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特許7371117指紋認識モジュール、スクリーンアセンブリ及び電子装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】指紋認識モジュール、スクリーンアセンブリ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/13 20220101AFI20231023BHJP
   A61B 5/1172 20160101ALI20231023BHJP
【FI】
G06V40/13
A61B5/1172
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021561762
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 CN2020084916
(87)【国際公開番号】W WO2020211779
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】201910528102.3
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910305191.5
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジアオ
(72)【発明者】
【氏名】ペン,シュイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シィウジュアン
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108021845(CN,A)
【文献】特開2012-150619(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0337412(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109145682(CN,A)
【文献】特開2010-091864(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107145869(CN,A)
【文献】特開2011-198083(JP,A)
【文献】国際公開第2018/083847(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109359627(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108885697(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108388827(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109582177(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0087627(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
A61B 5/06- 5/22
G06V 40/00-40/19
G06V 40/30-40/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置のスクリーンアセンブリの下に配置される指紋認識モジュールであって、当該指紋認識モジュールは、
発光ダイオード(LED)であって、該LEDの発光面は前記スクリーンアセンブリの下面の反対にあり、光信号を放射するために用いられる、LEDと、
前記LEDの一方側に位置する画像センサであって、該画像センサの感光面は前記スクリーンアセンブリの下面の反対にあり、光信号を受信するために用いられ、該画像センサによって受信される光信号は、前記LEDによって指に放射された後で戻される指紋光信号を含み、該指紋光信号は指紋画像を生成するために用いられる、画像センサと、
遮光部材であって、該遮光部材は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDと前記画像センサとの間に部分的に又は全体的に位置し、該遮光部材は前記画像センサから離間され且つ前記LEDに近い領域に位置する、遮光部材と、
を含み、
前記LEDの発光中心と前記画像センサのアクティブエリア(AA)の中心との間の距離Lは、L≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanβ’+t×tanβを満たし、
式中、hは、前記LEDの発光面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、dは、前記スクリーンアセンブリの上面と下面との間の距離を表し、tは前記画像センサの感光面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、θは予め定義された値であり且つ前記LEDによって放射された光信号が、前記LEDの発光中心及び前記画像センサのAAの中心を通過する平面上で前記遮光部材によって遮蔽された後で到達可能な最大出射角を表し、θ’は入射角がθの光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された後で到達する出射角を表し、βは前記画像センサの視野の1/2であり、β’は光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された場合の出射角βに対応する入射角を表す、指紋認識モジュール。
【請求項2】
前記LEDの発光中心及び前記画像センサのAAの中心を通過する平面上で、前記遮光部材は、その出射角がθよりも大きく且つ前記LEDによって放射される光信号をブロックするように構成され、θは予め定義された値である、請求項1に記載の指紋認識モジュール。
【請求項3】
前記LEDの発光中心と前記画像センサのAAの中心との間の距離LはL≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanβ’+t×tanβ+Δを満たし、式中、Δはシステム許容誤差を表す、請求項1又は2に記載の指紋認識モジュール。
【請求項4】
前記遮光部材は光貫通孔を有する機械部品であり、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の指紋認識モジュール。
【請求項5】
前記遮光部材は前記電子装置の中間フレームと一体化され、該中間フレームは、前記スクリーンアセンブリと前記指紋認識モジュールとの間に位置し、該中間フレームは、前記LEDに対応する領域に光貫通孔を有し、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の指紋認識モジュール。
【請求項6】
前記指紋認識モジュールはホルダ上で保持され、該ホルダを用いることにより前記スクリーンアセンブリの下に固定され、前記ホルダは一次区画及び二次区画を含み、該一次区画は前記画像センサを収容するように構成され、該二次区画は前記LEDを収容するように構成され、前記遮光部材は前記二次区画と一体化され、前記二次区画は前記ホルダの厚さ方向に貫通する光貫通孔であり、該光貫通孔は前記LEDの領域に対応し、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の指紋認識モジュール。
【請求項7】
前記遮光部材の、前記LEDの光信号を取り囲む面は光吸収材料で被覆されているか又は前記遮光部材は光吸収材料でできている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の指紋認識モジュール。
【請求項8】
前記指紋認識モジュールは、複数のLEDと、該複数のLEDに対応する複数の遮光部材と、1つの画像センサとを含み、前記複数のLEDと、前記複数のLEDに対応する前記複数の遮光部材とは前記画像センサの周りに均等に分布され、各遮光部材は対応するLEDと前記画像センサとの間に部分的又は全体的に位置する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の指紋認識モジュール。
【請求項9】
前記LEDは赤外線LEDである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の指紋認識モジュール。
【請求項10】
前記指紋認識モジュールは少なくとも1つのレンズをさらに含み、該少なくとも1つのレンズは、前記スクリーンアセンブリと前記画像センサとの間に位置し、該少なくとも1つのレンズの撮像中心は、前記画像センサのAAの中心と一致し、前記少なくとも1つのレンズは光信号を受信するように構成され、前記少なくとも1つのレンズによって受信された光信号は、収束後に前記画像センサに到達する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の指紋認識モジュール。
【請求項11】
前記LEDの発光中心と前記少なくとも1つのレンズの撮像中心との間の距離L’は、L’≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanα’+t’×tanα+CA/2を満たし、
式中、hは、前記LEDの発光面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、dは、前記スクリーンアセンブリの上面と下面との間の距離を表し、t’は前記少なくとも1つのレンズの出光孔が位置する面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、θは予め定義された値であり且つ前記LEDによって放射された光信号が、前記LEDの発光中心及び前記画像センサのAAの中心を通過する平面上で前記遮光部材によって遮蔽された後で到達可能な最大の出射角を表し、θ’は入射角がθの光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された後で到達する出射角を表し、CAは前記少なくとも1つのレンズの出光孔の直径を表し、αは前記少なくとも1つのレンズの視野の1/2であり、α’は光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された場合の出射角αに対応する入射角を表す、請求項10に記載の指紋認識モジュール。
【請求項12】
スクリーンアセンブリ及び指紋認識モジュールを含む電子装置であって、該指紋認識モジュールは、
発光ダイオード(LED)であって、該LEDの発光面は前記スクリーンアセンブリの下面の反対にあり、光信号を放射するために用いられる、LEDと、
前記LEDの一方側に位置する画像センサであって、該画像センサの感光面は前記スクリーンアセンブリの下面の反対にあり、光信号を受信するために用いられ、該画像センサによって受信される光信号は、前記LEDによって指に放射された後で戻される指紋光信号を含み、該指紋光信号は指紋画像を生成するために用いられる、画像センサと、
遮光部材であって、該遮光部材は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDと前記画像センサとの間に部分的に又は全体的に位置し、該遮光部材は前記画像センサから離間され且つ前記LEDに近い領域に位置する、遮光部材と、を含み、
前記LEDの発光中心と前記画像センサのAAの中心との間の距離Lは、L≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanβ’+t×tanβを満たし、
式中、hは、前記LEDの発光面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、dは、前記スクリーンアセンブリの上面と下面との間の距離を表し、tは前記画像センサの感光面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、θは予め定義された値であり且つ前記LEDによって放射された光信号が、前記LEDの発光中心及び前記画像センサのAAの中心を通過する平面上で前記遮光部材によって遮蔽された後で到達可能な最大出射角を表し、θ’は入射角がθの光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された後で到達する出射角を表し、βは前記画像センサの視野の1/2であり、β’は光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された場合の出射角βに対応する入射角を表す、電子装置。
【請求項13】
前記LEDの発光中心及び前記画像センサのAAの中心を通過する平面上で、前記遮光部材は、その出射角がθよりも大きく且つ前記LEDによって放射される光信号をブロックするように構成され、θは予め定義された値である、請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記遮光部材は光貫通孔を有する機械部品であり、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む、請求項12又は13に記載の電子装置。
【請求項15】
前記電子装置は中間フレームをさらに含み、該中間フレームは、前記スクリーンアセンブリと前記指紋認識モジュールとの間に位置し、該中間フレームは、前記LEDに対応する領域に光貫通孔を有し、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む、請求項12又は13に記載の電子装置。
【請求項16】
前記電子装置はホルダをさらに含み、前記指紋認識モジュールはホルダ上で保持され、該ホルダは前記指紋認識モジュールを前記スクリーンアセンブリの下に固定し、前記ホルダは一次区画及び二次区画を含み、該一次区画は前記画像センサを収容するように構成され、該二次区画は前記LEDを収容するように構成され、前記遮光部材は前記二次区画と一体化され、前記二次区画は前記ホルダの厚さ方向に貫通する光貫通孔であり、該光貫通孔は前記LEDの領域に対応し、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む、請求項12又は13に記載の電子装置。
【請求項17】
受信した光信号を吸収するために、前記光貫通孔の孔壁及び孔端面に黒化処理が施されている、請求項14乃至16のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項18】
前記スクリーンアセンブリは基板を含み、該基板は前記スクリーンアセンブリの底層に位置し、該基板の下面は、前記指紋認識モジュールの反対にあり、受信した光信号を吸収するために前記基板の上面及び下面に黒化処理が施されている、請求項14乃至17のいずれか一項に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年4月16日に中国特許庁に出願された「LCDスクリーン及び端末」と題する中国特許出願第201910505191.5号に対する優先権を主張し、2019年6月18日に中国特許庁に出願された「指紋認識モジュール及び電子装置」と題する中国特許出願第201910528102.3号に対する優先権を主張し、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は指紋認識の分野に関し、より具体的には、指紋認識モジュール、スクリーンアセンブリ及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0003】
携帯電話のスクリーン対ボディ比が大きくなり、一体型のリアカバーが設計されることにより、アンダーディスプレイ指紋認識に対する需要が強くなってきている。光学アンダーディスプレイ指紋認識はアンダーディスプレイ指紋認識技術の一つである。光学アンダーディスプレイ指紋認識の動作原理は、端末のスクリーン上に指が置かれると、端末は指に光信号を発し得る。光信号が指の指紋によって反射された後、反射された光はスクリーンの下のセンサ上で指紋画像を形成する。
【0004】
現在、既知の解決策では、光学アンダーディスプレイ指紋認識は、スクリーンの下に比較的強い透過力を有する追加の光源を設けることによって実施されている。具体的には、追加の光源がスクリーンを透過して指に到達した後で、光信号の一部はスクリーンの下のセンサによって受信されるように戻り得る。戻った光信号のこの部分は指紋情報を運び得る。指紋情報を運ぶ光信号を受信した後、センサは指紋認識のための指紋画像を生成し得る。しかしながら、追加の光源は、スクリーンに対して照射された場合に比較的大量の反射光を生成し得る。反射光は指に到達せず、指紋情報を運ばない。反射光がセンサによって受信された場合、指紋情報を運び、センサによって受信される光信号に対して干渉がもたらされる。その結果、指紋画像の精細度が影響を受ける。
【発明の概要】
【0005】
本願は、指紋情報に対する反射光の干渉を低減することにより指紋画像の精細度を改善するために、指紋認識モジュール、スクリーンアセンブリ及び電子装置を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、指紋認識モジュールが提供される。指紋認識モジュールは電子装置のスクリーンアセンブリの下に配置され、当該指紋認識モジュールは、発光ダイオード(light emitting diode、LED)、画像センサ及び遮光部材を含む。LEDの発光面は前記スクリーンアセンブリの下面の反対にあり、光信号を放射するために用いられる。画像センサは前記LEDの一方側に位置し、該画像センサの感光面は前記スクリーンアセンブリの下面の反対にあり、光信号を受信するために用いられる。該画像センサによって受信される光信号は、前記LEDによって指に放射された後で戻される指紋光信号を含み、該指紋光信号は指紋画像を生成するために用いられる。遮光部材は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDと前記画像センサとの間に部分的に又は全体的に位置する。
【0007】
指紋光信号は指紋情報を保持する光信号であり得る。本願のこの実施形態では、指紋光信号は、LEDによって指の内部に放射され、指の内部で伝播された後に散乱及び屈折する光信号と、LEDによって指の表面に放射され、指の表面で反射される光信号とを含む。
【0008】
これに対応して、LEDによって放射された光信号では、光信号の一部がスクリーンアセンブリの表面を透過すると、光信号は1回以上の反射を介して画像センサに到達する。光信号のこの部分は指に到達せず、指紋情報を保持しない。したがって、指紋光信号への干渉が生じる。本願のこの実施形態では、画像センサに到達し、指紋情報を保持しない光信号を迷光信号と呼ぶ。
【0009】
本願のこの実施形態で提供される指紋認識モジュールは、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)スクリーンに適用され得るか又は有機発光ダイオード(organic light-emitting、OLED)スクリーンに適用され得ることを理解すべきでる。指紋認識モジュールの適用範囲は本願では限定されない。
【0010】
したがって、遮光部材はLEDに近い領域に配置され、LEDによって放射される大角出射光がブロックされるため、スクリーンアセンブリの表面上で少なくとも1回の反射を介して画像センサに到達する迷光が低減される。このように、指紋光信号に対する迷光の干渉を低減できる。すなわち、指紋情報に対する迷光の干渉が低減されるため、指紋画像の精細度が改善される。
【0011】
第1の態様を参照して、第1の態様の一部の実施では、前記LEDの発光中心及び前記画像センサのアクティブエリア(active area、AA)の中心を通過する平面上で、前記遮光部材は、その出射角がθよりも大きく且つ前記LEDによって放射される光信号をブロックするように構成され、θは予め定義された値である。
【0012】
すなわち、遮光部材はLEDの近くに配置されるため、LEDによって放射される信号光を角度範囲内で制御することができる。
【0013】
本願では、遮光部材の形状は限定されないため、遮光部材はLEDによって放射された光信号を1つの方向でブロックし得るか又はLEDによって放射された光信号を四方でブロックし得る。したがって、光信号が遮蔽部材によってブロックされた後のLEDによって放射される光信号の最大出射角は全ての方向で異なり得る。本願のこの実施形態では、遮光部材の位置及び形状は、LEDの発光中心及び画像センサのAAの中心を通過する平面上で光信号の最大出射角が最も小さくなるように、例えば上記のθになるように設計され得る。
【0014】
可能な設計では、θの値は、LEDのビーム角2γの半分近くの値をとる。
【0015】
