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特許7370989スペクトルボリューム画像データを生成するように構成された非スペクトルコンピュータ断層撮影(CT)スキャナ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】スペクトルボリューム画像データを生成するように構成された非スペクトルコンピュータ断層撮影(CT)スキャナ
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20231023BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231023BHJP
【FI】
A61B6/03 373
A61B6/03 360Z
G06T7/00 350C
G06T7/00 612
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020541484
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2019052271
(87)【国際公開番号】W WO2019149762
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】62/624,431
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】バイ チュアンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ズー ヤン‐ミン
(72)【発明者】
【氏名】ルー シェン
(72)【発明者】
【氏名】スー シユ
(72)【発明者】
【氏名】ダン ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ライ ハオ
(72)【発明者】
【氏名】マクナイト ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホイ
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-528244(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0371378(US,A1)
【文献】LI, Sui et al.,Pseudo Dual Energy CT Imaging using Deep Learning Based Framework: Initial Study,arXiv,1711.07118v1 [physics.med-ph],2017年11月20日,<URL:https://arxiv.org/abs/1711.07118>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
G06T 1/00-1/40、3/00-7/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射X線を発する放射源と、
放射X線を検出し、非スペクトルデータを生成する検出器アレイと、
スペクトルボリューム画像データを作成するようにトレーニングされたニューラルネットワークを含むコンピュータ実行可能命令を含むスペクトル画像モジュールを記憶するメモリであって、前記ニューラルネットワークは、トレーニングスペクトルボリューム画像データと、トレーニング非スペクトルデータとを用いてトレーニングされる、メモリと、
前記トレーニングされたニューラルネットワークを用いて前記非スペクトルデータを処理し、前記スペクトルボリューム画像データを作成するプロセッサと、
を備え、
前記トレーニング非スペクトルデータはトレーニング非スペクトル投影データを含む、
非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項2】
前記ニューラルネットワークはスキャナジオメトリ及び物理特性情報を用いて更にトレーニングされる、請求項1に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項3】
前記非スペクトルデータは非スペクトル投影データを含み、前記プロセッサは、前記トレーニングされたニューラルネットワークを用いて前記非スペクトル投影データを処理し、前記スペクトルボリューム画像データを作成する、請求項1又は2に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項4】
前記非スペクトルデータは非スペクトルボリューム画像データを含み、前記プロセッサは、前記トレーニングされたニューラルネットワークを用いて前記非スペクトルボリューム画像データを処理し、前記スペクトルボリューム画像データを作成する、請求項1に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項5】
前記トレーニング非スペクトルデータはトレーニング非スペクトルボリューム画像データを含む、請求項1に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項6】
前記非スペクトルボリューム画像データは未補正のスペクトルボリューム画像データである、請求項に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項7】
