(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】医療廃棄物コンテナとともに用いる金属検出システム
(51)【国際特許分類】
G01V 3/10 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
G01V3/10 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021120258
(22)【出願日】2021-07-21
(62)【分割の表示】P 2018533133の分割
【原出願日】2016-12-22
【審査請求日】2021-08-20
(32)【優先日】2016-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ヘニジズ,ブルース・ディー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルナー,アンドリュー・リー
(72)【発明者】
【氏名】チュメラー,エリック・ヴァクラク
(72)【発明者】
【氏名】ヴァノス,ジェフリー・リー
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-521731(JP,A)
【文献】特開昭59-024282(JP,A)
【文献】特開平05-232247(JP,A)
【文献】特開昭58-171690(JP,A)
【文献】特開平08-271640(JP,A)
【文献】特開平05-087941(JP,A)
【文献】特開平01-262494(JP,A)
【文献】特開2003-167064(JP,A)
【文献】特開2007-203250(JP,A)
【文献】特開2011-149906(JP,A)
【文献】特開昭60-253892(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0000904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 3/10~3/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療廃棄物コンテナの開口部に金属製物体が廃棄されたことを検出する医療廃棄物検出システムであって、
前記医療廃棄物コンテナの開口部を通じて金属製物体が廃棄されたことを示す検出インジケータと、
前記医療廃棄物コンテナの開口部に隣接して配置された垂直方向のコイルスタックであって、前記垂直方向のコイルスタックは、第1の受信コイルと、第2の受信コイルと、前記第1の受信コイルと前記第2の受信コイルとの間に間隔を置いて配置された送信コイルとを有し、前記垂直方向のコイルスタック内の各コイルは、その内部を通じて、前記医療廃棄物コンテナの開口部に廃棄された廃棄物を受け入れるように形成されている、垂直方向のコイルスタックと、
前記垂直方向のコイルスタック及び前記検出インジケータに接続されるコントローラと
を備え、
前記コントローラは、
前記送信コイルに送信信号を送るステップであって、前記送信コイルは前記送信信号により、前記第1の受信コイル及び前記第2の受信コイルの各々に受信信号を誘導する磁場を生成する、ステップと、
両受信信号に基づいて波形を生成するステップであって、前記波形は、前記送信コイルにより生成される磁場と金属製物体との相互作用がない場合に対応するベースラインレベルを有する、ステップと、
前記ベースラインレベルから第1の方向にオフセットした第1の検出閾値と、前記ベースラインレベルから前記第1の方向とは反対の第2の方向にオフセットした第2の検出閾値とを基準にして前記波形を解析し、前記垂直方向のコイルスタックを通過する金属製物体を検出するステップと、
前記波形が第1の時点で前記ベースラインレベルから前記第1の方向に沿って前記第1の検出閾値を越えるように動いた場合、前記第2の検出閾値と前記第1の時点よりも後の第2の時点とに関して前記波形を解析することにより、前記波形の動きが前記垂直方向のコイルスタックを通過する金属製物体に対応するかどうかを判定するステップと、
前記波形の動きが、前記垂直方向のコイルスタックを通過する金属製物体に対応すると判定された場合に、前記検出インジケータをアクティブ状態とするステップと、
前記波形の動きが、前記垂直方向のコイルスタックを通過する金属製物体に対応していないと判定された場合に、前記検出インジケータを非アクティブ状態に維持するステップと
、
前記波形が前記第1の検出閾値を越えている期間が所定の時間を上回ると判定された場合に、前記医療廃棄物検出システムを再較正するステップと
を行う、医療用廃棄物検出システム。
【請求項2】
前記所定の時間が5秒である、請求項
1に記載の医療廃棄物検出システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記波形のベースラインレベルが最小となるよう前記第1の受信コイル及び前記第2の受信コイルを誘導的に平衡状態とすることにより、前記医療廃棄物検出システムを再較正する、請求項
1又は
2に記載の医療廃棄物検出システム。
【請求項4】
前記コントローラは、
所定の期間における前記波形の最小値及び最大値を求めることと、
求められた前記最小値及び前記最大値に基づいて、前記第1の検出閾値及び第2の検出を再設定することと
により、前記医療廃棄物検出システムを再較正する、
請求項
1~
3のいずれか一項に記載の医療廃棄物検出システム。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記波形が前記第1の検出閾値を越えている期間が前記所定の時間を上回ると判定された場合に、前記所定の期間における前記波形の最小値及び最大値を求めるステップと、
求められた前記所定の期間における前記波形の最小値及び最大値に基づいて、第1の雑音境界を計算するステップと、
前記第1の雑音境界をそれまでに計算された第2の雑音境界と比較するステップと、
前記比較により、前記第1の雑音境界が前記第2の雑音境界を上回ることが示された場合に、前記医療廃棄物検出システムを再較正するステップと
を行う、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の医療廃棄物検出システム。
【請求項6】
前記ベースラインレベルが第1のベースラインレベルとして定められ、
前記コントローラは、
前記波形が前記第1の検出閾値を越えている期間が前記所定の時間を上回ると判定された場合に、前記波形の第2のベースラインレベルを求めるステップと、
前記第2のベースラインレベルを前記第1のベースラインレベルと比較するステップと、
前記比較により、前記第2のベースラインレベルの、前記第1のベースラインレベルからの変化量が所定の閾値を上回ることが示された場合に、前記医療廃棄物検出システムを再較正するステップと
を行う、請求項
1~
5のいずれか1項に記載の医療廃棄物検出システム。
【請求項7】
前記コントローラに接続される使用禁止インジケータをさらに備え、
前記コントローラは、前記医療廃棄物検出システムが再較正されている間、前記使用禁止インジケータをアクティブ状態とする、
請求項
1~
6のいずれか一項に記載の医療廃棄物検出システム。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記受信信号
を解析
し、
前記波形の動きが、
金属製物体が前記医療廃棄物コンテナに廃棄されることに対応する
のか、
又は前記医療廃棄物コンテナから取り出されることに対応する
のかを判定するステップと
、
前記波形の動きが、金属製物体が前記医療廃棄物コンテナから取り出されることに対応すると判定されると、
前記金属製物体の取出し時に前記検出インジケータ
がアクティブ状態とならないようにするステップと
を行う、
請求項1~
7のいずれか一項に記載の医療廃棄物検出システム。
【請求項9】
前記コントローラは、
前
記金属製物体が前記コイルスタックを通過した場合に、前記受信信号の解析に基づいて、前
記金属製物体の金属組成が第1の種類であるか第2の種類であるかを判定するステップと、
前
記金属製物体の金属組成が前記第1の種類であると判定された場合に、前記検出インジケータをアクティブ状態とし第1のアラームを提供するステップと、
前
記金属製物体の金属組成が前記第2の種類であると判定された場合に、前記検出インジケータを非アクティブ状態に維持するか、又は前記検出インジケータをアクティブ状態とし前記第1のアラームとは異なる第2のアラームを提供するステップと
を行う、請求項1~
8のいずれか一項に記載の医療廃棄物検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、概して金属検出システムに関し、より具体的には、医療
廃棄物コンテナとともに用いる金属検出システムに関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2015年12月23日に出願された米国仮特許出願第62/3871
98号及び2016年1月21日に出願された米国仮特許出願第62/281438号の
優先権及び全ての利益を主張するものであり、これらの出願の開示内容は、引用すること
によりその全体が本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0003】
医療行為及び医療処置においては通常、無菌を維持し、安全性を促進するために、使い
捨ての物品及び材料が使用される。さらに、ある特定の医療器具、医療機器及び医療器材
が、無菌を確保するために使い捨てパッケージ内に密封される場合があるか、又は密封は
されないが、使い捨ての保護材及び/又はカバーを利用する場合がある。したがって、複
数の医療デバイス、医療機器及び医療器具が使用され、ガーゼ、テープ、遮蔽物、手術台
カバー、ドレープ、管類、詰物、衣類等の大量の使い捨て物品が消費される外科手術手技
等の複雑な医療処置において、比較的大量の医療廃棄物及びごみが生まれる可能性がある
ことは理解されよう。
【0004】
医療処置の際に生まれる、ある特定のタイプの医療廃棄物及びごみは極めて危険な可能
性があることは理解されよう。一例として、血液又はヒト組織で汚染された使い捨て物品
は、医療従事者、患者、又は医療廃棄物の取扱い及び廃棄に関与する全ての人に感染症を
伝染させるおそれがある。さらに、薬物投与、静脈内カテーテル挿入及び採血のために利
用される針は、医療の世界においてよくあるものであり、他のタイプの医療廃棄物及びご
みから隔離され、いわゆる「鋭利物(sharps)」コンテナに入れられる。
【0005】
ある特定の医療器具、医療機器及び医療器材は「使い捨て」と見なされ、一度使用され
た後に廃棄されるが、他のものは、次の医療処置までに再滅菌された後に何度も再利用さ
れる可能性がある。一例として、電動手術器具は、ある医療処置において使用された後に
、消毒され、高圧蒸気オートクレーブにおいて再滅菌される場合がある。複数の消毒及び
滅菌を容易にするために、再利用可能な器具は頑強な材料で特に製造され、それゆえ、比
較的費用がかかる傾向がある。さらに、ある特定の再利用可能な器具は、使いやすさを促
進し、取扱いを改善するために軽量になるように設計されるが、素人目には使い捨てであ
るように見える場合がある。このため、看護師の助手又は清掃職員等のある特定の医療従
事者は、ある特定の医療器具が再利用可能であり、ごみとともに廃棄されるべきでないこ
とに気づかない場合がある。さらに、使い捨て外科用ドレープに隠れたタオルクリップ、
外科用メスの柄又は針等の、より大きな物体内に隠れているか、又はその周囲に隠れてい
るか、又は別の形でより大きい物体に隠れている可能性がある、比較的小さいか、又は軽
量の物体が、気づかれずに廃棄される傾向がある。
【0006】
鋭利物及び再利用可能な医療器材が、他のごみ又は医療廃棄物とともに気づかれずに廃
棄されるのを防ぐために、ある特定の医療廃棄物コンテナは、金属製物体の存在をユーザ
に警告する金属検出器を利用し、それにより、金属が検出されると、通常、警告音が出る
。しかし、当該技術分野において既知の医療廃棄物金属検出器は、多くの場合、特定の材
料、又は或る特定のタイプの物体を検出するように設計されているに過ぎず、他の点では
、ある特定の環境において使用するのに適していない場合がある。一例として、当該技術
分野において既知のある特定の医療廃棄物金属検出器は、針のような小さな鋼製物体を検
出できるように設計される場合があり、過度に感度が高くなる傾向があるため、結果とし
て、点滴スタンド(IV pole)等の、近くを通る大型の金属物体の一時的な動きに応じて
、想定外の警告が頻繁に起きるようになる。さらに、既知の医療廃棄物検出器は、鋼等の
ある特定の金属の存在に基づいて警告を出すように設計される場合があるが、アルミニウ
ム及びチタン等の医療の世界において頻繁に利用される他のタイプの金属を検出すること
はできない。さらに、既知の医療廃棄物検出器は、医療廃棄物コンテナに入る金属製物体
と、医療廃棄物コンテナから後に取り出される金属製物体とを区別できない場合があるの
で、気づかれずに廃棄された金属製物体が医療廃棄物コンテナから後に取り出されるとき
に無用に警告を出すことになる。
【0007】
以上の理由により、様々な材料から製造された、気づかれずに廃棄された金属製物体を
特定することができ、医療の世界において一般的に直面する種々の環境内での改善された
