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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】コンベヤの取り卸し装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/38 20060101AFI20231023BHJP
   B65G 21/14 20060101ALI20231023BHJP
   B65G 21/12 20060101ALI20231023BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
B65G47/38
B65G21/14 B
B65G21/14 C
B65G21/12 A
B65G47/52 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020060217
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021155216
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000228707
【氏名又は名称】日本コンベヤ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(72)【発明者】
【氏名】吉川 勝博
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 公彦
(72)【発明者】
【氏名】駒田 弘明
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0233682(US,A1)
【文献】米国特許第06688450(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/38
B65G 21/14
B65G 21/12
B65G 47/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤ装置(1)を支持するコンベヤフレーム(6)と、
前記コンベヤ装置(1)で移送された搬送物を落下させる取り卸し部(14)と、
前記取り卸し部(14)の下に配置されるサブコンベヤ装置(40)と、
前記サブコンベヤ装置(40)を支持するサブコンベヤフレーム(25)と、
前記サブコンベヤフレーム(25)を前記コンベヤフレーム(6)に対して横方向に旋回可能に支持する旋回装置(30)と、
前記サブコンベヤフレーム(25)を前記コンベヤフレーム(6)に対して上下方向に起伏可能に支持する揺動装置(26)と、
を備え、
前記旋回装置(30)は、前記コンベヤフレーム(6)側又は前記サブコンベヤフレーム(25)側の一方に設けられる内側部材(31)と、他方に設けられ前記内側部材(31)に対して旋回中心周りに相対回転可能な外側部材(32)とを備え、
前記内側部材(31)の旋回中心には搬送物の通過空間(33)が備えられていコンベヤの取り卸し装置。
【請求項2】
コンベヤ装置(1)を支持するコンベヤフレーム(6)と、
前記コンベヤ装置(1)で移送された搬送物を落下させる取り卸し部(14)と、
前記取り卸し部(14)の下に配置されるサブコンベヤ装置(40)と、
前記サブコンベヤ装置(40)を支持するサブコンベヤフレーム(25)と、
前記サブコンベヤフレーム(25)を前記コンベヤフレーム(6)に対して横方向に旋回可能に支持する旋回装置(30)と、
前記サブコンベヤフレーム(25)を前記コンベヤフレーム(6)に対して上下方向に起伏可能に支持する揺動装置(26)と、
を備え、
前記サブコンベヤ装置(40)を前記サブコンベヤフレーム(25)に対してコンベヤの長手方向に沿ってスライド可能に支持するスライド装置(50)を備えコンベヤの取り卸し装置。
【請求項3】
前記揺動装置(26)は、前記コンベヤフレーム(6)側に設けられる旋回フレーム(22)と、前記サブコンベヤフレーム(25)側に設けられる対のブラケット(23)と、前記旋回フレーム(22)と対の前記ブラケット(23)とをそれぞれ揺動可能に支持する対の揺動ピン(24)とを備え、
