(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】ポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システム及び方法
(51)【国際特許分類】
C08F 2/01 20060101AFI20231023BHJP
B01F 23/231 20220101ALI20231023BHJP
C08F 10/00 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
C08F2/01
B01F23/231
C08F10/00
(21)【出願番号】P 2022539635
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 CN2020096737
(87)【国際公開番号】W WO2021253310
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】202010554334.9
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520307724
【氏名又は名称】南京延長反応技術研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】NANJING YANCHANG REACTION TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE CO. LTD
【住所又は居所原語表記】ZHOU, Zheng No.88, South Tuan District, Jiangbei New District Nanjing , Jiangsu 210047 China
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】張 志炳
(72)【発明者】
【氏名】周 政
(72)【発明者】
【氏名】張 鋒
(72)【発明者】
【氏名】李 磊
(72)【発明者】
【氏名】孟 為民
(72)【発明者】
【氏名】王 宝栄
(72)【発明者】
【氏名】楊 高東
(72)【発明者】
【氏名】羅 華勲
(72)【発明者】
【氏名】楊 国強
(72)【発明者】
【氏名】田 洪舟
(72)【発明者】
【氏名】曹 宇
【審査官】佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0300024(US,A1)
【文献】中国実用新案第210176791(CN,U)
【文献】中国実用新案第207581700(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106268544(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110016090(CN,A)
【文献】特表2011-520010(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0256351(US,A1)
【文献】中国実用新案第210045215(CN,U)
【文献】特開昭60-069109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00 -2/60
C08F10/00
B01F23/231
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システムであって、順番に接続された第1重合反応器及び第2重合反応器を含み、前記第1重合反応器の外部には
αオレフィン原料、ハロゲン化物触媒、水素、及び有機溶媒を混合しマイクロバブルに分散破砕するための第1マイクロ界面発生器が設けられ、
前記第1重合反応器にて前記αオレフィン原料、ハロゲン化物触媒、水素及び有機溶媒を乳化して重合反応させて第1ポリマーを形成し、前記第2重合反応器内には
前記第1ポリマー、ハロゲン化物触媒、水素及び有機溶媒を混合しマイクロバブルに分散破砕するための第2マイクロ界面発生器が設けられ、
前記第2重合反応器の底部には吐出口が設けられ、前記吐出口は、反応中に触媒と水素の反応により生成された副生成物を除去するためにハロゲン化水素除去塔に接続され、前記ハロゲン化水素除去塔の頂部にはハロゲン化水素ガスを排出する第1排気管が設けられ、底部にはポリαオレフィン生成物を排出するための分離生成物出口が設けられ、前記分離生成物出口は、ポリαオレフィン生成物に対してフラッシュ精製分離を行うためにフラッシュタンクに接続され、分離された水素、循環材料は前記フラッシュタンクの頂部から排出され、分離されたポリαオレフィンは、ポリαオレフィンの水分を除去するために前記フラッシュタンクの底部から排出されて分子篩精製器に入る、ことを特徴とするポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システム。
