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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】作業車両のフレーム及び作業車両
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/76 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
E02F3/76 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020516758
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 JP2019042719
(87)【国際公開番号】W WO2021084673
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 優樹
(72)【発明者】
【氏名】原田 宗雄
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5653155(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0206432(US,A1)
【文献】特開2000-27229(JP,A)
【文献】特開昭62-170619(JP,A)
【文献】実開昭50-22304(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に沿って延びるフレームの上面を形成する板状の上板と、
前記上板と上下方向で対向し、前記フレームの下面を形成する板状の下板と、
前記上板と前記下板との上下方向の間に配置され、前記上板と前記下板とを連結する縦壁と、
作業機を前記上下方向に移動可能なアクチュエータが取り付けられる取付部と、を備え、
前記上板及び前記下板の少なくとも一方は、
中心部と、
前記中心部から前記前後方向に延びる第一延伸部と、
前記中心部から左右方向に延びる第二延伸部と、
前記第一延伸部と前記第二延伸部とをつなぐ連続部と、を備え、
前記取付部は、前記第二延伸部の前記左右方向の両端に設けられている作業車両のフレーム。
【請求項2】
前記上下方向から見て、前記連続部は、前記中心部に向けて凸の曲線形状を有する
請求項1に記載の作業車両のフレーム。
【請求項3】
前記取付部の前記前後方向の一方に前記アクチュエータを支持する支持部が設けられ、
前記連続部は、
前記前後方向の一方側となる前記支持部が設けられた側に位置する第一曲線部と、
前記前後方向の他方側となる前記支持部が設けられていない側に位置する第二曲線部と、を有し、
前記上下方向から見て、前記第一曲線部は、前記第二曲線部と同等もしくは大きな曲率半径を有する
請求項2に記載の作業車両のフレーム。
【請求項4】
前記取付部の上端は、前記上下方向における前記上板の前記上面の高さ以下に配置されている
請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車両のフレーム。
【請求項5】
前記上板は、
上側中心部と、
前記上側中心部から前記前後方向に延びる第一上側延伸部と、
前記上側中心部から前記左右方向に延びる第二上側延伸部と、
前記第一上側延伸部と前記第二上側延伸部とをつなぐ上側連続部と、を備え、
前記下板は、
前記上側中心部と前記上下方向で対向する下側中心部と、
前記下側中心部から前記前後方向に延びる第一下側延伸部と、
前記下側中心部から前記左右方向に延びる第二下側延伸部と、
前記第一下側延伸部と前記第二下側延伸部とをつなぐ下側連続部と、を備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車両のフレーム。
【請求項6】
前記上下方向から見て、前記上側中心部及び前記下側中心部は、互いに同じ外形を有する
請求項5に記載の作業車両のフレーム。
【請求項7】
前記縦壁は、
前記第一延伸部に沿うように前記前後方向に延び、前記第一延伸部よりも前記左右方向の幅が小さい第一壁部と、
前記第二延伸部に沿うように前記左右方向に延び、前記第二延伸部よりも前記前後方向の幅が小さい第二壁部と、を備える
請求項1から6のいずれか一項に記載の作業車両のフレーム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の作業車両のフレームを備える作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両のフレーム及び作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両としては、整地作業や除雪作業を行うモータグレーダが知られている。例えば、下記特許文献1には、前後方向に沿って延びるフレームと、整地作業等を行うためのブレードと、ブレードを上下方向に移動可能なリフトシリンダと、を備えた構成が開示されている。リフトシリンダは、ブラケット等を介してフレームに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2013/0206432号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フレームは、ブレードからリフトシリンダ等のアクチュエータを介して受ける荷重に耐えうる構造である必要がある。例えば、アクチュエータによってブレードを下降させて整地作業等を行う場合、ブレードは地面に対して前後方向に引き摺られる。その際、ブレードは、掘削される土砂から受ける負荷により前後方向から荷重を受ける。さらに、ブレードは、路面の凹凸や岩から受ける負荷により上下方向から荷重を受けることがある。このとき、アクチュエータを支持するフレームのブラケット近傍には、左右方向に沿う軸回りのねじり応力が発生する。
