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特許7370809ピッキング作業支援装置およびピッキング作業支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】ピッキング作業支援装置およびピッキング作業支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
B65G1/137 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019196948
(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2021070549
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社ムトウ 2019年3月製品納入 〔刊行物等〕 2019年5月29日掲載 https://corporate.jp.sharp/news/190529-a.html https://corporate.jp.sharp/press/p190529-a.html 〔刊行物等〕 2019年6月19日掲載 https://www.youtube.com/watch?v=8655EYTCr3I https://jp.sharp/business/agv/ 〔刊行物等〕 2019年8月掲載 https://jp.sharp/business/case/agv/agv_detail_5.html?category=%E8%87%AA%E5%8B%95%E6%90%AC%E9%80%81%E8%A3%85%E7%BD%AE%28AGV%29&target=%E6%9C%80%E6%96%B0%E4%BA%8B%E4%BE%8B%EF%BC%88%E5%85%A8%E6%A5%AD%E7%A8%AE%EF%BC%89&scroll=scroll https://jp.sharp/business/case/agv/pdf/agv_detail_5.pdf 〔刊行物等〕 2019年10月2日掲載 https://www.g-mark.org/ https://www.g-mark.org/award/describe/49074?token=uuqMJFa44K
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】羽田 亜美
(72)【発明者】
【氏名】谷 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】村岡 寛
(72)【発明者】
【氏名】青山 秀
(72)【発明者】
【氏名】堀田 一志
(72)【発明者】
【氏名】山内 博
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-502617(JP,A)
【文献】特開2002-060030(JP,A)
【文献】特開2015-101439(JP,A)
【文献】特開2021-054604(JP,A)
【文献】実開平07-015622(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の顧客に個別に対応している複数のコンテナを1台の搬送車に載せて、保管場所に保管されている商品を順次ピッキングするマルチピッキング作業を支援するピッキング作業支援装置であって、
ピッキング作業対象の商品を登録するピッキング作業対象登録手段
前記ピッキング作業対象登録手段によって登録された商品のピッキング作業を行うための前記搬送車の走行経路の経路情報を、地図データおよび前記登録された商品の保管場所の情報に基づいて生成する経路情報生成手段、および
ピッキングした商品を前記複数のコンテナのどれに投入するかを指示するコンテナ指示手段を備え、
前記搬送車は、ピッキング作業をガイドするガイド画像表示手段を備え、
前記経路情報生成手段は、マルチピッキングの対象となる前記複数の顧客のピッキング作業対象の商品を、前記複数の前記保管場所ごとにソートし、前記保管場所ごとにソートした前記ピッキング作業対象の商品を順次ピッキングするように前記経路情報を生成し、
前記ガイド画像表示手段は、前記経路情報に基づいて、次の前記ピッキング作業対象である目的の商品の保管場所までの走行経路と、前記走行経路の先に前記目的の商品の外観写真を表示する、ピッキング作業支援装置。
【請求項2】
記コンテナ指示手段は、前記複数のコンテナのうち前記商品を投入すべきコンテナをガイドするコンテナガイド画像を前記ガイド画像表示手段により表示する、請求項1記載のピッキング作業支援装置。
【請求項3】
前記ガイド画像表示手段は、前記搬送車が前記ピッキング作業対象登録手段で登録された商品の保管場所に到着したときピッキングすべき商品の情報を表す商品ガイド画像を表示する、請求項1または2記載のピッキング作業支援装置。
【請求項4】
前記ガイド画像表示手段は、前記搬送車が前記商品の保管場所に近づいたとき当該保管場所の情報を表す保管場所ガイド画像を表示する、請求項1から3のいずれかに記載のピッキング作業支援装置。
【請求項5】
前記搬送車は、前記複数のコンテナの載置位置に対応した位置に、前記複数のコンテナのどれに投入するかを報知する報知手段を備え、
コンテナ指示手段は、前記複数のコンテナのうち前記商品を投入すべきコンテナを前記報知手段により指示する、請求項1からのいずれかに記載のピッキング作業支援装置。
【請求項6】
