(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】規制ユニット、建具、及び、規制ユニットの取付方法
(51)【国際特許分類】
E05D 13/00 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
E05D13/00 A
(21)【出願番号】P 2020044109
(22)【出願日】2020-03-13
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川妻 洋介
(72)【発明者】
【氏名】衛藤 將之
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-157337(JP,A)
【文献】実開昭63-023469(JP,U)
【文献】実開平2-98180(JP,U)
【文献】特開2015-224472(JP,A)
【文献】特開2017-150241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 11/00-13/00
E06B 3/04- 3/46
E06B 3/50- 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引戸障子における戸先側の上端と上下方向に間隔を空けて対向する対向部を有し当該引戸障子の上方向への移動を規制する規制部材と、
前記引戸障子が支持される枠体に固定され、前記規制部材を、移動可能な状態、または、移動不能な状態、のいずれの状態にも保持可能な保持部材と、
を有し、
前記保持部材は、前記枠体において戸先枠に向かって移動する前記規制部材を、前記対向部が前記引戸障子の前記上端よりも低い位置から前記上端よりも高い位置に案内可能なガイド部を有することを特徴とする規制ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の規制ユニットであって、
前記ガイド部は、一定の段差で上昇する複数の段をなすガイド平坦部と、互いに隣接する前記ガイド平坦部間をつなぐガイド傾斜部と、
を有し、
前記規制部材は、前記ガイド部と対向し、前記段差で上昇する複数の段をなす規制部材平坦部と、互いに隣接する前記規制部材平坦部間をつなぐ規制部材傾斜部と、
を有しており、
前記段差は、前記枠体が有するレールに支持された前記引戸障子の下端から、当該下端より上方に突出している前記レールの上端までの高さより低いことを特徴とする規制ユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の規制ユニットであって、
前記保持部材は、
前記ガイド部を有する保持部材本体と、
前記保持部材本体に締め付けた状態で前記規制部材を移動不能に保持し、前記締め付けが緩い状態で前記規制部材を移動可能に保持するねじと、
を有していることを特徴とする規制ユニット。
【請求項4】
請求項2に記載の規制ユニットであって、
前記保持部材は、
前記ガイド部を有する保持部材本体と、
前記保持部材本体に締め付けた状態で前記規制部材を移動不能に保持し、前記締め付けが緩い状態で前記規制部材を移動可能に保持するねじと、
を有し、
前記規制部材は、当該規制部材の移動方向に長く各々の前記段にわたって設けられ前記ねじが挿通される挿通長孔を有しており、
前記挿通長孔は、前記段ごとに前記ねじのねじ部の外径より広い幅をなす拡幅部を有し、互いに隣り合う前記拡幅部の間に前記ねじ部の外径よりも狭い狭幅部が設けられていることを特徴とする規制ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の規制ユニットであって、
前記保持部材は、前記枠体に固定された状態で下面に前記ガイド平坦部と前記ガイド傾
斜部とが設けられており、
前記規制部材は、上面に前記規制部材平坦部と前記規制部材傾斜部とが設けられており
、
前記規制部材平坦部及び前記規制部材傾斜部の下に、
下面が前記対向部をなす第一部位と、
締め付けた前記ねじの頭部が当接されるねじ当接部を有する第二部位と、
が見込み方向に並べて設けられていることを特徴とする規制ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の規制ユニットと、
前記枠体と、
前記引戸障子と、
を有することを特徴とする建具。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の規制ユニットの取付方法であって、
前記引戸障子を開いた状態で前記保持部材を前記枠体に固定する保持部材固定ステップと、
前記規制部材を移動可能に前記保持部材に保持させる規制部材保持ステップと、
