(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】神経細胞損傷の治療のためのアミノ酸組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/198 20060101AFI20231023BHJP
A61K 31/205 20060101ALI20231023BHJP
A61K 31/197 20060101ALI20231023BHJP
A61K 38/06 20060101ALI20231023BHJP
A61K 38/05 20060101ALI20231023BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20231023BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20231023BHJP
A23L 33/175 20160101ALI20231023BHJP
A23L 33/18 20160101ALI20231023BHJP
【FI】
A61K31/198
A61K31/205
A61K31/197
A61K38/06
A61K38/05
A61P25/28
A61P25/00
A23L33/175
A23L33/18
(21)【出願番号】P 2020507989
(86)(22)【出願日】2018-08-14
(86)【国際出願番号】 US2018046659
(87)【国際公開番号】W WO2019036442
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-08-13
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516077688
【氏名又は名称】アクセラ・ヘルス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Axcella Health Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153693
【氏名又は名称】岩田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】デ リエンツォ,ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】アフェヤン,ラフィー
(72)【発明者】
【氏名】キャロル,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ルーセル,マシュー
【審査官】平井 裕彰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/172341(WO,A1)
【文献】Nutr. Clin. Pract.,2012年,Vol.27 No.1,pp.99-113
【文献】360 Brain Food,2012年,http://www.360medicine.com/pdf/BrainSustain.pdf
【文献】J. Neurosurg. Sci.,2014年,Vol.58,pp.151-160
【文献】Nutrition and Traumatic Brain Injury,2011年,pp.108-114,ISBN:978-0-309-21008-9
【文献】PLOS ONE,2014年,Vol.9 Iss.4,doi:10.1371/journal.pone.0090617
【文献】Neurochem. Res.,2017年05月,Vol.42,pp.1661-1675
【文献】Nutrition and Traumatic Brain Injury,2011年,pp.130-139,ISBN:978-0-309-21008-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00~33/44
45/00~45/06
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)L-ロイシ
ン又は
その塩、
ii)L-イソロイシ
ン又は
その塩、
iii)L-バリ
ン又は
その塩、
iv
)N-アセチルシステイン(NAC)
又はその
塩、及び
v)アセチル-
L-カルニチン(ALCAR
)又は
その塩
を含む
、外傷性脳損傷(TBI)を有する対象における神経機能又は認知機能の改善に使用するための組成物であって、
チロシンが前記組成物中に存在せず、
かつ
i)~
v)の総重量%が、前記組成物(乾燥形態における)中の他のタンパク質成分又は非タンパク質成分の総重量%を超えて
いる、
前記組成物。
【請求項2】
vi)クレアチン又はその
塩をさらに含
む、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
20アミノ酸残基を超える長さのペプチド(例えば、ホエータンパク質)を含まないか、又は20アミノ酸残基を超える長さのペプチドが存在する場合、前記ペプチドは、前記組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%未満で存在する、及び/又は、
19以下の遊離アミノ酸実体又はその塩の組み合わせを含む、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(i)前記NAC
又はその塩の重量%は、前記組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも3重量%である、
(ii)前記ALCAR又はその
塩の重量%は、前記組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも1重量%である、
(iii)
前記組成物は、前記L-ロイシンアミノ酸又はその塩、前記L-イソロイシンアミノ酸又はその塩、前記L-バリンアミノ酸又はその塩、前記NAC
又はその塩、及び前記ALCAR
又はその塩を含み、
かつ、前記
L-ロイシンアミノ酸
又はその塩:前記
L-イソロイシンアミノ酸
又はその塩:前記
L-バリンアミノ酸
又はその塩:
前記NAC
又はその塩:
前記ALCAR
又はその塩の重量比
が、1
0:1
0:1
0:3:1.
2であり、前記比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される、及び/若しくは、
(iv)
前記組成物は、前記L-ロイシンアミノ酸又はその塩、前記L-イソロイシンアミノ酸又はその塩、前記L-バリンアミノ酸又はその塩、前記NAC
又はその塩、前記ALCAR
又はその塩、及び前記クレアチン
又はその塩を含み、
かつ、前記
L-ロイシンアミノ酸
又はその塩:前記
L-イソロイシンアミノ酸
又はその塩:前記
L-バリンアミノ酸
又はその塩:
前記NAC
又はその塩:
前記ALCAR
又はその塩:
前記クレアチン
又はその塩の重量比
が、1
0:1
0:1
0:3:1.
2:2
0であり、前記比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
a)TCAサイクル補充反応又はATP産生を増加させること、b)ミトコンドリアをカルシウム流入から保護すること、c)フリーラジカル又は反応性酸化種(ROS)を減少させること、d)例えば、異常な小膠細胞又は星状細胞の一方又は両方の活性化からの炎症誘発性サイトカインを減少させること、e)炎症誘発性シグナル(例えば、M1小膠細胞表現型からM2小膠細胞表現型への)に対する小膠細胞の応答を減少させること、f)神経シグナル伝達(例えば、海馬シグナル伝達)を増加させること、g)炎症(例えば、脳組織の炎症)を減少させること、h)イオン流束を増加させること、i)ミトコンドリア機能を増加させること、又はj)シナプスの機能不全を減少させることの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又は全てが可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、
L-ロイシン又はその塩、L-イソロイシン又はその塩、L-バリン又はその塩、NAC又はその塩
、及びALCAR又はその塩
、並びに1つ又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤からなる、
あるいは、
L-ロイシン又はその塩、L-イソロイシン又はその塩、L-バリン又はその塩、NAC又はその塩、ALCAR又はその塩、及びクレアチン又はその塩
、並びに1つ又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤からなる、
請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
薬学的に許容可能な担体と共に調合される、又は、食餌組成物として調合される、請求項1~
6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
α-リポ酸が存在しない、請求項1~
7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン、NAC、及びALCAR-HCl、並びに1つ又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤からなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
i)L-ロイシン又はその塩、
ii)L-イソロイシン又はその塩、
iii)L-バリン又はその塩、
iv)N-アセチルシステイン(NAC)又はその塩、
v)a)アセチル-L-カルニチン(ALCAR)又はその塩、又は、b)ALCAR又はその塩及びクレアチン又はその塩、並びに
1つ又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤
からなる、外傷性脳損傷(TBI)を有する対象における神経機能又は認知機能の改善に使用するための組成物。
【請求項11】
対象における、認知障害、目眩、難聴、頭痛(例えば、頻繁な頭痛)、意識喪失、記憶喪失、錯乱、睡眠障害、悪心、低下したバランス、疲労、傾眠状態、かすみ目、耳鳴り、光感受性、音感受性、低下した集中力、気分のむら及び増加した不安からなる群から選択される外傷性脳損傷(TBI)の症状を改善す
る、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成
物。
【請求項12】
前記対象は、TBIを有すると診断されている、請求項
1~11のいずれか一項に記載
の組成物。
【請求項13】
前記TBIは、軽度のTBIである、請求項
12に記載
の組成物。
【請求項14】
前記対象は、スポーツ関連頭部外傷を負っている、請求項
1~13のいずれか一項に記載
の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、それらの全体が参照により本明細書に援用される、2017年8月14日に出願された米国特許出願第62/545,364号明細書、2018年1月5日に出願された米国特許出願第62/614,198号明細書及び2018年7月13日に出願された米国特許出願第62/697,690号明細書に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
外傷性脳損傷(TBI)は、米国における児童及び若年成人の死亡及び障害の主な原因である。毎年、推定300万人の米国人がTBIを被っている。外傷性脳損傷(TBI)は、急性の外力に起因する脳の正常な機能の破壊によって特徴付けられる。TBIは、軽度で長期障害を引き起こさないこともあるが、TBIは、世界中の障害及びさらに死亡の主原因でもある。TBIの発生率にもかかわらず、現在の治療は、さらなる損傷を予防することなく患者を安定させることに重点を置き、外傷によって引き起こされる神経細胞損傷に対処していない。
【0003】
米国では、毎年ほぼ80万人が脳卒中になり、4人に3人は、初回脳卒中である。脳卒中は、米国における5番目に多い死因であり、年間ほぼ13万人が死亡しており、長期障害の主な原因である。虚血性脳卒中は、血餅又は塊が血管を塞いで脳の一部への血流を遮断した場合に発生する。脳卒中のおよそ87%は、虚血性に分類される。現在の脳卒中の治療法としては、脳卒中発生後の有効性の限られたウィンドウ、副作用(例えば、脳内出血のリスク)及び禁忌(例えば、抗凝固剤の使用又は管理不良の高血圧)を有する静脈内血栓溶解剤が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、TBI及び脳卒中などの神経細胞損傷を治療するための薬剤に対する必要性が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、例えば、神経細胞損傷を有する対象など、神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善するのに有用なアミノ酸実体を含む組成物(活性部分)が提供される。組成物は、それを必要とする対象(例えば、ヒト)における神経細胞損傷(例えば、外傷性脳損傷(TBI)又は脳卒中)を治療する(例えば、逆転、低減、改善又は予防する)方法で使用され得る。方法は、例えば、対象が組成物の投与後に1つ又は複数の症状の改善を示すように、組成物の投与後の神経細胞損傷の1つ又は複数の症状の改善について対象をモニターすることをさらに含み得る。
【0006】
一態様では、本発明は、a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体から選択される分枝鎖アミノ酸(BCAA)実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、b)N-アセチルシステイン(NAC)実体、及びc)アセチル-l-カルニチン(ALCAR)実体を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になる組成物(活性部分)であって、(a)~(c)の少なくとも1つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、組成物(活性部分)を特徴とする。
【0007】
いくつかの実施形態では、グルタミンは、存在しないか、又は存在する場合、組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0008】
いくつかの実施形態では、組成物は、(d)クレアチン実体をさらに含む。いくつかの実施形態では、クレアチン実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない。いくつかの実施形態では、クレアチン実体は、表1から選択される。いくつかの実施形態では、クレアチン実体は、クレアチン又はその塩或いはクレアチンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である。
【0009】
別の態様では、本発明は、a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体から選択される分枝鎖アミノ酸(BCAA)実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、b)N-アセチルシステイン(NAC)実体、及びc)アセチル-l-カルニチン(ALCAR)又はその塩或いはALCARを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になる組成物であって、(a)~(c)の少なくとも1つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、組成物を特徴とする。
【0010】
別の態様では、本発明は、a)ロイシン、イソロイシン及びバリン、b)N-アセチルシステイン(NAC)、及びc)アセチル-L-カルニチン及び/又はクレアチンを含むか、それからなるか、又はそれから本質的になる組成物を特徴とする。
【0011】
いくつかの実施形態では、(a)~(c)の2つ、3つ、4つ又は5つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない。
【0012】
いくつかの実施形態では、(a)~(c)(例えば、(a)~(c)の3つ、4つ又は5つのアミノ酸実体)の総重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中の他のタンパク質成分(例えば、ホエータンパク質)又は非タンパク質成分(又は両方)の総重量%を超え、例えば、(a)~(c)の総重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも50重量%、75重量%又は90重量%である。
【0013】
いくつかの実施形態では、(a)~(c)の1つ、2つ、3つ、4つ又は5つのアミノ酸実体は、組成物中で遊離アミノ酸形態又は塩アミノ酸形態の一方又は両方であり、例えば、組成物(例えば、乾燥形態における)の総重量の少なくとも35重量%、40重量%、42重量%、45重量%、50重量%、75重量%、80重量%、90重量%又はそれを超えるものは、組成物中の遊離アミノ酸形態又は塩アミノ酸形態の一方又は両方における、(a)~(c)の3つ、4つ又は5つのアミノ酸実体である。
【0014】
いくつかの実施形態では、組成物は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチド(例えば、ホエータンパク質)を含まないか、又は20アミノ酸残基を超える長さのペプチドが存在する場合、ペプチドは、10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在するか、若しくは組成物(例えば、乾燥形態における)のタンパク質成分若しくは全成分の総重量より少ない。
【0015】
いくつかの実施形態では、組成物は、19以下、18以下、15以下、12以下又は10以下のアミノ酸実体の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、組み合わせは、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも42重量%、75重量%又は90重量%を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、BCAA実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ(例えば、ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体又はバリンアミノ酸実体の1つ、2つ又は3つ)、NAC実体及びALCAR実体の組み合わせ(例えば、ALCAR又はその塩或いはALCARを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩)の組み合わせの重量%は、組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも20重量%であり、例えば、BCAA実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、NAC実体及びALCAR実体の組み合わせの重量%は、組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%又はそれを超える。
【0017】
いくつかの実施形態では、NAC実体の重量%は、組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも3重量%であり、例えば、NAC実体の重量%は、組成物中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも4重量%、5重量%、6重量%、7重量%又は8重量%である。任意選択的に、NACは、乾燥形態の組成物中のタンパク質成分又は総成分の総重量の25重量%以下である。
【0018】
いくつかの実施形態では、ALCAR実体(例えば、ALCAR又はその塩或いはALCARを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩)の重量%は、組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも1重量%であり、例えば、ALCAR実体の重量%は、組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも2重量%、3重量%又は4重量%である。任意選択的に、ALCARは、乾燥形態の組成物中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%以下である。