複数の顧客に個別に対応している複数のコンテナを1台の搬送車に載せて、保管場所に保管されている商品を順次ピッキングするマルチピッキング作業を支援するピッキング作業支援装置のコンピュータが実行するピッキング作業支援プログラムであって、前記コンピュータを、
ピッキング作業対象の商品を登録するピッキング作業対象登録手段
前記ピッキング作業対象登録手段によって登録された商品のピッキング作業を行うための前記搬送車の走行経路の経路情報を、地図データおよび前記登録された商品の保管場所の情報に基づいて生成する経路情報生成手段、および
ピッキングした商品を前記複数のコンテナのどれに投入するかを指示するコンテナ指示手段として機能させ、
前記経路情報生成手段は、マルチピッキングの対象となる前記複数の顧客のピッキング作業対象の商品を、前記複数の前記保管場所ごとにソートし、前記保管場所ごとにソートした前記ピッキング作業対象の商品を順次ピッキングするように前記経路情報を生成し、
前記経路情報に基づいて、次の前記ピッキング作業対象である目的の商品の保管場所までの走行経路と、前記走行経路の先に前記目的の商品の外観写真を前記搬送車のガイド画像表示手段に表示させる、ピッキング作業支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ピッキング作業支援装置およびピッキング作業支援プログラムに関し、特に、たとえばピッキングする商品の画像を表示する、ピッキング支援装置およびピッキング支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ピッキングする商品の画像をピッキングする単位に合わせて表示する、ピッキング支援システムが開示されている。
【0003】
特許文献2には、出荷対象商品のパレットへの積み付けた荷姿を表示する、ピッキングシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-306505号公報[B65G 1/137]
【文献】特開2001-130721号公報[B65G 1/137]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2のいずれの背景技術でも、単に商品や荷姿を表示するだけであり、マルチピッキング(複数のコンテナを用いて、一度に複数の配送先の商品を集荷する)においては特に、作業者の間違ったピッキングを防止するには十分ではない。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、ピッキング作業支援装置およびピッキング作業支援プログラムを提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、特にマルチピッキングにおいて、作業者の間違ったピッキングを可及的防止できる、ピッキング作業支援装置およびピッキング作業支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、複数の顧客に個別に対応している複数のコンテナを1台の搬送車に載せて、保管場所に保管されている商品を順次ピッキングするマルチピッキング作業を支援するピッキング作業支援装置であって、ピッキング作業対象の商品を登録するピッキング作業対象登録手段、ピッキング作業対象登録手段によって登録された商品のピッキング作業を行うための搬送車の走行経路の情報を、地図データおよび登録された商品の保管場所の情報に基づいて生成する経路情報生成手段、およびピッキングした商品を複数のコンテナのどれに投入するかを指示するコンテナ指示手段を備え、搬送車は、ピッキング作業をガイドするガイド画像表示手段を備え、経路情報生成手段は、マルチピッキングの対象となる複数の顧客のピッキング作業対象の商品を、複数の保管場所ごとにソートし、保管場所ごとにソートしたピッキング作業対象の商品を順次ピッキングするように経路情報を生成し、ガイド画像表示手段は、経路情報に基づいて、次のピッキング作業対象である目的の商品の保管場所までの走行経路と、走行経路の先に目的の商品の外観写真を表示する、ピッキング作業支援装置である。
【0009】
第1の発明では、各顧客に個別的に対応している複数のコンテナを1台の搬送車に載せて、複数の顧客の注文した商品を1回のピッキング作業によって集荷するマルチピッキングを実施する。その際、ピッキング作業者は、ピッキング作業対象登録手段で登録された商品をピッキングし、コンテナ指示手段が示す、複数のコンテナのいずれかに当該商品を投入する。また、ピッキング作業者および搬送車は、経路情報生成手段が地図データおよび登録された商品の保管場所の情報に基づいて生成する、ピッキング作業対象登録手段によって登録された商品のピッキング作業を行うための搬送車の走行経路の経路情報に従って移動する。経路情報生成手段は、マルチピッキングの対象となる複数の顧客のピッキング作業対象の商品を、複数の保管場所ごとにソートし、保管場所ごとにソートしたピッキング作業対象の商品を順次ピッキングするように経路情報を生成し、搬送車が備えるガイド画像表示手段は、経路情報に基づいて、次のピッキング作業対象である目的の商品の保管場所までの走行経路と、走行経路の先に目的の商品の外観写真を表示する。
【0010】
第1の発明によれば、ピッキングした商品を複数のコンテナのどれに投入するかを指示するコンテナ指示手段を設けているので、マルチピッキングにおいて、ピッキングした商品を間違ったコンテナに投入したりするのを可及的防止できる。
また、第1の発明によれば、複数の保管場所をソーティングした結果に基づいて経路情報を生成するので、マルチピッキングにおいて効率的な走行経路を生成することができる。