前記引戸障子を前記戸先側に移動し当該引戸障子に当接した前記規制部材を当該引戸障子と共に移動をさせる規制部材移動ステップと、
前記規制部材が前記引戸障子よりも上に移動した位置にて当該規制部材を前記保持部材に固定する規制部材固定ステップと、
を有することを特徴とする規制ユニットの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引戸障子の上方向への移動を規制する規制ユニット、建具、及び、規制ユニットの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から引戸障子は、けんどんと呼ばれる方法にてレールを有する枠体に建て込まれる。具体的には、例えば、まず引戸障子を枠体の手前から、上端側を下端側より先行させて傾斜させた状態で上枠の溝に挿入し、次に下端側を下枠のレール上に移動して、引戸障子をほぼ鉛直な姿勢に配置する。このとき、引戸障子はレールに支持される位置よりも高い位置に配置されている。次に、引戸障子をレール上に下ろし、レールにより引戸障子を支持させる。
【0003】
このとき、引戸障子を支持している下枠のレールの上端と引戸障子の下端との上下方向の幅(以下、引戸障子のレールとの重なり代という)は、引戸障子が下ろされる前における上枠のレールの下端と引戸障子の上端との間隔よりも狭い。このため、引戸障子を急いで閉じるなどの操作により引戸障子がレールから浮き上がると引戸障子がレールから外れる虞がある。このため、従来から、例えば、特許文献1のように、引戸障子の脱落を防止するために、引戸障子を枠体に建て込んだ後に引戸障子の上の枠体に嵌め込む外止片は知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
けんどんにより建て込まれる引戸障子が、たとえレールから浮き上がったとしても、引戸障子がレールから外れないためには、上記従来の外止片のように引戸障子の上方への移動を規制する規制部材と引戸障子の上端との間隔を、引戸障子のレールとの重なり代よりも狭くする必要がある。規制部材を引戸障子の上端に対して適切な位置に配置するためには、たとえば、規制部材を取り付け、引戸障子を規制部材の下に移動し、規制部材と引戸障子の上端との間隔を確認し、引戸障子が外れる場合には、引戸障子を移動し、規制部材を取り外して枠体との間に薄板を介在させて再び引戸障子を規制部材の下に移動して、規制部材と引戸障子の上端との間隔を確認する作業を繰り返さなければならず作業が繁雑であるという課題がある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容易に適切な位置に配置可能な、引戸障子の上方への移動を規制する規制ユニット、この規制ユニットを備えた建具、及び、この規制ユニットの取付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために本発明の規制ユニットは、引戸障子における戸先側の上端と上下方向に間隔を空けて対向する対向部を有し当該引戸障子の上方向への移動を規制する規制部材と、前記引戸障子が支持される枠体に固定され、前記規制部材を、移動可能な状態、または、移動不能な状態、のいずれの状態にも保持可能な保持部材と、を有し、前記保持部材は、前記枠体において戸先枠に向かって移動する前記規制部材を、前記対向部が前記引戸障子の前記上端よりも低い位置から前記上端よりも高い位置に案内可能なガイ
ド部を有することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、容易に適切な位置に配置可能な、引戸障子の上方への移動を規制する規制ユニット、この規制ユニットを備えた建具、及び、この規制ユニットの取付方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる建具を脱衣室側から見た正面図である。
【
図4】
図1におけるA部に設けられている規制ユニットを示す図である。
【
図6】規制ユニットを戸先側且つ浴室側から見た分解斜視図である。
【
図7】規制ユニットを戸先側且つ脱衣室側から見た分解斜視図である。
【
図9】規制部材の位置決め及び固定方法を示す図である。
【
図10】挿通長孔の変形例を示す規制部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る規制ユニット、建具、及び、規制ユニットの取付方法について図面を参照して説明する。
【0011】
本実施形態の建具1は、
図1に示すように、FIX窓2と、引戸障子3とを備えた片引き窓タイプの例えば浴室用の建具1である。以下の説明では、見込み方向における一方側を浴室側、他方側を脱衣室側として説明する。
【0012】
