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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】歯周病原因菌の検出方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/04 20060101AFI20231023BHJP
   C12Q 1/37 20060101ALI20231023BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20231023BHJP
   G01N 21/77 20060101ALI20231023BHJP
   G01N 21/78 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
C12Q1/04
C12Q1/37
G01N33/48 Z
G01N21/77 D
G01N21/78 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021515997
(86)(22)【出願日】2020-04-13
(86)【国際出願番号】 JP2020016256
(87)【国際公開番号】W WO2020218052
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2019083482
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595008711
【氏名又は名称】アドテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189865
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 正寛
(74)【代理人】
【識別番号】100094215
【弁理士】
【氏名又は名称】安倍 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】山下 友里
(72)【発明者】
【氏名】板垣 はつえ
(72)【発明者】
【氏名】森若 専太
(72)【発明者】
【氏名】小林 薫
(72)【発明者】
【氏名】小林 行治
【審査官】西 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-093358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00-3/00
G01N 33/48-33/98
G01N 21/77-21/78
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ2分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、
抗酸化作用を有する第1の化合物またはSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩とともに吸湿性物質に含ませ、この吸湿性物質に検体を室温で接触させ、室温で2分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、
前記第1の化合物は25mM~100mMのグルタチオンであり、
前記第2の化合物は25mM~50mMのDTTまたは25mM~50mMのチオグリコール酸である歯周病原因菌の検出方法。
【請求項2】
検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ2分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、
抗酸化作用を有する第1の化合物およびSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩とともに吸湿性物質に含ませ、この吸湿性物質に検体を室温で接触させ、室温で2分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、
前記第1の化合物は、25mMのL-アスコルビン酸、25mMのL-システイン塩酸塩または25mMのグルタチオンであり、
前記第2の化合物は、25mMのDTT、25mMのチオグリコール酸、25mMのチオグリセロールまたは25mMのメルカプトエタノールである歯周病原因菌の検出方法。
【請求項3】
検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ5分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、
抗酸化作用を有する第1の化合物またはSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩とともに吸湿性物質に含ませ、この吸湿性物質に検体を室温で接触させ、室温で5分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、
前記第1の化合物は6.25mM~50mMのL-アスコルビン酸、6.25mM~100mMのL-システイン塩酸塩または6.25mM~100mMのグルタチオンであり、
前記第2の化合物は6.25mM~100mMのDTT、12.5mM~100mMのチオグリコール酸、6.25mM~100mMのチオグリセロール、6.25mM~100mMのメルカプトエタノールまたは6.25mM~25mMのTCEPである歯周病原因菌の検出方法。
【請求項4】
検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ5分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、
抗酸化作用を有する第1の化合物またはSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物が含まれた検体を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩を含ませた吸湿性物質に加え、室温で5分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、
前記第1の化合物は6.25mM~100mMのL-アスコルビン酸、6.25mM~100mMのL-システイン塩酸塩または6.25mM~100mMのグルタチオンであり、
前記第2の化合物は6.25mM~100mMのチオグリセロールまたは6.25mM~100mMのメルカプトエタノールである歯周病原因菌の検出方法。
【請求項5】
検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ5分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、
抗酸化作用を有する第1の化合物およびSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩とともに吸湿性物質に含ませ、この吸湿性物質に検体を室温で接触させ、室温で5分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、
前記第1の化合物は、25mMのL-アスコルビン酸、25mMのL-システイン塩酸塩または25mMのグルタチオンであり、
前記第2の化合物は、25mMのDTT、25mMのチオグリコール酸、25mMのチオグリセロールまたは25mMのメルカプトエタノールである歯周病原因菌の検出方法。
