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特許7371115所与の個人の毛のカスタムメイドのカラーリングに固有のパラメータを決定するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】所与の個人の毛のカスタムメイドのカラーリングに固有のパラメータを決定するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20231023BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALN20231023BHJP
【FI】
A61B5/00 101A
A61Q5/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021557192
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2020058417
(87)【国際公開番号】W WO2020193654
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】1903157
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・アシュケナージ
(72)【発明者】
【氏名】ジョアン・オベール
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ドミニク・バザン・ドゥ・ブゾン
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・ルスール
(72)【発明者】
【氏名】ロマン・ロンシャン
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03296961(EP,A1)
【文献】特開平04-215995(JP,A)
【文献】特表2005-531354(JP,A)
【文献】特表2014-510099(JP,A)
【文献】国際公開第2011/024160(WO,A1)
【文献】特表2009-540457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
A61Q 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所与の個人の毛、具体的には毛髪の、少なくとも1つの特徴的な非比色パラメータを決定するための方法であって、前記個人の前記毛の第1のカラーリングに対応する初期設定フェーズを含み、前記初期設定フェーズが、
- 比色空間における第1の目標色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップと、
- 前記比色空間における第1の最初の色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップであって、前記第1の色が、前記個人の染められる毛の色である、受け取るステップと、
- 前記第1の最初の色、および前記第1の目標色、および比色レンダリングモデルを表す前記大きさに従って、化粧製品組成物を決定するステップであって、コンピュータによって実施される、化粧製品組成物を決定するステップと、
- 染められた毛を得るために前記個人の染められる前記毛に、前記決定された組成物を有する化粧製品を適用するステップと、
- 前記比色空間における第1の最終の色を表す少なくとも1つの大きさを取得するために、前記染められた毛の色を評価するステップと、
- 前記第1の最終の色および前記第1の目標色を表す前記大きさに従って、前記個人に固有の少なくとも1つの比色偏差パラメータを決定するステップであって、前記比色偏差パラメータは前記比色空間を表す少なくとも1つの大きさに従い、前記少なくとも1つの比色偏差パラメータを決定するステップはコンピュータによって実施される、決定するステップと
- 前記少なくとも1つの比色偏差パラメータから、前記所与の個人の前記毛の少なくとも1つの特徴的な非比色パラメータを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法が、前記比色偏差パラメータを前記所与の個人に固有の履歴データとして記憶するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、前記個人の前記毛の第2のカラーリングに対応するカスタマイズフェーズを含み、前記カスタマイズフェーズが、
- 前記比色空間における第2の目標色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップと、
- 前記比色空間における第2の最初の色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップであって、前記第2の色が、前記個人の染められる前記毛の前記色である、受け取るステップと、
- 前記第2の最初の色、および前記第2の目標色、前記比色レンダリングモデル、および前記初期設定フェーズの間に決定された前記比色偏差パラメータを表す大きさに従って、化粧製品組成物を決定するステップであって、コンピュータによって実施される、化粧製品組成物を決定するステップと
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記カスタマイズフェーズが、
- 染められた毛を得るために前記個人の染められる前記毛に、前記決定された組成物を有する化粧製品を適用するステップと、
- 前記比色空間における第2の最終の色を表す少なくとも1つの大きさを取得するために、前記染められた毛の前記色を評価するステップと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記カスタマイズフェーズが、適用可能な場合に、前記第2の最終の色および前記第2の目標色を表す前記大きさに従って前記個人に固有の前記比色偏差パラメータの更新フェーズを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記カスタマイズフェーズが、少なくとも決定された前記最新の比色偏差パラメータに従って前記所与の個人の前記毛の新規のカラーリングごとに繰り返される、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
2つの連続するカスタマイズフェーズ間の時間間隔が、少なくとも3週間である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
髪のカスタムメイドのカラーリングに固有の化粧品組成物を処方するための方法であって、
- 前記所与の個人に固有の少なくとも1つの比色偏差パラメータを受け取るステップであって、前記パラメータが、請求項1から7のいずれか一項に記載の決定方法によって取得できる、受け取るステップと、
- 比色空間における第1の目標色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップと、
- 前記比色空間における第1の最初の色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップであって、前記第1の色が、前記個人の染められる毛の色である、受け取るステップと、
- 前記第1の最初の色および前記第1の目標色、前記比色レンダリングモデルおよび前記個人に固有の前記比色偏差パラメータを表す前記大きさに従って、化粧製品組成物を決定するステップと、
- 前記決定された組成物を有する化粧製品を製造するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
所与の個人の毛、具体的には毛髪のカスタムメイドのカラーリングの方法であって、前記カラーリングの方法が、前記個人の前記毛髪に化粧品組成物を適用するステップを含み、前記化粧品組成物が、前記処方方法の請求項8に従って処方された、方法
