(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】レーザーダイオードテストシステム及びレーザーダイオードテスト方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/26 20200101AFI20231023BHJP
【FI】
G01R31/26 C
G01R31/26 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021211086
(22)【出願日】2021-12-24
【審査請求日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】王勝弘
(72)【発明者】
【氏名】張博翔
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-236594(JP,A)
【文献】特開2013-024829(JP,A)
【文献】特開2000-028681(JP,A)
【文献】特開平08-150583(JP,A)
【文献】特開2011-220704(JP,A)
【文献】特開2002-040101(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0134135(US,A1)
【文献】特開昭62-052941(JP,A)
【文献】特開2004-257943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各レーザーダイオードが少なくとも1つのコンタクトを含む、複数のレーザーダイオードをテストするためのレーザーダイオードテストシステムであって、前記レーザーダイオードテストシステムは、
電磁スライドに結合され、少なくとも1つの永久磁石を含み、前記電磁スライドが前記電磁スライドの長手方向に配置された複数の磁界励磁ユニットを含み、前記複数のレーザーダイオードが載置されている第1の移送デバイスと、
第1の測定デバイスと、第1のプローブモジュールと、を含む第1のテストステーションと、
前記電磁スライドの前記複数の磁界励磁ユニットと、前記第1の測定デバイスと、前記第1のプローブモジュールとに電気的に接続されている主制御装置と、
を備え、
前記主制御装置の制御下にある前記電磁スライドの前記複数の磁界励磁ユニットのうちの少なくとも1つによって磁界が生成され、前記第1の移送デバイスの前記少なくとも1つの永久磁石によって生成される磁界と相互作用し、これにより、前記第1の移送デバイスは、前記複数のレーザーダイオードを前記第1のテストステーションへ、又は前記第1のテストステーションから離れるように移送するように駆動され、
前記第1の移送デバイスが前記第1のテストステーションに位置するとき、前記主制御装置の制御により、前記第1の移送デバイスは
前記複数のレーザーダイオードを
前記複数のレーザーダイオードが前記第1の移送デバイスに載置されている状態で一体的に移送することで、前記第1のプローブモジュールは、各レーザーダイオードの前記少なくとも1つのコンタクトと順次に電気的に接触させられ、前記第1の測定デバイスは、前記主制御装置によって制御され、前記第1のプローブモジュールによって電気的に接触されている各レーザーダイオードの電気的特性及び光学的特性のうちの少なくとも1つを順次に測定する、レーザーダイオードテストシステム。
【請求項2】
第2のテストステーションと、第2の移送デバイスと、ピックアンドプレースデバイスと、を更に備え、前記第2のテストステーションは、第2の測定デバイスと、第2のプローブモジュールと、を含み、前記第2の移送デバイスは、前記電磁スライドに結合されており、前記ピックアンドプレースデバイスは、前記第1のテストステーションと前記第2のテストステーションとの間に配設されており、前記第2の測定デバイス、前記第2のプローブモジュール、及び前記ピックアンドプレースデバイスは、前記主制御装置に電気的に接続されており、前記第1のテストステーションの前記第1の測定デバイスが、前記複数のレーザーダイオードの前記電気的特性及び前記光学的特性のうちの少なくとも1つを測定すると、前記第1の移送デバイスは、前記主制御装置によって駆動され、前記複数のレーザーダイオードを前記第1のテストステーションから離れるように移送し、前記ピックアンドプレースデバイスは、前記主制御装置によって制御され、前記複数のレーザーダイオードを前記第2の移送デバイスに移送し、前記第2の移送デバイスは、前記主制御装置によって駆動され、前記複数のレーザーダイオードを前記第2のテストステーションに移送し、前記主制御装置の制御により、前記第2の移送デバイスは
前記複数のレーザーダイオードを
前記複数のレーザーダイオードが前記第2の移送デバイスに載置されている状態で一体的に移送することで、前記第2のプローブモジュールは、各レーザーダイオードの前記少なくとも1つのコンタクトと順次に電気的に接触させられ、前記第2の測定デバイスは、前記主制御装置によって制御され、前記第2のプローブモジュールによって電気的に接触されている前記複数のレーザーダイオードの前記電気的特性及び前記光学的特性のうちの少なくとも1つを測定する、請求項1に記載のレーザーダイオードテストシステム。
【請求項3】
前記電磁スライドと平行に配置されたガイドレールを更に備え、前記第1の移送デバイスは、前記ガイドレールに結合され且つ前記ガイドレール上で摺動可能な摺動フレームを更に含む、請求項1に記載のレーザーダイオードテストシステム。
【請求項4】
前記摺動フレームは、温度制御ユニットと、ホルダアセンブリと、を更に含み、前記温度制御ユニットは、前記ホルダアセンブリに結合され、前記ホルダアセンブリを加熱又は冷却するために設けられており、前記ホルダアセンブリは、前記複数のレーザーダイオードを保持するために設けられている、請求項3に記載のレーザーダイオードテストシステム。
【請求項5】
前記ホルダアセンブリは、本体と、着脱式ホルダと、を含み、前記本体は、負圧チャネルを含み、前記着脱式ホルダは、その上面に少なくとも1つの吸着孔が設けられており、前記負圧チャネルの一端は、負圧源と連通しており、前記負圧チャネルの他端は、前記少なくとも1つの吸着孔と連通している、請求項4に記載のレーザーダイオードテストシステム。
【請求項6】
前記着脱式ホルダは、担持面と、垂直面と、傾斜面と、を含み、前記担持面は、前記複数のレーザーダイオードの幅に等しい幅を有し、且つ前記複数のレーザーダイオードを担持するために設けられており、前記少なくとも1つの吸着孔は、前記担持面上に形成されており、前記垂直面は、前記担持面の一方の側縁部に連結されており、一方、前記傾斜面は、前記担持面の他方の側縁部に連結されており、前記傾斜面と前記担持面は、30度~90度の範囲内で挟角θを形成している、請求項5に記載のレーザーダイオードテストシステム。
