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特許7370525動画配信システム、動画配信方法および動画配信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】動画配信システム、動画配信方法および動画配信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 13/40 20110101AFI20231023BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20231023BHJP
   H04N 21/238 20110101ALI20231023BHJP
   H04N 21/472 20110101ALI20231023BHJP
【FI】
G06T13/40
G06F3/04845
H04N21/238
H04N21/472
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022038581
(22)【出願日】2022-03-11
(62)【分割の表示】P 2021099547の分割
【原出願日】2019-04-10
(65)【公開番号】P2022082592
(43)【公開日】2022-06-02
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004015
【氏名又は名称】弁理士法人IPmarche
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】串田 夏子
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特許第6382468(JP,B1)
【文献】特開2007-328701(JP,A)
【文献】特開2003-256862(JP,A)
【文献】特表2019-532400(JP,A)
【文献】国際公開第2018/057272(WO,A1)
【文献】特許第6479933(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 13/40
G06F 3/04845
H04N 21/238
H04N 21/472
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信システムであって、一又は複数のコンピュータプロセッサを備え、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
配信ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける機能と、
前記配信ユーザの操作により指定された、前記複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する機能と
を実現させ、
前記動画を配信する機能は、動画の配信中に所定の条件が満たされた場合に、前記動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、前記一のキャラクタオブジェクトから、前記複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに自動的に変更し、
前記所定の条件は、一又は複数の視聴ユーザによる前記動画へのアクションの回数が、所定数以上であることである、動画配信システム。
【請求項2】
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、さらに、
前記動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、前記一のキャラクタオブジェクトから、前記複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに自動的に変更する際に、所定の演出を発生させる演出機能を実現させることを特徴とする請求項1に記載の動画配信システム。
【請求項3】
前記動画の配信中であっても、前記変更の最中は、前記キャラクタオブジェクトの少なくとも顔部分は、前記配信ユーザの顔部分がキャプチャされず、前記演出機能により前記所定の演出が発生されることを特徴とする請求項2に記載の動画配信システム。
【請求項4】
前記動画を配信している際の配信ユーザ用の画面には、前記キャラクタオブジェクトを切り替えるためのGUIが表示されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の動画配信システム。
【請求項5】
前記所定の条件の充足は、前記視聴ユーザによるギフティングの数が所定数以上であるか否かにより判断されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の動画配信システム。
【請求項6】
前記動画を配信する前の配信ユーザ用の画面には、少なくともキャラクタオブジェクトと第一のGUIと第二のGUIが表示される表示画面が表示され、
前記第一のGUIは、前記動画の配信を開始するためのGUIであり、
前記第二のGUIは、前記ボディパーツおよび前記装着パーツの一覧画面の表示を開始するためのGUIであり、
前記一覧画面は、前記表示画面の少なくとも一部に重畳して表示されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の動画配信システム。
【請求項7】
前記一覧画面は、第三のGUIおよび第四のGUIを含み、
前記第三のGUIは、前記ボディパーツおよび前記装着パーツのカテゴリを示し、かつ、所定の第一の方向に表示内容をスライド可能なGUIであり、
前記第四のGUIは、前記カテゴリ毎に属する前記ボディパーツおよび前記装着パーツを示し、かつ、前記第一の方向とは異なる第二の方向に表示内容をスライド可能なGUIであることを特徴とする請求項に記載の動画配信システム。
【請求項8】
前記表示画面には、前記第三のGUIが重畳して表示され、
前記第三のGUIに対する所定の配信ユーザ操作があった場合に、さらに前記第四のGUIを前記表示画面に重畳して表示させることを特徴とする請求項に記載の動画配信システム。
【請求項9】
アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信方法であって、
配信ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける工程と、
前記配信ユーザの操作により指定された、前記複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する工程と
を備え、
前記動画を配信する工程は、動画の配信中に所定の条件が満たされた場合に、前記動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、前記一のキャラクタオブジェクトから、前記複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに自動的に変更し、
前記所定の条件は、一又は複数の視聴ユーザによる前記動画へのアクションの回数が、所定数以上であることである、動画配信方法。
【請求項10】
アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信プログラムであって、
一又は複数のコンピュータプロセッサに、
配信ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける機能と、
前記配信ユーザの操作により指定された、前記複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する機能と
を実現させ、
前記動画を配信する機能は、動画の配信中に所定の条件が満たされた場合に、前記動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、前記一のキャラクタオブジェクトから、前記複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに自動的に変更し、
前記所定の条件は、一又は複数の視聴ユーザによる前記動画へのアクションの回数が、所定数以上であることである、動画配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画配信システム、動画配信方法および動画配信プログラムに関し、特に、明細書における開示は、アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信システム、動画配信方法および動画配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アクターの動きに基づいてキャラクタオブジェクトのアニメーションを生成し、かかるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信システムが知られている。このような動画配信システムは、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
コンテンツを視聴する視聴ユーザからの要求に応じて、当該視聴ユーザが購入したアイテムに対応するギフトオブジェクトを表示画面に表示させるコンテンツ配信システムも知られている。例えば、特許文献2に開示されている動画配信システムでは、視聴ユーザは、ギフトアイテムを購入し、この購入したギフトアイテムをパフォーマー(コンテンツ配信者)に対してギフトとして提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-184689号公報
【文献】特開2012-120098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような動画配信に用いられるキャラクタオブジェクトは、アクター(配信ユーザ)により動画配信の前に予め設定されるのが一般的であるが、視聴ユーザのギフトを提供する意欲を向上させるべく、動画配信中であってもキャラクタオブジェクトを変更したいという要望が出てきている。
【0006】
しかしながら、動画配信中にキャラクタオブジェクトを変更する場合、アクターのアクトへの集中力が低下してしまうおそれがある。
【0007】
その場合、動画内容のクオリティが下がり、視聴ユーザの視聴意欲が低下してしまうおそれがある。
【0008】
本開示の目的は、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することである。本開示のより具体的な目的の一つは、アクターのアクトへの集中力を低下させることなく、キャラクタオブジェクトを、他のキャラクタオブジェクトに変更することができる動画配信システム、動画配信方法および動画配信プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態に係る動画配信システムは、アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信システムであって、一又は複数のコンピュータプロセッサを備え、一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける機能と、ユーザの操作により指定された、複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する機能とを実現させ、動画を配信する機能は、動画の配信中に所定の条件が満たされた場合に、動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、一のキャラクタオブジェクトから、複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更することを特徴とする。
【0010】
所定の条件の充足は、ユーザおよび/または視聴ユーザの操作、動作、音声の少なくとも一つに基づいて判断されることができる。
【0011】
動画を配信している際のユーザ用の画面には、キャラクタオブジェクトを切り替えるためのGUIが表示され、所定の条件の充足は、GUIに対する操作があったか否かにより判断されることができる。
【0012】
所定の条件の充足は、視聴ユーザによるギフティングの数が所定数以上であるか否かにより判断されることができる。
【0013】
所定の条件の充足は、視聴ユーザの数が所定数以上であるか否かにより判断されることができる。
【0014】
動画を配信する前のユーザ用の画面には、少なくともキャラクタオブジェクトと第一のGUIと第二のGUIが表示される表示画面が表示され、第一のGUIは、動画の配信を開始するためのGUIであり、第二のGUIは、ボディパーツおよび装着パーツの一覧画面の表示を開始するためのGUIであり、一覧画面は、表示画面の少なくとも一部に重畳して表示されることができる。
【0015】
一覧画面は、第三のGUIおよび第四のGUIを含み、第三のGUIは、ボディパーツおよび装着パーツのカテゴリを示し、かつ、所定の第一の方向に表示内容をスライド可能なGUIであり、第四のGUIは、カテゴリ毎に属するボディパーツおよび装着パーツを示し、かつ、第一の方向とは異なる第二の方向に表示内容をスライド可能なGUIとすることができる。
【0016】
表示画面には、第三のGUIが重畳して表示され、第三のGUIに対する所定のユーザ操作があった場合に、さらに第四のGUIを表示画面に重畳して表示させることができる。
【0017】
動画の配信が開始されているか否かを問わず、表示画面に表示されるキャラクタオブジェクトの少なくとも顔部分は、ユーザの顔部分がキャプチャされることができる。
【0018】
動画の配信中であっても、動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、一のキャラクタオブジェクトから、複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更している最中は、表示画面に表示されるキャラクタオブジェクトの少なくとも顔部分は、ユーザの顔部分がキャプチャされないものとすることができる。
【0019】
動画の配信前であっても、一覧画面が表示されている間は、表示画面に表示されるキャラクタオブジェクトの少なくとも顔部分は、ユーザの顔部分がキャプチャされないものとすることができる。
【0020】
