(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20231023BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231023BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20231023BHJP
H10K 59/126 20230101ALI20231023BHJP
【FI】
G09F9/30 338
H01L29/78 619A
H01L29/78 627A
H01L29/78 612C
H10K59/126
(21)【出願番号】P 2019011438
(22)【出願日】2019-01-25
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】10-2018-0009607
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】鄭 胤 謨
(72)【発明者】
【氏名】李 大 宇
(72)【発明者】
【氏名】徐 壹 勳
(72)【発明者】
【氏名】尹 虎 鎭
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-159280(JP,A)
【文献】特開2002-164354(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0064421(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0035800(US,A1)
【文献】特開2015-188070(JP,A)
【文献】特開2000-258796(JP,A)
【文献】特開2017-162852(JP,A)
【文献】特開2015-194577(JP,A)
【文献】特開2013-225620(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0071698(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0299842(US,A1)
【文献】特開2015-046606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G09G 3/00-3/08
3/12-3/16
3/19-3/26
3/30-3/34
3/38
H04N 5/66-5/74
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に位置し、第1活性層
と第1ゲート電極を有する第1薄膜トランジスタと、
前記第1薄膜トランジスタ上に位置し、前記第1薄膜トランジスタと重なり合う第2活性層
と第2ゲート電極を有する第2薄膜トランジスタと、
前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタとの間に位置し、第1絶縁層及び第2絶縁層を含み、この第2絶縁層は、前記第1絶縁層の上面における、前記第1薄膜トランジスタを覆うことで生じた凸部を除く領域中に配置され、上面が、前記第1絶縁層の凸部の上面と一致する第1平坦化層と、
上部電極及び下部電極を含む第1キャパシタと、
前記第1薄膜トランジスタと前記第1平坦化層との間の導電層と、
前記第1平坦化層と前記第2薄膜トランジスタとの間に位置する第1バッファ層と、を含
み、
前記第1キャパシタの下部電極は、前記第1薄膜トランジスタの第1ゲート電極を含み、前記第1キャパシタの上部電極は、前記導電層を含む、表示装置。
【請求項2】
前記第2活性層のチャネル領域は、前記第1活性層のチャネル領域と重なり合うことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記導電層のパターンには、DC(direct current)電圧が印加されることを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記導電層のパターンには、少なくとも発光
期間に、DC電圧が印加されることを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記導電層のパターンのサイズは、前記第2薄膜トランジスタにおけるゲート電極のサイズより大きいことを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2活性層におけるソース領域からドレイン領域へと向かう方向にて、前記導電層のパターンの中心と、前記第2薄膜トランジスタのゲート電極の中心との離隔距離は、3μm以内であることを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2活性層の厚みは、前記第1活性層の厚みより薄いことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2活性層の厚みは、前記第1活性層の厚みの80%以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2薄膜トランジスタの上に、前記第2薄膜トランジスタと重なり合い、前記第1薄膜トランジスタと連結された表示素子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2薄膜トランジスタと前記表示素子との間に、
第3絶縁層及び第4絶縁層を含み、この第4絶縁層は、前記第3絶縁層の上面における、前記第2薄膜トランジスタを覆うことで生じた凸部を除く領域中に配置され、上面が、前記第3絶縁層の凸部の上面と一致する第2平坦化層と、
前記第2平坦化層上の第2バッファ層と、をさらに含むことを特徴とする請求項
9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2薄膜トランジスタと前記表示素子との間に位置する第5絶縁層をさらに含むことを特徴とする請求項
9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1バッファ層は、シリコン酸化物を含み、
前記第2バッファ層は、シリコン窒化物を含むことを特徴とする請求項
10に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1活性層から延長された第3活性層を有する第3薄膜トランジスタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第2薄膜トランジスタ上に、前記第2活性層と少なくとも一部が重なり合う第2キャパシタをさらに含むことを特徴とする請求項
13に記載の表示装置。
【請求項15】
基板上に、第1活性層
と第1ゲート電極を有する第1薄膜トランジスタを形成する段階と、
前記第1薄膜トランジスタの上部に、前記第1活性層と重なり合う導電層を形成する段階と、
前記
導電層上に、第1絶縁膜及び第2絶縁膜をこの順に形成する段階と、
少なくとも第1薄膜トランジスタと重なり合う領域にて、前記第2絶縁膜をエッチングすることで、上面が平坦化された、第1絶縁膜及び第2絶縁膜を含む第1平坦化層を形成する段階と、
前記第1平坦化層上に、第1バッファ層を形成する段階と、
前記第1バッファ層の上に、前記第1薄膜トランジスタと重なり合う第2活性層
と第2ゲート電極のパターンを有する第2薄膜トランジスタを形成する段階と、を含
み、
前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタとの間に、前記第1薄膜トランジスタの第1ゲート電極を下部電極として含み、前記導電層を上部電極として含む第1キャパシタが形成される、表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記第2薄膜トランジスタを形成する段階より前に、
前記第1平坦化層及び前記第1バッファ層に対する熱処理を行う段階をさらに含むことを特徴とする請求項
15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2薄膜トランジスタ上に、前記第2薄膜トランジスタと重なり合い、前記第1薄膜トランジスタと連結された表示素子を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項
15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記表示素子を形成する段階より前に、
前記第2薄膜トランジスタ上に、第3絶縁膜及び第4絶縁膜をこの順に形成する段階と、
少なくとも第2薄膜トランジスタと重なり合う領域にて、前記第4絶縁膜をエッチングすることで、第3絶縁膜及び第4絶縁膜を含む、上面が平坦化された第2平坦化層を形成する段階と、
前記第2平坦化層の上に、第2バッファ層を形成する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項
17に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、表示素子、及び表示素子に印加される電気的信号を制御するための電子素子を含む。該電子素子は、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)、キャパシタ、及び複数の配線を含む。
【0003】
該表示装置の解像度を上昇させる必要があるということ、及び、1つの表示素子に電気的に連結される薄膜トランジスタの個数が増加していることにより、画素開口率が低下してしまうという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、高解像度または高い画素開口率を具現することができる表示装置を提供することを目的とする。しかしながら、そのような課題は、例示的なものであり、それにより、本発明の範囲が限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態による表示装置は、(i)基板上に位置し、第1活性層を有する第1薄膜トランジスタ;(ii)前記第1薄膜トランジスタ上に位置し、前記第1薄膜トランジスタと重畳する第2活性層を有する第2薄膜トランジスタ;(iii)前記第1薄膜トランジスタと前記第2薄膜トランジスタとの間に位置し、第1絶縁層及び第2絶縁層を含み、この第2絶縁層は、前記第1絶縁層の上面における、前記第1薄膜トランジスタを覆うことで生じた凸部を除く領域中に配置され、上面が、前記第1絶縁層の凸部の上面と一致する第1平坦化層;並びに(iv)前記第1平坦化層と前記第2薄膜トランジスタとの間に位置する第1バッファ層;を含む。