【請求項7】
前記第1の移送デバイス及び前記電磁スライドのうちの少なくとも1つは、前記主制御装置に電気的に接続され且つ前記第1の移送デバイスのリアルタイム位置を検出することによってリアルタイム位置信号を生成し、前記リアルタイム位置信号を前記主制御装置に送るために設けられている位置信号生成ユニットを更に含む、請求項1に記載のレーザーダイオードテストシステム。
【請求項8】
各レーザーダイオードが少なくとも1つのコンタクトを含む、複数のレーザーダイオードをテストするためのレーザーダイオードテスト方法であって、前記方法は、
(A)第1の移送デバイスによって、前記複数のレーザーダイオードを、第1の測定デバイスと、第1のプローブモジュールと、を含む第1のテストステーションに移動させるステップと、
(B)前記第1のプローブモジュールが各レーザーダイオードの前記少なくとも1つのコンタクトに順次に電気的に接触するように、主制御装置の制御により、前記第1の移送デバイスは
前記複数のレーザーダイオードを
前記複数のレーザーダイオードが前記第1の移送デバイスに載置されている状態で一体的に移送し、前記第1のプローブモジュールによって電気的に接触されている各レーザーダイオードの電気的特性及び光学的特性のうちの少なくとも1つを順次に測定するように、前記第1の測定デバイスを前記主制御装置により制御するステップと、
(C)前記第1の移送デバイスによって、前記複数のレーザーダイオードを前記第1のテストステーションから出ていくように移動させるステップと、
を備え、
前記第1の移送デバイスは、電磁スライドに結合されており、前記第1の移送デバイスは、少なくとも1つの永久磁石を含み、前記電磁スライドは、前記電磁スライドの長手方向に配置された複数の磁界励磁ユニットを含み、前記ステップ(A)及び前記ステップ(C)において、前記主制御装置の制御下にある前記電磁スライドの前記複数の磁界励磁ユニットのうちの少なくとも1つによって磁界が生成され、前記第1の移送デバイスの前記少なくとも1つの永久磁石によって生成される磁界と相互作用し、これにより、前記第1の移送デバイスは、前記複数のレーザーダイオードを前記第1のテストステーションへ、又は前記第1のテストステーションから出ていくように移送するように駆動される、方法。
【請求項9】
前記ステップ(C)の後に、
(D)ピックアンドプレースデバイスによって、前記複数のレーザーダイオードを前記第1の移送デバイスから、前記電磁スライドに結合されている第2の移送デバイスに移動させるステップと、
(E)前記第2の移送デバイスによって、前記複数のレーザーダイオードを、第2の測定デバイスと、第2のプローブモジュールと、を含む第2のテストステーションに移動させるステップと、
(F)前記第2のプローブモジュールが各レーザーダイオードの前記少なくとも1つのコンタクトに順次に電気的に接触するように、前記主制御装置の制御により、前記第2の移送デバイスは
前記複数のレーザーダイオードを
前記複数のレーザーダイオードが前記第2の移送デバイスに載置されている状態で一体的に移送し、前記第2のプローブモジュールによって電気的に接触されている前記複数のレーザーダイオードの前記電気的特性及び前記光学的特性のうちの少なくとも1つを順次に測定するように、前記第2の測定デバイスを前記主制御装置により制御するステップと、
(G)前記第2の移送デバイスによって、前記複数のレーザーダイオードを前記第2のテストステーションから出ていくように移動させるステップと、
を更に備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップ(B)の前に、
(B0)前記第1の移送デバイスの温度制御ユニットによって、前記複数のレーザーダイオードを加熱又は冷却するステップ、
を更に備える、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザーダイオードテストシステム及びレーザーダイオードテスト方法に関し、特に、端面発光レーザー(EEL:edge emitting laser)ダイオードの電気的及び光学的特性をテストするためのレーザーダイオードテストシステム及びレーザーダイオードテスト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーダイオードは、光通信、材料加工、医療、センシング、印刷、ディスプレイ、光記憶装置及び照明において、幅広く用いられている。しかしながら、レーザーダイオード製造プロセスの継続的な進歩により、レーザーダイオードの体積が低減され、レーザーダイオードの精度が向上し、レーザーダイオードの特性を測定する際の難しさが増した。
【0003】
典型的に、既存のテスト技術では、所定の温度での単一機能のテスト専用の1つのステーションが使用される。具体的には、独立したテストステーションにおいて、単一のレーザーダイオードバー又は個々のレーザーダイオード(以下、被試験デバイスと呼ぶ)が、一定の温度に加熱又は冷却され、被試験デバイスの単一の特性又は機能がテストされる。しかしながら、現在のテスト要件によると、様々な光電テスト及び光学的特性テストは、通常、3つの異なるテスト温度(即ち、低温、室温、及び高温)で行われなければならない。
【0004】
換言すれば、4つのテスト項目を上述した3つの異なる温度でテストするには、10個以上の独立したテストステーションが必要となる。これにはコストがかかるだけでなく、大きい工場スペースと、冷源及び熱源、空気圧源及び油圧源、並びに電源を含む他の補助設備とを必要とする。更に、被試験デバイスを異なるテストステーションへ、又は異なるテストステーションから移送し、被試験デバイスを別の場所に移すことは、建設費、保守運用時間は言うまでもなく、リスク要因の増大をもたらす。
【0005】
以上からわかるように、単一のフローラインで多温度及び多機能テストを達成し得るレーザーダイオードテストシステム及びレーザーダイオードテスト方法が、本産業においてまさに大いに期待されている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の主な目的は、複数のテストステーションを単一のフローライン上に統合し得、且つテストステーションの数を柔軟に増減し得るか、テストステーションの順序を調整し得るか、又はテストステーション間の距離を調整し得る、レーザーダイオードテストシステム及びレーザーダイオードテスト方法を提供することである。したがって、テスト効率は、大幅に改善され得、設備建設費が低減され得、設備によって占有されるスペースが低減され得る。