本発明の実施形態に係る動画配信方法は、アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信方法であって、ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける工程と、ユーザの操作により指定された、複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する工程とを備え、動画を配信する工程は、動画の配信中に所定の条件が満たされた場合に、動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、一のキャラクタオブジェクトから、複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更することを特徴とする。
【0021】
本発明の実施形態に係る動画配信プログラムは、アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信プログラムであって、一又は複数のコンピュータプロセッサに、ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける工程と、ユーザの操作により指定された、複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する工程とを実現させ、動画を配信する工程は、動画の配信中に所定の条件が満たされた場合に、動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、一のキャラクタオブジェクトから、複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の動画配信システム、動画配信方法および動画配信プログラムによれば、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。また、本発明の動画配信システム、動画配信方法および動画配信プログラムによれば、アクターのアクトへの集中力を低下させることなく、キャラクタオブジェクトを、他のキャラクタオブジェクトに変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態係る動画配信システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態係る配信ユーザ用端末の構成を示すブロック図である。
図3】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図4】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図5】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図6】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図7】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図8】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図9】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図10】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図11】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図12】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図13】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図14】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図15】本発明の一実施形態係るサーバ装置、配信ユーザ用端末および視聴ユーザ用端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図16】本発明の一実施形態に係る動画配信処理の流れを示すフロー図である。
図17】本発明の一実施形態に係るキャラクタオブジェクトを変更する処理の流れを示すフロー図である。
図18】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
図19】配信アプリにより表示される表示画面の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
初めに、本発明の動画配信システムの概要について図面を参照しながら説明する。
【0025】
本発明の動画配信システムは、アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信システムである。
【0026】
図1に示されるように、本発明の動画配信システム100は、一例として、サーバ装置200と、配信ユーザ用端末300と、1以上の視聴ユーザ用端末400とで構成される。
【0027】
配信ユーザ用端末300は、一例として図2に示されるように、表情解析部310、生成部320、受付部330、動画配信部340および変更部350を備え、配信ユーザの表情を認識するフェイシャルキャプチャ機能を実現可能なスマートフォンやタブレット等の情報処理端末とすることができる。具体的には、フェイシャルキャプチャ機能は、表情解析部310により実現されることができる。なお、視聴ユーザ用端末400に関しては、かかるフェイシャルキャプチャ機能を備えることは必須ではない。
【0028】
キャラクタオブジェクトは、配信ユーザ用端末300で実行される専用アプリケーション(以下、「配信アプリ」という。)において、フェイシャルキャプチャ機能により配信ユーザの表情が表現される顔、および、少なくとも胴体の一部を有するオブジェクトである。すなわち、このキャラクタオブジェクトには、全身を表したもののみならず、上半身のみを表したものも含まれる。なお、顔以外の部位についても、配信ユーザの動きを認識するモーションキャプチャ機能により配信ユーザの動きが表示されるものとしてもよい。
【0029】
そして、このキャラクタオブジェクトは、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成される。これらボディパーツおよび装着パーツは、サーバ装置200が備えるストレージにおいてそれぞれ識別番号と対応付けて記憶される。
【0030】
ボディパーツは、例えば、目、眉、鼻、口、ホクロおよび化粧などのパーツである。化粧には、チーク、アイシャドウおよび口紅など、さらに細分化されたパーツが含まれる。また、これらのパーツには、色のみが異なる色違いパーツが存在する。
【0031】
装着パーツは、例えば、アクセサリ、洋服および靴などのパーツをいう。洋服には、トップス、ボトムスおよび靴下などさらに細分化されたパーツが含まれる。また、これらのパーツには、色のみが異なる色違いパーツが存在する。
【0032】
そして、配信ユーザは、配信アプリの初回起動時に、自身のアバタとなるキャラクタオブジェクトを作成する。図3図6は、配信ユーザ用端末300における配信アプリの初回起動時の画面30の遷移の一例を示したイメージ図である。
【0033】
