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特許7370923電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラム
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  • 特許-電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラム 図1
  • 特許-電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラム 図2
  • 特許-電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラム 図3
  • 特許-電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラム 図4
  • 特許-電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラム 図5
  • 特許-電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラム 図6
  • 特許-電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラム 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20231023BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20231023BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20231023BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20231023BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231023BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20231023BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20231023BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/0484
G06F3/14 350B
G09G5/14 A
G09G5/00 510H
G09G5/38
G09G5/37 320
G09G5/377 100
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020073589
(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公開番号】P2021170268
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】398058588
【氏名又は名称】Dynabook株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グオ・ホンジー
(72)【発明者】
【氏名】マオ・ミンジエ
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08479117(US,B2)
【文献】特開平04-328626(JP,A)
【文献】特開2002-073234(JP,A)
【文献】特開平10-326171(JP,A)
【文献】特開2014-106882(JP,A)
【文献】特開2012-078905(JP,A)
【文献】特開2008-250915(JP,A)
【文献】特開2011-048538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
G06F 3/14
G09G 5/14
G09G 5/00
G09G 5/38
G09G 5/37
G09G 5/377
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デスクトップ画面に複数の領域を設定し、前記複数の領域の中の任意の領域にウィンドウ画面を配置するためのテンプレートデータを管理するデータ管理手段と、
前記テンプレートデータに基づき、前記デスクトップ画面上のウィンドウ画面を前記複数の領域の中の任意の領域に配置するウィンドウ配置手段と、
