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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】紫外線照射ユニット及び紫外線殺菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20231023BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20231023BHJP
   C02F 1/32 20230101ALI20231023BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L9/20
C02F1/32
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020553863
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 JP2019042048
(87)【国際公開番号】W WO2020090687
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2018207395
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019063231
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019135582
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲岡 夏希
(72)【発明者】
【氏名】河野 隼
(72)【発明者】
【氏名】常盤 哲也
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/221733(WO,A1)
【文献】特開2018-064771(JP,A)
【文献】特開2018-118201(JP,A)
【文献】特開2018-068442(JP,A)
【文献】特開2018-034020(JP,A)
【文献】特開2019-098055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
A61L 9/20
C02F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つ以上の口部を有する継手の1つの口部に紫外線照射ユニットを嵌合した紫外線殺菌装置であって、
前記紫外線照射ユニットは、筐体と、前記筐体内に配置される紫外線を出射する光源と、前記筐体の紫外線出射口と前記光源との間に配置される紫外線透過体とを備え、
前記筐体は、流路管に接続される継手の口径内に収まる外径寸法を有し、
前記3つ以上の口部を有する継手は、互いに対向して配置される第1口部及び第2口部と、前記第1口部及び前記第2口部を繋ぐ管と、前記管に開口を有する1つ以上の第3口部とを含み、
前記紫外線照射ユニットは、前記継手を流れる流体の流れ方向と対向するように設けられ、かつ、前記筐体の一部が前記第3口部の開口に離間して対向するように前記継手の前記第1口部又は前記第2口部に嵌合されている、紫外線殺菌装置。
【請求項2】
前記紫外線透過体は、石英、サファイア、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂から選択される1種又は2種以上を含む板状体又は集光レンズである請求項1に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項3】
前記紫外線照射ユニットは、前記光源から出射された紫外線のうちの一部を前記紫外線出射口に向けて反射するリフレクターをさらに備える、請求項1又は2に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項4】
前記筐体に、紫外線を出射する紫外線照射モジュールが取り付けられ、
前記光源及び前記紫外線透過体が、前記紫外線照射モジュールに配置されている請求項1~3の何れか1項に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項5】
前記紫外線照射ユニットにさらに放熱部が設けられ、前記放熱部は熱伝導性が高い材料で形成されている請求項1~4の何れか1項に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項6】
前記放熱部は、前記流路管内を流れる流体に接する位置に配置されている請求項5に記載の紫外線殺菌装置
【請求項7】
前記筐体は、紫外線出射口側筐体と反紫外線出射口側筐体に分割され、少なくとも前記紫外線出射口側筐体に前記放熱部が配置されている請求項5又は6に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項8】
前記紫外線照射ユニットは、筐体の紫外線出射口側筐体端部が、前記継手の第3口部の開口を越えて、前記紫外線照射ユニットが嵌合している口部に対向する口部側に存在している請求項1~7の何れか1項に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項9】
前記紫外線殺菌装置は、流路内において低い位置に配置されている請求項1~8の何れか1項に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項10】
前記継手の第1口部には、集光レンズである紫外線透過体を有する紫外線照射ユニットが嵌合し、前記継手の第2口部の内径寸法は、第1口部に向かって小さくなっている請求項1~8の何れか1項に記載の紫外線殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射ユニット及び紫外線殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線を用いて流路管内の流体を殺菌処理することが広く知られている。例えば、特表2016-531746号公報には、紫外線を均一に分散させて流路管内の流体を殺菌処理する紫外線殺菌装置が記載されている。
【発明の概要】
【0003】
しかし、既設の流路管を流れる流体を殺菌する場合、従来の紫外線殺菌装置を既設の流路管に接続することは困難であり、別途接続するための設備が必要になる。
【0004】
そこで本発明は、既設の流路管に容易に接続できる紫外線照射ユニット及び紫外線殺菌装置の提供を目的とする。
【0005】
上記の課題を解決するための、本発明に関する紫外線照射ユニットは、筐体と、前記筐体内に配置される紫外線を出射する光源と、前記筐体の紫外線出射口と前記光源との間に配置される紫外線透過体とを備え、前記筐体は、流路管に接続される継手の口径内に収まる外径寸法を有する。
【0006】
また、上記の課題を解決するための、本発明に関する紫外線殺菌装置は、上述した紫外線照射ユニットを、3つ以上の口部を有する継手の1つの口部に嵌合している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の実施の形態1の紫外線照射ユニットの断面図である。
図2図2は、実施の形態の紫外線殺菌装置の断面図である。
図3図3は、図2に示す紫外線殺菌装置から紫外線照射モジュールを取り外した状態を示す断面図である。
図4図4は、実施の形態2の紫外線照射ユニットの断面図である。
図5図5は、実施の形態3の紫外線照射ユニットの断面図である。
図6図6は、実施の形態4の紫外線照射ユニットの断面図である。
図7図7の(A)は、筐体の上面から28mmにおける、実施の形態4の紫外線照射ユニットの紫外線照射強度の分布図、(B)は、筐体の上面から28mmにおける紫外線照射ユニットの紫外線照射強度を示すグラフである。