以下の説明においては、建物に取り付けられた建具1を脱衣室側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となり引戸障子3がスライド移動する方向を左右方向またはスライド方向、浴室に出入りする方向である奥行き方向を見込み方向として示す。建具1の各部位であっても、また、建具1を構成する各部材については単体の状態であっても、建物に取り付けられた状態にて上下方向、左右方向またはスライド方向、見込み方向となる方向にて方向を特定して説明する。
【0013】
図1~
図3に示すように、建具1は、建物に固定される枠体4と、枠体4の内側の領域を左右方向に仕切る縦骨5と、枠体4と縦骨5とで形成され枠体4内の右側の領域に設けられる面材6と、枠体4に案内されて左右方向にスライド移動し縦骨5の左側に形成される開口1aを閉塞可能な引戸障子3と、枠体に4に取り付けられる規制ユニット7と、を有している。
【0014】
枠体4は、左右に延びる上枠41及び下枠42と、上枠41と下枠42の左右の端部同士を繋ぐ左縦枠43及び右縦枠44と、を有し、矩形状に枠組みされている。上枠41及び下枠42には、脱衣室側に引戸障子3を案内するレール4a、4bが設けられている。縦骨5は、矩形状に枠組みされた枠体4の内側に配置され、上枠41と下枠42とに接合
され、上枠41、下枠42、及び、右縦枠44とともに面材6の周端部を収容してFIX窓2を形成している。
【0015】
引戸障子3は、上框31、下框32、及び、左右の縦框33、34が矩形状に框組みされた框体30と、外周端部が框体30に収容されて取り付けられているガラス35と、を
有している。引戸障子3は、左の縦框33が左縦枠43に収容されて開口1aを閉塞する。閉塞した状態から、FIX窓2の脱衣室側を引戸障子3が右方向にスライドして開口1aが開放されるように構成されている。このため、引戸障子3は、左側が戸先であって、左の縦框33が戸先框に相当し、枠体4において戸先と係合する左縦枠43が戸先枠に相当する。
【0016】
枠体4には、
図1に示すように、枠体4において、開口1aを閉じた引戸障子3の戸先側の上方に、当該引戸障子3の上方向への移動を規制する規制ユニット7が設けられている。
【0017】
規制ユニット7は、
図5に示すように、閉じた状態の引戸障子3における戸先側の上端と上下方向に間隔を空けて対向する規制部材70と、枠体4に固定部材8を介して固定されて規制部材70を保持可能な保持部材71と、を有している。保持部材71は、合成樹脂製の保持部材本体72、及び、保持部材本体72に締め付けられて規制部材70を当該保持部材本体72に固定するねじ73を有しており、規制部材70は、ねじ73による締め付けが緩い状態では、保持部材本体72に対して相対移動可能に保持部材71に保持される。
【0018】
本実施形態の固定部材8は、
図3に示すように、左縦枠43において枠体4の内周側に望む左縦枠見込み面43aにねじ止めされる枠固定部8aと、枠固定部8aの上端部から見込み方向における浴室側に延出された先端が引戸障子3のスライド方向に延出されて保持部材本体72がねじ止めされる保持部材固定部8bとを有している。左縦枠43は、引戸障子3が閉じられたときに、戸先側の部位が収容される溝部43bが設けられており、左縦枠見込み面43aは、溝部43bに収容された引戸障子3の戸先部と対向する。
【0019】
引戸障子3が案内される上レール4aは、上枠41において左縦枠43が有する溝部43bにおける見込み方向の幅のほぼ中央に位置しており、保持部材固定部8bは溝部43bから浴室側に突出して設けられており、上レール4aと対向するように設けられている。
【0020】
保持部材本体72は、
図4~
図7に示すように、保持部材固定部8bに固定され、当該保持部材固定部8bに沿う保持部材壁部72aと、保持部材壁部72aの下端から脱衣室側に延出された保持部材下板部72bと、保持部材壁部72aの上部側に設けられ下面が、段階的に高さが高くなるガイド部としての保持部材多段傾斜部72hを有する上本体部72cと、を有している。
【0021】
規制部材70及び保持部材71の下方には、上レール4aに案内される引戸障子3の上端部において、上レール4aよりも浴室側に配置される部位が存在する。すなわち、上レール4aの浴室側に設けられる規制部材70及び保持部材71の下では、上レール4a側にて引戸障子3がスライド移動する。
【0022】
図6、
図7に示すように、保持部材本体72の保持部材壁部72a及び保持部材下板部72bは浴室側に配置されており、上本体部72cは、引戸障子3が移動する領域の上方に配置される脱衣室側部位72dと、脱衣室側部位72dの浴室側に配置される浴室側部位72eとを有している。保持部材下板部72bは、保持部材壁部72aの下端から脱衣室側にほぼ水平に延出された板状の部位であり、上本体部72cの浴室側部位72eと上下方向に間隔を空けて対向している。
