(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】構造体
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20231023BHJP
H02G 3/06 20060101ALI20231023BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20231023BHJP
F16L 57/00 20060101ALI20231023BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H02G3/04 037
H02G3/06
H02G3/30
F16L57/00 Z
B60R16/02 623U
(21)【出願番号】P 2021081441
(22)【出願日】2021-05-13
【審査請求日】2022-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊田 竜平
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヨンホ
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-121448(JP,A)
【文献】特開2019-047606(JP,A)
【文献】特開2017-208297(JP,A)
【文献】実開平2-87106(JP,U)
【文献】実開昭61-179148(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H02G 3/06
H02G 3/30
F16L 57/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配索材に連結される連結部材を保護する保護部材と、
前記配索材の延在方向である縦方向に延在し、前記配索材を保持する長尺状の保持部材と、
を備え、
前記保護部材は、
保護部材基部と、
前記保護部材基部を上下方向において貫通する係止孔部と、
前記上下方向から視た場合、前記縦方向において前記係止孔部に対向し、前記保護部材基部に対して弾性変形可能に形成された弾性変形部と、
を備え、
前記弾性変形部は、前記縦方向において前記保護部材基部に連結される連結方向側が固定端となる一方、前記連結方向に対する反対方向である係止方向側に自由端を有し、
前記係止孔部は、挿入領域と、前記挿入領域に対して前記係止方向側に位置する係止領域とを有し、
前記保持部材は、
保持部材基部と、
前記保持部材基部に設けられ、前記挿入領域に挿入可能な係止凸部と、
前記保持部材基部と前記係止凸部とを連結する連結部と、
を備え、
前記係止凸部が前記係止孔部に係合した係止状態では、前記係止領域に前記連結部が位置し、かつ、前記上下方向から視た場合、前記縦方向に直交する横方向において前記保護部材基部の一部に前記係止凸部の一部が重なり、
前記係止状態では、前記縦方向において前記自由端と前記挿入領域における前記係止方向側の挿入縁部とによって形成される第3隙間が、前記縦方向において前記係止凸部の長さよりも短く、
前記係止状態では、前記上下方向から視た場合、前記縦方向において前記連結部の連結外周面と前記係止領域の係止縁部との間に第1隙間が存在し、かつ、前記横方向において前記連結部の連結外周面と前記係止領域の前記係止縁部との間に第2隙間が存在し、
前記係止凸部を前記弾性変形部に接触させることで前記弾性変形部を弾性変形させ、前記挿入領域に前記係止凸部を挿入し、前記保持部材を前記係止方向側へ移動させ、前記弾性変形部が弾性復帰し、かつ、前記係止凸部が前記係止孔部に係合した係合状態では、前記自由端によって前記連結部を前記挿入領域に移動することが規制される、
ことを特徴とする構造体。
【請求項2】
前記弾性変形部は、前記横方向において互いに離隔して位置する第1弾性変形部および第2弾性変形部を備え、
前記第1弾性変形部は、前記縦方向において前記保護部材基部に連結される前記連結方向側が固定端となる一方、前記係止方向側に自由端を有し、
前記第2弾性変形部は、前記縦方向において前記保護部材基部に連結される前記連結方向側が固定端となる一方、前記係止方向側に自由端を有する、
請求項1に記載の構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両は、車内の各種機器を相互に接続するためのワイヤハーネスを有する。ワイヤハーネスの中には、ワイヤハーネスを構成する配索材を外部から保護する第1プロテクタと、配索材を連結するコネクタ(連結部材)を外部から保護する第2プロテクタとを有するものがある。
【0003】
第1プロテクタは、配索材を収容する第1収容空間を有し、当該第1収容空間の内部に配索材を収容することで配索材を保護する。第2プロテクタは、コネクタを収容する第2収容空間を有し、当該第2収容空間の内部にコネクタを収容することでコネクタを保護する。
【0004】
この種の第2プロテクタにおいて、係合爪部を有するカバー部材と、当該係合爪部に係合する係止孔部を有するベース部材とを有する係止構造を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
