(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】取付け装置及び有効な固定のための方法
(51)【国際特許分類】
F16B 47/00 20060101AFI20231023BHJP
B25B 11/00 20060101ALI20231023BHJP
B65D 81/05 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
F16B47/00 S
B25B11/00 A
B65D81/05 100
(21)【出願番号】P 2021503822
(86)(22)【出願日】2019-07-04
(86)【国際出願番号】 DE2019000175
(87)【国際公開番号】W WO2020020390
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】102018005743.8
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517259221
【氏名又は名称】ゼニオス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ミハエル・ラウ
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン・フィリポン
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-117272(JP,U)
【文献】特開2014-004593(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0152598(US,A1)
【文献】登録実用新案第3143091(JP,U)
【文献】実開平02-088582(JP,U)
【文献】特開昭61-164790(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0283194(US,A1)
【文献】特開2000-126665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 47/00
B25B 11/00
B65D 81/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に固定具(ブラケット)などのコンポーネントを規定された場所に固着させるための取付け装置であって、
前記コンポーネントのための台座(レセプタクル)を有する基体と、
前記台座(レセプタクル)内に保持された前記コンポーネントを前記規定された場所に保持する吸引装置と、
前記台座(レセプタクル)内に保持された前記コンポーネントを前記規定された場所に押圧する押圧装置と、
を有する、取付け装置。
【請求項2】
前記規定された場所が、包装体の空洞内にあることを特徴とする、請求項1に記載の取付け装置。
【請求項3】
前記基体を特定の高さで位置付けるために、少なくとも1つの高さ止めが前記基体に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の取付け装置。
【請求項4】
前記高さ止めが、
包装体内での前記基体の位置付けを容易にするためのキャッチ又はノッチを有することを特徴とする、請求項3に記載の取付け装置。
【請求項5】
前記台座が、前記台座内の前記コンポーネントを規定された力で保持するための押圧要素を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項6】
前記台座が、前記台座内の前記コンポーネントを規定された力で保持するための吸引要素を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項7】
前記台座が、
保持領域を有し、その寸法が、
摺動要素によって調節可能であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項8】
前記台座及び/又は前記基体が、プラスチック又はアルミニウム製であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項9】
前記吸引装置が、
前記規定された場所に基体を固定できるような、少なくとも1つの平らな真空吸引カップを備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項10】
前記吸引装置が、幾つかの平らな真空吸引カップを備え、前記基体に対するその位置は
、規定された位置に調節されることができることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項11】