【0007】
上記目的を達成するために、各レーザーダイオードが少なくとも1つのコンタクトを含む、複数のレーザーダイオードをテストするためのレーザーダイオードテストシステムが、第1の移送デバイスと、第1のテストステーションと、主制御装置と、を備える。第1の移送デバイスは、電磁スライドに結合されており、第1の移送デバイスは、少なくとも1つの永久磁石を含み、電磁スライドは、電磁スライドの長手方向に配置された複数の磁界励磁ユニットを含む。複数のレーザーダイオードは、第1の移送デバイス上に載置される。第1のテストステーションは、第1の測定デバイスと、第1のプローブモジュールと、を含む。主制御装置は、電磁スライドの複数の磁界励磁ユニットと、第1の測定デバイスと、第1のプローブモジュールとに電気的に接続されている。主制御装置の制御下にある電磁スライドの複数の磁界励磁ユニットのうちの少なくとも1つによって磁界が生成され、第1の移送デバイスの少なくとも1つの永久磁石によって生成される磁界と相互作用し、これにより、第1の移送デバイスは、複数のレーザーダイオードを第1のテストステーションへ、又は第1のテストステーションから離れるように移送するように駆動される。第1の移送デバイスが第1のテストステーションに位置するとき、第1のプローブモジュールは、主制御装置によって制御され、各レーザーダイオードの少なくとも1つのコンタクトと順次に電気的に接触させられ、第1の測定デバイスは、主制御装置によって制御され、第1のプローブモジュールによって電気的に接触されている各レーザーダイオードの電気的特性及び光学的特性のうちの少なくとも1つを順次に測定する。
【0008】
以上からわかるように、本発明は、第1の移送デバイスを磁気浮上方式で駆動するために、電磁スライド上の磁界励磁ユニットを使用する。したがって、第1の移送デバイスは、いかなる配線もなしに、複数のレーザーダイオードを移送し得、各移送デバイスは、独立に制御され得る。移送速度又は移送距離は、容易に調整され得、移送精度は高く、較正が容易である。このようにして、各テストステーションは、本発明に従ってモジュール化され得、したがって、複数のテストステーションが単一のフローラインに統合され得、テストステーションの数が実際のニーズに従って容易に増減され得、テストステーション間の距離が柔軟に調整され得、テストステーションの順序が変更され得、それによって、テスト効率を改善し、設備建設費を低減させ、設備によって占有されるスペースを低減させる。
【0009】
好ましくは、本発明のレーザーダイオードテストシステムは、第2のテストステーションと、第2の移送デバイスと、ピックアンドプレースデバイスと、を更に備え得る。第2のテストステーションは、第2の測定デバイスと、第2のプローブモジュールと、を含み、第2の移送デバイスは、電磁スライドに結合されており、ピックアンドプレースデバイスは、第1のテストステーションと第2のテストステーションとの間に配設されている。第2の測定デバイス、第2のプローブモジュール、及びピックアンドプレースデバイスは、主制御装置に電気的に接続されている。第1のテストステーションの第1の測定デバイスが、複数のレーザーダイオードの電気的特性及び光学的特性のうちの少なくとも1つを測定した後、第1の移送デバイスは、主制御装置によって駆動され、複数のレーザーダイオードを第1のテストステーションから離れるように移送し、ピックアンドプレースデバイスは、主制御装置によって制御され、複数のレーザーダイオードを第2の移送デバイス上へと移送し、第2の移送デバイスは、主制御装置によって駆動され、複数のレーザーダイオードを第2のテストステーションに移送し、第2のプローブモジュールは、主制御装置によって制御され、各レーザーダイオードの少なくとも1つのコンタクトと順番に電気的に接触させられ、第2の測定デバイスは、主制御装置によって制御され、第2のプローブモジュールによって電気的に接触されている複数のレーザーダイオードの電気的特性及び光学的特性のうちの少なくとも1つを測定する。
【0010】
換言すれば、前の段落で説明されたように、本発明の各テストステーションは、移送デバイスを装備し得、2つのテストステーションの移送デバイス間で複数のレーザーダイオードを移すことを担うピックアンドプレースデバイスが、全ての2つのテストステーションの間に配置され得る。したがって、各テストステーションの移送デバイスは、それ自体のテストステーションに独立に出入りし得、各テストステーションは、レーザーダイオードを独立にテストし得、他のテストステーションと干渉することがない。各テストステーションが、同じ移送経路を有する単一の移送デバイスにのみ対応するので、移送精度は高く、較正が容易である。
【0011】
更に、本発明のレーザーダイオードテストシステムは、電磁スライドと平行に配置されたガイドレールを備え得、第1の移送デバイスは、ガイドレールに結合され且つガイドレール上で摺動可能な摺動フレームを更に含み得る。また、摺動フレームは、温度制御ユニットと、ホルダアセンブリと、を更に含み得る。温度制御ユニットは、ホルダアセンブリに結合され、ホルダを加熱又は冷却するために設けられており、ホルダアセンブリは、複数のレーザーダイオードを保持するために設けられている。換言すれば、ガイドレールの配置によって、ガイドレールに結合された摺動フレーム及び摺動フレーム上に配置されたホルダアセンブリは、第1の移送デバイスと共に移動され、その結果、第1の移送デバイスの荷重(load)が低減され得るとともに、被試験デバイスの構造及び移送の安定性が増大され得、それによって、移送精度を更に改善している。本発明では、ホルダアセンブリの温度は、温度制御ユニットによって調整され得、これにより、複数のレーザーダイオードのための特定の高温又は低温テスト環境が提供され得る。
【0012】