感度及び適応性を提供するとともに、有用性と機能性と製造コストとの間の実質的なバラ
ンスが取れた、医療廃棄物コンテナのための金属検出システムが本技術分野において依然
として求められている。
【発明の概要】
【0008】
一実施形態において、医療廃棄物コンテナの開口部に金属製物体が廃棄されたことを検
出する検出システムが提供される。検出システムは、金属製物体が医療廃棄物コンテナの
開口部を通り抜けたことを示す検出インジケータを有する。一対の受信コイルと、受信コ
イル間に間隔を置いて配置される送信コイルとが設けられる。コイルは、医療廃棄物コン
テナの開口部に隣接して、廃棄物を受け入れるように形成される。コイルと電気的に導通
するコントローラが設けられる。コントローラは、送信信号を生成し、送信信号を送信コ
イルに送り、送信コイルは送信信号に基づいて磁場を生成する。磁場が各受信コイル内に
電圧を誘導し、各受信コイルはコントローラによって受信される受信信号を生成する。コ
ントローラは、両方の受信信号に基づいて波形を生成するように更に構成される。波形は
、金属製物体と磁場との相互作用がないことに対応する基準の状態を有する。コントロー
ラは、第1の検出閾値と、第1の検出閾値と反対に位置する第2の検出閾値との関係で波
形を解析するように更に構成され、基準は第1の検出閾値と第2の検出閾値との間にある
。コントローラは、波形が第1の時点において第1の検出閾値を超え、後続の第2の時点
において第2の検出閾値を超えたことに基づく、金属製物体のコイル内通過に応じて、検
出インジケータを起動するように更に構成される。
【0009】
別の実施の形態において、医療廃棄物コンテナの開口部の中に金属製物体が廃棄された
ことを検出する検出システムが提供される。検出システムは、金属製物体が医療廃棄物コ
ンテナの開口部を通り抜けたことを示す検出インジケータを有する。第1の受信コイル、
第2の受信コイル及び受信コイル間に間隔を置いて配置される送信コイルが設けられる。
コイルは、医療廃棄物コンテナの開口部に隣接して、廃棄物を受け入れるように形成され
る。コイルと電気的に導通するコントローラが設けられる。コントローラは、送信信号を
生成し、送信信号を送信コイルに送り、送信コイルは送信信号に基づいて磁場を生成する
。磁場が各受信コイル内に電圧を誘導し、第1の受信コイルが第1の受信信号を生成し、
第2の受信コイルが第2の受信信号を生成し、両受信信号はコントローラによって受信さ
れる。コントローラは、両方の受信信号に基づいて波形を生成するように更に構成される
。波形は、金属製物体と磁場との相互作用がないことに対応する基準の状態を有する。コ
ントローラは、第1の検出閾値と、第1の検出閾値と反対に位置する第2の検出閾値との
関係で波形を解析するように更に構成される。基準は第1の検出閾値と第2の検出閾値と
の間にある。コントローラは、受信信号及び波形を同時に解析し、第1の受信信号におい
て生じる所定の変化と、第2の受信信号において生じる後続の所定の変化とに基づき、そ
して、波形が第1の時点において第1の検出閾値を超え、後続の第2の時点において第2
の検出閾値を超えるのに更に基づく、金属製物体のコイル内通過に応じて、検出インジケ
ータを起動するように更に構成される。
【0010】
検出システムは、医療廃棄物コンテナの開口部に金属製物体が廃棄されたことを検出し
て、ユーザに警告し、それにより、ごみ及び医療廃棄物を取り扱う際の安全性に大きく寄
与し、再利用可能な医療デバイス、医療機器及び医療器材を気づかずに廃棄することを防
ぐ機会を増やし、それと同時に、ユーザに改善された機能及び有用性を提供する医療廃棄
物コンテナ金属検出システムを製造し、組み立て及び使用するコストを削減し、複雑さを
緩和する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態による、検出システムを有するモバイルカートの正面斜視図である。
【
図2】開口部を有する医療廃棄物コンテナを支持する、
図1に示すモバイルカートの後方斜視図である。
【
図3】コイル支持フレームと、送信コイルと、第1の受信コイルと、第2の受信コイルと、コントローラとを有する、
図1のカート及び検出システムの右側面透視図である。
【
図4】
図3のカート及び検出システムの平面図である。
【
図5】コイル支持フレームとカートとの間に介在する隔離機構を透視して示す、
図3のカート及び検出システムの拡大した部分右側面図である。
【
図6】コイル支持フレームとカートとの間に介在する隔離機構を透視して示す、
図3のカート及び検出システムの平面図である。
【
図7】
図3のコイル支持フレーム、送信コイル及び受信コイルの正面斜視図である。
【
図8】
図3のコイル支持フレーム、送信コイル及び受信コイルの正面図である。
【
図9A】
図3のコイル支持フレームの平面図である。
【
図9B】離間した第1の端部間のコイル支持フレームの周りに配置される第1のファラデー部とともに示される、
図9Aのコイル支持フレームの平面図である。
【
図9C】第1の端部のそれぞれに配置される絶縁体とともに示される、
図9Bのコイル支持フレーム及び第1のファラデー部の平面図である。
【
図9D】第1の端部のそれぞれにおいて絶縁体に隣接してコイル支持体の周りに配置される第2のファラデー部とともに示される、
図9Cのコイル支持フレーム、第1のファラデー部及び絶縁体の平面図である。
【
図9E】コイル支持フレームの周りに配置される磁場整形部とともに示される、
図9Dのコイル支持フレーム、ファラデー部及び絶縁体の平面図である。
【
図11A】
図3の検出システムのコントローラによって生成され、送信コイルに伝達される送信信号を示すグラフである。
【
図11B】検出システムに隣接する金属製物体が存在しない場合を表す、第1の受信コイルにおいて生成され、
図3のコントローラによって受信される第1の受信信号を示すグラフである。
【
図11C】検出システムに隣接する金属製物体が存在しない場合を表す、第2の受信コイルにおいて生成され、
図3のコントローラによって受信される第2の受信信号を示すグラフである。
【
図11D】検出システムに隣接する金属製物体が存在しない場合を表す、
図11Bの第1の受信信号及び
図11Cの第2の受信信号に基づいて、
図3のコントローラによって生成される波形を示すグラフである。
【
図12A】金属製物体が検出システム付近に運ばれてきた場合を表す、
図11Bの第1の受信信号の代替の例を示すグラフである。
【
図12B】金属製物体が検出システム付近に運ばれてきた場合を表す、
図11Cの第2の受信信号の代替の例を示すグラフである。
【
図12C】
図12Aの第1の受信信号と
図12Bの第2の受信信号とに基づいて、
図3のコントローラによって生成される波形を示すグラフである。この波形は、金属製物体が検出システム付近に運ばれてきたことを表す。
【
図13A】金属製物体が
図3の検出システムのコイルを通り抜ける場合を表す、
図11Bの第1の受信信号の別の代替の例を示すグラフである。
【
図13B】金属製物体が
図3の検出システムのコイルを通り抜ける場合を表す、
図11Cの第2の受信信号の別の代替の例を示すグラフである。
【
図13C】
図13Aの第1の受信信号と
図13Bの第2の受信信号とに基づいて、
図3のコントローラによって生成される波形を示すグラフである。この波形は金属製物体が
図3の検出システムのコイルを通り抜ける場合を表す。
【
図14A】更なる詳細を示す
図13Cのグラフを拡大したグラフであり、金属製物体が検出システムのコイルを通り抜けるのに応じて生じる波形を示し、金属製物体は高い比透磁率を有する。
【
図14B】金属製物体が検出システムのコイルを通り抜けるのに応じて生じる波形を示す、
図14Aのグラフの代替のグラフであり、金属製物体は低い比透磁率を有する。
【
図15A】金属製物体が検出システムの第1の受信コイル付近を通り過ぎる場合を表す、
図3のコントローラによって生成される波形を示すグラフである。
【
図15B】金属製物体が検出システムの第2の受信コイル付近を通り過ぎる場合を表す、
図3のコントローラによって生成される波形を示すグラフである。
【
図16】一実施形態による、
図3の検出システムの概略図である。
【
図17】一実施形態による、
図16の検出システムによって利用される例示的な論理的マップを示す図である。
【
図18】別の実施形態による、
図3の検出システムの概略図である。
【
図19】別の実施形態による、
図18の検出システムによって利用される例示的な論理的マップを示す図である。
【
図20】別の実施形態による、
図18の検出システムによって利用される代替の例示的な論理的マップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照すると、いくつかの図を通して同じ数字は同じ部品を示しており、
図1~図
6においてモバイルカートは全体として30で示される。モバイルカート30は土台(ベ
ース部)32を含み、土台32は、その土台32を支持し、移動を容易にするために利用
される複数の車輪34によって支持される。支柱36が、土台32に動作可能に取り付け
られ、土台32の上方に延びる(
図1を参照)。支柱36は、全体として38で示される
取付台を支持する。別の実施形態において、使用時に取付台38に外部負荷がかけられた
場合に、取付台38の剛性を改善し、撓みを低減するために、1つ以上の付加的な支柱3
6(図示せず)を追加することができる。取付台38は全体的に丸みを帯びた長方形の外
形を有し、医療廃棄物コンテナ42(
図2を参照)を収容するように形作られる対応する
形状の開口40を画定する。しかし、取付台38及び/又は開口40は、任意の適切な外
形を有することができることは理解されよう。
【0013】
医療廃棄物コンテナ42は、取付台38に着脱可能に取付可能とすることができる。医
療廃棄物コンテナ42は、取付台38の開口40に隣接して固定される開口部44を有す
る。そのために、モバイルカート30は、医療廃棄物コンテナ42を取付台38に解除可
能に固定するために利用される、全体として46で示される、1つ以上の固定機構を含む
ことができる。本明細書において例示される典型的な実施形態において、医療廃棄物コン
テナ42は、プラスチックから製造された袋として実現され、汚物、ごみ、医療廃棄物等
の廃棄物をその中に収容するように構成される。しかし、以下の後続の説明から理解され
るように、医療廃棄物コンテナ42は、任意の適切なタイプのものとすることができ、任
意のタイプの廃棄物を収容するのに十分な任意の適切な方法において構成することができ
る。限定的ではない例として、医療廃棄物コンテナ42は、硬質の本体を備え、使い捨て
袋を備えるか、又は備えない、従来の「ごみ箱」として実現することができる。医療廃棄
物コンテナ42は、気づかれずに廃棄された金属製物体の回収を容易にするために透明に
することができ、及び/又はその中に収容されることを意図した医療廃棄物のタイプに対
応する或る特定の色に着色することができる。
【0014】
モバイルカート30及び/又は医療廃棄物コンテナ42は、金属製物体が医療廃棄物コ
ンテナ42の開口部44の中に廃棄されたことを検出するために、一実施形態による、全
体として48で示される検出システムを利用する。いくつかの実施形態において、モバイ
ルカート30は任意選択的なものである。
図3に示すように、検出システム48は、検出
インジケータ50と、第1の受信コイル52と、第2の受信コイル54と、送信コイル5
6と、コントローラ58とを有する。検出インジケータ50は、金属製物体が医療廃棄物
コンテナ42の開口部44を通り抜けたことを示すために利用される。一実施形態におい
て、検出インジケータ50は、1つ以上のスピーカ、ディスプレイ、ライト等の少なくと
も1つの可聴及び/又は可視インジケータを含む。
【0015】
図示される実施形態において、送信コイル56は、受信コイル52と受信コイル54と
の間に間隔を置いて配置される。コイル52、54、56は、後に更に詳細に説明するよ
うに、医療廃棄物コンテナ42(廃棄物コンテナ42は
図3に示していない)の開口部4
4に隣接し、廃棄物を受け入れるように形作られる。コイル52、54、56と電気的に
導通するコントローラ58が配置される。コントローラ58は、送信信号60(例えば、
図11Aを参照)を生成し、その送信信号60を送信コイル56に送り、送信コイル56
は送信信号60に基づいて磁場を生成する。そして、この磁場が受信コイル52及び54
の各々に電圧を誘導して、第1の受信コイル52がコントローラ58によって受信される
第1の受信信号62(例えば、
図11Bを参照)を生成し、第2の受信コイル54がコン
トローラ58によって受信される第2の受信信号64(例えば、
図11Cを参照)を生成
する。後に更に詳細に説明するように、コントローラ58は、両受信信号62及び64に
基づいて波形66を生成し、更に、波形66を解析して、受信信号62、64において生
じる所定の変化に少なくとも部分的に基づいて、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の
開口部44を通り抜けたことを検出する。以下の後続の説明から理解されるように、受信
信号62、64の「所定の変化」には、振幅、大きさ、周波数の変化及び/又は位相のシ
フトが含まれ得る。
【0016】
引き続き
図3を参照すると、モバイルカート30によって利用される検出システム48
は、金属製物体がコイル52、54、56を通り抜け、医療廃棄物コンテナ42の開口部