【請求項6】
検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ5分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、
抗酸化作用を有する第1の化合物およびSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物が含まれた検体を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩を含ませた吸湿性物質に加え、室温で5分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、
前記第1の化合物は、25mMのL-アスコルビン酸、25mMのL-システイン塩酸塩または25mMのグルタチオンであり、
前記第2の化合物は、25mMのチオグリコール酸、25mMのチオグリセロールまたは25mMのメルカプトエタノールである歯周病原因菌の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は歯周病原因菌の検出方法、詳しくは、高温条件下で測定される歯周病原因菌を室温10分未満(2~8分程度)で検出することが可能であり、特殊機器を必要としない歯周病原因菌の検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯周病は、わが国の成人の約80%が罹患しているといわれている。歯周病は、歯牙喪失を引き起こし、それに伴い味覚異常や唾液分泌異常が生じるだけでなく、中枢神経並びに自律神経系の異常を招くことが明らかとなっている。さらに、近年、歯周病が冠動脈性心疾患や脳梗塞などの様々な全身性疾患のリスクファクターになっていることが指摘されるようになった。
歯周病の検査項目のうち、細菌感染や炎症を検査する方法として、プラーク染色液を使用して染色歯面を目視で判定する方法や、染色せずに歯周プローブや歯科用探針等の先端で歯面を擦過してプラーク付着の有無を判定するするプラーク付着状況検査、歯肉縁下プラークをペーパポイントで採取し、検査機関に依頼してDNA定量法等により細菌数を測定する歯周病原細菌検査、歯周病原細菌に対する血清中のIgG抗体価を測定する抗体検査法等がある。これらの方法は、時間と労力、費用がかかるだけでなく、特殊な施設や技術を必要とするため、簡便、迅速に複数人の患者を同時に検査することができず、また、患者への負担も大きい。
【0003】
歯周病原因菌のうちPorphyromonas gingivalis(P.g)、Treponema denticola(T.d)、Tannerella forsythia(T.f)の3菌種はRed Complex(レッドコンプレックス)と呼ばれ、重症な歯周病を引き起こす最も危険な菌種群であるとされている。この3菌種はアルギニン特異的ペプチダーゼ活性(トリプシン様酵素活性)を有しており、トリプシン様酵素活性を、合成基質を用いて検出する方法が特許文献1~4において報告されている。
また、この酵素活性は還元剤により活性化されることも知られている(特許文献3~4、非特許文献1)。さらに、この酵素活性は室温にて10分で分析できることが報告されている。(特許文献4)
歯周病原因菌の重要な3菌種の存在をより短時間で簡便にトリプシン様酵素活性を分析、判定することができれば、歯周病のスクリーニングとして有用な方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表平8-500241号公報
【文献】特開平5-317095号公報
【文献】国際公開第2004/106541号
【文献】特開2017-93358号公報
【文献】Wendy E. Kaman et al.「Highly Specific Protease-Based Approach for Detection of Porphyromonus gingivalis in Diagnosis of periodontitis」、Journal of Clinical Microbiology、vol.50、Number 1、p.104-112、2012年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トリプシン様酵素活性は、その至適温度が50~60℃でなければ十分な感度を得ることができず、測定には至適温度を維持できる特殊な機器が必要であり、歯周病原因菌の検査の普及の障害となる。また、酵素活性を室温で10分放置してから分析する場合には、その分、患者に対する時間的拘束が長くなる。このため、患者から検体を採取したその場で即時に歯周病原因菌を検出することが必要とされていた。
【0006】
そこで、本発明者らは、P.g、T.d、T.fの化学的特性に着目し、抗酸化作用を有する化合物またはSH基(メルカプト基)を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する化合物を、トリプシン様酵素活性を分析する際に存在させることで、トリプシン様酵素活性を室温10分未満で高感度に分析することが可能であることを知見し、この発明を完成させた。
【0007】
この発明は、高温条件下で測定される歯周病原因菌のうちP.g、T.d、T.fの3菌種に特有のトリプシン様酵素活性を室温10分未満(2~8分程度)で高感度に分析することが可能であり、特殊機器を必要としない歯周病原因菌の分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ2分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、抗酸化作用を有する第1の化合物またはSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩とともに吸湿性物質に含ませ、この吸湿性物質に検体を室温で接触させ、室温で2分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、前記第1の化合物は25mM~100mMのグルタチオンであり、前記第2の化合物は25mM~50mMのDTTまたは25mM~50mMのチオグリコール酸である歯周病原因菌の検出方法である。
請求項2に記載の発明は、検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ2分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、抗酸化作用を有する第1の化合物およびSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩とともに吸湿性物質に含ませ、この吸湿性物質に検体を室温で接触させ、室温で2分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、前記第1の化合物は、25mMのL-アスコルビン酸、25mMのL-システイン塩酸塩または25mMのグルタチオンであり、前記第2の化合物は、25mMのDTT、25mMのチオグリコール酸、25mMのチオグリセロールまたは25mMのメルカプトエタノールである歯周病原因菌の検出方法である。
