(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】非接触式電子タバコヒーター
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20231023BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20231023BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2021567014
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 CN2020090251
(87)【国際公開番号】W WO2020228776
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】201920703370.X
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921496546.5
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910850981.1
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521491222
【氏名又は名称】厦門蜂涛陶瓷有限公司
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN FENGTAO CERAMICS CO., LTD
【住所又は居所原語表記】I33, 10th Floor, No. 1036, Xiahe Road, Siming District Xiamen, Fujian 361000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】朱肖華
(72)【発明者】
【氏名】熊兆栄
(72)【発明者】
【氏名】付増学
(72)【発明者】
【氏名】于祥一
(72)【発明者】
【氏名】劉茂埼
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108991601(CN,A)
【文献】特開平11-054245(JP,A)
【文献】登録実用新案第3132085(JP,U)
【文献】特開昭54-084637(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107411172(CN,A)
【文献】特開2014-103076(JP,A)
【文献】中国実用新案第208837111(CN,U)
【文献】国際公開第2017/144028(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/223563(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
A24F 40/20
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック発熱体と、喫煙物品保持体組立品と、密封カバーとを含む非接触式電子タバコヒーターであって、
前記密封カバーは、前記セラミック発熱体と前記喫煙物品保持体組立品を内部に収納するように中空配置されており、且つ前記セラミック発熱体と前記喫煙物品保持体組立品とが互いに隔てて配置されており
、
前記セラミック発熱体は、発熱本体と、発熱回路とを含み、
前記発熱本体は、柱状を呈しており、且つ前記発熱本体内には、
通気路が設けられており、前記発熱回路は、前記
通気路を通過する空気を加熱するために、前記発熱本体に設けられており、
前記喫煙物品保持体組立品は、喫煙物品を放置するように構成されるチャンバを画定する
予熱管と、前記喫煙物品に対して位置制限をするために、前記
予熱管に相互接続され、且つ前記セラミック発熱体に隣接して配置されている遮蔽シートとを含み
、
前記発熱本体は、円柱体であり、且つ前記
通気路は、前記発熱本体の軸方向に沿って前記発熱本体の一端側から他端側に連続的に形成されており、前記発熱本体内に複数配置されて
おり、
前記予熱管は、それ自体が通電されずに前記セラミック発熱体が通電されて発熱されることにより昇温されることで、前記チャンバにおいて前記喫煙物品を予熱するために用いられる、
非接触式電子タバコヒーター。
【請求項2】
前記
通気路の通孔は、円形孔又は多辺形孔である、ことを特徴とする請求項1に記載の非接触式電子タバコヒーター。
【請求項3】
前記
通気路の通孔は、前記発熱本体内に規則的に分布されている、ことを特徴とする請求項1に記載の非接触式電子タバコヒーター。
【請求項4】
前記発熱回路は、厚膜回路の方式で前記発熱本体の外表面に印刷されている、ことを特徴とする請求項1に記載の非接触式電子タバコヒーター。
【請求項5】
前記遮蔽シートは、導流片であり、前記導流片は、前記
予熱管の一端開口部に位置されており、且つ前記
予熱管と共にコップ体に組み合わせており、前記導流片には、複数の導流孔が設けられている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の非接触式電子タバコヒーター。
【請求項6】
前記複数の導流孔は、円周方向に沿って均一に分布されている、ことを特徴とする請求項5に記載の非接触式電子タバコヒーター。
【請求項7】
前記遮蔽シートは、前記
予熱管の管壁に沿って中心に延びている段付き面として構成される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の非接触式電子タバコヒーター。
【請求項8】
前記発熱本体と前記
予熱管は、いずれも、アルミナセラミック、窒化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、酸化ベリリウムセラミック又はジルコニアセラミックで作られる、ことを特徴とする請求項1に記載の非接触式電子タバコヒーター。
【請求項9】
