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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】医療機関受付システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20231023BHJP
【FI】
G16H40/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022179989
(22)【出願日】2022-11-10
【審査請求日】2022-11-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502351659
【氏名又は名称】株式会社医療情報技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100196760
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】姫野 信吉
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-057174(JP,A)
【文献】特開2019-074879(JP,A)
【文献】特開2020-064665(JP,A)
【文献】特開2012-053638(JP,A)
【文献】特開2004-302696(JP,A)
【文献】特開2016-110247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関のサービス予約において、
(1)患者側情報端末から予約システムにアクセスする患者側情報端末予約アクセス手段、
(2)患者のIDを登録するID登録手段、
(3)サービスの予約リストを管理する予約リスト管理手段、
(4)患者の来院を確認する来院確認手段、
(5)来院した患者が予約を有しているかを確認する予約有無確認手段、
(6)予約の有無、来院時間順に優先順位を表示してサービス提供の順番を制御するサービス順制御手段を備え、
前記患者側情報端末予約アクセス手段はSNS(Social Network System)アプリを用い、
前記ID登録手段は、前記患者側情報端末予約アクセス手段から医療機関ポータルにアクセスが行われた際に取得されるSNSIDを、予約リスト管理手段上の患者マスター上で検索し、未登録であれば、保険証画像の送信を要求し、送信された前記画像の情報から患者IDの登録を行う遠隔保険証確認手段を備え、
さらに、遠隔保険証確認手段によって得られた電子カルテIDを、SNSID、ハンドルネームとともに予約リスト管理手段上の患者マスターに登録し、登録完了のメッセージを患者側情報端末に送信し、予約可能となったことを通知する手段を備えたことを特徴とする医療機関受付システム。
【請求項2】
前記予約リスト管理手段は、(1)予約リスト管理手段上の患者マスター、(2)サービス提供のスケジュールである日付、サービス種別、サービス提供時間、予約患者からなる予約リストを備え、医療機関、患者自身からの確認問い合わせに返答する予約有無確認手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の医療機関受付システム。
【請求項3】
前記来院確認手段は、保険証または診察券の提示により、電子カルテの患者IDを検索し、予約有無確認手段により予約されているサービス、時間を検索し、受付時間とともにサービス順制御手段に提供することを可能としていることを特徴とする請求項1ないし2いずれか記載の医療機関受付システム。
【請求項4】
前記サービス順制御手段は、サービス毎に患者ID、予約時間、受付時間のリストを作成し表示する、サービス順リスト表示手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし2いずれか記載の医療機関受付システム。
【請求項5】
必要に応じて、医療機関内から患者マスターのSNSIDを用い、SNSを介して患者側情報端末にメッセージを送信するメッセージ送信手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし2いずれか記載の医療機関受付システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院を中心とした医療機関の受付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場などでは多数の患者が、多数の医師の診察を受ける。待ち行列を最小限にして効率的に診察を進めるために、病院の受付、予約システムに関し、様々な工夫がなされてきている。