図8図8の(A)は、例1~3の紫外線照射ユニットの放熱性試験の様子を示す図、(B)は、例4の紫外線照射ユニットの放熱性試験の様子を示す図である。
図9図9は、例1の紫外線照射ユニットの各部及び水の温度と時間の関係を示すグラフである。
図10図10は、例2の紫外線照射ユニットの各部及び水の温度と時間の関係を示すグラフである。
図11図11は、例3の紫外線照射ユニットの各部及び水の温度と時間の関係を示すグラフである。
図12図12は、例4の紫外線照射ユニットの各部及び水の温度と時間の関係を示すグラフである。
図13図13は、実施の形態6の紫外線照射ユニットの斜視図である。
図14図14は、実施の形態6の紫外線照射ユニットを備える紫外線殺菌装置の断面図である。
図15図15は、実施の形態7の紫外線照射ユニットの斜視図である。
図16図16は、実施の形態7の紫外線照射ユニットを備える紫外線殺菌装置の断面図である。
図17図17の(A)は、実施の形態8の紫外線照射ユニットの斜視図、(B)は、(A)の紫外線照射ユニットのA-A線に沿った断面を示す図である。
図18図18は、実施の形態8の紫外線照射ユニットを備える紫外線殺菌装置の断面図である。
図19図19の(A)は、実施の形態9の紫外線照射ユニットの斜視図、(B)は、(A)の紫外線照射ユニットのA-A線に沿った断面を示す図である。
図20図20は、実施の形態9の紫外線照射ユニットを備える紫外線殺菌装置の断面図である。
図21図21は、実施の形態10の紫外線殺菌装置の断面図である。
図22図22は、紫外線照射ユニットの筐体の紫外線出射口側筐体端部の位置を変えて比較した図であり、(A)は、例1の紫外線殺菌装置内の流体の速度の分布図であり、(B)は、例2の紫外線殺菌装置内の流体の速度の分布図であり、(C)は、例3の紫外線殺菌装置内の流体の速度の分布図であり、(D)例4の紫外線殺菌装置内の流体の速度の分布図である。
図23図23は、実施の形態11の紫外線殺菌装置の断面図である。
図24図24は、実施の形態12の紫外線殺菌装置の断面図である。
図25図25は、実施の形態13の紫外線殺菌装置の断面図である。
図26図26は、実施の形態13の紫外線殺菌装置の継手の図であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は(A)に示すD-D線の断面図である。
図27図27は、紫外線殺菌装置の継手を変えて比較した図であり、(A)は、例5の紫外線殺菌装置内を流れる粒子が浴びた紫外線の照射線量と、紫外線照射ユニットから照射された紫外線の強度分布を示す図であり、(B)は、例6の紫外線殺菌装置内を流れる粒子が浴びた紫外線の照射線量と、紫外線照射ユニットから照射された紫外線の強度分布を示す図である。
図28図28の(A)は、例5の紫外線殺菌装置において各粒子が浴びた紫外線の照射線量を示すグラフ、(B)は、例6の紫外線殺菌装置において各粒子が浴びた紫外線の照射線量を示すグラフである。
図29図29は、変形例1の紫外線殺菌装置の断面図である。
図30図30は、変形例2の紫外線殺菌装置の断面図である。
図31図31は、変形例3の紫外線殺菌装置の継手の図であり、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は(A)に示すD-D線の断面図である。
図32図32は、変形例4の紫外線殺菌装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
[実施の形態1]
図1及び図2に示すように、紫外線照射ユニット1は、略円筒形状の筐体3と、筐体3内に配置された光源5と、筐体3の紫外線出射口7と光源5との間に配置された紫外線透過体9とを有する。
【0010】
筐体3は、流路管に接続される継手の口径内に収まる外径寸法を有し、紫外線出射口7と、光源5を備える紫外線照射モジュール11を挿入するためのモジュール挿入口13とを備える、略円筒形状の筐体本体15を有する。筐体3は、例えば、塩化ビニル、ポリプロピレン(PP)、架橋ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)のような樹脂材料、カーボンブラックのような熱伝導性の高い材料を含む樹脂材料、又はステンレス鋼、銅とスズの合金である青銅、銅と亜鉛との合金である黄銅、アルミニウムのような金属材料から形成される。筐体3は、後述する継手51と同じ材料から形成されることが好ましい。
【0011】
モジュール挿入口13は、紫外線出射口7と比較して大きく開口している。モジュール挿入口13は、例えば、直径21mmの円形状である。紫外線出射口7は、例えば、直径14mmの円形状である。
【0012】
筐体本体15は、後述する継手51の口部の口径内に収まる外径寸法を有する。筐体本体15の外径寸法は、接続する継手の規格にあった外径とし、例えば、この実施の形態ではJIS K6743 TSチーズ継手 呼び径20に接続できる外径としている。筐体本体15の内壁17には、紫外線照射モジュール11と螺合するネジ溝(図示せず)が設けられている。筐体本体15の外壁19には、後述する継手51の第1口部53の内壁59と螺合するネジ溝(図示せず)が設けられている。
【0013】
また、筐体本体15は、モジュール挿入口13側の端部に鍔部21と、紫外線出射口7側の端部に延出部23とを有する。
【0014】
鍔部21は、筐体本体15のモジュール挿入口13側の端部から外周側に向かって延出して設けられている。鍔部21は、後述する継手51の第1口部53の開口側端部61に当接して、紫外線照射ユニット1が継手51の第1口部53内に全て入ることを防止する。
【0015】
延出部23は、筐体本体15の紫外線出射口7側の端部から紫外線出射口7の口径を狭めるように内周側に向かい、続いて筐体本体15の中空内に向かって延出して設けられている。延出部23は、流体接触部25と、紫外線透過体当接部27と、紫外線透過体当接部27及び筐体本体15の内壁17の間に形成されたパッキン挿入溝29とを有する。紫外線透過体当接部27は、パッキン挿入溝29内に配置されたパッキン31とともに紫外線透過体9と当接する。
【0016】
パッキン31は、オーリングであり、例えば、ニトリルゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムから形成される。
【0017】
紫外線照射モジュール11は、光源5と、光源5のモジュール挿入口13側の面に配置された基板33と、基板33のモジュール挿入口13側の面に配置された基体35と、基体35のモジュール挿入口13側の面に互いに間隔をあけて配置された複数の放熱板37を備える放熱体39とを有する。
【0018】
光源5は、紫外線を出射し、光源5から出射される紫外線の中心波長又はピーク波長は、例えば、200nm以上350nm以下である。光源5から出射される紫外線の中心波長又はピーク波長は、殺菌率が高い観点から、260nm以上290nm以下であることが好ましい。光源5の種類は、紫外線を出射できれば特に限定されない。光源5の種類は、例えば、発光ダイオード(LED)、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、レーザーダイオード(LD)である。
【0019】
基体35は、円形の板状形状であり、側壁41に筐体3の内壁17と螺合するネジ溝(図示せず)が設けられている。基体35は、例えば、カーボンブラックを含む樹脂材料、Al(アルミニウム)等の熱伝導性の高い材料から形成される。
【0020】
各放熱板37は、光源5から発生した熱を外部に放出する。各放熱板37は、例えば、アルミニウム、鉄、銅等の熱伝導性が高い材料から形成される。各放熱板37は、剣山状や蛇腹状のように表面積を大きくすることによって放熱性能を向上することができる。また、筐体3を、カーボンブラックを含む樹脂材料、Al(アルミニウム)等の熱伝導性の高い材料にすることで、流体と筐体3と放熱板37とにおける連続的な熱移動を促進でき、更に放熱性能を向上させることができる。