請求項3に記載の発明は、検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ5分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、抗酸化作用を有する第1の化合物またはSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩とともに吸湿性物質に含ませ、この吸湿性物質に検体を室温で接触させ、室温で5分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、前記第1の化合物は6.25mM~50mMのL-アスコルビン酸、6.25mM~100mMのL-システイン塩酸塩または6.25mM~100mMのグルタチオンであり、前記第2の化合物は6.25mM~100mMのDTT、12.5mM~100mMのチオグリコール酸、6.25mM~100mMのチオグリセロール、6.25mM~100mMのメルカプトエタノールまたは6.25mM~25mMのTCEPである歯周病原因菌の検出方法である。
請求項4に記載の発明は、検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ5分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、抗酸化作用を有する第1の化合物またはSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物が含まれた検体を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩を含ませた吸湿性物質に加え、室温で5分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、前記第1の化合物は6.25mM~100mMのL-アスコルビン酸、6.25mM~100mMのL-システイン塩酸塩または6.25mM~100mMのグルタチオンであり、前記第2の化合物は6.25mM~100mMのチオグリセロールまたは6.25mM~100mMのメルカプトエタノールである歯周病原因菌の検出方法である。
請求項5に記載の発明は、検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ5分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、抗酸化作用を有する第1の化合物およびSH基を保護、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩とともに吸湿性物質に含ませ、この吸湿性物質に検体を室温で接触させ、室温で5分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、前記第1の化合物は、25mMのL-アスコルビン酸、25mMのL-システイン塩酸塩または25mMのグルタチオンであり、前記第2の化合物は、25mMのDTT、25mMのチオグリコール酸、25mMのチオグリセロールまたは25mMのメルカプトエタノールである歯周病原因菌の検出方法である。
請求項6に記載の発明は、検体に含まれる歯周病原因菌を室温でかつ5分で検出する歯周病原因菌の検出方法であって、抗酸化作用を有する第1の化合物およびSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物が含まれた検体を、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩を含ませた吸湿性物質に加え、室温で5分放置することにより、その後の発色試薬による発色分析において歯周病原因菌を検出可能とし、前記第1の化合物は、25mMのL-アスコルビン酸、25mMのL-システイン塩酸塩または25mMのグルタチオンであり、前記第2の化合物は、25mMのチオグリコール酸、25mMのチオグリセロールまたは25mMのメルカプトエタノールである歯周病原因菌の検出方法である。
【0012】
第1の化合物は、抗酸化作用を有する化学物質であり、L-アスコルビン酸、L-システイン塩酸塩、グルタチオンの中から選ばれる。第1の化合物は1種類でも、複数種類を組み合わせてもよい。
第2の化合物は、SH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する化学物質であり、DTT(ジチオトレイトール)、チオグリコール酸、チオグリセロール、メルカプトエタノール、TCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩)の中から選ばれる。第2の化合物は1種類でも複数種類を組み合わせてもよい。
トリプシン様プロテアーゼ活性の分析の際に第1の化合物、第2の化合物のいずれか一方を存在させてもよく、第1の化合物、第2の化合物の両方を混在させてもよい。
【0013】
室温とは、外部系から加熱も冷却もしていない状態のことを指す。おおよそ20℃~30℃である。
【0014】
検体は、口腔内ふき取り試料、プラーク試料、舌ぬぐいおよび舌苔試料、唾液等、および口腔内から取り外したインプラント、ブリッジ、入れ歯のふき取り等の分析対象試料を適当な媒体で希釈した希釈液または分析対象試料から歯周病原因菌を適当な媒体を用いて抽出した抽出液である。
【0015】
第1の化合物、第2の化合物は、基質とともに吸水性物質に含ませることができる(乾燥保持法)。基質としては、検体中に含まれる歯周病原因菌の有する酵素の作用を受けて化学反応を起こす物質であるN-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩を用いる。この試薬を吸水性物質(試験片、担体)に含ませておき、分析対象検体と吸水性物質とを直接接触させ、歯周病原因菌の酵素活性により遊離する発色物質の有無を分析する。この場合、必要に応じて発色試薬を用いることができる。
発色試薬としては、種々の公知の試薬を用いることができる。例えば、4-ヒドロキシ-3-[(2,4-ジヒドロキシ-3-キノリル)アゾ]ベンゼンスルホン酸ナトリウム、4-ベンゾイルアミノ-2,5-ジエトキシベンゼンジアゾニウム、4-(ジメチルアミノ)シンナムアルデヒド等を用いることができる。
【0016】
吸水性物質は、吸水性を有し、第1の化合物、第2の化合物を含むことが可能な担体であれば特に限定されない。例えば、紙、ろ紙、セルロース、不織布、ガラス繊維、多孔質フィルターまたは綿等を挙げることができる。この吸水性物質に基質を含ませておくこともできる。この吸水性物質は、そのまま使用することもでき、あるいは、適当な部材、例えば防水性紙、ガラス、プラスチック、木材または金属等に具備させ、取り扱いを容易にすることもできる。吸水性物質の形状ならびに長さ、太さは検体を接触することができれば特に限定されるものではない。
【0017】
乾燥保持法として、第1の化合物、第2の化合物を基質とともにあるいは別々に適当な溶媒に溶解または分散させ、その溶解液(または分散液)を吸水性物質に含ませることができる。溶媒としては、例えばトリス塩酸緩衝液、トリスマレイン酸緩衝液、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、ホウ酸ナトリウム緩衝液、炭酸-重炭酸緩衝液、グッド緩衝液、または精製水等を使用することができる。さらにこれらの溶媒に適当な界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、オクチルフェノールエトキシレート等を添加したものを使用することができる。
第1の化合物、第2の化合物の1mM~100mMの溶解液(分散液)を吸水性物質に10μL~500μLを染み込ませ、その後、自然乾燥、送風乾燥、減圧真空乾燥または凍結乾燥により乾燥させて用いることができる。
【0018】
第1の化合物、第2の化合物を適当な溶媒に溶解した後、検体に添加することができる(溶液法)。また、第1の化合物、第2の化合物を直接検体に添加することもできる。