44の中に入ると、ユーザに警告するように構成される。一実施形態において、検出シス
テム48は、コントローラ58と電気的に導通し、検出システム48の動作を容易にする
ように配置される電源68(
図3に概略的に示される)を有する。一実施形態において、
電源68は充電式電池として実現される。しかし、電源68が検出システム48を動作さ
せるのに十分な任意の適切なタイプ又は構成のものとすることができることは当業者には
理解されよう。
【0017】
図3に示すように、一実施形態において、検出システム48は、モバイルカート30に
動作可能に取り付けられ、モバイルカート30によって支持される。このために、一実施
形態において、検出システム48は、後に更に詳細に説明されるように、コイル52、5
4、56を支持するように構成されるコイル支持フレーム70を有する。コイル支持フレ
ーム70は、モバイルカート30の取付台38又は他の支持構造に動作可能に取り付けら
れ、コイル52、54、56を支持するか、保持するか、又は別の方法で位置合わせする
ように協働する1つ以上の構成要素から作ることができる。コイル支持フレーム70は、
接着剤、非金属締結具等を用いて取付台38に固定することができる。取付台38は、コ
イル52、54、56及び検出システム48の動作との干渉(例えば、電磁干渉)を抑え
るために、プラスチックから形成することができる。本明細書において説明される検出シ
ステム48は、車輪34を備えないモバイルカート30とともに、壁又は他の静止した構
造に構成される取付台38とともに等の、いくつかの異なる適用例において使用できるこ
とは理解されよう。限定的ではない例として、検出システム48は、使い捨て袋とともに
従来の硬質のごみ箱として実現される医療廃棄物コンテナ42の上方にコイル52、54
、54を垂直に支持するために、壁に設けられるように構成される取付台38を利用する
ことができる。
【0018】
図3~
図6に示すように、コイル支持フレーム70は、上記で言及されたように、医療
廃棄物コンテナ42が廃棄物を収容するためにそれを通して位置決め可能である通路72
を画定する。ここで、取付台38の開口40は、医療廃棄物コンテナ42の開口部44を
通り抜ける物体が取付台38の開口40及びコイル支持フレーム70の通路72も通り抜
けるように、コイル支持フレーム70の通路72に対して位置合わせされる。したがって
、医療廃棄物コンテナ42の開口部44を通り抜ける物体は、医療廃棄物コンテナ42内
に収容されてゆく際に、第1の受信コイル52、送信コイル56及び第2の受信コイル5
4を順次に通り抜ける。一実施形態において、取付台38は、コイル支持フレーム70が
その中で支持される、全体として76で示される空洞を画定するために、開口30から間
隔を置いて配置される内壁74を有する(
図5及び
図6を参照)。コイル52、54、5
6は、取付台38の内壁74と開口40との間に配置される。
【0019】
一実施形態において、隔離機構78が、取付台38とコイル支持フレーム70との間に
設けられ、コイル支持フレーム38を、取付台38に作用する外力から隔離する(
図5及
び
図6を参照)。より具体的には、隔離機構78は、モバイルカート30又は他の支持構
造に作用する外力が、コイル52、54、56の相対位置を変位させるか、又は変化させ
るのを防ぐ。モバイルカート30の上に置かれた物体によって、モバイルカート30に「
ぶつかる」か、又は別の方法で係わる人々又は物体によって等のいくつかの異なる状況に
おいて、外力が使用中に生じる場合があることは理解されよう。隔離機構78は、垂直(
図5を参照)及び水平(
図6を参照)等の複数の方向においてモバイルカート30に作用
する外力からコイル支持フレーム70を隔離するために好適に位置決めされ、配置され、
及び構成される。このために、隔離機構78は、コイル支持フレーム70に外力が伝わる
のを減少させるか、減衰させるか、低減するか、又は別の方法で抑制するために、1つ以
上の所定の場所において、内壁74に、及びコイル支持フレーム70に結合される1つ以
上の個別の構成要素として実現することができる。
【0020】
本明細書に例示する典型的な実施形態において、隔離機構78は、取付台38に、そし
てコイル支持フレーム70に動作可能に取り付けられる弾性部材80を備える。しかし、
隔離機構78が、コイル支持フレーム70を取付台38に作用する外力から隔離するのに
十分な任意の適切なタイプ及び/又は部品の構成要素を備えることができることは当業者
には理解されよう。限定的ではない例として、隔離機構78は、発泡材又はゴム等の、弾
性材料、エラストマ材料、緩衝材料、付勢部材等の種々の部品を含むことができる。
【0021】
図3~
図10に示すように、本明細書に例示する典型的な実施形態において、コイル支
持フレーム70は、取付台38の開口40を包囲する、全体として多角形の形状によって
画定される外形を有する(
図4を参照)。ここで、コイル52、54、56はそれぞれ、
コイル支持フレーム70の外形に合う外形を有する。具体的には、コイル支持フレーム7
0及びコイル52、54、56はそれぞれ、平行かつ正反対に位置する少なくとも一対の
真っ直ぐな辺を有する不規則な六角形として画定される外形を有する。しかし、コイル支
持フレーム70及び/又はコイル52、54、56は、代替的に、円形若しくは長円形の
外形、又は任意の他の適切な外形を有することができることは理解されよう。
図4に示す
実施形態において、コイル支持フレーム70は、平行かつ正反対に位置する真っ直ぐな2
つの辺70A、70Bと、平行かつ正反対にオフセットした真っ直ぐな2つの辺70C、
70Dと、平行かつ正反対にオフセットした真っ直ぐな別の2つの辺70E、70Fとを
有する。ここで、辺70C及び70E並びに辺70D及び70Fは、角度α1を有する頂
点において接続し、この角度は、辺70Aと70Cとの間、辺70Aと70Fとの間、辺
70Bと70Eとの間、及び70Bと70Dとの間の頂点の角度α2よりも大きい。ここ
で、角度α2は90度より大きく、角度α1は180度より小さい。具体的には、
図4に
示すように、α2は約95度であり、角度α1は約170度である。
【0022】
後に更に詳細に説明するように、一実施形態において、検出システム48のコイル52
、54、56は、有利には、動作中に感度及び検出精度を高めるために、互いに対して物
理的に平衡な状態(バランスのとれた状態)とされる。そのために、本明細書に例示する
典型的な実施形態において、コイル52、54、56は、コイル支持フレーム70内に画
定されるそれぞれの溝82内に支持される。溝82は、コイル52、54、56を支持し
、それにより、その間の対称性を通して物理的な平衡を達成できるように配置される。こ
こで、
図3、
図4及び
図8において最もわかりやすく示すように、コイル52、54、5
6は、互いに平行となるように位置合わせされ、互いに同軸となるように配置される。さ
らに、コイル52、54、56は、共通の形状及び共通の周囲長を有する共通の外形を有
し(
図8を参照)、送信コイル56は、受信コイル52と54との間に両受信コイルから
等距離に配置される。一態様において、各コイル52、54、56は、同じ巻数の銅等の
導線を含む(詳細には図示していない)。別の態様において、各受信コイル52、54は
、少なくとも50巻の導線を含む(詳細には図示していない)。別の態様において、各受
信コイルは、少なくとも25巻の導線を含む。同じ長さの同じタイプ及びサイズの導線か
ら形成され、同じ電磁環境内に位置決めされるコイル52、54、56は、同じ電気的イ
ンダクタンス、インピーダンス及びキャパシタンスを有することは理解されよう。一実施
形態において、送信コイル56は、受信コイル52、54とは異なる巻数、それゆえ、異
なる電気的特性を有することができる。さらに、本明細書において説明され、図面全体を
通して例示される検出システム48の典型的な実施形態は、受信コイル52と54との間
に配置される単一の送信コイル56を利用するが、以下の後続の説明から理解されるよう
に、検出システム48は、受信コイル52と54との間に種々の態様において配置される
、同じ周波数又は異なる周波数において動作する複数の送信コイル56を利用することが
できる。
【0023】
図8に示すように、一実施形態において、コイル52、54、56は、20mm~50
mmの所定の距離84だけ互いに間隔を置いて配置される。別の実施形態において、所定
の距離84は、40mm~60mmである。更に別の実施形態において、所定の距離84
は有利には50mmである。しかし、所定の距離84は任意の適切な距離とすることがで
き、異なるタイプ、サイズ、形状及び/又は構成の医療廃棄物コンテナ42を収容する等
の、具体的な適用例の要件に合うように調整できることは当業者には理解されよう。さら
に、コイル52、54、56及び所定の距離84は、図面全体を通して概略的に、及び/
又は例示的に示されており、縮尺どおりではなく、本明細書において他に規定されない限
り、検出システム48の任意の他の部分に対する寸法的又は空間的な基準として使用され
ることは意図していないことは理解されよう。
【0024】
既に述べたように、コイル支持フレーム70内に形成される溝82は、コイル52、5
4、56を位置合わせし、支持する。
図3~
図10に示す典型的な実施形態において、コ
イル支持フレーム70は、内面86及び外面88を有する一体の一部品構成要素として形
成され(
図7を参照)、内面86は通路72を定め、溝82は外面88に形成される。全
てのコイル52、54、56が、共通のコイル支持フレーム70によって、所定の距離8
4に配置された各溝82内に支持されるという点で、この構成は検出システム48の製造
を容易にすることに寄与することは理解されよう。言い換えると、この構成は、上記のコ
イル52、54、56の物理的な位置合わせを簡単に、コストの点で効率良く達成する。
しかし、コイル支持フレーム70は、コイル52、54、56を支持するために協働する
任意の適切な数の構成要素から製造することができるか、又は任意の適切な数の構成要素
として別の方法で実現できることは当業者には理解されよう。限定的ではない例として、
コイル支持フレーム70は、それぞれのコイル52、54、56をそれぞれ支持し、同時
に動くように互いに結合された3つの別部材として実現することができる。いくつかの実
施形態において、コイル支持フレーム70は、撓みに耐えるために比較的硬質であり、そ
れは、互いに対するコイル52、54、56の配置、向き及び間隔を保持するのを助ける
。ここで、コイル支持フレーム70及び隔離機構78はそれぞれ、使用中にコイル52、
54、56の撓み及び/又は相対運動を防ぐことに寄与することは理解されよう。
【0025】
図9A~
図9Eに、コイル52、54、56(
図9Aに概略的に示される)を支持する
図3~
図8のコイル支持フレーム70を示す。一実施形態において、検出システム48は
、外部の電場からコイル52、54を遮蔽するように構成される、全体として符号90で
示すファラデーシールドを備える。このために、ファラデーシールド90は、第1のファ
ラデー部92(
図9B~
図9Eを参照)と、絶縁体94(
図9C~
図9Eを参照)と、第
2のファラデー部96(
図9D~
図9Eを参照)とを備える。
図9Bにおいて最もわかり
やすく示すように、第1のファラデー部92は、銅又はアルミニウム等の材料ストリップ
を備え、材料ストリップは、間隔を置いて配置される第1の端部92Aと92Bとの間に
重なり合うようにしながら、コイル支持フレーム70の外面88及び内面86に「巻き付
け」られる。
【0026】
図9Cに最もわかりやすく示すように、第1の端部92A、92Bのそれぞれに絶縁体
94が設けられる。絶縁体94は、絶縁テープを1回以上「巻いたもの」として実現する
ことができ、第1のファラデー部92と第2のファラデー部96との間の接触を防ぐだけ
でなく、第1のファラデー部92の第1の端部92A、92Bを越えて電気的に接触する
ことも防ぐように設けられる。
【0027】
図9Dに示すように、第2のファラデー部96は、銅又はアルミニウム等の材料ストリ
ップを同様に備え、材料ストリップは、間隔を置いて配置される第2の端部96Aと96
Bとの間に重なり合うように、コイル支持フレーム70の外面88及び内面86に「巻き
付け」られるか、又は別の方法で外面88及び内面86を包み込む。ここで、第2のファ
ラデー部96は、第1のファラデー部92の第1の端部92A、92Bを包み込むために
、絶縁体96に巻き付けられて、コイル支持フレーム70全体(それゆえ、各受信コイル
52、54の全ての部分)が第1のファラデー部92及び/又は第2のファラデー部96
によって「巻き付けられる」か又は別の方法で包み込まれる。
【0028】
上記で説明され、
図9B~
図9Eに示したファラデーシールド90は、受信コイル52
、54の両方を包み込むように構成されるが、上記で言及されたように、コイル支持フレ
ーム70がそれぞれのコイル52、54、56を支持する個別構成要素から構成される場
合に実現されることがあるように、各受信コイル52、54にそれぞれのファラデーシー
ルド90を設けることができることは理解されよう。さらに、本明細書において説明され
るファラデー部92、96はそれぞれ、銅又はアルミニウム合金等の「巻き付けられる」
材料ストリップを備えるが、或る特定の適用例に関して、任意の適切な非磁性及び導電性
材料等の他の材料、並びに異なるタイプ又は構成のファラデー部92、96及び/又は絶