【請求項2】
前記第1マイクロ界面発生器の一端の側壁にはαオレフィン原料を導入するための供給口が設けられ、他端が前記第1重合反応器に接続され、前記第1マイクロ界面発生器の底端にはハロゲン化物触媒、水素及び有機溶媒を導入するための第1入口がさらに設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システム。
【請求項3】
前記第2マイクロ界面発生器の頂端にはハロゲン化物触媒、水素、有機溶媒を導入するための第2入口が設けられ、前記第2マイクロ界面発生器は液相循環配管の一端に接続され、前記液相循環配管の他端は前記第2重合反応器の側壁に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システム。
【請求項4】
前記フラッシュタンクの頂部には前記循環材料を液化するためのコンデンサが接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システム。
【請求項5】
前記コンデンサは気液分離タンクの側壁に接続され、前記気液分離タンクの頂部には水素を排出する第2排気管が設けられ、前記気液分離タンクの底部の出口は、前記循環材料を前記第1マイクロ界面発生器に循環導入するために循環管に接続され、前記循環管には輸送ポンプが設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載のポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システム。
【請求項6】
前記分子篩精製器は、ポリαオレフィンを収集するためのホッパーに接続され、前記ホッパーには収集ボックスが接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システム。
【請求項7】
反応原料、触媒及び溶媒を混合してマイクロバブルに分散破砕し、重合反応させ、次に不純物を除去し、フラッシュ蒸発し、最後に乾燥させるというステップを含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のマイクロ界面強化反応システムによりポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応方法。
【請求項8】
前記重合反応の温度は120~132℃である、ことを特徴とする請求項7に記載のポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応方法。
【請求項9】
前記重合反応の圧力は1~1.2MPaである、ことを特徴とする請求項7に記載のポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリαオレフィンを製造する技術分野に関し、具体的にはポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリαオレフィンは、合成基油の1種であり、ポリαオレフィンは、エチレンを重合反応させてαオレフィンを製造し、さらに重合及び水素化することにより製造されるものであり、最も一般的に使用される合成潤滑油基油であり、使用範囲が最も広く、ポリαオレフィン合成油は、優れた粘度温度特性及び低温流動性を有し、高級で専用の潤滑油を製造するための理想的な基油である。
【0003】
ポリαオレフィンの生産プロセスでは、通常、撹拌床反応器、釜型反応器、管型反応器、塔型反応器などが重合反応器として使用されるが、提供された相界面面積及び物質移動係数が限られ、ガス利用率が低くて反応効率が低いため、反応性能を飛躍的に向上させることは困難であり、さらに反応全体の効率に影響を与えており、また、気液相間の混合が不均一であるため、分子量分布も不均一になり、得られたポリαオレフィンの均一性が高くなく、製品の品質に影響を与えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国特許公開第201610641119号
【文献】中国実用新案第205833127U号
【文献】中国実用新案第207581700U号
【文献】中国特許公開第201610641251.7号
【文献】中国特許公開第201610641119.6号