前記アルミナセラミック中のアルミナの含有量は、99%より大きい、ことを特徴とする請求項8に記載の非接触式電子タバコヒーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タバコ技術分野に関し、特に非接触式電子タバコヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ、シガーなどの喫煙物品は、使用過程中にタバコの葉を燃焼することでタバコの煙を発生させ、タバコの葉を燃焼することによって発生する煙には、タールなどの発がん物質が多く含まれ、長期間にこれらの有害物質を吸入すると、人体に非常に大きな危害を与えるおそれがある。現在、科学技術の進歩と人々の健康生活に対する追求に伴い、タバコの代替品、即ち、電子タバコが登場した。そのうち、典型的な電子タバコ様態の一つは、加熱不燃焼の方式で喫煙物品中の有効成分、例えば、ニコチンを釈放することである。
【0003】
加熱不燃焼電子タバコは、主に低温加熱の動作原理により、喫煙物品を300℃前後まで加熱することによって、喫煙物品中のニコチンなどの有効成分をあぶって放出させ、燃焼温度に達していないため、喫煙物品中のタールなどの有害物質は大きく減少する。
【0004】
関連技術において、加熱不燃焼電子タバコは、一般的には、接触式加熱方案を採用して喫煙物品をあぶり、例えば、宝剣形、針状などの発熱体を喫煙物品の内部に挿入して加熱する。しかし、接触式加熱方案は、加熱が不均一であるという欠陥があり、すなわち、発熱体と直接に接触する部分は温度が比較的高く、発熱体から離れた部分は温度が急速に逓減するため、発熱体に近いタバコの葉のみが十分にあぶられ、これが喫煙物品中のタバコが完全にあぶられなく、タバコの浪費が大きいだけでなく、タバコの煙の量も不足になる。発熱体温度を上げることで、加熱効率を向上させると、発熱体付近のタバコを焼け焦げられることを招きやすく、吸い感だけでなく、有害成分の大量増加を招き、健康に悪影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件発明者は、以下の問題に対して鋭意検討した結果に基づき、本出願を見出した。
【0006】
加熱不燃焼電子タバコの動作過程において、接触式加熱方案は、加熱が不均一であるという欠陥があるため、必然的に喫煙物品が完全にあぶられないことを招き、それによって、タバコの浪費が大きいだけでなく、タバコの煙の量も不足になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本件発明者は、大量の研究及び実験から分かるように、喫煙の過程が本質的に空気流動の過程であり、喫煙物品に流入する空気自体の温度が比較的高い場合、熱空気が喫煙物品をあぶる役割を直接に果たすことができ、且つ吸引過程に伴って、熱空気が喫煙物品の全てのタバコを比較的均一に完全にあぶる・浸透することができるため、加熱不均一の問題を効果的に解決できる。したがって、空気を加熱し、吸引過程での熱空気流動を利用して喫煙物品をあぶる方式で加熱を実現する方案は、全体的な加熱効果がより良くなる。
【0008】
本発明は、従来技術に存在する技術課題の一つを少なくとも一定の程度上で解決することを目的とする。このために、本発明の目的は、セラミック発熱体により空気を加熱し、加熱された流動空気が喫煙物品を均一にあぶることによって、喫煙物品のタバコ浪費を回避し、タバコの煙の量を向上させることができる非接触式電子タバコヒーターを提案することである。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の実施例は、非接触式電子タバコヒーターを提案する。この非接触式電子タバコヒーターは、セラミック発熱体と、喫煙物品保持体組立品と、密封カバーとを含み、前記密封カバーは、前記セラミック発熱体と前記喫煙物品保持体組立品を内部に収納するように中空配置されており、且つ前記セラミック発熱体と前記喫煙物品保持体組立品とが互いに隔てて配置されており、そのうち、前記セラミック発熱体は、発熱本体と、発熱回路とを含み、前記発熱本体は、柱状を呈しており、且つ前記発熱本体内には、多孔性通路が設けられており、前記発熱回路は、前記多孔性通路を通過する空気を加熱するために、前記発熱本体に設けられており、前記喫煙物品保持体組立品は、喫煙物品を放置するように構成されるチャンバを画定するセラミック管と、前記喫煙物品に対して位置制限をするために、前記セラミック管に相互接続され、且つ前記セラミック発熱体に隣接して配置されている遮蔽シートとを含む。
【0010】
本発明の実施例に係る非接触式電子タバコヒーターは、セラミック発熱体を喫煙物品保持体組立品から隔てて密封カバーに内蔵することにより、セラミック発熱体が空気を加熱する時、加熱された流動空気が喫煙物品を均一にあぶり、喫煙物品のタバコ浪費を回避するとともに、タバコの煙の量を向上させることができる同時に、セラミック発熱体は、高純度アルミナセラミックを採用し、高純度アルミナセラミックが高緻密性を有し、マイクロ構造上で空隙がほとんどないため、流体中の汚染物がその中に浸透できず、それによって、汚染と異臭を表面に残させることはできなくなり、且つ喫煙物品保持体組立品は、喫煙物品をセラミック発熱体から隔てられるため、非接触式空気加熱を完全に実現することができ、製品が汚染を受けないことを保証することもできる。そして、セラミック発熱体は、多孔状設置を採用することによって、ハニカムセラミック本体の比表面積が大きくなり、空気を十分に加熱することを実現し、加熱効率が高いだけでなく、セラミック発熱本体が良好な熱伝導率を有するため、空気をより速く加熱する目的を実現することができ、及び多孔性通路構造が存在するため、空気の流動速度は一定の制限を受け、喫煙物品をあぶる時に、熱空気と喫煙物品との接触時間がより長くなり、熱量の散逸を遅らせ、エネルギーを節約した。また、吸引動作を行わない場合、セラミック発熱本体の多孔質形状は、熱空気を同時にロックすることができ、熱空気の外部への流出を減少させ、さらにエネルギーを節約する。なお、喫煙物品保持体組立品は、セラミック管によって画定されたチャンバを介して喫煙物品を放置し、チャンバ内に放置された喫煙物品を、遮蔽シートを介してセラミック発熱体から隔てられることによって、セラミック発熱体が喫煙物品と直接に接触したり、又は距離が近すぎたりすることを回避することができ、それによって、喫煙物品のセラミック発熱体に近い部分が、320℃を超えて加熱されて焦げてしまうことを防止するのに有効である。そして、使用者が喫煙物品を吸引する時、喫煙物品を均一に迅速にあぶるように、熱空気が迅速にチャンバに流入し、セラミック発熱体によって加熱された熱空気が効率的に喫煙物品をあぶることを保証し、加熱効率が高く、タバコの煙の量が十分であり、及びセラミック管の表面緻密性が高いため、煙霧粒子の吸着を効果的に防止し、異臭防止の効果を奏することができる。
