、次の作業に用いられる予定の部品sが備えた電気的特性と一致するか否かが判定されるのである。
部品sの電気的特性としては、L(インダクタンス)、C(キャパシタンス)、R(レジスタンス)、Z′(インピーダンス)等が該当し、検査装置22によってこれらのうちの1つ以上が測定される。
【0009】
検査装置22は、ごみ箱26を介して回路基板搬送保持装置4の本体に設けられる。ごみ箱26と検査装置22とは廃棄通路28によって接続されるが、電気的特性が測定された部品sが、廃棄通路28を経てごみ箱26に収容される。検査装置22は、ごみ箱26に高さ調整可能に設けられる。
図2,10に示すように、ごみ箱26には、昇降可能にベース部30が係合させられ、ベース部30に本体29がボルトおよびナットを含む締結部31(
図3,4,10参照)によって固定され、これらベース部30および本体29が一体的に昇降可能に保持される。また、本体29、ベース部30には、それぞれ、廃棄通路28と連通可能な開口29a、30aが設けられる(
図3,4参照)。
検査装置22は、
図2~4,10に示すように、(i)上記本体29およびベース部30、(ii)部品sを保持可能な保持台32、(iii)固定子34および可動子36から成る一対の測定子37、(iv)保持台32を移動させる保持台移動装置40、(v)可動子36を固定子34に対して接近・離間させる可動子移動装置41、(vi)電気的特性検出部としてのLCR検出部42等を含む。本実施例において、部品sは、両端部に電極を有し、一対の測定子37によって把持可能なものとすることができる。部品sとしては、例えば、角チップと称するものが該当する。
【0010】
保持台32は、部品載置部44と、部品載置部44を保持する載置部保持体46とを含む。部品載置部44の上面にはV溝44cが形成され、部品sが載せられる。V形状とされているため、部品sの位置が精度よく決まる。
部品載置部44は、導電性、耐摩耗性を有し、かつ、酸化が進み難い材料で製造されたものとすることができる。部品載置部44は、複数の導電性を有する部材を介してベース部30に電気的に接続されるが、ベース部30が接地されることにより、部品載置部44も接地される。本実施例においては、部品載置部44が載置部保持体46に当接し、かつ、締結部47によって固定されるとともに、載置部保持体46が本体29にストッパ80(
図3参照)を介して当接し、本体29がベース部30に締結部31によって固定される。そして、載置部保持体46、ストッパ80、本体29、ベース部30、締結部31、47等は導電性を有するものである。したがって、部品載置部44は接地されるのである。
このように、部品載置部44が導電性を有する材料で製造され、かつ、接地されることにより、部品載置部44に載置させられた部品sの除電を行うことができる。また、部品載置部44が、耐摩耗性を有する材料で製造されることにより、部品載置部44の摩耗を抑制し、耐久性を向上させることができる。さらに、酸化が進み難い材料、すなわち、金属の酸化被膜である不動態皮膜が形成され得る材料で製造されることにより、部品載置部44が錆び難くすることができる。錆が部品sに付き難くすること等ができ、部品sの電気的特性の測定精度の低下を抑制することができる。例えば、部品載置部44は、アルミニウム合金またはステンレス材料等によって製造されたものとすることができる。
【0011】
固定子34、可動子36は、それぞれ、互いに対向する対向面34f、36fを有し、これら一対の対向面34f、36fによって部品sが把持される。固定子34は固定子保持体55を介して本体29に固定される。可動子36は、可動子保持体56に一体的に移動可能に保持されたものであり、固定子34に対して接近・離間可能とされる。本実施例において、対向面36fは、断面が三角形状を成し、V溝44cに沿って移動可能とされる。換言すれば、可動子36の対向面36fの形状は、ほぼV溝44cに対応する形状とされ、可動子36の対向面36f、固定子34の対向面34fおよび保持台32のV溝44cは、ほぼ同一高さに位置する。そのため、部品sがV溝44c内のいずれにあっても、一対の対向面34f、36fによって部品sが把持可能とされる。
また、可動子36は、本実施例において、y方向(移動方向)に伸びた長手部材であり、後退端において可動子保持体56に保持される。さらに、対向面36fを含む先端部より後部は、先端部よりx方向にはみ出す部分を有さない形状を成す。その結果、保持台32と可動子36とは互いに相対移動可能とされ、保持台32は、V溝44の底部が可動子36を下方に位置する状態で、対向面36fの前方へ移動したり後方へ移動したりすることが可能である。