さらに、第1の発明によれば、目的の商品がある保管場所までの走行経路および走行経路の先に目的の商品の外観写真を表示するので、搬送車が自律走行できるAGVでない場合、ピッキング作業者を効果的に誘導することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に従属し、コンテナ指示手段は、複数のコンテナのうち商品を投入すべきコンテナをガイドするコンテナガイド画像をガイド画像表示手段により表示する、ピッキング作業支援装置である。
【0012】
第2の発明によれば、商品を投入すべきコンテナをコンテナガイド画像で表示することによって、ピッキング作業者による商品の投入間違いを一層効果的に防止できる。
【0013】
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、ガイド画像表示手段は、搬送車がピッキング作業対象登録手段で登録された商品の保管場所に到着したときピッキングすべき商品の情報を表す商品ガイド画像を表示する、ピッキング作業支援装置である。
【0014】
第3の発明によれば、ピッキング作業者は、商品ガイド画像に従って商品をピッキングするので、マルチピッキングにおいて、間違った商品をピッキングしたりするのを可及的防止できる。
【0015】
第4の発明は、第1から第3の発明のいずれかに従属し、ガイド画像表示手段は、ピッキング作業者が商品の保管場所に近づいたとき当該保管場所の情報を表す保管場所ガイド画像を表示する、ピッキング作業支援装置である。
【0016】
第4の発明によれば、ピッキング作業者はピッキングする商品の保管場所に近づいたときに保管場所を確認することができるので、ピッキング間違いをさらに防止できる。
【0023】
の発明は、第1から第の発明のいずれかに従属し、搬送車は、複数のコンテナの載置位置に対応した位置に、複数のコンテナのどれに投入するかを報知する報知手段を備え、コンテナ指示手段は、複数のコンテナのうち商品を投入すべきコンテナを報知手段により指示する、ピッキング作業支援装置である。
【0024】
の発明によれば、コンテナ指示手段は、報知手段を用いて、商品を投入すべきコンテナを指示することができる。
【0025】
の発明は、複数の顧客に個別に対応している複数のコンテナを1台の搬送車に載せて、保管場所に保管されている商品を順次ピッキングするマルチピッキング作業を支援するピッキング作業支援装置のコンピュータが実行するピッキング作業支援プログラムであって、コンピュータを、ピッキング作業対象の商品を登録するピッキング作業対象登録手段、ピッキング作業対象登録手段によって登録された商品のピッキング作業を行うための搬送車の走行経路の経路情報を、地図データおよび登録された商品の保管場所の情報に基づいて生成する経路情報生成手段、およびピッキングした商品を複数のコンテナのどれに投入するかを指示するコンテナ指示手段として機能させ、経路情報生成手段は、マルチピッキングの対象となる複数の顧客のピッキング作業対象の商品を、複数の保管場所ごとにソートし、保管場所ごとにソートしたピッキング作業対象の商品を順次ピッキングするように経路情報を生成し、経路情報に基づいて、次のピッキング作業対象である目的の商品の保管場所までの走行経路と、走行経路の先に目的の商品の外観写真を搬送車のガイド画像表示手段に表示させる、ピッキング作業支援プログラムである。
【0026】
の発明によれば第1の発明と同様の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1はこの発明の一実施例のピッキング作業支援装置を示すブロック図である。
図2図2図1実施例のピッキング作業支援装置を利用して商品を集荷する倉庫の一部を示す図解図である。
図3図3図1実施例における注文受付コンピュータで受け付けた注文内容の一部を示す図解図である。
図4図4図1実施例におけるシールプリンタで印刷される出庫依頼票(シール)の一例を示す図解図である。
図5図5図1実施例におけるAGVの一例を示す図解図である。
図6図6図5実施例のAGVの底面の配置の一例を示す図解図である。
図7図7図5実施例のAGVの電気的構成の一例をタブレット端末とともに示すブロック図である。
図8図8図7に示すタブレット端末のメモリのメモリマップの一例を示す図解図である。
図9図9はタブレット端末によるピッキング作業の前処理の一例を示すフロー図である。
図10図10はピッキング作業管理サーバによるピッキング作業の前処理の一例を示すフロー図である。
図11図11はタブレット端末を用いたピッキング作業の一例を示すフロー図である。
図12図12はタブレット端末を用いたピッキング作業においてタブレット端末に表示される第1のGUI画像を示す図解図である。
図13図13はタブレット端末を用いたピッキング作業においてタブレット端末に表示される第2のGUI画像を示す図解図である。
図14図14はタブレット端末を用いたピッキング作業においてタブレット端末に表示される第3のGUI画像を示す図解図である。
図15図15はタブレット端末を用いたピッキング作業においてタブレット端末に表示される第4のGUI画像を示す図解図である。
図16図16はタブレット端末を用いたピッキング作業においてタブレット端末に表示される第5のGUI画像を示す図解図である。
図17図17はこの発明の他の実施例におけるAGVの一部を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1を参照して、この実施例のピッキング作業支援装置10は、各顧客(配送先)1A、2A、…、1B、…9Fからの注文に従って、図2に示す倉庫100においてその注文情報が示す物品または商品(以下、「商品」という。)を揃えて注文元の顧客に配送する、ピッキング作業を支援する。