光の放射強度は出射角に関係する。したがって、最大出射角θの値がγよりも大きい範囲内でとられる場合はより多くの光信号が含まれ得る。すなわち、より多くのエネルギーが含まれ得る。しかしながら、最大出射角θが比較的大きいと、画像センサとLEDとの間の距離が長くなり(以下に示す、中心距離Lの計算式から理解され得る)、画像センサによって受け取られるエネルギーが減少する。最大出射角θがγ以下の範囲内にある場合、画像センサによって受け取られるエネルギーの損失は低減され得るが、指に到達するエネルギーが減少し得る。したがって、遮光部材の位置及び形状は、光信号の最大出射角θがLEDの発光中心及びイメージセンサのAAの中心を通過する平面上でγ又はγ近くの値になるように設計され得る。このように、指に到達するエネルギーと画像センサに到達するエネルギーとのバランスが得られるため、指紋画像の精細度を大幅に改善できる。
【0016】
第1の態様を参照して、第1の態様の一部の実施では、前記LEDの発光中心と前記画像センサのAAの中心との間の距離Lは、L≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanβ’+t×tanβを満たし、式中、hは、前記LEDの発光面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、dは、前記スクリーンアセンブリの上面と下面との間の距離を表し、tは前記画像センサの感光面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、θは予め定義された値であり且つ前記LEDによって放射された光信号が、前記LEDの発光中心及び前記画像センサのAAの中心を通過する平面上で前記遮光部材によって遮蔽された後で到達可能な最大出射角を表し、θ’は入射角がθの光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された後で到達する出射角を表し、βは前記画像センサの視野の1/2であり、β’は光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された場合の出射角βに対応する入射角を表す。
【0017】
LEDの発光中心と画像センサのAAの中心との間の距離Lは中心距離と呼ばれ得る。h×tanθ+d×tanθ’+d×tanβ’+t×tanβを用いることにより計算を通じて得られる結果は、中心距離Lの臨界値Lである。中心距離Lが臨界値Lより小さい場合、より多くの迷光が画像センサに入射し、指紋光信号への干渉をもたらすため、鮮明な指紋画像を得ることができない。中心距離Lが臨界値Lよりも大きい場合、画像センサに入射する指紋光信号が少なくなり、画像センサに入射する光信号が減少し、光強度が弱くなるため、鮮明な指紋画像を得ることができなくなる。
【0018】
また、システム許容誤差を考慮する場合、前記LEDの発光中心と前記画像センサのAAの中心との間の距離LはL≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanβ’+t×tanβ+Δを満たし、式中、Δはシステム許容誤差を表す。
【0019】
システム許容誤差は、例えば経験値であり得るか又はシステム(本願のこの実施形態では、システムは指紋認識モジュールであり得る)の寸法、電子装置内での組み付け位置、アセンブリ部材間の協働関係等に基づいて決定され得る。本願では、システム許容誤差Δの特定の値及び決定方法は限定されない。
【0020】
第1の態様を参照して、第1の態様の一部の実施では、前記遮光部材は光貫通孔を有する機械部品であり、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む。
【0021】
遮光部材は光信号を1つの方向でブロックし得るか又は光信号を四方でブロックし得る。遮光部材が光信号を四方でブロックする場合、遮光部材は光貫通孔を有する機械部品として設計され得る。光貫通孔の孔壁はLEDに面し、LEDによって放射される光信号が取り囲まれている。したがって、光貫通孔からは、出射角が比較的小さい光信号の一部のみを放射でき、出射角が比較的大きい光信号の一部は遮光部材によってブロックされる。
【0022】
第1の態様を参照して、第1の態様の一部の実施形態では、前記遮光部材の、前記LEDの光信号を取り囲む面は光吸収材料で被覆されているか又は前記遮光部材は光吸収材料でできている。
【0023】
遮光部材が光信号をブロックするように構成されている場合、光信号は、例えば、光信号を吸収する方法でブロックされ得る。したがって、光信号を吸収する効果を得るために、前記遮光部材の、前記LEDの光信号を取り囲む面は光吸収材料で被覆され得るか又は前記遮光部材は光吸収材料でできている。
【0024】
第1の態様を参照して、第1の態様の一部の実施では、前記遮光部材は前記電子装置の中間フレームと一体化されている。該中間フレームは、前記スクリーンアセンブリと前記指紋認識モジュールとの間に位置し、該中間フレームは、前記LEDに対応する領域に光貫通孔を有する。該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む。
【0025】
すなわち、遮光部材の機能は、電子装置の中間フレームによって実施され得る。具体的には、光貫通孔は中間フレームの、LEDに対応する領域に設けられ得るため、光貫通孔の孔壁はLEDによって放射される光信号を取り囲むことができるため、LEDによって放射される光信号の一部をブロックする効果が得られる。中間フレームの光貫通孔の位置は、上記の中心距離Lを参照して設計され得る。中間フレームの光貫通孔の孔の深さは、予め定義された出射角θ及び開口を参照して設計され得る。
【0026】
第1の態様を参照して、第1の態様の一部の実施では、前記指紋認識モジュールはホルダ上で保持され、該ホルダを用いることにより前記スクリーンアセンブリの下に固定される。前記ホルダは一次区画及び二次区画を含む。該一次区画は前記画像センサを収容するように構成されている。該二次区画は前記LEDを収容するように構成され、前記遮光部材は前記二次区画と一体化され、前記二次区画は前記ホルダの厚さ方向に貫通する光貫通孔である。該光貫通孔は前記LEDの領域に対応し、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む。
【0027】
具体的には、ホルダは、指紋認識モジュールを保持するように構成され得る。組立プロセスでは、ホルダは電子装置の中間フレームと協働して、ホルダによって保持された指紋認識モジュールをスクリーンアセンブリの下に固定し得る。あるいは、遮光孔の機能はホルダによって実施され得る。ホルダの二次区画は、ホルダの厚さ方向に貫通する光貫通孔として設計されてもよく、光貫通孔の孔壁は、LEDによって放射される光信号の一部をブロックすする効果を得るために、LEDによって放射される光信号を取り囲み得る。ホルダの二次区画は、上記の中心距離Lを参照して設計され得る。二次区画の壁厚(又は光貫通孔の孔の深さ)は、予め定義された出射角θ及び開口を参照して設計され得る。
【0028】
第2の態様によれば、電子装置が提供される。電子装置はスクリーンアセンブリ及び指紋認識モジュールを含む。指紋認識モジュールはLED、画像センサ及び遮光部材を含む。LEDの発光面は前記スクリーンアセンブリの下面の反対にあり、光信号を放射するために用いられる。画像センサはLEDの一方側に位置し、該画像センサの感光面は前記スクリーンアセンブリの下面の反対にあり、光信号を受信するために用いられる。該画像センサによって受信される光信号は、前記LEDによって指に放射された後で戻される指紋光信号を含み、該指紋光信号は指紋画像を生成するために用いられる。該遮光部材は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDと前記画像センサとの間に部分的に又は全体的に位置する。
【0029】
指紋光信号は指紋情報を保持する光信号であり得る。本願のこの実施形態では、指紋光信号は、LEDによって指の内部に放射され、指の内部で伝播された後に散乱及び屈折する光信号と、LEDによって指の表面に放射され、指の表面で反射される光信号とを含む。
【0030】
これに対応して、LEDによって放射された光信号では、光信号の一部がスクリーンアセンブリの表面を透過すると、光信号は1回以上の反射を介して画像センサに到達する。光信号のこの部分は指に到達せず、指紋情報を保持しない。したがって、指紋光信号への干渉が生じる。本願のこの実施形態では、画像センサに到達し、指紋情報を保持しない光信号を迷光信号と呼ぶ。
【0031】
スクリーンアセンブリはLCDスクリーンであり得るか又はOLEDスクリーンであり得る。これは、本願では限定されない。
【0032】
したがって、本願のこの実施形態で提供される電子装置によれば、指紋認識モジュールはスクリーンアセンブリの下に配置されて、光学式のアンダーディスプレイ指紋認識を実施する。遮光部材はLEDの近くの領域に配置され、LEDによって放射される大角出射光がブロックされるため、スクリーンアセンブリの表面上で少なくとも1回の反射を介して画像センサに到達する迷光が低減される。このように、指紋光信号に対する迷光の干渉を低減できる。すなわち、指紋情報に対する迷光の干渉が低減されるため、指紋画像の精細度が改善される。
【0033】
第2の態様を参照して、第2の態様の一部の実施では、前記LEDの発光中心及び前記画像センサのアクティブエリアAAの中心を通過する平面上で、前記遮光部材は、その出射角がθよりも大きく且つ前記LEDによって放射される光信号をブロックするように構成され、θは予め定義された値である。
【0034】
すなわち、遮光部材はLEDの近くに配置されるため、LEDによって放射される信号光を角度範囲内で制御することができる。
【0035】
本願では、遮光部材の形状は限定されないため、遮光部材はLEDによって放射された光信号を1つの方向でブロックし得るか又はLEDによって放射された光信号をブロックし得る。したがって、光信号が遮蔽部材によってブロックされた後のLEDによって放射される光信号の最大出射角は全ての方向で異なり得る。本願のこの実施形態では、遮光部材の位置及び形状は、LEDの発光中心及び画像センサのAAの中心を通過する平面上で光信号の最大出射角が最も小さくなるように、例えば上記のθになるように設計され得る。
【0036】
可能な設計では、θの値は、LEDのビーム角2γの半分近くの値をとる。
【0037】
光の放射強度は出射角に関係する。したがって、最大出射角θの値がγよりも大きい範囲内でとられる場合はより多くの光信号が含まれ得る。すなわち、より多くのエネルギーが含まれ得る。しかしながら、最大出射角θが比較的大きいと、画像センサとLEDとの間の距離が長くなり、画像センサによって受け取られるエネルギーが減少する。最大出射角θがγ以下の範囲内にある場合、画像センサによって受け取られるエネルギーの損失は低減され得るが、指に到達するエネルギーが減少し得る。したがって、遮光部材の位置及び形状は、光信号の最大出射角θがLEDの発光中心及びイメージセンサのAAの中心を通過する平面上でγ又はγ近くの値になるように設計され得る。このように、指に到達するエネルギーと画像センサに到達するエネルギーとのバランスが得られるため、指紋画像の精細度を大幅に改善できる。
【0038】
第2の態様を参照して、第2の態様の一部の実施形態では、前記LEDの発光中心と前記画像センサのAAの中心との間の距離Lは、L≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanβ’+t×tanβを満たし、式中、hは、前記LEDの発光面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、dは、前記スクリーンアセンブリの上面と下面との間の距離を表し、tは前記画像センサの感光面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、θは予め定義された値であり且つ前記LEDによって放射された光信号が、前記LEDの発光中心及び前記画像センサのAAの中心を通過する平面上で前記遮光部材によって遮蔽された後で到達可能な最大出射角を表し、θ’は入射角がθの光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された後で到達する出射角を表し、βは前記画像センサの視野の1/2であり、β’は光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された場合の出射角βに対応する入射角を表す。
【0039】
LEDの発光中心と画像センサのAAの中心との間の距離Lは中心距離と呼ばれ得る。h×tanθ+d×tanθ’+d×tanβ’+t×tanβを用いることにより計算を通じて得られる結果は、中心距離Lの臨界値Lである。中心距離Lが臨界値Lより小さい場合、より多くの迷光が画像センサに入射し、指紋光信号への干渉をもたらすため、鮮明な指紋画像を得ることができない。中心距離Lが臨界値Lよりも大きい場合、画像センサに入射する指紋光信号が少なくなり、画像センサに入射する光信号が減少し、光強度が弱くなるため、鮮明な指紋画像を得ることができなくなる。
【0040】
また、システム許容誤差を考慮する場合、前記LEDの発光中心と前記画像センサのAAの中心との間の距離LはL≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanβ’+t×tanβ+Δを満たし、式中、Δはシステム許容誤差を表す。
【0041】
システム許容誤差は、例えば経験値であり得るか又はシステム(本願のこの実施形態では、システムは指紋認識モジュールであり得る)の寸法、電子装置内での組み付け位置、アセンブリ部材間の協働関係等に基づいて決定され得る。本願では、システム許容誤差Δの特定の値及び決定方法は限定されない。
【0042】
第2の態様を参照して、第2の態様の一部の実施では、前記遮光部材は光貫通孔を有する機械部品であり、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む。
【0043】
遮光部材は光信号を1つの方向でブロックし得るか又は光信号を四方でブロックし得る。遮光部材が光信号を四方でブロックする場合、遮光部材は光貫通孔を有する機械部品として設計され得る。光貫通孔の孔壁はLEDに面し、LEDによって放射される光信号が取り囲まれている。したがって、光貫通孔からは、出射角が比較的小さい光信号の一部のみを放射でき、出射角が比較的大きい光信号の一部は遮光部材によってブロックされる。
【0044】
第2の態様を参照して、第2の態様の一部の実施形態では、前記電子装置は中間フレームをさらに含み、該中間フレームは、前記スクリーンアセンブリと前記指紋認識モジュールとの間に位置し、前記遮光部材は該中間フレームに一体化され、該中間フレームは、前記LEDに対応する領域に光貫通孔を有し、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む。
【0045】
すなわち、遮光部材の機能は、電子装置の中間フレームによって実施され得る。具体的には、光貫通孔は中間フレームの、LEDに対応する領域に設けられ得るため、光貫通孔の孔壁はLEDによって放射される光信号を取り囲むことができるため、LEDによって放射される光信号の一部をブロックする効果が得られる。中間フレームの光貫通孔の位置は、上記の中心距離Lを参照して設計され得る。中間フレームの光貫通孔の孔の深さは、予め定義された出射角θ及び開口を参照して設計され得る。
【0046】
第2の態様を参照して、第2の態様の一部の実施形態では、前記電子装置はホルダをさらに含み、前記指紋認識モジュールはホルダ上で保持され、該ホルダは前記指紋認識モジュールを前記スクリーンアセンブリの下に固定する。前記ホルダは一次区画及び二次区画を含む。該一次区画は前記センサを収容する。遮光部材及び二次区画はオールインワン設計を有し、該二次区画は前記LEDを収容し、前記二次区画は前記ホルダの厚さ方向に貫通する光貫通孔である。該光貫通孔は前記LEDの領域に対応し、該光貫通孔の孔壁は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDによって放射される光信号を取り囲む。
【0047】
具体的には、ホルダは、指紋認識モジュールを保持するように構成され得る。組立プロセスでは、ホルダは電子装置の中間フレームと協働して、ホルダによって保持された指紋認識モジュールをスクリーンアセンブリの下に固定し得る。あるいは、遮光孔の機能はホルダによって実施され得る。ホルダの二次区画は、ホルダの厚さ方向に貫通する光貫通孔として設計されてもよく、光貫通孔の孔壁は、LEDによって放射される光信号の一部をブロックすする効果を得るために、LEDによって放射される光信号を取り囲み得る。ホルダの二次区画は、上記の中心距離Lを参照して設計され得る。二次区画の壁厚(又は光貫通孔の孔の深さ)は、予め定義された出射角θ及び開口を参照して設計され得る。
【0048】
第2の態様を参照して、第2の態様の一部の実施形態では、受信した光信号を吸収するために、光貫通孔の孔壁及び孔端面に黒化処理が施されている。
【0049】
光貫通孔の孔壁及び孔端面を黒化処理が施されていることから、孔壁及び孔端面は光信号を吸収する機能を有するため、大角光信号の放つことをブロックする効果が得られる。
【0050】
第2の態様を参照して、第2の態様の一部の実施では、前記スクリーンアセンブリは基板を含み、該基板は前記スクリーンアセンブリの底層に位置し、該基板の下面は、前記指紋認識モジュールの反対にあり、受信した光信号を吸収するために前記基板の上面及び下面に黒化処理が施されている。
【0051】
出射角が比較的小さい光信号の一部は、遮光部材を介してスクリーンアセンブリに入射できるが、スクリーンアセンブリの上面又は下面とスクリーンアセンブリの界面の各層との間で複数回反射され、最終的に画像センサに到達する。反射光のこの部分は指に到達せず、指紋情報を保持していない。したがって、指紋情報への干渉が生じる。反射光のこの部分も上記の迷光の一部である。
【0052】
本願のこの実施形態では、基板の表面で反射される光信号を吸収するために、スクリーンアセンブリの底部の基板の上面及び下面に黒化処理が施されるため、迷光が大幅に低減され、指紋情報に対する迷光の干渉を低減する。このように、指紋画像の精細度がさらに改善される。
【0053】
第1の態様又は第2の態様を参照して、一部の実施では、前記指紋認識モジュールは、複数のLEDと、該複数のLEDに対応する複数の遮光部材と、1つの画像センサとを含む。前記複数のLEDと、前記複数のLEDに対応する前記複数の遮光部材とは前記画像センサの周りに均等に分布され、各遮光部材は対応するLEDと前記画像センサとの間に部分的又は全体的に位置する。
【0054】
指紋認識モジュールに含まれるLEDの数、遮光部材の数及び画像センサの数は、本願では限定されない。一実施形態では、指紋認識モジュールは1つの画像センサと、複数のLEDと、複数のLEDと協働で用いられる遮光部材とを含み得る。複数のLED及び遮光部材は画像センサの周りに均等に分布され得るため、画像センサに到達する光信号は比較的均一な光強度を有する。各LEDと画像センサとの間の中心距離Lは、上記の中心距離Lを算出する式を参照して設計され得る。
【0055】
画像センサ上での複数のLED及び複数の遮光部材の均等な分布は可能な実施にすぎず、本願に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。あるいは、複数のLED及び複数の遮光部材は画像センサの周りに非均等に分布され得る。加えて、複数の画像センサが代替的に存在してもよい。これは、本願では限定されない。
【0056】
第1の態様又は第2の態様を参照して、一部の実施では、LEDは赤外線LEDである。
【0057】
赤外線LEDは透過力が比較的強いため、光学式のアンダーディスプレイ指紋認識を実施するために光信号はスクリーンアセンブリを通って指に到達する。しかしながら、赤外線LEDの使用は可能な実施にすぎず、本願は、光学式のアンダーディスプレイ指紋認識を実施するために、比較的強い透過力を提供できる別の光源を用いる可能性を除外するものではないことを理解すべきである。
【0058】
第1の態様又は第2の態様を参照して、一部の実施では、前記指紋認識モジュールは少なくとも1つのレンズをさらに含み、該少なくとも1つのレンズは、前記スクリーンアセンブリと前記画像センサとの間に位置し、該少なくとも1つのレンズの撮像中心は、前記画像センサのAAの中心と一致する。前記少なくとも1つのレンズは光信号を受信するように構成され、前記少なくとも1つのレンズによって受信された光信号は、収束後に前記画像センサに到達する。
【0059】
スクリーンアセンブリと画像センサとの間に少なくとも1つのレンズが追加されるため、レンズに到達する光信号は、レンズによって収束された後で画像センサに到達する。したがって、画像センサによって受信される光信号はより強くなるため、より鮮明な指紋画像を得ることができる。