溶媒としては、例えばトリス塩酸緩衝液、トリスマレイン酸緩衝液、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、ホウ酸ナトリウム緩衝液、炭酸-重炭酸緩衝液、グッド緩衝液、または精製水等を使用することができる。さらにこれらの溶媒に適当な界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、オクチルフェノールエトキシレート等を添加したものを使用することができる。
第1の化合物、第2の化合物の10mM~1000mMの溶解液を検体に、検体の体積の1/10容量を添加することができる。また、第1の化合物、第2の化合物を直接検体に添加する場合、添加量はおよそ1mM~100mMである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、抗酸化作用を有する第1の化合物およびまたはSH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する第2の化合物を検体に含ませることにより、従来高温条件下で測定されていたP.g、T.d、T.fの3菌種に特有のトリプシン様酵素活性を室温で、10分未満(2~8分程度)で分析することが可能となる。これにより、トリプシン様酵素活性を短時間で簡便に分析、判定することができ、歯周病のスクリーニングとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例1及び実施例3に係る歯周病原因菌の分析方法と同条件において第1の化合物および第2の化合物を含まないとき(比較例1)の検出感度を示すグラフである。
図2】L-アスコルビン酸6.25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図3】L-アスコルビン酸12.5mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図4】L-アスコルビン酸25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図5】L-アスコルビン酸50mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図6】L-アスコルビン酸100mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図7】L-システイン塩酸塩6.25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図8】L-システイン塩酸塩12.5mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図9】L-システイン塩酸塩25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図10】L-システイン塩酸塩50mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図11】L-システイン塩酸塩100mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図12】グルタチオン6.25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図13】グルタチオン12.5mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図14】グルタチオン25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図15】グルタチオン50mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図16】グルタチオン100mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図17】DTT(ジチオトレイトール)6.25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図18】DTT12.5mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図19】DTT25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図20】DTT50mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図21】DTT100mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図22】チオグリコール酸6.25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図23】チオグリコール酸12.5mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図24】チオグリコール酸25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図25】チオグリコール酸50mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図26】チオグリコール酸100mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図27】チオグリセロール6.25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図28】チオグリセロール12.5mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図29】チオグリセロール25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図30】チオグリセロール50mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図31】チオグリセロール100mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図32】メルカプトエタノール6.25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図33】メルカプトエタノール12.5mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図34】メルカプトエタノール25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図35】メルカプトエタノール50mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図36】メルカプトエタノール100mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図37】TCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩)6.25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図38】TCEP12.5mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図39】TCEP25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図40】TCEP50mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図41】TCEP100mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図42】本発明の実施例2及び実施例4に係る歯周病原因菌の分析方法と同条件において第1の化合物および第2の化合物を含まないとき(比較例2)の検出感度を示すグラフである。