を具備し、
前記ウィンドウ配置手段は、第1入力デバイスの第1操作が行われると共に、前記デスクトップ画面上に表示されている第1ウィンドウ画面の第1領域に第2入力デバイスのポインタが位置する状態で前記第2入力デバイスの第2操作が行われた場合、前記第1ウィンドウ画面を前記複数の領域の中の任意の領域に配置するためのポップアップ画面を表示する、
電子機器。
【請求項2】
前記第1入力デバイスは、キーボードであり、
前記第2入力デバイスは、ポインティングデバイスである、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1操作は、前記キーボードの第1キーの操作であり、
前記第2操作は、前記ポインティングデバイスの第1ボタンの操作である、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記ウィンドウ配置手段は、複数の前記テンプレートデータの中から1つの前記テンプレートデータを設定可能である請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
デスクトップ画面に複数の領域を設定し、前記複数の領域の中の任意の領域にウィンドウ画面を配置するためのテンプレートデータを管理することと、
前記テンプレートデータに基づき、前記デスクトップ画面上のウィンドウ画面を前記複数の領域の中の任意の領域に配置することと、
を具備し、
前記ウィンドウ画面を配置することは、第1入力デバイスの第1操作が行われると共に、前記デスクトップ画面上に表示されている第1ウィンドウ画面の第1領域に第2入力デバイスのポインタが位置する状態で前記第2入力デバイスの第2操作が行われた場合、前記第1ウィンドウ画面を前記複数の領域の中の任意の領域に配置するためのポップアップ画面を表示することを含む、
ウィンドウ配置方法。
【請求項6】
コンピュータに、
デスクトップ画面に複数の領域を設定し、前記複数の領域の中の任意の領域にウィンドウ画面を配置するためのテンプレートデータを管理することと、
前記テンプレートデータに基づき、前記デスクトップ画面上のウィンドウ画面を前記複数の領域の中の任意の領域に配置することと、
を実行させ、
前記ウィンドウ画面を配置することは、第1入力デバイスの第1操作が行われると共に、前記デスクトップ画面上に表示されている第1ウィンドウ画面の第1領域に第2入力デバイスのポインタが位置する状態で前記第2入力デバイスの第2操作が行われた場合、前記第1ウィンドウ画面を前記複数の領域の中の任意の領域に配置するためのポップアップ画面を表示することを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(personal computer)の利用形態として、高解像度かつ大画面の1または複数のディスプレイ(モニタ)を接続し、デスクトップ画面上に複数のウィンドウ画面を配置する形態が一般化している。デスクトップ画面上に複数のウィンドウ画面をどのように配置するかは、たとえば作業ごとにおおよそ定まっている場合が多い。
【0003】
このようなことから、デスクトップ画面上におけるウィンドウ画面の配置を効率的に行うためのツールなどが利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第8479117号明細書
【文献】特開2011-134001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したようなツールの中には、たとえばPCへのインストール時に、OS(Operating system)が各アプリケーションプログラムに割り当てるウィンドウ画面上のたとえばメニューバーと称される上部の領域に、当該ツールのアイコンを配置する設定を行うものがある。たとえばマウスを操作してマウスポインタを対象のウィンドウ画面上に配置される当該ツールのアイコンに合わせると、ポップアップ画面などと称される補助画面が自動的に表示され、このポップアップ画面上での操作により、対象のウィンドウ画面をデスクトップ画面上の目的の領域に配置することができる。
【0006】
