(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】中間タイロッド集合体を有する輪切型ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04D 1/08 20060101AFI20231023BHJP
F04D 29/62 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
F04D1/08 D
F04D1/08 A
F04D29/62 A
(21)【出願番号】P 2018568416
(86)(22)【出願日】2017-04-12
(86)【国際出願番号】 US2017027103
(87)【国際公開番号】W WO2018004778
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-02-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-07
(32)【優先日】2016-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505194077
【氏名又は名称】アイティーティー マニュファクチャーリング エンタープライジズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、ダニエル・エス.
(72)【発明者】
【氏名】ガンディー、アブヒ・エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ベンク、ポール・ダブリュ
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】関口 哲生
【審判官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公告第933185(GB,A)
【文献】中国特許出願公開第102606484(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輪切型ポンプであって、
前記輪切型ポンプに注入される流体を受容するように構成されている入口フランジと、 前記輪切型ポンプから注入される前記流体を提供するように構成されている出口/吐出フランジと、
少なくとも1つの中間タイロッド集合体と、を含み、ここで、前記少なくとも1つの中間タイロッド集合体は、中間フランジ、上タイロッド、下タイロッドを含み、前記上タイロッドが、前記中間フランジを前記出口/吐出フランジに連結し、前記下タイロッドが、前記中間フランジを前記入口フランジに連結し、
前記出口/吐出フランジが、前記上タイロッドの端部を受容するように、孔を備えて構成され、
前記入口フランジが、前記下タイロッドの対応する端部を受容するように、対応する孔を備えて構成され、
前記中間フランジが、前記上タイロッドの対向端を受容して、前記中間フランジ及び前記出口/吐出フランジを連結するように、第1の関連孔セットを備えて構成され、また、前記下タイロッドの対応する対向端を受容して、前記中間フランジ及び前記入口フランジを連結するように、第2の関連孔セットを備えて構成され、
前記出口/吐出フランジが、前記上タイロッドのねじ付き端を受容して、前記出口/吐出フランジ及び前記上タイロッドを連結するように、ねじ付き孔を備えて構成され、
前記中間フランジが中間フランジ連結部を含み、
前記輪切型ポンプが、前記出口/吐出フランジと前記入口フランジとの間の中間位置において前記中間フランジ連結部を受容し、係合する切り欠き部を備えている、隣接する輪切部を含む、
輪切型ポンプ。
【請求項2】
前記入口フランジが、対応する孔により、前記下タイロッドの対応するねじ付き端が前記入口フランジを通り、対応するねじ付きナットで前記入口フランジに固定され得るように構成されている、請求項1に記載の輪切型ポンプ。
【請求項3】
前記中間フランジが、前記第1の関連孔セットにより、前記上タイロッドのねじ付き対向端が前記中間フランジを通り、第1の関連ねじ付きナットセットで前記中間フランジに固定され得るように構成されている、請求項1に記載の輪切型ポンプ。
【請求項4】
前記中間フランジが、前記第2の関連孔セットにより、前記下タイロッドの対応するねじ付き対向端が前記中間フランジを通り、第2の関連ねじ付きナットセットで前記中間フランジに固定され得るように構成されている、請求項1に記載の輪切型ポンプ。
【請求項5】
前記輪切型ポンプが、前記入口フランジと前記出口/吐出フランジとの間に構成されている輪切部を含み、
