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特許7370721ゲームプログラム、方法、および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20231023BHJP
【FI】
A63F13/69 510
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019064767
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020162758
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-044163(JP,A)
【文献】特開2014-180334(JP,A)
【文献】特開2019-041799(JP,A)
【文献】黒ウィズ攻略wiki 魔法使いと黒猫のウィズ 質問と回答 単発か10連か,GameWith [online],2016年06月09日,https://gamewith.jp/kuronekowiz/questions/show/72691,[2023年3月13日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記ゲームプログラムに基づくゲームに関する複数のゲーム媒体を含む母集団から各ゲーム媒体が選択される選択確率を定義した1通りの確率テーブルと、所定のアルゴリズムとに基づいて、前記母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択する選択処理を実行するステップを実行させ、
前記1通りの確率テーブルに定義される各前記ゲーム媒体の選択確率と、前記ゲームをプレイするユーザに提示されている各前記ゲーム媒体の選択確率とが異なっており、
前記所定のアルゴリズムは、前記選択処理を実行するステップにおいて、前記1通りの確率テーブルに定義される各前記ゲーム媒体の選択確率に基づいて、n回(nは2以上の整数)数の選択処理を実行するときに、前記n回中の任意のm回(mは1以上n以下の整数)目の前記選択処理によって前記母集団から特定の前記ゲーム媒体が選択される選択確率を、前記ユーザに提示されている前記ゲーム媒体の選択確率に一致させるアルゴリズムであり、
前記母集団は、第1ゲーム媒体、第2ゲーム媒体、および第3ゲーム媒体を含み、
前記ユーザに提示されている前記第1ゲーム媒体の選択確率は、前記1通りの確率テーブルを用いるが前記所定のアルゴリズムは用いずに前記第1ゲーム媒体が選択されるまで、前記母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択する処理を繰り返した場合にk回(kは1以上の整数)目までに前記第1ゲーム媒体が選択される選択確率に一致し、さらに、
前記所定のアルゴリズムは、前記ゲーム媒体の前記選択処理をn回実行し、
n回目の前記選択処理によって所定の希少度以上のゲーム媒体が選択された場合、
n回目までの前記選択処理によって選択された前記ゲーム媒体を前記選択処理の結果として決定し、
n回目の前記選択処理によって所定の希少度以上のゲーム媒体が選択されなかった場合、
n-1回目までの前記選択処理によって選択された前記ゲーム媒体を保持し、
前記所定の希少度のゲーム媒体が選択されるまで前記ゲーム媒体の前記選択処理を繰り返し実行し、
保持した前記ゲーム媒体と、選択された前記所定の希少度のゲーム媒体とを、前記選択処理の結果として決定するアルゴリズムである、
ゲームプログラム。
【請求項2】
k=1である、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記1通りの確率テーブルに定義される前記第1ゲーム媒体の前記選択確率は、前記1通りの確率テーブルに定義される前記第2ゲーム媒体の選択確率および前記第3ゲーム媒体の選択確率よりも低い、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲームにおける前記第1ゲーム媒体の希少度は、前記ゲームにおける前記第2ゲーム媒体の希少度および前記第3ゲーム媒体の希少度よりも高い、請求項1~3のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記1通りの確率テーブルに定義される各前記ゲーム媒体の前記選択確率は、前記ユーザに提示されている各前記ゲーム媒体の前記選択確率とは別に、前記ユーザに提示される、請求項1~4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、ゲームプログラムを実行する方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームにおいて利用可能なオブジェクトを取得する抽選処理を、複数回連続して実行可能なゲームが公知である。また、特許文献1では、複数回連続して抽選処理を行う場合の結果として、所定の条件を満たすオブジェクトの取得を保証可能なゲームを実現するプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-237040号公報(2014年12月18日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようなゲームにおいては、抽選処理において各オブジェクトが選択される確率を規定した複数の確率テーブル、つまり複数通りの提供割合を設定する必要があり煩雑であるという問題がある。
【0005】
本開示の一態様は、確率テーブルに定義される選択確率が、ユーザに提示した選択確率と異なる場合であっても、確率テーブルを用いた選択処理によって特定のゲーム媒体が選択される選択確率をユーザに提示した選択確率に一致させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行される。ゲームプログラムは、プロセッサに、ゲームプログラムに基づくゲームに関する複数のゲーム媒体を含む母集団から各ゲーム媒体が選択される選択確率を定義した情報と、所定のアルゴリズムとに基づいて、母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択する選択処理を実行するステップを実行させ、情報に定義される各ゲーム媒体の選択確率と、ユーザに提示されている各ゲーム媒体の選択確率とが異なっており、所定のアルゴリズムは、選択処理によって母集団からゲーム媒体が選択される選択確率を、ゲームをプレイするユーザに提示されているゲーム媒体の選択確率に一致させるアルゴリズムである。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、確率テーブルに定義される選択確率が、ユーザに提示した選択確率と異なる場合であっても、確率テーブルを用いた選択処理によって特定のゲーム媒体が選択される選択確率をユーザに提示した選択確率に一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ゲームシステムのハードウェア構成を示す図である。
図2】ユーザ端末およびサーバの機能的構成を示すブロック図である。
図3】ステージのプレイ画面の一例を示す図である。
図4】抽選処理全体の処理の流れを示すフローチャートである。
図5】確率テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6】抽選処理に係る画面の一例を示す図である。
図7】抽選処理に係る画面の一例を示す図である。
図8】(A)および(B)は、抽選処理に係る画面の一例を示す図である。
図9】連続した抽選において複数のキャラクタを選択する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
本開示に係るゲームシステムは、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0010】
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
【0011】
サーバ200(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
【0012】
ユーザ端末100(コンピュータ、情報処理装置)は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。ユーザ端末100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。ユーザ端末100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15(表示部)と、カメラ17と、測距センサ18とを備える。ユーザ端末100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。なお、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15に代えて、または、加えて、ユーザ端末100本体とは別に構成されたディスプレイ(表示部)を接続可能な入出力IF14を備えていてもよい。
【0013】
また、図1に示すように、ユーザ端末100は、1つ以上のコントローラ1020と通信可能に構成されることとしてもよい。コントローラ1020は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、ユーザ端末100と通信を確立する。コントローラ1020は、1つ以上のボタン等を有していてもよく、該ボタン等に対するユーザの入力操作に基づく出力値をユーザ端末100へ送信する。また、コントローラ1020は、加速度センサ、および、角速度センサ等の各種センサを有していてもよく、該各種センサの出力値をユーザ端末100へ送信する。
【0014】
なお、ユーザ端末100がカメラ17および測距センサ18を備えることに代えて、または、加えて、コントローラ1020がカメラ17および測距センサ18を有していてもよい。
【0015】
ユーザ端末100は、例えばゲーム開始時に、コントローラ1020を使用するユーザに、該ユーザの名前またはログインID等のユーザ識別情報を、該コントローラ1020を介して入力させることが望ましい。これにより、ユーザ端末100は、コントローラ1020とユーザとを紐付けることが可能となり、受信した出力値の送信元(コントローラ1020)に基づいて、該出力値がどのユーザのものであるかを特定することができる。
【0016】