前記吸引装置が、ジョイントを介して、前記基体に接続される平らな真空吸引カップを備えることを特徴とする、請求項9又は10に記載の取付け装置。
【請求項12】
前記吸引装置及び/又は前記押圧装置が、空気圧を利用して動作可能であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項13】
コントローラを備えることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項14】
前記吸引装置及び/又は前記押圧装置が、圧力及び/又は持続時間を自動的に調節するために前記コントローラと通信していることを特徴とする、請求項13に記載の取付け装置。
【請求項15】
前記コントローラと通信する少なくとも1つのトリガ装置を備えることを特徴とする、請求項13又は14に記載の取付け装置。
【請求項16】
前記トリガ装置が、接触スイッチを備えることを特徴とする、請求項15に記載の取付け装置。
【請求項17】
前記コントローラが、前記基体と共に可動性ユニットを形成することを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項18】
前記コントローラが、ディスプレイを有することを特徴とする、請求項13から17のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項19】
前記吸引装置及び/又は前記押圧装置が、ポータブルな圧力容器に接続されることを特徴とする、請求項1から
18のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項20】
前記コンポーネント又は前記規定された場所に接着剤を塗布するためのアプリケータ装置を備えることを特徴とする、請求項1から
19のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項21】
前記アプリケータ装置が、圧力及び/又は持続時間を自動的に調節するために、前記コントローラと接続していることを特徴とする、請求項13を引用する請求項
20に記載の取付け装置。
【請求項22】
前記アプリケータ装置が、分配機構を備えることを特徴とする、請求項
21に記載の取付け装置。
【請求項23】
前記アプリケータ装置が、前記台座の隣に配置されることを特徴とする、請求項
21又は
22に記載の取付け装置。
【請求項24】
前記アプリケータ装置が、空気圧を利用して動作可能であることを特徴とする、請求項
21から
23のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項25】
ハンドルを備えることを特徴とする、請求項1から
24のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項26】
圧力発生器を有する可動性ポータブルユニットとして構成されることを特徴とする、請求項1から
25のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項27】
バッテリ又は蓄電池などの可動性電源を有する可動性ポータブルユニットとして構成されることを特徴とする、請求項1から
26のいずれか一項に記載の取付け装置。
【請求項28】
特に固定具又はブラケットなどのコンポーネントの規定された場所への有効な固着のための方法であって、前記コンポーネントは、基体内の台座に挿入され
、接着剤が前記コンポーネントに塗布され、前記基体は、前記規定された場所に位置付けられ、前記規定された場所から距離をあけたところに前記コンポーネントが固定されるように、吸引装置によって前記場所に保持され、前記コンポーネントを有する前記台座は、空気圧装置によって前記規定された場所へ前記基体に対して移動され、前記台座は前記コンポーネントから引き離され、前記基体は前記コンポーネントから取り外される、方法。
【請求項29】
前記基体が最初に前記吸引装置を用いて前記場所に固定され、次いで、前記コンポーネントを有する前記台座が空気圧装置を用いて前記規定された場所に移動され、その後、前記コンポーネントが押圧装置を用いて前記場所に押圧され、次いで、前記台座が前記コンポーネントから引き離され、規定された時間後に、前記コンポーネントに対する前記押圧装置の圧力が解放され、次いで、前記吸引装置の吸引圧力が解放されることを特徴とする、請求項
28に記載の方法。
【請求項30】
前記吸引装置の前記吸引圧力が、時間制御式で自動的に解放されることを特徴とする、請求項
28又は
29に記載の方法。
【請求項31】
前記吸引装置の前記吸引圧力が、前記押圧装置の最大圧力のときでも、少なくとも前記規定された場所に前記基体を保持するのに十分な強さであることを特徴とする、請求項
28から