【0023】
保持部材下板部72bには、上本体部72cの浴室側部位72eに規制部材70を下方から固定するねじ73及びこのねじ73を操作する工具が挿通される切り欠き部72fが
設けられており、また、保持部材下板部72bの上面には、規制部材70を上方に付勢して上本体部72cに押圧するバネ部72gが設けられている。保持部材71は、合成樹脂製であり、バネ部72gは、弾性変形により上方に押圧するように構成されている。
【0024】
上本体部72cの浴室側部位72eと脱衣室側部位72dとは、
図4に示すように、各々下面に一定の段差H1で段階的に高さが高くなる保持部材多段傾斜部72hを有している。より具体的には、引戸障子3のスライド方向に互いに間隔を空けた複数のガイド平坦部72iが設けられており、各ガイド平坦部72i間が戸先側に向かって上昇する傾斜面でなるガイド傾斜部72jで繋がっている。浴室側部位72e及び脱衣室側部位72dの保持部材多段傾斜部72hのガイド平坦部72iとガイド傾斜部72jとは同一に形成されているが、浴室側部位72eの保持部材多段傾斜部72hは、戸尻側が脱衣室側部位72dの保持部材多段傾斜部72hよりも低い位置に設けられている。
【0025】
浴室側部位72eにおいて、脱衣室側部位72dよりも低い位置に設けられている保持部材多段傾斜部72hには、規制部材70を下方から固定するねじ73が挿通される挿通孔72kが設けられており、挿通孔72kが設けられた部位の上部には浴室側が開放されて保持部材壁部72aから繋がり挿通孔72kと連通する中空部72lが設けられている。中空部72lには、保持部材71を構成し、挿通孔72kに挿通されたねじ73が螺合されるプレートナット74が配置される。
【0026】
保持部材壁部72aには、保持部材多段傾斜部72hの下面に沿う形状に、見込み方向に貫通された貫通孔72mが設けられており、貫通孔72mの縁に沿って脱衣室側に突出する環状突部72nが設けられている。この環状突部72nには、後述する規制部材70の突起70mが脱衣室側から挿入され、規制部材70が移動する際に突起70mが環状突部72nに案内される。
【0027】
規制部材70は、合成樹脂製の部材であり、保持部材本体72の脱衣室側部位72dの下に配置される第一部位70aと、第一部位70aと見込み方向に並び浴室側部位72eの下に配置される第二部位70bと、を有している。第一部位70a及び第二部位70bの上面は、いずれも保持部材71の浴室側部位72e及び脱衣室側部位72dと同様の、互いに間隔を空けた複数の規制部材平坦部70cと規制部材傾斜部70dとを有する面で繋がった規制部材上多段傾斜部70eを有している。
【0028】
引戸障子3がスライド移動する側に配置される脱衣室側部位72dの下に配置され、引戸障子3の上端3aと対向する対向部としての、第一部位70aの下面70fは、ほぼ水平な面をなしている。浴室側部位72eの下に配置される第二部位70bは、上面をなす規制部材上多段傾斜部70eの形状でなる板状をなしており、その外周部分が下方に延出された矩形の枠部70gを有している。
【0029】
枠部70gは、見込み方向に対向する一対の枠壁部70hを有している。一対の枠壁部70hの間隔は、ねじ73の頭部73aの外径より広く形成されている。一対の枠壁部の間には、規制部材上多段傾斜部70eの下面が露出しており、下面も上面と同様に複数の平坦部70pと傾斜部70qとを有している。下面が有する平坦部70pがねじ当接部に相当する。一対の枠壁部70hの下端は、戸先方向に向かって上昇する階段状をなしており、複数の隣接する下平坦部70iが一定の段差H1にて繋がっている。この段差H1は、保持部材多段傾斜部72h及び規制部材上多段傾斜部70eの段差H1と同一である。
【0030】
保持部材多段傾斜部72h、規制部材上多段傾斜部70e、及び、枠壁部70hの下端の段差H1は、下レール4bに引戸障子3が支持された状態における、引戸障子3の下端3bより上方に突出している下レール4bの上端までの高さH2(
図2)よりも低く設定
されている。
【0031】
規制部材70の第二部位70bには、
図8に示すように、見込み方向における中央にスライド方向に沿って、ねじ73が挿通される挿通長孔70jが設けられている。挿通長孔70jは、スライド方向に間隔を空けて設けられた複数の丸孔部70kが、丸孔部70kの中心をつなぐように、丸孔部70kの内径よりも狭い幅の狭幅部70lでつながった形状をなしている。丸孔部70kの内径は、ねじ73のねじ部73bの外径より僅かに大きく、狭幅部70lの幅は、ねじ73のねじ部73bの外径より僅かに小さく形成されている。すなわち、丸孔部70kが拡幅部に相当する。
