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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】保護部材及び作業車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/28 20060101AFI20231023BHJP
   A01B 71/02 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
B60K17/28 C
A01B71/02 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020109570
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022006974
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】増本 考次
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-095925(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 17/28
A01B 71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミッドPTO軸が設けられた作業車両に取り付けられる取付部と、
前記取付部に支持されると共に前記ミッドPTO軸と正面視において重複しないように配置され、前記ミッドPTO軸を保護する保護部と、
を具備し、
前記保護部は、
側面視において前記ミッドPTO軸と重複しないように配置される、
保護部材。
【請求項2】
前記保護部は、
底面視において前記ミッドPTO軸と重複しないように配置される、
請求項1に記載の保護部材。
【請求項3】
前記保護部は、
側面視において前記ミッドPTO軸の下側から前側にわたるように配置される第一保護部を具備する、
請求項1又は請求項2に記載の保護部材。
【請求項4】
前記第一保護部は、
前記ミッドPTO軸を挟んで左右一対設けられる、
請求項3に記載の保護部材。
【請求項5】
前記保護部は、
左右一対の前記第一保護部を互いに接続する第二保護部をさらに具備する、
請求項4に記載の保護部材。
【請求項6】
前記第一保護部は、
前方へ向かうにつれて上方へ延びるように形成される傾斜部を具備する、
請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の保護部材。
【請求項7】
前記傾斜部は、
前記ミッドPTO軸よりも高い位置から低い位置にわたるように形成される、
請求項6に記載の保護部材。
【請求項8】
ミッドPTO軸が設けられた作業車両に取り付けられる取付部と、
前記取付部に支持されると共に前記ミッドPTO軸と正面視において重複しないように配置され、前記ミッドPTO軸を保護する保護部と、
を具備し、
前記保護部は、
側面視において前記ミッドPTO軸の下側から前側にわたるように配置される第一保護部を具備し、
前記第一保護部は、
前方へ向かうにつれて上方へ延びるように形成される傾斜部を具備し、
前記傾斜部は、
前記ミッドPTO軸よりも高い位置から低い位置にわたるように形成される
護部材。
【請求項9】
前記取付部は、
前記ミッドPTO軸が設けられるPTOケースに取り付けられる、
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の保護部材。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の保護部材を具備する作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミッドPTO軸を保護する保護部材及び作業車両の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミッドPTO軸を具備する作業車両の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の作業車両(トラクタ)においてミッドPTO軸は、ミッションケースの下部、かつ左右の後輪の間に配置される。ミッドPTO軸は、エンジンからの動力を作業装置(例えば、モア等)へ伝達することができる。この際、ミッドPTO軸には、動力伝達のためのジョイントが装着される。
【0004】
特許文献1のようなミッドPTO軸には、作業装置の非装着時に、ミッドPTO軸を保護する保護部材が取り付けられる場合がある。保護部材は、例えば、ミッドPTO軸を覆うような有底略筒状に形成され、ボルト等によって適宜固定される。当該構成においては、作業装置の装着時に保護部材を取り外す必要があり、面倒であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-117244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、保護部材を取り付けた状態でミッドPTO軸に作業装置を装着することが可能な保護部材及び作業車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、ミッドPTO軸が設けられた作業車両に取り付けられる取付部と、前記取付部に支持されると共に前記ミッドPTO軸と正面視において重複しないように配置され、前記ミッドPTO軸を保護する保護部と、を具備し、前記保護部は、側面視において前記ミッドPTO軸と重複しないように配置されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記保護部は、底面視において前記ミッドPTO軸と重複しないように配置されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記保護部は、側面視において前記ミッドPTO軸の下側から前側にわたるように配置される第一保護部を具備するものである。