縁体94を利用できることは理解されよう。
【0029】
図9E及び
図10を参照すると、一実施形態において、磁場を、コイル支持フレーム7
0の通路72に向かって、外部環境から離れるように誘導するか、集束させるか、又は別
の方法で集中させるために、検出システム48は、後に更に詳細に説明されるように、使
用時に送信コイル56により生成される磁場を整形する、全体として98で示す場整形(
フィールドシェーピング)部を備える。このために、場整形部98は、磁場整形材料10
0のストリップ及び絶縁材料102のストリップを備え、それらのストリップは、コイル
支持フレーム70の外面88に「巻き付けられる」か、又は別の方法で外面88を包み込
む。ここで、場整形部98は、使用時にコイル52、54、56に対する一定の位置及び
向きを保つために、コイル支持フレーム70に動作可能に取り付けられる。ここで、さら
に、コイル支持フレーム70の剛性、及び隔離機構78によって与えられる外力からの隔
離が、使用時にコイル52、54、56に対して場整形部98が撓むか、又は相対的に動
くのを防ぐことに寄与する。本明細書に例示する典型的な実施形態において、各材料10
0、102の3つの「ループ」が、送信コイル56に隣接し、受信コイル52、54に相
対して設けられる。
図10に示すように、場整形部98は、受信コイル52と54との間
に垂直に配置される。しかし、他の構成及び配置を使用することもできる。磁場整形材料
100の「ループ」間の物理的接触を防ぐために、絶縁材料102が設けられる。
図9E
及び
図10に示す典型的な実施形態において、各材料100、102の3つの「ループ」
が示されるが、磁場整形材料100のサイズ、形状及び/又は透磁率の、場整形部98の
適用例の要件及び具体的な構成に応じて、4つ以上、又は2つ以下の「ループ」を利用で
きることは当業者には理解されよう。
【0030】
上記で言及したように、コイル支持フレーム70の通路72に向かって磁場を誘導する
か、集束させるか、又は別の方法で集中させるために、磁場整形材料100が構成され、
形作られ、及び配置される。このために、磁場整形材料100は、処理されるときに、上
記で言及された絶縁材料102としての役割を果たすことができる酸化物層を形成する、
CarTech(商標)High Permeability“49”(商標)Allo
y等の適切な材料から構成することができる。しかし、場整形部98は、いくつかの異な
る方法において構成することができ、任意の適切なタイプの磁場整形材料100及び/又
は絶縁材料102を含むことができることは当業者には理解されよう。
【0031】
後に更に詳細に説明するように、波形66は、送信コイル56によって生成された磁場
において金属製物体との相互作用がないことに対応する基準(又は基準値)104の状態
を有する。ここで、波形66は、コントローラ58によっていくつかの異なる方法におい
て生成することができるので、基準104も同様に異なる方法において規定できることは
当業者には理解されよう。非限定的な例として、基準104はゼロ電圧を表すものとする
ことができ、波形66は、種々の正の電圧と負の電圧との間で基準104からその大きさ
が経時的に変化し得る。したがって、基準104は任意の適切な方法において定めること
ができ、波形66は、基準104に対して変化する任意の適切なパラメータに基づいて生
成することができ、基準104は、上記で言及されたように、金属製物体が医療廃棄物コ
ンテナ42の開口部44に入るのを検出するのに十分な任意の適切な領域において、送信
コイル56により生成される磁場と相互作用する金属が存在しないときに確立されるもの
であることは理解されよう。一実施形態において、波形66の基準104は、0よりも大
きいDCオフセット電圧を含むことができる。
【0032】
ここで
図11A及び
図11Bを参照すると、種々のグラフが示される。ここで、明確に
し、かつ一貫性を保つために、他に指示がない限り、これらのグラフはそれぞれ、時間に
関して水平に、かつ0からオフセットされた電圧に関して垂直にプロットされる。その場
合に、以下の説明において、「大きさが増える」等の言い回しは、経時的に0から正の方
向に離れていく電圧(例えば、1vから2.5v)を示す一方で、「大きさが減少する」
等の言い回しは、経時的に0に向かって負の方向に進む電圧(例えば、2.5vから1v
)を示す。この用語は、明確にし、かつ一貫性を保つ非限定的な目的のために本明細書に
おいて使用されることは理解されよう。
【0033】
ここで
図11A~
図11Dに、7つの等間隔に配置される時間基準T1A、T2A、T
3A、T4A、T5A、T6A及びT7A間に描かれる、共通の時間スケールに沿ったグ
ラフの組を示す。ここで、グラフはそれぞれ、検出システム48の或る動作状態の、送信
コイル56の送信信号60(
図11Aを参照)、第1の受信コイル52の第1の受信信号
62(
図11Bを参照)、第2の受信コイル54の第2の受信信号64(
図11Cを参照
)、及び受信信号62、64に基づいてコントローラ58により生成される波形66(図
11Dを参照)を表す。波形66の基準104の状態は、上記で言及したように、金属製
物体と磁場との相互作用がないことに対応する。ここで、送信信号60は正弦波振動電圧
であり、磁場は交番磁場である。以下の後続の説明から理解されるように、この正弦波送
信信号60は、開口部70のサイズ、検出対象の金属製品のサイズ及びタイプ、システム
を動作させるために使用される電源68のタイプ等の特性に応じて、異なる電力レベル、
電圧及び周波数において動作することができる。一実施形態において、送信信号の動作周
波数は、5KHz~71KHzである。一実施形態において、送信信号の動作周波数は7
KHz~25KHzである。別の実施形態において、送信信号の動作周波数は、24KH
z以下である。一実施形態において、送信信号の動作周波数は、電池駆動システムに関し
て7KHzである。
【0034】
図11Bに示す第1の受信信号62及び
図11Cに示す第2の受信信号64は、第1の
時間基準T1Aから第7の時間基準T7Aまで互いに等しく、かつ正反対である(
図11
B及び
図11Cに示す大きさ(変位量)、周波数及び位相を比較されたい)。したがって
、受信信号62と64との間に不平衡が生じないので、結果的にコントローラ58が生成
する波形66は、基準104が経時的に実質的に一定のままであることを示すために(図
11Dを参照)、第1の時間基準T1Aから第7の時間基準T7Aまで実質的に平坦な線
として示される。言い換えると、基準104はこの動作状態中に大きさ(変位量)がゼロ
である(AC成分を含まない)。ここで、受信信号62、64が足し合わされて、結果と
して生じる波形66が生成される。より具体的には、コイル52、54、56の電気的平
衡及び物理的対称性と、金属製物体と磁場との相互作用がないこととに起因して、ここで
は、第1の受信信号62と第2の受信信号64との間に不平衡は生じないので、波形66
は、第1の時間基準T1Aから第7の時間基準T7Aまで基準104にとどまる。
【0035】
次に
図12A~
図12Cを参照すると、7つの等間隔に配置される時間基準T1B、T
2B、T3B、T4B、T5B、T6B及びT7B間に描かれる、異なる共通の時間スケ
ールに沿った別のグラフの組を示す。ここで、グラフはそれぞれ、検出システム48の或
る動作状態時の、第1の受信コイル52内の第1の受信信号62(
図12Aを参照)、第
2の受信コイル54内の第2の受信信号64(
図12Bを参照)、及び受信信号62、6
4に基づいてコントローラ58によって生成される波形66(
図12Cを参照)を表す。
この動作状態では、波形66は、両受信信号62、64に同時に影響を及ぼす、金属製物
体と磁場との一時的な相互作用に対応する基準104の状態を有する。
【0036】
上記で説明され、
図12A~
図12Cにおいて図示されるグラフにおいて表される一時
的な金属製物体は、液体バッグをつり下げるために使用されるポータブル型スチール製点
滴スタンド(IVポール)とすることができる(図示していないが、当技術分野において
一般的に既知である)。ここで、IVポールは、第3の時間基準T3Bにおいて、モバイ
ルカート30の設置面積(フットプリント)外ではあるものの、検出システム48付近に
配置されるので、第3の時間基準T3Bにおいて受信信号62、64の大きさに同時に影
響を及ぼし始める(
図12A及び
図12Bにおける大きさ(変位量)を比較されたい)。
しかし、スチール製IVポールは、受信信号62、64に対して同時に、かつ等しく影響
を及ぼすため、受信信号62と64との間に差が生じないことから、結果としてコントロ
ーラ58により生成される波形66は、第1の時間基準T1Bから第7の時間基準T7B
まで実質的に平坦な線として示され、基準104が経時的に実質的に一定のままであるこ
とが示される(
図12Cを参照)。言い換えると、基準104はこの動作状態中に大きさ
がゼロである(AC成分を含まない)。したがって、受信信号62、64において同時に
変化が生じても、コントローラ58によって合成されると波形66には表れないので、高
い感度に寄与し、一時的な金属製物体が検出システム48の近くを通り過ぎるのに応じて
、検出インジケータ50が想定外に、かつ不正確に起動することを防ぐのに役立つ。
【0037】
続いて
図13A~
図13Cを参照すると、7つの等間隔に配置される時間基準T1C、
T2C、T3C、T4C、T5C、T6C及びT7C間に描かれる、異なる共通の時間ス
ケールに沿った別のグラフの組を示す。ここで、グラフはそれぞれ、検出システム48の
或る動作状態時の、第1の受信コイル52内の第1の受信信号62(
図13Aを参照)、
第2の受信コイル54内の第2の受信信号64(
図13Bを参照)、及び受信信号62、
64に基づいてコントローラ58によって生成される波形66(
図13Cを参照)を表す
。この動作状態では、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44を通り抜ける。
図13Cに示すように、一実施形態において、受信信号62、64は算術的に合成され、
第1の受信信号62の絶対値から第2の受信信号64の絶対値を減算することから得られ
る、全体として106で示される単一の合成信号になる。ここで、コントローラ58は、
合成信号106の包絡線を形成する(envelope)ことによって、
図13Cに示す波形66
を生成することができる。合成信号106の包絡線形成は、整流器、インバータ及び/又
は他の回路若しくはモジュールを用いる等のいくつかの異なる方法において達成できるこ
とは理解されよう。より具体的には、波形66は、合成信号106の時間領域曲線下の面
積を求めるのに十分な任意の適切なタイプの積分回路を用いて生成することができる。
【0038】
上記で説明され、
図13A~
図13Cに図示されるグラフにおいて表される金属製物体
は、ステンレス鋼から製造される再利用可能な手術器具とすることができる(図示してい
ないが、当該技術分野において一般的に既知である)。この手術器具が、第1の受信コイ
ル52、送信コイル56、その後、第2の受信コイル54を連続して通り抜ける。この典
型的な実施形態において、手術器具が第1の受信コイル52に接近するにつれて、手術器
具は第2の時間基準T2Cと第3の時間基準T3Cとの間の第1の受信信号62の大きさ
に影響を及ぼし始め、その後、第1の受信コイル52及び送信コイル56を通り抜けた後
に、手術器具が第2の受信コイル54に接近するにつれて、第4の時間基準T4Cと第5
の時間基準T5Cとの間の第2の受信信号64の大きさに影響を及ぼし始める。したがっ
て、第1の受信信号62は、第2の受信信号64が変化する前に変化し(
図13A及び図
13Bを比較されたい)、それにより、結果として生じる波形66が、それに応じて、基
準104から移動する。具体的には、
図13Cに示すように、波形66は、第2の時間基
準T2C後に基準104から移動し始め、手術器具が第1の受信コイル52に接近するに
つれて、その大きさが基準104から増加し、その後、手術器具が第1の受信コイル52
を通り抜けた後に、送信コイル56に接近するにつれて、その大きさが基準104に向か
って戻るように減少する。
【0039】
図13Cに示すように、波形66は、手術器具が送信コイル56を通り抜け、第2の受
信コイル54に接近するにつれて、その大きさが減少し続ける。波形66は、その後、手
術器具が第2の受信コイル54を通り抜けた後に、その大きさが基準104に向かって戻
るように増加する。手術器具と金属検出システムとの相互作用についての更なる情報を特
定できることは理解されよう。例えば、手術器具が両方の受信信号62、64と同等に相
互作用する時点は、時点T9において合成信号106が基準104と交わる時点である。
これは通常、物体が送信コイル56によって形成される中心面にある時点に非常に近いで
あろう。さらに、物体が磁場を通って進行するのに要する時間は、合成信号106が最初
に、時点T8においてその基準から外れ、時点T9において中点を通り、その後、時点T
10において磁場から離れる時間になるであろう。いくつかの実施形態において、検出イ
ベントの特定を向上させるか、検出イベントをカウントするか、又は検出インジケータ5
0を設定するために、合成信号106又は波形66に関連する種々の時点を解析すること
ができる。
【0040】