さらに、可動子36と固定子34とから成る一対の測定子37、LCR検出部42、図示を省略する電源装置等を含む電気回路58が形成される。これら固定子34と可動子36との間に電流が供給されるとともに流れた電流が検出され、これらの関係に基づいて部品sの電気的特性がLCR検出部42によって測定される。LCR検出部42は、L,C,Rを検出する検出部に限らず、L,C,R,Z´等の電気的特性を表す物理量の1つ以上を検出するものとすることができる。なお、
図2~4の符号58a、bは、一対の測定子37の電気回路58への接続部である。
【0012】
保持台32にはカバー部50が取り付けられる。カバー部50は、互いにx方向に隔たって、V溝44cの両側にそれぞれ設けられた一対のカバー用板部52,54を含む。カバー用板部52,54は、それぞれ、保持台32の固定子34側に設けられ、y方向およびz方向、すなわち、保持台32、可動子36の移動方向および上下方向に伸びたものであり、板状部材が曲げられた形状を成す。カバー用板部52は、平面視において溝形を成し、底板部52aと、それの両側に、x方向に隔たって設けられた側板部52b、52cとを含む。底板部52aは、下部が曲げられた形状を成し、側面視においてL字形を成し、上部において部品載置部44の固定子34側の側面に取り付けられる。また、保持台32の前進端位置において、底板部52の下部が固定子保持体55の上方に位置し、側板部52bが固定子34の外側、かつ、固定子保持体55の上方に位置し、側板部52cが側板部52bより外側であって、固定子保持体55の外側に位置する。側板部52cは、側板部52bより上下方向の寸法が大きいものであり、下端部が本体29の開口29a付近まで伸びる。カバー用板部54は、V溝44cに対してカバー用板部52の反対側の載置部保持体46に取り付けられる。カバー用板部54は、保持台32の前進端位置において、固定子保持体55の外側に位置する。カバー用板部54は、上下方向に曲げられた形状を成し、下端部が本体29の開口29a付近まで伸びたものである。
また、側板部52c、カバー用板部54のy方向の寸法は、固定子34と可動子36とが互いに離間させられる場合の少なくとも一時期に一対の対向面34f、36fの間の空間のほぼ全体をx方向から覆い得る大きさとされる。
なお、カバー部50は、後述するように、エアの拡散を防止するとともに、エアの噴出によって落下させられた部品sの飛散を防止する機能を果たす。
【0013】
固定子側の部材{例えば、固定子34の上部または固定子保持体55の固定子34の上方の部分または本体29}には、可動子36の対向面36fに対向するエア通路60の開口60aが形成される。エア通路60は、
図3に示すように概してy方向に伸びたエア噴出通路60s、本体29に形成された内部通路60h等を含む。エア噴出通路60sは、可動子36に近づくにつれて下方へいく向きに傾斜して伸び、可動子36が固定子34から離間した位置にある場合に、延長線kが可動子36の対向面36fの部分Rの上方または部分R内に達する状態で伸びたものである。部分Rは、可動子36の対向面36fの部品sを把持する頻度が高い部分であり、把持部と称することができる。エアは、対向面36fの延長線kが交差する部分に、斜め上方から当たる。
エア通路60には、エアシリンダ64,70が接続される。また、エア通路60のエアシリンダ64,70の下流側の部分にはイオナイザ62が設けられる。イオナイザ62は、コロナ放電を生起させて空気をイオン化するものであり、対向面36fにイオン化された空気が供給され得る。
【0014】
保持台移動装置40は、本体29またはベース部30に固定的に設けられた駆動源としてのエアシリンダ64を含む。エアシリンダ64のピストンロッド66(
図5参照)には載置部保持体46が連結される。エアシリンダ64は、シリンダハウジングの内部にピストンによって仕切られた2つのエア室64a、64bを含み、2つのエア室64a、64bとエア源68、エア通路60、フィルタ(大気)との間に電磁弁装置69が設けられる。電磁弁装置69は、1つ以上の電磁弁、例えば、
図5に示すように、方向切換弁、可変絞りを含むものとすることができる。方向切換弁により、載置部保持体46の移動方向が制御され、可変絞りにより載置部保持体46の移動・停止が制御される。電磁弁装置69によって、エア室64bがエア源68に連通させられエア室64aがエア通路60に連通させられることにより、保持台32が前進(
図3の矢印F方向の移動)させられ、エア室64bが大気に開放されエア室64aがエア源68に連通させられることにより、保持台32が後退(
図3の矢印B方向の移動)させられる。
【0015】
