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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】端末、無線通信方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/02 20090101AFI20231023BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20231023BHJP
   H04W 72/542 20230101ALI20231023BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20231023BHJP
   H04W 76/19 20180101ALI20231023BHJP
【FI】
H04W88/02 140
H04W16/28
H04W72/542
H04W74/08
H04W76/19
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019567028
(86)(22)【出願日】2019-01-17
(86)【国際出願番号】 JP2019001314
(87)【国際公開番号】W WO2019146498
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】P 2018024529
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(74)【代理人】
【識別番号】100213643
【弁理士】
【氏名又は名称】新開 健一
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 翔平
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】リュー ミン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ナ スウネイ
(72)【発明者】
【氏名】柿島 佑一
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-033129(JP,A)
【文献】特開2018-19394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
理レイヤから受信するビーム障害インスタンス通知に基づいてビーム障害インスタンスカウンタを上位レイヤにおいてインクリメントする制御部と、
前記上位レイヤにおいてインクリメントされた、前記ビーム障害インスタンスカウンタが閾値以上になった場合に、前記上位レイヤからの送信指示に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部と、
応答ウィンドウ期間内において、サーチスペース設定に基づいて、前記ランダムアクセスプリアンブルに対する応答のためのPhysical Downlink Control Channel(PDCCH)をモニタする受信部と、を有する端末。
【請求項2】
前記受信部は、Cell Radio Network Temporary Identifier(C-RNTI)によってCyclic Redundancy Check(CRC)がスクランブルされた下り制御情報を検出するための、前記ランダムアクセスプリアンブルに対する応答のための前記PDCCHをモニタする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記ランダムアクセスプリアンブルに対する応答を受信した場合、ビーム障害回復手順のためのタイマを停止する請求項1又は請求項2に記載の端末。
【請求項4】
理レイヤから受信するビーム障害インスタンス通知に基づいてビーム障害インスタンスカウンタを上位レイヤにおいてインクリメントするステップと、
前記上位レイヤにおいてインクリメントされた、前記ビーム障害インスタンスカウンタが閾値以上になった場合に、前記上位レイヤからの送信指示に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルを送信するステップと、
応答ウィンドウ期間内において、サーチスペース設定に基づいて、前記ランダムアクセスプリアンブルに対する応答のためのPhysical Downlink Control Channel(PDCCH)をモニタするステップと、を有する端末の無線通信方法。
【請求項5】
端末及び基地局を含むシステムであって、
前記端末は、
理レイヤから受信するビーム障害インスタンス通知に基づいてビーム障害インスタンスカウンタを上位レイヤにおいてインクリメントする制御部と、
前記上位レイヤにおいてインクリメントされた、前記ビーム障害インスタンスカウンタが閾値以上になった場合に、前記上位レイヤからの送信指示に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部と、
応答ウィンドウ期間内において、サーチスペース設定に基づいて、前記ランダムアクセスプリアンブルに対する応答のためのPhysical Downlink Control Channel(PDCCH)をモニタする受信部と、を有し、
前記基地局は、
前記ランダムアクセスプリアンブルを受信する受信部と、
前記PDCCHを送信する送信部と、を有するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、次世代移動通信システムにおける端末、無線通信方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTE(LTE Rel.8、9)の更なる大容量、高度化などを目的として、LTE-A(LTEアドバンスト、LTE Rel.10、11、12、13)が仕様化された。
【0003】
LTEの後継システム(例えば、FRA(Future Radio Access)、5G(5th generation mobile communication system)、5G+(plus)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、LTE Rel.14又は15以降などともいう)も検討されている。
【0004】
既存のLTEシステム(LTE Rel.8-13)では、無線リンク品質のモニタリング(無線リンクモニタリング(RLM:Radio Link Monitoring))が行われる。RLMより無線リンク障害(RLF:Radio Link Failure)が検出されると、RRC(Radio Resource Control)コネクションの再確立(re-establishment)がユーザ端末(UE:User Equipment)に要求される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】3GPP TS 36.300 V8.12.0 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 8)”、2010年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、将来の無線通信システム(例えば、LTE Rel.14以降、NR又は5G等)では、ビームフォーミング(BF:Beam Forming)を利用して通信を行うことが検討されている。
【0007】
また、当該将来の無線通信システムでは、無線リンク障害(RLF)の発生を抑制するために、ビーム障害を検出して他のビームへの切り替える手順(ビーム回復(BR:Beam Recovery)手順などと呼ばれてもよい)を実施することが検討されている。当該ビーム回復手順では、どのようにビーム障害の検出結果に基づいて制御するかが問題となる。
【0008】
本開示は、ビーム障害からの回復を適切に制御可能な端末、無線通信方法及びシステムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る端末は、物理レイヤから受信するビーム障害インスタンス通知に基づいてビーム障害インスタンスカウンタを上位レイヤにおいてインクリメントする制御部と、前記上位レイヤにおいてインクリメントされた、前記ビーム障害インスタンスカウンタが閾値以上になった場合に、前記上位レイヤからの送信指示に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルを送信する送信部と、応答ウィンドウ期間内において、サーチスペース設定に基づいて、前記ランダムアクセスプリアンブルに対する応答のためのPhysical Downlink Control Channel(PDCCH)をモニタする受信部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様によれば、ビーム障害からの回復を適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】IS/OOSに基づくRLFの判断の模式図である。
図2】ビーム回復手順の一例を示す図である。
図3】本実施の形態に係るビーム障害インスタンス通知を用いたビーム回復手順の一例を示す図である。
図4】変形例2において想定するケースの一例を示す図である。
図5】変形例2に係るビーム障害インスタンス通知を用いたビーム回復手順の第1の例を示す図である。
図6】変形例2に係るビーム障害インスタンス通知を用いたビーム回復手順の第2の例を示す図である。
図7】変形例2に係るビーム障害インスタンス通知を用いたビーム回復手順の第3の例を示す図である。
図8】本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
図9】本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。
図10】本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。
図11】本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。
図12】本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
図13】本実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
将来の無線通信システム(例えば、LTE Rel.14以降、NR又は5Gなど)では、ビームフォーミング(BF:Beam Forming)を利用して通信を行うことが検討されている。
【0013】
例えば、ユーザ端末及び/又は無線基地局(例えば、gNB(gNodeB))は、信号の送信に用いられるビーム(送信ビーム、Txビームなどともいう)、信号の受信に用いられるビーム(受信ビーム、Rxビームなどともいう)を用いてもよい。送信側の送信ビームと受信側の受信ビームとの組み合わせは、ビームペアリンク(BPL:Beam Pair Link)と呼ばれてもよい。
【0014】
BPLは、基地局と端末が相互に好適なビームを自律的に選択するものとしてもよいし、互いに好適な組み合わせがわかる情報をRRC、MAC CE、L1シグナリング等を介して交換し、その情報に基づいて選択するものとしてもよい。
【0015】
異なるBPL間では、送受信いずれか一方又は両方で、送受信に用いるアンテナ装置(例えばアンテナパネル、アンテナエレメントセット、送受信ポイント(TRP:Transmission and Reception Point、TxRP:Transmitter and Reception Point、TRxP:Transmission and Receiver Pointなどとも呼ばれる))が異なっていてもよい。この場合、異なるBPLではチャネルの統計的性質を示す擬似コロケーション(QCL:Quasi-co-location)が異なることとなる。したがって、異なるBPL間では、互いにQCLが同じかまたは違っていてもよく、QCLが同じか違うかという情報は、シグナリングまたは測定によって、送受信機によって識別されるものとしてもよい。