【0060】
第1の態様又は第2の態様を参照して、前記LEDの発光中心と前記少なくとも1つのレンズの撮像中心との間の距離L’は、L’≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanα’+t’×tanα+CA/2を満たし、式中、hは、前記LEDの発光面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、dは、前記スクリーンアセンブリの上面と下面との間の距離を表し、t’は前記少なくとも1つのレンズの出光孔が位置する面と前記スクリーンアセンブリの下面との間の距離を表し、θは予め定義された値であり且つ前記LEDによって放射された光信号が、前記LEDの発光中心及び前記画像センサのAAの中心を通過する平面上で前記遮光部材によって遮蔽された後で到達可能な最大の出射角を表し、θ’は入射角がθの光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された後で到達する出射角を表し、CAは前記少なくとも1つのレンズの出光孔の直径を表し、αは前記少なくとも1つのレンズの視野の1/2であり、α’は光信号が前記スクリーンアセンブリの表面上で屈折された場合の出射角αに対応する入射角を表す。
【0061】
中心距離Lに関する上記の限定に基づいて、少なくとも1つのレンズが追加された後に、中心距離Lを算出する式にいくつかの修正を加えて、レンズが追加されるシナリオに適合するようにしてもよい。ここで、L’は、Lを算出する式と区別するためにのみ定義され、L’は、LEDの発光中心とレンズの撮像中心との間の距離を表す。レンズの撮像中心は画像センサのAAの中心と一致するため、L’はLEDの発光中心と画像センサのAAの中心との間の距離も表し得る。
【0062】
さらに、システム許容誤差が考慮される場合、前記LEDの発光中心と少なくとも1つのレンズの撮像中心との間の距離L’は、L’≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanα’+t’×tanα+CA/2+Δを満たし、式中、Δはシステム許容誤差を表す。
【0063】
システム許容誤差は、例えば経験値であり得るか又はシステム(本願のこの実施形態では、システムは指紋認識モジュールであり得る)の寸法、電子装置内での組み付け位置、アセンブリ部材間の協働関係等に基づいて決定され得る。本願では、システム許容誤差Δの特定の値及び決定方法は限定されない。
【0064】
第3の態様によれば、スクリーンアセンブリが提供される。当該スクリーンアセンブリは指紋認識モジュールを備える電子装置に適用され、該指紋認識モジュールは発光ダイオードLED及び画像センサを含み、当該スクリーンアセンブリの下面は前記LEDの発光面及び前記画像センサの感光面の反対にある。当該スクリーンアセンブリは基板及び反射膜を含む。該基板及び該反射膜は、前記LEDの発光面に垂直な方向に積層されて配置され、前記基板は前記反射膜の下に位置する。当該スクリーンアセンブリは1つ以上の光信号処理層を有し、該1つ以上の光信号処理層は前記基板の上面と前記反射膜の下面との間に位置する及び/又は前記基板の下面に位置する。前記1つ以上の光信号処理層は、受信された光信号の反射を低減するために、受信された光信号を処理するように構成されている。
【0065】
第3の態様を参照して、第3の態様の一部の実施では、前記1つ以上の光信号処理層は散乱粒子を含む。
【0066】
散乱粒子は、受信した光信号を散乱させるため、受信された光信号の反射を効果的に低減できる。
【0067】
任意で、前記1つ以上の光信号処理層はインクを含み、該インクは前記散乱粒子を含む。
【0068】
また、噴霧又はめっきプロセスによって、散乱粒子は前記基板の上面、前記基板の下面及び前記反射膜の下面のうちの少なくとも1つに取り付けられ得る。
【0069】
基板の上面、基板の下面及び反射膜の下面のうちの少なくとも1つに取り付けられるとは、上記の1つ以上の光信号処理層は、基板の上面と反射膜の下面との間に位置し得る及び/又は基板の下面に位置することを意味するものと理解すべきである。
【0070】
基板内の、LED及び画像センサに対応する領域に開口処理を行う必要があるため、散乱粒子が基板の上面及び/又は下面に取り付けられた場合、開口処理が行われる領域に界面処理を行うことは多分できないと考えられる。
【0071】
第3の態様を参照して、第3の態様の一部の実施では、前記1つ以上の光信号処理層は、前記基板の上面と前記反射膜の下面との間に位置する。
【0072】
可能な設計では、前記1つ以上の光処理信号層は、直線偏光子の1つの層及び1/4波長板の1つの層を含み、該直線偏光子は該1/4波長板よりも前記基板の上面に近い。
【0073】
LEDからの光信号が直線偏光子及び1/4波長板を通過した後で、界面1を通る光信号の一部は、界面1の上の界面によって反射された後で再度1/4波長板を通過し、光信号の位相が90度回転される。したがって、反射された光信号のこの部分は直線偏光子に入射しないため、画像センサに入射しない。したがって、直線偏光子及び1/4波長板は、反射膜の上方で反射光を隔離するように構成され得る。
【0074】
任意で、前記直線偏光子及び前記1/4波長板は、前記基板の上面と前記反射膜の下面との間にあり且つ前記LEDに対応する領域に位置する。
【0075】
直線偏光子及び1/4波長板のコストは比較的高いため、直線偏光子及び1/4波長板は、直線偏光子及び1/4波長板を有効に利用するために一部の領域で用いられ得る。
【0076】
任意で、直線偏光子及び1/4波長板は、基板と反射膜との間に平坦に配置される。
【0077】
任意で、直線偏光子及び1/4波長板は、めっきプロセスにより反射膜の下面に取り付けられる。
【0078】
別の可能な設計では、前記1つ以上の光信号処理層は光均一化膜を含む。
【0079】
光均一化膜はLEDによって放射される光信号を伝達し、散乱特性を有するため、反射膜の下面及び基板の上面による受信された光信号の反射を低減できる。
【0080】
任意で、光均一化膜は基板と反射膜との間に平坦に置かれる。
【0081】
第3の態様を参照して、第3の態様の一部の実施では、前記1つ以上の光信号処理層のうちの少なくとも1つは光吸収材料を含む。
【0082】
光吸収材料は迷光の一部を吸収することにより、反射光を低減する。
【0083】
任意で、光吸収材料を含む少なくとも1つの層は、噴霧又はめっきプロセスにより、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つに取り付けられる。
【0084】
基板内の、LED及び画像センサに対応する領域に開口処理を行う必要があるため、光吸収材料が基板の上面及び/又は下面に取り付けられた場合、光吸収材料は、開口処理が行われる領域にのみ配置され得るか又は界面全体に配置され得ることを理解すべきである。これは、本願では限定されない。
【0085】
第3の態様を参照して、第3の態様の一部の実施では、前記1つ以上の光信号処理層は、散乱粒子の少なくとも1つの層、直線偏光子の1つの層及び1/4波長板の1つの層、又は散乱粒子の少なくとも1つの層及び光均一化膜の少なくとも1つの層、又は光吸収材料の少なくとも1つの層、散乱粒子の少なくとも1つの層、直線偏光子の1つの層及び1/4波長板の1つの層、又は光吸収材料の少なくとも1つの層、散乱粒子の少なくとも1つの層及び光均一化膜の少なくとも1つの層を含む。
【0086】
すなわち、上記の複数の可能な光信号処理層は、矛盾が生じなければ組み合わせて用いられ得る。
【0087】
第4の態様によれば、第3の態様及び第3の態様の可能な実施のうちのいずれか1つのスクリーンアセンブリ及び指紋認識モジュールを含む電子装置が提供される。指紋認識モジュールはLED及び画像センサを含む。該LEDの発光面は前記スクリーンアセンブリの下面の反対にあり、光信号を放射するために用いられる。該画像センサは前記LEDの一方側に位置し、該画像センサの感光面は前記スクリーンアセンブリの下面の反対にあり、光信号を受信するために用いられる。該画像センサによって受信される光信号は、前記LEDによって指に放射された後で戻される指紋光信号を含み、該指紋光信号は指紋画像を生成するために用いられる。
【0088】
第4の態様を参照して、第4の態様の一部の実施では、前記指紋認識モジュールは遮光部材をさらに含み、該遮光部材は、前記LEDによって放射される光信号の一部をブロックするために、前記LEDと前記画像センサとの間に部分的に又は全体的に位置する。
【0089】
電子装置に含まれる指紋認識モジュールは、第1の態様及び第1の態様の可能な実施のうちのいずれか1つの指紋認識モジュールであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1図1は、本願の一実施形態に係る電子装置の概略構造図である。
図2図2は、電子装置に用いられるスクリーンアセンブリの概略構造図である。
図3図3は、指紋認識モジュールによる指紋情報の取得の概略図である。
図4図4は、光漏れ現象の概略図である。
図5図5は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールの概略図である。
図6図6は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールの別の概略図である。
図7図7は、本願の一実施形態に係る遮光部材の概略図である。
図8図8は、本願の一実施形態に係るセンサとLEDとの間の相対位置関係の概略図である。
図9図9は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールの別の概略図である。
図10図10は、本願の一実施形態に係る、指紋認識モジュールで遮光部材を用いられる場合及び指紋認識モジュールで遮光部材が用いられない場合に得られる効果の比較図である。
図11図11は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールのさらに別の概略図である。
図12図12は、本願の一実施形態に係る、指紋認識モジュールにおける複数の光源アセンブリとレンズモジュールとの間の相対位置関係の概略図である。
図13図13は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールの概略組立図である。
図14図14は、本願の一実施形態に係る遮光部材の別の概略図である。
図15図15は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールの別の組立図である。
図16図16は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールのさらに別の概略組立図である。
図17図17は、本願の一実施形態に係る、複数の反射を介してレンズモジュールに到達する迷光の概略図である。
図18図18は、本願の一実施形態に係る、指紋認識モジュールにおける複数のLED、複数の遮光部材及び複数のレンズモジュールの配置の概略図である。
図19図19は、本願の一実施形態に係るスクリーンアセンブリの概略図である。
図20図20は、本願の一実施形態に係る、界面2及び界面3上の光信号の概略反射図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
添付の図面を参照して、本願の技術的解決策を以下で説明する。
【0092】
本願の実施形態の理解を容易にするために、以下の説明が最初に提供される。
【0093】
第一に、理解を容易にするために、複数の添付の図面を参照しながら、本願で提供される指紋認識モジュール及び電子装置を以下で詳細に説明する。しかしながら、これらの添付の図面は理解を容易にするための例にすぎない。図に示すコンポーネント間の相対距離並びに構コンポーネントの形状及び寸法は必ずしも実物のものと同じではないか又は均等に縮尺されたものでない。
【0094】
第二に、本願の実施形態では、寸法の設計は多くの場合に関与しており、これらの設計は全て理想的な状態における考慮に基づくものである。したがって、設計によって得られる寸法を基本寸法と呼ぶことがある。それに対して、機械加工及び組立後に得られる寸法を実測寸法と呼ぶことがある。基本寸法と実測寸法との間には特定の寸法上のずれがある。しかしながら、これらの寸法間のすれが許容誤差の範囲内にある限り、これらの寸法は本願の保護範囲に含まれるものとする。許容誤差は実際のパラメータ値の許容可能な変動である。許容誤差と基本寸法は、実測寸法を変更させることができる2つの閾値、すなわち、制限寸法を定義するために用いられ得る。加えて、許容誤差の特定の値が予め定義され得る。本願では、許容誤差の具体的な値は限定されない。
【0095】
第三に、以下では、複数の添付図面を参照しながら、本願で提供される指紋認識モジュールを詳細に説明する。説明を容易にするために、複数の添付の図面では、スクリーンアセンブリが配置された面を、コンポーネント間の相対位置関係を説明するための基準面として用いられる。スクリーンアセンブリは複数の層を含むが、スクリーンアセンブリの上面及び下面は平行であるか又は略平行である。
【0096】
以下の実施形態では、理解及び説明を容易にするために、スクリーンアセンブリに平行な平面をxoy平面と表記し、本明細書で記載のスクリーンアセンブリに平行であるということは、xoy平面に平行であることを示し得る。スクリーンアセンブリに垂直な方向をz方向と表記し、本明細書で記載のスクリーンアセンブリに垂直であるということは、z方向を通過する平面、例えば、yoz平面又はxoz平面を示し得る。
【0097】
加えて、以下の実施形態では、多くの場合、スクリーンアセンブリに垂直な方向の断面を説明する。本願の実施形態では、スクリーンアセンブリに垂直な方向の断面は、スクリーンアセンブリに対して垂直な方向にLEDの発光中心及びレンズモジュール内のレンズの結像中心を通過する断面であり、例えば、以下の複数の添付の図面に示すyoz平面である。
【0098】
なお、これらの説明及び定義は説明及び理解を容易にするためのものにすぎず、本願に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。本願の添付の図面は、指紋認識モジュールと指紋認識モジュール内の各コンポーネントとの間の相対位置関係及び指紋認識モジュールと電子装置内の別のコンポーネントとの間の相対位置関係をより明確に説明することを意図したものにすぎない。したがって、図面に示す各コンポーネントの配置方向は、使用プロセスにおいて、指紋認識モジュール及び指紋認識モジュールを備える電子装置の配置方向に限定を課すものではない。
【0099】
第四に、本願の実施形態では、理解を容易にするために、複数の添付の図面は、LEDにより指に光信号が放射され、指内を伝搬した後にスクリーンアセンブリに戻され、最後にセンサによって受信される光路図を示す。これらの光路図は理解を容易にするための例示にすぎず、本願に対する限定をなすものではない。指に入射する光信号の数、光路の方向等は本願では限定されない。
【0100】
同様に、複数の添付の図面は、光信号がスクリーンアセンブリによって反射されセンサに入る光路図をさらに示す。これらの光路図は、理解を容易にするための例示にすぎず、本願に対する限定をなすものではない。スクリーンアセンブリによって反射される光信号の数、光路の方向等は本願では限定されない。
【0101】
第五に、本願の実施形態では、「少なくとも1つ」は1つ以上を表し得る。「複数」は2つ又は2つ以上を意味する。
【0102】
加えて、本願の実施形態の理解を容易にするために、本願における用語を最初に簡単に説明する。
【0103】
1.ビーム角(beam angle):ビーム角は、光度が、法線での光度の10%又は50%に達する位置で2つの側によって形成される内角がビーム角度であるか又は光度が最大光度の10%又は50%の光信号間の内角である。以下の説明を容易にするために、ビーム角を2γと表記し、その出射角がγである光信号は、頂点が光源の発光中心である直錐を形成し得る。直錐によって直錐の底面に垂直な任意の界面上で形成される角度はビーム角2γである。
【0104】
例えば、ビーム角が、法線での光度の50%に達する位置で2つの側によって形成される内角として定義され、光の出射角がビーム角の半分のγに達する場合、出射角に沿って放射される光信号の強度は発光中心の光強度の50%である。
【0105】
赤外LEDの発光角は一般に大きく、ビーム角の範囲は30°~140°である。ビーム角が、法線での光度の50%に達する位置で2つの側によって形成される内角として定義され、30°のビーム角は、赤外LEDによって放射される光信号の出射角が15°の場合に、光信号の光強度は赤外LEDの発光中心の光強度の50%であることを意味し、140°のビーム角度は、赤外LEDによって放射される光信号の出射角が70°の場合、光信号の光強度は赤外LEDの発光中心の光強度の50%であることを意味し得る。
【0106】
2.視野(field of view、FOV):視野は画角(angle of view)とも呼ばれ、光学機器のレンズを頂点として用い、検出すべきオブジェクトの画像がレンズを通過できる最大範囲の2つのエッジを用いることにより形成される内角である。視野は、受光素子によって画像を受信するための角度範囲を測定するのに用いられる。
【0107】
本願の実施形態を以下で詳細に説明する。
【0108】
図1は、本願の一実施形態に係る電子装置100の概略構造図である。電子装置100は、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、電子リーダ、ノートブックコンピュータ、車載装置又はウェアラブル装置であり得る。図1では、電子装置の構造を簡潔に説明するために電子装置100が携帯電話である例を用いる。
【0109】
電子装置100はハウジング10及びスクリーンアセンブリ20を含む。ハウジング10は電子装置を保護するように構成され得る。ハウジング10は具体的に中間フレーム及びリアカバーを含み得る。中間フレームは電子装置100の外側に露出したベゼルと、ベゼルによって囲まれた内部パネルとを含み得る。中間フレームは、中間フレームの良好な機械的強度を確かなものにするために金属材料で通常作られている。スクリーンアセンブリ20は内部パネルの上に取り付けられ、リアカバーが内部パネルの下に取り付けられる。ベゼルは、リアカバー及びスクリーンアセンブリ20の周縁を取り囲む。すなわち、スクリーンアセンブリ20及びリアカバーは中央フレームの両側に別々に取り付けられている。ユーザが電子装置100を用いる場合、スクリーンアセンブリ20は通常ユーザに面し、リアカバーはユーザから離れた方に面する。
【0110】
電子装置100は制御モジュール30をさらに含む。制御モジュール30は電子装置100に収容され、中間フレーム、リアカバー及びスクリーンアセンブリ20で覆われている。制御モジュール30は少なくとも1つの通信インターフェイス、バス、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含み得る。少なくとも1つの通信インターフェイス、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリは、バスを介して互いに通信し得る。少なくとも1つの通信インターフェイスはデータを送受信するように構成されている。スクリーンアセンブリ20は、制御モジュール30が駆動回路205内の駆動ユニットを起動して駆動信号をトリガすることができるように、1つ以上の通信インターフェイスに接続され得る。
【0111】
本願のこの実施形態では、電子装置100は指紋認識モジュール40をさらに含む。指紋認識モジュール40は電子装置100に収容され、スクリーンアセンブリ20の下に位置し、中間フレーム、リアカバー及びスクリーンアセンブリ20で覆われている。指紋認識モジュール40は、光信号を収集し、受信した光信号に基づいて指紋画像を生成するように構成され得る。一部の可能な設計では、指紋認識モジュール40はスクリーンアセンブリ20と一体化され、スクリーンアセンブリ20の一部である。すなわち、スクリーンアセンブリ20は指紋認識モジュール40を含み得る。一部の他の可能な設計では、指紋認識モジュール40とスクリーンアセンブリ20とは互いに独立した2つのモジュールであってもよく、スクリーンアセンブリ20は指紋認識モジュール40を含まなくてもよい。これは、本願では限定されない。以下の実施形態では、理解及び説明を容易にすることのみを目的として、指紋認識モジュール40及びスクリーンアセンブリ20は、2つの独立したモジュールとして定義される。
【0112】
