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  • 特許-フェンスおよびその組立て方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】フェンスおよびその組立て方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
E04H17/14 102Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023085507
(22)【出願日】2023-05-24
【審査請求日】2023-06-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306004081
【氏名又は名称】旭興進株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002882
【氏名又は名称】弁理士法人白浜国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 躍進
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-194360(JP,A)
【文献】特開2012-202037(JP,A)
【文献】特開平06-330660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00-17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1枠部材と、
該第1枠部材に平行に配置する第2枠部材と、
前記第1枠部材および前記第2枠部材に順次隙間を開けて架設する複数の板材と、
該板材を前記第1枠部材に固定する第1固定手段と、
前記板材を前記第2枠部材にスライド自在に支持する支持手段と、
を具備し、
前記支持手段は、
隣接する前記板材の間に配置するスペーサと、
該スペーサおよび前記板材に対し前記第2枠部材と反対側に配置するカバー材と、
該カバー材に前記スペーサを固定する第2固定手段と、
前記カバー材を前記スペーサを介して前記第2枠部材に固定する第3固定手段と、
を備え、
前記第2枠部材、前記スペーサおよび前記カバー材によって囲まれる第1隙間を形成し、該第1隙間に前記板材の端部をスライド自在に緩嵌挿するとともに、前記第1隙間には前記板材の熱伸縮に対応できる第2隙間を形成し、
前記スペーサおよび前記カバー材には、前記第3固定手段の下穴を設けた、
ことを特徴とするフェンス。
【請求項2】
請求項1のフェンスを組み立てる方法であって、
前記第1枠部材と前記第2枠部材とを平行に配置するとともに前記スペーサを前記第2固定手段によって前記カバー材に固定する第1工程と、
前記カバー材を前記スペーサを介して前記第3固定手段によって前記第2枠部材に固定するとともに、前記第3固定手段は前記スペーサおよび前記カバー材に設けた下穴を介して前記カバー材を前記第2部材に固定し、前記第2枠部材と前記カバー材と前記スペーサとによって囲まれる第1隙間を形成する第2工程と、
前記第1隙間に前記板材の端部をスライド自在に緩嵌挿するとともに前記第1隙間には前記板材の熱伸縮に対応できる第2隙間を形成する第3工程と、
前記板材を前記第1固定手段によって前記第1枠部材に固定する第4工程と、
を具備したことを特徴とするフェンスの組立て方法。
【請求項3】
前記第1工程は、前記スペーサを前記第2固定手段によって前記カバー材に固定する第5工程と、該第5工程の後に前記第1枠部材と前記第2枠部材とを平行に配置する第6工程とを有することを特徴とする請求項2に記載のフェンスの組立て方法。
【請求項4】
前記第5工程は、作業現場でなく工場出荷前に行うことを特徴とする請求項3に記載のフェンスの組立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の板材を隙間を開けて配置するとともに板材の熱伸縮に対応することができる構造のフェンスおよびその組立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフェンスおよびその組立て方法としては、従来、種々のものが提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1には、複数の縦板を隙間板を挟んで配置した構造の縦板型フェンスが開示されている。
【0004】
この縦板型フェンスの組立ては、先ず、第一横枠の表面に縦板と第一隙間板とが、第二横枠の表面に縦板と第二隙間板とが、および第三横枠の表面に縦板と第三隙間板とが、それぞれ交互に並ぶように配置する。
【0005】
縦板は、上端部の二箇所を第一横枠にネジ止めする。
【0006】
第一隙間板は第一横枠に、第二隙間板は第二横枠に、第三隙間板は第三横枠に、それぞれ両面テープ等で仮固定する。
【0007】
その後、縦板の上端部と第一隙間板の表面を覆うように、第一横板を設置する。
【0008】
第一横板は、第一縦板を介して第一横枠にネジ止めするとともに第一隙間板を介して第一横枠にネジ止めする。
【0009】
また、縦板の中央部と第二隙間板の表面を覆うように、第二横板を設置する。
【0010】
第二横板は、左右両端の縦板に設けられた長孔を介して第二横枠にネジ止めするとともに第二隙間板を介して第二横枠にネジ止めする。
【0011】
さらに、縦板の下端部と第三隙間板の表面を覆うように、第三横板を設置する。
【0012】