対の前記揺動ピン(24)間に前記サブコンベヤ装置(40)が配置されている請求項1又は2に記載のコンベヤの取り卸し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送物の取り卸し装置に関し、特に、コンベヤ装置で移送されてきた搬送物を、次なる移送手段に導くために用いられるコンベヤの取り卸し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、土砂や砕石、その他各種の搬送物を移送する手段として、コンベヤ装置が用いられる。コンベヤ装置として、例えば、無端状のベルトを用いたベルトコンベヤや、回転するスクリュー軸を用いたスクリューコンベヤ等がある。
【0003】
ベルトコンベヤは、駆動側のプーリと従動側のプーリとの間に無端状の帯状ベルトを巻回し、駆動側のプーリの回転によりベルトが移動して、そのベルト上の搬送物が後端から先端に向かって移送されるようになっている。スクリューコンベヤは、ケーシング内にらせん状の羽根を備えた回転軸が設けられ、その回転軸が駆動力によって軸周りに回転することで、その羽根の回転に合わせて搬送物を軸方向後端から先端に押し出して移送するようになっている。
【0004】
コンベヤ装置で移送されてきた搬送物は、そのコンベヤ装置の先端等の取り卸し部で落下して、車両や別のコンベヤ装置等の次なる移送手段に積み込まれる。このとき、ベルトコンベヤの場合は、搬送物を的確な位置に導くために、コンベヤ装置の取り卸し部の直下にホッパやシュート等が備えられる場合もある(例えば、特許文献1参照)。また、スクリューコンベヤの場合は、コンベヤ装置のケーシングに排出口が備えられ、その排出口を、搬送物を落下させる取り卸し部としている場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-160101号公報(第15頁第4図参照)
【文献】特開平9-315548号公報(第5頁第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、コンベヤ装置で移送されてきた搬送物は、そのコンベヤ装置の取り卸し部で落下して、次なる移送手段に積み込まれる。このとき、次なる移送手段が固定された装置である場合は、コンベヤ装置と移送手段とを互いに的確な位置に固定すれば、搬送物がこぼれることを防止できる。しかし、次なる移送手段が車両や船舶等の輸送用機器である場合、その輸送用機器の荷台をその都度コンベヤ装置の取り卸し部の直下に位置合わせしなければならない。このような位置合わせは、輸送用機器を低速で移動させながら行う必要があり、多大な時間のロスを生じる。したがって、このような時間のロスを無くし、限られた時間内に少しでも多くの搬送物を移送したいという要請がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、コンベヤ装置から次なる移送手段への搬送物の取り卸しに際し、コンベヤ装置と次なる移送手段との位置合わせの時間を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明は、コンベヤ装置を支持するコンベヤフレームと、前記コンベヤ装置で移送された搬送物を落下させる取り卸し部と、前記取り卸し部の下に配置されるサブコンベヤ装置と、前記サブコンベヤ装置を支持するサブコンベヤフレームと、前記サブコンベヤフレームを前記コンベヤフレームに対して横方向に旋回可能に支持する旋回装置と、前記サブコンベヤフレームを前記コンベヤフレームに対して上下方向に起伏可能に支持する揺動装置と、を備えるコンベヤの取り卸し装置を採用した。
【0009】
前記旋回装置は、前記コンベヤフレーム側又は前記サブコンベヤフレーム側の一方に設けられる内側部材と、他方に設けられ前記内側部材に対して旋回中心周りに相対回転可能な外側部材とを備え、前記内側部材の旋回中心には搬送物の通過空間が備えられている構成を採用することができる。
【0010】
また、揺動装置は、前記コンベヤフレーム側に設けられる旋回フレームと、前記サブコンベヤフレーム側に設けられる対のブラケットと、前記旋回フレームと対の前記ブラケットとをそれぞれ揺動可能に支持する対の揺動ピンとを備え、対の前記揺動ピン間に前記サブコンベヤ装置が配置されている構成を採用することができる。
【0011】