【0016】
BFを用いる環境では、障害物による妨害の影響を受けやすくなるため、無線リンク品質が悪化することが想定される。無線リンク品質の悪化によって、無線リンク障害(RLF:Radio Link Failure)が頻繁に発生するおそれがある。RLFが発生するとセルの再接続が必要となるため、頻繁なRLFの発生は、システムスループットの劣化を招く。
【0017】
このため、当該将来の無線通信システムでは、無線リンクモニタリング(RLM:Radio Link Monitoring)の方法について議論されている。例えば、将来の無線通信システムではRLM用の一以上の下り信号(DL-RS(Reference Signal)等ともいう)をサポートすることが検討されている。
【0018】
DL-RSのリソース(DL-RSリソース)は、同期信号ブロック(SSB:Synchronization Signal Block)又はチャネル状態測定用RS(CSI-RS:Channel State Information RS)のためのリソース及び/又はポートに関連付けられてもよい。なお、SSBは、SS/PBCH(Physical Broadcast Channel)ブロック等と呼ばれてもよい。
【0019】
DL-RSは、プライマリ同期信号(PSS:Primary SS)、セカンダリ同期信号(SSS:Secondary SS)、モビリティ参照信号(MRS:Mobility RS)、CSI-RS、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、ビーム固有信号などの少なくとも1つ、又はこれらを拡張及び/又は変更して構成される信号(例えば、密度及び/又は周期を変更して構成される信号)であってもよい。
【0020】
ユーザ端末は、DL-RSリソースを用いた測定を上位レイヤシグナリングによって設定(configure)されてもよい。当該測定が設定されたユーザ端末は、DL-RSリソースにおける測定結果に基づいて、無線リンクが同期状態(IS:In-Sync)か非同期状態(OOS:Out-Of-Sync)かを判断すると想定してもよい。無線基地局からDL-RSリソースが設定されない場合にユーザ端末がRLMを行うデフォルトDL-RSリソースを、仕様で定めてもよい。
【0021】
ユーザ端末は、設定されたDL-RSリソースの少なくとも一つに基づいて推定(測定と呼ばれてもよい)された無線リンク品質が所定の閾値Qinを超える場合、無線リンクがISであると判断してもよい。
【0022】
ユーザ端末は、設定されたDL-RSリソースの少なくとも一つに基づいて推定された無線リンク品質が所定の閾値Qout未満である場合、無線リンクがOOSであると判断してもよい。なお、これらの無線リンク品質は、例えば、仮想のPDCCH(hypothetical PDCCH)のブロック誤り率(BLER:Block Error Rate)に対応する無線リンク品質であってもよい。
【0023】
既存のLTEシステム(LTE Rel.8-13)では、IS及び/又はOOS(IS/OOS)は、ユーザ端末において物理レイヤから上位レイヤ(例えばMACレイヤ、RRCレイヤなど)に通知(indicate)され、IS/OOS通知に基づいてRLFが判断される。
【0024】
具体的には、ユーザ端末は、所定のセル(例えば、プライマリセル)に対するOOS通知をN310回受けた場合、タイマT310を起動(開始)する。タイマT310の起動中に、当該所定のセルに関するIS通知をN311回受けた場合、タイマT310を停止する。タイマT310が満了した場合、ユーザ端末は当該所定のセルに関してRLFが検出されたと判断する。
【0025】
なお、N310、N311及びT310などの呼称はこれらに限られない。T310は、RLF検出のためのタイマなどと呼ばれてもよい。N310は、タイマT310起動のためのOOS通知の回数などと呼ばれてもよい。N311は、タイマT310停止のためのIS通知の回数などと呼ばれてもよい。
【0026】
図1は、IS/OOSに基づくRLFの判断の模式図である。本図では、N310=N311=4と想定する。T310は、タイマT310の起動から満了までの期間を表しており、タイマのカウンタを示しているわけではない。
【0027】
図1の上部には、推定された無線リンク品質の変化の2つのケース(ケース1、ケース2)が示されている。図1の下部には、上記2つのケースに対応するIS/OOS通知が示されている。
【0028】
ケース1においては、まずOOSがN310回発生したことによってタイマT310が起動する。その後も無線リンク品質は閾値Qinを上回ることなくT310が満了したことによって、RLFが検出される。
【0029】
ケース2においては、ケース1と同様にタイマT310が起動するものの、その後無線リンク品質が閾値Qinを上回り、ISがN311回発生したことによってT310が停止する。
【0030】
ところで、将来の無線通信システム(例えば、LTE Rel.14以降、NR又は5G等)においては、RLFの発生を抑制するために、特定のビームの品質が悪化する場合、他のビームへの切り替え(ビーム回復(BR:Beam Recovery)、ビーム障害回復(BFR)、L1/L2ビームリカバリなどと呼ばれてもよい)手順を実施することが検討されている。RLFは前記のように、物理レイヤにおけるRS測定と上位レイヤにおけるタイマの起動・満了を制御して判断され、かつRLFからの回復には、ランダムアクセスと同等の手順が必要となるが、他のビームへの切り替え(BR、L1/L2ビームリカバリ)では、RLFからの回復より少なくとも一部のレイヤにおける手順が簡略化されることが期待されている。
【0031】
図2は、ビーム回復手順の一例を示す図である。ビームの数などは一例であって、これに限られない。図2の初期状態(ステップS101)において、ユーザ端末は、無線基地局は2つのビームを用いて送信される下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)を受信している。
【0032】
ステップS102において、無線基地局からの電波が妨害されたことによって、ユーザ端末はPDCCHを検出できない。このような妨害は、例えばユーザ端末及び無線基地局間の障害物、フェージング、干渉などの影響によって発生し得る。
【0033】
ユーザ端末は、所定の条件が満たされると、ビーム障害を検出する。無線基地局は、ユーザ端末からの通知がないことによって、当該ユーザ端末がビーム障害を検出したと判断してもよいし、ユーザ端末からの所定の信号(ステップS104におけるビーム回復要求)を受けてビーム障害を検出したと判断してもよい。
【0034】
ステップS103において、ユーザ端末はビーム回復のため、新たに通信に用いるための新候補ビーム(new candidate beam)のサーチを開始する。具体的には、ユーザ端末は、ビーム障害を検出すると、予め設定されたDL-RSリソースに基づく測定を実施し、望ましい(例えば品質の良い)1つ以上の新候補ビームを特定する。本例の場合、1つのビームが新候補ビームとして特定されている。
【0035】
ステップS104において、新候補ビームを特定したユーザ端末は、ビーム回復要求を送信する。ビーム回復要求は、例えば、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)、ULグラントフリーPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)の少なくとも1つを用いて送信されてもよい。ビーム回復要求は、ビーム回復要求信号、ビーム障害回復要求信号などと呼ばれてもよい。
【0036】
ビーム回復要求は、ステップS103において特定された新候補ビームの情報を含んでもよい。ビーム回復要求のためのリソースが、当該新候補ビームに関連付けられてもよい。ビームの情報は、ビームインデックス(BI:Beam Index)、所定の参照信号のポート及び/又はリソースインデックス(例えば、CSI-RSリソース指標(CRI:CSI-RS Resource Indicator))などを用いて通知されてもよい。
【0037】
ステップS105において、ビーム回復要求を検出した無線基地局は、ユーザ端末からのビーム回復要求に対する応答信号を送信する。当該応答信号には、1つ又は複数のビームについての再構成情報(例えば、DL-RSリソースの構成情報)が含まれてもよい。当該応答信号は、例えばPDCCHのユーザ端末共通サーチスペースにおいて送信されてもよい。ユーザ端末は、ビーム再構成情報に基づいて、使用する送信ビーム及び/又は受信ビームを判断してもよい。
【0038】
ステップS106において、ユーザ端末は、無線基地局に対してビーム再構成が完了した旨を示すメッセージを送信してもよい。当該メッセージは、例えば、PUCCHによって送信されてもよい。
【0039】
ビーム回復成功(BR success)は、例えばステップS106まで到達した場合を表してもよい。一方で、ビーム回復失敗(BR failure)は、例えばステップS103において1つも候補ビームが特定できなかった場合を表してもよい。
【0040】
なお、これらのステップの番号は説明のための番号に過ぎず、複数のステップがまとめられてもよいし、順番が入れ替わってもよい。
【0041】
本発明者らは、以上のようなビーム回復手順におけるステップS102-S104について、好適な制御方法を着想した。特に、物理レイヤ(PHYレイヤ(physical layer)、レイヤ1などと呼ばれてもよい)及び上位レイヤ(例えばMACレイヤ(Medium Access Control layer)、レイヤ2などと呼ばれてもよい)間のやり取りに関して好適な制御方法を提示する。
【0042】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、上位レイヤはMACレイヤとして説明するが、これに限られない。
【0043】
(無線通信方法)
本開示の一態様において、UEがビーム障害を検出した場合、PHYレイヤからMACレイヤに対して、ビーム障害に関する通知を報告する。
【0044】
ビーム障害の発生は、ビーム障害インスタンスなどと呼ばれてもよい。上記ビーム障害に関する通知は、ビーム障害インスタンス通知(beam failure instance indicator)、ビーム障害に関する情報、ビーム障害の有無に関する情報などと呼ばれてもよい。ビーム障害インスタンスは、任意の数(例えば、0回、1回、複数回など)のビーム障害に対応してもよいし、所定の期間に検出されるビーム障害に対応してもよい。
【0045】
ビーム障害インスタンス通知は、例えば、以下の少なくとも1つの状態(state)を通知する情報を含んでもよい:
(1)状態0:ビーム障害なし(non-beam failure)、
(2)状態1:ビーム障害あり+新候補ビームあり(beam failure instance & new candidate beam)、
(3)状態2:ビーム障害あり+新候補ビームなし(beam failure instance & no candidate beam found)。
【0046】
つまり、ビーム障害インスタンス通知は、ビーム障害(又はビーム障害インスタンス)の有無及び/又は新候補ビームの有無に関する情報を含んでもよい。
【0047】
UEのPHYレイヤは、ビーム回復手順においてビーム障害を検出しない場合、MACレイヤに対して状態0を示すビーム障害インスタンス通知を送信してもよい。なお、「ビーム障害を検出しない」は、1つでもビーム障害が検出されないビームが存在することを意味してもよい。また、状態0を示すビーム障害インスタンス通知は、非ビーム障害インスタンス通知と呼ばれてもよい。