【0006】
前記第1バッファ層は、シリコン酸化物を含んでもよい。
【0007】
前記表示装置は、前記第1薄膜トランジスタと前記第1平坦化層との間に、前記第2活性層と重なり合う導電層のパターンをさらに含んでもよい。
【0008】
前記導電層のパターンには、DC(direct current)電圧が印加されうる。
【0009】
前記導電層のパターンには、少なくとも発光区間中にDC電圧が印加されうる。
【0010】
前記導電層のパターンは、前記第2薄膜トランジスタのゲート電極より大きくともよい。
【0011】
前記導電層の中心と、前記第2薄膜トランジスタのゲート電極の中心との離隔距離は、3μm以内でありうる。
【0012】
前記第2活性層の厚みは、前記第1活性層の厚みより薄くともよい。
【0013】
前記第2活性層の厚みは、前記第1活性層の厚みの80%以下でありうる。
【0014】
前記表示装置は、前記第2薄膜トランジスタ上に、前記第2薄膜トランジスタと重なり合い、前記第1薄膜トランジスタと連結された表示素子をさらに含んでもよい。
【0015】
前記表示装置は、前記第2薄膜トランジスタと前記表示素子との間に、第3絶縁層及び第4絶縁層を含み、この第4絶縁層は、前記第3絶縁層の上面における、前記第2薄膜トランジスタを覆うことで生じた凸部を除く領域中に配置され、上面が、前記第3絶縁層の上面と一致する第2平坦化層;並びに、前記第2平坦化層上の第2バッファ層;をさらに含んでもよい。
【0016】
前記表示装置は、前記第2薄膜トランジスタと前記表示素子との間に位置する第5絶縁層をさらに含んでもよい。
【0017】
前記第2バッファ層は、シリコン窒化物を含んでもよい。
【0018】
前記表示装置は、前記第1活性層から延長された第3活性層を有する第3薄膜トランジスタをさらに含んでもよい。
【0019】
前記表示装置は、前記第2薄膜トランジスタ上に、前記第2活性層と少なくとも一部が重なり合うキャパシタをさらに含んでもよい。
【0020】
本発明の一実施形態による表示装置の製造方法は、(i)基板上に、第1活性層を有する第1薄膜トランジスタを形成する段階と、(ii)前記第1薄膜トランジスタ上に、第1絶縁膜及び第2絶縁膜をこの順に形成する段階と、(iii)少なくとも第1薄膜トランジスタと重なり合う領域にて、前記第2絶縁膜をエッチングすることで、上面が平坦化された、第1絶縁膜及び第2絶縁膜を含む第1平坦化層を形成する段階と、(iv)前記第1平坦化層上に第1バッファ層を形成する段階と、(v)前記第1バッファ層の上に、前記第1薄膜トランジスタと重なり合う第2活性層を有する第2薄膜トランジスタを形成する段階と、を含む。
【0021】
前記製造方法は、前記第2薄膜トランジスタを形成する段階より前に、前記第1平坦化層及び前記第1バッファ層の熱処理を行う段階をさらに含んでもよい。
【0022】
前記製造方法は、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜を形成する段階より前に、前記第1薄膜トランジスタ上に、前記第1活性層と重なる導電層のパターンを形成する段階をさらに含み、前記第2薄膜トランジスタは、前記導電層と重畳する。
【0023】
前記製造方法は、前記第2薄膜トランジスタ上に、前記第2薄膜トランジスタと重なり合い、前記第1薄膜トランジスタと連結された表示素子を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0024】
前記製造方法は、前記表示素子形成する段階より前に、前記第2薄膜トランジスタ上に、第3絶縁膜及び第4絶縁膜をこの順に形成する段階と、少なくとも第2薄膜トランジスタと重なり合う領域にて、前記第4絶縁膜をエッチングすることで、第3絶縁膜及び第4絶縁膜を含む、上面が平坦化された第2平坦化層を形成する段階と、前記第2平坦化層の上部に、第2バッファ層を形成する段階と、をさらに含みうる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施形態による表示装置は、画素内薄膜トランジスタの配列を最適化し、高解像度または高い画素開口率の具現が可能な表示装置を提供することができる。ここで、そのような効果により、本発明の範囲が限定されるものではないということは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態による半導体装置を図示した断面図である。
【
図1A】
図1に図示された半導体装置の一部を示した平面図である。
【
図2】本発明の他の実施形態による半導体装置を図示した断面図である。
【
図2A】
図2に図示された半導体装置の一部を示した平面図である。
【
図3A】
図2に図示された導電層と第2ゲート電極との位置及び電圧関係を示す図面である。
【
図3B】
図2に図示された導電層と第2ゲート電極との位置及び電圧関係を示す図面である。
【
図3C】
図2に図示された導電層と第2ゲート電極との位置及び電圧関係を示す図面である。
【
図4A】本発明の一実施形態による半導体装置の製造工程について概略的に説明する図面である。
【
図4B】本発明の一実施形態による半導体装置の製造工程について概略的に説明する図面である。
【
図5】本発明の一実施形態による半導体装置の製造工程について概略的に説明する図面である。
【
図6】本発明の一実施形態による半導体装置の製造工程について概略的に説明する図面である。
【
図7】本発明の一実施形態による半導体装置の製造工程について概略的に説明する図面である。
【
図8】本発明の一実施形態による半導体装置の製造工程について概略的に説明する図面である。
【
図9】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示した斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示した平面図である。
【
図11】本発明の一実施形態による第1画素の回路図である。
【
図13】本発明の他の実施形態による第2画素の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態に具現されうる。
【0028】
以下の実施形態において、第1、第2といった用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用されている。
【0029】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上、明白に異なるように意味していない限り、複数の表現を含む。
【0030】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」といった用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。
【0031】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素のような部分が、他の部分の上または上部にあるとするとき、他の部分のすぐ上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0032】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素が、その大きさについて誇張されていたり縮小されていたりする。例えば、図面に示された各構成についての大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されているので、本発明は、必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
【0033】
ある実施形態が、異なって具現可能である場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なるように行われることもありうる。例えば、連続して説明される2つの工程が、実質的に同時に遂行されることもありうるのであり、説明される順序とは逆の順序で進められることもありうる。
【0034】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明するが、図面を参照して説明する際、同一であるか、あるいは対応する構成要素については、同一の図面符号を付し、それに係わる重複説明は、省略する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による半導体装置を図示した断面図である。
図1Aは、
図1に図示された半導体装置の一部を示した平面図である。
【0036】
図1を参照すれば、一実施形態による半導体装置10aは、基板100上の第1薄膜トランジスタ200、及び、第2薄膜トランジスタ300を含むのでありうる。第1薄膜トランジスタ200と第2薄膜トランジスタ300とは、互いに異なる層に配置されて、断面図で見て上下に、重なり合うように配置されうる。
【0037】
第1薄膜トランジスタ200は、第1活性層201、第1ゲート電極202、第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204を含むのでありうる。第1活性層201は、第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204にそれぞれコンタクトする、ソース領域及びドレイン領域と、これらの領域の間のチャンネル領域と、を含むのでありうる。
【0038】
第1薄膜トランジスタ200は、第1バッファ層101上に配置されうる。第1バッファ層101は、省略されてもよい。
【0039】