この出願に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-73803号公報
【文献】特開2005-339309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、受診に必要な健康保険証は電磁的でない紙やプラスティックカード性であったが、今後は国民ごとに一意的に割り付けられたマイナンバーが電磁的に記録されたマイナンバーカードを保険証として用いることが決定されている。しかし、電磁的な受付に積極的に活用されている事例はまだ乏しい。
また、病院によっては電磁的診察券を発行して受付に利用しているが、他の医療機関の診察券との互換性がなく、患者は受診する病院の診察券を何枚も保持し、使い分ける必要がある。診察券の発行、管理には少なからぬ病院側のコストを要することは言うまでもない。
【0005】
診療の予約を取る際は、診察室で次回予約のメモを発行したり、電話やFAXを用いたりして、予約一覧表を、紙や表計算ソフトで管理している場合が多い。
このようなやり方では、予約枠の空き状況の確認、予約の変更などの際は、電話や対面受付に負荷が集中し、医事課などのスタッフに多大な負荷がかかっている。
患者の有するスマートフォンやPCなどの情報端末(患者側情報端末)を用いるやり方も試みられ始めている。医事課での予約管理の負荷は軽減されるが、専用のアプリケーションソフトウェア(アプリ)を患者側情報端末にインストールする必要がある場合が多く、既に多数のアプリがインストールされている状況で、さらにアプリを追加するのには心理的抵抗が大きくなっている。
最大の問題は、患者側情報端末のアプリ、受付や診療報酬の計算(レセプト作成)を行うレセプトコンピューター(レセコン)、電子カルテソフトの三者が個々に独立している(サイロ化している)ため情報連携が不十分であり、それぞれのサイロ間をつなぐための人手を用いた作業が発生していることである。
また、高齢者が患者側情報端末のアプリを十分に使いこなせない場合が多いこと、ナイナンバーカードの普及がまだ完璧とは言えない過渡期であるため、画一的なシステムでは全ての患者を包摂する対応が困難な場合が少なくないことである。
【0006】
本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、患者側情報端末のアプリ、レセコン、電子カルテの三者間の切れ目のない情報連携を行い、患者側、医事課、診療を行う医療スタッフが容易に予約の作成、管理を行えるようにすることで、待ち時間の少ない円滑な診療を可能とすることである。また、患者側情報端末のアプリやマイナンバーカード等が十分に普及していない過渡期においても、全ての患者の予約に対応可能なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための手段として請求項1記載の医療機関受付システムでは、医療機関のサービス予約において、
(1)患者側情報端末から予約システムにアクセスする患者側情報端末予約アクセス手段、
(2)患者のIDを登録するID登録手段、
(3)サービスの予約リストを管理する予約リスト管理手段、
(4)患者の来院を確認する来院確認手段、
(5)来院した患者が予約を有しているかを確認する予約有無確認手段、
(6)予約の有無、来院時間順に優先順位を表示してサービス提供の順番を制御するサービス順制御手段を備え、
前記患者側情報端末予約アクセス手段はSNS(Social Network System)アプリを用い、
前記ID登録手段は、前記患者側情報端末予約アクセス手段から医療機関ポータルにアクセスが行われた際に取得されるSNSIDを、予約リスト管理手段上の患者マスター上で検索し、未登録であれば、保険証画像の送信を要求し、送信された前記画像の情報から患者IDの登録を行う遠隔保険証確認手段を備え、
さらに、遠隔保険証確認手段によって得られた電子カルテIDを、SNSID、ハンドルネームとともに予約リスト管理手段上の患者マスターに登録し、登録完了のメッセージを患者側情報端末に送信し、予約可能となったことを通知する手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の医療機関受付システムでは、請求項1記載の医療機関受付システムにおいて、前記予約リスト管理手段は、(1)予約リスト管理手段上の患者マスター、(2)サービス提供のスケジュールである日付、サービス種別、サービス提供時間、予約患者からなる予約リストを備え、医療機関、患者自身からの確認問い合わせに返答する予約有無確認手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の医療機関受付システムでは、請求項1ないし2いずれか記載の医療機関受付システムにおいて、前記来院確認手段は、保険証または診察券の提示により、電子カルテの患者IDを検索し、