可動子移動装置41は、本体29に固定的に設けられた駆動源としてのエアシリンダ70を含む。エアシリンダ70のピストンロッド71には可動子と一体的に移動可能な可動子保持体56が連結される。エアシリンダ70のハウジングの内部にピストンによって仕切られた2つのエア室70a、70bには、電磁弁装置72を介して、エア源68、エア通路60、フィルタ(大気)に接続される。電磁弁装置72は、1つ以上の電磁弁を含むものであり、例えば、方向切換弁、可変絞り等を含むものとすることができる。電磁弁装置72により、エア室70bがエア通路60に連通させられエア室70aがエア源68に連通させられることにより、可動子36が後退させられ、エア室70aが大気に開放されエア室70bがエア源68に連通させられることにより、可動子36が前進させられる。
本実施例においては、エアシリンダ64,70、エア通路60(エア噴出通路60sを含む)、開口60a、カバー部50、イオナイザ62等によりエア供給装置73が構成される。エア供給装置73は、可動子供給部、駆動源連動型供給部でもある。また、対向面36fが供給対象面に対応する。
なお、電磁弁装置69,72の構造は、本実施例のそれに限らない。例えば、1つの3位置弁を含むものとしたり、複数の開閉弁を含むものとしたりすること等ができる。また、イオナイザ62を設けることは不可欠ではない。
【0016】
可動子保持体56と本体29との間には、y方向に伸びた一対のガイドロッド74,75が設けられ、保持台32と可動子保持体56との間には、y方向に伸びた一対のガイドロッド76,77が設けられる。ガイドロッド74,75の一端部は、可動子保持体56に連結され、他端部は、本体29に摺動可能に係合させられる。ガイドロッド76,77は、一端部において載置部保持体46に連結されるとともに、可動子保持体56に摺動可能に係合させられる。これらガイドロッド74,75、76,77により保持台32と可動子36とは本体29に対して、y方向に互いに相対移動可能とされるとともに、保持台32と可動子36とは互いにy方向に相対移動可能とされる。
また、
図3に示すように、可動子保持体56の固定子側にはストッパ82が設けられ、本体29の固定子保持体55を保持する部分にはストッパ80が設けられる。ストッパ82は、可動子保持体56と保持台32(載置部保持体46)との接近限度を規定するものであり、ストッパ80は、固定子34(本体29)と保持台32(載置部保持体46)との接近限度を規定するものである。
本実施例において、ガイドロッド74~77は、保持台移動装置40、可動子移動装置41に共有され、ストッパ80,82は保持台移動装置40の構成要素であると考えることができる。
なお、
図3に示すように、可動子36が後退端位置にある場合のストッパ82の前端部と、保持台32が前進端位置にある場合の載置部保持体46との間の隙間Ldが、可動子36と保持台32との相対移動が許容される距離である。
【0017】
当該装着機は制御装置100を含む。制御装置100は、
図6に示すように、コンピュータを主体とするコントローラ102と、複数の駆動回路104とを含む。コントローラ102は、実行部110、記憶部112、入出力部114等を含み、入出力部114には、基板搬送保持装置4、部品供給装置6、ヘッド移動装置8が、それぞれ、駆動回路104を介して接続されるとともに、可動子移動装置41、保持台移動装置40の電磁弁装置69,72等が接続される。また、LCR検出部42、ディスプレイ116、可動子位置センサ118、保持台位置センサ120、ノズル18の高さを検出するノズル高さセンサ122等が接続される。記憶部112には、
図7(a)のフローチャートで表されるLCR検出プログラム等の複数のプログラム、テーブルが記憶されている。また、コントローラ102に設けられたタイマ124によって時間の計測が行われる。
なお、本実施例においては、制御装置100によって装着機全体が制御される場合について説明したが、基板搬送保持装置4、部品供給装置6、ヘッド移動装置8等がそれぞれ互いに個別の制御装置によって制御されるようにすることもできる。
【0018】
以下、装着機の作動について説明する。
段取り替えが行われる場合等、新たなテープフィーダ14のセット、テープフィーダ14の交換等が行われた場合等に、そのテープフィーダ14に保持された部品sの電気的特性が測定され、そのテープフィーダ14(または部品s)が適切なものであるか否かが検査される。また、その検査結果がディスプレイ116に表示される。不適切である場合には、テープフィーダ14が取り替えられる。
【0019】
部品sの電気的特性は、
図7(a)のフローチャートで表されるLCR測定プログラムの実行により測定される。また、保持台32、可動子36の動き、保持台位置センサ120、可動子位置センサ118の状態を