ユーザ端末100が複数のコントローラ1020と通信する場合、各コントローラ1020を各ユーザが把持することで、ネットワーク2を介してサーバ200などの他の装置と通信せずに、該1台のユーザ端末100でマルチプレイを実現することができる。また、各ユーザ端末100が無線LAN(Local Area Network)規格等の無線規格により互いに通信接続する(サーバ200を介さずに通信接続する)ことで、複数台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することもできる。1台のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、ユーザ端末100は、さらに、サーバ200が備える後述する種々の機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、複数のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、複数のユーザ端末100は、サーバ200が備える後述する種々の機能を分散して備えていてもよい。
【0017】
なお、ローカルで上述のマルチプレイを実現する場合であっても、ユーザ端末100はサーバ200と通信を行ってもよい。例えば、あるゲームにおける成績または勝敗等のプレイ結果を示す情報と、ユーザ識別情報とを対応付けてサーバ200に送信してもよい。
【0018】
また、コントローラ1020は、ユーザ端末100に着脱可能な構成であるとしてもよい。この場合、ユーザ端末100の筐体における少なくともいずれかの面に、コントローラ1020との結合部が設けられていてもよい。該結合部を介して有線によりユーザ端末100とコントローラ1020とが結合している場合は、ユーザ端末100とコントローラ1020とは、有線を介して信号を送受信する。
【0019】
図1に示すように、ユーザ端末100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、ユーザ端末100は、記憶媒体1030に記録されるプログラムおよびデータを読み込むことができる。記憶媒体1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
【0020】
ユーザ端末100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムをユーザ端末100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
【0021】
以上で説明したとおり、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、タッチスクリーン15、カメラ17、および、測距センサ18を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
【0022】
例えば、操作部が、カメラ17および測距センサ18の少なくともいずれか一方で構成される場合、該操作部が、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出し、当該物体の検出結果から入力操作を特定する。一例として、物体1010としてのユーザの手、予め定められた形状のマーカーなどが検出され、検出結果として得られた物体1010の色、形状、動き、または、種類などに基づいて入力操作が特定される。より具体的には、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像からユーザの手が検出された場合、該撮影画像に基づき検出されるジェスチャ(ユーザの手の一連の動き)を、ユーザの入力操作として特定し、受け付ける。なお、撮影画像は静止画であっても動画であってもよい。
【0023】
あるいは、操作部がタッチスクリーン15で構成される場合、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13で構成される場合、ユーザ端末100は、コントローラ1020から送信される信号(例えば、出力値)をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が入出力IF14で構成される場合、該入出力IF14と接続されるコントローラ1020とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。
【0024】
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10および20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
【0025】
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10およびプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
【0026】
メモリ11および21は主記憶装置である。メモリ11および21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラムおよびデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0027】
本実施形態においてプログラムとは、ゲームをユーザ端末100により実現するためのゲームプログラムであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームをユーザ端末100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。なお、ユーザ端末100とサーバ200との協働により実現されるゲームは、一例として、ユーザ端末100において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームを複数のユーザ端末100の協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。また、各種データとは、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、ならびに、ユーザ端末100とサーバ200との間または複数のユーザ端末100間で送受信する指示または通知を含んでいる。
【0028】
ストレージ12および22は補助記憶装置である。ストレージ12および22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ12およびストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0029】
通信IF13は、ユーザ端末100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13および23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0030】
入出力IF14は、ユーザ端末100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またユーザ端末100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタン、カメラ、マイク、または、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウスまたはキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0031】
ユーザ端末100のタッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0032】
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式または抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
【0033】
図示していないが、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、または、角速度センサ等であってもよい。ユーザ端末100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力からユーザ端末100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、ユーザ端末100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、ユーザ端末100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、ユーザ端末100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
【0034】
カメラ17は、イメージセンサ等を含み、レンズから入射する入射光を電気信号に変換することで撮影画像を生成する。
【0035】
測距センサ18は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。測距センサ18は、例えば、パルス変換した光を発する光源と、光を受ける受光素子とを含む。測距センサ18は、光源からの発光タイミングと、該光源から発せられた光が測定対象物にあたって反射されて生じる反射光の受光タイミングとにより、測定対象物までの距離を測定する。測距センサ18は、指向性を有する光を発する光源を有することとしてもよい。
【0036】
ここで、ユーザ端末100が、カメラ17と測距センサ18とを用いて、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出した検出結果を、ユーザの入力操作として受け付ける例をさらに説明する。カメラ17および測距センサ18は、例えば、ユーザ端末100の筐体の側面に設けられてもよい。カメラ17の近傍に測距センサ18が設けられてもよい。カメラ17としては、例えば赤外線カメラを用いることができる。この場合、赤外線を照射する照明装置および可視光を遮断するフィルタ等が、カメラ17に設けられてもよい。これにより、屋外か屋内かにかかわらず、カメラ17の撮影画像に基づく物体の検出精度をいっそう向上させることができる。
【0037】
プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対して、例えば以下の(1)~(5)に示す処理のうち1つ以上の処理を行ってもよい。(1)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し画像認識処理を行うことで、該撮影画像にユーザの手が含まれているか否かを特定する。プロセッサ10は、上述の画像認識処理において採用する解析技術として、例えばパターンマッチング等の技術を用いてよい。(2)また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状から、ユーザのジェスチャを検出する。プロセッサ10は、例えば、撮影画像から検出されるユーザの手の形状から、ユーザの指の本数(伸びている指の本数)を特定する。プロセッサ10はさらに、特定した指の本数から、ユーザが行ったジェスチャを特定する。例えば、プロセッサ10は、指の本数が5本である場合、ユーザが「パー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が0本である(指が検出されなかった)場合、ユーザが「グー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が2本である場合、ユーザが「チョキ」のジェスチャを行ったと判定する。(3)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し、画像認識処理を行うことにより、ユーザの指が人差し指のみ立てた状態であるか、ユーザの指がはじくような動きをしたかを検出する。(4)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果、および、測距センサ18の出力値等の少なくともいずれか1つに基づいて、ユーザ端末100の近傍の物体1010(ユーザの手など)とユーザ端末100との距離を検出する。例えば、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像から特定されるユーザの手の形状の大小により、ユーザの手がユーザ端末100の近傍(例えば所定値未満の距離)にあるのか、遠く(例えば所定値以上の距離)にあるのかを検出する。なお、撮影画像が動画の場合、プロセッサ10は、ユーザの手がユーザ端末100に接近しているのか遠ざかっているのかを検出してもよい。(5)カメラ17の撮影画像の画像認識結果等に基づいて、ユーザの手が検出されている状態で、ユーザ端末100とユーザの手との距離が変化していることが判明した場合、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラ17の撮影方向において振っていると認識する。カメラ17の撮影範囲よりも指向性が強い測距センサ18において、物体が検出されたりされなかったりする場合に、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラの撮影方向に直交する方向に振っていると認識する。
【0038】
このように、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対する画像認識により、ユーザが手を握りこんでいるか否か(「グー」のジェスチャであるか、それ以外のジェスチャ(例えば「パー」)であるか)を検出する。また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状とともに、ユーザがこの手をどのように移動させているかを検出する。また、プロセッサ10は、ユーザがこの手をユーザ端末100に対して接近させているのか遠ざけているのかを検出する。このような操作は、例えば、マウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いた操作に対応させることができる。ユーザ端末100は、例えば、ユーザの手の移動に応じて、タッチスクリーン15においてポインタを移動させ、ユーザのジェスチャ「グー」を検出する。この場合、ユーザ端末100は、ユーザが選択操作を継続中であると認識する。選択操作の継続とは、例えば、マウスがクリックされて押し込まれた状態が維持されること、または、タッチパネルに対してタッチダウン操作がなされた後タッチされた状態が維持されることに対応する。また、ユーザ端末100は、ユーザのジェスチャ「グー」が検出されている状態で、さらにユーザが手を移動させると、このような一連のジェスチャを、スワイプ操作(またはドラッグ操作)に対応する操作として認識することもできる。また、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像によるユーザの手の検出結果に基づいて、ユーザが指をはじくようなジェスチャを検出した場合に、当該ジェスチャを、マウスのクリックまたはタッチパネルへのタップ操作に対応する操作として認識してもよい。
【0039】
<ゲーム概要>
ゲームシステム1は、ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能な特定のオブジェクトを含む複数のオブジェクトのうち何れか1つを、複数のオブジェクト各々に設定された選択確率に基づいて選択する第1の処理を複数回実行するシステムである。
【0040】
第1の処理は、複数のオブジェクト各々に設定された選択確率に基づいて選択される処理であればよく、例えば、抽選によって選択する処理が挙げられる。以下、本実施形態では、第1の処理がオブジェクトを選択する処理を抽選である形態について説明し、当該処理を「抽選処理」ともいう。本実施形態では、第1ステップは抽選処理を複数回実行する。以下、第1ステップにおける「複数」を「n」(nは2以上の整数)ともいう。このように、所定の複数回数まとめて実行される抽選処理を、説明の便宜上、同時に複数回実行する場合も含めて、「連続した抽選処理」とも呼称する。なお、連続した抽選処理中の1回の抽選処理に要する消費アイテムの価値は、連続させずに1回だけ行う抽選処理に要する消費アイテムの価値と同じか、より少ない方が望ましい。
【0041】
また、選択する処理の後に選択結果として決定されたオブジェクトはユーザに付与されることになり、ゲームプレイに利用できる。なお、オブジェクト等について、ユーザに関連付けてメモリに記憶させることを、ユーザに付与する、という。
【0042】
抽選処理によって選択されるオブジェクトは、ゲームにおいて利用可能なキャラクタ、キャラクタに関連付けて用いられるオブジェクト等があげられる。キャラクタに関連付けて用いられるオブジェクトとしては、例えば、キャラクタに関連付けて利用される、武器・防具等のアイテム、特殊な攻撃、回復、キャラクタ等のオブジェクトの状態を変化させるスキル等であってもよい。本実施形態では、抽選処理によって選択されるオブジェクトがキャラクタである形態について説明する。
【0043】
抽選処理で選択される各キャラクタは、そのキャラクタに固有の希少度(レアリティ)を有する。希少度とは、ゲームにおけるキャラクタの希少性を数値で表した一種のゲームパラメータである。キャラクタの希少度が高いほど、ゲームにおけるそのキャラクタの希少性が高いことを意味する。本開示では、キャラクタの希少度は、S、A、Bランクの何れかの値を取る。以下、S、A、Bランクの希少度を有するキャラクタを、それぞれ単に、S、A、Bランクのキャラクタとも呼称する。キャラクタの希少度が高いほど、抽選によってそのキャラクタが選択される確率は低い。言い換えれば、キャラクタの希少度が高いほど、そのキャラクタをユーザが取得できる可能性は低い。ゲームにおけるキャラクタの価値は、希少度が高いほどより高い。例えば、キャラクタの希少度がより高いほど、キャラクタの性能はより高い。
【0044】
ゲームシステム1によって実行されるゲーム(以下、本ゲーム)は、特定のジャンルに限らず、あらゆるジャンルのゲームであってよい。例えば、テニス、卓球、ドッジボール、野球、サッカーおよびホッケーなどのスポーツを題材としたゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、RPG、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、ならびに、アクションゲームなどであってもよい。以下、一例として、本ゲームは、所定の達成条件が設定されたステージ単位でプレイ可能なパズルゲームであるものとして説明を行う。ゲーム内容の詳細については後述する。
【0045】
また、本ゲームは、特定のプレイ形態に限らず、あらゆるプレイ形態のゲームであってもよい。例えば、単一のユーザによるシングルプレイゲーム、および、複数のユーザによるマルチプレイゲーム、また、マルチプレイゲームの中でも、複数のユーザが対戦する対戦ゲーム、および、複数のユーザが協力する協力プレイゲームなどであってもよい。
【0046】
<ゲームシステム1の機能的構成>
図2は、ゲームシステム1に含まれるサーバ200およびユーザ端末100の機能的構成を示すブロック図である。サーバ200およびユーザ端末100のそれぞれは、図示しない、一般的なコンピュータとして機能する場合に必要な機能的構成、および、ゲームにおける公知の機能を実現するために必要な機能的構成を含み得る。
【0047】
ユーザ端末100は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。
【0048】
サーバ200は、各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100がゲームを進行させるのを支援する機能を有する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、サーバ200は、ゲームに参加する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する機能を有していてもよい。サーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、および入出力IF24等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。
【0049】
記憶部120および記憶部220は、ゲームプログラム、ゲーム情報132およびユーザ情報133を格納する。ゲームプログラム131は、ユーザ端末100が実行するゲームプログラムである。ゲームプログラム131は、サーバ200が実行するゲームプログラムである。サーバ200が実行するゲームプログラムは、少なくとも一部が、ユーザ端末100が実行するゲームプログラム131とは異なるプログラムであってもよい。ゲーム情報132は、制御部110および制御部210がゲームプログラムを実行する際に参照するデータである。ユーザ情報133は、ユーザのアカウントに関するデータである。記憶部220において、ゲーム情報132およびユーザ情報133は、ユーザ端末100ごとに格納されている。また、記憶部220に格納されたゲーム情報132には、抽選処理において各キャラクタが選択される選択確率を規定した確率テーブルが含まれる。確率テーブルの詳細については後述する。
【0050】
(サーバ200の機能的構成)
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、サーバ200を統括的に制御する。例えば、制御部210は、ユーザ端末100に各種データおよびプログラム等を送信する。制御部210は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をユーザ端末100から受信する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイの同期の要求を受信して、同期のためのデータをユーザ端末100に送信してもよい。