【0048】
UEのPHYレイヤは、ビーム回復手順においてビーム障害を検出する場合、MACレイヤに対して状態1又は2を示すビーム障害インスタンス通知を送信してもよい。
【0049】
UEのPHYレイヤは、ビーム障害を検出後、新候補ビームが発見された場合、MACレイヤに対して状態1を示すビーム障害インスタンス通知を送信してもよい。この際、ビーム障害インスタンス通知とともに又はその代わりに、発見した新候補ビームに関する情報(例えば、ビームインデックス)がMACレイヤに通知されてもよい。発見した新候補ビームが複数ある場合、1つ又は複数の新候補ビームの情報がMACレイヤに通知されてもよい。
【0050】
UEのPHYレイヤは、ビーム障害を検出後、新候補ビームが発見されない場合、MACレイヤに対して状態2を示すビーム障害インスタンス通知を送信してもよい。
【0051】
MACレイヤは、ビーム障害インスタンス通知に基づいて、ビーム障害インスタンスをカウントする(数える)。ビーム障害インスタンスのカウントはビーム障害インスタンスカウンタを用いて行われてもよい。当該カウンタは、MACレイヤ用に用いられてもよい。当該カウンタは、所定の値(例えば、0)から開始してもよい。
【0052】
MACレイヤは、状態1又は2を示すビーム障害インスタンス通知をPHYレイヤから受信した場合、ビーム障害インスタンスカウンタを所定の値インクリメント(例えば、+1)してもよい。
【0053】
MACレイヤは、非ビーム障害インスタンス通知をPHYレイヤから受信した場合、ビーム障害インスタンスカウンタを停止(stop)してもよいし、リセット(reset)してもよいし、特定の演算を行ってもよい(例えば、0にする、-1するなど)。非ビーム障害インスタンス通知の受信時にリセットする場合には、MACレイヤは連続するビーム障害インスタンスをカウントすることと等しい。
【0054】
なお、「非ビーム障害インスタンス通知をPHYレイヤから受信した」は、「ビーム障害インスタンス通知が一定時間受信されなかった」などで読み替えられてもよい。
【0055】
ビーム障害インスタンスカウンタが所定の閾値以上になった又は超えた場合、MACレイヤはビーム回復要求の送信をトリガしてもよい。この場合、MACレイヤはビーム回復要求の送信指示(トリガ情報)をPHYレイヤに通知してもよい。MACレイヤは、ビーム回復要求に含める1つ又は複数の新候補ビームに関する情報(例えば、ビームインデックス)を選択し、PHYレイヤに通知してもよい。
【0056】
なお、ビーム障害インスタンスカウンタとともに又はこの代わりに、ビーム障害インスタンス用のタイマ(ビーム障害インスタンスタイマと呼ばれてもよい)が利用されてもよい。UEのMACレイヤは、ビーム障害インスタンス通知を受信した際に、ビーム障害インスタンスタイマが起動していなければ起動させてもよい。MACレイヤは、当該タイマが満了した場合、又は満了するまでに非ビーム障害インスタンス通知を受信しない場合、ビーム回復要求をトリガしてもよい。
【0057】
MACレイヤは、状態1又は2を示すビーム障害インスタンス通知をPHYレイヤから受信した場合、ビーム障害インスタンスタイマを所定の値減少させてもよい。
【0058】
MACレイヤは、非ビーム障害インスタンス通知をPHYレイヤから受信した場合、ビーム障害インスタンスタイマを停止してもよいし、初期値に戻してもよいし、特定の演算を行ってもよい(例えば、所定の値増加する)。
【0059】
なお、ビーム障害インスタンスカウンタ又はビーム障害インスタンスタイマに関する情報(例えば、上述の所定の閾値、タイマの長さなど)は、上位レイヤシグナリング、物理レイヤシグナリング又はこれらの組み合わせによって通知されてもよい。
【0060】
ここで、上位レイヤシグナリングは、例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報などのいずれか、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0061】
MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))、MAC PDU(Protocol Data Unit)などを用いてもよい。ブロードキャスト情報は、例えば、マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)、最低限のシステム情報(RMSI:Remaining Minimum System Information)などであってもよい。
【0062】
物理レイヤシグナリングは、例えば下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)であってもよい。
【0063】
PHYレイヤは、上記トリガに基づいてビーム回復要求を送信する。なお、MACレイヤは、PHYレイヤによるビーム回復要求の送信をどのチャネルを用いて行うかを決定し、PHYレイヤに指示してもよい。例えば、MACレイヤは、PHYレイヤによるビーム回復要求の送信を、衝突型PRACH(CBRA:Contention-Based PRACH)を用いて行うか非衝突型PRACH(CFRA:Contention-Free PRACH)を用いて行うかを選択してもよい。
【0064】
当該ビーム回復要求には、1つ又は複数の新候補ビームに関する情報が含まれてもよく、当該情報はPHYレイヤによって決定されてもよいし(例えば新候補ビームの測定品質に基づいて)、MACレイヤからの通知に基づいて判断されてもよい。
【0065】
例えば、MACレイヤは、ビーム障害インスタンス通知によって通知された回数が、他のBIに比べて多いBIに対応する新候補ビームをビーム回復要求に含めるようにPHYに指示してもよい。
【0066】
MACレイヤは、ビーム回復要求のために選択された新候補ビームが所定のCFRA(所定のCFRAの設定)に関連付けられている場合、CFRAを用いてビーム回復要求を送信すると決定してもよいし、そうでない場合、CBRAを用いてビーム回復要求を送信すると決定してもよい。
【0067】
なお、新候補ビームとCFRAとの対応関係に関する情報は、上位レイヤシグナリング、物理レイヤシグナリング又はこれらの組み合わせによって通知されてもよい。
【0068】
図3は、本実施の形態に係るビーム障害インスタンス通知を用いたビーム回復手順の一例を示す図である。図3には、ビーム回復手順において、時刻T1-T9に対応するビーム障害インスタンス通知の内容及び各レイヤ(L1、L2)に関連する動作の模式図が示されている。
【0069】
本例では、UEのL1は、時刻T1においてビーム障害を検出し、新候補ビームを探索した結果、BI#1のビームを発見する。L1はL2に対して状態1及びBI#1を示すビーム障害インスタンス通知を送信する。L2は、当該通知を受信し、ビーム障害インスタンスカウンタをカウントする。
【0070】
同様に、時刻T2ではL1はBI#2のビームを発見し、状態1のビーム障害インスタンス通知を送信する。時刻T3ではL1はBI#1のビームを発見し、状態1のビーム障害インスタンス通知を送信する。
【0071】
時刻T4ではビーム障害が検出されなかったので、L1はビーム障害インスタンス通知を送信しなくてもよいし、状態0のビーム障害インスタンス通知を送信してもよい。この場合、L2はビーム障害インスタンスカウンタを停止してもよい。
【0072】
時刻T5ではL1はBI#1のビームを発見し、状態1のビーム障害インスタンス通知を送信する。時刻T6ではL1は新候補ビームを発見できず、状態2のビーム障害インスタンス通知を送信する。時刻T7及びT8はそれぞれ時刻T2及びT3と同様であってもよいため、説明を省略する。
【0073】
時刻T9ではL1はBI#1のビームを発見し、状態1のビーム障害インスタンス通知を送信する。L2は、当該通知によってビーム障害インスタンスカウンタをカウントし、当該カウンタの値が所定の閾値(本例では、8)以上となったことを契機に、L1に対してBFR要求を送信(トリガ)し、L1がBFR要求を送信する。
【0074】
本開示の一実施形態によれば、ビーム回復に対し、PHY及びMACの間の通知内容を統一化でき、冗長な相互のやり取りを避けることができる。また、ビーム回復要求の送信方法(チャネルなど)をMACレイヤによって適切に選択できる。
【0075】
<変形例>
図2で上述したステップS105の処理に関して、ビーム回復要求に対する基地局(例えば、gNB)からの応答(レスポンス)をUEがモニタするための期間が設定されてもよい。当該期間は、例えばgNB応答ウィンドウ、gNBウィンドウ、ビーム回復要求応答ウィンドウなどと呼ばれてもよい。
【0076】
UEは、当該ウィンドウ期間内において検出されるgNB応答がない場合、ビーム回復要求の再送を行ってもよい。
【0077】
また、ビーム回復手順を行うための期間(ビーム回復手順を行うことが許される又は可能な期間)が設定されてもよい。当該期間又は当該期間に関連するタイマは、ビーム回復タイマと呼ばれてもよい。UEは当該期間が満了した場合、ビーム回復手順を終了してもよいし、中止してもよい。ビーム回復タイマは、ビーム障害の検出から開始し、gNB応答を受信する場合に停止してもよい。ビーム回復タイマは、BFRQの送信から開始してもよい。
【0078】
ビーム回復タイマは、MACレイヤ及びPHYレイヤのいずれかが有してもよいし、両方が有してもよい。以下ではビーム回復タイマはMACレイヤが有するとして説明する。ビーム回復タイマ(ビーム障害回復タイマ(Beam-failure-recovery-Timer)と呼ばれてもよい)に関する情報が、例えば上位レイヤシグナリング(RRCシグナリングなど)を用いてUEに設定されてもよい。
【0079】
UEは、ビーム回復要求を送信した後に、PHYレイヤにおけるMACレイヤに対するビーム障害インスタンス通知を周期的に行ってもよいし、停止してもよい。ビーム障害インスタンス通知に基づいて、MACレイヤがPHYレイヤに対してビーム回復要求の再送を制御してもよい。
【0080】
gNB応答ウィンドウは、PHYレイヤ及びMACレイヤの両方が同じgNB応答ウィンドウを共有してもよいし、それぞれ別のgNB応答ウィンドウを有してもよい。当該ウィンドウは、例えばMACレイヤ及び/又はPHYレイヤのタイマによって計測されてもよい。
【0081】
gNB応答ウィンドウは、PHYレイヤのみが有してもよい。この場合、PHYレイヤは、ビーム回復要求送信後にgNBが成功裏に受信されたか否かをMACレイヤに通知してもよい。
【0082】
例えば、PHYレイヤは、gNB応答がgNBウィンドウ内において受信される場合、「gNB応答が受信されたこと」(gNB response received)の通知をMACレイヤに送信してもよく、そうでない場合、「gNB応答が受信されないこと」(gNB response not received)の通知をMACレイヤに送信してもよい。PHYレイヤは、ビーム回復要求を所定の回数(例えば、2回)送信した後でgNB応答が検出されない場合に、上記の通知をMACレイヤに送信してもよい。
【0083】
なお、MACレイヤは所定の期間内に「gNB応答が受信されたこと」の通知がないことによって「gNB応答が受信されないこと」の通知があったと判断してもよい。MACレイヤは所定の期間内に「gNB応答が受信されないこと」の通知がないことによって「gNB応答が受信されたこと」の通知があったと判断してもよい。
【0084】
MACレイヤは、「gNB応答が受信されたこと」の通知を受信する場合、ビーム障害インスタンスカウンタをリセットしてもよいし、特定の値にしてもよいし、特定の演算を行ってもよい。
【0085】