第1プロテクタおよび第2プロテクタを備える構造体は、係止孔部と、当該係止孔部に係止可能な係止爪部とを有する係止構造を採用することができる。この際、係止爪部の幅方向の長さよりも、係止孔部の幅方向の長さを長くすれば、長尺状の第1プロテクタの寸法にバラツキがあっても、第1プロテクタに対して第2プロテクタを取り付けることができる。
【0007】
しかしながら、上述した係止構造では、縦方向および横方向における一方向に対する寸法のバラツキに対して対応することができるものの、縦方向および横方向における寸法のバラツキに対して対応することが困難である。しかも、配索材の延在方向である縦方向に延在し、配索材を保持する長尺状の第1プロテクタは、縦方向に対して寸法のバラツキが大きくなるため、上述した係止構造では対応することが困難となる。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、2つの部材において、縦方向の寸法および横方向の寸法にバラツキがあり、かつ、配索材を保持する長尺状の部材を、他方の部材に組み付けることができる構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係る構造体は、配索材に連結される連結部材を保護する保護部材と、前記配索材の延在方向である縦方向に延在し、前記配索材を保持する長尺状の保持部材と、を備え、前記保護部材は、保護部材基部と、前記保護部材基部を上下方向において貫通する係止孔部と、前記上下方向から視た場合、前記縦方向において前記係止孔部に対向し、前記保護部材基部に対して弾性変形可能に形成された弾性変形部と、を備え、前記弾性変形部は、前記縦方向において前記保護部材基部に連結される連結方向側が固定端となる一方、前記連結方向に対する反対方向である係止方向側に自由端を有し、前記係止孔部は、挿入領域と、前記挿入領域に対して前記係止方向側に位置する係止領域とを有し、前記保持部材は、保持部材基部と、前記保持部材基部に設けられ、前記挿入領域に挿入可能な係止凸部と、前記保持部材基部と前記係止凸部とを連結する連結部と、を備え、前記係止凸部が前記係止孔部に係合した係止状態では、前記係止領域に前記連結部が位置し、かつ、前記上下方向から視た場合、前記縦方向に直交する横方向において前記保護部材基部の一部に前記係止凸部の一部が重なり、前記係止状態では、前記上下方向から視た場合、前記縦方向において前記連結部の連結外周面と前記係止領域の係止縁部との間に第1隙間が存在し、かつ、前記横方向において前記連結部の連結外周面と前記係止領域の前記係止縁部との間に第2隙間が存在し、前記係止状態では、前記縦方向において前記自由端と前記挿入領域における前記係止方向側の挿入縁部とによって形成される第3隙間が、前記縦方向において前記係止凸部の長さよりも短く、前記係止凸部を前記弾性変形部に接触させることで前記弾性変形部を弾性変形させ、前記挿入領域に前記係止凸部を挿入し、前記保持部材を前記係止方向側へ移動させ、前記弾性変形部が弾性復帰し、かつ、前記係止凸部が前記係止孔部に係合した係合状態では、前記自由端によって前記連結部を前記挿入領域に移動することが規制される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態に係る構造体は、上記構成を有するため、保護部材および保持部材が、縦方向の寸法および横方向の寸法にバラツキがある場合であっても、保護部材に保持部材を組み付けることができ、かつ、配索材を保持する長尺状の部材を、他方の部材に組み付けることができる構造体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る構造体の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る構造体が備える第1ベース部材の平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る構造体が備える第1ベース部材、第1コネクタ、第2コネクタの斜視図である。
【
図4】
図4は、連結部における上下方向に対して直交する断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る構造体の組み立て作業において、構造体の組み立てを順番に説明する斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る構造体の組み立て作業において、構造体の組み立てを順番に説明する断面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る構造体の組み立て作業において、構造体の組み立てを順番に説明する斜視図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る構造体の組み立て作業において、構造体の組み立てを順番に説明する断面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る構造体の斜視図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る構造体が備える第1ベース部材の平面図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係る構造体が備える第1ベース部材、第1コネクタ、第2コネクタの斜視図である。
