(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】真空室用の流体開閉装置、真空室用のゲートバルブ装置及び流体の開閉方法
(51)【国際特許分類】
F16K 51/02 20060101AFI20231023BHJP
F16K 3/00 20060101ALI20231023BHJP
F16K 3/02 20060101ALI20231023BHJP
F16K 3/312 20060101ALI20231023BHJP
B65G 65/40 20060101ALN20231023BHJP
B65G 51/02 20060101ALN20231023BHJP
【FI】
F16K51/02 B
F16K3/00 D
F16K3/02 E
F16K3/312
B65G65/40 B
B65G51/02 C
(21)【出願番号】P 2020087286
(22)【出願日】2020-05-19
【審査請求日】2022-04-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.公開の事実 ▲1▼ウェブサイトの掲載日 令和2年3月11日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス https://www.fujitechnology.co.jp/ ▲3▼公開者 株式会社フジ・テクノロジー ▲4▼公開された発明の内容 株式会社フジ・テクノロジーが、上記アドレスのウェブサイトで公開されている株式会社フジ・テクノロジーのウェブサイトにて、谷口嘉教が発明した流体開閉装置、ゲートバルブ装置及び流体の開閉方法について公開した。 2.特許を受ける権利の承継等の事実 ▲1▼公開された発明の発明者 谷口嘉教(神奈川県横浜市南区井土ヶ谷下町11番地7 株式会社フジ・テクノロジー内) ▲2▼発明の公開の原因となる行為時の特許を受ける権利を有する者(行為時の権利者) 株式会社フジ・テクノロジー(神奈川県横浜市南区井土ヶ谷下町11番地7) ▲3▼特許出願人(願書に記載された者) 株式会社フジ・テクノロジー ▲4▼公開者 株式会社フジ・テクノロジー ▲5▼特許を受ける権利の承継について 公開の事実に記載の公開行為により公開された発明は、谷口嘉教によって発明されたものであり、令和2年3月2日にその発明に係る特許を受ける権利は谷口嘉教から株式会社フジ・テクノロジーに譲渡された。公開時の令和2年3月11日において、株式会社フジ・テクノロジーはその発明についての特許を受ける権利を保有していた。 その後、令和2年5月19日に株式会社フジ・テクノロジーは特許出願を行った。 ▲6▼行為時の権利者と公開者との関係等について 行為時の権利者である株式会社フジ・テクノロジー自ら、流体開閉装置、ゲートバルブ装置及び流体の開閉方法について、公開の事実に記載のとおり公開を行った。
(73)【特許権者】
【識別番号】500219216
【氏名又は名称】株式会社フジ・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】谷 口 嘉 教
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-533123(JP,A)
【文献】特開2019-043741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 51/02
F16K 3/00- 3/16
B65G 65/30-65/48
B65G 51/02
F26B 1/00-25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が通過する通路を開閉する真空室用の流体開閉装置であって、
前記通路の真空室入口側通路を開閉する第1の開閉弁と、
この第1の開閉弁の開閉を制御する第1の開閉弁開閉制御手段と、
前記第1の開閉弁より前記流体の流れの下流に位置し、前記真空室入口側通路の開口部を第1の弁体でスライドして開閉するようにした第1のゲートバルブと、
この第1のゲートバルブの開閉を制御する第1のゲートバルブ開閉制御手段と、
前記第1のゲートバルブより前記流体
の流れの下流に位置した真空室と、
この真空室の出口側の通路である真空室出口側通路を開閉する第2の開閉弁と、
この第2の開閉弁の開閉を制御する第2の開閉弁開閉制御手段と、
前記第2の開閉弁より前記流体
の流れの下流に位置し、前記真空室出口側通路の開口部を第2の弁体でスライドして開閉するようにした第2のゲートバルブと、
この第2のゲートバルブの開閉を制御する第2のゲートバルブ開閉制御手段と、
前記真空室入口側通路を有する真空室入口側通路本体と、
前記真空室出口側通路を有する真空室出口側通路本体とを備え、
前記第1の弁体には、前記真空室入口側通路の開口部を塞ぐ第1の閉塞部と前記真空室入口側通路の開口部と同じ大きさの第1の弁体側開口部が設けられ、
前記真空室入口側通路本体に前記第1の弁体の表面に対向するように入口側第1の環状のシール部材が、前記第1の弁体の裏面に対向するように入口側第2の環状のシール部材が、それぞれ設けられ、
前記入口側第2の環状のシール部材は第1の昇降手段により、上昇して前記第1の弁体の裏面に当接、前記第1の昇降手段により、下降して前記第1の弁体の裏面に非当接し、