MACレイヤは、「gNB応答が受信されないこと」の指示を受信する場合、ビーム回復要求送信をPHYレイヤに対して再度トリガしてもよい。
【0086】
BFRQに関連して、gNB応答ウィンドウの長さに関する情報、gNB応答をモニタするための制御リソースセット(CORESET:COntrol REsource SET)に関する情報などが、例えば上位レイヤシグナリング(RRCシグナリングなど)を用いてUEに設定されてもよい。
【0087】
gNB応答ウィンドウの長さは、BFR用レスポンスウィンドウサイズ(ResponseWindowSize-BFR)、単にレスポンスウィンドウサイズなどと呼ばれてもよい。BFR用レスポンスウィンドウサイズは、ランダムアクセスレスポンス用ウィンドウサイズ(ra-ResponseWindowSize)と同じ又は関連してもよい。
【0088】
CORESETは、制御チャネル(例えば、PDCCH)の割当て候補領域である。gNB応答をモニタするためのCORESETは、BFR用のCORESET(BFR-CORESET)、BFR応答用のCORESET(BFRR-CORESET)などと呼ばれてもよい。
【0089】
UEは、所定のサーチスペース設定に基づいて、CORESETをモニタする。また、本開示の説明における「CORESETのモニタ」は、「CORESETに対応付けられたサーチスペース(PDCCH候補)のモニタ」、「下り制御チャネル(例えばPDCCH)のモニタ」などで読み替えられてもよい。
【0090】
なお、BFRQに対するgNB応答は、所定のRNTI(Radio Network Temporary Identifier)(例えば、セル-無線RNTI(C-RNTI:Cell-Radio RNTI))によって巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)ビットがマスキング(スクランブル)されたPDCCHによって送信されてもよいし、当該PDCCHによってスケジューリングされたPDSCHによって送信されてもよい。
【0091】
BFRを宣言するためのビーム障害インスタンス数(NrOfBeamFailureInstance, NoOfBeamFailureInstanceなどと呼ばれてもよい)が、例えば上位レイヤシグナリング(RRCシグナリングなど)を用いてUEに設定されてもよい。例えば、PHYレイヤは、ビーム障害を検出した回数が、設定されたインスタンス数以上になるまでは、BFRをMACレイヤに通知しなくてもよい。
【0092】
<変形例2>
UEのPHYレイヤが、IS/OOSの通知と同様に、MACレイヤに対するビーム障害インスタンス通知を周期的に行うことが考えられる。当該ケースは、さらに以下の2つの仮定(assumption)について、分類されてもよい:
(仮定1)PHYレイヤ及びMACレイヤの両方がgNB応答ウィンドウを有する、
(仮定2)PHYレイヤのみがgNB応答ウィンドウを有する。
【0093】
本発明者らは、これらの仮定1及び2それぞれについて、UEのPHY及びMACレイヤのふるまいを適切に規定しなければ、ビーム回復手順に不要な遅延が生じてスループットが低下するなどの課題が発生することを発見し、好適な制御方法を見出した。
【0094】
図4は、変形例2において想定するケースの一例を示す図である。本例では、各ビーム回復要求(BFRQ:Beam Failure Recovery reQuest)の送信後、UEがgNBからの応答をモニタするgNB要求ウィンドウが示されている。つまり、gNB要求ウィンドウは、1回のBFRQ送信の後においてgNB応答をモニタする1つの期間を意味してもよい。
【0095】
[仮定1]
上記仮定1のケースでは、UEのPHYレイヤ及びMACレイヤは、それぞれ分離されてはいるが(separately)タイミングが整列された(aligned)gNB応答ウィンドウを有することが好ましい。
【0096】
また、UEは、BFR-CORESETのモニタを、gNB応答ウィンドウの期間に限って行うように制限されてもよい。
【0097】
UEのMACレイヤは、gNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信した場合であって、かつビーム回復タイマが動いている場合には、当該ビーム回復タイマを停止してもよい。なお、本明細書においてビーム回復タイマの停止はビーム回復タイマのリセットで読み替えられてもよい。
【0098】
UEのMACレイヤは、gNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信しない場合には、ビーム回復要求の送信(再送)をトリガしてもよい。
【0099】
図5は、変形例2に係るビーム障害インスタンス通知を用いたビーム回復手順の第1の例を示す図である。図5には、ビーム回復手順において、時刻T5-T11において各レイヤ(L1、L2)に関連する動作の模式図が示されている。なお、時刻T5-T9の処理内容は図3と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0100】
本例では、UEのL2は、時刻T9において、L1に対してBFRQを送信(トリガ)し、L1がBFRQを送信する。L2は、このタイミングでビーム障害インスタンスカウンタを停止してもよい。
【0101】
UEのL1及びL2は、T9後にそれぞれgNB応答ウィンドウを有する。これらのgNB応答ウィンドウは、開始及び終了タイミングが同じことが好ましい。本例では、T9後のgNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信しなかったと想定する。時刻T10においてgNB応答ウィンドウが終了すると、L2はgNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信しなかったと判断し、L1に対してBFRQをトリガし、L1がBFRQを送信する。
【0102】
UEのL1及びL2は、T10後にそれぞれgNB応答ウィンドウを有する。本例では、T10後のgNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信したと想定する。時刻T11においてgNB応答ウィンドウが終了すると、L2はビーム回復タイマが動いている場合には、当該ビーム回復タイマを停止してもよい。
【0103】
[仮定2]
上記仮定2のケースでは、UEのPHYレイヤは、MACレイヤに対してgNB受信状態(gNB応答状態などと呼ばれてもよい)を通知することが好ましい。この通知は、gNB受信状態通知などと呼ばれてもよい。
【0104】
gNB受信状態通知は、例えば、以下の少なくとも1つの状態(state)を通知する情報を含んでもよい:
(A)状態A:gNB応答を受信した、
(B)状態B:gNB応答を受信していない。
【0105】
なお、本明細書において、状態A及びBは相互に読み替えられてもよい。
【0106】
また、UEは、BFR-CORESETのモニタを、gNB応答ウィンドウの期間に限って行うように制限されてもよい。
【0107】
UEのPHYレイヤは、gNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信した場合には、上記状態Aを示すgNB受信状態通知をMACレイヤに送信してもよい。
【0108】
UEのPHYレイヤは、gNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信しなかった場合には、上記状態Bを示すgNB受信状態通知をMACレイヤに送信してもよい。
【0109】
UEのMACレイヤは、上記状態Aを示すgNB受信状態通知を受信した場合、直近のgNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信したと判断してもよい。UEのMACレイヤは、上記状態Aを示すgNB受信状態通知を受信した場合であって、かつビーム回復タイマが動いている場合には、当該ビーム回復タイマを停止してもよい。
【0110】
UEのMACレイヤは、上記状態Bを示すgNB受信状態通知を受信した場合、直近のgNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信しなかったと判断してもよい。UEのMACレイヤは、上記状態Bを示すgNB受信状態通知を受信した場合には、ビーム回復要求の送信(再送)をトリガしてもよい。
【0111】
図6は、変形例2に係るビーム障害インスタンス通知を用いたビーム回復手順の第2の例を示す図である。図6には、ビーム回復手順において、時刻T5-T11において各レイヤ(L1、L2)に関連する動作の模式図が示されている。なお、時刻T5-T9の処理内容は図5と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0112】
UEのL1は、T9後にgNB応答ウィンドウを有する。本例では、T9後のgNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信しなかったと想定する。時刻T10においてgNB応答ウィンドウが終了すると、L1は状態Bを示すgNB受信状態通知をL2に送信する。L2は当該通知を受信すると、gNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信しなかったと判断し、L1に対してBFRQをトリガし、L1がBFRQを送信する。
【0113】
UEのL1は、T10後にgNB応答ウィンドウを有する。本例では、T10後のgNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信したと想定する。時刻T11においてgNB応答ウィンドウが終了すると、L1は状態Aを示すgNB受信状態通知をL2に送信する。L2は当該通知を受信すると、ビーム回復タイマが動いている場合には、当該ビーム回復タイマを停止してもよい。
【0114】
[ビーム障害インスタンスカウンタの制御の例]
UEのMACレイヤにおけるビーム障害インスタンスカウンタの開始、リセット、停止及び再開始(restart)などの条件の一例について以下に説明する。
【0115】
MACレイヤは、最初のビーム障害インスタンス通知を受信した場合に、ビーム障害インスタンスカウンタを開始してもよい。
【0116】
MACレイヤは、ビーム障害インスタンスカウンタのカウント中に(カウントが開始された後に)ビーム障害なしを示す通知を受信した場合に、ビーム障害インスタンスカウンタをリセットしてもよい。
【0117】
MACレイヤは、PHYレイヤによってBFRQが送信された場合、又はPHYレイヤにBFRQトリガを通知した場合に、ビーム障害インスタンスカウンタを停止してもよい。
【0118】
MACレイヤは、PHYレイヤによってgNB応答が受信された場合、又は上記状態Aを示すgNB受信状態通知を受信した場合、又はビーム回復タイマが停止した場合に、ビーム障害インスタンスカウンタを再開始してもよい。
【0119】
MACレイヤは、ビーム回復手順が失敗し、かつビーム回復手順の失敗によってRLFFに直接至る(leads directly)場合、ビーム障害インスタンスカウンタを停止してもよい。例えば、PHYレイヤがビーム回復手順の失敗を通知する又はRLF手順をトリガすることを通知するビーム回復手順失敗通知をMACレイヤに送信した場合、MACレイヤはビーム障害インスタンスカウンタを停止してもよい。
【0120】
MACレイヤは、ビーム回復手順が失敗し、かつビーム回復手順の失敗によってRLFFに直接至らない場合、ビーム障害インスタンスカウンタを再開始してもよい。例えば、PHYレイヤがOOS回数をインクリメントするためのA-OOS(Aperiodic OOS)をMACレイヤに送信した場合、MACレイヤはビーム障害インスタンスカウンタを再開始してもよい。
【0121】