【0029】
倉庫100にはそれぞれに商品(図示せず)を載置、保管している保管場所としての棚102が配列されている。棚102は2列1組として設置されていて、それらの棚列の間には、後述のAGV24が自律走行するための経路を示す磁気テープ104が敷設される。ただし、磁気テープ104は、棚列の間の他、AGV24を誘導する必要がある場所に敷設される。なお、図2において白丸106で示す場所は、集荷(ピッキング)作業においてAGV24が停止したり、旋回したりできる位置を示す。
【0030】
また、図2に図示していないが、この実施例では、AGV24の現在位置を正確に把握するために、倉庫100のAGV24の走行経路上の床にRFタグを敷設しておく。また、図示しないが、倉庫100には、複数のアクセスポイントが設けられ、このアクセスポイントを含むネットワークを介して後述のAGV24やタブレット端末44がピッキング作業管理サーバ20等と通信(データ送信/受信)を行う。
【0031】
顧客(配送先)1A、2A、…、1B、…、9F、…の顧客端末1、1、…から顧客ごとに決められた時間(打票時間:たとえば1日4‐5回)に、たとえばインタネットを通して、注文情報を受け付ける。この注文情報はピッキング作業支援装置10に含まれる注文受付コンピュータ14に入力される。注文受付コンピュータ14は、汎用のコンピュータであり、受け付けた注文内容をメモリ(図示せず)に記憶する。この注文内容は、顧客端末1から注文情報が入力される都度、更新される。つまり、注文受付コンピュータ14はピッキング作業の対象となる商品を登録するので、ピッキング作業対象商品登録手段として機能する。
【0032】
図3が注文内容の一部の一例を示し、この例では、注文内容には、各顧客1A、1B、…毎に、注文のあった商品の商品番号、必要な商品の個数、その商品が置かれている倉庫100の棚102の番号等が含まれる。
【0033】
注文受付コンピュータ14は、付属のシールプリンタ16に、注文情報に従った図4に示すシール(出庫依頼票)26を印字または印刷させる。ここで、シール26は、配送先である顧客毎にかつ商品の種類(品番)毎に印字される。たとえば、顧客1Aが1種の商品だけを発注した場合、1枚のシールが印字される。顧客1Aが2種の商品を発注した場合、2種の商品のそれぞれについて1枚、合計2枚のシールが印字される。1種の商品の注文単位が複数の場合(まとめ買いの場合)には、まとめ買い単位毎にシールを発行する。
【0034】
シール26には、商品の品番、個数、棚番号、顧客名、顧客IDが記載されるともに、これらの全ての情報を含むバーコード28が印刷される。ただし、バーコード28は1次元バーコードでも2次元バーコードでもよい。ここで、棚番号は保管場所についての詳細情報であり、商品の品番や個数は商品についての詳細情報である。
【0035】
注文受付コンピュータ14は、このようにシールプリンタ16でシール26を印刷させるとともに、注文管理サーバ18に印刷実績情報を送信する。
【0036】
注文管理サーバ18は、汎用コンピュータであってよく、いずれも図示しないが、CPU(中央演算処理装置)と、そのCPUに内部バスを介して接続される通信装置およびメモリを含む。注文管理サーバ18は、その通信装置を介して注文受付コンピュータ14やピッキング作業管理サーバ20などと通信でき、それらの間でデータの授受を行うことができる。また、メモリはROMやRAMを含み、注文受付コンピュータ14から受信した印刷実績情報が各顧客毎にメモリに蓄積される。
【0037】
注文管理サーバ18は、注文受付コンピュータ14から印刷実績情報を受信した場合、メモリ(図示せず)に蓄積している注文データを更新するとともに、その追加の注文データをピッキング作業管理サーバ(AOS:AGV Operation System)20に送信する。
【0038】
ピッキング作業管理サーバ20は、進捗状況モニタ22を備え、ピッキング作業全体の進捗状況を、たとえば各注文に個別に対応する升目の形で表示する。つまり、ピッキング作業管理サーバ20は、この升目を使って、対応する注文に対するピッキング作業の進捗状況を、たとえば青色(正常)、オレンジ色(遅れ)、灰色(完了)のように、色別に表示する。
【0039】
ピッキング作業管理サーバ20は、汎用コンピュータでよく、図示しないが、CPUや通信装置を含み、通信装置を介して注文管理サーバ18やAGV24などと通信でき、それらの間でデータの授受を行うことができる。さらに、ピッキング作業管理サーバ20は、メモリ(図示せず)を備え、メモリには、このピッキング作業管理サーバ20に必要なプログラム(OSやピッキング作業管理プログラムなど)が、記憶される。
【0040】
ピッキング作業管理サーバ20は、先に説明したように、進捗状況モニタ22を備え、全体のピッキング作業の進捗状況を表示する。
【0041】
図5を参照して、AGV24は、台車34を含み、この台車34には、その下面に車輪(後述)のような移動手段が設けられている。台車34の上面は集荷容器としてのコンテナ38を載置するための下載置板36として形成される。台車34の両側面には、フレーム40が両側面に沿って垂直に取り付けられる。
【0042】
フレーム40の上端には、コンテナ38を載置するための上載置板42が設けられる。この上載置板42の上面前端付近にはタブレット端末44が、取り外し可能(着脱自在)に設置される。タブレット端末44は、後述のように、CPU(プロセサ)やメモリを有するコンピュータである。