初めに、配信ユーザ用端末300の画面30には、図3に示されるように、キャラクタオブジェクトの作成を開始する画面が表示される。なお、図3に示されるように、初回起動時に生成されたキャラクタオブジェクトは後から変更することが可能である。
【0034】
そして、図4に示されるように、カテゴリ(図4ではA~D)ごとに表示される1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツの中から所定のパーツ(図4ではパーツa1)を指定し、かつ、指定したパーツに対するカラー(図4ではカラーCL2)を選択することで、選択されたカラーCL2の指定されたパーツa1で構成されるキャラクタオブジェクトCOを作成する。なお、各パーツを指定する毎にキャラクタオブジェクトCOの表示は対応して変化する。なお、基本的に各カテゴリでは少なくとも1つのパーツが指定されるが、必須ではないカテゴリのパーツがあってもよい。
【0035】
そして、図5では一例として右上に示される決定ボタン33が選択されると、この段階で画面30に表示されたキャラクタオブジェクトCOが初期キャラクタオブジェクトとして作成される。また、図6に示されるように、パーツの一覧の表示は画面30から一時的に消すこともでき、配信ユーザは、キャラクタオブジェクトCOの全体を確認しながら各パーツを指定することができる。
【0036】
これらボディパーツおよび装着パーツの組み合わせは、各パーツの種類および色の掛け合わせにより無限に近い。そのため、配信ユーザは、膨大なパーツの組み合わせを試しながら、自身の希望するキャラクタオブジェクトを熟考して作成することになる。
【0037】
初期キャラクタオブジェクト作成後の配信アプリのトップ画面35には、図7に一例として示されるように、少なくとも動画配信開始ボタン36およびクローゼットボタン37が表示される。図7では、さらに、配信アプリの詳細設定を行う設定ボタン38が表示されている。
【0038】
動画配信開始ボタン36が選択されると、表示されているキャラクタオブジェクトCOを使用した動画の配信が開始される。動画配信の詳細については後述する。
【0039】
クローゼットボタン37が選択されると、上述したボディパーツおよび装着パーツの一覧画面の表示が開始され、キャラクタオブジェクトCOの変更が可能となる。
【0040】
なお、ここでいうキャラクタオブジェクトCOの変更は、ボディパーツの変更を行わずに単に装着パーツを変更する場合である「着替え」も含むものとする。
【0041】
そして、本発明において、配信ユーザは、キャラクタオブジェクトCOを複数用意して動画配信を行うことができる。すなわち、クローゼットボタン37が選択された際のキャラクタオブジェクトCOの変更は、スロットごとに行われる。
【0042】
図8に一例として示されるように、クローゼットボタン37が選択された際の画面40には、スロットを識別可能な番号が表示されたスロットボタン41~43が表示され、このボタンを選択しスロットを切り替えることで、各スロットに対してキャラクタオブジェクトを作成し、対応づける。なお、このスロットは複数あればよく、上限値は特に定める必要はない。
【0043】
図8には、スロットボタン41に対応するスロット1に対応付けられたキャラクタオブジェクトCO1が示されている。同様に、図9図10は、それぞれスロットボタン42、スロットボタン43に対応するスロット2、スロット3に対応付けられたキャラクタオブジェクトCO2、キャラクタオブジェクトCO3が示されている。
【0044】
このように、配信ユーザは、スロット毎にキャラクタオブジェクトを設定し、複数のキャラクタオブジェクトを準備して動画配信を開始することができる。かかる複数のキャラクタオブジェクトの準備は、配信ユーザ用端末300の受付部330により受け付けられた配信ユーザからの入力操作に基づいて行われる。
【0045】
本発明の他の例として、配信ユーザ用端末300の受付部330により受け付けられた配信ユーザの顔写真から自動的にキャラクタオブジェクトCOが作成されるものとしてもよい。
【0046】
そして、配信ユーザによる動画配信は、複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトを使用して開始される。かかる動画配信は、配信ユーザ用端末300の動画配信部340により実行される。
【0047】
動画配信を開始する際のスロットの指定は、動画配信を開始する際に配信ユーザに入力を求めるものであってもよいし、スロットにキャラクタオブジェクトを設定する際に、予め動画配信を開始する際に使用するスロットを指定させるものであってもよい。
【0048】
そして、動画配信中の配信ユーザは、一例として図11に示されるように、画面50に表示された変更ボタン51~53を選択することにより、使用するキャラクタオブジェクトを変更することができる。なお、ここでは変更ボタン51~53はそれぞれスロット1~3に対応している。かかる変更は、配信ユーザ用端末300の変更部350により実行される。
【0049】
図11は、変更ボタン53に対応するスロット3に対応付けられたキャラクタオブジェクトCOを使用した例であり、どのキャラクタオブジェクトCOを使用しているか配信ユーザが認識可能に表示されている。
【0050】
キャラクタオブジェクトの切り替えの際には、所定の演出効果を発生させることもできる。例えば、キャラクタオブジェクトが着替え室に入るような演出を表示したり、キャラクタオブジェクトが回転して変身するような演出を表示したりしてもよい。かかる構成は、キャラクタオブジェクトの変更処理に要する時間を視聴ユーザに感じさせないという効果を奏することができる。
【0051】
以上、本発明の動画配信システムの概要について説明を行った。続いて、各構成の詳細について説明を行う。
【0052】
本発明の動画配信システム100は、アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信システムであって、一又は複数のコンピュータプロセッサを備える。
【0053】
一又は複数のコンピュータプロセッサは、上述したサーバ装置200、配信ユーザ用端末300および視聴ユーザ用端末400が備えるプロセッサとすることができる。上記装置および各端末のハードウェア構成の詳細については後述する。
【0054】
そして、一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、以下の機能を実現させる。
【0055】
第一に、一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、配信ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける機能を実現する。かかる機能は、受付部330により実現される。受付部330の詳細については上述したとおりである。
【0056】
第二に、一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、配信ユーザの操作により指定された、複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する機能を実現する。かかる機能は、動画配信部340により実現される。動画配信部340の詳細については後述する。
【0057】