30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記基体が、高さ止めを用いて前記規定された場所に位置付けられることを特徴とする、請求項
28から
31のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規定された場所に、特に固定具又はブラケットなどのコンポーネントを固着させるための取付け装置に関する。
【0002】
包装体中の製品を輸送するために、多くの場合、製品が滑らないようにパッケージ内に製品を留めておく必要がある。この目的のために、多くの場合発泡体又はボール紙からなり、包装体内に置かれた製品が滑ることができないように包装体内に保持される方法で製品に適合されるインサートが知られている。
【0003】
製品を正確な位置でブリスターパック内に保持するために、容器の内部、例えばブリスターパックの内部にラッシングアイ/ラグ及びストラップを付けることも知られている。
【0004】
保持装置を包装体の内側に置き、包装体内に製品を確実に位置付けて保持することに関しては、そのような解決策は、材料集約的又は労働集約的のいずれかである。
【0005】
したがって、本発明は、個別に且つ再現可能に、そして任意選択的には異なる形状のコンポーネントが包装体内に確実に保持されることができる取付け装置を提供するという目的に基づくものである。
【0006】
この目的は、本明細書に記載の取付け装置によって解決される。
【0007】
また本目的は、本明細書に記載の特徴を有する、規定された場所への、特に固定具又はブラケットなどのコンポーネントの有効な(validatable)固着のための方法によって解決される。
【0008】
有利なさらなる実施形態も記載されている。
【0009】
台座又はレセプタクルは、コンポーネント、特に固定具又はブラケットが、基体に対する規定された位置に正確に保持されることができることを保証する。吸引装置は、規定された場所に、台座を有する基体を保持することを可能にする。これは通常、パッケージ内の予め決められた位置である。最後に、押圧装置が、規定された場所にコンポーネントを押し込み式又は非押し込み式(positive or non-positive manner)で保持する、特に接合するために、台座内に保持されているコンポーネントを該規定された位置に押圧することを可能にする。
【0010】
したがって、取付け装置は、ユーザーが容易且つ正確に、例えば固定具又はブラケットを特定の場所に位置付けて、そこに固着させることを可能にする。特に、外側の包装体内で損傷しやすい製品を輸送する場合、取付け装置は、例えば、包装体内に配置され、規定された様式で張力がかけられた取付けストラップを用いて、製品を包装体内に保持することを容易にする。これは、包装体が適切に扱われていなくても、輸送中に製品が損傷されないことを保証する。
【0011】
取付け装置を用いて、任意の場所にコンポーネントを取り付けることができる。しかしながら、規定された場所が包装体の空洞内であると有利である。包装体内でアクセスが困難な場合でも、取付け装置は、固定具又はブラケットの規定された設置を可能にする。
【0012】
例えば包装体又はブリスターパックの壁に対する規定された位置に、基体を、ひいては基体の台座又はレセプタクル内に保持されたコンポーネントも配置できるようにするために、少なくとも1つの高さ止めが基体に配置されることが提案される。この高さ止めは、基体に対して摺動可能なロッドとすることができ、ロッドは、好ましくは、ロッド又は基体に設けられたスケール(scale)を用いて、基体に対する位置が正確に調節及び固定されることができる。これにより、取付け装置を手動で操作する際に、止めにより、基体そしてまたコンポーネントが規定された場所に位置付けられているかどうかを感じることができる。
【0013】
特に、高さ止めの基体に対する特定の距離が繰り返し使用されるとき、高さ止めが、高さ止めの基体に対する少なくとも1つの戻り止め位置を規定するキャッチ又はノッチを有すると有利である。好ましくは、高さ止めは、包装体内での基体の位置付けを容易にするために離隔した複数の戻り止め位置を有する。
【0014】
規定された場所にコンポーネントを固着させるためには、接着剤を用いて取り付ける場合、台座又はレセプタクルが、規定された力で台座又はレセプタクル内にコンポーネントを保持するための押圧要素を有していると特に有利である。これにより、コンポーネントは、台座又はレセプタクル内に確実に保持されるが、特にコンポーネントに対する引っ張る力など、規定された解放力が加えられたときに、台座又はレセプタクルから取り外されることができる。したがって、コンポーネントは、例えば、台座又はレセプタクル内に保持され、規定された場所に基体と共にガイドされ、コンポーネントと規定された場所との間の接着剤が固化又は硬化するまでそこに保持されることができ、それによって基体が台座又はレセプタクルと共にコンポーネントから引き離されたときに、コンポーネントは規定された場所に留まるようになる。締まりばめ(interference fit)又は圧入(press fit)が、例えば、規定された力で台座又はレセプタクル内にコンポーネントを保持するための保持要素としての働きをすることができる。しかしながら、例えば、コンポーネント台座又はレセプタクル内の、スラスト玉部品(ball thrust piece)などの柔軟に取り付けられた押圧要素又はばね機構が、コンポーネントを台座又はレセプタクル内に保持するのに有利である。