本発明のホルダアセンブリは、本体と、着脱式ホルダと、を含み得る。本体は、負圧チャネルを含み、着脱式ホルダは、その上面に少なくとも1つの吸着孔が設けられている。負圧チャネルの一端は、負圧源と連通しており、負圧チャネルの他端は、少なくとも1つの吸着孔と連通している。一方、本発明の着脱式ホルダは、担持面と、垂直面と、傾斜面と、を含む。担持面は、複数のレーザーダイオードの幅に等しい幅を有し、且つ複数のレーザーダイオードを担持するために設けられている。少なくとも1つの吸着孔は、担持面上に形成されている。垂直面は、担持面の一方の側縁部に連結されており、一方、傾斜面は、担持面の他方の側縁部に連結されており、傾斜面と担持面は、30度~90度の範囲内で挟角θを形成している。上記構成により、本発明の着脱式ホルダは、被試験デバイス(レーザーダイオード)の仕様に従って取り替えられ得、複数のレーザーダイオードは、レーザーダイオードが損傷を受けることを防止するために、負圧吸着によって保持される。本発明の着脱式ホルダの傾斜面の角度は、レーザーダイオードの発光した光が着脱式ホルダによって遮られることを防止するために、レーザーダイオードの発散角(divergence angle)に従って設定され、これにより、テスト精度に影響が及ばないようにする。
【0013】
加えて、本発明の第1の移送デバイス及び電磁スライドのうちの少なくとも1つは、位置信号生成ユニットを更に含み得、これは、主制御装置に電気的に接続されており、第1の移送デバイスのリアルタイム位置を検出することによって、リアルタイム位置信号を生成し、リアルタイム位置信号を主制御装置に送るために設けられている。したがって、本発明の第1の移送デバイスは、位置信号生成ユニットを用いて、正確に位置決めされ得る。
【0014】
前述の目的を達成するために、各レーザーダイオードが少なくとも1つのコンタクトを含む、本発明のレーザーダイオードテスト方法は、次のステップを備える:(A)第1の移送デバイスによって、複数のレーザーダイオードを、第1の測定デバイスと、第1のプローブモジュールと、を含む第1のテストステーションに移動させるステップと、(B)各レーザーダイオードの少なくとも1つのコンタクトに順次に電気的に接触するように、第1のプローブモジュールを制御し、第1のプローブモジュールによって電気的に接触されている各レーザーダイオードの電気的特性及び光学的特性のうちの少なくとも1つを順次に測定するように、第1の測定デバイスを制御するステップと、(C)第1の移送デバイスによって、複数のレーザーダイオードを第1のテストステーションから出ていくように移動させるステップ、ここで、第1の移送デバイスは、電磁スライドに結合されており、第1の移送デバイスは、少なくとも1つの永久磁石を含み、電磁スライドは、電磁スライドの長手方向に配置された複数の磁界励磁ユニットを含み、ステップ(A)及びステップ(C)において、主制御装置の制御下にある電磁スライドの複数の磁界励磁ユニットのうちの少なくとも1つによって磁界が生成され、第1の移送デバイスの少なくとも1つの永久磁石によって生成される磁界と相互作用し、これにより、第1の移送デバイスは、複数のレーザーダイオードを第1のテストステーションへ、又は第1のテストステーションから出ていくように移送するように駆動される。
【0015】
したがって、上記で説明されたように、本発明によって提供される方法では、第1の移送デバイスは、磁気浮上方式で独立に駆動され、各テストステーションはモジュール化され、これにより、複数のステーションが単一のフローラインに統合され得る。結果として、テストステーションの数を柔軟に増減すること、テストステーション間の距離を調整すること、及びテストステーションの順序を変更すること等が可能になる。これは、従来のレーザーダイオードテスト方法が大きく変わることを可能にし、効率及びコストが大幅に改善される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2A】
図2Aは、本発明のレーザーダイオードテストシステムの好ましい実施形態の各テストステーションの構成及び移送プロセスを示す概略図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明のレーザーダイオードテストシステムの第1のテストセクションにおける各デバイスの構成を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本発明のレーザーダイオードテストシステムの第1のテストステーションの斜視図である。
【
図4】
図4は、プローブモジュールと位置較正モジュールが取り外された状態での、本発明のレーザーダイオードテストシステムの第1のテストステーションの別の斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の被試験デバイスのための移送モジュールの斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の温度制御ユニット及びホルダアセンブリの斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明のホルダアセンブリの分解図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明のホルダアセンブリの部分拡大断面図である。
【
図7】
図7は、本発明のホルダアセンブリの別の実施形態の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のレーザーダイオードテストシステム及びレーザーダイオードテスト方法が実施形態において詳細に説明される前に、以下の説明では、同様の構成要素が、同じ参照番号によって示されることに特に留意されたい。本発明の図面は、単に例示的であり、それらは、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、全ての詳細が必ずしも図面に提示されている訳ではない。
【0018】
この実施形態の被試験デバイス(DUT:device under test)であるレーザーバーの斜視図である
図1を参照する。この実施形態では、被試験デバイスは、端面発光レーザー(EEL:edge emitting laser)ダイオード、即ち、
図1に示されるレーザーバーBであり、これは、多数のレーザーダイオードLで構成された細長いバーである。各レーザーダイオードLは、2つのコンタクトLcと、2つの発光点Leと、を含む。しかしながら、1つのコンタクトLc及び1つの発光点Leのみが、
図1に示されている。2つの発光点Leは、それぞれレーザーダイオードLの2つの対向する側面に位置し、即ち、光は、これら両側から発せられる。以下の実施形態での被試験デバイスは、レーザーバーBであるが、本発明は、レーザーバーBのテストだけでなく、後述される複数の独立したレーザーダイオードのテストにも適用可能であることに特に留意されたい。
【0019】
本発明のレーザーダイオードテストシステムの好ましい実施形態の各テストステーションの構成及び移送プロセスを示す概略図である