【請求項10】
前記1つまたは少なくとも1つの非比色パラメータが、前記個人の前記毛の浸透性因子、前記個人の前記毛における前記化粧製品の各染料の上昇因子、前記個人の前記毛の耐酸化性、および前記個人の前記毛に含まれるユーメラニンと前記個人の前記毛に含まれるフェオメラニンとの関係からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
比色レンダリングモデルに従って、所与の個人の毛、具体的には毛髪のカスタムメイドのカラーリングに固有の少なくとも1つのパラメータを決定するためのデバイス(10)であって、前記デバイス(10)が、請求項1から7のいずれか一項に記載の決定方法の少なくとも1つのステップを実施するように構成され、前記デバイス(10)が、
- 前記決定方法の各受け取るステップを実施するように構成されたマンマシンインターフェース(27)と、
- 少なくとも、組成物を決定するステップおよび少なくとも1つの比色偏差パラメータを決定するステップを実施するように構成された処理ユニット(22)と
を含むコントローラ(14)を備える、デバイス。
【請求項12】
所与の個人の毛、具体的には毛髪のカスタムメイドのカラーリングに固有の化粧品組成物を処方するためのシステム(40)であって、前記システム(40)が、請求項8に記載の処方方法を実施するように構成され、前記システム(40)が、別個の容器に保存された複数の機能性化粧品混合物を含み、前記機能性化粧品混合物が、決定された前記化粧品組成物を形成するために互いに組み合わせることができ、前記システム(40)が、少なくとも2つの機能性化粧品混合物を、各1つが決定された割合および/または量で分配するように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所与の個人の毛、詳細には毛髪のカスタムメイドのカラーリングに固有の少なくとも1つのパラメータを決定するための方法に関する。本発明はまた、所与の個人の毛、詳細には毛髪のカスタムメイドのカラーリングに固有の化粧品組成物を処方するための方法に関する。本発明は、さらに、所与の個人の毛、詳細には毛髪のカスタムメイドのカラーリングの方法に関する。本発明はまた、所与の個人の毛、詳細には毛髪の特徴的な非比色パラメータ(non-colorimetric parameter)を決定するための方法に関する。本発明はさらに、決定デバイスおよび関連する処方システムに関する。
【0002】
そのような方法は、詳細には、文献EP 0 443 741に記載されているような毛髪変色/染色のための方法およびシステムに関連して実施されることを目的としている。
【背景技術】
【0003】
化粧品工業の目的は、それの消費者の体験を向上させることである。詳細には、使用者に固有のニーズおよび特性にますます適合した製品を提案する傾向が強くなっている。この傾向は、一般に「カスタマイズ」と呼ばれる。
【0004】
化粧製品およびサービスのカスタマイズは、人体のどの部分にも関係し得るが、顔(メイクアップまたはケア製品、詳細にはファンデーション)および毛髪(たとえばケアまたはカラーリング製品)などの露出した身体部分では特に興味深い。
【0005】
このようにして、使用者の皮膚の1つまたは複数の特性に従って適合されたファンデーション(たとえばLANCOME(登録商標)が提案する「Le Teint Particulier」(登録商標))を推奨することが知られている。また、使用者の毛髪の異なる特性からその組成物が決定されるカスタムメイドのヘア製品を提案することが知られている(たとえば、上述の文献EP 0 443 741、ならびに文献WO 2004/002300 A2およびUS 9 316 580 B参照)。
【0006】
カスタマイズの概念は、使用者カテゴリに各々対応する大なり小なり広範囲の製品を提供するという単純なことを超越し、個別の固有の特性に従って使用者に最も適した製品を推奨できることは、しばしば困難である。
【0007】
上述の文献に記載されているように、カスタマイズの概念は、一般に、該当する使用者に固有のデータの1つまたは複数を取得することを目指す分析の第1のステップを含み、その場合このデータは、使用者の該当する身体部分に適用されることを意図された好適な処理および/または1つもしくは複数の好適な製品を決定するために使用される。
【0008】
最近まで、分析のステップは、しばしば、美容師またはビューティーアドバイザーなどの専門家によって手作業でまたは視覚的に行われていた。詳細には、使用者に質問表を記入してもらい、その応答を、最も適していると考えられる製品を使用者に推奨するために使用できることが知られている(詳細には文献US 2014/0216492 A参照)。明らかにそのような技法は、極めて不確かで、正確さを欠いていると思われる。
【0009】
製品の推奨の適切性および信頼性を向上させる目的で、ツールまたはデバイスを使用することによって1つまたは複数のステップを行うことができ、さらに自動化することができる。
【0010】
したがって、使用者に固有の初期特性の全部または一部が、好適な測定デバイス(一般的にリーダーと呼ばれる)を使用することにより客観的測定値によって取得され得る。そのようなデバイスの一例が、X-RITE社が販売するCAPSUREデバイスであり、これは、測定される素材、たとえば使用者の皮膚の色を表すカラーコードを返すように設計されている(詳細には文献US 2010/0328667 Aを参照されたいが、この文献は明示的には皮膚またはケラチン表面を対象としていない)。
【0011】
取得された特性データ(場合によっては他の追加データを有する)は、次いで、適用ルールとも呼ばれるルールの少なくとも1つのセットに従って最も適した製品を決定するように構成された計算ユニットに送られる。
【0012】
ファンデーションまたはヘアカラーリング製品の場合、適用ルールはしたがって一般に、製品または組成物、ならびにそれらが適用される皮膚色に従ったそれらのカラーレンダリングのセットを記録するデータベースで構成され得る。したがって、個人の初期の皮膚色および望まれる最終の色から、ソフトウェアが、適合していると考えられる少なくとも1つの組成物を識別することができる(たとえば、好適なファンデーション製品を見つけるための方法を記載する文献US 5 478 238またはUS 9 519 927参照)。
【0013】
代替的に、または相補的に、適用ルールは、1つまたは複数の数式を含む1つまたは複数のカラーレンダリングモデルを使用することができる。X-RITE社が販売する、詳細にはペイントの組成物を処方することを可能にする「Color iMatch」(登録商標)ソフトウェアに言及することができる。
【0014】
成分の各々のスペクトル拡散および吸収パラメータから、着色剤の混合の色を予測することを可能にするKubelka-Munk関係に言及することもできる。詳細にはあらかじめ記録された参照組成物に関連する反復アプローチが、通常、望まれる最終の色の取得を可能にする組成物を取得することを可能にする。
【0015】
収集された個人データに従って決定された処理または製品は、カタログまたはデータベースにすでに処方され、選択された最終製品(たとえば、前述の文献US 5 478 238およびUS 9 519 927参照)、または組成物自体が取得された個人の特性から決定されたカスタムメイドの製品であることがある。
【0016】
製品は、さらに、人によって購入または注文され得る。カスタムメイドの製品の場合、上記の製品は、決定された、カスタマイズされた組成物に従って成分を混合し、上記組成物を分配することができるデバイスによって、店頭(たとえばブティックまたはサロン)で直ちに製造することができる。カスタムメイド製品はまた、使用者によって注文され、後で配達されることもある。
【0017】