前記第1の昇降手段は、第1の昇降制御手段により昇降し、
前記第1の昇降制御手段により前記第1の昇降手段を降下させて前記入口側第2の環状のシール部材を前記第1の弁体の裏面に非当接させ、前記第1のゲートバルブ開閉制御手段により前記第1の弁体が、前記入口側第1の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記真空室入口側通路の開口部に前記第1の弁体側開口部が位置し、その後、前記第1の昇降制御手段により前記第1の昇降手段を上昇させて前記入口側第2の環状のシール部材を前記第1の弁体の裏面に当接させて前記真空室入口側通路を開とし、
前記第1の昇降制御手段により前記第1の昇降手段を降下させて、前記入口側第2の環状のシール部材を前記第1の弁体の裏面に非当接させ、前記第1のゲートバルブ開閉制御手段により前記第1の弁体が、前記入口側第1の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記真空室入口側通路の開口部に前記第1の閉塞部が位置し、その後、前記第1の昇降制御手段により前記第1の昇降手段を上昇させて前記入口側第2の環状のシール部材を前記第1の弁体の裏面に当接させて前記真空室入口側通路を閉とし、
前記第2の弁体には、前記真空室出口側通路の開口部を塞ぐ第2の閉塞部と前記真空室出口側通路の開口部と同じ大きさの第2の弁体側開口部が設けられ、
前記真空室出口側通路本体に前記第2の弁体の表面に対向するように出口側第1の環状のシール部材が、前記第2の弁体の裏面に対向するように出口側第2の環状のシール部材が、それぞれ設けられ、
前記出口側第2の環状のシール部材は第2の昇降手段により、上昇して前記第2の弁体の裏面に当接、前記第2の昇降手段により、下降して前記第2の弁体の裏面に非当接し、
前記第2の昇降手段は、第2の昇降制御手段により昇降し、
前記第2の昇降制御手段により前記第2の昇降手段を降下させて前記出口側第2の環状のシール部材を前記第2の弁体の裏面に非当接させ、前記第2のゲートバルブ開閉制御手段により前記第2の弁体が、前記出口側第2の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記真空室出口側通路の開口部に前記第2の弁体側開口部が位置し、その後、前記第2の昇降制御手段により前記第2の昇降手段を上昇させて前記出口側第2の環状のシール
部材を前記第2の弁体の裏面に当接させて前記真空室出口側通路を開とし、
前記第2の昇降制御手段により前記第2の昇降手段を降下させて、前記出口側第2の環状のシール部材を前記第2の弁体の裏面に非当接させ、前記第2のゲートバルブ開閉制御手段により前記第2の弁体が、前記出口側第2の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記真空室出口側通路の開口部に前記第2の閉塞部が位置し、その後、前記第2の昇降制御手段により前記第2の昇降手段を上昇させて前記出口側第2の環状のシール部材を前記第2の弁体の裏面に当接させて前記真空室出口側通路を閉とし、
前記真空室から前記流体を排出する際、前記第2のゲートバルブを開、その後、前記第2の開閉弁を開として、前記真空室出口側通路の開により前記真空室から前記流体を排出する
ことを特徴とする真空室用の流体開閉装置。
【請求項2】
請求項1の真空室用の流体開閉装置の通路を開閉する流体の開閉方法であって、
前記真空室出口側通路を前記第2の開閉弁及び前記第2のゲートバルブにより閉、前記真空室入口側通路を前記第1の開閉弁及び前記第1のゲートバルブにより閉とした状態で、前記真空室入口側通路に流体を導き、
前記第1のゲートバルブを開、その後、前記第1の開閉弁を開として、前記真空室に前記流体を導き、
その後、前記第1の開閉弁を閉、その後、前記第1のゲートバルブを閉として、前記真空室内で前記流体を生成処理し、
生成処理後、前記第2のゲートバルブを開、その後、前記第2の開閉弁を開として、前記真空室出口側通路の開により前記真空室から前記流体を排出する
ことを特徴とする流体の開閉方法。
【請求項3】
流体が通過する通路を開閉する真空室の出口側に設けられたゲートバルブ装置であって、
前記真空室の出口側の通路である真空室出口側通路を開閉する開閉弁と、
この開閉弁の開閉を制御する開閉弁開閉制御手段と、
前記開閉弁より前記流体
の流れの下流に位置し、前記真空室出口側通路の開口部を弁体でスライドして開閉するようにしたゲートバルブと、
このゲートバルブの開閉を制御するゲートバルブ開閉制御手段と、
前記通路を有する通路本体とを備え、
前記弁体には、前記通路の開口部を塞ぐ閉塞部と前記通路の開口部と同じ大きさの弁体側開口部が設けられ、
前記通路本体に前記弁体の表面に対向するように第1の環状のシール部材が、前記弁体の裏面に対向するように第2の環状のシール部材が、それぞれ設けられ、
前記第2の環状のシール部材は昇降手段により、上昇して前記弁体の裏面に当接、前記昇降手段により、下降して前記弁体の裏面に非当接し、
前記昇降手段は、昇降制御手段により昇降し、