第2薄膜トランジスタ300は、第2活性層301、第2ゲート電極302、第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304を含むのでありうる。第2活性層301は、第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304にそれぞれコンタクトする、ソース領域及びドレイン領域と、これらの領域の間のチャンネル領域と、を含むのでありうる。
【0040】
第2活性層301は、第1活性層201と少なくとも一部が重なり合う。第2活性層301の厚みは、第1活性層201の厚みより薄い。ここで、該厚みは、底面に垂直の方向にて測定された距離でありうる。第2活性層301の厚みは、第1活性層201の厚みの80%以下でありうるのであり、ここで、第2薄膜トランジスタ200の特性にしたがって、第1活性層201の厚みの下限が決定されうる。
【0041】
一実施形態において、第2薄膜トランジスタ300の下方に配置される配線及び/または電極は、一定のDC(直流;direct current)電圧が印加される配線及び/または電極でありうる。他の実施形態において、第2薄膜トランジスタ300の下方に配置される配線及び/または電極は、AC(交流;alternating current)電圧が印加される配線及び/または電極でありうる。この場合、AC電圧が印加される配線及び/または電極は、少なくとも、一定の期間に一定の電圧が印加される、配線及び/または電極でありうる。一実施形態において、AC電圧が印加される配線及び/または電極は、第2薄膜トランジスタ300の一の電極とのカップリングにより、輝度に影響を与える期間、例えば、少なくとも、スレショルド電圧(しきい値電圧;threshold voltage)補償期間、データ書き込み期間及び発光期間には、それぞれ一定の電圧が印加される配線及び/または電極でありうる。
【0042】
第2薄膜トランジスタ300の下方に配置される配線及び/または電極は、第2ゲート電極302よりも、大きいサイズまたは大きい面積を有することができる。第2薄膜トランジスタ300の下方に配置される配線及び/または電極は、少なくとも一方のエッジが、第2ゲート電極302の対応するエッジよりも所定の長さだけ外側に位置するように、拡張されうる。例えば、第2薄膜トランジスタ300の下方に配置される配線及び/または電極は、少なくとも一方のエッジが、第2ゲート電極302における対応するエッジよりも1.5μm以上外側に位置するように、拡張されうる。
【0043】
第1薄膜トランジスタ200の第1ゲート電極202が、第2薄膜トランジスタ300の下方に配置される電極の例でありうる。
図1Aは、第1薄膜トランジスタ200の第1ゲート電極202と、第2薄膜トランジスタ300の第2ゲート電極302との位置、及び大きさの関係を示した平面図であり、
図1Aの紙面の上下方向が、
図1の紙面の左右方向となっている。
図1及び
図1Aを共に参照すれば、第1ゲート電極202は、左右のエッジが、第2ゲート電極302の左右のエッジより外側に位置するように、左右の側に所定長さLだけ、拡張されているのでありうる。
図1及び
図1Aにおいては、第1ゲート電極202の左右両端のエッジが、より外側に位置するように拡張されているが、本発明の実施形態は、それに限定されるものではなく、第1ゲート電極202の少なくとも一方のエッジが、第2ゲート電極302における対応するエッジよりも外側に位置するように、拡張されているのでありうる。第1ゲート電極202における、左右両端のエッジが外側にシフトする拡張長さLは、互いに異なりうる。
【0044】
第1薄膜トランジスタ200と第2薄膜トランジスタ300との間には、第1薄膜トランジスタ200を覆い、第3絶縁層104及び第4絶縁層105を含む平坦化層PAVが配置されうる。平坦化層PAVは、第3絶縁層104の配置領域の一部(上面の高さが低い凹陥部)に、第4絶縁層105が挿入されるようにして、2層の絶縁層が組み合わされた構造を有することができる。それにより、第1薄膜トランジスタ200に起因して第3絶縁層104が有する、凹凸状の非平坦性が除去されうる。
【0045】
第4絶縁層105は、第3絶縁層104の配置領域中の一部の領域(凹陥部)上に配置され、第3絶縁層104の非凹陥部(特には第2薄膜トランジスタ300の領域)の上面と、第4絶縁層105の上面とは、高さがほぼ一致し、全体として、互いに連続した平坦な上面を形成することができる。
【0046】
平坦化層PAVの上部には、第2バッファ層106が配置されてもよい。第2薄膜トランジスタ300は、第2バッファ層106上部に配置されうる。
【0047】
図2は、本発明の他の実施形態による半導体装置を図示した断面図である。
図2Aは、
図2に図示された半導体装置の一部を示した平面図である。
【0048】
図2に図示された半導体装置10bは、
図1に図示された半導体装置10aに、導電層400のパターンが追加された点に違いがある。以下では、
図1に関連して説明した内容と重複する内容の説明については、省略する。
【0049】
図2の実施形態において、導電層400のパターンは、第1薄膜トランジスタ200と第2薄膜トランジスタ300との間に配置されうる。導電層400は、第1薄膜トランジスタ200の第1ゲート電極202、及び第2薄膜トランジスタ300の第2ゲート電極302と少なくとも一部が重なり合うように配置されうる。
【0050】
導電層400のパターンは、第2薄膜トランジスタ300の下方に配置される電極の例でありうる。このような導電層400のパターンは、第2ゲート電極302よりも大きいサイズまたは大きい面積を有することができる。導電層400のパターンは、その少なくとも一方のエッジが、第2ゲート電極302における対応するエッジよりも所定の長さだけ外側に位置するように、拡張されうる。例えば、導電層400のパターンのエッジが、第2ゲート電極302のエッジよりも1.5μm以上外側に位置するように、拡張されうる。
【0051】
図2Aは、導電層400のパターンと、第2薄膜トランジスタ300の第2ゲート電極302との位置、及び大きさの関係を示した平面図であり、
図2Aの紙面の上下方向が、
図2の紙面の左右方向となっている。
図2及び
図2Aを共に参照すれば、導電層400のパターンは、その一方のエッジが、第2ゲート電極302における対応するエッジよりも外側に位置するように、所定の長さLだけ拡張されているのでありうる。
図2及び
図2Aにおいては、導電層400のパターンの左右両端のエッジが、より外側に位置するように拡張されているが、本発明の実施形態は、それに限定されるものではなく、導電層400のパターンの少なくとも一方のエッジが、第2ゲート電極302における対応するエッジよりも外側に位置するように、拡張されているのでありうる。導電層400のパターンにおける、左右両端のエッジが外側にシフトする拡張長さLは、互いに異なりうる。
【0052】
表1は、導電層400のパターンが具備されない場合に、第1ゲート電極202の電圧VGAT1が変わることにより、第2薄膜トランジスタ300のスレショルド(しきい値)電圧Vth_satが変化する量についての実験結果を示す。
【0053】
【0054】
表1から分かるように、第1ゲート電極202の電圧変化が大きくなるにつれ、第2薄膜トランジスタ300のスレショルド電圧Vth_satの変化量が大きくなるということを確認することができる。
【0055】
一方、実験により、第2ゲート電極302の電圧が変わっても、第1薄膜トランジスタ200の電流特性の変化が微々たるものであるということを確認した。それは、第1ゲート電極202の遮蔽効果により、第2ゲート電極302の電圧変化が、第1薄膜トランジスタ200のチャンネルに影響を与えないからである。
【0056】
図2に図示された実施形態は、第1薄膜トランジスタ200と第2薄膜トランジスタ300との間に導電層400のパターンを具備するので、第1薄膜トランジスタ200と第2薄膜トランジスタ300とのカップリングを遮断することにより、第2薄膜トランジスタ300について、動作をさらに安定させて駆動させることができる。
【0057】
導電層400のパターンには、一定のDC電圧が印加される。該DC電圧は、半導体装置10bに印加されるDC電源のうちの一つであるか、あるいはそれらと別個に追加された電圧でありうる。一実施形態において、導電層400のパターンは、第1薄膜トランジスタ200の第1ゲート電極202を一方の電極とするキャパシタにおける他方の電極でありうる。
【0058】
図3Aないし
図3Cは、
図2に図示された、導電層のパターンと第2ゲート電極との間における位置及び電圧の関係を示す図面である。
図3Aないし
図3Cの上部にそれぞれ示す、位置関係を示すための断面図においては、説明の便宜のために、第1活性層201のパターン、第1ゲート電極202、導電層400のパターン、第2活性層301のパターン及び第2ゲート電極302についてのみ図示した。なお、
図3A~3Cに関連して、第2薄膜トランジスタ300は、
図2のようなトップゲート型であり、チャネル幅が2.3μm、チャネル長が1.95μmである。
【0059】
図3Aないし
図3Cの下部にそれぞれ示すグラフには、第1ゲート電極201に、5Vと-30Vとの間をスウィープするゲート電圧が印加され、導電層400のパターンに、9Vの電圧が印加される例についての実験結果を示す。
図3Aないし
図3Cのグラフには、それぞれ
図3Aないし
図3Cの上部に示す位置関係において、第2薄膜トランジスタ300のドレイン電圧Vdが、0.1Vであるときと、-5.1Vであるときとにおける、第2薄膜トランジスタ300のドレイン電流とゲート電圧との関係を示す。すなわち、各グラフに、2つのドレイン電圧の曲線を、共に図示している。
図3Aないし
図3Cに示す例は、導電層400のパターンと、第2活性層301のパターンとの間で、中心線の位置、または、ソース領域からドレイン領域へとチャネル領域を横切る方向での中心の位置が一致する場合である。
【0060】
図3Aを参照すれば、第2ゲート電極302の中心位置、すなわちチャネル領域を横切る方向(図の左右方向)での第2ゲート電極の中心の位置が、導電層400のパターンの中心位置(チャネル領域を横切る方向での導電層のパターンの中心の位置)から、図の左方、すなわち、ソース電極(
図2)の側におよそ2μm外れた場合、第2薄膜トランジスタ300の飽和領域において、スレショルド電圧Vthの変化量ΔVthは、およそ0.18Vである。