図7(b)に示す。
検査装置22は、常には、
図9(a)に示す初期状態にある。可動子36は後退端位置にあり、保持台32は前進端位置、すなわち、ストッパ80に当接した位置にある。この状態において、保持台32は、内部導通等によりアースされた状態にある。保持台32のV溝44cの上方に可動子36が存在せず、部品sを載置可能な状態にある。また、カバー部50は固定子34の両側(x方向に隔たって)に位置する。可動子位置センサ118、保持台位置センサ120は、いずれもON状態にある。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、部品sの電気的特性の測定指令が出されたか否かが判定される。段取り替えが行われる場合等には電気的特性の測定指令が出される。測定指令が出されると、S2において、装着ヘッド16が移動させられ、例えば、新たに取り付けられたテープフィーダ14に保持された部品sが吸着ノズル18によってピックアップされて、保持台32のV溝44c上に載せられる。吸着ノズル18が下降させられ、部品sが開放されることにより、部品sがV溝44c上に載置させられたことがわかる。
【0020】
そして、吸着ノズル18が部品sをV溝44c上に載置させて上昇端に達したことがノズル高さセンサ122によって検出されると、S3において、電磁弁装置72の制御により可動子36が前進させられ、可動子位置センサ118がONからOFFに切り換えられる。可動子36の先端の対向面36fは、部品載置部44のV溝44cに沿って前進させられ、対向面36fと固定子34の対向面34fとによって部品sがクランプされる{
図9(b)}。本実施例においては、後退端位置から部品sをクランプするまでの可動子36のストロークL
1(
図3参照)は、クランプされる部品sの大きさ等で決まり、予め決められている。可動子36の前進開始時から、可動子36がストロークL
1前進するまでに要する時間である前進時間が経過した後に、可変絞りの制御等により、可動子36の前進が停止させられる。前進時間は、タイマ124によって計測される。この保持台32が前進端位置にあり、可動子36が前進させられ、一対の対向面34f、36fにより部品sがクランプされた状態がクランプ状態である。
【0021】
S4において、電磁弁装置69の制御により保持台32が後退させられ、保持台位置センサ120がONからOFFに切り換えられる。保持台32は、ストッパ82に当接するまで後退させられ{
図9(c)}、その位置で保持される。その間の保持台32のストロークはL
2(
図3参照)である。
L
2=Ld-L
1
本実施例においては、ストロークL
2は設定値Lx以上の大きさとされていて(L
2≧Lx)、部品載置部44が部品sから設定値Lx以上離間させられる。導電性を有する部材(部品載置部44)が電気的特性の測定時に部品sの近傍に位置すると静電誘導が起きたり、渦電流が生じたりする等、電気的特性を正確に検出することができない。それに対して、部品載置部44を部品sから設定値Lx以上離間させれば(部品載置部44と部品sとの最短距離が設定値Lx以上とすれば)、部品載置部44が部品sの近傍に位置することに起因して生じる電気的特性の測定誤差を小さくすることができる。このように、設定値Lxは、部品載置部44が部品sの電気的特性の測定に影響を及ぼし難い距離であり、予め実験等により取得された値である。この状態が測定状態である。
なお、保持台32の後退開始時から、保持台32がストロークL
2後退するのに要する時間である後退時間Taが経過した後に、電磁弁装置69の制御により保持台32の位置が保持される。後退時間Taは、タイマ124によって計測される。
【0022】
S5において、吸着ノズル18により部品sが開放され、V溝44c上に載せられた時から、設定時間である除電時間が経過するのが待たれる。テープフィーダ14に保持された部品sの各々は、テープフィーダ14の運搬に伴う振動、物との接触等に起因して生じた静電気により帯電した状態にある。この帯電された部品sが、導電性を有する材料で製造され、かつ、アースされた部品載置部44に載置されることにより除電されたり、空気中への放電により除電されたりする。除電時間は、部品sが有していると推定される容量の静電気を除去するのに要する時間であり、予め実験等により求めたり、部品sの大きさ、特性等に基づいて理論的に求めたりすること等ができる。部品sが部品保持台44に載せられてからの経過時間が除電時間に達すると、S5の判定がYESとなり、S6において部品sの電気的特性が測定される。
そして、電気的特性の測定に要する時間である測定時間が経過すると、S7が実行されるのであるが、測定時間は部品sの種類等によって決まる時間としても、一定の時間としてもよい。いずれにしても予め取得されて記憶されている。