【
図12】
図12は、連結部における上下方向に対して直交する断面図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る構造体の組み立て作業において、構造体の組み立てを順番に説明する斜視図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る構造体の組み立て作業において、構造体の組み立てを順番に説明する断面図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係る構造体の組み立て作業において、構造体の組み立てを順番に説明する斜視図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る構造体の組み立て作業において、構造体の組み立てを順番に説明する断面図である。
【
図17】
図17は、第2実施形態の第1変形例に係る構造体の第1ベース部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る構造体の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0013】
図1は、第1実施形態に係る構造体1の斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る構造体1が備える第1ベース部材21の平面図である。
図3は、第1実施形態に係る構造体1が備える第1ベース部材21、第1コネクタ11、第2コネクタ12の斜視図である。
図4は、連結部31cにおける上下方向Zに対して直交する断面図である。なお、
図1に示す第1配索材W1は、説明の便宜のため本数を1本にして他を省略してある。
【0014】
以下の説明において、X1は、本実施形態に係る構造体1の連結方向である。X2は、連結方向X1の反対方向である係止方向である。そして、Xは、連結方向X1および係止方向X2を含む縦方向である。また、Yは、本実施形態に係る構造体1において、連結方向X1および係止方向X2に直交する横方向Yである。さらに、Zは、本実施形態に係る構造体1において、縦方向Xおよび横方向Yに直交する上下方向である。加えて、Z1は、上下方向Zにおける上方向である。さらに、Z2は、上下方向Zにおける下方向である。本実施形態に係る構造体1は、縦方向Xと横方向Yと上下方向Zとが相互に直交する。
【0015】
[第1実施形態]
図1に示す第1実施形態に係る構造体1は、自動車等の車両に搭載されるワイヤハーネスWH1に組み込まれ、配索材Wおよび連結部材(コネクタ)10を保護するものである。ワイヤハーネスWH1は、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、連結部材10等で複数の配索材Wを各機器に接続するものである。
【0016】
本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、第1配索材(配索材)W1と、第2配索材W2と、第1コネクタ(連結部材)11と、第2コネクタ12と、第1プロテクタ(保護部材)2と、第2プロテクタ(保持部材)3とを有する。第1配索材W1および第2配索材W2は、例えば、電線によって構成される。電線は、例えば、複数の導電性を有する金属素線からなる導体部である芯材Wa1、Wa2の外側を、絶縁性を有する被覆部Wb1、Wb2によって覆ったものである(
図3参照)。なお、ワイヤハーネスWH1は、この他、さらに、電気接続箱、グロメット、固定具等を含んで構成されてもよい。
【0017】
第1配索材W1は、導電性の第1芯材Wa1と、第1芯材Wa1の外周面を覆う絶縁性の第1被覆部Wb1とを有する。第2配索材W2は、導電性の第2芯材Wa2と、第2芯材Wa2の外周面を覆う絶縁性の第2被覆部Wb2とを有する。第1コネクタ11は、第1配索材W1の端末が挿入される。第2コネクタ12は、第2配索材W2の端末が挿入される。第1プロテクタ2は、第1コネクタ11および第2コネクタ12を外部から保護する。第2プロテクタ3は、第1配索材W1を外部から保護する。以下、各図を参照して構造体1の構成について詳細に説明する。
【0018】
第1コネクタ11は、例えば、絶縁性の合成樹脂によって形成され、
図3に示すように、上下方向Zにおける上部に複数の第1キャビティ11aが形成される。各第1キャビティ11aには、第1配索材W1の端末が挿入される。また、第1コネクタ11は、上下方向Zにおける下部に、コネクタ係合凹部11bを有する。さらに、第1コネクタ11は、連結方向X1側の端部に第2コネクタ12を挿入可能なコネクタ嵌合凹部が形成される。
【0019】
第2コネクタ12は、例えば、絶縁性の合成樹脂によって形成され、上下方向Zにおける上部に複数の第2キャビテビィが形成される。各第2キャビティには、第2配索材W2の端末が挿入される。また、第2コネクタ12は、係止方向X2側の端部に第1コネクタ11のコネクタ嵌合凹部に挿入されるコネクタ嵌合凸部12bが形成される。
【0020】
第1プロテクタ2は、絶縁性を有する合成樹脂材料によって形成され、例えば、車両の後部座席における搭乗者の足元の後方側に配置される。第1プロテクタ2は、第1配索材W1に連結される第1コネクタ(連結部材)11を保護する。本実施形態に係る第1プロテクタ2は、第1ベース部材21と、当該第1ベース部材21に組み付けられる第1カバー部材29とを備える。