ところで、マウスポインタがたまたまアイコン上に置かれて、意図しないポップアップ画面の表示が行われると、却って、ユーザの作業の邪魔となってしまう。また、ウィンドウ画面上には他の様々なツールのアイコンが配置されることもあり、ウィンドウ画面上にアイコンを配置することが好ましくない場合もある。さらに、表示サイズの小さいアイコンにマウスポインタを合わせる操作自体が、ユーザによっては、煩わしさを感じさせてしまう。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、デスクトップ画面上におけるウィンドウ画面の配置を効率的な操作で行うことができる電子機器、ウィンドウ配置方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、電子機器は、データ管理手段と、ウィンドウ配置手段と、を具備する。データ管理手段は、デスクトップ画面に複数の領域を設定し、複数の領域の中の任意の領域にウィンドウ画面を配置するためのテンプレートデータを管理する。ウィンドウ配置手段は、テンプレートデータに基づき、デスクトップ画面上のウィンドウ画面を複数の領域の中の任意の領域に配置する。ウィンドウ配置手段は、第1入力デバイスの第1操作が行われると共に、デスクトップ画面上に表示されている第1ウィンドウ画面の第1領域に第2入力デバイスのポインタが位置する状態で第2入力デバイスの第2操作が行われた場合、第1ウィンドウ画面を複数の領域の中の任意の領域に配置するためのポップアップ画面を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の電子機器の一構成例を示す図
図2】実施形態の電子機器上で動作するデスクトップ管理ユーティリティの一構成例を示す図
図3】実施形態の電子機器上で動作するデスクトップ管理ユーティリティの表示画面の一例を示す図
図4】実施形態の電子機器上で動作するデスクトップ管理ユーティリティが表示するポップアップ画面の一例を示す図
図5】デスクトップ画面上に複数のウィンドウ画面が配置されている状態の一例を示す図
図6】実施形態の電子機器におけるデスクトップ管理ユーティリティによるウィンドウ画面の配置の大まかな流れを示すフローチャート
図7】実施形態の電子機器におけるデスクトップ管理ユーティリティによるポップアップ画面の表示を含むウィンドウ画面の配置の詳細な流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る電子機器1の一構成例を示す図である。ここでは、電子機器1が、デスクトップパソコンなどと称される、ディスプレイ(モニタ)2A、キーボード2B、マウス2C、ACアダプタ2Dなどが外部接続されるPCとして実現されていることを想定する。なお、電子機器1は、ノートパソコンなどと称される、ディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイスなどを搭載するPCとしても実現され得る。
【0011】
図1に示すように、PC1は、CPU(central processing unit)11、システムコントローラ12、主メモリ13、GPU(graphics processing unit)14、BIOS(basic input/output system)-ROM15、HDD(hard disk drive)16、ODD(optical disc drive)17を有している。また、PC1は、通信モジュール18、PSC(power supply controller)19、電源回路20を有している。さらに、PC1は、ディスプレイ2Aを接続可能なディスプレイポート14A、キーボード2Bやマウス2Cなどを接続可能な複数のUSB(universal serial bus)ポート12A、PC1を電源オン/オフするための電源スイッチ12Bを有している。
【0012】
CPU11は、PC1内の各コンポーネントを統合的に制御する。CPU11は、HDD16にインストールされている各種プログラムを主メモリ13にロードして実行し、各種プログラムで記述される手順に従い、各コンポーネントを稼働させる。各種プログラムの記述に則ってCPU11が各コンポーネントを稼働させることで、PC1は、様々な手段として機能する。つまり、各種プログラムにより、PC1を様々な手段として機能させることができる。各種プログラムの中には、OS(operating system)200や、当該OS200の制御下で動作するデスクトップ管理ユーティリティ210および各種アプリケーション220などが存在する。デスクトップ管理ユーティリティ210は、デスクトップ画面上に複数のウィンドウ画面を効率的に配置することを支援するツールであり、詳細は後述する。また、CPU11は、BIOS-ROM15に格納されているBIOS150も実行する。なお、主メモリ13は、DRAMなどの揮発性メモリであり、BIOS-ROM15は、EPROMなどの不揮発性メモリである。また、HDD16には、デスクトップ管理ユーティリティ210のテンプレートデータ250が格納される。テンプレートデータ250についても後述する。