【0021】
紫外線透過体9は、光源5から出射された紫外線を継手51内に透過させる。紫外線透過体9は、筐体3の紫外線透過体当接部27とパッキン31に当接して、筐体本体15内に嵌め込まれている。紫外線透過体9は、例えば、石英(SiO)、サファイア(Al)、非晶質のフッ素系樹脂、シリコーン樹脂のような紫外線に対する透過率が高い材料から形成される。紫外線透過体は、例えば上述した材料から選択される1種又は2種以上を含む板状体又は集光レンズである。
【0022】
光源5と紫外線透過体9との間には、スペーサー43が設けられている。スペーサー43は、その一端45が紫外線透過体9のモジュール挿入口13側の面の外周近傍に当接して、紫外線透過体9がずれないように固定している。また、スペーサー43は、その他端47が紫外線照射モジュール11の基体35の紫外線出射口7側の面の外周近傍に当接することによって、光源5が紫外線透過体9に接触して、紫外線透過体9が破損しないように位置決めしている。
【0023】
上述した紫外線照射モジュール11は、光源5をモジュール挿入口13から筐体本体15の中空内に向けて挿入し、筐体3の内壁17と、紫外線照射モジュール11の基体35の側壁41とを螺合し、基体35の外周近傍をスペーサー43の他端47に当接させて、筐体3に取り付けることができる。このため、紫外線照射モジュール11は、筐体3内に脱着自在に設けられている。
【0024】
図2に示すように、紫外線殺菌装置49は、紫外線照射ユニット1を、3つの口部を有する継手51の1つの口部である第1口部53に嵌合している。
【0025】
継手51は、例えば、市販の継手であり、塩化ビニル、ポリプロピレン、架橋ポリエチレンのような樹脂材料、又はステンレス鋼、青銅、黄銅のような金属材料から形成される。継手51は、筐体3と同じ材料から形成されることが好ましい。継手51は、例えば、T字型、Y字型のような3つの口部を有する継手、十字型のような4つの口部を有する継手などの3つ以上の口部を有する継手である。
【0026】
継手51は、T字型の継手であり、長手方向の一端側に開口している第1口部53と、長手方向の他端側に開口している第2口部55と、長手方向の中央近傍から垂直に分岐して、開口している第3口部57とを有する。言い換えると、3つの口部を有する継手51は、互いに対向して配置されている第1口部53及び第2口部55と、第1口部53及び第2口部55を繋ぐ管と、管に開口を有する第3口部57とを有する。
【0027】
第1口部53には、第1口部53の内壁59に設けられたネジ溝(図示せず)と、紫外線照射ユニット1の筐体本体15の外壁19に設けられたネジ溝とを螺合させ、継手51の開口側端部61に紫外線照射ユニット1の鍔部21を当接させて、紫外線照射ユニット1が固定されている。第1口部53には、例えば、紫外線照射ユニット1が接着剤、又は溶接により固定されていてもよい。
【0028】
第2口部55には、流入側流路管63が接続されている。流入側流路管63は、既設の流路管であり、例えば、ネジ、接着剤、溶接等により第2口部55に固定されている。流入側流路管63の上流側には、流体供給装置など(図示せず)が接続されている。
【0029】
第3口部57には、流出側流路管65が接続されている。流出側流路管65は、既設の流路管であり、例えば、ネジ、接着剤、溶接等により第3口部57に固定されている。流出側流路管65の下流側には、液体貯蔵装置など(図示せず)が接続されている。
【0030】
流体供給装置から流入側流路管63を経由して第2口部55内に導入された流体は、流入側流路管63と第2口部55を流れている間に、紫外線照射ユニット1から出射された紫外線により殺菌処理される。続いて、殺菌処理された流体は、第3口部57と流出側流路管65を経由して液体貯蔵装置に流れる。このようにして、紫外線殺菌装置49は、流体を紫外線により殺菌処理することができる。
【0031】
流体の流量は、流入側流路管63と第2口部55を流れる間に紫外線の照射によって殺菌される流量であればよく、例えば、1L/min~100L/minである。
【0032】
流体は、例えば、空気等の気体、小麦粉のような穀物やその他の粉体、上水や農業用水のような液体である。
【0033】
上述したように、紫外線照射ユニット1は、継手51の第1口部53の口径内に収まる外径寸法を有する円筒形状の筐体3を備えるため、継手51に容易に接続できる。そのため、紫外線照射ユニット1は、継手51を介在させて、既設の流路管である流入側流路管63と流出側流路管65に容易に接続することができ、さらに別途接続するための設備を必要としないため、コストを削減することもできる。
【0034】
図2に示すように、紫外線殺菌装置49は、紫外線照射ユニット1を、継手51を流れる流体に対して、流体の流れる向きに対向する口部である第1口部53に設けることによって、流体に対して紫外線を照射する時間を長くして、殺菌処理する流体の量を増やすことができる。
【0035】
紫外線殺菌装置49は、交換並びにメンテナンスを以下に示すように実施することができる。図3に示すように、紫外線殺菌装置49は、紫外線照射ユニット1の筐体3及び紫外線透過体9を残して紫外線照射モジュール11のみを取り外すことができる。続いて、新規の紫外線照射モジュール11を紫外線照射ユニット1の筐体3内に取り付けて、新規の紫外線照射モジュール11に交換することができる。このため、紫外線殺菌装置49は、別の紫外線照射ユニット1を用意することなく、紫外線照射モジュール11のみを準備すればよいため、コストを削減することができる。また、紫外線透過体9は、パッキン31及び紫外線透過体当接部27とスペーサー43とにより挟持されているため、流体が外部に漏れ出ることを防止できる。
【0036】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施形態において、上述した実施の形態1と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では実施の形態1と主に異なる点を説明する。
【0037】
[実施の形態2]
図4を参照して、実施の形態2の紫外線照射ユニット1について説明する。実施の形態2の紫外線照射ユニット1は、スペーサー43の代わりにリフレクター67を有することのみが実施の形態1の紫外線照射ユニット1と異なる。
【0038】
図4に示すように、実施の形態2の紫外線照射ユニット1は、紫外線透過体9の外周近傍に当接し、光源5の周囲に配置されたリフレクター67を有する。
【0039】
リフレクター67は、凹部69と、紫外線反射面71と、紫外線出射口側面73と、モジュール挿入口側面75と、紫外線出射口側開口部77と、モジュール挿入口側開口部79とを備えている。
【0040】
リフレクター67は、光源5から出射された紫外線のうち、一部の紫外線(出射角度が大きな紫外線)を紫外線透過体9に向けて反射する。リフレクター67は、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィンコポリマー(COC)、ガラス、金属から形成され、少なくとも紫外線反射面71の表面はアルミニウムでミラー状にコーティングされている。凹部69の表面は、紫外線から樹脂を保護するためにコーティングされていてもよい。凹部69と紫外線反射面71の表面のコーティングは、例えば、蒸着によるアルミニウムコーティングが挙げられる。
【0041】
凹部69は、紫外線照射モジュール11の光源5と基板33を収容する。凹部69の底部の中央部部分は、モジュール挿入口側開口部79と連通している。
【0042】
紫外線反射面71は、光源5から出射され、直接到達した紫外線を紫外線透過体9に向けて反射する。紫外線反射面71は、中心軸81を回転軸とした回転対象面であり、本実施の形態では円対称であり、中心軸81に対して直線状である。紫外線反射面71は、中心軸81の方向に凸の曲線状や凹の曲線状であってもよく、光源5から出射された紫外線を紫外線透過体9に向けて反射する目的が達成されればよい。