【文献】中国特許公開第201710766435.0号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本発明は、ポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システム及び方法を提供し、第1目的は、ポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システムを提供することであり、該マイクロ界面強化反応システムは、第1重合反応器に第1マイクロ界面発生器を設けるとともに、第2重合反応器内に第2マイクロ界面発生器を設けることにより、一方では、気相と液相材料との間の物質移動面積を大きくし、ガス利用率が高くなり、反応効率が向上し、エネルギー消費量が低減し、他方では、気液相の混合がより均一になり、得られたポリαオレフィンの分子量分布がより均一になり、製品の品質が向上する。
【0006】
第2目的は、上記マイクロ界面強化反応システムを用いてポリαオレフィンを製造する反応方法を提供することであり、反応に必要な温度が低く、エネルギー消費量が低く、反応により得られたポリαオレフィン製品の品質が良好であり、収率が高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的を実現するために、以下の技術的解決手段が使用される。
【0008】
本発明は、ポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システムを提供し、順番に接続された第1重合反応器及び第2重合反応器を含み、前記第1重合反応器の外部にはαオレフィン原料、ハロゲン化物触媒、水素、及び有機溶媒を混合しマイクロバブルに分散破砕するための第1マイクロ界面発生器が設けられ、前記第1重合反応器にて前記αオレフィン原料、ハロゲン化物触媒、水素及び有機溶媒を乳化して重合反応させて第1ポリマーを形成し、前記第2重合反応器内には前記第1ポリマー、ハロゲン化物触媒、水素及び有機溶媒を混合しマイクロバブルに分散破砕するための第2マイクロ界面発生器が設けられ、前記第2重合反応器の底部には吐出口が設けられ、前記吐出口は、反応中に触媒と水素の反応により生成された副生成物を除去するためにハロゲン化水素除去塔に接続され、前記ハロゲン化水素除去塔の頂部にはハロゲン化水素ガスを排出する第1排気管が設けられ、底部にはポリαオレフィン生成物を排出するための分離生成物出口が設けられ、前記分離生成物出口は、ポリαオレフィン生成物に対してフラッシュ精製分離を行うためにフラッシュタンクに接続され、分離された水素、循環材料は前記フラッシュタンクの頂部から排出され、分離された前記ポリαオレフィンは、前記ポリαオレフィンの水分を除去するために前記フラッシュタンクの底部から排出されて分子篩精製器に入る。
【0009】
さらに、上記ポリアルファオレフィンを製造するためのマイクロ界面強化反応系において、第1のマイクロ界面発生器の一端側壁には、アルファオレフィン原料を供給するための供給口を設け、他端を接続する。接続された第1の重合反応器に、第1のマイクロインターフェース発生器の下端にも第1の入口が設けられ、第1の入口は、ハロゲン化物触媒、水素および有機溶媒を導入するために使用される。
【0010】
さらに、ポリオレフィンを調製するための上記のマイクロインターフェース強化反応システムにおいて、第2のマイクロインターフェースジェネレーターの上部は、ハロゲン化物触媒、水素、および有機溶媒を導入するための第2の入口、および第2のマイクロインターフェースを備えている。反応器は液相循環パイプの一端に接続され、液相循環パイプの他端は第2の重合反応器の側壁に接続されている。
【0011】
さらに、ポリアルファオレフィンを調製するための上記のマイクロインターフェース強化反応システムでは、循環物質を液化するための凝縮器がフラッシュタンクの上部に接続されている。
【0012】
さらに、ポリアルファオレフィンを調製するための上記のマイクロインターフェース強化反応システムでは、凝縮器が気液分離タンクの側壁に接続され、気液分離タンクの上部に第2の排気管が設けられている。気液分離槽には、水素を排出するための第2の排気管が設けられており、液分離槽の底部の出口は、循環物質を第1のマイクロインターフェース発生器に循環させるための循環管に接続されている。循環管には搬送ポンプが配置されています。
【0013】
さらに、ポリアルファオレフィンを調製するための上記のマイクロインターフェース強化反応システムにおいて、モレキュラーシーブリファイナーは、ポリアルファオレフィンを収集するためのホッパーに接続され、収集ボックスは、ホッパーに接続される。
マイクロ界面強化反応システムによってポリアルファオレフィンを調製するためのマイクロ界面強化反応法であって、以下のステップを含む:
反応原料、触媒、溶剤を混合・分散・破砕してマイクロバブルを形成し、重合させた後、不純物除去、フラッシュ蒸発、最終乾燥を行います。
【0014】
さらに、ポリアルファオレフィンを調製するための上記のミクロ界面強化反応法において、重合反応の温度は120〜132℃である。
【0015】