図43】L-アスコルビン酸6.25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図44】L-アスコルビン酸12.5mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図45】L-アスコルビン酸25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図46】L-アスコルビン酸50mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図47】L-アスコルビン酸100mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図48】L-システイン塩酸塩6.25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図49】L-システイン塩酸塩12.5mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図50】L-システイン塩酸塩25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図51】L-システイン塩酸塩50mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図52】L-システイン塩酸塩100mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図53】グルタチオン6.25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図54】グルタチオン12.5mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図55】グルタチオン25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図56】グルタチオン50mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図57】グルタチオン100mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図58】DTT6.25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図59】DTT12.5mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図60】DTT25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図61】DTT50mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図62】DTT100mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図63】チオグリコール酸6.25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図64】チオグリコール酸12.5mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図65】チオグリコール酸25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図66】チオグリコール酸50mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図67】チオグリコール酸100mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図68】チオグリセロール6.25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図69】チオグリセロール12.5mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図70】チオグリセロール25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図71】チオグリセロール50mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図72】チオグリセロール100mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図73】メルカプトエタノール6.25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図74】メルカプトエタノール12.5mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図75】メルカプトエタノール25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図76】メルカプトエタノール50mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図77】メルカプトエタノール100mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図78】TCEP6.25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図79】TCEP12.5mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図80】TCEP25mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図81】TCEP50mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図82】TCEP100mMによる溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例2)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図83】L-アスコルビン酸25mM及びDTT25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図84】L-アスコルビン酸25mM及びチオグリコール酸25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図85】L-アスコルビン酸25mM及びチオグリセロール25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図86】L-アスコルビン酸25mM及びメルカプトエタノール25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図87】L-アスコルビン酸25mM及びTCEP25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図88】L-システイン塩酸塩25mM及びDTT25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図89】L-システイン塩酸塩25mM及びチオグリコール酸25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図90】L-システイン塩酸塩25mM及びチオグリセロール25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図91】L-システイン塩酸塩25mM及びメルカプトエタノール25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図92】L-システイン塩酸塩25mM及びTCEP25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図93】グルタチオン25mM及びDTT25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図94】グルタチオン25mM及びチオグリコール酸25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図95】グルタチオン25mM及びチオグリセロール25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図96】グルタチオン25mM及びメルカプトエタノール25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図97】グルタチオン25mM及びTCEP25mMとの混合物による乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例3)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図98】L-アスコルビン酸25mM及びDTT25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図99】L-アスコルビン酸25mM及びチオグリコール酸25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図100】L-アスコルビン酸25mM及びチオグリセロール25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図101】L-アスコルビン酸25mM及びメルカプトエタノール25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図102】L-アスコルビン酸25mM及びTCEP25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図103】L-システイン塩酸塩25mM及びDTT25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図104】L-システイン塩酸塩25mM及びチオグリコール酸25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図105】L-システイン塩酸塩25mM及びチオグリセロール25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図106】L-システイン塩酸塩25mM及びメルカプトエタノール25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図107】L-システイン塩酸塩25mM及びTCEP25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図108】グルタチオン25mM及びDTT25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図109】グルタチオン25mM及びチオグリコール酸25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図110】グルタチオン25mM及びチオグリセロール25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図111】グルタチオン25mM及びメルカプトエタノール25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図112】グルタチオン25mM及びTCEP25mMとの混合物による溶液法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例4)におけるP.gの分析時間ごとの検出感度を示すグラフである。
図113】(a)~(b)第1の化合物、第2の化合物を添加していないときの乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(比較例1)におけるP.g菌濃度ごとの分析経時変化を示すグラフである。(c)~(d)L-アスコルビン酸25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.g菌濃度ごとの分析経時変化を示すグラフである。(e)~(f)チオグリコール酸25mMによる乾燥保持法に係る歯周病原因菌の分析方法(実施例1)におけるP.g菌濃度ごとの分析経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施例を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
(第1の化合物、第2の化合物の調製)
抗酸化作用を有する化合物(第1の化合物)として、L-アスコルビン酸、L-システイン塩酸塩、グルタチオンをそれぞれ62.5mM、125mM、250mM、500mM、1000mM採取し、採取した第1の化合物を50mMトリスマレインン酸緩衝液pH8.5に溶解後、pHが8.5となるようにpH調整を行った。
SH基を保護し、ジスルフィド結合を切断する作用を有する化合物(第2の化合物)として、DTT、チオグリコール酸、チオグリセロール、メルカプトエタノール、TCEPを62.6mM、125mM、250mM、500mM、1000mM濃度に、50mMトリスマレイン酸緩衝液pH8.5に溶解後、pHが8.5となるようにpH調整を行った。
【0024】
(基質の調製)
基質として、N-α-ベンゾイル-DL-アルギニン-2-ナフチルアミド塩酸塩(シグマアルドリッチジャパン合同会社から入手)を50mMトリスマレイン酸緩衝液pH8.5に溶解した。基質濃度は0.11重量%である。
【0025】
(発色液の調製)
4-(ジメチルアミノ)シンナムアルデヒド(DMAC)(シグマアルドリッチジャパン合同会社から入手)を1mol/L塩酸に溶解した。DMACの濃度は0.1重量%である。
【0026】
(P.g菌(検体)の培養)
調製Porphyromonas gingivalis(P.g菌)JCM12257を、ブイヨン培地に接種し、37℃、24時間嫌気培養し、1.0×10cfu/mLの菌培養液を得た。
ブイヨン培地は、トリプチケースソイブロス3.0g、イーストエクストラクト0.5g、L-システイン塩酸塩0.05g、ヘミン溶液0.1mL、ビタミンK1溶液0.02mL、蒸留水100mLによって調製し、調製に121℃、15分間殺菌処理を行った。