予約有無確認手段により予約されているサービス、時間を検索し、受付時間とともにサービス順制御手段に提供することを可能としていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の医療機関受付システムでは、請求項1ないし2いずれか記載の医療機関受付システムにおいて、前記サービス順制御手段は、サービス毎に患者ID、予約時間、受付時間のリストを作成し表示する、サービス順リスト表示手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の医療機関受付システムでは、請求項1ないし2いずれか記載の医療機関受付システムにおいて、必要に応じて、医療機関内から患者マスターのSNSIDを用い、SNSを介して患者側情報端末にメッセージを送信するメッセージ送信手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の医療機関受付システムでは、患者側情報端末予約アクセス手段、ID登録手段、予約リスト管理手段、来院確認手段、予約有無確認手段、サービス順制御手段を備えるので、患者側情報端末のアプリ、レセコン、電子カルテの三者間の切れ目のない情報連携が可能となる。
また、患者側、医事課、診療を行う医療スタッフが容易に予約の作成、管理を行うことができ、待ち時間の少ない円滑な診療が可能となる。
さらに、患者側情報端末のアプリやマイナンバーカード等が十分に普及していない過渡期においても、全ての患者の予約に対応可能である。
【0016】
請求項2記載の医療機関受付システムでは、予約リスト管理手段は、(1)予約リスト管理手段上の患者マスター、(2)サービス提供のスケジュールである日付、サービス種別、サービス提供時間、予約患者からなる予約リストを備え、医療機関、患者自身からの確認問い合わせに返答する予約有無確認手段を備えている。
【0017】
請求項1記載の医療機関受付システムでは、遠隔保険証確認手段を備えるので、患者側情報端末予約アクセス手段から医療機関ポータルにアクセスが行われた際に取得されるSNSIDを、予約リスト管理手段上の患者マスター上で検索し、未登録であれば、当該SNSIDを前記患者マスターに登録すると同時に保険証画像の送信を要求し、前記画像の情報から患者IDの登録を行う。
【0018】
請求項3記載の医療機関受付システムでは、来院確認手段を備えるので、保険証または診察券の提示により、電子カルテの患者IDを検索し、予約有無確認手段により予約されているサービス、時間を検索し、受付時間とともにサービス順制御手段に提供可能である。
【0019】
請求項4記載の医療機関受付システムでは、サービス順リスト表示手段を備えるので、サービス毎に患者ID、予約時間、受付時間のリストを作成し表示する。
【0020】
請求項5記載の医療機関受付システムでは、メッセージ送信手段を備えるので、必要に応じて、医療機関内から患者マスターのSNSIDを用い、SNSを介して患者側情報端末にメッセージを送信する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の全体構成図である。
図2】医療機関内の患者マスターの項目構成図の一例である。
図3】SNS上の患者マスターの項目構成図の一例である。
図4】サービス予約の流れの概要である。
図5】患者のID登録手段における処理の流れ図である。
図6】サービスの予約手段における処理の流れ図である。
図7】来院確認手段における処理の流れ図である。
図8】サービス順制御手段の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は本発明の全体構成図である。
医療機関内には、電子カルテの運用、記録を行う電子カルテサーバー、診療報酬の請求(レセプト)をおこなうレセコンサーバー、PC端末群が、LAN(local area network)で連結されている。
受付の少なくとも一台のPC(受付PC)では、マイナンバーカードをはじめとする診察券/保険証を読み取る受付カードリーダーが接続されている。
【0023】
LANは、ルーターを介してインターネットに接続されている。
受付カードリーダーにマイナンバーカードが提示された場合、マイナンバーカードのICチップに記録されている情報は、受付PCを介して、国が運営しているマイナンバー認証サーバーに送信(認証要求)され、正規であると認証されると、前記カード保持者の保険種別、保険証番号、氏名、性別、生年月日などの認証情報が、逆のルートを辿って受付PCに送信される。
送信されてきた認証情報は、レセコンサーバー、電子カルテサーバーに送信される。マイナンバーカードでない場合は、受付PCで、前記認証情報と同様の内容を電磁的ないし手で入力し、レセコンサーバー、電子カルテサーバーに送信する。
【0024】