そのようなシステムの完全な例については、毛髪のスペクトルを捕捉するように構成された光学測定デバイスを使用する診断のステップを含み、このスペクトルが次いで好適な組成物を計算するために使用され、組成物がその後対応するデバイスによって製造され、分配される、使用者の毛髪のカスタムメイドの処理を行うための方法を記載する前述の文献US 9 316 580 Bを参照することができる。また文献WO 2011/024160 Aを参照することもできる。
【0018】
上述のように、信頼性が高く、客観的、かつ適切な初期データを取得することが、しばしば課題である。これは、詳細には、その質感および固有の環境に起因する毛髪の場合である。
【0019】
初期パラメータ、適用ルール、および/または色予測モデルを決定する際に払われるあらゆる注意にもかかわらず、該当する個人に得られる最終結果は、所望の最終結果から実質的に遠ざかることがある。
【0020】
詳細には、ある個人がその毛、詳細にはその毛髪を染めたいと思うとき、カラーリングを実行する目的でその個人の毛髪に適用される化粧製品は、通常、その個人の毛髪の最初の色およびその個人によって望まれる目標色に従って選択される。
【0021】
しかしながら、化粧製品が個人の毛髪に適用されると、実際に得られる色は、一般的に、目標色に対応しない。
【0022】
これは、個人によって毛髪は、詳細には受けるストレス(たとえば以前のカラーリング)または加齢の観点から、異なる性質および異なる体験を有するということによって説明され得る。最終結果に影響を与え得るいくつかのパラメータが、したがって測定可能ではない/測定されない、または適用ルールおよび/もしくは比色レンダリングモデルにおいて直接に考慮に入れられないことがある。化粧製品が毛髪に適用されると、そのような違いは、色のレンダリングに影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【文献】EP 0 443 741
【文献】WO 2004/002300 A2
【文献】US 9 316 580 B
【文献】US 2014/0216492 A
【文献】US 2010/0328667 A
【文献】US 5 478 238
【文献】US 9 519 927
【文献】WO 2011/024160 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、詳細にはヘアカラーリングの特定の場合に、カスタマイズの程度がさらに進むことを可能にするプロセスおよび関連するデバイスの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この目的で、本明細書の目的は、所与の個人の毛、詳細には毛髪の、カスタムメイドのカラーリングに固有の少なくとも1つのパラメータを、比色レンダリングモデルに従って、決定するための方法であり、この方法は、個人の毛の第1のカラーリングに対応する初期設定フェーズを含み、初期設定フェーズは、
- 比色空間における第1の目標色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップと、
- 比色空間における第1の最初の色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップであって、第1の色が、個人の染められる毛の色である、受け取るステップと、
- 第1の最初の色、および第1の目標色、および比色レンダリングモデルを表す大きさに従って、化粧製品組成物を決定するステップと、
- 染められた毛を得るために個人の染められる毛に、決定された組成物を有する化粧製品を適用するステップと、
- 比色空間における第1の最終の色を表す少なくとも1つの大きさを取得するために、染められた毛の色を評価するステップと、
- 第1の最終の色および第1の目標色を表す大きさに従って、個人に固有の少なくとも1つの比色偏差パラメータ(colorimetric deviation parameter)を決定するステップと
を含む。
【0026】
特定の実施形態によれば、決定方法は、以下の特徴の1つまたは複数を、単独で、または技術的に可能な任意の組合せで含む。
- 方法は、比色偏差パラメータを所与の個人に固有の履歴データとして記憶するステップを含む。
- 方法は、個人の毛の第2のカラーリングに対応するカスタマイズフェーズを含み、カスタマイズフェーズは、
- 比色空間における第2の目標色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップと、
- 比色空間における第2の最初の色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップであって、第2の色が、個人の染められる毛の色である、受け取るステップと、
- 第2の最初の色、および第2の目標色、比色レンダリングモデル、および初期設定フェーズの間に決定された比色偏差パラメータを表す大きさに従って、化粧製品組成物を決定するステップと
を含む。
- カスタマイズフェーズは、
- 染められた毛を得るために個人の染められる毛に、決定された組成物を有する化粧製品を適用するステップと、
- 比色空間における第2の最終の色を表す少なくとも1つの大きさを取得するために、染められた毛の色を評価するステップと
を含む。
- カスタマイズフェーズは、適用可能な場合に、第2の最終の色および第2の目標色を表す大きさに従って個人に固有の比色偏差パラメータの更新フェーズを含む。
- カスタマイズフェーズは、少なくとも決定された最新の比色偏差パラメータに従って所与の個人の毛の新規のカラーリングごとに繰り返される。
- 2つの連続するカスタマイズフェーズ間の時間間隔は、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも3週間である。
【0027】
本明細書はまた、比色レンダリングモデルに従って所与の個人の毛、詳細には毛髪のカスタムメイドのカラーリングに固有の化粧品組成物を処方するための方法に関し、この方法は、
- 所与の個人に固有の少なくとも1つの比色偏差パラメータを受け取るステップであって、上記パラメータが、上記で説明したような決定方法によって取得できる、受け取るステップと、
- 比色空間における第1の目標色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップと、
- 比色空間における第1の最初の色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップであって、第1の色が、個人の染められる毛の色である、受け取るステップと、
- 第1の最初の色および第1の目標色、比色レンダリングモデルおよび個人に固有の比色偏差パラメータを表す大きさに従って、化粧製品組成物を決定するステップと、
- 決定された組成物を有する化粧製品を製造するステップと
を含む。
【0028】
本明細書はさらに、所与の個人の毛、詳細には毛髪のカスタムメイドのカラーリングの方法に関し、このカラーリング方法は、個人の毛髪に化粧品組成物を適用するステップを含み、化粧品組成物は、上記で説明したような処方方法に従って処方されている。
【0029】
本明細書はまた、所与の個人の毛、詳細には毛髪の少なくとも1つの特徴的な非比色パラメータを決定するための方法に関し、この方法は、
- 所与の個人に固有の比色偏差パラメータを受け取るステップであって、上記パラメータが、上記で説明したような決定方法によって取得できる、受け取るステップと、
- 受け取った比色偏差パラメータから、所与の個人の毛の少なくとも1つの特徴的な非比色パラメータを決定するステップと
を含む。
【0030】
特定の実施形態によれば、決定方法は、以下の特徴の1つまたは複数を、単独で、または技術的に可能な任意の組合せで含む。
- 1つまたは少なくとも1つの非比色パラメータは、個人の毛の浸透性因子、個人の毛における化粧製品の各染料の上昇因子、個人の毛の耐酸化性、および個人の毛に含まれるユーメラニンと個人の毛に含まれるフェオメラニンとの関係からなる群から選択される。
【0031】