第三横板は、左右両端の縦板に設けられた長孔を介して第三横枠にネジ止めするとともに第三隙間板を介して第三横枠にネジ止めする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】実用新案登録第3182471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、第一横枠の表面に縦板と第一隙間板とが、第二横枠の表面に縦板と第二隙間板とが、および第三横枠の表面に縦板と第三隙間板とが、それぞれ交互に並ぶように配置し、縦板は、上端部の二箇所を第一横枠にネジ止めし、第一隙間板は第一横枠に、第二隙間板は第二横枠に、第三隙間板は第三横枠に、それぞれ両面テープ等で仮固定してから、第一横板、第二横板および第三横板をネジ止めするため、組立てが複雑で面倒であり、簡単に施工することができない。
【0015】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、簡単に施工することができるようにしたフェンスおよびその組立て方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係るフェンスは、第1枠部材と、この第1枠部材に平行に配置する第2枠部材と、第1枠部材および第2枠部材に順次隙間を開けて架設する複数の板材と、この板材を第1枠部材に固定する第1固定手段と、板材を第2枠部材にスライド自在に支持する支持手段とを具備し、支持手段は、隣接する板材の間に配置するスペーサと、このスペーサおよび板材に対し第2枠部材と反対側に配置するカバー材と、このカバー材にスペーサを固定する第2固定手段と、カバー材を第2枠部材に固定する第3固定手段とを備え、第2枠部材、スペーサおよびカバー材によって囲まれる第1隙間を形成し、この第1隙間に板材の端部をスライド自在に緩嵌挿するとともに、第1隙間には板材の熱伸縮に対応できる第2隙間を形成した形成し、前記スペーサおよび前記カバー材には、前記第3固定手段の下穴を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明に係るフェンスの組立て方法は、第1枠部材と第2枠部材とを平行に配置するとともにスペーサを第2固定手段によってカバー材に固定する第1工程と、カバー材をスペーサを介して第3固定手段によって第2枠部材に固定するとともに、第3固定手段はスペーサおよびカバー材に設けた下穴を介してカバー材を第2部材に固定し、第2枠部材とカバー材とスペーサとによって囲まれる第1隙間を形成する第2工程と、第1隙間に板材の端部をスライド自在に緩嵌挿するとともに第1隙間には板材の熱伸縮に対応できる第2隙間を形成する第3工程と、板材を第1固定手段によって第1枠部材に固定する第4工程とを具備したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るフェンスおよびその組立て方法によれば、簡単に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明の一実施形態に係るフェンスを示す斜視図。
図2】同フェンスの支持手段を示す斜視図。
図3】同フェンスの一部を示す側面図。
図4】同フェンスの一部を示す斜視図。
図5】同フェンスの組立て手順を示す斜視図。
図6】同じく同フェンスの組立て手順を示す斜視図。
図7】同じく同フェンスの組立て手順を示す斜視図。
図8】同じく同フェンスの組立て手順を示す斜視図。
図9】同じく同フェンスの組立て手順を示す斜視図。
図10】同じく同フェンスの組立て手順を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1中、符号1は、本発明の第1実施形態に係るフェンスを示している。
【0022】
このフェンス1は、コンクリートなどで構成され一列に配設された複数の基礎2を有している。
【0023】
そして、奇数番目の基礎2には端部用枠部材(第2枠部材)3が、偶数番目の基礎2には中間部用枠部材(第1枠部材)4が、平行になるように立設されている。
【0024】
端部用枠部材3の上部と中間部用枠部材4の上部は、開き止め框21によって連結され、端部用枠部材3と中間部用枠部材4が平行に保たれるようになっている。
【0025】
なお、開き止め框21は、使用しなくても良く、また、端部用枠部材3の下部と中間部用枠部材4の下部にも設けても良い。
【0026】
隣接する2つの端部用枠部材3の表面側およびこれら端部用枠部材3の中間の中間部用枠部材4の表面側には、複数の板材5が順次間隔を開けて架設されている。
【0027】
この板材5の中間部は、第1ネジ(第1固定手段)6によって中間部用枠部材4の表面側に固定されている。
【0028】
なお、中間部用枠部材4には、第1ネジ6用の下穴を設けるのが好ましいが、必ずしも設ける必要はない。
【0029】
この板材5の端部は、支持手段7によって端部用枠部材3の表面側にスライド自在に支持されている。
【0030】
すなわち、この支持手段7は、図2に示すように、隣接する板材5の間に配置されるスペーサ8と、このスペーサ8および板材5に対し端部用枠部材3と反対側に端部用枠部材3に沿って配置されるカバー材9を有している。
【0031】
スペーサ8は、図3にも示すように、カバー材9に両面テープなどの粘着部材(第2固定手段)10によって固定されている。
【0032】
なお、スペーサ8は、たとえば工場出荷前などの現場での作業前に予めカバー材9に固定しておくのが好ましい。
【0033】
また、カバー材9は、端部用枠部材3にスペーサ8を介して第2ネジ(第3固定手段)11によって固定されている。