患者側情報端末から予約を行うには、予約を受け付けるためのインターネット(クラウド)上のサーバーと予約情報をやり取りするアプリ(患者側情報端末予約アクセス手段)が患者側情報端末にインストールされている必要がある。
当該医療機関専用のアプリを開発しても良いが、既に多数のアプリがインストールされている状況で、さらに別個のアプリのインストールを躊躇する場合も少なくないと思われる。
このため、本実施例では、既に患者側情報端末に標準搭載されているSNS(Social Network System)アプリを活用することとしている。本事例では、LINE(LINEはLINE株式会社の登録商標である)を用いているが、別のSNSアプリを用いても良い。医療機関専用のアプリ含め、どのアプリを用いても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0025】
患者側情報端末でQRコード(「QRコード」はデンソーウェーブの登録商標である)をスキャンすることで、当該医療機関ポータルにアクセスし、メニューからサービス予約を選択し、希望の日時、サービスを選択し、予約リストに登録する。
ここで、SNSアプリ自体には予約リストの作成といったデータの管理機能は無いため、当該SNSアプリのAPI(Application Programming Interface)を介して、ウェブ上データ管理アプリ(本例では、予約リスト管理手段)と連携し、患者マスター、予約リストの作成、管理を行っている。
なお、SNS経由以外に、医療機関内PCから、直接予約リストに登録することも可能としている。
受付PCで、患者の来院が確認されると、前記予約リストに対して検索を行い、予約の有無を確認する。確認が終わったら、予約の有無を返信する (予約有無確認手段)。
この予約有無確認、予約有無返答は、本例では受付PCから行っているが、医療機関内の任意のPC、サーバーから行っても良い。
これらの操作により、来院した患者の予約が有るならば、予約されているサービスと予約時間が確認できる。
ここで、医療機関ポータル、予約リスト管理手段の一部または全部を医療機関内で構築することも可能であり、この場合も本発明に含まれるが、医療機関内のシステムに患者側情報端末から直接アクセスを許すことになるため、昨今のセキュリティ事情から、本例では、SNS、予約リスト管理手段を、敢えてクラウド上に分離並列した形として、医療機関内のシステムとは隔離している。
【0026】
図2は、医療機関内の患者マスターの項目構成図の一例である。
電子カルテIDは、院内でのID番号であり、必須である。患者に関する情報は、このIDに紐づけられて記録される。
図1において、マイナンバーカードの認証が行われた際は、マイナンバー、保険証番号、氏名、性別、生年月日、住所が本患者マスターに登録される。
ナイナンバーカードの認証がない場合は、マイナンバーの欄は空欄のままで、保険証番号、氏名、性別、生年月日、住所などは、受付の医事課職員がPCに入力して登録する。
図1において、患者側情報端末から前記SNSアプリにアクセスした際に付与される、患者側情報端末ごとに固定されたSNSIDも登録可能としている。
このSNSIDは医療機関内の患者マスターとして必須ではないが、不在患者の呼び出し、サービス時間が近づいた際のリマインド、検査結果の通知など、医療機関のスタッフが患者側情報端末にメッセージを送信するのに有用である。
【0027】
図3は、図1予約リスト管理手段内の患者マスターの項目構成図の一例である。
前記電子カルテID、患者側情報端末ごとに固定されたSNSIDとハンドルネーム(通常は匿名)を記録しておき、SNSアプリにアクセスしてきた際に得られるSNSIDから、アクセスしてきた患者が予約システムに登録済かどうかを判定できる。
未登録であれば、保険証のスキャン画像送信を要求し、受信した画像の情報から、医事課職員が対応する電子カルテIDを確認し登録する(保険証確認手段)。
電子カルテに電子カルテIDが無ければ、新規患者として電子カルテIDを付番し、図2のように電子カルテに登録する。
新規登録、予約完了が済めば、SNSIDあてに、それぞれ新規登録、予約完了のメッセージをハンドルネームとともに送信する。
ここで、前記受信画像から文字情報を抽出し、自動登録することも可能である。
なお、クラウド上のセキュリティ向上のために、電子カルテIDをSNS患者マスターに登録せず、都度電子カルテIDの有無を確認したり、SNSIDだけで予約リストを作成したりすることも可能であるが、手順が複雑となり、予約リストの視認性が良くないこと、電子カルテIDは、単なる数字であって個人情報とは言えないことから、本図では電子カルテIDも用いている。
【0028】
図4は、サービス予約の流れの概要である。
まず、サービス予約の際に必要な、各患者のIDを登録する必要がある(ID登録手段)。