さらに、前記サブコンベヤ装置を前記サブコンベヤフレームに対してコンベヤの長手方向に沿ってスライド可能に支持するスライド装置を備える構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明は、コンベヤ装置と次なる移送手段との位置合わせの時間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の一実施形態を示す縦断面図
図2図1の平面図
図3図1のA-A断面図
図4図1のB-B断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態は、コンベヤの取り卸し装置20、及び、その取り卸し装置20を備えたコンベヤ装置1である。ここでは、搬送物として土砂を想定している。搬送物の土砂は、コンベヤ装置1の後端の投入部4から供給された後、先端の取り卸し部14に移送され、取り卸し装置20を介して次なる移送手段であるダンプトラック60の荷台に積まれる。そして、土砂はダンプトラック60によって目的地へ移送されていく。
【0015】
この実施形態では、コンベヤ装置1としてスクリューコンベヤを採用している。コンベヤ装置1は、図1及び図2に示すように、ケーシング13内にらせん状に連続する羽根を備えたスクリュー軸10が設けられ、そのスクリュー軸10が、モータ等の駆動源7からの駆動力によって軸周りに回転することで、その羽根の回転に合わせて搬送物を軸方向後端11から先端12に押し出して運搬するようになっている。
【0016】
図2に示すように、スクリュー軸10は2本並列して配置され、それぞれのスクリュー軸10が搬送物を移送できるようになっている(図4の断面参照)。なお、一方のスクリュー軸10と他方のスクリュー軸10とは後端11の位置はいずれも投入部4の直下で共通であるが、先端12の位置は互いに異なっている。それぞれの先端12の直下に、取り卸し装置20が配置されている。以下、軸長が長い一方のスクリュー軸10を第1スクリュー軸10Aと称し、第1スクリュー軸10Aに対応する取り卸し装置20を第1取り卸し装置20Aと称する。また、軸長が短い他方のスクリュー軸10を第2スクリュー軸10Bと称し、第2スクリュー軸10Bに対応する取り卸し装置20を第2取り卸し装置20Bと称する。
【0017】
コンベヤ装置1のスクリュー軸10及びケーシング13、駆動源7、投入部4、維持管理用のデッキ8等は、傾斜方向に配置されたコンベヤフレーム6とそのコンベヤフレーム6を支える基台2によって支持されている。基台2の下には無限軌道を備えた走行装置3や、昇降式のロッドを備えた地盤への支持装置5が設けられているので、コンベヤ装置1は自由に向きの変更や移動が可能であり、その位置で地盤上に固定することができる。また、この実施形態では、基台2に対してコンベヤフレーム6及びスクリュー軸10は一定の仰角で固定されているが、コンベヤフレーム6及びスクリュー軸10の基台2に対する仰角を調整できる機構を備えることも可能である。
【0018】
コンベヤ装置1には、そのコンベヤ装置1で移送されてきた搬送物を落下させる取り卸し部14が設けられている。取り卸し部14は、第1スクリュー軸10Aの先端12の直下と、第2スクリュー軸10Bの先端12の直下にそれぞれ位置し、その各先端12に設けられたケーシング13の下方開口と、その下方開口から落下する搬送物が周囲に飛び散らないように案内する筒状部材で構成されている。図3は、第1スクリュー軸10A側の第1取り卸し装置20Aを、図4は、第2スクリュー軸10B側の第2取り卸し装置20Bを示している。
【0019】
第1取り卸し装置20A及び第2取り卸し装置20Bは、それぞれ取り卸し部14の下に吊られて配置される。
その構成は、サブコンベヤ装置40と、サブコンベヤ装置40を支持するサブコンベヤフレーム25と、サブコンベヤフレーム25をコンベヤフレーム6に対して横方向に旋回可能(図1の矢印A参照)に支持する旋回装置30と、サブコンベヤフレーム25をコンベヤフレーム6に対して上下方向に起伏可能(図1の矢印B参照)に支持する揺動装置26とを備えている。さらに、第1取り卸し装置20A及び第2取り卸し装置20Bは、サブコンベヤ装置40をサブコンベヤフレーム25に対してコンベヤの長手方向に沿ってスライド可能(図1の矢印C参照)に支持するスライド装置50を備えている。
【0020】