【0032】
このため、規制部材70の挿通長孔70j及び保持部材本体72の挿通孔72kに挿通されて保持部材71のプレートナット74に螺合されたねじ73の締め付けが緩い状態で、規制部材70はスライド方向に移動する。このとき、規制部材70がスライドしてねじ73が、隣り合う丸孔部70kの間の狭幅部70lを通過する際には、軽い摩擦負荷が生じるように構成されている。
また、規制部材70の第二部位70bには、浴室側に突出して円柱状をなし、保持部材本体72の環状突部72nに挿入される突起70mが設けられている。
【0033】
本実施形態の規制ユニット7は、固定部材8を介して枠体4に固定された保持部材本体72に、ねじ73により規制部材70が仮保持されている状態で、規制部材70を位置決めし、ねじ73を締め付けて規制部材70を保持部材本体72に固定する。保持部材本体72に仮保持されている規制部材70は、突起70mが環状突部72nの内側に挿入され、第一部位70aの規制部材上多段傾斜部70eが、保持部材71の脱衣室側部位72dにおける保持部材多段傾斜部72hと上下方向に対向し、第二部位70bの規制部材上多段傾斜部70eが、保持部材71の浴室側部位72eにおける保持部材多段傾斜部72hと上下方向に対向し、バネ部72gにより上方に押圧されている。
【0034】
仮保持された状態では、ねじ73は締め付けが緩い状態なので、規制部材70は、環状突部72n及び保持部材多段傾斜部72hに案内されつつスライド方向に移動可能である。環状突部72n及び保持部材多段傾斜部72hは、いずれも左縦枠43側に向かって段階的に上昇する形状をなしているので、環状突部72n及び保持部材多段傾斜部72hに案内される規制部材70は、最も右側に位置するときに、第一部位70aの下面70fが最も低い位置に配置され、最も左側に移動したときに、第一部位70aの下面70fが最も高い位置に配置される。規制ユニット7は、第一部位70aの下面70fが最も低いときに、引戸障子3の上端3aよりも低く、第一部位70aの下面70fが最も高いときに、引戸障子3の上端3aよりも高くなるように構成されている。
【0035】
規制部材70の取付方法は、まず、引戸障子3を開いて規制ユニット7よりも右側に配置しておく。このとき、規制部材が移動可能に仮保持された保持部材71を固定部材8を介して固定しておく(保持部材固定ステップ及び規制部材保持ステップ)。保持部材71に仮保持された規制部材70は、最も右側に配置しておく。
【0036】
次に、引戸障子3を閉じる方向、すなわち左縦枠側に向かう方向にスライドする。このとき、
図9(a)に示すように、最も右側に位置している規制部材70の右端70nに引戸障子3の戸先が当接し、さらに引戸障子3を閉じる方向に移動することにより規制部材70は引戸障子3とともに左方向に移動する(規制部材移動ステップ)。最も右側に位置している状態で、規制部材70の規制部材平坦部70cと保持部材本体72のガイド平坦部72iとが対向し、規制部材70の規制部材傾斜部70dと保持部材本体72のガイド傾斜部72jとが対向している。また、ねじ73は、挿通長孔70jの丸孔部70kに位置している。
【0037】
規制部材70が引戸障子3とともに左側に移動する際には、まず、規制部材70の規制部材平坦部70cが保持部材本体72のガイド平坦部72iに沿って摺動しつつ移動し、規制部材70の規制部材平坦部70cが保持部材本体72のガイド平坦部72iを越えると、規制部材70の規制部材傾斜部70dが保持部材本体72のガイド傾斜部72jに沿って摺動しつつ移動する。規制部材70の規制部材傾斜部70dが保持部材本体72のガイド傾斜部72jに沿って移動することにより規制部材70が上昇しつつ左方向に移動する。
【0038】
そして、規制部材70の規制部材傾斜部70dが保持部材本体72のガイド傾斜部72jを越えて、規制部材70の規制部材平坦部70cが保持部材本体72のガイド平坦部72iと対向して当接することで、規制部材70の第一部位70aの下面70fは、保持部材多段傾斜部72hの段差H1分高い位置に移動する。規制部材70が段差H1分上昇する間に、挿通長孔70jは、ねじ73が丸孔部70kから狭幅部70lを通過して隣に位置する丸孔部70kに位置している。
【0039】
規制部材70が段差H1分上昇したときに、
図9(b)に示すように、規制部材70の第一部位70aの下面70fが引戸障子3の上端3aよりも上に位置していると、規制部材70は引戸障子3から離れるため、引戸障子3を引き続きスライドさせた際には、引戸障子3のみ移動する。この状態で、
図9(c)に示すように、引戸障子3を右方向にスライドし、ねじ73を締め込んで
図9(d)に示すように、規制部材70を固定する(規制部材固定ステップ)。
【0040】