次いで、前記IDを用いて希望サービス、希望日時の予約を行い、予約リストに登録する(予約手段)。
患者が実際に医療機関窓口に来院した際に、予約の有無を確認した上で、患者ID、来院受付時間、さらに、予約があれば予約サービス、予約時間をサービス提供リストに登録する(来院確認手段)。
各サービスの提供現場では、来院受付時間、予約時間を用いてサービスの提供順のリストを作り、順次サービスの提供を行う(サービス順制御手段)。
【0029】
図5は、患者のID登録手段における処理の流れ図である。
まず(a)SNSを用いる場合につき説明する。
患者側情報端末(スマホ)で、医療機関のホームページやパンフレットに掲載されている当該医療機関ポータルのQRコードをスキャンする。
前記QRコードには、SNSにおける当該医療機関ポータルへのURLが記録されており、患者側情報端末に当該医療機関ポータルの画面が表示される。
この時点で、当該患者側情報端末のSNSID、ハンドルネームが医療機関受付システム側に取得される。
サービスメニューが表示され、「予約」を選択する。APIを介して予約リスト管理手段に問い合わせ、前記予約リスト管理手段上の患者マスター(図3)に前記SNSID、電子カルテIDが登録されているかを確認する。
既に登録されていれば、予約手段に移動する。
未登録であれば、既存患者で電子カルテIDは登録されているが予約システムには未登録であるか、まったくの新規患者であるかのいずれかである。
いずれにしても、本人確認のため、当該患者側情報端末に保険証の画像撮影、送信を求めるメッセージを送信する。
保険証の画像が受信されたら、医事課職員による電子カルテの患者IDを検索し、未登録であれば、新規患者として医療機関内患者マスター(図2)に新規IDを作成登録する(遠隔保険証確認手段)。
得られた電子カルテIDを、SNSID、ハンドルネームとともに前記予約リスト管理手段上の患者マスター(図3)に登録する。登録完了のメッセージを当該患者側情報端末に送信し、「予約」可能となったことを通知する。
【0030】
(b)SNSを用いないがマイナンバーカードを用いる場合は、医療機関受付PCのカードリーダーにマイナンバーカードを提示する。
マイナンバーカードのICチップに記録されている情報は、受付PCを介して、国が運営しているマイナンバー認証サーバーに送信(認証要求)され、正規であると認証されると、前記カード保持者の保険種別、保険証番号、氏名、性別、生年月日などの認証情報が、逆のルートを辿って受付PCに送信される。
送信されてきた認証情報は、レセコンサーバー、電子カルテサーバーに送信される。医事課職員は電子カルテの患者IDを検索し、未登録であれば、新規患者として医療機関内患者マスターに新規IDを作成登録する。
(c)SNSもマイナンバーカードも用いない場合、医事課職員は電子カルテ内の医療機関内患者マスターで患者IDを検索し、未登録であれば、新規患者として医療機関内患者マスターに新規IDを作成登録する。
【0031】
図6は、サービスの予約手段における処理の流れ図である。
(a)は、SNSを用いる場合である。スマホで医療機関ポータルにアクセスする。
前記QRコードをスキャンしても良いが、医療機関に対して、SNS上の「友達申請」しておけば、二度目からはSNSアプリによりワンタッチでアクセスできる。
表示されるサービスメニューで「予約」を選択する。前記アクセスの際にSNSIDが取得される。
APIを介して予約リスト管理手段に問い合わせ、前記予約リスト管理手段上の患者マスター(図3)に前記SNSID、電子カルテIDが登録されているかを確認する。
既に登録されていれば、以下の予約手続きに移動する。未登録ならば、図5の手順で患者マスター登録を行う。
【0032】
予約リスト管理手段には、患者マスター(図3)と、日付別に提供可能なサービス、時間ごとの予約枠、各枠内予約可能患者数のリスト(予約リスト)が管理されている。
患者は、希望日付を選択し、同日付で選択可能なサービスのうちの一つを選択する。
前記選択されたサービスで予約枠に空きのあるサービス予約可能時間が表示されるので、希望時間を選択する(日付優先の場合)。
または、希望サービスを先に選択し、予約可能な日付、時間を選択してもよい(サービス優先の場合)。
いずれも場合も、当該日付、サービス、時間に、患者の電子カルテID、SNSID、ハンドルネームを予約リストに登録する。
予約が完了したら、予約完了のメッセージを、SNSIDへハンドルネーム付き予約確認証を患者に送信する。この際、QRコードもともに送信すると、受付の省力化が図れてより有用である。
セキュリティ上の配慮から、患者の実氏名ではなくハンドルネームを用いている。
この間、SNSアプリと予約リスト管理手段は、APIを介して、問い合わせ、返答、登録要求などの通信を行う。
