(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】経口組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20231023BHJP
A23F 3/30 20060101ALI20231023BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20231023BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20231023BHJP
A23L 2/39 20060101ALI20231023BHJP
A23L 2/56 20060101ALI20231023BHJP
A21D 2/36 20060101ALN20231023BHJP
A23C 9/123 20060101ALN20231023BHJP
A23G 1/32 20060101ALN20231023BHJP
A23G 3/34 20060101ALN20231023BHJP
A23G 4/06 20060101ALN20231023BHJP
【FI】
A23L33/105
A23F3/30
A23L2/00 B
A23L2/00 F
A23L2/00 Q
A23L2/56
A21D2/36
A23C9/123
A23G1/32
A23G3/34 101
A23G4/06
(21)【出願番号】P 2022025246
(22)【出願日】2022-02-22
(62)【分割の表示】P 2019114552の分割
【原出願日】2019-06-20
【審査請求日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2018118569
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018209228
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 由典
(72)【発明者】
【氏名】霜田 祐一
(72)【発明者】
【氏名】内田 裕子
(72)【発明者】
【氏名】会田 渉
(72)【発明者】
【氏名】迫田 俊
【審査官】川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-112935(JP,A)
【文献】特開2017-093410(JP,A)
【文献】特開2002-291441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23F 3/00- 3/42
A23L 2/00- 2/84
A23L 33/00-33/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)非重合体カテキン類、
(B)ルチン、及び
(C)アストラガリン
を含有
する経口組成物であって、
固形分中の成分(A)の含有量が2~20質量%であり、
成分(C)として、(C’)外部から添加されたアストラガリンを含み、固形分中の成分(
C’)の含有量が0.029~1.0質量%であり、
成分(B)として、(B’)外部から添加されたルチンを含み、成分(A)と成分(
B’)との質量比[(
B’)/(A)]が0.05×10
-2~8.1×10
-2であり、 かつ
成分(A)と成分(
C’)
との質量比[(
C’)/(A)]が1.0×10
-3~50×10
-3である、
経口組成物(但し、プーアール茶粉末を除く)。
【請求項2】
成分(A)と成分(
B’)との質量比[(
B’)/(A)]が0.06×10
-2~8.1×10
-2である、請求項1記載の経口組成物。
【請求項3】
成分(A)と成分(
C’)との質量比[(
C’)/(A)]が2.0×10
-3~40×10
-3である、請求項1又は2記載の経口組成物。
【請求項4】
固形分中の成分(
B’)の含有量が0.005~1.0質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の経口組成物。
【請求項5】
固形経口組成物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の経口組成物。
【請求項6】
顆粒剤又は錠剤の形態である、請求項1~4のいずれか1項に記載の経口組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の経口組成物を添加してなる、飲食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
非重合体カテキン類及びルチンはポリフェノール化合物の1種であり、種々の生理活性
を有し、複数のポリフェノールを組み合わせることにより高い生理効果を得る食品組成物
が検討されている(特許文献1)。一方、非重合体カテキン類は苦味、えぐ味といった不
快味を有しており、その不快味は他のフラボノイドと共存すると更に増強することが知ら
れている(特許文献2)。
【0003】
一方、アストラガリンは、柿の葉や桑の葉に含まれるポリフェノール化合物の1種であ
り、抗アレルギー作用を有することが報告されている。このような生理作用に着目し、ア
ストラガリンの飲食品への応用が検討されており、例えば、アストラガリンに、果糖、ガ
ラクトース、乳糖及びブドウ糖からなる群から選ばれる糖の1種又は2種以上を配合する
ことで、アストラガリンの吸収性が向上することが報告されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-95968号公報
【文献】特開2006-129757号公報
【文献】特開2002-291441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
他のフラボノイドと共存したときの非重合体カテキン類の苦味は、非重合体カテキン類
を高濃度化し、サプリメントや調味料として喫食するときに、より一層増強することを本
発明者らは見出した。
本発明の課題は、非重合体カテキン類とルチンを高含有しながらも、非重合体カテキン
類の苦味が低減された経口組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、非重合体カテキン類とルチン