【0015】
追加的又は代替的に、台座又はレセプタクルが、規定された力で台座又はレセプタクル内にコンポーネントを保持するための吸引要素を有することが提案される。吸引要素は、吸引カップなどの受動的な吸引要素とすることができるし、低圧状態に接続可能な吸引装置などの能動的な吸引要素とすることもできる。
【0016】
特に、異なる形状のコンポーネント又は異なるサイズのコンポーネントを使用するためには、台座又はレセプタクルが、好ましくはキャッチ手段によって寸法が調節されることができる台座領域を有していると有利である。例えば、台座又はレセプタクルの高さ、幅、及び/又は深さを調節することができると、これは異なるコンポーネントへの調節を容易にする。台座領域の寸法決めのためにスケールを設けることができる。
【0017】
取付け装置は、ロボット又は電子的位置付け装置に接続されることができる。しかしながら、コンポーネントの手動の位置付けのためには、装置が可能な限り軽量に設計されていると特に有利である。したがって、台座又はレセプタクル及び/又は基体は、プラスチック又はアルミニウム製であることが提案される。また、台座又はレセプタクルに適した材料は、例えば、ポリオキシメチレンである。
【0018】
台座又はレセプタクル内に保持されたコンポーネントを規定された場所に保持する働きをする吸引装置は、任意の吸引カップとすることができる。しかしながら、この吸引装置が少なくとも1つの平らな真空吸引カップを有すると有利である。
【0019】
吸引装置が、好ましくはキャッチ様式で基体に対する位置が規定された位置に調節されることができる複数の平らな真空吸引カップを有すると特に有利である。これは、吸引装置を規定された高さ、幅、及び/又は深さで基体に対して位置付けることによって、異なる表面ジオメトリーへの調節を可能にする。
【0020】
特に、アクセスが困難な包装体内でのコンポーネントの取り付けのためには、吸引装置が、ジョイントを介して基体に接続される平らな真空吸引カップを有すると有利である。吸引装置は、平らな真空吸引カップを有する複数の対応するジョイントを有することが好ましい。
【0021】
そのような吸引装置は、油圧式又は機械式に動作されることができる。しかしながら、吸引装置及び/又は押圧装置が空気圧を利用して動作されることができると特に有利である。これは典型的には、空気圧力シリンダを用いて実現される。吸引装置及び/又は押圧装置は、少なくとも1つの吸引ライン及び/又は圧力ラインのための接続点に接続されることが好ましい。
【0022】
電子制御下で取付け装置の動作を実行できるようにするために、取付け装置がコントローラを有することが提案される。これにより、例えば、吸引装置及び/又は押圧装置が、圧力及び/又は持続時間を自動的に調節するために、コントローラと通信することが可能となる。これは、特に接着剤接続の場合に、コンポーネントが十分長い時間にわたり規定された場所の所定位置に、特に、十分な圧力で、保持されることを保証することができ、それによって台座又はレセプタクルがコンポーネントから引き離される前に接着剤接続が十分に強くなる。
【0023】
取付け装置が、コントローラに接続された少なくとも1つのトリガ装置を有すると有利である。このようにして、個々のプロセスが次々に又は複数のプロセスごとにトリガされることができ、特に、規定された場所にコンポーネントを固着させるための全てのプロセスがトリガ装置によって開始されることができる。例えば、トリガガード、レバー、ピストルトリガ、又はフットスイッチによって、プロセス全体又は部分的な工程が、コントローラを介して活性化されることができる。
【0024】
特に有利な実施形態は、トリガ装置が接触スイッチを有することを提供する。これは、例えば、コンポーネントが規定された場所の表面に押し付けられたときに、センサーを介して、又は機械的なトリガを介してプロセスを開始することを可能にする。
【0025】
特に、基体が、例えば電気的ライン及び/又は空気圧ラインを介して供給領域に接続されている場合、コントローラは、供給領域に配置されることができる。しかしながら、コントローラが、基体と共に可動性ユニットを形成していると有利である。これは、コントローラが基体において直接プロセス工程をトリガし、監視することを可能にする。