例えば、ブレードの上下方向に荷重がかかった場合、ブレードの左側部及び右側部で荷重が互いに異なることがある。このとき、アクチュエータを支持するフレームのブラケット近傍には、前後方向に沿う軸回りのねじり応力が発生する。
そのため、フレームにおいてアクチュエータを支持する構造部分の機械的強度を向上することが望まれている。
【0005】
そこで本発明は、アクチュエータを支持する構造部分の機械的強度を向上することができる作業車両のフレーム及び作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業車両のフレームは、前後方向に沿って延びるフレームの上面を形成する板状の上板と、前記上板と上下方向で対向し、前記フレームの下面を形成する板状の下板と、前記上板と前記下板との上下方向の間に配置され、前記上板と前記下板とを連結する縦壁と、作業機を前記上下方向に移動可能なアクチュエータが取り付けられる取付部と、を備え、前記上板及び前記下板の少なくとも一方は、中心部と、前記中心部から前記前後方向に延びる第一延伸部と、前記中心部から左右方向に延びる第二延伸部と、前記第一延伸部と前記第二延伸部とをつなぐ連続部と、を備え、前記取付部は、前記第二延伸部の前記左右方向の両端に設けられている。
【0007】
上記構成により、アクチュエータによって作業機を下降させて整地作業等を行う場合、作業機は前後方向から荷重を受ける。このとき、フレームが作業機からリフトシリンダを介して受ける荷重は、連続部及び第二延伸部を経由してフレーム全体に分散する。そのため、連続部を有しない構成と比較して、左右方向に沿う軸回りのねじれに強くなる。また、作業機の上下方向に荷重がかかった場合に作業機の左側部及び右側部で荷重が互いに異なることがある。この場合でも、フレームが作業機からアクチュエータを介して受ける荷重は、連続部及び第二延伸部を経由してフレーム全体に分散する。そのため、連続部を有しない構成と比較して、前後方向に沿う軸回りのねじれに強くなる。したがって、アクチュエータを支持する構造部分の機械的強度を向上することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、リフトシリンダを支持する構造部分の機械的強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る作業車両の斜視図。
図2】実施形態に係るフレームの斜視図。
図3】実施形態に係るフレームの左側面図。
図4】実施形態に係るフレームの要部を斜め上方から見た斜視図。
図5】実施形態に係るフレームの要部を斜め下方から見た斜視図。
図6】実施形態に係るフレームの要部の上面図。
図7】実施形態に係るフレームの要部の左側面図。
図8図6のVIII-VIII断面図。
図9】実施形態に係るフレームの製造工程の説明図。
図10図9に続く、実施形態に係るフレームの製造工程の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態においては、作業車両の一例としてモータグレーダを挙げて説明する。
【0011】
<作業車両>
図1に示すように、作業車両としてのモータグレーダ1は、走行輪2,3、車両本体5、キャブ6及び作業機7を備える。作業機7は、ブレード20を備える。モータグレーダ1は、ブレード20で整地作業、除雪作業、軽切削、材料混合等の作業を行う。モータグレーダ1は、走行輪2,3としての前輪2及び後輪3を備える。本実施形態のモータグレーダ1は、片側1輪ずつの2つの前輪2と、片側2輪ずつの4つの後輪3とを備える。
【0012】
以下では、前後方向とは、モータグレーダ1の前後方向を意味する。即ち、前後方向とは、キャブ6の運転席に着座した運転者から見た前後方向を意味する。左右方向とは、モータグレーダ1の車幅方向を意味する。即ち、左右方向とは、キャブ6の運転席に着座した運転者から見た左右方向を意味する。
【0013】
車両本体5は、リアフレーム10、フロントフレーム11(フレーム)及び外装カバー12を備える。リアフレーム10は、外装カバー12やエンジン室に配置されたエンジン等の構成部品(図示省略)を支持している。外装カバー12は、キャブ6の後方でエンジン室を覆っている。リアフレーム10には、4つの後輪3の各々がエンジンからの駆動力によって回転駆動可能に取り付けられている。フロントフレーム11は、リアフレーム10の前方に取り付けられている。フロントフレーム11の先端には、カウンタウェイト13が取り付けられている。フロントフレーム11の先端下部には、2つの前輪2の各々が回転可能に取り付けられている。