本明細書はまた、比色レンダリングモデルに従って、所与の個人の毛、詳細には毛髪のカスタムメイドのカラーリングに固有の少なくとも1つのパラメータを決定するためのデバイスに関し、このデバイスは、上記で説明したような少なくとも1つの決定方法を実施するように構成され、このデバイスは、
- 決定の各受け取るステップを実施するように構成されたマンマシンインターフェースと、
- 少なくとも、組成物を決定するステップおよび少なくとも1つの偏差パラメータを決定するステップを実施するように構成された処理ユニットと
を含むコントローラを備える。
【0032】
本明細書はさらに、所与の個人の毛、詳細には毛髪のカスタムメイドのカラーリングに固有の化粧品組成物を処方するためのシステムに関し、このシステムは、上記で説明したような処方方法を実施するように構成され、このシステムは、別個の容器に保存された複数の機能性化粧品混合物を含み、機能性化粧品混合物は、決定された化粧品組成物を形成するために互いに組み合わせることができ、システムは、少なくとも2つの機能性化粧品混合物を、各1つが決定された割合および/または量で分配するように構成される。
【0033】
単に一例として、図面に関連して提供する以下の説明、本発明の実施形態を読むと、本発明の他の特徴および利点が見えてくるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】所与の個人の毛髪のカスタムメイドのカラーリングに固有のパラメータを決定するための方法の主要物の概略図である。
図2】所与の個人の毛髪のカスタムメイドのカラーリングに固有のパラメータを決定するための方法の主要物の別の概略図である。
図3】所与の個人の毛髪のカスタムメイドのカラーリングに固有のパラメータを決定するための方法の主要物のまた別の概略図である。
図4】決定デバイスの概略図である。
図5】処方システムの概略図である。
図6】所与の個人の毛のカスタムメイドのカラーリングに固有のパラメータを決定するための方法を実施する一例のフローチャートである。
図7】所与の個人の毛のカスタムメイドのカラーリングに固有の化粧品組成物を処方するための方法を実施する一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書の残部において、「毛」という用語は、個人のあらゆるタイプの毛を、個人の体表面上のそれらの位置にかかわらず示す。毛は、個人の毛髪系(hair system)を含有する。毛髪および眉は、毛の例である。しかしながら本出願は、より詳細には毛髪を対象とする。
【0036】
一般に、「化粧製品」という用語は、もっぱらまたは主として洗浄すること、香りをつけること、外観を修正すること、保護すること、良好な状態で維持すること、または体臭を消すことを目的として、人体の表面部分(表皮、毛髪系、爪、唇、および外性器)と接触して、または口腔の歯および粘膜と接触して置かれるよう意図された任意の物質または混合物を示す。
【0037】
たとえば、化粧製品は、毛髪など、個人の毛を染めるために、それらと接触して置かれることを意図された、「カラーリング」とも呼ばれる染料(coloring formula)である。そのようなカラーリングは、永続的または一時的である。本出願は、詳細にはいわゆる酸化カラーリングを対象とする。
【0038】
化粧製品の「色」という用語は、基準個人(reference individual)の毛にまたは毛髪モデルに化粧製品が適用された時点の知覚色または色のレンダリングを示す。個人による毛の性質および体験の違いを考慮すると、色のレンダリングは、基準個人または毛髪モデルで得られたレンダリングに対して、所与の個人の毛に化粧製品が適用されると変わることがある。
【0039】
本明細書の残部で展開される本発明の一般的原理は、毛髪について図1から図3に示している。
【0040】
詳細には、図1は、最初の毛髪色Ciを有し、化粧品組成物F0の適用後に、最初の色Ciとは異なる目標色Ccを取得することを希望する所与の個人を示し、課題は、カラーリング後に、目標色Ccにできるだけ近い最終の色Cfを取得するために、所与の個人に最も適した化粧製品の組成物F0を決定することからなる。「できるだけ近い」という用語は、比色空間CIE L*a*bにおける最終の色Cfと目標色Ccとの間の所望の比色偏差ができるだけ低く、詳細には3未満、さらには1未満であることを意味する。
【0041】
化粧品組成物F0は、初期の色Ciから始めた目標色Ccの取得に最も適していると考えられる化粧製品組成物を決定することを可能にする1つまたは複数の比色レンダリングモデルを実装する適用ルールのセットにより取得される。より正確には、1つまたは複数の比色レンダリングモデルは、目標色Ccおよび最初の色Ciに従って最終の色Cfを取得することを可能にする。適用ルールは、決定された最終の色Cfに対応する化粧製品組成物を取得することを可能にする。本明細書の残部で提示する方法は、連続するカラーリングを通して個人ごとに比色レンダリングモデルをカスタマイズすることを目指す。
【0042】
決定された化粧品組成物F0に従って、美容師などの専門家が、決定された化粧品組成物F0を取得するために、適用可能な場合、化粧品組成物の混合を行う。決定された化粧品組成物F0は、したがって特定の適用ルールによって取得される。しかしながら適用ルールは、所望の最終の色に固有であるが、所与の個人に固有ではない。
【0043】
詳細には、図1は、場合によっては中間色Cintを計算することによって、目標色Ccの取得に最も適していると考えられる化粧製品組成物を決定するための比色レンダリングモデルM1およびM2の使用を説明する。そのようなモデルは、たとえば、Kubelka-Munkモデルなどの光学モデル、および化学モデルまたは統計モデルに基づいている。比色レンダリングモデルM1、M2はまた、データベースにグループ分けされ、最初の色と目標の色との間で対応付けが行われることを可能し得る生体内および/または生体外テストのセットを含むことができ、適用ルールが目標色と組成物との間の対応を提供する。
【0044】
比色レンダリングモデルM2について図1に示すように、そのようなモデリングは、一方でのモデルによって予測される色と、他方での、毛髪の房のサンプルにカラーリングが適用されると得られる実験的な色との間のいくつかの偏差ΔElock(サンプルでのピボットポイントとも呼ばれる)を考慮に入れるように適合され得る。そのようなモデリングは、一方での、毛髪の房のサンプルで実験的に得られる最終の色と、他方での、毛髪モデル(毛髪の全部)にカラーリングが適用されると実験的に得られる最終の色との間の偏差ΔEhead(頭部でのピボットポイントとも呼ばれる)を考慮に入れることもまた可能にする。
【0045】
図2に見られるように、頭部でのピボットポイントΔEheadは、個人の毛髪(性質および経験)によって決まるパラメータである。以下で説明する方法は、カラーリングを通して個人ごとに異なる補正を適用するようにして頭部でのピボットポイントをカスタマイズすることを目指す。最初は、個人の毛髪の第1のカラーリングの間、頭部のピボットポイントは、基準個人のピボットポイントに基づいて1つまたは複数の比色レンダリングモデルにおいて考慮に入れられる。点線の矢印は、比色レンダリングモデルによって目標にされ、適用ルールRA1に従って組成物の混合によって達成される色(目標色)を示す。矢印は、事実上取得される色(最終の色)を示す。したがって、第1のカラーリングの間、最終の色Cf1は、個人に固有の頭部のピボットポイントに対応する偏差ΔEindividual(個人のピボットポイント)だけ、目標色Ccとは異なる。次のカラーリングの間、取得された偏差ΔEindividualは、比色レンダリングモデルで考慮に入れられ、これは新しい適用ルールRA2により、上記で取得された最終の色Cf1よりも目標色Ccに近い最終の色Cf2を取得することを可能にする。
【0046】
図3は、目標色に次第に近くなることを可能にする化粧品組成物に対応するように、個々のピボットポイントΔEindividualが、連続するカラーリングの間に更新されることを示す。
【0047】
そのような原理を示すデバイス、システム、および方法について次に説明する。