【0019】
いくつかの実施形態では、3つ全てのBCAA実体、NAC実体及びALCAR実体を含む組成物の場合、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体の重量比は、10+/-15%:10+/-15%::10+/-15%3+/-15%:1.2+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0020】
いくつかの実施形態では、3つ全てのBCAA実体、NAC実体、ALCAR実体及びクレアチン実体を含む組成物の場合、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-15%:10+/-15%::10+/-15%3+/-15%:1.2+/-15%:20+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0021】
いくつかの実施形態では、組成物は、a)TCAサイクル補充反応又はATP産生を増加させること、b)ミトコンドリアをカルシウム流入から保護すること、c)フリーラジカル又は反応性酸化種(ROS)を減少させること、d)例えば、異常な小膠細胞又は星状細胞の一方又は両方の活性化からの炎症誘発性サイトカインを減少させること、e)炎症誘発性シグナル(例えば、M1小膠細胞表現型からM2小膠細胞表現型への)に対する小膠細胞の応答を減少させること、f)神経シグナル伝達(例えば、海馬シグナル伝達)を増加させること、g)炎症(例えば、脳組織の炎症)を減少させること、h)イオン流束を増加させること、i)ミトコンドリア機能を増加させること、又はj)シナプスの機能不全を減少させることの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又は全てが可能である。
【0022】
いくつかの実施形態では、(a)~(c)の1つ、2つ、3つ、4つ又は5つのアミノ酸実体は、表1から選択される。
【0023】
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、活性部分)は、a)i)L-ロイシン又はその塩、ii)L-ロイシンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩、又はiii)β-ヒドロキシ-β-酪酸メチル(HMB)又はその塩から選択される、ロイシンアミノ酸実体、b)NAC又はその塩或いはNACを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である、NAC実体、及びc)ALCAR又はその塩或いはALCARを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である、ALCAR実体を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になる。
【0024】
任意選択的に、イソロイシンアミノ酸実体を含有する前述の活性部分組成物のいずれにおいても、イソロイシンアミノ酸実体は、L-イソロイシン又はその塩或いはL-イソロイシンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である。任意選択的に、バリンアミノ酸実体を含有する前述の活性部分組成物のいずれにおいても、バリンアミノ酸実体は、L-バリン又はその塩或いはL-バリンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である。
【0025】
いくつかの実施形態では、組成物は、L-ロイシン又はその塩、L-イソロイシン又はその塩、L-バリン又はその塩、NAC又はその塩及びALCAR又はその塩(例えば、ALCAR HCl)を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、組成物は、L-ロイシン又はその塩、L-イソロイシン又はその塩、L-バリン又はその塩、NAC又はその塩、ALCAR又はその塩(例えば、ALCAR HCl)及びクレアチン又はその塩を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になる。
【0026】
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、活性部分)は、薬学的に許容可能な担体と共に調合される。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、活性部分)は、食餌組成物として調合される。いくつかの実施形態では、食餌組成物は、医療食品、機能性食品又は補給剤から選択される。
【0027】
別の態様では、本発明は、神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善する方法であって、本明細書で開示される態様又は実施形態のいずれかの組成物(例えば、活性部分)の有効量を、それを必要とする対象に投与し、それによって対象の神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善するステップを含む方法を特徴とする。
【0028】
別の態様では、本発明は、しびれ、低下したバランス、記憶喪失、顔面脱力、眼瞼下垂、麻痺(例えば、片麻痺)、低下した知覚性感覚、低下した反射、舌脱力、不随意眼球運動、視野欠損、失語症、増加した錯乱、眩暈症、低下した発話能力(例えば、失行症)、低下した歩行能力又は低下した運動協調性の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16又はそれを超えるもの(例えば、全て)から選択される脳卒中の症状を改善する方法であって、a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体から選択される分枝鎖アミノ酸(BCAA)実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、b)N-アセチルシステイン(NAC)実体、及びc)アセチル-l-カルニチン(ALCAR)実体を含む組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与し、それによって症状の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16又はそれを超えるもの(例えば、全て)を改善するステップであって、(a)~(c)の少なくとも1つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、ステップを含む方法を特徴とする。
【0029】
いくつかの実施形態では、組成物の投与は、6時間~24時間の治療期間後に症状の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16又はそれを超えるもの(例えば、全て)の改善をもたらす。
【0030】
別の態様では、本発明は、認知障害、目眩、難聴、頭痛(例えば、頻繁な頭痛)、意識喪失、記憶喪失、錯乱、睡眠障害、悪心、低下したバランス、疲労、傾眠状態、かすみ目、耳鳴り、光感受性、音感受性、低下した集中力、気分のむら又は増加した不安の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18又はそれを超えるもの(例えば、全て)から選択される外傷性脳損傷(TBI)の症状を改善する方法であって、a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体から選択される分枝鎖アミノ酸(BCAA)実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、b)N-アセチルシステイン(NAC)実体、及びc)アセチル-l-カルニチン(ALCAR)実体を含む組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与し、それによって症状の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18又はそれを超えるもの(例えば、全て)を改善するステップであって、(a)~(c)の少なくとも1つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、ステップを含む方法を特徴とする。
【0031】
いくつかの実施形態では、組成物の投与は、6時間~24時間の治療期間後に症状の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18又はそれを超えるもの(例えば、全て)の改善をもたらす。
【0032】
別の態様では、本発明は、神経細胞損傷を治療又は予防する方法であって、本明細書で開示される態様及び実施形態のいずれかの組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与し、それによって神経細胞損傷を治療又は予防するステップを含む方法を特徴とする。
【0033】
いくつかの実施形態では、対象は、例えば、軽度のTBI(脳震盪)などのTBIのリスクがあるか又はTBIを有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、対象は、例えば、急性虚血性脳卒中又は一過性虚血性発作のような虚血性脳卒中などの脳卒中のリスクがあるか又は脳卒中を有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】TBIのラットモデルにおける損傷後のビームバランスに対する、アミノ酸組成物による処置の効果を示すグラフである。データは、平均値±標準誤差として表示される。n=15/群。
【
図2】ビヒクルを投与された偽手術対照及びTBIラットモデルのNeuroCube(登録商標)歩行分析を示すグラフである。クラウドプロットは、二次元空間に投影された多変量n次元特徴の識別を描写する。NeuroCube(登録商標)は、偽手術対照(a)とビヒクル処置TBI動物(b)との間の有意な(p<0.05)75%の識別を検出する。
【
図3】TBIのラットモデルにおける、活性部分組成物による処置の効果のNeuroCube(登録商標)歩行分析を示すグラフである。「a」及び「b」のクラウド間の分離は、それぞれビヒクル処置された偽手術対照及びTBIの識別を示す。「c」クラウドは、偽手術対照への回復を示す。
【
図4】外傷性脳損傷(TBI)を有する対象にアミノ酸組成物を投与することの効果の臨床試験の設計を示す概略図である。矢印は、神経認知評価、血清バイオマーカーのサンプリング、アミノ酸レベル及び代謝産物レベル並びにアミノ酸組成物の薬物動態プロファイリングを実施するための時点を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書では、部分的には、アミノ酸実体を含む組成物(活性部分)と、薬学的に許容可能な調合物中で組成物の有効量を投与することにより、神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善する方法とが記載される。組成物は、それを必要とする対象(例えば、TBI又は脳卒中を負っているヒト)における神経細胞損傷(例えば、mTBI又は脳卒中などの外傷性脳損傷(TBI))を治療又は予防するために投与され得る。
【0038】
本発明は、本明細書に例示されるアミノ酸実体の設計された組み合わせが、TBI又は脳卒中などによる脳損傷からのより迅速な回復を提供したという発見に部分的に基づいている。脳損傷をシミュレートするために処置されたラットは、プラセボよりも本発明の組成物を投与した場合にバランスビームを進むことができ、より迅速に歩行を回復できた。
【0039】
TBIは、血管起源の神経学的欠損及び中枢神経系(CNS)損傷によって特徴付けられる。TBIの異常な神経シグナル伝達は、細胞エネルギー危機、酸化的ストレス、細胞死又は神経炎症の1つ、2つ、3つ又は4つをもたらし得る。脳卒中(例えば、虚血性脳卒中)及びTBIは、血液脳関門(BBB)破壊、ATP枯渇若しくはイオン不均衡の一方若しくは両方、免疫細胞浸潤、神経炎症、異常なグルタミン酸放出、灌流若しくは代謝調節異常の一方若しくは両方、興奮毒性、ミトコンドリア損傷、ROS産生、プロテアーゼ活性化、細胞損傷又は細胞死の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11又はそれを超えるものをはじめとするが、これに限定されるものではない、神経細胞損傷をもたらす共通の機序を共有する。
【0040】
本明細書で開示される組成物中のアミノ酸実体及びアミノ酸実体相対量は、例えば、多くの生体、細胞及び分子プロセスの複雑な調整を必要とする、例えばTBI又は脳卒中などの神経細胞損傷の複雑な病態生理を改善又は治療するように設計されている。いくつかの実施形態では、理論に拘束されることなく、本明細書に開示される組成物は、以下の1つ、2つ、3つ又は4つによって神経機能を改善する:TCAサイクルを改善してATP産生を高め、Ca2+蓄積に起因するミトコンドリア機能不全を防止し、Ca2+蓄積に起因するミトコンドリア機能不全を低減するか、又は例えば補集フリーラジカルの1つ、2つ若しくは3つによって神経炎症を低減するか、ROSを補集するか若しくは炎症誘発性サイトカインを低減する。
【0041】
定義
特許請求の範囲及び本明細書で使用される用語は、特に明記しない限り、以下に示すように定義される。
【0042】
本明細書及び添付の特許請求範囲の用法では、文脈上例外が明記されていない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。
【0043】
本明細書の用法では、「アミノ酸実体」という用語は、遊離形態又は塩形態の一方又は両方であるアミノ酸、ペプチド(例えば、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド又はポリペプチド)のアミノ酸残基、アミノ酸の誘導体、アミノ酸の前駆体又はアミノ酸の代謝産物を指す。
【0044】
本明細書の用法では、「XXXアミノ酸実体」という用語は、遊離XXX又は塩形態のXXXを含む遊離アミノ酸の場合、アミノ酸実体を指し、ペプチドの場合、XXX残基を含むペプチド(例えば、ジペプチド又はトリペプチド)を指し、誘導体の場合、XXXの誘導体を指し、前駆体の場合、XXXの前駆体を指し、代謝産物の場合、XXX代謝産物(表1)を指す。
【0045】
【0046】
例えば、XXXがロイシン(L)の場合、ロイシンアミノ酸実体は、遊離L又は塩形態のL、L残基、L誘導体、L前駆体又はLの代謝産物を含むペプチド(例えば、ジペプチド又はトリペプチド)を指し、XXXがイソロイシン(I)である場合、イソロイシンアミノ酸実体は、遊離I又は塩形態のI、I残基、I誘導体、I前駆体又はIの代謝産物を含むペプチド(例えば、ジペプチド又はトリペプチド)を指し、XXXがバリン(V)である場合、バリンアミノ酸実体は、遊離V又は塩形態のV、V残基、V誘導体、V前駆体又はVの代謝産物を含むペプチド(例えば、ジペプチド又はトリペプチド)を指し、XXXがN-アセチルシステイン(NAC)である場合、NAC実体は、遊離NAC又は塩形態のNAC、NAC残基、NAC誘導体、NAC前駆体又はNACの代謝産物を含むペプチド(例えば、ジペプチド又はトリペプチド)を指し、XXXがアセチル-l-カルニチン(ALCAR)である場合、ALCAR実体は、遊離ALCAR又は塩形態のALCAR、ALCAR残基、ALCAR誘導体、ALCAR前駆体又はALCARの代謝産物を含むペプチド(例えば、ジペプチド又はトリペプチド)を指し、XXXがクレアチン(CR)である場合、CRアミノ酸実体は、遊離CR又は塩形態のCR、CR残基、CR誘導体、CR前駆体又はCRの代謝産物を含むペプチド(例えば、ジペプチド又はトリペプチド)を指す。
【0047】
「約」及び「およそ」は、一般に、測定の性質又は精度を考慮して、測定された量の許容可能な誤差の程度を意味するものする。例示的な誤差の程度は、所与の値又は値の範囲の15パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。
【0048】
「アミノ酸」は、アミノ基(-NH2)、カルボン酸基(-C(=O)OH)及び中心炭素原子を介して結合した側鎖を有する有機化合物を指し、必須及び非必須アミノ酸並びに天然及び非天然アミノ酸を含む。別段の指示がない限り、本明細書で言及されるアミノ酸は、アミノ酸のL異性体である。
【0049】
本明細書の用法では、「活性部分」という用語は、集合的に、例えば神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善するなど、本明細書に記載の生理学的効果を有する能力を有する、4つ以上のアミノ酸実体の組み合わせを意味する。例えば、活性部分は、神経細胞損傷を治療又は予防し得る。本発明の活性部分は、他の生物学的に活性な成分を含有し得る。いくつかの例では、活性部分は、以下に詳細に記載されるように、4つ以上のアミノ酸実体の定義された組み合わせを含む。他の実施形態では、活性部分は、以下に詳細に記載されるように、4つ以上のアミノ酸実体の定義された組み合わせからなる。
【0050】
例えば、活性部分などの個々のアミノ酸実体は、重量(例えば、グラム単位)、アミノ酸実体相互の重量比、モル量、組成物の重量パーセント、組成物のモルパーセント量、カロリー含有量、組成物へのカロリー寄与率などとして提示され得る様々な量又は比率で組成物中に存在する。一般に、本開示は、剤形中のアミノ酸実体のグラム数、組成物の重量と比較したアミノ酸実体の重量%、すなわち組成物中に存在する全てのアミノ酸実体及びあらゆる他の生物学的活性成分の重量又は比率を提供する。いくつかの実施形態では、例えば、活性部分などの組成物は、薬学的に許容可能な調製物(例えば、医薬品)として提供される。
【0051】
「有効量」という用語は、本明細書の用法では、治療される症状及び/又は病状を有意且つプラス方向に修正する(例えば、プラス方向の臨床的奏効を提供する)のに十分であるアミノ酸又は医薬組成物の量を意味する。医薬組成物で使用する活性成分の有効量は、治療される特定の病状、病状の重症度、治療持続期間、併用療法の性質、用いられる特定の活性成分、利用される特定の薬学的に許容される賦形剤及び/又は担体並びに同様の因子により、主治医の知識と専門知識によって変動する。
【0052】
アミノ酸実体の「均等量」は、生理学的に、アミノ酸実体の対応する遊離アミノ酸の量と同一の活性をもたらす量である。
【0053】
本明細書に記載の「医薬組成物」は、少なくとも1つの「活性部分」及び薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、治療薬として使用される。医薬品規格(GMP;医薬品等級成分)を満たす必要のない他の組成物は、栄養補給食品、医療食品又は補給剤として使用され得、これらは、「消費者健康組成物」と称される。
【0054】
「薬学的に許容可能な」という用語は、本明細書の用法では、健全な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー性反応又は他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適した、妥当な利点/リスク比に見合ったアミノ酸、材料、賦形剤、組成物及び/又は剤形を指す。特定の実施形態では、「薬学的に許容可能な」とは、検出可能な内毒素がないか、又は内毒素のレベルが医薬品で許容可能なレベル未満であることを意味する。
【0055】
特定の実施形態では、「薬学的に許容可能な」とは、1つ又は複数の製品品質パラメータが医学、医薬組成物、治療又は他の治療薬に関する許容可能な範囲内であることを確実にするために、製薬産業又は製薬産業を規制する関係機関又は事業体(例えば、政府、又は貿易関係機関、又は事業体)によって使用される基準を意味する。製品品質パラメータは、組成、組成均一性、用量、用量均一性、混入物又は不純物の存在、不在及び/又はレベル並びに無菌性のレベル(例えば、微生物の存在、不在及び/又はレベル)をはじめとするが、これに限定されるものではない、製薬産業又は例えば政府機関、貿易機関若しくは組織などの関係機関若しくは事業体によって規制される任意のパラメータであり得る。例示的な政府規制機関としては、連邦医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)、スイスメディック、中国食品医薬品局(CFDA)又は日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)が挙げられる。
【0056】