【0014】
キャブ6は、リアフレーム10の前部に載置されている。キャブ6の内部には、ハンドル、変速レバー、作業機7の操作レバー、ブレーキ、アクセルペダル、インチングペダル等の操作部(図示省略)が設けられている。
【0015】
作業機7は、上記ブレード20に加え、ドローバ21、サークル22及びサポート23を備える。ドローバ21は、左右一対のリフトシリンダ25及びドローバシフトシリンダ26といったアクチュエータによってフロントフレーム11に接続されている。アクチュエータは、例えば油圧シリンダを用いることができるが、電動モータにより伸縮可能な電動シリンダであってもよい。一対のリフトシリンダ25によって、ドローバ21の昇降及び前後方向に沿う軸回りの揺動が可能とされている。ドローバシフトシリンダ26によって、ドローバ21はフロントフレーム11に対して左右に相対移動可能とされている。
【0016】
サークル22は、ドローバ21の下方でベアリング(図示省略)を介して上下方向に沿う軸回りに回転可能に設けられている。サポート23は、サークル22の外周面に左右方向に離間して一対が固定されている。各サポート23は、サークル22の外周面に沿って後方に延びた後に下方に向かって湾曲して延びている。
【0017】
ブレード20は、サークル22の下方で水平方向に延びている。ブレード20は、一対のサポート23に支持されている。即ち、ブレード20は、サポート23を介してサークル22に支持されている。ブレード20は、ブレードシフトシリンダ(図示省略)によって、サークル22に対してブレード20の延在方向に相対移動可能とされている。
【0018】
<フロントフレーム>
図2に示すように、フロントフレーム11は、前後方向に沿って延びている。図3に示すように、フロントフレーム11の前部は、左右方向から見た側面視(以下、側面視)で前側に向かうに従って下方に位置するように傾斜している。フロントフレーム11の後部は、側面視で後側に向かうに従って下方に位置するように傾斜している。フロントフレーム11の前後方向の中央部は、前後方向に沿って直線状に延びている。フロントフレーム11の前後方向の中央部の上面11aは、水平面に沿う平坦面を有する。フロントフレーム11の左側部下部には、ドローバシフトシリンダ26(図1参照)を支持するブラケット28が設けられている。なお、図2から図8において、薄いドットハッチは後述する第一溶接工程での溶接個所、濃いドットハッチ(第一溶接工程のドットハッチよりも濃いドットハッチ)は後述する第二溶接工程での溶接個所をそれぞれ示している。
【0019】
フロントフレーム11は、複数の板材を溶接することにより形成されている。図2に示すように、フロントフレーム11は、上板30、下板40、縦壁50及び取付部60を備える。取付部60の後方には、リフトシリンダ25を支持する支持部27(図1参照)が設けられている。本実施形態では、上板30及び下板40の各々は、中心部31,41、第一延伸部32,42、第二延伸部33,43及び連続部34,44を備える(図4図5参照)。
中心部31,41は、フロントフレーム11の前後方向の中央部付近であってブレード20の上方に位置する部分である。
第一延伸部32,42は、中心部31,41から前後方向に延びる部分である。
第二延伸部33,43は、中心部31,41から左右方向に延びる部分である。
連続部34,44は、第一延伸部32,42と第二延伸部33,43とをつなぐ部分である。
【0020】
<上板>
図4に示すように、上板30は、フロントフレーム11の上面11aを形成する板状をなしている。上板30は、上下方向に厚みを有する。上下方向から見て、上板30は十字状をなしている。上板30は、上記の中心部31、第一延伸部32、第二延伸部33及び連続部34を備える。以下、上板30の中心部31を「上側中心部31」、上板30の第一延伸部32を「第一上側延伸部32」、上板30の第二延伸部33を「第二上側延伸部33」、上板30の連続部34を「上側連続部34」ともいう。上側中心部31、第一上側延伸部32、第二上側延伸部33及び上側連続部34は、同一の部材で一体に形成されている。
【0021】
上側中心部31は、上下方向から見て十字状をなす上板30の中心部分である。
第一上側延伸部32は、上側中心部31から前後方向に延びる部分である。即ち、第一上側延伸部32は、上側中心部31から前方及び後方のそれぞれに延びる部分である。
第二上側延伸部33は、上側中心部31から左右方向に延びる部分である。即ち、第二上側延伸部33は、上側中心部31から左方及び右方のそれぞれに延びる部分である。
上側連続部34は、第一上側延伸部32及び第二上側延伸部33をつなぐ部分である。即ち、上側連続部34は、第一上側延伸部32と第二上側延伸部33とが形成する4つの角部(上下方向から見て直角の部分)を埋める部分である。
【0022】