【0061】
図3Bを参照すれば、第2ゲート電極(第2ゲート電極の中心)302の位置と、導電層のパターン(導電層のパターンの中心)400の位置とが一致する場合、第2薄膜トランジスタ300の飽和領域において、スレショルド電圧Vthの変化量ΔVthは、およそ0.1Vである。
【0062】
図3Cを参照すれば、第2ゲート電極(第2ゲート電極の中心)302の位置が、導電層のパターン(導電層のパターンの中心)400の位置から、図の右方、すなわち、ドレイン電極(
図2)の側におよそ2μm外れた場合、第2薄膜トランジスタ300の飽和領域において、スレショルド電圧Vthの変化量ΔVthは、およそ0.25Vである。
【0063】
表2は、
図3Aないし
図3Cの例において、導電層400のパターンに印加される電圧が、-2V、0V及び9Vであるとき、第2薄膜トランジスタ300の飽和領域において、スレショルド電圧Vthの変化量ΔVthを示す。
【0064】
【0065】
表2を参照すれば、導電層400に対する第2ゲート電極302の位置移動(shift)が、第2薄膜トランジスタ300のスレショルド電圧Vthに及ぼす影響は、導電層400の電圧が、第2薄膜トランジスタ300のスレショルド電圧Vthに及ぼす影響より大きいということが分かる。
【0066】
本発明の実施形態において、導電層400と第2ゲート電極302のパターンとの整列誤差(misalign)の範囲は、第2薄膜トランジスタ300のスレショルド電圧Vthの変化量ΔVthが、0.44V(第2トランジスタ300のスレショルド電圧の分布を基に獲得)より小さくなるように設定することができる。該整列誤差は、導電層400のパターンの中心と、第2ゲート電極302の中心との間の距離でありうる。導電層400と第2ゲート電極302との整列誤差の範囲は、およそ0ないし3μm、0.1ないし3μm、3μm未満または2μm以下でありうる。
【0067】
図4Aないし
図8は、本発明の一実施形態による半導体装置の製造工程について概略的に説明する図面である。
【0068】
図4Aを参照すれば、基板100上に、第1薄膜トランジスタ200が形成されうる。
【0069】
基板100上に、第1バッファ層101が配置されうる。
【0070】
基板100は、ガラス、金属またはプラスチックなど多様な素材から構成されうる。一実施形態によれば、基板100は、フレキシブル素材の基板を含むものでありうる。ここで、該フレキシブル素材の基板とは、容易に湾曲または屈曲させることができ、折り畳んだり巻いたりすることができる基板を指す。そのようなフレキシブル素材の基板は、超薄型ガラス、金属またはプラスチックから構成されうる。
【0071】
第1バッファ層101は、基板100を介して不純物元素が浸透することを遮断し、表面を平坦化させる機能を遂行し、シリコン窒化物(SiNx)及び/またはシリコン酸化物(SiOx)といった無機物によって、単層膜として、または複数層からなる積層膜として形成されうる。第1バッファ層101は、省略されてもよい。
【0072】
第1バッファ層101上に半導体層を形成した後、該半導体層をパターニングし、第1薄膜トランジスタ200における第1活性層201のパターンを形成することができる。該半導体層は、多様な物質を含むのででありうる。例えば、該半導体層は、非晶質シリコンまたは結晶質シリコンといった無機半導体物質を含むのでありうる。他の例として、該半導体層は、酸化物半導体を含むものや有機半導体物質を含むものでありうる。
【0073】
基板100上に、第1活性層201を覆うように、第1絶縁層102が形成されうる。第1絶縁層102は、無機絶縁膜でありうる。第1絶縁層102は、SiOx、SiNx、シリコン酸窒化物(SiON)、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された1以上の絶縁膜が、単層または複数層に形成されたものでありうる。
【0074】
第1絶縁層102上に、第1ゲート電極202が形成されうる。
【0075】
第1ゲート電極202は、多様な導電性物質から形成することができる。例えば、第1ゲート電極202は、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)のうちの一つ以上の金属により、単層膜または積層膜として形成されうる。第1ゲート電極202は、第1活性層201のパターンの少なくとも一部と重なり合うのでありうる。
【0076】
一実施形態において、第1ゲート電極202をマスクにして、Bイオン不純物またはPイオン不純物を、第1活性層201にドーピングすることができる。それにより、第1活性層201は、イオン不純物がドーピングされたソース領域及びドレイン領域と、その間のチャンネル領域とを具備することができる。
【0077】
第1ゲート電極202上に、第2絶縁層103を形成することができる。第2絶縁層103は、無機絶縁膜でありうる。第2絶縁層103は、SiOx、SiNx、SiON、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の、シリコンまたは金属の酸化/窒化物より形成された、単層膜または積層膜でありうる。他の実施形態において、第2絶縁層103は、有機絶縁膜でありうる。
【0078】
第1絶縁層102が形成されるとともに、第2絶縁層103がパターニングされて、第1活性層201のソース領域及びドレイン領域の一部を露出させるコンタクトホールCH1が形成されるのでありうる。
【0079】
第2絶縁層103上に、第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204が形成されうる。第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204は、多様な導電性物質から形成することができる。例えば、第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204は、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)のうちの一つ以上の金属により、単層膜または積層膜で形成されうる。第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204は、第1ゲート電極202と同一の物質または異なる物質から形成されうる。第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204は、コンタクトホールCHを介して、第1活性層201のソース領域及びドレイン領域とそれぞれコンタクトすることができる。
【0080】
図4Bを参照すれば、第2絶縁層103上に、導電層400のパターンがさらに形成されうる。導電層400のパターンは、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)のうちの一つ以上の金属により、単層膜または積層膜として形成されうる。導電層400は、第1ゲート電極202、第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204と同一の物質または異なる物質から形成されうる。すなわち、導電層400は、第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204の形成と同時に、または別個の工程によって形成されうる。
【0081】
図5を参照すれば、基板100上に、導電層400を覆うように、第3絶縁膜104a及び第4絶縁膜105aをこの順に蒸着することができる。第3絶縁膜104aは、下方にある第1薄膜トランジスタ200の構造物に起因する、凸部と凹部との間の段差ΔHを有することができる。
【0082】
第3絶縁膜104aは、SiOx、SiNx、SiON、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の、シリコンまたは金属の酸化/窒化物より形成された、単層膜または積層膜でありうる。
【0083】
第4絶縁膜105aは、SiOx、SiNx、SiON、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の、シリコンまたは金属の酸化/窒化物より形成された、単層膜または積層膜でありうる。
【0084】
第4絶縁膜105aの組成物は、第3絶縁膜104aの組成物と異なることが望ましい。第4絶縁膜105aの組成物は、少なくとも、第3絶縁膜104aにおける上層の膜の組成物と異なることが望ましい。例えば、第3絶縁膜104aは、SiOxを含む単層の絶縁膜であるか、あるいはSiOxを含む下層の絶縁膜と、SiNxを含む上層の絶縁膜との積層膜でありうる。この場合、第4絶縁膜105aは、SiOxを含む絶縁膜でありうる。
【0085】
図6を参照すれば、第1薄膜トランジスタ200の近傍の領域にて、すなわち、第3絶縁膜104aが凸部をなす領域にて、第3絶縁膜104aの上面が露出されるように、第4絶縁膜105aを除去する。このようにして、第3絶縁層104及び第4絶縁層105を含む平坦化層PAVを形成することができる。すなわち、基板100の上面からの高さが均一な、平坦な上面をなすようにすることができる。凸部の領域にて第4絶縁膜105aを除去する間に、第3絶縁膜104aの一部が共に除去されうる。
【0086】
第4絶縁膜105aは、多様なエッチング工程によって除去されうる。例えば、該エッチング工程は、乾式エッチングまたは化学的機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)などの研磨法を含むのでありうる。ここで、該CMPは、被加工物の表面を、化学的及び機械的な作用によって平坦化させる技法である。該CMPは、研磨パッドの表面上に被加工物を接触させた状態にて、スラリーを供給して被加工物の表面を化学的に反応させながら、プラテン(platen)と研磨ヘッド(polishing head)とを相対運動させることで機械的に被加工物の表面を平坦化させる技法である。
【0087】
図6によるエッチング工程の結果、下方にある第1薄膜トランジスタ200及び導電層400のパターンに起因する凸部及び凹部を含む第3絶縁膜104aは、その凹部が、第4絶縁膜105aによって充填された形態となる。