「薬学的に許容可能な賦形剤」という用語は、医薬製剤中の活性成分以外の生理学的適合性成分を指す。薬学的に許容可能な賦形剤は、緩衝液、甘味料、分散促進剤、香味剤、苦味マスキング剤、天然着色料、人工的着色料、安定薬、溶媒又は保存料を含み得るが、これに限定されるものではない。特定の実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、クエン酸又はレシチンの一方又は両方を含む。
【0057】
「タンパク質成分」という用語は、本明細書の用法では、ペプチド(例えば、ポリペプチド又はオリゴペプチド)、その断片、分解ペプチド、アミノ酸実体又は遊離アミノ酸を指す。タンパク質成分としては、遊離形態又は塩形態のアミノ酸、アミノ酸のジペプチド、アミノ酸のトリペプチド、アミノ酸の誘導体、アミノ酸の前駆体又はアミノ酸の代謝物が挙げられる。例示的なタンパク質成分としては、ホエータンパク質、卵白タンパク質、大豆タンパク質、カゼイン、麻タンパク質、エンドウ豆タンパク質、玄米タンパク質若しくはその断片又は分解ペプチドの1つ又は複数が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0058】
「非タンパク質成分」という用語は、本明細書の用法では、組成物のタンパク質成分以外のあらゆる成分を指す。例示的な非タンパク質成分は、糖類(例えば、単糖(例えば、デキストロース、グルコース又はフルクトース)、二糖、オリゴ糖又は多糖)、脂質(例えば、硫黄含有脂質(例えば、α-リポ酸)、長鎖トリグリセリド、オメガ3脂肪酸(例えば、EPA、DHA、STA、DPA又はALA)、オメガ6脂肪酸(GLA、DGLA又はLA)、中鎖トリグリセリド又は中鎖脂肪酸)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンB6、ビタミンB12、ビオチン又はパントテン酸)、ミネラル(亜鉛、セレン、鉄、銅、葉酸、亜リン酸、カリウム、マンガン、クロム、カルシウム又はマグネシウム)又はステロール(例えば、コレステロール)を含み得るが、これに限定されるものではない。
【0059】
組成物、調合物又は製品は、有益の臨床効果を提供する場合、「治療的」である。疾患の進行を緩和すること及び/又は疾患の1つ若しくは複数の症状を緩和することによって有益な臨床効果が示され得る。
【0060】
「単位用量」又は「単位投与量」は、使用目的で販売される形態の医薬品又は医薬品群を構成し、特定の形状(例えば、カプセルシェル)で特定の用量に配分された(例えば、複数のスティックパックにおいて)活性及び不活性成分(賦形剤)の特定の混合物を含む。
【0061】
本明細書の用法では、肝疾患若しくは障害又は筋肉消耗を「治療する」、「治療すること」又はその「治療」という用語は、神経細胞損傷を改善する(例えば、神経細胞損傷、その少なくとも1つの臨床症状の発達を遅延、阻止若しくは低減する)こと、患者が認識できなくてもよいものを含めた少なくとも1つの身体的パラメータを緩和若しくは改善すること、及び/又は神経細胞損傷の発症、若しくは、発達若しくは進行を予防するか若しくは遅延させることを指す。
【0062】
アミノ酸実体を含む組成物
本明細書に記載の本発明の組成物(例えば、活性部分)は、例えば、表1に示されるアミノ酸実体などのアミノ酸実体を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体は、表1から選択され、例えば、L-アミノ酸実体は、L-ロイシン、β-ヒドロキシ-β-酪酸メチル(HMB)、オキソロイシン(α-ケトイソカプロン酸(KIC))、イソバレリル-CoA、n-アセチルロイシン又はそれらの組み合わせから選択される。
【0064】
いくつかの実施形態では、NAC実体は、表1から選択され、例えば、NAC実体は、NAC、セリン、アセチルセリン、シスタチオニン、グルタチオン、ホモシステイン、メチオニン、L-システイン、システアミン、シスチン又はそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、NAC実体は、NAC、アセチルセリン、シスタチオニン、グルタチオン、ホモシステイン、システアミン又はそれらの組み合わせから選択される。
【0065】
いくつかの実施形態では、ALCAR実体は、表1から選択され、例えば、ALCAR実体は、ALCAR、L-リジン、トリメチルリジン、トリメチル-3-OH-リジン、L-カルニチン、O-アシル-カルニチン、アセチル-CoA、クエン酸、コハク酸、C3-カルニチン、C5-カルニチン、C4-ジカルボキシルカルニチン、C6-カルニチン、C8-カルニチン、C12:1アシルカルニチン、C14アシルカルニチン、C14:1アシルカルニチン、C16アシルカルニチン、C18:2アシルカルニチン、C18:1アシルカルニチン、C18アシルカルニチン又はそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、ALCAR実体は、ALCAR、トリメチルリジン、トリメチル-3-OH-リジン、O-アシル-カルニチン、アセチル-CoA、クエン酸、コハク酸、C3-カルニチン、C5-カルニチン、C4-ジカルボキシルカルニチン、C6-カルニチン、C8-カルニチン、C12:1アシルカルニチン、C14アシルカルニチン、C14:1アシルカルニチン、C16アシルカルニチン、C18:2アシルカルニチン、C18:1アシルカルニチン、C18アシルカルニチン又はそれらの組み合わせから選択される。
【0066】
いくつかの実施形態では、イソロイシンアミノ酸実体は、表1から選択され、例えば、I-アミノ酸実体は、L-イソロイシン、2-オキソ-3-メチル-吉草酸(α-ケト-β-メチル吉草酸(KMV))、スレオニン、2-オキソ-3-メチル-吉草酸、メチルブチル-CoA、N-アセチル-イソロイシン又はそれらの組み合わせから選択される。
【0067】
いくつかの実施形態では、バリンアミノ酸実体は、表1から選択され、例えば、V-アミノ酸実体は、L-バリン、2-オキソ-吉草酸2-オキソ-吉草酸(α-ケトイソ吉草酸(KIV))、イソブチル-CoA、N-アセチル-バリン又はそれらの組み合わせから選択される。
【0068】
いくつかの実施形態では、クレアチン実体は、表1から選択され、例えば、クレアチン実体は、クレアチン、グアニジノ酢酸、グリシン、L-アルギニン、クレアチニン、ホスホクレアチン又はそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、クレアチン実体は、クレアチン、グアニジノ酢酸、クレアチニン、ホスホクレアチン又はそれらの組み合わせから選択される。
【0069】
いくつかの実施形態では、組成物は、ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体及びNAC実体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ALCAR実体又はクレアチン実体の一方又は両方をさらに含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、組成物は、
a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体から選択される分枝鎖アミノ酸(BCAA)実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、
b)N-アセチルシステイン(NAC)実体、及び
c)クレアチン実体
を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になり、(a)~(c)の少なくとも1つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない。
【0071】
いくつかの実施形態では、この成物は、(d)ALCAR実体をさらに含む。いくつかの実施形態では、ALCAR実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない。いくつかの実施形態では、ALCAR実体は、表1から選択される。
【0072】
いくつかの実施形態では、組成物は、a)i)L-ロイシン又はその塩、ii)L-ロイシンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩、又はiii)β-ヒドロキシ-β-酪酸メチル(HMB)又はその塩から選択される、ロイシンアミノ酸実体、b)L-イソロイシン又はその塩或いはL-イソロイシンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である、イソロイシンアミノ酸実体、c)L-バリン又はその塩或いはL-バリンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である、バリンアミノ酸実体、d)NAC又はその塩或いはNACを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である、NAC実体、及びe)ALCAR又はその塩或いはALCARを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である、ALCAR実体を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になる。
【0073】
いくつかの実施形態では、組成物は、L-ロイシン又はその塩、L-イソロイシン又はその塩、L-バリン又はその塩、NAC又はその塩及びクレアチン又はその塩を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になる。
【0074】
いくつかの実施形態では、(a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体又はバリンアミノ酸実体の1つ、2つ又は3つは、遊離アミノ酸形態である。いくつかの実施形態では、(a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体の1つ、2つ又は3つは、塩アミノ酸形態である。
【0075】
いくつかの実施形態では、NACは、遊離アミノ酸形態である。いくつかの実施形態では、NACは、塩アミノ酸形態である。いくつかの実施形態では、ALCARは、遊離アミノ酸形態である。いくつかの実施形態では、ALCARは、塩アミノ酸形態(例えば、ALCAR HCl)である。いくつかの実施形態では、クレアチンは、遊離アミノ酸形態である。いくつかの実施形態では、クレアチンは、塩アミノ酸形態である。
【0076】
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、乾燥形態における)の総重量の少なくとも35重量%、40重量%、42重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%又はそれを超えるものは、遊離アミノ酸形態の(a)~(c)の1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つのアミノ酸実体又は(a)~(d)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくは6つのアミノ酸実体である。
【0077】
いくつかの実施形態では、(a)~(c)の1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つのアミノ酸実体又は(a)~(d)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくは6つのアミノ酸実体は、組成物中で遊離アミノ酸形態であり、例えば、タンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも42重量%、75重量%又は90重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中で遊離アミノ酸形態の(a)~(c)の1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つのアミノ酸実体又は(a)~(d)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくは6つのアミノ酸実体である。
【0078】
いくつかの実施形態では、(a)~(c)の1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つのアミノ酸実体又は(a)~(d)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくは6つのアミノ酸実体は、組成物中で塩形態であり、例えば、タンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも0.01重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、5重量%又は10重量%又はそれを超えるものは、組成物(例えば、乾燥形態における)中で塩形態の(a)~(c)の1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つのアミノ酸実体又は(a)~(d)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくは6つのアミノ酸実体である。
【0079】
いくつかの実施形態では、(a)~(c)の1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つのアミノ酸実体又は(a)~(d)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくは6つのアミノ酸実体は、例えば、組成物のタンパク質成分又は全成分の少なくとも0.01重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、5重量%又は10重量%又はそれを超える量でジペプチド又はトリペプチドの一部として提供される。
【0080】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体又はバリンアミノ酸実体の1つ、2つ又は3つは、ジペプチド(例えば、ホモジペプチド若しくはヘテロジペプチド)又はその塩の一部として提供される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体は、Ala-Leuである。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体又はバリンアミノ酸実体の1つ、2つ又は3つは、トリペプチド(例えば、ホモトリペプチド若しくはヘテロトリペプチド)又はその塩の一部として提供される。いくつかの実施形態では、NAC実体、ALCAR実体又はクレアチン実体の1つ、2つ又は3つは、ジペプチド(例えば、ヘテロジペプチド)又はその塩の一部として提供される。いくつかの実施形態では、NAC実体、ALCAR実体又はクレアチン実体の1つ、2つ又は3つは、トリペプチド(例えば、ヘテロトリペプチド)又はその塩の一部として提供される。
【0081】
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、活性部分)は、例えば、参照組成物(例えば、L-ロイシン、L-イソロイシン及びL-バリン、NAC、クレアチン又はALCARを含むアミノ酸組成物)と比較して、例えば実施例1に記載されるように、例えばELISAなどの例えば抗体ベースの検出アッセイを使用して、例えば小膠細胞におけるIL-6のアッセイを使用して検出されるように、炎症(例えば、神経炎症)を少なくとも20%、30%又は35%減少させることができるか又は減少させる。
【0082】
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、活性部分)は、例えば、参照組成物(例えば、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン及びNAC、L-ロイシン、L-イソロイシン及びL-バリン、NAC、クレアチン又はALCARを含むアミノ酸組成物)と比較して、例えば実施例1に記載されるように、例えばELISAなどの例えば抗体ベースの検出アッセイを使用して、例えば小膠細胞におけるTNFαのアッセイを使用して検出されるように、炎症(例えば、神経炎症)を少なくとも10%、25%、30%、40%又は50%減少させることができるか又は減少させる。
【0083】
本開示は、アミノ酸がロイシン、イソロイシン、バリン及びN-アセチルシステインを含む遊離アミノ酸を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、ロイシン、イソロイシン及びバリンは、約1:1:1又は約15:6:18の重量比で組成物中に存在する。特定の実施形態では、ロイシン、イソロイシン、バリン及びN-アセチルシステインは、約15:6:18:6又は約15:6:18:8の重量比で存在する。
【0084】
いくつかの実施形態では、組成物は、クレアチン又はL-カルニチンをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、クレアチン及びL-カルニチンをさらに含む。いくつかの実施形態では、L-カルニチンは、アセチルL-カルニチンである。
【0085】
一実施形態では、組成物は、ロイシン、イソロイシン、バリン、N-アセチルシステイン、L-カルニチンと、1つ又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とからなる。一実施形態では、組成物は、ロイシン、イソロイシン、バリン、N-アセチルシステイン、クレアチンと、1つ又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とからなる。一実施形態では、組成物は、ロイシン、イソロイシン、バリン、N-アセチルシステイン、クレアチン、L-カルニチンと、1つ又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とからなる。
【0086】
いくつかの実施形態では、組成物は、L-アルギニン、L-グルタミン、グリシン又はL-セリンの1つ、2つ、3つ又は4つをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、ronopterin(VAS203)などの誘導性酸化窒素シンターゼ(iNOS)阻害剤をさらに含む。
【0087】
i.量
例示的組成物(例えば、活性部分)は、1.67gのロイシン又は均等量のロイシンアミノ酸実体、1.67gのイソロイシン又は均等量のイソロイシンアミノ酸実体、1.67gのバリン又は均等量のバリンアミノ酸実体、0.5gのNAC又は均等量のNAC実体及び0.21gのALCAR又は均等量のALCAR実体を含み得る(例えば、表2のg/スティックパックを参照されたい)。
【0088】
【0089】
いくつかの実施形態では、組成物は、1.67g+/-20%のロイシン又は均等量のロイシンアミノ酸実体、1.67g+/-20%のイソロイシン又は均等量のイソロイシンアミノ酸実体、1.67g+/-20%のバリン又は均等量のバリンアミノ酸実体、0.5g+/-20%のNAC又は均等量のNAC実体及び0.21g+/-20%のALCAR又は均等量のALCAR実体を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、組成物は、1.67g+/-15%のロイシン又は均等量のロイシンアミノ酸実体、1.67g+/-15%のイソロイシン又は均等量のイソロイシンアミノ酸実体、1.67g+/-15%のバリン又は均等量のバリンアミノ酸実体、0.5g+/-15%のNAC又は均等量のNAC実体及び0.21g+/-15%のALCAR又は均等量のALCAR実体を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、組成物は、1.67g+/-10%のロイシン又は均等量のロイシンアミノ酸実体、1.67g+/-10%のイソロイシン又は均等量のイソロイシンアミノ酸実体、1.67g+/-10%のバリン又は均等量のバリンアミノ酸実体、0.5g+/-10%のNAC又は均等量のNAC実体及び0.21g+/-10%のALCAR又は均等量のALCAR実体を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、組成物は、1.67g+/-5%のロイシン又は均等量のロイシンアミノ酸実体、1.67g+/-5%のイソロイシン又は均等量のイソロイシンアミノ酸実体、1.67g+/-5%のバリン又は均等量のバリンアミノ酸実体、0.5g+/-5%のNAC又は均等量のNAC実体及び0.21g+/-15%のALCAR又は均等量のALCAR実体を含む。