【0043】
タブレット端末44は、シールプリンタ16で印刷した1人のピッキング作業者が処理すべきすべてのシールのバーコードを読み取ってピッキング作業管理サーバ20に知らせるとともに、この実施例の特徴の1つであるピッキング作業者に対するガイド画像(GUI画像)を表示する。
【0044】
上載置板42のタブレット端末44の近傍には、商品に付された商品IDとしてのバーコードを読み取るためのハンディタイプのバーコードリーダ46が設けられ、左右のフレーム40を前端で繋ぐ取付け板48には固定式のバーコードリーダ50が設けられる。
【0045】
なお、この実施例では、AGV24は、4つのコンテナ38を載置できるが、載置可能なコンテナの数は任意でよい。
【0046】
なお、コンテナ38は、基本的に上端開口の有底の箱であり、底部に設けられて、投入された商品の重量を検出する重量センサ、側壁に設けられて投入された商品の体積(嵩)を検出する体積センサ、開口端縁に設けられて商品の投入を検知するフォトセンサ等を有するが、実施例に直接関連しないので、図示、説明を省略する。
【0047】
また、シール26(図4)がバーコードではなくICタグの場合、バーコードリーダ46、50に代えて、ICタグリーダ(図示せず)が用いられる。
【0048】
図6に示すように、AGV24の台車34の下面には、磁気センサ52が設けられ、この磁気センサ52によって、倉庫100に敷設された磁気テープ104を検出し、AGV24が自律走行する。
【0049】
AGV24の台車34の下面には、車輪54および56が設けられる。車輪54は駆動輪であり、車輪56は従動輪として機能する。駆動輪54は、駆動手段としての左右モータ58に連結される。つまり、駆動輪54がモータ58によって回転されることによって、AGV24が走行する。AGV24は、通常の前進走行だけでなく、後退、旋回、反転などをする必要があるため、この実施例では駆動輪54を左右別々のモータ58で独立して駆動できるようにした。
【0050】
AGV24には、倉庫100(図2)に敷設されたRFタグ(図示せず)を読み取るためのタグリーダ60が設けられる。
【0051】
AGV24には前述のように、タブレット端末44が搭載されるが、このタブレット端末44は、ピッキング作業者毎に設けられてもよく、AGV24毎に設けられてもよい。タブレット端末44は、タッチディスプレイ(タッチ画面を持つディスプレイ)を含むとともに、図7に示すように、CPU44aを含み、このCPU44aには、内部バスによって、メモリ44bおよび通信装置44cが接続される。メモリ44bはROMやRAMを含み、このメモリ44bには、後述のように、ピッキング作業を支援するためのプログラムが設定されるとともに、ピッキング作業に必要なデータが記憶される。通信装置44cは基本的には無線通信装置であり、主として、ピッキング作業管理サーバ20と通信する。
【0052】
AGV24は、図7に示すように、CPU62を含み、CPU62には、内部バス64を介して、通信装置68が接続される。通信装置68は、たとえばネットワークインタフェースコントローラ(NIC)などを含み、CPU62はこの通信装置68を介してピッキング作業管理サーバ20やタブレット端末44と通信(無線/有線)でき、それらの間でデータの授受を行うことができる。
【0053】
CPU62にはさらに、内部バス64を介して、メモリ70が接続される。メモリ70はROMやRAMを含む。AGV24に必要なプログラム(OSや走行制御プログラムなど)は、メモリ70に記憶される。AGV24はメモリ70に予め記憶された地図データやピッキング作業管理サーバ20から送られる経路データ等に従って自律走行する。
【0054】
図6に示す車輪54を駆動するためのモータ58を含むモータ駆動回路72は、内部バス64を通してCPU62に接続され、CPU62からの駆動データに応じてモータ58(図6)を駆動する。つまり、AGV24の車輪54(56)はCPU62によって制御される。
【0055】
スキャナインタフェース74は、図5に示すバーコードリーダ46および50からの読取り信号を受け、その読取り信号をバーコードデータに変換する。バーコードデータは、内部バス64からCPU62に入力され、CPU62によってメモリ70に書き込まれるとともに、タブレット端末44に送信される。
【0056】
図5に示す磁気センサ52からの検知信号は磁気センサインタフェース76に入力される。検知信号は、磁気センサインタフェース76を経てCPU62に入力される。そして、CPU62はその検知信号によって、当該AGV24が磁気テープで形成された経路上を走行するように、モータ駆動回路72を制御する。
【0057】
AGV24では、さらに、前述のRFタグを読み取るためのタグリーダ60の読取り信号がタグリーダインタフェース78から位置データとして取り込まれる。
【0058】
図8は、タブレット端末44のメモリ44bのメモリマップの一例であり、メモリ44bは、プログラム記憶領域80およびデータ記憶領域82を有する。
【0059】
プログラム記憶領域80には、前処理プログラム80a、ピッキング作業管理プログラム80b等が記憶される。前処理プログラム80aは、ピッキング作業管理プログラム80bに従ってピッキング作業を実施する前処理(図9)のためのプログラムである。ピッキング作業管理プログラム80bは、バーコードリーダ46および/または50を用いたピッキング作業を管理するためのプログラムである。ピッキング作業管理プログラム80bの特徴の1つは、AGV24を利用してピッキング作業を実行する作業者に、タブレット端末44を用いて、GUI画像(ガイド画像)を逐次表示して、作業間違いを可及的防止することである。
