(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】自動改札機、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20231023BHJP
【FI】
G07B15/00 H
(21)【出願番号】P 2020049232
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞部 一寿
(72)【発明者】
【氏名】山口 尭登
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-162012(JP,A)
【文献】特開2004-355580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1媒体に表示されたコード画像から光学的に情報を読取る第1読取部と、
前記第1読取部より下流側に設けられ、第2媒体と通信して前記第2媒体に記録された情報を読取る第2読取部と、
所定の位置に配置され、通路を通過する物体の有無を検知する複数の検知部と、を備え、
前記第1読取部及び前記第2読取部が情報を読取り可能な読取許可状態において、前記第1読取部及び前記第2読取部によって情報を読取れなかった場合に、所定の検知部により前記物体の通過が検知され、かつ前記検知部より下流にある所定の検知部により前記物体の通過が検知できなかったときに、前記第1読取部は前記読取許可状態から前記コード画像からの情報の読取を停止する読取停止状態になり、
前記第1読取部、及び前記第2読取部が前記読取許可状態において、前記第1読取部、及び前記第2読取部のいずれかによって情報を読取れた場合に、前記第1読取部は前記読取許可状態から前記読取停止状態になり、前記第2読取部は前記読取許可状態から前記第2媒体からの情報の読取を停止する読取停止状態になり、前記第1読取部、及び前記第2読取部が前記読取停止状態になった後、前記読取った情報に基づいて、前記物体の通過が許可される場合、前記第1読取部は前記読取停止状態から前記読取許可状態になり、
前記読取れた情報が前記第1読取部で読取れた前記コード画
像に基づく情報である場合、前記検知部より下流にある前記所定の検知部により
前記物体の通過が検知されたときに、前記第2読取部は前記読取停止状態から前記読取許可状態にな
る
自動改札機。
【請求項2】
前記読取った情報が前記第2読取部で読取れた情報である場合、前記第2読取部は前記読取停止状態から前記読取許可状態になる、
請求項
1に記載の自動改札機。
【請求項3】
前記第2読取部は、発光部を含み、
前記発光部は、前記第2読取部が前記読取許可状態の場合に発光し、前記第2読取部が読取停止状態の場合に消灯する、
請求項1又は2に記載の自動改札機。
【請求項4】
コンピュータに、
第1媒体に表示されたコード画像から光学的に情報を読取る第1読取部、及び前記第1読取部より下流側に設けられ、第2媒体と通信して前記第2媒体に記録された情報を読取る第2読取部が情報を読取り可能な読取許可状態にする処理と、
前記第1読取部、及び前記第2読取部が前記情報を読取れなかった場合に、通路を通過する
物体の有無を検知する所定の検知部により
前記物体の通過が検知され、かつ前記検知部より下流にある所定の検知部により
前記物体の通過が検知できなかったときに、前記第1読取部を前記読取許可状態から前記コード画像からの情報の読取を停止する読取停止状態にする処理と、
前記第1読取部、及び前記第2読取部のいずれかによって情報を読取れた場合に、前記第1読取部を前記読取許可状態から前記読取停止状態にし、前記第2読取部を前記読取許可状態から前記第2媒体からの情報の読取を停止する読取停止状態にする処理と、
前記第1読取部、及び前記第2読取部が前記読取停止状態になった後、前記読取った情報に基づいて、前記物体の通過が許可される場合、前記第1読取部を前記読取停止状態から前記読取許可状態にする処理と、
前記読取れた情報が前記第1読取部で読取れた前記コード画像に基づく情報である場合、前記検知部より下流にある前記所定の検知部により前記物体の通過が検知されたときに、前記第2読取部を前記読取停止状態から前記読取許可状態にする処理と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、自動改札機、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