【0011】
請求項4においては、前記第一保護部は、前記ミッドPTO軸を挟んで左右一対設けられるものである。
【0012】
請求項5においては、前記保護部は、左右一対の前記第一保護部を互いに接続する第二保護部をさらに具備するものである。
【0013】
請求項6においては、前記第一保護部は、前方へ向かうにつれて上方へ延びるように形成される傾斜部を具備するものである。
【0014】
請求項7においては、前記傾斜部は、前記ミッドPTO軸よりも高い位置から低い位置にわたるように形成されるものである。
【0015】
請求項8においては、ミッドPTO軸が設けられた作業車両に取り付けられる取付部と、前記取付部に支持されると共に前記ミッドPTO軸と正面視において重複しないように配置され、前記ミッドPTO軸を保護する保護部と、を具備し、前記保護部は、側面視において前記ミッドPTO軸の下側から前側にわたるように配置される第一保護部を具備し、前記第一保護部は、前方へ向かうにつれて上方へ延びるように形成される傾斜部を具備し、前記傾斜部は、前記ミッドPTO軸よりも高い位置から低い位置にわたるように形成されるものである。
【0016】
請求項9においては、前記取付部は、前記ミッドPTO軸が設けられるPTOケースに取り付けられるものである。
【0017】
請求項10においては、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の保護部材を具備するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0019】
請求項1においては、保護部材を取り付けた状態でミッドPTO軸に作業装置を装着することができる。また、保護部材を取り付けた状態でミッドPTO軸に作業装置を装着し易くすることができる。
【0020】
請求項2においては、保護部材を取り付けた状態でミッドPTO軸に作業装置を装着し易くすることができる。
【0021】
請求項3においては、ミッドPTO軸に対する前方及び下方からの障害物の衝突を防止することができる。
【0022】
請求項4においては、保護部を簡素な構成にすることができる。
【0023】
請求項5においては、保護部の強度を向上させることができる。
【0024】
請求項6においては、ミッドPTO軸が障害物と衝突するのを効果的に防止することができる。
【0025】
請求項7においては、ミッドPTO軸が障害物と衝突するのをより効果的に防止することができる。
【0026】
請求項8においては、保護部材を取り付けた状態でミッドPTO軸に作業装置を装着することができる。また、ミッドPTO軸に対する前方及び下方からの障害物の衝突を防止することができる。また、ミッドPTO軸が障害物と衝突するのを効果的に防止することができる。
【0027】
請求項9においては、保護部材を保護対象(ミッドPTO軸)の近くに取り付けて、保護部材の小型化を図ることができる。
【0028】
請求項10においては、保護部材を取り付けた状態でミッドPTO軸に作業装置を装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係るトラクタを示した側面図。
図2】トランスミッションケースの後部を示した側面図。
図3】トランスミッションケース、PTOケース、ミッドPTO軸及び保護部材を示した正面図。
図4】同じく、分解斜視図。
図5】PTOケース、ミッドPTO軸及び保護部材を示した底面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0031】
以下では、図1を用いて本発明の一実施形態に係るトラクタ1の全体構成について説明する。
【0032】
トラクタ1は、主として機体フレーム2、エンジン3、トランスミッションケース4、油圧昇降装置5、前輪6、後輪7、ボンネット8、ステアリングホイール9及び座席10等を具備する。
【0033】
機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けて配置される。機体フレーム2の後部には、エンジン3が固定される。エンジン3の後方には、トランスミッションケース4が配置される。トランスミッションケース4の後部には、油圧昇降装置5が設けられる。油圧昇降装置5には、各種の作業装置(例えば、ロータリ耕耘装置等)を装着することができる。また、トランスミッションケース4の下部(前輪6及び後輪7の間)にも、各種の作業装置(例えば、モア等)を装着することができる。
【0034】