とを特定の量比で含有する経口組成物に、本来苦味物質として知られるアストラガリンを
、非重合体カテキン類に対して一定の量比で含有させることで、意外なことに、非重合体
カテキン類の苦味が著しく低下することを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)非重合体カテキン類、
(B)ルチン、及び
(C)アストラガリン
を含有し、
固形分中の成分(A)の含有量が2~50質量%であり、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.05×10-2~50×10
-2であり、かつ
成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が1.0×10-3~50×10-3
である、経口組成物を提供するものである。
【0008】
本発明はまた、上記経口組成物を添加してなる飲食品を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、非重合体カテキン類とルチンを高含有しながらも、非重合体カテキン
類の苦味が低減された経口組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<経口組成物>
本明細書において「経口組成物」とは、経口摂取に供される製品をいう。経口組成物の
製品形態としては、常温(20℃±15℃)において固形でも、液状でもよく、特に限定
されない。液状の場合、濃縮液状、ゲル状、ゼリー状、スラリー状のいずれの形態であっ
ても構わない。濃縮液状である場合、その固形分濃度はRTD(レディ・トゥ・ドリンク
)よりも高濃度であれば適宜選択可能であり、特に限定されない。固形としては、例えば
、粉末状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状等を挙げることができる。経口組成物
が固形である場合、経口組成物中の固形分量は通常80質量%以上、好ましくは90質量
%以上、より好ましくは93質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、殊更に好まし
くは97質量%以上である。なお、かかる固形分量の上限は特に限定されず、100質量
%であってもよい。ここで、本明細書において「固形分量」とは、試料を105℃の電気
恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分の質量をいう。中でも、経口組成物の
製品形態としては、固形、濃縮液状、ゼリー状が好ましく、固形、濃縮液状がより好まし
く、固形が更に好ましい。固形の中では、錠状、顆粒状が好ましい。
【0011】
本発明の経口組成物は、成分(A)として非重合体カテキン類を含有する。ここで、本
明細書において「(A)非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、エピカテ
キン及びエピガロカテキン等の非ガレート体と、カテキンガレート、ガロカテキンガレー
ト、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のガレート体を併せての総称
である。本発明においては、上記8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有
すればよい。
成分(A)は、飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定
されず、例えば、化学合成品でも、茶抽出物等の非重合体カテキン類を含有する植物抽出
物でもよい。なお、成分(A)として植物抽出物を用いる場合、植物抽出物の抽出方法及
び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
【0012】
本発明の経口組成物は、固形分中の成分(A)の含有量が2~50質量%であるが、非
重合体カテキン類の強化、生理効果の観点から、2.5質量%以上が好ましく、3質量%
以上がより好ましく、4質量%以上が更に好ましく、5質量%以上が殊更好ましく、また
成分(A)由来の苦味低減の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がよ
り好ましく、20質量%以下が更に好ましい。成分(A)の含有量の範囲としては、本発
明の経口組成物の固形分中に、好ましくは2.5~40質量%であり、より好ましくは2
.5~30質量%であり、更に好ましくは3~20質量%であり、より更に好ましくは4
~20質量%であり、殊更に好ましくは5~20質量%である。なお、成分(A)の含有
量は、上記8種の非重合体カテキン類の合計量に基づいて定義される。また、成分(A)
の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定す
ることが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィーで分析することが可能である。具
体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に
適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物
を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
【0013】
本発明の経口組成物は、成分(A)の種類に特に限定はないが、苦味低減の観点から、
非重合体カテキン類中のガレート体の割合(ガレート体率)が0~75質量%であること
が好ましく、20~68質量%がより好ましく、30~65質量%が更に好ましく、35
~63質量%がより更に好ましく、40~58質量%が殊更に好ましい。ここで、本明細
書において「ガレート体率」とは、非重合体カテキン類8種に対する上記ガレート体4種
の質量比率をいう。
【0014】
本発明の経口組成物は、成分(B)としてルチンを含有する。ここで、本明細書におい
て「ルチン」とは、ケルセチンの3位の水酸基にβ-ルチノースが付加した化合物である
。成分(B)は、原料に由来するものでも、新たに加えられたものでもよい。また、成分