上下方向から見て、上側連続部34は、上側中心部31の中心に向けて凸の曲線形状を有する(図6参照)。図6に示すように、上側連続部34は、第一上側曲線部34a(第一曲線部)及び第二上側曲線部34b(第二曲線部)を有する。第一上側曲線部34aは、第二上側延伸部33の後側となる支持部27(図1参照)が設けられた側に位置する部分である。第二上側曲線部34bは、第二上側延伸部33の前側であって、支持部27が設けられていない側に位置する部分である。上下方向から見て、第一上側曲線部34aは、第二上側曲線部34bよりも大きい曲率半径を有する。第一上側曲線部34a及び第二上側曲線部34bはそれぞれ左右に一対設けられている
【0023】
<下板>
図5に示すように、下板40は、上板30と上下方向で対向している。下板40は、フロントフレーム11の下面11bを形成する板状をなしている。下板40は、上下方向に厚みを有する。上下方向から見て、下板40は十字状をなしている。下板40は、上記の中心部41、第一延伸部42、第二延伸部43及び連続部44を備える。以下、下板40の中心部41を「下側中心部41」、下板40の第一延伸部42を「第一下側延伸部42」、下板40の第二延伸部43を「第二下側延伸部43」、下板40の連続部44を「下側連続部44」ともいう。下側中心部41、第一下側延伸部42、第二下側延伸部43及び下側連続部44は、同一の部材で一体に形成されている。
【0024】
下側中心部41は、上側中心部31(図4参照)と上下方向で対向する部分である。下側中心部41は、上下方向から見て十字状をなす下板40の中心部分である。
第一下側延伸部42は、下側中心部41から前後方向に延びる部分である。即ち、第一下側延伸部42は、下側中心部41から前方及び後方のそれぞれに延びる部分である。
第二下側延伸部43は、下側中心部41から左右方向に延びる部分である。即ち、第二下側延伸部43は、下側中心部41から左方及び右方のそれぞれに延びる部分である。
下側連続部44は、第一下側延伸部42及び第二下側延伸部43をつなぐ部分である。即ち、下側連続部44は、第一下側延伸部42と第二下側延伸部43とが形成する角部(上下方向から見て直角の部分)を埋める部分である。
【0025】
上下方向から見て、下側連続部44は、下側中心部41の中心に向けて凸の曲線形状を有する。下側連続部44は、第一下側曲線部44a(第一曲線部)及び第二下側曲線部44b(第二曲線部)を有する。第一下側曲線部44aは、第二下側延伸部43の後側となる支持部27(図1参照)が設けられた側に位置する部分である。第二下側曲線部44bは、第二下側延伸部43の前側であって、支持部27が設けられていない側に位置する部分である。上下方向から見て、第一下側曲線部44aは、第二下側曲線部44bよりも大きい曲率半径を有する。第一下側曲線部44a及び第二下側曲線部44bはそれぞれ左右に一対設けられている
【0026】
上下方向から見て、上側中心部31及び下側中心部41は、互いに重なる位置に配置されている(図6参照)。本実施形態では、上下方向から見て、上側中心部31及び下側中心部41は、互いに同じ外形を有する。図6では、上側中心部31及び下側中心部41の外形を二点鎖線の矩形状で示す。上下方向から見て、第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43は、フロントフレーム11の左右方向の中心を通る仮想線CLを対称軸として線対称の形状を有する。
【0027】
図8に示すように、第二下側延伸部43の左右方向の長さL2は、第二上側延伸部33の左右方向の長さL1よりも短い。ここで、第二上側延伸部33の左右方向の長さL1は、第一上側曲線部34aの曲率半径に相当する。第二下側延伸部43の左右方向の長さL2は、第一下側曲線部44aの曲率半径に相当する。
【0028】
<縦壁>
縦壁50は、上板30と下板40の上下方向の間に配置されている。縦壁50は、上板30と下板40とを連結している。図4に示すように、縦壁50は、第一壁部51及び第二壁部52を備える。縦壁50の上端は、上板30の下面に溶接されている。縦壁50の下端は、下板40の上面に溶接されている。
【0029】
第一壁部51は、第一上側延伸部32及び第一下側延伸部42の各々に沿うように前後方向に延びる部分である。第一壁部51は、左右に平行に配置された一対の第一側板51aで構成されている(図9参照)。図9に示すように、各第一側板51aは、前後方向に延び、かつ、左右方向に厚みを有する。
【0030】
図8に示すように、第一壁部51の左右方向の幅は、第一上側延伸部32及び第一下側延伸部42の各々の左右方向の幅よりも小さい(W2<W1)。図中において、符号W1は第一上側延伸部32及び第一下側延伸部42の各々の左右方向の幅、符号W2は第一壁部51の左右方向の幅をそれぞれ示す。
【0031】
ここで、第一壁部51の左右方向の幅W2とは、第一壁部51の左側面と右側面との間の長さを意味する。即ち、第一壁部51の左右方向の幅W2とは、左右一対の第一側板51aの左右方向の外側面の間の長さ(最短距離)を意味する。本実施形態では、第一壁部51の左右方向の幅W2は、第一上側延伸部32及び第一下側延伸部42の各々の左右方向の幅W1よりも溶接代の分だけ短い。
【0032】