【0026】
コントローラの配置にかかわらず、コントローラがディスプレイを有すると有利である。当該ディスプレイ上には、現在もまだ必要とされている保持時間や現在のプロセス工程が示されてよい。
【0027】
取付け装置を可能な限り軽量且つ可動的にするために、取付け装置が、吸引装置及び押圧装置のための供給ラインとしてただ1つの圧力ラインを有することが提案される。この圧力ラインは、弁制御を介して吸引圧力を吸引装置に供給し、任意選択的に過大圧力も供給するために、過大圧力又は陰圧を構成することができる。
【0028】
また、吸引装置及び/又は押圧装置をポータブルな圧力容器に接続することにより、可動性を向上させることもできる。この圧力容器は、コンパクトな可動性ユニットを提供するために、基体に固定して取り付けられることもできる。
【0029】
コンポーネントは、例えばフィルムをはがすことによって活性化される接着剤が既に設けられていることができる。しかしながら、取付け装置は、コンポーネント又は規定された場所に接着剤を塗布するためのアプリケータ装置を有することもできる。
【0030】
この目的のために、アプリケータ装置は、規定されたビード(bead)として、又は広い面積にわたって、又は平面状に、接着剤を塗布するために、ノズル、ヘラ、又は押圧表面などの分配機構を装備していることが提案される。
【0031】
接着剤の塗布のために、アプリケータ装置が台座又はレセプタクルの隣に配置されていると有利である。
【0032】
アプリケータ装置は、ビードとした接着剤の輸送の場合は油圧的に動作されることができ、又は特にスプレー塗布の場合は空気圧を利用して動作されることもできる。
【0033】
取付け装置は、簡単な方法で手動操作を可能にするためにハンドルを有してよい。このハンドルはまた、個々のプロセス工程又は順序全体を活性化するためのトリガ装置及び/又はスイッチを有してもよい。
【0034】
取付け装置の特にコンパクトな設計は、圧力発生器を有する可動性ポータブルユニットとして設計されることを提供する。圧力発生器のためのエネルギーは、電源ラインを介して、又は過大圧力ライン若しくは陰圧ラインを介して供給されることができる。
【0035】
バッテリ又は蓄電池などの可動性電源を有する可動性ポータブルユニットとして取付け装置を構成することによって、可動性の更なる向上が達成されることができる。
【0036】
方法の点では、基体が最初に吸引装置を用いて所定位置に固定され、次いで、コンポーネントを有する台座又はレセプタクルが空気圧装置で規定された場所に移動され、その後、台座又はレセプタクルがコンポーネントから引き離され、規定された時間後に、コンポーネントに対する押圧装置の圧力が解放され、次いで、吸引装置の吸引圧力が解放されると、特に有利である。
【0037】
吸引装置の吸引圧力が、時間制御式で自動的に解放されると特に有利である。或いは、吸引圧力を手動で非活性化することもできる。
【0038】
吸引装置の吸引圧力が、押圧装置の最大圧力のときでも、少なくとも規定された場所に基体を保持するのに十分な強さであると、有利である。吸引装置及び押圧装置の圧力を調節することにより、接触圧力及び接触時間を規定された方法で設定することができる。これは、コントローラを介して行われることが好ましい。
【0039】
コンポーネントが正しい場所に固着されることも保証するために、基体が規定された場所に高さ止めを用いて位置付けられることが提案される。これにより、特に手動操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
取付け装置及び本発明の方法は、例示的な実施形態を用いて以下に更に詳細に記載されている。それは、以下のことを示す。
【
図2】
図2は、
図1に示される取付け装置の
別の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示される取付け装置の下方からの側面図である。
【
図5】
図5は、
幾つかのコンポーネントがその内部に取り付けられ
た透明なブリスター
パックの斜視図である。
【
図6】
図6は、コンポーネントに接着剤を有する
、図1に示される取付け装置の
底面である。
【
図7】
図7は、ブリスター
パックにスペーサを有する、
図1に示される取付け装置
の部分図である。
【
図8】
図8は、接続
ラインを有する取付け装置の
底面の上面図である。
【
図9】
図9は、ブリスター
パック上の接続
ラインを有する取付け装置
の図である。
【0041】
図1~
図4は、包装体4の規定された
場所3
にコンポーネント2を
固着させるための取付け装置1を示す。コンポーネント2は
、正方形管として構成されるとともにベルト又はストラップ6が配置されることができる、
固定具又はブラケット5であ
る。
【0042】