前記少なくとも1つの中間タイロッド集合体が、前記中間フランジと前記出口/吐出フランジとの間で第1の輪切部セットを連結する前記上タイロッドを備える高圧中間タイロッド集合体を含み、前記中間フランジと前記入口フランジとの間で第2の輪切部セットを連結する前記下タイロッドを備える低圧中間タイロッド集合体を含む、請求項1に記載の輪切型ポンプ。
【請求項6】
前記高圧中間タイロッド集合体内の前記上タイロッドの数が、前記低圧中間タイロッド集合体内の対応する前記下タイロッドの数よりも多い、請求項5に記載の輪切型ポンプ。
【請求項7】
前記高圧中間タイロッド集合体内で連結される前記第1の輪切部セットの数が、前記低圧中間タイロッド集合体内で連結される、対応する前記第2の輪切部セットの数よりも少ない、請求項5に記載の輪切型ポンプ。
【請求項8】
輪切型ポンプであって、
前記輪切型ポンプに注入される流体を受容するように、前記輪切型ポンプの一端に構成されている吸込ベルと、
前記輪切型ポンプから注入される前記流体を提供し、前記輪切型ポンプを取り付けるように、前記輪切型ポンプの反対端に構成されている吐出ケーシングと、
中間タイロッド集合体と、を含み、ここで、前記中間タイロッド集合体は、中間フランジ、上タイロッド、下タイロッドを含み、前記上タイロッドが、前記中間フランジを前記吐出ケーシングに連結し、前記下タイロッドが、前記中間フランジを前記吸込ベルに連結するように前記中間フランジは構成され、
前記吐出ケーシングが、前記上タイロッドの端部を受容するように、孔を備えて構成され、
前記吸込ベルが、前記下タイロッドの対応する端部を受容するように、対応する孔を備えて構成され、
前記中間フランジが、前記上タイロッドの対向端を受容して、前記中間フランジ及び前記吐出ケーシングを連結するように、第1の関連孔セットを備えて構成され、また、前記下タイロッドの対応する対向端を受容して、前記中間フランジ及び前記吸込ベルを連結するように、第2の関連孔セットを備えて構成され、
前記吐出ケーシングが、前記上タイロッドのねじ付き端を受容して、前記吐出ケーシング及び前記上タイロッドを連結するように、ねじ付き孔を備えて構成され、
前記中間フランジが中間フランジ連結部を含み、
前記輪切型ポンプが、
前記吐出ケーシングと
前記吸込ベルとの間の中間位置において前記中間フランジ連結部を受容し、係合する切り欠き部を備えている、隣接する輪切部を含む、
輪切型ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
1.技術分野
本願は、ポンプ、より具体的にはタイロッドを有する輪切型ポンプに関する。
【0002】
2.関連技術の簡単な説明
例として、
図1A、
図1B、
図2A、及び
図2Bは、当該技術分野において周知の輪切型タイロッドポンプを示す。
図1A及び
図1Bは、例えば、垂直に配置され、取り付けられ、油だめに関して使用され得る輪切型タイロッドポンプを示す。対照的に、
図2A及び
図2Bは、水平に取り付けられ、他のポンピング用途に関して使用され得る輪切型タイロッドポンプを示す。
【0003】
従来の輪切型タイロッドポンプは、全段の全長に延在するタイロッドを備えて作製される。この解決法は、短いポンプの場合には十分であるが、長いポンプの場合、この配置は組み立てが困難であり、共振振動がより問題になりやすく、費用がかかるようになる。これは、タイロッドがポンプ全体の全圧を処理する必要があるためである。長径間のタイロッドはまた、輪切型アセンブリの捻転に対する抵抗力が弱い。実際には、現在の設計は、ポンプアセンブリの全長にまたがる、単一サイズのタイロッドのみに限定されている。
【0004】
したがって、周知の輪切型タイロッドポンプに伴う上記の問題を排除する、より良好なタイロッド配置を有する輪切型タイロッドポンプに対するニーズが当該業界に存在する。
【発明の概要】
【0005】
要約すると、本発明は、ポンプアセンブリ端に類似の方法で、両側からタイロッド終端を受容する1つ以上の中間フランジ、つまり中間片を取り付けるための技法を提供する。
【0006】
組み立ての困難性は、本発明によってタイロッド端の径間を低減することで軽減される。タイロッド取り付け前の支持されていない段が減少するため、組み立て工程はより安全である。また、より良好にポンプの部品が整列され、より短い径間での整列の測定が容易になる。
【0007】
本発明はまた、潜在的な構造上の振動問題に対する解決法を提供する。この配置は、ポンプ構造の自然振動数を変化させて共振振動を低減するためのより多くの選択肢を可能にする。本発明は、輪切型ポンプの圧力処理能に対して最適化された解決法である。これにより、ポンプの低圧部用タイロッドを低減できる。また、高価な材料を追加することなく、段及び圧力処理を増加することができる。本発明はまた、輪切部が最高の輪切部間トルク(互いに対して輪切部を回転させようとする力)を受ける領域において、ポンプアセンブリをより強化する。