【0088】
第3絶縁層104の上面は、第4絶縁層105の上面と高さが一致して、同一の幾何学的平面中に位置し、全体として一つの平坦面を形成することができる。それにより、その後形成される上方の膜に対する下方の配線パターンによる影響を減らし、上方の膜による被覆性を向上させることができる。該エッチング工程後、第3絶縁層104における凸部と凹部との間の段差ΔH’は、
図5の工程での第3絶縁膜104aの段差ΔH以下でありうる。すなわち、第1薄膜トランジスタ200の近傍にて、第4絶縁膜105aを除去した後には、第3絶縁層104の凸部の突出高さが、維持されるか、または、ある程度だけ減少することになりうる。
【0089】
図7を参照すれば、第3絶縁層104及び第4絶縁層105の上の平坦面上に、第2バッファ層106を形成することができる。
【0090】
第2バッファ層106は、SiOx、SiNx、SiON、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の、シリコンまたは金属の酸化/窒化物より形成された、単層膜または積層膜でありうる。例えば、第2バッファ層106は、SiOxを含む絶縁膜、さらに具体的にはSiO2を含む絶縁膜でありうる。または、第2バッファ層106は、SiO2を含む下層の絶縁膜と、SiONを含む上層の絶縁膜との積層膜でありうる。
【0091】
次に、第2バッファ層106及び平坦化層PAVの熱処理を行うことができる。該熱処理は、脱水素処理を含むのでありうる。
【0092】
第2バッファ層106は、下方の絶縁層から発生する水素(H2)が、上方の膜に拡散することを防ぐ、バリア(barrier)機能を遂行することができる。
【0093】
図8を参照すれば、第2バッファ層106上部に、第2薄膜トランジスタ300を形成することができる。
【0094】
第2バッファ層106上に、半導体層を形成した後、該半導体層をパターニングして、第2薄膜トランジスタ300の第2活性層301のパターンを形成することができる。該半導体層は、多様な物質を含むのでありうる。例えば、該半導体層は、非晶質シリコンまたは結晶質シリコンといった無機半導体物質を含むのでありうる。他の例として、該半導体層は、酸化物半導体を含むのであるか、有機半導体物質を含むのでありうる。該半導体層は、ELA(excimer laser annealing)によって結晶化されうる。
【0095】
第2活性層301の厚みは、第1活性層201の厚みの80%以下でありうる。ELAによる半導体層の結晶化時に、レーザー光のエネルギーレベルが高ければ、下方の膜が損傷されうる。従って、本発明の実施形態において、第2活性層301の厚みを薄くし、下方の膜に影響を与えないレーザーエネルギー領域において、ELA結晶化を行うようにする。第2活性層301の厚みの下限は、素子の特性を考慮して決定することができる。
【0096】
基板100上部に、第2活性層301を覆い、第5絶縁層107が形成されもする。第5絶縁層107は、無機絶縁膜でもある。第5絶縁層107は、SiOx、SiNx、SiON、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の絶縁膜が、単層または複数層にも形成される。
【0097】
第5絶縁層107上部に、第2ゲート電極302が形成されもする。
【0098】
第2ゲート電極302は、多様な導電性物質から形成することができる。例えば、第2ゲート電極302は、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)のうちの一つ以上の金属により、単層膜または積層膜として形成されうる。第2ゲート電極302は、第2活性層301のパターンの少なくとも一部と重ね合わされる。
【0099】
一実施形態において、第2ゲート電極302をマスクにして、B(ボロン)イオン不純物またはP(リン)イオン不純物を、第2活性層301にドーピングすることができる。それにより、第2活性層301は、イオン不純物がドーピングされたソース領域及びドレイン領域と、その間のチャンネル領域と、を具備することができる。
【0100】
第2ゲート電極302上に、第6絶縁層108を形成することができる。第6絶縁層108は、無機絶縁膜でありうる。第6絶縁層108は、SiOx、SiNx、SiON、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の、シリコンまたは金属の酸化/窒化物より形成された、単層膜または積層膜でありうる。他の実施形態において、第6絶縁層108は、有機絶縁膜でありうる。
【0101】
第5絶縁層107及び第6絶縁層108がパターニングされることで、第2活性層301のパターン中、ソース領域及びドレイン領域の一部を露出させるコンタクトホールCH2が形成されうる。
【0102】
第6絶縁層108上に、第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304が形成されうる。第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304は、多様な導電性物質から形成することができる。例えば、第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304は、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)のうちの一つ以上の金属により、単層膜または積層膜として形成されうる。第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304は、第2ゲート電極302と同一の物質または異なる物質から形成されうる。第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304は、コンタクトホールCHを介して、第2活性層301のソース領域及びドレイン領域と、それぞれコンタクトすることができる。
【0103】
次に、基板100上部に、第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304を覆い、第7絶縁層109(
図1及び
図2)を形成することができる。第7絶縁層109は、SiO
x、SiN
x、SiON、Al
2O
3、TiO
2、Ta
2O
5、HfO
2、ZrO
2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の無機絶縁材料より形成された、単層膜または積層膜でありうる。他の実施形態において、第7絶縁層109は、一般の汎用高分子(ポリ(メタ)アクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)など)、フェノール基を有する高分子誘導体、その他のアクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子、及びそれらのブレンドなどのうちから選択された一つ以上の有機絶縁材料より形成された、単層膜または積層膜でありうる。
【0104】
図9は、本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示した斜視図であり、
図10は、本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示した平面図である。
【0105】
図9及び
図10を参照すれば、本発明の一実施形態による表示装置1は、第3方向に順に積層された基板100、基板100上の表示部130、及び表示部130を覆う封止部材150を含む。
【0106】
表示装置1は、液晶表示装置(liquid crystal display)、有機発光表示装置(organic light emitting display)、電気泳動表示装置(electrophoretic display)またはエレクトロウェティング表示装置(electrowetting display panel)などでありうる。以下では、該有機発光表示装置を例として説明する。
【0107】
基板100は、表示領域DAと、表示領域DAの外側の周辺領域PAと、を含む。
【0108】
表示領域DAには、複数の画素PXが、第1方向及び第2方向に配列された表示部130が形成されうる。各画素PXは、表示素子、及び表示素子に電気的に連結された画素回路を含みうる。画素回路は、少なくとも1つの薄膜トランジスタ、及び少なくとも1つのキャパシタを含みうる。
【0109】
封止部材150は、ディスプレイ部130上に積層された一つ以上の薄膜を含みうる。一実施形態において、封止部材150は、複数層の薄膜を含み、外部からの水分及び/または空気が、表示部130にまで浸透することを防止することができる。
【0110】
図11は、本発明の一実施形態による第1画素PX1の回路図である。
【0111】
図11を参照すれば、一実施形態による表示装置1の第1画素PX1は、画素回路、及び該画素回路に連結された表示素子EDを含みうる。該画素回路は、第1トランジスタT11、第2トランジスタT12及びキャパシタC11を含みうる。
【0112】
第1トランジスタT11は、第2トランジスタT12の第2電極に連結されたゲート電極、第1電源電圧ELVDDが入力される第1電極、及び、表示素子EDに連結された第2電極を含む。
【0113】
第2トランジスタT12は、走査線SLに連結されたゲート電極、データ線DLに連結された第1電極、及び、第1トランジスタT11のゲート電極に連結された第2電極を含む。
【0114】
キャパシタC11は、第1トランジスタT11のゲート電極と、第2トランジスタT12の第2電極とに連結された第1電極、及び、第1電源電圧ELVDDが入力される第2電極を含む。
【0115】
表示素子EDは、第1トランジスタT11を介して画素回路に連結されうる。表示素子EDは、有機発光素子(OLED)でありうる。有機発光素子(OLED)は、第1トランジスタT11の第2電極に連結された第1電極、第2電源電圧ELVSSが入力される第2電極、及び、第1電極と第2電極との間の発光層を含む。
【0116】
第1電源電圧ELVDDは、第2電源電圧ELVSSよりも高い電圧でありうる。
【0117】