図5に示される包装体4は、輸送中
、包装体4内に固定され
ていなくてはならない製品
がその中で輸送
されることができる
空洞7を有するブリスター
パックである。この目的のために、ラッシングアイ/ラグ及びVelcro
(登録商標)スト
リップが、コンポーネント5として用いられることができる。これらのコンポーネントは、取付け装置1により、包装体4の
空洞7
の内壁に、再現
可能且つ確実に
固着される。
【0043】
この目的のために、取付け装置1は、コンポーネント2のための台座又はレセプタクル9を有する基体8を有する。
【0044】
吸引装置10は、台座又はレセプタクル9内に保持されたコンポーネント2を取付け装置1全体と共に、包装体4の規定された場所3に保持する働きをする。
【0045】
押圧装置11は、台座又はレセプタクル9内に保持されたコンポーネント2を、規定された場所3に押圧する働きをする。
【0046】
図7は、基体8が高さ止め12を有することを示す。これによって、包装体4の上端13に高さ止め12を引っ掛けることで、基体8を
位置付けることができ、端13から規定された距離
をあけたところに基体8を
位置付けることが容易に
なる。
【0047】
上端13に対する基体8の位置を変えるために、高さ止め12はキャッチ14を有し、それによって基体8に対する高さ止め12の位置が規定されることができる。
【0048】
コンポーネント2は、包装体4の規定された場所3にガイドするための台座又はレセプタクル9内に保持されなくてはならず、コンポーネント2は、取付け装置1を包装体4から引き離したときに、包装体4に接着したままになるように、基体8から引き離し可能でなければならない。この目的のために、台座又はレセプタクル9は、コンポーネント2を規定された力で台座又はレセプタクル9内に保持するための取付部品(fitting)として構成された押圧要素15を備える。
【0049】
更に、吸引力で台座9内にコンポーネント2を保持する吸引要素16が設けられる。
【0050】
台座9の幅は、基体1にキャッチ様式で配置された摺動要素を用いて調節されることができ、それによってコンポーネント2のための保持領域18の幅が調節されることができる。
【0051】
取付け装置全体が安定しており、取り扱いが容易であるべきなので、個々の部品は、本質的には、プラスチック又はアルミニウム製である。
【0052】
吸引装置10は、4つの平らな真空吸引カップ19、20、21、及び22からなり、その基体8に対する位置が、スペーサ23及び24を用いて、規定された位置に調節されることができる。
【0053】
吸引装置10全体又は個々の平らな真空吸引カップ19、20、21、及び22は、ジョイント(図示せず)を介して基体8に接続されることもできる。
【0054】
平らな真空吸引カップ19、20、21、及び22は、それぞれ空気圧接続部25、26、27、及び28を有し、これらはライン29を介して、陰圧装置(図示せず)に接続されている。これは、吸引装置を、空気圧を利用して動作させることができることを意味している。
【0055】
取付け装置1の基体8は、コントローラ31が配置されたハンドル30を有し、コントローラ31は、吸引装置及び押圧装置の圧力及び持続時間を調節するために、吸引装置10及び押圧装置11と接続している。
【0056】
接触スイッチ32は、コントローラ31に接続されているトリガ装置33を活性化するために使用される。それによって、コントローラ31及び基体8が、ライン29を介して空気圧装置(図示せず)に接続され、且つ、例えば包装体4の空洞7内で容易に持ち運び可能(ポータブル)である可動性ユニット34を形成し、規定された場所に容易に位置付けられることができることが達成される。
【0057】
ディスプレイ35は、ハンドル30上に、コントローラ31によって設定された取付け装置1の状態を表示する。
【0058】
図9に示される実施形態では、取付け装置は、幾つかの圧力ラインを介して空気圧装置に接続される。図示されていない実施形態によれば、吸引装置10及び押圧装置11は、供給ラインとして
の単一の圧力ラインを介してのみ空気圧装置に接続される。
【0059】
これも図示されていない実施形態が、吸引装置10及び/又は押圧装置11が、ポータブルな圧力容器(図示せず)に接続されることを提供する。
【0060】
図6に従って示される実施形態においては、ライン37としてコンポーネント2に接着剤36が
塗布されている。しかしながら、接着剤36は、スプレーされることもできる
し、又はコンポーネント2が既に接着剤表面を
備えていてもよい。図示されていない実施形態においては、コンポーネント2又は規定された
場所3に接着剤36を
塗布するためのアプリケータ装置(図示せず)が提供される。
この場合、このアプリケータ装置は