【0048】
所与の個人の毛のカスタムメイドのカラーリングに固有のパラメータを決定するためのデバイス10が、図4に示されている。
【0049】
デバイス10は、コントローラ44と、場合によっては比色測定ユニット15と、製造ユニット16とを備える。
【0050】
コントローラ14は、コンピュータプログラム製品18と対話することができる。コンピュータプログラム製品18とコントローラ14の対話は、所与の個人の毛のカスタムメイドのカラーリングに固有の少なくとも1つのパラメータを決定するための方法を実施することを可能にする。有利には、デバイス10はまた、本明細書の残部において説明するように、所与の個人の毛、詳細には毛髪の少なくとも1つの特徴的な非比色パラメータを決定するように構成される。
【0051】
コントローラ14は、コンピュータである。より一般的には、コントローラ14は、コントローラ14のレジスタおよび/またはメモリ内の電子または物理量として表されたデータを、メモリ、レジスタ、または他のタイプの表示、送信、もしくは記憶デバイス内の物理データに対応する他の同様のデータに処理することおよび/または変換することができる電子計算機である。
【0052】
コントローラ14は、処理ユニット22と、メモリ24と、情報サポートドライブ26とを含むプロセッサ20を備える。図4に示す例では、コントローラ14は、たとえばキーボード28および/またはタッチインターフェースと、ディスプレイユニット30とを備えるマンマシンインターフェース27もまた備える。
【0053】
コンピュータプログラム18は、判読可能情報サポートを含む。判読可能情報サポートとは、コントローラ14によって、通常はコントローラ14の処理ユニット22によって、読み取ることができるサポートである。判読可能情報サポートは、電子命令を記憶することができ、コンピュータシステムのバスに結合できる媒体である。
【0054】
たとえば、判読可能情報サポートは、ディスケットまたはフロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、ROMメモリ、RAMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、磁気カードまたは光カードである。
【0055】
プログラム命令を含むコンピュータプログラムは、判読可能情報サポートに記憶される。コンピュータプログラムは、データ処理ユニット22にロードすることができ、所与の個人の毛のカスタムメイドのカラーリングに固有の少なくとも1つのパラメータを決定するための方法のステップの少なくとも1つの実施を駆動するのに適しており、その一例を本明細書の残部に示す。有利には、コンピュータプログラムはまた、本明細書の残部において説明するように、所与の個人の毛の少なくとも1つの特徴的な非比色パラメータを決定するための方法の実施を駆動するのに適している。
【0056】
比色測定ユニット15は、個人の毛の色を測定することができる。
【0057】
比色測定ユニット15は、たとえば分光測色計である。
【0058】
一実施形態によれば、比色測定ユニット15は、個人の毛のゾーンの画像を取り込むことができる測定センサーと、取得された画像から比色測定値を引き出すことを可能にする分析ツールとを備える。
【0059】
代替的にまたは相補的に、比色測定ユニット15はまた、個人および/またはその美容師による、詳細には画面、詳細にはタッチスクリーンに示された比色スケールからの、色の手動入力を可能にするユニットであることもある。使用者は、画面上で個人の毛の色を選択し、上記色の値が、処理ユニット14に送信される。
【0060】
一般に、比色測定ユニット15は、比色情報の取得を可能にする任意のユニットであり得る。
【0061】
製造ユニット16は、所与の組成物から化粧製品を製造することができる。
【0062】
所与の個人の毛のカスタムメイドのカラーリングに固有の化粧品組成物を処方するためのシステム40が、図5に示されている。
【0063】
システム40は、コントローラ44と、製造ユニット46とを備える。
【0064】
コントローラ44は、コンピュータプログラム製品48と対話することができる。コンピュータプログラム製品48とコントローラ14および製造ユニット46の対話は、所与の個人の毛のカスタムメイドのカラーリングに固有の化粧品組成物を処方するための方法を実施することを可能にする。
【0065】
コントローラ44は、コンピュータである。より一般的には、コントローラ44は、コントローラ44のレジスタおよび/またはメモリ内の電子または物理量として表されたデータを、メモリ、レジスタ、または他のタイプの表示、送信、もしくは記憶デバイス内の物理データに対応する他の同様のデータに処理することおよび/または変換することができる電子計算機である。
【0066】
コントローラ44は、処理ユニット52と、メモリ54と、情報サポートドライブ56とを含むプロセッサ50を備える。図5に示す例では、コントローラ44は、たとえばキーボード58および/またはタッチインターフェースと、ディスプレイユニット60とを備えるマンマシンインターフェース57もまた備える。
【0067】
コンピュータプログラム48は、判読可能情報サポートを含む。判読可能情報サポートとは、コントローラ44によって、通常はコントローラ44の処理ユニット52によって、読み取ることができるサポートである。判読可能情報サポートは、電子命令を記憶することができ、コンピュータシステムのバスに結合できる媒体である。
【0068】
たとえば、判読可能情報サポートは、ディスケットまたはフロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、ROMメモリ、RAMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、磁気カードまたは光カードである。
【0069】
プログラム命令を含むコンピュータプログラムは、判読可能情報サポートに記憶される。コンピュータプログラムは、データ処理ユニット52にロードすることができ、化粧品組成物を処方するための方法のステップの少なくとも1つの実施を駆動するのに適しており、その一例を本明細書の残部に示す。
【0070】
製造ユニット46は、有利には、別個の容器に保存された複数の機能性化粧品混合物を含む。機能性化粧品混合物は、たとえば、詳細には顔料を結合する成分である。混合物は、決定された組成物を有する化粧製品を形成するために互いに組み合わせることができる。
【0071】
システム40は、決定された化粧品組成物を取得するために、少なくとも2つの化粧品混合物を、各々決定された割合および/または量で分配し、作成するように構成される。
【0072】
例示的な一実施形態では、システム40およびデバイス10は、デバイス10の製造ユニット16がシステム40の製造ユニット46と混同されるように、および/またはデバイス10のコントローラ14がシステム40のコントローラ44と混同されるように、同じ機械に統合される。
【0073】
次に決定デバイス10の動作の一例について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0074】
図6に示す例では、決定方法は、所与の個人の毛の第1のカラーリングに対応する初期設定フェーズ100と、所与の個人の毛の第2のカラーリングに対応し、初期設定フェーズの間に決定された個人偏差パラメータを使用するカスタマイズフェーズ200との、2つのフェーズを含む。
【0075】
カスタマイズフェーズ200は、有利には、所与の個人の毛の新規のカラーリングごとに繰り返される。2つの連続したカスタマイズフェーズD間の時間間隔は、有利には少なくとも1週間、好ましくは少なくとも3週間、さらには少なくとも6週間である。
【0076】
初期設定フェーズ100は、比色空間における第1の目標色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップ110を含む。受け取るステップ110は、コントローラ14のマンマシンインターフェース27を介して実施される。