コントローラ58は、第1の検出閾値108との関係で波形66を解析し、また、第1
の検出閾値108と反対に位置する第2の検出閾値110との関係で波形66を解析する
。基準104は、第1の検出閾値108と第2の検出閾値110との間にある。ここで、
コントローラ58は、金属手術器具がコイル52、54、56を通り抜けるのに応じて、
波形66が第1の時点112において第1の検出閾値108を超え、後続の第2の時点1
14において第2の検出閾値110を超えたことに基づいて、検出インジケータ50を起
動する。
【0041】
図11Dに示すように、金属製物体と磁場との相互作用が生じない間は、受信信号62
、64は、送信信号60から直接的に生じ、上記で言及したように、検出システム48の
コイル52、54、56の電気的平衡及び物理的対称性に起因して、互いに実質的に等し
く、かつ正反対である。より具体的には、送信コイル56によって生成される磁場と相互
作用する磁性物体がないときは、磁場からの磁束が有利には受信コイル52と54との間
に均等に分布するので、受信信号62、64は互いに実質的に等しく、かつ正反対である
。しかし、受信信号62と64との間に差が生じると、波形66は、一例において
図13
Cに示すように、それに応じて基準104から移行する。このようにして、金属製物体と
、送信コイル56によって生成される磁場との相互作用は、受信信号62、64に反映さ
れる。ここで、コントローラ58は、基準104からの波形66の動きを検出閾値108
、110との関係で解析し、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44を通り抜
けたことを検出する。
【0042】
物体が送信コイル56によって生成される磁場と、いくつかの異なる方法において相互
作用できることは理解されよう。詳細には、物体の材料特性及び物理的特性が、磁場との
相互作用に応じて受信信号62、64がいかに変化するかに影響を及ぼす。そのため、コ
イル52、54、56を通り抜ける異なるサイズ、形状及び材料組成の物体が、それに応
じて異なる方法において、基準104からの波形66の動きに影響を及ぼすことができる
。
【0043】
一例として、フェライトタイル等の非導電性の磁性材料(強磁性体又は常磁性体)が、
送信コイル56によって生成される磁場と相互作用する場合には、送信コイル56から受
信コイル52、54の周りへの磁束の分布が、コイル52、54、56に隣接する体積内
の全透磁率の変化に起因して変更されることになる。同様に、金属針等の導電性の磁性材
料(強磁性体、常磁性体又は反磁性体)が送信コイル56によって生成される磁場と相互
作用する場合には、物体内に渦電流が誘導されることになり、それにより、送信コイル5
6によって生成される磁場と反対方向に二次的な磁場が生成される。
【0044】
渦電流の結果として生成される二次的な磁場の具体的な構成は、導電率、透磁率、サイ
ズ、形状及び向き等の導電性磁性物体の物理的特性によって決まることは理解されよう。
高い比透磁率を有する導電性材料(例えば、鋼)は、渦電流によって材料内に生成される
二次的な磁場が送信コイル56によって生成される磁場に対抗するには一般に不十分であ
るので、コイル52、54、56に隣接する体積内の全透磁率を増加させる傾向がある。
しかしながら、低い比透磁率を有する高導電性材料(例えば、銅又はアルミニウム)は、
渦電流によって高導電性材料内に生成される二次的な磁場が送信コイル56によって生成
される磁場と反発する傾向があるので、コイル52、54、56に隣接する体積内の全透
磁率を減少させる傾向がある。さらに、低い比透磁率を有する中程度の導電性材料(例え
ば、スズ、鉛、チタン及び或る特定のタイプのステンレス鋼)は、相対的に小さい渦電流
から中程度の導電性材料内に二次的な磁場が生じるので、コイル52、54、56に隣接
する体積内の全透磁率に相対的に小さい影響を及ぼすことになる。
【0045】
上記で説明された典型的な動作状態において、コイル52、54、56を通ってステン
レス鋼製手術器具が通過すると、受信信号62、64の大きさに連続的な変化を引き起こ
し、それにより、波形66が基準104から移行する。ここで、各受信信号62、64の
大きさは、鋼製手術器具がそれぞれの受信コイル52、44に接近するときに低減される
が、波形66を基準104から移行させるのに十分な他の方法において、受信信号62と
64との間の差動不平衡(differential imbalance)が生じる可能性があることは当業者
には理解されよう。非限定的な例として、受信信号62、64は、或る特定の金属製物体
がコイル52、54を通り抜けるのに応じて、連続して大きさが増加し、周波数が増加又
は減少し、及び/又は位相がシフトすることができる。
【0046】
したがって、コントローラ58によって生成される波形66は、受信信号62と64と
の間に生じる任意の適切な所定のタイプの差動変化に応じて、基準104から移行できる
ことは理解されよう。さらに、送信コイル56によって生成される磁場と相互作用すると
きに、上記で言及されたように、サイズ、形状、導電率、透磁率等に基づいて、異なるタ
イプの材料が、それに応じて受信信号62、64内に異なる差の変化をもたらすことは理
解されよう。したがって、検出システム48は、受信信号62、64及び/又は波形66
の大きさ、周波数及び/又は位相において生じる特徴的な差動変化に少なくとも部分的に
基づいて、或る特定の材料又は物体を認識するように構成することができる。その場合に
、コントローラ58は、認識された特定の物体に応じて異なる動作をするように更に構成
することができる。非限定的な例として、コントローラ58は、一般的に廃棄される金属
製物体(例えば、フォイルラッパー、接地パッド、器具類の先端又はセンサケーブル)等
の、或る特定の認識された金属製物体がコイル52、54、56を通り抜けるときに、検
出インジケータ50を起動しないように、又は検出インジケータ50を異なる方法におい
て(異なる可聴音又はライト起動/点滅率を用いる等で)起動するように構成することが
できる。
【0047】
ここで
図14Aを参照すると、
図13Cに示されるグラフの代替の拡大したグラフが更
に詳細に示される。
図14Aに示されるグラフは、同様に、7つの等間隔に配置された時
間基準T1C、T2C、T3C、T4C、T5C、T6C及びT7C間に描かれる時間ス
ケールに沿って示される。ここでも、グラフは、ステンレス鋼製手術器具等の金属製物体
が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入る検出システム48の動作状態時に、受信信
号62、64に基づいてコントローラ58によって生成される波形66を表す。検出シス
テム48のこの動作状態において、波形66は第1の時点112において第1の検出閾値
108を超え、その後、第2の時点114において第2の検出閾値110を超える。
【0048】
一実施形態において、コントローラ58は、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開
口部44の中に入るのを検出するために、基準104及び検出閾値108、110に対し
て波形66を監視する解析回路116(
図16を参照)を備える。一実施形態において、
コントローラ58の解析回路116(
図16を参照)は、波形66が第1の時点112に
おいて第1の検出閾値108を超え、第2の時点114において第2の検出閾値110を
超えるのに応じて、検出インジケータ50を起動する。一実施形態において、コントロー
ラ58の解析回路116(
図16を参照)は、波形66が後続の第3の時点118におい
て検出閾値108と110との間にあるのに応じて、検出インジケータ50を起動する。
【0049】
以下の後続の説明から理解されるように、検出閾値108、110は、コントローラ5
8が、各検出閾値108、110を横切って波形66が連続して動くのを検出できるよう
にするのに十分な、任意の適切な方法及び互いに対する任意の適切な向きにおいて規定す
ることができる。非限定的な例として、
図14Aに示す波形66は、鋼製物体がコイル5
2、54、56を通って医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ることを表すことがで
きる。ここで、第2の検出閾値110は、大きさに関して第1の検出閾値108に等しい
が、波形66の第1の検出閾値108及び基準104よりも「低くなる」ように定められ
る。逆に、
図14Bに示す波形66は、アルミニウム製物体がコイル52、54、56を
通って医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ることを表すことができる。ここでは、
第2の検出閾値110は、大きさに関して第1の検出閾値108に等しいが、波形66の
第1の検出閾値108及び基準104より「高くなる」ように規定される。したがって、
検出閾値108、110は、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ると
きに、波形66が第2の検出閾値110の前に第1の検出閾値108を超えるように、互
いに対して任意の適切な方法において定めることができる。
【0050】
上記で言及されたように、
図14Aに示す検出システム48の動作状態は、ステンレス
鋼製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ることを表す。波形66は、ステン
レス鋼製物体が第1のコイル52に接近するにつれて、その大きさが増加しながら第1の
検出閾値108に向かって動く。連続的に、第1の期間120において大きさが基準10
4から第1の検出閾値108を超えるまで増加して第1の検出イベント点122が生じ、
第2の期間124において大きさが第1の検出イベント点122から基準104まで減少
し、第3の期間126において大きさが基準104から第2の検出閾値110を超えるま
で減少して第2の検出イベント点128が生じるという波形66に基づいて、コントロー
ラ58は検出インジケータ50を起動する。一実施形態において、第1の期間120及び
第2の期間124は実質的に同じ時間である。他の実施形態においては、第1の期間12
0及び第2の期間124は異なる時間である。これらの第1の期間120及び第2の期間
124は、金属製品が送信コイル56により形成される中心面に達するまでの、該金属製
品が最初に磁場に入る時間の長さに比例する。
【0051】
別の実施形態において、コントローラ58の解析回路116は、波形66の大きさが第
4の期間130において第2の検出イベント点128から基準104まで増加するのに基
づいて、検出インジケータ50を起動する。ここで、波形66が基準104に落ち着く前
に所定の長さの時間が経過しなければならないので、コントローラ58の解析回路116
は、代替的には、波形66の大きさが第4の期間130にわたって第2の検出イベント点
128から、第2の検出イベント点128において生じる波形66の大きさの15%以内
等の、基準104に対する所定の閾値以内まで増加するのに基づいて、検出インジケータ
50を起動するように構成することができる。一実施形態において、コントローラ58の
解析回路116(
図16を参照)は、波形66が第1の検出閾値108を超え、第2の時
点114において第2の検出閾値110を越えるのに応じて、検出インジケータ50を起
動するように構成される。コントローラ58は、閾値108、110に基づいて、上記の
期間に関係なく、検出インジケータ50を起動できることは理解されよう。
【0052】
第1の時点112において第1の検出閾値108が超えられると、コントローラ58は
、検出イベントの開始を指示する。第1の検出イベント点122に達すると、現下の検出
イベントによって、波形66は、上記で言及されたように、再び基準104を通って、第
2の時点114において第2の閾値110を超えた後に第2の検出イベント点128まで
進むことになる。第2の検出イベント点128における波形66の大きさは、第1の検出
イベント点122において生じる反対方向の大きさの少なくとも20%になるだけでなく
、第2の閾値110の少なくとも100%になるべきである。ここで、波形66の大きさ
が第2の時点114において第2の閾値110を超えない場合には、金属製物体が受信コ
イル52、54の両方を通り抜けなかったので、検出イベントは生じない。同様に、波形
66の大きさが第2の時点114において第2の閾値110を超えるが、第2の検出イベ
ント点128において生じる大きさが、第1の検出イベント点122において生じる反対
方向の大きさの20%未満である場合には、金属製物体が受信コイル52、54の両方を
通り抜けなかったので、検出イベントは生じない。
【0053】
上記で言及されたように、
図14Bに示す検出システム48の動作状態は、アルミニウ
ム製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ることを表す。波形66は、アルミ
ニウム製物体が第1のコイル52に接近するにつれて、その大きさが減少しながら第1の
検出閾値108に向かって動く。連続的に、第1の期間120において大きさ(amplitud
e)が基準104から第1の検出閾値108を超えるまで減少して第1の検出イベント点
122が生じ、第2の期間124において大きさが第1の検出イベント点122から基準