【0093】
例示的組成物(例えば、活性部分)は、1.25gのロイシン又は均等量のロイシンアミノ酸実体、1.25gのイソロイシン又は均等量のイソロイシンアミノ酸実体、1.25gのバリン又は均等量のバリンアミノ酸実体、0.38gのNAC又は均等量のNAC実体、0.15gのALCAR又は均等量のALCAR実体及び2.5gのクレアチン又は均等量のクレアチン実体を含み得る(例えば、表3のg/スティックパックを参照されたい)。
【0094】
【0095】
いくつかの実施形態では、組成物は、1.25g+/-20%のロイシン又は均等量のロイシンアミノ酸実体、1.25g+/-20%のイソロイシン又は均等量のイソロイシンアミノ酸実体、1.25g+/-20%のバリン又は均等量のバリンアミノ酸実体、0.38g+/-20%のNAC又は均等量のNAC実体、0.15g+/-20%のALCAR又は均等量のALCAR実体及び2.5g+/-20%のクレアチン又は均等量のクレアチン実体を含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、組成物は、1.25g+/-15%のロイシン又は均等量のロイシンアミノ酸実体、1.25g+/-15%のイソロイシン又は均等量のイソロイシンアミノ酸実体、1.25g+/-15%のバリン又は均等量のバリンアミノ酸実体、0.38g+/-15%のNAC又は均等量のNAC実体、0.15g+/-15%のALCAR又は均等量のALCAR実体及び2.5g+/-15%のクレアチン又は均等量のクレアチン実体を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、組成物は、1.25g+/-10%のロイシン又は均等量のロイシンアミノ酸実体、1.25g+/-10%のイソロイシン又は均等量のイソロイシンアミノ酸実体、1.25g+/-10%のバリン又は均等量のバリンアミノ酸実体、0.38g+/-10%のNAC又は均等量のNAC実体、0.15g+/-10%のALCAR又は均等量のALCAR実体及び2.5g+/-10%のクレアチン又は均等量のクレアチン実体を含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、組成物は、1.25g+/-5%のロイシン又は均等量のロイシンアミノ酸実体、1.25g+/-5%のイソロイシン又は均等量のイソロイシンアミノ酸実体、1.25g+/-5%のバリン又は均等量のバリンアミノ酸実体、0.38g+/-5%のNAC又は均等量のNAC実体、0.15g+/-5%のALCAR又は均等量のALCAR実体及び2.5g+/-5%のクレアチン又は均等量のクレアチン実体を含む。
【0099】
ii.比
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のBCAA実体:NAC実体:ALCAR実体の重量比は、10+/-20%:3+/-20%:1.2+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のBCAA実体:NAC実体:ALCAR実体の重量比は、10+/-15%:3+/-15%:1.2+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のBCAA実体:NAC実体:ALCAR実体の重量比は、10+/-10%:3+/-10%:1.2+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のBCAA実体:NAC実体:ALCAR実体の重量比は、10+/-5%:3+/-5%:1.2+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0100】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のBCAA実体:NAC実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-20%:3+/-20%:20+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のBCAA実体:NAC実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-15%:3+/-15%:20+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のBCAA実体:NAC実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-10%:3+/-10%:20+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のBCAA実体:NAC実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-5%:3+/-5%:20+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0101】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体の重量比は、10+/-20%:10+/-20%:10+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体の重量比は、10+/-15%:10+/-15%:10+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体の重量比は、10+/-10%:10+/-10%:10+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体の重量比は、10+/-5%:10+/-5%:10+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0102】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体の重量比は、15+/-20%:6+/-20%:18+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体の重量比は、15+/-15%:6+/-15%:18+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体の重量比は、15+/-10%:6+/-10%:18+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体の重量比は、15+/-5%:6+/-5%:18+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0103】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、10+/-20%:10+/-20%:10+/-20%:3+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、10+/-15%:10+/-15%:10+/-15%:3+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、10+/-10%:10+/-10%:10+/-10%:3+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、10+/-5%:10+/-5%:10+/-5%:3+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0104】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、10+/-20%:10+/-20%:10+/-20%:4+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、10+/-15%:10+/-15%:10+/-15%:4+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、10+/-10%:10+/-10%:10+/-10%:4+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、10+/-5%:10+/-5%:10+/-5%:4+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0105】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、15+/-20%:6+/-20%:18+/-20%:6+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、15+/-15%:6+/-15%:18+/-15%:6+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、15+/-10%:6+/-10%:18+/-10%:6+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、15+/-5%:6+/-5%:18+/-5%:6+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0106】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、15+/-20%:6+/-20%:18+/-20%:8+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、15+/-15%:6+/-15%:18+/-15%:8+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、15+/-10%:6+/-10%:18+/-10%:8+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体の重量比は、15+/-5%:6+/-5%:18+/-5%:8+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0107】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体の重量比は、10+/-20%:10+/-20%:10+/-20%:3+/-20%:1.2+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体の重量比は、10+/-15%:10+/-15%:10+/-15%:3+/-15%:1.2+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体の重量比は、10+/-10%:10+/-10%:10+/-10%:3+/-10%:1.2+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体の重量比は、10+/-5%:10+/-5%:10+/-5%:3+/-5%:1.2+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0108】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-20%:10+/-20%:10+/-20%:3+/-20%:20+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-15%:10+/-15%:10+/-15%:3+/-15%:20+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-10%:10+/-10%:10+/-10%:3+/-10%:20+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-5%:10+/-5%:10+/-5%:3+/-5%:20+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0109】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-20%:10+/-20%:10+/-20%:3+/-20%:1.2+/-20%:20+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-15%:10+/-15%:10+/-15%:3+/-15%:1.2+/-15%:20+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-20%:10+/-10%:10+/-10%:3+/-10%:1.2+/-10%:20+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-5%:10+/-5%:10+/-5%:3+/-5%:1.2+/-5%:20+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0110】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-20%:10+/-20%:10+/-20%:4+/-20%:1.2+/-20%:20+/-20%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-15%:10+/-15%:10+/-15%:4+/-15%:1.2+/-15%:20+/-15%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-10%:10+/-10%:10+/-10%:4+/-10%:1.2+/-10%:20+/-10%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR実体:クレアチン実体の重量比は、10+/-5%:10+/-5%:10+/-5%:4+/-5%:1.2+/-5%:20+/-5%であり、比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される。
【0111】
iii.アミノ酸実体の関係性
いくつかの実施形態では、BCAA実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ(例えば、ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体又はバリンアミノ酸実体の1つ、2つ又は3つ)の重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の総重量の少なくとも50重量%であり、例えば、BCAA実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせの重量%は、例えば、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の総重量の少なくとも55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%又はそれを超えるが、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の総重量の95重量%以下である。
【0112】
いくつかの実施形態では、BCAA実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ(例えば、ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体又はバリンアミノ酸実体の1つ、2つ又は3つ)、NAC実体及びクレアチン実体の組み合わせの重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%又はそれを超える。
【0113】
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、乾燥形態における)中のBCAA実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ(例えば、ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体又はバリンアミノ酸実体の1つ、2つ又は3つ)の重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中のALCAR実体又はNAC実体の一方又は両方の重量%を超え、例えば、組成物(例えば、乾燥形態における)中のBCAA実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせの重量%は、ALCAR実体又はNAC実体の一方又は両方の重量%を少なくとも40%超え、例えば、組成物(例えば、乾燥形態における)中のBCAA実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせの重量%は、ALCAR実体又はNAC実体の一方又は両方の重量%を少なくとも50%、60%又は70%超える。
【0114】
いくつかの実施形態では、ロイシンアミノ酸実体又はイソロイシンアミノ酸実体の一方又は両方の重量%は、組成物中のバリンアミノ酸実体の重量%に等しい。
【0115】
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、乾燥形態における)中のNAC実体の重量%は、ALCAR実体の重量%を超え、例えば、組成物(例えば、乾燥形態における)中のNAC実体の重量%は、ALCAR実体の重量%を少なくとも25%超え、例えば、NAC実体の重量%は、ALCAR実体の重量%を少なくとも35%、40%又は50%超える。
【0116】
いくつかの実施形態では、NAC実体及びALCAR実体の組み合わせの重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の少なくとも5重量%であり、例えば、NAC実体及びALCAR実体の組み合わせの重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の少なくとも6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、12重量%又はそれを超えるが、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の30重量%以下である。
【0117】
いくつかの実施形態では、クレアチン実体は、組成物(例えば、乾燥形態における)中の任意の他のアミノ酸実体又は非タンパク質成分よりも高い重量%で存在する。いくつかの実施形態では、クレアチン実体の重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の少なくとも15重量%であり、例えば、クレアチン実体の重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の少なくとも20重量%、25重量%、30重量%、35重量%又はそれを超えるが、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の60重量%以下である。
【0118】
いくつかの実施形態では、CR又はその塩或いはCRを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩は、組成物(乾燥形態における)中の任意の他のアミノ酸実体又は非タンパク質成分よりも高い重量%で存在する。いくつかの実施形態では、CR又はその塩或いはCRを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩の重量%は、組成物中(例えば、乾燥形態における)のアミノ酸実体又は全成分の少なくとも15重量%であり、例えば、CR又はその塩或いはCRを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩の重量%は、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の少なくとも20重量%、25重量%、30重量%、35重量%又はそれを超えるが、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の60重量%以下である。
【0119】