第1読取部、及び第2読取部を備え、各読取部で異なる媒体を利用することを可能にした自動改札機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、既述のような自動改札機は、第1読取部、及び第2読取部が同時に利用可能/不可となる。このため、第1読取部、及び第2読取部がユーザの通行方向で異なる位置に設けられている場合、ユーザの通行方向の奥側の読取部で媒体を利用するユーザが存在した場合、そのユーザの後ろに位置するユーザが手前に設けられた読取部で前のユーザより先に媒体を利用しようと試みる事態も生じ得る。
【0005】
本発明の実施形態は、複数の読取部を有する自動改札機において、ユーザが自動改札機を利用する場合に、他のユーザによる媒体の利用を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る、自動改札機は、第1媒体に表示されたコード画像から光学的に情報を読取る第1読取部と、前記第1読取部より下流側に設けられ、第2媒体と通信して前記第2媒体に記録された情報を読取る第2読取部と、所定の位置に配置され、通路を通過する物体の有無を検知する複数の検知部と、を備える。前記第1読取部及び前記第2読取部が情報を読取り可能な読取許可状態において、前記第1読取部及び前記第2読取部によって情報を読取れなかった場合に、所定の検知部により物体の通過が検知され、かつ前記検知部より下流にある所定の検知部により物体の通過が検知できなかったときに、前記第1読取部は前記読取許可状態から前記コード画像からの情報の読取を停止する読取停止状態になる。前記第1読取部、及び前記第2読取部が前記読取許可状態において、前記第1読取部、及び前記第2読取部のいずれかによって情報を読取れた場合に、前記第1読取部は前記読取許可状態から前記読取停止状態になり、前記第2読取部は前記読取許可状態から前記第2媒体からの情報の読取を停止する読取停止状態になる。前記第1読取部、及び前記第2読取部が前記読取停止状態になった後、前記読取った情報に基づいて、物体の通過が許可される場合、前記第1読取部は前記読取停止状態から前記読取許可状態になる。前記読取れた情報が前記第1読取部で読取れた前記コード画像に基づく情報である場合、前記検知部より下流にある前記所定の検知部により物体の通過が検知されたときに、前記第2読取部は前記読取停止状態から前記読取許可状態になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る自動改札機の上流側の一例を示す図。
【
図2】同実施形態に係る複数並設された改札機の一例を示す平面図である。
【
図3】同実施形態に係る改札機の制御ブロックの一例を示す図。
【
図4】同実施形態に係る読取処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る自動改札機(以下、「改札機」という。)10の上流側の一例を示す図である。ここで、図示の矢印A1に示すように、上流側とは、改札機10を介してユーザが駅構内に進入する側である。
図1に示す第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、互いに直交している。第1方向Xは、第1読取部11、及び第2読取部12を有する改札機10によって規定される通路PWにおける矢印(通行方向)A1に相当し、第2方向Yは改札機10の幅方向(あるいは改札機10によって規定される通路PWの幅方向)に相当し、第3方向Zは改札機10の高さ方向に相当する。
【0011】
改札機10は、第1読取部11、第2読取部12、後述する制御部13、表示部14、ドア15、センサ16、及び筐体18、などを有している。ここで、
図2は、複数並設された場合の改札機10の一例を示す平面図である。
図2に示すように、改札機10の向きが反対側を向くように並設され、その複数並設される改札機10の筐体18によってユーザの通路PWが規定される。通路PWは、図示の矢印A1,A2に示すように、両側からユーザが進入できるようになっている。なお、
図2においては、改札機10は、向きが反対を向くように並設されているが、同じ方向を向くように並設されてもよい。この場合、ユーザが進入する方向は、矢印A1が示す方向のみ、または矢印A2が示す方向のみとなる。なお、
図2では複数並設された場合を示したが、1台のみであっても良い。
