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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】地下埋設設備
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/02 20060101AFI20231023BHJP
   E02D 29/12 20060101ALI20231023BHJP
   H02G 9/00 20060101ALN20231023BHJP
   H02B 7/08 20060101ALN20231023BHJP
   H02B 1/56 20060101ALN20231023BHJP
【FI】
H01F27/02 G
H01F27/02 A
H01F27/02 150
E02D29/12 Z
H02G9/00
H02B7/08
H02B1/56 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022530679
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 KR2020016902
(87)【国際公開番号】W WO2021107628
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0153523
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522204957
【氏名又は名称】コリア セーフティー インダストリー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソン-ホン
【審査官】古河 雅輝
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第1928167(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0040775(KR,A)
【文献】特開2016-102626(JP,A)
【文献】特開2001-286013(JP,A)
【文献】実開昭60-162913(JP,U)
【文献】実開昭59-183106(JP,U)
【文献】国際公開第2015/053543(WO,A1)
【文献】特開2011-200039(JP,A)
【文献】実公昭51-008097(JP,Y1)
【文献】実公昭49-044164(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/00
E02D 29/045-37/00
H01F 27/00 -27/06
H02B 1/00 - 1/38
H02B 1/46 - 7/08
H02G 9/00 - 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開放された埋設ボックス、
前記埋設ボックスに挿入されて上部を覆う蓋部、および、
前記蓋部に配置され、外部水の流入にしたがって前記埋設ボックスの内部空間を換気させる、又は、密閉させる空調部、を含み、
前記蓋部の下面によって前記埋設ボックスの内部空間は密閉されるように構成され、
前記蓋部で前記空調部の配置位置と異なる位置には雨水の流入時に雨水と内部空間を熱交換させる熱交換部が配置され、前記蓋部は外部に露出される上面を含み、
前記熱交換部は前記蓋部の下部に配置され、
前記熱交換部の上面は前記蓋部の上面から離隔し、前記熱交換部の上面と前記蓋部の上面の間の第1空間に外部から前記蓋部に流入する外部水が流入するように構成され、
前記埋設ボックスは内側面に段差部が、外側面で前記段差部の下部に外側面から内側に凹んだ溝が形成され、
前記段差部の上部に前記蓋部が配置され、
前記埋設ボックスの内側縁に少なくとも一部分に形成された隙間と前記段差部によって排水路が形成され、前記排水路は前記空調部および前記第1空間と連通するように構成され、
前記溝と前記排水路が連通するように前記埋設ボックスには連通路が形成された、地下埋設設備。
【請求項2】
前記連通路は地面に垂直な方向に延び、
前記埋設ボックスは上部外側面と下部外側面が段差を有するように形成され、
前記上部外側面には前記溝が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の地下埋設設備。
【請求項3】
前記空調部はボックスの内部に位置し、
前記空調部のボックスから前記埋設ボックスの内側面に向かう外側面と前記埋設ボックスの内側面間に間隔が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の地下埋設設備。
【請求項4】
前記溝は前記埋設ボックスの外側面にそれぞれ形成されることを特徴とする、請求項1に記載の地下埋設設備。
【請求項5】
前記熱交換部はコンクリートより熱伝導性が高い材質で形成され、