【本発明の具体的な実施形態】
【0008】
いくつかの実施形態によると、本発明は、例えば、輪切型ポンプなどの装置の形態であってよく、
輪切型ポンプに注入される流体を受容するように構成されている低圧端と、
輪切型ポンプから注入される流体を提供するように構成されている高圧端と、
少なくとも1つの中間フランジ及び高圧端を連結するように構成されている上タイロッドと、少なくとも1つの中間フランジ及び低圧端を連結するように構成されている下タイロッドと、を備える、少なくとも1つの中間フランジを有する少なくとも1つの中間タイロッド集合体とを特徴とする。
【0009】
この装置は、1つ以上の以下の特徴を有してよい。
すなわち、低圧端は、入口フランジを含んでよく、高圧端は、出口/吐出フランジを含んでよく、上タイロッドは、少なくとも1つの中間フランジ及び出口/吐出フランジを連結してよく、下タイロッドは、少なくとも1つの中間フランジ及び入口フランジを連結してよい。
【0010】
出口/吐出フランジは、上タイロッドの端部を受容するように、孔を備えて構成されてよい。例として、出口/吐出フランジは、上タイロッドのねじ付き端を受容して、出口/吐出フランジ及び上タイロッドを連結するように、ねじ付き孔を備えて構成されてよい。
【0011】
入口フランジは、下タイロッドの対応する端部を受容するように、対応する孔を備えて構成されてよい。更なる例として、入口フランジは、対応する孔により、下タイロッドの対応するねじ付き端が入口フランジを通り、対応するねじ付きナットで入口フランジに固定され得るように構成されてよい。
【0012】
少なくとも1つの中間フランジは、上タイロッドの対向端を受容して、少なくとも1つの中間フランジ及び出口/吐出フランジを連結するように、第1の関連孔セットを備えて構成されてよく、また、下タイロッドの対応する対向端を受容して、少なくとも1つの中間フランジ及び入口フランジを連結するように、第2の関連孔セットを備えて構成されてよい。
【0013】
第1の関連孔セットは、上タイロッドの対応するねじ付き対向端が少なくとも1つの中間フランジを通り、第1の関連ねじ付きナットセットで少なくとも1つの中間フランジに固定され得るように構成されてよい。
【0014】
第2の関連孔セットは、下タイロッドの対応するねじ付き対向端が少なくとも1つの中間フランジを通り、第2の関連ねじ付きナットセットで少なくとも1つの中間フランジに固定され得るように構成されてよい。
【0015】
少なくとも1つの中間フランジは、少なくとも1つの中間フランジ連結部を含んでよく、輪切型ポンプは、高圧端と低圧端との間の少なくとも1つの中間位置において少なくとも1つの中間フランジ連結部を受容し、係合するように構成されている、隣接する輪切部、つまり段を含んでよい。例として、隣接する輪切部、つまり段のうちの1つは、少なくとも1つの中間フランジ連結部を受容し、係合するように、切欠き部を備えて構成されてよい。
【0016】
輪切型ポンプは、低圧端と高圧端との間に構成されている輪切部、つまり段を含んでよく、各輪切部、つまり段は、ケーシング、羽根車、ディフューザー、並びに他の部品/構成要素を備えて構成されてよい。
【0017】
少なくとも1つの中間タイロッド集合体は、少なくとも1つの中間フランジと高圧端との間で第1の輪切段、つまり段を連結する上タイロッドを備える高圧中間タイロッド集合体を含んでよい。
【0018】
少なくとも1つの中間タイロッド集合体はまた、少なくとも1つの中間フランジと低圧端との間で第2の輪切部セット、つまり段セットを連結する下タイロッドを備える低圧中間タイロッド集合体を含んでよい。
【0019】
高圧中間タイロッド集合体内の上タイロッドの数は、例えば、通常動作中に高圧中間タイロッド集合体が受ける高ポンプ圧に基づいて、並びにポンプの用途に応じて、低圧中間タイロッド集合体内の対応する下タイロッドの数よりも多くてよい。
【0020】
高圧中間タイロッド集合体内で連結されている第1の輪切部セット、つまり段セットの数は、例えば、ポンプの用途に応じて、低圧中間タイロッド集合体内で連結されている、第2の対応する輪切部セット、つまり段セットの数よりも少なくてよい。
【0021】
低圧端は、輪切型ポンプに注入される流体を受容するように輪切型ポンプの一端に構成されている吸込ベルを含んでよく、高圧端は、輪切型ポンプから注入される流体を提供し、輪切型ポンプを取り付けるように、輪切型ポンプの反対端に構成されている吐出ケーシングを含んでよく、少なくとも1つの中間フランジは、上タイロッドが、少なくとも1つの中間フランジ及び吐出ケーシングを連結し、また、下タイロッドが、少なくとも1つの中間フランジ及び吸込ベルを連結するように構成されてよい。
【0022】