図4に示すように、第二壁部52は、第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43(図5参照)の各々に沿うように左右方向に延びる部分である。第二壁部52は、第一壁部51を介して左右に配置された一対の第二壁体52aで構成されている(図9参照)。各第二壁体52aの左右方向の内端は、第一壁部51の左右方向の外側面に溶接されている(図4参照)。図9に示すように、各第二壁体52aは、前後に平行に配置された一対の第二側板52bで構成されている。各第二側板52bは、左右方向に延び、かつ、前後方向に厚みを有する。
【0033】
図7に示すように、第二壁部52の前後方向の幅は、第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43の各々の前後方向の幅よりも小さい(W4<W3)。図中において、符号W3は第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43の各々の前後方向の幅、符号W4は第二壁部52の前後方向の幅をそれぞれ示す。
【0034】
ここで、第二壁部52の前後方向の幅W4とは、第二壁部52の前面と後面との間の長さを意味する。即ち、第二壁部52の前後方向の幅W4とは、前後一対の第二側板52bの前後方向の外側面の間の長さ(最短距離)を意味する。本実施形態では、第二壁部52の前後方向の幅W4は、第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43の各々の前後方向の幅W3よりも溶接代の分だけ短い。
【0035】
<取付部>
取付部60は、リフトシリンダ25(図1参照)が取り付けられる部分である。図4に示すように、取付部60は、第二上側延伸部33の左右方向の両端に設けられている。取付部60は、前後方向に沿う軸を中心軸とする筒状をなしている。取付部60は、上側連結板61及び下側連結板62を介して第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43(図5参照)のそれぞれに接続されている。上側連結板61は、前後方向に延び、かつ、上下方向に厚みを有する。下側連結板62は、取付部60の下端から左右方向の内側に向かうに従って下方に位置するように傾斜した後、屈曲して左右方向の内側に向かって延びている(図8参照)。
【0036】
図8に示すように、取付部60の上端60aは、上側連結板61の左右方向の外端に溶接されている。上側連結板61の左右方向の内端は、第二上側延伸部33の左右方向の外端に溶接されている(図4参照)。
取付部60の下端は、下側連結板62の左右方向の外端に溶接されている。下側連結板62の左右方向の内端は、第二下側延伸部43の左右方向の外端に溶接されている(図5参照)。
【0037】
図8に示すように、取付部60の上端60aは、上下方向における上板30の上面の高さと同じ高さに配置されている。即ち、取付部60の上端60aは、フロントフレーム11の前後方向の中央部の上面11aの高さと同じ高さに配置されている(図3参照)。本実施形態では、左右の取付部60の上端60aが、上下方向における上板30の上面の高さ及び左右の上側連結板61の上面の高さのそれぞれと同じ高さに配置されている。即ち、左右の取付部60の上端60a、上板30の上面及び左右の上側連結板61の上面は、同一の平面に配置されている。
【0038】
<フロントフレームの製造方法>
フロントフレーム11の製造方法は、第一溶接工程及び第二溶接工程を含む。
第一溶接工程では、フロントフレーム11を構成する複数の板材を、フロントフレーム11全体よりも小さい構造体の単位で溶接する、いわゆる小組を行う。第一溶接工程では、複数の構造体の小組を行う。本実施形態では、複数の構造体として、第一構造体71、第二構造体72、第三構造体73、第四構造体74及び第五構造体75の5つの構造体の小組を行う(図9図10参照)。
【0039】
図10に示すように、第一構造体71は、上板30、下板40及び縦壁50の第一壁部51を含む構造体である。第二構造体72は、フロントフレーム11の前部を構成する構造体である。第三構造体73は、第一構造体71と第二構造体72とを接続する構造体である。第四構造体74は、取付部60、縦壁50の第二壁体52a、上側連結板61及び下側連結板62を含む構造体であって、左右方向の一方側となる左側に配置される構造体である。第五構造体75は、左右方向の他方側となる右側の取付部60、縦壁50の第二壁体52a、上側連結板61及び下側連結板62を含む構造体である。リブ板29は、ブラケット28の取付部の機械的強度を確保するための補強部材である。
【0040】
第一溶接工程の後、第二溶接工程を行う。第二溶接工程では、第一構造体71、第二構造体72、第三構造体73、第四構造体74及び第五構造体75並びにブラケット28及びリブ板29を溶接する。これにより、フロントフレーム11が完成する(図2参照)。
【0041】
<作用効果>
例えば、モータグレーダによって整地作業等を行う場合、リフトシリンダによってブレードを下降させ地面に接触させながらモータグレーダを走行させる。この際、ブレードは地面に対して前後方向に引き摺られる。そのため、ブレードは、掘削される土砂から受ける負荷により前後方向から荷重を受ける。さらに、ブレードは、路面の凹凸や岩から受ける負荷により上下方向から荷重を受けることもある。このとき、リフトシリンダを支持するフロントフレームのブラケット近傍には、左右方向に沿う軸回りのねじり応力が発生する。