上面と下面のうち少なくとも一面には熱交換フィンが形成されることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の地下埋設設備。
【請求項6】
前記蓋部で前記熱交換部の上部には覆工板が位置することを特徴とする、請求項5に記載の地下埋設設備。
【請求項7】
前記熱交換部の下面の縁にはシーリング部が配置され、前記熱交換部は内側部材と前記内側部材を囲む外側部材を含み、前記内側部材は前記外側部材より熱伝導性が高いことを特徴とする、請求項1に記載の地下埋設設備。
【請求項8】
前記蓋部で前記熱交換部および前記空調部とは異なる位置に作業者出入り部が配置され、前記作業者出入り部と前記空調部は並んで配置されることを特徴とする、請求項5に記載の地下埋設設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地下埋設設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来には変圧器、開閉器、通信機器などのような電気設備が電信柱などの大型地上施設の上端に設置されたため、電気設備管理者が電信柱に上って電気設備のメンテナンスをしなければならないなど、電気設備のメンテナンスが困難かつ危険であった。また、現代社会の急速な産業化につれて電気設備の需要が爆発的に増加することにより、都心随所に電信柱などの電気設備関連施設が大挙登場するようになった。その結果、電信柱などの電気設備関連施設は都心の美観を害し、都心空間の効率的な使用を邪魔し、都心の市民の安全を威嚇する要因として作用してきた。
【0003】
最近、このような電気設備間に連結される電線を地下に埋設し、電気設備を歩道などの路面上に設置する電線地中化事業が進行されている。しかし、電気設備が路面上に設置されるため、毎年繰り返される梅雨、台風などにより電気設備が浸水したり破損する事例が頻繁に報告されている。また、運転者の不注意によって車両が電気設備に衝突する事例も頻繁に報告されている。電気設備の浸水や破損は火災、感電、爆発などを誘発して莫大な財産の損失と人命の被害につながっている。
【0004】
これと関連して、韓国公開特許第10-2015-0040775号公報では、地下に設置された機器の浸水を防止する防水機能と地下に設置された機器を冷却させる冷却機能を有する地下埋設式コンテナシステムが公開されたことがある。
【0005】
しかし、電源に作動する冷却部は外部電源が必要であるだけでなく、電子機器を使わなければならないため損傷および誤作動の恐れがあり、洪水になる場合に埋設ボックスの内部の温度を安定的に維持できない恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第10-2015-0040775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は従来技術の問題点を解決するためのものであり、外部電源がなくても安定的に埋設ボックスの内部の熱を外部に逃がすことができる地下埋設設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記のような目的を達成するために、次のような地下埋設設備を提供する。
【0009】
一実施例において、地下埋設設備は上部が開放された埋設ボックス;前記埋設ボックスに挿入されて上部を覆う蓋部;および前記蓋部に配置され、外部水の流入にしたがって前記埋設ボックスの内部空間を換気させるか密閉させる空調部;を含み、前記蓋部の下面によって前記埋設ボックスの内部空間は密閉されるように構成され、前記蓋部で前記空調部の配置位置と異なる位置には雨水の流入時に雨水と内部空間を熱交換させる熱交換部が配置され、前記蓋部は外部に露出される上面を含み、前記熱交換部は前記蓋部の下部に配置され、前記熱交換部の上面は前記蓋部の上面から離隔し、前記熱交換部の上面と前記蓋部の上面の間の第1空間に外部から前記蓋部に流入する外部水が流入するように構成され、前記埋設ボックスは内側面に段差部が、外側面で前記段差部の下部に外側面から内側に凹んだ溝が形成され、前記段差部の上部に前記蓋部が配置され、前記埋設ボックスの内側縁に少なくとも一部分に形成された隙間と前記段差部によって排水路が形成され、前記排水路は前記空調部および前記第1空間と連通するように構成され、前記溝と前記排水路が連通するように前記埋設ボックスには連通路が形成される。
【0010】
一実施例において、前記連通路は地面に垂直な方向に延び、前記埋設ボックスは上部外側面と下部外側面が段差を有するように形成され、前記上部外側面には前記溝が形成され得る。
【0011】
一実施例において、前記空調部はボックスの内部に位置し、前記空調部のボックスから前記埋設ボックスの内側面に向かう外側面と前記埋設ボックスの内側面間に前記隙間が形成され得る。
【0012】
一実施例において、前記溝は前記埋設ボックスの外側面にそれぞれ形成され得る。