図2Aを参照する。図に示されるように、この実施形態のレーザーダイオードテストシステムは、主に、第1のテストセクションZ1と、第2のテストセクションZ2と、第3のテストセクションZ3と、温度変更セクションZtと、を備える。高温又は低温テストが、例えば、室温よりもはるかに高い又ははるかに低い温度において、第1のテストセクションZ1において行われる。室温テストが、温度を変更した後に、第2のテストセクションZ2において行われる。第1のテストセクションZ1及び第2のテストセクションZ2の各々は、それぞれ光電テスト及び光学的特性テストを行うための3つのテストステーションを含む。第3のテストセクションZ3では、外観欠陥テストが行われる。
【0020】
この実施形態における各テストステーションの構成及び移送プロセスが、最初に簡潔に説明される。
図2Aに示されるように、ローディングシャトルSinが、テストされるべきレーザーバーBを第1のピックアンドプレースデバイス51に移送し、第1のピックアンドプレースデバイス51は、レーザーバーBを第1の移送デバイス41上へと移す。次いで、第1の移送デバイス41は、レーザーバーBを光電テストが行われる第1のテストステーションS1に移送する。光電テストが完了した後、第1の移送デバイス41は、レーザーバーBを第2のピックアンドプレースデバイス52に移送し、第2のピックアンドプレースデバイス52は、レーザーバーBを第2の移送デバイス42上へと移す。次いで、第2の移送デバイス42は、レーザーバーBを光学的特性テストが行われる第2のテストステーションS2に移送する。光学的特性テストが完了した後、第2の移送デバイス42は、レーザーバーBを第3のピックアンドプレースデバイス53に移送し、第3のピックアンドプレースデバイス53は、レーザーバーBを第3の移送デバイス43上へと移す。次いで、第3の移送デバイス43は、レーザーバーBを別の光学的特性テストが行われる第3のテストステーションS3に移送する。
【0021】
第3のテストステーションS3において別の光学的特性テストが完了した後、第3の移送デバイス43は、レーザーバーBを第4のピックアンドプレースデバイス54に移送し、第4のピックアンドプレースデバイス54は、レーザーバーBを第4の移送デバイス44上へと移す。第4の移送デバイス44は、温度変更ステップが第1のテストセクションZ1において高温テストが行われる温度を、第2のテストセクションZ2において室温テストが行われることになる室温に低下させるように調節するために行われる、温度変更セクションZtに位置することに特に留意されたい。第2のテストセクションZ2のテスト手順及び移送方法が、第1のテストセクションZ1のものと同じであるので、第2のテストセクションZ2の説明は省略される。レーザーバーBについての第2のテストセクションZ2における全てのテストが完了した後、第5の移送デバイス45が、レーザーバーBを表面外観欠陥テストが行われる第3のテストセクションZ3に移送する。テストが完了すると、レーザーバーBは、アンローディングシャトルSoutによって、外部へ移送される。
【0022】
本発明のレーザーダイオードテストシステムの第1のテストセクションにおける各デバイスの構成を示す概略図である
図2Bを参照する。この実施形態に関する以下の説明は、主に、第1のテストセクションZ1に基づいている。
図2Bに示されるように、この実施形態の第1のテストセクションZ1は、主に、第1のテストステーションS1と、第2のテストステーションS2と、第3のテストステーションS3と、第1の移送デバイス41と、第2の移送デバイス42と、第3の移送デバイス43と、第2のピックアンドプレースデバイス52と、第3のピックアンドプレースデバイス53と、主制御装置6と、2つの位置較正モジュール7と、を含む。主制御装置6は、例示を目的として第1のテストセクションZ1において記載されていることに留意されたい。しかしながら、主制御装置6は、テストシステム全体に属すべきであり、即ち、主制御装置6は、全てのテストセクションにおける全ての構成要素と、テストセクション間のピックアンドプレースデバイスと、テストシステムにおけるアンローディングシャトル及びローディングシャトルとを制御する。
【0023】
図3、
図4及び
図5を参照する。
図3は、本発明のレーザーダイオードテストシステムの第1のテストステーションの斜視図であり、
図4は、プローブモジュールと位置較正モジュールが取り外された状態での、本発明のレーザーダイオードテストシステムの第1のテストステーションの別の斜視図であり、
図5は、本発明の被試験デバイス移送モジュールの斜視図である。これら図に示されるように、この実施形態では、各テストステーションには、移送デバイスが設けられており、ピックアンドプレースデバイス及び位置較正モジュール7が、2つの隣接するテストステーションの間に配置されている。この実施形態の位置較正モジュール7は、主にカメラデバイスに基づく較正モジュールである。カメラデバイスは、レーザーバーBの向きを較正する、即ち、位置の繰返し精度(position repeatability)を較正するために、ピックアンドプレースデバイスのピックアンドプレース動作の前後で画像をキャプチャするために使用される。
【0024】
第1の移送デバイス41は、電磁スライド40に結合されている。第1の移送デバイス41は、U字型フレーム413と、6つのローラー412と、複数の永久磁石Mと、を含む。ローラー412及び永久磁石Mは、U字型フレーム413の内側に配置されており、電磁スライド40の2つの対向する側面に結合されている。ローラー412は、U字型フレーム413が電磁スライド40と直接接触すること防止するため、及びU字型フレーム413と電磁スライド40との間の摩擦を低減して、U字型フレーム413が電磁スライド40に対して摺動することを容易にするために、U字型フレーム413と電磁スライド40との間に位置する。
【0025】
図5に示されるように、この実施形態のDUT移送モジュール4が、レーザーバーBをテストステーションとピックアンドプレースデバイスとの間で移送するために設けられている。図に示されるように、電磁スライド40は、主に、レールを含み、複数の磁界励磁ユニット411が、レールの2つの側壁上で長手方向に等距離を隔てて配置されている。各電磁生成ユニット411は、主に、コイル巻線で構成されている。一方、第1の移送デバイス41の永久磁石Mは、電磁スライド40の磁界励磁ユニット411に対応している。したがって、励磁電流が電磁生成ユニット411に印加されると、電磁生成ユニット411のコイル巻線は、第1の移送デバイス41を電磁スライド40上で移動するように付勢するために、第1の移送デバイス41の永久磁石Mの磁界と相互作用する磁界を生成する。第1の移送デバイス41についての付勢力は、励磁電流の大きさを調整することによって決定され得る。