【0013】
GPU14は、ディスプレイポート14Aに接続されているディスプレイ2Aを制御する。具体的には、GPU14は、各種プログラムが出力する表示画面をディスプレイ2Aに表示する。なお、図1には、1つのディスプレイポート14Aを示しているが、PC1は、2以上のディスプレイポート14Aを有していてもよい。つまり、2以上のディスプレイ2Aが接続されてもよい。2以上のディスプレイポート14Aを有し、かつ、2以上のディスプレイ2Aが接続されている場合、GPU14は、デスクトップ画面全体の表示データを当該2以上のディスプレイ2Aに各々出力することもできるし、デスクトップ画面を分割して当該2以上のディスプレイ2Aごとに異なる領域の表示データを出力することもできる。前者の場合、2以上のディスプレイ2Aに同一の画像(デスクトップ画面)が表示される。一方、後者の場合は、1つの画像が2以上のディスプレイ2Aに分かれて表示される。後者のデスクトップ画面を2以上のディスプレイ2Aに分けて表示する機能は、マルチモニタ機能などと称される。ここでは、2以上のディスプレイ2Aが接続される場合、マルチモニタ機能でデスクトップ画面が当該2以上のディスプレイ2Aに分かれて表示されるものとする。
【0014】
システムコントローラ12は、CPU11と、(主メモリ13やGPU14などの一部コンポーネントを除く)各コンポーネントとの間を繋ぐブリッジデバイスである。システムコントローラ12は、USBポート12Aに接続される、キーボード2Bやマウス2CなどのUSBデバイスとの間でデータを送受信するUSBコントローラ121を内蔵している。USBポート12Aには、キーボード2Bやマウス2Cのほか、USBメモリ(フラッシュメモリ)や外付けHDDなどといった様々なUSBデバイスを接続することができる。
【0015】
また、システムコントローラ12は、USBポート12Aに接続されたキーボード2Bやマウス2Cの操作による入力をUSBコントローラ121経由で受け付け、また、電源スイッチ12Bの操作に応じてPC1の電源オン/オフを制御するEC(embedded controller)/KBC(keyboard controller)122を内蔵している。PC1の電源オン/オフの制御は、EC/KBC122とPSC19との連携によって実行される。EC/KBC122からオン信号を受けた場合、PSC19は、電源回路20を制御して、CPU11および各コンポーネントに対する電力供給を開始する。EC/KBC122からオフ信号を受けた場合、PSC19は、電源回路20を制御して、CPU11および各コンポーネントに対する電力供給を停止する。電源回路20は、ACアダプタ2Dから供給される電力を用いてCPU11および各コンポーネントの動作用電力を生成する。なお、EC/KBC122に対する電力供給は、PC1が電源オフの状態にある場合も継続して行われている。また、EC/KBC122からPSC19へのオフ信号の送信は、電源スイッチ12Bの操作によっても行われ得るが、主に、OS200が提供するユーザインタフェースで電源オフが指示されることによって行われる。
【0016】
通信モジュール18は、たとえばIEEE 802.3規格やIEEE 802.11規格に準拠した通信を実行する。なお、図1には、1つの通信モジュール18を示しているが、PC1は、各々が所定の規格に準拠した通信を実行する複数の通信モジュール18を有している。
【0017】
図2は、以上のような構成を有する本実施形態のPC1上で動作するデスクトップ管理ユーティリティ210の一構成例を示す図である。デスクトップ管理ユーティリティ210は、たとえばインストール時に常駐プログラムとして設定される。なお、デスクトップ管理ユーティリティ210を常駐プログラムとすることは必須ではない。
【0018】
図2に示すように、デスクトップ管理ユーティリティ210は、インターフェース部211、テンプレート管理部212、ウィンドウ配置処理部213を有している。また、テンプレート管理部212は、カスタムテンプレート作成部2121を有し、ウィンドウ配置処理部213は、ガイド表示処理部2131を有している。カスタムテンプレート作成部2121は、テンプレート管理部212から独立したモジュールとして構成されてもよく、また、ガイド表示処理部2131も、ウィンドウ配置処理部213から独立したモジュールとして構成されてもよい。
【0019】