104まで増加し、第3の期間126において大きさが基準104から第2の検出閾値1
10を超えるまで増加して第2の検出イベント点128が生じるという波形66に基づい
て、コントローラ58は検出インジケータ50を起動する。一実施形態において、大きさ
が第4の期間130において第2の検出イベント点128から基準104まで減少すると
いう波形66に基づいて、コントローラ58は検出インジケータ50を起動する。
【0054】
検出システム48は有利には、金属製物体が後に医療廃棄物コンテナ42から取り出さ
れるときに、ユーザを苛立たせる可能性がある、検出インジケータ50の起動を行わない
ように構成される。しかし、上記で言及されたように、医療廃棄物コンテナ42の開口部
44に入る異なるタイプの金属製物体が、異なる方法において、送信コイル56によって
生成される磁場と相互作用する。非限定的な例として、
図14Aに示される波形66は、
鋼製物体が医療廃棄物コンテナ42に入ることを表し、
図14Bに示される波形66は、
アルミニウム製物体が医療廃棄物コンテナ42に入ることを表すが、
図14Bに示す波形
66は、代替的には、鋼製物体が医療廃棄物コンテナ42から取り出されることを表すこ
とができる。より具体的には、鋼製物体が医療廃棄物コンテナ42から取り出される動き
は、結果として、アルミニウム製物体が医療廃棄物コンテナ42に入る結果として生成さ
れる波形66に類似の波形66を生じる可能性がある。
【0055】
金属製物体が医療廃棄物コンテナ42から取り出される動作状態において検出インジケ
ータ50の起動を防ぐために、一実施形態において、コントローラ58の解析回路116
は、受信信号62、64から生成される波形66だけでなく、受信信号62、64を同時
に解析するように構成される。コントローラ58は、第1の受信コイル52の第1の受信
信号62において生じる所定の変化と、第2の受信コイル54の第2の受信信号64にお
いて生じる後続の所定の変化とに基づいて、さらには、波形66が第1の時点112にお
いて第1の検出閾値108を超え、後続の第2の時点114において第2の閾値110を
超えるのに基づいて、検出インジケータ50を起動するように構成される。医療廃棄物コ
ンテナ42の開口部44の中に落下した物体が、第2の受信コイル54を通り抜ける前に
第1の受信コイル52を通り抜けるように、第1の受信コイル52は第2の受信コイル5
4の上方に間隔を置いて配置されるので(
図3、
図7、及び
図8を参照)、それゆえ、第
1の受信信号62の前に第2の受信信号64において生じる変化は、物体の特定の物理的
構成又は材料特性に関係なく、金属製物体を取り出すことを表し、コントローラ58はそ
れに応じて検出インジケータ50を起動しない。
【0056】
検出システム48の或る特定の動作状態時に、コイル52、54、56付近を通り過ぎ
る一時的な金属製物体が、波形66がそれに応じて基準104から少なくとも部分的に移
行するように、送信コイル56によって生成される磁場と相互作用する可能性がある。具
体的には、検出システム48付近の一時的な金属製物体が、コイル52、54、56の配
置に対して不均等に動く場合、上記の電気的及び物理的平衡によって与えられるフィルタ
作用にもかかわらず、結果として生じる波形66は基準104から移行する可能性がある
。
【0057】
ここで
図15A及び
図15Bを参照すると、コイル52、54、56を通り抜けない場
合でも、金属製物体の一時的な動きが波形66を基準104から移行させるのに十分に受
信信号62、64のうちの一方に影響を及ぼす、検出システム48の或る特定の動作状態
を示すグラフが示される。非限定的な例として、そのような一時的な金属製物体は、モバ
イルカート30の近くを歩いている人が着けている腕時計とすることができる。
図15A
に示される波形66は、腕時計が、第2の受信コイル54より、第1の受信コイル52の
近くに垂直に位置決めされた場合に生成されることになる。ここで、第2の受信信号64
が実質的に変化しないままである一方、第1の受信信号62が変化する。同様に、
図15
Bに示される波形66は、腕時計が、第1の受信コイル52より、第2の受信コイル54
の近くに垂直に位置決めされた場合に生成されることになる。ここで、第1の受信信号6
2が実質的に変化しないままである一方、第2の受信信号64が変化する。
【0058】
したがって、受信コイル52、54付近を少なくとも部分的に水平方向に通過する一時
的な金属製物体が、波形66を基準104から移行させるのに十分な、受信信号62と6
4との間の差動変化を引き起こす可能性がある。しかし、このタイプの一時的な動きは、
波形66が検出閾値108、110の両方を連続して超えるわけではないため、結果とし
て、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入ることを示す波形66が生じ
ない。むしろ、上記の動作状態の結果として、コントローラ58の解析回路116は、検
出閾値108、110のうちの一方のみが超えられるのを見ることになり、金属製物体が
磁場から離れるにつれて、その後、波形66は基準104に戻ることになる。
【0059】
ここで
図14A及び
図16~
図20を参照すると、上記で言及されたように、コントロ
ーラ58は、第1の検出閾値108及び第2の検出閾値110が連続して超えられるのに
応じて、検出インジケータ50を起動する。一実施形態において、検出閾値108、11
0は、全体として132において示される(
図1及び
図3も参照)、ユーザ入力制御によ
って調整可能である。ユーザ入力制御132はコントローラ58と電気的に通信し、後に
更に詳細に説明されるように、ユーザが検出システム48の感度及び/又は動作モードを
手動で調整できるようにする。非限定的な例として、ユーザ入力制御132は、波形66
の基準104に対して検出閾値108、110を少なくとも部分的に変更するために利用
される回転式ポテンショメータとして実現することができる。しかし、ユーザ入力制御1
32はいくつかの異なる方法において実現することができ、それゆえ、ユーザ操作による
調整機能及び/又は制御をもたらすのに十分な任意の適切な方法において検出システム4
8と通信するか、又は別の方法で検出システム48を制御するように構成することができ
る。例えば、ユーザ入力制御132は、タッチスクリーン上の入力、スイッチを起動する
物理的なボタン等として実現することができる。さらに、ユーザ入力制御132は、検出
インジケータ50を停止する等の他の目的を果たすことができることは理解されよう。
【0060】
一実施形態において、コントローラ58は、所定の期間にわたって受信された波形66
のそれまでの最小値及び最大値に基づいて、第1の雑音境界136及び第2の雑音境界1
38を定める雑音計算部134を有する(
図14Aを参照)。雑音計算部134を利用し
て、設定された雑音境界136、138に少なくとも部分的に基づいて、検出閾値108
、110を決定するのを助け、それにより、雑音境界136、138を超えない基準10
4からの波形66の後続の動きを無視することができるか、又は別の方法で除去すること
ができる。したがって、雑音境界136、138を超えない波形66の変化は雑音と見な
すことができ、雑音境界136、138を超える波形66のある特定の変化から、医療廃
棄物コンテナ42の開口部44に入る金属製物体の存在を判断することができる。
【0061】
ここで、検出閾値108、110は、雑音境界136、138の100%よりも大きい
割合として定められる。一実施形態において、検出閾値108、110は、雑音境界13
6、138の150%として定められる。別の実施形態において、検出閾値108、11
0は、雑音境界136、138の130%として定められる。別の実施形態において、検
出閾値108、110は、雑音境界136、138の115%として定められる。しかし
、検出システム48が利用される適用例及び動作環境に応じて、検出閾値108、110
を雑音境界136、138に対して異なる方法で設定できることは理解されよう。さらに
、雑音境界136、138に接近する値として設定される検出閾値108、110は検出
感度を改善することができ、それゆえ、検出システム48が相対的に小さい磁場特性(ma
gnetic field signature)から金属製物体を検出する能力を向上させることができること
は理解されよう。
【0062】
検出閾値108、110が雑音境界136、138の近くに設定されるほど、検出シス
テム48の感度が高くなることは当業者には理解されよう。さらに、検出システム48は
、使用中に生じる環境変化を補償するために、雑音境界136、138を経時的に調整す
るように構成できることは理解されよう。したがって、雑音境界136、138及び検出
閾値108、110を最初に設定することに加えて、或る特定の動作状態下で検出システ
ム48を再較正するのも有利である。そのために、一実施形態において、コントローラ5
8の解析回路116は、較正回路140を利用する。較正回路140は、補償回路142
及び利得増幅回路144と協働して、波形66を経時的に監視し、検出精度を確保するた
めに再較正が必要であることを示す所定の変化を見つける。
【0063】
上記で論じられたように、検出システム48は、有利には、高い感度及び検出精度を達
成するために電気的に平衡状態とされる。そのために、コントローラ58を利用して、コ
イル52、54、56の電気的平衡を達成する。一実施形態において、補償回路142は
第1の受信コイル52及び第2の受信コイル54と電気的に導通するように構成されると
ともに、受信信号62、64を誘導的に平衡状態にするように構成されて、波形66の基
準104を最小化し、その基準104からの後続の変化を正確に解析することができるよ
うになる。ここで、補償回路142は、金属製物体が送信コイル56によって生成される
磁場と相互作用しない検出システム48の動作状態において、振幅、周波数及び位相に関
して第1の受信信号62を第2の受信信号64と平衡状態にすることによって、検出シス
テム48の感度を高める。そのために、補償回路142は、検出システム48が初期化さ
れるときに、又は動作中に必要に応じて、受信信号62、64を平衡状態にするように構
成される1つ以上のマイクロプロセッサ/マイクロコントローラを利用することができる
(不図示)。その場合に、検出システム48が金属製の材料、構成要素、構造等をできる
限り利用しない場合にその高い感度が促進されることは理解されよう。しかし、検出シス
テム48が、或る程度、検出を達成するために内部で金属製の構成要素(コイル等)を使
用することを必然的に伴うことは理解されよう。
【0064】
一実施形態において、コントローラ58は、平衡状態の受信信号62、64を合成して
波形66を出力するために合成回路146を利用する。そのために、一実施形態において
、合成回路146は、受信信号62、64を合成して波形66を出力するように構成され
、波形66を大きさが0である基準104まで減衰させるように更に構成される差動増幅
器として実現される。コントローラ58は、利得増幅回路144を利用して、波形66を
増幅する。ここで、利得増幅回路144は、基準104からの波形66の後続の動きが、
金属製物体と送信コイル56によって生成される磁場との相互作用によって生じる受信信
号62及び64間の不平衡を反映するように、合成された平衡状態の受信信号62、64
から生成された波形66を増幅することによって、検出システム48の感度を高める。
【0065】
ここで
図17、
図19及び
図20に示す論理的マップを参照すると、検出システム48
によって利用される種々の論理ステップが大まかに示される。ここで、明確にし、かつ一
貫性を保つために、それらのステップは、符号200から始めて、それらのステップを示
すときに用いる符号に関してのみ特定される。
【0066】
送信コイル56によって生成される磁場と磁性物体との相互作用がないときに、検出シ
ステム48が有利にはステップ200において初期化される。ステップ200における初
期化後に、ステップ202において、補償回路142が受信信号62、64を平衡状態に
し、ステップ204において、雑音計算器134が波形66に基づいて雑音境界136、
138を定める。次に、ステップ206において、雑音境界136、138に基づいて、
検出閾値108、110が定められる。ここで、ステップ206において、検出閾値10
8、110は、上記のように、ユーザ入力制御132を介して等、ユーザによって操作す
ることも可能である。検出閾値108、110が定められると、その後、ステップ208
において、コントローラ58が基準104に対する変化を見つけるために波形66を監視
する。具体的には、コントローラ58の解析回路116が、ステップ210において行わ
れる検出閾値108、110を超える基準104からの動きを見つけるために、ステップ
208において波形66を監視する。また、コントローラ58は、ステップ212におい
て再較正に関しても同時に監視し、再較正は、較正回路140によって自動的に促すこと
ができるか、又はユーザ入力制御132を介して等、ユーザによって手動により促すこと
ができる。一実施形態において、再較正が進められる場合には、コントローラ58は、ス
テップ202に戻ることによって受信信号62、64を再び平衡状態にし、ステップ20
4において、雑音境界136、138を再び定め、ステップ206において検出閾値10