さらに、ポリアルファオレフィンを調製するための上記のミクロ界面強化反応法では、重合反応の圧力は1〜1.2MPaである。
【0016】
当業者は、本発明で使用されるマイクロインターフェースジェネレータが、出願番号CN201610641119などの発明者の先行特許に具体化されていることを理解することができる。CN205833127UおよびCN207581700Uの特許。以前の特許CN201610641119.6では、マイクロバブルジェネレーター(つまり、マイクロインターフェースジェネレーター)の特定の製品構造と動作原理が詳細に紹介されました。キャビティがあり、本体には空洞、空洞の反対側の第1および第2の端は開いており、空洞の断面積は空洞の中央から空洞の第1および第2の端までです.2番目の端は縮小されています;二次破砕片は、空洞の第1端部と第2端部の少なくとも一方に配置され、二次破砕片の一部は空洞内に配置され、二次破砕片と空洞の両端は開いている環状チャネルマイクロバブル発生器の貫通孔の間に形成されます。マイクロバブル発生器には、空気入口パイプと液体入口パイプも含まれます。」出願書類に開示された特定の構造から、その特定の動作原理は次のとおりであることがわかります。 :液体は液体入口パイプを通って接線方向にミクロンに入ります。気泡発生器では、ガスの超高速回転と切断により、気泡がミクロンレベルでマイクロバブルに分裂し、それによって液相と気相、およびこの特許のマイクロバブル発生器は、空気圧マイクロインターフェース生成装置に属します。
【0017】
さらに、以前の特許201610641251.7は、一次バブルブレーカが循環液入口、循環ガス入口、および気液混合物出口を有し、二次バブルブレーカが供給ポートを気液混合物出口と連絡していることを記録している。バブルブレーカーは、気体と液体の両方と混合する必要があります。また、次の図から、一次バブルブレーカーは主に循環流体を動力として使用していることがわかります。実際、一次バブルブレーカーは油圧に属します。マイクロインターフェースジェネレーターであり、二次気泡ブレーカーは気液ブレーカーです。混合物は同時に楕円形の回転ボールに供給されて回転するため、回転中に気泡が破壊されるため、二次気泡ブレーカーは実際には気体です。液体リンケージタイプのマイクロインターフェースジェネレータ。実際、それが油圧式マイクロインターフェース発生器であろうと気液結合型マイクロインターフェース発生器であろうと、どちらも特定の形態のマイクロインターフェース発生器に属する。しかし、本発明で使用されるマイクロインターフェース発生器は、上記の形態に限定されないが、前の特許に記載されたバブルブレーカの特定の構造は、本発明のマイクロインターフェースジェネレータがとることができる形態の1つにすぎない。
【0018】
さらに、以前の特許201710766435.0は、「バブルブレーカーの原理は、ガス衝突を達成するために高速ジェットを達成することである」と記録しており、マイクロインターフェース強化リアクターで使用して、バブルブレーカーおよびマイクロインターフェースジェネレーター。および先行特許CN106187660には、バブルブレーカーの特定の構造に関する関連記録もあります。詳細については、仕様の段落[0031]〜[0041]、および添付の図面を参照してください。バブルブレーカーS-2に関連するバブルブレーカーの具体的な動作原理を詳しく説明します。バブルブレーカーの上部は液相入口、側面は気相入口です。エントレインメントパワーは液体によって提供されます。添付の図面にも見られる超微細気泡への破砕効果を実現するために上から入ってくる相気泡ブレーカーは円錐構造であり、上部の直径はそれよりも大きい液相がより良いエントレインメントパワーを提供できるように、下部の。
【0019】
マイクロインターフェースジェネレーターは、前回の特許出願の初期段階で開発されたばかりであるため、マイクロバブルジェネレーター(CN201610641119.6)、バブルブレーカー(201710766435.0)などと名付けられ、後にマイクロに変更されました。本発明のマイクロインターフェースジェネレータは、従来のマイクロバブルジェネレータ、バブルブレーカ等と同等であるが、名称が異なる。
【0020】
要約すると、本発明のマイクロインターフェースジェネレータは先行技術に属するが、いくつかのバブルブレーカは空気圧バブルブレーカのタイプに属し、いくつかは油圧バブルブレーカのタイプに属し、いくつかはガスのタイプに属する。バブルブレーカー液体連結バブルブレーカーの種類ですが、種類の違いは主に特定の作業条件に応じて選択されます。また、マイクロインターフェースジェネレータとリアクターおよびその他の機器との接続(接続構造を含む)接続位置は、マイクロインターフェースジェネレーターに依存します。インターフェースジェネレーターの構造に依存しますが、これに限定されません。