前記非スペクトルボリューム画像データは、少なくともビームハードニング及び散乱放射について補正されていない、部分的に補正されたスペクトルボリューム画像データである、請求項に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項8】
前記ニューラルネットワークは、前記ニューラルネットワークによって生成されるスペクトルボリューム画像データと前記トレーニングスペクトルボリューム画像データとの間の差を最小化するようにトレーニングされる、請求項1に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項9】
前記非スペクトルボリューム画像データは補正されたスペクトルボリューム画像データである、請求項又はに記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項10】
放射X線を発する放射源と、
放射X線を検出し、非スペクトルデータを生成する検出器アレイと、
スペクトルボリューム画像データを作成するようにトレーニングされたニューラルネットワークを含むコンピュータ実行可能命令を含むスペクトル画像モジュールを記憶するメモリと、
トレーニングスペクトルボリューム画像データと、トレーニング非スペクトルデータとを用いて前記ニューラルネットワークをトレーニングし、前記非スペクトルデータから前記スペクトルボリューム画像データを生成するプロセッサと、を備え、
前記トレーニング非スペクトルデータはトレーニング非スペクトル投影データを含む、
非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項11】
前記ニューラルネットワークは、前記ニューラルネットワークによって生成されるスペクトルボリューム画像データと前記トレーニングスペクトルボリューム画像データとの間の差を最小化するようにトレーニングされる、請求項10に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項12】
前記非スペクトルデータは非スペクトル投影データを含み、前記プロセッサは更に、前記トレーニングされたニューラルネットワークを用いて前記非スペクトル投影データを処理し、そこからスペクトルデータを作成する、請求項10又は11に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項13】
前記トレーニング非スペクトルデータはトレーニング非スペクトルボリューム画像データを含む、請求項10に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項14】
前記ニューラルネットワークは、前記ニューラルネットワークによって生成されるスペクトルボリューム画像データと前記トレーニングスペクトルボリューム画像データとの間の差を最小化するようにトレーニングされる、請求項13に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項15】
前記非スペクトルデータは非スペクトルボリューム画像データを含み、前記プロセッサは、前記トレーニングされたニューラルネットワークを用いて前記非スペクトルボリューム画像データを処理し、前記スペクトルボリューム画像データを作成する、請求項13又は14に記載の非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナ。
【請求項16】
コンピュータ可読命令を用いてエンコードされたコンピュータ可読ストレージ媒体であって、前記コンピュータ可読命令は、コンピューティングシステムのプロセッサによって実行されると、前記プロセッサが、
放射源を用いて放射X線を発し、
発せられた放射X線を、検出器アレイを用いて検出し、非スペクトルデータを生成し、
スペクトルボリューム画像データを作成するように、トレーニングスペクトルボリューム画像データとトレーニング非スペクトルデータとを用いてニューラルネットワークをトレーニングし、
前記トレーニングされたニューラルネットワークを用いて、前記生成された非スペクトルデータからスペクトルボリューム画像データを作成する、ようにさせ、
前記トレーニング非スペクトルデータはトレーニング非スペクトル投影データを含む、
コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項17】
前記生成された非スペクトルデータは、非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナによって生成された非スペクトル投影データである、請求項16に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項18】
前記生成された非スペクトルデータは、非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナによって生成された非スペクトルボリューム画像データである、請求項16に記載のコンピュータ可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の記載は、概して撮像に関し、より詳細は、スペクトルボリューム画像データを生成するように構成された非スペクトルコンピュータ断層撮影(CT)スキャナに関する。
【背景技術】
【0002】
