(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス製造方法、及び、ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
H01B 13/012 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
H01B13/012 B
H01B13/012 D
H01B13/012 Z
(21)【出願番号】P 2021163805
(22)【出願日】2021-10-05
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】神野 浩明
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-152112(JP,A)
【文献】特開平9-223423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 13/012
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基幹線から分岐した第1分岐幹線と第2分岐幹線とを相互に異なる方向に沿って配索し、前記第1分岐幹線上に間隔をあけて位置しそれぞれからコネクタ付の第1分岐枝線が分岐する複数の第1分岐部位、及び、前記第2分岐幹線上に間隔をあけて位置しそれぞれからコネクタ付の第2分岐枝線が分岐する複数の第2分岐部位を、それぞれ治具で支持しながら形成する分岐配索支持工程と、
前記分岐配索支持工程の後に、前記第1分岐幹線と前記第2分岐幹線とを折り返して同一の方向に沿って束ね、前記第1分岐部位と前記第2分岐部位とを当該同一の方向に沿って交互に並べて配置する折り返し工程と、
前記折り返し工程の後に、前記第1分岐部位と当該第1分岐部位と隣り合う前記第2分岐部位との間で、前記第1分岐幹線と前記第2分岐幹線とに渡って固定テープを巻き回し、当該第1分岐幹線と当該第2分岐幹線とを相互に固定するテープ巻き固定工程とを含む、
ワイヤハーネス製造方法。
【請求項2】
前記テープ巻き固定工程の後に、前記コネクタに接続機器を接続する接続工程を含む、
請求項1に記載のワイヤハーネス製造方法。
【請求項3】
前記折り返し工程の前に、前記第1分岐幹線上に前記第1分岐部位と間隔をあけて目印テープを巻き回す目印設定工程を含み、
前記テープ巻き固定工程では、前記目印テープが設けられた位置にも前記第1分岐幹線と前記第2分岐幹線とに渡って固定テープを巻き回し、当該第1分岐幹線と当該第2分岐幹線とを相互に固定する、
請求項1又は請求項2に記載のワイヤハーネス製造方法。
【請求項4】
基幹線から分岐し同一の方向に沿って束ねられた第1分岐幹線及び第2分岐幹線と、
前記第1分岐幹線上に間隔をあけて位置する複数の第1分岐部位から分岐し端末にコネクタが設けられた複数の第1分岐枝線と、
前記第2分岐幹線上に間隔をあけて位置する複数の第2分岐部位から分岐し端末にコネクタが設けられた複数の第2分岐枝線と、
前記同一の方向に沿って交互に並べて配置された前記第1分岐部位と前記第2分岐部位との間で、前記第1分岐幹線と前記第2分岐幹線とに渡って巻き回され、当該第1分岐幹線と当該第2分岐幹線とを相互に固定する固定テープとを備える、
ワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネス製造方法、及び、ワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、第1ハーネス部分と第2ハーネス部分とが中間ハーネス部分を介して接続されたワイヤハーネスの製造方法が開示されている。このワイヤハーネスの製造方法は、第1ハーネス部分を結束する工程と、中間ハーネス部分を曲げた状態で、第2ハーネス部分を結束する工程と、中間ハーネス部分を直線状に延した状態で、中間ハーネス部分を結束する工程と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載のワイヤハーネスの製造方法は、例えば、幹線から分岐枝線を分岐させたワイヤハーネスを製造する際に、作業性の低下を抑制しつつ分岐枝線の分岐間隔を狭めたワイヤハーネスを製造可能な方法が望まれている。