発明の範囲では、タイロッドが、例えば、場合により、中間フランジ又はその周りを通るなど、全段にまたがるために構成されていることを含むことが意図されており、かかる実施形態が想定される。例として、実施形態は、吐出フランジから中間フランジまでの1つのタイロッドセットと、入口フランジから吐出フランジまでの別のタイロッドセットと、を有することを含んでよい。
【0023】
例として、複数の中間タイロッド集合体を使用する実施形態が想定され、発明の範囲ではまた、これを含むことが意図される。例えば、3つのポンピング部を画定する2つの中間タイロッド集合体を有する輪切型ポンプは、以下のように構成されてよい。すなわち、第1の中間タイロッド集合体は、第1の中間フランジ及び高圧端を連結するように構成されている上タイロッドを備え、第1の中間フランジ及び第2の中間タイロッド集合体の一部を形成する第2の中間フランジを連結するように構成されている中間タイロッドを備える、第1の中間フランジを含んでよい。第2の中間タイロッド集合体は、第2の中間フランジ及び低圧端を連結するように構成されている下タイロッドを含んでよい。根底にある発明の趣旨の範囲内で4つ以上のポンピング部を画定する3つ以上の中間タイロッド集合体を有する輪切型ポンプの実施形態が想定され、発明の範囲ではまた、これを含むことが意図される。
【0024】
低圧端と、高圧端と、少なくとも1つの中間タイロッド集合体とを特徴とする装置の実施形態が想定され、発明の範囲ではまた、これを含むことが意図される。低圧端は、処理される流体を受容するように構成されてよい。高圧端は、処理される流体を提供するように構成されてよい。少なくとも1つの中間タイロッド集合体は、少なくとも1つの中間フランジ及び高圧端を連結するように構成されている上タイロッドを備え、少なくとも1つの中間フランジ及び低圧端を連結するように構成されている下タイロッドを備える、少なくとも1つの中間フランジを含んでよい。この装置は、輪切型ポンプなどの形態、並びに流体を処理するための輪切部、つまり段を有し、連結された低圧端及び高圧端を備えて構成されている、周知の、若しくは将来的に今後開発されるいずれかの他のタイプの機器を含んでよい、又はこれらの形態であってよい。この装置はまた、本明細書に記載の1つ以上の他の特徴を含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面(必ずしも尺度どおりに描かれていない)は、以下の図を含む。
【
図1A】
図1Aは、例えば、垂直に配置され、取り付けられ、油だめに関して使用されてよく、当該技術分野において周知である、低圧ポンプ端と高圧ポンプ端との間に配置されている従来のタイロッドを有する輪切型タイロッドポンプの斜視図を示す。
【
図2A】
図2Aは、例えば、水平に取り付けられ、他のポンピング用途に関して使用されてよい、前側ポンプ端と後側ポンプ端との間に配置されている従来のタイロッドを有する、輪切型タイロッドポンプの斜視図を示す。
【
図2B】
図2Bは、例えば、水平に取り付けられ、他のポンピング用途に関して使用されてよい、低圧ポンプ端と高圧ポンプ端との間に配置されている従来のタイロッドを有する輪切型タイロッドポンプの断面図を示す。
【
図3A】
図3Aは、本発明のいくつかの実施形態による輪切型タイロッドポンプの斜視図を示し、この輪切型タイロッドポンプは、例えば、垂直に配置され、取り付けられ、油だめに関して使用されてよい、低圧ポンプ端と高圧ポンプ端との間に配置されている上タイロッド及び下タイロッドを備える、少なくとも1つの中間フランジ集合体を有する。
【
図3C】
図3Cは、旋回され、
図3Bに示される、輪切型タイロッドポンプの中間部の拡大断面図を示す。
【0026】
例えば、全体として図面の煩雑さを低減するために、各図にすべての参照番号が含まれるわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1:基本的な装置10
図3A、
図3B、及び
図3Cは、例えば、輪切型ポンプ10など装置10の形態で本発明を示し、
輪切型ポンプ10に注入される流体を受容するように構成されている低圧端12と、
輪切型ポンプ10から注入される流体を提供するように構成されている高圧端14と、
少なくとも1つの中間フランジ16及び高圧端14を連結するように構成されている上タイロッド18と、少なくとも1つの中間フランジ16及び低圧端12を連結するように構成されている下タイロッド20と、を備える、少なくとも1つの中間フランジ16を有する少なくとも1つの中間タイロッド集合体とを特徴とする。
【0028】
輪切型ポンプ10は、以下の特徴のうちの1つ以上を有してよい。
【0029】
フランジ間連結装置の例
低圧端12は、
図3A、
図3B、及び