【0012】
第1読取部11は、第1媒体に記録されたコード画像から光学的に情報を読取る。ここでの情報とは、例えばバーコード、二次元コード等の乗車情報である。乗車情報としては、媒体固有の識別情報、ユーザの識別情報、有効区間、有効期間、入場記録、出場記録などに関する各種情報が含まれる。媒体の形式は、特に限定されない。媒体は、情報が印刷された紙券であってもよいし、情報が表示可能なスマートフォン等の電子機器であってもよい。第1読取部11は、第1読取面11Aを有している。第1読取面11Aは、第1読取部11のうち、情報を有する媒体が翳される面に相当する。
【0013】
第1読取面11Aは、一例ではガラス又は樹脂等の透明な材料によって形成されたカバー114の表面に相当する。カバー114は、第1読取部11が備えるカメラなどを覆っている。なお、カバー114あるいは開口の形状は、図示した例に限定されず、楕円形状などの他の形状であってもよい。
【0014】
第2読取部12は、第1読取部11より下流側に設けられ、第2媒体との無線通信により第2媒体から情報を読取る。ここで、下流側は、自動改札機1の上面、かつ、通路PWを進行するユーザが進行する進行方向側である。第2媒体は、一例では、IC(Integrated Circuit)チップが埋め込まれたICカードであってもよいし、スマートフォン等の電子機器であってもよい。第2読取部12は、第2読取面12Aを有している。第2読取面12Aは、第2読取部12のうち、情報を有する媒体が翳される面に相当する。また、第2読取部12には、楕円形状の発光部123が設けられている。
【0015】
第2読取面12Aは、一例では樹脂等の材料によって形成されたカバー124の表面に相当する。カバー124は、第2読取部12が備えるアンテナなどを覆っている。なお、カバー124の形状は、図示した例に限定されず、例えば長方形状や楕円形状などの他の形状であってもよい。
【0016】
図において、二点鎖線で示すように、第2読取部12は、第2媒体と通信可能な有効範囲(通信エリア)EAを有している。有効範囲EAは、一例では、第2読取面12Aの上方に半球状に広がっている。
【0017】
本実施形態では、第1読取面11Aと第2読取面12Aとは、第1読取面11Aに翳された媒体が有効範囲EAと重ならないように、配置される。
【0018】
表示部14は、通路PWへの進入の可否など含む通路情報を表示する。表示部14は、例えば複数の点光源を備える表示パネルと、表示パネルを制御する制御回路と、を備えている。表示部14は、改札機10において、通行方向A1の最も上流側に位置している。より具体的には、表示部14は、通路PWの上流側において、筐体18の端面に設けられている。
【0019】
ドア15は、通路PWに面して、筐体18に回動可能に支持されている。ドア15は、通路の上流側に設けられる。なお、図示は省略するが、通路PWの下流側にもドアが設けられる。
【0020】
複数のセンサ(複数検知部)16は、通路PW内を進行する物体(ユーザ)の有無などを検知する。本実施形態では、複数のセンサ16が通行方向に沿って配置されている。センサ16は、例えば、発光部及び受光部を内蔵した反射型センサや、発光部と受光部とが通路を挟んで対向配置された透過型センサなどであり、発光部から投光された光が遮られることで、その光軸上に物体(ユーザ)があることを検知する。光軸を通路PW上とすることで、通路PW上の物体の有無を検知できる。本実施形態では、複数のセンサ16のうちセンサ16Aは、最も上流側に配置されるセンサであり、第1読取部11と第2読取部12との間に位置する(参照:
図2)。また、センサ16Bは、第2読取部12の下流側に位置する(参照:
図2)。なお、センサの数や位置、検知方法は一例であり、これに限ったものではない。
【0021】
筐体18内に制御部13が収容される。制御部13は、上記の第1読取部11、第2読取部12、表示部14、ドア15などの各機構を制御する。具体的には後述する。
【0022】
第3方向(高さ方向)Zに沿った位置に関して、第1読取部11は、第2読取部12よりも下方に位置している。また、第1読取面11A及び第2読取面12Aは、いずれも通路の上流側の高さが通行方向の下流側の高さよりも低くなるように水平面に対して傾いている。第1読取面11Aの水平面に対する角度は、第2読取面12Aの水平面に対する角度とは異なる。
【0023】