図11では、P型トランジスタによって具現された画素を図示したが、本発明の実施形態の画素は、N型トランジスタによっても具現されうるということは言うまでもない。
【0118】
【0119】
図12の実施形態の説明において、
図11のトランジスタの第1電極及び第2電極が、それぞれ、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極であるとして、2種類の電極名を混用することにする。
【0120】
図12を参照すれば、第1画素PX1は、前述の半導体装置10a,10bの第1薄膜トランジスタ200及び第2薄膜トランジスタ300を利用することができる。第1薄膜トランジスタ200及び第2薄膜トランジスタ300の製造工程は、前述の半導体装置の製造工程と同一である。
【0121】
第1トランジスタT11は、前述の第1薄膜トランジスタ200によって具現されうる。第1薄膜トランジスタ200は、第1活性層201、第1ゲート電極202、第1ソース電極203、及び第1ドレイン電極204を含みうる。第1ソース電極203、及び第1ドレイン電極204は、それぞれ、コンタクトホールCH1を介して、第1活性層201のソース領域及びドレイン領域と電気的に連結されうる。
【0122】
第2トランジスタT12は、前述の第2薄膜トランジスタ300によって具現されうる。第2薄膜トランジスタ300は、第2活性層301、第2ゲート電極302、第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304を含んでもよい。
【0123】
キャパシタC11は、第1ゲート電極202を第1電極とし、導電層400のパターンを第2電極とすることで具現されうる。
【0124】
導電層400のパターンには、一定の電圧、すなわち、第1電源電圧ELVDDが印加されうる。
【0125】
第2薄膜トランジスタ200の第2活性層301及び第2ゲート電極302は、導電層400のパターンと、少なくとも一部が重なり合うように配置されうる。また、導電層400のパターンは、第1トランジスタT11の第1ゲート電極202が、第2薄膜トランジスタ200のバックチャネル(back channel)に影響を与えないように、第2ゲート電極302よりも大きく形成されるのでありうる。導電層400のパターンは、そのエッジが、第2ゲート電極302のエッジから、およそ1.5μm以上離間されるように拡張されたものでありうる。従って、導電層400のパターンが遮蔽層として機能し、第2薄膜トランジスタ200に対する、第1ゲート電極202といった下方にある配線及び/または電極の電位による影響を最小化させることができる。
【0126】
第1薄膜トランジスタ200と第2薄膜トランジスタ300との間には、第3絶縁層104と第4絶縁層105とを含む平坦化層PAVが配置されうる。平坦化層PAV上には、バッファ層106が配置されうる。
【0127】
基板100上に、第2薄膜トランジスタ300を覆うように、第7絶縁層109が配置されうる。
【0128】
第3絶縁膜104ないし第7絶縁層109には、第1薄膜トランジスタ200の第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204のうちの一方(
図12では、第1ドレイン電極204)における一部を露出させるコンタクトホールCH3が具備されうる。
【0129】
第7絶縁層109上に、コンタクトホールCH3を充填しつつ、連結電極500が配置されうる。連結電極500は、第1ドレイン電極204とコンタクトすることができる。連結電極500は、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジウム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)のうちの一つ以上の金属により、単層膜または積層膜として形成されうる。
【0130】
第7絶縁層109上に、連結電極500を覆い、第8絶縁層110が配置されうる。第8絶縁層110は、有機物質から構成された単層または複数層でもある。第8絶縁層110は、一般の汎用高分子(PMMA、PSなど)、フェノール基を有する高分子誘導体、その他のアクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子、及びそれらのブレンドなどを含むのでありうる。例えば、第8絶縁層110は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂などを含むのでありうる。第8絶縁層110は、上面が平坦な、平坦化層として機能することができる。
【0131】
第8絶縁層110には、連結電極500の一部を露出させるビアホールVIAが具備されうる。
【0132】
第8絶縁層110上に、表示素子600が配置されてもよい。表示素子600は、第1電極601、第1電極601に対向する第2電極603、及び、第1電極601と第2電極603との間の中間層602を含むのでありうる。
【0133】
第1電極601は、ビアホールVIAを充填することで、連結電極500とコンタクトすることができる。それにより、第1電極601は、第1薄膜トランジスタ200と電気的に連結される。
【0134】
第8絶縁層110上に、第1電極601におけるエッジの近傍、及びその外側を覆うように、第9絶縁層111が配置されうる。第9絶縁層111は、SiOx、SiNx、SiON、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の無機絶縁材料により形成された、単層膜または積層膜でありうる。他の実施形態において、第7絶縁層109は、一般汎用高分子(PMMA、PS)、フェノール基を有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子、及びそれらのブレンドなどのうちから選択された一つ以上の有機絶縁材料により形成された、単層膜または積層膜でありうる。
【0135】
第1電極601は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、鉛(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジウム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、及びそれらの化合物といった反射導電物質を含む反射膜でありうる。一実施形態において、第1電極601は、酸化インジウムスズ(ITO:indium tin oxide)、インジウム亜鉛酸化物(IZO:indium zinc oxide)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In2O3)、インジウムガリウム酸化物(IGO:indium gallium oxide)及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO:aluminum doped zinc oxide)を含む群から選択された少なくともいずれか一つ以上の透明導電性酸化物を含む透明導電膜でありうる。一実施形態において、第1電極601は、前記反射膜と前記透明導電膜との積層構造でありうる。
【0136】
第1電極601の上には、発光層を含む中間層602が形成されうる。該発光層は、低分子有機物または高分子有機物から構成されうる。該発光層の種類により、表示素子EDは、赤色、緑色及び青色の光をそれぞれ放出することができる。しかし、本発明は、それに限定されるものではなく、複数の有機発光層が1つの表示素子EDに配置されうる。例えば、赤色、緑色及び青色の光を放出する複数の有機発光層が、垂直に積層されるか、または混合されて形成されることで、白色光を放出することができる。その場合、放出された白色光を、所定のカラーに変換する色変換層やカラーフィルタがさらに具備されうる。前記赤色、緑色及び青色は、例示的なものであり、白色光を放出するための色の組み合わせは、それらに限定されるものではない。
【0137】
中間層602は、第1電極601と発光層との間、及び/または発光層と第2電極603との間に、正孔注入層(hole injection layer)、正孔輸送層(hole transport layer)、電子輸送層(electron transport layer)及び電子注入層(electron injection layer)のうちの少なくとも一層の機能層を含むのでありうる。一実施形態によれば、中間層602は、前述の層以外に、その他の多様な機能層をさらに含むのでありうる。
【0138】
図12においては、中間層602のパターンが、第1電極601にのみ対応するようにパターニングされているように図示されている。ところが、それは、便宜上、そのように図示したものであり、言うまでもなく、中間層602のパターンは、隣接した画素の中間層602のパターンと一体に形成されることもありうる。また、中間層602のパターンのうちの一部のパターンは、画素別に形成され、他のパターンは、隣接した画素の中間層602のパターンと一体に形成されることもありうるというように、多様な変形が可能である。
【0139】
中間層602の上に、第2電極603が、基板100の表示領域DAの全面にわたって形成されうる。第2電極603は、多様な導電性材料から構成されうる。例えば、第2電極603は、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)及び銀(Ag)を含む群のうちから選択された少なくともいずれか一つを含む半透過反射膜を含むか、あるいはITO、IZO、ZnOなどの光透過性金属酸化物を含む、単層膜または積層膜として形成されうる。
【0140】
図12においては、表示素子600が、下方の第1薄膜トランジスタ200及び第2薄膜トランジスタ300と重なり合うように配置されているが、他の実施形態において、表示素子600は、第1薄膜トランジスタ200及び第2薄膜トランジスタ300と重なり合わないか、あるいは少なくとも一部が重なり合うように配置されうる。
【0141】
図13は、本発明の他の実施形態による第2画素PX2の回路図である。
【0142】