【0043】
紫外線出射口側面73は、紫外線透過体9の外周近傍に当接し、モジュール挿入口側面75は、基体35の紫外線出射口側の面の外周近傍に当接している。紫外線出射口側面73とモジュール挿入口側面75は、中心軸81が紫外線出射口側開口部77とモジュール挿入口側開口部79の中心を通るように、リフレクター67を位置決めしている。
【0044】
紫外線出射口側開口部77は、モジュール挿入口側開口部79と比較して大きく開口している。紫外線出射口側開口部77は、例えば、直径16mmの円形状である。モジュール挿入口側開口部79は、例えば、直径6mmの円形状である。
【0045】
実施の形態2の紫外線照射ユニット1は、リフレクター67の紫外線反射面71において、光源5から出射された紫外線を紫外線透過体9に向けて反射するため、中心付近に高い紫外線強度を有する紫外線を外部に向けて照射することができる。このため、実施の形態2の紫外線照射ユニット1は、流路管を流れる流体に対して、すなわち管の中央では速く、管壁側では遅い層流の流体に対して、流体の流れに対向する位置から、中心付近に高い紫外線強度を有する紫外線を照射することによって、流体を十分に殺菌することができる。
【0046】
また、実施の形態2の紫外線照射ユニット1は、継手の内壁と流路管の内壁に紫外線が直接照射されることを抑制して、継手及び流路管が紫外線により劣化することを防止できる。
【0047】
[実施の形態3]
図5を参照して、実施の形態3の紫外線照射ユニット1について説明する。実施の形態3の紫外線照射ユニット1は、スペーサー43の代わりにリフレクター67を有すること、紫外線透過体として第1集光レンズを有すること、パッキン31を有していないことが実施の形態1の紫外線照射ユニット1と異なる。
【0048】
実施の形態3において、紫外線透過体9は第1集光レンズであり、凸レンズ面83と、鍔部85と、脚部87とを有する。以下、実施の形態3において、紫外線透過体9を第1集光レンズとして記載する。
【0049】
凸レンズ面83は、紫外線照射モジュール11の光源5に対向するように配置されている。凸レンズ面83は、紫外線照射モジュール11の光源5から出射され、直接到達した紫外線と、リフレクター67の紫外線反射面71に反射して到達した紫外線とが入射する面である。凸レンズ面83は、中心軸81を回転軸とした円対称である。凸レンズ面83は、中心軸81に対して直交する断面において、光源5側から継手51側に向かうにしたがって、断面の径が大きくなるように形成されている。
【0050】
鍔部85は、凸レンズ面83の周囲に配置されている。鍔部85には、リフレクター67の紫外線出射口側面73が当接している。
【0051】
脚部87は、鍔部85の凸レンズ面83と反対側面の外周近傍から筐体3のパッキン挿入溝29内に向かって延出し、形成されている。脚部87は、筐体3のパッキン挿入溝29と係合している。
【0052】
第1集光レンズは、紫外線照射モジュール11の光源5から出射された紫外線、すなわち、紫外線照射モジュール11から出射され、第1集光レンズに直接到達した紫外線と、紫外線照射モジュール11から出射された後にリフレクター67の紫外線反射面71で反射され、第1集光レンズに到達した紫外線とを集光し、外部に向けて透過する。
【0053】
実施の形態3の紫外線照射ユニット1は、リフレクター67の紫外線反射面71において、光源5から出射された紫外線を紫外線透過体9に向けて反射するとともに、紫外線透過体9である第1集光レンズにおいて、紫外線照射モジュール11の光源5から出射された紫外線を集光し、外部に向けて透過するため、中心付近にさらに高い紫外線強度を有する紫外線を外部に向けて照射することができる。このため、実施の形態3の紫外線照射ユニット1は、流路管を流れる流体に対して、すなわち管の中央では速く、管壁側では遅い層流の流体に対して、流体の流れに対向する位置から、中心付近にさらに高い紫外線強度を有する紫外線を照射することによって、流体をさらに十分に殺菌することができる。
【0054】
また、実施の形態3の紫外線照射ユニット1は、継手の内壁と流路管の内壁に紫外線が直接照射されることをさらに抑制して、継手及び流路管が紫外線により劣化することをさらに防止できる。
【0055】
[実施の形態4]
図6を参照して、実施の形態4の紫外線照射ユニット1について説明する。実施の形態4の紫外線照射ユニット1は、紫外線透過体9として第2集光レンズを有することが実施の形態1の紫外線照射ユニット1と異なる。
【0056】
実施の形態4において、紫外線透過体9は第2集光レンズであり、凸レンズ面89と、突出部91と、紫外線入射面93と、鍔部95と、脚部97とを有する。以下、実施の形態4において、紫外線透過体9を第2集光レンズとして記載する。
【0057】
凸レンズ面89は、紫外線照射モジュール11の光源5に対向するように配置されている。凸レンズ面89は、紫外線照射モジュール11の光源5から出射された紫外線のうち、出射角度が小さい紫外線が入射する面である。凸レンズ面89は、中心軸81を回転軸とした円対称である。凸レンズ面89は、中心軸81に対して直交する断面において、光源5側から紫外線出射口7側に向かうにしたがって、断面の径が大きくなるように形成されている。
【0058】
突出部91は、凸レンズ面89の周囲から紫外線照射モジュール11側に向かって延出した後、中心軸81側から外周に向かって直線状に傾斜している。
【0059】
紫外線入射面93は、突出部91の中心軸81側の面であり、紫外線照射モジュール11の光源5から出射された紫外線のうち、出射角度が大きい紫外線が入射する面である。
【0060】
鍔部95は、突出部91の周囲に配置されている。鍔部95の紫外線照射モジュール11側の面には、スペーサー43の一端45が当接している。
【0061】
脚部97は、鍔部95の凸レンズ面89と反対側面の外周近傍から筐体3のパッキン挿入溝29内に向かって延出し、形成されている。脚部97は、筐体3のパッキン挿入溝29と係合している。
【0062】
第2集光レンズは、紫外線照射モジュール11の光源5から出射された紫外線、すなわち、紫外線照射モジュール11から出射され、凸レンズ面89に到達した紫外線と、紫外線照射モジュール11から出射され、紫外線入射面93に到達した紫外線とを集光し、外部に向けて透過する。
【0063】
実施の形態4の紫外線照射ユニット1は、紫外線透過体9である第2集光レンズにおいて、紫外線照射モジュール11の光源5から出射された紫外線を集光し、外部に向けて透過するため、中心付近に高い紫外線強度を有する紫外線を外部に向けて照射することができる。このため、実施の形態4の紫外線照射ユニット1は、流路管を流れる流体に対して、すなわち管の中央では速く、管壁側では遅い層流の流体に対して、流体の流れに対向する位置から、中心付近に高い紫外線強度を有する紫外線を照射することによって、流体を殺菌することができる。
【0064】
また、実施の形態4の紫外線照射ユニット1は、継手の内壁と流路管の内壁に紫外線が直接照射されることを抑制して、継手及び流路管が紫外線により劣化することを防止できる。
【0065】
図7を参照して、実施の形態4の紫外線照射ユニット1から出射される紫外線照射強度について説明する。図7の(A)、(B)に示すように、筐体3の上面から28mmにおいて、実施の形態4の紫外線照射ユニット1は、中心から直線距離で約1mmまでの範囲において1.94E-4W/mm以上の強度を有し、中心から直線距離で約10mm離れた箇所において2.25E-5W/mm程度の強度を有していることがわかる。一方、筐体3の上面から28mmにおいて、実施の形態1の紫外線照射ユニット1は、中心から直線距離で約1mm離れた箇所において6.73E-6W/mm程度の強度を有し、中心から直線距離で約10mm離れた箇所において6.14E-6W/mm程度の強度を有していることがわかる。したがって、実施の形態4の紫外線照射ユニット1は、紫外線透過体9として第2集光レンズを備え、第2集光レンズにおいて、紫外線照射モジュール11の光源5から出射された紫外線を集光し、外部に向けて透過するため、中心付近に高い紫外線強度を有する紫外線を照射することができる。
