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  • 特許-着車位置最適化システム 図1
  • 特許-着車位置最適化システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】着車位置最適化システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20231023BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022575685
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 JP2022027631
(87)【国際公開番号】W WO2023286818
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2021116832
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】722008009
【氏名又は名称】合同会社IPマネジメント
(72)【発明者】
【氏名】吉原 和男
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-069758(JP,A)
【文献】特開2014-172704(JP,A)
【文献】特開2019-006555(JP,A)
【文献】特開2004-075317(JP,A)
【文献】特開2013-020556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配車システムを備え、
前記配車システムは、荷物の品目毎の配置先、車両の着車パースにおける着車位置、荷下ろし後の荷物を運ぶ経路が記録された地図部を備え、
車両に積載される荷物は識別部を備え、
前記識別部から荷物の品目と数量を読取り、荷物を積載する車両のナンバープレートを読み取る読取部を備える読取端末を備え、
前記読取端末は、前記読取部が読み取った荷物の品目と数量、荷物を積載する車両のナンバープレートを、荷物の送り先の物流施設の前記配車システムに通知する通知部を備え、
前記配車システムは、前記読取端末の前記通知部から通知された荷物の品目と数量、荷物を積載する車両のナンバープレートを記録する記録部を備え、
前記記録部に記録された車両に積載された荷物の品目と数量、前記地図部に記録された荷物の品目毎の配置先、着車パースにおける車両の着車位置と荷物を運ぶ経路から、車両に積載された荷物の荷下ろしにかかる時間を予測する荷下ろし時間予測部を備え、
各着車パースにおいて車両が荷下ろしを開始した時刻を記録する記録部を備え、
前記記録部に記録された車両が荷下ろしを開始した時刻と、前記荷下ろし時間予測部が予測した荷下ろし時間から、現在荷下ろしを行っている車両の荷下ろしが終わる時刻を予測する荷下ろし終了時刻予測部を備える
事を特徴とする着車位置最適化システム。
【請求項2】
前記配車システムは、物流施設に入場した車両のナンバープレートと物流施設への入場時刻を取得する入場管理部を備え、
前記入場管理部が取得した車両のナンバープレートに基づき、前記記録部に記録されている車両のナンバープレートと車両が積載している荷物の品目と数量から、車両が積載している荷物の品目と数量を割り出し、前記荷下ろし時間予測部により各着車パースにおいて車両の荷下ろしにかかる時間を予測する
事を特徴とする請求項1に記載の着車位置最適化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着車パースへの車両の着車位置によって、荷下ろし後の荷物の移動距離が変わり、荷下ろし後の荷物の移動距離が荷下ろし時間に影響を与える物流施設において、着車パースへの車両の配車を最適化する事で、荷下ろしに係る時間を短縮するための技術となる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、同一時刻に記録された車両に関する情報を対応付けて管理するための技術(デジタコ)が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-128694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
国土交通省がドライバーの長時間労働を改善すべく荷役時間・荷役作業等記録表の記録義務づけについて法律を定め、ドライバーの長時間労働を改善する取組みとして貨物車両へのデジタコの取付を推進している。また、ドライバーの長時間労働を改善する取組みとして、東京都では築地市場から月島市場への移転が行われ、荷下ろしに伴う貨物車両の渋滞が改善されたが、ドライバーの長時間労働が十分に改善されたとは、言い難い状況にある。
【0005】