前記昇降制御手段により前記昇降手段を降下させて前記第2の環状のシール部材を前記弁体の裏面に非当接させ、前記ゲートバルブ開閉制御手段により前記弁体が、前記第1の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記通路の開口部に前記弁体側開口部が位置し、その後、前記昇降制御手段により前記昇降手段を上昇させて前記第2の環状のシール部材を前記弁体の裏面に当接させて前記通路を開とし、
前記昇降制御手段により前記昇降手段を降下させて、前記第2の環状のシール部材を前記弁体の裏面に非当接させ、前記ゲートバルブ開閉制御手段により前記弁体が、前記第1の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記通路の開口部に前記閉塞部が位置し、その後、前記昇降制御手段により前記昇降手段を上昇させて前記第2の環状のシール部材を前記弁体の裏面に当接させて前記通路を閉となり、
前記真空室から前記流体を排出する際、前記ゲートバルブを開、その後、前記開閉弁を開として、前記真空室出口側通路の開により前記真空室から前記流体を排出する
ことを特徴とする真空室用のゲートバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空室用の流体開閉装置、真空室用のゲートバルブ装置及び流体の開閉方法に係り、特に、ゲートバルブの動作不良を防ぐことができる真空室用の流体開閉装置、真空室用のゲートバルブ装置及び流体の開閉方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通路内を弁板で開閉するようにしたゲートバルブがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記ゲートバルブを通路内で開閉すると、例えば、通路を流れる流体、例えば、粉体の場合、ゲートバルブの摺動部に粉体が付着し、動作不良を起こすという問題点が生じた。
【0004】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされたもので、ゲートバルブの動作不良を防ぐことができる真空室用の流体開閉装置、真空室用のゲートバルブ装置及び流体の開閉方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の真空室用の流体開閉装置は、流体が通過する通路を開閉する真空室用の流体開閉装置であって、前記通路の真空室入口側通路を開閉する第1の開閉弁と、この第1の開閉弁の開閉を制御する第1の開閉弁開閉制御手段と、前記第1の開閉弁より前記流体の流れの下流に位置し、前記真空室入口側通路の開口部を第1の弁体でスライドして開閉するようにした第1のゲートバルブと、この第1のゲートバルブの開閉を制御する第1のゲートバルブ開閉制御手段と、前記第1のゲートバルブより前記流体の流れの下流に位置した真空室と、この真空室の出口側の通路である真空室出口側通路を開閉する第2の開閉弁と、この第2の開閉弁の開閉を制御する第2の開閉弁開閉制御手段と、前記第2の開閉弁より前記流体の流れの下流に位置し、前記真空室出口側通路の開口部を第2の弁体でスライドして開閉するようにした第2のゲートバルブと、この第2のゲートバルブの開閉を制御する第2のゲートバルブ開閉制御手段と、前記真空室入口側通路を有する真空室入口側通路本体と、前記真空室出口側通路を有する真空室出口側通路本体とを備え、前記第1の弁体には、前記真空室入口側通路の開口部を塞ぐ第1の閉塞部と前記真空室入口側通路の開口部と同じ大きさの第1の弁体側開口部が設けられ、前記真空室入口側通路本体に前記第1の弁体の表面に対向するように入口側第1の環状のシール部材が、前記第1の弁体の裏面に対向するように入口側第2の環状のシール部材が、それぞれ設けられ、前記入口側第2の環状のシール部材は第1の昇降手段により、上昇して前記第1の弁体の裏面に当接、前記第1の昇降手段により、下降して前記第1の弁体の裏面に非当接し、前記第1の昇降手段は、第1の昇降制御手段により昇降し、前記第1の昇降制御手段により前記第1の昇降手段を降下させて前記入口側第2の環状のシール部材を前記第1の弁体の裏面に非当接させ、前記第1のゲートバルブ開閉制御手段により前記第1の弁体が、前記入口側第1の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記真空室入口側通路の開口部に前記第1の弁体側開口部が位置し、その後、前記第1の昇降制御手段により前記第1の昇降手段を上昇させて前記入口側第2の環状のシール部材を前記第1の弁体の裏面に当接させて前記真空室入口側通路を開とし、前記第1の昇降制御手段により前記第1の昇降手段を降下させて、前記入口側第2の環状のシール部材を前記第1の弁体の裏面に非当接させ、前記第1のゲートバルブ開閉制御手段により前記第1の弁体が、前記入口側第1の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記真空室入口側通路の開口部に前記第1の閉塞部が位置し、その後、前記第1の昇降制御手段により前記第1の昇降手段を上昇させて前記入口側第2の環状のシール部材を前記第1の弁体の裏面に当接させて前記真空室入口側通路を閉とし、前記第2の弁体には、前記真空室出口側通路の開口部を塞ぐ第2の閉塞部と前記真空室出口側通路の開口部と同じ大きさの第2の弁体側開口部が設けられ、前記真空室出口側通路本体に前記第2の弁体の表面に対向するように出口側第1の環状のシール部材が、前記第2の弁