【0051】
制御部210は、ゲームプログラム131の記述に応じて、抽選処理部211として機能する。制御部210は、実行するゲームの性質に応じて、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援するために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0052】
抽選実行部212は、ユーザ端末100からの要求に応じて、ゲームにおいて利用可能なキャラクタを選択するための抽選を実行し、抽選結果を、要求元のユーザ端末100に送信する。
【0053】
(ユーザ端末100の機能的構成)
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、ユーザ端末100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲームプログラム131およびユーザの操作にしたがって、ゲームを進行させる。また、制御部110は、ゲームを進行させている間、必要に応じて、サーバ200と通信して、情報の送受信を行う。
【0054】
制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、操作受付部111、抽選部112、判定部113、オブジェクト管理部114、ゲーム進行部115、および表示制御部116として機能する。制御部110は、実行するゲームの性質に応じて、ゲームを進行させるために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0055】
操作受付部111は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。例えば、操作受付部111は、上述の入力操作の、入力部151における入力位置の座標を検出し、該入力操作の種類を特定する。操作受付部111は、例えば、タッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等を特定する。
【0056】
抽選部112は、ゲームにおいて利用可能なキャラクタを選択する為の抽選を、サーバ200に要求する。また、抽選部112は、サーバ200から抽選結果を取得する。例えば、抽選部112は、ユーザによって保有される消費アイテムと引き換えに、抽選をサーバ200に要求する。また、抽選部112は、ゲームにおいてその他の条件が満たされた場合に、抽選をサーバ200に要求してもよい。
【0057】
判定部113は、ゲームの進行に必要な各種の判定処理を実行する。判定部113は、例えば、抽選処理の実行を指示するユーザ操作がなされたか否かを判定する。
【0058】
オブジェクト管理部114は、ゲームにおいてユーザが利用可能なキャラクタ等の各種のオブジェクトを管理する。オブジェクト管理部114は、例えば、ユーザが利用可能なオブジェクトを表す情報を記憶部120に記憶させることによって、当該オブジェクトをユーザに付与する。
【0059】
ゲーム進行部115は、ゲームの実行に係る各種処理を行う。例えば、ゲーム進行部115は、操作受付部111が受け付けた入力操作の入力位置の座標と操作の種類とから示されるユーザの指示内容を解釈し、当該解釈に基づいて、ゲームを進行させる処理を行う。
【0060】
表示制御部116は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、制御部110の各部によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。表示制御部は、制御部110の各部によって生成された映像を含むゲーム画面を表示部152に表示してもよい。また、表示制御部は、グラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)を、該ゲーム画面に重畳して描画してもよい。
【0061】
図2に示すサーバ200およびユーザ端末100の機能は一例にすぎない。サーバ200は、ユーザ端末100が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、ユーザ端末100は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。さらに、ユーザ端末100およびサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該他の装置にゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、ユーザ端末100、サーバ200、および他の装置の何れであってもよいし、これらの複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0062】
<処理フローおよびプレイ画面例>
(ゲーム画面例)
図3は、本実施形態のゲームシステム1に基づくゲームにおいて、ユーザ端末100の表示部152において表示されるステージのプレイ画面の一例を示す図である。
【0063】
図3(A)は、ゲーム進行部115によって表示されるパズル画面であって、上述したステージのプレイ画面の一例である。このパズル画面は、複数のパズル要素501と、射出台502とを含む盤面によって構成される。複数のパズル要素501は、盤面内に配置される。各パズル要素501には、複数種類のキャラクタの何れかが表示されている。射出台502上には、キャラクタ要素503の何れかがセットされ得る。ゲーム進行部115は、射出台502上のキャラクタ要素503が操作されると、当該キャラクタ要素503を射出して複数のパズル要素501の少なくとも一部に衝突させ、衝突に応じて、複数のパズル要素501の配置を変更する。このとき、複数のパズル要素501のうち、射出されたキャラクタ要素503と同種のキャラクタが表示されたパズル要素501が、所定数以上連続して配置されれば、ゲーム進行部115は、それらのパズル要素501を盤面から除去する。また、ゲーム進行部115は、除去されたパズル要素501に応じてプレイ結果を算出する。プレイ結果は、例えば、連続して除去された同種のパズル要素501の個数(連鎖数)によって表される。
【0064】
ここで、射出台502上にセット可能なキャラクタ要素503は、ユーザが保有しているキャラクタの何れかである。例えば、ゲーム進行部115は、保有しているキャラクタの一覧504から、射出台502にセットするキャラクタ要素503を選択可能な選択画面を表示してもよい。図3(B)は、選択画面の一例である。選択画面は、保有しているキャラクタの一覧504を含む。この例では、一覧504は、「ティア」、「ハート」、「ルナ」の3つのキャラクタを含んでいる。なお、一覧504の中で「ティア」を示す図形の輪郭が太線となっているのは、当該キャラクタが選択されていることを示している。また、選択画面は、選択されたキャラクタに関するパラメータ表示505を含んでいる。また、選択画面は、選択されたキャラクタのキャラクタ要素503を射出台502にセットすることを指示する「セット」ボタン506を含んでいる。
【0065】
この例では、パラメータ表示505には、「ティア」に関するパラメータとして、レベルが23であることと、得点単価が454であることが表示されている。レベルは、当該キャラクタが最初にユーザに付与されたときには、初期値(例えば、1)が設定される。また、レベルは、例えば、当該キャラクタによるプレイ中の累計得点に応じてアップする。また、レベルは、例えば、当該キャラクタと同一のキャラクタがユーザに付与されたときにアップする。得点単価は、プレイにおいて盤面から除去されたときの得点の単価である。得点単価は、レベルアップに伴い増加する。保有カプセル群の何れかが開封されてキャラクタが得られた場合には、このような選択画面の一覧504に、新たなキャラクタが追加される。あるいは、開封されて得られたキャラクラが既存のキャラクタである場合は、当該キャラクタのレベルがアップする。
【0066】
(抽選処理全体の処理フロー)
続いて、本ゲームにおける抽選処理全体の処理フローの一例について、図4を参照してステップごとに説明する。なお、以下の説明に基づく処理は一例であって、本実施形態に係る発明を特定の構成に限定するものではない。また、以下の説明において、フローチャートを用いて説明する一連の処理ステップのうち、ユーザ端末100によって実行されるものとして記載したステップの少なくとも一部が、サーバ200によって実行されてもよい。また、サーバ200によって実行されるものとして記載したステップの少なくとも一部が、ユーザ端末100によって実行されてもよい。図4は、抽選処理全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
ステップS101において、判定部113は、抽選処理の実行を指示するユーザ操作がなされたか否かを判定する。抽選処理の実行が指示されたと判定部113が判定した場合は、続いてステップS102の処理が実行され、そうでない場合、図4のフローチャートに基づく処理が終了する。抽選処理に関する画面例については後述する。本実施形態では、ユーザ操作に基づいて抽選処理を実行するが、本発明はこのような形態に限定されず、例えば、ゲーム内に設定される所定の条件を満たすことで自動的に抽選部112が抽選処理の実行をサーバ200に要求してもよい。
【0068】
抽選処理は、ゲームにおいて利用可能な所定の消費アイテムと引き換えに実行される。抽選処理が実行される度に、ユーザ端末100またはサーバ200は、ゲームプログラム131に基づいて、ユーザに関連付けてメモリに記憶された所定の消費アイテムを、対応する価値分だけ減算する。例えば、抽選処理において減算する価値の大きさは消費アイテムの個数に比例する。また、所定の消費アイテムは、有償で販売される有価アイテムであってもよいし、ゲームプレイ中に無償で入手可能なアイテムであってもよい。
【0069】
ステップS102において、抽選部112は、サーバ200に対してキャラクタを選択するための1回またはn回の抽選処理の実行を要求する。一例として、抽選部112は、母集団に含まれる複数のキャラクタのうち何れか1つを、複数のキャラクタ各々に設定された選択確率に基づいて選択する抽選処理をn回実行する処理をサーバ200に要求する。
【0070】
ステップS103において、抽選実行部212は、抽選処理を実行して、少なくとも1以上のAレア以上のキャラクタを含むn体のキャラクタを選択する。ステップS104において、オブジェクト管理部114は、選択されたn体のキャラクタをユーザに付与する。キャラクタの付与は、選択されたキャラクタをユーザに関連付けてメモリ11に記憶させることを意図する。制御部110は、ユーザが当該n体のキャラクタを取得したことを示す画面を表示部152に表示させる。