図3Cに示されるものと一致して、吸込ベル12aと、吸込ベル、つまり入口フランジ12bと、を含んでよく、高圧端14は、出口/吐出ケーシング、つまりフランジ14aと、出口14と、を含んでよく、上タイロッド18は、少なくとも1つの中間フランジ16及び出口/吐出ケーシング、つまりフランジ12bを連結してよく、下タイロッド20は、少なくとも1つの中間フランジ16及び吸込ベル、つまり入口フランジ12bを連結してよい。本発明では、フランジ間連結装置を使用して開示されるが、発明の範囲はこれに限定されるものではない。例えば、少なくとも1つの中間フランジ16が、根底にある発明の趣旨の範囲内で低圧端12及び高圧端14の他の非フランジ部品/構成要素に連結されてよい他の実施形態が想定され、発明の範囲では、これを含むことが意図される。
【0030】
上タイロッド及び下タイロッドの螺合の例
例として、上タイロッド18及び下タイロッド20は、少なくとも1つの中間フランジ16、出口/吐出ケーシング、つまりフランジ14a、及び吸込ベル、つまり入口フランジ12bを以下のように連結してよい。
【0031】
すなわち、出口/吐出ケーシング、つまりフランジ14aは、上タイロッド18の端部(そのうちの1つは、18aとラベル付けされる)を受容するように、孔(そのうちの1つは14a’とラベル付けされる、
図3Bを参照)を備えて構成されてよい。例として、孔14a’はねじ付き孔14a’(
図3Bを参照)として構成されてよく、上タイロッド18の端部18aは、ねじ付き端18a(
図3Bを参照)として構成されてよい。ねじ付き集合体では、出口/吐出ケーシング、つまりフランジ14aのねじ付き孔14a’は、上タイロッド18のねじ付き端18a(
図3Bを参照)を受容して、出口/吐出ケーシング、つまりフランジ14a及び上タイロッド18を連結するように構成されてよい。かかるねじ付き集合体を使用して上タイロッド18及び出口/吐出ケーシング、つまりフランジ14aを連結する発明の範囲が開示されているが、発明の範囲では、これに限定されることは意図されない。例えば、出口/吐出ケーシング、つまりフランジ14a内の孔14a’は、例えば、上タイロッド18、下タイロッド20と、少なくとも1つの中間フランジ16との間のナット-ボルト連結装置、並びに以下に記載し、すべて本発明の趣旨内である下タイロッド20と吸込ベル、つまり入口フランジ12bとの間のナット-ボルト連結装置に一致して、上タイロッド18の端部18a(
図3Bを参照)が通り得るように構成されている他の実施形態が想定され、発明の範囲では、これを含むことが意図される。
【0032】
更に、吸込ベル、つまり入口フランジ12bは、下タイロッド20の対応する端部(そのうちの1つは20aとラベル付けされる、
図3Aを参照)を受容するように、対応する孔(そのうちの1つは12b’とラベル付けされる、
図3Aを参照)を備えて構成されてよい。例として、対応する端部20aは、対応するねじ付き端20aとして構成されてよい。このナット-ボルト連結装置では、対応する孔12b’(
図3Aを参照)は、下タイロッド20の対応するねじ付き端20aが吸込ベル、つまり入口フランジ12bを通り、対応するねじ付きナット(そのうちの1つは20aとラベル付けされる)で吸込ベル、つまり入口フランジ12bに固定され得るように構成されてよい。発明の範囲は、下タイロッド20及び吸込ベル、つまり入口フランジ12aを連結するためにナット-ボルト連結装置を使用して開示されるが、発明の範囲では、これに限定されることは意図されない。例えば、吸込ベル、つまり入口フランジ12aの対応する孔12b’が、本明細書に開示されるものと一致し、本発明の趣旨内で、下タイロッド20のねじ付き端20a(
図3Bを参照)を受容して、吸込ベル、つまり入口フランジ12a及び下タイロッド20を連結するように、対応するねじ付き孔12b’として構成されてよい、他の実施形態が想定され、発明の範囲では、これを含むことが意図される。
【0033】
また更に、少なくとも1つの中間フランジ16は、様々な孔(そのうちの1つは16cとラベル付けされる、
図3A及び
図3Cを参照)を備えて構成されてよい。様々な孔は、上タイロッド18の対向端18b(
図3B及び
図3Cを参照)を受容して、少なくとも1つの中間フランジ16及び出口/吐出ケーシング、つまりフランジ14aを連結する、孔16c(
図3A及び
図3Cを参照)など第1の関連孔セットを含んでよい。第1の関連孔セット16cは、上タイロッド18のねじ付き対向端18bが少なくとも1つの中間フランジ16を通り、第1の関連ねじ付きナットセット(そのうちの1つは16aとラベル付けされる)で少なくとも1つの中間フランジ16に固定され得るように構成されてよい。様々な孔はまた、下タイロッド20の対応する対向端20b(