【0011】
また、本発明の上記実施例に提案されている非接触式電子タバコヒーターによれば、次の付加的技術特徴を有し得る。
【0012】
更に、前記発熱本体は、円柱体であり、且つ前記多孔性通路は、軸方向に沿って前記発熱本体内に配置されている。
【0013】
具体的には、前記多孔性通路の通孔は、円形孔又は多辺形孔である。
【0014】
具体的には、前記多孔性通路の通孔は、前記発熱本体内に規則的に分布されている。
【0015】
そのうち、前記通孔の孔径は、0.1~2mmであってもよく,隣接する二つの通孔の間の距離は、0.1~0.5mmであってもよい。
【0016】
選択的に、前記発熱回路は、厚膜回路の方式で前記発熱本体の外表面に印刷されている。
【0017】
選択的に、前記遮蔽シートは、導流片であり、前記導流片は、前記セラミック管の一端開口部に位置されており、且つ前記セラミック管と共にコップ体に組み合わせており、前記導流片には、複数の導流孔が設けられている。
【0018】
そのうち、前記複数の導流孔は、円周方向に沿って均一に分布されている。
【0019】
選択的に、前記導流孔は、孔径が0.1~2mmである円形孔である。
【0020】
選択的に、前記遮蔽シートは、前記セラミック管の管壁に沿って中心に延びている段付き面として構成される。
【0021】
具体的には、前記遮蔽シートは、対向して設けられている二枚の遮蔽シートである。
【0022】
更に、前記発熱本体と前記セラミック管は、いずれも、アルミナセラミック、窒化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、酸化ベリリウムセラミック又はジルコニアセラミックで作られる。
【0023】
具体的には、前記アルミナセラミック中のアルミナの含有量は、99%より大きく、前記アルミナセラミックの密度は、3.86g/cm3以上である。
【0024】
なお、本発明の実施例は、加熱アセンブリと、密封カバーと、熱回収装置とを含む非接触加熱空気式電子タバコヒーターをさらに提案する。そのうち、前記熱回収装置の側壁内には、熱回収装置を外壁及び内壁に分割する第一のハニカム状多孔性通路が設けられており、前記熱回収装置内壁には、密封カバーが設けられており、前記密封カバー内には、加熱アセンブリが嵌合されており、前記加熱アセンブリは、密封カバーを介して、熱回収装置に接続されており、前記発熱本体には、発熱回路が設けられており、前記発熱回路の端点には、導線が設けられており、前記発熱本体内には、第二のハニカム状多孔性通路が設けられている。
【0025】
更に、前記加熱アセンブリは、上から下に順次に、予熱管、導流片と発熱体であり、前記導流片には、若干の導流孔が設けられている。
【0026】
更に、前記加熱アセンブリと熱回収装置は、いずれも、密度が3.86g/cm3以上である高純度アルミナセラミックである。
【0027】
更に、前記第一のハニカム状多孔性通路と第二のハニカム状多孔性通路は、孔径範囲が0.1~2mmで、隣接する二つの孔の間の最小距離が0.1~0.5mmである均一に配列された方形孔又は他の多辺形孔である。
【0028】
更に、前記発熱回路印刷材料は、銀、タングステン、MoMn(マンガンモリブデン)を含むが、それらに限らない。
【0029】
更に、前記導線材料は、銀、銅、ニッケルを含むが、それらに限らない。
【0030】
本発明の実施例の非接触加熱空気式電子タバコヒーターは、加熱アセンブリを介して空気を加熱することによって、加熱された流動空気がタバコを均一にあぶり、タバコの煙の量を向上させる。同時に、加熱アセンブリと熱回収装置は、高純度アルミナセラミックであり、高純度アルミナセラミックは、高緻密性を有し、マイクロ構造上で空隙がほとんどなく、流体中の汚染物がその中に浸透できず、汚染と異臭を表面に残させることはできなくなり、また、空気加熱の方式であるカートリッジと接触しないため、装置が汚染を受けないことを保証することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一つの実施例による非接触加熱空気式電子タバコヒーターの構造概略図である。
【
図2】本発明の一つの実施例によるセラミック発熱体の概略図である。
【
図3】本発明の一つの実施例による導流片の概略図である。
【
図4】本発明の一つの実施例による熱回収装置の概略図である。
【
図5】本発明の一つの実施例による喫煙物品保持体組立品の構造概略図である。
【
図6】本発明の別の実施例による喫煙物品保持体組立品の構造概略図であり、及び、
【
図7】本発明の別の実施例による非接触加熱空気式電子タバコヒーターの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例における例が図面に示され、同一又は類似する符号は、常に同一又は類似する部品、或いは、同一又は類似する機能を有する部品を表す。図面を参照しながら以下に説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈することを旨とし、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0033】