【0066】
[実施の形態5]
図1を参照して、実施の形態5の紫外線照射ユニット1について説明する。実施の形態5の紫外線照射ユニット1は、筐体として、熱伝導性の高い材料から形成された筐体3を備える。熱伝導性の高い材料は、例えば、カーボンブラックを含むPPS、又はアルミニウム等である。
【0067】
実施の形態5の紫外線照射ユニット1は、熱伝導性の高い材料から形成された筐体3を備えるため、光源5から発生した熱が、基板33と基体35を介して、各放熱板37と筐体3に移動する。各放熱板37に移動した熱は大気中に放出され、筐体3に移動した熱は流体接触部25から流体中に移動する。このため、実施の形態5の紫外線照射ユニット1は、光源5の熱を大気中に放出して、又は流体中に移動させることによって放熱性を高めているので、紫外線照射時に光源5が高温状態(例えば、光源5に隣接する基板が65℃以上)になって、光源5が早期に劣化することを抑制又は防止できる。
【0068】
実施の形態5の紫外線照射ユニット1の放熱性を評価するために、図8に示すような放熱性試験を行なった。最初に、放熱性試験に用いる紫外線照射ユニットとして、以下に示す例1~4の紫外線照射ユニットを準備した。
【0069】
例1:カーボンブラックを含むPPSから形成された筐体3を備える紫外線照射ユニット1(実施の形態5)
例2:アルミニウムから形成された筐体3を備える紫外線照射ユニット1(実施の形態5)
例3:塩化ビニルから形成された筐体3を備える紫外線照射ユニット1
例4:塩化ビニルから形成された筐体3と、筐体3の鍔部21に取り付けられた、放熱装置であるファン107とを備える紫外線照射ユニット1
次に、室温の水109を入れたビーカー111と、筐体本体15の外径寸法と同じ直径の孔113を有するプレート115を4セット準備した。その後、例1~3の各紫外線照射ユニット1の、基板33の光源5側表面(i点)と、放熱板37表面(ii点)と、筐体3の筐体本体15の外壁19表面(iii点)に温度測定用の熱電対(図示せず)をそれぞれ取り付けた。次に、各ビーカー111の水109内(iv点)にも温度測定用の熱電対(図示せず)をそれぞれ配置した。その後、熱電対を取り付けた各紫外線照射ユニット1の筐体本体15をプレート115の孔113にそれぞれ挿入し、筐体3の流体接触部25を水の表面に接触させるようにして、プレート115をビーカー111の開口上にそれぞれ配置した。(図8の(A))。
【0070】
次に、例4の紫外線照射ユニット1の、基板33の光源5側表面(i点)と、放熱板37表面(ii点)と、筐体3の筐体本体15の外壁19表面(iii点)に温度測定用の熱電対(図示せず)を取り付けた。その後、各ビーカー111の水109内(iv点)にも温度測定用の熱電対(図示せず)を配置した。次に、熱電対を取り付けた紫外線照射ユニット1の筐体本体15をプレート115の孔113に挿入し、筐体3の流体接触部25を水の表面に接触させるようにして、プレート115をビーカー111の開口上に配置して準備を完了した(図8の(B))。
【0071】
続いて、例1~4の各紫外線照射ユニット1の光源5から紫外線を照射させて放熱性試験を開始した。放熱性試験として、紫外線照射開始(0秒)から1800秒まで、10秒間隔で、例1~4の各紫外線照射ユニット1の上記i~iii点及び水(iv点)の温度をそれぞれ測定した。その結果を図9~12に示す。また、紫外線照射1800秒後の例1~4の各紫外線照射ユニット1の上記i~iii点及び水(iv点)の温度をそれぞれ表1に示す。
【表1】
【0072】
表1を参照して、実施の形態5の紫外線照射ユニット1の放熱性について説明する。表1に示すように、例1の紫外線照射ユニット1の基板温度は60.1℃であり、例2の紫外線照射ユニット1の基板温度は39.8℃であり、例3の紫外線照射ユニット1の基板温度は79.3℃であることがわかる。したがって、実施の形態5である、例1、2の紫外線照射ユニット1は、熱伝導性の高い材料から形成された筐体3を備えるため、光源5の熱を基板33と基体35を介して放熱板37と筐体3に移動させ、筐体3に移動させた熱を流体接触部25から水中に移動させることによって、放熱性を高めていることがわかる。
【0073】
また、表1に示すように、例1の紫外線照射ユニット1の基板温度は60.1℃であり、例3の紫外線照射ユニット1の基板温度は79.3℃であり、例4の紫外線照射ユニット1の基板温度は58.1℃であることがわかる。ここから、実施の形態5である、例1の紫外線照射ユニット1は、放熱装置を備える例4の紫外線照射ユニット1と同程度に基板の温度を冷却していることがわかる。したがって、実施の形態5である、例1の紫外線照射ユニット1は、熱伝導性の高い材料から形成された筐体3を備えるため、ファン107のような放熱装置を必要とせず、放熱装置のためのコストを削減し、紫外線照射ユニットを小型化することができる。
【0074】
さらに、表1に示すように、例2の紫外線照射ユニット1の基板温度は39.8℃であり、例3の紫外線照射ユニット1の基板温度は79.3℃であり、例4の紫外線照射ユニット1の基板温度は58.1℃であることがわかる。ここから、実施の形態5である、例2の紫外線照射ユニット1は、放熱装置を備える例4の紫外線照射ユニット1よりも基板の温度を18℃以上冷却していることがわかる。したがって、実施の形態5である、例2の紫外線照射ユニット1は、熱伝導性の高い材料から形成された筐体3を備えるため、ファン107のような放熱装置を必要とせず、放熱装置のためのコストを削減し、紫外線照射ユニットを小型化することができる。
【0075】
[実施の形態6]
図13を参照して、実施の形態6の紫外線照射ユニット1について説明する。実施の形態6の紫外線照射ユニット1は、放熱部として、筐体3の流体接触部25から紫外線照射方向に向かって突出する、間隔をあけて周方向に設けられた、直方体状の複数の放熱突出部117を有することが、実施の形態1の紫外線照射ユニット1と異なる。
【0076】
直方体状の複数の放熱突出部117は、筐体3の流体接触部25から紫外線照射方向に向かって突出し、流体接触部25の流体に接触する表面積を大きくしている。複数の放熱突出部117は、筐体3と同じ材料から形成され、例えば、一体成型により筐体3とともに形成される。
【0077】
図14に示すように、実施の形態6の紫外線照射ユニット1は、直方体状の複数の放熱突出部117を、継手51の第2口部55に向かうように、継手51の第1口部53に挿入される。実施の形態6の紫外線照射ユニット1は、直方体状の複数の放熱突出部117を有するため、光源5から発生した熱が、基板33と基体35を介して、各放熱板37と筐体3に移動し、筐体3に移動した熱が、直方体状の複数の放熱突出部117から流体中に移動する。このため、実施の形態6の紫外線照射ユニット1は、光源5の熱を流体中に移動させることによって、光源5が高温状態になって、光源5が早期に劣化することを抑制又は防止できる。さらに、実施の形態6の紫外線照射ユニット1は、直方体状の複数の放熱突出部117を備えるため、放熱装置を必要とせず、放熱装置のためのコストを削減し、紫外線照射ユニットを小型化することができる。
【0078】
[実施の形態7]
図15を参照して、実施の形態7の紫外線照射ユニット1について説明する。実施の形態7の紫外線照射ユニット1は、筐体3の流体接触部25から紫外線照射方向に向かって長く突出する、流体接触部25の半周領域に間隔をあけて周方向に設けられた、角柱状の複数の放熱突出部117を有することが、実施の形態1の紫外線照射ユニット1と異なる。
【0079】
角柱状の複数の放熱突出部117は、筐体3の流体接触部25から紫外線照射方向に向かって突出し、流体接触部25の流体に接触する表面積を大きくしている。複数の放熱突出部117は、筐体3と同じ材料から形成され、例えば、一体成型により筐体3とともに形成される。