【0021】
第1ベース部材21は、上下方向Zから視た場合、
図2に示すように、横方向Yの中央に位置するベース本体部22と、横方向Yの両側に位置する一対のベース両側部23、24と、を有する。
【0022】
ベース本体部22は、第1本体基部(保護部材基部)22aと、係止孔部22bと、弾性変形部22cと、を備える。第1本体基部(保護部材基部)22aは、矩形平板状に形成され、第1コネクタ11を取り付けるコネクタ取付部22dが上面側に設けられる(
図3参照)。コネクタ取付部22dは、ベース本体部22の横方向Yの中央に設けられる。そして、コネクタ取付部22dには、第1コネクタ11のコネクタ係合凹部11bに係合するコネクタ爪部221が設けられる。
【0023】
係止孔部22bは、第1本体基部22aを上下方向Zにおいて貫通する。本実施形態に係る係止孔部22bは、第1ベース部材21における横方向Yの中央に配置される。係止孔部22bは、
図4に示すように、挿入領域22b1と、挿入領域22b1に対して縦方向Xにおける係止方向X2側に配置された係止領域22b2と、を有する。そして、挿入領域22b1には、弾性変形部22cが配置される。
【0024】
挿入領域22b1は、矩形状に形成され、縦方向Xの長さが221Xであり、横方向Yの長さが221Yである。挿入領域22b1は、当該挿入領域22b1の横方向Yにおける中心線が、第1ベース部材21の横方向Yにおける中心線21Lに合致するように第1ベース部材21に配置される。
【0025】
係止領域22b2は、矩形状に形成され、縦方向Xの長さが222Xであり、横方向Yの長さが222Yである。係止領域22b2の横方向Yの長さ222Yは、挿入領域22b1の横方向Yの長さ221Yよりも短い。また、係止領域22b2の縦方向Xの長さ222Xは、挿入領域22b1の縦方向Xの長さ221Xよりも短い。係止領域22b2は、当該係止領域22b2の横方向Yにおける中心線が、第1ベース部材21の横方向Yにおける中心線21Lに合致するように第1ベース部材21に配置される。
【0026】
弾性変形部22cは、第1ベース部材21における横方向Yの中央に配置される。弾性変形部22cは、第1本体基部(保護部材基部)22aに対して弾性変形可能に形成される。より具体的に説明すると、弾性変形部22cは、固定端22c1側が弾性変形することによって自由端22c2が上下方向Zに移動可能である。そして、弾性変形部22cは、平板矩形状に形成される。また、弾性変形部22cは、上下方向Zから視た場合、縦方向Xにおいて、係止孔部22bに対向する。より具体的に説明すると、弾性変形部22cにおける係止方向X2側の縁部が、係止孔部22bにおける係止領域22b2の連結方向X1側の縁部に対向する。
【0027】
弾性変形部22cは、縦方向Xの長さが22cXであり、横方向Yの長さが22cYである。弾性変形部22cの横方向Yの長さ22cYは、挿入領域22b1の横方向Yの長さ221Yよりも短い。また、弾性変形部22cの縦方向Xの長さ22cXは、挿入領域22b1の縦方向Xの長さ221Xよりも短い。そして、弾性変形部22cは、挿入領域22b1に配置される。弾性変形部22cは、当該弾性変形部22cの横方向Yにおける中心線が、第1ベース部材21の横方向Yにおける中心線21Lに合致するように第1ベース部材21に配置される。
【0028】
弾性変形部22cは、上下方向Zにおける厚さが、第1本体基部22aの上下方向Zにおける厚さよりも薄く、弾性変形部22cの上下方向Zの下面と第1本体基部22aの上下方向Zの下面とが一致する一方、弾性変形部22cの上下方向Zの上面と第1本体基部22aの上下方向Zの上面との間には段部22c3が形成される。
【0029】
弾性変形部22cは、縦方向Xにおいて第1本体基部22aに連結される連結方向X1側が固定端22c1となる一方、係止方向X2側が自由端22c2となる。
【0030】
弾性変形部22cおよび係止孔部22bは、縦方向Xにおいて、自由端22c2と挿入領域22b1における係止方向X2側の挿入縁部221eとによって第3隙間g3が形成される。そして、
図4に示す第3隙間g3の縦方向Xの長さがL1は、縦方向Xにおける係止凸部31bの長さ31bXよりも短い。そのため、係止孔部22bから係止凸部31bを上下方向Zへ抜去することが規制される。
【0031】
第1ベース部材21は、各ベース両側部23、24に位置し、横方向Yにおいて対向する一対の対向壁23a、24aを有する。
【0032】
図1に示す第1カバー部材29は、縦方向Xの両端部、および、上下方向Zの一方の端部(上下方向Zの下端部)が開口した樋形状に形成され、第1収容空間29sを有する。本実施形態に係る第1プロテクタ2は、第1カバー部材29が第1ベース部材21に取り付けられた状態では、第1カバー部材29の第1収容空間29sに、第1コネクタ11および第2コネクタ12が配置される。つまり、第1プロテクタ2は、第1カバー部材29の第1収容空間29sに、第1コネクタ11および第2コネクタ12が収容され、第1プロテクタ2によって、第1コネクタ11および第2コネクタ12が外部から保護される。
【0033】
第2プロテクタ3は、絶縁性を有する合成樹脂材料によって形成され、第1プロテクタ2に組み付けられる。第2プロテクタ3は、