いくつかの実施形態では、CRは、組成物(乾燥形態における)中の任意の他のアミノ酸実体又は非タンパク質成分よりも高い重量%で存在する。いくつかの実施形態では、CRの重量%は、組成物(乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の少なくとも15重量%であり、例えば、CRの重量%は、組成物(乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の少なくとも20重量%、25重量%、30重量%、35重量%又はそれを超えるが、組成物(乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の60重量%以下である。
【0120】
iv.組成から除外又は制限される分子
いくつかの実施形態では、組成物は、卵白タンパク質、乳タンパク質、大豆タンパク質、カゼイン、カゼイネート、麻タンパク質、エンドウ豆タンパク質、小麦タンパク質、オート麦タンパク質、スピルリナ、マイクロタンパク質、レンズマメタンパク質、キノアタンパク質、レンズマメタンパク質、牛肉タンパク質又は玄米タンパク質の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15又はそれを超えるもの(例えば全て)から選択又は誘導される、20アミノ酸残基を超える長さのペプチド(例えば、タンパク質補給剤)を含まないか、又はペプチドが存在する場合、ペプチドは、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の総重量の10重量(wt.)%、5重量%、1重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%未満で存在する。
【0121】
いくつかの実施形態では、組成物は、3~19、3~18、3~17、3~16、3~15又は3~10の異なるアミノ酸実体の組み合わせを含み、例えば、組み合わせは、組成物(乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の総重量%の少なくとも42重量%、75重量%又は90重量%を含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、ジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩は、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の総重量の10重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分の総グラム数は、少なくとも50%、60%、70%又はそれを超えるものは、(a)~(c)の1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つのアミノ酸実体又は(a)~(d)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくは6つのアミノ酸実体に由来する。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、乾燥形態における)中のアミノ酸実体又は全成分からのカロリーの少なくとも50%、60%、70%又はそれを超えるものは、(a)~(c)の1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つのアミノ酸実体又は(a)~(d)1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくは6つのアミノ酸実体に由来する。
【0123】
いくつかの実施形態では、リジンは、存在しないか、又は存在する場合、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。いくつかの実施形態では、トリメチルリジンは、存在しないか、又は存在する場合、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。いくつかの実施形態では、カルニチンは、存在しないか、又は存在する場合、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0124】
いくつかの実施形態では、クレアチン実体は、L-アルギニン又はグリシンの一方又は両方を含まない。いくつかの実施形態では、アルギニンは、存在しないか、又は存在する場合、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。いくつかの実施形態では、グリシンは、存在しないか、又は存在する場合、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0125】
いくつかの実施形態では、ALCAR実体は、リジン、トリメチルリジン又はカルニチンの1つ、2つ又は3つを含まない。いくつかの実施形態では、ALCAR実体は、リジンを含まないか、又はリジンが存在する場合、リジンは、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。いくつかの実施形態では、ALCAR実体は、カルニチンを含まないか、又はカルニチンが存在する場合、カルニチンは、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。いくつかの実施形態では、ALCAR実体は、トリメチルリジンを含まないか、又はトリメチルリジンが存在する場合、トリメチルリジンは、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0126】
いくつかの実施形態では、NAC実体は、システイン、メチオニン、セリン又はシスチンの1つ、2つ、3つ又は4つを含まない。いくつかの実施形態では、NAC実体は、システインを含まないか、又はシステインが存在する場合、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。いくつかの実施形態では、NAC実体は、メチオニンを含まないか、又はメチオニンが存在する場合、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。いくつかの実施形態では、NAC実体は、セリンを含まないか、又はセリンが存在する場合、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。いくつかの実施形態では、NAC実体は、シスチンを含まないか、又はシスチンが存在する場合、組成物(例えば、乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0127】
いくつかの実施形態では、炭水化物(例えば、デキストロース、マルトデキストロース、スクロース、デキストリン、デキストラン、オリゴ糖、多糖類、アミロペクチン、イヌリン、フルクトース、ガラクトース、グルコース、グリコーゲン、高果糖コーンシロップ、蜂蜜、イノシトール、転化糖、乳糖、左旋糖、マルトース、糖蜜、サトウキビ、キシロース、リボース、Nutriose、イソマルツロース又はキャンディの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26又は27)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0128】
いくつかの実施形態では、ビタミン(例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、ビタミンB12、ビタミンC又はビタミンDの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又は7つ)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0129】
いくつかの実施形態では、硝酸塩又は亜硝酸塩の一方又は両方は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0130】
いくつかの実施形態では、オルニチンは、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0131】
いくつかの実施形態では、モリブデンは、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0132】
いくつかの実施形態では、ゼラチン(例えば、ゼラチンカプセル)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。いくつかの実施形態では、安定同位体(例えば、同位体標識C、H、O又はNの1つ、2つ、3つ又は4つ)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0133】
いくつかの実施形態では、プロバイオティック(例えば、バチルス属(Bacillus)プロバイオティック)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0134】
いくつかの実施形態では、プロテアーゼ(例えば、パパイン又はブロメラインの一方又は両方)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0135】
いくつかの実施形態では、α-リポ酸(ALA)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0136】
いくつかの実施形態では、インスリン模倣化合物(例えば、シナモン、バナジウム(例えば、ビス(ピコリネート)オキソバナジウム又はビス(グリシネート)オキソバナジウム)、バナバ植物抽出物又はコロゾール酸の1つ、2つ、3つ又は4つ)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0137】
いくつかの実施形態では、抗細菌剤(例えば、アラニン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノレブリン酸又はγ-アミノ吉草酸の1つ、2つ、3つ又は4つ)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0138】
いくつかの実施形態では、ポリマー(例えば、シアノアクリレートポリマー)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0139】
いくつかの実施形態では、ニコチンアミドリボシドは、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0140】
いくつかの実施形態では、キノン(例えば、ピロロキノリンキノン)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0141】
いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリン又はホスファチジルコリンの一方又は両方は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0142】
いくつかの実施形態では、タウリンは、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0143】
いくつかの実施形態では、ケルセチン、アスタキサンチン、没食子酸エピガロカテキン、メラトニン、イチョウエキス又はクルクミンの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つは、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0144】
いくつかの実施形態では、2,4-ジスルホニルα-フェニル三級ブチルニトロンは、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0145】
いくつかの実施形態では、S-(N、N-ジエチルカルバモイル)グルタチオン(カルバマチオン)、エブセレン、グルタチオンモノエチルエステル又はSzeto-Schillerペプチドの1つ、2つ、3つ又は4つは、組成物に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0146】
いくつかの実施形態では、α-トコフェロール又はS-アデノシルメチオニン(SAM)の一方又は両方は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0147】
いくつかの実施形態では、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン又はチロシンの1つ、2つ、3つ、4つ又は5つは、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。理論によって制限されることを望まないが、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン又はチロシンの1つ、2つ、3つ、4つ又は5つは、血液脳関門におけるBCAA(ロイシン、イソロイシン又はバリンの1つ、2つ又は3つ)の輸送と干渉及び/又は競合し得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、アルカロイド(例えば、フペルジンA又はビンポセチンの一方又は両方)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0149】
いくつかの実施形態では、脂肪酸(例えば、オメガ3脂肪酸(例えば、EPA、DHA、STA、DPA又はALAの1つ、2つ、3つ、4つ又は5つ)、オメガ6脂肪酸(例えば、GLA、DGLA又はLAの1つ、2つ又は3つ)、中鎖トリグリセリド又は中鎖脂肪酸の1つ、2つ、3つ又は4つ)は、組成物中に存在しないか、又は存在する場合、例えば組成物(乾燥形態における)の総重量の10重量%、5重量%、1重量%、0.5重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.001重量%又はそれより少ないもの未満で存在する。
【0150】
治療方法
本開示は、神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善する方法であって、本明細書で開示される組成物(例えば、活性部分)の有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法を提供する。組成物は、対象(例えば、ヒト)における神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善するために、本明細書に記載の投薬計画に従って投与され得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、対象には、アルツハイマー病がない。いくつかの実施形態では、対象には、軽度認知機能障害(MCI)がない。
【0152】
本開示は、神経細胞損傷(例えば、外傷性脳損傷(TBI)又は脳卒中)を治療又は予防する方法であって、本明細書で開示される組成物(例えば、活性部分)の有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法を提供する。組成物は、対象(例えば、ヒト)における神経細胞損傷を治療するために、本明細書に記載の投与計画に従って投与され得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物(例えば、活性部分)は、対象(例えば、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)における神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善する薬剤として使用するためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は、対象における神経細胞損傷を治療する(例えば、逆転、低減、改善又は予防する)薬剤として使用するためのものである。
【0154】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物(例えば、活性部分)は、対象(例えば、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)における神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善する薬剤の製造において使用するためのものである。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、活性部分)は、対象における神経細胞損傷を治療する(例えば、逆転、低減、改善又は予防する)ための薬剤の製造において使用するためのものである。
【0155】
いくつかの実施形態では、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)を有する対象は、本明細書に記載の組成物による前治療を受けていない(例えば、ナイーブ対象)。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、mTBIなどのTBIと診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、虚血性脳卒中などの脳卒中と診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0156】
いくつかの実施形態では、対象は、TBIのリスクがあるか又はTBIを有する。いくつかの実施形態では、対象は、軽度のTBIのリスクがあるか又は軽度のTBIを有する。いくつかの実施形態では、対象は、慢性外傷性脳症のリスクがあるか又は慢性外傷性脳症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、スポーツ関連損傷のリスクがあるか又はスポーツ関連損傷を有する。いくつかの実施形態では、対象は、スポーツ関連事件又は軽度の鈍的外傷の一方又は両方によって引き起こされるmTBIのリスクがあるか又はmTBIを有する。
【0157】
いくつかの実施形態では、対象は、脳卒中のリスクがあるか又は脳卒中を有する。いくつかの実施形態では、対象は、虚血性脳卒中のリスクがあるか又は虚血性脳卒中を有する。いくつかの実施形態では、対象は、急性虚血性脳卒中のリスクがあるか又は急性虚血性脳卒中を有する。いくつかの実施形態では、対象は、出血性脳卒中のリスクがあるか又は出血性脳卒中を有する。いくつかの実施形態では、対象は、脳内出血若しくはクモ膜下出血のリスクがあるか又は脳内出血若しくはクモ膜下出血を有する。いくつかの実施形態では、対象は、急性中大脳動脈(MCA)虚血性脳卒中に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、一過性虚血性発作を有する。一過性虚血事象は、急性梗塞(例えば、組織死)を伴わない、(例えば、脳内、脊髄内又は網膜内の)血流の喪失によって引き起こされる神経機能不全の一過性(例、短命)エピソードを一般に指す。
【0158】
いくつかの実施形態では、対象は、初回脳卒中を有する(例えば、対象には以前の脳卒中の病歴がない)。いくつかの実施形態では、対象は、以前の脳卒中を有した(例えば、対象は、1、2、3、4回又はそれを超える以前の脳卒中事象を有した)。いくつかの実施形態では、対象は、組成物の投与前に例えば神経細胞損傷の身体的、精神的健康、神経細胞又は生理学的症状などの神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)の症状を示す。
【0159】
いくつかの実施形態では、対象は、認知障害、目眩、難聴、頭痛(例えば、頻繁な頭痛)、意識喪失、記憶喪失、錯乱、睡眠障害、悪心、低下したバランス、疲労、傾眠状態、かすみ目、耳鳴り、光感受性、音感受性、低下した集中力、気分のむら又は増加した不安(例えば、TBIのない健常対象と比較して)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18又はそれを超えるもの(例えば、全て)から選択されるTBIの精神的健康又は身体症状を示す。
【0160】
いくつかの実施形態では、対象は、しびれ、低下したバランス、記憶喪失、顔面脱力、眼瞼下垂、麻痺(例えば、片麻痺)、低下した知覚性感覚、低下した反射、舌脱力、不随意眼球運動、視野欠損、失語症、増加した錯乱、眩暈症、低下した発話能力(例えば、失行症)、低下した歩行能力又は低下した運動協調性(例えば、脳卒中のない健常対象と比較して)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16又はそれを超えるもの(例えば、全て)から選択される脳卒中(例えば、虚血性脳卒中)の精神又は身体症状を示す。
【0161】