指紋認識モジュール40は、指紋画像をプロセッサに送信するために1つ以上の通信インターフェイスに接続され得る。少なくとも1つのメモリはプログラムコードを記憶するように構成されている。プログラムコードは指紋認識のためのコードを含む。少なくとも1つのプロセッサは、前述のアプリケーションプログラムコードを実行するように構成され得る。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、指紋認識を実施するために指紋認識のためのコードを実行することができる。
【0113】
図2は、本願の一実施形態に係る電子装置に用いられるスクリーンアセンブリ20の概略構造図である。図2では、図1に示す電子装置100のスクリーンアセンブリ20の構造がさらに記載されている。スクリーンアセンブリ20は、例えば、カバーガラス(cover glass、CG)201、上側偏光子202、カラーフィルム基板203、液晶(liquid
crystal、LC)層204、駆動回路205、下側偏光子206、光源を提供するための発光ダイオード(LED)230、反射防止膜207、光均一化層208、導光層209、反射膜210及び基板211を含み得る。前述の層は積み重ねて配置される。前述のアセンブリは、例えば、光学的に透明な接着剤(optically clear adhesive、OCA)材料を用いることによって組み立てられ得る。反射膜210及び基板211は、スクリーンアセンブリ20を介して電子装置100内に光が照射されるのを阻止し得る。基板211は、例えば、鉄フレームを含み得る。反射防止膜207、光均一化層208、導光層209、反射膜210、基板211及びLED230は、スクリーンアセンブリ20のための均一な平面光源を提供するために1つのバックライトモジュールを構成し得る。
【0114】
LED230は、光信号を提供するための光源として機能する。導光層209は、LED230から入射する光信号を平面全体に均一に分散させる。光均一化層208は光信号をより均一にする。反射防止膜207は、反射防止膜207によって放出される光信号の透過強度を改善する。
【0115】
液晶層204の両側に積み重ねられた上側偏光子202及び下側偏光子206は、光信号の偏光特性を変化させるように構成されている。液晶層204と下側偏光光206との間に配置された駆動回路205は、液晶層204における液晶が透明又は不透明になるように制御する。すなわち、反射防止膜207から入射した光が液晶層204を通過してスクリーンアセンブリ20の外側の領域に到達し、人間の目によって受けられるようにするかどうかを制御する。
【0116】
駆動回路205上には複数の駆動ユニットが配置され得る。例えば、1つの駆動ユニットは1つ以上の薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)であり得る。駆動ユニットの電源オン状態は、液晶層204における液晶の透明状態を制御するために駆動回路205を制御することによって制御され得る。具体的には、駆動回路205が電源オンになるように駆動ユニットを制御すると、LED230からの光信号が導光層209、光均一化層208、反射防止膜207、下側偏光子206、液晶層204、カラーフィルム基板203、上側偏光子202及びカバー201を通過して、スクリーンアセンブリ20の外側領域に到達し得る。
【0117】
上記で列挙したTFTは駆動ユニットの可能な形態にすぎず、本願に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。
【0118】
図3は、指紋認識モジュールにより指紋情報を取得することの概略図である。図3に示すように、指紋認識モジュール40はスクリーンアセンブリの下に配備され得る。指紋認識モジュール40は指紋情報を取得するために用いられる光信号を提供し、指によって返された光信号を受信して指の指紋情報を取得し得る。スクリーンアセンブリは、例えば、図2に示すスクリーンアセンブリ20であり得るか又は図2に示すスクリーンアセンブリ20とは異なり得る。本願ではこれは限定されない。
【0119】
図3に示すように、指紋認識モジュール40は少なくとも1つのLED401及び少なくとも1つの画像センサ(以下センサと略す)402を含み得る。LED401の発光面は、スクリーンアセンブリ20の下面と反対であり、光信号を発するために用いられる。任意で、LED401は赤外線(infrared、IR)LEDである。もちろん、LED401は比較的強い透過力を有する光信号を提供可能な別の光源であってもよい。本願ではこれは限定されない。センサ402はLEDの一方の側に位置し、センサ402の感光面もスクリーンアセンブリ20の下面と反対であり、光信号を受信するために用いられる。
【0120】
なお、LED401は、比較的強い透過力を有する光信号を提供するように構成され得るため、光信号はスクリーンアセンブリ20を透過して指に到達し、スクリーンアセンブリ20内の前述の反射膜210は、LED401によって放射される光信号に対して大きな反射効果を有さない。より正確には、反射膜210はLED401のために透過モードである。加えて、スクリーンアセンブリ20の底層に位置する基板211は不透明であるため、光信号はスクリーンアセンブリ20の上方の方向に伝搬するのがブロックされ得る。光信号がスクリーンアセンブリ20を透過して指に入射することが予想される場合、光信号がスクリーンアセンブリ20を透過して上方に伝搬することができるようにLED501に対応する位置で開口処理を行ってもよい。同様に、指によって戻された光信号がスクリーンアセンブリ20を透過してセンサ402に到達することが予測される場合、光信号がスクリーンアセンブリ20を透過して下方に伝搬することができるようにセンサ402に対応する位置で開口処理を行ってもよい。
【0121】
開口処理は、スクリーンアセンブリ20の底層の基板211に対して行われるため、LED401に対応する位置におけるスクリーンアセンブリ20の下面は基板211の下面ではなく、基板211が除去された後にスクリーンアセンブリ20の下面に露出される別の層、例えば、図2に示す反射膜210である。したがって、スクリーンアセンブリ20の基板211に対して開口処理を行った後に得られる、スクリーンアセンブリの下面はバックライト面と呼ばれ得る。バックライト面はスクリーンアセンブリ20の底部に位置するため、バックライト面はバックライト底部とも呼ばれ得る。バックライト底部はLED401の上面及びセンサ402の上面と反対である。バックライト底部は、必ずしも全体がスクリーンアセンブリ200の基板で構成されるわけではなく、基板の上の別の層で部分的に構成されている。以下で説明するスクリーンアセンブリ20の下面は前述の説明に基づいて理解され得る。簡略化のために、以下では再度詳細を説明しない。
【0122】
加えて、開口処理については以下で具体的に説明し、ここでは、開口処理の詳細については省略する。
【0123】
以下では、本願のこの実施形態で提供される指紋認識モジュール40が指紋情報を取得する特定のプロセスを簡潔に説明する。
【0124】
指がスクリーンアセンブリ20上に置かれると、LED401からの光信号がスクリーンアセンブリ20を介して指に照射される。光信号の一部は、指の皮膚表面を通って伝搬するために指の内部に入り、光信号は散乱、屈折等によって指の内部で伝搬し得る。指の内部で伝搬する光信号のうちの、光信号の一部は、皮膚表面の屈折及び散乱を介してスクリーンアセンブリ20に戻り、最終的にセンサ402に到達する。指の指紋は隆線(又は稜線とも呼ばれる)及び谷(又は谷線とも呼ばれる)を含み、センサ402に到達する光信号は輝度差を生成し得る。したがって、指の指紋が抽出され得る。例えば、センサ402に到達するより明るい光信号は指の隆線に対応し、センサ402に到達するより暗い光信号は指の谷に対応し得る。したがって、センサ402によって読み取られた光信号は指によって戻された光信号であり、光信号は、LED401によって指の内部に放射され、指の内部で伝搬した後に屈折及び散乱された光信号を主に含み得る。もちろん、光信号は、LED401によって指の表面に放射された後で反射される光信号の一部をさらに含み得る。
【0125】
スクリーンアセンブリ20の上面にあり、指によって戻された光信号(例えば、光信号は、上記屈折光、散乱光及び反射光を含み得る)を受信するために用いられる領域は画像捕取り込み領域と呼ばれ得る。すなわち、指によって戻された光信号は、スクリーンアセンブリ20の上面上の画像取り込み領域を介してスクリーンアセンブリ20に入り、センサ402に到達し得る。センサ402に到達する光信号は指紋情報を得るために用いられ、指紋情報を得るために用いられる光信号は、指紋画像を生成するために電気信号に変換され得る。指紋画像は指紋情報の表現形式である。指紋画像は、指紋認識を実施するために、例えば上記の図1に示す制御モジュール30内の少なくとも1つのプロセッサに送られ得る。
【0126】
以下の説明を簡単にするために、LEDによって指の内部に放射され、指の内部を伝播した後に散乱及び屈折される光信号及びLEDによって指の表面に放射され、指の表面で反射される光信号をまとめて指紋光信号と呼ぶ。単純に、指紋光信号は指紋情報を運ぶ光信号である。指紋光信号は、指紋画像を生成するために指紋情報を得るために用いられ得る。指紋光信号がスクリーンアセンブリを介して下方に伝搬されると、指紋光信号は界面で反射され、光信号の一部が失われることが理解されよう。すなわち、指の表面によって戻された全ての光信号が必ずしもセンサに到達するわけではない。しかしながら、センサによる指紋光信号の収集は影響を受けない。
【0127】
図3に示す画像取り込み領域は理解を容易にするためのものにすぎず、画像取り込み領域の寸法に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。指紋情報を収集するプロセスにおいて、指の指紋情報を正確に得るために指の表面が画像取り込み領域と接触し得る。
【0128】
加えて、理解を容易にするために、図3は、画像取り込み領域、センサ402及びLED401の間の相対位置関係と、LED401によってスクリーンアセンブリ20に光信号(例えば、図3の(a)の光信号a)が放射され、指内で伝搬された後にスクリーンアセンブリ20に戻され、次いでセンサに放射される光路とを概略的に示す。上述のように、センサ402によって受信される光信号は指によって戻される光信号であり、とりわけ、LED401によって指の内部に放射され、指の内部を伝搬した後に屈折及び散乱する光信号と、LED401によって指の表面に放射された後に反射される光信号とを含み得る。図3の(a)に示す光信号aは指紋光信号の一例である。図に示すように、光信号aは、指の表面によって屈折した後に指の内部に入る。指の内部で散乱が生じた後に、光信号の一部はスクリーンアセンブリ20に戻り、スクリーンアセンブリ20上の画像取り込み領域に入る光信号の大部分がセンサに到達し、指紋画像が生成される。
【0129】
図3の(a)は、LEDによって指の内部に光信号が放射され、伝搬された後に指によって戻される光路の方向を概略的に示しているにすぎないことを理解すべきである。この用途は、光信号の実際の伝搬経路、指の内部に入射する光信号の数等に対する限定をなす。加えて、簡潔にするために、図3の(a)では、LEDによって光信号aが指の表面に放射されてセンサへと反射される光路の方向を示していない。しかしながら、これは、本願に対する制限をなすものではない。
【0130】
任意で、指紋認識モジュール40は、少なくとも1つのレンズ403をさらに含む。少なくとも1つのレンズ403は、例えば、3ピースレンズ(3piece lens、3pレンズ)を含み得る。本明細書におけるレンズは、例えば凸レンズであり得る。少なくとも1つのレンズ403は、センサ402とスクリーンアセンブリ20との間に配置され得る。少なくとも1つのレンズ403の撮像中心は、センサ402の感光面上のアクティブエリア(active area、AA)の中心と一致する。少なくとも1つのレンズ403は指紋光信号を受信するように構成されてもよく、光信号は少なくとも1つのレンズ403によって収束された後にセンサ402に到達する。したがって、少なくとも1つのレンズ403はセンサ402とスクリーンアセンブリ20との間に配置されるため、光信号を収束してセンサ402に入れることができるため、指紋画像の精細度が改善される。
【0131】
理解を容易にするだけのために、図3は1つの凸レンズを概略的に示していることを理解すべきである。しかしながら、これは、本願に対する限定をなすものではない。本願では、少なくとも1つのレンズ403に含まれるレンズの数及び種類は限定されない。加えて、理解を容易にするために、図3は、破線を用いることにより、レンズ403の視野と、視野の方向に沿ってスクリーンアセンブリ20に入射する光信号が到達できる領域とを示す。
【0132】
LED401によって光信号が放射され、スクリーンアセンブリ20を用いることにより外方に伝搬されるプロセスにおいて、光信号は界面を介して放射され得る。例えば、光信号はスクリーンアセンブリ20のカバーガラス201で反射され得る。別の例では、光信号はスクリーンアセンブリ20内の界面で反射され、例えば、下側偏光子206及び反射防止膜207との間の界面で反射される。反射光は、比較的大きな入射角により画像取り込み領域に入射し得るか又は界面での複数の反射を介して画像取り込み領域に入射し得ることにより、指紋情報の取得を妨げる。
【0133】
例えば、図3の(b)に示す光信号bの場合、光信号bがスクリーンアセンブリ20のカバーガラス201の上面で反射されると、光信号bの入射角は比較的大きいことから、反射光信号が画像取り込み領域に入射する。反射光信号の光強度は比較的大きく、センサ402で強い光漏れが起こり得る。
【0134】
図4は、反射光信号が画像取り込み領域に入射した場合にもたらされる光漏れ現象を示す。図4は、スクリーンアセンブリ20の上のテストターゲットがLED401から光信号を受信した後に得られる概略図である。光信号の一部はスクリーンアセンブリ20上で反射されるが、スクリーンアセンブリ20を透過してテストターゲットに到達することができないため、光漏れ現象が起こる。図4から、光漏れは、テストターゲット上の画像の部分的な露光過多をもたらし、画像内にあり、指紋情報を認識するために用いられる領域が部分的に失われることが分かる。その結果、指の指紋の各領域に関する情報を得ることを助長せず、指紋情報の収集が影響を受ける。
【0135】
本願のこの実施形態では、説明を容易にするために、スクリーンアセンブリの表面及びスクリーンアセンブリ内の層間の界面によって反射された後にセンサに到達する光信号を迷光と呼ぶ。迷光は、指によって戻されてセンサに到達する光信号に干渉し、指紋情報の取得に影響を及ぼし、指紋画像の精細度に影響を及ぼす。その結果、指紋認識効果が影響を受け得る。本明細書に記載の反射とは1回の反射に限定されず、一部の光信号は複数の反射を介してセンサに到達し得ることを理解すべきである。下記の図17に示すように、これらの光信号も迷光の一部である。
【0136】
これに鑑み、本出願は迷光からの干渉を低減することにより指紋情報への影響を低減し、指紋画像の精細度を改善する指紋認識モジュールを提供する。
【0137】
添付の図面を参照しながら、本願のこの実施形態で提供される指紋認識モジュールを以下で詳細に説明する。本願で提供される指紋認識モジュールは、上記の図2に示すLCDスクリーンに限定されず、代替的にOLEDスクリーンに適用され得ることを理解すべきである。すなわち、本願のこの実施形態で説明するスクリーンアセンブリはLCDスクリーンであってもいいし、OLEDスクリーンであってもよい。指紋認識モジュールの適用範囲は本願では限定されない。
【0138】
図5は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールの概略図である。図5は、指紋認識モジュール50を具体的に示す。指紋認識モジュール50は、少なくとも1つのLED501、少なくとも1つのセンサ502及び少なくとも1つの遮光部材を含み得る。図は一例にすぎず、1つのLED501、1つのセンサ502及び1つの遮光部材504を示していることを理解すべきである。しかしながら、これは、本願に対する限定をなすものではない。LED、センサ及び遮光部材の数は本願では限定されない。
【0139】
具体的には、LED501の発光面は、スクリーンアセンブリ20の下面と反対であり、スクリーンアセンブリ20の方向に光信号を放射するために用いられる。センサ502は、LED501の一方側に位置する。センサ502の感光面はスクリーンアセンブリ20の下面と反対であり、光信号を受信するために用いられ得る。センサ502によって受信された光信号は、LED501によって指に放射された後に指紋画像を生成するために戻った指紋光信号を含み得る。理解を容易にするために、図5は、破線を用いることにより、センサ502の視野と、視野の方向に沿ってスクリーンアセンブリ20に入射する光信号が到達できる領域とを示す。
【0140】
遮光部材504はLED501の近くの領域に配置される。遮光部材504は、LED501によって放射される光信号の一部をブロックするために、LED501とセンサ502との間に部分的又は全体的に位置する。図5は、遮光部材504がLED501とセンサ502との間に全体的に位置する例を示す。しかしながら、これは、本願に対する限定をなすものではない。例えば、下記の図9及び図11図17の全ては、遮光部材504がLED501とセンサ502との間に部分的に位置する概略図である。
【0141】
遮光部材504は、LED501の近くの領域に配置され、LEDによって放射される角度が大きい出射光がブロックされるため、スクリーンアセンブリ20の表面上で少なくとも1回反射されることを介してセンサ502に到達する迷光が低減される。このように、指紋光信号に対する迷光からの干渉を低減できる。すなわち、指紋情報に対する迷光からの干渉が低減されるため、指紋画像の精細度を改善できる。
【0142】
前述の設計に基づいて、LED501の発光中心及びセンサ501のAAの中心を通過する平面上では、LED501によって放射される光信号の出射角は、上記で予め定義された角度θ以下である。すなわち、LED501の発光中心及びセンサ501のAAの中心を通過する平面上では、遮光部材504は、LED501によって放射され、その出射角がθよりも大きい光信号をブロックするように構成され得る。すなわち、LED501の発光中心及びセンサ501のAAの中心を通過する平面上では、LED501によって放射され、遮光部材504によってブロックされる光信号の最大出射角はθである。
【0143】
任意で、予め定義された角度θはLED501のビーム角2γの半分に近い値を取り得る。すなわち、予め定義された角度θはγであり得るか又はγに近い値であり得る。LEDランプの放射強度は出射角に関係する。したがって、具体的には、最大出射角θがγよりも大きい範囲内の値をとる場合、より多くの光信号が含まれ得る。すなわち、より多くのエネルギーが含まれ得る。しかしながら、最大出射角θが比較的大きい場合、(下記で示す中心距離Lの算出する式から分かり得るように)画像センサとLEDとの距離が長くなり、画像センサによって受け取られるエネルギーが減少する。最大出射角θがγ以下の範囲内にある場合、画像センサによって受け取られるエネルギーの損失は低減され得るが、指に到達するエネルギーは減少し得る。したがって、遮光部材の位置及び形状は、LEDの発光中心及び画像センサのAAの中心を通過する平面上で、光信号の最大出射角θがγ又はγに近い値に設計されるように設計され得る。このように、指に到達するエネルギーと画像センサに到達するエネルギーとのバランスが実現されるため、指紋画像の精細度を大幅に改善できる。
【0144】
光源の放射強度と出射角との間の関係及びビーム角の関連する説明は上記で詳細に説明されていることを理解すべきである。簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。
【0145】
加えて、下記で説明するLEDの最大出射角は、LEDによって放射される光信号が遮光部材によってブロックされた後で到達できる出射角の最大値であり得る。簡潔にするために、以下では、同じ又は同様のケースの説明を省略する。
【0146】
なお、図5に示すLED501の上面はスクリーンアセンブリ20の下面と反対である。すなわち、LED501の上面は発光面である。センサ502の上面はスクリーンアセンブリ20の下面と反対である。すなわち、センサ502の上面は感光面である。以下の実施形態では、LEDの上面を説明する場合、上面をLEDの発光面と見なされ、センサの上面を説明する場合、上面をセンサの感光面と見なされ得る。
【0147】
任意で、指紋認識モジュール50は少なくとも1つのレンズをさらに含み、少なくとも1つのレンズは、スクリーンアセンブリ20とセンサ502との間に位置し、少なくとも1つのレンズの撮像中心はセンサ502のAAの中心と一致する。少なくとも1つのレンズは光信号を受信するように構成されてもよく、光信号は、少なくとも1つのレンズによって収束された後でセンサ502に到達する。すなわち、少なくとも1つのレンズは1つのセンサと協働で用いられ得る。