8、110を再び定め、その後、ステップ208において波形66を監視し続ける。
【0067】
図17及び
図19を引き続き参照すると、コントローラ58の解析回路116が、ステ
ップ210において検出閾値108、110を超えたと判断すると、ステップ214にお
いて、コントローラ58が、その後、検出インジケータ50を起動する。また、
図19に
示す実施形態において、コントローラ58の解析回路116は、金属製物体が医療廃棄物
コンテナ42の開口部44に入れられることと、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42か
ら取り出されることとを区別するために、ステップ213において、第2の受信信号64
の前に第1の受信信号62が変化したことを確認する。
【0068】
上記で言及されたように、検出インジケータ50は、可聴警告及び/又は可視警告とし
て実現することができる。一例として、検出インジケータ50は、ステップ210におい
て判定されるように、金属製物体が医療廃棄物コンテナ42の開口部44に入るときには
いつでも、ステップ214において可聴警告音を出すことができ、コントローラ58はス
テップ208に戻って波形66を監視し続け、ステップ210において判断された後続の
検出イベントに応じて、ステップ214において警告音を再び出すことができる。
【0069】
同様に、検出インジケータ50は、ステップ210において判断されるように、金属製
物体が医療廃棄物コンテナ34の開口部44に入ると、ステップ214において光源を点
灯させることができ、コントローラ58はステップ208に戻って、そのステップ208
において波形66を監視し続け、ステップ210において判断された後続の検出イベント
に応じて、ステップ214において光源を再び点灯させることができる。さらに、ステッ
プ216において、コントローラ58によって自動的に、又はユーザ入力制御132を介
して等、ユーザによって手動で停止が促されるまで、検出インジケータ50は起動された
ままとすることができ、その後、ステップ218において停止することができる。一例と
して、コントローラ58は、その後、金属製物体が取り出されるまで、又はユーザがステ
ップ216においてユーザ入力制御部132を操作するまで、ステップ214において検
出インジケータ50を通して警告音を出すように構成することができる。
【0070】
光源は、複数の発光ダイオード、複数の多色発光ダイオード等の、ユーザに情報を示す
のに適した任意の光源とすることができる。さらに、光源は、検出イベントを示す赤色、
検出イベントがないことを示すものの検出システム48のレディ状態を表示する緑色等の
、ユーザに伝達される異なる情報に基づいて、異なる色の可視光を生成するように構成す
ることができる。さらに、検出インジケータ50は、閾値108、110を超えた時点、
検出イベント点122、128が確立された時点、時点112、114、118が生じた
時点等に、異なる光源を連続して点灯させること等によって、検出イベントが生じたとき
に、光源を利用して、その検出イベントの進行を示すことができる。さらに、検出インジ
ケータ50は、生じた検出イベントの数を表示するカウンタを含むことができる。
【0071】
検出閾値108、110は波形66の雑音境界136、138に基づいて定められるた
め、送信コイル56によって生成される磁場内で任意の金属製物体が相互作用する結果と
して、検出システム48の感度が低下する場合があることは理解されよう。上記で言及さ
れたように、雑音境界136、138は、設定された期間にわたる、基準104からの波
形66の偏差の最小値及び最大値を表す。さらに、金属製物体と磁場との任意の相互作用
によって、上記のように、波形66が基準104から動く可能性がある。この動きによっ
て、雑音境界136、138が上昇し、それに応じて検出閾値108、110が上昇し、
それゆえ、感度が低下する。その場合に、送信コイル56によって生成される磁場との一
時的な物体の相互作用によって引き起こされる感度低下と、金属製物体がコイル52、5
4、56を通り抜けることによって引き起こされる波形66の動きとを制御システム48
が補償することが有利である。そのために、較正回路140は、再較正する時点を判断す
るように構成される。再較正の時点は、所定の時間が経過すること、検出イベントが生じ
ること、又は波形66において所定の変動が生じることに基づくことができる。再較正は
、受信信号62、64を再び平衡状態にすることによって、及び/又は、ある動作状態に
対して雑音境界136、138及び/又は検出閾値108、110を再び定めることによ
って等の、いくつかの異なる方法において達成できることは理解されよう。
【0072】
その場合に、検出システム48は、いくつかの異なる方策を利用して、再較正を達成す
る時点を判断することができる。非限定的な例として、そのような方策の一実施形態を示
す論理的マップを
図20に示す。ここで、検出システム48は使用禁止(do-not-use)イ
ンジケータ148を含む。使用禁止インジケータ148は、ステップ207において停止
されるまで、ステップ202において較正又は再較正が行われるときにはいつでもステッ
プ203において起動される。使用禁止インジケータ148の起動はユーザの認識に起因
して実効的な較正を促すのを助長し、それにより、使用禁止インジケータ148が起動さ
れている間に、例えば、金属製物体が検出システム48に極めて近接しつつあるのをユー
ザが観測した場合には、ユーザは、その後に、ユーザ入力制御部132を介して再較正で
きることは理解されよう。しかし、使用禁止インジケータ148は、検出システム48内
で他の方法において実現することができるか、又は完全になくすことができることは理解
されよう。
【0073】
図20を引き続き参照すると、コントローラ58は、ステップ208において、較正時
に定められた基準104との関係で波形66を監視し、ステップ210Aにおいて第1の
検出閾値108を超えたか否かを判断する。第1の検出閾値108を超えた場合には、コ
ントローラ58は、ステップ210Bにおいて、5秒等の、所定の時間より短い時間だけ
第1の検出閾値108を超えたか否かを判断し、
図17及び
図19に関連して上記で更に
詳細に説明されたように、コントローラ58は、その後、ステップ210Cにおいて、検
出イベントを示すために、第2の検出閾値110を超えた否かを確認する。しかし、この
実施形態において、第1の検出閾値108を超えなかった場合には、又は所定の時間より
短い時間だけ超えた場合には、再較正が行われるべきであるか否か、そして再較正がいか
に行われるべきかを判断するために、コントローラ58は、その後、ステップ220にお
いて、新たな基準104N及び新たな雑音境界136N、138Nを計算する。
【0074】
ステップ222において、新たな雑音境界136N、138Nがそれまでに定められた
雑音境界136、138よりも大きい場合には、コントローラ58は、ステップ224に
おいて、新たな雑音境界136N、138Nを較正時に定められた検出閾値108、11
0と比較する。ここで、新たな雑音境界136N、138Nが検出閾値108、110よ
りも大きい場合には、コントローラ58は、ステップ202において受信信号62、64
を再び平衡状態にし、ステップ205において雑音境界136、138を再び定め、ステ
ップ206において検出閾値108、110を再び定め、その後、ステップ208におい
て波形66を監視し続ける。しかし、ステップ224において、新たな雑音境界136N
、138Nが検出閾値108、110より小さい場合には、コントローラは、ステップ2
04において雑音境界136、138を再び定め、ステップ206において検出閾値10
8、110を再び定め、その後、ステップ208において波形66を監視し続ける。
【0075】
しかし、ステップ222において、新たな雑音境界136N、138Nがそれまでに定
められた雑音境界136、138よりも小さく、かつ新たな基準104Nが、較正中に、
以前に確立された基準104と比べて、ステップ226において20%以上だけシフトし
たとコントローラ58が判断した場合、コントローラ58は、ステップ202において受
信信号62、64を再び平衡状態にし、ステップ204において、雑音境界136、13
8を再び定め、ステップ206において検出閾値108、110を再び確立し、その後、
ステップ208において波形66を監視し続ける。しかし、ステップ226において、新
たな基準104Nが20%以上だけシフトしていなかった場合には、コントローラ58は
、ステップ208において波形66を監視し続ける。順次、非順次及び/又は同時を含む
、任意の適切な順序において、上記のステップのいずれか1つをコントローラ58によっ
て実行できることは理解されよう。さらに、コントローラ58は、任意の適切な方法にお
いて編成されたステップを利用する異なる方策を実施できることは理解されよう。上記の
例において、20%のシフトは非限定的な例として与えられ、適宜、別の、シフト率の閾
値を使用することができる。
【0076】
上記で言及されたように、検出システム48はいくつかの異なる方法において、そして
いくつかの異なる構成で実現することができる。具体的には、上記のコントローラ58、
補償回路142、合成回路146、利得増幅回路144、解析回路116、較正回路14
0及び/又は雑音計算部134は、上記のように、コイル52、54、56を通り抜ける
金属製物体の検出を達成するのに十分な任意の適切な方法において通信するか、又は別の
方法で協働する、任意の適切な数の個別電気部品、モジュール、システム、サブシステム
、プロセッサ、プログラム等によって実現できることは理解されよう。さらに、上記のコ
ントローラ58の回路及び/又は機能のうちの1つ以上を、プロセッサ上で実行されるソ
フトウェアによって実現できるか、又は別の方法で実行できることは理解されよう。非限
定的な例として、コントローラ58は、上記の補償回路142、合成回路146及び利得
増幅回路144の機能を実行する信号処理アルゴリズムを実行するプロセッサを備えるこ
とができる。またここで、コントローラ58は、共通のプロセッサを利用して、送信信号
60を生成するだけでなく、解析回路116の機能も実行することができる。
【0077】
このようにして、検出システム48は、高い検出精度を与えるのと同時に、医療廃棄物
コンテナ42の開口部44の中に落下する金属製物体を検出する際に著しく高い感度を与
える。具体的には、受信コイル52、54の物理的及び電気的平衡によって、コントロー
ラ58は基準104からのごくわずかな変動を見つけるために波形66を監視できるよう
になり、それと同時に、検出システム48付近に位置決めされるか、又は検出システム4
8付近を移動している持続的及び/又は一時的な金属製物体、及び/又は医療廃棄物コン
テナ42の開口部44を通り抜ける持続的及び/又は一時的な金属製物体の存在を補償で
きるようになることは理解されよう。さらに、検出システム48は、コイル52、54、
56を通り抜ける或る特定の金属製物体を認識する能力、それゆえ、気づかずに廃棄され
る金属製物体と一般に廃棄される金属製物体とを区別する能力等の、検出システム48の
機能を高める大きな機会を提供することは理解されよう。
【0078】
「含む、備える("include," "includes," and "including")」という用語は、「備え
る、含む("comprise," "comprises," and "comprising")」という用語と同じ意味を有
することは更に理解されよう。さらに、「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語は
、本明細書において、明確にし、一貫性を保つ非限定的で、例示的な目的のために或る特
定の構造的特徴及び構成要素を区別するために使用されることは理解されよう。
【0079】
いくつかの実施形態が上記の説明で論じられた。しかし、本明細書で論じる実施形態は
、網羅的であるか又は本発明を任意の特定の形態に限定することを意図されない。使用さ
れた用語は、制限的であるのではなく、説明の言葉(words of description)の性質内に
あることを意図される。多くの変更及び変形が、上記教示を考慮して可能であり、本発明
は、具体的に述べられる以外の方法で実施することができる。
【0080】
本開示の実施形態は以下の番号付けされた条項を参照しながら説明することができ、具
体的な特徴が従属条項において説明される。
I.金属製物体が医療廃棄物コンテナの開口部の中に廃棄されたことを検出するための
検出システムであって、該検出システムは、
金属製物体が前記医療廃棄物コンテナの前記開口部を通り抜けたことを示すための検出
インジケータと、
一対の受信コイル、及び該受信コイル間に間隔を置いて配置される送信コイルであって
、該コイルは、前記医療廃棄物コンテナの前記開口部に隣接して、廃棄物を受け入れるよ
うに形作られる、一対の受信コイル及び送信コイルと、
前記コイルと電気的に導通するコントローラであって、該コントローラは、送信信号を
生成し、前記送信コイルが該送信信号に基づいて磁場を生成するように該送信信号を前記
送信コイルに伝達するように構成され、前記磁場は、前記受信コイルがそれぞれ該コント
ローラによって受信される受信信号を生成するように、前記各受信コイル内に電圧を誘導
する、コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記受信信号の両方に基づいて波形を生成するように構成され、