いくつかの実施形態では、対象は、血栓活性化、脳低灌流、低酸素症、嫌気性解糖、ATP枯渇、Na/K ATPアーゼの機能不全若しくは脱分極の一方若しくは両方、興奮毒性、NMDA-AMPA受容体活性化、ミトコンドリア損傷、アポトーシス、カルシウム流入の増加、フリーラジカルの増加又は酸化的ストレスの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12又はそれを超えるもの(例えば、全て)から選択される脳卒中の生理学的症状を示す。
【0162】
いくつかの実施形態では、方法は、組成物の投与前に、例えば神経細胞損傷の身体的、精神的健康、神経細胞又は生理学的症状など、本明細書に記載の神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)の1つ又は複数の症状の改善について対象をモニターするステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物の投与(例えば、本明細書に記載の投与計画における)は、本明細書に記載の神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)の1つ又は複数の症状の改善をもたらす。
【0163】
いくつかの実施形態では、組成物の投与(例えば、本明細書に記載の投薬計画における)は、認知障害、目眩、難聴、頭痛(例えば、頻繁な頭痛)、意識喪失、記憶喪失、錯乱、睡眠障害、悪心、低下したバランス、疲労、傾眠状態、かすみ目、耳鳴り、光感受性、音感受性、低下した集中力、気分のむら又は増加した不安(例えば、組成物の投与前の対象と比較して)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18又はそれを超えるもの(例えば、全て)から選択されるTBIの精神的健康又は身体症状に改善をもたらす。
【0164】
いくつかの実施形態では、組成物の投与(例えば、本明細書に記載の投薬計画における)は、しびれ、低下したバランス、記憶喪失、顔面脱力、眼瞼下垂、麻痺(例えば、片麻痺)、低下した知覚性感覚、低下した反射、舌脱力、不随意眼球運動、視野欠損、失語症、増加した錯乱、眩暈症、低下した発話能力(例えば、失行症)、低下した歩行能力又は低下した運動協調性(例えば、脳卒中のない健常対象と比較して)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16又はそれを超えるもの(例えば、全て)から選択される脳卒中(例えば、虚血性脳卒中)の精神的健康又は身体症状に改善をもたらす。
【0165】
いくつかの実施形態では、組成物の投与(例えば、本明細書に記載の投薬計画における)は、運動麻痺(例えば、片側性運動麻痺、例えば片側性顔面下垂)、しびれ(例えば、片側性しびれ)、完全麻痺(例えば、片側性完全麻痺)、複視、一過性黒内障、眩暈症、低下したバランス、失明、頭痛又は発語困難の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又はそれを超えるもの(例えば、全て)から選択される一過性虚血性発作の精神的健康又は身体症状に改善をもたらす。
【0166】
いくつかの実施形態では、組成物の投与(例えば、本明細書に記載の投薬計画における)は、血栓活性化、脳低灌流、低酸素症、嫌気性解糖、ATP枯渇、Na/K ATPアーゼの機能不全若しくは脱分極の一方若しくは両方、興奮毒性、NMDA-AMPA受容体活性化、ミトコンドリア損傷、アポトーシス、カルシウム流入の増加、フリーラジカルの増加又は酸化的ストレスの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12又はそれを超えるもの(例えば、全て)から選択される脳卒中の生理学的症状に改善をもたらす。
【0167】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される態様又は実施形態のいずれかの組成物(例えば、活性部分)の有効量を、それを必要とする対象に投与し、それによって(a)~(j)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又は全てを改善するステップを含む、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)を有する対象への組成物の投与(例えば、本明細書に記載の投薬計画における)は、a)TCAサイクル補充反応又はATP産生の増加、b)ミトコンドリアのカルシウム流入の減少、c)フリーラジカル又は反応性酸化種(ROS)の減少、d)例えば、異常な小膠細胞又は星状細胞の一方又は両方の活性化からの炎症誘発性サイトカインの減少、e)炎症誘発性シグナル(例えば、M1小膠細胞表現型からM2小膠細胞表現型への)に対する小膠細胞の応答の減少、f)神経シグナル伝達(例えば、海馬シグナル伝達)の増加、g)炎症(例えば、脳組織の炎症)の減少、h)イオン流束の増加、i)ミトコンドリア機能の増加、又はj)シナプス機能不全の減少の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又は全てをもたらす。
【0168】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物の投与は、TBI(例えば、軽度のTBI若しくは重症型のTBI)又は脳卒中を有する対象における回復の増強をもたらす。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、TBI(例えば、軽度のTBI若しくは重症型のTBI)又は脳卒中を有する対象の生存率の改善をもたらす。
【0169】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物の投与は、例えば、炎症を減少させることにより、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)の症状を改善する。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、GSH合成又はOS補集の一方又は両方を増加させ、それによってTBIを有する患者における炎症を減少させる。
【0170】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物(例えば、活性部分)の投与は、例えば、スポーツ関連活動中又はその後の対象における神経保護効果を有する。
【0171】
いくつかの実施形態では、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)の発症時刻は、例えば、本明細書に記載の神経細胞損傷の1つ又は複数の症状に関する質問により、医療専門家によって判定される。いくつかの実施形態では、脳イメージング(例えば、MRI)を使用して、対象の神経損傷(例えば、TBI又は脳卒中)の発症時刻又は持続時間の一方又は両方が判定される。いくつかの実施形態では、組成物は、神経細胞損傷後、例えば神経細胞損傷の発症時刻の30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、12時間、16時間、18時間、20時間、24時間、48時間又は72時間以内に投与される。
【0172】
本明細書に記載の組成物は、頭部外傷(例えば、脳震盪)前又は後に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、頭部外傷前、例えば頭部外傷(例えば、脳震盪)の30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、12時間、16時間、18時間、20時間、24時間、48時間又は72時間前に投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、頭部外傷後、例えば頭部外傷(例えば、脳震盪)後の30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、12時間、16時間、18時間、20時間、24時間、48時間又は72時間以内に投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、頭部外傷(例えば、脳震盪)前及び後の両方で投与される。
【0173】
いくつかの実施形態では、BCAAのレベル(例えば、血漿中のレベル)は、本明細書に記載の組成物による治療前に、例えば神経損傷のない健常対象と比較して、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)を有する対象において低下する。いくつかの実施形態では、バリン、ロイシン又はイソロイシンの1つ、2つ又は3つのレベル(例えば、血漿レベル)は、組成物による治療前に、神経細胞損傷を有する対象において低下する。一実施形態では、バリンのレベルは、組成物による治療前に、神経細胞損傷を有する対象において低下し、例えば、バリンのレベルの低下は、神経細胞損傷(例えば、TBI)を有する対象の死亡率に関連する。
【0174】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物の投与は、神経細胞損傷(例えば、TBI、例えばmTBI又は脳卒中)を有する対象におけるアミノ酸のプロファイルを均衡させ得る。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、例えば、組成物で治療する前の対象と比較して、神経細胞損傷を有する対象におけるバリン、ロイシン又はイソロイシンの1つ、2つ又はそれを超えるもの(例えば、全て)のレベル(例えば、血漿レベル)を増加させる。一実施形態では、組成物の投与は、例えば、組成物で治療する前の対象と比較して、神経細胞損傷(例えば、TBI)を有する対象におけるバリンのレベル(例えば、血漿レベル)を増加させる。
【0175】
いくつかの実施形態では、方法は、例えば、本明細書に記載の組成物の投与前又は後、神経細胞損傷を有する対象のSelf-Assessment of Cognition(SAC)、Sport Concussion Assessment Tool 5th Edition(SCAT5)アセスメント、Disability Rating Scale(DRS)又はBalance Error Scoring System(BESS)アセスメントの1つ、2つ、3つ又は4つを実施するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、対象のSAC、SCAT5、DRS又はBESSスコアの1つ、2つ、3つ又は4つの改善をもたらす。
【0176】
いくつかの実施形態では、方法は、Disability Rating Scale(DRS)を実施して、TBIを有する対象における改善を評価するステップをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、アミノ酸実体を含む組成物の投与は、患者のDRSスコアの低下をもたらす。DRSは、その全体が本明細書に参照により援用されるNeese et al.,Brain Inj.2000 Aug;14(8):719-24で説明されている。
【0177】
いくつかの実施形態では、方法は、Self-Assessment of Cognition(SAC)を実施して、TBIを有する対象における改善を評価するステップをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、アミノ酸実体を含む組成物の投与は、患者のSACスコアの増加をもたらす。SACは、その全体が本明細書に参照により援用されるNeese et al.,Brain Inj.2000 Aug;14(8):719-24で説明されている。
【0178】
いくつかの実施形態では、方法は、Balance Error Scoring System(BESS)を実施して、TBIを有する対象における改善を評価するステップをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、アミノ酸実体を含む組成物の投与は、患者のBESSスコアの低下をもたらす。BESSは、その全体が本明細書に参照により援用されるBell et al.,Sports Health.2011 May;3(3):287-295で説明されている。
【0179】
投薬計画
組成物(例えば、活性部分)は、例えば、それを必要とする対象(例えば、ヒト)における神経細胞損傷(例えば、外傷性脳損傷(TBI)又は脳卒中)を治療又は予防するなど、対象における神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善するために、本明細書に記載の投薬計画に従って投与され得る。
【0180】
いくつかの実施形態では、組成物は、単回又は複数回投薬計画のいずれかにおいて、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)を有する対象に提供され得る。いくつかの実施形態では、用量は、毎日2回、毎日3回、毎日4回、毎日5回、毎日6回、毎日7回又はそれを超えて投与される。特定の実施形態では、組成物は、毎日1、2又は3回投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間又は2週間にわたり投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、慢性的に投与される(例えば、31日間、40日間、50日間、60日間、3ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間、1年間、2年間又は3年間など、30日間を超えて)。
【0181】
組成物は、対象(例えば、TBI又は脳卒中などの神経細胞損傷を有する対象)における神経機能又は認知機能の一方又は両方に対して、2時間毎、3時間毎、4時間毎、5時間毎、6時間毎、7時間毎、8時間毎、9時間毎又は10時間毎に投与され得る。
【0182】
いくつかの実施形態では、組成物は、食事(例えば、朝食、昼食又は夕食)前に投与される。他の実施形態では、組成物は、食事(例えば、朝食、昼食又は夕食)と並行して投与される。他の実施形態では、組成物は、食事(例えば、朝食、昼食又は夕食)後に投与される。特定の実施形態では、組成物は、朝食及び夕食後に投与される。
【0183】
いくつかの実施形態では、組成物は、3本のスティックパックを構成し、例えば、各スティックパックは、本明細書に記載の組成物に含まれる各アミノ酸実体の分量の33.3%+/-15%を含む。特定の実施形態では、3本のスティックパックが毎日2回投与される。
【0184】
いくつかの実施形態では、組成物は、4本のスティックパックを構成し、例えば、各スティックパックは、本明細書に記載の組成物に含まれる各アミノ酸実体の分量の25%+/-15%を含む。特定の実施形態では、4本のスティックパックが毎日2回投与される。
【0185】
いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、1日当たり1用量、1日当たり2用量、1日当たり3用量、1日当たり4用量、1日当たり5用量、1日当たり6用量、1日当たり7用量、1日当たり8用量、1日当たり9用量又は1日当たり10用量(例えば、1日当たり1用量又は2用量)において、毎日15g+/-20%~100g+/-20%の総アミノ酸実体など、毎日、5グラム(g)+/-20%~150g+/-20%の総アミノ酸実体の用量で投与される。
【0186】
いくつかの実施形態では、組成物は、毎日、15g+/-20%~100g+/-20%の総アミノ酸実体の用量で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、毎日、20g+/-20%、25g+/-20%、30g+/-20%、33g+/-20%、34g+/-20%、35g+/-20%、40g+/-20%、45g+/-20%、50g+/-20%、53g+/-20%、54g+/-20%、55g+/-20%、60g+/-20%、65g+/-20%、70g+/-20%、75g+/-20%、80g+/-20%又は85g+/-20%の総アミノ酸実体の用量で投与される。
【0187】
いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、毎日1回、2回、毎日3回、毎日4回、毎日5回又は毎日6回(例えば、毎日2回)、総アミノ酸実体の2g+/-20%~60g+/-20%の用量で投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、毎日1回、毎日2回又は毎日3回(例えば、1日当たり2回)、2g+/-10%~10g+/-20%、10g+/-20%~20g+/-20%、20g+/-20%~40g+/-20%又は40g+/-20%~60g+/-20%の総アミノ酸実体の用量で投与される。特定の実施形態では、組成物は、例えば、毎日2回、17g+/-20%の総アミノ酸実体など、毎日2回、10g+/-20%~20g+/-20%の総アミノ酸実体の用量で投与される。特定の実施形態では、組成物は、例えば、毎日2回、27g+/-20%の総アミノ酸実体など、毎日2回、20g+/-20%~40g+/-20%の総アミノ酸実体の用量で投与される。
【0188】
いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、毎日2回、10g+/-20%、15g+/-20%、16+/-20%、17+/-20%、18+/-20%、19+/-20%、20g+/-20%、21g+/-20%、22g+/-20%、23g+/-20%、24g+/-20%、25g+/-20%、26g+/-20%、27g+/-20%、28g+/-20%、29g+/-20%、30g+/-20%、35g+/-20%、40g+/-20%、45g+/-20%又は50g+/-20%の用量で投与される。特定の実施形態では、組成物は、毎日2回、17g+/-20%の用量で投与される。特定の実施形態では、組成物は、毎日2回、27g+/-20%の用量で投与される。
【0189】
活性部分及び医薬組成物の製造
本開示は、前述の本発明の組成物(例えば、活性部分)を製造又は作製する方法を特徴とする。組成物を作製するために使用されるアミノ酸実体は、分散及び/又は可溶化を促進するために凝集化及び/又はインスタント化され得る。
【0190】
組成物は、以下の供給元又は他の供給元からのアミノ酸実体を使用して作製され得る。例えば、FUSI-BCAA(商標)インスタント化配合物(2:1:1の重量比のL-ロイシン、L-イソロイシン及びL-バリン)、インスタント化L-ロイシン及び他の酸は、味の素株式会社から入手され得る。医薬品等級アミノ酸実体原料は、医薬品アミノ酸実体製品の製造で使用され得る。食品(又は補給剤)等級のアミノ酸実体原料は、食餌アミノ酸実体製品の製造で使用され得る。
【0191】
本開示の組成物を製造するために、以下の一般的なステップが使用され得る:出発原料(個々のアミノ酸実体及び賦形剤)は、混和装置内で混合され得、配合物均一性及びアミノ酸実体含有量を検証するステップと、配合粉末をスティックパック又は他の単位用量剤形に充填するステップとがそれに続く。スティックパック又は他の単位投与量形態の内容物は、経口投与のための使用時に水に分散され得る。
【0192】
本発明の栄養補助食品及び医療栄養組成物は、経口投与に適した形態である。
【0193】
医薬品等級のアミノ酸実体及び/又は賦形剤などの原料を組成物に合わせる場合、組成物中に汚染物質が存在することもある。組成物が汚染物質を実質的に含まない(例えば、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.1、0.01又は0.001%(w/w)未満を含む)場合、組成物は、汚染レベルの基準を満たす。いくつかの実施形態では、本明細書の方法に記載の組成物は、汚染物質を含まない。汚染物質には、組成物中に意図的に存在しないあらゆる物質が含まれ(例えば、経口投与成分などの医薬品等級のアミノ酸実体及び賦形剤は、意図的に存在し得る)か、又は組成物の製品品質パラメータに悪影響(例えば、対象における副作用、効力の低下、安定性/貯蔵寿命の減少、変色、臭気、味の悪さ、食感/口当たりの悪さ又は組成物の成分の分離の増加)を与えるあらゆる物質が含まれる。いくつかの実施形態では、汚染物質として、微生物、内毒素、金属又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、例えば、組成物の各部分の金属、レシチン、コリン、エンドトキシン、微生物又は他の汚染物質(例えば、原材料からの汚染物質)による汚染のレベルは、食品で許容されるレベルを下回る。
【0194】
賦形剤