【0148】
可能な設計では、センサ及び少なくとも1つのレンズはレンズモジュールとして定義され得る。すなわち、レンズモジュールはセンサを含む。別の可能な設計では、少なくとも1つのレンズはレンズモジュールとして定義され得る。すなわち、レンズモジュール及びセンサは別々に定義される。本願では、センサ及び少なくとも1つのレンズはレンズモジュールとして定義される。しかしながら、これは定義の違いに過ぎず、本願に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。
【0149】
上述のように、少なくとも1つのレンズは、比較的高精細な指紋画像を得るために光を収束するように構成されている。すなわち、指紋認識モジュールがレンズを含まない場合でも、センサは受信した光信号に基づいて指紋画像を生成し得る。したがって、指紋認識モジュールは少なくとも1つのレンズを含まず、センサのみを含み得る。以下の添付の図面を参照した複数の実施形態は例示にすぎない。指紋認識モジュールがレンズモジュールを含む例を用いて、指紋認識モジュールの複数の概略図を示す。指紋認識モジュールが少なくとも1つのレンズを含まない場合、レンズモジュールは、別段記載が限り、下のセンサで置き換えてもよい。
【0150】
本願のこの実施形態で提供される指紋認識モジュールをより明確に説明するために、図6のいくつかの例を参照して指紋認識モジュールを以下でさらに説明する。
【0151】
図6は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールの別の概略図である。図6は、指紋認識モジュール50のいくつかの例を具体的に示す。具体的には、指紋認識モジュール50は、少なくとも1つのLED501、少なくとも1つのレンズモジュール505及び少なくとも1つの遮光部材504を含み得る。各レンズモジュール505は、1つのセンサ502及び少なくとも1つのレンズ503を含み得る。少なくとも1つのLED501、少なくとも1つのレンズモジュール505及び少なくとも1つの遮光部材504については、図5を参照して上述の関連する説明を参照されたい。理解を容易にするために、図6は、破線を用いることによって、レンズモジュール505内のレンズ503の視野と、視野の方向に沿ってスクリーンアセンブリ20に入射する光信号が到達できる領域とを示す。
【0152】
LED501は光源を提供するように構成され得る。LED501の発光面は、スクリーンアセンブリ20の下面と反対であり、スクリーンアセンブリ20に面する方向に光信号を放射するために用いられ得る。任意で、LED501は赤外線LEDである。LED501は光信号を放射し、光信号はスクリーンアセンブリ20を透過して指に到達し得る。レンズモジュール505は、LED501の一方側に位置する。レンズモジュール505内の少なくとも1つのレンズ503は指紋光信号を受信するように構成され、光信号は、少なくとも1つのレンズ503によって収束された後でセンサ502に到達する。したがって、単純に、センサ502は指紋光信号を受信するように構成され得る。遮光部材504はLED501の近くに配置され得る。遮光部材504の一方の側面はLED501に面し、他方の側面はレンズモジュール505に面する。LED501に面する側面は、LED501によって放射された光信号の一部を吸収するために用いられ得る。具体的には、遮光部材504の、LED501に面する側面は、予め定義された角度(すなわち、上記θ)よりも大きな出射角の光信号を吸収するように設計されている。区別及び説明を容易にするために、遮光部材504の、LED501に面する側面を第1の表面と表記し、予め定義された角度θよりも出射角が大きい光信号を大角出射光と表記する。
【0153】
任意で、遮光部材504の第1の表面は光吸収材料で被覆されている。あるいは、任意で、遮光部材504は光吸収材料でできている。遮光部材504の、LED501に面する表面が光吸収機能を有するならば、特定の調製プロセス及び遮光部材504の材料は本願では限定されない。
【0154】
本願のこの実施形態では、指紋認識モジュール50は、1つのLED501及び1つのレンズモジュール505を含む。遮光部材504は、出射角が予め定義された角度よりも大きく、レンズモジュール505に近い光信号を吸収して、LED501からの大角度出射光を低減することにより、スクリーンアセンブリ20によって反射された後で光信号がレンズモジュール505に到達した場合に、大量の光信号が指紋光信号に干渉するのが防止されるように設計され得る。したがって、遮光部材504は、LED501の大角出射光をある方向(例えば、レンズモジュール505に近い方向)でブロックするように設計され得るか又はLED501の大角出射光の一部をブロックするように設計され得る。あるいは、遮光部材504は、LED501の大角出射光を全ての方向でブロックするように設計され得るか又はLED501の全ての大角出射光をブロックするように設計され得る。
【0155】
図6の(a)~(c)は遮光部材504のいくつかの例を示す。図6に示す遮光部材504は、センサ502に近い方向でLED501の大角出射光をブロックするように構成され得る。したがって、遮光部材504は、平板、アーク板等の形状であり得る。図6の(a)~(c)を参照して、LED501と遮光部材504との相対位置関係を以下で別々に説明する。
【0156】
理解及び説明を容易にするために、図6の(a)及び(b)のパラメータを先ず次のように定義する:遮光部材504の下面とLED501の上面との間の距離はh1であり、遮光部材504の高さはh2であり、LED501の発光中心と遮光部材504の第1の表面との間の距離はw1であり、LED501の、レンズモジュールに近い方の側面と遮光部材501の第1の表面との間の距離はw2である。
【0157】
図6の(a)では、遮光部材504の第1の表面はLED501の上面に対して垂直である。遮光部材504は、LED501の上面の上方の領域に位置する。遮光部材504の下面とLED501の上面との間には間隔、すなわち、上記のh1がある。間隔h1は、遮光部材504がLED501の上面に衝突して、LED501を損傷するのを防止するために、信頼性に基づいて設計され得る。したがって、間隔h1は、安全回避距離h以上であり得る。
【0158】
上述のように、LEDランプの放射強度は出射角に関係する。本願のこの実施形態では、LED501によって放射される光信号が到達可能な最大出射角θが、LEDのビーム角γの半分近くになるように制御することが考えられ得る。例えば、2γ=30°の場合、最大出射角θは15°である。
【0159】
予め定義された値θのサイズは人為的に定義され得ることを理解すべきである。本願に記載のθ=15°は一例にすぎず、本願に対する限定をなすものではない。LED501によって放射される光信号の最大出射角が制御されるため、LED501によって放射される光信号のうちのスクリーンアセンブリ20の下面に到達する光信号は、比較的小さな範囲内に制御され得る。このように、出射角が比較的大きい光信号は、スクリーンアセンブリ20に放射された後にレンズモジュール505へと反射されるのが防止される。
【0160】
最大出射角に対する前述の制御に基づいて、遮光部材504の高さh2がさらに設計され得る。図6の(a)では、w1/tanθ=h2+h1である。したがって、遮光部材の高さはh2=w1/tanθ-h1を満たすと判定され得る。
【0161】
図6の(b)では、遮光部材504の第1の表面はLED501の上面に対して垂直である。遮光部材504は、LED501の一方の側に位置し、遮光部材504の第1の表面とLED501の側面との間に間隔が確保されている。間隔の最小値は上記のw2であり、LED501の形状は本願では限定されないため、本明細書ではw2を最小距離と呼ぶ。例えば、LED501の形状は円筒状、立方体、直方体又は他の不規則な形状であり得る。LED501の、センサ502に近い側面が平面である場合、例えばLED501の形状が立方体又は直方体である場合、側面と第1の平面との間の距離は固定、すなわちw2である。LED501の、センサ502に近い側面が平面でない場合、例えばLED501の形状が円筒状である場合、第1の表面と、センサ502に近いLED501の側面上の様々な位置での点との間の距離は異なり得る。この場合、w2は、LED501の、センサ502に近い側面と遮光部材501の第1の表面との間の最小距離と定義され得る。
【0162】
最小距離w2は、遮光部材504がLED501の側面に衝突して、LED501を損傷するのを防止するために、信頼性に基づいて設計され得る。したがって、間隔w2は、安全回避距離h以上であり得る。
【0163】
最大出射角に対する前述の制御に基づいて、遮光部材504の高さh2がさらに設計され得る。図6の(b)では、w1/tanθ=h2-h1である。したがって、遮光部材の高さはh2=w1/tanθ+h1を満たすと判定され得る。
【0164】
図6に示す(a)及び(b)は、LED501と遮光部材504との間の相対位置関係の2つの可能な設計にすぎず、本願に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。
【0165】
例えば、遮光部材504の第1の表面は必ずしもLED501の上面に対して垂直である必要はない。図6の(c)に示すように、スクリーンアセンブリに垂直な方向における遮光部材504の断面(例えば、yoz平面上)の形状で台形であり得る。すなわち、遮光部材504の第1の表面とLED501の上面との間に90°未満の傾斜角がある。遮光部材504の第1の表面がLED 501の上面に対して垂直でない場合でも、遮光部材504とLED501との間の安全回避距離を考慮する必要がある。図6の(c)に示す遮光部材504の第1の表面は、LED501の、レンズモジュール505に近い側縁部に衝突し得るため、側縁部と第1の表面との間の最小距離は、安全回避距離以上になるように設計され得る。
【0166】
遮光部材504の第1の表面とLED501の上面との間には90°未満の傾斜角があるため、第1の表面上の異なる位置とLED501の発光中心との間の距離は異なる。遮光部材504の第1の表面と上面との間の交差線は、LED
501の上面又はLED501の上面の延長面に投影され、発光中心と投影面との間の距離は、例えばw3と表記され得る。この場合、w3/tanθ=h2-h1である。したがって、h2=w3/tan+h1であると判定され得る。
【0167】
遮光部材504の第1の表面と図6の(c)に示すLED501との間の相対位置関係は一例に過ぎず、本願に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。例えば、遮光部材504の上面は、代替的にLED501の上面の上に位置し得る。この場合、w3/tanθ=h2+h1となる。したがって、h2=w3/tan-h1であると判定され得る。この場合、h2は安全回避距離h以上である必要がある。
【0168】
なお、上記で示すw1とh2との関係及びw3とh2との関係から、w1又はw3の値が大きいことは、h1の値が大きく、遮光部材の容積が大きいことを示すことが分かるであろう。しかしながら、遮光部材の体積は電子装置内の使用可能な空間によって制限される。したがって、遮光部材とLEDとの相対位置関係は使用可能な空間に基づいて設計され得る。
【0169】
図6の(a)~(c)は、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向における遮光部材504の断面の例のみを示すものであることをさらに理解すべきである。遮光部材504の形状は本願では限定されない。
【0170】
図7は遮光部材504の断面図及び上面図を示す。
【0171】
図7の(a)は、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向における遮光部材504の断面図を示す。具体的には、図には、yoz平面上の遮光部材504の断面図を示す。図に示すように、yoz平面上の遮光部材504の断面形状は、矩形、正方形、段付き、台形等であり得る。簡潔にするために、ここでは例を1つずつ列挙しない。しかしながら、yoz平面上の遮光部材504の断面形状にかかわらず、LED501の最大出射角は、遮光部材504の上面と第1の表面との間の交点の位置に基づいて決定され得ることが分かるであろう。
【0172】
図7の(b)は、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向に下方に見た遮光部材504の上面図を示す。図示のように、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向に下方に見た場合、遮光部材504は、正方形、長方形、円弧形等であり得る。簡潔にするために、ここでは例を1つずつ列挙しない。
【0173】
LEDの最大出射角に対する前述の制御に基づいて、センサ502とLED501との間の相対位置関係がさらに設計され得る。上述のように、センサ502は、スクリーンアセンブリ20からの反射光を受け取ることを予期していないため、センサ502は、LED501から可能な限り遠くに配置され得る。しかしながら、センサ502とLED501との間の距離が過度に長いと、受信された指紋光信号の強度が比較的弱くなる。したがって、センサ502とLED501との間の距離は、指紋光学信号の強度と迷光の量とのバランスが実現されるように決定され得ることが期待される。
【0174】
図8は、レンズモジュール505とLED501との相対位置関係をさらに示す。簡潔にするために、レンズモジュール505は図8に全体として示され、少なくとも1つのレンズ503及びセンサ502は別個に示されない。図8は具体的にレンズモジュール505とLED501との間の中心距離L’と各パラメータとの関係を示す。中心距離L’は具体的にLED501の発光中心とレンズモジュール505内のレンズの撮像レンズの中心との間の距離であり得る。Lは理解を容易にするためだけに定義されていることを理解すべきである。同じ概念に基づいて、当業者は、L’の定義に対して同等の置換又は数学的変換を行い得る。これらの置換又は数学的変換は本願の保護範囲に含まれるものとする。
【0175】
区別及び説明を容易にするために、LED501の上面とスクリーンアセンブリ20の下面との間の距離はhであると仮定する。レンズモジュール505内のレンズの撮像レンズの表面上の出光孔の直径(又はクリアアパーチャと呼ばれる)はCAである。レンズモジュール505内のレンズの撮像レンズのFOVは2αである。レンズの表面上の出光孔が位置する表面とスクリーンアセンブリ20の下面との間の距離はt’である。スクリーンアセンブリ20の上面と下面との間の距離はdである。LED501によって放射された光信号がスクリーンアセンブリ20の下面に到達する最大入射角はLED501の最大出射角に関連する。この実施形態では、LED501の最大出射角はθであり、LED501によって放射された光信号がスクリーンアセンブリ20の下面に到達する最大入射角はθである。光信号はスクリーンアセンブリ20に入った後に屈折するため、光信号がスクリーンアセンブリ20の上面に到達する入射角は変化し、例えばθ’と表記される。加えて、レンズモジュール505内のレンズの撮像レンズのFOVは2αであるため、スクリーンアセンブリ20の下面から放射された光信号がレンズモジュール505に到達する最大入射角はαである。異なる媒体における光信号の屈折現象のために、光信号がスクリーンアセンブリ20の上面から下面に入射する入射角はαとは異なり、例えばα’と表記される。すなわち、α’は光信号がスクリーンアセンブリの表面上で屈折した場合の出射角αに対応する入射角を表す。なお、レンズモジュール505が複数のレンズを含む場合、レンズモジュール505内のレンズの撮像レンズの表面上の出光孔は、例えばスクリーンアセンブリ20に最も近いレンズの撮像レンズの表面上の出光孔であり得る。スクリーンアセンブリ20がレンズモジュール505の上に位置する場合、スクリーンアセンブリ20に最も近いレンズは、レンズモジュール505に含まれる複数のレンズのうちの最も上にあるレンズであり得る。スクリーンアセンブリ20に最も近いレンズの撮像レンズの表面上の出光孔は、レンズモジュール505内のレンズの撮像レンズの表面上の出光孔であるとの定義は、可能な実施にすぎず、本願に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。
【0176】
レンズモジュール505がスクリーンアセンブリ20から光信号を受信し得る臨界点は、LED501によって放射された光信号が入射角θでスクリーンアセンブリ20に入射し、入射角θでレンズモジュール505に入射するというものである。すなわち、LED501によって放射された光信号がθ未満の入射角でスクリーンアセンブリ20に入射するか又はα未満の出射角でスクリーンアセンブリ20から放射される場合、レンズモジュール505は光信号を受信することができない。
【0177】
すなわち、L’≧tanθ+d×tanθ’+d×tanα’+t’×tanα+CA/2である。
【0178】
前述の式の右側のパラメータが決定された後の計算によって得られる値は、レンズモジュール505とLED501との間の中心距離の臨界値であることが理解され、例えば、L’と表記される。
【0179】
さらに、システム許容誤差を考慮した場合、LEDの発光中心とイメージセンサのAAの中心との間の距離LはL’≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanα’+t’×tanα+CA/2+Δを満たし、Δはシステム許容誤差を表す。
【0180】
システム許容誤差Δは、例えば経験値であってもいいし、システムの寸法(システムは、本願のこの実施形態における指紋認識モジュールであり得る)、電子装置内のアセンブリ位置、アセンブリ部材間の協調関係等に基づいて決定してもよい。本願では、システム許容誤差Δの特定の値及び決定方法は限定されない。
【0181】
上述したように、レンズモジュール505が受信することを予期する光信号は指によって返される光信号、例えば、LED501によって指の内部に放射され、指の内部で伝搬した後に屈折及び散乱する光信号及びLED501によって指の表面に放射され、指の表面で反射される光信号である。レンズモジュール505は、スクリーンアセンブリ20の上面及び下面並びにスクリーンアセンブリ20の内部の断面から放射される光信号を受信することを予期していない。これらの光信号は上記の迷光であり、指紋情報の収集に対して干渉をもたらす。
【0182】
理解を容易にするために、図8の(a)、(b)及び(c)を参照して、中心距離L’が臨界値L'と等しい場合、小さい場合及び大きい場合の指紋情報に対する異なる影響を以下で詳細に説明する。図8では、区別及び説明を容易にするために、指紋情報を得ることができる光信号aを細線を用いて示し、指紋情報を得ることができない光信号bを太線を用いて示す。光信号a及び光信号bは一例にすぎず、光信号の量、伝搬経路及び強度に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。加えて、理解を容易にするために、図8は、破線を用いることによって、レンズモジュール505内のレンズの視野と、視野の方向に沿ってスクリーンアセンブリ20に入射する光信号が到達可能な領域を示す。
【0183】
加えて、比較を容易にするために、図中の(a)、(b)、(c)では同じLED501、同じ遮光部材504、同じレンズモジュール505及び同じスクリーンアセンブリ20が用いられる。他のコンポーネントの相対位置は、レンズモジュール505が移動する以外は変化しない。比較を容易にするために、図中のLED501の発光中心を基準として用い、破線を用いて基準を示す。
【0184】
図8の(a)は、LED501の発光中心とレンズモジュール505の撮像中心との間の中心距離L’が臨界値L’に等しい場合を示す。図に示すように、レンズモジュール505の一方側に近い光信号が遮光部材504を用いることによりブロックされた場合、図に示す光信号cは、遮光部材504から放射可能な最大出射角を有する光信号であり、光信号の出射角はθである。中心距離L’が臨界値L’である場合、光信号cは、スクリーンアセンブリ20によって反射された後にレンズモジュール505における最大入射角αに厳密に沿ってレンズモジュール505に入射する。
【0185】