例えば、ブレードの上下方向に荷重がかかった場合、ブレードの左側部及び右側部で荷重が互いに異なることがある。このとき、リフトシリンダを支持するフロントフレームのブラケット近傍には、前後方向に沿う軸回りのねじり応力が発生する。
【0042】
ここで仮に前後方向に沿って延びるフロントフレームにリフトシリンダを支持するためのブラケットが設けられている構成において、ブラケットがフロントフレームの左右側面に単に溶接されていた場合、以下の問題が生じる可能性がある。
この場合、ブレードが前後方向から荷重を受けるとき、フロントフレームがブレードからリフトシリンダを介して受ける応力は、ブラケットの根元部分に集中する。また、ブレードの上下方向に荷重がかかった場合にブレードの左側部及び右側部で荷重が互いに異なるときも、フロントフレームがブレードからリフトシリンダを介して受ける応力は、ブラケットの根元部分に集中する。そのため、ブラケットの根元部分への応力集中により、ブラケットの根元部分に亀裂が生じる可能性がある。
【0043】
これに対して本実施形態のフロントフレーム11は、前後方向に沿って延びるフロントフレーム11の上面11aを形成する板状の上板30と、上板30と上下方向で対向し、フロントフレーム11の下面11bを形成する板状の下板40と、上板30と下板40との上下方向の間に配置され、上板30と下板40とを連結する縦壁50と、ブレード20を上下方向に移動可能なリフトシリンダ25が取り付けられる取付部60と、を備える。上板30及び下板40の各々は、中心部31,41と、中心部31,41から前後方向に延びる第一延伸部32,42と、中心部31,41から左右方向に延びる第二延伸部33,43と、第一延伸部32,42と第二延伸部33,43とをつなぐ連続部34,44と、を備える。取付部60は、第二延伸部33,43の左右方向の両端に設けられている。
これによって、ブレード20が前後方向から荷重を受けるとき、フロントフレーム11がブレード20からリフトシリンダ25を介して受ける荷重は、連続部34,44及び第二延伸部33,43を経由してフロントフレーム11全体に分散する。そのため、連続部34,44を有しない構成(ブラケットがフロントフレームの左右側面に単に溶接されている構成)と比較して、左右方向に沿う軸回りのねじれに強くなる。また、ブレード20の上下方向に荷重がかかった場合にブレード20の左側部及び右側部で荷重が互いに異なるときも、フロントフレーム11がブレード20からリフトシリンダ25を介して受ける荷重は、連続部34,44及び第二延伸部33,43を経由してフロントフレーム11全体に分散する。そのため、連続部34,44を有しない構成と比較して、前後方向に沿う軸回りのねじれに強くなる。したがって、リフトシリンダ25を支持する構造部分の機械的強度を向上することができる。
さらに本実施形態では、上板30は、上側中心部31、第一上側延伸部32、第二上側延伸部33及び上側連続部34を備える。下板40は、下側中心部41、第一下側延伸部42、第二下側延伸部43及び下側連続部44を備える。そのため、上板30及び下板40のいずれか一方のみが上記の中心部、第一延伸部、第二延伸部及び連続部を備える場合と比較して、フロントフレーム11全体としての強度を確保しリフトシリンダ25を支持する構造部分の機械的強度を向上させ、リフトシリンダ25を介して受ける荷重に耐えうるフロントフレーム11を提供することができる。
本実施形態の場合、上側中心部31、第一上側延伸部32、第二上側延伸部33及び上側連続部34、並びに下側中心部41、第一下側延伸部42、第二下側延伸部43及び下側連続部44は、それぞれ同一の部材で一体に形成されている。即ち、上板30及び下板40の各要素は、それぞれ同一の部材で一体に形成されている。そのため、上板30及び下板40の各要素がそれぞれ互いに異なる部材で一体に形成されている場合と比較して、フロントフレーム11全体としての強度を確保しリフトシリンダ25を支持する構造部分の機械的強度を向上させ、リフトシリンダ25を介して受ける荷重に耐えうるフロントフレーム11を提供することができる。
【0044】
本実施形態では、上下方向から見て、連続部34,44は、中心部31,41に向けて凸の曲線形状を有する。
この構成によれば、フロントフレーム11がブレード20からリフトシリンダ25を介して受ける荷重を連続部34,44の曲線形状に沿って逃がすことができるため、リフトシリンダ25を支持する構造部分の機械的強度を向上させ、リフトシリンダ25を介して受ける荷重に耐えうるフロントフレーム11を提供することができる。
【0045】
本実施形態では、取付部60の後方でリフトシリンダ25を支持する支持部27が設けられている。連続部34,44は、取付部60の後側となる支持部27が設けられた側に位置する第一曲線部34a,44aと、取付部60の前側であって、支持部27が設けられていない側に位置する第二曲線部34b,44bと、を有する。上下方向から見て、第一曲線部34a,44aは、第二曲線部34b,44bよりも大きい曲率半径を有する。