本開示のアミノ酸組成物は、1つ又は複数の賦形剤と共に配合又は調合され得る。適切な賦形剤の非限定的例としては、味物質、付香成分、緩衝剤、保存料、安定剤、結合剤、圧縮剤、潤滑剤、分散促進剤、崩壊剤、香味料、甘味料及び着色剤が挙げられる。
【0195】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、緩衝剤を含む。適切な緩衝剤の非限定的例としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸カルシウム及び炭酸水素カルシウムが挙げられる。
【0196】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、保存料を含む。適切な保存料の非限定的例としては、α-トコフェロール及びアスコルビン酸などの抗酸化剤と、パラベン、クロロブタノール及びフェノールなどの抗菌剤とが挙げられる。
【0197】
いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤として結合剤を含む。適切な結合剤の非限定的例としては、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキサゾリジン、ポリビニルアルコール、C12~C18脂肪酸アルコール、ポリエチレングリコール、ポリオール、糖類、オリゴ糖及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0198】
いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤として潤滑剤を含む。適切な潤滑剤の非限定的例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、水素化植物油、sterotex、ポリオキシエチレンモノステアレート、滑石、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム及び軽鉱油が挙げられる。
【0199】
いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤として分散促進剤を含む。適切な分散剤の非限定的例としては、デンプン、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、グアーガム、カオリン、キサンタンガム、ベントナイト、精製木材セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、イソ非晶質ケイ酸塩及び高HLB乳化剤界面活性剤としての微結晶セルロースが挙げられる。
【0200】
いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤として崩壊剤を含む。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、非発泡性崩壊剤である。適切な非発泡性崩壊剤の非限定的例としては、コーンスターチ、ジャガイモデンプン及びそれらのアルファ化及び修飾デンプンなどのデンプン、甘味料、ベントナイトなどの粘土、微結晶セルロース、アルギン酸塩、デンプングリコール酸ナトリウム、寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤ、ペシチン、トラガカントなどのガムが挙げられる。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、発泡性崩壊剤である。適切な発泡性崩壊剤の非限定的例としては、クエン酸と組み合わされた炭酸水素ナトリウム及び酒石酸と組み合わされた炭酸水素ナトリウムが挙げられる。
【0201】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、香味剤を含む。香味剤は、合成香油及び香味料、天然油、植物、葉、花及び果実からの抽出物及びそれらの組み合わせから選択され得る。いくつかの実施形態では、香味剤は、シナモン油、ウインターグリーン油、ペパーミント油、クローブ油、乾草油、アニス油、ユーカリノキ、バニラ、レモン油、オレンジ油、ブドウ及びグレープフルーツ油などの柑橘油及びリンゴ、モモ、ナシ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、セイヨウスモモ、パイナップル及びアプリコットなどのフルーツエッセンスから選択される。
【0202】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、甘味料を含む。適切な甘味料の非限定的例としては、グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース及びそれらの混合物(担体として使用されない場合)、サッカリン及びナトリウム塩などのその様々な塩、アスパルテームなどのジペプチド甘味料、ジヒドロカルコン化合物、グリシルリジン、アマハステビア(Stevia Rebaudiana)(ステビオシド)、スクラロースなどのスクロースのクロロ誘導体及びソルビトール、マンニトール、キシリトールなどの糖アルコールなどが挙げられる。水素化デンプン加水分解物及び合成甘味料3,6-ジヒドロ-6-メチル-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシド、特にそのカリウム塩(アセスルファム-K)、ナトリウム塩及びカルシウム塩も想定される。
【0203】
いくつかの実施形態では、組成物は、着色剤を含む。適切な着色剤の非限定的例としては、食品、薬品及び化粧品用色素(FD&C)、薬品及び化粧品用色素(D&C)並びに外用薬品及び化粧品用色素(Ext.D&C)が挙げられる。着色剤は、染料又はそれらの対応するレーキとして使用され得る。
【0204】
特定の賦形剤は、クエン酸、レシチン、(例えば、Alcolec F100)、甘味料(例えば、スクラロース、スクラロース微粉化NF、アセスルファムカリウム(例えば、Ace-K))、分散促進剤(例えば、キサンタンガム(例えば、Ticaxan Rapid-3))、香味剤(例えば、バニラカスタード#4306、天然オレンジWONF#1326、ライム865.0032U及びレモン862.2169U)、苦味マスキング剤(例えば、936.2160U)並びに天然又は人工着色料(例えば、FD&Cイエロー6号)の1つ又は複数を含み得る。各スティックパックの例示的な成分内容は、表4に示される。
【0205】
【0206】
別の実施形態では、賦形剤は、クエン酸、甘味料(例えば、スクラロース)、キサンタンガム、アロマ剤(例えば、バニラカスタード#4036)、香味剤(例えば、天然オレンジWONF#1362)及び着色剤(例えば、FD&Cイエロー6号)に限定され、例えば、賦形剤は、特にレシチンを除外する(表5)。
【0207】
【0208】
食餌組成物
アミノ酸実体を含む組成物(例えば、活性部分)は、例えば、医療食品、機能性食品又は補給剤から選択される食餌組成物として調合され使用され得る。このような実施形態では、原材料及び最終製品は、食品の基準を満たさなければならない。
【0209】
本明細書で開示される態様及び実施形態のいずれかの組成物は、例えば、医療食品、機能性食品又は補給剤から選択される食餌組成物として使用するためのものであり得る。いくつかの実施形態では、食餌組成物は、組成物を対象に投与するステップを含む方法で使用するためのものである。組成物は、対象における神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善する目的のため、食餌組成物中で使用され得る。
【0210】
いくつかの実施形態では、食餌組成物は、医療食品、機能性食品又は補給剤から選択される。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の組成物を含む栄養補給剤、食餌調合物、機能性食品、医療食品、食品又は飲料の形態である。いくつかの実施形態では、栄養補給剤、食餌調合物、機能性食品、医療食品、食品又は飲料は、対象における神経細胞損傷(例えば、外傷性脳損傷(TBI)又は脳卒中)の管理で使用するための本明細書に記載の組成物を含む。
【0211】
本開示は、a)TCAサイクル補充反応又はATP産生の減少、b)ミトコンドリアのカルシウム流入の増加、c)フリーラジカル又は反応性酸化種(ROS)の増加、d)例えば、異常な小膠細胞又は星状細胞の一方又は両方の活性化からの炎症誘発性サイトカインの増加、e)炎症誘発性シグナル(例えば、M1小膠細胞表現型からM2小膠細胞表現型への)に対する小膠細胞の応答の増加、f)神経シグナル伝達(例えば、海馬シグナル伝達)の減少、g)炎症(例えば、脳組織の炎症)の増加、h)イオン流束の減少、i)ミトコンドリア機能の低下、又はj)シナプス機能不全の減少の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又は全てを改善する方法であって、本明細書に記載の組成物(例えば、食餌組成物)の有効量を対象に投与するステップを含む方法を特徴とする。
【0212】
本開示は、経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)を有する対象に栄養のサポート又は補給を提供する方法であって、本明細書に記載の組成物(例えば、食餌組成物)の有効量を対象に投与するステップを含む方法を特徴とする。
【0213】
本開示は、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)の管理を促進する栄養のサポート又は補給を提供する方法であって、本明細書に記載の組成物(例えば、食餌組成物)の有効量を、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法を特徴とする。
【0214】
いくつかの実施形態では、対象は、TBIのリスクがあるか又はTBIを有する。いくつかの実施形態では、対象は、軽度のTBIのリスクがあるか又は軽度のTBIを有する。いくつかの実施形態では、対象は、慢性外傷性脳症のリスクがあるか又は慢性外傷性脳症を有する。いくつかの実施形態では、対象は、スポーツ関連損傷のリスクがあるか又はスポーツ関連損傷を有する。いくつかの実施形態では、対象は、スポーツ関連事件又は軽度の鈍的外傷の一方又は両方によって引き起こされるmTBIのリスクがあるか又はmTBIを有する。
【0215】
いくつかの実施形態では、対象は、脳卒中のリスクがあるか又は脳卒中を有する。いくつかの実施形態では、対象は、虚血性脳卒中のリスクがあるか又は虚血性脳卒中を有する。いくつかの実施形態では、対象は、急性虚血性脳卒中のリスクがあるか又は急性虚血性脳卒中を有する。いくつかの実施形態では、対象は、出血性脳卒中のリスクがあるか又は出血性脳卒中を有する。いくつかの実施形態では、対象は、脳内出血若しくはクモ膜下出血のリスクがあるか又は脳内出血若しくはクモ膜下出血を有する。いくつかの実施形態では、対象は、急性中大脳動脈(MCA)虚血性脳卒中に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、初回脳卒中を有する(例えば、対象には以前の脳卒中の病歴がない)。いくつかの実施形態では、対象は、以前の脳卒中を有した(例えば、対象は、1、2、3、4回又はそれを超える以前の脳卒中事象を有した)。
【0216】
組成物は、対象(例えば、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中))のない対象の食餌管理の方法で使用され得る。いくつかの実施形態では、対象には、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)がない。
【0217】
いくつかの実施形態では、対象は、スポーツ関連損傷のリスクがあるか又はスポーツ関連損傷を有する。
【0218】
バイオマーカー
本明細書で開示される方法のいずれも、本明細書に記載される本発明の組成物(例えば、活性部分)を、神経細胞損傷(例えば、外傷性脳損傷(TBI)又は脳卒中)を有する対象に投与する有効性を評価又はモニターすることを含み得る。方法は、値が治療の有効性を示すように、組成物に対する有効性の値を得ることを含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)を有する対象の治療における組成物の有効性の値は、a)グルタチオン(GSH)のレベル、b)ニューロフィラメントライト(NF-L)のレベル、c)リン酸化タウ(p-タウ)のレベル、d)総タウのレベル、e)ユビキチンC末端ヒドロラーゼ1(UCHL-1)のレベル、又はf)グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)のレベルの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれを超えるもの(例えば、全て)の測定値を含む。
【0220】
本明細書で開示される方法のいずれかのいくつかの実施形態では、a)~f)の1つ又は複数の測定値は、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)を有する対象から取得されたサンプルから得られる。いくつかの実施形態では、サンプルは、血液サンプル(例えば、血漿サンプル)又は組織サンプル(例えば、脳組織サンプル)から選択される。
【0221】
いくつかの実施形態では、a)~f)の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれを超えるもの(例えば、全て)のレベルは、神経細胞損傷(例えば、TBI又は脳卒中)を有する対象からの血液サンプル(例えば、血漿サンプル)で評価される。いくつかの実施形態では、対象は、スポーツ関連損傷を有する。
【0222】
いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の組成物を受ける前、受ける間又は受けた後に評価される。
【0223】
いくつかの実施形態では、アミノ酸実体を含む組成物の投与(例えば、本明細書に記載の投薬計画における)は、a)GSHのレベルの増加、b)NF-Lのレベルの低下、c)p-タウのレベルの低下、d)総タウのレベルの低下、e)UCHL-1のレベルの低下、又はf)GFAPのレベルの低下の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれを超えるもの(例えば、全て)をもたらす。
【実施例】
【0224】
以下の実施例は、本発明の理解を促進するために記載されているが、決してその範囲を限定することを意図されず、そのように解釈されるべきではない。
【0225】
実施例1.アミノ酸組成物で処理された小膠細胞のサイトカインレベル。
神経炎症及び小膠細胞の活性化は、外傷性脳損傷(TBI)後の修復及び回復の重要なメディエータである。しかし、最近の臨床データ及び検査データは、TBIが、場合により長年続く持続性の神経炎症及び小膠細胞活性化を引き起こし得、慢性の神経変性、認知症及び脳症をもたらし得ることを示している。重度のTBIを有する成人のTBIバイオマーカーの前向き研究では、IL-1β、IL-6、CXCL8、IL-10及び腫瘍壊死因子(TNFα)の血清レベルが慢性的に増加することが示されている。
【0226】
仔マウスを断頭し、頭蓋骨から脳を取り出し、皮質を解剖し、氷上でカルシウム及びマグネシウムを含まないハンクス平衡塩類溶液(CMF-HBSS)中に採取した。皮質は、チョップ溶液(CMF-HBSS)中で滅菌かみそりの刃で切り刻み、15ml滅菌プラスチック管内の2mlの消化液(CMF-HBSS中の0.25%トリプシン)中において水浴中37℃で20分間消化した。可能な限り多くの消化液(およそ1ml)を除去した後、3mlの停止液(FCS中の0.01%DNaseI及び0.5%トリプシンインヒビター)を添加して、消化を停止させた。皮質を先端熱加工パスツールピペットで10~15回摩砕し、300gで5分間遠心分離した。ペレットは、1匹当たり1mlの栄養培地(DMEM中の10%FCS、1%ペニシリン-ストレプトマイシン、2mMのL-グルタミン)に再懸濁した。細胞は、14mlの栄養培地を含有するポリ-D-リジンプレコートT75フラスコに播種した(1フラスコ当たり1匹)。培地を3~4日毎に交換し、小膠細胞を採取する前に細胞を37℃、湿度95%及び5%CO2で約14日間培養した。
【0227】
およそ14日間の培養後、T75フラスコを200rpm、37℃で2時間振盪することによって小膠細胞を収穫した。小膠細胞が剥離したことを確認する目視検査後、小膠細胞を含有する上清を50ml管に移し(1本のフラスコからの上清を1本の管に)、300gで10分間遠心分離した。ペレット化された小膠細胞を2mlの栄養培地に再懸濁した。小膠細胞を未被覆プレート内に1×105細胞/ウェル(96ウェルプレート)で播種し、37℃で2時間インキュベートした。次に、プレートを100rpmで5分間揺動し、乏突起膠細胞を剥離させた。乏突起膠細胞を含有する培地を新鮮な培地と交換し、LPS処理前に小膠細胞を37℃で2日間インキュベートした。LPS刺激の24時間前に単一アミノ酸及び組み合わせを投与した。次に、LPS刺激の1時間前に、培地を、アミノ酸又は組み合わせを含有する処理培地(DMEM、5%FBS、2mMのL-グルタミン)に交換した。残りの培養期間中、細胞を処理培地中で維持した。細胞を処理培地に変えてから1時間後、細胞をLPS(100ng/ml)で合計12時間刺激した。ビヒクルであるLPSのみで処理された細胞が対照の役割を果たした。
【0228】
LPS刺激の12時間後に細胞上清を収集し、サイトカインIL-6及びTNFαを測定した。
【0229】
実験は、全群に対して6回の技術的複製で実施した。
【0230】
サイトカイン測定値
TNFα及びIL-6のレベルは、LPS刺激の12時間後に収集された初代小膠細胞の上清中で測定した。サイトカインは、製造業者の使用説明に従って免疫吸着アッセイ(U-PLEX Custom Mouse Cytokine,Mesoscale Discovery)によって測定し、キットで提供される検量線と比較して評価した。結果は、1ml当たりのpgとして示される。
【0231】
結果
表6は、LPS刺激で処理されたビヒクルと比較して、LPSで活性化されてアミノ酸の組み合わせで処理されたマウス小膠細胞のIL-6タンパク質レベルを示す。IL-6は、L(L-ロイシン)、I(L-イソロイシン)、V(L-バリン)、N-アセチルシステイン(NAC)、アセチル-l-カルニチン(ALCAR)及びクレアチン(CR)、LIV/NAC/ALCAR、LIV/NAC及びNACによって減少した。LIV/NACは、IL-6に対するLIV及びNACの効果を増強する。LIV/NAC/ALCAR/CR及びLIV/NAC/ALCARは、IL-6に対する単一成分の効果を増強する。
【0232】
【0233】
表7は、LPS刺激で処理されたビヒクルと比較して、LPSで活性化されてアミノ酸の組み合わせで処理されたマウス小膠細胞のTNFαタンパク質レベルを示す。TNFαは、LIV/NAC/ALCAR/CR、LIV/NAC/ALCAR、LIV/NAC及びNACによって減少する。LIV/NACは、TNFαに対するLIV及びNACの効果を増強する。LIV/NAC/ALCAR/CR及びLIV/NAC/ALCARは、TNFαに対する単一成分の効果を増強する。
【0234】
【0235】
実施例2.TBIのラットモデルにおけるアミノ酸組成物の有効性の評価。
Charles Riverからの成体オスSprague-Dawleyラット(250~350g)を使用した。動物は、マイクロアイソレーターを備えたポリカーボネートラットケージ内に1ケージ当たり2匹収容し、最大7日間順化させた。研究開始前に全てのラットを検査し、取り扱い、秤量して、十分な健康状態及び適合性を確実にした。研究の過程において、12/12の明/暗サイクルを維持した。室温は、20~23℃に維持し、相対湿度は、約50%に維持した。研究の期間中、固形飼料及び水を自由摂取させた。動物は、処置群全体に無作為に割り当てた。
【0236】