旋回装置30は、図3及び図4に示すように、第1取り卸し装置20Aと第2取り卸し装置20Bとで基本的に共通の構成である。旋回装置30の構成は、コンベヤフレーム6側に設けられる内側部材31と、サブコンベヤフレーム25側に設けられ内側部材31に対して旋回中心周りに相対回転可能な外側部材32とを備えている。内側部材31は平面視環状を成す部材であり、その内側部材31の旋回中心には落下する搬送物の通過空間33が備えられている。通過空間33には、搬送物を導くシュート21が設けられている。外側部材32は内側部材31の外周に沿って設けられ、内側部材31と外側部材32とは、上下方向の旋回中心線周りに相対回転可能である。
【0021】
なお、この実施形態では、サブコンベヤフレーム25は、上部フレーム22(後述の旋回フレーム22に相当するフレーム)と下部フレーム27(サブコンベヤ装置40が直接固定されているフレーム)とからなり、外側部材32は上部フレーム22に固定されている。また、この実施形態では、内側部材31をコンベヤフレーム6に直接固定しているが、内側部材31をコンベヤフレーム6に対して他の部材を介して間接的に固定してもよい。さらに、この実施形態では、コンベヤフレーム6側に内側部材31を、サブコンベヤフレーム25側に外側部材32を配置したが、これを逆にして、コンベヤフレーム6側に外側部材32を、サブコンベヤフレーム25側に内側部材31を配置してもよい。
【0022】
揺動装置26は、コンベヤフレーム6側に設けられる旋回フレーム22と、サブコンベヤフレーム25側に設けられる対のブラケット23と、旋回フレーム22と対のブラケット23とをそれぞれ揺動可能に支持する対の揺動ピン24とを備えている。また、対の揺動ピン24間にサブコンベヤ装置40が配置されている。対の揺動ピン24間にサブコンベヤ装置40が配置されているので、搬送物がサブコンベヤ装置40に落下するのを阻害しないようになっている。揺動装置26は、サブコンベヤフレーム25及びサブコンベヤ装置40を、コンベヤフレーム6に対して上下方向に起伏可能に支持している。
【0023】
サブコンベヤフレーム25の下部フレーム27は、サブコンベヤ装置40の幅方向両側に配置され、コンベヤの長手方向に沿って配置される縦部材27aと、その縦部材27a間を結ぶ横部材27bとを備えている。対のブラケット23は、両側の縦部材27aからそれぞれ立ち上がっている。サブコンベヤフレーム25の上部フレーム22(旋回フレーム22)は、対向する縦部材22aと、その縦部材22a間を結ぶ横部材22bとを備えている。対の揺動ピン24は、それぞれの側で縦部材22aの下端とブラケット23とを貫通するように設けられている。すなわち、揺動装置26は、サブコンベヤフレーム25を構成する上部フレーム22と下部フレーム27とが、揺動ピン24の軸回りに上下方向へ揺動するようになっている。揺動装置26は旋回装置30の下方に配置されているので、サブコンベヤフレーム25及びサブコンベヤ装置40は、旋回中心周りに360度の任意の旋回位置で、水平方向に対する任意の仰角(鋭角)の設定が容易に可能である。
【0024】
スライド装置50は、サブコンベヤ装置40をサブコンベヤフレーム25に対してコンベヤの長手方向に沿ってスライド可能に支持する装置である。
【0025】
サブコンベヤ装置40は、図1に示すように、コンベヤの長手方向先端側のヘッドプーリ42及び長手方向後端側のテールプーリ43と、そのヘッドプーリ42とテールプーリ43との間掛け渡される無端状のコンベヤベルト41とを備えている。コンベヤベルト41には、所定幅を有する帯状のゴム素材が用いられ、その内部には繊維や金属等からなる補強部材が埋め込まれて、所定の可撓性と搬送物の荷重に耐え得る所定の強度が確保されている。ヘッドプーリ42には、図示しない駆動用モータ等から駆動力が入力されるようになっている。駆動力によってヘッドプーリ42が回転すると、上面側に位置する搬送側のコンベヤベルト41が下面側に位置するリターン側へと送り出されて、無端状のコンベヤベルト41が走行する。このとき、テールプーリ43は、コンベヤベルト41の走行に伴って従動して回転し、コンベヤベルト41をリターン側から搬送側へと案内する。また、ヘッドプーリ42及びテールプーリ43との間において、搬送側とリターン側にはそれぞれコンベヤベルト41を下面側から保持するローラ44が長手方向に沿って複数配置されている。サブコンベヤ装置40の先端には、搬送物を次なる移送手段に向かって落下させるガイドシュート45が設けられている。