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、複数の分岐部位が形成されたワイヤハーネスを適正に製造することができるワイヤハーネス製造方法、及び、ワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネス製造方法は、基幹線から分岐した第1分岐幹線と第2分岐幹線とを相互に異なる方向に沿って配索し、前記第1分岐幹線上に間隔をあけて位置しそれぞれからコネクタ付の第1分岐枝線が分岐する複数の第1分岐部位、及び、前記第2分岐幹線上に間隔をあけて位置しそれぞれからコネクタ付の第2分岐枝線が分岐する複数の第2分岐部位を、それぞれ治具で支持しながら形成する分岐配索支持工程と、前記分岐配索支持工程の後に、前記第1分岐幹線と前記第2分岐幹線とを折り返して同一の方向に沿って束ね、前記第1分岐部位と前記第2分岐部位とを当該同一の方向に沿って交互に並べて配置する折り返し工程と、前記折り返し工程の後に、前記第1分岐部位と当該第1分岐部位と隣り合う前記第2分岐部位との間で、前記第1分岐幹線と前記第2分岐幹線とに渡って固定テープを巻き回し、当該第1分岐幹線と当該第2分岐幹線とを相互に固定するテープ巻き固定工程とを含む。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネスは、基幹線から分岐し同一の方向に沿って束ねられた第1分岐幹線及び第2分岐幹線と、前記第1分岐幹線上に間隔をあけて位置する複数の第1分岐部位から分岐し端末にコネクタが設けられた複数の第1分岐枝線と、前記第2分岐幹線上に間隔をあけて位置する複数の第2分岐部位から分岐し端末にコネクタが設けられた複数の第2分岐枝線と、前記同一の方向に沿って交互に並べて配置された前記第1分岐部位と前記第2分岐部位との間で、前記第1分岐幹線と前記第2分岐幹線とに渡って巻き回され、当該第1分岐幹線と当該第2分岐幹線とを相互に固定する固定テープとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るワイヤハーネス製造方法、及び、ワイヤハーネスは、複数の分岐部位が形成されたワイヤハーネスを適正に製造することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係るワイヤハーネスの概略構成を表す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法で用いる治具の概略構成を表す模式図である。
【
図3】
図3は、比較例に係るワイヤハーネス製造方法を説明する模式図である。
【
図4】
図4は、比較例に係るワイヤハーネス製造方法を説明する模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法を説明するフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法を説明する模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法を説明する模式図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るワイヤハーネス製造方法を説明する模式図である。
【
図9】
図9は、変形例に係るワイヤハーネス製造方法を説明するフローチャートである。
【
図10】
図10は、変形例に係るワイヤハーネス製造方法を説明する模式図である。
【
図11】
図11は、変形例に係るワイヤハーネス製造方法を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[実施形態]
本実施形態に係るワイヤハーネス製造方法は、
図1等に示すワイヤハーネスWHを製造するものである。本実施形態に係るワイヤハーネスWHは、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の配索材Wを各装置に接続するようにしたものである。本実施形態のワイヤハーネスWHは、導電性を有する配索材Wと、コネクタCとを備える。配索材Wは、例えば、導電性を有する複数の金属素線を束ねた芯線を、絶縁被覆部によって被覆した絶縁電線である。コネクタCは、配索材Wの端末に設けられる。本実施形態のコネクタCは、例えば、配索材対機器接続用の接続機構を構成するものであり、スイッチ等の接続機器Dとコネクタ嵌合することで当該接続機器Dとの間に電気的な接続部位を形成し、配索材Wと接続機器Dとを導通接続する。ワイヤハーネスWHは、この他、さらに、コルゲートチューブ、グロメット、固定具電気接続箱等の種々の構成部品を含んで構成されてもよい。
【0012】
このような構成にあって、本実施形態のワイヤハーネスWHは、幹線WA上に間隔をあけて位置する複数の分岐部位Pからそれぞれ分岐枝線WBを分岐させたものであり、この分岐枝線WBの端末にコネクタCが接続されている。分岐部位Pは、幹線WAから分岐枝線WBが分岐する部位であり、幹線WAに沿った同一の方向Xに沿って間隔をあけて複数が並んで位置する。
【0013】
ここで、ワイヤハーネスWHの各コネクタCに接続される接続機器Dは、ワイヤハーネスWHが車両に搭載された使用状態において、車両における当該接続機器Dのレイアウトの関係上、各接続機器D同士の間隔を可能な限り狭めて設けられる場合がある。この場合、ワイヤハーネスWHは、接続機器Dが接続される各コネクタC、及び、当該コネクタCが設けられる各分岐枝線WBも同様に間隔を狭めて設けられることが望まれる。