レンズモジュール505とLED501との間の中心距離が臨界値L’より小さい場合、レンズモジュール505によって受け取られる迷光の量は増加する。レンズモジュール505とLED501との間の中心距離L’が臨界値L’よりも小さい場合、例えば、図8の(b)の破線で示すようにレンズモジュール505がLED501に近づく方向に移動した場合、レンズモジュール505のレンズ面が左の方に移動するため、対応する画像取り込み領域も左の方に移動する。本来、画像取り込み領域に入射しない反射光が画像取り込み領域に入射するため、本来、レンズ面に入射しない反射光がレンズ面に入射する。図示の光信号cに加えて、出射角がθ未満のより多くの光信号がスクリーンアセンブリ20によって反射された後にレンズモジュール505に到達し得る。すなわち、LED501によってスクリーンアセンブリ20に放射された後で反射された光信号(すなわち、上記の迷光)の一部は、レンズモジュール505に入射することができる。レンズモジュール505とLED501との間の中心距離が臨界値L’以上である場合、これらの光信号は撮像レンズの外に位置し、レンズモジュール505によって受信されない。しかしながら、レンズモジュール505とLED501との間の中心距離が減少すると、これらの光信号は撮像レンズの範囲に入り、レンズモジュール505によって受信される。したがって、レンズモジュール505とLED501との間の中心距離L’が臨界値L’よりも小さい場合、レンズモジュール505が受け取る迷光の量は増加する。
【0186】
レンズモジュール505とLED501との間の距離が臨界値L’よりも大きい場合、レンズモジュール505によって受け取られる迷光の量は減少し得る。レンズモジュール505とLED501との間の中心距離L‘が臨界値L’よりも大きい場合、例えば、図8の(c)の破線で示すように、レンズモジュール505がLED501から離れる方向に移動した場合、レンズモジュール505のレンズ面が右の方に移動するため、対応する撮像捕捉領域も右の方に移動する。この場合、出射角がθの光信号(例えば、図中の光信号c)は画像取り込み領域に入ることができないため、レンズモジュール505によって光信号が受信される確率は低い。したがって、レンズモジュール505とLED501との間の中心距離L‘が臨界値L’よりも大きい場合には、レンズモジュール505によって受け取られる迷光の量は減少し得る。しかしながら、図示の光信号cに加えて、出射角がθよりも小さいより多くの光信号は指によって返された後に画像取り込み領域に入ることができない可能性があるため、光信号が投影モジュール505によって受信される確率は低い。したがって、レンズモジュール505によって受信される指紋光信号も減少し、光強度が弱まる。したがって、レンズモジュール505とLED501との距離が過度に長いと、センサによって収集される指紋光信号が減少し、指紋画像の精細度が影響を受け得る。
【0187】
上記に鑑み、レンズモジュール505とLED501との間の中心距離L’は臨界値L’以上になるように設計され得る。
【0188】
以下で特定の実施形態を提供する:
h=1mm、2θ=30°、θ’=9.93°、CA=2.45mm、t’=0.8mm、d=1.956mm、2α=123°、α’=35.86°及びΔ=1mm。
【0189】
パラメータを上記式代入すると、
L’≧1×tan15°+1.956×tan9.93°+1.956×tan35.86°+0.8×tan61.5°+2.45/2+1が得られ得る。
【0190】
上記計算からL’≧5.72mmであることが分かり得る。すなわち、レンズモジュール505とLED501との間の中心距離L’の臨界値L’は5.72mmである。すなわち、レンズモジュール505とLED501との間の最小中心距離L’は5.72mmであり得る。
【0191】
上記で列挙した各パラメータの値は理解を容易にするための例にすぎず、本願に対する限定をなすものではないと理解すべきである。本願では、各パラメータの特定の値は限定されない。
【0192】
前述の設計に基づいて、遮光部材504は大角出射光の一部を吸収するため、スクリーンアセンブリ20によってレンズモジュール505へと反射される迷光を減らすことができる。したがって、指紋情報への干渉を低減できるため、比較的高精細な指紋画像を得ることができる。とりわけ、光強度が比較的強い迷光を減らすことができ、光漏れを回避でき、露光面積を減らすことができるため、比較的大きな有効面積を有する指紋画像を得ることができる。したがって、全体として、完全で明瞭な指紋画像を得ることにより、指紋認識効率が改善されるため有利である。
【0193】
なお、上記の中心距離L’の決定は、指紋認識モジュールが少なくとも1つのレンズを含むと仮定した場合に設計される。上述のように、指紋認識モジュールは必ずしも少なくとも1つのレンズを含まない。この場合、中心距離Lは、LEDの撮像中心とセンサのAAの中心との間の距離として定義され得る。加えて、中心距離LはL≧h×tanθ+d+tanθ’+d×tanβ’+t×tanβを満たし、tはセンサの感光面とスクリーンアセンブリ20の下面との間の距離を表し、βはセンサのFOVであり、β’は光信号がセンサに到達する入射角がβの場合にスクリーンアセンブリの下面上での光信号の入射角を表し、スクリンアセンブリの下面により光信号が放射される。
【0194】
システム許容誤差を考慮した場合、LEDの発光中心とセンサのAAの中心との間の距離Lは、L≧h×tanθ+d×tanθ’+d×tanβ’+t×tanβ+Δを満たし、Δはシステム許容誤差を表す。
【0195】
もちろん、少なくとも1つのレンズは、別のコンポーネント又はコンポーネントの組み合わせで置き換えられ得る。この場合、上述の中心距離の定義はそれに応じて変更されてもよく、中心距離L’の計算式におけるα、α’、t及びCAの値及び定義もそれに応じて変更され得る。
【0196】
上述のように、遮光部材504は代替的にLED501の大角出射光を全方向でブロックするように設計され得る。図9は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールの別の概略図である。図9に示す遮光部材504は、LED501の大角出射光を全ての方向でブロックし得る。理解を容易にするために、図9は、破線を用いることによって、レンズモジュール505内のレンズの視野と、視野の方向に沿ってスクリーンアセンブリ20に入射する光信号が到達可能な領域と、LED501によって放射される光信号によって到達可能な最大出射角と、最大出射角の方向に沿ってスクリーンアセンブリ20に入射する光信号が到達可能な領域とを示す。
【0197】
具体的には、遮光部材504は光貫通孔(又は出光孔と呼ばれる)を有する機械部品であり得る。光貫通孔の孔壁はLED501によって放射された光信号を取り囲んで、LED501によって放射された出射光の一部をブロックする。例えば、遮光部材504は円筒状でもよく、遮光部材504の内面は円筒、斜円筒、楕円円筒、逆漏斗、立方体、直方体、六角形、台形、段付き円筒、段付き斜円筒、段付き楕円筒、段付逆漏斗、段付き立方体、段付き直方体、段付き六角形又は段付き台形を形成し得る。簡潔にするために、ここでは例を1つずつ列挙しない。本明細書の遮光部材504の光貫通孔の孔壁は、LED501の大角出射光を全ての方向でブロックするために用いられてもよく、上記の第1の表面と同じ機能を有することが理解されよう。すなわち、孔壁は上記の第1の表面として理解され得る。
【0198】
任意で、遮光部材504の光貫通孔のオリフィスは円、楕円、正方形又は長方形である。光貫通孔のオリフィスの形状は、遮光部材504の上面と孔の内壁との交差線を用いて得られる形状であり得るか又は遮光部材504の内面をスクリーンアセンブリ20の下面に突き出すことにより得られる突起の形状であり得る。
【0199】
任意で、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向における遮光部材504の断面の形状(すなわち、yoz平面上)は正方形、長方形、台形、段付き正方形、段付き長方形又は段付き台形である。
【0200】
遮光部材504の出光孔のオリフィスの形状と、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向における断面の形状とを組み合わせてもよい。したがって、遮光部材504の光貫通孔の内壁は様々な異なる形状を形成し得る。
【0201】
なお、遮光部材504の光貫通孔のオリフィスが円であり、スクリーンアセンブリ20に対して垂直な方向の断面がLED501の発光中心に対して対称である場合、LED501によって放射される光信号の最大出射角は全ての方向で同じに、例えばθになるように制御され得る。この設計は、図18に示すように、アレイが複数のレンズモジュール、複数のLED及び複数の遮光部材を含む場合にとりわけ適用可能である。この設計は、図12の(c)に示すように、複数のLED及び複数の遮光部材がレンズモジュール内で均一に分布する場合にも適用され得る。
【0202】
遮光部材504の出光孔が楕円形、正方形又は長方形である場合、LED501によって放射される光信号の最大出射角は全ての方向でわずかに異なる。例えば、楕円の場合、長軸方向の最大出射角は短軸方向の最大出射角よりも大きい。正方形又は長方形の場合、対角面の最大出射角は対向する2つの面間の最大出射角よりも大きい。この設計は、図12の(a)、(b)及び(d)に示すような、1つのレンズモジュールの周囲に2つ以上のLEDが分布する場合にとりわけ適用可能である。異なる最大出射角が異なる方向で用いられるため、より多くの光信号をスクリーンアセンブリ20に入射させることができることから、光強度を改善でき、より多くの指紋情報を得ることができるため、より鮮明でより正確な指紋画像が得られる。
【0203】
したがって、遮光部材504の光貫通孔の形状は、異なる最大出射角及びLED501とレンズモジュール505との間の相対位置関係に基づいて適切に設計され得る。
【0204】
スクリーンアセンブリ20に垂直な方向の遮光部材504の内面の断面形状が段付きの場合、より多くの光信号をスクリーンアセンブリ20に入射させることができる。上述したものと同じ理由に基づいて、より多くの指紋光信号を得ることができ、より鮮明でより正確な指紋画像を得ることができる。
【0205】
図9の(a)~(d)は、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向における、遮光部材504の光透過孔の孔壁の断面のいくつかの異なる形状を示す。図9は、yoz平面上の遮光部材504の光貫通孔の孔壁の断面のいくつかの異なる形状を具体的に示す。
【0206】
図9の(a)に示すように、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向における(例えば、yoz平面)遮光部材504の光透過孔の孔壁の断面は長方形であり、スクリーンアセンブリ20に平行な方向(例えば、xoy平面)における遮光部材504の光透過孔の孔壁の断面は円形、楕円形、正方形、長方形等であり得る。したがって、図9の(a)に示す遮光部材504の光貫通孔の孔壁は円筒、楕円円筒、立方体、直方体等を形成し得る。
【0207】
図9の(b)に示すように、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向(例えば、yoz平面)における遮光部材504の遮光部材の光貫通孔の孔壁の断面は平行四辺形であり、スクリーンアセンブリ20に平行な方向(例えば、xoy平面)における遮光部材504の光貫通孔の孔壁の断面は、円形、楕円形、正方形、長方形等であり得る。したがって、図9の(b)に示す遮光部材504の光貫通孔の孔壁は斜円筒、斜楕円円筒、立方体、六角形等を形成し得る。
【0208】
図9の(c)に示すように、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向(例えば、yoz平面)の遮光部材504の光透過孔の孔壁の断面は段付きであり、スクリーンアセンブリ20に平行な方向(例えば、xoy平面)の遮光部材504の光透過孔の孔壁の断面は円形、楕円形、正方形、長方形等であり得る。したがって、図9の(c)に示す遮光部材504の光貫通孔の孔壁は段付き円筒、段付き楕円円筒、段付き立方体、段付き直方体等を形成し得る。
【0209】
図9の(d)に示すように、スクリーンアセンブリ20に垂直な方向(例えば、yoz面)の遮光部材504の光透過孔の孔壁の断面は段付きであり、スクリーンアセンブリ20に平行な方向(例えば、xoy面)の遮光部材504の光透過孔の孔壁の断面は円形、正方形等であり得る。したがって、図9の(d)に示す遮光部材504の光貫通孔の孔壁は台形、逆漏斗等を形成し得る。
【0210】
図9を参照すると、遮光部材504の光貫通孔の孔壁によって形成され得るいくつかの異なる形状が上述されていることを理解すべきである。しかしながら、これは、本願に対する限定をなすものではない。
【0211】
図9のLED501、レンズモジュール505及び遮光部材504間の相対位置関係については、図6及び図8を参照して前述の説明を参照されたい。簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。
【0212】
加えて、遮光部材504の外面は、円筒、段付き円筒、立方体、直方体等を形成し得る。これは、本願では限定されない。加えて、遮光部材504の光貫通孔の孔壁によって形成される形状は、外面によって形成される形状とは無関係である。例えば、遮光部材504の光貫通孔の孔壁が円筒を形成し、遮光部材504の外面が円筒を形成し得る。この場合、遮光部材504は中空円筒であり得る。別の例では、遮光部材504の光貫通孔の孔壁は円筒を形成し得る。別の例では、遮光部材504の光貫通孔の孔壁は斜円筒を形成し、遮光部材504の外面は円筒を形成し得る。簡潔にするために、ここでは例を1つずつ列挙しない。
【0213】
図10は、本願の一実施形態に係る、指紋認識モジュールで遮光部材が用いられる場合及び指紋認識モジュールで遮光部材が用いられない場合に得られる効果比較図である。上述の図4と同様に、図10は、スクリーンアセンブリ20の上のテストターゲットがLED501からの光信号を受信した後に得られる概略図である。図10の(a)は、指紋認識モジュールaで遮光部材が用いられない場合の概略図であり、(b)は、指紋認識モジュールで図9に示す遮光部材が用いられた後で得られる概略図である。比較を通じて、指紋認識モジュールで遮光部材が用いられない場合は、光強度分布が均一でなく、多くの箇所で光漏れ現象が起こることが分かるであろう。しかしながら、指紋認識モジュールで遮光部材が用いられる場合、光強度分布は比較的均一であり、光漏れ現象は基本的に解消される。
【0214】
加えて、指紋認識モジュール50の通常の使用と協働するために、スクリーンアセンブリ20に対していくつかの改善を行う必要があり得る。
【0215】
例えば、指紋認識モジュール50はスクリーンアセンブリ20の下方に位置し、LED401によって放射される光信号は、指に入射するためにスクリーンアセンブリ20を透過する必要があるため、スクリーンアセンブリ20の基板211はスクリーンアセンブリ20の上方の方向への光信号の伝搬をブロックし得る。光信号が指に入射するためにスクリーンアセンブリ20を透過することが予想される場合、光信号がスクリーンアセンブリ20の上方の方向に伝搬することができるように、LED501に対応する位置で基板211に対して開口処理を行う必要がある。具体的には、開口処理は、基板211上の、遮光部材504に対応する位置で行われ得る。開口の寸法は、LED501の最大出射角及びLED501の上面と基板211の上面との間の距離に基づいて決定され得る。
【0216】
図9の(a)を例にとって、LED501によって放射される光信号の最大出射角がθであり、LED501の上面と基板211の上面との間の距離がs1の場合、開口は、その中心がLED501の発光中心であり、半径がs1×tanθの円であり得るか又はその中心がLED501の発光中心であり、辺の長さが2×s1×tanθの正方形であり得る。開口の形状は、遮光部材504の光貫通孔の形状と同じであってもよい。簡潔にするために、ここでは例を1つずつ列挙しない。
【0217】
同様に、指を介して伝搬された後にスクリーンアセンブリ20に到達する指紋光信号の強度は大幅に低下しており、指紋光信号はスクリーンアセンブリ20の基板211を透過できない。指紋光信号がレンズモジュール505に到達することが予想される場合、指紋光信号が指紋情報を得るために指紋認識モジュール50に入るように、基板211に開口処理を行う必要がある。具体的には、開口処理は、画像取り込み領域に入る指紋光信号がスクリーンアセンブリ20を透過してレンズモジュール505に到達することができるように、基板211の、画像取り込み領域に対応する位置で行われ得る。開口の寸法は、例えば、レンズモジュール505の上面と基板211の上面との間の距離及びレンズモジュール505内の撮像レンズのFOVに基づいて決定され得る。レンズモジュール505内の撮像レンズのFOVが2αであり、レンズモジュール505の上面と基板211の上面との間の距離がs2の場合、開口は、例えば、その中心がレンズモジュール505の撮像中心であり、その半径がCA/2+s1/tanαの円であり得る。CA及びαの定義は、図7を参照して上記で詳細に説明されている。簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。
【0218】
開口処理は、開窓、貫通、孔開け等とも呼ばれ得る。すなわち、光信号がスクリーンアセンブリ20を通って外側に放射されることを確実にするか又は光信号がスクリーンアセンブリ20を通ってレンズモジュールに到達することを確実にするために、光信号をブロックする基板211上の材料の一部が除去される。開口処理により、光信号がスクリーンアセンブリ20を通過して指に到達し得るため、開口処理によって得られる開口も、光貫通孔とも呼ばれ得る。
【0219】
なお、本明細書では、基板211上にある、遮光部材504に対応する位置は、具体的には、指紋認識モジュール50とスクリーンアセンブリ20とが電子装置内で別々に組み付けられている場合は、基板211上にあり、遮光部材504に対応する位置である。本明細書では、基板211上にあり、センサ502に対応する位置は、具体的には、指紋認識モジュール50とスクリーンアセンブリ20とが電子装置内で別々に組み付けられている場合は、基板211上にあり、センサ502に対応する位置である。簡略化のため、以下では、同一又は同様の場合の説明を省略する。
【0220】
本願のこの実施形態の理解を容易にするために、指紋認識モジュールが、1つのLED、1つのレンズモジュール及び1つの遮光部材を含む場合を、図5図9を参照して上に示す。しかしながら、これは、本願に対する限定をなすものではない。LEDの数、センサの数、レンズモジュールの数及び遮光部材の数は本願では限定されない。しかしながら、遮光部材はLEDと協働で用いられ得ることが分かるであろう。したがって、遮光部材の数はLEDの数に対応し得る。レンズモジュールとセンサと協働で用いられる。したがって、レンズモジュールの数はセンサの数に対応する。
【0221】
図11は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールのさらに別の概略図である。図11は、指紋認識モジュール60を具体的に示す。指紋認識モジュール60は、複数のLED601、1つのレンズモジュール605及び複数の遮光部材604を含む。簡潔にするために、レンズモジュール605は全体として図11に示され、少なくとも1つのレンズ及びセンサは別個には示されない。しかしながら、これは、本願に対する限定をなすものではない。理解を容易にするために、図11は、破線を用いることにより、レンズモジュール605内のレンズの視野と、視野の方向に沿ってスクリーンアセンブリ20に入射した光信号が到達可能な領域と、LED601によって放射された光信号によって到達可能な最大出射角と、最大出射角の方向に沿ってスクリーンアセンブリ20に入射した光信号が到達可能な領域とを示す。
【0222】
LED601は、図5図9に示すLED501に対応し得る。レンズモジュール605は、図5図9に示すレンズモジュール505に対応し得る。LED601及びレンズモジュール605の関連する説明については、図5図9を参照して上述の関連する説明を参照されたい。遮光部材604は、図9に示す遮光部材504に対応し得る。遮光部材604の関連する説明については、図9を参照して上述の関連する説明を参照されたい。簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。
【0223】
図11に示すように、指紋認識モジュール60は2つのLED601、2つの遮光部材604及び1つのレンズモジュール605を含む。各遮光部材604及び1つのLED601は協働で用いられ、1つの光源アセンブリを構成し得る。光源アセンブリは、指紋情報を得るための光信号を提供するために、レンズモジュール605の近くに配置され得る。例えば、光源アセンブリとレンズモジュールとの間の相対位置関係は上述した、LED601の中心とレンズモジュール605の撮像レンズの中心との間の距離L’は上述の臨界値L’以上であるというものであり得る。
【0224】