【0071】
(抽選処理に係る確率テーブル31)
図5は、ある実施の形態に係る確率テーブル31を示す図である。確率テーブル31は、抽選処理において各キャラクタが選択される選択確率を規定した情報の一例である。確率テーブル31には、各キャラクタの名称、希少度のランク、各キャラクタ各々に設定された選択確率、および各ランクのキャラクタが選択される確率の合計が格納されている。以下では、確率の合計を、あるランクのキャラクタが選択される選択確率と単に表記する。図5では、確率テーブル31に、S、A、およびBランクの各キャラクタに対応する選択確率の合計として、それぞれ10%、30%、および60%が格納される。このことは、確率テーブル31を用いた1回の選択処理の実行によってS、A、およびBランクの各キャラクタが選択される選択確率が、それぞれ10%、30%、および60%であることを意味している。
【0072】
本実施形態では、1通りの確率テーブルを用いるだけで、ユーザに付与するために選択する複数体のキャラクタに、Aランク以上のキャラクタを確定的に複数含めることができ、ユーザの納得感を向上させることができる。また、Aランク以上のキャラクタが複数付与されることを期待できるので、連続した抽選を実行することに対するユーザの動機づけが向上する。
【0073】
各キャラクタ各々に設定された選択確率は、互いに異なっていてもよく、一部又は全部が同一であってもよい。本実施形態では、ランクごとに選択確率は異なり、同じランクであれば選択確率は同じである。特に、Sランクのキャラクタが選択される確率とAランクのキャラクタが選択される確率とが異なることにより、ユーザに付与されることが確定的なキャラクタとして何れが付与されるかを予想するという楽しみを提供しながら、選択確率が低い方であるSランクのキャラクタについて、実際に当選する確率の上昇を抑制することができ、当該キャラクタの希少感を維持することができる。
【0074】
また、抽選処理において選択され得るキャラクタには所定時点以降に利用可能となった新しいキャラクタが含まれていてもよい。例えば、新しいキャラクタが、所定期間ごとに、又は任意のタイミングで、選択の対象のキャラクタとして追加されたり、既に対象となっているキャラクタの一部と入れ替わったりしてもよい。これにより、連続した抽選の結果に確定的に含まれるAランク以上のキャラクタとして、所定時点以降に利用可能となったキャラクタが付与されることを期待できるので、連続した抽選の実行を指示することに対するユーザの動機づけが向上する。また、選択の対象となるキャラクタには、所定期間のみ提供されるキャラクタが含まれていてもよい。例えば、所定時点で選択の対象のキャラクタとして追加された後に、所定時点で選択対象のキャラクタから削除されてもよい。これにより、連続した抽選の結果に確定的に含まれるAランク以上のキャラクタとして、所定期間のみ提供されるキャラクタが付与されることを期待できるので、連続した抽選の実行を指示することに対するユーザの動機づけが向上する。
【0075】
(抽選処理に係る画面例および確率テーブル)
図6は、抽選処理の指示を受け付ける画面の一例を示す図である。該画面は、表示制御部116が、ゲームプログラム131に基づいて、ユーザ端末100の表示部152に表示させる画面である。図6において、アイコン302aおよび302bは、抽選処理において選択され得るキャラクタの外観図を示している。テキスト304aおよび304bは、それぞれアイコン302aおよび302bが示すキャラクタの名称を示している。アイコン306aおよび306bは、それぞれアイコン302aおよび302bが示すキャラクタの希少度を示している。星の個数が4個であることは、希少度がSランクであることに対応している。星の個数が3個であることは、希少度がAランクであることに対応している。星の個数が2個であることは、希少度がBランクであることに対応している。アイコン308は、近傍に図示されたキャラクタ、ここでは「ロボ」が、抽選処理で選択され得るキャラクタとして所定の日時以降に追加された新しいキャラクタであることを示している。
【0076】
ボタン310は、選択確率の表示画面に遷移することを指示するUIオブジェクトの一例である。ボタン312は、ゲームにおいて使用可能な消費アイテム5個と引き換えに、抽選処理を1回実行することを指示するUIオブジェクトの一例である。また、ボタン314は、消費アイテム50個と引き換えに、抽選処理を計11回実行することを指示するUIオブジェクトの一例である。
【0077】
図6に示す画面において、判定部113がボタン310に対する入力操作が行われたと判定すると、次に、表示制御部116は図7に示す画面を表示部152に表示させる。
【0078】
図7は、ユーザに提示される選択確率を含む画面例を示す図である。この図に示すように、ゲーム画面は、テキスト316、確率情報318、および確率テーブル31を含む。
【0079】
図示のとおり、情報に定義される各ゲーム媒体の選択確率(図示の例では、確率テーブル31)は、ユーザに提示されている各ゲーム媒体の選択確率(図示の例では、確率情報318)とは別に、ユーザに提示されてもよい。具体的には、サーバ200の制御部210は、ゲームプログラム131に基づいて、情報提供部として機能し、情報提供部は、ユーザ端末100の表示制御部116が、確率情報318とは別に、確率テーブル31をゲーム画面に配置できるように、確率情報318とは別に確率テーブル31をユーザ端末100宛てに送信するステップを実行してもよい。
【0080】
テキスト316は、抽選処理の内容をユーザに示すための表示である。具体的には、テキスト316は、ボタン314に対応する連続した抽選処理において、少なくとも1体のAランク以上のキャラクタを抽選結果に含まれることを示している。なお、ボタン312を起点とした1体のキャラクタを選択するための1回のみの抽選処理は、図4のフローチャートに基づく処理において、n回を1回、n体を1体と読み替えることにより説明される。
【0081】
確率情報318は、n回実行される抽選処理のうちの1回(一例として、11回実行される抽選処理のうちの最後の11回目)の選択処理においてSランクまたはAランクのキャラクタが選択される各選択確率を含む情報であり、選択処理の実行前にゲーム画面に表示されることによって、ユーザに事前に提示される。
【0082】
図6に示す画面において、ボタン314に対する選択操作が行われた場合、続いて図8(A)に示す画面が表示される。図8(A)は、計11回の連続した抽選処理の実行についての確認画面の一例を示す図である。ここで、テキスト621は、現時点においてユーザに関連付けられた消費アイテムの個数、換言すると、当該ユーザが所持する消費アイテムの個数を示している。ボタン622とボタン623とは、当該抽選処理の実行の可否を指示するUIオブジェクトの一例である。ここで、ボタン622に対する選択操作がなされた場合、例えば、図6に示す画面に遷移する。ボタン623に対する選択操作がなされた場合、連続した抽選処理が実行され、図8(B)に示す画面が表示される。なお、ボタン623に対する選択操作は、図4のフローチャートのステップS101の判定における「抽選処理の実行が指示された場合」に相当する。
【0083】
図8(B)は、連続した抽選処理の結果を示す画面の一例を示す図である。ここで、アイコン626は、近傍に図示されたキャラクタのランクを示しており、例えばキャラクタ「ティア」の希少度はAランクである。また、キャラクタ「ロボ」の希少度はSランクである。
【0084】
なお、オブジェクトの表示順は、抽選処理において選択された順番であることに限定されず、例えば、高いランクのオブジェクトから順に並べて表示される構成でもよい。また、図8(B)において、高いランクのオブジェクトに対しては、絢爛な装飾が施されるような表示形態でもよい。また、テキスト628は、ユーザに関連付けられた、残りの消費アイテムの個数を示している。そして、ボタン627に対する選択操作がなされた場合、例えば図6に示す画面に遷移する。以上が、抽選処理における画面遷移の流れである。また、図6のボタン312に対する選択操作がなされた場合における、単発の抽選処理は、上述した説明において、抽選回数の11回を1回と読み替えることにより、同様に説明される。
【0085】
(抽選処理例)
図9は、n体のキャラクタを選択するための抽選処理の流れを示すフローチャートである。これから説明される処理例は、図4に示すステップS103の処理の一例である。
【0086】
本開示のある局面において、サーバ200は、ゲームプログラムに基づくゲームに関する複数のゲーム媒体を含む母集団から各ゲーム媒体が選択される選択確率を定義した情報と、所定のアルゴリズムとに基づいて、母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択する選択処理を実行するステップを実行し、情報に定義される各ゲーム媒体の選択確率と、ユーザに提示されている各ゲーム媒体の選択確率とが異なっており、所定のアルゴリズムは、選択処理によって母集団からゲーム媒体が選択される選択確率を、ユーザに提示されているゲーム媒体の選択確率に一致させるアルゴリズムである。
【0087】
本開示のある局面において、サーバ200は、選択処理を実行するステップでは、n回(nは2以上の整数)数の選択処理を実行し、所定のアルゴリズムは、n回中の任意のm回(mは1以上n以下の整数)目の選択処理によって母集団からゲーム媒体が選択される選択確率を、ユーザに提示されているゲーム媒体の選択確率に一致させるアルゴリズムである。
【0088】
本実施形態では、n=11およびm=11の場合について説明する。当然ながら、nおよびmはこれらの値に限定されない。たとえば、n=11およびm=1であってもよい。
【0089】
ステップS201において、抽選実行部212は、確率テーブル31を用いたn回の選択処理を実行することによって、n体のキャラクタを選択する。選択処理は、ある局面では、1体のキャラクタを確率テーブル31および所定のアルゴリズムに基づいて選択する1回の処理を合計n回実行する処理であり、他の局面では、n体のキャラクタを確率テーブル31および所定のアルゴリズムに基づいて一度に選択する処理を1回だけ実行する処理である。いずれにせよ、選択処理が実行された結果、Bランク~Sランクのうちいずれかのn体のキャラクタが選択される。
【0090】
ステップS202において、抽選実行部212は、m(ここでは、m=n=11)回目の選択処理によってAランク以上のキャラクタが選択された否かを判定する。ステップS202においてYESの場合、ステップS203において、抽選実行部212は、選択されたn体のキャラクタを抽選結果として決定する。これにより、ユーザ端末100において、少なくとも1体以上のAランクのキャラクタを含むn体のキャラクタが、ユーザに付与される。
【0091】