また、機体フレーム2の前部は、フロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪6に支持される。トランスミッションケース4は、リアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪7に支持される。
【0035】
また、エンジン3は、ボンネット8に覆われる。ボンネット8の後方には、前輪6の切れ角を調節するステアリングホイール9が設けられる。ステアリングホイール9の後方には、運転者が着座するための座席10が設けられる。
【0036】
エンジン3の動力は、トランスミッションケース4に収容された変速装置(不図示)で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪6に伝達可能とされると共に、リアアクスル機構を経て後輪7に伝達可能とされる。こうして、エンジン3の動力によって前輪6及び後輪7を回転駆動させ、トラクタ1は走行することができる。
【0037】
次に、図1から図5を用いてトランスミッションケース4及びその周辺部材(後述するリアPTO軸20等)の構成について説明する。
【0038】
トランスミッションケース4は、変速装置や差動装置等を収容するケースである。トランスミッションケース4は、前後に長い略箱状に形成される。図1及び図2に示すように、トランスミッションケース4の後部には、リアPTO軸20、PTOケース30、ミッドPTO軸40及び保護部材50等が設けられる。
【0039】
リアPTO軸20は、油圧昇降装置5に装着される作業装置に動力を伝達するためのものである。リアPTO軸20は、軸線方向を前後方向に向けて配置される。リアPTO軸20は、トランスミッションケース4の後端部から後方へ延出するように配置される。
【0040】
PTOケース30は、変速装置からの動力を後述するミッドPTO軸40へ伝達する伝達機構(不図示)等を収容するケースである。PTOケース30は、上部及び前部が開口された略箱状に形成される。PTOケース30は、ボルトB1によりトランスミッションケース4の後下部に取り付けられる。PTOケース30は、トランスミッションケース4から下方へ張り出すように配置される。図2から図4に示すように、PTOケース30は、ボス部31を具備する。
【0041】
ボス部31は、後述する保護部材50をPTOケース30に取り付けるための部分である。ボス部31は、軸線方向を上下方向に向けた略円筒状に形成される。ボス部31は、PTOケース30の左端部及び右端部にそれぞれ形成される。左右のボス部31は、前後位置が互いにずれるように形成される。
【0042】
ミッドPTO軸40は、トランスミッションケース4の下部に装着される作業装置に動力を伝達するためのものである。ミッドPTO軸40は、軸線方向を前後方向に向けて配置される。ミッドPTO軸40は、PTOケース30に収容された軸受(不図示)に回動可能に支持されて、PTOケース30から前方へ延出するように配置される。ミッドPTO軸40は、機体フレーム2よりも低い位置に配置される(図1参照)。
【0043】
図2から図4に示す保護部材50は、ミッドPTO軸40を保護するためのものである。保護部材50は、取付部51及び保護フレーム52を具備する。
【0044】
取付部51は、保護部材50をPTOケース30に取り付けるための部分である。取付部51は、板面を上下方向に向けた略板状に形成される。取付部51は、貫通孔51aを具備する。
【0045】
貫通孔51aは、取付部51を上下に貫通するように形成される。貫通孔51aは、取付部51の左部及び右部にそれぞれ形成される。貫通孔51aは、前後位置が互いにずれるように形成される。
【0046】
保護フレーム52は、ミッドPTO軸40を保護する部分である。保護フレーム52は、略丸棒状に形成される。保護フレーム52は、底面視において開口部を後方に向けた略U字状に形成される(図5参照)。また、保護フレーム52は、前後中途部から前端部に向かうにつれて上方へ延出するように形成され、正面視において開口部を下方に向けた略逆U字状に形成される。保護フレーム52は、1本の棒状部材を適宜曲げることによって構成される。保護フレーム52は、第一保護部53及び第二保護部54を具備する。
【0047】
第一保護部53は、保護フレーム52の左部及び右部に形成される部分である。第一保護部53は、取付部51の左右中央部を基準として左右対称となるように形成される。第一保護部53は、固定部53a及び傾斜部53bを具備する。
【0048】
固定部53aは、取付部51に固定される部分である。固定部53aは、軸線方向を前後方向へ向けて配置される。固定部53aは、溶接等によって取付部51の上面における左右外側の端部に固定される。
【0049】
傾斜部53bは、前後方向に対して傾斜するように形成された部分である。傾斜部53bは、固定部53aの前端部と連続するように形成される。傾斜部53bは、後下方から前上方へ延びるように形成される。傾斜部53bの前後方向に対する傾斜角度は、約30°となっている。
【0050】
第二保護部54は、左右一対の第一保護部53を接続する部分である。第二保護部54は、軸線方向を左右方向へ向けて配置される。第二保護部54の左端部は、左側の傾斜部53bの前上端部と接続される。第二保護部54の右端部は、右側の傾斜部53bの前上端部と接続される。
【0051】
上述の如く構成された保護部材50は、図4に示すように、取付部51の貫通孔51aにボルトB2が挿通されると共に、当該ボルトB2がPTOケース30のボス部31に取り付けられることにより、PTOケース30の下端部に取り付けられる。