図3は、改札機10の制御ブロックの一例を示す図である。改札機10は、第1読取部11、第2読取部12、制御部13、表示部14、ドア15、及びセンサ16を備えている。また、制御部13は、第1読取部11、第2読取部12、表示部14、ドア15、及びセンサ16とそれぞれ制御線を介して接続される。
【0024】
第1読取部11は、カメラ111と、照明装置112と、画像処理部113と、を備えている。照明装置112は、
図1に示した第1読取面11Aに翳された第1媒体を照明する。照明装置112は、第1媒体の利用が可能である場合(読取許可状態)においては第1媒体を照明し、第1媒体の利用が可能でない場合(読取停止状態)においては第1媒体を照明しない。このように第1読取部11がユーザに利用可能であるか否かが報知される。カメラ111は、照明された第1媒体(特に媒体が有する情報)を撮影し、その画像を画像処理部113に出力する。画像処理部113は、カメラ111により撮影された画像から必要な情報を抽出し、抽出した情報を数値や文字等の情報に復号する。
【0025】
第2読取部12は、アンテナ121と、通信制御部122と、発光部123とを備えている。通信制御部122は、アンテナ121を介した電波の発信、及び、
図1に示した第2読取面12Aに翳された第2媒体からアンテナ121を介して取得した電波に含まれる情報の復調などを行う。発光部123は、第2媒体の利用が可能である場合(読取許可状態)においては、発光し、第2媒体の利用が可能でない場合(読取停止状態)においては、消灯する。このように第2読取部12がユーザに利用可能であるか否かが報知される。
【0026】
制御部13は、読取処理部131、ドア制御部132、表示制御部133などを備えている。
【0027】
読取処理部131は、例えばセンサ16の検知結果に基づいて、第1読取部11、及び第2読取部12を駆動して、媒体を受け付ける。このようにして媒体から情報を読取る際の読取処理部131の処理の詳細については、後述する。ドア制御部132は、ドア15の開閉を制御する。表示制御部133は、表示部14の表示を制御する。
【0028】
次に、第1媒体、又は第2媒体から情報を読取る際に、読取処理部131が実行する処理について説明する。
図4は、読取処理部131が実行する処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部13内の記憶部に記憶されるプログラム(又はファームウェア)をCPUが実行することにより実現される。
【0029】
図4に示すように、読取処理部131は、第1読取部11、及び第2読取部12を読取許可とする(ST101)。これにより、第1読取部11、及び第2読取部12は、媒体から情報を読取ることが可能な読取許可状態になる。この状態は、改札機10に電源が投入された後、ユーザの利用を待機する待機状態である。このとき、第1読取部11の照明装置112は照明状態にあり、第2読取部12の発光部123は発光状態にある。これらにより、ユーザは、第1読取部11、及び第2読取部12が利用可能であることを視認することができる。
【0030】
このような読取許可状態において、読取処理部131は、第1媒体読取りか否かを判定する(ST102)。つまり、第1読取部11が、第1媒体、例えば、媒体に表示された2次元コードを読取ったか否かが判定される。第1媒体読取りでないと判定した場合(ST102:NO)、読取処理部131は第2媒体読取りか否かを判定する(ST103)。つまり、第2読取部12が、第2媒体、例えば、ICカードと通信してICカードから情報を読取ったか否かが判定される。
【0031】
第2媒体読取りでないと判定した場合(ST103:NO)、読取処理部131は、進入か否かを判定する(ST104)。より詳細には、読取処理部131は、複数のセンサ16の信号の検知状態に基づいて、ユーザが改札機10の通路PWに進入したか否かを判定する。本実施形態では、ユーザが複数のセンサ16のうち最も通路PWの上流側に位置するセンサ16Aがユーザを検知したか否かに基づいて判定される。読取処理部131が、ユーザが進入していないと判定した場合(ST104:NO)、処理は、ステップST101に戻り、第1及び第2読取部の読取許可状態が継続される。
【0032】