また、規制部材70が段差H1分上昇したときに、規制部材70の第一部位70aの下面70fが引戸障子3の上端3aよりも下に位置している場合には、さらに引戸障子3を規制部材70と共に左方向にスライドし、さらに規制部材70が段差H1分上昇させる。このように、引戸障子3を締める方向にスライドさせることにより、規制部材70を引戸障子3とともに移動させ、第一部位70aの下面70fを引戸障子3の上端3aよりも上に移動させたところにてねじ73を締め込んで規制部材70を固定する。
【0041】
このように、引戸障子3を閉じる方向にスライドさせることにより、規制部材70が引戸障子3とともに移動する状態は、規制部材70の第一部位70aの下面70fが引戸障子3の上端3aよりも下に位置している状態であり、この状態から段差H1分上昇して第一部位70aの下面70fが引戸障子3の上端3aよりも高い位置に移動したとしても、第一部位70aの下面70fと引戸障子3の上端3aとの間隔は、段差H1分の高さより狭い。保持部材多段傾斜部72hの段差H1は、下レール4bに支持された引戸障子3の下端3bより上方に突出している下レール4bの上端までの高さH2よりも低く設定されているので、規制部材70は引戸障子3が下レール4bから外れ難い位置に配置される。
【0042】
本実施形態の規制ユニット7によれば、規制部材70を保持可能な保持部材71が、左縦枠43に向かって移動する規制部材70を、引戸障子3における戸先側の上端3aと対向する規制部材70の第一部位70aの下面70fが引戸障子3の上端3aよりも低い位置から上端3aよりも高い位置に案内可能な保持部材多段傾斜部72hを有しているので、引戸障子3を開いた状態で第一部位70aの下面70fが引戸障子3の下端3bよりも下に位置する場合には、引戸障子3を左縦枠43側にスライドすると、引戸障子3の戸先が規制部材70に当接する。そして、引戸障子3をさらに左縦枠43側にスライドすると規制部材70は引戸障子3と共に左縦枠43側に移動すると共に保持部材多段傾斜部72hに案内されて上方にも移動する。
【0043】
そして、第一部位70aの下面70fが引戸障子3よりも上に移動した際には、規制部
材70は移動が止まり引戸障子3はスライドし続ける。このとき、引戸障子3を停止すると共に、規制部材70が停止した位置を基準として、規制部材70を引戸障子3の上端3aとの適宜な間隔を空けて保持部材71に保持することにより、規制部材70を、引戸障子3の上方への移動を規制する適切な位置に容易に配置することが可能である。
【0044】
また、保持部材本体72が有する保持部材多段傾斜部72hの段差H1、及び、規制部材70において保持部材多段傾斜部72hと対向する規制部材傾斜部70dの段差H1は、下レール4bに支持された引戸障子3の下端3bから、当該下端3bより上方に突出している下レール4bの上端4cまでの高さH2より低いので、引戸障子3はたとえ浮き上がったとしても、引戸障子3の下端3bが下レール4bの上端4cよりも上側には移動しない。このため、より確実に引戸障子3の下レール4bからの脱落を防止することが可能である。
【0045】
また、規制部材70は、保持部材71の保持部材多段傾斜部72hを有する保持部材本体72にねじ73により保持されるので、ねじ73を締める、或いは、緩めた状態とすることにより、規制部材70を移動可能な状態、または、移動不能な状態の、いずれの状態にも容易に保持することが可能である。
【0046】
また、規制部材70を保持部材71に移動不能に保持するねじ73が挿通され規制部材70に設けられている挿通長孔70jは、規制部材70の移動方向に長く、段ごとにねじ73のねじ部73bの外径より広い幅をなす丸孔部70kを有し、互いに隣り合う丸孔部70kの間にねじ部73bの外径よりも狭い狭幅部70lが設けられているので、規制部材70が移動して、挿通長孔70jの狭幅部70lがねじ73の位置を通過する際には移動し難くなり、狭幅部70lを抜けて丸孔部70kに至る際には滑らかに移動して安定する。丸孔部70kは各段に設けられているので、規制部材70は移動しつつねじ73が丸孔部70k、すなわち段に位置したときに移動が止まり易いので、ねじ73が安定して止まり易い位置に規制部材70を容易に配置することが可能である。
【0047】
また、下面70fが対向部をなす第一部位70a側が引戸障子3の上端3aと対向し、規制部材傾斜部70dの下に下平坦部70iを有する第二部位70b側が保持部材本体72に固定されるので、第二部位70b側にて保持部材本体72に確実に固定し、第一部位70a側で引戸障子3の上方への移動を規制することが可能である。
【0048】
また、規制部材70を、引戸障子3の上方への移動を規制する適切な位置に容易に配置することが可能な建具1を提供することが可能である。
【0049】