【0077】
第1の目標色は、個人の染められる毛に望ましいカラーリングの色、すなわち、個人の毛に化粧製品を適用した後に望まれる比色レンダリングである。
【0078】
一般的には第1の目標色は、場合によっては美容師などの専門家のアドバイスで、個人によって選択された色である。第1の目標色は、たとえば、カラースケールを使用して選択される。
【0079】
オプションの残りでは、測色値は、CIE L*a*b*比色空間において提示される。
【0080】
CIE L*a*b*色空間は、しばしばCIELABと略されるが、1976年に国際照明委員会(CIE)によって定義された表面色の色空間である。それは、CIE XYZ系の評価に基づいており、人間の眼によって知覚される色間の違いを正確に際立たせるために線形性を捨てる。このモデルでは3つの大きさが色を特徴づけ、すなわち、XYZ評価の輝度(Y)から導出される明度L*と、同じ明度を有する灰色の表面の色との色差を表す2つのパラメータa*およびb*とが、クロミナンスとして、色を特徴づける。灰色、無着色、無彩色の表面の定義は、着色された表面を照明する光の組成が明示的に示されることを含意する。この光源は、しばしば、D65正規化標準に対応する昼光源である。
【0081】
他のどんな色空間も想定され得る。
【0082】
より一般的には、スペクトルを関連付けることを可能にする任意の表現も、このコンテキストで使用され得る。
【0083】
以下では、受け取られるデータは測色値であると仮定される。
【0084】
受け取られるデータが測色値ではない場合、色を表す大きさを受け取る各ステップの間に、転換ステップが実施される。
【0085】
初期設定フェーズ100は、比色空間における第1の最初の色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップ120を含む。受け取るステップ110は、コントローラ14のマンマシンインターフェース27を介して実施される。
【0086】
第1の最初の色は、有利には第1の目標色とは異なる。
【0087】
代替的に、たとえば、白髪を隠すためには、第1の最初の色は、第1の目標色と同じである。
【0088】
好ましくは、第1の最初の色は、個人の染められる毛の現在の色、すなわち最初のカラーリングの時点の、ただしカラーリング作用を有する化粧製品の適用前の、個人の毛の色である。
【0089】
第1の最初の色は、一般に、分光測色計などのセンサーによって行われる測定によって取得される。測定は、たとえば、個人の毛の1つまたは複数のゾーンで行われる比色測定である。たとえば、そのような比色測定は、美容師などの専門家によって行われる。上記で示したように、最初の色を表す大きさは、したがって、比色測定デバイスから直接もしくは間接的に受け取られる、かつ/または使用者もしくはその美容師によって手動で入力もしくは確認されることがある。
【0090】
説明のために、専門家は、携帯型分光器またはデバイス10の測定ユニット15を使用する。
【0091】
一実施形態によれば、専門家は、3つ以上の毛のいくつかのゾーンで測定を行う。毛髪の場合、これは、毛髪の色の変化を考慮に入れることを可能にする(一般的に、毛髪の先端部はしばしば根元よりも明るく、白髪も同様である)。
【0092】
別の実施形態によれば、専門家は、たとえば、個人の頭蓋に対応する、毛の1つのゾーンのみで測定を行う。
【0093】
初期設定フェーズ100は、第1の最初の色、および第1の目標色、および場合によっては適用ルールに関連する比色レンダリングモデルを表す大きさに従って、化粧製品組成物を決定するステップ130を含む。
【0094】
決定ステップ130は、コンピュータプログラム製品18と対話するコントローラ14によって実施され、すなわちコンピュータによって実施される。
【0095】
比色レンダリングモデルおよび/または適用ルールは、たとえば、コントローラ14のメモリ24に、または決定デバイス10によってアクセスできるサーバに記憶される。
【0096】
一般に、比色レンダリングモデルは、所与の個人用にカスタマイズされていない一般的なモデルである。
【0097】
比色レンダリングモデルは、目標色および最初の色から、化粧製品の色(最終の色)を関連付ける対応関数である。これは、個人の目標色および最初の色の比色レンダリングモデルによる画像が、化粧製品の色であることを意味する。決定される化粧製品の色は、それを個人の毛に適用すると、目標色に対応したレンダリングの取得が可能になるようなものである。適用ルールは、決定された最終の色の取得を可能にする化粧製品組成物を決定することを可能にする。
【0098】
比色レンダリングモデルは、たとえば、顔料の各々のスペクトル拡散および吸収パラメータから、染められる表面に適用される顔料の混合の色の予測を可能にするKubelka-Munkモデルから取得される。適用ルールは、通常所望の目標色の取得を可能にする組成物を取得するために(しかしながら所与の個人に固有の変化を考慮に入れずに)、たとえば、反復アプローチを、詳細にはあらかじめ記録された参照組成物に関連して、実施する。
【0099】
Kubelka-Munkモデルは、均一の連続媒体において、およびペイントまたはファンデーションなど、主要な拡散領域において適用されるモデルであるが、カラーリング製品、詳細には毛髪には通常用いられないモデルであることに留意されたい。実際には、カラーリング製品は、毛髪に適用されると毛髪の繊維に浸透する顔料を含み、これはファンデーションなど、層を成して適用される製品には当てはまらない。さらに、染められた繊維の全部が、均質の、連続媒体を形成するわけではない。また、ヘアカラーリングの場合にKubelka-Munkモデルを使用することは、特殊であると思われる。カスタムメイド補正の必要は、ますます非常に重要である。
【0100】
Kubelka-Munkモデルは、比色モデルの特定の例であり、第1の最初の色および第1の目標色に対応する化粧製品の組成物を決定するために、任意の他の比色モデルを使用できることは当業者には理解されよう。
【0101】
有利には、比色レンダリングモデルは、サンプルでのピボットポイントの平均値および頭部でのピボットポイントの平均値を積分する。一方、そのようなピボットポイントは、所与の個人用にカスタマイズされていない。
【0102】
比色レンダリングモデルは、当業者にとっては通常のモデルであり、当業者の専門的知識に該当し得るので、それのさらなる詳細について本明細書では明らかにしない。
【0103】
一実施形態では、決定された組成物を有する化粧製品は、化粧製品のセットから選択される。たとえば、選択された化粧製品は、その色が、比色レンダリングモデルの出力で取得される色に最も近い化粧製品である。
【0104】
別の実施形態では、決定された化粧品組成物は、比色レンダリングモデルの出力で取得される色、および適用ルールに従って、たとえば製造ユニット16を介して製造される。適用ルールは、その場合、適用後に、所望の比色レンダリングを有するために、決定されたカラー層の取得を可能にする化粧品組成物の混合物を決定することを可能にする。
【0105】
決定方法は、染められた毛を得るために、決定された組成物を有する化粧製品を個人の毛に適用するステップ140を含む。
【0106】
適用ステップ140は、たとえば、美容師などの専門家によって行われる。代替的には、適用ステップ140は、個人自身によって行われる。
【0107】
一実施形態では、毛が毛髪であるとき、個人の毛髪の全部が化粧製品で覆われ、一様なカラーリングを取得することを可能にする。
【0108】
別の実施形態では、毛が毛髪であるとき、毛髪の一部のみが化粧製品で覆われ、様々な色の毛髪を取得することを可能にする。
【0109】
初期設定フェーズ100は、第1の最終の色を表す少なくとも1つの大きさを取得するために、染められた毛の色を評価するステップ150を含む。第1の最終の色は、したがって、カラーリングプロセスが完了した時点で、化粧製品を毛に適用した後の個人の毛の色である。