【0052】
図3に示すように、第一保護部53は、ミッドPTO軸40の左右外側方に配置される。また、第一保護部53は、図2に示すように、側面視においてミッドPTO軸40の下側から前側にわたるように配置される。すなわち、第一保護部53は、側面視において、ミッドPTO軸40の後下方から前上方まで、当該ミッドPTO軸40の下方及び前方を通過するように配置される。また、傾斜部53bは、側面視においてミッドPTO軸40の前方のスペースを斜めに横切るように形成され、前上端部がミッドPTO軸40よりも高い位置に配置されると共に後下端部がミッドPTO軸40よりも低い位置に配置される。こうして、傾斜部53bは、ミッドPTO軸40よりも高い位置から低い位置にわたるように形成される。
【0053】
第一保護部53は、このような配置により、トラクタ1の走行時にミッドPTO軸40に対して前方や下方から障害物が衝突するのを防止して、ミッドPTO軸40の変形及び破損の発生を防止することができる。また、第一保護部53は、傾斜部53bにより、障害物を受け流すことができるため、障害物がミッドPTO軸40と衝突するのを効果的に防止することができる。
【0054】
ここで、上述の如く、トランスミッションケース4の下部には、各種の作業装置を装着することができる。ミッドPTO軸40には、作業装置の装着時に、エンジン3からの動力を作業装置に伝達するためのジョイントが連結される。本実施形態においては、保護部材50の配置を工夫することで、保護部材50を取り付けたままでミッドPTO軸40にジョイントを装着できるようにしている。以下、具体的に説明する。
【0055】
保護フレーム52は、ミッドPTO軸40の前方(PTOケース30からミッドPTO軸40が突出する方向)を避けるように配置される。具体的には、図3に示すように、保護フレーム52は、正面視においてミッドPTO軸40と重複しないように配置される。より具体的には、第一保護部53は、上述の如く、ミッドPTO軸40の左右外側方に配置される。また、第二保護部54は、ミッドPTO軸40よりも高い位置に配置される。このような配置によれば、保護フレーム52がジョイントと干渉するのを防止することができるため、保護部材50を取り付けたままでミッドPTO軸40にジョイントを装着することができる。これにより、保護部材50の着脱の手間を省いて、作業装置の装着を楽に行うことができる。
【0056】
また、図2に示すように、保護フレーム52は、側面視においてもミッドPTO軸40と重複しないように配置される。具体的には、第一保護部53の固定部53aは、ミッドPTO軸40よりも低い位置に配置される。また、傾斜部53bは、側面視においてミッドPTO軸40の前方のスペースを横切るように配置される。このような配置により、左右外側方からミッドPTO軸40を視認可能となるため、ミッドPTO軸40にジョイントを装着し易くすることができる。
【0057】
また、図5に示すように、保護フレーム52は、底面視においてもミッドPTO軸40と重複しないように配置される。具体的には、前述の如く、第一保護部53は、ミッドPTO軸40の左右外側方に配置される。また、第二保護部54は、底面視においてミッドPTO軸40の前方に配置される。このような配置により、ミッドPTO軸40の下から手を伸ばして作業を行うことができ、ミッドPTO軸40にジョイントをより装着し易くすることができる。
【0058】
また、保護フレーム52は、略丸棒状に形成されている。このような構成により、保護フレーム52に土や草が堆積するのを抑制することができる。
【0059】
また、保護フレーム52は、前端部がトランスミッションケース4の下面の下方に配置される。このような配置により、保護フレーム52が障害物と衝突して変形した際に、トランスミッションケース4の下面で保護フレーム52を受けることができるため、保護フレーム52の変形量を小さくすることができる。
【0060】
以上の如く、本実施形態に係る保護部材50は、ミッドPTO軸40が設けられたトラクタ1(作業車両)に取り付けられる取付部51と、前記取付部51に支持されると共に前記ミッドPTO軸40と正面視において重複しないように配置され、前記ミッドPTO軸40を保護する保護フレーム52(保護部)と、を具備するものである。
【0061】
このように構成することにより、ミッドPTO軸40に作業装置を装着する際に保護部材50(保護フレーム52)が邪魔にならなくなるため、保護部材50を取り付けた状態でミッドPTO軸40に作業装置を装着することができる。
【0062】
また、前記保護フレーム52は、側面視において前記ミッドPTO軸40と重複しないように配置されるものである。
また、前記保護フレーム52は、底面視において前記ミッドPTO軸40と重複しないように配置されるものである。
【0063】
このように構成することにより、保護部材50を取り付けた状態でミッドPTO軸40に作業装置を装着し易くすることができる。
【0064】
また、前記保護フレーム52は、側面視において前記ミッドPTO軸40の下側から前側にわたるように配置される第一保護部53を具備するものである。
【0065】
このように構成することにより、ミッドPTO軸40に対する前方及び下方からの障害物の衝突を防止することができる。
【0066】