図13を参照すれば、一実施形態による表示装置1の第2画素PX2は、画素回路、及び、画素回路に連結された表示素子EDを含むのでありうる。該画素回路は、第1トランジスタT21、第2トランジスタT22、及び第3トランジスタT23、並びに、第1キャパシタC21、及び第2キャパシタC22を含むのでありうる。
【0143】
第1トランジスタT21は、第2トランジスタT22の第1電極に連結されたゲート電極、第1電源電圧ELVDDが入力される第1電極、及び、表示素子EDに連結された第2電極を含む。
【0144】
第2トランジスタT22は、走査線SLに連結されたゲート電極、第1トランジスタT21のゲート電極に連結された第1電極、及び、第1トランジスタT21の第2電極に連結された第2電極を含む。
【0145】
第3トランジスタT23は、制御線CLに連結されたゲート電極、初期化電圧VINTが入力される第1電極、及び、第1トランジスタT21の第2電極と、第2トランジスタT22の第2電極とに連結された第2電極を含む。
【0146】
第1キャパシタC21は、データ線DLに連結された第1電極と、第1トランジスタT21の第2電極に連結された第2電極と、を含む。第1キャパシタC21は、データ線DLに印加されたデータ電圧を保存することができる。
【0147】
第2キャパシタC22は、初期化電圧VINTが入力される第1電極、及び、第1トランジスタT21のゲート電極に連結された第2電極を含む。
【0148】
表示素子EDは、第1トランジスタT21を介して、画素回路に連結されうる。表示素子EDは、有機発光素子(OLED)でありうる。有機発光素子(OLED)は、第1トランジスタT21の第2電極に連結された第1電極、第2電源電圧ELVSSが入力される第2電極、及び、第1電極と第2電極との間の発光層を含む。
【0149】
第1電源電圧ELVDDは、第2電源電圧ELVSSより高い電圧でありうる。
【0150】
第2画素PX2は、表示素子EDの第1電極を初期化する第1区間、第1トランジスタT21のスレショルド電圧を補償する第2区間、データ電圧を書き込む第3区間、及び、表示素子EDが発光する第4区間で動作することができる。
【0151】
第1区間では、第2トランジスタT22及び第3トランジスタT23がターンオンされることで、表示素子EDの第1電極が初期化電圧VINTに初期化されるのでありうる。
【0152】
第2区間では、第2トランジスタT22がターンオンされることで、第2トランジスタT22に第1トランジスタT21がダイオード連結されることにより、第1トランジスタT21のスレショルド電圧が補償される。すなわち、第2キャパシタC22により、ノードNに、第1トランジスタT21のスレショルド電圧に相当する電位が保持されるようになる。
【0153】
第3区間では、第2トランジスタT22がターンオンされたままで、第1トランジスタT21及び第3トランジスタT23がターンオフされることで、第1キャパシタC21と第2キャパシタC22とがノードNに直列に連結される。そして、データ線DLにデータ電圧が印加される。それにより、データ電圧は、第1キャパシタC21と第2キャパシタC22とに分配されるので、ノードNには、このように分配された電圧が印加される。
【0154】
第4区間では、第2キャパシタC22を通じて初期化電圧VINTがノードNに印加されることにより、第1トランジスタT21がターンオンされ、第1トランジスタT21のゲート電極(ノードN)に印加された電圧に対応する駆動電流が、表示素子EDに流れることにより、表示素子EDが発光する。
【0155】
【0156】
図14及び
図15の実施形態にの説明において、トランジスタの第1電極及び第2電極は、それぞれ、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極であるとして、2種類の電極名を混用することにする。
【0157】
図14を参照すれば、第2画素PX2bは、前述の半導体装置10a,10bにおける第1薄膜トランジスタ200及び第2薄膜トランジスタ300を利用することができる。
【0158】
第1トランジスタT21は、前述の第1薄膜トランジスタ200によって具現されうる。第1薄膜トランジスタ200は、第1活性層201、第1ゲート電極202、第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204を含むのでありうる。第1ソース電極203及び第1ドレイン電極204は、それぞれ、コンタクトホールCH1を介して、第1活性層201のパターンにおけるソース領域及びドレイン領域と、電気的に連結されうる。
【0159】
第2トランジスタT22は、前述の第2薄膜トランジスタ300によって具現されうる。第2薄膜トランジスタ300は、第2活性層301、第2ゲート電極302、第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304を含むのでありうる。第2ソース電極303及び第2ドレイン電極304は、それぞれ、第2活性層301のパターンにおけるソース領域及びドレイン領域に該当する。
【0160】
第2薄膜トランジスタ300の第2ソース電極303は、連結電極501,502を介して、第1薄膜トランジスタ200の第1ゲート電極202と電気的に連結されうる。連結電極501は、第2絶縁層103上に形成され、第2絶縁層103に形成されたコンタクトホールCH4を介して、露出された第1ゲート電極202の一部とコンタクトすることができる。連結電極502は、第6絶縁層108上に形成され、第3絶縁層104ないし第6絶縁層108を貫くように形成されたコンタクトホールCH5を介して、露出された連結電極501の一部、及び、第2ソース電極303の一部とコンタクトすることができる。
【0161】
第1薄膜トランジスタ200と第2薄膜トランジスタ300との間には、第3絶縁層104と第4絶縁層105とを含む平坦化層PAVが配置されうる。平坦化層PAV上には、バッファ層106が配置されうる。
【0162】
第3トランジスタT23は、第3薄膜トランジスタ700によって具現されうる。第3薄膜トランジスタ700は、第3活性層701、第3ゲート電極702、第3ソース電極703及び第3ドレイン電極704を含むのでありうる。第3活性層701は、第1活性層201から延長されうる。第3ソース電極703及び第3ドレイン電極704は、それぞれコンタクトホールCH1を介して、露出された第3活性層701のソース領域及びドレイン領域と電気的に連結されうる。第3薄膜トランジスタ700の第3ドレイン電極704は、第1薄膜トランジスタ200の第1ドレイン電極204でありうる。
【0163】
第1キャパシタC21は、第1電極801及び第2電極802を含むキャパシタ800によって具現されうる。第1電極801は、第7-2絶縁層109b上に形成され、第2電極802は、第7-3絶縁層109c上に形成されるのでありうる。
【0164】
第1電極801及び第2電極802は、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジウム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)のうちの一つ以上の金属により、単層膜または積層膜として形成されうる。例えば、第1電極801及び第2電極802は、Ti/Al/Tiの3層構造を有することができる。
【0165】
第2キャパシタC22は、第1ゲート電極202を第1電極とし、導電層400のパターンを第2電極とすることによっても具現されうる。
【0166】
第1薄膜トランジスタ200の第1ソース電極203は、第1電源電圧ELVDDを印加する第1電源線901と電気的に連結されうる。第1電源線901は、第7-1絶縁層109a上に形成され、第3絶縁層104ないし第7-1絶縁層109aに形成されたコンタクトホールCH6を介して露出された第1ソース電極203の一部とコンタクトすることができる。
【0167】
第1薄膜トランジスタ200の第1ドレイン電極204、及び第3薄膜トランジスタ700の第3ドレイン電極704は、第3絶縁膜104ないし第7-3絶縁層109cに形成されたコンタクトホールCH7を介して、第1キャパシタC21の第2電極802と電気的に連結されうる。
【0168】
第2薄膜トランジスタ300の第2ドレイン電極304は、第5絶縁膜107ないし第7-3絶縁層109cに形成されたコンタクトホールCH8を介して、第1キャパシタC21の第2電極802と電気的に連結されうる。
【0169】
第3薄膜トランジスタ700の第3ゲート電極702は、連結電極503を利用して、制御線902に電気的に連結されうる。連結電極503は、第2絶縁層103上に形成され、第2絶縁層103に形成されたコンタクトホールCH9を介して、露出された第3ゲート電極702の一部とコンタクトすることができる。制御線902は、第6絶縁層108上に形成され、第3絶縁層104ないし第6絶縁層108に形成されたコンタクトホールCH10を介して、露出された連結電極503の一部とコンタクトすることができる。
【0170】
第3薄膜トランジスタ700の第3ソース電極703は、連結電極504を利用して、初期化電圧VINTを印加する第2電源線903に電気的に連結される。連結電極504は、第6絶縁層108上に形成され、第3絶縁層104ないし第6絶縁層108を貫くように形成されたコンタクトホールCH11を介して、露出された第3ソース電極703の一部とコンタクトすることができる。第2電源線903は、第7-1絶縁層109a上に形成され、第7-1絶縁層109aに形成されたコンタクトホールCH12を介して、露出された連結電極504の一部とコンタクトすることができる。
【0171】
第7-3絶縁層109c上に、第1キャパシタ800を覆うように、第8絶縁層110が配置されうる。第8絶縁層110には、第1キャパシタC21における第2電極802の一部を露出させるビアホールVIAが具備されうる。
【0172】
第8絶縁層110上に、表示素子600が配置されうる。表示素子600は、第1電極601、第1電極601に対向する第2電極603、及び、第1電極601と第2電極603との間の中間層602を含むのでありうる。
【0173】