体の裏面に対向するように出口側第2の環状のシール部材が、それぞれ設けられ、前記出口側第2の環状のシール部材は第2の昇降手段により、上昇して前記第2の弁体の裏面に当接、前記第2の昇降手段により、下降して前記第2の弁体の裏面に非当接し、前記第2の昇降手段は、第2の昇降制御手段により昇降し、前記第2の昇降制御手段により前記第2の昇降手段を降下させて前記出口側第2の環状のシール部材を前記第2の弁体の裏面に非当接させ、前記第2のゲートバルブ開閉制御手段により前記第2の弁体が、前記出口側第2の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記真空室出口側通路の開口部に前記第2の弁体側開口部が位置し、その後、前記第2の昇降制御手段により前記第2の昇降手段を上昇させて前記出口側第2の環状のシール部材を前記第2の弁体の裏面に当接させて前記真空室出口側通路を開とし、前記第2の昇降制御手段により前記第2の昇降手段を降下させて、前記出口側第2の環状のシール部材を前記第2の弁体の裏面に非当接させ、前記第2のゲートバルブ開閉制御手段により前記第2の弁体が、前記出口側第2の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記真空室出口側通路の開口部に前記第2の閉塞部が位置し、その後、前記第2の昇降制御手段により前記第2の昇降手段を上昇させて前記出口側第2の環状のシール部材を前記第2の弁体の裏面に当接させて前記真空室出口側通路を閉とし、前記真空室から前記流体を排出する際、前記第2のゲートバルブを開、その後、前記第2の開閉弁を開として、前記真空室出口側通路の開により前記真空室から前記流体を排出するものである。
【0006】
また、請求項2記載の流体の開閉方法は、請求項1の真空室用の流体開閉装置の通路を開閉する流体の開閉方法であって、前記真空室出口側通路を前記第2の開閉弁及び前記第2のゲートバルブにより閉、前記真空室入口側通路を前記第1の開閉弁及び前記第1のゲートバルブにより閉とした状態で、前記真空室入口側通路に流体を導き、前記第1のゲートバルブを開、その後、前記第1の開閉弁を開として、前記真空室に前記流体を導き、その後、前記第1の開閉弁を閉、その後、前記第1のゲートバルブを閉として、前記真空室内で前記流体を生成処理し、生成処理後、前記第2のゲートバルブを開、その後、前記第2の開閉弁を開として、前記真空室出口側通路の開により前記真空室から前記流体を排出するものである。
【0007】
また、請求項3記載のゲートバルブ装置は、流体が通過する通路を開閉する真空室の出口側に設けられたゲートバルブ装置であって、前記真空室の出口側の通路である真空室出口側通路を開閉する開閉弁と、この開閉弁の開閉を制御する開閉弁開閉制御手段と、前記開閉弁より前記流体の流れの下流に位置し、前記真空室出口側通路の開口部を弁体でスライドして開閉するようにしたゲートバルブと、このゲートバルブの開閉を制御するゲートバルブ開閉制御手段と、前記通路を有する通路本体とを備え、前記弁体には、前記通路の開口部を塞ぐ閉塞部と前記通路の開口部と同じ大きさの弁体側開口部が設けられ、前記通路本体に前記弁体の表面に対向するように第1の環状のシール部材が、前記弁体の裏面に対向するように第2の環状のシール部材が、それぞれ設けられ、前記第2の環状のシール部材は昇降手段により、上昇して前記弁体の裏面に当接、前記昇降手段により、下降して前記弁体の裏面に非当接し、前記昇降手段は、昇降制御手段により昇降し、前記昇降制御手段により前記昇降手段を降下させて前記第2の環状のシール部材を前記弁体の裏面に非当接させ、前記ゲートバルブ開閉制御手段により前記弁体が、前記第1の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記通路の開口部に前記弁体側開口部が位置し、その後、前記昇降制御手段により前記昇降手段を上昇させて前記第2の環状のシール部材を前記弁体の裏面に当接させて前記通路を開とし、前記昇降制御手段により前記昇降手段を降下させて、前記第2の環状のシール部材を前記弁体の裏面に非当接させ、前記ゲートバルブ開閉制御手段により前記弁体が、前記第1の環状のシール部材に当接してスライドさせ、前記通路の開口部に前記閉塞部が位置し、その後、前記昇降制御手段により前記昇降手段を上昇させて前記第2の環状のシール部材を前記弁体の裏面に当接させて前記通路を閉となり、前記真空室から前記流体を排出する際、前記ゲートバルブを開、その後、前記開閉弁を開として、前記真空室出口側通路の開により前記真空室から前記流体を排出するものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の真空室用の流体開閉装置によれば、第1のゲートバルブ開閉制御手段により第1の弁体が、入口側第1の環状のシール部材に当接してスライドするため、真空室入口側通路内の流体が第1の弁体の作動部内への侵入を阻止することができ、作動部内への流体の侵入に伴う第1の弁体の作動不良を防ぐことができ、また、第2のゲートバルブ開閉制御手段により第2の弁体が、出口側第1の環状のシール部材に当接してスライドするため、真空室出口側通路内の流体が第2の弁体の作動部内への侵入を阻止することができ、作動部内への流体の侵入に伴う第2の弁体の作動不良を防ぐことができ、しかも、真空室入口