図3Aを参照)を受容して、少なくとも1つの中間フランジ16及び入口、つまり吸込ベルフランジ12bを連結する、孔16cなど第2の関連孔セットを含んでよい。第2の関連孔セット16cは、下タイロッド20の対応するねじ付き対向端20bが少なくとも1つの中間フランジ16を通り、16aなど第2の関連ねじ付きナットセットで少なくとも1つの中間フランジ16に固定され得るように構成されてよい。
【0034】
中間フランジ取り付け部16dの例(
図3B及び
図3C)
例として、少なくとも1つの中間フランジ16は、少なくとも1つの中間フランジ連結部16d(
図3B及び
図3Cを参照)を含んでよく、輪切型ポンプ10は、高圧端14と低圧端12との間の少なくとも1つの中間位置において少なくとも1つの中間フランジ連結部16dを受容し、係合するように構成されている、隣接する輪切部、つまり段30’、30’’、30’’’(
図3C)を含んでよい。
図3Cに示されるものと一致して、隣接する輪切部、つまり段30’のうちの1つは、他の隣接する輪切部、つまり段30’’に関して少なくとも1つの中間フランジ連結部16dを受容するための切欠き部30’aを備えて構成されてよい。本発明は中間フランジ連結部16dを使用して開示されるが、発明の範囲では、これに限定されることは意図されない。例えば、少なくとも1つの中間フランジ16が、少なくとも1つの中間フランジ連結部16dを含まない、又は基底をなす発明の趣旨の範囲内の、中間フランジ16を1つ以上の輪切部又は段30(
図3Aを参照)に連結するための他のタイプの装置類を含む他の実施形態が想定され、発明の範囲では、これを含むことが意図される。
【0035】
高/低圧輪切部連結集合体の例
輪切型ポンプ10は、ポンプシャフトSに関して低圧端12と高圧端14との間に構成されている輪切部、つまり段30を含んでよい。例として、各輪切部、つまり段30は、ケーシング、羽根車、ディフューザー、並びに先行技術において周知のものと一致するなど他の部品/構成要素を備えて構成されてよい。発明の範囲は、周知又は将来的に今後開発されるいずれかの任意の特定タイプ又は種類の輪切部、つまり段を使用することに限定されることを意図するものではない。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態によると、少なくとも1つの中間タイロッド集合体は、少なくとも1つの中間フランジ16と高圧端14との間で第1の輪切部セット、つまり段セット30を連結する上タイロッド18を備える高圧中間タイロッド集合体を含んでよく、また、少なくとも1つの中間フランジ16と低圧端12との間で第2の輪切部セット、つまり段セット30を連結する下タイロッド20を備える低圧中間タイロッド集合体を含んでよい。
【0037】
図3A及び
図3Bに示されるものと一致して、高圧中間タイロッド集合体内の上タイロッド18の数は、例えば、流体圧は、低圧端12から出口14まで延在する輪切部、つまり段30の長さに沿って実質的に直線状に増加し、したがって、高圧端内の圧力は、低圧端内の圧力も大きいと概ね理解されるという事実に基づいて、低圧中間タイロッド集合体内の対応する下タイロッド20の数よりも多くてよい。
図3Aに示されるように、上タイロッド18の数は6であり、そのうち4つが示され、輪切部、つまり段30の周りに対称的に配置され、一方、下タイロッド20の数は4であり、そのうち2つが示され、輪切部、つまり段30の周りに対称的に配置される。発明の範囲では、高圧中間タイロッド集合体内の上タイロッド18の任意の特定の数又は配置に限定されることが意図されるものではなく、ポンプの用途に応じて、6つ未満の上タイロッド18又は6つ超の上タイロッド18のいずれかを有する実施形態が想定される。更に、発明の範囲では、低圧中間タイロッド集合体内の下タイロッド20の任意の特定の数又は配置に限定されることが意図されるものではなく、ポンプの用途に応じて、4つ未満の下タイロッド20又は4つ超の下タイロッド20のいずれかを有する実施形態が想定される。
【0038】
更に、
図3A及び
図3Bにも示されているものに一致して、低圧中間タイロッド集合体内で連結されている第1の輪切部セット、つまり段セット30の数は、例えば、特定のポンプの用途に応じて、高圧中間タイロッド集合体内で連結されている、対応する第2の輪切部セット、つまり段セットの数よりも少なくてよい。しかしながら、発明の範囲では、低圧中間タイロッド集合体内の第1の輪切部セット、つまり段セット30と、高圧中間タイロッド集合体内の第2の輪切部セット、つまり段セットとの任意の特定の関係、例えば、いずれかのセットの輪又は段の数などに限定されることは意図されない。
【0039】
他の連結装置の例