この構成によれば、フロントフレーム11がブレード20からリフトシリンダ25を介して受ける荷重を第一曲線部34a,44a及び第二曲線部34b,44bの曲線形状に沿って逃がすことができる。
本実施形態の場合、支持部27が設けられた取付部60の後側のほうが該取付部60の前側よりも大きな負荷がかかるため、第一曲線部34a,44aのほうが第二曲線部34b,44bよりも大きい曲率半径を有している。
本実施形態の場合、上記第一曲線部34a,44aとしての第一上側曲線部34a及び第一下側曲線部44a、並びに上記第二曲線部34b,44bとしての第二上側曲線部34b及び第二下側曲線部44bはそれぞれ左右に一対設けられている。そのため、フロントフレーム11が、ブレード20から左右のリフトシリンダ25を介して受ける荷重を左右の第一上側曲線部34a及び第一下側曲線部44a並びに第二上側曲線部34b及び第二下側曲線部44bの曲線形状に沿って逃がすことができる。したがって、リフトシリンダ25を支持する構造部分の機械的強度を向上させ、リフトシリンダ25を介して受ける荷重に耐えうるフロントフレーム11を提供することができる。
【0046】
本実施形態では、取付部60の上端60aは、上下方向における上板30の上面11aと同じ高さに配置されている。
取付部60の上端60aが上下方向における上板30の上面11aの高さより上方に配置されている場合と比較して、本実施形態に係るフロントフレーム11はキャブ6に搭乗している運転者の前方視界を遮るような突出部が無い構造であるため、運転者の前方視界性を向上することができる。例えば、運転者がモータグレーダ1の前輪2のタイヤや前方の路面状況を目視しながら作業する際に、本実施形態に係るフロントフレーム11によれば、前方視界性が低下することを可及的に抑制することができる。
【0047】
本実施形態の場合、フロントフレーム11の前後方向の中央部の上面11aは、水平面に沿う平坦面を有する。フロントフレーム11の左右の取付部60の上端60a、上板30の上面及び左右の上側連結板61の上面は、同一の平面に配置されている。本実施形態に係るフロントフレーム11はキャブ6に搭乗している運転者の前方視界を遮るような突出部が無い構造であるため、運転者の前方視界性を可及的に向上することができる。
さらに、上側連結板61及び下側連結板62のうち下側連結板62のみに曲げ部を作れば足り、上側連結板61及び下側連結板62のそれぞれに曲げ部を作る必要がないので、生産性に優れる。
【0048】
本実施形態では、上下方向から見て、上側中心部31及び下側中心部41は、互いに同じ外形を有する。
この構成によれば、上下方向から見て上側中心部31及び下側中心部41が互いに異なる外形を有する場合と比較して、フロントフレーム11がブレード20からリフトシリンダ25を介して受ける荷重を上下方向でバランスよく逃がしやすい。したがって、リフトシリンダ25を支持する構造部分の機械的強度を向上させ、リフトシリンダ25を介して受ける荷重に耐えうるフロントフレーム11を提供することができる。
【0049】
本実施形態では、縦壁50は、第一上側延伸部32及び第一下側延伸部42の各々に沿うように前後方向に延び、第一上側延伸部32及び第一下側延伸部42の各々よりも左右方向の幅が小さい第一壁部51と、第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43の各々に沿うように左右方向に延び、第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43の各々よりも前後方向の幅が小さい第二壁部52と、を備える。
この構成によれば、第一壁部51が第一上側延伸部32及び第一下側延伸部42の各々と左右方向の幅が同じ場合と比較して、第一上側延伸部32及び第一下側延伸部42に第一壁部51を溶接しやすい。また、第二壁部52が第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43の各々と前後方向の幅が同じ場合と比較して、第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43に第二壁部52を溶接しやすい。したがって、縦壁50を溶接する際の作業性(生産性)を向上することができる。
【0050】
<その他の実施形態>
上述した実施形態では、上板30及び下板40の各々が中心部31,41、第一延伸部32,42、第二延伸部及び連続部34,44を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、上板30のみが中心部31、第一延伸部32、第二延伸部33及び連続部34を備えてもよい。または、下板40のみが中心部41、第一延伸部42、第二延伸部43及び連続部44を備えてもよい。即ち、上板30及び下板40の少なくとも一方が、上下方向からみて十字状をなす平面を形成し、上記の中心部、第一延伸部、第二延伸部及び連続部を備えていればよい。
【0051】
上述した実施形態では、上板30及び下板40の各要素がそれぞれ同一の部材で一体に形成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、上板30及び下板40の各要素は、それぞれ互いに異なる部材で一体に形成されていてもよい。例えば、上板30及び下板40の各要素の一部は、他の一部と異なる部材で形成され、前記各要素の一部と他の一部とが一体に形成されていてもよい。