なお、ビーム回復手順の失敗(beam recovery failure)は、以下の少なくとも1つに基づいて判断されてもよい:
(1)MACレイヤのビーム回復タイマが満了した、
(2)BFRQの送信が設定された又は規定の最大送信回数以上になった(又は超えた)。
ここで、当該最大送信回数は、例えば上位レイヤシグナリングによってUEに通知されてもよい。
【0122】
なお、ビーム回復タイマの開始、リセット、停止及び再開始のタイミングの少なくとも1つは、ビーム障害インスタンスカウンタの開始、リセット、停止及び再開始のタイミングのいずれかと同じ又は関連してもよい。
【0123】
図7は、変形例2に係るビーム障害インスタンス通知を用いたビーム回復手順の第3の例を示す図である。図7には、ビーム回復手順において、時刻T5-T11において各レイヤ(L1、L2)に関連する動作の模式図が示されている。なお、時刻T5-T11の処理内容に関して、図6と同様の点の重複する説明は省略する。
【0124】
UEのL1は、T9においてBFRQを送信する場合に、ビーム回復タイマを起動する。当該タイマは、gNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信しなかったと判断された場合(T10)、停止されなくてもよい。当該タイマは、gNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信したと判断された場合(T11)、停止されてもよい。
【0125】
以上、変形例2において説明した構成によれば、BFRQ送信後の、gNB応答ウィンドウ、ビーム回復タイマなどに関する処理を好適に実施することができる。
【0126】
(無線通信システム)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記態様の少なくとも一つ又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
【0127】
図8は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
【0128】
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、NR(New Radio)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
【0129】
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a-12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示す態様に限定されない。
【0130】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCを用いて同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
【0131】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、legacy carrierなどとも呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
【0132】
また、ユーザ端末20は、各セルで、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)及び/又は周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いて通信を行うことができる。また、各セル(キャリア)では、単一のニューメロロジーが適用されてもよいし、複数の異なるニューメロロジーが適用されてもよい。
【0133】
ニューメロロジーとは、ある信号及び/又はチャネルの送信及び/又は受信に適用される通信パラメータであってもよく、例えば、サブキャリア間隔、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、サブフレーム長、TTI長、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、フィルタリング処理、ウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0134】
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線によって接続されてもよい。
【0135】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0136】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
【0137】
各ユーザ端末20は、LTE、LTE-Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
【0138】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア-周波数分割多元接続(SC-FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)及び/又はOFDMAが適用される。
【0139】
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC-FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックによって構成される帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
【0140】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHによって、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0141】
下りL1/L2制御チャネルは、下り制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)及び/又はEPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)の少なくとも一つを含む。PDCCHによって、PDSCH及び/又はPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。
【0142】
なお、DCIによってスケジューリング情報が通知されてもよい。例えば、DLデータ受信をスケジューリングするDCIは、DLアサインメントと呼ばれてもよいし、ULデータ送信をスケジューリングするDCIは、ULグラントと呼ばれてもよい。
【0143】
PCFICHによって、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHによって、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ-ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
【0144】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送される。また、PUCCHによって、下りリンクの無線リンク品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報、スケジューリングリクエスト(SR:Scheduling Request)などが伝送される。PRACHによって、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
【0145】
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
【0146】
<無線基地局>
図9は、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0147】
下りリンクによって無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0148】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
【0149】
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102によって増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0150】
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0151】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、無線基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行う。
【0152】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0153】
なお、送受信部103は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ101は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。また、送受信部103は、シングルBF、マルチBFを適用できるように構成されている。
【0154】
送受信部103は、送信ビームを用いて信号を送信してもよいし、受信ビームを用いて信号を受信してもよい。送受信部103は、制御部301によって決定された所定のビームを用いて信号を送信及び/又は受信してもよい。
【0155】
送受信部103は、上記各態様で述べた各種情報を、ユーザ端末20から受信及び/又はユーザ端末20に対して送信してもよい。
【0156】
図10は、本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。
【0157】
ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、無線基地局10に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部104に含まれなくてもよい。
【0158】
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0159】
制御部301は、例えば、送信信号生成部302における信号の生成、マッピング部303における信号の割り当てなどを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304における信号の受信処理、測定部305における信号の測定などを制御する。
【0160】
制御部301は、システム情報、下りデータ信号(例えば、PDSCHで送信される信号)、下り制御信号(例えば、PDCCH及び/又はEPDCCHで送信される信号。送達確認情報など)のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、下り制御信号、下りデータ信号などの生成を制御する。
【0161】
制御部301は、同期信号(例えば、PSS/SSS)、下り参照信号(例えば、CRS、CSI-RS、DMRS)などのスケジューリングの制御を行う。
【0162】
制御部301は、ベースバンド信号処理部104によるデジタルBF(例えば、プリコーディング)及び/又は送受信部103によるアナログBF(例えば、位相回転)を用いて、送信ビーム及び/又は受信ビームを形成する制御を行ってもよい。
【0163】
制御部301は、無線リンク障害(RLF)及び/又はビーム回復(BR)に関する構成情報に基づいてRLF及び/又はBRの設定を制御してもよい。