【0023】
測定時間が経過し、部品sの電気的特性の測定が終了すると、S7において、電磁弁装置72の制御により可動子36が後退させられる。後退端に達すると、可動子位置センサ118がONとなる。S8において、電磁弁装置69の制御により、保持台32が後退させられる{
図9(d)}。保持台32が測定状態から後退端位置にある可動子36のストッパ82に当接するまでのストロークはL
1である。そのため、保持台32がストロークL
1後退するのに要する時間である後退時間Tbが経過した後に、ストッパ82に当接したとわかる。
図9(d)に示すように、保持台32は、可動子36の対向面36fより後方に位置し、一対の対向面34f、36fの間の下方に存在しない。この状態が廃棄状態である。
保持台32がストッパ82に当接するまで後退させられると、S9において、電磁弁装置69の制御により、エアシリンダ64においてエア室64bがエア源68に連通させられ、エア室64aがエア通路60に連通させられる。保持台32が前進させられ、ストッパ80に当たると保持台位置センサ120がONとなる。保持台32は、一対の対向面34f、36fの間に位置し(V溝44が対向面34f、36fの間の下方に位置し)、V溝44cの上方が空間とされている。そのため、部品sが載置可能とされる。この状態が初期状態である。
【0024】
可動子36の対向面36fが固定子34の対向面34fから離間することにより、これらの間に把持されていた部品sが開放される。また、可動子36の後退時には、エアシリンダ70のエア室70aがエア通路60に連通させられ、カバー用板部52,54は、それぞれ、一対の対向面34f、36fの間の空間のx方向の両側に位置する。さらに、保持台32が可動子36の対向面36fの後方に移動させられることにより、一対の対向面34f、36fの間の下方に存在しなくなり、一対の対向面34f、36fの間は、開口29a、30a、廃棄通路28に連通させられる。
可動子36の後退に伴って、エア室70aから流出させられたエアが開口60aから可動子36の対向面36fに斜め上方から供給されるが、エアが供給される空間、換言すれば、一対の対向面34f、36fの間の空間が、カバー部50によってx方向から覆われる。エアは、主として対向面36fに当たった後、対向面36fに沿って下方へ流れる。そのため、仮に、対向面36fから部品sが落下せず、部分Rに付着していても、それを良好に落下させることができる。また、エアは、カバー部50の内部を渦状に流れるため、仮に、固定子34の対向面34fに部品sが付着していたとしても落下させることができる。さらに、対向面34f、36fから落下して保持台32の上に載った部品sもエアにより落下させ得るが、仮に、V溝44上に部品sが載って、エアにより落下しなかった場合であっても、保持台32の後退に伴う可動子36の対向面36fの前進により確実に落下させることができる。このように、本実施例において、廃棄状態は、部品sが良好に落下させられた状態と考えることができる。
なお、一対の対向面34f、36fから落下した部品sは、開口29a、30a、廃棄通路28を経て良好にごみ箱26へ収容される。
【0025】
また、カバー部50を設けることにより、落下した部品sが飛び散らないようにすることもできる。カバー用板部52の側板部52c、カバー用板部54の下端部は本体29の開口29aの近傍まで伸びているため、部品sを良好に開口29aから廃棄通路28を経てごみ箱26へ収容させることができる。一方、イオン化されたエアが供給される場合には可動子36、固定子34の対向面36f、34fを電気的に中和させることが可能となり、次の部品sの電気的特性の測定精度を向上させることができる。
さらに、エアシリンダ64において、保持台32の前進時(S9)にエア室64aがエア噴出通路60sに連通させられる。廃棄状態から初期状態へ移行する場合にも、可動子36の対向面36fにエアを供給することができるのであり、可動子36の対向面36fの除電を良好に行うことが可能となる。
【0026】
一方、測定された電気的特性とJOB情報に含まれる電気的特性とが比較され、当該部品sが、これから行われる作業(JOB)に用いられるべきものであるかどうかが判定され、その判定結果がディスプレイ116に表示される。
S21において、当該部品sの電気的特性の測定値が取得され、S22において、次のJOBのJOB情報から対応する情報が読み込まれる。S23において、これらが比較され、一致するかどうかが判定される。一致する場合であっても不一致の場合であっても、判定結果はディスプレイ116に表示される。仮に、不一致の場合には、適切なテープフィーダと交換される等の作業が行われる。