【0014】
また、このようなワイヤハーネスWHは、その製造過程において、配索材Wや分岐部位Pを支持するために、
図2に示すような支持治具Jが用いられる場合がある。支持治具Jは、フォークとも呼ばれるものであり、作業面に据え置かれる台座部Ja、台座部Jaに立設される支柱Jb、支柱Jbの先端にU字状に形成され各部を実際に支持する支持部Jc等を含んで構成される。支持治具Jは、支持部Jcに設置された部位を、台座部Jaが据え置かれた作業面から浮かせて支持する。
【0015】
このような支持治具Jを用いて、コネクタCや分岐枝線WBの間隔を狭めたワイヤハーネスWHを製造する方法としては、例えば、
図3に示すような比較例に係る製造方法が考えられる。この
図3に示す比較例に係る製造方法は、幹線WAの末端に位置する1つの分岐部位Pを支持治具Jで支持しながら形成し、この1つの分岐部位PからコネクタC付の多数の分岐枝線WBを分岐させる方法である。しかしながら、この
図3に示す比較例に係る製造方法は、接続機器Dの取り付けの際にコネクタC付の多数の分岐枝線WBが相互に絡みつき易く、コネクタCが連続して並ぶように配置し難い傾向にある。
【0016】
これに対して、
図4に示す比較例に係る製造方法は、1系統の幹線WA上に間隔をあけて位置する複数の分岐部位Pからそれぞれ分岐枝線WBを分岐させる方法である。この
図4に示す比較例に係る製造方法は、
図3に示した製造方法と比較して、接続機器Dの取り付けの際にコネクタC付の多数の分岐枝線WBが相互に絡みつき難く、コネクタCが連続して並ぶように配置し易い傾向にある。しかしながら、この
図4に示す比較例に係る製造方法は、同一の方向Xに沿って間隔をあけて並んで位置する複数の分岐部位Pをそれぞれ支持治具Jで支持しながら形成しようとした場合、分岐部位Pの間隔が支持治具Jの外形の影響を受けて制限されることとなる。例えば、汎用の支持治具Jにおいて、支持部Jcを支える支柱Jbの台座部Jaは、直径約40mmの円形となっており、隣接する分岐部位Pの間隔を40mmよりも狭めようとすると、これを支持する支持治具J同士が干渉することとなる。このため、
図4に示す比較例に係る製造方法は、上述したようにコネクタCや分岐枝線WBの間隔を相対的に狭めたワイヤハーネスWHを製造する場合、1系統の幹線WA上に並んで位置させることができる分岐部位P同士の間隔が各分岐部位Pを支持する支持治具J同士が干渉しない範囲に限られることとなる。つまり、この
図4に示す比較例に係る製造方法は、使用する支持治具Jの制約上、分岐部位Pの間隔を狭めることに限界がある。
【0017】
そこで、本実施形態に係るワイヤハーネス製造方法は、
図5、
図6、
図7、
図8に示すように、幹線WAを構成する2系統の分岐幹線(第1分岐幹線WA1、第2分岐幹線WA2)からそれぞれ分岐枝線WB(第1分岐枝線WB1、第2分岐枝線WB2)を分岐させる。その上で、本実施形態に係るワイヤハーネス製造方法は、それぞれ分岐幹線(第1分岐幹線WA1、第2分岐幹線WA2)における分岐部位P(第1分岐部位P1、第2分岐部位P2)が相互にずれるように2系統の分岐幹線を折り込んでテープ巻きすることで、コネクタCを整列させ、かつ、分岐部位Pの間隔を狭くしたワイヤハーネスWHの製造を実現している。
【0018】
以下、各図を参照して本実施形態に係るワイヤハーネス製造方法について詳細に説明する。以下の説明では、
図5のフローチャートを基に説明しつつ、適宜他図を参照する。以下で説明するワイヤハーネス製造方法は、作業員が種々の装置、機器、治具等を用いて手作業で行ってもよいし、種々の製造装置によって自動で行われるものであってもよい。
【0019】
本実施形態のワイヤハーネス製造方法は、分岐配索支持工程(ステップST1)と、折り返し工程(ステップST2)と、テープ巻き固定工程(ステップST3)と、接続工程(ステップST4)とを含む。分岐配索支持工程(ステップST1)は、2系統の分岐幹線(第1分岐幹線WA1、第2分岐幹線WA2)を配索すると共に、支持治具Jで支持しながら各分岐部位P(第1分岐部位P1、第2分岐部位P2)を形成する工程である。折り返し工程(ステップST2)は、それぞれの分岐部位P(第1分岐部位P1、第2分岐部位P2)が相互にずれるように2系統の分岐幹線(第1分岐幹線WA1、第2分岐幹線WA2)を折り込む工程である。テープ巻き固定工程(ステップST3)は、折り込んだ2系統の分岐幹線(第1分岐幹線WA1、第2分岐幹線WA2)を分岐間固定テープT3によって相互に固定する工程である。接続工程(ステップST4)は、コネクタCに接続機器Dを接続する工程である。ここでは、このワイヤハーネス製造方法は、作業員によって手作業で行われるものとして説明する。
【0020】
具体的には、まず、作業員は、分岐配索支持工程として、