【0164】
制御部301は、ユーザ端末20のための無線リンクモニタリング(RLM)及び/又はビーム回復(BR:Beam Recovery)を制御してもよい。制御部301は、ビーム回復要求に応じてユーザ端末20に応答信号を送信する制御を行ってもよい。
【0165】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0166】
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下りデータの割り当て情報を通知するDLアサインメント及び/又は上りデータの割り当て情報を通知するULグラントを生成する。DLアサインメント及びULグラントは、いずれもDCIであり、DCIフォーマットに従う。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理などが行われる。
【0167】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0168】
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
【0169】
受信信号処理部304は、受信処理によって復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ-ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ-ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
【0170】
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0171】
例えば、測定部305は、受信した信号に基づいて、RRM(Radio Resource Management)測定、CSI(Channel State Information)測定などを行ってもよい。測定部305は、受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)、SNR(Signal to Noise Ratio))、信号強度(例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
【0172】
<ユーザ端末>
図11は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0173】
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0174】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤ及びMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、ブロードキャスト情報もアプリケーション部205に転送されてもよい。
【0175】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。
【0176】
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202によって増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0177】
なお、送受信部203は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ201は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。また、送受信部203は、シングルBF、マルチBFを適用できるように構成されている。
【0178】
送受信部203は、送信ビームを用いて信号を送信してもよいし、受信ビームを用いて信号を受信してもよい。送受信部203は、制御部401によって決定された所定のビームを用いて信号を送信及び/又は受信してもよい。
【0179】
送受信部203は、上記各態様で述べた各種情報を無線基地局10から受信及び/又は無線基地局10に対して送信してもよい。例えば、送受信部203は、無線基地局10に対して、ビーム回復要求を送信してもよい。
【0180】
図12は、本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、本例においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。
【0181】
ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、ユーザ端末20に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部204に含まれなくてもよい。
【0182】
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0183】
制御部401は、例えば、送信信号生成部402における信号の生成、マッピング部403における信号の割り当てなどを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404における信号の受信処理、測定部405における信号の測定などを制御する。
【0184】
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号及び下りデータ信号を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号及び/又は下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号及び/又は上りデータ信号の生成を制御する。
【0185】
制御部401は、ベースバンド信号処理部204によるデジタルBF(例えば、プリコーディング)及び/又は送受信部203によるアナログBF(例えば、位相回転)を用いて、送信ビーム及び/又は受信ビームを形成する制御を行ってもよい。
【0186】
制御部401は、測定部405の測定結果に基づいて、無線リンクモニタリング(RLM:Radio Link Monitoring)及び/又はビーム回復(BR:Beam Recovery)を制御してもよい。
【0187】
制御部401は、MACレイヤ処理部及びPHYレイヤ処理部を含んでもよい。なお、MACレイヤ処理部及び/又はPHYレイヤ処理部は、制御部401、送信信号生成部402、マッピング部403、受信信号処理部404及び測定部405のいずれか、又はこれらの組み合わせによって実現されてもよい。
【0188】
MACレイヤ処理部は、MACレイヤの処理を実施し、PHYレイヤ処理部は、PHYレイヤの処理を実施する。例えば、PHYレイヤ処理部から入力される下りリンクのユーザデータや報知情報などは、MACレイヤ処理部の処理を経てRLCレイヤ、PDCPレイヤなどの処理を行う上位レイヤ処理部に出力されてもよい。
【0189】
PHYレイヤ処理部は、ビーム障害を検出してもよい。PHYレイヤ処理部は、検出したビーム障害に関する情報をMACレイヤ処理部に通知してもよい。
【0190】
MACレイヤ処理部は、PHYレイヤ処理部におけるビーム回復要求の送信をトリガしてもよい。例えば、MACレイヤ処理部は、PHYレイヤ処理部から通知されたビーム障害に関する情報に基づいて、ビーム回復要求の送信をトリガしてもよい。
【0191】
上記ビーム障害に関する情報は、ビーム障害(又はビーム障害インスタンス)の有無及び/又は新候補ビームの有無に関する情報を含んでもよい。
【0192】
上記MACレイヤ処理部は、上記PHYレイヤ処理部から通知されたビーム障害に関する情報に基づいて所定のカウンタ(ビーム障害インスタンスカウンタ)をカウントし、当該カウンタの値が所定の閾値以上になった場合に、上記PHYレイヤ処理部に対して上記ビーム回復要求の送信をトリガしてもよい。
【0193】
上記MACレイヤ処理部は、ビーム回復要求に対する応答の有無に基づいて、ビーム回復手順を行うことが可能な期間に関連するビーム回復タイマを制御してもよい。
【0194】
上記MACレイヤ処理部は、ビーム回復要求に対する応答がある(gNB応答ウィンドウにおいてgNB応答を受信した)場合であって、かつビーム回復タイマが動いている場合には、当該ビーム回復タイマを停止してもよい。
【0195】
上記MACレイヤ処理部は、PHYレイヤ処理部から状態A(gNB応答を受信した)を示すgNB受信状態通知を受信した場合に、当該ビーム回復タイマを停止してもよい。
【0196】
また、制御部401は、無線基地局10から通知された各種情報を受信信号処理部404から取得した場合、当該情報に基づいて制御に用いるパラメータを更新してもよい。
【0197】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0198】
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報、チャネル状態情報(CSI)などに関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
【0199】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0200】
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本開示に係る受信部を構成することができる。
【0201】
受信信号処理部404は、受信処理によって復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、ブロードキャスト情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
【0202】
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0203】
例えば、測定部405は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部405は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR、SNR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
【0204】
<ハードウェア構成>
なお、本実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線を用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。
【0205】
例えば、本実施の形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本実施の形態の各態様の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図13は、本実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0206】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0207】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、1以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0208】
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御したりすることによって実現される。