CTスキャナは概して、検出器アレイの反対側で回転可能ガントリに装着されたX線管を備える。X線管は、X線管と検出器アレイとの間に位置する検査領域の周りを回転し、検査領域を横断する多色放射線を発する。検出器アレイは、検査領域を横切る放射線を検出し、投影データを生成する。投影データが再構成され、ボリューム画像データが生成される。このボリューム画像データを処理して、1つ又は複数の二次元を生成することができる。通常、補正(例えば、散乱補正、ビームハードニング補正)が再構成中に適用される。画像は、相対的放射線濃度に対応するグレースケール値により表されるピクセルを含んでいる。これらの値は、スキャンされた被験者の減衰特性を反映し、通常、被験者内の解剖学的構造等の構造を示す。
【0003】
被験者及び/又は物体による放射線の吸収は、そこを横断する光子のエネルギーに依拠するため、検出された放射は、スペクトル情報も含む。そのようなスペクトル情報は、被験者及び/又は物体の組織及び/又は材料の要素又は材料組成(例えば、原子番号)を示す情報等の追加情報を提供することができる。残念ながら、投影データは、検出器アレイにより出力される信号がエネルギースペクトルにわたり集積されたエネルギー流束量に比例しているので、スペクトル的特徴を反映していない。そのようなCTスキャナは、本明細書において非スペクトルCTスキャナとも呼ばれる。スペクトル撮像のために構成されたCTスキャナは、このスペクトル情報を活用して、要素又は材料組成を示す更なる情報を提供する。そのようなCTスキャナは、本明細書においてスペクトルCTスキャナと呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デュアルエネルギースペクトル構成の例は、1)1つのエネルギーレベルにおいて放射X線を発する1つのX線管、並びに低エネルギーX線及び高エネルギーX線をそれぞれ検出するX線検出器の2つの層と、2)高速kv切り替えを用いた1つのX線管及び単一層検出器と、3)互いから角度がオフセットされた2つのX線管/単一層検出器対とを含む。そのような更なる情報の例には、低エネルギー高コントラスト画像、有効Z(原子番号)画像、仮想モノクロ画像、造影剤定量マップ、仮想非コントラスト画像、電子密度画像及び/又は他のスペクトル情報が含まれる。残念ながら、追加の検出器層、X線管/検出器アレイ、及び/又はkVp切り替え回路は、撮像システムの全体コストを増大させ、データ取得、ハンドリング及び処理により複雑度が増す。
【0005】
本明細書に記載の態様は上記で述べた問題及び他の問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナが、放射X線を発するように構成された放射源と、放射X線を検出し、非スペクトルデータを生成するように構成された検出器アレイと、スペクトルボリューム画像データを作成するようにトレーニングされたニューラルネットワークを含むコンピュータ実行可能命令を含むスペクトル画像モジュールを記憶するように構成されたメモリとを備える。ニューラルネットワークは、トレーニングスペクトルボリューム画像データと、トレーニング非スペクトルデータとを用いてトレーニングされる。非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナは、トレーニングされたニューラルネットワークを用いて非スペクトルデータを処理し、スペクトルボリューム画像データを作成するように構成されたプロセッサを更に備える。
【0007】
別の態様において、非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナが、放射X線を発するように構成された放射源と、放射X線を検出し、非スペクトルデータを生成するように構成された検出器アレイと、スペクトルボリューム画像データを作成するようにトレーニングされたニューラルネットワークを含むコンピュータ実行可能命令を含むスペクトル画像モジュールを記憶するように構成されたメモリとを備える。非スペクトルコンピュータ断層撮影スキャナは、トレーニングスペクトルボリューム画像データと、トレーニング非スペクトルデータとを用いてニューラルネットワークをトレーニングし、非スペクトルデータからスペクトルボリューム画像データを生成するように構成されたプロセッサを更に備える。
【0008】
別の態様において、コンピュータ可読ストレージ媒体が、コンピュータ可読命令を用いてエンコードされ、コンピュータ可読命令は、コンピューティングシステムのプロセッサによって実行されると、プロセッサが、放射源を用いて放射X線を発し、発せられた放射X線を、検出器アレイを用いて検出し、それを示す信号を生成し、信号を再構成して非スペクトル画像データを生成し、ニューラルネットワークをトレーニングしてスペクトルボリューム画像データを作成し、トレーニングされたニューラルネットワークを用いて、生成された非スペクトルデータからスペクトルボリューム画像データを作成するようにさせる。
【0009】
当業者は、添付の説明を読み、理解することで、本出願の更なる他の態様を認識するであろう。
【0010】
本発明は、様々なコンポーネント及びコンポーネントの構成の形態をとってもよく、様々なステップ及びステップの構成の形態をとってもよい。図面は好ましい実施例を例示することのみを目的としており、本発明を制限するものと解釈されない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】非スペクトルデータからスペクトルボリューム画像データを予測するための、ニューラルネットワークを用いたスペクトル画像モジュールを含む例示的なCTスキャナを概略的に示す。