また、上記規制ユニット7の取付方法によれば、引戸障子3を左縦枠43側に移動すると、引戸障子3の戸先が規制部材70に当接され、引戸障子3をさらに左縦枠43側に移動すると規制部材70は引戸障子3と共に左縦枠43側に移動すると共に保持部材多段傾斜部72hに案内されて上方にも移動する。そして、規制部材70における第一部位70aの下面70fが引戸障子3よりも上に移動した際には、規制部材70は移動が止まり引戸障子3は移動し続ける。このとき、引戸障子3を停止すると共に、規制部材70が停止した位置を基準として、規制部材70を引戸障子3の上端3aとの適宜な間隔を空けて保持部材71に保持することにより、規制部材70を、引戸障子3の上方への移動を規制する適切な位置に容易に配置することが可能である。
【0050】
上記実施形態においては、規制部材70が有する挿通長孔70jが丸孔部70kと狭幅部70lとを有している例について説明したが、これに限らず、例えば、
図10に示すように狭幅部を有していない長孔であっても構わない。
【0051】
また、上記実施形態においては、保持部材71が規制部材70を上方に押圧して保持するバネ部72gを有している例について説明したが、上記実施形態のように、ねじ73を緩めて規制部材70を保持していれば、バネ部72gは設けられていなくとも構わない。また、上記実施形態においては、規制部材70をあらかじめ保持部材71にねじ73により仮固定する例について説明したが、規制部材70はねじ73により仮固定されずに、バネ部72gにて保持されていても構わない。この場合には、引戸障子3と共に規制部材70を移動して位置決めした後に、挿通長孔70j及び挿通孔72kに挿通したねじ73をプレートナット74に螺合して規制部材70を固定してもよい。
【0052】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0053】
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
引戸障子における戸先側の上端と上下方向に間隔を空けて対向する対向部を有し当該引戸障子の上方向への移動を規制する規制部材と、前記引戸障子が支持される枠体に固定され、前記規制部材を、移動可能な状態、または、移動不能な状態、のいずれの状態にも保持可能な保持部材と、を有し、前記保持部材は、前記枠体において戸先枠に向かって移動する前記規制部材を、前記対向部が前記引戸障子の前記上端よりも低い位置から前記上端よりも高い位置に案内可能なガイド部を有することを特徴とする規制ユニット。
【0054】
このような規制ユニットによれば、規制部材を保持可能な保持部材が、戸先枠に向かって移動する規制部材を、引戸障子における戸先側の上端と対向する対向部が引戸障子の上端よりも低い位置から上端よりも高い位置に案内可能なガイド部を有しているので、引戸障子を開いた状態で規制部材の対向部が引戸障子の下端よりも下に位置する場合には、引戸障子を戸先枠側にスライドすると、引戸障子の戸先が規制部材に当接される。そして、引戸障子をさらに戸先枠側にスライドすると規制部材は引戸障子と共に戸先枠側に移動すると共にガイド部に案内されて上方にも移動する。
【0055】
そして、規制部材の対向部が引戸障子よりも上に移動した際には、規制部材は移動が止まり引戸障子はスライドし続ける。このとき、引戸障子を停止すると共に、規制部材が停止した位置を基準として、規制部材を引戸障子の上端との適宜な間隔を空けて保持部材に保持することにより、規制部材を、引戸障子の上方への移動を規制する適切な位置に容易に配置することが可能である。
【0056】
かかる規制ユニットであって、前記ガイド部は、一定の段差で上昇する複数の段をなすガイド平坦部と、互いに隣接する前記ガイド平坦部間をつなぐガイド傾斜部と、を有し、前記規制部材は、前記ガイド部と対向し、前記段差で上昇する複数の段をなす規制部材平坦部と、互いに隣接する前記規制部材平坦部間をつなぐ規制部材傾斜部と、を有しており、前記段差は、前記枠体が有するレールに支持された前記引戸障子の下端から、当該下端より上方に突出している前記レールの上端までの高さより低いことを特徴とする。
【0057】
このような規制ユニットによれば、保持部材が有するガイド部の段差、及び、規制部材においてガイド部と対向する規制部材傾斜部の段差は、レールに支持された引戸障子の下端から、当該下端より上方に突出しているレールの上端までの高さより低いので、引戸障子はたとえ浮き上がったとしても、引戸障子の下端がレールの上端よりも上側には移動しない。このため、より確実に引戸障子のレールからの脱落を防止することが可能である。
【0058】
かかる規制ユニットであって、前記保持部材は、前記ガイド部を有する保持部材本体と、前記保持部材本体に締め付けた状態で前記規制部材を移動不能に保持し、前記締め付け