【0013】
一実施例において、前記熱交換部はコンクリートより熱伝導性が高い材質で形成されるものの、上面と下面のうち少なくとも一面には熱交換フィンが形成され得る。
【0014】
一実施例において、前記蓋部で前記熱交換部の上部には覆工板が位置することができる。
【0015】
一実施例において、前記熱交換部の下面の縁にはシーリング部が配置され、前記熱交換部は内側部材と前記内側部材を囲む外側部材を含み、前記内側部材は前記外側部材より熱伝導性が高くてもよい。
【0016】
一実施例において、前記蓋部で前記熱交換部および前記空調部とは異なる位置に作業者出入り部が配置され、前記作業者出入り部と前記空調部は並んで配置され得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明は前記のような構造を通じて、雨水が多く流入した場合にも安定的に埋設ボックスを冷却して地下埋設設備の内部に配置される装備を安定的に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例に係る地下埋設設備の斜視図である。
図2図1の地下埋設設備のA-A断面図である。
図3図1の地下埋設設備のB-B断面図である。
図4】本発明の一実施例の空調部および熱交換部が含まれた拡大断面図である。
図5】本発明の一実施例の空調部および熱交換部が含まれた拡大断面図である。
図6】本発明の一実施例に係る地下埋設設備の組立図であって、熱交換部を組み立てる姿を図示した組立図である。
図7】本発明の他の実施例の空調部および熱交換部が含まれた拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、添付された図面を参照して本発明の具体的な実施例を説明することにする。
【0020】
本発明は一実施例で地上部が開放された埋設ボックスと、前記埋設ボックスに挿入されて上部を覆う蓋部を含む。埋設ボックスは地下に埋まることになり、蓋部は上面が外部に露出される。埋設ボックスの内部空間は前記蓋部によって密閉され、地中に埋まっても外部の水が流入しない。ただし、埋設ボックスの内部で発生する熱を外部に逃がすために空調部および熱交換部が蓋部に配置され、埋設ボックスの内部に作業者が出入りできるように作業者出入り部も蓋部に配置される。蓋部で空調部、熱交換部、作業者出入り部が平面上で互いに異なる位置に配置されて各構成が互いに影響を与えず、流入した水は全体的に広がることになる。
【0021】
本発明は一実施例において、地下埋設設備に雨水が流入して空調機が作動できない間に別途の動力なしに安定的に地下埋設設備の内部空間の熱を外部に排出できる地下埋設設備を提供するもので、地下埋設設備の上部に溜まった水と内部空間を熱交換させる熱交換部を含む。
【0022】
一実施例において、熱交換部は通常のコンクリートより熱伝導率が高い物質で形成された板状部材、例えば金属板を含むことができ、熱交換を増大させるためにフィンのような部材が板の一側面に付着形成されてもよい。
【0023】
本発明の一実施例において、熱交換部の上部に溜まっていた雨水は降雨あるいは洪水が終了した後、埋設ボックスで下方に形成されている連通路を通じて、周辺の大地に抜け出ることができる。連通路は下方に形成されているため、土が熱交換部の上部に流入することができない。
【0024】
このような連通路が形成されるために、本発明の一実施例で埋設ボックスには内側面に形成される段差部と外側面に形成される溝を含む。前記溝は段差部より低い位置に形成され、埋設ボックスの連通路は内側面の段差部から外側面の溝まで延長形成され得る。
【0025】
一実施例において、前記熱交換部の上面と前記蓋部の上面の間には空間が形成され、この空間に水が流入し得る。一実施例では熱交換部に水が流入できるようにし、該当水を熱交換に活用する。
【0026】
一実施例において、蓋部の外側面と前記埋設ボックスの内側面間に間隔があり、前記間隔と前記段差部によって排水路が形成され、前記排水路は前記空調部および前記第1空間と連通するように構成される。例えば、蓋部に配置される空調部や使用者出入り部の場合にボックス型構造内に配置され、このようなボックス型構造の外側面と埋設ボックスの内側面間に間隔が形成されて埋設ボックスに流入した水が前記排水路を通じて全領域に均一に広がり得、熱交換部の上にも水が広がり得る。また、排水時に前記排水路を通じて蓋部の内部の水が均一に広がり得、排水路に配置される連通路を通じて排水が円滑に遂行され得る。
【0027】
図1には本発明の一実施例の地下埋設設備の斜視図が図示されており、図2には図1の地下埋設設備のA-A断面図が図示されており、図3には図1の地下埋設設備のB-B断面図が図示されている。図4および図5には本発明の一実施例の空調部および熱交換部が含まれた拡大断面図が図示されており、図6には一実施例の組立図が図示されている。
【0028】