図1に示すように、第1配索材W1の延在方向である縦方向Xに延在し、第1配索材W1を保持する長尺状に形成される。本実施形態に係る第2プロテクタ3は、第2ベース部材31と、第2カバー部材39と、係止構造4とを有する。
【0034】
第2ベース部材31は、縦方向Xにおける連結方向X1側の端部、縦方向Xに対する反対方向側の端部、および、上下方向Zの一方の端部(上下方向Zの上端部)が開口した樋形状に形成され、第2収容空間31sを有する。第2収容空間31sには、第1配索材W1が収容され、第1配索材W1は、上下方向Zの一方の端部に位置する開口から挿入され、当該開口が第2カバー部材39によって閉塞される。そして、第2プロテクタ3は、
図1に示すように、第2ベース部材31に第2カバー部材39が組み付けられた状態において、連結方向X1側の端部、および、連結方向X1に対する反対側の端部からそれぞれ第1配索材W1が挿通される。
【0035】
第2ベース部材31は、第2本体基部(保持部材基部)31aと、係止凸部31bと、連結部31cと、ガイド部31dとを備える。
【0036】
第2本体基部(保持部材基部)31aは、上下方向Zにおける下端部に位置する底壁と、底壁の横方向Yにおける両端部のそれぞれから、上下方向Zにおける上方向Z1側へ突出し、横方向Yにおいて対向するベース対向壁とを有する。
【0037】
係止凸部31bは、
図4および
図5に示すように、第2本体基部31aに設けられ、挿入領域22b1に挿入可能である。係止凸部31bは、連結部31cを介して第2本体基部31aの底壁に取り付けられる。
【0038】
係止凸部31bは、上下方向Zから視た場合、矩形状に形成される。そして、係止凸部31bは、上下方向Zから視た場合、連結部31cにおける横方向Yの両端部から、横方向Yの外側へ突出する。つまり、係止凸部31bは、上下方向Zから視た場合、連結部31cにおける横方向Yの両端部から横方向Yの外側へ突出する一対の突出部31b1、31b2を有する。そして、係止凸部31bは、横方向Yの長さが、連結部31cの横方向Yの長さよりも長い。また、係止凸部31bの縦方向Xの長さは、連結部31cの縦方向Xの長さと同一である。
【0039】
係止凸部31bは、縦方向Xの長さが31bXであり、横方向Yの長さが31bYである。そして、係止凸部31bにおける縦方向Xの長さ31bXは、挿入領域22b1の縦方向Xの長さ221Xより短い。その上、係止凸部31bにおける横方向Yの長さ31bYは、挿入領域22b1の横方向Yの長さ221Yより短い。それらのため、係止凸部31bは、挿入領域22b1に挿入可能であり、かつ、挿入領域22b1から抜去可能である。
【0040】
また、係止凸部31bにおける横方向Yの長さ31bYは、係止領域22b2の横方向Yの長さ221Yより長い。そのため、係止凸部31bは、係止領域22b2から挿入することが規制され、かつ、係止領域22b2から抜去することが規制される。
【0041】
連結部31cは、上下方向Zから視た場合、矩形筒状に形成される。連結部31cは、縦方向Xの長さが31cXであり、横方向Yの長さが31cYである。そして、連結部31cにおける縦方向Xの長さ31cXは、係止領域22b2の縦方向Xの長さ222Xより短い。その上、連結部31cにおける横方向Yの長さ31cYは、係止領域22b2の横方向Yの長さ222Yより短い。それらのため、連結部31cは、係止領域22b2の内部において移動可能である。
【0042】
ガイド部31dは、
図5に示すように、第2本体基部31aにおける連結方向側端部から連結方向X1側へ突出するように設けられ、かつ、連結方向X1へ延在する。ガイド部31dは、縦方向Xにおける第2本体基部31aと第1コネクタ11との間の第1配索材W1を支持する。
【0043】
係止構造4は、第2ベース部材31と第2カバー部材39とを係止する構造である。本実施形態に係る係止構造4は、第2ベース部材31に設けられた係止爪部41と、第2カバー部材39に設けられ、係止爪部41を挿入可能な被係止部42とで構成される。
【0044】
次に、本実施形態に係る構造体1の組付方法について説明する。作業員は、第2ベース部材31の第2収容空間31sに、複数の第1配索材W1を配置する。
【0045】
次いで、作業員は、係止爪部41を被係止部42に挿入し、第2ベース部材31に第2カバー部材39を取り付ける。そして、第2ベース部材31に第2カバー部材39を取り付けた状態では、第2収容空間31sに収容された第1配索材W1の連結方向X1側の一部が、第2ベース部材31における連結方向X1側の開口から露出する。
【0046】
次に、作業員は、第1ベース部材21を車体に取り付ける。次いで、作業員は、
図5に示すように、第1ベース部材21における挿入領域22b1の上方向Z1側に、第2プロテクタ3の係止凸部31bを配置する。
【0047】
次いで、作業員は、第2プロテクタ3を下方向Z2へ移動させ、係止凸部31bの下面を弾性変形部22cの上面に接触させる。そして、作業員は、第2プロテクタ3の下方向Z2への移動を継続し、
図6に示すように、弾性変形部22cを弾性変形させ、係止凸部31bを挿入領域22b1に挿入する。この際、弾性変形部22cは、固定端22c1が弾性変形し、自由端22c2が下方向Z2へ向く。また、係止凸部31bおよび連結部31cは、挿入領域22b1に配置される。