このため、着車パースへの車両の着車位置によって、荷下ろし後の荷物の移動距離が変わる物流施設において着車パースへの車両の配車を最適化する事で、荷下ろし後の荷物の移動距離を減らし荷下ろし時間を短縮する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る着車位置最適化システムは配車システムを備え、前記配車システムは、荷物の品目毎の配置先、車両の着車パースにおける着車位置、荷下ろし後の荷物を運ぶ経路が記録された地図部を備え、車両に積載される荷物は識別部を備え、前記識別部から荷物の品目と数量を読取り、荷物を積載する車両のナンバープレートを読み取る読取部を備える読取端末を備え、前記読取端末の前記読取部が読み取った荷物の品目と数量、荷物を積載する車両のナンバープレートを、荷物の送り先の物流施設の前記配車システムに通知する通知部を備え、前記配車システムは、前記読取端末の前記通知部から通知された荷物の品目と数量、荷物を積載する車両のナンバープレートを記録する記録部を備え、前記記録部に記録された車両に積載された荷物の品目と数量、前記地図部に記録された荷物の品目毎の配置先、着車パースにおける車両の着車位置と荷物を運ぶ経路から、車両に積載された荷物の荷下ろしにかかる時間を予測する荷下ろし時間予測部を備え、各着車パースにおいて車両が荷下ろしを開始した時刻を記録する記録部を備え、前記記録部に記録された車両が荷下ろしを開始した時刻と、前記荷下ろし時間予測部が予測した荷下ろし時間から、現在荷下ろしを行っている車両の荷下ろしが終わる時刻を予測する荷下ろし終了時刻予測部を備える。
【0007】
前記配車システムは、物流施設に入場した車両のナンバープレートと物流施設への入場時刻を取得する入場管理部を備え、前記入場管理部が取得した車両のナンバープレートに基づき、前記記録部に記録されている車両のナンバープレートと車両が積載している荷物の品目と数量から、車両が積載している荷物の品目と数量を割り出し、前記荷下ろし時間予測部により各着車パースにおいて車両の荷下ろしにかかる時間を予測し、前記荷下ろし終了時刻予測部が予測した荷下ろしを行っている車両の荷下ろしが終わる時刻と、前記荷下ろし時間予測部が予測した各着車パースにおいて車両の荷下ろしにかかる時間、前記入場管理部が取得した車両が物流施設に入場した時刻から、車両が物流施設に入場してから荷下ろしが終了するまでにかかる時間が最適化されるよう、着車パースに車両を割当てる着車位置推奨部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る着車位置最適化システムによれば、着車パースへの車両の着車位置によって、荷下ろし後の荷物の移動距離が変わり、荷下ろし後の荷物の移動距離が荷下ろし時間に影響を与える物流施設において、荷下ろしにかかる時間を減らすのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例に係る着車位置最適化システムの概略構成を説明する図。
図2】着車位置最適化システムにおける荷物の読取から着車位置を推奨するまでの流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る着車位置最適化システムの実施例にて図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、着車位置最適化システムの概略構成を説明する図である。
【0012】
着車位置最適化システム100では、物流施設1、読取端末5が接続される。
【0013】
物流施設1は、配車システム2、地図部6、記録部7、荷下ろし時間予測部8、荷下ろし時刻終了予測部9、入場管理部10、着車位置推奨部11を含む。
【0014】
読取端末5は、読取部14、通知部15を含む。
【0015】
本発明に係る着車位置最適化システム100は、物流施設1の着車パースへの車両3の着車位置を最適化する事で、物流施設1における車両3から荷下ろし後の荷物4の移動距離を減らし、荷下ろし時間を減らす事を目的としている。目的実現のためには、物流施設内での荷物の品目毎の配置先、着車パースの位置、荷物の移動経路が示されなければならない。このため、着車位置最適化システム100は配車システム2を備え、配車システム2は、荷物4の品目毎の配置先、車両3の着車パースにおける着車位置、荷下ろし後の荷物4を運ぶ経路が記録された地図部6を備える。
【0016】
配車システム2の地図部6に記録された情報に基づき、荷下ろし後の荷物4の荷下ろしに係る時間を予測し、荷下ろしにかかる時間を減らすには、車両3に積載される荷物4の品目と数量を車両毎に把握する必要がある。このため、荷物4は識別部13を備え、識別部13から荷物4の品目と数量を読取り、荷物4を積載する車両3のナンバープレート12を読み取る読取部14を備える読取端末5を備え、読取端末5の読取部14が読み取った荷物4の品目と数量と荷物4を積載する車両3のナンバープレート12を、荷物4の送り先の物流施設1の配車システム2に通知する通知部15を備え、配車システム2は、読取端末5の通知部15から通知された荷物4の品目と数量、荷物4を積載する車両3のナンバープレート12を記録する記録部7を備える。