【0034】
なお、スペーサ8やカバー材9に、第2ネジ11用の下穴を設けるのが好ましいが、必ずしも設ける必要はない。
【0035】
これにより、端部用枠部材3、スペーサ8およびカバー材9によって囲まれる第1隙間Sが形成され、この第1隙間Sに板材5の端部がスライド自在に緩嵌挿されている。
【0036】
また、図4に示すように、この第1隙間Sに緩嵌挿される隣接する2枚の板材5の端部の間には第2隙間Gが形成され、板材5の熱伸縮に対応できるようになっている。
【0037】
なお、フェンス1の端の第2枠部材3と第1枠部材4との間隔は、フェンス1の端以外の第2枠部材3と第1枠部材4との間隔より狭くなっていて、板材5の端部が突出させるようになっているが、フェンス1の端以外の第2枠部材3と第1枠部材4との間隔と同じにして、板材5の端部を突出させないようにしても良い。
【0038】
このように構成されたフェンス1は、次のように組み立てる。
【0039】
先ず、図5および図6に示すように、中間部用枠部材4と端部用枠部材3をそれぞれ基礎2に立設し、平行に配置する。
【0040】
また、中間部用枠部材4と端部用枠部材3を開き止め框21で連結する。
【0041】
さらに、図7に示すように、工場出荷前にスペーサ8を粘着部材10によって裏面に所定間隔で固定したカバー材9を予め用意しておく。
【0042】
なお、スペーサ8は、作業現場でカバー材9の裏面に固定しても良い。
【0043】
次いで、図8および図9に示すように、カバー材9を第2ネジ11によって端部用枠部材3に固定する。
【0044】
次いで、図10に示すように、端部用枠部材3とカバー材9とスペーサ8との間の第1隙間Sに板材5の端部をスライド自在に緩嵌挿する。
【0045】
次いで、板材5を第1ネジ6によって中間部用枠部材4に固定する。
【0046】
以上の構成によれば、カバー材9の裏面にスペーサ8をたとえば工場出荷前などに予め固定しておくようにしたので、現場でのフェンス1の施工作業を簡単に行うことができる。
【0047】
なお、第2ネジ11は、カバー材9をスペーサ8を介して端部用枠部材3に固定するように構成したが、本発明はこれに限定されることはなく、たとえばカバー材9の上部と下部を端部用枠部材3に固定するように構成してもよい。
【0048】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0049】
すなわち、本発明に係るフェンスは、第1枠部材と、この第1枠部材に平行に配置する第2枠部材と、第1枠部材および第2枠部材に順次隙間を開けて架設する複数の板材と、この板材を第1枠部材に固定する第1固定手段と、板材を第2枠部材にスライド自在に支持する支持手段とを具備し、支持手段は、隣接する板材の間に配置するスペーサと、このスペーサおよび板材に対し第2枠部材と反対側に配置するカバー材と、このカバー材にスペーサを固定する第2固定手段と、カバー材を第2枠部材に固定する第3固定手段とを備え、第2枠部材、スペーサおよびカバー材によって囲まれる第1隙間を形成し、この第1隙間に板材の端部をスライド自在に緩嵌挿するとともに、第1隙間には板材の熱伸縮に対応できる第2隙間を形成した形成し、前記スペーサおよび前記カバー材には、前記第3固定手段の下穴を設けたことを特徴とするものである。
【0050】
また、本発明に係るフェンスの組立て方法は、第1枠部材と第2枠部材とを平行に配置するとともにスペーサを第2固定手段によってカバー材に固定する第1工程と、カバー材をスペーサを介して第3固定手段によって第2枠部材に固定するとともに、第3固定手段はスペーサおよびカバー材に設けた下穴を介してカバー材を第2部材に固定し、第2枠部材とカバー材とスペーサとによって囲まれる第1隙間を形成する第2工程と、第1隙間に板材の端部をスライド自在に緩嵌挿するとともに第1隙間には板材の熱伸縮に対応できる第2隙間を形成する第3工程と、板材を第1固定手段によって第1枠部材に固定する第4工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0051】
上記発明は、少なくとも下記実施形態を含むことができる。
【0053】
(2)第1工程は、スペーサを第2固定手段によってカバー材に固定する第5工程と、この第5工程の後に第1枠部材と第2枠部材とを平行に配置する第6工程とを有する。
【0054】
(3)第5工程は、作業現場でなく工場出荷前に行う。
【符号の説明】
【0055】
1 フェンス
3 第2枠部材(端部用枠部材)
4 第1枠部材(中間部用枠部材)
5 板材
6 第1固定手段(第1ネジ)
7 支持手段
8 スペーサ
9 カバー材
10 第2固定手段(粘着部材)
11 第3固定手段(第2ネジ)
S 第1隙間
G 第2隙間
【要約】
【課題】簡単に施工することができるようにしたフェンスおよびその組立て方法を提供する。
【解決手段】中間部用枠部材4と、この中間部用枠部材4に平行に配置する端部用枠部材3と、中間部用枠部材4および端部用枠部材3に順次隙間を開けて架設する複数の板材5と、この板材5を中間部用枠部材4に固定する第1ネジ6と、板材5を端部用枠部材3にスライド自在に支持する支持手段7とを具備し、支持手段7は、隣接する板材5の間に配置するスペーサ8と、このスペーサ8および板材5に対し端部用枠部材3と反対側に配置するカバー材9と、このカバー材9にスペーサ8を固定する粘着部材10と、カバー材9を端部用枠部材3に固定する第2ネジ11を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10