側通路の開及び閉においては、第1の弁体の表裏は、入口側第1の環状のシール部材、入口側第2の環状のシール部材により、真空室出口側通路の開及び閉においては、第2の弁体の表裏は、出口側第1の環状のシール部材、出口側第2の環状のシール部材により、それぞれシールされるため、気密性を保持することができる。
【0009】
また、請求項2記載の流体の開閉方法によれば、第1の弁体の表裏を入口側第1の環状のシール部材、入口側第2の環状のシール部材に、第2の弁体の表裏を出口側第2の環状のシール部材、出口側第2の環状のシール部材に、それぞれ当接して、真空室の真空状態を保持するのみならず、第1の弁体の表面は入口側第1の環状のシール部材に当接しながら移動するため、真空室入口側通路内の流体が第1の弁体の作動部内への侵入を阻止することができ、作動部内への流体の侵入に伴う第1の弁体の作動不良を防ぐことができ、また、第2の弁体の表面は出口側第1の環状のシール部材に当接しながら移動するため、真空室出口側通路内の流体が第2の弁体の作動部内への侵入を阻止することができ、作動部内への流体の侵入に伴う第2の弁体の作動不良を防ぐことができる。
【0010】
また、請求項3記載の真空室用のゲートバルブ装置によれば、ゲートバルブ開閉制御手段により弁体が、第1のシール環状の部材に当接してスライドするため、通路内の流体が弁体の作動部内への侵入を阻止することができ、作動部内への流体の侵入に伴う弁体の作動不良を防ぐことができる。しかも、通路の開及び閉においては、弁体の表裏は、第1の環状のシール部材、第2の環状のシール部材により、それぞれシールされるため、気密性を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の
真空室用の流体開閉装置の概略的一部破断斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の真空室入口側通路(真空室出口側通路)を閉じた状態を示す概略的平面図である。
【
図4】
図4は、
図1の真空室入口側通路(真空室出口側通路)を開いた状態を示す概略的平面図である。
【
図6】
図6(a)は、
図1の第1のゲートバルブ(第2のゲートバルブ)と第1のゲートバルブ開閉制御手段(第2のゲートバルブ開閉制御手段)との関係を示す概略的図であり、
図6(b)は、
図6(a)の一部を拡大して示す概略的一部拡大図である。
【
図7】
図7(a)(b)(c)(d)は、
図1の第1のゲートバルブ(第2のゲートバルブ)の動きを示す概略的断面図であり、
図7(a)は、真空室入口側通路(真空室出口側通路)を閉じた状態の概略的断面図であり、
図7(b)は、入口側第2の環状のシール部材(出口側第2の環状のシール部材)が第1の弁体(第2の弁体)から離間した状態の概略的断面図であり、
図7(c)は、第1の弁体(第2の弁体)が真空室入口側通路(真空室出口側通路)を開とするために移動した状態の概略的断面図であり、
図7(d)は、入口側第2の環状のシール部材(出口側第2の環状のシール部材)が第1の弁体(第2の弁体)に当接した状態の概略的断面図である。
【
図8】
図8(a)は、第1の開閉弁及び第1のゲートバルブで真空室入口側通路を閉とした状態の概略的断面図であり、
図7(b)は、第1のゲートバルブを開とした状態の概略的断面図である。
【
図9】
図9(a)は、第1の開閉弁を開とした状態の概略的断面図であり、
図9(b)は、真空室内に流体を取り入れた状態の概略的断面図である。
【
図10】
図10(a)は、第1の開閉弁を閉とした状態の概略的断面図であり、
図10(b)は、第1のゲートバルブを閉とした状態の概略的断面図である。
【
図11】
図11(a)は、真空室内の流体を生成処理を行っている状態の概略的断面図であり、
図11(b)は、第2のゲートバルブを開とした状態の概略的断面図である。
【
図12】
図12(a)は、第2の開閉弁を開とした状態の概略的断面図であり、
図12(b)は、真空室内の流体を排出した状態の概略的断面図である。
【
図13】
図13(a)は、第1の開閉弁を閉とした状態の概略的断面図であり、
図13(b)は、第2のゲートバルブを閉とした状態の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施例の
真空室用の流体開閉装置、
真空室用のゲートバルブ装置及び流体の開閉方法を図面(
図1乃至
図13)を参照して説明する。
図1に示す1は
真空室用の流体開閉装置で、
真空室用の流体開閉装置1は、流体X(例えば、粒子、粉等)が通過する通路2を開閉するものである。
【0013】
3は、通路2の真空室入口側通路21を開閉する第1の開閉弁で、第1の開閉弁3は、例えば、バタフライ弁である。この第1の開閉弁3の開閉は、第1の開閉弁開閉制御手段4により制御されるようになっている。210は、真空室入口側通路21を有する真空室入口側通路本体である。
第1の開閉弁開閉制御手段4は、例えば、第1の開閉弁3を真空室入口側通路21内に進退させる手段(例えば、第1の開閉弁3をシリンダーのロッドに機構的に接続して、ロッドを前進させて第1の開閉弁3で真空室入口側通路21を塞ぎ、ロッドを後退させて真空室入口側通路21内の第1の開閉弁3を開く)でも良く、