【0080】
図16に示すように、実施の形態7の紫外線照射ユニット1は、角柱状の複数の放熱突出部117を、継手51の第3口部57とは反対側に位置するように、継手51の第1口部53に挿入される。このため、実施の形態7の紫外線照射ユニット1は、第2口部55から第3口部57に向かう流体の流れを妨げない。
【0081】
また、実施の形態7の紫外線照射ユニット1は、角柱状の複数の放熱突出部117を有するため、光源5から発生した熱が、基板33と基体35を介して、各放熱板37と筐体3に移動し、筐体3に移動した熱が、角柱状の複数の放熱突出部117から流体中に移動する。このため、実施の形態7の紫外線照射ユニット1は、光源5の熱を流体中に移動させることによって、光源5が高温状態になって、光源5が早期に劣化することを抑制又は防止できる。さらに、実施の形態7の紫外線照射ユニット1は、角柱状の複数の放熱突出部117を備えるため、放熱装置を必要とせず、放熱装置のためのコストを削減し、紫外線照射ユニットを小型化することができる。
【0082】
[実施の形態8]
図17を参照して、実施の形態8の紫外線照射ユニット1について説明する。実施の形態8の紫外線照射ユニット1は、筐体3が紫外線出射口側筐体119と反紫外線出射口側筐体121とに分割されていること、基体35がスペーサー43と一体に形成されていること、基体35が紫外線出射口側筐体119と反紫外線出射口側筐体121にそれぞれ螺合してこれらを接続していること、紫外線照射モジュール11が放熱体39を有していないことが、実施の形態1の紫外線照射ユニット1と異なる。
【0083】
紫外線出射口側筐体119は、モジュール挿入口13側の内壁123に、基体35の側壁41と螺合するネジ溝(図示せず)が設けられている。紫外線出射口側筐体119は、例えば、カーボンブラックを含む樹脂材料、Al(アルミニウム)等の熱伝導性の高い材料で形成される。
【0084】
反紫外線出射口側筐体121は、紫外線出射口7側の内壁125に、基体35の側壁41と螺合するネジ溝(図示せず)が設けられている。反紫外線出射口側筐体121は、例えば、後述する紫外線出射口側筐体119と同じ材料から形成されてもよく、別の材料で形成されてもよい。
【0085】
基体35は、スペーサー43と一体に形成され、側壁41に紫外線出射口側筐体119の内壁123及び反紫外線出射口側筐体121の内壁125とそれぞれ螺合するネジ溝(図示せず)が設けられている。
【0086】
図18に示すように、実施の形態8の紫外線照射ユニット1は、筐体が紫外線出射口側筐体119と反紫外線出射口側筐体121とに分かれており、光源5から発生した熱が、基板33と基体35を介して、放熱部として熱伝導性の高い材料で形成された紫外線出射口側筐体119に移動し、紫外線出射口側筐体119に移動した熱が、流体接触部25から流体中に移動する。このため、実施の形態8の紫外線照射ユニット1は、光源5の熱を流体中に移動させることによって、光源5が高温状態になって、光源5が早期に劣化することを抑制又は防止できる。実施の形態8の紫外線照射ユニット1は、反紫外線出射口側筐体121を熱伝導性の高い材料で形成した場合、大気中への放熱も可能となるが、必ずしも紫外線出射口側筐体119と反紫外線出射口側筐体121とを同じ材料で形成する必要はなく、熱伝導性の高い材料が高価である場合、反紫外線出射口側筐体121のみ塩化ビニル等の安価な材料で形成しコストを削減できる。さらに、実施の形態8の紫外線照射ユニット1は、放熱体39を有していないため、放熱体39のためのコストを削減し、紫外線照射ユニットを小型化することができる。
【0087】
[実施の形態9]
図19を参照して、実施の形態9の紫外線照射ユニット1について説明する。実施の形態9の紫外線照射ユニット1は、紫外線出射口側筐体119の流体接触部25から紫外線照射方向に向かって長く突出する、流体接触部25の半周領域に間隔をあけて周方向に設けられた、角柱状の複数の放熱突出部117を有することが、実施の形態8の紫外線照射ユニット1と異なる。
【0088】
図20に示すように、実施の形態9の紫外線照射ユニット1は、筐体が紫外線出射口側筐体119と反紫外線出射口側筐体121とに分かれ、かつ角柱状の複数の放熱突出部117を有するため、光源5から発生した熱が、基板33と基体35を介して、紫外線出射口側筐体119と反紫外線出射口側筐体121に移動し、放熱部である紫外線出射口側筐体119に移動した熱が、流体接触部25及び角柱状の複数の放熱突出部117から流体中に移動する。このため、実施の形態9の紫外線照射ユニット1は、光源5の熱を流体中に移動させることによって、光源5が高温状態になって、光源5が早期に劣化することを抑制又は防止できる。さらに、実施の形態9の紫外線照射ユニット1は、放熱体39を有していないため、放熱体39のためのコストを削減することができる。
【0089】
[実施の形態10]
紫外線照射ユニット1から出射される紫外線の照射強度は、前述のようにW/mmで示されるが、流体に対する紫外線の殺菌線量は、W・sec/mmで示される。すなわち、用いる紫外線の出力が同じ場合、流体に対して照射時間が長い方が高い殺菌率を得られる。そこで、流体に対する紫外線の照射時間を長くして殺菌効果を向上させるために、流体の流速を低減させることが考えられる。
【0090】
図21を参照して、実施の形態10の紫外線殺菌装置49について説明する。実施の形態10の紫外線殺菌装置49は、紫外線照射ユニット1を3つの口部を有する継手51の1つの口部である第1口部53に嵌合している。紫外線照射ユニット1は、継手51を流れる流体に対して、流体の流れる向きに対向する口部である第1口部53に設けられ、かつ筐体3の紫外線出射口側筐体端部127が、継手51の第3口部57の開口129を越えて、紫外線照射ユニット1が嵌合している口部である第1口部53に対向する口部である第2口部55側に存在している。言い換えると、紫外線照射ユニット1は、筐体3の一部が、継手51の第3口部57の開口129に離間して対向するように第1口部53に嵌合されている。
【0091】
図21に示すように、実施の形態10の紫外線殺菌装置49は、紫外線照射ユニット1の筐体3の紫外線出射口側筐体端部127が、第3口部57の開口129を越えて、第2口部55側に存在しているため、すなわち、紫外線照射ユニット1の筐体3の一部が、継手51の第3口部57の開口129に離間して対向するように第1口部53に嵌合されているため、流入側流路管63から流出側流路管65へ流れる流体の、流入側流路管63から紫外線出射口側筐体端部127までの流速を、流出側流路管65における流速と比較して低減させることができる。このため、実施の形態10の紫外線殺菌装置49は、紫外線照射ユニット1の筐体3が第3口部57の開口129に離間対向せずに第1口部53に嵌合している紫外線殺菌装置と比較して、流入側流路管63から紫外線出射口側筐体端部127へ流れている流体に対して紫外線照射ユニット1から照射される紫外線の照射時間を延ばし、流体の殺菌率を向上させることができる。
【0092】
実施の形態10の紫外線殺菌装置49における、流入側流路管63から流出側流路管65へ流れる流体の、流入側流路管63から紫外線出射口側筐体端部127までの流速と、流出側流路管65における流速を確認するために、図22の(A)~(D)に示す、例1~4の構成の紫外線殺菌装置内の流体の流速をそれぞれ測定した。例1~4の紫外線殺菌装置の構成を下記に示すが、例1~3の紫外線殺菌装置が、実施の形態10の紫外線殺菌装置に該当する。
【0093】
例1:紫外線照射ユニット1の筐体3の紫外線出射口側筐体端部127が、第3口部57の開口129を越えて、第2口部55側に存在している紫外線殺菌装置49(図22の(A))
例2:紫外線照射ユニット1の筐体3の紫外線出射口側筐体端部127が、第3口部57の開口129を越えないで、第2口部55側に存在している紫外線殺菌装置49(図22の(B))