【0110】
一般的に評価は、毛への化粧製品の浸透時間の終了時に、すなわち少なくとも浸透時間後に行われ、続いて、化粧製品を取り除くために毛をすすぐ。
【0111】
評価ステップ150は、たとえば、比色測定ユニット15によって実施される。
【0112】
代替的には、評価ステップ150は、手動で、個人自身によって、または専門家によって、染められた毛の色をカラースケールと比較することによって行われる。
【0113】
初期設定フェーズ100は、第1の最終の色および第1の目標色を表す大きさに従って、個人に固有の少なくとも1つの比色偏差パラメータを決定するステップ160を含む。
【0114】
決定ステップ160は、コンピュータプログラム製品18と対話するコントローラ14によって実施され、すなわちコンピュータによって実施される。
【0115】
比色偏差パラメータは、個人のピボットポイントに戻ることを可能にする成分である。
【0116】
比色偏差パラメータは、たとえば、重み付けまたは補正を追加することによって、比色レンダリングモデルを変更するために使用される。これは、詳細には、その後のカラーリングの間に、そのレンダリングが所与の個人の特定の毛により適合した化粧製品を決定することを可能にする。
【0117】
比色偏差パラメータは、比色空間を表す少なくとも1つの大きさに従っている。たとえば、空間CIE L*a*bにおいて、偏差パラメータは、明度L、パラメータa*、およびパラメータb*のうちの少なくとも1つに従っている。
【0118】
有利には、比色偏差パラメータは、比色空間、すなわち空間CIE L*a*bについて、明度L、パラメータa*、およびパラメータb*を表す大きさの全部を考慮に入れる。比色偏差パラメータは、たとえば、以下の式(1)を使用して取得される。
【0119】
【数1】
【0120】
ただし、
ΔEは、第1の目標色と第1の最終の色との間の、誤差または差とも呼ばれる、比色偏差パラメータを示し、
ΔL*は、空間CIE L*a*bにおける第1の目標色の明度と第1の最終の色の明度との間の差であり、
Δa*は、空間CIE L*a*bにおける第1の目標色のパラメータa*と第1の最終の色のパラメータa*との間の差であり、
Δb*は、空間CIE L*a*bにおける第1の目標色のパラメータb*と第1の最終の色のパラメータb*との間の差である。
【0121】
一実施形態では、比色偏差パラメータは、目標色と、前のカラーリングの間に所与の個人に取得された最終の色との間の比色偏差を考慮に入れることによって取得される。この場合、比色偏差パラメータは、たとえば、第1の目標色と第1の最終の色との間の、前の偏差および現在の偏差の累加平均である。
【0122】
別の実施形態によれば、比色偏差パラメータは、目標色と、個人のパネルに取得された最終の色との間の比色偏差を考慮に入れることによって取得される。たとえば、比色偏差パラメータは、第1の目標色と所与の個人に取得される第1の最終の色との間の比色偏差と、一方、対応する目標色を取得しようと努めて化粧製品を個人の毛に適用した後、個人のセットに取得される偏差の平均から生じる対応する偏差との間の差である。比色レンダリングモデルは、たとえば、学習モデルを形成し、そのデータベースは、所与の個人に決定された偏差パラメータを使用して更新される。この実施形態は、個人に取得された最終の色と、個人のセットに取得された平均の最終の色との間のずれを強調することを目指す。所与の個人の特定の特性は、したがって、基準個人と相対的にモデル化される。
【0123】
有利には、初期設定フェーズ100は、所与の個人に固有の履歴データとして決定された各パラメータを記憶するステップ170を含む。
【0124】
有利には、決定された各パラメータは、所与の個人に固有のファイル、詳細にはコンピュータファイルに記憶される。個人に固有のファイルは、たとえば、決定デバイス10のメモリ24に、または決定デバイス10によってアクセスできるサーバに記憶される。したがって、コンピュータファイルに含まれる情報は、所与の個人のその後のカラーリングの間に容易にアクセスすることができる。
【0125】
場合によっては、決定されたパラメータにより、初期設定フェーズ100は、診断および助言ステップを含む。このステップの間、専門家は、たとえば、決定されたパラメータに従って、所与の個人の染められた毛の手入れをするのに異なる製品を推奨する。
【0126】
調整または個別化フェーズとも呼ばれるカスタマイズフェーズ200は、所与の個人の毛の第2のカラーリングに対応する。
【0127】
カスタマイズフェーズ200は、比色空間における第2の目標色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップ210を含む。
【0128】
受け取るステップ210は、たとえば、第1の目標色を第2の目標色に置き換えることによって、初期設定フェーズ100の受け取るステップ110とまったく同じとなる。
【0129】
有利には、比色空間CIE L*a*bにおける第2の目標色と第1の目標色との間の比色差は、4未満、好ましくは3未満、さらには1未満である。したがって、目標色は比較的近く、前のフェーズの間に取得されたパラメータに従って、カラーレンダリングに関してより良い結果を得ることを可能にする。
【0130】
カスタマイズフェーズ200は、比色空間における第2の最初の色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップ220を含む。
【0131】
受け取るステップ220は、たとえば、第1の最初の色を第2の最初の色に置き換えることによって、初期設定フェーズ100の受け取るステップ120とまったく同じとなる。
【0132】
カスタマイズフェーズ200は、第2の最初の色および第2の目標色、場合によっては適用ルールに関連する比色レンダリングモデルを表す大きさ、ならびに前のフェーズ(初期設定フェーズ)の間に取得された1つまたは複数のパラメータ、たとえば、所与の個人に固有のファイルに記憶された1つまたは複数のパラメータに従って、化粧製品組成物を決定するステップ230を含む。
【0133】
決定ステップ230は、コンピュータプログラム製品18と対話するコントローラ14によって実施され、すなわちコンピュータによって実施される。
【0134】
決定ステップ230は、たとえば、第1の最初の色を第2の最初の色に、第1の目標色を第2の目標色に、かつ比色レンダリングモデルを前のフェーズ(初期設定フェーズ)の間に取得された1つまたは複数のパラメータに従って変更された比色レンダリングモデルに置き換えることによって、初期設定フェーズ100の決定ステップ130とまったく同じとなる。したがって、決定ステップ230の間、比色レンダリングモデルは、所与の個人に固有のパラメータからカスタマイズされる。
【0135】
カスタマイズフェーズ200は、場合によっては、染められた毛を得るために個人の染められる毛に、決定された組成物を有する化粧製品を適用するステップ240を含む。
【0136】
適用ステップ240は、たとえば、初期設定フェーズ100の適用ステップ140とまったく同じである。
【0137】
カスタマイズフェーズ200は、場合によっては、比色空間における第2の最終の色を表す少なくとも1つの大きさを取得するために、染められた毛の色を評価するステップ250を含む。
【0138】
評価ステップ250は、たとえば、初期設定フェーズ100の評価ステップ150とまったく同じである。
【0139】
カスタマイズフェーズ200は、場合によっては、第2の最終の色および第2の目標色を表す大きさに従って、初期設定フェーズの間に決定された比色偏差パラメータを更新するステップ260を含む。
【0140】
更新するステップ260は、たとえば、第2の最終の色および第2の目標色を表す大きさに従って、所与の個人に固有の少なくとも1つの比色偏差パラメータを決定するステップを含む。そのような決定ステップは、たとえば、第1の最初の色を第2の最初の色に、第1の目標色を第2の目標色に、かつ比色レンダリングモデルを前のフェーズ(初期設定フェーズ)の間に取得された1つまたは複数のパラメータに従って変更された比色レンダリングモデルに置き換えることによって、初期設定フェーズ100の決定ステップ160とまったく同じとなる。