【発明の効果】
【0021】
従来技術に比べて、本発明は以下の有益な効果を有する。本発明のポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システムは、第1重合反応器に第1マイクロ界面発生器を設けるとともに、第2重合反応器内に第2マイクロ界面発生器を設けることにより、一方では、気相と液相材料との間の物質移動面積を大きくし、反応効率が向上し、エネルギー消費量が低減し、他方では、気液相の混合がより均一になり、得られたポリαオレフィンの均一性がより高くなり、製品の品質が向上する。
【0022】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読むと、他の様々な利点および利点が当業者に明らかになるであろう。 図面は、好ましい実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定すると見なされるべきではない。 また、同じ構成要素は、図面全体を通して同じ参照番号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施例に係るポリαオレフィンを製造する反応システムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して以下でより詳細に説明される。 本開示の例示的な実施形態が図面に示されているが、本開示は様々な形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態によって限定されるべきではないことを理解されたい。 むしろ、これらの実施形態は、本開示がより完全に理解され、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。 本発明の実施形態および実施形態の特徴は、衝突がないという条件下で互いに組み合わせることができることに留意されたい。本発明は、添付の図面を参照して、実施形態と併せて、以下で詳細に説明される。
【0025】
本発明の説明において、「中央」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」という用語に留意されたい。示された配向または位置関係は、添付の図面に示される配向または位置関係に基づく。これは、示された装置または要素を示すまたは暗示するのではなく、本発明を説明し、説明を簡略化するための便宜のためだけである。特定の方向または特定の方向を持たなければならない。構造および操作であり、したがって、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」、および「第3」という用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を示したり暗示したりするものと解釈されるべきではありません。
【0026】
本発明の説明において、「設置された」、「接続された」および「接続された」という用語は、他に明示的に指定および限定されない限り、広い意味で理解されるべきであり、例えば、それは固定接続であり得ることに留意されたい。または取り外し可能な接続接続、または一体型接続、機械的接続または電気的接続、直接接続、または中間媒体を介した間接接続、2つの要素間の内部通信が可能です。当業者にとって、本発明における上記の用語の特定の意味は、特定の状況において理解することができる。
【0027】
図1は、本発明の実施例に係る溶液法によりポリαオレフィンを製造する反応システムであり、順番に接続された第1重合反応器11及び第2重合反応器12を含み、前記第1重合反応器11の外部にはマイクロバブルに分散破砕するための第1マイクロ界面発生器111が設けられ、前記第2重合反応器12内にはマイクロバブルに分散破砕するための第2マイクロ界面発生器121が設けられ、前記第2重合反応器12の底部には吐出口123が設けられ、前記吐出口123は、反応中に触媒反応により生成された副生成物を除去するためにハロゲン化水素除去塔2に接続され、前記ハロゲン化水素除去塔2の頂部にはハロゲン化水素ガスを排出する第1排気管22が設けられ、底部にはポリαオレフィン生成物を排出するための分離生成物出口23が設けられ、前記分離生成物出口23は、ポリαオレフィン生成物に対してフラッシュ精製分離を行うためにフラッシュタンク3に接続され、分離された水素、循環材料は前記フラッシュタンク3の頂部から排出され、分離された前記ポリαオレフィンは、前記ポリαオレフィンの水分を除去するために前記フラッシュタンク3の底部から排出されて分子篩精製器4に入る。
【0028】