図6に示すように、基幹線WXから分岐した第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とを相互に異なる方向に沿って配索する。そして、作業員は、第1分岐幹線WA1上の複数の第1分岐部位P1、及び、第2分岐幹線WA2上の複数の第2分岐部位P2を、それぞれ支持治具Jで支持しながら形成する(ステップST1)。
【0021】
この分岐配索支持工程(ステップST1)で形成される複数の第1分岐部位P1は、第1分岐幹線WA1上に間隔をあけて位置しそれぞれからコネクタC付の第1分岐枝線WB1が分岐する部位である。一方、複数の第2分岐部位P2は、第2分岐幹線WA2上に間隔をあけて位置しそれぞれからコネクタC付の第2分岐枝線WB2が分岐する部位である。
【0022】
ここで、上述の基幹線WXは、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とを分岐させる前段階の電線束を構成するものであり、端末にコネクタCが設けられた第1分岐枝線WB1、第2分岐枝線WB2を構成する全ての配索材Wを束としたものである。そして、第1分岐幹線WA1は、各第1分岐枝線WB1を分岐させる前段階の電線束を構成するものであり、第1分岐枝線WB1を構成する複数の配索材Wを束としたものである。一方、第2分岐幹線WA2は、各第2分岐枝線WB2を分岐させる前段階の電線束を構成するものであり、第2分岐枝線WB2を構成する複数の配索材Wを束としたものである。
【0023】
この分岐配索支持工程(ステップST1)における作業は、治具板等の作業面100上で行われる。第1分岐部位P1、及び、第2分岐部位P2を支持する各支持治具Jは、この作業面100上において、第1分岐幹線WA1、第2分岐幹線WA2が配索される位置にそれぞれ間隔をあけて複数が据え置かれる。つまり、複数の支持治具Jは、第1分岐幹線WA1、及び、第2分岐幹線WA2それぞれに対応して、相互に異なる方向に沿って2組設けられることとなる。各支持治具Jは、互いに干渉しないように間隔をあけた位置で、かつ、第1分岐幹線WA1、第2分岐幹線WA2それぞれにおいて第1分岐部位P1、第2分岐部位P2が形成される位置(予め設計的に定まる位置)に設けられる。また、この作業面100は、各第1分岐枝線WB1、各第2分岐枝線WB2の端末に設けられたコネクタCを受けるコネクタ受け治具JCも設けられている。
【0024】
作業員は、この分岐配索支持工程(ステップST1)では、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とを基幹線WXの端末から相互に間隔をあけて分岐させ、各支持治具Jに沿って配索する。そして、作業員は、第1分岐幹線WA1上の第1分岐部位P1を支持治具Jで支持しながら、各第1分岐部位P1において、第1分岐幹線WA1を構成する電線束から1本の第1分岐枝線WB1を分岐させ、当該第1分岐枝線WB1の端末に設けられたコネクタCをコネクタ受け治具JCで保持する。その上で、作業員は、各第1分岐部位P1に分岐部位固定テープT1を巻き回して当該各第1分岐部位P1を設計的に定められた位置に形成、固定する。同様に、作業員は、第2分岐幹線WA2上の第2分岐部位P2を支持治具Jで支持しながら、各第2分岐部位P2において、第2分岐幹線WA2を構成する電線束から1本の第2分岐枝線WB2を分岐させ、当該第2分岐枝線WB2の端末に設けられたコネクタCをコネクタ受け治具JCで保持する。その上で、作業員は、各第2分岐部位P2に分岐部位固定テープT2を巻き回して当該各第2分岐部位P2を設計的に定められた位置に形成、固定する。
【0025】
一例として、
図6に例示するワイヤハーネスWHは、第1分岐幹線WA1において3つの第1分岐部位P1が形成される。ここでは、3つの第1分岐部位P1を区別して説明する場合、基幹線WX側から順に「1番目の第1分岐部位P1A」、「2番目の第1分岐部位P1B」、「3番目の第1分岐部位P1C」といい、これらを特に区別して説明する必要がない場合には単に「第1分岐部位P1」という場合がある。
【0026】
このワイヤハーネスWHは、基幹線WXにおける第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2との分岐部位と、第1分岐幹線WA1において最も基幹線WX側に位置する1番目の第1分岐部位P1Aとが兼用されている。つまり、このワイヤハーネスWHは、第1分岐部位P1Aにおいて、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とが分岐すると共に、第1分岐幹線WA1から1本の第1分岐枝線WB1が分岐している。また、このワイヤハーネスWHは、2番目の第1分岐部位P1Bにおいて、第1分岐幹線WA1から1本の第1分岐枝線WB1が分岐している。