図1図3に示されたように、一実施例の地下埋設設備は上部が開放された埋設ボックス10;前記埋設ボックス10に挿入されて上部を覆う蓋部50;および前記蓋部に配置され、外部水の流入にしたがって前記埋設ボックス10の内部空間を換気させるか密閉させる空調部60;を含み、前記蓋部50の下面によって前記埋設ボックスの内部空間は密閉される。
【0029】
埋設ボックス10は上部外側面11と下部外側面12が段差を有するように形成され、上部外側面11には外側面から内側に凹んだ溝15a、15b、15c、15dが形成されている。このような溝は投入されるコンクリートの量を減らすことができるだけでなく、万一内部で爆発があった時、コンクリートが先に破損され得る薄い部分を提供する。
【0030】
蓋部50は埋設ボックス10の上部に配置され、一部が埋設ボックス10の内部に挿入される。平面上で覆工板80が配置される領域、空調部60が配置される領域、作業者出入り部70が配置される領域が蓋部50で互いに重ならないように配置される。図1および図2に示されたように、2個の空調部60の間に作業者出入口70が並んで配置される。すなわち、空調部60、作業者出入口70および空調部60が同一の長さを有して一側で一列に配置される。蓋部50の上面は地面に対応するように配置され、空調部60、作業者出入口70および覆工板80の上面は蓋部50の上面に対応するように配置されて、蓋部50の上面で上に人あるいは車両が通ることができるように構成される。
【0031】
図4および図5には空調部60が詳細に図示されている。空調部60は基本的に浮袋64の浮力によって空気の流出入路が遮断される構造を有する。空調部60はボックスの形状を有し、上面に開閉部62が一側にヒンジでボックスに連結される。ボックスの内部には空調機61が配置されるが、2個の空調部60のうち一つの空調部60には外部空気吸入用空調機61が配置され、他の空調部60には内部空気排出用空調機61が配置される。開閉部62には貫通ホール62aが形成されており、この貫通ホール62aを通じて外部の空気が流入するか、内部の空気が外部に流出され得る。
【0032】
空調機61は埋設ボックス10の内部空間に延びた内部通路65とボックスに配置される外部通路63を含み、両通路のうち少なくともいずれか一か所に一つ以上のファン(図示されず)が設置される。浮袋64は外部通路63に配置され、浮袋64の移動により外部通路63が詰まったり、開放される。すなわち、浮袋64が水によって浮くことによって外部通路63が遮断され、水が抜けて浮袋64が下がると外部通路63は開放される。
【0033】
浮袋64の上側には図示されていない接触スイッチあるいは近接スイッチが位置して、浮袋64の上昇/下降にしたがって空調機61に設置されたファンをオン/オフさせる。すなわち、浮袋64が上昇する場合に浮袋64はスイッチに接触あるいは近接し、それに伴ってファンの電源がオフとなる。その反対に、浮袋64が下降する場合に浮袋64はスイッチから離れたり遠ざかり、それに伴ってファンの電源はオンとされる。
【0034】
空調部60のボックス67で埋設ボックス10の内側面に向かう外側面と対応する埋設ボックス10の内側面間には、図4でのように隙間Gが形成されている。特に、埋設ボックス10の内側面13は図3に示されたように段差部17が形成されており、この段差部17を基準として上側に空調部60、作業者出入り部70、覆工板80および熱交換部100が配置される。
【0035】
作業者出入り部70は図2および図3に示されたように、ボックスの形状を含み、ボックスの上面に配置される外側カバー72とボックスの内部に配置される内側カバー71を含む。両カバーはヒンジを通じて開放/閉鎖され得る。内側カバー71は埋設ボックス10の内部空間を開閉するため外部の水が流入しないようにシーリング構造が形成されているが、外側カバー72はシーリング構造を有さなくてもよい。作業者出入り部70のボックスの下部の側面に貫通孔(図示されず)が形成され得、この貫通孔は作業者出入り部70のボックスの内部に流入した水が他の空間、例えば、排水路、空調部60、熱交換部100の上部に広がり得るようにする。
【0036】
内側カバー71の下部には作業者が埋設ボックス10の内部空間に安全に入ることができるようにはしご3が配置され、はしご3の下部にはスタッフ4が配置される。
【0037】
一方、埋設ボックス10の内部空間には被埋設体、例えば変圧器Tとその下に配置される支持台2が配置され、図1に図示された通り、変圧器Tに連結される複数の電線が埋設ボックス10に形成された貫通孔を通じて連結される。貫通孔は電線などが通過した状態で密封されることになるため、外部の土や水が埋設ボックス10の内部空間に流入しない。すなわち、空調機61が遮断され、内側カバー71が閉まった場合に内部空間は外部から隔離される。
【0038】
空調部60と作業者出入り部70が配置されない空間には覆工板80が配置され、前記覆工板80の下部には熱交換部100が配置される。熱交換部100は覆工板80の下部の全領域に配置されてもよく、覆工板80がさらに広い領域にあるいは熱交換部100がさらに広い領域に配置されてもよい。