【0048】
次に、作業員は、第2プロテクタ3を係止方向X2側へ移動させる。これにより、係止凸部31bおよび連結部31cが係止方向X2側へ移動する。
【0049】
第2プロテクタ3の係止方向X2側への移動を継続すると、やがて、係止凸部31bと弾性変形部22cとが非接触となり、
図7および
図8に示すように、弾性変形部22cは弾性復帰し、かつ、連結部31cは、係止領域22b2に移動し、係止凸部31bが係止孔部22bに係合した係止状態となる。
【0050】
上述したように、係止凸部31bは、当該係止凸部31bにおける横方向Yの長さ31bYが、係止領域22b2の横方向Yの長さ221Yより長い。そのため、係止状態では、
図4に示すように、上下方向Zから視た場合、横方向Yにおいて、第1本体基部(保護部材基部)22aの一部に係止凸部31bの一部が重なる。そのため、係止領域22b2から係止凸部31bを上下方向Zへ抜去することが規制される。
【0051】
さらに、係止状態では、縦方向Xにおいて、自由端22c2と挿入領域22b1における係止方向X2側の挿入縁部221eとによって形成される第3隙間g3の長さ(
図4における第3隙間g3の縦方向Xの長さL1)が、縦方向Xにおける係止凸部31bの長さ31bXよりも短い。そのため、挿入領域22b1から係止凸部31bを上下方向Zへ抜去することが規制される。
【0052】
また、係止状態では、構造体1は、弾性変形部22cの自由端22c2によって、連結部31cが挿入領域22b1に移動することが規制される。
【0053】
さらに係止状態では、上下方向Zから視た場合、縦方向Xにおいて連結部31cの連結外周面31oと係止領域22b2の係止縁部222eとの間に第1隙間g1が存在し、かつ、横方向Yにおいて連結部31cの連結外周面31oと係止領域22b2の係止縁部222eとの間に第2隙間g2が存在する。それらのため、係止状態においても、縦方向Xおよび横方向Yに対して、連結部31cは、係止領域22b2の内部において移動可能である。
【0054】
次に、作業員は、各第1配索材W1の端部に設けられた端子を、第1コネクタ11の第1キャビティ11aに挿入し、第1コネクタ11に複数の第1配索材W1を連結する。
【0055】
次に、作業員は、第1コネクタ11を第1ベース部材21に取り付ける。次いで、作業員は、第2コネクタ12を第1コネクタ11に嵌合する。第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合された状態では、第2コネクタ12に連結された第2配索材W2の第2芯材Wa2と、第1コネクタ11に連結された第1配索材W1の第1芯材Wa1とが電気的に接続される。
【0056】
最後に、作業員は、第1ベース部材21に第1カバー部材29を組み付けて、構造体1の組み立てを終了する。
【0057】
本実施形態に係る構造体1は、以下の構成を有する。係止凸部31bが係止孔部22bに係合した係止状態では、係止領域22b2に連結部31cが位置し、かつ、上下方向Zから視た場合、横方向Yにおいて保護部材基部22aの一部に係止凸部31bの一部が重なる。さらに係止状態では、上下方向Zから視た場合、縦方向Xにおいて連結部31cの連結外周面31oと係止領域22b2の係止縁部222eとの間に第1隙間g1が存在し、かつ、横方向Yにおいて連結部31cの連結外周面31oと係止領域22b2の係止縁部222eとの間に第2隙間g2が存在する。その上、係止状態では、縦方向Xにおいて自由端22c2と挿入領域22b1における係止方向X2側の挿入縁部221eとによって形成される第3隙間g3は、縦方向Xにおいて係止凸部31bの長さよりも短い。そのため、本実施形態に係る構造体1によれば、保持部材3は、係止凸部31bを弾性変形部22cに接触させて当該弾性変形部22cを変形させて係止孔部22bにおける挿入領域22b1に係止凸部31bを挿入し、かつ、縦方向Xにおいて挿入領域22b1から係止領域22b2へ連結部31cを移動させ、弾性変形部22cが弾性復帰し、かつ、係止凸部31bが係止孔部22bに係合した係合状態では、自由端22c2によって連結部31cを挿入領域22b1に移動することが規制される。その結果、本実施形態に係る構造体1は、係止状態において、係止領域22b2における縦方向Xおよび横方向Yへ連結部31cが移動可能であるため、2つの部材において縦方向Xの寸法および横方向Yの寸法にバラツキがあっても、保護部材2と保持部材3とを組み付けることができるとともに、保持部材3の縦方向Xにおける寸法のバラツキが大きくても、保護部材2と保持部材3とを組み付けることができる。
【0058】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る構造体1Aについて説明する。以下の説明において、第1実施形態に係る構造体1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0059】
図9は、第2実施形態に係る構造体1Aの斜視図である。
図10は、第2実施形態に係る構造体1Aが備える第1ベース部材21の平面図である。
図11は、第2実施形態に係る構造体1Aが備える第1ベース部材21、第1コネクタ11、第2コネクタ12の斜視図である。
図12は、連結部31fにおける上下方向Zに対して直交する断面図である。なお、