【0017】
配車システム2は地図部6、記録部7に記録された情報に基づき、次のように荷下ろしにかかる時間を予測する。配車システム2の記録部7に記録された車両3に積載された荷物4の品目と数量、配車システム2の地図部6に記録された荷物4の品目毎の配置先、着車パースにおける車両3の着車位置と荷物を運ぶ経路から、車両3に積載された荷物4の荷下ろしにかかる時間を予測する荷下ろし時間予測部8を備える。
【0018】
荷下ろし時間予測部8により、車両3の荷下ろしに係る時間が予測出来たため、各着車パースで車両3が荷下ろしを開始した時刻がわかれば、荷下ろしが終わる時刻を予測する事が出来る。このため、配車システム2は各着車パースにおいて、車両3が荷下ろしを開始した時刻を記録する記録部7を備え、記録部7に記録された車両3が荷下ろしを開始した時刻と、荷下ろし時間予測部8が予測した荷下ろし時間から、現在荷下ろしを行っている車両の荷下ろしが終わる時刻を予測する荷下ろし終了時刻予測部9を備える。
【0019】
荷下ろし終了時刻予測部9により、各着車パースにおける車両毎の荷下ろし終了時刻は予測出来たが、これだけでは物流施設に入場している複数の車両を最適な着車パースに割当てる事は出来ない。このため、配車システム2は物流施設1に入場した車両3のナンバープレート12と物流施設1への入場時刻を取得する入場管理部10を備え、入場管理部10が取得した車両3のナンバープレート12と、記録部7に記録されている車両3のナンバープレート12と車両3が積載している荷物4の品目と数量に基づき、車両3が積載している荷物4の品目と数量を割り出し、荷下ろし時間予測部8により各着車パースにおいて車両3の荷下ろしにかかる時間を予測し、荷下ろし終了時刻予測部9が予測した、現在荷下ろしを行っている車両の荷下ろしが終わる時刻と、荷下ろし時間予測部8が予測した各着車パースにおいて車両3の荷下ろしにかかる時間、入場管理部10が取得した車両3が物流施設1に入場した時刻から、車両3が物流施設1に入場してから荷下ろしが終了するまでにかかる時間が最適化されるよう、着車パースに車両3を割当てる着車位置推奨部11を備える。
【0020】
以下、図2に沿って、配車システム2、読取端末5の処理について説明する。S01、S02は読取端末、S03~S07は配車システムにおける処理を示す。
【0021】
S01では読取端末5の読取部14が、荷物4の識別部13から荷物4の品目と数量、車両3のナンバープレート12を取得し、S02では読取端末5の通知部15が、読取部14が読み取った荷物4の品目と数量、車両3のナンバープレート12を配送先の物流施設1の配送システム2に通知部15により通知、通知を受けた配送システム2は記録部7に荷物4の品目と数量、車両3のナンバープレート12を保存する。
【0022】
S03では、配車システム2の入場管理部10が物流施設1に入場した車両3のナンバープレート12と、入場時刻を取得し、S04では入場管理部10が取得した車両3のナンバープレート12と、記録部7に記録されている荷物4の品目と数量、車両3のナンバープレート12に基づき、車両3が積載している荷物4の品目と数量を割り出し、S05では、車両3が積載している荷物4の品目と数量に基づき、荷下ろし時間予測部8が、各着車パースにおける車両の荷下ろし時間を予測する。
【0023】
S06では、配車システム2の入場管理部10が取得した、荷下ろしを行っている車両3が着車パースで荷下ろしを開始した時刻と、荷下ろし時間予測部8が予測した荷下ろしにかかる時間から、着車パースで荷下ろしが終わり新たな車両を配車できるようになる時刻を荷下ろし終了時刻予測部9が予測する。
【0024】
S07では、配車システム2の入場管理部10が取得した車両3が物流施設1に入場した時刻、荷下ろし時間予測部8が予測した車両の荷下ろしにかかる時間、荷下ろし終了時刻予測部9が予測した、着車パースで荷下ろしが終わり新たな車両を配車出来るようになる時刻から、車両3が物流施設1に入場してから荷下ろしが終了するまでにかかる時間が最適化されるよう、着車位置推奨部11が車両を着車パースに割当てる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、着車パースへの車両の着車位置によって、荷下ろし後の荷物の移動距離が変わり、荷下ろし後の荷物の移動距離が荷下ろし時間に影響を与える物流施設において、荷下ろしにかかる時間を減らすのに好適である。
【符号の説明】
【0026】
1 物流施設
2 配車システム
3 車両
4 荷物
5 読取端末
6 地図部
7 記録部
8 荷下ろし時間予測部
9 荷下ろし終了時刻予測部
10 入場管理部
11 着車位置推奨部
12 ナンバープレート
13 識別部
14 読取部
15 通知部
図1
図2