なお、医療機関専用のアプリでは、患者側情報端末予約アクセス手段と予約リスト管理手段は一体であるので、APIを介さず、直接問い合わせ、返答、登録要求を行う。
【0033】
(b)は、SNSを用いずに予約を行う場合である。
患者は、マイナンバーカードを含む保険証、医療機関独自の診察券を提示し本人確認を行う。
患者の電子カルテIDを用いて、医事課スタッフが院内PCから予約リストにアクセスし、直接予約を登録する。
必要に応じて、QRコード付きの予約確認証を、紙に印刷して手渡してもよい。
予約リストは、クラウド上にある予約リスト管理手段内で管理されているが、セキュリティやバックアップの面から、クラウド上の別アプリ、あるいは医療機関内にも予約リストのコピーを作成し、常時同期してもよい。
説明の便宜上、一患者一予約の場合を説明したが、予約時間をずらせて、同一日に内科と整形外科といったように、複数のサービスを予約することも可能である。
また、介護施設の認知症の患者が受診する場合、介護施設の職員が一台の患者側情報端末を用いて複数の患者の予約を行うことも可能である。
この場合、職員の患者側情報端末のSNSIDを、それぞれの患者の患者IDに紐づければよい。
【0034】
図7は、来院確認手段における処理の流れ図である。
(a)マイナンバーカードを提示した場合は、医療機関の受付PCに接続されているカードリーダーにタッチする。
マイナンバーカードのICチップに記録されている情報は、受付PCを介して、国が運営しているマイナンバー認証サーバーに送信(認証要求)され、正規であると認証されると、前記カード保持者の保険種別、保険証番号、氏名、性別、生年月日などの認証情報が、逆のルートを辿って受付PCに送信される。
医療機関内電子カルテの患者マスターを検索し、電子カルテIDを得る。患者が未登録であれば、新規患者として医療機関内患者マスターに新規IDを作成登録する。
受付時間も取得する。予約リスト管理手段に問い合わせ(予約有無確認手段)、予約があれば予約しているサービス、時間を取得し、受付時間とともにサービス順制御手段に送信する。
予約がなければ、予約なしの希望サービス、受付時間のみをサービス順制御手段に送信する。
【0035】
(b)マイナンバーカード以外のカードを提示した場合である。
電磁的な診察券では受付のカードリーダーにタッチすることで、電子カルテIDが得られる。非電磁的な診察券では、医事課職員が、患者氏名などから電子カルテIDを検索し、入力する。
予約リスト管理手段に予約の有無を問い合わせ、あれば予約サービス、予約時間を取得する。
いずれにしても、電子カルテID、受付時間、予約なしの希望サービス、または予約のあるサービスおよび予約時間をサービス順制御手段に送信する。
予約サービス、時間を記録したQRコードを持参している場合は、QRコード読取機に提示し、電子カルテID、予約のあるサービスおよび予約時間をサービス順制御手段に送信する。QRコードは、紙に印刷されたもの、スマホ画面に表示されたもの、いずれでもよい。
【0036】
図8は、サービス順制御手段としての電子カルテ画面の一例(外来受付リスト)である。
サービスの提供者である医師などは、本画面を見ながら次に呼び出す(サービスを提供する)患者を選択する。
画面では、患者ID、氏名、予約時間、受付時間などが、受付時間順に表示されている。
優先予約時間のタブがクリックされると、当該予約時間かそれ以前に受付した患者の行がハイライトされる(サービス順リスト表示手段)。
ハイライトされている予約あり患者を受付時間順に呼び出し、当該予約時間枠の患者へのサービス提供が終了したら、予約なしの患者を来院順に呼び出してゆけばよい。
予約時間枠に余裕があれば、当該時間内であっても予約なしの患者を受付時間順あるいは、緊急、痛みが強いなどの患者を適宜呼び出してもよい。
【0037】
以上、実施例を説明したが、本発明の具体的な構成は前記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【要約】      (修正有)
【課題】患者側情報端末のアプリ、レセコン、電子カルテの三者間の切れ目のない情報連携を行い、患者側、医事課、診療を行う医療スタッフが容易に予約の作成、管理を行えるようにすることで、待ち時間の少ない円滑な診療を可能とする医療機関受付システムを提供する。
【解決手段】医療機関受付システムは、医療機関のサービス予約において、患者側情報端末から予約システムにアクセスする患者側情報端末予約アクセス手段、患者のIDを登録するID登録手段、サービスの予約リストを管理する予約リスト管理手段、患者の来院を確認する来院確認手段、来院した患者が予約を有しているかを確認する予約有無確認手段、予約の有無、来院時間順に優先順位を表示してサービス提供の順番を制御するサービス順位制御手段を備えている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8