図9に示す第1配索材W1は、説明の便宜のため本数を1本にして他を省略してある。
【0060】
本実施形態に係る構造体1は、第1ベース部材21Aと第1カバー部材29Aとの係止構造が異なる。また、第2実施形態に係る第2プロテクタ3Aに設けられた係止凸部31eの形状および連結部31fの形状が、第1実施形態に係る第2プロテクタ3に設けられた係止凸部31eの形状および連結部31fの形状と異なる。
【0061】
第2ベース部材31Aは、第2本体基部(保持部材基部)31aと、係止凸部31eと、連結部31fと、ガイド部31dとを備える。
【0062】
係止凸部31eは、
図12および
図13に示すように、第2本体基部31aに設けられ、挿入領域22b1に挿入可能である。係止凸部31eは、連結部31fを介して第2本体基部31aの底壁に取り付けられる。
【0063】
係止凸部31eは、円柱状に形成される。換言するとつまり、係止凸部31eは、上下方向Zから視た場合、円形状に形成される。連結部31fは、円柱状に形成される。そして、係止凸部31eの径方向の大きさが、連結部31fの径方向の大きさよりも大きい。このため、係止凸部31eは、上下方向Zから視た場合、連結部31fにおける外周面から、径方向の外側へ突出する。そして、係止凸部31eは、横方向Yの長さが、連結部31fの横方向Yの長さよりも長い。また、係止凸部31eの縦方向Xの長さが、連結部31fの縦方向Xの長さよりも長い。
【0064】
係止凸部31eは、縦方向Xの長さが31eXであり、横方向Yの長さが31eYである。そして、係止凸部31eにおける縦方向Xの長さ31eXは、挿入領域22b1の縦方向Xの長さ221Xより短い。その上、係止凸部31eにおける横方向Yの長さ31eYは、挿入領域22b1の横方向Yの長さ221Yより短い。それらのため、係止凸部31eは、挿入領域22b1に挿入可能であり、かつ、挿入領域22b1から抜去可能である。
【0065】
また、係止凸部31eにおける横方向Yの長さ31eYは、係止領域22b2の横方向Yの長さ221Yより長い。そのため、係止凸部31eは、係止領域22b2から挿入することが規制され、かつ、係止領域22b2から抜去することが規制される。
【0066】
連結部31fは、円柱状に形成される。換言すると、連結部31fは、上下方向Zから視た場合、円形状に形成される。連結部31fは、縦方向Xの長さが31fXであり、横方向Yの長さが31fYである。そして、連結部31fにおける縦方向Xの長さ31fXは、係止領域22b2の縦方向Xの長さ222Xより短い。その上、連結部31fにおける横方向Yの長さ31fYは、係止領域22b2の横方向Yの長さ222Yより短い。それらのため、連結部31fは、係止領域22b2の内部において移動可能である。
【0067】
係止構造4は、第2ベース部材31Aと第2カバー部材39Aとを係止する構造である。本実施形態に係る係止構造4は、第2カバー部材39Aに設けられた係止爪部41と、第2ベース部材31Aに設けられ、係止爪部41を挿入可能な被係止部42とで構成される。
【0068】
次に、本実施形態に係る構造体1Aの組付方法について説明する。作業員は、第2ベース部材31Aの第2収容空間31sに、複数の第1配索材W1を配置する。
【0069】
次いで、作業員は、係止爪部41を被係止部42に挿入し、第2ベース部材31Aに第2カバー部材39Aを取り付ける。そして、第2ベース部材31Aに第2カバー部材39Aを取り付けた状態では、第2収容空間31sに収容された第1配索材W1の連結方向X1側の一部が、第2ベース部材31Aにおける連結方向X1側の開口から露出する。
【0070】
次に、作業員は、第1ベース部材21Aを車体に取り付ける。次いで、作業員は、
図13に示すように、第1ベース部材21における挿入領域22b1の上方向Z1側に、第2プロテクタ3の係止凸部31eを配置する。
【0071】
次いで、作業員は、第2プロテクタ3を下方向Z2へ移動させ、係止凸部31eの下面を弾性変形部22cの上面に接触させる。そして、作業員は、第2プロテクタ3の下方向Z2への移動を継続し、
図14に示すように、弾性変形部22cを弾性変形させ、係止凸部31eを挿入領域22b1に挿入する。この際、弾性変形部22cは、固定端22c1が弾性変形し、自由端22c2が下方向Z2へ向く。また、係止凸部31eおよび連結部31fは、挿入領域22b1に配置される。
【0072】
次に、作業員は、第2プロテクタ3を係止方向X2側へ移動させる。これにより、係止凸部31eおよび連結部31fが係止方向X2側へ移動する。
【0073】
第2プロテクタ3の係止方向X2側への移動を継続すると、やがて、係止凸部31eと弾性変形部22cとが非接触となり、
図15および
図16に示すように、弾性変形部22cは弾性復帰し、かつ、連結部31fは、係止領域22b2に移動し、係止凸部31eが係止孔部22bに係合した係止状態となる。
【0074】
上述したように、係止凸部31eは、当該係止凸部31eにおける横方向Yの長さ31eYが、係止領域22b2の横方向Yの長さ221Yより長い。そのため、係止状態では、
図4に示すように、上下方向Zから視た場合、横方向Yにおいて、第1本体基部(保護部材基部)22aの一部に係止凸部31eの一部が重なる。そのため、係止領域22b2から係止凸部31bを上下方向Zへ抜去することが規制される。
【0075】