【0039】
覆工板80はフレームおよび脚81を含んで形成され、脚は熱交換部100上に載置され得るが、下面82は熱交換部100の上面より離れて配置される。熱交換部100の上部には、図4に示されたように、第1空間Aが形成される。換言すると、前記熱交換部100の上面は前記蓋部50の上面あるいは覆工板80の下面(脚部分は除く)から離隔し、前記熱交換部の上面と前記蓋部50の上面あるいは覆工板80の下面の間の第1空間Aが形成される。この第1空間Aは開放されることも可能であり、ボックスの形状によって囲まれることも可能である。
【0040】
空調部60、作業者出入り部70および前記第1空間Aは互いに連通するように、空調部60のボックス67と作業者出入り部70のボックスの下部には貫通孔66が形成され得る。
【0041】
前記熱交換部100の上面、空調部60のボックスと作業者出入り部70のボックスの下面は同一の高さで形成されてもよいが、若干の高さの差を有してもよい。したがって、空調部60、作業者出入り部70および前記第1空間Aに流入した水は他の空間に移動可能であり、段差部17までも移動可能である。
【0042】
埋設ボックス10の段差部17で隙間Gに対応する位置には排水路が形成され、排水路に上下方向に延びる連通路20が形成され得る。この連通路20は内側面13に形成された段差部17から外側面に形成された溝15a、15b、15c、15dにまで延び、空調部60、作業者出入り部70および前記第1空間Aに流入した水は、連通路20を通じて溝20に配置される土に抜け出ることができる。連通路20は上下方向、すなわち垂直方向に形成されているため、水は下部に配置された溝15a、15b、15c、15dに抜け出ることができるが、溝15a、15b、15c、15dに配置された土は連通路20に乗り込んで埋設ボックス10の内部に入ってくることはできない。
【0043】
図6に示されたように、本発明の一実施例において、熱交換部100は埋設ボックス10の内部空間に向かって突出した多数のフィン105が形成され得る。熱交換部100は外側部材102と内側部材101を含み、前記内側部材101は前記外側部材102より熱伝導性が高い素材を選択することができる。外側部材102の縁の下面にはシーリング部103、例えばゴム層が配置され、段差部107に載置されて固定連結されることによって、埋設ボックス10の内部空間を密封する。前記内側部材101に前記フィン105が形成され得る。
【0044】
この実施例ではフィン105が埋設ボックス10の内部空間に向かって突出するものとして説明したが、図7で図示された実施例の通り、フィン105は第1空間Aに向かって突出してもよく、埋設ボックス10の内部空間と第1空間Aに向かって形成されてもよい。
【0045】
図4および図5を通じて本発明の一実施例の動作を説明することにする。
【0046】
図4に示されたように、正常状態、すなわち、外部の水が流入していない状態で空調機61は正常動作し、埋設ボックス10の内部空間は空調機61によって空気が流入/流出されるため、変圧器(T;図3参照)のような被埋設体で発生する熱は空調機61を通じて外部に逃がされて、内部空間は一定の温度を維持することができる。
【0047】
図5に示されたように、外部の水Wが流入して空調機61がそれ以上作動しない場合を含み、空調機61が動作する場合、外部の水は蓋部50の外側と覆工板80間の隙間を通じて、直接的にあるいは空調部60の貫通ホール62aおよび貫通孔66を通じて間接的に第1空間Aに流入し、第1空間Aに流入した水は熱交換部100の上面に位置しながら、熱交換部100を通じて伝達される熱を吸収し、それに伴い、埋設ボックス10の内部空間の熱が抜け出ることになる。すなわち、この実施例で、流入した水は空調機61を遮断したりもするが、一種の熱交換流体として作用して熱交換部100を通じて内部空間の熱を除去する。
【0048】
一実施例において、外部の水Wが流入していない時は空調機を通じて、水Wが流入した時は熱交換部100を通じて内部の熱が排出されるため内部空間はいつも一定の温度を越えないことができ、熱交換部100の場合に別途の動力が不要であるだけでなく、流入した水に伝導を通じて熱を伝達するため効果的な熱伝達がなされ得、維持/管理にも有利である。
【0049】
以上、本発明の図面を参照して一実施例を中心に説明したが、本発明は一実施例に制限されるものではない。
【符号の説明】
【0050】
1:地下埋設設備
10:埋設ボックス
11:外側面
15a、15b、15c、15d:溝
17:段差部
20:連通路
50:蓋部
60:空調部
61:空調機
70:作業者出入り部
80:覆工板
100:熱交換部
105:フィンA:第1空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7