そして、動画を配信する機能は、動画の配信中に所定の条件が満たされた場合に、動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、一のキャラクタオブジェクトから、複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更する。かかる機能は、変更部350により実現される。変更部350の詳細については上述したとおりである。
【0058】
以上の構成によれば、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。また、以上の構成によれば、アクターのアクトへの集中力を低下させることなく、キャラクタオブジェクトを、他のキャラクタオブジェクトに変更することができる。具体的には、動画配信中にキャラクタオブジェクトの各パーツを変更するのではなく、予め準備されたスロットを用いてキャラクタオブジェクトを変更することができるため、アクターのアクトへの集中力が維持される。
【0059】
上記所定の条件の充足は、配信ユーザおよび/または視聴ユーザの操作、動作、音声の少なくとも一つに基づいて判断されることができる。
【0060】
具体的には、動画を配信している際の配信ユーザ用の画面に、キャラクタオブジェクトを切り替えるためのGUIが表示され、所定の条件の充足は、GUIに対する操作があったか否かにより判断されることができる。
【0061】
かかるGUIは、図11に示した画面に表示される変更ボタン51~53とすることができる。なお、かかる変更ボタンには数字以外にもマークを表示したり、キャラクタオブジェクトそのものを縮小して表示したりすることもできる。
【0062】
配信ユーザの動作とは、例えばウインクを3回するなどのフェイシャルキャプチャ機能により変更指示として認識可能な動作とすることができる。
【0063】
配信ユーザの音声とは、例えば「チェンジ」などの音声認識機能により変更指示として認識可能な音声とすることができる。
【0064】
あるいは、所定の条件の充足は、視聴ユーザによるギフティングの数が所定数以上であるか否かにより判断されることができる。視聴ユーザは、視聴ユーザ用端末を介して、動画に対してギフティング操作を行うことができる。かかるギフティングの数を集計し、グフティングの数が所定数以上である場合に、キャラクタオブジェクトが変更されるものとしてもよい。
【0065】
あるいは、所定の条件の充足は、視聴ユーザの数が所定数以上であるか否かにより判断されるものとしてもよい。
【0066】
また、視聴ユーザの動作や音声については、視聴ユーザ用端末から直接または間接的に入力された情報から取得されることができる。例えば、視聴ユーザ用端末のマイク、視聴ユーザが装着する眼鏡や所持するペンライトなどから視聴ユーザの動作や音声を取得し、所定の条件を満たした場合にキャラクタオブジェクトが変更されるものとしてもよい。
【0067】
以上のように、視聴ユーザの情報からキャラクタオブジェクトを変更する場合には、視聴ユーザの動画視聴やギフティングの意欲をより向上させることが可能となる。
【0068】
動画を配信する前の配信ユーザ用の画面には、少なくともキャラクタオブジェクトと第一のGUIと第二のGUIが表示される表示画面が表示され、第一のGUIは、動画の配信を開始するためのGUIであり、第二のGUIは、ボディパーツおよび装着パーツの一覧画面の表示を開始するためのGUIであり、一覧画面は、表示画面の少なくとも一部に重畳して表示されることができる。
【0069】
かかるGUIの一例は図7に示される。第一のGUIは動画配信開始ボタン36であり、第二のGUIはクローゼットボタン37に対応する。なお、これらのGUIの配置位置は図示されたものに限られず、配信ユーザの利便性を考慮して適宜設定することができる。
【0070】
そして、一覧画面の一例は図12に示される。このように、一覧画面61を表示画面60の少なくとも一部に重畳して表示することは、キャラクタオブジェクトを見ながら各パーツを見ることができるため、利便性がよい。なお、一覧画面は透過させてキャラクタオブジェクトCOに重畳してもキャラクタオブジェクトが見えるようにするのが好ましい。
【0071】
また、図12に示されるように、一覧画面61は、第三のGUI62および第四のGUI63を含み、第三のGUI62は、ボディパーツおよび装着パーツのカテゴリを示し、かつ、所定の第一の方向Xに表示内容をスライド可能なGUIであり、第四のGUI63は、カテゴリ毎に属するボディパーツおよび装着パーツを示し、かつ、第一の方向Xとは異なる第二の方向Yに表示内容をスライド可能なGUIとすることができる。
【0072】
なお、図12において第一の方向Xは画面横方向、第二の方向Yは画面縦方向として示したが、第二の方向Yを画面横方向、第一の方向Xを画面縦方向となるようにしてもよい。かかる設定は、配信ユーザ用端末300が備える傾きセンサの機能を用いて画面の向きを判定し、利便性の高い表示となるように自動的に変更されるものとしてもよい。
【0073】
また、図13に示すように、表示画面60には、第三のGUI62が重畳して表示され、第三のGUI62に対する所定の配信ユーザ操作があった場合に、さらに第四のGUI63を表示画面60に重畳して表示させるものとしてもよい。また、第三のGUI62を上方に引き出す操作により、図14に示すように、第四のGUI63は、表示画面60全体に表示されるものとしてもよい。
【0074】
かかる構成により、容易に第四のGUI63の表示/非表示を操作することができる。
【0075】
続いて、フェイシャルキャプチャ機能を実現する表情解析部310の詳細について説明を行う。表情解析部310は、配信ユーザ用端末300のカメラにより撮影された配信ユーザの顔の画像を分析し、配信ユーザの表情を解析する。かかる手法は特に限定されるものではなく、本願の出願時に既に公知の技術を用いることもできるし、今後開発される新たな技術を用いることもできる。
【0076】
そして、動画の配信が開始されているか否かを問わず、表示画面に表示されるキャラクタオブジェクトの少なくとも顔部分は、配信ユーザの顔部分がキャプチャされるものとすることができる。
【0077】
一例として、配信アプリの初回起動後であって、キャラクタオブジェクトが画面に表示されている場合には常に配信ユーザの表情がキャラクタオブジェクトの顔に表現される。
【0078】
かかる構成によれば、キャラクタオブジェクトが配信ユーザの分身(アバタ)であることが配信ユーザに強く意識づけられ、動画の配信の際にクオリティの高いアクトが実現可能となる。
【0079】
ただし、動画の配信前であっても、一覧画面が表示されている間は、表示画面に表示されるキャラクタオブジェクトの少なくとも顔部分は、配信ユーザの顔部分がキャプチャされない構成としてもよい。
【0080】
キャラクタオブジェクトを作成している最中、すなわち、パーツを指定している最中には、自身の表情にまで気を配ることができないおそれがあるためである。
【0081】
また、動画の配信中であっても、動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、一のキャラクタオブジェクトから、複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更している最中は、表示画面に表示されるキャラクタオブジェクトの少なくとも顔部分は、配信ユーザの顔部分がキャプチャされないものとすることができる。