他の実施形態は、少なくとも1つの中間フランジ及び高圧端を連結するように構成されている上カプラーと、少なくとも1つの中間フランジ及び低圧端を連結するように構成されている下カプラーと、を備える、少なくとも1つの中間フランジを有する少なくとも1つの中間連結集合体を使用して想定され、発明の範囲では、これを含むことが意図される。これらの実施形態では、上カプラー、下カプラー、及び好適な連結装置は、上タイロッド、下タイロッド、及び好適なタイロッド装置の代わりに使用されてよい。例として、上カプラー及び下カプラーは、少なくとも1つの中間フランジと高圧端、及び少なくとも1つの中間フランジと低圧端との所望の連結を達成するように好適に適合されてよい、現在周知である、若しくは将来的に今後開発されるいずれかのクランプ、及び/又は好適なクランプ装置の形態を含んでよい、又はこれらの形態であってよい。
【0040】
発明の範囲
本明細書に特に指示がない限り、本明細書の特定の実施形態に関して記載された特徴部、特徴、代替物、又は修正のうちのいずれも、本明細書に記載の任意の他の実施形態に適用され、使用され、又は組み込まれてもよいことを理解されたい。また、本明細書の図面は、尺度どおりに描かれていない。
【0041】
本発明がその例示的な実施形態に関して説明及び例証されてきたが、上記の及び様々な他の追加及び省略は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明において、かつ本発明に対して行われ得る。
ここに、出願当初の特許請求の範囲の記載事項を付記する。
[1] 輪切型ポンプであって、
前記輪切型ポンプに注入される流体を受容するように構成されている低圧端と、
前記輪切型ポンプから注入される前記流体を提供するように構成されている高圧端と、 少なくとも1つの中間フランジ及び前記高圧端を連結するように構成されている上タイロッドと、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記低圧端を連結するように構成されている下タイロッドと、を備える、少なくとも1つの中間フランジを有する少なくとも1つの中間タイロッド集合体と、を含む、輪切型ポンプ。
[2] 前記低圧端が入口フランジを含み、
前記高圧端が出口/吐出フランジを含み、
前記上タイロッドが、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記出口/吐出フランジを連結し、前記下タイロッドが、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記入口フランジを連結する、[1]に記載の輪切型ポンプ。
[3] 前記出口/吐出フランジが、前記上タイロッドの端部を受容するように、孔を備えて構成され、
前記入口フランジが、前記下タイロッドの対応する端部を受容するように、対応する孔を備えて構成され、
前記少なくとも1つの中間フランジが、前記上タイロッドの対向端を受容して、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記出口/吐出フランジを連結するように、第1の関連孔セットを備えて構成され、また、前記下タイロッドの対応する対向端を受容して、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記入口フランジを連結するように、第2の関連孔セットを備えて構成される、[2]に記載の輪切型ポンプ。
[4] 前記出口/吐出フランジが、前記上タイロッドのねじ付き端を受容して、前記出口/吐出フランジ及び前記上タイロッドを連結するように、ねじ付き孔を備えて構成される、[3]に記載の輪切型ポンプ。
[5] 前記入口フランジが、対応する孔により、前記下タイロッドの対応するねじ付き端が前記入口フランジを通り、対応するねじ付きナットで前記入口フランジに固定され得るように構成されている、[3]に記載の輪切型ポンプ。
[6] 前記少なくとも1つの中間フランジが、前記第1の関連孔セットにより、前記上タイロッドのねじ付き対向端が前記少なくとも1つの中間フランジを通り、第1の関連ねじ付きナットセットで前記少なくとも1つの中間フランジに固定され得るように構成されている、[3]に記載の輪切型ポンプ。
[7] 前記中間フランジが、前記第2の関連孔セットにより、前記下タイロッドの対応するねじ付き対向端が前記少なくとも1つの中間フランジを通り、第2の関連ねじ付きナットセットで前記少なくとも1つの中間フランジに固定され得るように構成されている、[3]に記載の輪切型ポンプ。
[8] 前記少なくとも1つの中間フランジが少なくとも1つの中間フランジ連結部を含み、 前記輪切型ポンプが、前記高圧端と前記低圧端との間の少なくとも1つの中間位置において前記少なくとも1つの中間フランジ連結部を受容し、係合するように構成されている、隣接する輪切部、つまり段を含む、[1]に記載の輪切型ポンプ。