また、前記第一保護部53は、前記ミッドPTO軸40を挟んで左右一対設けられるものである。
【0067】
このように構成することにより、保護フレーム52を簡素な構成にすることができる。
【0068】
また、前記保護フレーム52は、左右一対の前記第一保護部53を互いに接続する第二保護部54をさらに具備するものである。
【0069】
このように構成することにより、第一保護部53及び第二保護部54の強度を向上させることができ、ひいては保護フレーム52の強度を向上させることができる。
【0070】
また、前記第一保護部53は、前方へ向かうにつれて上方へ延びるように形成される傾斜部53bを具備するものである。
【0071】
このように構成することにより、傾斜部53bによって障害物を受け流して、ミッドPTO軸40が障害物と衝突するのを効果的に防止することができる。
【0072】
また、前記傾斜部53bは、前記ミッドPTO軸40よりも高い位置から低い位置にわたるように形成されるものである。
【0073】
このように構成することにより、ミッドPTO軸40が障害物と衝突するのをより効果的に防止することができる。
【0074】
また、前記取付部51は、前記ミッドPTO軸40が設けられるPTOケース30に取り付けられるものである。
【0075】
このように構成することにより、保護部材50を保護対象(ミッドPTO軸40)の近くに取り付けて、保護部材50の小型化を図ることができる。また、上記構成によれば、車体側(例えば、トランスミッションケース4等)に保護部材50を取り付けるための取付部を設ける必要がないため、保護部材50を容易に後付けすることができる。
【0076】
また、以上の如く、本実施形態に係るトラクタ1は、前記保護部材50を具備するものである。
【0077】
このように構成することにより、ミッドPTO軸40に作業装置を装着する際に保護部材50(保護フレーム52)が邪魔にならなくなるため、保護部材50を取り付けた状態でミッドPTO軸40に作業装置を装着することができる。
【0078】
なお、本実施形態に係るトラクタ1は、本発明に係る作業車両の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る保護フレーム52は、本発明に係る保護部の実施の一形態である。
【0079】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0080】
例えば、本実施形態に係る作業車両はトラクタ1であるものとしたが、本発明に係る作業車両の種類はこれに限定されるものでない。本発明に係る作業車両は、その他の農業車両、建設車両、産業車両等であってもよい。
【0081】
また、保護部材50は、PTOケース30に取り付けられるものとしたが、保護部材50が取り付けられる部材はこれに限定されるものではなく、任意の部材に保護部材50を取り付けるための取付部を設け、当該取付部に保護部材50が取り付けられていてもよい。保護部材50は、例えば、トランスミッションケース4に取り付けられるものであってもよい。また、保護部材50は、PTOケース30及びトランスミッションケース4のそれぞれに固定されるものであってもよい。これにより、保護部材50の強度を向上させることができる。
【0082】
また、取付部51は、略板状に形成されるものとしたが、取付部51の形状はこれに限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。
【0083】
また、保護フレーム52は、側面視及び底面視でミッドPTO軸40と重複しないものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、側面視及び底面視でミッドPTO軸40と重複していてもよい。
【0084】
また、保護フレーム52は、1本の棒状部材を適宜曲げることによって構成されるものとしたが、保護フレーム52の構成はこれに限定されるものではなく、任意の構成とすることができる。保護フレーム52は、例えば、板状部材を適宜組み合わせて構成されるものであってもよい。
【0085】
また、傾斜部53bの傾斜角度は、約30°であるものとしたが、これに限定されるものではなく、任意の角度とすることができる。
【0086】
また、保護フレーム52は、傾斜部53bを具備するものとしたが、これに限定されるものではなく、傾斜部53bを具備しないものであってもよい。
【0087】
また、第一保護部53は、左右一対設けられるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ミッドPTO軸40の下方を覆う1枚の板状部材により構成されていてもよい。
【0088】
また、第二保護部54は、第一保護部53の端部を接続するものとしたが、これに限定されるものではなく、第一保護部53の任意の箇所を接続してもよい。第二保護部54は、例えば、第一保護部53の中途部を接続するものであってもよい。
【0089】
また、保護フレーム52は、第二保護部54を具備するものとしたが、これに限定されるものではなく、第二保護部54を具備しないものであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 トラクタ(作業車両)
40 ミッドPTO軸
50 保護部材
51 取付部
52 保護フレーム(保護部)
図1
図2
図3
図4
図5