そして、このワイヤハーネスWHは、第1分岐幹線WA1上で最も基幹線WXとは反対側の端部に位置する3番目の第1分岐部位P1Cにおいては、最終的に2本の第1分岐枝線WB1が分岐している。つまりこのワイヤハーネスWHは、合計3つの第1分岐部位P1、及び、合計4本の第1分岐枝線WB1を含んで構成されている。そして、ワイヤハーネスWHは、3番目の第1分岐部位P1Cから分岐した2本の第1分岐枝線WB1の一方の中腹部位において曲げ部位P1aが形成されており、当該曲げ部位P1aも支持治具Jによって支持されている。この曲げ部位P1aは、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とが束ねられて幹線WAを構成した最終的な形態において複数の分岐部位Pのうちの1つをなす(
図1、
図8等参照)。
【0027】
図6に例示するワイヤハーネスWHは、第1分岐幹線WA1において、1番目の第1分岐部位P1Aと2番目の第1分岐部位P1Bとの間隔が「60mm」、2番目の第1分岐部位P1Bと3番目の第1分岐部位P1Cとの間隔が「40mm」とされている。また、
図6に例示するワイヤハーネスWHは、1番目の第1分岐部位P1Aから分岐した第1分岐枝線WB1の長さが「100mm」、2番目の第1分岐部位P1Bから分岐した第1分岐枝線WB1の長さが「80mm」、3番目の第1分岐部位P1Cから分岐した一方の第1分岐枝線WB1の長さが「80mm」、3番目の第1分岐部位P1Cから分岐した他方の第1分岐枝線WB1の長さが「120mm」とされている。
【0028】
一方、
図6に例示するワイヤハーネスWHは、第2分岐幹線WA2において2つの第2分岐部位P2が形成される。ここでは、2つの第2分岐部位P2を区別して説明する場合、基幹線WX側から順に「1番目の第2分岐部位P2A」、「2番目の第2分岐部位P2B」といい、これらを特に区別して説明する必要がない場合には単に「第2分岐部位P2」という場合がある。
【0029】
このワイヤハーネスWHは、第2分岐幹線WA2において最も基幹線WX側に位置する1番目の第2分岐部位P2Aが1番目の第1分岐部位P1A(基幹線WXにおける第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2との分岐部位)に対して間隔をあけて位置している。また、このワイヤハーネスWHは、1番目の第2分岐部位P2Aにおいて、第2分岐幹線WA2から1本の第2分岐枝線WB2が分岐している。そして、このワイヤハーネスWHは、第2分岐幹線WA2上で最も基幹線WXとは反対側の端部に位置する2番目の第2分岐部位P2Bにおいては、最終的に2本の第2分岐枝線WB2が分岐している。つまりこのワイヤハーネスWHは、合計2つの第2分岐部位P2、及び、合計3本の第2分岐枝線WB2を含んで構成されている。
【0030】
図6に例示するワイヤハーネスWHは、第2分岐幹線WA2において、1番目の第1分岐部位P1Aと1番目の第2分岐部位P2Aとの間隔が「40mm」、1番目の第2分岐部位P2Aと2番目の第2分岐部位P2Bとの間隔が「40mm」とされている。また、
図6に例示するワイヤハーネスWHは、1番目の第2分岐部位P2Aから分岐した第2分岐枝線WB2の長さが「80mm」、2番目の第2分岐部位P2Bから分岐した一方の第2分岐枝線WB2の長さが「80mm」、2番目の第2分岐部位P2Bから分岐した他方の第2分岐枝線WB2の長さが「120mm」とされている。
【0031】
次に、作業員は、上述した分岐配索支持工程(ステップST1)の後に、折り返し工程として、
図7に示すように、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とを折り返して同一の方向Xに沿って束ね、第1分岐部位P1と第2分岐部位P2とを当該同一の方向Xに沿って交互に並べて配置する(ステップST2)。
【0032】
例えば、作業員は、折り返し工程(ステップST2)では、各第2分岐部位P2を支持治具Jから外すと共に、各第2分岐枝線WB2の端末のコネクタCもコネクタ受け治具JCから外す。このときあわせて、作業員は、1番目の第1分岐部位P1Aも支持治具Jから外すと共に、1番目の第1分岐部位P1Aから分岐した第1分岐枝線WB1の端末のコネクタCもコネクタ受け治具JCから外す。そして、作業員は、1番目の第1分岐部位P1Aを支点として、第2分岐幹線WA2を第1分岐幹線WA1側に折り返して、第2分岐部位P2を各第1分岐部位P1の間に位置させるような位置関係で、第2分岐幹線WA2を第1分岐幹線WA1に束ねる。
【0033】
ここでは、ワイヤハーネスWHは、
図8に例示するように、1番目の第1分岐部位P1Aと2番目の第1分岐部位P1Bとの間に1番目の第2分岐部位P2Aが位置し、2番目の第1分岐部位P1Bと3番目の第1分岐部位P1Cとの間に2番目の第2分岐部位P2Bが位置するような位置関係で、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とが折り返されて同一の方向Xに沿って束ねられる。