上記技術方案をより良く理解するために、以下では、添付図面を結び付けながら、本発明の例示的な実施例をさらに詳細に説明する。添付図面には本発明の例示的な実施例が示されるが、本発明は、様々な形態で実現することができ、本明細書に説明した実施例によって限定されないと理解すべきである。逆に、これらの実施例を提供することは、本発明をより徹底的に理解してもらい、本発明の範囲を当業者に全面的に伝えるためである。
【0034】
上記技術方案をより良く理解するために、以下では、明細書添付図面及び具体的な実施の形態を結び付けながら、上記技術方案を詳細に説明する。
【0035】
まず、本件発明者は、大量の研究及び実験から分かるように、空気に対して加熱を行い、吸引する過程において熱空気流動で喫煙物品をあぶる方式を採用して加熱を実現する方案が、全体加熱効果をより良くなる。
【0036】
しかし、空気加熱方案を採用する時、まず、適切な発熱体を選択して空気を加熱する必要があるが、発熱体は空気を加熱する時、室温空気を発熱体に入り、発熱体から放出された空気温度が300℃以上になる必要があり、次に、通常の吸引習慣、すなわち、昇温過程は毎秒約20mlをサポートし、1口あたり3秒前後吸引し、発熱体は約計60mlの空気加熱効率を考慮する必要がある。
【0037】
上記効果を達成するために、本件発明者は、大量の実験から分かるように、発熱線で空気を加熱する方案を採用する時、発熱線だけで空気を加熱するには、比較的高い発熱線温度を必要とし、発熱線の温度が600℃以上になった場合にのみ、流通する空気を300℃以上に加熱することができ、また、一旦気流が通過すると、発熱線が急速に冷却され、このように、一口吸引動作により発熱線の温度降下幅は200~300℃となる。このために、吸引する時に、発熱線に対して電力補償する必要があり、そうでなければ、喫煙に必要な空気加熱効果を達成することは困難である。しかしながら、気流センサが検出された気流の大きさに基づき、発熱線の電力に対して補償を行う時、発熱線と空気との接触面積が小さいため、この電力補償方案は所要加熱効果を達成するために、比較的電力を必要とするだけでなく、また、加熱後の空気温度が正確でなく、補償応答時間が間に合わないことによって、各方向の空気温度が不均一になるという問題を招く。
【0038】
そして、発熱線の温度を向上させることにより、流通する空気を300℃以上に加熱する時、発熱線の温度が高くなり、且つ空気と直接に接触するため、発熱線から分離された金属イオンが吸引気流に混入して人体に入り、人体の健康を危うくするおそれがある。
【0039】
以上説明したように、本件発明者は、大量の研究から分かるように、空気加熱の方案を採用して喫煙物品をあぶる時、空気を加熱するための発熱体は比較的大きな加熱面積を有する必要があり、それによって、発熱体と空気との温度差を小さくするとともに、発熱体は吸引気流流通後の温度降下に対抗するために、比較的大きな熱容量を有する必要があり、及び発熱体は加熱準備時間を低下させるために、比較的高い熱伝導率を有する必要がある。
【0040】
このために、本件発明者は、長年のセラミックについて深く研究に基づき、ハニカムセラミックの多孔性構造を設計することにより、より大きな加熱表面積をもたらし、発熱体に非常に高い空気を加熱する効率を持たせることができるとともに、多孔性構造のハニカムセラミック発熱体は中実構造により近く、同体積のセラミック管よりも高い熱容量を有し、また、アルミナ材料の熱伝導率が30W/MKより大きいため、熱量をより迅速に均一に伝導されることができ、熱伝導率が高く、それによって、多孔性構造を採用したハニカムセラミック発熱体は、空気加熱の方式により喫煙物品をあぶる需要を満たすことができる。
【0041】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施例に提案されている非接触式電子タバコヒーターについて説明する。
【0042】
図1及び
図7を参照すると、本発明の実施例に提案されている非接触式電子タバコヒーターは、セラミック発熱体10と、喫煙物品保持体組立品20と、密封カバー30とを含み、そのうち、密封カバー30は、セラミック発熱体10と喫煙物品保持体組立品20を内部に収納するように中空配置されており、且つセラミック発熱体10と喫煙物品保持体組立品20とが互いに隔てて配置されている。
【0043】
更に、
図1及び
図2に関連して示したように、セラミック発熱体10は、発熱本体11と、発熱回路12とを含む。
【0044】
そのうち、発熱本体11は、柱状を呈しており、且つ発熱本体11内には、多孔性通路101が設けられており、発熱回路12は、多孔性通路101を通過する空気を加熱するために、発熱本体11に設けられている。
【0045】
つまり、発熱回路12は、通電後、加熱動作を行うことによって、多孔性通路101を通過する空気を加熱し、空気均一加熱の機能を実現する。
【0046】
選択的に、発熱本体11は、円柱状であってもよく、多辺形柱状、例えば角柱状、方柱状、五辺形柱状などであってもよい。本発明はこれを限定しない。
【0047】
一例として、
図2に示すように、発熱本体11は、円柱体であり、且つ多孔性通路101は、軸方向に沿って発熱本体11内に配置されている。
【0048】
そして、
図2に示すように、発熱回路12は、厚膜回路の方式で発熱本体11の外表面に印刷されており、例えば、発熱線の形式で発熱本体11の外表面に周設され、且つ発熱本体11と一体化されている。
【0049】
本発明の一つの実施例によれば、発熱回路12の印刷材料は、銀、タングステン又はマンガンモリブデンを含む。
【0050】
具体的には、円柱形ハニカム状セラミック発熱本体の外壁に発熱厚膜銀ペースト発熱回路を印刷して加熱を行うと、セラミック発熱本体11は多孔性ハニカム状構造を採用しているため、発熱体の加熱表面積を大幅に増加させることができ、発熱本体11を380℃前後に加熱するだけで、空気を300℃以上に加熱でき、且つセラミック発熱本体11は比較的高い熱容量を有するため、一口あたり吸引気流、例えば50ml空気がセラミック発熱体を通過した後、その温度低下は比較的小さく、20~30℃のみ低下が実験的に検証された。
【0051】