【0082】
かかる構成によれば、変更処理に伴う処理負荷を考慮し、フェイシャルキャプチャによる処理負荷をなくすことができる。なお、この変更している最中には、フェイシャルキャプチャの代わりに、処理負荷の軽い上述した演出効果を発生させるのが好ましい。
【0083】
続いて、サーバ装置200、配信ユーザ用端末300および視聴ユーザ用端末400のハードウェア構成について図15を参照しながら説明を行う。
【0084】
図15に示すように、配信ユーザ用端末300は、プロセッサ301と、メモリ302と、ストレージ303と、入出力インタフェース(入出力I/F)304と、通信インタフェース(通信I/F)305とを含む。各構成要素は、バスBを介して相互に接続される。
【0085】
配信ユーザ用端末300は、プロセッサ301と、メモリ302と、ストレージ303と、入出力I/F304と、通信I/F305との協働により、本実施形態に記載される機能、方法を実現する。
【0086】
プロセッサ301は、ストレージ303に記憶されるプログラムに含まれるコード又は命令によって実現する機能、及び/又は、方法を実行する。プロセッサ301は、例えば、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI等と呼称されることもある。
【0087】
メモリ302は、ストレージ303からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ301に対して作業領域を提供する。メモリ302には、プロセッサ301がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ302は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む。
【0088】
ストレージ303は、プログラムを記憶する。ストレージ303は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含む。
【0089】
通信I/F305は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、ネットワークを介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F305は、ネットワークを介して、他の情報処理装置との通信を実行する。通信I/F305は、各種データをプロセッサ301からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F305は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ301に伝達する。
【0090】
入出力I/F304は、配信ユーザ用端末300に対する各種操作を入力する入力装置、及び、配信ユーザ用端末300で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F304は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0091】
入力装置は、配信ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ301に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現される。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、音声出力装置を含むマイク(音声による操作入力)を含む。
【0092】
出力装置は、プロセッサ301で処理された処理結果を出力する。出力装置は、例えば、ディスプレイやスピーカ等を含む。
【0093】
なお、サーバ装置200および視聴ユーザ用端末400も上記配信ユーザ用端末300の構成と同等であるため図示および説明は省略する。
【0094】
次に、図16および図17を参照して、一態様による動画配信処理について説明する。図16は、一実施形態における動画配信処理の流れを示すフロー図であり、図17は、一実施形態における他のキャラクタオブジェクトを表示する処理の流れを示すフロー図である。
【0095】
まず、ステップS11では、配信ユーザの顔の動き(表情)のデジタル表現であるフェイスモーションデータが生成される。かかるステップは、表情解析部310により実行される。
【0096】
次に、ステップS12において、配信ユーザのフェイスモーションデータに基づいて、配信ユーザの表情の動きに同期して動くキャラクタオブジェクトのアニメーションが生成される。かかるステップは、生成部320により実行される。
【0097】
次に、ステップS13において、配信ユーザに対応するキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を生成する。この動画には、配信ユーザの音声が合成されてもよい。キャラクタオブジェクトのアニメーションは、仮想空間内に配置されてもよい。かかるステップは、生成部320により実行される。
【0098】
次に、ステップS14に移行し、ステップS13にて生成された動画が配信される。この動画は、ネットワークを介して視聴ユーザ用端末に配信される。動画は、所定の配信期間にわたって継続して配信される。動画の配信期間は、例えば、30秒間、1分間、5分間、10分、30分間、60分間、120分間、およびこれら以外の任意の時間に定め得る。かかるステップは、動画配信部340により実行される。
【0099】
次に、ステップS15に進み、動画の配信を終了させるための終了条件が成就したか否かが判定される。終了条件は、例えば、配信の終了時刻に達したことなどの条件である。終了条件が成就していなければステップS11~S14の処理が繰り返し実行され、配信ユーザの動きに同期したアニメーションを含む動画の配信が継続される。動画について終了条件が成就していると判定された場合には、当該動画の配信処理を終了する。
【0100】
次に、図17をさらに参照して、動画の配信中に行われるキャラクタオブジェクトの変更処理について説明する。キャラクタオブジェクトの変更処理は、図16に示した動画の配信処理と並行して行われる。
【0101】
動画の配信中に、ステップS21において、キャラクタオブジェクトの変更要求がなされたか否かが判定される。
【0102】
キャラクタオブジェクトの変更要求がなされた場合には、当該表示処理はステップS22に進む。ステップS22においては、当該変更要求に基づいて、表示が要求された他のキャラクタオブジェクトを配信中の動画に表示させるための処理が行われる。
【0103】
キャラクタオブジェクトの変更要求がなされていない場合には、変更処理は行われない。
【0104】
続いて、本発明の実施形態に係る動画配信方法について説明する。
【0105】
本発明の動画配信方法は、アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信方法であって、以下の工程110~130を備える。
【0106】
工程110は、配信ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける。かかる工程110は、上述した受付部330により実行されることができる。
【0107】
工程120は、配信ユーザの操作により指定された、複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する。かかる工程120は、上述した表情解析部310、生成部320および動画配信部340により実行されることができる。
【0108】
そして、工程120は、動画の配信中に所定の条件が満たされた場合に、動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、一のキャラクタオブジェクトから、複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更する(工程130)ことを特徴とする。かかる工程120は、上述した変更部350により実行されることができる。
【0109】
以上の構成によれば、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。また、本発明の動画配信システム、動画配信方法および動画配信プログラムによれば、アクターのアクトへの集中力を低下させることなく、キャラクタオブジェクトを、他のキャラクタオブジェクトに変更することができる。
【0110】
最後に、本発明の実施形態に係る動画配信プログラムについて説明する。
【0111】
本発明の動画配信プログラムは、アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信プログラムであって、一又は複数のコンピュータプロセッサに、以下の工程110~130を実現させる。
【0112】
工程110は、配信ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける。かかる工程110は、上述した受付部330により実行されることができる。
【0113】
工程120は、配信ユーザの操作により指定された、複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する。かかる工程120は、上述した表情解析部310、生成部320および動画配信部340により実行されることができる。
【0114】
そして、工程120は、動画の配信中に所定の条件が満たされた場合に、動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、一のキャラクタオブジェクトから、複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更する(工程130)ことを特徴とする。かかる工程120は、上述した変更部350により実行されることができる。
【0115】
以上の構成によれば、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。また、本発明の動画配信システム、動画配信方法および動画配信プログラムによれば、アクターのアクトへの集中力を低下させることなく、キャラクタオブジェクトを、他のキャラクタオブジェクトに変更することができる。
【0116】
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更が可能である。上述した例では、配信ユーザは自宅で自身のスマートフォンを用いて動画を配信する例を想定したが、配信スタジオにおいて動画を配信する場合にも適用可能である。その場合には、顔だけではなく身体もモーションキャプチャされたキャラクタオブジェクトが作成され、使用される。また、キャラクタオブジェクトの変更指示は、配信ユーザのみならず、補助者により行われるものであってもよい。
【0117】
また、上述した実施形態に係るサーバ装置又は端末装置として機能させるために、コンピュータ又は携帯電話などの情報処理装置を好適に用いることができる。このような情報処理装置は、実施形態に係るサーバ装置又は端末装置の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、情報処理装置の記憶部に格納し、情報処理装置のCPUによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
【0118】
また、上述したとおり、動画を配信する機能における所定の条件の充足は、配信ユーザおよび/または視聴ユーザの操作、動作、音声の少なくとも一つに基づいて判断される点について説明したが、かかる所定の条件の内容は、予め定められているものとしてもよいし、配信ユーザにより設定されるものとしてもよい。
【0119】
特に、図18に設定画面の一例が示されるように、配信ユーザは、各スロットに対して、「音声認識」「コメント」「ジェスチャ」「コメント数」「ギフティング数」などのプルダウン式の選択肢の中から所定の条件の内容を設定することができるようにしてもよい。
【0120】
なお、かかる設定は、配信の開始前または配信開始後に配信を一時停止した場合に行うことができる。配信開始後の一時停止は、図19に一例として示される一時停止ボタンを選択することにより実行される。
【0121】
「音声認識」を選択した場合には、配信ユーザは、任意の音声を録音して登録することができる。この場合、所定の条件の充足は、配信ユーザにより発せられた音声と登録された音声との一致率が所定値以上であることである。より詳細には、所定時間内の発生された音声と登録された音声との一致率を確認することにより、一致率が所定値以上が否かを判断する。
【0122】
「コメント」を選択した場合には、配信ユーザは、特定のワードをテキストで登録することができる。この場合、所定の条件の充足は、視聴ユーザが登録されたワードをコメントすることである。
【0123】
「コメント数」を選択した場合には、配信ユーザは、コメント数を登録することができる。この場合、所定の条件の充足は、視聴ユーザのコメントの総数が登録数を上回ったことである。
【0124】
「ギフティング数」を選択した場合には、配信ユーザは、ギフティング数を登録することができる。この場合、所定の条件の充足は、視聴ユーザからのギフティング総数が登録数を上回ったことである。
【0125】
また、これらの構成は、動画配信中に配信ユーザ側と視聴ユーザ側で表示されている画面が同じとなるために表示し辛い配信ユーザへの操作用GUIを表示させることなく、キャラクタオブジェクトの変更を行うことができるようになる。
【0126】
さらに、本発明により実現される動画の生配信用のアプリケーションにおいて、配信中に生配信ならではの条件を満たすことでキャラクタオブジェクト(アバター)のビジュアルを変更できることによって、配信の臨場感を向上させ、アプリケーションの興趣性を高めることができる。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0128】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。
〔付記事項〕
以下に、本願の原出願の分割直前の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
〔1〕アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画に関する情報を配信する動画配信システムであって、一又は複数のコンピュータプロセッサを備え、