【0060】
データ記憶領域82には、図2に示す倉庫100の全体を示す地図データ82aが記憶されるとともに、ピッキング作業管理サーバ20で生成され、送信される当該AGVの都度の移動(走行)経路を示す経路データ82bが記憶される。
【0061】
データ記憶領域82はさらに、上記GUI画像を表示するための表示画像データ82cと、ピッキング作業の準備作業において、図4に示す出庫依頼票26のバーコードを読み取ったバーコード情報データ82d、すなわち商品の品番、個数、棚番号、顧客名、顧客ID等のデータを記憶する。
【0062】
次に、図9を参照して、タブレット端末44に内蔵されるCPU44a(図7)によるピッキング作業の前処理の一例を示すフロー図である。タブレット端末44は、前述のように、ピッキング作業者が使用するAGV24に取り外し可能に載置されているものである。
【0063】
図9に示すように、タブレット端末44のCPU44aはピッキング作業前処理を開始すると、ステップS1で、作業者情報を取得する。ここでは、ピッキング作業者(以下、単に「作業者」ということがある。)によって、たとえばIDカードのバーコードをバーコードリーダ46でスキャンして入力される作業者情報(作業者ID)が取得される。
【0064】
なお、この実施例では、いずれの場合も、バーコードリーダ46または50で読み取ったバーコードデータはスキャナインタフェース74からAGV24のCPU62に入力され、通信装置68から、タブレット端末44の通信装置44cを通してCPU44aに入力されるとともに、ピッキング作業管理サーバ20に送信される。
【0065】
続くステップS3では、シール26のバーコードを読み取るべき、読取り指示があるかどうかを判断する。ステップS3で“NO”であれば、つまり、読取り指示がなければ、ステップS9に進む。一方、ステップS3で“YES”であれば、つまり、シールのバーコードの読取り指示があれば、ステップS5で、シール26のバーコード28(図4)を読み取る。つまり、タブレット端末44のCPU44aは、たとえば、それの画面に「バーコードを読み取ってください」というメッセージを表示することでバーコードの読取りを指示し、たとえばバーコードリーダ46(図5)で読み取ったバーコードの情報(データ)を上述のようにして取得する。
【0066】
ステップS7では、読み取ったバーコードのデータをピッキング作業管理サーバ20に送信する。つまり、このステップS7の処理が、ピッキング作業対象の商品を登録するピッキング作業対象登録手段として機能する。
【0067】
そして、ステップS9で、バーコードの読取り終了かどうかを判断する。ここでは、タブレット端末44は、作業者によってバーコードの読取り終了が指示されたかどうかを判断する。
【0068】
ステップS9で“NO”であれば、つまり、バーコードの読取り終了でなければ、ステップS3に戻って、次のシールのバーコードの読取り処理を実行する。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり、バーコードの読取り終了であれば、ステップS11で、バーコードの読取り終了をピッキング作業管理サーバ20に通知し、ステップS13で、ピッキング作業管理サーバ20から、タブレット端末44を利用して実行すべきピッキング作業リストを取得したかどうか判断する。ピッキング作業リストは、ピッキング作業管理サーバ20がタブレット端末44から受信したバーコードデータに含まれる情報、たとえば商品の品番、個数、棚番号、顧客名、顧客ID等をシール26毎にまとめたものである。
【0069】
ステップS13で“NO”であれば、ステップS13に戻って、ピッキング作業管理サーバ20からのピッキング作業リストの受信を待つ。そして、ステップS13で“YES”になれば、つまり、ピッキング作業リストを受信すれば、ステップS15で、取得したピッキング作業リストをメモリ44b(図8)に記憶して、作業前処理を終了する。
【0070】
なお、この実施例では、バーコードの読取りを実行する都度、読み取ったバーコードのデータをピッキング作業管理サーバ20に送信するようにしたが、すべてのバーコードの読取を終了してから、読み取ったすべてのバーコードのデータを送信するようにしてもよい。
【0071】
図10に示すピッキング作業管理サーバ20によるピッキング作業前処理のためのプログラムは、ピッキング作業管理サーバ20のメモリ(図示せず)に設定されている。この前処理の最初のステップS21では、シール26(図4)のバーコード28の情報(バーコード情報)を受信したかどうか判断する。バーコード情報は、図9に示すように、タブレット端末44から送られる。ステップS21で“NO”であれば、つまり、シール26のバーコードデータを受信していなければ、ステップS25に進んで、すべてのバーコードデータの受信を完了したかどうかを判断する。
【0072】
ステップS21で“YES”を判断したとき、ステップS23において、バーコードデータに基づいて、商品の品番、個数、棚番号、顧客名、顧客ID等のピッキング作業情報を取得する。ステップS25において、すべてのバーコード情報の受信を完了したと判断するまで、ステップS23が繰り返される。
【0073】
そして、ピッキング作業管理サーバ20は、ステップS25においてすべてのピッキング作業情報の受信を完了したと判断すると、ステップS27において、商品の品番、個数、棚番号、顧客名、顧客ID等のバーコードデータに基づいてピッキング作業リストを生成して、ピッキング作業管理サーバ20のメモリ(図示せず)に記憶(登録)する。そして、そのピッキング作業リストを、タブレット端末44へ送信する。