インターフェース部211は、ユーザインタフェースのために必要なOS200との通信を実行する。具体的には、第1に、ユーザへ提示するデスクトップ管理ユーティリティ210の各種画面の表示をOS200に要求する。OS200は、その画面を、デスクトップ管理ユーティリティ210へ割り当てたウィンドウ画面上に表示する。第2に、デスクトップ管理ユーティリティ210に割り当てられたウィンドウ画面を対象とするキーボード2Bやマウス2Cの操作内容をOS200から受信する。
【0020】
テンプレート管理部212は、デスクトップ画面上における複数のウィンドウの配置位置及び/又はウィンドウの上下位置関係に関する配置位置パターン(テンプレート)を、テンプレートデータ250として管理する。テンプレートとしては、たとえば、デスクトップ画面全面を左右均等に2分割するもの、デスクトップ画面全面を上下均等に2分割するもの、デスクトップ画面全面を1:2の比で2分割するもの、デスクトップ画面の一部の領域に複数のウィンドウを重ねて配置するものなど様々なものが存在する。テンプレートは、デスクトップ管理ユーティリティ210が用意するものに加えて、ユーザが任意に作成することができる。カスタムテンプレート作成部2121は、ユーザがテンプレート(カスタムテンプレート)を作成する機能を提供する。テンプレート管理部212は、カスタムテンプレート作成部2121によって作成されたカスタムテンプレートも、テンプレートデータ250として管理する。
【0021】
ウィンドウ配置処理部213は、ウィンドウ画面を、デスクトップ画面上のテンプレートによって分けられる複数のエリアの中のいずれかに正確に配置する機能を提供する。ユーザは、たとえば、デスクトップ画面を左右に2分割し、かつ、それらのうちの右側のみを上下にさらに2分割して、デスクトップ画面を3つのエリアに分割するテンプレートを選択・設定すると、たとえばドラッグ&ドロップと称されるマウス2Cの操作とキーボードの操作により、対象のウィンドウ画面を右上に移動させるだけで、そのウィンドウ画面をデスクトップ画面の1/4のサイズでデスクトップ画面の右上1/4のエリアにぴったりと配置することなどを簡単に行えるようになる。ガイド表示処理部2131は、ウィンドウ画面がマウス2Cの操作で移動した際、テンプレートによって分けられる複数のエリアの中のどのエリアに配置されるのかを示すガイド表示を行う。ガイド表示は、たとえばデスクトップ画面上の該当する領域を半透明にマスクすることによって行われる。前述の例の場合、ウィンドウ画面をデスクトップ画面の中央から左へ移動させると、デスクトップ画面の左半分が半透明にマスクされ、ウィンドウ画面をデスクトップ画面の中央から右へ移動させると、デスクトップ画面の中央から上であれば、デスクトップ画面の右上1/4が半透明にマスクされ、デスクトップ画面の中央から下であれば、デスクトップ画面の右下1/4が半透明にマスクされる。ユーザは、ウィンドウ画面を配置させたい領域が半透明にマスクされたら、マウス2Cの操作を終了すればよい。つまり、ユーザは、ウィンドウ画面を大まかに移動させるだけでよく、位置やサイズの細かな調整を行う必要がない。
【0022】
図3は、デスクトップ管理ユーティリティ210の表示画面310の一例を示す図である。この表示画面310は、たとえば最小化されてデスクトップ画面300のたとえばタスクバーと称される下部の領域に表示されている当該デスクトップ管理ユーティリティ210のアイコンをマウス2Cで選択指示したり、ショートカットキーなどと称される、キーボード2B上の予め設定された複数のキーを同時に操作したりすることによって表示することができる。また、表示画面310は、デスクトップ画面上のOS200によって割り当てられた一ウィンドウ画面として表示される。
【0023】
図3に示すように、デスクトップ画面上の一ウィンドウ画面として表示されるデスクトップ管理ユーティリティ210の表示画面310上には、「ホーム」タグa1、「スプリットスクリーン」タグa2、「ウィンドウ配置」タグa3、「設定」タグa4の4つのタグが表示される。
【0024】
「ホーム」タグa1を操作すると、デスクトップ管理ユーティリティ210の基本画面を表示させることができる。デスクトップ管理ユーティリティ210の表示画面310を表示させる操作が行われた場合、デスクトップ管理ユーティリティ210のウィンドウ画面には、デスクトップ管理ユーティリティ210の基本画面が表示される。「ホーム」タグa1の操作は、たとえばマウスポインタが「ホーム」タグa1の表示領域を指し示す状態でマウス2Cを左クリックすることによって行う。以下、表示画面310上におけるタグやボタンの操作は、これと同様に行われるものとする。また、これらの操作を、デスクトップ管理ユーティリティ210は、OS200からの通知をインターフェース部211が受信することによって認識する。