さらに、係止状態では、縦方向Xにおいて、自由端22c2と挿入領域22b1における係止方向X2側の挿入縁部221eとによって形成される第3隙間g3の長さ(
図12における第3隙間g3の縦方向Xの長さL1)が、縦方向Xにおける係止凸部31eの長さ31eXよりも短い。そのため、係止孔部22bから係止凸部31eを上下方向Zへ抜去することが規制される。
【0076】
また、係止状態では、構造体1Aは、弾性変形部22cの自由端22c2によって、連結部31fが挿入領域22b1に移動することが規制される。
【0077】
さらに係止状態では、上下方向Zから視た場合、縦方向Xにおいて連結部31fの連結外周面31foと係止領域22b2の係止縁部222eとの間に第1隙間g1が存在し、かつ、横方向Yにおいて連結部31fの連結外周面31foと係止領域22b2の係止縁部222eとの間に第2隙間g2が存在する。それらのため、係止状態においても、縦方向Xおよび横方向Yに対して、連結部31fは、係止領域22b2の内部において移動可能である。
【0078】
次に、作業員は、各第1配索材W1の端部に設けられた端子を、第1コネクタ11の第1キャビティ11aに挿入し、第1コネクタ11に複数の第1配索材W1を連結する。
【0079】
次に、作業員は、第1コネクタ11を第1ベース部材21Aに取り付ける。次いで、作業員は、第2コネクタ12を第1コネクタ11に嵌合する。第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合された状態では、第2コネクタ12に連結された第2配索材W2の第2芯材Wa2と、第1コネクタ11に連結された第1配索材W1の第1芯材Wa1とが電気的に接続される。
【0080】
最後に、作業員は、第1ベース部材21Aに第1カバー部材29Aを組み付けて、構造体1の組み立てを終了する。
【0081】
[第2実施形態の第1変形例]
次に、第2実施形態の第1変形例に係る構造体1Bについて説明する。以下の説明において、第2実施形態に係る構造体1Aと同一の構成には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0082】
図17は、第2実施形態の第1変形例に係る構造体1Bにおける第1ベース部材21Bの平面図である。
【0083】
第1変形例に係る弾性変形部22cは、横方向Yにおいて互いに離隔して位置する第1弾性変形部22caおよび第2弾性変形部22cbを備える。第1弾性変形部22caは、縦方向Xにおいて第1本体基部(保護部材基部)22aに連結される連結方向X1側が固定端22c1となる一方、係止方向X2側に自由端22c2を有する。第2弾性変形部22cbは、縦方向Xにおいて第1本体基部(保護部材基部)22aに連結される連結方向X1側が固定端22c1となる一方、係止方向X2側に自由端22c2を有する。
【0084】
本実施形態に係る構造体1は、以下の構成を有する。弾性変形部22cは、横方向Yにおいて互いに離隔して位置する第1弾性変形部22caおよび第2弾性変形部22cbを備える。第1弾性変形部22caは、縦方向Xにおいて保護部材基部22aに連結される連結方向X1側が固定端22c1となる一方、係止方向X2側に自由端22c2を有する。第2弾性変形部22cbは、縦方向Xにおいて保護部材基部22aに連結される連結方向X1側が固定端22c1となる一方、係止方向X2側に自由端22c2を有する。そのため、本実施形態に係る構造体1によれば、仮に、第1弾性変形部22caおよび第2弾性変形部22cbのいずれか一方が破損した状態であっても、残存する他方によって、保護部材2に対する保持部材3の組付状態を維持することができる。
【0085】
なお、上述した第1実施形態の構造体1に係る第1プロテクタ2は、第1ベース部材21と第1カバー部材29とを別体に形成するものを説明した。しかし、本実施形態に係る構造体1は、それに限られず、ヒンジを介して、第1ベース部材21と第1カバー部材29とを一体に形成してもよい。
【0086】
また、上述した第1実施形態の構造体1に係る第2プロテクタ3は、第2ベース部材31と第2カバー部材39とを別体に形成するものを説明した。しかし、本実施形態に係る構造体1は、それに限られず、ヒンジを介して、第2ベース部材31と第2カバー部材39とを一体に形成してもよい。
【0087】
また、上述した実施形態に係る構造体1、1Aは、各実施形態の構成の一部を分離し、他の実施形態の構成の一部に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0088】
1、1A、 構造体
11 第1コネクタ(連結部材)
2 第1プロテクタ(保護部材)
21、21A 第1ベース部材
22a 第1本体基部(保護部材基部)
22b 係止孔部
22b1 挿入領域
221e 挿入縁部
22b2 係止領域
222e 係止縁部
22c 弾性変形部
22ca 第1弾性変形部
22cb 第2弾性変形部
22c1 固定端
22c2 自由端
29、29A 第1カバー部材
3 第2プロテクタ(保持部材)
31a 第2本体基部(保持部材基部)
31b 係止凸部
31c 連結部
31co 連結外周面
31fo 連結外周面
31e 係止凸部
31f 連結部
g1 第1隙間
g2 第2隙間
g3 第3隙間
W1 第1配索材(配索材)
X 縦方向
X1 連結方向
X2 係止方向
Y 横方向