【0074】
次のステップS29で、CPU44aは、ステップS23で取得したバーコードデータに示されているそれぞれの配送先(顧客)を棚番号の順番にソーティングする。
【0075】
ピッキング作業管理サーバ20は、次のステップS31で、地図データを参照して、ソートされた棚番号の順番に従って、AGV24が移動する最も効率的な経路の情報を生成し、ステップS33で、AGV24にその経路情報を送信して、ピッキング作業前処理を終了する。つまり、この前処理のステップS29およびS31が、経路情報生成手段として機能する。
【0076】
図11図1に示したタブレット端末44のCPU44aにおけるピッキング作業処理の一例を示すフロー図である。ピッキング作業処理は、図8に示すピッキング作業管理プログラム80bに従って実行されるが、ピッキング作業者によって開始ボタン(図示せず)が操作されたことに応答して開始される。なお、ピッキング作業者には、これから実行するピッキング作業を指示する複数の商品についてのすべてのシール26(図4)が交付されている。
【0077】
ピッキング作業処理が開始されると、ステップS41で、ピッキング作業管理サーバ20にピッキング作業の開始を通知する。
【0078】
続くステップS43では、CPU44aは、AGV24に対して、走行開始を指示する。この走行開始指示に従ってAGV24のCPU62は、図10のステップS33で先にピッキング作業管理サーバ20から送られてきた経路データに従って、走行を開始する。ただし、このAGV24の自律走行はよく知られたところであり、かつ実施例の要旨ではないので、詳しい説明は省略する。また、AGV24はその走行中に、タグリーダ60(図7)によって倉庫100に敷設されたRFタグを読み取ることによって、現在位置を知ることができ、必要に応じて、その現在位置データをタブレット端末44に送信する。
【0079】
次のステップS45で、タブレット端末44のCPU44aは、地図データ82aおよび経路データ82bに基づいて生成された表示画像データ82cを用いて、図12に示すように、目的の商品がある棚までの経路を表示する。図12において、やや太い実線84が経路表示であり、この経路表示84の先に丸86が表示され、その中に目的の商品の外観写真が表示される。
【0080】
ただし、ピッキング作業者が自律走行するAGV24を用いて集荷する場合には、このステップS45による経路表示は省略してもよい。しかしながら、自律走行しない台車(図示せず)を用いてピッキング作業をする場合には、タブレット端末44による図12のような経路表示は非常に有効である。つまり、この場合には、タブレット端末44を携帯してピッキング作業をすればよい。
【0081】
次のステップS47では、CPU44aは、AGV24から刻々送られてくる現在位置のデータに基づいて、AGV24が目的の棚に近づいたかどうか判断する。図2でいうと、たとえば、目的の棚の直近の集荷(ピッキング)場所より1つ手前の集荷場所106に近づいたとき、このステップS47で“YES”を判断することができる。
【0082】
ステップS47で“YES”を判断したとき,CPU44aは、ステップS49において、表示画像データ82cを用いて、図13に示すような、目的の商品がある棚の棚番号、この場合「BA1‐23」と、その棚の段、この場合「3段目」を、保管場所の詳細情報の一例として、タブレット端末44で表示する。このように、棚番号と棚の位置(段)を表示することによって、ピッキング作業者が目的の商品を早く見つけることができる。この図13のガイド画像は保管場所ガイド画像といえる。
【0083】
その後、ステップS51で、CPU44aは、AGV24から送られてくる現在位置のデータに基づいて、AGV24が目的の棚BA1‐23の前のピッキング場所106に到着したかどうか判断する。
【0084】
ステップS51で“YES”を判断したとき、CPU44aは、ステップS53で、AGV24に対して走行停止を指示する。つまり、AGV24は、目的の棚の前のピッキング場所106において停止される。
【0085】
このようにして、目的の棚の前のピッキング場所106にAGV24が停止すると、タブレット端末44は、ステップS55で、たとえば図14に示すような商品ガイド画像を表示する。商品ガイド画像は、一例として、目的の商品の写真86、その商品において読み取るべきバーコードの位置、ピッキングする商品の数を商品詳細情報として表示する。このとき、その他の現場ルールを表示するようにしてもよい。現場ルールとは、倉庫100、顧客あるいはピッキング作業者等に固有のルールである。
【0086】
このステップS55で表示された図14に示すGUI画像を見て、ピッキング作業者は、商品詳細情報として表示される商品写真86と同じ外観を有する商品をピッキングする。図14に示すように、商品写真86に2つ以上のバーコードが付されている場合、どのバーコードを読み取るべきかを、読み取るべきバーコードの位置を示す読取り指示88で指示する。この読取り指示88が現場ルールの一例である。
【0087】
ピッキング作業者は、タブレット端末44のこの読取り指示88に従って、バーコードリーダ46または50(図5)によって、指示されたバーコードを読み取るとともに、自分が保持しているシール26のバーコード(図4に示すバーコード28)を読み取る。これらのバーコードデータがデータ記憶領域82(図8)に記憶される。
【0088】