具体的には、前記第1マイクロ界面発生器111は、αオレフィン原料、ハロゲン化物触媒、水素、有機溶媒を混合し、上記物質をマイクロバブルに分散破砕する役割を果たし、前記αオレフィン原料、ハロゲン化物触媒、水素、有機溶媒を、第1重合反応器11で十分に乳化して重合反応させて第1ポリマーを形成し、前記第2マイクロ界面発生器121は、第1ポリマー、ハロゲン化物触媒、水素、有機溶媒を混合し、上記物質をマイクロバブルに分散破砕する役割を果たし、前記第1ポリマー、ハロゲン化物触媒、水素及び有機溶媒を、第2重合反応器12で十分に乳化して重合反応させて重合反応生成物を形成する。
【0029】
本実施例では、前記αオレフィン原料の種類は限られず、ポリαオレフィンの製造を達成できればよく、エチレン、プロピレン、αブテン、αヘキセンなどからなる群から選択される1種又は複数種の混合物であってもよい。エチレン、プロピレン、αブテンなどのガス状物質を添加した場合には、第1マイクロ界面発生器に直接導入し、αヘキセンなどの液状物質を添加した場合には、αヘキセンなどをガス状にガス化して第1マイクロ界面発生器111に導入することができる。
【0030】
前記ハロゲン化物触媒の種類は限られず、TiCl4、TiCl3、VOI3、VOCl3などのVIB族遷移金属のハロゲン化物、ハロゲン酸化物などから選択されてもよく、第1マイクロ界面発生器111及び第2マイクロ界面発生器121内にハロゲン化物触媒を添加することにより、重合反応効率を向上させることができ、得られたポリαオレフィンの均一性がより高くなり、製品の品質が向上する。
【0031】
具体的には、前記第1マイクロ界面発生器111の一端の側壁にはαオレフィン原料を導入する供給口113が設けられ、他端が前記第1重合反応器11に接続される。前記第1マイクロ界面発生器111にはハロゲン化物触媒、水素、有機溶媒を導入するための第1入口112がさらに設けられ、前記第2マイクロ界面発生器121にはハロゲン化物触媒、水素、有機溶媒を導入する第2入口122が開口され、前記第1マイクロ界面発生器111は空気圧式のマイクロ界面発生器である。
【0032】
前記第2マイクロ界面発生器121は油圧式のマイクロ界面発生器であり、前記第2マイクロ界面発生器121には第2マイクロ界面発生器121の動力を高めるための液相循環配管が接続され、前記液相循環配管は、一端が前記第2重合反応器12の側壁に接続され、他端が前記第2マイクロ界面発生器121に接続される。
【0033】
前記第1マイクロ界面発生器111、第2マイクロ界面発生器121の設置数は、それぞれ少なくとも1つである。
【0034】
具体的には、前記第2重合反応器12の底部には吐出口123が設けられ、前記吐出口123は、反応中に触媒反応により生成された副生成物を除去するためにハロゲン化水素除去塔2に接続され、前記ハロゲン化水素除去塔2の中央部にはハロゲン化水素吸着層21が設けられ、前記ハロゲン化水素吸着層21は、複数の層に設けられてもよく、それが重合反応生成物中のハロゲン化水素を吸着してハロゲン化水素ガスに変換できることを確保すればよく、前記ハロゲン化水素除去塔2の頂部にはハロゲン化水素ガスを排出するための第1排気管22が設けられ、前記ハロゲン化水素除去塔2の底部には分離生成物出口23が設けられ、前記分離生成物出口23は前記フラッシュタンク3に接続される。
【0035】
本実施例では、前記ハロゲン化水素吸着層21の数は3層に設定され、且つ互いに水平に設けられ、ハロゲン化水素吸着層21が多すぎてコストが高くなり、ハロゲン化水素吸着層21が少なすぎてハロゲン化水素の除去が不完全になるという問題を防止する。
【0036】
さらに、前記分離生成物出口23は、重合反応生成物をフラッシュ蒸発するために前記フラッシュタンク3に接続され、前記フラッシュタンク3の中間には抵抗線31が設けられ、前記抵抗線31は、任意の数に設定されてもよく、重合反応生成物のフラッシュ分留を確保すればよく、フラッシュタンクは、底部が分子篩精製器4に接続され、頂部が前記コンデンサ32に接続される。
【0037】
本実施例では、前記抵抗線31の数は1つに設定され、前記フラッシュタンク3は、前記重合反応生成物から水素、循環材料及びポリαオレフィンをフラッシュ分離し、前記水素、循環材料は、後続処理のために頂部の出口を通って前記コンデンサ32に流入し、前記ポリαオレフィンは、乾燥処理のために底部のフラッシュタンク3の出口を通って分子篩精製器4に入る。分離生成物出口23とフラッシュタンク3との間を接続する配管には減圧弁及び加熱器がさらに設けられてもよく、フラッシュ蒸発する前に先ず加熱し、フラッシュ蒸発の効率を向上させることができる。減圧弁は、好ましくは、薄膜式減圧弁である。他の減圧弁に比べて、薄膜式減圧弁のダイヤフラムは、圧力に対してより敏感であり、精度が最高±1%に達することができ、前記循環材料は、αオレフィン原料、ハロゲン化物触媒及び有機溶媒を含む。
【0038】