該波形は、金属製物体が前記磁場と相互作用しないことに対応する基準の状態を有し、
前記コントローラは、第1の検出閾値と、該第1の検出閾値と反対に位置する第2の検
出閾値とに対して前記波形を解析するように構成され、前記基準は前記第1の検出閾値と
前記第2の検出閾値との間にあり、
前記コントローラは、金属製物体が前記コイルを通り抜けるのに応答して、前記波形が
第1の時点において前記第1の検出閾値を超え、後続の第2の時点において前記第2の検
出閾値を超えるのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成される、検出
システム。
II.前記コントローラは、前記波形が後続の第3の時点において前記第1の検出閾値
と前記第2の検出閾値との間にあるのに応答して、前記検出インジケータを起動するよう
に構成される、条項Iに記載の検出システム。
III.前記コントローラは、前記波形の大きさが、
第1の期間にわたって前記基準から、第1の検出イベント点を規定する前記第1の検出
閾値を超えるまで増加し、
第2の期間にわたって前記第1の検出イベント点から前記基準まで減少し、
第3の期間にわたって前記基準から、第2の検出イベント点を規定する前記第2の検出
閾値を超えるまで減少するのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成さ
れる、任意の先行する条項に記載の検出システム。
IV.前記コントローラは、前記波形の大きさが第4の期間にわたって前記第2の検出
イベント点から前記基準まで増加するのに基づいて、前記検出インジケータを起動するよ
うに構成される、条項IIIに記載の検出システム。
V.前記第1の期間及び前記第2の期間は実質的に等しい持続時間のものである、条項
IIIに記載の検出システム。
VI.前記基準は大きさが0である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
VII.前記第2の検出閾値は前記第1の検出閾値に大きさが等しい、任意の先行する
条項に記載の検出システム。
VIII.前記コントローラは、前記波形の大きさが、
第1の期間にわたって前記基準から、第1の検出イベント点を規定する前記第1の検出
閾値を超えるまで減少し、
第2の期間にわたって前記第1の検出イベント点から前記基準まで増加し、
第3の期間にわたって前記基準から第2の検出イベント点を規定する前記第2の検出閾
値を超えるまで増加するのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成され
る、任意の先行する条項に記載の検出システム。
IX.前記コントローラは、前記波形の大きさが第4の期間にわたって前記第2の検出
イベント点から前記基準まで減少するのに基づいて、前記検出インジケータを起動するよ
うに構成される、条項VIIIに記載の検出システム。
X.前記コントローラは、金属製物体が前記磁場と相互作用しないときに所定の期間に
わたって受信される前記波形の先行する最小値及び最大値に基づいて、前記検出閾値の最
小値を求めるように構成される雑音計算器を含む、任意の先行する条項に記載の検出シス
テム。
XI.前記検出閾値は、波形雑音の100%より大きい、前記波形雑音の前記先行する
最小値及び最大値の割合として確立される、条項Xに記載の検出システム。
XII.前記コントローラは、前記波形の前記基準を最小化するために、前記受信信号
を誘導的に平衡状態にするように構成される補償回路を含む、任意の先行する条項に記載
の検出システム。
XIII.前記コントローラは前記波形を増幅するように構成される利得増幅回路を含
む、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XIV.前記送信信号は振動電圧である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XV.前記送信信号は正弦曲線である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XVI.前記磁場は交番磁場である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XVII.前記検出システムを動作させるための電源を更に含む、任意の先行する条項
に記載の検出システム。
XVIII.前記電源は充電式電池である、条項XVIIに記載の検出システム。
XIX.前記検出システムは、前記コイルを支持するコイル支持フレームを更に含み、
前記コイル支持フレームは、廃棄物を収容するために前記医療廃棄物コンテナがそれを通
して位置決め可能である通路を画定する、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XX.前記コイル支持フレームは、円形、長円形又は多角形の形状によって画定される
外形を有する、条項XIXに記載の検出システム。
XXI.前記検出システムは、取付台を有するモバイルカートを更に含み、前記コイル
支持フレームは前記取付台に動作可能に取り付けられる、条項XIXに記載の検出システ
ム。
XXII.前記コイルはそれぞれ少なくとも25巻きの導線を含む、任意の先行する条
項に記載の検出システム。
XXIII.前記コイルは平行である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXIV.前記コイルは同軸である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXV.前記送信コイルは前記受信コイル間に等距離に配置される、任意の先行する条
項に記載の検出システム。
XXVI.前記コイルは、20mm~80mmの所定の距離だけ互いから間隔を置いて
配置される、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXVII.前記所定の距離は40mm~60mmである、条項XXVIに記載の検出
システム。
XXVIII.前記所定の距離は50mmである、条項XXVIに記載の検出システム
。
XXIX.前記コイルは、円形、長円形又は多角形の形状によって画定される外形を有
する、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXX.前記コイルは共通の外形を有する、任意の先行する条項に記載の検出システム
。
XXXI.前記コイルは不規則な六角形の外形を有する、任意の先行する条項に記載の
検出システム。
XXXII.前記コイルは、少なくとも一対の平行な一直線の辺を含む外形を有する、
任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXXIII.前記第1の検出閾値及び前記第2の検出閾値はユーザ入力制御によって
調整可能である、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXXIV.前記検出インジケータは、可聴インジケータ及び可視インジケータのうち
の少なくとも一方を含む、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXXV.前記受信コイル及び前記送信コイルのそれぞれを支持するコイル支持フレー
ムを更に含む、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XXXVI.前記コイル支持フレームを支持するための取付台と、同時に動くために前
記取付台に結合される土台とを更に含む、条項XXXVに記載の検出システム。
XXXVII.前記コイル支持フレームを前記取付台に作用する外力から隔離するため
に、前記取付台と前記コイル支持フレームとの間に介在する隔離機構を更に含む、条項X
XXVIに記載の検出システム。
XXXVIII.前記隔離機構は、前記取付台及び前記コイル支持フレームに動作可能
に取り付けられる弾性部材を備える、条項XXXVIIに記載の検出システム。
XXXIX.前記受信コイルを外部電場から遮蔽するように構成されるファラデーシー
ルドを更に備える、任意の先行する条項に記載の検出システム。
XL.前記送信コイルによって生成される磁場を前記医療廃棄物コンテナの前記開口部
に向かって誘導するように構成される場整形部を更に備える、任意の先行する条項に記載
の検出システム。
XLI.金属製物体が医療廃棄物コンテナの開口部の中に廃棄されたことを検出するた
めの検出システムであって、該検出システムは、
金属製物体が前記医療廃棄物コンテナの前記開口部を通り抜けたことを示すための検出
インジケータと、
第1の受信コイル、第2の受信コイル、及び該受信コイル間に間隔を置いて配置される
送信コイルであって、該コイルは、前記医療廃棄物コンテナの前記開口部に隣接して、廃
棄物を受け入れるように形作られる、第1の受信コイル、第2の受信コイル、及び送信コ
イルと、
前記コイルと電気的に導通するコントローラであって、該コントローラは、送信信号を
生成し、前記送信コイルが該送信信号に基づいて磁場を生成するように該送信信号を前記
送信コイルに伝達するように構成され、前記磁場は、前記第1の受信コイルが第1の受信
信号を生成し、前記第2の受信コイルが第2の受信信号を生成し、該受信信号がいずれも
該コントローラによって受信されるように、前記各受信コイル内に電圧を誘導する、コン
トローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記受信信号の両方に基づいて波形を生成するように構成され、
該波形は、金属製物体が前記磁場と相互作用しないことに対応する基準の状態を有し、
前記コントローラは、第1の検出閾値と、該第1の検出閾値と反対に位置する第2の検
出閾値とに対して前記波形を解析するように構成され、前記基準は前記第1の検出閾値と
前記第2の検出閾値との間にあり、
前記コントローラは、前記受信信号及び前記波形を同時に解析するように構成され、金
属製物体が前記コイルを通り抜けるのに応答して、前記第1の受信信号において所定の変
化が生じ、前記第2の受信信号において後続の所定の変化が生じるのに基づいて、かつ前
記波形が第1の時点において前記第1の検出閾値を超え、後続の第2の時点において前記
第2の検出閾値を超えるのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように更に構成
される、検出システム。
XLII.前記第1の受信コイルは、前記医療廃棄物コンテナの前記開口部の中に落下
する物体が、前記第2の受信コイルを通り抜ける前に、前記第1の受信コイルを通り抜け
るように、前記第2の受信コイルの上方に間隔を置いて配置される、条項XLIに記載の
検出システム。
XLIII.前記コントローラは、前記受信信号において所定の変化が生じるのに基づ
いて、その後、前記波形が前記検出閾値を超えるのに基づいて、前記検出インジケータを
起動するように構成される、条項XLIに記載の検出システム。
XLIV.前記コントローラは、前記波形が前記検出閾値を超えるのに基づいて、その
後、前記受信信号において所定の変化が生じるのに基づいて、前記検出インジケータを起
動するように構成される、請求項XLIに記載の検出システム。
XLV.金属製物体が医療廃棄物コンテナの開口部の中に廃棄されたことを検出するた
めの検出システムであって、該検出システムは、
金属製物体が前記医療廃棄物コンテナの前記開口部を通り抜けたことを示すための検出
インジケータと、
一対の受信コイル、及び該受信コイル間に間隔を置いて配置される送信コイルであって
、該コイルは、前記医療廃棄物コンテナの前記開口部に隣接して、廃棄物を受け入れるよ
うに形作られる、一対の受信コイル及び送信コイルと、
前記受信コイル及び前記送信コイルのそれぞれを支持するコイル支持フレームと、
前記コイル支持フレームを支持するための取付台と、
同時に動くために前記取付台に結合される土台と、
前記コイル支持フレームを前記取付台に作用する外力から隔離するために、前記取付台
と前記コイル支持フレームとの間に介在する隔離機構と、
を備える、検出システム。
XLVI.前記検出システムは、前記コイルと電気的に導通するコントローラを更に備
え、該コントローラは、送信信号を生成し、前記送信コイルが該送信信号に基づいて磁場
を生成するように、該送信信号を前記送信コイルに伝達するように構成され、前記磁場は
、前記受信コイルがそれぞれ前記コントローラによって受信される受信信号を生成するよ
うに、前記各受信コイル内に電圧を誘導する、条項XLVに記載の検出システム。
XLVII.前記コントローラは、前記受信信号の両方に基づいて、波形を生成するよ
うに構成され、該波形は、金属製物体と前記磁場との相互作用がないことに対応する基準
の状態を有する、条項XLVIに記載の検出システム。
XLVIII.前記コントローラは、第1の検出閾値と、該第1の検出閾値と反対に位
置する第2の検出閾値とに対して前記波形を解析するように構成され、前記基準は前記第
1の検出閾値と前記第2の検出閾値との間にある、条項XLVIIに記載の検出システム
。
XLIX.前記コントローラは、金属製物体が前記コイルを通り抜けるのに応答して、
前記波形が第1の時点において前記第1の検出閾値を超え、後続の第2の時点において前
記第2の検出閾値を超えるのに基づいて、前記検出インジケータを起動するように構成さ
れる、条項XLVIIに記載の検出システム。