【0026】
更に、
図3~
図5に示されるように、この実施形態のDUT移送モジュール4は、ガイドレール61を更に含み、これは、電磁スライド40と平行に配置されている。摺動フレーム62が、ガイドレール61上で摺動するように配置されており、レーザーバーBを保持するためのホルダアセンブリ622が、摺動フレーム62に取り付けられている。換言すれば、摺動フレーム62及びガイドレール61が、実際に、被試験デバイスを移送し、荷重を支えるために使用されており、第1の移送デバイス41は、ドライバであり、これは、摺動フレーム62を駆動するために設けられている。したがって、この設計は、第1の移送デバイス41の荷重が低減され得、その結果、構造の安定性、したがって、移送精度が改善されるという点で有利である。
【0027】
第1の移送デバイス41は、位置信号生成ユニットEを含み、これは、光学定規(optical ruler)とも呼ばれ得るエンコーダスケールであり、主制御装置6に電気的に接続され、主制御装置6へのリアルタイム位置信号を生成するために、第1の移送デバイス41のリアルタイム位置を検出するために設けられている。つまり、位置信号生成ユニットEは、第1の移送デバイス41を位置決めするために、非接触検知方式で第1の移送デバイス41の絶対位置を主制御装置6に提供し、それによって、高精度の移送動作を可能にする。
【0028】
更に、
図2B、
図3、及び
図4に示されるように、各テストステーションは、測定デバイスと、プローブモジュールと、を含む。第1のテストステーションS1では、第1の測定デバイス21が、各レーザーダイオードのDC特性及び光パワーが測定される光電テストを行うために設けられている。第1のプローブモジュール31が、電流を印加するために、レーザーダイオードのコンタクトに電気的に接触するために設けられている。
【0029】
同様に、第2のテストステーションS2は、第2の測定デバイス22と、第2のプローブモジュール32と、を含み、第3のテストステーションS3はまた、第3の測定デバイス23と、第3のプローブモジュール33と、を含む。この実施形態では、第2の測定デバイス22及び第3の測定デバイス23は、光学的特性テストを行うために設けられている。
【0030】
図5、
図6A、
図6B、及び
図6Cを参照する。
図6Aは、本発明の温度制御ユニット及びホルダアセンブリの斜視図であり、
図6Bは、本発明のホルダアセンブリの分解図であり、
図6Cは、本発明のホルダアセンブリの部分拡大断面図である。この実施形態のホルダアセンブリ622及びその関連する構成要素が、詳細に説明される。
図5に示されるように、この実施形態のホルダアセンブリ622は、摺動フレーム62上に組み立てられており、2つの干渉防止シート(anti-interference sheets)65、温度制御ユニット621、及び放熱ユニット66が、この順序でホルダアセンブリ622の下に配置されるとともに、熱伝導シート64が、前述の2つの隣接する構成要素の間に置かれている。
【0031】
この実施形態の温度制御ユニット621は、熱電冷却器(TEC:thermal electric cooler)であり、これは、ホルダアセンブリ622上のレーザーバーBが加熱又は冷却され得るように、干渉防止シート65及び熱伝導シート64を通じてホルダアセンブリ622の温度を調節することが可能である。更に、放熱ユニット66は、温度制御ユニット621の下に設けられており、温度が変更されなければならない場合の急速な放熱のために使用され得る。好ましくは、放熱ファンが、放熱ユニット66のフィンの下に配置され得る。
【0032】
図6B及び
図6Cに示されるように、この実施形態のホルダアセンブリ622は、本体623と、着脱式ホルダ624と、を含む。本体623は、負圧チャネルCHを含み、着脱式ホルダ624は、その上面に2つの吸着孔625が設けられている。2つの吸着孔625の配置は、レーザーバーBの形状に対応し、即ち、2つの吸着孔625は、レーザーロッド本体Bが、レーザーロッド本体Bの長さ方向におけるその両端部において吸着されるように設けられている。負圧チャネルCHの一端は、負圧源(図示せず)と連通しており、負圧チャネルCHの他端は、2つの吸着孔625と連通している。換言すれば、着脱式ホルダ624は、2つの吸着孔625によって、レーザーバーBを吸着及び保持し得る。この実施形態の着脱式ホルダ624が、被試験デバイス(レーザーバーB)の仕様に応じて、別の好適な着脱式ホルダといつでも取り替えられ得ることがより重要である。
【0033】
図6Cに示されるように、この実施形態の着脱式ホルダ624は、担持面631と、垂直面632と、傾斜面633と、を含む。担持面631の幅は、レーザーバーBの幅に等しく、レーザーバーBを担持するために設けられている。2つの吸着孔は、担持面631上に形成されている。垂直面632は、担持面の一方の側縁部に連結されており、一方、傾斜面633は、担持面の他方の側縁部に連結されている。傾斜面633と担持面631は、30度~90度の範囲内で挟角θを形成している。したがって、この設計は、端面発光レーザー(EEL)ダイオードである被試験デバイスにとって特に好適であり、これは、その発光面が、その本体の2つの対応する側面であるからである。傾斜面633は、端面発光レーザーダイオードの発光した光がホルダ本体によって遮られることを防止するように設計されている。換言すれば、レーザーバーBの発光した光は、テスト精度に影響が及ばないように、遮られることを防止される。
【0034】
図2Bを参照する。この実施形態における第1のテストセクションZ1の動作が以下で詳細に説明される。最初に、第1の移送デバイス41は、テストされるべきレーザーバーBを第1のテストステーションS1に移動させる。このステップでは、温度制御ユニット621(
図6Aを参照)は、ホルダアセンブリ622を高温に予熱する。レーザーバーBは、ホルダアセンブリ622上に載置されているので、レーザーバーBの温度は急速に上昇し得る。次いで、主制御装置6は、レーザーバーBの各レーザーダイオードLのコンタクトLcと順次に電気的に接触するように、第1のプローブモジュール31を制御し、第1のプローブモジュール31によって電気的に接触されているレーザーダイオードLのDC特性及び光パワーを順次に測定するように、第1の測定デバイス21を制御する。レーザーバーBの各レーザーダイオードLがテストされるとき、第1の移送デバイス41は、第1の測定デバイス21が、測定されるべき各レーザーダイオードLの発光点Leと位置合わせされ、第1のプローブモジュール31が、各レーザーダイオードLのコンタクトLcと位置合わせされるように、依然としてレーザーバーBを移動させることを担うことに特に留意されたく、ここで、第1のプローブモジュール31は、単純に上げ下げされる。