ステップS202においてNOの場合、ステップS204において、抽選実行部212は、m回目を除く、n-1回(ここでは、1回目~10回目の計10回)の選択処理によって選択された合計n-1体(ここでは、10体)のキャラクタを保持する。この時点で、これらのキャラクタはその希少度に関わらず、ユーザに提供されるものとして確定される。確定されたn-1体のキャラクタには、Aランク以上のキャラクタが含まれる場合もあるし、含まれない場合もある。すなわち、この時点ではまだ、Aランク以上のキャラクタが確定的に選択されることが保証されない。
【0092】
図9の処理がS204に分岐することは、ステップS201におけるm回目(11回目)の選択処理でBランクのキャラクタが選択されたことを意味する。抽選実行部212は、11回目の選択処理によって選択されるBランクのキャラクタを、ユーザに付与する対象として確定せず、したがって保持しない。ステップS205において、抽選実行部212は、確率テーブル31を用いたm回目の選択処理を再び実行することによって、1体のキャラクタを再び選択する。いわば、m回目の選択処理をやり直すことによって、ユーザに付与する1体のキャラクタを選択し直すのである。この際、選択処理に用いる確率テーブル31は、ステップS201において実行した11回の選択処理に用いた確率テーブル31と同一である。すなわち、Sランクの選択確率=10%、Aランクの選択確率=30%、およびBランクの選択確率=60%を設定した上で、キャラクタ母集団の中からいずれかのキャラクタを選択する。したがって、このやり直し選択処理時に各キャラクタが選択される選択確率は、1回目から11回目の選択処理時に各キャラクタが選択される選択確率と同一である。
【0093】
ステップS206において、抽選実行部212は、m回目分のやり直しの選択処理によってAランクのキャラクタが選択されたか否かを判定する。ステップS206においてNOの場合、すなわち、SランクまたはBランクのキャラクタが選択された場合、図9の処理はステップS205に戻る。この際、抽選実行部212は、ステップS206において選択されたキャラクタを保持せず、確率テーブル31に基づいて1体のキャラクタを選択するためのステップS205の選択処理を再度実行する。言い換えれば、抽選実行部212は、m回目の分の選択処理につき、ステップS206においてAランクのキャラクタが選択されるまで、確率テーブル31に基づいた1回の選択処理をステップS205において繰り返し実行する。
【0094】
ステップS206においてYESの場合、ステップS207において、抽選実行部212は、保持したn-1体のキャラクタと、m回目分のやり直しの選択処理によって選択されたAランクのキャラクタとを、抽選結果として特定する。これにより、ユーザ端末100において、少なくとも1体以上のAランクのキャラクタを含むn体のキャラクタが、ユーザに付与される。
【0095】
本開示の一態様によれば、例えば図9に示す一連の処理を実行することによって、11回目の選択処理時に選択されるキャラクタの希少度を、SランクまたはAランクのいずれかに確定させることができる。その際、確率テーブル31以外の他の確率テーブルは何ら用いていない。このように、1通りの確率テーブルを用いるだけで、ユーザに付与するために選択する複数体のキャラクタに、Aランク以上のキャラクタを確定的に複数含めることができ、ユーザの納得感を向上させることができる。また、Aランク以上のキャラクタが複数付与されることを期待できるので、連続した抽選を実行することに対するユーザの動機づけが向上する。
【0096】
さらには、ユーザに提示されるAランクのキャラクタの選択確率(90%)とは一致していない、Aランクの選択確率=30%と定義された確率テーブル31を用いるにも拘わらず、m(11)回目のAランク以上確定の選択処理を、所定のアルゴリズムを用いることによって、Aランクの選択確率がユーザに提示する選択確率と同様に90%となるように、実施することができる。例えば、11回目のAランク以上確定の第1選択処理について、最初に実行される第2選択処理では、1~10回目の第1選択処理と同様に、Sランクのキャラクタの選択確率=10%であり、Aランクの選択確率=30%である。また、Bランクのキャラクタは60%の選択確率で選択されるが、このキャラクタはユーザに付与されないため、Bランクのキャラクタの選択確率は0%である。言い換えれば、残りの60%の選択確率は、2回目以降にやり直しされる各第2選択処理によって最終的に確定するキャラクタの選択確率に等しい。
【0097】
2回目の以降のやり直しの第2選択処理では、Aランクのキャラクタが選択されるまで繰り返し実行される。したがって、Aランクの選択確率=30%と定義された確率テーブル31を用いるにも拘わらず、2回目の以降のやり直しの第2選択処理における各ランクの選択確率は、Sランクのキャラクタの選択確率=0%、Aランクのキャラクタの選択確率=100%、Bランクのキャラクタの選択確率=0%となる。このことから、11回目のAランク以上確定の第1選択処理につき、最初に実行された第2選択処理において60%の確率でBランクが選択された場合には、当選するキャラクタは、該選択されたBランクのキャラクタではなく、最終的に、2回目以降のやり直しの第2選択処理によって選択されたAランクのキャラクタに置き換わることになる。これらの結果、11回目のAランク以上確定の第1選択処理について、SランクまたはAランクのキャラクタを確定させるために、確率テーブル31に基づく1回以上の第2選択処理を繰り返し実行した場合、Sランクのキャラクタが選択される確率は10%であり、Aランクのキャラクタ選択が選択される確率は、30%+60%=90%である。これらの選択確率は、ユーザに提示されるSランクの選択確率およびAランクの選択確率といずれも一致する。すなわち、上述したアルゴリズムに基づき、単一の確率テーブル31を用いて図9に示す一連の処理を実行することによって、Sランクの選択確率およびAランクの選択確率の双方を、ユーザに提示した各選択確率に一致させることができる。
【0098】
以上のように、本開示の一態様によれば、確率テーブル31とは異なる他の特別な確率テーブルを併用しなくても、確定抽選時にSランクまたはAランクが選択される選択確率を、ユーザに提示する選択確率に一致させることができる。
【0099】
上述のアルゴリズムは、所定ランク以上のキャラクタの排出を保証する抽選を実現するに際して、以下の課題を解決する。まず、所定ランク以上のキャラクタの排出を確実とするための確率テーブルを、通常の確率テーブルとは別に設ける必要がなくなる。つまり複数通りの提供割合を設定することが不要となり、抽選にかかる処理が煩雑になることを回避できる。
【0100】
さらに、確率テーブルを別途用意せずに1種類の確率テーブルに基づいて、所定ランク以上のキャラクタの排出を確実とするためには、通常、所定ランク以上のキャラクタが当選するまで、該確率テーブルに基づいて選択処理を繰り返すことが考えられる。しかしながら、この方法を採用すると、実際の所定ランク以上の当選確率が、該1種類の確率テーブルにおいて設定されているとおりの確率にならないという問題が発生する。具体例を挙げると、確率テーブルにおいて、各レアリティの当選確率が、Sランク=10%、Aランク=30%、Bランク=60%と定義されているとする。しかし、Aランク以上が当選するまで、該確率テーブルに基づく選択処理を繰り返すと、実際には、Sランク=25%、Aランク=75%の当選確率となり、Sランクの当選確率が、確率テーブルで規定している10%を大幅に上回ってしまう。
【0101】
これに対し、上述したアルゴリズムに基づき、単一の確率テーブル31を用いて図9に示す一連の処理を実行することによって、Sランクの選択確率およびAランクの選択確率の双方を、ユーザに提示した各選択確率に一致させることができるので、Sランクの当選確率が極端に上振れするという問題を回避することができる。
【0102】
本開示のある局面において、ユーザ端末100は、母集団は、第1ゲーム媒体、第2ゲーム媒体、および第3ゲーム媒体を含み、ユーザに提示されている第1ゲーム媒体の選択確率は、情報を用いるがアルゴリズムは用いずにゲーム媒体を選択する処理を複数回実行した場合にk回(kは1以上の整数)目までに第1ゲーム媒体が選択される選択確率に一致する。
【0103】
換言すれば、母集団は、第1ゲーム媒体、第2ゲーム媒体、および第3ゲーム媒体を含み、このうち、ユーザに提示される第1ゲーム媒体の選択確率は、下記の選択確率に一致する。すなわち、上述の所定のアルゴリズムを用いることなく、第1ゲーム媒体が選択されるまで、上述の情報に基づく選択処理が繰り返されたと仮定した場合に、k回(kは1以上の整数)目までに第1ゲーム媒体が選択される選択確率に一致するように、該選択確率がユーザに提示される。
【0104】
例えば、母集団は、Sランクのキャラクタ(第1ゲーム媒体)、Aランクのキャラクタ(第2ゲーム媒体)、およびBランクのキャラクタ(第3ゲーム媒体)を含む。上述したアルゴリズムを用いずに選択処理を複数回実行することは、選択処理のやり直しを実行せずに確率テーブル31を用いて選択処理を複数回実行することである。例えばk=1とし、複数回の選択処理を実行する際に1回目の選択処理までにSランクのキャラクタが選択される確率を第1確率と称し、ユーザに提示するSランクのキャラクタが選択される確率を第2確率と称する。この場合、第1選択確率は10%であるから、これに等しい第2選択確率として、ユーザに10%を提示する。こうして、第1選択確率と第2選択確率とが一致する。
【0105】
一方、k=2の場合、第1確率は、1回目の選択処理によってSランクのキャラクタが選択される選択確率と、2回目の選択処理によってSランクのキャラクタが選択される選択確率とを合算した選択確率である。これは10%+(0.9×10%)=19%となる。そこで、第2確率として、第1確率に等しい19%をユーザに提示する。こうして、k=2の場合にも第1選択確率と第2選択確率とが一致する。同様のロジックを、k>2の場合も当てはめることによって、任意のkに対して第1確率=第2確率とすることができる。
【0106】
以上のように、第1確率=第2確率となるようなSランクのキャラクタの選択確率をユーザに提示すれば、Sランクのキャラクタを何番目の選択処理まで決定するのかを、言い換えればkの値を、所望の値に設定することができる。
【0107】
本開示のある局面において、情報に定義される第1ゲーム媒体の選択確率は、選択処理によって第1ゲーム媒体が選択される選択確率に一致する。これは、k回目にSランクのキャラクタが選択される選択確率を、確率テーブル31に定義されるSランク(第1ゲーム媒体)の選択確率である10%に一致させることを意味する。上述したようにk=1とすれば、この一致が実現する。言い換えれば、このように確率を一致させることによって、k=1となるので、1回目の選択処理によってSランクの当選可否を決定することができる。これにより、2回目以降の選処理によってSランクの当選可否を決定する場合に比べて、アルゴリズムを簡素にすることができる。