例3:紫外線照射ユニット1の筐体3の紫外線出射口側筐体端部127が、第3口部57の開口129の中心線上に存在している紫外線殺菌装置49(図22の(C))
例4:紫外線照射ユニット1の筐体3が、第3口部57の開口129に離間対向せずに第1口部53に嵌合している紫外線殺菌装置49(図22の(D))
図22の(A)~(D)に示す、例1~4の構成の紫外線殺菌装置49内の流体の流速は、COMSOLを用いたシミュレーションにより測定した。各例におけるシミュレーションは、流入側流路管63の内径を31mm、流出側流路管65の内径と第3口部の開口の最小の直径を20mmとし、流入側流路管63に2Lの流量、0.04m/sの流速で流体を供給する条件で行った。
【0094】
図22の(A)~(D)を参照して、実施の形態10の紫外線殺菌装置49の流体の流速について説明する。
【0095】
図22の(A)に示すように、例1の紫外線殺菌装置49において、流入側流路管63から紫外線出射口側筐体端部127までの流体の速度は、流路管の中央から管壁側に亘って約0.05m/sであり、流出側流路管65の中央付近における流体の速度は最大で約0.30m/sであることがわかる。
【0096】
図22の(B)に示すように、例2の紫外線殺菌装置49において、流入側流路管63から紫外線出射口側筐体端部127までの流体の速度は、流路管の中央から管壁側に亘って約0.05m/sであり、流出側流路管65の中央付近における流体の速度は最大で約0.25m/sであることがわかる。
【0097】
図22の(C)に示すように、例3の紫外線殺菌装置49において、流入側流路管63から紫外線出射口側筐体端部127までの流体の速度は、流路管の中央から管壁側に亘って約0.05m/sであり、流出側流路管65の中央付近における流体の速度は最大で約0.25m/sであることがわかる。
【0098】
図22の(D)に示すように、例4の紫外線殺菌装置49において、流入側流路管63から紫外線出射口側筐体端部127までの流体の速度は、流路管の中央付近において約0.15m/s、管壁側において約0.10m/sであり、流出側流路管65の中央付近における流体の速度は最大で約0.25m/sであることがわかる。
【0099】
したがって、実施の形態10である、例1~3の紫外線殺菌装置は、紫外線照射ユニット1の筐体3が第3口部57の開口129に離間対向せずに第1口部53に嵌合している、例4の紫外線殺菌装置と比較して、流入側流路管63から紫外線出射口側筐体端部127へ流れている流体に対して紫外線照射ユニット1から照射される紫外線の照射時間を延ばし、流体の殺菌率を向上させることができる。
【0100】
[実施の形態11]
図23を参照して、実施の形態11の紫外線殺菌装置49について説明する。実施の形態11の紫外線殺菌装置49は、筐体3の、継手51の第3口部57の開口129に離間して対向する位置に放熱部131が設けられ、放熱部131は熱伝導性が高い材料で形成されていることが、実施の形態10の紫外線殺菌装置49と異なる。
【0101】
放熱部131は、筐体3の、継手51の第3口部57の開口129に離間して対向する位置に複数のスリット133を形成することによって設けられている。放熱部131は、上述した熱伝導性が高い材料を用いて形成されている。複数のスリット133は、筐体3が流体に接触する面積を広くしている。
【0102】
実施の形態11の紫外線殺菌装置49は、筐体3が、継手51の第3口部57の開口129に離間して対向する位置に放熱部131を有するため、光源5から発生した熱が、基板33と基体35を介して、各放熱板37と筐体3に移動する。各放熱板37に移動した熱は大気中に放出され、筐体3に移動した熱は放熱部131から流体中に移動する。このため、実施の形態11の紫外線殺菌装置49は、光源5の熱を大気中に放出して、又は流体中に移動させることによって放熱性を高めているので、紫外線照射時に光源5が高温状態になって、光源5が早期に劣化することを抑制又は防止できる。
【0103】
[実施の形態12]
図24を参照して、実施の形態12の紫外線殺菌装置49について説明する。図24において、実施の形態12の紫外線殺菌装置49は、継手51の第2口部55に設けられた流入側流路管63が、90度エルボタイプの継手135を介して上流側流路管137に接続していることが、実施の形態10の紫外線殺菌装置49と異なる。
【0104】
図24において、流入側流路管63に平行な方向を第1方向Xとし、流出側流路管65及び上流側流路管137に平行な方向を第2方向Yとし、第1方向X及び第2方向Yは互いに直交し、第2方向Yの正の向きを上又は上方と定義すると、実施の形態12の紫外線殺菌装置49は、流路内において上流側流路管137よりも低い位置に配置されている。
【0105】
図24に示すように、実施の形態12の紫外線殺菌装置49は、流路内において低い位置に配置されているため、第2口部55と流入側流路管63内に空気等の気泡が入り込んでしまうことを抑制又は防止することができる。このため、実施の形態12の紫外線殺菌装置49は、紫外線照射ユニット1から照射される紫外線が、第2口部55や流入側流路管63の内径表面に直接に照射されて、第2口部55や流入側流路管63が早期劣化することを抑制又は防止することができる。また、気泡による殺菌率の低下を抑制または防止することができる。
【0106】
[実施の形態13]
図25及び26を参照して、実施の形態13の紫外線殺菌装置49について説明する。図25において、実施の形態13の紫外線殺菌装置49は、継手51の第1口部53に、集光レンズである紫外線透過体9を有する実施の形態4の紫外線照射ユニット1が嵌合していること、継手51の第2口部55の内径寸法が第1口部53に向かって小さくなっていることが実施の形態10の紫外線殺菌装置49と異なる。
【0107】
図26に示すように、実施の形態13の継手51の第2口部55の内径寸法は、第1口部53に向かってΦ1からΦ2に、次第に小さくなっている。図25において、Φ1は、第2口部55に挿入して接続される流入側流路管63の内径寸法と同じである。Φ2は、紫外線照射ユニット1の筐体3の紫外線出射口7の内径寸法以上であり、例えばΦ1の内径寸法の90%から50%である。
【0108】
図25に示すように、実施の形態13の紫外線殺菌装置49は、継手51の第2口部55の内径寸法が第1口部53に向かって小さくなっているため、流入側流路管63から流出側流路管65へ流れる流体を、第2口部55内において管の中央付近に集めることができる。そして、実施の形態13の紫外線殺菌装置49は、第2口部55内において管の中央付近に集めた流体に、紫外線強度の高い紫外線を照射することによって、流体の殺菌率を向上させることができる。
【0109】
実施の形態13の紫外線殺菌装置49における流体の殺菌率の向上を確認するために、図27の(A)、(B)に示す、例5、6の構成の紫外線殺菌装置を用いて、COMSOLによるシミュレーションを行った。以下に、例5、6の紫外線殺菌装置の各構成、及びシミュレーションの条件を示す。なお、図27の(A)、(B)において紫外線照射ユニット1は白抜きで示す。
【0110】
例5:継手51の第2口部55の内径寸法が、第1口部53に向かって25mmで一定(例えば、図26において、Φ1=Φ2=25mm)である紫外線殺菌装置49(図27の(A))
例6:継手51の第2口部55の内径寸法が、第1口部53に向かって25mmから18mm(例えば、図26において、Φ1=25mm、Φ2=18mm)に小さくなっている紫外線殺菌装置49(図27の(B))
シミュレーション条件:例5、6の構成の紫外線殺菌装置に、流入側流路管63から流出側流路管65に向けて、菌体を模した1000個の粒子を含む流体を2L/minの流量で供給した。
【0111】
上記シミュレーションによって、例5、6の構成の紫外線殺菌装置における、紫外線照射ユニットから照射された紫外線の強度分布と、紫外線殺菌装置内を流れる粒子が浴びた紫外線の照射線量を測定した。