発熱回路12を厚膜回路の方式で発熱本体11の外表面に印刷される場合、一般的に、その発熱抵抗はPTC感熱抵抗であり、すなわち、温度上昇の場合、抵抗が大きくなり、複数回の温度上昇・低下実験から分かるように、セラミック発熱体温度は抵抗に対応しており、それによって、セラミック発熱体温度は抵抗値を測定することにより、特徴づけられることができる。このように、直流電源定電圧給電下で、厚膜発熱回路の自己補償効果(発熱体降温、抵抗値降下、電流増大、電力増大)を利用して、発熱体温度を数秒以内で元々温度に戻すことができるが、気流を通過しない時、発熱体温度は安定で、無変動を保持することができる。
【0052】
従って、本発明の実施例では、発熱本体11がハニカム構造を採用しているため、セラミック発熱体は十分な熱容量を提供することが可能となり、喫煙を模擬する過程において、発熱体に及ぼす気流温度影響が非常に小さく、それによって、電力補償を行うことなく、自己調整よって、喫煙に必要な加熱空気の効果を実現することができる。
【0053】
そして、厚膜回路の方式で発熱本体11の外表面に印刷された発熱回路12は、鮮明な感熱効果を有し、温度上昇に伴い抵抗が大きくなり、温度低下に伴い抵抗が小さくなり、それ自体を熱センサとして機能することができるため、温度センサを必要とせずに発熱体の温度を制御する。
【0054】
以上説明したように、本発明の実施例のセラミック発熱体は、気流センサに基づく動的電力補償を行う必要がなく、温度センサに基づく温度検出や制御も必要がなく、制御システムの複雑度を簡単化するだけでなく、より良好な制御応答効果がある。
【0055】
選択的に、本発明の一つの実施例によれば、多孔性通路101の通孔は、円形孔又は多辺形孔である。
【0056】
そして、一例として、例えば、
図2に示すように、多孔性通路101の通孔は、発熱本体11内に規則的に分布されてもよい。
【0057】
選択的に、発熱本体11が円柱体である場合、多孔性通路101の通孔は、円周方向に沿って均一に分布されてもよい。又は、
図2に示すように、多孔性通路101の通孔が多辺形孔である場合、中心対称の方式で円柱体中に分布されてもよい。
【0058】
理解できるように、本発明の実施例では、多孔性通路101の通孔の分布状況は限定されず、発熱本体11を多孔性ハニカム状構造に画定することができればよい。
【0059】
具体的には、本発明の一つの実施例では、多孔性通路101の通孔は、0.1~2mmであり、例えば、0.5mm、1mmなどであってもよく、隣接する二つの通孔の間の距離は、0.1~0.5mmであり、例えば、0.2mm、0.4mmなどであってもよい。理解できるように、多孔性通路101の通孔の孔径と隣接する二つの通孔との間の距離は、空気流通が可能で、空気と表面との接触面積を増加させることができれば、発熱本体11の具体的な状況に応じて画定されてもよい。
【0060】
選択的に、本発明の一つの実施例によれば、発熱本体11は、アルミナセラミック、窒化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、酸化ベリリウムセラミック又はジルコニアセラミックで作られる。
【0061】
そのうち、アルミナセラミック中のアルミナの含有量は、99%より大きく、アルミナセラミックの密度は、3.86g/cm3以上である。
【0062】
具体的には、一例として、
図2に示すように、上記セラミック発熱体は、アルミナセラミックで作られたハニカム状発熱本体11と、発熱回路12と、導線13とを含む。そのうち、ハニカム状発熱本体11の中心には、均一に配列された方形孔である多孔性通路101が設けられており、発熱回路12は、発熱本体11の外表面に周設されており、発熱回路12の前後端には、導線13が設けられている。
【0063】
そして、発熱本体11を製造したアルミナセラミックの密度は、3.9 g/cm
3であり、発熱本体11の抵抗は、0.1~2Ω、例えば0.6Ω、0.8Ωなどであってもよく、多孔性通路101の方形孔の孔径は1.5mmであってもよく、すなわち、方形孔の辺長は1.5mmであり、多孔性通路101の肉厚は0.2mmであってもよく、
図2に示すように、隣接する二つの方形孔の対応な辺の間の距離は多孔性通路101の肉厚である。
【0064】
更に、発熱回路12の材料は、銀であってもよい。そのうち、発熱回路2の印刷厚さは、0.01~0.02mmであり、導線13は、直径が0.2mmである銀導線であってもよい。
【0065】
本発明の実施例では、発熱本体11を製造するアルミナセラミックの純度は、99%を超え、すなわち、高純度アルミナセラミックであり、そのハニカムセラミック表面の緻密性は非常に高くなり、煙霧粒子の吸着を効果的に防止し、異臭防止の効果を奏することができる。高純度アルミナセラミックで作られたハニカム状発熱本体は、良好な熱伝導性を有し、熱伝導率が33W/MKに達し、ハニカムセラミック構造における肉厚と孔径は、いずれも非常に小さく、極めて良好な熱伝導効果を有するとともに、ハニカム多孔性の形状は空気との接触面積を大幅に増加させることができ、アルミナハニカムセラミックの比表面積が大きくなり、加熱効率が高く、空気をより速く加熱する目的を実現することができる。このように、本発明の実施例のハニカム状セラミック加熱体は、あぶる対象の喫煙物品の下方に設けられ、あぶる対象の喫煙物品と接触せず、使用者が喫煙物品を吸引する時、空気が発熱体ハニカムの孔穴から流れて特定の温度まで加熱され、その後、熱空気が喫煙物品を流過する時に、喫煙物品を急速に320℃前後まで加熱し、喫煙物品の受熱面積と受熱効率を大幅に高め、加熱をより均一にし、タバコ炭化をより完全にし、タバコ浪費を回避し、使用者の吸い感を向上させ、タバコの煙の量が十分であり、そして、喫煙物品の種類の制限を受けない。なお、ハニカム多孔性の構造が存在するため、空気の流動速度を一定に制限され、熱空気と喫煙物品との接触時間がより長くなり、熱量の散逸を遅らせ、エネルギーを節約した。吸引動作を行わない場合、ハニカムセラミックの多孔性形状は、熱空気を同時にロックすることができ、熱空気の外部への放出を減少させ、さらにエネルギーを節約する。
【0066】