【0108】
本開示のある局面において、情報に定義される第1ゲーム媒体の選択確率は、情報に定義される第2ゲーム媒体の選択確率および第3ゲーム媒体の選択確率よりも低い。例えば、確率テーブル31に定義されるSランク選択確率=10%は、確率テーブル31に定義されるAランクの選択確率=30%および確率テーブル31に定義されるBランクの選択確率=60%よりも低い。これにより、確率テーブル31上でもっとも選択確率が低いSランクのキャラクタを、ユーザに提示した選択確率通りに選択することができるので、Sランクのキャラクタに関して提示された選択確率に対するユーザの納得感および信頼感を高めることができる。
【0109】
本開示のある局面において、ゲームにおける第1ゲーム媒体の希少度は、ゲームにおける第2ゲーム媒体の希少度および第3ゲーム媒体の希少度よりも高い。例えば、Sランクのキャラクタの希少度は、Aランクのキャラクタの希少度およびBランクのキャラクタの希少度よりも高い。このように、もっとも希少度が高いSランクのキャラクタを、ユーザに提示した選択確率通りに選択することができるので、Sランクのキャラクタに関して提示された選択確率に対するユーザの納得感および信頼感を高めることができる。
【0110】
本開示のある局面において、抽選実行部212は、ゲームプログラムに基づくゲームに関する複数のゲーム媒体を含む母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択するためのn回(nは2以上の整数)の第1選択処理のうちの任意のm回目(mは1以上n以下の整数)に実行される第1選択処理について、m回目の第1選択処理につき選択されてユーザに関連付けられるゲーム媒体を確定させるためにk(k≧2)回の第2選択処理を実行する場合、ゲーム媒体を選択するためのアルゴリズムを複数回の選択処理の実行中に切り替えるステップを実行する。
【0111】
例えば、図9の例では、11回目(m回目)に実行される第1選択処理について、Aランク以上のキャラクタを確定選択するために2回(k回)の第2選択処理を実行する場合がある。この際、2回の選択処理のうちの1回目にSランクまたはAランクのキャラクタが選択されれば、これをユーザに付与し、Bランクのキャラクタが選択された場合はこれをユーザに付与せずに、2回目の選択処理を実行する。抽選実行部212は、この2回目の選択処理の実行時に、アルゴリズムを切り替える。すなわち、2回目の選択処理では、Aランクのキャラクタが選択された場合はこれをユーザに付与し、SランクまたはBランクのキャラクタが選択された場合はこれをユーザに付与せずに第2選択処理をさらに実行する。このように、切り替え後のアルゴリズムでは、ユーザへのキャラクタ付与の条件と、第2選択処理の再実行の条件とが、切り替え前のアルゴリズムと異なっている。
【0112】
このように同一の確率テーブル31を用い続けるがアルゴリズムについては動的に切り替えることによって、確率テーブル31とは異なる他の確率テーブルを用いることなく、11回目の第1選択処理時にAランク以上のキャラクタを確定的に選択することができる。
【0113】
本開示のある局面において、母集団は、第1ゲーム媒体、第2ゲーム媒体、および第3ゲーム媒体を含み、m回目の第1選択処理によって選択されてユーザに関連付けられるゲーム媒体は、第1ゲーム媒体または第2ゲーム媒体であり、抽選実行部212は、アルゴリズムを切り替えるステップでは、複数回の第2選択処理のうちの、第1ゲーム媒体をユーザに関連付けるか否かを決定する第2選択処理の前後でアルゴリズムを切り替える。
【0114】
換言すれば、k回の第2選択処理のうちのj(1≦j<k)回目までに、ユーザに付与するゲーム媒体として第1ゲーム媒体が選択されなかった場合、ユーザに付与するゲーム媒体として第2ゲーム媒体が選択されるように、アルゴリズムを切り替える。
【0115】
例えば、図9の例では、キャラクタの母集団はSランク(第1ゲーム媒体)、Aランク(第2ゲーム媒体)、およびBランク(第3ゲーム媒体)を含んでいる。抽選実行部212は、11回目(m回目)の第1選択処理について、k回の第2選択処理のうちのj回目(1≦j<k、例えば、1回目)にSランクまたはAランクのキャラクタが選択された場合、これをユーザに付与する。一方、j回目(1回目)にBランクが選択された場合、Aランクが選択されるまでj+1回目(2回目)の以降の第2選択処理を繰り返し実行する。言い換えれば、2回目以降の第2選択処理の結果としてSランクのキャラクタを選択してユーザに付与することはない。したがって、この例においてSランクのキャラクタをユーザに付与するか否かを決定するのは、複数回の選択処理うちの1回目である。抽選実行部212は、この1回目の選択処理の前後で、アルゴリズムを切り替えている。すなわち、1回目の選択処理ではSランクをユーザに付与し得る第1アルゴリズムに基づく処理を実行するが、2回目以降の選択処理では確実にAランクのキャラクタをユーザに付与する(Sランクのキャラクタをユーザに決して付与しない)第2アルゴリズムに基づく処理を実行する。
【0116】
本開示のある局面において、アルゴリズムは、複数回のうちの1回目の第2選択処理によって第1ゲーム媒体または第2ゲーム媒体が選択された場合、選択されたゲーム媒体をユーザに関連付け、1回目の第2選択処理によって第3ゲーム媒体が選択された場合、複数回のうちの2回目の第2選択処理を実行する第1アルゴリズムと、複数回のうちの2回目以降の第2選択処理によって第2ゲーム媒体が選択された場合、選択されたゲーム媒体をユーザに関連付け、2回目以降の第2選択処理によって第1ゲーム媒体または第3ゲーム媒体が選択された場合、第2選択処理を再度実行する第2アルゴリズムとを含む。
【0117】
例えば図9に示す例では、11回目の第1選択処理について、Aランク以上のキャラクタを確定させるために複数回数(k回)の第2選択処理を実行する場合があり、その際、途中で選択アルゴリズムを第1アルゴリズムから第2アルゴリズムに切り替える。具体的には、複数回数の選択処理のうちの1回目(j回目まで)の第2選択処理においては、第1アルゴリズムにしたがって、SランクまたはAランクのキャラクタが選択された場合、選択されたキャラクタをユーザに付与する。一方、Bランクのキャラクタが選択された場合はこれをユーザに付与せず、2回目(j+1回目)の第2選択処理を実行する。
【0118】
この2回目(j+1回目)以降の第2選択処理を実行する際には、第2選択処理に用いるアルゴリズムを第2アルゴリズムに切り替える。例えば、2回目の第2選択処理によってAランクのキャラクタが選択された場合、これをユーザに付与するが、SランクまたはBランクのキャラクタが選択された場合は、これをユーザに付与せずに、3回目の第2選択処理を実行する。3回目以降も事情は同様であり、Aランクのキャラクタが選択されるまで、第2アルゴリズムに基づく第2選択処理を繰り返し実行する。
【0119】
このように、同一の確率テーブル31を用い続けるがアルゴリズムについては動的に切り替えることによって、確率テーブル31とは異なる他の確率テーブルを用いることなく、11回目の第1選択処理時にAランク以上のキャラクタを確定的に選択することができる。また、アルゴリズムの切り替えは1回で済むので、アルゴリズムをシンプルにすることができる。
【0120】
本開示のある局面において、アルゴリズムは、k回の第2選択処理のうちのj回目までの第2選択処理によって、第1ゲーム媒体が選択された場合、選択された第1ゲーム媒体をユーザに関連付け、一方、第2ゲーム媒体または第3ゲーム媒体が選択された場合、第2選択処理を再度実行する第1アルゴリズムと、k回のうちのj回目までの第2選択処理によって、第1ゲーム媒体または第2ゲーム媒体が選択された場合、選択されたゲーム媒体をユーザに関連付け、一方、第3ゲーム媒体が選択された場合、第2選択処理を再度実行する第2アルゴリズムと、k回のうちのj+1回目以降の第2選択処理によって、第2ゲーム媒体が選択された場合、選択された第2ゲーム媒体をユーザに関連付け、一方、第1ゲーム媒体または第3ゲーム媒体が選択された場合、第2選択処理を再度実行する第3アルゴリズムとを含む。
【0121】
例えばj=2の場合を説明する。1回目(j-1回目)の選択処理によりSランクが選択された場合、このキャラクタをユーザに付与し、AランクまたはBランクのキャラクタ選択された場合はユーザに付与せずに、2回目(j回目)の第2選択処理を実行する。ここまでは第1アルゴリズムに基づく処理である。
【0122】
2回目(j回目)の第2選択処理では、用いるアルゴリズムを第2アルゴリズムに切り替える。すなわち、2回目の第2選択処理によってSランクまたはAランクのキャラクタが選択された場合、このキャラクタをユーザに付与する。一方、Bランクのキャラクタが選択された場合はユーザに付与せずに、3回目(j+1回目)の第2選択処理を実行する。このように、第2アルゴリズムは、ユーザに付与する対象となるキャラクタのランクが第1アルゴリズムと異なっている。
【0123】
3回目(j+1回目)の第2選択処理では、用いるアルゴリズムを第3アルゴリズムに切り替える。すなわち、3回目の第2選択処理によってAランクのキャラクタが選択された場合、このキャラクタをユーザに付与する。一方、SランクまたはBランクのキャラクタが選択された場合はユーザに付与せずに、4回目の第2選択処理を実行する。4回目以降でも第3アルゴリズムを用いた選択処理を実行することによって、いずれかの選択処理によってAランクのキャラクタが選択されるまで選択処理を繰り返し実行する。このように、第3アルゴリズムは、ユーザに付与する対象となるキャラクタのランクが第1アルゴリズムおよび第2アルゴリズムの双方と異なっている。以上のように、選択処理に用いるアルゴリズムを第3アルゴリズムまで適宜切り替えることによって、Sランクのキャラクタの当選有無を複数のj回目の第2選択処理までに決定することができるようになる。
【0124】
他の例として、m回目のAランク以上確定抽選(第1選択処理)の中のk回の第2選択処理のうち、j回目(j≧2)までSランクが当選し得る選択処理を実行する場合に、抽選実行部212は、j回目までは、一律、上述の第1アルゴリズムに基づいて第2選択処理を実行し、j+1回目からは、一律、上述の第3アルゴリズムに基づいて第2選択処理を実行してもよい。この構成によれば、j≧2であって、jを何回目に設定する場合でも、アルゴリズムを第1アルゴリズムと第3アルゴリズムとの2種類を用意すればよく、設計の自由度を向上させることができる。
【0125】
本開示のある局面において、ゲームにおける第1ゲーム媒体の希少度は、ゲームにおける第2ゲーム媒体の希少度よりも高い。例えば、Sランクのキャラクタの希少度は、Aランクのキャラクタの希少度よりも高い。これにより、希少度がより高いSランクのキャラクタの選択有無を決定する前後でアルゴリズムを切り替えることになるので、希少度がより低いSランクのキャラクタの当選有無を決定するための必要な抽選処理の実行回数を所望の値に設定することができる。