前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、コンピュータ読み取り可能な命令を実行することにより、
配信ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける機能と、
前記配信ユーザの操作により指定された、前記複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画に関する情報を配信する機能と
を実現させ、
前記動画に関する情報を配信する機能は、動画の配信中に、前記複数のスロットの中の他のスロットに設定された所定の条件が満たされた場合に、前記動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、前記一のキャラクタオブジェクトから、前記他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更する、動画配信システム。
〔2〕前記所定の条件は、前記他のスロットに設定された特定のワードを含むコメントが投稿されることである、請求項1に記載の動画配信システム。
〔3〕前記複数のスロットには、前記所定の条件として、それぞれ異なる特定のワードが設定されることを特徴とする請求項2に記載の動画配信システム。
〔4〕前記所定の条件は、前記他のスロットに設定された特定の音声を、前記配信ユーザが発声することである、請求項1に記載の動画配信システム。
〔5〕前記所定の条件は、前記動画に投稿されたコメントの総数が、前記他のスロットに設定された特定の数を上回ったことである、請求項1に記載の動画配信システム。
〔6〕前記所定の条件は、前記動画に対するギフティング数の総数が、前記他のスロットに設定された特定の数を上回ったことである、請求項1に記載の動画配信システム。
〔7〕前記設定を受け付ける機能は、さらに、前記複数のスロットの各々に対する所定の条件の設定を受付けることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の動画配信システム。
〔8〕前記動画に関する情報を配信する機能は、前記動画の配信中に所定の条件が満たされた場合に、前記動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、前記一のキャラクタオブジェクトから、前記複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに自動的に変更することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の動画配信システム。
〔9〕前記一又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、
前記変更の際に、所定の演出効果を発生させる効果発生機能を実現させることを特徴とする、請求項8に記載の動画配信システム。
〔10〕前記動画の配信中であっても、前記動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、前記一のキャラクタオブジェクトから、前記複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更している最中は、前記動画に含まれるキャラクタオブジェクトの少なくとも顔部分は、前記配信ユーザの顔部分がキャプチャされず、前記効果発生機能により前記所定の演出効果が発生されることを特徴とする請求項9に記載の動画配信システム。
〔11〕前記動画を配信する前の配信ユーザ用の画面には、少なくともキャラクタオブジェクトと第一のGUIと第二のGUIが表示される表示画面が表示され、
前記第一のGUIは、前記動画の配信を開始するためのGUIであり、
前記第二のGUIは、前記ボディパーツおよび前記装着パーツの一覧画面の表示を開始するためのGUIであり、
前記一覧画面は、前記表示画面の少なくとも一部に重畳して表示されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の動画配信システム。
〔12〕前記一覧画面は、第三のGUIおよび第四のGUIを含み、
前記第三のGUIは、前記ボディパーツおよび前記装着パーツのカテゴリを示し、かつ、所定の第一の方向に表示内容をスライド可能なGUIであり、
前記第四のGUIは、前記カテゴリ毎に属する前記ボディパーツおよび前記装着パーツを示し、かつ、前記第一の方向とは異なる第二の方向に表示内容をスライド可能なGUIであることを特徴とする請求項11に記載の動画配信システム。
〔13〕前記表示画面には、前記第三のGUIが重畳して表示され、
前記第三のGUIに対する所定の配信ユーザ操作があった場合に、さらに前記第四のGUIを前記表示画面に重畳して表示させることを特徴とする請求項12に記載の動画配信システム。
〔14〕アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画に関する情報を配信する動画配信方法であって、
配信ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける工程と、
前記配信ユーザの操作により指定された、前記複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画に関する情報を配信する工程と
を備え、
前記動画に関する情報を配信する工程は、動画の配信中、前記複数のスロットの中の他のスロットに設定された所定の条件が満たされた場合に、前記動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、前記一のキャラクタオブジェクトから他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更する、動画配信方法。
〔15〕アクターの動きに基づいて生成されるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画に関する情報を配信する動画配信プログラムであって、
一又は複数のコンピュータプロセッサに、
配信ユーザの操作による、1以上のボディパーツおよび1以上の装着パーツで構成されるキャラクタオブジェクトがそれぞれ対応付けられた複数のスロットの設定を受け付ける工程と、
前記配信ユーザの操作により指定された、前記複数のスロットの中の一のスロットに対応付けられた一のキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画に関する情報を配信する工程と
を実現させ、
前記動画に関する情報を配信する工程は、動画の配信中、前記複数のスロットの中の他のスロットに設定された所定の条件が満たされた場合に、前記動画に含まれるキャラクタオブジェクトを、前記一のキャラクタオブジェクトから、前記複数のスロットの中の他のスロットに対応付けられた他のキャラクタオブジェクトに変更する、動画配信プログラム。
【符号の説明】
【0129】
100 動画配信システム
200 サーバ装置
300 配信ユーザ用端末
400 視聴ユーザ用端末
310 表情解析部
320 生成部
330 受付部
340 動画配信部
350 変更部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19