2つのLED601及び2つの遮光部材604は2つの光源アセンブリを構成し得るため、2つの光源アセンブリは、図11に示すようにレンズモジュール605の両側に対称的に分布され得るか又はレンズモジュール605の片側に分布され、各光源アセンブリとレンズモジュール605との間の距離は、LED601の中心とレンズモジュール605の撮像レンズの中心との間の距離L’は上述の臨界値L’以上という条件を満たし得る。上述のように、LED601とレンズモジュール605との間の中心距離はL’である。この場合、2つの光源アセンブリ内のLED601の発光中心は、その中心がセンサ602の撮像レンズの中心であり、その半径がL’である円周上の任意の位置に分布され得る。
【0225】
理解を容易にするために、図11は、2つの光源アセンブリがレンズモジュールの両側に対称的に配置されている場合を示す。実際には、光源アセンブリの数は、本願では限定されない。例えば、4個、8個又は12個の光源アセンブリが存在し得る。複数の光源アセンブリは、その中心がレンズモジュールの撮像レンズの中心であり、その半径がLである円周上で均等に又は不均一に分布され得る。
【0226】
図12は、複数の光源アセンブリとレンズモジュールとの相対位置関係のいくつかの例を示す。図12は、上面から見た場合の、複数の光源アセンブリ及びレンズモジュールとの相対位置関係を示す。図12は、複数の光源アセンブリ及び1つのセンサを概略的に示す。図12に示す光源アセンブリは、例えば、図11を参照して上述した光源アセンブリであり得る。各光源アセンブリは1つの遮光部材604及び1つのLED601を含む。図中の円は光源アセンブリを示す。遮光部材は中空円筒であり、遮光部材の下のLEDを遮光する。したがって、図中ではLEDを別個で示していない。図中の正方形はレンズモジュールを示す。例えば、レンズモジュールは、図11を参照して上述したレンズモジュール605であり得る。図示の形状は、遮光部材、レンズモジュール等の形状に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。具体的には、図12の(a)は、2つの光源アセンブリがレンズモジュールの両側に分布された例を示す。図12の(b)は、レンズモジュールの片側に2つの光源アセンブリが分布された例を示す。図12の(c)は、4つの光源アセンブリがレンズモジュールの周囲に均一に分布する例を示す。図12の(d)は、4つの光源アセンブリがレンズモジュールの両側で2つのグループで分配され、1つのグループが2つのアセンブリを含む例を示す。簡潔にするために、添付の図面を用いて例を一つずつ列挙しない。
【0227】
レンズモジュールの数は本願では限定されないことをさらに理解すべきである。指紋認識モジュールが複数のレンズモジュール及び複数の光源アセンブリを含む場合を、図18を参照して以下で詳細に説明する。ここでは、この実施形態の詳細な説明は省略する。
【0228】
もちろん、複数の光源アセンブリとレンズモジュールとの間の中心距離は異なっていてもよいが、中心距離が臨界値L’以上であるという上記の条件を満たさなければならない。
【0229】
図13図16は、本願の一実施形態に係る指紋認識モジュールの概略組立図である。図11に示す指紋認識モジュール60を例に取って、図13図16は、電子装置における指紋認識モジュールの組み付けのいくつかの可能な実施を示す。しかしながら、これは、本願に対する限定をなすものではない。同じ又は同様の方法に基づいて、図5図9に示す指紋認識モジュール50が電子装置内で組み付けられ得る。
【0230】
一実施形態では、指紋認識モジュール内のレンズモジュールは、スクリーンアセンブリの中間フレーム又は下面に独立して固定され得る。指紋認識モジュールにおけるLED及び遮光部材(すなわち、上記の光源アセンブリ)は、スクリーンアセンブリの中間フレーム又は下面に独立して固定され得る。
【0231】
図13は、指紋認識モジュール内のレンズモジュールが独立して中間フレームに固定され、LED及び遮光部材も独立して中間フレームに固定された例を示す。
【0232】
具体的には、レンズモジュールは、例えば、表面実装技術(surface mounting technology、SMT)を用いることにより支持部材1に取り付けられ得る。支持部材1は、接着剤又はネジを用いることにより中間フレームに固定され得る。レンズモジュールが指紋光信号を確実に受信できるようにするために、中間フレームに開口処理を行う必要がある。中間フレームの開口位置はレンズモジュールの位置、すなわち、スクリーンアセンブリの上述の基板の開口位置に対応するか又は画像取り込み領域に対応し得る。区別及び説明を容易にするために、レンズモジュールに対応する開口を開口1と表記する。加えて、開口1の数はレンズモジュールの数と同じであり得る。各開口1は1つのレンズモジュールに対応し得る。開口1の寸法は、レンズモジュールの撮像レンズのFOV、出光孔の直径CA及びレンズモジュールの上面と中間フレームの下面との間の距離に関連し得る。例えば、レンズモジュールの上面と中間フレームの上面との距離がm2である場合、開口1は、その中心がレンズモジュールの撮像レンズの中心であり、その半径がCA/2+M2×tanαの円であり得る。
【0233】
図13に示す開口1は円形の孔であり得る。支持部材1は、例えば、接着剤を用いることにより孔の端面に積層され得る。すなわち、支持部材1の上面は、中間フレームの下面の開口1の近くの領域に積層されている。ここで列挙する開口1の形状は一例にすぎないことを理解すべきである。あるいは、開口1は、例えば、段付き孔、正方形の孔又は不規則な形状の貫通孔であってもよい。開口1の特定の形状は本願では限定されない。上述の支持部材1の固定方法及び固定位置は一例にすぎず、本願に対する限定をなすものではないとさらに理解すべきである。
【0234】
指紋認識モジュールにおけるLED及び遮光部材(すなわち、上記の光源アセンブリ)も、例えばSMTを用いることにより支持部材2上に取り付けられ得る。支持部材2は、例えば、可撓性プレートと補強プレートとの組み合わせであり得る。支持部材2は、光源アセンブリを保持するように構成され得る。支持部材2は、接着剤又はネジを用いることにより中間フレーム又はスクリーンアセンブリに固定され得る。図示していないが、支持部材2は、例えば、接着剤又はネジを用いることにより、スクリーンアセンブリに垂直な方向(例えば、z方向)に中間フレーム又はスクリーンアセンブリに固定され得る。遮光部材の形状は、例えば、図9又は図11に示されるものであり得るか又は別の形状であり得る。これは、本願では限定されない。
【0235】
なお、図13のLEDの上方に示す逆円錐は、LEDによって形成される遮光部材内での最大出射角の説明図である。図13のレンズモジュールの上方に示す逆円錐台は、レンズモジュールの撮像レンズのFOVの説明図である。円錐及び円錐台は、それぞれLEDの最大出射角及びレンズモジュールの撮像レンズのFOVの概略図であり、本願に対する限定をなすものではなく、前述の角度範囲内で光信号の形状に対する限定をなすものではないと理解すべきである。加えて、以下の図15及び図16に示していないが、図13における最大出射角及びFOVの図及び説明は依然適用可能である。
【0236】
図14は、本願の一実施形態に係る遮光部材の別の概略図である。図14に示すように、遮光部材の外面は外方に延びるフランジを有する。フランジは、図14に示すように、遮光部材の外面の部分領域で外方に延び得るか又は遮光部材の外縁の全周囲を取り囲み得る。これは、本願では限定されない。フランジは、光源アセンブリを固定するように構成され得る。例えば、遮光部材を中間フレームに又はスクリーンアセンブリの下面に積層するためにフランジの上面が接着剤で被覆され得る。別の例として、フランジ及び中間フレームは、ネジを用いることにより接続され得る。
【0237】
LED及び遮光部材を回避するために、中間フレームに開口処理を行う必要がある。中間フレームの開口位置は遮光部材の位置に対応し得る。開口の寸法は、遮光部材の外面の寸法よりもわずかに大きくてよい。区別及び説明を容易にするために、遮光部材に対応する開口を開口2と表記する。加えて、開口2の数は遮光部材の数と同じであり得る。各開口2は1つの遮光部材に対応し得る。
【0238】
図14に示す開口2は段付き貫通孔である。遮光部材604の外面でフランジが延在する場合、フランジの上面は開口2の段付き面と反対側であってもよく、光源アセンブリは接着剤積層、ネジ接続等を通じて固定される。
【0239】
本明細書で列挙した開口2の形状は一例にすぎず、開口2は、例えば、円形の孔又は正方形の孔であり得ることを理解すべきである。しかしながら、これは、理解を容易にするための例にすぎず、本願に対する限定をなすものではない。図13及び図14に示す遮光部材の形状並びに遮光部材と中間フレームとの間の接続の方法及び位置は一例にすぎず、本願に対する限定をなすものではないことをさらに理解すべきである。図示されてないが、遮光部材と中間フレーム又はスクリーンアセンブリの接続方法は、前述の説明に限定されない。例えば、遮光部材の外面にフランジが配置されていなくてもよい。遮光部材は、例えば、中空円筒であってもよく、開口2は、例えば円形貫通孔であり得る。遮光部材は、開口2の円形貫通孔に挿入されてもよく、開口2の内面は、接着剤を用いることにより遮光部材の外面に積層固定される。
【0240】
開口2が円形の貫通孔であるか又は階付きの孔であるかにかかわらず、中間フレームの上面上の開口2の寸法は、LEDによって放射される光信号の最大出射角及びLEDの上面と中間フレームの上面との間の距離に基づいて決定され得る。加えて、開口2は上述の基板211の開口と同様である。開口2の形状は、遮光部材504の出光孔の形状と同じであり得る。LEDの上面と中間フレームの上面との間の距離がm1の場合、開口2は、例えば、その中心がLEDの発光中心であり、その半径がm1/tanθの円であり得るか又は開口2は、例えば、その中心がLEDの発光中心であり、辺の長さが2×m1/tanθである円であり得る。簡潔にするために、ここでは例を1つずつ列挙しない。θの定義は上記で詳細に説明されている。簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。
【0241】
さらに、本明細書における「固定」は、例えば、接着剤積層又はネジ固定等の既存の方法で実施され得ることをさらに理解すべきである。簡潔にするために、本明細書では、特定の固定方法を詳細に説明していない。
【0242】
別の実施形態では、遮光部材は電子装置の中間フレームに一体化されている。中間フレームは、スクリーンアセンブリと指紋認識モジュールとの間に位置し、中間フレームは、LEDに対応する領域に光貫通孔を有する。光貫通孔の孔壁は、LEDによって放射された光信号を取り囲み、LEDによって放射された光信号の一部をブロックする。
【0243】
具体的には、指紋認識モジュール内の遮光部材は中間フレームに一体化され得るか又は指紋認識モジュール内の遮光部材及び中間フレームはオールインワン設計を有し得る。中間フレームに開口処理及び黒化処理を行う方法で、遮光部材によって光信号をブロックできる。加えて、指紋認識モジュール内のレンズモジュールは独立して中間フレーム又はスクリーンアセンブリに固定され、LEDは独立して中間フレームに固定され得る。
【0244】
図15は、遮光部材が中間フレームに一体化された例を示す。図15に示すように、支持部材1を用いることによりレンズモジュールを中間フレームに接続する特定の方法は、図13を参照して示した上記の方法と同じであってもよい。指紋認識モジュールと協働するために、中間フレーム上の、センサに対応する領域に開口処理が行われ得る。開口領域及び寸法
の詳細については、上記開口1の関連する説明を参照されたい。簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。
【0245】
図15では、LEDに対応する領域に対しても開口処理を行う必要がある。上述したように、遮光部材に対応する領域は開口2と表記され得る。この実施形態では、開口2は、中間フレーム上にあり、LEDによって放射された光信号の一部をブロックするのに用いられる光貫通孔である。したがって、開口2の内面は、遮光部材の光貫通孔の孔壁である。開口2が、開口2の表面に入射する光信号を吸収することにより、遮光部材を用いて光信号をブロックすることができるように、開口2の内面、上端面及び下端面に対して黒化処理が行われる。開口2の内面は、円形、正方形、長方形等を形成し得る。これは、本願では限定されない。例えば、開口2の内面により形成される形状については、図9又は図11に示す遮光部材の光貫通孔の孔壁によって形成される形状を参照されたい。
【0246】
図15に示す開口2は段付きの円形孔である。段付きの円形孔の段付き面は、LEDの上面の反対にあり得る。段付きの円形孔の内面(又は孔壁)は、異なるサイズの2つの円筒を形成し得る。より小さい円筒を形成する内面を用いてLEDからの大角出射光をブロックし、遮蔽部材を用いることによって光信号がブロックされ得る。より大きい円筒を形成する内面は、LEDの側面を取り囲み得る。LEDは、例えばSMTを用いることにより支持部材2に取り付けられ得る。支持部材2の上面は、接着剤積層又はネジ接続によって中間フレームの下面に固定され得る。開口2のサイズは、遮光部材の高さ及びLEDにより放射される光信号の最大出射角に基づいて決定され得る。開口2のサイズについては、図6を参照して、w1又はw3の上記の関連する説明を参照されたい。例えば、遮光部材の光貫通孔が円形である場合、開口2の寸法は、例えば、その半径がw1又はw3の円であり得る。
【0247】
この実施形態における中間フレームの開口1、支持部材1及び支持部材2の関連する説明については、図13を参照する上述の説明を参照されたい。簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。
【0248】
さらに別の実施形態では、指紋認識モジュールはホルダ上で保持され、ホルダを用いることによりスクリーンアセンブリの下に固定されている。ホルダは一次区画及び二次区画を含む。一次区画は画像センサを収容するように構成されている。二次区画は、LEDを収容するように構成され、遮光部材は二次区画と一体化され、二次区画は、ホルダの厚さ方向を貫通する光貫通孔である。光貫通孔はLEDを収容するように構成されてもよく、光貫通孔の孔壁は、LEDによって放射される光信号の一部をブロックするためにLEDによって放射される光信号を取り囲む。
【0249】
具体的には、指紋認識モジュールは同じホルダを共有してもよく、ホルダは指紋認識モジュールを保持及び固定するとともに、遮光部材を用いることにより光信号をブロックする機能を同時に実現し得る。
【0250】
図16は、指紋認識モジュールがホルダを共有する例を示す。図16に示すように、LED、遮光部材及びレンズモジュールの寸法と、LED、遮光部材及びレンズモジュール間の相対位置関係とに基づいて、機械加工により一体型ホルダが得られ得る。ホルダは一体的に形成されてもいいし、機械加工によって得られてもよい。これは、本願では限定されない。ホルダ上の、レンズモジュールに対応する位置が一次区画である。一次区画はホルダの厚さ方向を貫通する貫通孔であり得るか又はホルダの厚さ方向に貫通しない止まり孔であってもよい。一次区画はレンズモジュールを収容するように構成され得る。ホルダ上の、LED及び遮光部材に対応する位置は二次区画である。二次区画はホルダの厚さ方向を貫通する貫通孔であってもよく、LEDを収容するように構成されている。遮光部材は二次区画と一体化されてもよく、二次区画の表面に入射する光信号を吸収し、LEDによって放射された光信号を四方からブロックすることにより遮光部材の機能を実施するために、二次区画の内面(又は孔壁)、上端面及び下端面に黒化処理が行われ得る。光信号は、指に到達するために二次区画を透過し得るため、ホルダの二次区画は光貫通孔と呼ばれ得る。
【0251】
中間フレームはホルダと協調して設計され得る。例えば、一次区画に対応する位置で開口処理を行ってもよく、開口処理によって得られる開口は上記の開口1である。二次区画に対応する位置で開口処理を行ってもよく、開口処理によって得られる開口は上記の開口部2である。図16に示すホルダは、二次区画を用いることにより中間フレームに接続されている。具体的には、中間フレームの開口2は段付き孔であってもよく、段付き孔の段付き面は、ホルダを中間フレームの下面に固定するために、接着剤積層、ネジ接続等を介してホルダの上面に接続され得る。
【0252】
加えて、LED及びレンズモジュールは支持部材上で、例えば上述の支持部材1及び支持部材2上で保持され得るか又は図16に示す一体型の支持部材であり得る。支持部材の上面はホルダの下面と反対である。支持部材は、接着剤積層、ネジ接続等を介してホルダの下面に固定され得る。
【0253】
図16に示すホルダの形状は一例にすぎず、本願に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。レンズモジュールを収容するように構成され得る一次区画及びLEDを収容するように構成され得る二次区画がホルダ内に配置される限り、一次区画及び二次区画は本願の保護範囲内に含まれるものとする。加えて、遮光部材は二次区画に一体化されてもよい。遮光部材は独立して配置され、二次区画に収容され得る。これは、本願では限定されない。ホルダの固定方法及び固定位置は本願では限定されないことをさらに理解すべきである。
【0254】
前述の実施形態で提供される指紋認識モジュールに基づいて、遮光部材はLEDの端に配置され、大角出射光を吸収するため、スクリーンアセンブリの表面及び内部区画によって反射された後でレンズモジュールに到達する光信号を低減できる。したがって、指紋情報への干渉を低減できるため、比較的高精細の指紋画像を得ることができる。加えて、電子装置内への指紋認識モジュールの適用のために複数の可能な実施を提供するために、様々な異なる組み立て方法が提供される。
【0255】
しかしながら、前述の説明は一例にすぎないと理解すべきであり、本願のこの実施形態で提供される指紋認識モジュールを電子装置に適用するためのいくつかの可能な概略的な組立図が示される。これは、指紋認識モジュールの使用シナリオ及び組立方法に対する限定をなすものではない。指紋画像の精細度を改善するために、指紋情報への迷光の干渉を低減するために、遮光部材を用いることにより大角出射光をブロックする方法は、本願の保護範囲に含まれるものとする。
【0256】
他方、遮光部材によってブロックされない光信号がスクリーンアセンブリに入射した後、光信号は反射もされ得る。加えて、一部の光信号は、複数の反射を介してセンサに到達模し得る。これらの光信号の光強度は比較的弱いが、光信号は依然として指紋情報に干渉し、指紋画像の精細度に影響を与える。したがって、複数の反射を介してセンサに到達する反射光も迷光の一部である。
【0257】
図17は、複数の反射を介して光信号がレンズモジュールに到達する概略図である。理解を容易にするために、図17は、破線を用いることにより、レンズモジュール505内のレンズの視野と、視野の方向に沿ってスクリーンアセンブリに入射する光信号が到達できる領域とを示す。
【0258】
比較を容易にするために、図17の(a)は、指紋光信号がレンズモジュールに到着する概略図であり、図17の(b)は、指紋光信号が複数の反射を介してレンズモジュールに到着する概略図である。図17の(a)の説明については、図3の(a)の上記の関連する説明を参照されたい。簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。図17の(b)では、出射角が比較的小さい一部の光信号(例えば、図示の光信号d)は遮光部材によってブロックされず、スクリーンアセンブリに依然として入射するが、スクリーンアセンブリの上面で反射された後にスクリーンアセンブリの下面に到達する。具体的には、光信号は、スクリーンアセンブリ内のカバーガラスの上面で反射され、スクリーンアセンブリ内の基板の上面に到達した後に反射されて戻される。光信号は、上面及び下面上での1回以上の反射を介して画像取り込み領域にも入射し、最終的にレンズモジュールに入射するため、指紋情報に干渉をもたらし得る。
【0259】
指紋情報に対する迷光の影響をさらに低減するために、スクリーンアセンブリの基板の上面及び下面に黒化処理を行って2回反射される光信号を吸収することにより、光信号が複数回の反射を通じてレンズモジュールに到達するのが防止される。
【0260】
スクリーンアセンブリの基板に対して行われる黒化処理は、迷光をより広範囲に低減するために、図5図16を参照して上記で示す指紋認識モジュールとの組み合わせで用いられ得ることを理解すべきである。
【0261】
加えて、遮光部材の上面とスクリーンアセンブリの下面との間の隙間(例えば、図13図16を参照して上記で示す遮光部材の上面とスクリーンアセンブリの下面との間の間隙)は、迷光をさらに低減するために、遮光フォームで充填することにより遮蔽され得る。
【0262】
したがって、本願のこの実施形態では、指紋認識モジュール内の遮光部材が光強度の比較的強い迷光の大部分を吸収し、スクリーンアセンブリの基板に対して黒化処理を行って光強度の比較的弱い迷光の一部を吸収する。このように、指紋情報に対する迷光からの干渉が大幅に低減されることから、比較的高精細な指紋画像を得ることができるため、指紋認識効率が改善される。