【0141】
カスタマイズフェーズ200は、場合によっては、決定された比色偏差パラメータを、たとえば新しい履歴データとして、または前の履歴データの置換えとして、記憶するステップ270を含む。履歴データの全部が、所与の個人に固有の履歴を形成する。
【0142】
別の例では、記憶ステップ270は、決定された新しいパラメータに従った個人の固有のファイルの更新からなる。新しく決定されたパラメータは、たとえば、ファイルに追加される、またはファイルにすでに記憶されている1つまたは複数のパラメータを置き換える。場合によっては、記憶されたパラメータの平均などの計算もまた、ファイルに記憶されることがある。
【0143】
さらに別の例では、新しく決定されたパラメータは、比色レンダリングモデルのラーニングベースに記憶される。
【0144】
有利には、カスタマイズフェーズ200のステップは、次いで、所与のビジュアルの毛を新しくカバーするごとに繰り返され、第1の目標色が第2の前の目標色に対応し、第2の目標色が新しい第2の目標色に対応し、比色偏差パラメータが、前のカスタマイズフェーズの間に取得された比色偏差パラメータ、またはその最新の比色偏差パラメータが取得された、すでに取得された比色偏差パラメータのセットであると考えられる。
【0145】
したがって、偏差パラメータの決定による決定方法は、比色レンダリングモデルを適切に変更するために、所与の個人の履歴を考慮に入れること、したがってカスタムメイドのカラーリングを取得することを可能にする。これは、カラーリングを行う個人にとってより信頼できるカラーレンダリングを取得することを可能にする。後のカスタマイズフェーズは、このカスタマイズから恩恵を受ける。
【0146】
有利には、デバイス10はまた、所与の個人の毛、詳細には毛髪の少なくとも1つの特徴的な非比色パラメータを決定するための方法を実施するように構成される。
【0147】
各非比色パラメータは、個人の毛を特徴づけるパラメータであり、これは測色値の形態で表されない。
【0148】
有利には、1つまたは少なくとも1つの非比色パラメータは、個人の毛の浸透性因子、個人の毛における化粧製品の各染料の上昇因子、個人の毛の耐酸化性、および個人の毛に含まれるユーメラニンと個人の毛に含まれるフェオメラニンとの関係からなる群から選択される。
【0149】
非比色パラメータを決定するための方法は、所与の個人に固有の比色偏差パラメータを受け取るステップを含む。比色偏差パラメータは、たとえば、上記で説明したように偏差パラメータを決定するための方法によって取得される。
【0150】
決定方法は、受け取った比色偏差パラメータに従って、所与の個人の毛の少なくとも1つの特徴的な非比色パラメータを決定するステップを含む。非比色パラメータは、たとえば、機械学習方法によって取得される。
【0151】
非比色パラメータを決定すると、毛髪の特性に関する情報を取得すること、したがって毛髪に施されたケアまたは毛髪を染めるために毛髪に適用される化粧製品のタイプを適合させることが可能になる。
【0152】
一例として、基準個人に対して所与の個人では取得される色がより暗いのは、所与の個人の毛の多孔性がより高いことに由来する可能性がある。
【0153】
一実施形態によれば、少なくとも1つの決定された非比色パラメータは、たとえば、待ち時間または補正の適用によって、比色レンダリングモデルの変更を決定するために使用される。
【0154】
前の決定方法において使用された比色レンダリングモデルを変更するために所与の個人に固有の非比色パラメータを考慮に入れると、比色レンダリングモデルを所与の個人の毛の特定の特性により良く適合させることが可能になる。したがって、個人の毛の性質、個人の毛の履歴、ならびに化粧製品の適用特性に従った比色レンダリングモデルとなる。適用特性は、たとえば、個人の毛に適用された化粧製品の量、個人の毛に化粧製品を置いた持続時間であり、またはより一般的には、個人の毛のカラーリングを行う専門家の所作によるものである。
【0155】
次にシステム40の動作の一例について、処方方法のステップを示す図7のフローチャートを参照して説明する。
【0156】
処方方法は、所与の個人に固有の少なくとも1つの比色偏差パラメータを受け取るステップ300を含む。受け取るステップ300は、コントローラ44のマンマシンインターフェース57を介して実施される。
【0157】
比色偏差パラメータは、たとえば、上記で説明したような決定方法の実施の後に取得される。
【0158】
処方方法は、比色空間における第1の目標色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップ310を含む。受け取るステップ310は、コントローラ44のマンマシンインターフェース57を介して実施される。
【0159】
受け取るステップ310は、たとえば、上記で説明した決定方法の受け取るステップ110とまったく同じである。
【0160】
処方方法はまた、比色空間における第1の最初の色を表す少なくとも1つの大きさを受け取るステップ320を含み、第1の最初の色は、個人の染められる毛髪の色である。受け取るステップ320は、コントローラ44のマンマシンインターフェース57を介して実施される。
【0161】
受け取るステップ320は、たとえば、上記で説明した決定方法の受け取るステップ120とまったく同じである。
【0162】
処方方法は、第1の最初の色および第1の目標色、場合によっては適用ルールに関連する比色レンダリングモデル、ならびに個人に固有の比色偏差パラメータを表す大きさに従って、化粧製品組成物を決定するステップ330を含む。
【0163】
決定ステップ330は、コンピュータプログラム製品48と対話するコントローラ44によって実施され、すなわちコンピュータによって実施される。
【0164】
決定ステップ330は、たとえば、上記で説明した決定方法の決定ステップ230とまったく同じである。
【0165】
処方方法は次いで、決定された組成物を有する化粧製品を製造するステップ340を含む。
【0166】
製造ステップ340は、製造ユニット46によって実施される。たとえば、製造ユニット46は、容器に保存された機能性化粧品混合物の少なくとも2つを、決定された組成物の取得を可能にする割合および/または量で(場合によっては適用ルールに基づいて)分配し、混合する。
【0167】
したがって、処方方法は、所与の個人の毛のカラーリングに固有の組成物を処方することを可能にする。個人の毛は、次いで処方された組成物で染められる。色のレンダリングが改善されるように、個人の履歴は、偏差パラメータによって考慮に入れられる。そのような処方方法は、したがって消費者の満足感を向上させることを可能にする。
【0168】
説明は、個人の毛髪の特定の例を示しているが、本明細書は、すべてのタイプの毛に当てはまることを当業者は理解するであろう。
【0169】
上記で説明した実施形態は、それらが技術的に親和性がある場合、組み合わされて新しい実施形態を形成することを当業者は理解するであろう。
【符号の説明】
【0170】
10 デバイス
14 コントローラ
15 比色測定ユニット
16 製造ユニット
18 コンピュータプログラム製品
20 プロセッサ
22 データ処理ユニット
24 メモリ
26 情報サポートドライブ
27 マンマシンインターフェース
28 キーボード/タッチインターフェース
30 ディスプレイユニット
40 システム
44 コントローラ
46 製造ユニット
48 コンピュータプログラム製品
50 プロセッサ
52 データ処理ユニット
54 メモリ
56 情報サポートドライブ
57 マンマシンインターフェース
58 キーボード/タッチインターフェース
60 ディスプレイユニット
図1
図2
図3
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図7