また、第1の開閉弁開閉制御手段4は、例えば、第1の開閉弁3を真空室入口側通路21内で回動させる手段(例えば、第1の開閉弁3に軸を設け、この軸を回動して、時計回りに回動させて第1の開閉弁3で真空室入口側通路21を塞ぎ、第1の開閉弁3に設けた軸を反時計回りに回動させて真空室入口側通路21内の第1の開閉弁3を開く)でも良く、また、第1の開閉弁開閉制御手段4は、例えば、特開2016-114223に開示されたもの、つまり、第1の開閉弁3に取り付けられた弁棒(図示せず)の軸を回動するもので、エアシリンダー(図示せず)で動くラック(図示せず)に弁棒(図示せず)に取り付けられた平歯車(図示せず)を噛み合わせて行うようにしても良い。
【0014】
5は、第1の開閉弁3より流体流れの下流に位置し、真空室入口側通路21の開口部を第1の弁体51でスライドして開閉するようにした第1のゲートバルブである。
第1の弁体51には、真空室入口側通路21の開口部を塞ぐ第1の閉塞部51Aと真空室入口側通路21の開口部と同じ大きさの第1の弁体側開口部51Bが設けられている。
また、真空室入口側通路本体210に第1の弁体51の表面51Cに対向するように入口側第1の環状のシール部材S1が、第1の弁体51の裏面51Dに対向するように入口側第2の環状のシール部材S2が、それぞれ設けられている。
7は、第1のゲートバルブ5の開閉を制御する第1のゲートバルブ開閉制御手段で、
第1のゲートバルブ開閉制御手段7は、例えば、第1のゲートバルブ5の第1の弁体51を真空室入口側通路21内に進退させる手段(例えば、エアシリンダー50のロッドに接続された第1の弁体51を前進させて、真空室入口側通路21の開口部を閉じ、逆に、エアシリンダー50のロッドに接続された第1のゲートバルブ5の第1の弁体51を後退させて、真空室入口側通路21の開口部を開としている。
【0015】
また、入口側第2の環状のシール部材S1は第1の昇降手段100により、上昇して第1の弁体51の裏面に当接、第1の昇降手段100により、下降して第1の弁体51の裏面に非当接する。第1の昇降手段100は、第1の昇降制御手段200により昇降するようになっている[
図6(a)(b)、
図7(a)(b)(c)(d)参照]。
第1の昇降制御手段200により第1の昇降手段100を降下させて入口側第2の環状のシール部材S2を第1の弁体51の裏面に非当接させ[
図7(a)から
図7(b)の状態]、第1のゲートバルブ開閉制御手段7により第1の弁体51が、入口側第1の環状のシール部材S1に当接してスライドさせ、真空室入口側通路21の開口部に第1の弁体側開口部51Bが位置し[
図7(c)参照]、その後、第1の昇降制御手段200により第1の昇降手段100を上昇させて入口側第2の環状のシール部材S2を第1の弁体51の裏面に当接させて真空室入口側通路21を開とし[
図7(d)参照]、
第1の昇降制御手段200により第1の昇降手段100を降下させて[
図7(d)の矢印と逆方向]、入口側第2の環状のシール部材S2を第1の弁体51の裏面に非当接させ[
図7(c)の状態]、第1のゲートバルブ開閉制御手段7により第1の弁体51が、入口側第1の環状のシール部材S1に当接してスライドさせ、真空室入口側通路21の開口部に第1の閉塞部51Aが位置し[
図7(c)の矢印と逆方向から
図7(b)の状態]、その後、第1の昇降制御手段200により第1の昇降手段100を上昇させて入口側第2の環状のシール部材S2を第1の弁体51の裏面に当接させて真空室入口側通路21を閉とする[
図7(a)参照]。
【0016】
従って、第1の開閉弁3が閉状態で、第1のゲートバルブ開閉制御手段7により第1の弁体51が、入口側第1の環状のシール部材S1に当接してスライドし、真空室入口側通路21の開口部に第1の閉塞部51Aが位置した時、真空室入口側通路21が閉、真空室入口側通路21の開口部に第1の弁体側開口部51Bが位置した時、真空室入口側通路通路21が開となる。しかも、真空室入口側通路21の開及び閉においては、第1の弁体51の表裏は、入口側第1の環状のシール部材S1、入口側第2の環状のシール部材S2により、それぞれシールされるため、気密性を保持することができる。
【0017】
8は、第1のゲートバルブ5より前記流体流れの下流に位置した大気圧より低い圧力に保持される真空室(減圧室)である。220は、真空室出口側通路22を有する真空室出口側通路本体である。
3’は、真空室8の出口側の通路である真空室出口側通路22を開閉する第2の開閉弁で、第2の開閉弁3’は、上述した第1の開閉弁3と同様なもので、第2の開閉弁3’は、例えば、バタフライ弁である。
4’は、第2の開閉弁3’の開閉を制御する第2の開閉弁開閉制御手段で、第2の開閉弁開閉制御手段4’は、上述した第1の開閉弁開閉制御手段4と同様なもので、第2の開閉弁開閉制御手段4’は、例えば、第2の開閉弁3’を真空室出口側通路22内で回動させる手段(例えば、第2の開閉弁3’に軸を設け、この軸を回動して、時計回りに回動させて第2の開閉弁3’で真空室入口側通路22を塞ぎ、第2の開閉弁3’に設けた軸を反時計回りに回動させて真空室出口側通路22内の第2の開閉弁3’を開く)でも良く、また、第2の開閉弁開閉制御手段4’は、例えば、特開2016-114223に開示されたもの、つまり、第2の開閉弁3’に取り付けられた弁棒(図示せず)の軸を回動するもので、エアシリンダー(図示せず)で動くラック(図示せず)に弁棒(図示せず)に取り付けられた平歯車(図示せず)を噛み合わせて行うようにしても良い。