が緩い状態で前記規制部材を移動可能に保持するねじと、を有していることを特徴とする。
【0059】
このような規制ユニットによれば、規制部材は、保持部材のガイド部を有する保持部材本体にねじにより保持されるので、ねじを締める、或いは、緩めた状態でとすることにより、規制部材を移動可能な状態、または、移動不能な状態の、いずれの状態にも容易に保持することが可能である。
【0060】
かかる規制ユニットであって、前記保持部材は、前記ガイド部を有する保持部材本体と、前記保持部材本体に締め付けた状態で前記規制部材を移動不能に保持し、前記締め付けが緩い状態で前記規制部材を移動可能に保持するねじと、を有し、前記規制部材は、当該規制部材の移動方向に長く各々の前記段にわたって設けられ前記ねじが挿通される挿通長孔を有しており、前記挿通長孔は、前記段ごとに前記ねじのねじ部の外径より広い幅をなす拡幅部を有し、互いに隣り合う前記拡幅部の間に前記ねじ部の外径よりも狭い狭幅部が設けられていることを特徴とする。
【0061】
このような規制ユニットによれば、規制部材を保持部材に移動不能に保持するねじが挿通され規制部材に設けられている挿通長孔は、規制部材の移動方向に長く、段ごとにねじのねじ部の外径より広い幅をなす拡幅部を有し、互いに隣り合う拡幅部の間にねじ部の外径よりも狭い狭幅部位が設けられているので、規制部材が移動して挿通長孔の狭幅部位がねじの位置を通過する際には移動し難くなり、狭幅部位を抜けて拡幅部に至る際には滑らかに移動して安定する。拡幅部は各段に設けられているので、規制部材は移動しつつねじが拡幅部、すなわち段に位置したときに移動が止まりやすいので、ねじが安定して止まり易い位置に規制部材を容易に配置することが可能である。
【0062】
かかる規制ユニットであって、前記保持部材は、前記枠体に固定された状態で下面に前記ガイド平坦部と前記ガイド傾斜部とが設けられており、前記規制部材は、上面に前記規制部材平坦部と前記規制部材傾斜部とが設けられており、前記規制部材平坦部及び前記規制部材傾斜部の下に、下面が前記対向部をなす第一部位と、締め付けた前記ねじの頭部が当接されるねじ当接部を有する第二部位と、が見込み方向に並べて設けられていることを特徴とする。
【0063】
このような規制ユニットによれば、下面が対向部をなす第一部位側が引戸障子の上端と対向し、規制部材平坦部及び規制部材傾斜部の下にねじ当接部を有する第二部位側が保持部材に固定されるので、第二部位側にて保持部材に確実に固定し、第一部位側で引戸障子の上方への移動を規制することが可能である。
【0064】
また、規制ユニットと、前記枠体と、前記引戸障子と、を有することを特徴とする建具である。
【0065】
このような建具によれば、規制部材を、引戸障子の上方への移動を規制する適切な位置に容易に配置することが可能な建具を提供することが可能である。
【0066】
また、規制ユニットの取付方法であって、前記引戸障子を開いた状態で前記保持部材を前記枠体に固定する保持部材固定ステップと、前記規制部材を移動可能に前記保持部材に保持させる規制部材保持ステップと、前記引戸障子を前記戸先側に移動し当該引戸障子に当接した前記規制部材を当該引戸障子と共に移動をさせる規制部材移動ステップと、前記規制部材が前記引戸障子よりも上に移動した位置にて当該規制部材を前記保持部材に固定する規制部材固定ステップと、を有することを特徴とする。
【0067】
このような規制ユニットの取付方法によれば、引戸障子を戸先枠側に移動すると、引戸障子の戸先が規制部材に当接され、引戸障子をさらに戸先枠側に移動すると規制部材は引戸障子と共に戸先枠側に移動すると共にガイド部に案内されて上方にも移動する。そして、規制部材の対向部が引戸障子よりも上に移動した際には、規制部材は移動が止まり引戸障子は移動し続ける。このとき、引戸障子を停止すると共に、規制部材が停止した位置を基準として、規制部材を引戸障子の上端との適宜な間隔を空けて保持部材に保持することにより、規制部材を、引戸障子の上方への移動を規制する適切な位置に容易に配置することが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 建具、3 引戸障子、3a 引戸障子の上端、3b 引戸障子の下端、
4 枠体、4b 下レール、4c 下レールの上端、7 規制ユニット、
43 左縦枠、70 規制部材、70a 第一部位、70b 第二部位、
70c 規制部材平坦部、70d 規制部材傾斜部、70f 第一部位の下面、
70i 下平坦部、70j 挿通長孔、70k 丸孔部、70l 狭幅部、
70n 規制部材の右端、71 保持部材、72 保持部材本体、
72i ガイド平坦部、72j ガイド傾斜部、73 ねじ、
73a ねじの頭部、73b ねじ部、
H1 段差