いくつかのTBI動物モデルのうち、Controlled Cortical Impact(CCI)モデルが最も多く使用されており、唯一市販されているものである。他のモデルと比較して、CCIモデルは、衝撃の時点、速度及び深さなどの全ての機械的要因を制御し得、さらに、それは、再現性が高く、死亡率が低い。CCIモデルは、脳震盪、挫傷、外傷性軸索損傷、出血及び神経炎症など、ヒトTBIで見られる全ての主要な病理学的特徴を共有する(Xiong Y.et al.,2013 Nature Reviews Neuroscience)。電子皮質挫傷装置(Custom Design&Fabrication,Inc[CDF],Richmond,VA)により、傍矢状皮質への制御された皮質衝撃(CCI)を生成した。この装置は、真鍮製先端を備えたインパウンダーにより、脳の露出領域に挫傷を確実に生成する(Scheff et al.,1997)。ラットをイソフルラン(5%)及びO2(300cm3/分)で麻酔し、定位固定枠に取り付けた。無菌条件下で頭皮に矢状切開を行い、筋膜を収縮させて頭蓋を露出させた。次に、直径6mmの頭蓋開口ドリルを使用して、矢状縫合のおよそ4mm側方を中心としてブレグマとラムダの中間にある頭蓋骨を開いた。CCI脳損傷は、以下のパラメータで電子的に推進されるコンピューター制御ピストンに付着された直径5mmの丸い真鍮製インパクターによって生成した。速度=2.5m/s;深度=3mm;持続時間=100ms。CCI後、あらゆる皮質表面出血を抑制し、筋膜及び頭皮を縫合した。動物を加温回復チャンバー内で回復させ、適切な術後ケアを行った。
【0237】
手術当日である0日目に、手術後30分以内のTBI後、動物に即座に投薬した。引き続いて、処置を毎日2回連続して14日間にわたり経口投与した。投与容積は、10mL/kgであった。
【0238】
以下の各群で15匹のラットを使用した。
1.偽手術ビヒクル
2.TBIビヒクル
3.TBIアミノ酸組成物1(L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン、N-アセチルシステイン(NAC)及びアセチル-l-カルニチン(ALCAR))低
4.TBIアミノ酸組成物1、高
5.TBIアミノ酸組成物2(L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン、NAC、ALCAR及びクレアチン(CR))低
6.TBIアミノ酸組成物2、高
【0239】
ビームバランス試験は、損傷後における動物の前庭運動反射活性を調べた。動物は、ビーム上でバランスを60秒間維持するように手術前に訓練した。ラットは、損傷後の最初の1週間中、3、5及び7日目に試験した。各動物は、表面が粗い1.5cm幅の狭い懸垂ビーム上に穏やかに載せた。60秒の最大カットオフ時間で、ビーム上に残った時間を測定した。各動物は、1試験日当たり3回の試行を受け、試行を平均してビームバランス時間を得た。動物が落ちた際の負傷を防ぐために、クッション付きのパッドをビームの下に置いた。
【0240】
損傷後のビームバランスに対する、アミノ酸組成物によるTBI処置の効果は、
図1に示される。損傷前に、全ての動物は、少なくとも60秒間ビーム上でバランスを保つことができた。3日目及び5日目に、偽手術動物は、ビヒクル処置対照よりも有意に長くバランスを維持できた。損傷後7日目に、低及び高アミノ酸組成物1処置動物並びに低及び高アミノ酸組成物2処置動物の全ては、ビヒクル処置対照と比較して有意に改善されたバランス時間を示した。
【0241】
NeuroCube(登録商標)プラットフォームは、コンピュータビジョンを使用して、神経学的障害、疼痛及びニューロパチーの齧歯類モデルにおける歩行ジオメトリー及び歩行力学の変化を検出する。このプラットフォームは、完全に自動化されており、歩行ジオメトリー及び歩行力学の両方を捕捉する(立ち位置、揺れ、推進など)。
【0242】
ラットは、5分間の試験のために、NeuroCube(登録商標)プラットフォーム内に置いた。疾患表現型(症状記述子)を定義する収集された特徴の中で最も優勢なものを同定し、格付けした。複雑な生物情報学アルゴリズムを使用して、偽手術ラットとCCIラットの識別確率を計算し、疾患表現型を逆転させる試験化合物の能力を検出した。
【0243】
図3及び4は、特徴の図的表現を提供し、試験化合物が、重み付けされた特徴(モデルの定義への貢献度に従って重み付けされる)に対する化合物の効果に基づく、全体的な回復百分率をはじめとする、特徴のそれぞれを正常化する程度を示す。ラットは、損傷後の10日目に試験した。
【0244】
NeuroCube(登録商標)試験の結果は、
図3及び4に示される。10日目のNeuroCube試験では、偽手術対照とTBI+ビヒクル群との75%の識別が示された(
図2)。アミノ酸組成物での処置により、全ての特徴に対する回復のいくつかの証拠を検出した(
図3)。アミノ酸組成物2の低用量(50%、p=0.144)及びアミノ酸組成物1の高用量(37% p=0.242)により、全ての特徴に対する最も高い回復百分率が観察された。NeuroCube(登録商標)は、アミノ酸組成物2の低用量による処置が全ての特徴に対する50%近くの回復を生じたことを検出した。新規特徴、すなわち偽手術対照への回復方向でない副作用の出現は、全てのアミノ酸組成物処置群で7~10%に限定された。
【0245】
実施例3.アミノ酸組成物によるTBIを有する対象の治療。
本明細書に記載の研究は、TBI患者へのアミノ酸を含む組成物の投与を特徴とする。スポーツ関連事件又は頭部への鈍的外傷によって引き起こされた軽度の外傷性脳損傷を有する18~35歳(両端を含む)の成人対象にアミノ酸組成物を投与する。組成物は、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-バリン、N-アセチルシステイン(NAC)及びアセチル-l-カルニチン(ALCAR)(表8)を含む。対象は、毎日、約17.1gのアミノ酸組成物を1日2回、合計34.2g受ける。
【0246】
【0247】
この研究は、軽度の外傷性脳損傷(mTBI)を有する成人対象に8日間にわたり投与される組成物の安全性、耐容性及び薬物動態を評価することを主に意図する。アミノ酸組成物の安全性及び耐容性は、有害事象の発生、身体的及び神経学的検査(EEG、神経認知検査及びSCAT5をはじめとする)、臨床検査、生命徴候測定及び心電図(ECG)によって判定する(
図4)。血漿アミノ酸レベル及びアミノ酸代謝産物濃度を用いて、組成物の薬物動態特性を判定する。神経炎症に関連する血清バイオマーカー(タウ、NF-L、UCH-L1及びGFAP)の変化も評価する。
【0248】
この15日間の研究は、単一盲検プラセボ対照2:1(すなわちn=20のアミノ酸組成物、n=10のプラセボ)無作為化設計を利用して、mTBIを有する成人対象に1日2回(BID)経口投与される、アミノ酸組成物又はプラセボ(アミノ酸組成物に一致させた賦形剤及び着色)の有効性、安全性及び耐容性を評価する。各用量について、アミノ酸組成物のスティックパック3本をおよそ12オンスの水に溶解し、朝食後1時間及び夕食後1時間に服用させる。登録のために、対象は、訓練を受けた医療専門家(例えば、ER/救急医療施設/チーム医師/理学療法士)によって局所性脳震盪プロトコルを用いて判断された、スポーツ関連及び/又は鈍的外傷に起因するmTBI(例えば、脳震盪)の文書化された診断を有する。mTBIの診断は、負傷事象の24時間以内に治験責任医師によって確認される。研究1日目に、対象は、試験製品を最大3回、食事を考慮せずに経口で受け得る(例えば、無作為化後30分以内、理想的には傷害事象の24時間以内の初回投与、初回投与から1~3時間以内であるが、ER/救急医療施設/研究施設から退院する前の2回目の投与及び夕食後1時間又は就寝時に自己投与される3回目の投与)。2~7日目には、1日2回(BID)、朝食後1時間及び夕食後1時間に試験製品を自己経口投与し続ける。対象は、薬物動態評価のために、少なくとも8時間の一晩の絶食後、8日目に研究施設に戻る。
【0249】
好ましい実施形態及び様々な代替実施形態を参照して本発明を特に示し、説明したものの、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に対する様々な変更形態をなし得ることを理解するであろう。
【0250】
本明細書の本文内で引用される全ての参考文献、発行された特許及び特許出願は、あらゆる目的のために、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載の発明を列挙する。
[発明1]
a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体から選択される分枝鎖アミノ酸(BCAA)実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、
b)N-アセチルシステイン(NAC)実体、及び
c)アセチル-l-カルニチン(ALCAR)又はその塩或いはALCARを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩
を含む組成物であって、(a)~(c)の少なくとも1つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、組成物。
[発明2]
d)クレアチン実体をさらに含み、任意選択的に、前記クレアチン実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、発明1に記載の組成物。
[発明3]
a)ロイシン、イソロイシン及びバリン、
b)N-アセチルシステイン(NAC)、及び
c)アセチル-L-カルニチン
を含む組成物。
[発明4]
a)~c)の2つ、3つ、4つ又は5つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、発明1又は2に記載の組成物。
[発明5]
a)~c)の総重量%は、前記組成物(乾燥形態における)中の他のタンパク質成分又は非タンパク質成分の総重量%を超える、発明1~4のいずれか一つに記載の組成物。
[発明6]
a)~c)の1つ、2つ、3つ、4つ又は5つのアミノ酸実体は、前記組成物中で遊離アミノ酸形態又は塩アミノ酸形態の一方又は両方である、発明1、2、4又は5のいずれか一つに記載の組成物。
[発明7]
20アミノ酸残基を超える長さのペプチド(例えば、ホエータンパク質)を含まないか、又は20アミノ酸残基を超える長さのペプチドが存在する場合、前記ペプチドは、前記組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の10重量%又はそれより少ないもの未満で存在する、発明1~6のいずれか一つに記載の組成物。
[発明8]
19以下のアミノ酸実体の組み合わせを含む、発明1~7のいずれか一つに記載の組成物。
[発明9]
前記BCAA実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、前記NAC実体及び前記ALCAR又はその塩或いはALCARを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩の組み合わせの重量%は、前記組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも20重量%である、発明1、2又は4~8のいずれか一つに記載の組成物。
[発明10]
前記NAC実体の重量%は、前記組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも3重量%である、発明1、2又は4~9のいずれか一つに記載の組成物。
[発明11]
前記ALCAR又はその塩或いはALCARを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩の重量%は、前記組成物(乾燥形態における)中のタンパク質成分又は全成分の総重量の少なくとも1重量%である、発明1、2又は4~10のいずれか一つに記載の組成物。
[発明12]
3つ全てのBCAA実体、前記NAC実体及び前記ALCARを含み、及び前記ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:前記バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCARの重量比は、10+/-15%:10+/-15%:10+/-15%:3+/-15%:1.2+/-15%であり、前記比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される、発明1、2又は4~11のいずれか一つに記載の組成物。
[発明13]
3つ全てのBCAA実体、前記NAC実体、前記ALCAR及び前記クレアチン実体を含み、及び前記ロイシンアミノ酸実体:イソロイシンアミノ酸実体:前記バリンアミノ酸実体:NAC実体:ALCAR:クレアチン実体の重量比は、10+/-15%:10+/-15%:10+/-15%:3+/-15%:1.2+/-15%:20+/-15%であり、前記比は、遊離形態の各アミノ酸の均等量に基づいて判定される、発明2又は4~12のいずれか一つに記載の組成物。
[発明14]
a)TCAサイクル補充反応又はATP産生を増加させること、b)ミトコンドリアをカルシウム流入から保護すること、c)フリーラジカル又は反応性酸化種(ROS)を減少させること、d)例えば、異常な小膠細胞又は星状細胞の一方又は両方の活性化からの炎症誘発性サイトカインを減少させること、e)炎症誘発性シグナル(例えば、M1小膠細胞表現型からM2小膠細胞表現型への)に対する小膠細胞の応答を減少させること、f)神経シグナル伝達(例えば、海馬シグナル伝達)を増加させること、g)炎症(例えば、脳組織の炎症)を減少させること、h)イオン流束を増加させること、i)ミトコンドリア機能を増加させること、又はj)シナプスの機能不全を減少させることの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ又は全てが可能である、発明1~13のいずれか一つに記載の組成物。
[発明15]
a)~c)の1つ、2つ、3つ、4つ又は5つのアミノ酸実体は、表1から選択される、発明1、2又は4~14のいずれか一つに記載の組成物。
[発明16]
前記組成物中において、
a)前記ロイシンアミノ酸実体は、
i)L-ロイシン又はその塩、
ii)L-ロイシンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩、又は
iii)β-ヒドロキシ-β-酪酸メチル(HMB)又はその塩
から選択され、
b)前記NAC実体は、NAC又はその塩或いはNACを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩であり、及び
c)前記ALCAR実体は、ALCAR又はその塩或いはALCARを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である、発明1、2又は4~15のいずれか一つに記載の組成物。
[発明17]
前記組成物中において、
d)前記イソロイシンアミノ酸実体は、存在する場合、L-イソロイシン又はその塩或いはL-イソロイシンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩であり、及び
e)前記バリンアミノ酸実体は、存在する場合、L-バリン又はその塩或いはL-バリンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である、発明16に記載の組成物。
[発明18]
クレアチン又はその塩或いはクレアチンを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩をさらに含む、発明16又は17に記載の組成物。
[発明19]
L-ロイシン又はその塩、L-イソロイシン又はその塩、L-バリン又はその塩、NAC又はその塩及びALCAR又はその塩を含む、発明1又は4~18のいずれか一つに記載の組成物。
[発明20]
クレアチン又はその塩をさらに含む、発明19に記載の組成物。
[発明21]
薬学的に許容可能な担体と共に調合される、発明1~20のいずれか一つに記載の組成物。
[発明22]
食餌組成物として調合される、発明1~20のいずれか一つに記載の組成物。
[発明23]
神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善する方法であって、
a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体から選択される分枝鎖アミノ酸(BCAA)実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、
b)N-アセチルシステイン(NAC)実体、及び
c)アセチル-l-カルニチン(ALCAR)実体
を含む組成物の有効量を、外傷性脳損傷(TBI)又は脳卒中を有する対象に投与し、それによって前記対象の神経機能又は認知機能の一方又は両方を改善するステップであって、a)~c)の少なくとも1つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、ステップを含む方法。
[発明24]
欠乏、目眩、難聴、頭痛(例えば、頻繁な頭痛)、意識喪失、記憶喪失、錯乱、睡眠障害、悪心、低下したバランス、疲労、傾眠状態、かすみ目、耳鳴り、光感受性、音感受性、低下した集中力、気分のむら及び増加した不安からなる群から選択される外傷性脳損傷(TBI)の症状を改善する方法であって、
a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体から選択される分枝鎖アミノ酸(BCAA)実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、
b)N-アセチルシステイン(NAC)実体、及び
c)アセチル-l-カルニチン(ALCAR)実体
を含む組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与し、それによって前記症状を改善するステップであって、a)~c)の少なくとも1つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、ステップを含む方法。
[発明25]
しびれ、低下したバランス、記憶喪失、顔面脱力、眼瞼下垂、麻痺(例えば、片麻痺)、低下した知覚性感覚、低下した反射、舌脱力、不随意眼球運動、視野欠損、失語症、増加した錯乱、眩暈症、低下した発話能力(例えば、失行症)、低下した歩行能力及び低下した運動協調性からなる群から選択される脳卒中の症状を改善する方法であって、
a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体から選択される分枝鎖アミノ酸(BCAA)実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、
b)N-アセチルシステイン(NAC)実体、及び
c)アセチル-l-カルニチン(ALCAR)実体
を含む組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与し、それによって前記症状を改善するステップであって、a)~c)の少なくとも1つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、ステップを含む方法。
[発明26]
神経細胞損傷を治療又は予防する方法であって、
a)ロイシンアミノ酸実体、イソロイシンアミノ酸実体、バリンアミノ酸実体から選択される分枝鎖アミノ酸(BCAA)実体又は2つ若しくは3つのBCAA実体の組み合わせ、
b)N-アセチルシステイン(NAC)実体、及び
c)アセチル-l-カルニチン(ALCAR)実体
を含む組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与し、それによって前記神経細胞損傷を治療又は予防するステップであって、a)~c)の少なくとも1つのアミノ酸実体は、20アミノ酸残基を超える長さのペプチドとして提供されない、ステップを含む方法。
[発明27]
前記対象は、TBIを有すると診断されている、発明23、24又は26のいずれか一つに記載の方法。
[発明28]
前記TBIは、軽度のTBIである、発明27に記載の方法。
[発明29]
前記対象は、スポーツ関連頭部外傷を負っている、発明23、24又は26~28のいずれか一つに記載の方法。
[発明30]
前記対象は、脳卒中のリスクを有するか又は脳卒中を有する、発明23、25又は26のいずれか一つに記載の方法。
[発明31]
前記脳卒中は、虚血性脳卒中又は一過性脳虚血性発作である、発明30に記載の方法。
[発明32]
前記虚血性脳卒中は、急性虚血性脳卒中である、発明31に記載の方法。
[発明33]
前記組成物は、クレアチン実体をさらに含む、発明23~32のいずれか一つに記載の方法。
[発明34]
前記ALCAR実体は、ALCAR又はその塩或いはALCARを含むジペプチド若しくはその塩又はトリペプチド若しくはその塩である、発明23~33のいずれか一つに記載の方法。
[発明35]
前記組成物は、ロイシン、イソロイシン、バリン、NAC及びアセチル-L-カルニチンを含む、発明23~34のいずれか一つに記載の方法。
[発明36]
前記組成物は、ロイシン、イソロイシン、バリン、NAC、アセチル-L-カルニチン及びクレアチンを含む、発明23~35のいずれか一つに記載の方法。