図2】スペクトルボリューム画像データ及び非スペクトル(補正された又は未補正の)ボリューム画像データを用いてニューラルネットワークをトレーニングする例を概略的に示す。
図3】スペクトルボリューム画像データ及び非スペクトル投影データを用いてニューラルネットワークをトレーニングする例を概略的に示す。
図4図2においてトレーニングされたニューラルネットワークを用いて、非スペクトルボリューム画像からスペクトルボリューム画像データを予測するシステムを概略的に示す。
図5図3においてトレーニングされたニューラルネットワークを用いて、非スペクトル投影データからスペクトルボリューム画像データを予測するシステムを概略的に示す。
図6】例示的なニューラルネットワークを概略的に示す。
図7図1図2及び図4による例示的な方法を示す。
図8図1図3及び図5による例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記載は、非スペクトルコンピュータ断層撮影(CT)スキャナ及びシステム情報によって生成される非スペクトル投影データ及び/又は非スペクトルボリューム画像データからスペクトルデータを生成するためのアプローチについて説明する。概して、非スペクトル投影データは、データに隠された独自のスペクトル情報を含む。例えば、特定の線経路に沿った減衰が、高Z、低密度の物体、及び低Z、高密度の物体について同じであり得る場合であっても、物理的効果、すなわち、コンプトン散乱及び光電吸収は、低Z、高密度の物体では異なり、より多くのコンプトン散乱につながる可能性があり、これらの差は取得された未加工投影データに隠されている。別の例は、低Z材料と比べて、高Z材料により多くのビームハードニングアーチファクトがあることである。これらの差は、効果的な散乱補正及びビームハードニング補償等に起因して、従来のCT再構成を用いて再構成された非スペクトルボリューム画像では最小化されるか又は現れない。
【0013】
本明細書に記載の1つのアプローチにおいて、ニューラルネットワークは、少なくとも、投影データ(ここでも、独自のスペクトル情報を含む)、基準スペクトルデータ(同じ走査及び同じCTスキャナからの双方のデータ)及びシステム情報を用いてトレーニングされる。トレーニングを通じて、ニューラルネットワークは、非スペクトル投影データ及びシステム情報からスペクトルデータをどのように作成するかを学習する。例えば、ニューラルネットワークは、高Z、低密度の物体、及び低Z、高密度の物体のコンプトン散乱、並びに高Z、低密度の物体、及び低Z、高密度の物体の光電吸収に対応するスペクトルデータをどのように作成するかを学習する。更なるトレーニングを行って、ニューラルネットワークのパラメータを精密に調節することができ、それによって、ニューラルネットワークは、トレーニング非スペクトルデータを処理し、トレーニングスペクトルデータの所与の誤差内でスペクトルデータを作成することができる。トレーニングされると、トレーニングされたニューラルネットワークは、患者の走査及びシステム情報から非スペクトル投影データを処理し、ニューラルネットワークを用いて患者のためのスペクトルデータを作成することができる。本明細書において更に説明されるように、トレーニングデータは非スペクトルボリューム画像データを含むことができる。
【0014】
1つの例において、上記は、非スペクトルCTスキャナが非スペクトル投影データ及び/又は非スペクトルボリューム画像データのみでなく、スペクトル投影データ及び/又はスペクトルボリューム画像データも作成することを可能にする。したがって、非スペクトルCTスキャナは、多層検出器アレイ、複数のX線管/検出器アレイ対、及び/又はkVp切り替え回路等のスペクトルCTスキャナの追加のハードウェア及び/又は回路を含むことなく、スペクトル投影データ及び/又はスペクトルボリューム画像データを作成することができる。更に、非スペクトルCTスキャナは、スペクトル撮像システムのデータ取得、ハンドリング及び処理の複雑度を軽減する。
【0015】
図1は、例示的な非スペクトルコンピュータ断層撮影(CT)スキャナ102を概略的に示す。CTスキャナ102は、固定ガントリ104と、固定ガントリ104によって回転可能に支持され、検査領域108及び内部の物体又は被験者の一部の周りを、z軸110を中心に回転する回転ガントリ106とを備える。
【0016】
X線管等の放射源112は、回転ガントリ106によって支持され、回転ガントリ106と共に検査領域108の周りを回転する。放射源112は、検査領域108を横断する概ね扇型、楔形又は円錐形状の放射X線ビームを形成するようにコリメートされた広帯域多色性放射X線を発する。
【0017】
放射線感受性検出器アレイ114は、検査領域108にわたって放射源112の反対側に円弧をなす。検出器アレイ114は、z軸110に沿って互いに対し配置された検出器の1つ又は複数の列を含み、検査領域108を横断する放射X線を検出する。検出器アレイ114は、検出された放射を示す非スペクトル投影データ(線積分)を生成する。
【0018】