【0026】
スライド装置50は、サブコンベヤ装置40を支持するスライド部材51と、サブコンベヤフレーム25に設けられるガイド部材52とを備えている。サブコンベヤ装置40のプーリやローラ類は、スライド部材51によって支持されている。ガイド部材52は、揺動装置26よりも下に位置する下部フレーム27に設けられている。ガイド部材52は、スライド部材51が下部フレーム27に対してコンベヤの長手方向に沿って相対移動することをガイドしている。
【0027】
また、サブコンベヤフレーム25の長手方向先端には係止部46が設けられている。この係止部46にワイヤー等の引張部材34が係止されて、その引張部材34をクレーン等で引いて、サブコンベヤフレーム25及びサブコンベヤ装置40の旋回方向(向き)や仰角、スライド位置を調整するようにしている。
【0028】
第1取り卸し装置20A及び第2取り卸し装置20Bからの搬送物は、次なる移送手段であるダンプトラック60に積み込まれる。ここで、従来は、ダンプトラック60の荷台をその都度コンベヤ装置1の取り卸し部14の直下に位置合わせしなければならなかった。しかし、この発明によれば、第1取り卸し装置20A及び第2取り卸し装置20Bを用いることにより、ダンプトラック60の車種(荷台の高さ等)や停車位置に合わせて、サブコンベヤ装置40のガイドシュート45の位置及び高さを、矢印A方向への旋回機能、矢印B方向への揺動機能、矢印C方向へのスライド機能により調整することができる。これにより、ダンプトラック60を低速で移動させながら行う位置調整が不要であり、また、ダンプトラック60が取り卸し場所に接近している最中に、第1取り卸し装置20A及び第2取り卸し装置20Bによるガイドシュート45の位置調整を同時に進行でき、時間のロスを低減できる。
【0029】
なお、上記の実施形態では、取り卸し装置20は、サブコンベヤ装置40をサブコンベヤフレーム25に対してコンベヤの長手方向に沿ってスライド可能に支持するスライド装置50を備える構成としたが、スライド装置50の設置を省略することも可能である。
【0030】
上記の実施形態では、サブコンベヤフレーム25の係止部46に、ワイヤー等の引張部材34を係止して、その引張部材34をクレーン等で引くことで、サブコンベヤ装置40の旋回方向(向き)や仰角、スライド位置を調整できるようにしたが、旋回機能、揺動機能、スライド機能のそれぞれにモータ等の駆動装置を接続して、それぞれ駆動力によって位置調整及び任意の位置で動かないようにロックする機能を備えさせてもよい。
【0031】
上記の実施形態では、2本のスクリュー軸10と2つの取り卸し装置20を備え、それぞれの取り卸し装置20で同時に別々のダンプトラック60に搬送物の取り卸しを可能としたが、1本のスクリュー軸10と1つの取り卸し装置20を備えた構成とすることもでき、逆に数を増やして、3本のスクリュー軸10と3つの取り卸し装置20を備えた構成とする等、取り卸し装置20の設置数は自由に設定できる。また、上記の実施形態では、搬送物の次なる移送手段としてダンプトラック60を採用したが、次なる移動手段としては車両や船舶等の各種の輸送用機器や、複数のコンベヤ装置を設置してその複数のコンベヤ装置に選択的に搬送物を取り下ろす場合等に、この発明の取り卸し装置20を用いてもよい。さらに、上記の実施形態では、コンベヤ装置1としてスクリューコンベヤを採用したが、これをベルトコンベヤ等の他のコンベヤ装置としてもよい。また、コンベヤ装置1として異なる方式のコンベヤ、例えば、スクリューコンベヤとベルトコンベヤを併用した構成としてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 コンベヤユニット(コンベヤ装置)
6 コンベヤフレーム
10 スクリュー軸
11 後端
12 先端
13 ケーシング
14 取り卸し部
20 取り卸し装置
20A 第1取り卸し装置
20B 第2取り卸し装置
21 シュート
22 旋回フレーム(上部フレーム)
23 ブラケット
24 揺動ピン
25 サブコンベヤフレーム(下部フレーム)
26 揺動装置
27 下部フレーム
30 旋回装置
31 内側部材
32 外側部材
33 通過空間
40 サブコンベヤ装置
46 係止部
47 引張部材
50 スライド装置
51 スライド部材
52 ガイド部材
図1
図2
図3
図4