【0209】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0210】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の本実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0211】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0212】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0213】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0214】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0215】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0216】
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0217】
(変形例)
なお、本明細書において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0218】
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジーに依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0219】
さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。また、スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。
【0220】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及び/又はTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0221】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0222】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、及び/又はコードワードの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、及び/又はコードワードがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0223】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0224】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、又は、サブスロットなどと呼ばれてもよい。
【0225】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0226】
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0227】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0228】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0229】
また、本明細書において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0230】
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0231】
本明細書において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0232】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0233】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0234】
情報の通知は、本明細書において説明した態様/本実施の形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0235】
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))を用いて通知されてもよい。
【0236】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0237】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0238】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0239】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0240】
本明細書において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0241】
本明細書においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0242】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0243】
本明細書においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。
【0244】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0245】
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本開示の各態様/本実施の形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
【0246】
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
【0247】
本明細書において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0248】
本明細書において説明した各態様/本実施の形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/本実施の形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0249】
本明細書において説明した各態様/本実施の形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0250】
本明細書において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0251】
本明細書において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0252】
本明細書において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0253】
本明細書において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と読み替えられてもよい。
【0254】
本明細書において、2つの要素が接続される場合、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び/又は光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0255】
本明細書において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も同様に解釈されてもよい。
【0256】
本明細書又は請求の範囲において、「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0257】
(付記)
以下、本開示の補足事項について付記する。
【0258】
<ビーム回復(beam recovery又はbeam failure recovery)のためのUE側におけるPHY(Physical)及びMAC(Media Access Control)レイヤの相互作用>
【0259】
<背景>
RAN(Radio Access Network)1において次のことが合意されている。
【0260】
・ビーム障害(beam failure)インスタンスの連続数
・連続して検出されたビーム障害インスタンスの数が設定された最大数を超える場合、ビーム回復要求(beam recovery request又はbeam failure recovery request)が送信されてもよい。
【0261】
・ビーム障害情報及び新候補ビーム情報の両方が提供されるべきである。
・ビーム回復要求送信のためのトリガ条件1上のWA(Working Assumption)が、今後の改定版によって確認される。
・少なくともビーム障害回復要求送信に対する次のトリガ条件をサポートする。
・条件1:少なくともCSI-RSのみが新候補ビーム識別に用いられるケースに対し、ビーム障害が検出され且つ候補ビームが識別される場合
【0262】
RAN2において次のことが合意されている。
【0263】
・物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)に基づく衝突型(contention)をサポートすること
・専用の「プリアンブル/リソース」に関連付けられたビームがあり、且つビームが閾値よりも上である場合、UEは非衝突型(contention free)を用いる。そうでない場合、UEは衝突型を用いる。
・MACにおけるビーム選択
・ハンドオーバ(handover:HO)ケースに類似して、ビーム選択がMACにおいて明示される。
【0264】
<提案方式の概略手順>
【0265】
・PHYレイヤ
・全てのビーム障害が発生する場合、PHYはMACへビーム障害インスタンス指示を送る。
・新候補ビームが発見された場合、PHYは「新候補ビームインデックスが有るビーム障害インスタンス」として状態1をMACへ送る。
・MACへの通知(報告、report)のための新候補ビームインデックスの選択は、UEの実装(implementation)に基づく。
・新候補ビームが発見されなかった場合、PHYは「発見された新候補ビームが無いビーム障害インスタンス」として状態2をMACへ送る。
・全てのビーム障害が発生しない場合、PHYは、「非ビーム障害(non-beam failure)」として状態0をMACへ送る。
【0266】
・MACレイヤ
・ビーム障害インスタンス(例えば(PHYからの)状態1及び状態2)を受信する場合、(MACにおける)ビーム障害インスタンスカウンタに1を加える。
・非ビーム障害指示(例えば(PHYからの)状態0)を受信した場合、(MACにおける)ビーム障害インスタンスカウンタはカウンタを停止してリセットする。
・ビーム障害インスタンスカウンタが予め設定された数以上である場合、MACはビーム回復要求送信をトリガする。
・ビーム回復要求送信に対し、衝突型PRACH又は非衝突型PRACHを選択することは、MACが行う。
なお、カウンタはタイマに置き換えられてもよい。
【0267】
<提案>
【0268】
・提案1:ビーム障害回復手順におけるビーム障害検出に対し、ビーム障害インスタンスの連続数がMACレイヤにおいてカウントされる。
【0269】
・提案2:ビーム障害回復に対し、異なる又は同じ新候補ビームがMACに示されてもよく、PHYは、複数ビームが閾値よりも高い場合に通知するビームを選択し、ビーム回復要求送信に対する新候補ビームの選択がMACレイヤにおいて実施される。