ヘミン溶液はヘミン0.005g、リン酸水素カリウム0.0174gを蒸留水1mLに溶解したものである。ビタミンK1溶液は、ビタミンK1を5mg、エタノール1mLに溶解したものである。
菌数の測定方法は、嫌気培養後のブイヨン培養液を滅菌生理食塩水にて10倍段階希釈し、CDC嫌気性菌用ヒツジ血液寒天培地(ベクトンデッキンソン社から入手)に接種後、37℃、48時間嫌気培養し、培地上に発育した集落を肉眼にて計測することで菌数測定を行った。
【0027】
(実施例1)第1の化合物および第2の化合物の単独添加による乾燥保持法の実施
(A)基質及び第1の化合物、第2の化合物の乾燥保持
調製した第1の化合物または第2の化合物と、基質とを1:9の割合で混合し、10mmのペーパディスク(アドバンテック社から入手)1枚あたり80μL染み込ませた。その後、ペーパディスクを25℃、一晩乾燥させた。
【0028】
(B)P.gの調製
24時間培養後の菌培養液を50mMトリスマレイン酸緩衝液pH8.5にて10倍段階希釈し、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mLの菌液を調製した。
【0029】
(C)試験方法
各濃度の第1の化合物または第2の化合物と、基質とを染み込ませたペーパディスクに調製後のP.g菌液を80μL染み込ませたものを2つ用意し、一方を室温で、他方を50℃にてそれぞれ2分、5分、8分、10分、15分、20分間静置した。前者を室温分析、後者を50℃分析と称する。その後、ペーパディスクに発色液を30μL滴下し、ペーパディスクの発色を肉眼にて観察、判定を行った。
【0030】
(D)結果
第1の化合物、第2の化合物を含まない場合のP.gの検出感度を図1に示す。図1に示すように第1の化合物、第2の化合物が存在しない室温分析では、20分後も1.0×10cfu/mLしか検出できていないが、50℃分析では、5分で1.0×10cfu/mLまで検出でき、50℃分析は室温と比較すると短時間に100倍の検出感度であることがいえる。
図2から図6は第1の化合物であるL-アスコルビン酸が存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図7から図11は第1の化合物であるL-システイン塩酸塩が存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図12から図16は第1の化合物であるグルタチオンが存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図17から図21は第2の化合物であるDTTが存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図22から図26は第2の化合物であるチオグリコール酸が存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図27から図31は第2の化合物であるチオグリセロールが存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図32から図36は第2の化合物であるメルカプトエタノールが存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図37から図41は第2の化合物であるTCEPが存在した場合の検出時間と検出感度を示す。第1の化合物、第2の化合物を存在させると50℃分析で得られる感度が室温分析でも同等に10分未満の分析時間で得られることが判明した。すなわち、第1の化合物、第2の化合物が存在しない場合、室温分析と50℃分析では100倍の感度差が認められ、20分でも最小菌濃度(P.g 1×10cfu/mL)を検出できないが、第1の化合物、第2の化合物を存在させることで化合物の種類により最小反応時間に違いはあるものの、どの化合物も室温分析にて50℃分析と同等の10分未満に最小菌濃度を検出できることが判明した。第1の化合物、第2の化合物を各濃度で存在させることで得られる最小菌濃度の検出が可能な最小分析時間を室温分析と50℃分析とで比較し表1に示す。表1に示すように、化合物の種類や濃度により最小分析時間は異なるが、第1の化合物、第2の化合物の効果は広い至適濃度を有し、室温で10分未満に最小菌濃度を検出できることが確認できた。さらに、化合物の種類および濃度によっては室温2分で最小菌濃度を検出できる驚くべき結果が得られた。
また、酵素反応は基質濃度が十分量ある場合、検出物質の濃度により反応速度が変わり、検出物質の濃度が高いほど短時間に反応が定常状態に達し、逆に検出物質の濃度が低いと、反応が定常状態に達するまでの時間を要する。しかし図113に示すように、第1の化合物および第2の化合物が存在すると、菌濃度が低い場合も、高い場合と同様の時間で定常状態に達することが確認された。図の縦軸は本発明の分析における発色の強さ(数字が高くなるほど発色が強いことを示す)、横軸に反応時間を示している。第1の化合物および第2の化合物が存在しない場合、室温分析では1×10cfu/mLのみ反応が認められたが、20分後も定常状態には至っていない。しかし、第1の化合物および第2の化合物が存在すると、室温分析においても1×10cfu/mLのP.g菌濃度で反応が認められ、どの菌濃度でもほぼ同等の反応時間で定常状態になっていることが確認された。さらに50℃分析においても第1の化合物および第2の化合物が存在した場合は存在しない場合よりも早期に定常状態に達することも確認された。すなわち、第1の化合物および第2の化合物の存在は室温分析においてどの菌濃度でも同等の時間で定常状態に達することが判明した。
【0031】
【表1】
【0032】
(実施例2)第1の化合物および第2の化合物の単独添加による溶液法の実施
(A)基質乾燥保持
調製した基質を50mMトリスマレイン酸緩衝液pH8.5に体積割合で9:1となるように混合し、10mmのペーパディスク(アドバンテック社から入手)1枚あたり80μL染み込ませた。その後、ペーパディスクを25℃、一晩乾燥させた。
【0033】
(B)P.g菌の調製
調製した第1の化合物または第2の化合物を50mMトリスマレイン酸緩衝液pH8.5にて9倍希釈して化合物の希釈液を調製する。
24時間培養後の菌培養液を化合物の希釈液を用いて10倍段階希釈し、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mLの菌液を調製した。
【0034】
(C)試験方法
基質を染み込ませたペーパディスクに調製後のP.g菌液を80μL染み込ませたものを2つ用意し、一方を室温で、他方を50℃にてそれぞれ2分、5分、8分、10分、15分、20分間静置した。前者を室温分析、後者を50℃分析と称する。その後、ペーパディスクに発色液を30μL滴下し、ペーパディスクの発色を肉眼にて観察、判定を行った。
【0035】
(D)結果
第1の化合物、第2の化合物を含まない場合のP.gの検出感度を図42に示す。図42に示すように第1の化合物、第2の化合物が存在しない室温分析では、20分後も1.0×10cfu/mLしか検出できていないが、50℃分析では、5分で1.0×10cfu/mLまで検出でき、50℃分析は室温と比較すると短時間に100倍の検出感度であることがいえる。