【0027】
以上のように、本実施例においては、部品載置部44が導電性を有する材料で製造されるとともに接地される。その結果、電気的特性の測定前に部品載置部44に載せられた部品sの除電を良好に行うことができる。一方、部品sが帯電していると、部品sのインピーダンスを測定することが困難であった。それに対して、本実施例においては、部品sの除電が良好に行われるため、部品sのインピーダンスを良好に測定することができる。
さらに、可動子36の後退と並行して部品sを廃棄通路28に落下させることができるのであり、可動子の後退と、部品sの送出とを別の工程で行われる場合に比較して、電気的特性の測定に要する時間を短くすることができる。
【0028】
以上のように、本実施例においては、コントローラ102のLCR測定プログラムのS4,7,8を記憶する部分、実行する部分、タイマ124、可動子位置センサ118、保持台位置センサ120等により移動制御装置、相対移動制御装置が構成される。また、そのうちの、S4を記憶する部分、実行する部分等により測定時制御部が構成され、S8を記憶する部分、実行する部分等により廃棄時制御部が構成され、S9を記憶する部分、実行する部分等により準備時制御部が構成される。移動制御装置は、保持台移動制御装置、相対移動制御部でもある。
また、エアシリンダ70が可動子用シリンダに対応し、エアシリンダ64が保持台用シリンダに対応する。エア供給装置73は、可動子供給部、駆動源連動型供給部でもある。さらに、一対の測定子37、LCR検出部42を含む電気回路58、コントローラ102のS6を記憶する部分、実行する部分等により電気的特性取得装置が構成される。
さらに、S3がクランプ工程に対応し、S4、6が測定工程に対応し、S7,8が廃棄工程に対応し、S9が準備工程に対応する。
【0029】
なお、一対の測定子の両方を移動可能とし、保持台を本体に固定とすることもできる。その場合であっても、保持台上に載せられた部品sを一対の測定子が把持し、一対の測定子が移動させられることにより、部品sから保持台を設定値以上離間させることができる。
また、保持台は、上下方向へ移動可能とすることもできる。その場合であっても、部品sが一対の測定子によってクランプされた状態で、保持台を部品sから設定値以上離間させることができる。
さらに、エア噴出通路を検査装置22の本体29の側部に、概してx方向に開く開口を有する状態で設けることもできる。換言すれば、カバー用板部52,54のいずれか一方をなくし(例えば、カバー用板部54をなくし)、そのなくした側に、x方向に開口を有するエア噴出通路を設けることができる。その結果、エアは、対向面34f、36f(xz方向に伸びた面)に沿って、カバー用板部52に向かって供給されることになり、それにより、一対の対向面34f、36fに付着した部品sを落とすことが可能となる。
また、部品sの電気的特性の測定後に、保持台32を可動子36の後退に伴って後退させる(例えば、同時に後退させる)ことも可能である。この保持台32および可動子36が後退させられる状態を廃棄状態とすることもできる。
さらに、可動子位置センサ118、保持台位置センサ120は不可欠ではない。例えば、タイマ124による計測により電磁弁装置69,72を制御することもできる。また、エア供給装置も不可欠ではない等、本発明は、前記実施形態に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0030】
22:検査装置 26:ごみ箱 28:廃棄通路 29:本体 29a:開口 30:ベース部 30a:開口 31:締結部 32:保持台 34:固定子 36:可動子 34f,36f:対向面 40:保持台移動装置 41:可動子移動装置 42:LCR検出部 44:部品載置部 44c:V溝 50:カバー部 72:エア供給装置 100:制御装置 118:可動子位置センサ118:保持台位置センサ 124:タイマ
【特許請求可能な発明】
【0031】
(1)部品供給装置によって供給された部品をピックアップして回路基板に装着する装着機に含まれる検査装置であって、
部品を保持可能な保持台と、
互いに接近・離間可能とされるとともに、前記部品を挟んでその部品の電気的特性を測定可能な一対の測定子と、
前記保持台を移動させる保持台移動装置と、
その保持台移動装置を制御する保持台移動制御装置とを含み、かつ、前記保持台移動制御装置が、前記一対の測定子が前記保持台に保持された前記部品を把持するクランプ状態から、前記保持台を前記部品から設定値以上離間させて、前記部品の電気的特性を測定可能な測定状態とする測定時制御部を含むことを特徴とする検査装置。