【0034】
次に、作業員は、上述した折り返し工程(ステップST2)の後に、テープ巻き固定工程として、
図8に示すように、第1分岐部位P1と当該第1分岐部位P1と隣り合う第2分岐部位P2との間で、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とに渡って分岐間固定テープT3を巻き回し、当該第1分岐幹線WA1と当該第2分岐幹線WA2とを相互に固定する(ステップST3)。例えば、作業員は、テープ巻き固定工程(ステップST3)では、各第1分岐部位P1、及び、曲げ部位P1aを支持治具Jから外すと共に、各第1分岐枝線WB1の端末のコネクタCもコネクタ受け治具JCから外して、このテープ巻き固定工程(ステップST3)を行う。
【0035】
一例として、
図8に例示するワイヤハーネスWHは、合計で6か所に分岐間固定テープT3が巻き回される。ここでは、6か所の分岐間固定テープT3を区別して説明する場合、基幹線WX側から順に「1番目の分岐間固定テープT3A」、「2番目の分岐間固定テープT3B」、「3番目の分岐間固定テープT3C」、「4番目の分岐間固定テープT3D」、「5番目の分岐間固定テープT3E」、「6番目の分岐間固定テープT3F」といい、これらを特に区別して説明する必要がない場合には単に「分岐間固定テープT3」という場合がある。
【0036】
ここでは、ワイヤハーネスWHは、
図8に例示するように、1番目の第1分岐部位P1Aと1番目の第2分岐部位P2Aとの間に1番目の分岐間固定テープT3Aが巻き回される。この1番目の分岐間固定テープT3Aは、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とに加えて、1番目の第1分岐部位P1Aから分岐した第1分岐枝線WB1にも渡って一括で巻き回され、当該第1分岐幹線WA1と当該第2分岐幹線WA2と当該第1分岐枝線WB1とを相互に結束固定する。また、ワイヤハーネスWHは、この1番目の分岐間固定テープT3Aと1番目の第2分岐部位P2Aとの間に2番目の分岐間固定テープT3Bが巻き回される。同様に、ワイヤハーネスWHは、1番目の第2分岐部位P2Aと2番目の第1分岐部位P1Bとの間に3番目の分岐間固定テープT3Cが巻き回される。ワイヤハーネスWHは、2番目の第1分岐部位P1Bと2番目の第2分岐部位P2Bとの間に4番目の分岐間固定テープT3Dが巻き回される。ワイヤハーネスWHは、2番目の第2分岐部位P2Bと3番目の第1分岐部位P1Cとの間に5番目の分岐間固定テープT3Eが巻き回される。そして、ワイヤハーネスWHは、2番目の第2分岐部位P2Bから分岐した2本の第2分岐枝線WB2の一方の中腹部位において曲げ部位P2aが形成されており、3番目の第1分岐部位P1Cと当該曲げ部位P2aとの間に6番目の分岐間固定テープT3Fが巻き回される。この曲げ部位P2aは、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とが束ねられて幹線WAを構成した最終的な形態において複数の分岐部位Pのうちの1つをなす(
図1等も参照)。そして、2番目の分岐間固定テープT3B、3番目の分岐間固定テープT3C、4番目の分岐間固定テープT3D、5番目の分岐間固定テープT3E、6番目の分岐間固定テープT3Fは、それぞれ、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とに渡って巻き回され、当該第1分岐幹線WA1と当該第2分岐幹線WA2とを相互に結束固定する。
【0037】
図8に例示するワイヤハーネスWHは、1番目の第1分岐部位P1Aと1番目の分岐間固定テープT3Aとの間隔が「20mm」、1番目の分岐間固定テープT3Aと1番目の第2分岐部位P2Aとの間隔が「20mm」、1番目の第2分岐部位P2Aと2番目の第1分岐部位P1Bとの間隔が「20mm」、2番目の第1分岐部位P1Bと2番目の第2分岐部位P2Bとの間隔が「20mm」、2番目の第2分岐部位P2Bと3番目の第1分岐部位P1Cとの間隔が「20mm」、3番目の第1分岐部位P1Cと曲げ部位P2aとの間隔が「20mm」、曲げ部位P2aと曲げ部位P1aとの間隔が「20mm」とされている。そして、
図8に例示するワイヤハーネスWHは、各第1分岐枝線WB1、各第2分岐枝線WB2の分岐間固定テープT3、第1分岐部位P1、曲げ部位P1a、P2a等からコネクタCまでの長さがそれぞれ「80mm」とされている。
【0038】
次に、作業者は、上述したテープ巻き固定工程(ステップST3)の後に、接続工程として、
図1に示すように、各コネクタCにスイッチ等の接続機器Dを接続し(ステップST4)、このワイヤハーネス製造方法を終了する。
【0039】