【0270】
・提案3:3つの通知状態が定義される。
・非ビーム障害
・ビーム障害インスタンス+新候補ビームインデックス
・ビーム障害インスタンス+発見された新候補ビーム無し
【0271】
・提案4:ビーム回復要求送信に対し、衝突型PRACH又は非衝突型PRACHを選択することは、MACが行う。
・PHYによって通知された複数の新候補ビームがある場合、MACは、ビーム回復要求送信に対してどのビームを用いるかを決定する。
・選択されたビームが予め設定されたCFRA(Contention-Free Random Access)に関連付けられている場合、MACは、ビーム回復要求送信に対するCFRAを用いる。
・選択されたビームが予め設定されたCFRAに関連付けられていない場合、MACは、ビーム回復要求送信に対するCFRAを用いる。
【0272】
<利点>
・ビーム回復に対し、PHY及びMACの間の統一された指示内容。
・PHY及びMACの間の冗長な相互作用を避ける。
・新候補ビーム情報がMACへ示されない場合、MACは、ビーム障害インスタンスの連続数が予め設定された数よりも大きい場合、新候補ビーム情報を提供することをPHYに依頼する。
・ビーム回復送信に対する適切なタイプ(例えば、CBRA(Contention-Based Random Access)又はCFRA)を選択するために、MACに対してより柔軟であること。
・ビーム回復要求送信に対する適切なビームを選択するために、MACに対してより柔軟であること。例えば、異なるビーム障害インスタンスにおいて2つの異なる新候補ビームインデックスがPHYによって提供され、MACがビーム回復要求送信に対し、より多く現れるビームを選択できる。
・カウントがMACにおいて実施されることによって、PHYの複雑さを減らす。
【0273】
<明確化>
【0274】
・gNB(gNodeB)応答ウィンドウは、gNB応答をモニタするための期間である。
・当該ウィンドウ内において検出される応答がない場合、UEは、要求の再送を行う。
・ビーム回復タイマは、ビーム障害検出から開始し、gNB応答を受信する場合に停止する。
【0275】
・ビーム回復要求が送信された後のUE動作
・オプション1:常に周期的に送信される
・オプション2:ビーム回復要求が送信された後、指示送信を停止する
【0276】
・前提1:PHY及びMACの両方がgNBウィンドウを有する。
・現状の合意が有効である。
・前提2:PHYのみがgNBウィンドウを有する。
・PHYは、ビーム回復要求が送信された後、gNB応答が正常に受信されるか否かを、MACに示す。
・PHY
・gNB応答がウィンドウ内において受信される場合、「gNB応答が受信されたこと」の指示をMACへ送り、ビーム回復タイマを停止する。
・gNB応答がウィンドウ内において受信されない場合、「gNB応答が受信されないこと」の指示をMACへ送る。
・MAC
・「gNB応答が受信されたこと」の指示を受信する場合、ビーム障害インスタンスカウンタをリセットする。
・「gNB応答が受信されないこと」の指示を受信する場合、MACはビーム回復要求送信をトリガする。
【0277】
<背景>
【0278】
次のことが合意されている。
・時間ウィンドウ中のビーム障害回復要求に対するgNBの応答の検出がサポートされる。
・時間ウィンドウが設定されるか予め決定されるかについては、今後検討される。
・時間ウィンドウ内のモニタ機会(occasion)の数は、今後検討される。
・時間ウィンドウのサイズ及び/又は位置は、今後検討される。
・当該ウィンドウ内に検出された応答がない場合、UEは、要求の再送を行ってもよい。
・詳細は今後検討される。
・或る数の送信の後に検出されない場合、UEは上位レイヤエンティティを通知する。
・当該送信の数、あるいは更にタイマと結合して、又はタイマによって単独で決定されることについては、今後検討される。
【0279】
次のことが合意されている。
・時間ウィンドウ中の時間長と、UEに対するビーム障害回復要求に対するgNB応答をモニタするための専用のCORESET(control resourse set)と、のRRC設定をサポートすること
【0280】
次のことが合意されている。
・gNB(gNodeB)応答は、C-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)宛のPDCCHを介して送信される。
・gNB応答に対するDCIフォーマットは、今後検討される。
【0281】
次の4つのRRCパラメータ(UE固有パラメータ)が検討されている。
・ResponseWindowSize-BFR:BFRQの後のビーム障害回復応答用CORESET内のgNB応答のモニタリング用の時間長。ra-ResponseWindowSizeに類似する。
・Beam-failure-recovery-Timer:タイマに関するUE動作の詳細は今後検討される。
・NrOfBeamFailureInstance:宣言されたビーム障害に対するビーム障害インスタンスの連続数
・Beam-Failure-Recovery-Response-CORESET
【0282】
我々は、ビーム回復手順全体を3つのパートに分けた。
・パート1:最初のビーム障害検出から、ビーム回復要求(Beam Failure Recovery reQuest:BFRQ)送信(TX:transmission)まで
・パート2:BFRQ TXから、gNB応答受信まで、
・パート3:gNB応答受信から、再設定(reconfiguration)/アクティベーション/PDCCHに対するTCI状態の再指示(re-indication)まで
【0283】
<前提及び問題>
【0284】
・前提
・UE PHYは、モビリティのためのOOS(Out-Of-Sync)/IS(In-Sync)と同様に、常に周期的にビーム障害に対する指示をMACへ送る(図4参照)。
・前提1:PHY及びMACの両方が、gNB応答ウィンドウを有する。
・前提2:PHYのみが、gNB応答ウィンドウを有する。
gNBウィンドウは、BFRQ TXの後のgNB応答のモニタリングの1つの期間を意味する。
【0285】
・問題
・上記の異なる前提に基づき、MAC及びPHYのUE動作が異なり、明確化されることが必要である。
【0286】
<提案1>
・前提1:PHY及びMACの両方が、gNB応答ウィンドウを有する(図5参照)。
・提案1-1:UE側におけるPHY及びMACの両方が、揃えられたgNB応答ウィンドウを独立に維持する。
・提案1-2:UEがgNB応答ウィンドウ中のみにおいてCORESET-BFR(BFR(beam failure recovery)用CORESET)をモニタするように制限されるUE動作に制限すること
・提案1-3:MACに対するUE動作
・MAC
・ウィンドウ内においてgNB応答が受信される場合、MACは、もしビーム回復タイマが仕様に規定され動作していればビーム回復タイマを停止する。
・ウィンドウ内においてgNB応答が受信されない場合、MACは、ビーム回復要求送信をトリガする。
【0287】
<提案2>
・前提2:PHYのみが、gNB応答ウィンドウを有する(図6参照)。
・提案2-1:UE PHYレイヤがMACにgNB受信状態を示すことをサポートすること
・状態A:gNB応答が受信された
・状態B:gNB応答が受信されなかった
・提案2-2:PHY及びMACに対する独立したUE動作
・PHY
・ウィンドウ内にgNB応答が受信される場合、PHYは、「gNB応答が受信された」ことの指示をMACへ送る。
・ウィンドウ内にgNB応答が受信されない場合、PHYは、「gNB応答が受信されなかった」ことの指示をMACへ送る。
・MAC
・「gNB応答が受信された」ことの指示を受信する場合、MACは、もしビーム回復タイマが仕様に規定され動作していればビーム回復タイマを停止する。
・「gNB応答が受信されなかった」ことの指示を受信する場合、MACは、ビーム回復要求送信をトリガする。
【0288】
<提案3>
・MACにおけるビーム障害インスタンスカウンタに対する開始/リセット/停止/再開の状態
・最初のビーム障害インスタンス指示の場合には、開始
・カウント中に非ビーム障害(non-beam failure)が指示される場合には、リセット
・BFRQが送信される場合には、停止
・gNB応答が受信される場合、又はMACにおけるビーム回復用のタイマが停止される場合には、再開
・ビーム回復手順が失敗する場合、
・ビーム回復失敗(beam recovery failure)が無線リンク障害(Radio Link Failure:RLF)へ直接導く場合、カウンタを停止する。
・例えば、UEが、RLF手順をトリガする失敗BFR(failure BFR)などの指示子を上位レイヤへ送る。
・ビーム回復失敗がRLFへ直接導かない場合、カウンタを再開する。
・例えば、UEが、非周期的OOS、OOS+1のカウントなどの指示子を上位レイヤへ送る。
・ここで、ビーム回復失敗は、次の条件が発生する場合と定義されてもよい。
・MACにおけるビーム回復用のタイマが満了する
・BFRQ TX回数が予め設定された最大送信回数以上である
【0289】
<例1>(図7参照)
・PHY
・ウィンドウ内にgNB応答が受信される場合、PHYは、「gNB応答が受信された」ことの指示をMACへ送る。
・ウィンドウ内にgNB応答が受信されない場合、PHYは、「gNB応答が受信されなかった」ことの指示をMACへ送る。
・MAC
・「gNB応答が受信された」ことの指示を受信する場合、MACは、ビーム回復タイマを停止する。
・「gNB応答が受信されなかった」ことの指示を受信する場合、MACは、ビーム回復要求送信をトリガする。
【0290】
以上を鑑みて、以下のような構成を提案する。
[構成1]
ビーム障害を検出するPHYレイヤ処理部と、
前記PHYレイヤ処理部におけるビーム回復要求の送信をトリガするMACレイヤ処理部と、を有し、
前記PHYレイヤ処理部は、検出したビーム障害に関する情報を前記MACレイヤ処理部に通知し、
前記MACレイヤ処理部は、前記PHYレイヤ処理部から通知された前記ビーム障害に関する情報に基づいて、前記ビーム回復要求の送信をトリガし、
前記MACレイヤ処理部は、前記ビーム回復要求に対する応答の有無に基づいて、ビーム回復手順を行うことが可能な期間に関連するビーム回復タイマを制御することを特徴とするユーザ端末。
[構成2]
前記ビーム障害に関する情報は、新候補ビームの有無に関する情報を含むことを特徴とする構成1に記載のユーザ端末。
[構成3]
前記MACレイヤ処理部は、前記PHYレイヤ処理部から通知された前記ビーム障害に関する情報に基づいて所定のカウンタをカウントし、当該カウンタの値が所定の閾値以上になった場合に、前記PHYレイヤ処理部に対して前記ビーム回復要求の送信をトリガすることを特徴とする構成1又は構成2に記載のユーザ端末。
[構成4]
PHYレイヤにおいてビーム障害を検出するステップと、
MACレイヤにおいて前記PHYレイヤにおけるビーム回復要求の送信をトリガするステップと、を有し、
前記PHYレイヤは、検出したビーム障害に関する情報を前記MACレイヤに通知し、
前記MACレイヤは、前記PHYレイヤから通知された前記ビーム障害に関する情報に基づいて、前記ビーム回復要求の送信をトリガすることを特徴とするユーザ端末の無線通信方法。
【0291】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本明細書中に説明した実施の形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【0292】
本出願は、2018年1月26日出願の特願2018-024529に基づく。この内容は、全てここに含めておく。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13