以上説明したように、本発明の実施例に係るセラミック発熱体は、発熱本体内に多孔性通路が設けられていることにより、発熱回路が多孔性通路を通過する空気を加熱する時に、発熱本体と空気との接触面積を増大させることができ、ハニカムセラミック本体の比表面積が大きくなり、空気を十分に加熱することを実現し、加熱効率が高いだけでなく、セラミック発熱本体が良好な熱伝導率を有するため、空気をより速く加熱する目的を実現することができ、及び多孔性通路構造が存在するため、空気の流動速度は一定の制限を受け、喫煙物品をあぶる時に、熱空気と喫煙物品との接触時間がより長くなり、熱量の散逸を遅らせ、エネルギーを節約した。また、吸引動作を行わない場合、セラミック発熱本体の多孔質形状は、熱空気を同時にロックすることができ、熱空気の外部への流出を減少させ、さらにエネルギーを節約する。なお、セラミック発熱本体の表面緻密性が非常に高いため、煙霧粒子の吸着を効果的に防止し、異臭防止の効果を奏することができる。
【0067】
図1~
図6に関連して示したように、喫煙物品保持体組立品20は、セラミック管21と、遮蔽シート22とを含む。そのうち、セラミック管21によって画定されたチャンバは、喫煙物品を放置するように構成されており、遮蔽シート22は、喫煙物品に対して位置制限をするために、セラミック管21に相互接続され、且つセラミック発熱体10に隣接して配置されている。
【0068】
選択的に、
図1、
図3及び
図5に示すように、遮蔽シート22は、導流片であってもよく、導流片は、セラミック管21の一端開口部に位置されており、且つセラミック管21と共にコップ体に組み合わせており、導流片には、複数の導流孔202が設けられている。
【0069】
更に、
図1又は
図3に示すように、複数の導流孔202は、円周方向に沿って均一に分布されている。
【0070】
具体的には、一例として、
図1又は
図3に示すように、導流孔202は、孔径が0.1~2mmである円形孔である。
【0071】
このように、セラミック発熱体10が加熱動作を行う時に、導流片によりセラミック発熱体10を喫煙物品から隔てられることによって、セラミック発熱体10が喫煙物品と直接に接触したり、又は距離が近すぎたりすることを効果的に防止することができ、それによって、喫煙物品のセラミック発熱体に近い部分が、320℃を超えて加熱されて焦げてしまうことを防止する。また、使用者が喫煙物品を吸引する時、熱空気は、熱気流通路、即ち、導流孔202から迅速にチャンバに流入し、喫煙物品を均一に迅速にあぶることができる。
【0072】
選択的に、別の例として、
図6に示すように、遮蔽シート22は、セラミック管21の管壁に沿って中心に延びている段付き面として構成される。
【0073】
具体的には、
図6に示すように、遮蔽シート22は、対向して設けられている二枚の遮蔽シート22であってもよく、それによって、セラミック発熱体10をと喫煙物品から効果的に隔てられ、セラミック発熱体10が喫煙物品と直接に接触したり、又は距離が近すぎたりすることを効果的に防止することができ、それによって、喫煙物品のセラミック発熱体に近い部分が、320℃を超えて加熱されて焦げてしまうことを防止する。そして、使用者が喫煙物品を吸引する時に、熱空気は、二枚の遮蔽シートの間の隙間から迅速に流入し、喫煙物品を均一に迅速にあぶることができる。
【0074】
選択的に、本発明の一つの実施例によれば、セラミック管21は、アルミナセラミック、窒化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、酸化ベリリウムセラミック又はジルコニアセラミックで作られる。
【0075】
更に、導流片は、アルミナセラミック、窒化アルミニウムセラミック、窒化ケイ素セラミック、炭化ケイ素セラミック、酸化ベリリウムセラミック又はジルコニアセラミックで作られてもよい。
【0076】
そのうち、アルミナセラミック中のアルミナの含有量は、99%より大きく、アルミナセラミックの密度は、3.86g/cm3以上である。
【0077】
本発明の実施例では、アルミナセラミックの純度は、99%を超え、そのセラミック表面の緻密性が非常に高くなり、煙霧粒子の吸着を効果的に防止し、異臭防止の効果を奏することができ、且つアルミナセラミックは、良好な熱伝導性を有し、熱伝導率が33W/MKに達し、加熱効率が高く、チャンバ中の空気の昇温をより速く実現することができる。
【0078】
同時に、アルミナセラミック管21は、加熱手段として機能することはなく、熱量の散逸を減少することができ、且つ採用された熱気流通孔は、一方では、熱空気の流通を容易にすることができ、もう一方では、吸引動作を行わない時にも、熱空気の直接拡散を阻止し、断熱の効果がある。
【0079】
本件発明者のセラミック発熱体及び喫煙物品保持体組立品20に対する絶えず深く研究した結果に基づき、現在常用の加熱不燃焼電子タバコに用いられる喫煙物品は、その外に包まれた煙紙の炭化温度が内部タバコより低く、喫煙物品の外に包まれた煙紙が240℃を超える場合、焼け焦げ臭が発生する可能性があり、内部タバコは約330℃であぶって、タバコの煙を効果的に出す必要があることが分かった。これは、煙紙を焼け焦げないなしにタバコを理想的な温度まで加熱する問題を解決する必要がある。更に、本件発明者は、実験を通して、喫煙物品全体に200~220℃のような理想的な動作準備温度を与えることができれば、実際の吸引時に、良好な使用体験を味うことができることを実証した。
【0080】
このために、喫煙物品がセラミック発熱体と直接に接触しない電子タバコヒーター方案を採用する場合、喫煙物品保持体組立品20が200~220℃の準備動作温度を提供できる必要がある。複数回の試験から分かるように、アルミナセラミック管は、喫煙物品の容器として、アルミナ材料の高熱伝導率を介して喫煙物品のために理想的な準備動作温度を効果的に提供できるだけでなく、アルミナセラミック管材料が緻密で、タール残留が発生しにくく、持続使用による異臭問題を回避することができる。
【0081】