保持台は、一対の測定子の接近・離間方向と平行な方向に移動可能としても、交差する方向に移動可能としてもよい。設定値は、例えば、保持台が導電性を有するものである場合において、保持台の影響が部品の電気的特性の測定に及び難い距離とすることができる。
(2)前記保持台を、導電性を有するものとした(1)項に記載の検査装置。
(3)前記一対の測定子が、互いに対向し、前記部品に接触可能な一対の対向面を含み、それら一対の対向面が互いに接近させられることにより前記部品を保持し、互いに離間させられることにより前記部品を放すものであり、
前記保持台移動装置が、前記測定状態から、前記保持台を移動させることにより、前記互いに離間させられた一対の対向面の間の下方に前記保持台が存在しない廃棄状態とする廃棄時制御部を含む(1)項または(2)項に記載の検査装置。
(4)前記保持台移動制御装置が、前記廃棄状態から、前記互いに離間させられた一対の対向面の間の下方へ前記保持台を移動させて、前記保持台が前記部品を保持可能な初期状態とする準備時制御部を含む(3)項に記載の検査装置。
(5)前記装着機が、前記検査装置に接続された廃棄通路を含み、当該検査装置の本体が、前記廃棄通路に連通可能な開口を有する(1)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の検査装置。
開口の位置、大きさは、少なくとも、廃棄状態において一対の対向面の間の下方に開口状態にあるように決めることができる。
(6)当該検査装置が、前記一対の測定子の間に電流を供給するとともに前記一対の測定子の間に流れる電流を検出して、前記部品の前記電気的特性を取得する電気的特性取得装置を含み、その電気的特性取得装置が、前記保持台に前記部品が載置させられた時点から設定時間以上が経過した場合に、前記部品の前記電気的特性の測定を開始する遅延型測定部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の検査装置。
設定時間は、例えば、部品の除電に要する時間である除電時間とすることができる。除電時間は、部品によって決まる時間であっても、部品に関係なく予め定められた時間であってもよい。
なお、保持台に部品が載置させられている時間を除電時間とすることもできる。
(7)前記一対の測定子が、本体に固定の固定子と、前記固定子に対して相対移動可能な可動子とを含み、
当該検査装置が、前記可動子を前記固定子に対して移動させる可動子移動装置と、その可動子移動装置を制御することにより前記一対の測定子を互いに接近・離間させる可動子移動制御部とを含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の検査装置。(8)当該検査装置が、前記可動子と前記保持台とを互いに相対移動可能に連結する連結機構を含む(7)項に記載の検査装置。
例えば、可動子は、その可動子の移動方向と平行に伸びた長手形状を成すものとすることができる。また、保持台は、可動子の先端の前方に位置する場合、後方に位置する場合がある。
(9)前記保持台が、横断面がV字状を成す溝であるV溝を有し、前記一対の測定子の少なくとも一方の先端部の横断面が前記V溝に対応する三角形状を成す(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の検査装置。
【0032】
(10)部品供給装置によって供給された部品をピックアップして、回路基板に装着する装着機に含まれる検査装置であって、
部品を保持可能な保持台と、
互いに接近・離間可能とされ、前記部品を挟んでその部品の電気的特性を測定可能な一対の測定子と、
前記一対の測定子と前記保持台とを互いに相対移動させる相対移動装置と、
その相対移動装置を制御する相対移動制御装置とを含み、かつ、前記相対移動制御装置が、前記一対の測定子が前記保持台に保持された前記部品を把持するクランプ状態から、前記部品と前記保持台とを設定値以上離間させて、前記部品の電気的特性を測定可能な測定状態とする測定時制御部を含むことを特徴とする検査装置。
本項に記載の検査装置には、(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
相対移動装置は、(a)保持台を固定、一対の測定子を移動させる装置としたり、(b)一対の測定子のうちの一方を固定、一対の測定子の他方と保持台とを移動させる装置としたりすること等ができる。(a)の場合として、例えば、保持台に保持された部品が一対の測定子によってクランプされた状態で、一対の測定子が保持台に対して相対移動させられ、部品と保持台とが設定値以上離間させられる場合が該当する。
【0033】