一方、ユーザの進入であると判定した場合(ST104:YES)、読取処理部131は、第1読取部受付停止とする(ST105)。つまり、第1読取部11、及び第2読取部12が読取許可状態において、第1読取部11、及び第2読取部12が情報を読取らずに、センサ16Aにより通過するユーザを検知し、かつ、センサ16Bにより通路を通過するユーザを検知しないときに、読取処理部131は、第1読取部11の読取許可状態を読取停止状態にする。これにより、ユーザの後ろ側に位置するユーザが第1読取部11に媒体を翳しても、当該媒体を利用することができなくなる。このとき、第1読取部11の照明装置112は照明した状態になく、第2読取部12の発光部123は発光状態にある。これらにより、ユーザは、第1読取部11が利用不可能であり、第2読取部12が利用可能であることを視認することができる。
【0033】
また、第1媒体読取りであると判定した場合(ST102:YES)、又は、第2媒体読取りであると判定した場合(ST103:YES)、読取処理部131は、第1及び第2読取部停止とする(ST106)。つまり、第1読取部11、及び第2読取部12が読取許可状態において、第1読取部11、及び第2読取部12のいずれかから情報を読取った場合、読取処理部131は、第1読取部11、及び第2読取部12を共に読取許可状態から読取停止状態にする。これにより、改札機10は第1媒体、又は第2媒体から情報を読取れない状態になる。このとき、第1読取部11の照明装置112は照明状態になく、第2読取部12の発光部123は発光状態にない。これらにより、ユーザは、第1読取部11及び第2読取部12が利用不可能であることを視認することができる。
【0034】
次に、読取処理部131は、読取情報から判定を行う(ST107)。より詳細には、ステップST102,ST103のいずれかで読取った情報から当該ユーザの通過を許可するか否かの判定が行われる。例えば、ユーザが駅構内へ入場する場合では、ICカードであれば所定の金額が課金されているか否か、2次元コードであれば、入場のための決済処理が行われているか否かが判定される。
【0035】
次に、読取処理部131は、通過許可であるか否かを判定する(ST108)。読取処理部131が通過許可でないと判定した場合(ST108:NO)、処理は、ステップST101へ戻る。これにより、第1読取部11、及び第2読取部12は読取許可状態に戻る。このとき、第1読取部11の照明装置112は照明状態にあり、第2読取部12の発光部123は第2読取部12が発光状態にある。これらにより、ユーザは、第1読取部11、及び第2読取部12が利用可能になったことを視認することができる。なお、この際、表示部14等に所定の表示を行うことより、ユーザには、入場ができない旨を報知してもよい。
【0036】
一方、読取処理部131が通過許可であると判定した場合(ST108:YES)、読取処理部131は、第1読取部受付許可とする(ST109)。これにより、第1読取部11が読取許可状態になり、改札機10は、第1媒体から情報を読取ることが可能になる。このとき、第1読取部11の照明装置112は照明状態にあり、第2読取部12の発光部123は発光状態にない。これらにより、ユーザは、第1読取部11は利用可能であり、第2読取部12が利用不可能であることを視認することができる。
【0037】
次に、読取処理部131は、読取りは第1媒体か否かを判定する(ST110)。すなわち、ステップST102,ST103のいずれで読取った情報が、第1読取部11により第1媒体から読取った情報であるか否かが判定される。第1媒体であると判定した場合(ST110:YES)、読取処理部131は、ユーザが一定位置まで進入したか否かを判定する(ST111)。ここで、一定位置は、本実施形態では、センサ16Bが配置された位置であり、センサ16Bの検知状態に応じて判定することができる。
【0038】
読取処理部131が進入していないと判定した場合(ST111:NO)、ステップST111の判定を繰り返す。そして、ユーザが一定位置まで進入したと判定した場合(ST111:YES)、読取処理部131は、第2読取部12を読取許可とする(ST112)。つまり、読取処理部131は、第2読取部12を読取停止状態から読取許可状態にする。この場合、第1読取部11が読取った情報によりユーザの通行許可が判定されているため、センサ16Bにより、通路PWを通過するユーザを検知してから、つまり、第2読取部12の位置をユーザが過ぎてから第2読取部12を許可することにより、二重の引去りを防止することが可能になる。このとき、第2読取部12の発光部123が発光状態になり、他のユーザは、第2読取部12が利用可能になったことを視認することができる。