また、昇温温度を向上させるために、セラミック発熱体を制御して加熱動作を行う時、本発明の実施例の非接触式電子タバコヒーターは、初期で高電力を用いてプルアップし、動作温度に達した後に低電力で該動作温度に維持する加熱ポリシーを採用している。温度は、一つの伝導過程であり、セラミック発熱体が動作温度に達するほか、喫煙物品、喫煙物品保持体組立品が相応な温度に達しないため、セラミック発熱体を制御して低電力加熱でこの動作温度に維持する時、電圧を保温段階時の電圧まで直接に下げることは許されなく、徐々に下げる必要がある。
【0082】
それ故、セラミック発熱体を制御して保温段階に入る時、降圧の過程は複数段に分けて完了する必要があり、例えば、二段式降圧が必要であり、一段目は電圧の急速低下が必要であり、二段目は保温段階に対応する電圧まで徐々に下げさせることによって、動作温度を維持する保温段階に入る必要がある。その理由は、前期で迅速昇温するために、電力が熱平衡電力よりはるかに高く、降圧が遅すぎると、使用者が初回吸引した後に連続吸引する場合、喫煙物品の温度が330℃を超えたことになりやすく、煙物品の焼け焦げる現象を招き、それによって、先に迅速降下後、徐々に降圧するという制御過程が、この状況の発生を効果的に避けることができるからである。
【0083】
以上説明したように、本発明の実施例に係る非接触式電子タバコヒーターは、セラミック発熱体を喫煙物品保持体組立品から隔てて密封カバーに内蔵することにより、セラミック発熱体が空気を加熱する時、加熱された流動空気が喫煙物品を均一にあぶり、喫煙物品のタバコ浪費を回避するとともに、タバコの煙の量を向上させることができる。同時に、セラミック発熱体は、高純度アルミナセラミックを採用し、高純度アルミナセラミックが高緻密性を有し、マイクロ構造上で空隙がほとんどないため、流体中の汚染物がその中に浸透できず、それによって、汚染と異臭を表面に残させることはできなくなり、且つ喫煙物品保持体組立品は、喫煙物品をセラミック発熱体から隔てられるため、非接触式空気加熱を完全に実現することができ、製品が汚染を受けないことを保証することもできる。そして、セラミック発熱体は、多孔状設置を採用することによって、ハニカムセラミック本体の比表面積が大きくなり、空気を十分に加熱することを実現し、加熱効率が高いだけでなく、セラミック発熱本体が良好な熱伝導率を有するため、空気をより速く加熱する目的を実現することができ、及び多孔性通路構造が存在するため、空気の流動速度は一定の制限を受け、喫煙物品をあぶる時に、熱空気と喫煙物品との接触時間がより長くなり、熱量の散逸を遅らせ、エネルギーを節約した。また、吸引動作を行わない場合、セラミック発熱本体の多孔質形状は、熱空気を同時にロックすることができ、熱空気の外部への流出を減少させ、さらにエネルギーを節約する。なお、喫煙物品保持体組立品は、セラミック管によって画定されたチャンバを介して喫煙物品を放置し、チャンバ内に放置された喫煙物品を、遮蔽シートを介してセラミック発熱体から隔てられることによって、セラミック発熱体が喫煙物品と直接に接触したり、又は距離が近すぎたりすることを回避することができ、それによって、喫煙物品のセラミック発熱体に近い部分が、320℃を超えて加熱されて焦げてしまうことを防止するのに有効である。そして、使用者が喫煙物品を吸引する時、喫煙物品を均一に迅速にあぶるように、熱空気が迅速にチャンバに流入し、セラミック発熱体によって加熱された熱空気が効率的に喫煙物品をあぶることを保証し、加熱効率が高く、タバコの煙の量が十分であり、及びセラミック管の表面緻密性が高いため、煙霧粒子の吸着を効果的に防止し、異臭防止の効果を奏することができる。
【0084】
図1~
図4に関連して示したように、本発明の実施例は、加熱アセンブリ1と、密封カバー30と、熱回収装置3とを含む非接触加熱空気式電子タバコヒーターをさらに提案する。そのうち、前記熱回収装置3の側壁内には、熱回収装置3を外壁32及び内壁33に分割する第一のハニカム状多孔性通路31が設けられており、前記熱回収装置3内壁33には、密封カバー30が設けられており、前記密封カバー30内には、加熱アセンブリ1が嵌合されており、前記加熱アセンブリ1は、密封カバー30を介して、熱回収装置3に接続されており、前記発熱本体11には、発熱回路12が設けられており、前記発熱回路12の端点には、導線13が設けられており、前記発熱本体11内には、第二のハニカム状多孔性通路101が設けられている。
【0085】
更に、前記加熱アセンブリ1は、上から下に順次に、予熱管21、導流片22と発熱体20であり、前記導流片22には、若干の導流孔202が設けられている。
【0086】
更に、前記加熱アセンブリ1と熱回収装置3は、いずれも、密度が3.86g/cm3以上である高純度アルミナセラミックである。
【0087】
更に、前記第一のハニカム状多孔性通路31と第二のハニカム状多孔性通路101は、孔径範囲が0.1~2mmで、隣接する二つの孔の間の最小距離が0.1~0.5mmである均一に配列された方形孔又は他の多辺形孔である。
【0088】
更に、前記発熱回路12印刷材料は、銀、タングステン、MoMn(マンガンモリブデン)を含むが、それらに限らない。
【0089】
更に、前記導線13材料は、銀、銅、ニッケルを含むが、それらに限らない。
【0090】
本実施例では、
図1に示すように、前記熱回収装置3の側壁内には、熱回収装置3を外壁32及び内壁33に分割する第一のハニカム状多孔性通路31が設けられており、前記熱回収装置3内壁33には、密封カバー30が設けられており、前記密封カバー30内には、加熱アセンブリ1が嵌合されており、前記加熱アセンブリ1は、密封カバー30を介して、熱回収装置3に接続されており、前記加熱アセンブリ1は、上から下に順次に、予熱管21、導流片22と発熱本体11であり、