【0025】
「スプリットスクリーン」タグa2を操作すると、テンプレートを選択・設定するための画面を表示させることができる。図3は、たとえば、デスクトップ管理ユーティリティ210の表示画面310を表示させる操作が行われて基本画面が表示された後、基本画面上の「スプリットスクリーン」タグa2が操作された場合における表示画面310の状態を示している。
【0026】
「ウィンドウ配置」タグa3を操作すると、デスクトップ画面上における複数のウィンドウ画面の配置を保存したり、保存しておいたウィンドウ画面の配置を復元したりするための画面を表示させることができる。
【0027】
「設定」タグa4を操作すると、デスクトップ管理ユーティリティ210についての各種設定を行うための画面を表示させることができる。各種設定の中には、たとえば、デスクトップ画面上におけるウィンドウ画面の配置を復元する際、あるウィンドウ画面のアプリケーションが起動されていなかった場合、そのアプリケーションを自動的に起動するか否か、アプリケーションを自動的に起動する場合、そのアプリケーションが開いていたファイルを自動的に開くか否か、などが含まれている。
【0028】
図3に示すように、「スプリットスクリーン」タグa2が操作された場合におけるデスクトップ管理ユーティリティ210の表示画面310には、「テンプレート」リストa5が表示される。「テンプレート」リストa5には、テンプレート管理部212によってテンプレートデータ250として管理されるテンプレートの一覧が、デスクトップ画面の分割パターンを示すオブジェクトで表示される。図3には、デスクトップ画面を左右に2分割し、かつ、それらのうちの右側のみを上下にさらに2分割して、デスクトップ画面を3つのエリアに分割するテンプレート(a51)が選択されている状態が示されている。
【0029】
また、この画面には、2以上のディスプレイ2Aが接続されている場合に、当該2以上のディスプレイ2Aの中のいずれかのディスプレイ2Aを選択するためのメニューa6が表示される。つまり、テンプレートは、各ディスプレイ2Aで個別に選択・設定することができる。さらに、この画面には、カスタムテンプレートを作成するためのボタンa7が表示される。ボタンa7が操作されると、カスタムテンプレート作成部2121は、デスクトップ画面の分割パターンをユーザが設定するための画面を表示し、この画面上で設定されたデスクトップ画面の分割パターンを示すカスタムテンプレートを作成する。前述したように、カスタムテンプレートも、テンプレート管理部212によってテンプレートデータ250として管理される。従って、以降、「テンプレート」リストa5に、当該カスタムテンプレートに対応するオブジェクトが表示されることになる。
【0030】
また、図4は、図3に示す画面で選択・設定したテンプレートを使って、ウィンドウ画面をデスクトップ画面上の目的の領域に配置させる場合に表示させる画面の一例を示す図である。この画面は、ウィンドウ配置処理部213によって、たとえばポップアップ画面などと称される、マウスポインタの位置に表示される補助画面として表示される。ウィンドウ配置処理部213は、このポップアップ画面を、OS200が提供するAPI(application programming interface)を利用して表示する。
【0031】
このポップアップ画面には、あるウィンドウ画面を、デスクトップ画面上の最前面表示に固定するためのメニューb1と、その時点で表示されているディスプレイ2Aとは別のディスプレイ2Aへ移動させるためのメニューb2と、図3に示す画面で選択・設定したテンプレートの中のいずれかに配置するためのメニューb3とが表示される。メニューb3を選択し、前述した、ウィンドウ画面を移動させる操作を行うことで、ウィンドウ画面をデスクトップ画面上の目的の領域に配置することができる。また、このポップアップ画面から、図3に示した画面へ移行して、テンプレートを選び直すこともできる。
【0032】
ところで、デスクトップ管理ユーティリティ210のようなツールでポップアップ画面を表示するためのユーザインタフェースを構築する場合、一般的には、各ウィンドウ画面上のたとえばメニューバーと称される上部の領域に自身のアイコンを配置することが行われる。具体的には、OS200に対して、各種アプリケーションにウィンドウ画面を割り当てる際、ウィンドウ画面の上部の領域に自身のアイコンを配置することを要求する。そして、いずれかのウィンドウ画面上のアイコンをマウスポインタが指し示したら、そのウィンドウ画面を対象として、ポップアップ画面を表示する。
【0033】