【0039】
また、読取りが第1媒体でないと判定した場合(ST110:NO)、読取処理部131は、第2読取部受付許可とする(ST112)。つまり、読取処理部131は、第2読取部12を読取停止状態から読取許可状態にする。この場合、第2媒体の利用により、ユーザの通行許可がされているため、ユーザは、既に第2読取部12の位置を通過している状態である。読取処理部131は、直ぐに第2読取部12を読取許可状態にすることができる。このとき、第2読取部12の発光部123が発光状態になり、ユーザは、第2読取部12が利用可能になったことを視認することができる。このように、改札機10は、第1読取部11、及び第2読取部12を順次、読取許可状態に遷移させていく。
【0040】
次に、読取処理部131は、電源断か否かを判定する(ST113)。例えば、業務終了時に電源を落とす場合に、電源断の指示がなされる。読取処理部131が電源断でないと判定した場合(ST113:NO)、処理はステップST101へ戻り、既述の処理が繰り返される。一方、源断であると判定した場合(ST113:YES)、読取処理部131は、この処理を終了する。
【0041】
以上のように構成された改札機10によると、第1読取部11、及び第2読取部12が情報を読取り可能な読取許可状態において、第1読取部11、及び第2読取部12によって情報を読取れなかった場合に、センサ16Aによりのユーザの通過を検知し、かつ、センサ16Bによりユーザの通過を検知しないときに、第1読取部11は読取許可状態からコード画像からの情報の読取を停止する読取停止状態になる。このため、改札機10は、第1読取部11、及び第2読取部12を有していても、ユーザが改札機10を利用しているときに、他のユーザによる媒体の利用を防止することができる。
【0042】
また、上記実施形態で説明した第1読取部11と、第2読取部12との距離がユーザの進行方向においてさらに離れて配置されている場合に、本実施形態の技術は、さらに有効となる。例えば、車椅子を利用するユーザの利便性を考慮し、第2読取部12を筐体18の中央部に設けると共に、第2読取面12Aを通路PW側に所定角度傾けて設けることも考えられる。このような場合に、車椅子を利用するユーザが中央部に設けられる第2読取部で第2媒体(例えば、ICカード)を利用する前に、後ろのユーザが第1読取部11で第1媒体(例えば、2次元コード)を利用しようと試みる場合も生じ得るが、このような場合に、当該後ろのユーザが第1媒体を利用できないようにすることができる。
【0043】
加えて、改札機10は、第1読取部11、及び第2読取部12が読取許可状態において、第1読取部11、及び第2読取部12のいずれかによって情報を読取れた場合、第1読取部11、及び第2読取部12は読取停止状態になり、第1読取部11、及び第2読取部12が読取停止状態になった後、読取った情報に基づいて、ユーザの通過が許可できる場合、第1読取部11は読取停止状態から読取許可状態になる。そして、改札機10は、読取った情報が第1読取部11で読取った情報である場合、センサ16Bによりユーザの通過を検知したときに、第2読取部12は読取停止状態から読取許可状態になる。また、改札機10は、読取った情報が第2読取部12で読取った情報である場合、第2読取部12は読取停止状態から読取許可状態になる。このように、第1読取部11、及び第2読取部12を読取停止状態にした後、第1読取部11、第2読取部12が情報を読取り可能となるタイミングを制御することにより、第1読取部11、及び第2読取部12による二重引去り(二重の決済)を防止することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、第1読取部11が第1媒体から光学的に情報を読取り、第2読取部12が第2媒体から無線通信により情報を読取る場合を説明したが、これに限るものでなない。第2読取部12が第1読取部11の下流側に設けられ、第1読取部11が第1媒体を読取る方式と、第2読取部12が第2媒体を読取る読取り方式が異なる場合に、上記実施形態の技術を実現することができる。
【0045】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10…改札機、11…第1読取部、12…第2読取部、13…制御部、14…表示部、15…ドア、16…センサ、131…読取処理部、A1,A2…ユーザの進入方向、PW…通路