【0126】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部210の制御ブロック(特に、抽選実行部212)、ならびに、制御部110の制御ブロック(特に、抽選部112、判定部113、オブジェクト管理部114およびゲーム進行部115)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0127】
後者の場合、制御部210または制御部110、もしくはその両方を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0128】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0129】
〔付記事項〕
本発明の一側面に係る内容を列記すると以下のとおりである。
【0130】
(項目1) ゲームプログラムを説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラム(131)は、プロセッサ(20)およびメモリ(21)を備えるコンピュータ(サーバ200)により実行される。ゲームプログラムは、プロセッサに、ゲームプログラムに基づくゲームに関する複数のゲーム媒体を含む母集団から各ゲーム媒体が選択される選択確率を定義した情報と、所定のアルゴリズムとに基づいて、母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択する選択処理を実行するステップ(S103)を実行させ、情報に定義される各ゲーム媒体の選択確率と、ゲームをプレイするユーザに提示されている各ゲーム媒体の選択確率とが異なっており、所定のアルゴリズムは、選択処理によって母集団からゲーム媒体が選択される選択確率を、ユーザに提示されているゲーム媒体の選択確率に一致させるアルゴリズムである。
【0131】
(項目2) (項目1)において、母集団は、第1ゲーム媒体、第2ゲーム媒体、および第3ゲーム媒体を含み、ユーザに提示されている第1ゲーム媒体の選択確率は、情報を用いるがアルゴリズムは用いずに第1ゲーム媒体が選択されるまで、母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択する処理を繰り返した場合にk回(kは1以上の整数)目までに第1ゲーム媒体が選択される選択確率に一致する。
【0132】
(項目3) (項目2)において、k=1である。
【0133】
(項目4) (項目2)または(項目3)において、情報に定義される第1ゲーム媒体の選択確率は、情報に定義される第2ゲーム媒体の選択確率および第3ゲーム媒体の選択確率よりも低い。
【0134】
(項目5) (項目2)~(項目4)のいずれかにおいて、ゲームにおける第1ゲーム媒体の希少度は、ゲームにおける第2ゲーム媒体の希少度および第3ゲーム媒体の希少度よりも高い。
【0135】
(項目6) (項目1)~(項目5)のいずれかにおいて、情報に定義される各ゲーム媒体の選択確率は、ユーザに提示されている各ゲーム媒体の選択確率とは別に、ユーザに提示される。
【0136】
(項目7) ゲームプログラムを説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラム(131)は、プロセッサ(20)およびメモリ(21)を備えるコンピュータ(サーバ200)により実行される。ゲームプログラムは、プロセッサに、ゲームプログラムに基づくゲームに関する複数のゲーム媒体を含む母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択するためのn回(nは2以上の整数)の第1選択処理(S103)のうちの任意のm回目(mは1以上n以下の整数)に実行される第1選択処理について、当該m回目の第1選択処理により選択されて、ゲームをプレイするユーザに関連付けられるゲーム媒体を確定させるためにk(k≧2)回の第2選択処理(S201、S205)を実行する場合、ゲーム媒体を選択するためのアルゴリズムを、第2選択処理の2回目からk回目までの任意の回以降切り替えるステップを実行させる。
【0137】
(項目8) (項目7)において、母集団は、第1ゲーム媒体、第2ゲーム媒体、および第3ゲーム媒体を含み、m回目の第1選択処理によって選択されてユーザに関連付けられるゲーム媒体は、第1ゲーム媒体または第2ゲーム媒体であり、アルゴリズムを切り替えるステップでは、k回の第2選択処理のうちのj(1≦j<k)回目までに、ユーザに関連付けられるゲーム媒体として第1ゲーム媒体が選択されなかった場合、ユーザに関連付けられるゲーム媒体として第2ゲーム媒体が選択されるように、j+1回目以降に実行される第2選択処理におけるアルゴリズムを切り替える。
【0138】
(項目9) (項目8)において、j=1である。
【0139】
あるいは、j≧2の場合、アルゴリズムは、複数回の1回目~j-1回(jは2以上の整数)目の各第2選択処理によって、第1ゲーム媒体が選択された場合、選択されたゲーム媒体をユーザに関連付け、一方、第2ゲーム媒体または第3ゲーム媒体が選択された場合、第2選択処理を再度実行する第1アルゴリズムと、複数回のうちのj回目の第2選択処理によって、第1ゲーム媒体または第2ゲーム媒体が選択された場合、選択されたゲーム媒体をユーザに関連付け、一方、第3ゲーム媒体が選択された場合、第2選択処理を再度実行する第2アルゴリズムと、複数回のうちのj+1回目以降の各第2選択処理によって、第2ゲーム媒体が選択された場合、選択されたゲーム媒体をユーザに関連付け、一方、第1ゲーム媒体または第3ゲーム媒体が選択された場合、第2選択処理を再度実行する第3アルゴリズムとを含んでいてもよい。
【0140】
(項目10) (項目8)または(項目9)において、ゲームにおける第1ゲーム媒体の希少度は、ゲームにおける第2ゲーム媒体の希少度および第3ゲーム媒体の希少度よりも高い。
【0141】
(項目11) ゲームプログラムを実行する方法を説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラム(131)は、プロセッサ(20)およびメモリ(21)を備えるコンピュータ(サーバ200)により実行される。方法は、プロセッサが、ゲームプログラムに基づくゲームに関する複数のゲーム媒体を含む母集団から各ゲーム媒体が選択される選択確率を定義した情報と、所定のアルゴリズムとに基づいて、母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択する選択処理を実行するステップを含み、情報に定義される各ゲーム媒体の選択確率と、ゲームをプレイするユーザに提示されている各ゲーム媒体の選択確率とが異なっており、所定のアルゴリズムは、選択処理によって母集団からゲーム媒体が選択される選択確率を、ユーザに提示されているゲーム媒体の選択確率に一致させるアルゴリズムである。
【0142】
(項目12) ゲームプログラムを実行する方法を説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラム(131)は、プロセッサ(20)およびメモリ(21)を備えるコンピュータ(サーバ200)により実行される。方法は、プロセッサが、ゲームプログラムに基づくゲームに関する複数のゲーム媒体を含む母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択するためのn回(nは2以上の整数)の第1選択処理のうちの任意のm回目(mは1以上n以下の整数)に実行される第1選択処理について、当該m回目の第1選択処理により選択されて、ゲームをプレイするユーザに関連付けられるゲーム媒体を確定させるためにk(k≧2)回の第2選択処理を実行する場合、ゲーム媒体を選択するためのアルゴリズムを、第2選択処理の2回目からk回目までの任意の回以降切り替えるステップを含む。
【0143】
(項目13) 情報処理装置を説明した。本開示のある局面によると、情報処理装置(サーバ200)は、ゲームプログラム(131)を記憶するメモリ(21)と、ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置の動作を制御する制御部(プロセッサ20)と、を備える。制御部は、ゲームプログラムに基づくゲームに関する複数のゲーム媒体を含む母集団から各ゲーム媒体が選択される選択確率を定義した情報と、所定のアルゴリズムとに基づいて、母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択する選択処理を実行する。情報に定義される各ゲーム媒体の選択確率と、ゲームをプレイするユーザに提示されている各ゲーム媒体の選択確率とが異なっており、所定のアルゴリズムは、選択処理によって母集団からゲーム媒体が選択される選択確率を、ユーザに提示されているゲーム媒体の選択確率に一致させるアルゴリズムである。
【0144】
(項目14) 情報処理装置を説明した。本開示のある局面によると、情報処理装置(サーバ200)は、ゲームプログラム(131)を記憶するメモリ(21)と、ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置の動作を制御する制御部(プロセッサ20)と、を備える。制御部は、ゲームプログラムに基づくゲームに関する複数のゲーム媒体を含む母集団の中からいずれかのゲーム媒体を選択するためのn回(nは2以上の整数)の第1選択処理のうちの任意のm回目(mは1以上n以下の整数)に実行される第1選択処理について、当該m回目の第1選択処理により選択されて、ゲームをプレイするユーザに関連付けられるゲーム媒体を確定させるためにk(k≧2)回の第2選択処理を実行する場合、ゲーム媒体を選択するためのアルゴリズムを、第2選択処理の2回目からk回目までの任意の回以降切り替える。
【符号の説明】
【0145】
1 ゲームシステム、2 ネットワーク、10,20 プロセッサ、11,21 メモリ、12,22 ストレージ、13,23 通信IF(操作部)、14,24 入出力IF(操作部)、15 タッチスクリーン(表示部、操作部)、17 カメラ(操作部)、18 測距センサ(操作部)、100 ユーザ端末、110,210 制御部、111 操作受付部、112 抽選部、113 判定部、114 オブジェクト管理部、115 ゲーム進行部、116 表示制御部、120,220 記憶部、131 ゲームプログラム、132 ゲーム情報、133 ユーザ情報、151 入力部(操作部)、152 表示部、200 サーバ(コンピュータ、情報処理装置)、212 抽選実行部、1010 物体、1020 コントローラ(操作部)、1030 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9