しかしながら、マウスポインタがたまたまアイコン上に置かれて、意図しないポップアップ画面の表示が行われると、却って、ユーザの作業の邪魔となってしまう。また、ウィンドウ画面上には他の様々なツールのアイコンが配置されることもあり、ウィンドウ画面上にアイコンを配置することが好ましくない場合もある。さらに、アイコンにマウスポインタを合わせる操作自体が、ユーザによっては、煩わしさを感じさせてしまう。
【0034】
そこで、本実施形態のPC1は、デスクトップ管理ユーティリティ210が、このような問題を生じさせることのない、より使い勝手のよいユーザインタフェースを提供するものである。以下、この点について詳述する。
【0035】
インターフェース部211は、OS200に対し、いずれかのウィンドウ画面のたとえばタイトルバーやメニューバーなどと称される上部の領域にマウスポインタが位置する状態でマウス2Cの右クリック操作が行われた場合、その旨を通知することを要求する。マウス2Cの右クリック操作は、ポップアップ画面を表示する操作として浸透している操作である。右クリック操作の検出と共に、キーボード2B上での特定のキー操作の検出がEC/KBC122により行われていた場合、右クリック操作のOSによる検出と併せて、そのキーコードがEC/KBC122より通知されてくるので、ウィンドウ配置処理部213は、このキーコードがたとえばシフトキーであった場合、図4に示すポップアップ画面を表示する。なお、ここでは、シフトキーを例示するが、これに限らず、その他のキーとすることも可能である。
【0036】
たとえば、あるウィンドウ画面の上部の領域にマウスポインタが位置する状態で、(キーボード2Bのシフトキーの操作がなく)マウス2Cの右クリック操作が行われると、マウスポインタがたとえばあるメニューを指し示していたならば、OS200は、そのメニューが操作された旨をウィンドウ画面のアプリケーションに通知する。この通知を受けたアプリケーションは、たとえばプルダウンメニューの表示といった、メニューごとの処理を実行する。メニューなどを指し示していなければ、OS200自身が、たとえば当該ウィンドウ画面を操作するためのポップアップ画面を表示する。
【0037】
一方、たとえば、キーボード2Bのシフトキーが操作されると共に、あるウィンドウ画面の上部の領域にマウスポインタが位置する状態で、マウス2Cの右クリック操作が行われた場合には、マウスポインタがたとえばあるメニューを指し示していたとしても、単独でのマウス2Cの右クリック操作ではないため、OS200からの通知を受けたアプリケーションは、メニューが右クリックされた場合の処理を実行することはない。また、メニューなどを指し示していない場合については、キーボード2Bのシフトキーが操作されているならば、たとえば当該ウィンドウ画面を操作するためのポップアップ画面の表示を行わないように予めOS200に要求しておく。
【0038】
いま、図5に示すように、デスクトップ画面300上に3つのウィンドウ画面(c1、c2、c3)が配置されているものと想定する。ウィンドウ画面c1は、たとえば電卓アプリケーションのウィンドウ画面である。ウィンドウ画面c2は、たとえば文書作成アプリケーションのウィンドウ画面である。ウィンドウ画面c3は、たとえば覚書(メモ)作成アプリケーションのウィンドウ画面である。また、この時点では、図3の「テンプレート」リストa5中のテンプレートa51が選択・設定されているものとする。そして、ユーザは、文書作成アプリケーションのウィンドウ画面c2を、デスクトップ画面300上の左半分の領域に配置しようと考えたものと想定する。
【0039】
この場合、ユーザは、まず、マウスポインタ301を、ウィンドウ画面c2の上部の領域に移動させて、キーボード2Bのシフトキーを操作すると共に、マウス2Cを右クリックすることによって、図4に示したポップアップ画面を表示させる。ポップアップ画面が表示されたら、ポップアップ画面上のメニューb3を選択し、ウィンドウ画面c2をデスクトップ画面上の左側へ移動させる、たとえばドラッグ&ドロップと称されるマウス2Cの操作を行うことで、ウィンドウ画面c2をデスクトップ画面上の左半分の領域にぴったりと配置することができる。
【0040】
キーボード2Bのシフトキーの操作と、ウィンドウ画面の上部の領域にマウスポインタ301が位置する状態でのマウス2Cの右クリック操作との組み合わせを、ポップアップ画面を表示させるための操作とするデスクトップ管理ユーティリティ210では、たとえばメニューバーにアイコンを配置することを不要とする。これにより、マウスポインタ301がたまたまアイコン上に置かれた場合における、ユーザが意図しないポップアップ画面の表示を行うこともない。