[9] 前記輪切型ポンプが、前記低圧端と前記高圧端との間に構成されている輪切部、つまり段を含み、
前記少なくとも1つの中間タイロッド集合体が、前記中間フランジと前記高圧端との間で第1の輪切部セット、つまり段セットを連結する前記上タイロッドを備える高圧中間タイロッド集合体を含み、前記中間フランジと前記低圧端との間で第2の輪切部セット、つまり段セットを連結する前記下タイロッドを備える低圧中間タイロッド集合体を含む、[1]に記載の輪切型ポンプ。
[10] 前記高圧中間タイロッド集合体内の前記上タイロッドの数が、前記低圧中間タイロッド集合体内の対応する前記下タイロッドの数よりも多い、[9]に記載の輪切型ポンプ。
[11] 前記高圧中間タイロッド集合体内で連結される前記第1の輪切部セット、つまり段セットの数が、前記低圧中間タイロッド集合体内で連結される、対応する前記第2の輪切部セット、つまり段セットの数よりも少ない、[9]に記載の輪切型ポンプ。
[12] 前記低圧端が、前記輪切型ポンプに注入される前記流体を受容するように、前記輪切型ポンプの一端に構成されている吸込ベルを含み、
前記高圧端が、前記輪切型ポンプから注入される前記流体を提供し、前記輪切型ポンプを取り付けるように、前記輪切型ポンプの反対端に構成されている吐出ケーシングを含み、
前記少なくとも1つの中間フランジは、前記上タイロッドが前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記吐出ケーシングを連結し、前記下タイロッドが前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記吸込ベルを連結するように構成されている、[1]に記載の輪切型ポンプ。
[13] 前記少なくとも1つの中間タイロッド集合体が、複数の中間タイロッド集合体を含む、[1]に記載の輪切型ポンプ。
[14] 前記少なくとも1つの中間タイロッド集合体が、第1の中間タイロッド集合体と、第2の中間タイロッド集合体と、を含み、
前記第1の中間タイロッド集合体が、第1の中間フランジ及び前記高圧端を連結するように構成されている前記上タイロッドと、前記第1の中間フランジ及び前記第2の中間タイロッド集合体の一部を形成する第2の中間フランジを連結するように構成されている中間タイロッドと、を備える、第1の中間フランジを有し、
前記第2の中間タイロッド集合体が、前記第2の中間フランジ及び前記低圧端を連結するように構成されている下タイロッドを有する、[1]に記載の輪切型ポンプ。
[15] 輪切型ポンプであって、
前記輪切型ポンプに注入される流体を受容するように構成されている低圧端と、
前記輪切型ポンプから注入される前記流体を提供するように構成されている高圧端と、 少なくとも1つの中間フランジ及び前記高圧端を連結するように構成されている上カプラーと、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記低圧端を連結するように構成されている下カプラーと、を備える、少なくとも1つの中間フランジを有する少なくとも1つの中間連結集合体と、を含む、輪切型ポンプ。
[16] 前記上カプラーが上タイロッドを含み、
前記下カプラーが下タイロッドを含む、[15]に記載の輪切型ポンプ。
[17] 前記低圧端が入口フランジを含み、
前記高圧端が出口/吐出フランジを含み、
前記上タイロッドが、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記出口/吐出フランジを連結し、前記下タイロッドが、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記入口フランジを連結する、[16]に記載の輪切型ポンプ。
[18] 装置であって、
処理される流体を受容するように構成されている低圧端と、
前記処理される流体を提供するように構成されている高圧端と、
少なくとも1つの中間フランジ及び前記高圧端を連結するように構成されている上タイロッドと、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記低圧端を連結するように構成されている下タイロッドと、を備える、少なくとも1つの中間フランジを有する少なくとも1つの中間タイロッド集合体と、を含む、装置。
[19] 前記低圧端が入口フランジを含み、
前記高圧端が出口/吐出フランジを含み、
前記上タイロッドが、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記出口/吐出フランジを連結し、前記下タイロッドが、前記少なくとも1つの中間フランジ及び前記入口フランジを連結する、[18]に記載の装置。
[20] 前記装置が輪切型ポンプを含む、[18]に記載の装置。