、接着剤塗布の圧力又は持続時間を自動的に調節するために、コントローラ31に接続されることができる。このアプリケータ装置は、分配機構としてノズル(図示せず)を装備
していることができ、例えば、
台座又はレセプタクル9
の隣又はそれに隣接して
配置されることができる。
【0061】
このアプリケータ装置が空気圧を利用して動作されることができると有利である。
【0062】
このような取付け装置1を用いるとき、コンポーネント2が最初に台座又はレセプタクル9内に位置付けられ、保持される。次に、接着剤36がコンポーネント2に塗布される。その後、基体8がコンポーネント2と共に、規定された場所3に位置付けられ、吸引装置を用いて所定位置に正確に保持される。その後、コンポーネント2を有する台座又はレセプタクル9が、規定された場所3へ基体に対して移動される。続いて、台座9内に位置するコンポーネント2は、空気圧装置(図示せず)を用いて、規定された場所3へ基体に対して移動され、それによって接着剤が包装体4に接触する。その後、台座又はレセプタクル9はコンポーネント2から引き離され、基体8はコンポーネント2から取り外される。
【0063】
吸引装置10は、場所3に基体8を固定することを可能にし、押圧装置11は、接着剤36が固化又は硬化するまでコンポーネント2を場所3に押圧することを可能にする。台座又はレセプタクル9が既にコンポーネント2から引き離された後、規定された時間期間後に、コンポーネントに対する押圧装置11の圧力が解放されることができ、最終工程として、吸引装置10の吸引圧力が解放される。
【0064】
プロセス全体が、コントローラ31によって自動的に制御されることができる。押圧装置11の最大圧力のときでも、吸引装置10の吸引圧力が、少なくとも規定された場所に基体8を留めておくのに十分な強さであることを保証するように注意を払うことが好ましい。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
特に固定具(ブラケット)などのコンポーネントを規定された場所に固着させるための取付け装置であって、
前記コンポーネントのための台座(レセプタクル)を有する基体と、
前記台座(レセプタクル)内に保持された前記コンポーネントを前記規定された場所に保持する吸引装置と、
前記台座(レセプタクル)内に保持された前記コンポーネントを前記規定された場所に押圧する押圧装置と、
を有する、取付け装置。
[C2]
前記規定された場所が、包装体の空洞内にあることを特徴とする、C1に記載の取付け装置。
[C3]
前記基体を特定の高さで位置付けるために、少なくとも1つの高さ止めが前記基体に配置されることを特徴とする、C1又は2に記載の取付け装置。
[C4]
前記高さ止めが、前記基体に対する前記高さ止めの少なくとも1つの戻り止め位置を規定するためのキャッチ又はノッチを有することを特徴とする、C3に記載の取付け装置。
[C5]
前記台座が、前記台座内の前記コンポーネントを規定された力で保持するための押圧要素を有することを特徴とする、C1から4のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C6]
前記台座が、前記台座内の前記コンポーネントを規定された力で保持するための吸引要素を有することを特徴とする、C1から5のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C7]
前記台座が、台座領域を有し、その寸法が、好ましくはキャッチ手段によって調節可能であることを特徴とする、C1から6のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C8]
前記台座及び/又は前記基体が、プラスチック又はアルミニウム製であることを特徴とする、C1から7のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C9]
前記吸引装置が、少なくとも1つの平らな真空吸引カップを備えることを特徴とする、C1から8のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C10]
前記吸引装置が、幾つかの平らな真空吸引カップを備え、前記基体に対するその位置は、好ましくはキャッチ様式で、規定された位置に調節されることができることを特徴とする、C1から9のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C11]
前記吸引装置が、ジョイントを介して、前記基体に接続される平らな真空吸引カップを備えることを特徴とする、C9又は10に記載の取付け装置。
[C12]
前記吸引装置及び/又は前記押圧装置が、空気圧を利用して動作可能であることを特徴とする、C1から11のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C13]