(B)は、飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来は特に限定されず
、例えば、化学合成品でも、ルチンを含有する植物抽出物でもよい。なお、成分(B)と
して植物抽出物を用いる場合、植物抽出物の抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公
知の方法を採用することができる。
【0015】
本発明の経口組成物中の成分(B)の含有量は、生理効果の観点から、0.005質量
%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ま
しく、また成分(A)由来の苦味低減、成分(B)由来の収斂味抑制の観点から、1.0
質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ま
しく、0.2質量%以下が殊更に好ましい。成分(B)の含有量の範囲としては、本発明
の経口組成物の固形分中に、好ましくは0.005~1.0質量%であり、より好ましく
は0.01~0.6質量%であり、更に好ましくは0.03~0.3質量%であり、殊更
に好ましくは0.03~0.2質量%である。なお、成分(B)の含有量は、通常知られ
ている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例
えば、液体クロマトグラフィーで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例
に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を
凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必
要に応じて適宜処理を施してもよい。
【0016】
本発明の経口組成物は、成分(C)としてアストラガリンを含有する。ここで、本明細
書において「アストラガリン」とは、ケンフェロールの3位の水酸基にグルコースが付加
した化合物である。成分(C)は、原料に由来するものでも、新たに加えられたものでも
よい。また、成分(C)は、飲食品の分野において通常使用されているものであれば由来
は特に限定されず、例えば、化学合成品でも、アストラガリンを含有する植物抽出物でも
よい。なお、成分(C)として植物抽出物を用いる場合、植物抽出物の抽出方法及び抽出
条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
【0017】
本発明の経口組成物中の成分(C)の含有量は、成分(A)由来の苦味低減の観点から
、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.02質量
%以上が更に好ましく、0.04質量%以上が更に好ましく、0.06質量%以上がより
更に好ましく、0.08質量%以上が殊更に好ましく、そして1.0質量%以下が好まし
く、0.8質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましく、0.3質量%
以下が殊更に好ましい。成分(C)の含有量の範囲としては、本発明の経口組成物の固形
分中に、好ましくは0.005~1.0質量%であり、より好ましくは0.01~0.8
質量%であり、更に好ましくは0.02~0.5質量%であり、更に好ましくは0.04
~0.3質量%であり、より更に好ましくは0.06~0.3質量%、殊更に好ましくは
0.08~0.3質量%である。なお、成分(C)の含有量は、通常知られている測定法
のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体ク
ロマトグラフィーで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法
が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥した
り、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適
宜処理を施してもよい。
【0018】
本発明の経口組成物は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.0
5×10-2~50×10-2であるが、成分(A)由来の苦味低減の観点から、0.06×
10-2以上が好ましく、0.08×10-2以上がより好ましく、0.1×10-2以上が更
に好ましく、0.2×10-2以上が更に好ましく、0.5×10-2以上が更に好ましく、
1.0×10-2以上がより更に好ましく、1.5×10-2以上が殊更に好ましく、また成
分(A)由来の苦味低減、成分(B)由来の収斂味抑制の観点から、40×10-2以下が
好ましく、30×10-2以下がより好ましく、20×10-2以下が更に好ましく、8.0
×10-2以下がより更に好ましく、3.0×10-2以下が殊更に好ましい。かかる質量比
[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.06×10-2~40×10-2であり、
より好ましくは0.08×10-2~30×10-2であり、更に好ましくは0.1×10-2
~20×10-2であり、更に好ましくは0.2×10-2~8.0×10-2であり、更に好
ましくは0.5×10-2~8.0×10-2であり、より更に好ましくは1.0×10-2~
8.0×10-2であり、殊更に好ましくは1.5×10-2~3.0×10-2である。
【0019】
本発明の経口組成物は、成分(A)と成分(C)との質量比[(C)/(A)]が1.0
×10-3~50×10-3であるが、成分(A)由来の苦味低減の観点から、2.0×10
-3以上が好ましく、3.0×10-3以上がより好ましく、4.0×10-3以上が更に好ま
しく、5.0×10-3以上がより更に好ましく、7.0×10-3以上が殊更に好ましく、
そして40×10-3以下が好ましく、30×10-3以下がより好ましく、20×10-3以
下が更に好ましく、15×10-3以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(C)/(A)]
の範囲としては、好ましくは2.0×10-3~40×10-3であり、より好ましくは3.