【0112】
ここで、粒子が浴びた紫外線の照射線量は、紫外線殺菌装置による流体の殺菌率に対応し、各粒子が浴びた紫外線の照射線量を図28に示す。図28の(A)、(B)のグラフにおいて、横軸は1000個の粒子に付した通し番号を示し、縦軸は各粒子が浴びた紫外線の照射線量を示す。なお、図28において、3.0×E-5J/mmを超える紫外線照射線量の粒子のプロットは省略している。
【0113】
図27の(A)、(B)及び図28の(A)、(B)を参照して、例5、6の構成の、紫外線殺菌装置49内を流れる1000個の粒子が浴びた紫外線の照射線量について説明する。
【0114】
例5の紫外線殺菌装置49は、図27の(A)に示すように、流体に含まれる粒子139のいくつかが、第2口部55内において、管の中央付近と比べて紫外線強度が低い管の管壁側を流れていることがわかる。また、図28の(A)に示すように、1000個の粒子のうち最小の紫外線照射線量は1.9×E-5J/mmであることがわかる。
【0115】
一方、例6の紫外線殺菌装置49は、図27の(B)に示すように、流体に含まれる粒子139が、第2口部55内において、管の管壁側と比べて紫外線強度が高い管の中央付近を流れていることがわかる。また、図28の(B)に示すように、1000個の粒子のうち最小の紫外線照射線量は2.07×E-5J/mmであることがわかる。例6の紫外線殺菌装置49は、例5の紫外線殺菌装置49と比較して、1000個の粒子のうち最小の紫外線照射線量は約9%向上していることがわかる。
【0116】
したがって、実施の形態13である、例6の紫外線殺菌装置は、継手51の第2口部55の内径寸法が第1口部53に向かって小さくなっているため、流入側流路管63から流出側流路管65へ流れる流体を、第2口部55内において管の中央付近に集め、その流体に、紫外線強度の高い紫外線を照射することによって、流体の殺菌率を向上させることができる。
【0117】
[変形例]
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【0118】
図29に示すように、紫外線殺菌装置49は、流路管99を介して接続した2つの継手51と、各継手51の第1口部53に嵌合している紫外線照射ユニット1とを有していてもよい。流路管99は、既設の流路管であり、例えば、ネジ、接着剤、溶接等により2つの継手51の口部に固定されている。
【0119】
図29に示す紫外線殺菌装置49は、2つの紫外線照射ユニット1を備えているため、流体に対して紫外線を照射する時間を長くして、殺菌処理する流体の量を増やすことができる。
【0120】
紫外線殺菌装置49は、例えば、1つの紫外線照射ユニット1と1つの継手51とを1組とした場合に、1~10組の紫外線照射ユニット1と継手51とを有する。
【0121】
図30に示すように、紫外線殺菌装置49は、4つの口部を有する継手101と、継手101の2つの口部である第1口部103、第2口部105に嵌合している、2つの紫外線照射ユニット1とを有していてもよい。なお、図30に示す紫外線殺菌装置49は、第1口部103に嵌合している紫外線照射ユニット1を備えていればよく、第2口部105に紫外線照射ユニット1の代わりに栓(図示せず)を嵌合していてもよい。
【0122】
複数の放熱突出部117は、例えば、直方体状に代えて半球体状であってもよく、直方体状の放熱突出部と半球体状の放熱突出部が交互に設けられていてもよい。また、複数の放熱突出部117は、例えば、角柱状に代えて円柱状であってもよく、円柱状の放熱突出部と角柱状の放熱突出部が交互に設けられていてもよい。
【0123】
実施の形態10の紫外線殺菌装置49の筐体3は、継手51の第3口部57の開口129に離間して対向している部分の外径が、継手51の第1口部53に当接している部分の外径と同じ外径を有していてもよい。
【0124】
実施の形態12の紫外線殺菌装置49は、継手51の第2口部55に設けられた流入側流路管63に接続される上流側流路管137が、紫外線殺菌装置49よりも上方に配置されていればよく、他の上流側流路管や下流側流路管よりも上方に配置されていてもよい。
【0125】
実施の形態13の継手51の第2口部55の内径寸法は、第1口部53に向かって、段階的に小さくなっていてもよい。
【0126】
実施の形態13において、紫外線照射ユニット1は、実施の形態4の紫外線照射ユニット1の代わりに、実施の形態3の紫外線照射ユニット1であってもよい。
【0127】
実施の形態13の紫外線殺菌装置の49の継手51は、図31に示すように、継手51の第1口部53と、紫外線照射ユニット1の筐体3とが一体に形成されていてもよい。
【0128】
実施の形態13の紫外線殺菌装置49において、継手51の第2口部55の内径寸法は、図32に示すように、第2口部55に内径変換部材141を嵌合することによって、第1口部53に向かって小さくなっていてもよい。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
筐体と、
前記筐体内に配置される紫外線を出射する光源と、
前記筐体の紫外線出射口と前記光源との間に配置される紫外線透過体とを備え、
前記筐体は、流路管に接続される継手の口径内に収まる外径寸法を有する紫外線照射ユニット。
[2]
前記紫外線透過体は、石英、サファイア、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂から選択される1種又は2種以上を含む板状体又は集光レンズである[1]に記載の紫外線照射ユニット。
[3]
前記光源から出射された紫外線のうちの一部を、前記紫外線出射口に向けて反射するリフレクターをさらに備える[1]又は[2]に記載の紫外線照射ユニット。
[4]
前記筐体に、紫外線を出射する紫外線照射モジュールが取り付けられ、
前記光源及び前記紫外線透過体が、前記紫外線照射モジュールに配置されている[1]~[3]のいずれか1つに記載の紫外線照射ユニット。
[5]
放熱部が設けられ、前記放熱部は熱伝導性が高い材料で形成されている[1]~[4]のいずれか1つに記載の紫外線照射ユニット。
[6]
前記放熱部は、前記流路管内を流れる流体に接する位置に配置されている[5]に記載の紫外線照射ユニット。
[7]
前記筐体は、紫外線出射口側筐体と反紫外線出射口側筐体に分割され、少なくとも前記紫外線出射口側筐体に前記放熱部が配置されている[5]又は[6]に記載の紫外線照射ユニット。
[8]
[1]~[7]のいずれか1つに記載の紫外線照射ユニットを、3つ以上の口部を有する継手の1つの口部に嵌合した紫外線殺菌装置。
[9]
前記紫外線照射ユニットは、前記継手を流れる流体に対して、流体の流れる向きに対向する口部に設けられている[8]に記載の紫外線殺菌装置。
[10]
前記3つ以上の口部を有する継手は、互いに対向して配置される第1口部及び第2口部と、前記第1口部及び前記第2口部を繋ぐ管と、前記管に開口を有する1つ以上の第3口部とを含み、
前記紫外線照射ユニットは、前記筐体の一部が前記第3口部の開口に離間して対向するように、前記継手の前記第1口部又は前記第2口部に嵌合されている[9]に記載の紫外線殺菌装置。
[11]
前記紫外線照射ユニットは、筐体の紫外線出射口側筐体端部が、前記継手の第3口部の開口を越えて、前記紫外線照射ユニットが嵌合している口部に対向する口部側に存在している[10]に記載の紫外線殺菌装置。
[12]
前記紫外線殺菌装置は、流路内において低い位置に配置されている[10]又は[11]に記載の紫外線殺菌装置。
[13]
前記継手の第1口部には、集光レンズである紫外線透過体を有する紫外線照射ユニットが嵌合し、前記継手の第2口部の内径寸法は、第1口部に向かって小さくなっている[10]又は[11]に記載の紫外線殺菌装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32