なお、この接続工程(ステップST4)は、例えば、ワイヤハーネスWHを車両に組み込んだ後に行われてもよいし、そもそも本実施形態のワイヤハーネス製造方法に組み込まれていなくてもよい。
【0040】
上記のようなワイヤハーネス製造方法によって製造されたワイヤハーネスWHは、
図1、
図8に示すように、第1分岐幹線WA1及び第2分岐幹線WA2と、複数の第1分岐枝線WB1と、複数の第2分岐枝線WB2と、分岐間固定テープT3とを備えることとなる。第1分岐幹線WA1及び第2分岐幹線WA2は、基幹線WXから分岐し同一の方向Xに沿って束ねられる。複数の第1分岐枝線WB1は、第1分岐幹線WA1上に間隔をあけて位置する複数の第1分岐部位P1から分岐し端末にコネクタCが設けられる。複数の第2分岐枝線WB2は、第2分岐幹線WA2上に間隔をあけて位置する複数の第2分岐部位P2から分岐し端末にコネクタCが設けられる。そして、分岐間固定テープT3は、同一の方向Xに沿って交互に並べて配置された第1分岐部位P1と第2分岐部位P2との間で、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とに渡って巻き回され、当該第1分岐幹線WA1と当該第2分岐幹線WA2とを相互に固定する。
【0041】
以上で説明したワイヤハーネス製造方法は、分岐配索支持工程(ステップST1)と、折り返し工程(ステップST2)と、テープ巻き固定工程(ステップST3)とを含む。この工程により、このワイヤハーネス製造方法では、各分岐部位Pにおいてこれを支持する支持治具Jを配置することができるように、相互に異なる方向に沿って2系統の第1分岐幹線WA1、第2分岐幹線WA2を配索した上で、当該支持治具Jで支持しながら各第1分岐部位P1、各第2分岐部位P2を形成することができる。その上で、このワイヤハーネス製造方法では、第1分岐部位P1、第2分岐部位P2が同一の方向Xに沿って交互に位置するように第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とを折り込んだ後、分岐間固定テープT3によって第1分岐部位P1と第2分岐部位P2とを相互に束ねて固定することができる。そして、当該ワイヤハーネス製造方法によって製造されたワイヤハーネスWHは、上述したように第1分岐幹線WA1及び第2分岐幹線WA2と、複数の第1分岐枝線WB1と、複数の第2分岐枝線WB2と、分岐間固定テープT3とを備える。
【0042】
この結果、このワイヤハーネス製造方法では、支持治具Jの外形にかかわらず、複数のコネクタCを同一の方向Xに沿って整列させ、かつ、分岐部位Pの間隔を相対的に狭くしたワイヤハーネスWHを製造することができる。つまり、このワイヤハーネス製造方法では、使用する支持治具Jの外形の影響を受けずに、分岐部位Pの間隔を相対的に狭くしたワイヤハーネスWHを製造することができる。さらに言い換えれば、このワイヤハーネス製造方法では、コネクタCや分岐枝線WBの間隔を相対的に狭めたワイヤハーネスWHを製造する場合に、使用する支持治具Jの大きさによって、分岐部位Pの間隔が制限されないようにすることができる。その上で、このワイヤハーネス製造方法では、接続機器Dの取り付けの際にコネクタC付の多数の分岐枝線WBが相互に絡みつき難く、コネクタCが連続して並ぶように配置し易いワイヤハーネスWHを製造することができる。このため、このワイヤハーネス製造方法では、製造されたワイヤハーネスWHにおいて、接続機器Dの取り付け作業性を向上することができ、また、誤組み付け等も防止することができる。
【0043】
以上のように、このワイヤハーネス製造方法は、複数の分岐部位Pが形成されたワイヤハーネスWHを適正に製造することができる。
【0044】
さらに、以上で説明したワイヤハーネス製造方法は、テープ巻き固定工程(ステップST3)の後に、コネクタCに接続機器Dを接続する接続工程(ステップST4)を含む。この工程により、このワイヤハーネス製造方法では、例えば、上記のようにして同一の方向Xに沿って相対的に狭い間隔で整列させた複数のコネクタCに対して接続機器Dを接続することができる。この結果、このワイヤハーネス製造方法では、例えば、車両における接続機器Dのレイアウトの関係上、各接続機器D同士の間隔が可能な限り狭めて設けられる場合に対応させたワイヤハーネスWHを適正に製造することができる。
【0045】
なお、上述した本発明の実施形態に係るワイヤハーネス製造方法、及び、ワイヤハーネスは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0046】
例えば、
図9は、変形例に係るワイヤハーネス製造方法を説明するフローチャートである。
図9に例示する変形例に係るワイヤハーネス製造方法は、目印設定工程(ステップST1A)を含んでいる。この目印設定工程(ステップST1A)は、折り返し工程(ステップST2)の前に、第1分岐幹線WA1上に第1分岐部位P1と間隔をあけて目印テープT4を巻き回す工程である。ここでは、目印設定工程(ステップST1A)は、分岐配索支持工程(ステップST1)の後に行われる工程であるものとして説明するが、これに限らず、分岐配索支持工程(ステップST1)の前に行われる工程としてもよい。