【0263】
本願で提供される複数の実施形態は、複数の添付の図面を参照して詳細に説明される。しかしながら、実施形態及び添付の図面は、本願の理解を容易にするための例にすぎず、本願に対する限定をなすものではいと理解すべきである。大角光信号の反射光がレンズモジュールに入射して、指紋信号に干渉するのを防止するために、遮光部材を用いることによりLEDの大角光信号をブロックする任意の方法は、本願の保護範囲に含まれる。
【0264】
例えば、指紋認識モジュールは複数のレンズモジュールを含み得る。各レンズモジュールは少なくとも1つのレンズ及び1つのセンサを含み得る。複数のレンズモジュールは、例えば「ABABA」の形態で、複数のLED及び複数の遮光部材と交互に配置され得る。図18は、本願の一実施形態に係る、指紋認識モジュールにおける複数のLED、複数の遮光部材及び複数のレンズモジュールの配置の概略図である。図18に示す複数のLED、複数の遮光部材及び複数のレンズモジュールはアレイを形成し得る。アレイの各行には、遮光部材及びLEDを含む光源モジュールと、レンズモジュールとが「ABABA」の形態で配置され得る。アレイの各列には、遮光部材及びLEDを含む光源モジュールと、レンズモジュールとが「ABABA」の形態で配置され得る。図中の中空ブロックは1つのレンズモジュールを表し、陰影ブロックは1つの光源アセンブリ(すなわち、1つの遮光部材及び1つのLED)を表し得る。
【0265】
複数のLED、複数の遮光部材及び複数のレンズモジュールが交互に配置された場合、LEDによって全方向に放射される光信号は1つ以上の隣接するレンズモジュールで反射され得ることが分かるであろう。したがって、この場合、遮光部材は、全ての方向で大角出射光をブロックできる形状に設計され得る。例えば、図9図11及び図13図16のうちのいずれか1つに示される遮光部材が用いられ得る。
【0266】
したがって、光信号の強度を改善するために、複数のLEDを用いることより光源が提供される。加えて、複数のレンズモジュールを用いることにより指紋光信号が収集されるため、レンズモジュールは、指の指紋の各領域において十分な光強度の指紋光信号を収集できる。このように、完全且つ高精細な指紋画像を得ることができるため、指紋認識効率を改善できる。
【0267】
図18は、理解を容易にするための例示にすぎず、本願に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。レンズモジュールの形状は必ずしも正方形ではなく、遮光部材及びLEDの形状も必ずしも正方形ではない。アレイに含まれる行の数及び列の数は、必ずしも図に示されているようなものではない。
【0268】
なお、複数のレンズモジュールが存在する場合、各レンズモジュールは、受信した指紋光信号に基づいて指紋情報を生成し、指紋情報に基づいて指紋画像を生成し得る。複数のレンズモジュールによって生成された指紋画像は1つの完全な指紋画像に合成され得る。複数のレンズモジュールによって指紋画像を合成するための特定の方法については、先行技術を参照されたい。簡潔にするために、ここでは、特定の方法の詳細な説明を省略する。
【0269】
本願では、本願で提供される指紋認識モジュールの構造及び指紋を認識するために指紋認識モジュールが構成される特定のプロセスを、複数の実施形態及び添付の図面を参照して詳細に説明していること理解すべきである。これらの実施形態及び添付の図面は、当業者が本願の技術的解決策をよりよく理解するのを助けることを意図したものにすぎず、本願の技術的解決策を限定することを意図していない。前述の説明及び関連する添付の図面に提示のガイダンスの恩恵を受けて、当業者は、本願の多くの改良及び他の実施形態を理解するであろう。したがって、本願は、開示の特定の実施形態に限定されない。
【0270】
本願は電子装置をさらに提供する。電子装置はスクリーンアセンブリと、複数の実施形態、例えば、図5図9及び図11図18を参照して上記で示す指紋認識モジュールの実施形態のいずれか1つに示す指紋認識モジュールとを含み得る。
【0271】
光漏れを低減し、より良好な指紋認識効果を得るために、本願はスクリーンアセンブリをさらに提供する。図19は、本願の一実施形態に係るスクリーンアセンブリの概略図である。図19に示すように、スクリーンアセンブリ80は、基板801及び反射膜802を少なくとも含み得る。基板801及び反射膜802は、光源から徐々に離れる順序で積み重ねて配置されている。光源は、例えば上記のLED、例えば赤外LED又は透過力が比較的強い光信号の別の光源であり得る。これは、本願では限定されない。
【0272】
加えて、スクリーンアセンブリ80は、導光層803、光均一化層(拡散シートとも呼ばれる)804、反射防止膜805及びカバーガラス806をさらに含み得る。前述の層は、光源から徐々に離れる順序で積み重ねられて配置され得る。詳細については、図19を参照されたい。スクリーンアセンブリの構造は図2を参照して上記で詳細に説明されている。したがって、簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。
【0273】
上述したように、LEDによって放射された光信号が確実にスクリーンアセンブリ80を透過して指に到達するように、スクリーンアセンブリ80の基板801上の、LEDに対応する位置で開口処理が行われ得る。指によって戻され、指紋情報を運ぶ光信号がスクリーンアセンブリ80を透過して画像センサに到達するのを確実にするために、スクリーンアセンブリ80の基板801上の、画像センサに対応する位置で開口処理が行われ得る。したがって、スクリーンアセンブリ80の基板801は、少なくとも1つのLEDに対応する少なくとも1つの開口と、少なくとも1つの画像センサに対応する少なくとも1つの開口とを有する。理解を容易にするだけのために、例えば開口1と表記される(図中では開口1として示す)基板801のLEDに対応する開口と、例えば開口2と表記する(図中では開口2として示す)画像センサに対応する開口とを図中に示す。開口処理が行われるスクリーンアセンブリ80の下面において、LEDの発光面に対応する領域はスクリーンアセンブリにおける反射膜802の下面であり、画像センサの感光面に対応する領域は、スクリーンアセンブリにおける反射膜802の下面であることが理解されよう。
【0274】
なお、上述したように、上記の画像センサは少なくとも1つのレンズと組み合わせて用いられ得る。したがって、上記の画像センサはレンズモジュールに置き換えられ得る。画像センサに対応する位置はレンズモジュールに対応する位置又は画像取り込み領域に対応する位置として定義され得る。画像センサとレンズモジュールとの関係については、上記で詳細に説明してある。簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。加えて、開口の寸法及び位置については、複数の添付の図面を参照して上記で詳細に説明してある。したがって、簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。
【0275】
本願のこの実施形態では、光漏れを低減するために、スクリーンアセンブリ80内の複数の界面に処理を行って、センサによって受信された指紋光信号に対する迷光の干渉が低減され得る。理解を容易にするために、図19は複数の界面を示す。図示のように、複数の界面は界面1、界面2及び界面3を具体的に含み得る。界面1は反射膜802の下面であり、界面3は基板801の下面であり、界面2は基板801の上面である。界面3は界面1の反対にあることが分かるであろう。界面1~界面3は区別を簡単にするために命名されているにすぎず、積層順序に対する限定をなすものではないことを理解すべきである。図は、複数の層が間隙を用いることによって区別されている例にすぎず、製品の実際の形態を表すものではないことをさらに理解すべきである。
【0276】
図の左側に示すように、スクリーンアセンブリ80の側面から可視光が入射し得るため、反射膜802の下面及び下面の下の界面に界面処理が行われ、反射膜802の上面及び上面の上の界面には界面処理が行われない。可視光は、スクリーンアセンブリ80の側面から反射膜802に入射し、カバーガラスの方向に伝搬されるように反射膜802によって反射され、スクリーンのための光源を提供する。反射膜802の上面と、上面の上の界面とに界面処理が行われた場合、LEDによって放射される光信号が処理される間に、可視光も処理され得る(例えば、光信号が吸収されるか又は反射光が低減され、これは下記で具体的に説明する)。このように、カバーガラスに到達する可視光の強度が減少するため、スクリーンの通常の表示に影響を及ぼす。
【0277】
1つ以上の光信号処理層が界面1と界面2との間に及び/又は界面3上に加えられるように界面1、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つは処理されている。1つ以上の光信号処理層はLEDからの光信号を、例えば散乱及び吸収等の様々な方法で処理するため、レンズモジュールに到達する、指紋情報を保持しない反射光が低減される。
【0278】
光信号処理層のいくつかの可能な形態を以下に示す。
【0279】
可能な設計では、1つ以上の光信号処理層は散乱粒子を含む。散乱粒子は、界面1によって受信された光信号の反射を低減するために用いられ得るが、反射膜802を介した光信号の上方への伝搬は影響を受けない。したがって、散乱粒子の1つの層が、界面1、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つに取り付けられるため、受信された光信号の反射を効果的に低減できる。
【0280】
例えば、光信号を伝達できるインクが界面1、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つに噴霧され得る。
【0281】
1つの例では、界面1にインクが噴霧されている。LEDは赤外線LEDであり、赤外線LEDによって放射される赤外線光信号は、インクを介してガラスカバーの方向に伝搬され得る。しかしながら、インクは散乱粒子を含むため、赤外光信号に対する反射効果を低減でき、界面1での反射光を低減できる。
【0282】
任意で、散乱粒子は界面1の部分的領域又は全ての領域に取り付けられ得る。部分的領域は、LED及び/又はレンズモジュールと反対の界面1の領域、すなわち、図19に示す開口1及び/又は開口2に対応する位置であり得る。
【0283】
なお、散乱粒子の1つの層が界面1に取り付けられているため、界面1に最初に入射した光信号の一部は散乱を介して別の方向に伝搬されるため、スクリーンの上の指紋に到達できない。一般に、指紋に到達する光信号は減少する。したがって、収集された指紋光信号は減少し、撮像効果はある程度影響を受ける。なお、基板内のLED及び画像センサに対応する領域に開口処理を行う必要があるため、界面2及び/又は界面3に散乱粒子が取り付けられている場合、開口処理が行われる領域(図19の開口1及び開口2)には、おそらく界面処理を行うことができない。
【0284】
別の可能な設計では、直線偏光子の1つの層及び1/4波長板(quarter-wave plate)の1つの層を界面1と界面2との間に加えて、界面1によって受信される光信号の反射を低減する。すなわち、光信号処理層は直線偏光子の1つの層及び1/4波長板の1つの層を含む。
【0285】
直線偏光子は1/4波長板の下に位置する。すなわち、直線偏光子は1/4波長板よりもLEDに近い。したがって、LEDからの赤外線信号は先ず直線偏光子に到達し、次いで1/4波長板に到達する。反射膜802の上の界面から反射された光信号は先ず1/4波長板に到達し、次いで直線偏光子に到達し得る。
【0286】
方法2で得られた界面1と界面2との間に直線偏光子の1つの層及び1/4波長板の1つの層が加えられる。LEDからの光信号が直線偏光子及び1/4波長板を透過した後で、界面1を通る光信号の一部は、界面1の上の界面によって反射された後で再度1/4波長板を通過し、光信号の位相が90度回転される。したがって、反射された光信号のこの部分は直線偏光子に入射しないため、画像センサに入射しない。したがって、直線偏光子及び1/4波長板は、反射膜の上で反射光をアイソレートするように構成され得る。直線偏光子及び1/4波長板は、例えば、めっき処理を用いることにより、界面1と界面2との間に加えられ得るか又は直線偏光子及び1/4波長板は、界面1と界面2との間で平坦に配置され得る。本願では、特定の実施は限定されていない。
【0287】
なお、直線偏光子の1つの層及び1/4波長板の1つの層は、反射光を減らすために界面1に加えられ、反射光は光の位相を変えることによってのみアイソレートされる。しかしながら、透過光は影響を受けない。したがって、指紋光信号への衝撃は非常に小さく、撮像効果は基本的に影響を受けない。
【0288】
直線偏光子及び1/4波長板を加えることによってもたらされるコストは比較的高いため、直線偏光子及び1/4波長板は界面1の部分領域に加えることが考えられる。他の位置では、低コストの別の界面処理方法が考慮され得る。界面1の部分領域は、具体的には、LED及び/又はレンズモジュールと反対の界面1の領域、すなわち、図19に示す開口1及び/又は開口2に対応する位置であり得る。
【0289】
もちろん、直線偏光子及び1/4波長板は、界面1の全ての領域に交互に加えられ得る。これは、本願では限定されない。
【0290】
散乱粒子を界面1、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つに取り付ける前述の方法は、代替的に、界面1と界面2との間に線形偏光子の1つの層及び1/4波長板の1つの層を加える前述の方法と組み合わされ得ることを理解すべきである。これは、本願では限定されない。
【0291】
前述の方法が組み合わされた場合、光信号処理層は散乱粒子の少なくとも1つの層、線形偏光子の1つの層及び1/4波長板の1つの層を含み得る。界面1の下に散乱粒子、線形偏光子及び1/4波長板を積層する順番は本願では限定されない。
【0292】
例えば、散乱粒子は、線形偏光子及び1/4波長板の上に位置し得る。すなわち、LEDからの光信号は、1/4波長板、線形偏光子及び散乱粒子に順次到達する。この場合、散乱粒子は、噴霧又はめっき等の方法を用いることにより界面1の下面に取り付けられ得る。
【0293】
あるいは、散乱粒子は線形偏光子及び1/4波長板の下に位置してもよく、LEDにより近い。この場合、散乱粒子は、噴霧又はめっき等の前述の方法を用いることによって界面2の上面に取り付けられ得る。
【0294】
あるいは、散乱粒子の複数の層、例えば、散乱粒子の2つの層があってもよい。散乱粒子の1つの層が界面1の下部に取り付けられ、散乱粒子の他方の層を界面2の上部に取り付けられる。散乱粒子の2つの層の間には有線偏光子及び1/4波長板が配置される。この場合、界面1及び界面2に界面処理を別々に行われるのに等しい。
【0295】
さらに別の可能な設計では、光均一化膜が界面1と界面2との間に追加で配置される。すなわち、光信号処理層は光均一化膜である。光均一化膜は、LEDによって放射された光信号を伝達し且つ散乱特性を有するため、界面1及び界面2による受信光信号への反射を低減できる。
【0296】
光均一化膜は、界面1と界面2との間に平坦に置かれ得る。例えば、光均一化膜は、界面1と界面2との間にあり、LED及び/又はレンズモジュールに対応する位置に、すなわち、図中の開口1及び/又は開口2に対応する位置にのみ配置され得るか又は界面1又は界面2の界面全体に配置され得る。これは、本願では限定されない。散乱粒子を界面1、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つに取り付ける前述の方法は、代替的に、界面1と界面2との間に光均一化膜を加える前述の方法と組み合わされ得ることを理解すべきである。即ち、上記の直線偏光子及び1/4波長板は、光均一化膜に置き換えられる。簡潔にするために、ここでは詳細について説明しない。
【0297】
さらに別の可能な設計では、光吸収材料の1つの層が、界面2及び界面3の少なくとも1つに取り付けられる。すなわち、少なくとも1つの光信号処理層は光吸収材料を含む。光吸収材料は迷光の一部を吸収することにより、反射光を減らす。
【0298】
なお、上述したように、基板801に開口処理が行われ、基板801は、図19に示す少なくとも1つの開口1及び少なくとも1つの開口2を有する。したがって、光吸収材料が界面2及び/又は界面3に取り付けられる場合、開口1及び開口2の領域は回避され得る。
【0299】
理解を容易にするために、図20は、光信号が界面2及び界面3上で別々に反射される概略図である。図20に示すように、LEDから光信号が放射された後で、入射角が比較的小さい光信号の一部が、開口を介して界面1に到達する。界面1に到達する光信号は界面2で反射され、その後に図中の信号1によって示されるように、界面1と界面2との間の1つ以上の反射を介してセンサの表面に到達し得る。入射角が比較的大きい光信号の別の部分は界面3に直接放射され、図中の信号2によって示されるように、界面3によって反射された後でセンサに到達し得る。界面1と界面2との間の1回以上の反射を通してセンサに到達する光信号及び界面3の反射を通してセンサに到達する光信号のいずれも指紋情報を保持していないことが理解されよう。これらの光信号は、センサによって受信される指紋光信号に対する干渉をもたらすため、迷光に属する。したがって、光吸収材料は、反射光を低減することにより、1回以上の反射を通してセンサに到達する迷光を低減するために、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つに光吸収材料が取り付けられ得る。
【0300】
光吸収材料を界面2及び/又は界面3に取り付けるための方法は、例えば、噴霧又はめっき等のプロセスを用いることによって実施され得る。可能な実施では、光吸収材料は界面2及び/又は界面3上に噴霧又は電気めっきされ得る。例えば、LEDは赤外線LEDであり、界面2及び/又は界面3に噴霧又は電気めっきされる光吸収材料は赤外光吸収材料であり得る。赤外光吸収材料は、受信した赤外光信号を吸収するために用いられ得る。
【0301】
矛盾が生じないとの前提で、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つに光吸収性材料を取り付ける方法は、界面1、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つに散乱粒子を取り付ける方法及び界面2と界面3との間に線形偏光子の1つの層及び1/4波長板の1つの層を加える方法と組み合わせられ得るか又は界面1、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つに散乱粒子を取り付ける方法及び界面2と界面3との間の光均一化膜の1つの層を加える方法と組み合わせられ得るか又は界面1、界面2及び界面3のうちの少なくとも1つに散乱粒子を取り付ける方法、界面2と界面3との間に線形偏光子の1つの層及び1/4波長板の1つの層を加える方法及び界面2と界面3との間に光均一化膜の1つの層を加える方法と組み合わされ得る。この場合、光信号処理層は複数の異なる処理層を含み得る。処理層の機能については、上記で詳細に説明されている。簡潔にするために、ここでは詳細について再度説明しない。
【0302】
同一の概念に基づいて、当業者は上述の様々な異なる光信号処理層に対して組み合わせ又は同等の置換を行ってもよく、これらの組み合わせ又は同等の置換は本願の保護範囲に含まれることを理解すべきである。
【0303】
上述の解決策に基づいて、光信号処理層はスクリーンアセンブリに追加で配置されるため、LEDからの光信号への界面による反射が光信号を処理することにより低減できるため、迷指紋光信号に対する迷光からの干渉が回避される。このように、比較的鮮明な指紋画像を得ることができるため、指紋認識効率が改善される。
【0304】
上記で提供したスクリーンアセンブリ80は、上記で提供した指紋認識モジュールと組み合わせて用いられ得るか又は別の光学式アンダーディスプレイ指紋認識システムに適用され得ることを理解すべきである。これは、本願では限定されない。
【0305】
前述の説明は本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本願に開示の技術的範囲内で、当業者が容易に理解することができる変更又は置換は、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a)】
図7b)】
図8
図9
図10a)】
図10b)】
図11
図12a)】
図12b)】
図12c)】
図12d)】
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20