【0052】
上述した実施形態では、上下方向から見て連続部34,44が中心部31,41に向けて凸の曲線形状を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、上下方向から見て連続部34,44は、前後方向に対して斜めに交差する方向に延びる直線形状を含んでいてもよい。
【0053】
上述した実施形態では、上下方向から見て第一曲線部34a,44aが第二曲線部34b,44bよりも大きい曲率半径を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、上下方向から見て、第一曲線部34a,44aは第二曲線部34b,44bと同等の曲率半径を有してもよい。少なくともリフトシリンダ25を支持する支持部27がある側に設けられた曲線部の曲率半径が、支持部27が無い側に設けられた曲線部の曲率半径より大きければよい。
【0054】
上述した実施形態では、取付部60の前後方向の一方となる取付部60の後方にリフトシリンダ25を支持する支持部27が設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、取付部60の前後方向の他方となる取付部60の前方にリフトシリンダ25を支持する支持部27が設けられていてもよい。
【0055】
上述した実施形態では、取付部60の上端60aが上下方向における上板30の上面と同じ高さに配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、取付部60の上端60aは、上下方向における上板30の上面の高さより下方に配置されていてもよい。これと反対に、取付部60の上端60aは、上下方向における上板30の上面の高さより上方に配置されていてもよい。
【0056】
上述した実施形態では、上下方向から見て上側中心部31及び下側中心部41が互いに同じ外形を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、上下方向から見て上側中心部31及び下側中心部41が互いに異なる外形を有してもよい。
【0057】
上述した実施形態では、第一壁部51の左右方向の幅W2が第一上側延伸部32及び第一下側延伸部42の各々の左右方向の幅W1よりも小さい例(W2<W1)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第一壁部51の左右方向の幅W2は、第一上側延伸部32及び第一下側延伸部42の各々の左右方向の幅W1以上(W2≧W1)であってもよい。
【0058】
上述した実施形態では、第二壁部52の前後方向の幅W4が第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43の各々の前後方向の幅W3よりも小さい例(W4<W3)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第二壁部52の前後方向の幅W4は、第二上側延伸部33及び第二下側延伸部43の各々の前後方向の幅W3以上(W4≧W3)であってもよい。
【0059】
上述した実施形態では、作業車両の一例としてブレード20を上下方向に移動可能なリフトシリンダ25が取り付けられる取付部60を備えたモータグレーダ1に本発明を適用した例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ブレード20以外の作業用アタッチメントを上下方向に移動可能なリフトシリンダ25が取り付けられる他の作業車両に本発明を適用してもよい。ブレード20に代えて、例えば、スカリファイアを取り付けた作業車両に本発明を適用してもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であり、上述した実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…モータグレーダ(作業車両),7…作業機,11…フロントフレーム(フレーム),11a…フロントフレームの上面(フレームの上面),11b…フロントフレームの下面(フレームの下面),25…リフトシリンダ(アクチュエータ),27…支持部,30…上板,31…上側中心部(中心部),32…第一上側延伸部(第一延伸部),33…第二上側延伸部(第二延伸部),34…上側連続部(連続部),34a…第一上側曲線部(第一曲線部),34b…第二上側曲線部(第二曲線部),40…下板,41…下側中心部(中心部),42…第一下側延伸部(第一延伸部),43…第二下側延伸部(第二延伸部),44…下側連続部,44a…第一下側曲線部(第一曲線部),44b…第二下側曲線部(第二曲線部),50…縦壁,51…第一壁部,52…第二壁部,60…取付部,60a…取付部の上端,CL…仮想線,W1…第一延伸部の左右方向の幅,W2…第一壁部の左右方向の幅,W3…第二延伸部の前後方向の幅,W4…第二壁部の前後方向の幅
図1
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