再構成器116は、非スペクトル投影データを再構成し、非スペクトルボリューム画像データを生成する。1つの例において、再構成器116は、再構成前、再構成中及び/又は再構成後に補正を適用する。補正の非限定的な例は、散乱放射を補償する散乱補正であり、これは、例えば画像アーチファクトを加えることにより画像品質を劣化させる可能性がある。1つの例において、これは、散乱推定値を測定データから減算することを含む。
【0019】
カウチ等の被験者支持体118が、検査領域108内の被験者又は物体(例えば、ファントム)を支持する。被験者支持体118は、被験者又は物体を載せ、走査し、かつ及び/又は降ろすために、検査領域108に対し被験者又は物体を誘導するように、撮像手順の実行と協働して移動可能である。
【0020】
オペレータコンソール120は、ディスプレイモニタ、フィルマ等の人間が読み取り可能な出力デバイス122と、キーボード、マウス等の入力デバイス124とを含む。コンソール120は、プロセッサ126(例えば、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ等)及び物理メモリ等のコンピュータ可読ストレージ媒体128(一時媒体を除く)を更に含む。示される実施形態では、コンピュータ可読ストレージ媒体128は、スペクトル画像モジュール130を含む。
【0021】
スペクトル画像モジュール130は、検出器アレイ114及び/又は再構成器116からの非スペクトル投影データ及び/又は非スペクトルボリューム画像データを処理して、低エネルギー高コントラスト画像、有効Z(原子番号)画像、仮想モノクロ画像、造影剤定量マップ、仮想非コントラスト画像、電子密度画像及び/又は他のスペクトル画像等のスペクトルボリューム画像データを予測するように構成された命令を含む。以下でより詳細に説明されるように、命令は、1)スペクトルデータ、2)非スペクトル投影データ、完全に補正された非スペクトルボリューム画像データ、及び未補正の/部分的に補正された非スペクトルボリューム画像データからなる群からの1つ、及び3)システム情報、を用いてトレーニングされたニューラルネットワークを含む。
【0022】
本明細書に記載の構成を用いて、非スペクトル撮像システム102は、非スペクトル投影データ又は非スペクトルボリューム画像データ及びシステム情報から直接スペクトルボリューム画像データを再構成する。したがって、スペクトル画像モジュール130は、多層検出器アレイ、複数X線管/検出器アレイ対、及び/又はkVp切り替え回路の利用を軽減してスペクトルボリューム画像データを生成する。これにより、多層検出器アレイ、複数X線管/検出器アレイ対、及び/又はkVp切り替え回路に関連付けられた全体システムコストの増大が軽減する。更に、スペクトル撮像システムのデータ取得、ハンドリング、処理の複雑度が軽減する。
【0023】
図2は、スペクトル画像モジュール130のニューラルネットワークの例示的なトレーニングを概略的に示す。
【0024】
この例において、ニューラルネットワークは、第1の層204及び第2の層206を含む二重層検出器アレイ202を用いて構成されたCTスキャナ200によって生成されたデータを用いてトレーニングされる。多層検出器アレイの非限定的な例は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2006年4月10日に出願された「Double decker detector for spectral CT」と題する米国特許第7,968,853号に記載されている。X線管210によって生成されたビーム208は、検査領域212及びその中に配置された物体又は被験者214を横断し、二重層検出器アレイ202によって検出される。
【0025】
第1の層204は第1の投影データを生成し、第1の投影データは非スペクトル再構成器216によって処理される。非スペクトル再構成器216は、非スペクトル再構成アルゴリズムを用いて非スペクトルボリューム画像データを生成する。この例において、非スペクトル再構成器216は、ビームハードニング補正、散乱補正及び/又は1つ又は複数の他の補正を適用し、結果として得られる非スペクトルボリューム画像データは、補正された非スペクトルボリューム画像データと呼ばれる。
【0026】
第2の層206は、第1の投影データに沿ってスペクトル再構成器218に提供される第2の投影データを生成する。第1及び第2の投影データのエネルギースペクトルは異なり、第2の投影データのエネルギースペクトルは、第1の投影データのエネルギースペクトルよりも高い。スペクトル再構成器218は、1つ又は複数のスペクトルアルゴリズムを用いて、スペクトルボリューム画像データの1つ又は複数のセットを生成する。
【0027】
ニューラルネットワーク220は、スペクトルボリューム画像データ、システム情報及び非スペクトルボリューム画像データの1つ又は複数のセットを用いてトレーニングされる。例えば、スペクトルボリューム画像データのセットは、低エネルギー高コントラスト画像を含み、ニューラルネットワークは非スペクトルボリューム画像データ及びシステム情報から低エネルギー高コントラスト画像を予測するようにトレーニングされる。ここで、スペクトルボリューム画像データのセットは、有効Z画像を含み、ニューラルネットワークは、非スペクトルボリューム画像データ及びシステム情報等から有効Z画像を予測するようにトレーニングされる。
【0028】
1つの例において、ニューラルネットワーク220は以下のように構築される。特定のシステムS(この例ではシステム200)から再構成された画像Iは、アーチファクトのない画像Iartifact-free及びアーチファクト画像Iartifactの和、すなわちI=Iartifact-free+Iartifactとみなすことができる。アーチファクトのない画像内の各ボクセルは、フォト成分及び散乱成分に更に分解することができ、これらはシステム固有でない(Iartifact-free=αμp+βμs)。ビームハードニング及び散乱アーチファクト等のアーチファクトは、固定入力X線スペクトル、システムジオメトリ及び検出器構成を所与とした、フォト成分及び散乱成分の関数である(Iartifact=(αμ,βμs,S)。画像内のアーチファクトは特定のシステム構成を所与として検出することができ、例えばニューラルネットワークを用いて金属アーチファクト及び散乱アーチファクトを検出する)。
【0029】
関数fが既知である場合、α及びβは、Iartifact-free=αμp+βμs及びIartifact=(αμ,βμs,S)を組み合わせることによって解くことができる。ニューラルネットワーク220は、非スペクトルボリューム画像データからの、スペクトル情報を含む散乱及びフォトの濃度であるスペクトル情報(α及びβ)を画像アーチファクトにより特定することができるように関数fを当てはめるようにトレーニングされる。特定のシステム構成情報は、検出器情報(例えば、検出器位置、検出器応答、散乱線除去グリッドジオメトリ及び材料)、放射源情報(例えば、放射源位置、スペクトル分布)、及び他のシステム固有情報(例えば、アイソセンタ、コリメーション等)を含む。
【0030】
次に、ニューラルネットワーク220のトレーニング可能なパラメータが更新され、オブジェクト関数222を用いて複数の反復を通じて収束する。オブジェクト関数222は、1つの例において、トレーニングスペクトル及びシステム情報と非スペクトルボリューム画像データとの間の誤差を、例えば、それらの間の平均二乗差及び/又は他の差に基づいて最小化する数学的関数を含む。この例において、パラメータは、誤差が所定の閾値未満になるまで更新される。他の停止判断基準は、所定の数の反復、所定の持続時間等を含む。
【0031】
1つの例において、オブジェクト関数222は、例えば式1に示すようにコスト関数L(w)として実施される。
【数1】
ここで、NSIは、トレーニング非スペクトルボリューム画像データのj番目のセットであり、Sinfoは、システム固有情報のj番目のセットであり、SIは、トレーニングスペクトルボリューム画像データのj番目のセットであり、Tは、NSI及びSinfoをトレーニング可能なパラメータwを用いてSIに変換する変換を表し、
【数2】
は、小さなパラメータwに向けて式を駆動する正則化項を表し、λはハイパーパラメータを表し、kはインデックスを表す。コスト関数を最小化することによって、wによってパラメータ化された関数Tが反復的に解かれる。
【0032】
この例において、上記で論考したように、非スペクトル再構成器216は、少なくとも、散乱及び/又はビームハードニング補正を適用する。そのような補正により、スペクトル情報が低減又は除去される。例えば、上記で説明したように、低Z、高密度構造と、高Z、低密度構造との間の光電効果及びコンプトン散乱差が非スペクトル投影データに反映される。概して、低Z、高密度構造のための投影データがより多くの散乱を含む。散乱補正は、この差を除去又は低減することができる。更に、低Z材料よりも高Z材料についてより多くのビームハードニングアーチファクトが存在する。ビームハードニング補正は、この差を除去又は低減することができる。変形形態において、散乱補正及び/又はビームハードニング等の、スペクトル情報を除去する補正は省かれる。結果として得られるデータは、本明細書において、部分的に補正された(補正のうちのいくつかが省かれている)又は未補正(全ての補正が省かれている)非スペクトルボリューム画像データと呼ばれる。
【0033】
図3は、スペクトル画像モジュール130のニューラルネットワークの別の例示的なトレーニングを概略的に示す。この例において、ニューラルネットワーク220は、図2に関連して説明したのと同じCTスキャナ200によって生成されたデータを用いてトレーニングされる。しかしながら、ニューラルネットワーク220は、非スペクトル再構成器216からの非スペクトルボリューム画像データではなく、第1の層204からの非スペクトル投影データを用いてトレーニングされる。
【0034】
図2及び図3に関連して説明された例を用いてトレーニングされたニューラルネットワーク220は、スペクトルCTスキャナ200の第1の層204に類似した検出器アレイを含む非スペクトルCTスキャナによく適している。しかしながら、トレーニングされたニューラルネットワーク220は、他の検出器アレイと共に用いることができる。これらの例において、ニューラルネットワーク220のトレーニングは、検出器ジオメトリ及び放射検出特性等のスキャナ情報も含むことができる。
【0035】
図2及び図3は、ニューラルネットワークが、二重層検出器アレイ202を用いて構成されたCTスキャナ(CTスキャナ200)によって生成されたデータを用いてトレーニングされる例を示す。変形形態において、ニューラルネットワークは、2つ以上の層を用いて構成されたスペクトルCTスキャナによって生成されたデータを用いてトレーニングされる。更に別の変形形態では、スペクトルCTスキャナは、光子カウント(直接変換)検出器を用いて構成され、ニューラルネットワークはそこから生成されたデータを用いてトレーニングされる。
【0036】