【0018】
5’は、第2の開閉弁3’より前記流体流れの下流に位置し、真空室出口側通路22の開口部を第2の弁体51’でスライドして開閉するようにした第2のゲートバルブで、第2のゲートバルブ5’は、上述した第1のゲートバルブ5と同様なものである。
第2の弁体51’には、第1の弁体51と同様、真空室出口側通路22の開口部を塞ぐ第2の閉塞部51A’と真空室出口側通路22の開口部と同じ大きさの第2の弁体側開口部51B’が設けられている。
また、真空室出口側通路本体220に第2の弁体51’の表面51C’に対向するように出口側第1の環状のシール部材S1’が、第2の弁体51’の裏面51D’に対向するように出口側第2の環状のシール部材S2’が、それぞれ設けられている。
【0019】
また、出口側第2の環状のシール部材S2’は第2の昇降手段100’により、上昇して第2の弁体51’の裏面に当接、第2の昇降手段100’により、下降して第2の弁体51’の裏面に非当接する。第2の昇降手段100’は、第2の昇降制御手段200’により昇降するようになっている[
図6(a)(b)、
図7(a)(b)(c)(d)参照]。
第2の昇降制御手段200’により第2の昇降手段100’を降下させて出口側第2の環状のシール部材S2’を第2の弁体51’の裏面に非当接させ[
図7(a)から図(b)の状態]、第2のゲートバルブ開閉制御手段7’により第2の弁体51’が、出口側第1の環状のシール部材S1’に当接してスライドさせ、真空室出口側通路22の開口部に第2の弁体側開口部51B’が位置し[
図7(c)参照]、その後、第2の昇降制御手段200’により第2の昇降手段100’を上昇させて出口側第2の環状のシール部材S2’を第2の弁体51’の裏面に当接させて真空室出口側通路22を開とし[
図7(d)参照]、
第2の昇降制御手段200’により第2の昇降手段100’を降下させて[
図7(d)の矢印と逆方向]、出口側第2の環状のシール部材S2’を第2の弁体51’の裏面に非当接させ[
図7(c)の状態]、第2のゲートバルブ開閉制御手段7’により第2の弁体51’が、出口側第1の環状のシール部材S1’に当接してスライドさせ、真空室出口側通路22の開口部に第2の閉塞部51A’が位置し[
図7(c)の矢印と逆方向から
図7(b)の状態]、その後、第2の昇降制御手段200’により第2の昇降手段100’を上昇させて出口側第2の環状のシール部材S2’を第2の弁体51’の裏面に当接させて真空室出口側通路22を閉とする[
図7(a)参照]。
【0020】
従って、第2の開閉弁3’が閉状態で、第2のゲートバルブ開閉制御手段7’により第2の弁体51’が、出口側第1の環状のシール部材S1’に当接してスライドし、真空室出口側通路22の開口部に第2の閉塞部51A’が位置した時、真空室出口側通路22が閉、真空室出口側通路22の開口部に第2の弁体側開口部51B’が位置した時、真空室出口側通路通路22が開となる。しかも、真空室出口側通路22の開及び閉においては、第2の弁体51’の表裏は、出口側第1の環状のシール部材S1’、出口側第2の環状のシール部材S2’により、それぞれシールされるため、気密性を保持することができる。
【0021】
上述した流体開閉装置1によれば、第1のゲートバルブ開閉制御手段4により第1の弁体51が、入口側第1の環状のシール部材S1に当接してスライドするため、真空室入口側通路21内の流体が第1の弁体51の作動部内への侵入を阻止することができ、作動部内への流体の侵入に伴う第1の弁体51の作動不良を防ぐことができ、また、第2のゲートバルブ開閉制御手段4’により第2の弁体51’が、出口側第1の環状のシール部材S1’に当接してスライドするため、真空室出口側通路22内の流体が第2の弁体51’の作動部内への侵入を阻止することができ、作動部内への流体の侵入に伴う第2の弁体51’の作動不良を防ぐことができ、しかも、真空室入口側通路21の開及び閉においては、第1の弁体51の表裏は、入口側第1の環状のシール部材S1、入口側第1の環状のシール部材S2により、真空室出口側通路22の開及び閉においては、第2の弁体51’の表裏は、出口側第1の環状のシール部材S1’、出口側第1の環状のシール部材S2’により、それぞれシールされるため、気密性を保持することができる。
【0022】
次に、上述した流体開閉装置1を使用した流体の開閉方法について、
図8乃至
図13を参照して説明する。
真空室出口側通路22を第2の開閉弁3’及び第2のゲートバルブ5’により閉、真空室入口側通路21を第1の開閉弁3及び第1のゲートバルブ5により閉とした状態で[
図8(a)]、第1のゲートバルブ5を開とする[
図8(b)]。
次に、第1の開閉弁3を開とし[
図9(a)]、真空室8内に流体Xを導く [
図9(b)]。
その後、第1の開閉弁3を閉[
図10(a)]、その後、第1のゲートバルブ5を閉として、真空室8内に流体Xを閉じ込める[
図10(b)]。
そして、真空室8内で流体Xを生成処理し[
図11(a)]、生成処理後、第2のゲートバルブ5’を開とする[
図11(b)]。
その後、第2の開閉弁3’を開として[
図12(a)]、真空室8から流体Xを排出する[
図12(b)]。