【0041】
また、たとえばメニューバーにアイコンを配置する場合と比較すると、メニューバー内のアイコンという極めて小さい領域にマウスポインタ301を合わせる必要がなく、タイトルバーとメニューバーとを合わせた広い領域にマウスポインタ301が位置するようにマウス2Cを操作すればよいので、利便性を向上させることができる。
【0042】
このように、本実施形態のPC1においては、ウィンドウ画面の配置を効率的な操作で行うことができる。
【0043】
図6は、本実施形態のPC1におけるデスクトップ管理ユーティリティ210によるウィンドウ画面の配置の大まかな流れを示すフローチャートである。
【0044】
デスクトップ管理ユーティリティ210は、デスクトップ画面を複数のエリアに分割する分割パターン(テンプレート)を、テンプレートデータ250として管理する(S101)。デスクトップ管理ユーティリティ210は、ユーザがテンプレートを作成する機能を提供し、ユーザによって作成されたテンプレート(カスタムテンプレート)も、テンプレートデータ250として管理する。
【0045】
次に、デスクトップ管理ユーティリティ210は、ユーザの指示に応じて、管理するテンプレートデータ250の中から、いずれかのテンプレートデータ250を選択する(S102)。そして、デスクトップ管理ユーティリティ210は、ユーザによる所定の操作に応じて、ポップアップ画面を表示し、このポップアップ画面上での操作を経て、対象のウィンドウ画面を、選択したテンプレートデータ250で示される複数のエリアの中のいずれかのエリアに配置する(S103)。
【0046】
図7は、図6のS103の詳細な流れ、具体的には、本実施形態のPC1におけるデスクトップ管理ユーティリティ210によるポップアップ画面の表示を含むウィンドウ画面の配置の詳細な流れを示すフローチャートである。
【0047】
テンプレートを使用してウィンドウ画面を配置する場合、ユーザは、まず、キーボード2B上のシフトキーを操作しながら、マウス2Cを右クリックする(S201)。デスクトップ管理ユーティリティ210は、右クリックされたウィンドウ画面を取得する(S202)。
【0048】
デスクトップ管理ユーティリティ210は、ウィンドウ画面の配置用のポップアップ画面を表示する(S203)。このポップアップ画面上で、ユーザは、ウィンドウ画面の配置機能を選択する(S204)。そして、ユーザは、対象のウィンドウ画面の移動させるためのたとえばマウス2Cによるドラッグ&ドロップ操作を行い、当該ウィンドウ画面をデスクトップ画面上の目的のエリアに配置する(S205)。一方、デスクトップ管理ユーティリティ210は、ウィンドウ画面の移動に伴い、デスクトップ画面上の対象のエリアを示すガイド表示を実行する(S206)。
【0049】
以上のように、本実施形態のPC1においては、デスクトップ管理ユーティリティ210が、キーボード2B上のシフトキーの操作と、マウス2Cの右クリック操作との組み合わせを、ポップアップ画面を表示させるための操作とすることで、たとえばユーザが意図しないポップアップ画面の表示を行うことがない。また、メニューバー内のアイコンという極めて小さい領域にマウスポインタ301を合わせる必要がなく、タイトルバーとメニューバーとを合わせた広い領域にマウスポインタ301が位置するようにマウス2Cを操作すればよいので、利便性を向上させることができる。
【0050】
つまり、本実施形態のPC1は、デスクトップ画面上におけるウィンドウ画面の配置を効率的な操作で行うことができる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1…電子機器(PC)、2A…ディスプレイ、2B…キーボード、2C…マウス、2D…ACアダプタ、11…CPU、12…システムコントローラ、12A…USBポート、12B…電源スイッチ、13…主メモリ、14…GPU、14A…ディスプレイポート、
15…BIOS-ROM、16…HDD、17…ODD、18…通信モジュール、19…PSC、20…電源回路、121…USBコントローラ、122…EC/KBC、150…BIOS、200…OS、210…デスクトップ管理ユーティリティ、211…インターフェース部、212…テンプレート管理部、213…ウィンドウ配置処理部、220…各種アプリケーション、250…テンプレートデータ、2121…カスタムテンプレート作成部、2131…ガイド表示処理部。
図1
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図5
図6
図7