別の変形形態では、ニューラルネットワークは、複数のX線管を用いて構成されたスペクトルCTスキャナによって生成されたデータを用いてトレーニングされる。この例において、非スペクトル投影データは、X線管/検出器アレイ対のうちの1つのためのものである。別の変形形態において、ニューラルネットワークは、kVp切り替え回路を用いて構成されたスペクトルCTスキャナによって生成されたデータを用いてトレーニングされる。この例において、非スペクトル投影データは、kVpのうちの1つのためのものである。複数のX線管及び/又はkVp切り替え回路を用いて構成されたシステムの例は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2009年6月1日に出願された「Spectral CT」と題する米国特許第8,442,184号に記載されている。
【0037】
図4は、スペクトル画像モジュール130が、図2のトレーニングされたニューラルネットワーク220を用いて、再構成器116を用いて再構成された非スペクトルボリューム画像データ、システムジオメトリ及び物理特性情報(例えば、X線スペクトル及び検出器応答)等の、検出器アレイ114、放射源112に関する情報等の非スペクトルCTスキャナ102に関する情報、及び/又は他のシステム固有情報から、スペクトルボリューム画像データを予測する非スペクトルCTスキャナ102を概略的に示す。図5は、スペクトル画像モジュール130が、図3のトレーニングされたニューラルネットワークを用いて、検出器アレイ114によって生成された非スペクトル投影データ、及び非スペクトルCTスキャナ102に関する情報から、スペクトルボリューム画像を予測するシステム102を概略的に示す。
【0038】
図6は、適切なニューラルネットワーク220の例を概略的に示す。入力は、非スペクトルデータ(例えば、投影データ又はボリューム画像データ)を含む。1つの例において、3D非スペクトルデータ全体が処理される。別の例において、そのサブセット(例えば、画像データについてのスライス、スライス及び近傍スライス、スライス及び多断面再構成(MPR)スライス等)が処理される。この例は例示的なものであり、より深層のニューラルネットワークを含む他のニューラルネットワークが本明細書において予期されることを理解されたい。入力は、システム情報、例えば1Dベクトルとしての入力を更に含む。出力はスペクトルデータである。
【0039】
この例において、ニューラルネットワーク220は、ニューラルネットワークブロック(NNB)602、604、606及び608を用いた3次元(3D)畳み込みニューラルネットワークである。ブロック602、604、606及び608の各々は1つ又は複数の層を含むことができ、各層は、1つ又は複数の畳み込み層、バッチ正規化層及び正規化線形ユニットを含む。ニューラルネットワークは、プーリング層(PL)610と、1つ又は複数の全結合層(FCL)612、614及び616と、アップサンプリング層(USL)618と、少なくとも2つの連結層(concat)620及び622とを更に備える。入力は非スペクトルボリューム画像データ又は非スペクトル投影データ及びシステム情報であり、出力は予測スペクトルボリューム画像データである。
【0040】
概して、畳み込み層は、畳み込み演算を入力に適用する畳み込みニューロンを含む。バッチ正規化層は、出力が正規化線形ユニットによって処理される前に、畳み込み層の出力を正規化する。正規化線形ユニットは、非線形活性化関数をその入力に適用する。プーリング層610はその入力をダウンサンプリングする。ブロック610の出力はベクトル化される。全結合層612~616は、前の層によって学習された特徴を組み合わせる。連結層620は、全結合層612及び616の出力を連結する。1つの例において、これは、ベクトル化された非スペクトルデータ及びシステム情報ベクトルをチャネルに沿って連結し、ベクトルを再整形することを含む。アップサンプリング層618は、その入力を元のサイズに戻すか又は他のサイズにするようにアップサンプリングする。連結層622は、ブロック602及びアップサンプリング層618の出力を連結する。ブロック608は、スペクトルデータを出力する。
【0041】
畳み込みネットワークの例は、Gouk他「Fast Sliding Window Classification with Convolutional Neural Networks」IVNVZ‘14 Proceedings of the 29th International Conference on Image and Vision Computing New Zealand, Pages 114-118, November 19-21, 2014、「Fully convolutional networks for semantic segmentation」Proceedings of the IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, 2015、及びRonneberger他「U-Net: Convolution Networks for Biomedical Image Segmentation」Medical Image Computing and Computer-Assisted Intervention(MICCAI), Springer, LNCS, Vol. 9351: 234--241, 2015に更に記載されている。