コントローラを備えることを特徴とする、C1から12のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C14]
前記吸引装置及び/又は前記押圧装置が、圧力及び/又は持続時間を自動的に調節するために前記コントローラと通信していることを特徴とする、C13に記載の取付け装置。
[C15]
前記コントローラと通信する少なくとも1つのトリガ装置を備えることを特徴とする、C13又は14に記載の取付け装置。
[C16]
前記トリガ装置が、接触スイッチを備えることを特徴とする、C15に記載の取付け装置。
[C17]
前記コントローラが、前記基体と共に可動性ユニットを形成することを特徴とする、C13から16のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C18]
前記コントローラが、ディスプレイを有することを特徴とする、C13から17のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C19]
前記吸引装置及び前記押圧装置のための供給ラインとして、ただ1つの圧力ラインを有することを特徴とする、C1から18のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C20]
前記吸引装置及び/又は前記押圧装置が、ポータブルな圧力容器に接続されることを特徴とする、C1から19のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C21]
前記コンポーネント又は前記規定された場所に接着剤を塗布するためのアプリケータ装置を備えることを特徴とする、C1から20のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C22]
前記アプリケータ装置が、圧力及び/又は持続時間を自動的に調節するために、前記コントローラと接続していることを特徴とする、C13を引用するC21に記載の取付け装置。
[C23]
前記アプリケータ装置が、分配機構を備えることを特徴とする、C22に記載の取付け装置。
[C24]
前記アプリケータ装置が、前記台座の隣に配置されることを特徴とする、C22又は23に記載の取付け装置。
[C25]
前記アプリケータ装置が、空気圧を利用して動作可能であることを特徴とする、C22から24のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C26]
ハンドルを備えることを特徴とする、C1から25のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C27]
圧力発生器を有する可動性ポータブルユニットとして構成されることを特徴とする、C1から26のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C28]
バッテリ又は蓄電池などの可動性電源を有する可動性ポータブルユニットとして構成されることを特徴とする、C1から27のいずれか一項に記載の取付け装置。
[C29]
特に固定具又はブラケットなどのコンポーネントの規定された場所への有効な固着のための方法であって、前記コンポーネントは、基体内の台座に挿入され、前記コンポーネントの挿入前又は好ましくは挿入後に、接着剤が前記コンポーネントに塗布され、前記基体は、前記規定された場所に位置付けられ、前記規定された場所から距離をあけたところに前記コンポーネントが固定されるように、吸引装置によって前記場所に保持され、前記コンポーネントを有する前記台座は、空気圧装置によって前記規定された場所へ前記基体に対して移動され、前記台座は前記コンポーネントから引き離され、前記基体は前記コンポーネントから取り外される、方法。
[C30]
前記基体が最初に前記吸引装置を用いて前記場所に固定され、次いで、前記コンポーネントを有する前記台座が空気圧装置を用いて前記規定された場所に移動され、その後、前記コンポーネントが押圧装置を用いて前記場所に押圧され、次いで、前記台座が前記コンポーネントから引き離され、規定された時間後に、前記コンポーネントに対する前記押圧装置の圧力が解放され、次いで、前記吸引装置の吸引圧力が解放されることを特徴とする、C29に記載の方法。
[C31]
前記吸引装置の前記吸引圧力が、時間制御式で自動的に解放されることを特徴とする、C29又は30に記載の方法。
[C32]
前記吸引装置の前記吸引圧力が、前記押圧装置の最大圧力のときでも、少なくとも前記規定された場所に前記基体を保持するのに十分な強さであることを特徴とする、C29から31のいずれか一項に記載の方法。
[C33]
前記基体が、高さ止めを用いて前記規定された場所に位置付けられることを特徴とする、C29から32のいずれか一項に記載の方法。