第7-1絶縁層109a、第7-2絶縁層109b、及び第7-3絶縁層109cは、SiOx、SiNx、SiON、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の無機絶縁材料より形成された、単層膜または積層膜でありうる。他の実施形態において、第7-1絶縁層109a、第7-2絶縁層109b、及び第7-3絶縁層109cは、一般の汎用高分子(PMMA、PSなど)、フェノール基を有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子、及びそれらのブレンドなどのうちから選択された一つ以上の有機絶縁材料より形成された、単層膜または積層膜でありうる。
【0174】
連結電極501ないし504、第1電源線901、制御線902及び第2電源線903は、それぞれが、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジウム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)、及び銅(Cu)のうちの一つ以上の金属より形成された、単層膜または積層膜でありうる。
【0175】
図15に図示された第2画素PX2bは、第2薄膜トランジスタ300と表示素子600との間の絶縁層が平坦化層として形成された点において、
図14に図示された第2画素PX2aと相違する。以下では、
図14に図示された第2画素PX2aと異なる構成を中心に説明する。
【0176】
図15を参照すれば、第7-1絶縁層109a上に第1絶縁膜を積層してから、該第1絶縁膜上に第2絶縁膜をさらに積層した後、第1及び第2薄膜トランジスタ200,300の配置領域、及び、第3薄膜トランジスタ700の配置領域にて、第1絶縁膜の上面が露出されるように第2絶縁膜を除去することで、第7-21絶縁層109b1と第7-22絶縁層109b2とを含む平坦化層を形成することができる。第2絶縁膜を除去する間に、第1絶縁膜の一部が共に除去される。
【0177】
第2絶縁膜は、多様なエッチング工程によって除去されうる。例えば、該エッチング工程は、乾式エッチングまたは化学的機械研磨(CMP)などの研磨法を含んでもよい。
【0178】
第7-22絶縁層109b2は、第7-21絶縁層10b1の凹部(薄膜トランジスタの近傍以外の領域)に配置されることで、第7-21絶縁層10b1の上面と、第7-22絶縁層109b2の上面とは、ほぼ、高さが一致して互いに連続する一つの平面をなす。すなわち、全体として平坦な、一つの上面を形成することができる。
【0179】
第7-21絶縁層10b1及び第7-22絶縁層109b2の上には、第3バッファ層109b3が配置されうる。第1キャパシタ800は、第3バッファ層109b3上に配置されうる。
【0180】
画素を構成する複数の配線が、複数の層に配置されることにより、絶縁層の上面における凸部と凹部との間の段差が大きくなりうる。
図15に図示された実施形態のように、上下の複数の絶縁層の中間に、平坦化層を具備することにより、下方の配線及び/または電極により生じうる、下側の絶縁層の上面における過度な段差を低減することができ、下側の絶縁層の上方に配置される、膜及び/または配線に対する上側の絶縁層による被覆性を向上させることができる。
【0181】
第7-21絶縁層109b1と第7-22絶縁層109b2は、SiOx、SiNx、SiON、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の無機絶縁材料により形成された、単層膜または積層膜でありうる。他の実施形態において、第7-21絶縁層109b1と第7-22絶縁層109b2は、一般の汎用高分子(PMMA、PSなど)、フェノール基を有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p-キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子、及びそれらのブレンドなどのうちから選択された一つ以上の有機絶縁材料により形成された、単層膜または積層膜でありうる。
【0182】
第7-22絶縁層109b2の組成物は、第7-21絶縁層109b1の組成物と異なるものであることが望ましい。第7-22絶縁層109b2の組成物は、少なくとも、第7-21絶縁層109b1をなす上層の膜の組成物と異なることが望ましい。例えば、第7-21絶縁層109b1は、SiOxを含む絶縁膜であるか、あるいはSiOxを含む下層の絶縁膜と、SiNxを含む上層の絶縁膜との積層膜でありうる。この場合、第7-22絶縁層109b2は、SiOxを含む絶縁膜でありうる。
【0183】
第3バッファ層109b3は、SiOx、SiNx、SiON、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZrO2、BST、PZTのうちから選択された一つ以上の絶縁材料により形成された、単層膜または積層膜でありうる。例えば、第3バッファ層109b3は、SiNxを含む絶縁膜でありうる。
【0184】
任意選択的に、第3バッファ層109b3、及び、第7-21絶縁層109b1と第7-22絶縁層109b2とによる平坦化層に対する熱処理が行われうる。該熱処理は、脱水素処理を含みうる。
【0185】
図15の実施形態において、2層の平坦化層が形成されているが、本発明の実施形態によると、画素を構成する配線及び/または電極の配置や厚みなどに応じて、2層以上の平坦化層が形成されうる。
【0186】
図12、
図14及び
図15の実施形態において、第2薄膜トランジスタ300の下方に、一定の電源電圧が印加されるキャパシタC11、C22における一方の電極として、導電層400のパターンが配置されている。ところが、本発明は、それに限定されるものではない。例えば、導電層400のパターンは、画素駆動期間中に、すなわち、少なくとも、スレショルド電圧補償期間、データ書き込み期間、及び発光期間中にわたって、一定のDC電圧が印加される配線及び/または電極でありうる。
【0187】
以上のように、本発明は、図面に図示された一実施形態を参照にして説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該分野で当業者であるならば、それらから多様な変形、及び実施形態の変形が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
【0188】
好ましい一実施形態によると、次のとおりである。
【0189】
特には有機発光表示装置では、各画素ドット中に、複数のTFTを配置する必要があり、また、解像度及び画素開口率を向上させる必要がある。そのため、各画素ドット中にて、複数のTFTを上下に配置して重ね合わせることが考えられる。ところが、TFTの配置箇所では、TFTを覆う絶縁膜も、基板からの高さが高い凸部が形成されてしまう。この上に、さらに別のTFTの電極や配線を形成すると、凸部の縁の段差に起因する断線などが生じる可能性がある。
【0190】
そこで、厚みの大きい有機樹脂の膜による、従来からの平坦化膜を設けることが考えられる。しかし、このような従来の平坦化膜であると、基板上に形成される積層膜の厚みが大きくなってしまい、表示パネルをフレキシブルにする上で不利になりうる。また、有機発光表示装置などである場合に、無機絶縁膜に比べて、湿気などの浸透を防ぐ上で、不利になる。また、硬化のための露光時間などを長くとる必要がある。
【0191】
以上に鑑み、特に好ましい一実施形態によると、各画素ドット中にて、下層のTFTと、上層のTFTとを重ね合わせて配置することができるように、A1~A4またはA1~Aとする。
【0192】
A1 TFTについて、トップゲート構造とし、ポリシリコンなどによる一つの活性化層のパターン中に、チャンネル領域とともに、ソース領域及びドレイン領域が形成されるようにする。
【0193】
A2 上下層のTFTの間に配置する絶縁膜を、第1絶縁膜と、この上に積層される第2絶縁膜との積層構造とする。
【0194】
A3 下層のTFTにより絶縁膜が凸部をなす領域では、第2絶縁膜を化学機械的エッチングなどにより除去する。このようにして、積層構造による絶縁膜の上面を、平坦化させる。
【0195】
A4 A3による平坦化層を覆うように、基板の側から画素電極の側への不純物元素の浸透を防止するのに寄与するバッファ層を設ける。
【0196】
A5 特には、上層のTFTと、これに上方から重ねあわされる画素電極との間に位置する絶縁膜についても、上記A1~A2のようにする。また、このように形成された第2の平坦化層を覆うように、第2のバッファ層を設ける。
【0197】
また、好ましい実施形態において、下記B1~B2のとおりとする。
【0198】
B1 下層のTFTのゲート電極と、重なり合うように(特には両縁が一致するように)、下層のTFTと、第1の平坦化層との間に、導電層のパターンを配置する。これにより、下層のTFTのゲート電極から、上層のTFTの活性化層に対して干渉が生じるのを防止する。
【0199】
B2 下層のTFTの活性化層及びゲート電極、導電層のパターン、及び、上層のTFTの活性化層及びゲート電極は、いずれも、中心線または中心がほぼ一致する(例えば、位置ずれが2μm以下である)ようにする。これにより、閾(しきい)値電圧について有意なずれを防止する。
【0200】
B3 上層のTFTは、下層のTFTに比べ、活性化層及びゲート電極のサイズを小さくし、活性化層の厚みも小さくする。これにより、ポリシリコンへの変換のためのレーザーアニーリング処理の際に、下層のTFTに悪影響が及ぼないようにする。
【産業上の利用可能性】
【0201】
本発明の、表示装置及びその製造方法は、例えば、ディスプレイ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0202】
1 表示装置
10a,10b 半導体装置
100 基板
101 第1バッファ層
102 第1絶縁層
103 第2絶縁層
104 第3絶縁層
105 第4絶縁層
106 第2バッファ層
107 第5絶縁層
108 第6絶縁層
109 第7絶縁層
130 表示部
150 封止部材
200 第1薄膜トランジスタ
201 第1活性層
202 第1ゲート電極
203 第1ソース電極
204 第1ドレイン電極
300 第2薄膜トランジスタ
301 第2活性層
302 第2ゲート電極
303 第2ソース電極
304 第2ドレイン電極
400 導電層