【0047】
上述したワイヤハーネス製造方法によって製造されるワイヤハーネスWHは、例えば、搭載される車両におけるオプション装備の有無や仕様等に応じて、いずれかの分岐枝線WB、コネクタCが設けられない場合がある。例えば、
図10、
図11に例示したワイヤハーネスWHは、オプション装備や仕様の関係上、3番目の第1分岐部位P1C(
図8等参照)、及び、当該第1分岐部位P1Cから分岐する第1分岐枝線WB1を備えないハーネス形態をなしている。
【0048】
このような場合に、作業員は、折り返し工程(ステップST2)の前に、目印設定工程として、第1分岐幹線WA1上に第1分岐部位P1と間隔をあけて目印テープT4を巻き回しておく(ステップST1A)。この場合、作業員は、典型的には、第1分岐幹線WA1上において、オプション装備や仕様の関係上、不要とされる第1分岐部位P1Cに相当する位置に当該目印テープT4を巻き回しておく。目印テープT4は、目印となり易いように、例えば、分岐部位固定テープT1、T2や分岐間固定テープT3とは異なる色のテープであることが好ましい。
【0049】
そして、作業員は、折り返し工程(ステップST2)を行った後、テープ巻き固定工程(ステップST3)では、目印テープT4が設けられた位置にも第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とに渡って分岐間固定テープT3を巻き回し、当該第1分岐幹線WA1と当該第2分岐幹線WA2とを相互に固定する。
【0050】
上記の変形例に係るワイヤハーネス製造方法は、例えば、オプション装備や仕様等に応じたハーネス形態の相違に対して適正に対応することができ、要求されたハーネス形態のワイヤハーネスWHを、間違いを防止しながら適正に製造することができる。
【0051】
なお、
図11に例示したワイヤハーネスWHは、
図8等で例示したワイヤハーネスWHの分岐間固定テープT3よりも幅広の分岐間固定テープT3を用いた場合を例示している。この場合、ワイヤハーネスWHは、すべての第1分岐部位P1と第2分岐部位P2との間に分岐間固定テープT3が設けられていなくてもよく、少なくとも第1分岐部位P1と第2分岐部位P2との間のいずれか1か所に分岐間固定テープT3が設けられていればよい。
図11に例示したワイヤハーネスWHは、一例として、合計で3か所に分岐間固定テープT3が巻き回されている。すなわち、
図11に例示したワイヤハーネスWHは、1番目の第1分岐部位P1Aと1番目の第2分岐部位P2Aとの間に1番目の分岐間固定テープT3Aが巻き回される。この1番目の分岐間固定テープT3Aは、第1分岐幹線WA1と、第2分岐幹線WA2と、1番目の第1分岐部位P1Aから分岐した第1分岐枝線WB1とを相互に結束固定する。また、
図11に例示したワイヤハーネスWHは、2番目の第1分岐部位P1Bと2番目の第2分岐部位P2Bとの間に2番目の分岐間固定テープT3Bが巻き回される。そして、
図11に例示したワイヤハーネスWHは、上述したように、目印テープT4が設けられた位置にも3番目の分岐間固定テープT3Cが巻き回される。2番目の分岐間固定テープT3B、及び、3番目の分岐間固定テープT3Cは、それぞれ、第1分岐幹線WA1と第2分岐幹線WA2とに渡って巻き回され、当該第1分岐幹線WA1と当該第2分岐幹線WA2とを相互に結束固定する。
【0052】
この場合であっても、このワイヤハーネス製造方法は、上述と同様に複数の分岐部位Pが形成されたワイヤハーネスWHを適正に製造することができる。
【0053】
なお、以上で説明したコネクタCは、配索材対機器接続用の接続機構を構成するものとして説明したがこれに限らず、配索材対配索材接続用の接続機構を構成するものであってもよい。この場合、コネクタCは、他の配索材Wの端末に設けられた相手コネクタとコネクタ嵌合することで当該相手コネクタとの間に電気的な接続部位を形成し、配索材Wと他の配索材Wとを導通接続する。
【0054】
本実施形態に係るワイヤハーネス製造方法、及び、ワイヤハーネスは、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0055】
C コネクタ
D 接続機器
J 支持治具
P 分岐部位
P1、P1A、P1B、P1C 第1分岐部位
P2、P2A、P2B 第2分岐部位
T1、T2 分岐部位固定テープ
T3、T3A、T3B、T3C、T3D、T3E、T3F 分岐間固定テープ
T4 目印テープ
W 配索材
WA 幹線
WA1 第1分岐幹線
WA2 第2分岐幹線
WB 分岐枝線
WB1 第1分岐枝線
WB2 第2分岐枝線
WH ワイヤハーネス
WX 基幹線