図2に示すように、前記発熱本体11には、発熱回路12が設けられており、前記発熱回路12の端点には、導線13が設けられており、前記発熱本体11内には、第二のハニカム状多孔性通路101が設けられている。喫煙者が喫煙をしたい場合、喫煙物品(例えばカートリッジ)を予熱管21に入れてカートリッジ落下を防止し、通電後、発熱回路12が発熱開始し、カートリッジを280℃~320℃であぶることでニコチンなどの有効成分を放出させ、吸引できるタバコの煙を発生することができるため、装置は予熱を行う必要があり、予熱管21と導流片22の温度が200℃に達すると、予熱が完了し、予熱が完了したため、初回、二回目の吸引、すなわち、初回加熱時、カートリッジを200℃から320℃まで昇温するだけであり、室温からの昇温よりも速く、且つ初回、二回目の吸引により発生するタバコの煙の量をより保証することができる。迅速加熱のために、発熱本体11には、孔径範囲が0.1~2mmで、隣接する二つの孔の間の最小距離が0.1~0.5mmである均一に配列された方形孔又は他の多辺形孔である第二のハニカム状多孔性通路101が設けられており、その展開面積が大きいため、空気を加熱する効率が非常に高く、さらに、熱空気はハニカム中心から流れて発熱回路12と接触せず、汚染が発生しない。同時に、加熱アセンブリ1と熱回収装置3は、いずれも、高純度アルミナセラミックであり、高純度アルミナセラミックの電気絶縁が良く、強度が高く、熱伝導性が良いため、発熱体20は加熱する時に漏電が起こらなく、且つ予熱管21と導流片22も高純度アルミナセラミックの良好な熱伝導性により迅速に昇温し、長時間待たずにカートリッジを吸引することができる。カートリッジを吸引する時、気流は発熱体20を介して320℃まで加熱され、次に、導流片22上の導流孔202を介してさらに均質化と分流され、より均一にカートリッジに流入してタバコを加熱し、タバコの煙の量を向上させ、加熱過程において、全てのカートリッジに作用しない熱量が回収され、熱回収装置3内壁33には、密封カバー30が設けられており、密封カバー30内には、加熱アセンブリ1が嵌合されるため、加熱アセンブリ1から発生するカートリッジに作用しない熱量は、第一のハニカム状多孔性通路31に伝導する可能性があり、且つこの多孔性通路は、孔径範囲が0.1~2mmで、隣接する二つの孔の間の最小距離が0.1~0.5mmである均一に配列された方形孔又は他の多辺形孔であり、その展開面積が大きいため、昇温効率が非常に高く、それによって、断熱の役割を果たし、昇温時間を短縮して省エネを実現する。吸引を行う時、加熱された空気は、第二のハニカム状多孔性通路101へ流れ、空気が熱回収装置3に流入して、さらに第一のハニカム状多孔性通路31中の熱量を連れ去り、それによって、熱量回収を実現し、そのうち、密封カバー9は、熱空気が別の場所へ流れないように、熱回収装置3と加熱アセンブリ1との間を封止する役割を果たす。喫煙の過程において、カートリッジから飛散した流体汚染物質は装置に残ることは免れなく、高純度アルミナセラミックは高緻密性を有し、その密度が3.86g/cm
3以上であり、マイクロ構造上で空隙がほとんどないため、タバコの煙の中の汚染物がその中に浸透できず、汚染と異臭を表面に残させることができなくなる。
【0091】
本発明の説明において、理解すべきことは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利に又は簡単に説明するためのものであり、指定された装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないので、本発明を限定するものと理解してはいけない。
【0092】
なお、「第一の」、「第二の」という用語は、説明の目的のためだけに提供されており、相対的な重要性又は示される技術的特徴の数を示すまたは示唆するものと理解してはいけない。このため、「第一」、「第二」により限定される特徴は、一つ又は複数の該特徴を明示的に、あるいは黙示的に有してもよい。本発明の説明において、特に説明しない限り、「複数」とは、二つ以上を意味する。
【0093】
本発明において、明確に指定又は限定しない限り、「取り付ける」、「相互接続」、「接続」、「固定」などの用語は、広義で理解すべきであり、例えば、接続は、固定して接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体に接続してもよく、機械的に接続してもよく、或いは、電気的に接続してもよく、直接接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続してもよく、2つの要素の内部が連通してもよく、又は2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解し得る。
【0094】
本発明において、明確に指定又は限定しない限り、第一の特徴は、第二の特徴より「上」又はより「下」にあることは、第一と第二の特徴が直接接触することを含んでもよく、第一と第二の特徴が直接接触するのではなく、それらの間の別の特徴を介して接触することを含んでもよい。また、第一の特徴は、第二の特徴「より上」、「上方」及び「上部」にあることは、第一の特徴が第二の特徴の真上及び斜め上方にあることを含むか、又は第一の特徴の水平高さが第二の特徴よりも高いことのみを表す。第一の特徴は、第二の特徴「より下」、「下方」及び「下部」にあることは、第一の特徴が第二の特徴の真下及び斜め下方にあることを含むか、又は第一の特徴の水平高さが第二の特徴よりも低いことのみを表す。
【0095】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などの用語を参考した説明とは、当該実施例又は例に合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は必ずしも同一の実施例又は例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料、又は特性は、いずれか一つ又は複数の実施例又は例において適切な形態で結合することができる。なお、当業者であれば、本明細書に説明されている異なる実施例又は例に対して結合又は組み合わせを行うことができる。
【0096】
なお、以上では本発明の実施例を例示して説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものと理解してはいけなく、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができることを理解できる。