さらに、前記コンデンサ32は気液分離タンク33に接続され、凝縮された水素、循環材料を液化し、前記気液分離タンク33の上方には第2排気管331が設けられ、水素を排出することに用いられ、液状の循環材料は、循環利用のために気液分離タンク33の下方に接続された循環管332を通って第1マイクロ界面発生器111に再び戻され、反応原料の利用率を向上させ、前記循環管332には輸送ポンプが設けられる。
【0039】
さらに、前記分子篩精製器4は、前記ポリαオレフィンを乾燥させるために前記フラッシュタンク3に接続され、前記分子篩精製器4の頂部にはポリαオレフィンの導入量を制御するためのバルブ41が設けられる。
【0040】
上記実施例では、ホッパー5をさらに含み、前記ホッパー5の底部には収集ボックス6が接続されて、ホッパーの底部から排出されたポリαオレフィンを収集ボックス6に入れて収集することに用いられる。
【0041】
以下、本発明のポリαオレフィンを製造する反応システムの動作プロセス及び原理について簡単に説明する。
【0042】
供給口113を通って入るαオレフィン原料及び第1入口112を通って入る水素、ハロゲン化物触媒及び有機溶媒を、第1マイクロ界面発生器111内に混合してマイクロバブルに分散破砕し、分散破砕されたマイクロバブルを十分に乳化して重合反応させて第1ポリマーを得て、第1ポリマー、ハロゲン化物触媒、水素及び有機溶媒を、第2マイクロ界面発生器121に導入し、第2マイクロ界面発生器121によりマイクロバブルに破砕して十分に乳化して、第2重合反応器12内に入れて重合反応させ、その後、重合反応生成物をハロゲン化水素除去塔2に入れてハロゲン化水素を除去し、ハロゲン化水素ガスは、触媒と水素の反応により生成された副生成物であり、ハロゲン化水素ガスをハロゲン化水素除去塔2の頂部の第1排気管22から排出し、ハロゲン化水素除去塔の底部の出口から排出されたポリαオレフィン生成物をフラッシュタンク3に入れてフラッシュ蒸発し、フラッシュ蒸発された水素、循環材料を、前記循環材料を液化するためにフラッシュタンク3の頂部の出口を通ってコンデンサ32に入れ、前記循環材料は、αオレフィン原料、ハロゲン化物触媒及び有機溶媒を含み、前記水素、液化された循環材料を、気液分離タンク33により分離し、水素を気液分離タンク33の頂部に設けられた第2排気管331から排出し、液化された循環材料を、循環利用のために循環管332を通って第1マイクロ界面発生器111に導入し、ポリαオレフィン生成物を、水分を除去するために前記フラッシュタンク3の底部の出口を通って分子篩精製器4に入れ、水分を除去したポリαオレフィンを、ホッパー5を通って収集ボックス6に入れ、前記ハロゲン化物触媒の種類は限られず、VIB族遷移金属のハロゲン化物、ハロゲン酸化物などから選択されてもよい。
【0043】
従って、本発明のポリαオレフィンを製造するマイクロ界面強化反応システムは、第1重合反応器11に第1マイクロ界面発生器111を設けるとともに、第2重合反応器12内に第2マイクロ界面発生器121を設けることにより、一方では、気相と液相材料との間の物質移動面積を大きくし、ガス利用率が高くなり、反応効率が向上し、エネルギー消費量が低減し、他方では、気液相の混合がより均一になり、得られたポリαオレフィンの均一性がより高くなり、製品の品質が向上する。
【0044】
これまで、本発明の技術的解決策は、添付の図面に示される好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、当業者は、本発明の保護範囲が明らかにこれらの特定のものに限定されないことを容易に理解できる。実施形態。 本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、関連する技術的特徴に対して同等の変更または置換を行うことができ、これらの変更または置換後の技術的解決策は、本発明の保護範囲に含まれる。
【0045】
上記の説明は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明を限定することを意図するものではない;当技術分野の当業者にとって、本発明は、様々な修正および変更を有することができる。 本発明の精神および原則の範囲内で行われた修正、同等の交換、改善などは、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0046】
11-第1重合反応器
111-第1マイクロ界面発生器
112-第1入口
113-供給口、
12-第2重合反応器
121-第2マイクロ界面発生器
122-第2入口
123-吐出口
2-ハロゲン化水素除去塔
21-ハロゲン化水素吸着層
22-第1排気管
23-分離生成物出口
3-フラッシュタンク
31-抵抗線、
32-コンデンサ
33-気液分離タンク
331-第2排気管
332-循環管
4-分子篩精製器
41-バルブ
5-ホッパー
6-収集ボックス