【0042】
図7は、本明細書の実施形態による例示的な方法を示す。
【0043】
方法の動作の順序が限定的ではないことが理解されるべきである。したがって、他の順序が本明細書において予期される。加えて、1つ若しくは複数の動作が省略されてもよく、及び/又は1つ若しくは複数の追加の動作が含められてもよい。
【0044】
702において、本明細書に記載したように、及び/又は他の形で、スペクトル撮像システムを用いてスペクトルボリューム画像データが生成される。
【0045】
704において、本明細書に記載したように、及び/又は他の形で、同じスペクトル撮像システムを用いて非スペクトルボリューム画像データが生成される。
【0046】
706において、スペクトルボリューム画像データ、非スペクトルボリューム画像データ、及びシステム情報を用いてニューラルネットワークをトレーニングし、非スペクトルボリューム画像データからスペクトルボリューム画像データを予測する。
【0047】
708において、トレーニングされたニューラルネットワークを用いて、非スペクトルスキャナからの非スペクトルボリューム画像データ、及びその非スペクトルスキャナのシステム情報からスペクトルボリューム画像データを予測する。
【0048】
図8は、本明細書の実施形態による例示的な方法を示す。
【0049】
方法の動作の順序が限定的ではないことが理解されるべきである。したがって、他の順序が本明細書において予期される。加えて、1つ若しくは複数の動作が省略されてもよく、及び/又は1つ若しくは複数の追加の動作が含められてもよい。
【0050】
802において、本明細書に記載したように、及び/又は他の形で、スペクトル撮像システムを用いてスペクトルボリューム画像データが生成される。
【0051】
804において、本明細書に記載したように、及び/又は他の形で、同じスペクトル撮像システムを用いて非スペクトル投影データが生成される。
【0052】
806において、非スペクトル投影データからスペクトルボリューム画像データを予測するように、スペクトルボリューム画像データ、非スペクトル投影データ、及びシステム情報を用いてニューラルネットワークをトレーニングする。
【0053】
808において、トレーニングされたニューラルネットワークを用いて、非スペクトルスキャナからの非スペクトル投影データ、及びその非スペクトルスキャナのシステム情報からスペクトルボリューム画像データを予測する。
【0054】
スペクトル画像は、単一のタイプ又は複数のタイプのスペクトル画像を含む。例えば、1つの例において、スペクトル画像は、有効低keV画像(例えば、最大組織コントラストの場合)を含む。別の例において、スペクトル画像は有効Z画像を含む。更に別の例において、スペクトル画像は、有効低keV及び有効Z画像の双方を含む。更に別の例において、スペクトル画像は1つ又は複数の他のタイプのスペクトル画像を含む。
【0055】
スペクトル画像が複数のタイプのスペクトル画像を含む場合、複数のタイプの各々について、異なるニューラルネットワークをトレーニングすることができる。別の例において、組み合わされたニューラルネットワークが、少なくとも2つの異なるタイプのスペクトル画像についてトレーニングされる。複数の及び/又は組み合わされたトレーニングされたニューラルネットワークを用いて、非スペクトルデータからの1つ又は複数のタイプのスペクトル画像について1つ又は複数のスペクトルボリューム画像データセットを予測する。これは、上記の例において有効低keV画像及び有効Z画像を予測することを含む。
【0056】
上記は、コンピュータ可読記憶媒体にエンコードされ又は埋め込まれ、コンピュータプロセッサによって実行されると、当該プロセッサに、上記動作を行わせるコンピュータ可読命令によって実施可能である。これに加えて又は追加して、コンピュータ可読命令の少なくとも1つは、コンピュータ可読ストレージ媒体でない信号、搬送波又は他の一時的媒体によって担持される。
【0057】
本発明は、図面及び上記において詳細に図示及び記載されているが、かかる図示及び記載は説明的又は例示的であり、非限定的であると考えられるべきである。本発明は、開示の実施形態に限定されない。開示の実施形態の他の変形例が、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲から、特許請求される発明に係る当業者によって理解及び実施され得る。
【0058】
特許請求の範囲において、「含む」という用語は他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数を除外しない。単一の要素又は他のユニットが、請求項に記載される複数のアイテムの機能を果たし得る。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているからといって、これらの手段の組み合わせが好適に使用することができないとは限らない。
【0059】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又は他のハードウェアの一部として供給される光学記憶媒体又はソリッドステート媒体等の適切な媒体上で記憶及び/又は配信されてもよいし、インターネット又は他の有線若しくは無線テレコミュニケーションシステムを介して等の他の形態で配信されてもよい。特許請求の範囲内のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8