【0035】
第1のテストステーションS1の光電テストが完了した後、第1の移送デバイス41は、レーザーバーBを第1のテストステーションS1から出ていくように移動させ、それを第2のピックアンドプレースデバイス52の真下の位置に移送し、第2のピックアンドプレースデバイス52は、レーザーバーBを第1の移送デバイス41から取り出す。被試験デバイスを積載していない第1の移送デバイス41は、第2のピックアンドプレースデバイス52の真下の位置から離れるように移動される。被試験デバイスを積載していない第2の移送デバイス42は、第2のピックアンドプレースデバイス52の真下の位置に移動され、第2のピックアンドプレースデバイス52は、吸着したレーザーバーBを第2の移送デバイス42上に載置する。第2の移送デバイス42は、レーザーバーBを第2のテストステーションS2に移動させ、主制御装置6は、レーザーバーBの各レーザーダイオードLのコンタクトLcと順次に電気的に接触するように、第2のプローブモジュール32を制御し、第2のプローブモジュール32によって電気的に接触されているレーザーダイオードLの光学的特性を順次に測定するように、第2の測定デバイス22を制御する。
【0036】
第2のテストステーションS2の光学的測定が完了した後、第2の移送デバイス42は、レーザーバーBを第2のテストステーションS2から出ていくように移動させ、それを第3のピックアンドプレースデバイス53の真下の位置に移送する。第3のピックアンドプレースデバイス53は、レーザーバーBを第2の移送デバイス42から取り出し、被試験デバイスを積載していない第2の移送デバイス42は、第3のピックアンドプレースデバイス53の真下の位置から離れるように移動される。被試験デバイスを積載していない第3の移送デバイス43は、第3のピックアンドプレースデバイス53の真下の位置に移動され、第3のピックアンドプレースデバイス53は、吸着したレーザーバーBを第3の移送デバイス43上に載置する。次いで、第3の移送デバイス43は、レーザーバーBを第3のテストステーションS3に移動させ、主制御装置6は、レーザーバーBの各レーザーダイオードLのコンタクトLcと順次に電気的に接触するように、第3のプローブモジュール33を制御し、第3のプローブモジュール33によって電気的に接触されているレーザーダイオードLの別の光学的特性を順次に測定するように、第3の測定デバイス23を制御する。
【0037】
本発明のホルダアセンブリの別の実施形態の部分拡大断面図である
図7を参照する。この実施形態は、主に、本発明が、ホルダアセンブリ622のタイプが変更された場合に、複数の独立したレーザーダイオードのテストにも適用され得ることを例示するために使用される。具体的には、
図7に示されるように、この実施形態のホルダアセンブリ622の本体623は、着脱式ホルダ624において形成された8つの吸着孔625に対応する8つの負圧チャネルCHを含む。各吸着孔625は、レーザーダイオード(図示せず)を吸着及び保持し得る。したがって、この実施形態のホルダアセンブリ622は、8つのレーザーダイオードを積載し得る。各負圧チャネルCHは、各レーザーダイオードが独立に保持又は開放され得るように、独立に制御され得る。
【0038】
要約すると、各テストステーションは、本発明においてモジュール化され得、移送デバイスを装備され、ピックアンドプレースデバイスが、全ての2つのテストステーションの間に配置されている。したがって、ユーザは、実際のニーズに従ってテストステーションの数を任意に増減し、テストステーションを任意に変更し得、また、ユーザは、テストステーション間の距離を容易に調整し得る。本発明の移送デバイスは、磁気浮上移送モジュールを採用している。各移送デバイスは、独立に制御及び動作され、それぞれのテストステーションにおいて移動し得る。動作の繰返し精度は、非常に高く、誤差形成の確率(probability of error formation)は低く、それはまた、較正が容易であり、したがって、移送精度は極めて高い。より重要なことは、移動体(移送デバイス)が、いかなる配線も有しておらず、単純化されていることである。本発明は、レーザーバーのテストのみならず、ホルダアセンブリが変更された場合に、単一の独立したレーザーダイオードのテストにも適用可能である。
【0039】
本発明の好ましい実施形態は、例示的であるにすぎず、請求項に記載の発明は、図面及び明細書に開示された詳細に限定されない。したがって、それは、以下の特許請求の範囲の文言によって許可される全範囲を有するように意図される。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
各レーザーダイオードが少なくとも1つのコンタクトを含む、複数のレーザーダイオードをテストするためのレーザーダイオードテストシステムであって、前記レーザーダイオードテストシステムは、
電磁スライドに結合され、少なくとも1つの永久磁石を含み、前記電磁スライドが前記電磁スライドの長手方向に配置された複数の磁界励磁ユニットを含み、前記複数のレーザーダイオードが載置されている第1の移送デバイスと、
第1の測定デバイスと、第1のプローブモジュールと、を含む第1のテストステーションと、
前記電磁スライドの前記複数の磁界励磁ユニットと、前記第1の測定デバイスと、前記第1のプローブモジュールとに電気的に接続されている主制御装置と、
を備え、
前記主制御装置の制御下にある前記電磁スライドの前記複数の磁界励磁ユニットのうちの少なくとも1つによって磁界が生成され、前記第1の移送デバイスの前記少なくとも1つの永久磁石によって生成される磁界と相互作用し、これにより、前記第1の移送デバイスは、前記複数のレーザーダイオードを前記第1のテストステーションへ、又は前記第1のテストステーションから離れるように移送するように駆動され、
前記第1の移送デバイスが前記第1のテストステーションに位置するとき、前記第1のプローブモジュールは、前記主制御装置によって制御され、各レーザーダイオードの前記少なくとも1つのコンタクトと順次に電気的に接触させられ、前記第1の測定デバイスは、前記主制御装置によって制御され、前記第1のプローブモジュールによって電気的に接触されている各レーザーダイオードの電気的特性及び光学的特性のうちの少なくとも1つを順次に測定する、レーザーダイオードテストシステム。