そして、次のステップS59で、ピッキング作業者が読み取った2つのバーコードデータが一致するかどうか判断する。つまり、シールに記録されたバーコードと、ピッキングした商品のバーコードが一致するかどうか判断する。この判断によって、ピッキング作業者が、シールに示された正しい商品をピッキングしたかどうかを判断する、一種の検品の機能が働く。
【0089】
もし2つのバーコードデータが一致しない場合、ステップS61で、ピッキングした商品が間違いであることをタブレット端末44によって警告する。たとえば、「商品を確認してください」のような警告メッセージを表示すればよい。そして、ステップS61の警告表示を見たピッキング作業者は正しい商品をピッキングすることができる。
【0090】
ステップS59において2つのバーコードデータの一致を判断したとき、CPU44aは次のステップS63で、商品を投入すべきコンテナを示すコンテナ指示手段として機能する、図15に示すGUI画像を表示する。このGUI画像(コンテナガイド画像)では、先に正しくピッキングした商品を投入すべきコンテナが顧客9Eのためのコンテナであることを示す。したがって、作業者は、先に正しくピッキングした商品を、指定された9Eと表示されているコンテナに投入する。この場合、ピッキングする商品の数が2個なので、2個商品を投入した後、図15のGUI画像に含まれる完了ボタン90を操作(タッチ)して、該当の商品のピッキングの完了を入力する。
【0091】
このとき、ピッキング作業者はピッキングした商品にシール26を貼付した後、指示されたコンテナに投入する。ピッキングした商品が1個口の場合はその1つの商品にシールを貼ればよい。しかしながら、実施例のように商品の注文単位が複数(実施例では、2個口)の場合(まとめ買いの場合)には、まとめ買い単位毎にシールを1枚貼付する。
【0092】
次に、図16のGUI画像を表示する。図16では、ピッキングすべき商品の数を「2
個」と表示し、2個の商品をピッキングすべきであったことを作業者に知らせる。たとえば、対象の商品を1個しかピッキングしてなかった場合には、ピッキング作業者はピッキングすべき商品の数が2個だったことを図16のGUI画像で知るところとなり、もう1個の商品をピッキングすることができる。そして、ピッキング作業者は正しい商品を正しく2個、指定されたコンテナに投入すれば、図16のGUI画像のOKボタン92を操作する。したがって、ステップS69で“YES”が判断される。
【0093】
そして、ステップS71で、CPU44aは、ピッキング作業が終了したかどうか判断する。ピッキング作業リストが残っていなければ、このステップS71で“YES”が判断される。ピッキング作業リストが残っていれば、このステップS71で“NO”が判断され、次のステップS73で、ピッキング作業リストを更新して、次のピッキング作業に移る。
【0094】
ステップS71で“YES”を判断したとき、つまりピッキング作業が終了したとき、ステップS75で、CPU44aは、AGV24に、払出し場所まで移動するように指示する。
【0095】
先の実施例では、図15のGUI画像を表示して、その画像で視認できる複数(この実施例では、4つ)のコンテナの1つを他のコンテナとは異なる表示態様で表示することによって、ピッキングした商品を投入すべきコンテナをピッキング作業者に指示しまたは知らせるようにした。これに対して、図17に示す実施例では、AGV24のコンテナ載置板36および42のコンテナ38を載せる場所に対応して、両側(または片側)にコンテナ報知手段としてLED94、94、…を設け、ピッキングした商品を投入すべきコンテナを指示する(コンテナ指示手段)ときには対応するLEDを点灯する。もし図15に示す9Eと表示されたコンテナを指示したいときには、上載置板42において、タブレット端末44が設置されている側のLED94を点灯すればよい。
【0096】
ただし、図17の実施例は、図15のGUI画像を表示する実施例と併せて用いられてもよい。
【0097】
なお、詳細な説明は省略するが、図12図16に示すGUI画像において右上に表示される円形のもの96は、そのピッキング作業(シール毎の)の遅速の度合いを示す進捗表示である。この実施例の進捗表示96において、分母(この実施例では、「15」)はピッキング作業者が集荷すべき商品の種類を示し、分子(この実施例では、「1」、「3」)はそのうちの集荷した商品の数を示す。順調にピッキング作業が進捗しているとき、遅れ気味のとき、などの進捗状況に応じて異なる色で表示するようにしている。
【0098】
さらに、上述の実施例では図11のステップS59で2つのバーコードデータの一致を判断したが、完全な一致だけでなく、両者が所定の対応関係にあるかどうかを判断するようにしてもよい。つまり、このステップS59は、シール26が示す商品が正しくピッキングされたかどうかを判断するための処理であり、この判断が行える限りにおいて、両者が所定の対応関係にあるかどうかを判断するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0099】
100 …倉庫
102 …棚
104 …磁気テープ
10 …ピッキング作業支援装置
14 …注文受付コンピュータ
16 …シールプリンタ
18 …注文管理サーバ
20 …ピッキング作業管理サーバ
24 …AGV(無人搬送車)
26 …シール
28 …バーコード
38 …コンテナ
44 …タブレット端末
46、50 …バーコードリーダ
94 …LED
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16
図17