そして、次に処理される流体Xを受け入れるために第2の開閉弁3’を閉として[
図13(a)参照]、その後、第2のゲートバルブ5’を閉とする[
図13(b)参照]。
【0023】
次に、上述した流体の開閉方法によれば、第1の弁体51の表面を入口側第1の環状のシール部材S1、第1の弁体51の裏面を入口側第2の環状のシール部材S2に当接して、また、第2の弁体51’の表面を出口側第1の環状のシール部材S1’、第2の弁体51’の裏面を出口側第2の環状のシール部材S2’に当接して、真空室8の真空状態を保持するのみならず、第1の弁体51の表面は入口側第1の環状のシール部材S1に当接しながら移動するため、真空室入口側通路21内の流体が第1の弁体51の作動部内への侵入を阻止することができ、作動部内への流体の侵入に伴う第1の弁体51の作動不良を防ぐことができ、また、第2の弁体51’の表面は出口側第1の環状のシール部材S1’に当接しながら移動するため、真空室出口側通路22内の流体が第2の弁体51’の作動部内への侵入を阻止することができ、作動部内への流体の侵入に伴う第2の弁体51’の作動不良を防ぐことができる。
【0024】
上述した実施例においては、真空室入口側通路21を第1のゲートバルブ5により開閉、真空室出口側通路22を第2のゲートバルブ5’により開閉するようにしたが、本願発明にあっては、これに限らず、一般的な通路にも同様に適用することができる。
【0025】
この場合、流体が通過する通路2(21又は22)を開閉するゲートバルブ装置は、通路2(21又は22)の開口部を弁体(51又は51’)でスライドして開閉するようにしたゲートバルブ(5又は5’)と、このゲートバルブ(5又は5’)の開閉を制御するゲートバルブ開閉制御手段(7又は7’)と、通路2(21又は22)を有する通路本体(210又は220)とを備え、弁体(51又は51’)には、通路2(21又は22)の開口部を塞ぐ閉塞部(51A又は51A’)と通路2(21又は22)の開口部と同じ大きさの弁体側開口部(51B又は51B’)が設けられ、通路本体(210又は220)に弁体(51又は51’)の表面に対向するように第1の環状のシール部材(S1又はS1’)が、弁体(51又は51’)の裏面に対向するように第2の環状のシール部材(S2又はS2’)が、それぞれ設けられ、第2の環状のシール部材(S2又はS2’)は昇降手段(100又は100’)により、上昇して弁体(51又は51’)の裏面に当接、昇降手段(100又は100’)により、下降して弁体(51又は51’)の裏面に非当接し、昇降手段(100又は100’)は、昇降制御手段(200又は200’)により昇降し、昇降制御手段(200又は200’)により昇降手段(100又は100’)を降下させて第2の環状のシール部材(S2又はS2’)を弁体(51又は51’)の裏面に非当接させ、ゲートバルブ開閉制御手段(7、7’)により弁体(51、51’)が、第1の環状のシール部材(S1又はS1’)に当接してスライドさせ、通路2(21又は22)の開口部に弁体側開口部(51B又は51B’)が位置し、その後、昇降制御手段(200又は200’)により昇降手段(100又は100’)を上昇させて第2の環状のシール部材(S2又はS2’)を弁体(51又は51’)の裏面に当接させて通路2(21又は22)を開とし、昇降制御手段(200又は200’)により昇降手段(100又は100’)を降下させて、第2の環状のシール部材(S2又はS2’)を弁体(51又は51’)の裏面に非当接させ、ゲートバルブ開閉制御手段(7又は7’)により弁体(51又は51’)が、第1の環状のシール部材(S1又はS1’)に当接してスライドさせ、通路2(21又は22)の開口部に閉塞部(51A又は51A’)が位置し、その後、昇降制御手段(200又は200’)により昇降手段(100又は100’)を上昇させて第2の環状のシール部材(S2又はS2’)を弁体(51又は51’)の裏面に当接させて通路2(21又は22)を開となるものである。
【0026】
上述したゲートバルブ装置によれば、ゲートバルブ開閉制御手段(7又は7’)により弁体(51又は51’)が、第1のシール環状の部材(S1又はS1’)に当接してスライドするため、通路2(21又は22)内の流体が弁体(51又は51’)の作動部内への侵入を阻止することができ、作動部内への流体の侵入に伴う弁体(51又は51’)の作動不良を防ぐことができる。しかも、通路2(21又は22)の開及び閉においては、弁体(51又は51’)の表裏は、第1の環状のシール部材(S1又はS1’)、第2の環状のシール部材(S2又はS2’)により、それぞれシールされるため、気密性を保持することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 流体開閉装置
2 通路
21 真空室入口側通路
22 真空室出口側通路
3 第1の開閉弁
3’ 第2の開閉弁
4 第1のゲートバルブ開閉制御手段
4’ 第2のゲートバルブ開閉制御手段
5 第1のゲートバルブ
5’ 第2のゲートバルブ
8 真空室
51 第1の弁体
51’ 第2の弁体
51A 第1の閉塞部
51A’第2の閉塞部
51B 第1の弁体側開口部
51B’第2の弁体側開口部
S1 入口側第1の環状のシール部材
S1’ 出口側第1の環状のシール部材
S2 入口側第2の環状のシール部材
S2’ 出口側第2の環状のシール部材