(11)部品供給装置によって供給された部品をピックアップして、回路基板に装着する装着機に設けられ、(i)部品を保持可能な保持台と、(ii)互いに接近・離間可能とされ、前記部品を挟んでその部品の電気的特性を測定可能な一対の測定子とを含む検査装置において前記部品の電気的特性に関する検査を行う検査方法であって、
前記保持台に保持された部品を、一対の測定子が把持するクランプ工程と、
前記一対の測定子によって把持された前記部品から前記保持台を設定値以上離間させて、前記部品の電気的特性を測定する測定工程と
を含むことを特徴とする検査方法。
本項に記載の検査方法は、(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の検査装置において実行され得る。
(12)前記測定工程の実行後に、前記一対の測定子を互いに離間させ、前記保持台を前記一対の測定子の互いに対向する対向面の間の下方領域から退避させる廃棄工程と、
前記保持台を、前記一対の測定子の互いに対向する対向面の間の下方へ侵入させて、前記部品を保持可能な初期状態とする準備工程とを含む(11)項に記載の検査方法。
廃棄工程において、一対の測定子の離間と保持台の退避とを順番に行っても、並行しておこなってもよい。
【0034】
(13)部品供給装置によって供給された部品をピックアップして、回路基板に装着する装着機に含まれる検査装置であって、
導電性を有し、部品を保持する保持台と、
前記保持台に保持された前記部品を把持するとともに、前記部品が前記保持台から離間した状態で前記部品の電気的特性を取得する電気的特性取得装置と
を含むことを特徴とする検査装置。
本項に記載の検査装置は、(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0035】
(14)前記一対の測定子が、互いに接近させられることにより、一対の対向面が前記部品を挟んで、その部品の電気的特性を測定し、互いに離間させられることにより、前記一対の対向面から前記部品を放すものであり、
当該検査装置が、それら一対の測定子が離間させられる場合に、前記一対の対向面のうちの少なくとも一方である供給対象面に、エアを供給するエア供給装置を含む(1)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の検査装置。
一対の測定子が離間させられる場合とは、互いに離間している間、離間している間の一部または全行程、離間開始時、離間終了時等が該当する。
(15)前記エア供給装置が、前記エアをイオン化するイオナイザを含み、前記イオン化されたエアを前記供給対象面に供給する(14)項に記載の検査装置。
(16)前記エア供給装置が、前記供給対象面に対向する開口を有するエア通路を含む(14)項または(15)項に記載の検査装置。
供給対象面が一対の対向面の一方である場合には、その一方の供給対象面に対向する開口が1つ設けられ、供給対象面が一対の対向面の両方である場合には、それぞれに対向して開口が2つ設けられる。
(17)前記エア通路が、前記供給対象面に近づくにつれて下方へ行く向きに傾斜したエア噴出通路を含む(16)項に記載の検査装置。
(18)前記エア噴出通路の傾斜角度が、前記エアが前記供給対象面の前記部品を把持する部分の上方に当たる角度とされた(17)項に記載の検査装置。
(19)前記一対の測定子が、本体に固定の固定子と、その固定子に接近・離間可能な可動子とを含み、
前記エア供給装置が、前記可動子が前記固定子から離間させられる場合に、前記供給対象面である前記可動子の対向面に前記エアを供給する可動子供給部を含む(14)項ないし(18)項のいずれか1つに記載の検査装置。
(20)当該検査装置が、可動子用シリンダを備え、その可動子用シリンダの作動により前記可動子を前記固定子に対して接近・離間させる可動子移動装置を含み、
前記エア供給装置が、前記可動子の前記固定子からの離間に伴って前記可動子用シリンダから流出させられるエアを前記可動子の対向面に供給する駆動源連動型供給部を含む(19)項に記載の検査装置。
(21)当該検査装置が、前記一対の対向面が離間した状態で、これらの間を覆うカバー部を含む(1)項ないし(20)項のいずれか1つに記載の検査装置。
カバー部は、一対の対向面の間の大部分を覆うものであり、一対の対向面の間の全体を覆うものとする必要は必ずしもなく、多少の隙間がある状態で覆うものであってもよい。一対の対向面が互いに離間させられる場合の少なくとも一時期に一対の対向面の間の全体を両側から覆うものとすることが望ましい。
(22)前記カバー部が、前記保持台に取り付けられ、前記保持台が後退端位置にある状態で、前記一対の対向面の間の大部分を側から覆うものである(21)項に記載の検査装置。