[C2]
第2のテストステーションと、第2の移送デバイスと、ピックアンドプレースデバイスと、を更に備え、前記第2のテストステーションは、第2の測定デバイスと、第2のプローブモジュールと、を含み、前記第2の移送デバイスは、前記電磁スライドに結合されており、前記ピックアンドプレースデバイスは、前記第1のテストステーションと前記第2のテストステーションとの間に配設されており、前記第2の測定デバイス、前記第2のプローブモジュール、及び前記ピックアンドプレースデバイスは、前記主制御装置に電気的に接続されており、前記第1のテストステーションの前記第1の測定デバイスが、前記複数のレーザーダイオードの前記電気的特性及び前記光学的特性のうちの少なくとも1つを測定すると、前記第1の移送デバイスは、前記主制御装置によって駆動され、前記複数のレーザーダイオードを前記第1のテストステーションから離れるように移送し、前記ピックアンドプレースデバイスは、前記主制御装置によって制御され、前記複数のレーザーダイオードを前記第2の移送デバイスに移送し、前記第2の移送デバイスは、前記主制御装置によって駆動され、前記複数のレーザーダイオードを前記第2のテストステーションに移送し、前記第2のプローブモジュールは、前記主制御装置によって制御され、各レーザーダイオードの前記少なくとも1つのコンタクトと順次に電気的に接触させられ、前記第2の測定デバイスは、前記主制御装置によって制御され、前記第2のプローブモジュールによって電気的に接触されている前記複数のレーザーダイオードの前記電気的特性及び前記光学的特性のうちの少なくとも1つを測定する、C1に記載のレーザーダイオードテストシステム。
[C3]
前記電磁スライドと平行に配置されたガイドレールを更に備え、前記第1の移送デバイスは、前記ガイドレールに結合され且つ前記ガイドレール上で摺動可能な摺動フレームを更に含む、C1に記載のレーザーダイオードテストシステム。
[C4]
前記摺動フレームは、温度制御ユニットと、ホルダアセンブリと、を更に含み、前記温度制御ユニットは、前記ホルダアセンブリに結合され、前記ホルダを加熱又は冷却するために設けられており、前記ホルダアセンブリは、前記複数のレーザーダイオードを保持するために設けられている、C3に記載のレーザーダイオードテストシステム。
[C5]
前記ホルダアセンブリは、本体と、着脱式ホルダと、を含み、前記本体は、負圧チャネルを含み、前記着脱式ホルダは、その上面に少なくとも1つの吸着孔が設けられており、前記負圧チャネルの一端は、負圧源と連通しており、前記負圧チャネルの他端は、前記少なくとも1つの吸着孔と連通している、C4に記載のレーザーダイオードテストシステム。
[C6]
前記着脱式ホルダは、担持面と、垂直面と、傾斜面と、を含み、前記担持面は、前記複数のレーザーダイオードの幅に等しい幅を有し、且つ前記複数のレーザーダイオードを担持するために設けられており、前記少なくとも1つの吸着孔は、前記担持面上に形成されており、前記垂直面は、前記担持面の一方の側縁部に連結されており、一方、前記傾斜面は、前記担持面の他方の側縁部に連結されており、前記傾斜面と前記担持面は、30度~90度の範囲内で挟角θを形成している、C5に記載のレーザーダイオードテストシステム。
[C7]
前記第1の移送デバイス及び前記電磁スライドのうちの少なくとも1つは、前記主制御装置に電気的に接続され且つ前記第1の移送デバイスのリアルタイム位置を検出することによってリアルタイム位置信号を生成し、前記リアルタイム位置信号を前記主制御装置に送るために設けられている位置信号生成ユニットを更に含む、C1に記載のレーザーダイオードテストシステム。
[C8]
各レーザーダイオードが少なくとも1つのコンタクトを含む、複数のレーザーダイオードをテストするためのレーザーダイオードテスト方法であって、前記方法は、
(A)第1の移送デバイスによって、前記複数のレーザーダイオードを、第1の測定デバイスと、第1のプローブモジュールと、を含む第1のテストステーションに移動させるステップと、
(B)各レーザーダイオードの前記少なくとも1つのコンタクトに順次に電気的に接触するように、前記第1のプローブモジュールを制御し、前記第1のプローブモジュールによって電気的に接触されている各レーザーダイオードの電気的特性及び光学的特性のうちの少なくとも1つを順次に測定するように、前記第1の測定デバイスを制御するステップと、
(C)前記第1の移送デバイスによって、前記複数のレーザーダイオードを前記第1のテストステーションから出ていくように移動させるステップと、
を備え、
前記第1の移送デバイスは、電磁スライドに結合されており、前記第1の移送デバイスは、少なくとも1つの永久磁石を含み、前記電磁スライドは、前記電磁スライドの長手方向に配置された複数の磁界励磁ユニットを含み、前記ステップ(A)及び前記ステップ(C)において、前記主制御装置の制御下にある前記電磁スライドの前記複数の磁界励磁ユニットのうちの少なくとも1つによって磁界が生成され、前記第1の移送デバイスの前記少なくとも1つの永久磁石によって生成される磁界と相互作用し、これにより、前記第1の移送デバイスは、前記複数のレーザーダイオードを前記第1のテストステーションへ、又は前記第1のテストステーションから出ていくように移送するように駆動される、方法。
[C9]
前記ステップ(C)の後に、
(D)ピックアンドプレースデバイスによって、前記複数のレーザーダイオードを前記第1の移送デバイスから、前記電磁スライドに結合されている第2の移送デバイスに移動させるステップと、
(E)前記第2の移送デバイスによって、前記複数のレーザーダイオードを、第2の測定デバイスと、第2のプローブモジュールと、を含む第2のテストステーションに移動させるステップと、
(F)各レーザーダイオードの前記少なくとも1つのコンタクトに順次に電気的に接触するように、前記主制御装置によって前記第2のプローブモジュールを制御し、前記第2のプローブモジュールによって電気的に接触されている前記複数のレーザーダイオードの前記電気的特性及び前記光学的特性のうちの少なくとも1つを順次に測定するように、前記第2の測定デバイスを制御するステップと、
(G)前記第2の移送デバイスによって、前記複数のレーザーダイオードを前記第2のテストステーションから出ていくように移動させるステップと、
を更に備える、C8に記載の方法。
[C10]
前記ステップ(B)の前に、
(B0)前記第1の移送デバイスの温度制御ユニットによって、前記複数のレーザーダイオードを加熱又は冷却するステップ、
を更に備える、C8に記載の方法。