図43から図47は第1の化合物であるL-アスコルビン酸が存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図48から図52は第1の化合物であるL-システイン塩酸塩が存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図53から図57は第1の化合物であるグルタチオンが存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図58から図62は第2の化合物であるDTTが存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図63から図67は第2の化合物であるチオグリコール酸が存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図68から図72は第2の化合物であるチオグリセロールが存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図73から図77は第2の化合物であるメルカプトエタノールが存在した場合の検出時間と検出感度を示す。図78から図82は第2の化合物であるTCEPが存在した場合の検出時間と検出感度を示す。
実施例1に示した乾燥保持法と同様に、第1の化合物、第2の化合物を存在させると50℃分析で得られる感度が室温でも同等に10分未満の反応時間で得られることが判明した。すなわち、第1の化合物、第2の化合物が存在しない場合、室温分析と50℃分析では100倍の感度差が認められ、20分でも最小菌濃度(P.g 1×10cfu/mL)を検出できないが、第1の化合物、第2の化合物を存在させることで化合物の種類により最小分析時間に違いはあるものの、どの化合物も室温分析にて50℃分析と同等の10分未満に最小菌濃度を検出できることが判明した。第1の化合物、第2の化合物を各濃度で存在させることで得られる最小菌濃度の検出が可能な最小分析時間を室温分析と50℃分析とで比較し表2に示す。表2に示すように、化合物の種類や濃度により最小分析時間は異なるが、第1の化合物、第2の化合物の効果は広い至適濃度を有し、室温で10分未満に最小菌濃度を検出できることが確認できた。ただし、チオグリコール酸とTCEPは実施例1における乾燥保持法では最小菌濃度を10分未満で検出可能であったが、本溶液法では検出することはできなかった。これは、菌培養液に直接、第2の化合物を添加した影響と思われる。
【0036】
【表2】
【0037】
本発明は、至適温度が50~60℃の酵素活性が、室温分析では十分な感度が得られないものが、抗酸化作用を有する第1の化合物またはSH基を保護しジスルフィド結合を切断する作用を有する化合物を吸水性物質に乾燥保持、または検体に添加することで、室温分析でも50℃分析と同等の感度でかつ10分未満で分析できることが明らかとなった。
【0038】
(実施例3)第1の化合物と第2の化合物の混合添加による乾燥保持法の実施
(A)第1の化合物と第2の化合物の混合調製
第1の化合物と第2の化合物を表3に示す組合せで混合した。混合濃度は第1の化合物および第2の化合物それぞれ500mMを50mMトリスマレイン酸緩衝液pH8.5に溶解後、第1の化合物と第2の化合物を等量混合し、それぞれが250mMになるように調製した。
【0039】
【表3】
【0040】
(B)基質及び第1の化合物と第2の化合物の混合物の乾燥保持
第1の化合物と第2の化合物を混合した溶液と調製した基質とを1:9の割合で混合し、10mmのペーパーディスクに1枚あたり80μL染み込ませた。その後、ペーパーディスクを25℃、一晩乾燥させた。(混合した第1の化合物および第2の化合物はそれぞれ終濃度25mM)
【0041】
(C)P.g菌の調製
24時間培養後の菌培養液を50mMトリスマレイン酸緩衝液pH8.5にて10倍段階希釈し、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mLの菌液を調製した。
【0042】
(D)試験方法
第1の化合物と第2の化合物の混合物と基質とを染み込ませたペーパディスクに調製後のP.g菌液を80μL染み込ませたものを2つ用意し、一方を室温で、他方を50℃にてそれぞれ2分、5分、8分、10分、15分、20分間静置した。前者を室温分析、後者を50℃分析と称する。その後、ペーパディスクに発色液を30μL滴下し、ペーパディスクの発色を肉眼にて観察、判定を行った。
【0043】
(E)結果
第1の化合物と第2の化合物を混合添加したP.gの検出感度を図83から図97に示す。
また、第1の化合物と第2の化合物を混合添加した組合せにおける、最小菌濃度が検出できた最小分析時間を表4に示す。これらの図と表に示すようにグルタチオンとTCEPの組合せ以外は、第1の化合物または第2の化合物を単独で添加した場合と同様に、最小菌濃度を10分未満に検出することができた。このことから、第1の化合物と第2の化合物を混合して使用しても、単独使用の場合と同様に室温分析と50℃分析で同等の感度で10分未満に検出できる結果が得られた。
【0044】
【表4】
【0045】
(実施例4)第1の化合物と第2の化合物の混合添加による溶液法の実施
(A)第1の化合物と第2の化合物の混合調製
第1の化合物と第2の化合物を表3に示す組合せで混合した。混合濃度は第1の化合物および第2の化合物それぞれ55.5mMを50mMトリスマレイン酸緩衝液pH8.5に溶解後、第1の化合物と第2の化合物を等量混合し、それぞれが27.75mMになるように調製した。
【0046】
(B)基質乾燥保持
調製した基質は50mMトリスマレイン酸緩衝液pH8.5を体積割合で9:1となるように混合し、10mmのペーパディスク(アドバンテック社から入手)1枚あたり80μL染み込ませた。その後、ペーパディスクを25℃、一晩乾燥させた。
【0047】
(C)P.gの調製
24時間培養後の菌培養液を、調製した第1の化合物と第2の化合物の混合液で10倍段階希釈し、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mL、1.0×10cfu/mLの菌液を調製した。
【0048】
(D)試験方法
基質を染み込ませたペーパディスクに調製後のP.g菌液を80μL染み込ませたものを2つ用意し、一方を室温で、他方を50℃にてそれぞれ2分、5分、8分、10分、15分、20分間静置した。前者を室温分析、後者を50℃分析と称する。その後、ペーパディスクに発色液を30μL滴下し、ペーパディスクの発色を肉眼にて観察、判定を行った。
【0049】
(E)結果
第1の化合物と第2の化合物を混合添加したP.gの検出感度を図98から図112に示す。また、第1の化合物と第2の化合物を混合添加した組合せにおける、最小菌濃度が検出できた最小分析時間を表5に示す。これらの図と表に示すようにL-アスコルビン酸とDTT,L-アスコルビン酸とTCEP,L-システイン塩酸塩とDTT,L-システイン塩酸塩とTCEP,グルタチオンとDTTおよびグルタチオンとTCEPの組合せ以外は、第1の化合物または第2の化合物を単独で添加した場合と同様に、室温分析と50℃分析において同等の感度となること、10分未満に最小菌濃度を検出できることが確認できた。
【0050】
【表5】
【0051】
本発明は、至適温度が50~60℃の酵素活性を、室温分析では十分な感度が得られず、分析時間も長くなるものが、抗酸化作用を有する第1の化合物またはSH基を保護しジスルフィド結合を切断する作用を有する化合物を吸水性物質に乾燥保持、または検体に添加することで、室温分析でも50℃分析と同等の感度でかつ10分未満に分析できることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0052】
この発明は、歯周病原因菌検出や診断において、歯周病のリスク判定及び進行度合いの確認、更には治療効果の確認等を簡便に把握する技術に有用である。
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