0×10-3~30×10-3であり、更に好ましくは4.0×10-3~30×10-3であり
、より更に好ましくは5.0×10-3~20×10-3であり、殊更に好ましくは7.0×
10-3~15×10-3である。
【0020】
本発明の経口組成物は、成分(D)としてバニリンを含有することができる。ここで、
本明細書において「バニリン」とは、バニラの香りの主要成分であり、飲食品の分野にお
いてフレーバーとして一般に使用されている。成分(D)は、原料に由来するものでも、
新たに加えられたものでもよい。また、成分(D)は、飲食品の分野において通常使用さ
れているものであれば由来は特に限定されず、例えば、化学合成品でも、バニリンを含有
する植物抽出物でもよい。なお、成分(D)として植物抽出物を用いる場合、植物抽出物
の抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
【0021】
本発明の経口組成物は、固形分中の成分(D)の含有量が、成分(A)由来の苦味低減
、緑茶の香り付与の観点から、0.05×10-4質量%以上が好ましく、0.1×10-4
質量%以上がより好ましく、0.2×10-4質量%以上が更に好ましく、0.5×10-4
質量%以上が殊更に好ましく、また成分(D)由来の甘い香り抑制の観点から、100×
10-4質量%以下が好ましく、60×10-4質量%以下がより好ましく、40×10-4質
量%以下が更に好ましく、20×10-4質量%以下がより更に好ましく、8.0×10-4
質量%以下が殊更に好ましい。かかる成分(D)の含有量の範囲としては、本発明の経口
組成物の固形分中に、好ましくは0.05×10-4~100×10-4質量%であり、より
好ましくは0.1×10-4~60×10-4質量%であり、更に好ましくは0.2×10-4
~40×10-4質量%であり、より更に好ましくは0.5×10-4~20×10-4質量%
であり、殊更好ましくは0.5×10-4~8.0×10-4質量%である。なお、成分(D
)の含有量は、通常知られている分析法のうち測定試料の状況に適した分析法、例えば、
GC/MS法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙
げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、
装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処
理を施してもよい。
【0022】
本発明の経口組成物は、所望により、甘味料、酸味料、炭酸ガス、香料、ビタミン、ミ
ネラル、酸化防止剤、エステル、乳化剤、保存料、調味料、果汁エキス、野菜エキス、花
蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。添加剤の
含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
【0023】
また、本発明の経口組成物は、必要に応じて許容される担体を含有することができる。
例えば、賦形剤(例えば、澱粉又はデキストリン等の澱粉分解物、グルコース、ガラクト
ース、フルクトース等の単糖類、スクロース、ラクトース、ラクトース、パラチノース等
の二糖類、マルチトール、キシリトール、ソルビトール、還元パラチノース等の糖アルコ
ール);結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール、プルラン、メチルセルロース、硬化油等);崩壊剤(例えば、カルメロース、カル
メロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、トウモロコシデ
ンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等);滑沢剤(例えば、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナト
リウム、タルク、二酸化ケイ素等);嬌味剤(例えば、ステビア等);オリゴ糖、寒天、
結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、増量剤、界面活性剤、分散剤
、緩衝剤、希釈剤等の担体が挙げられる。なお、担体の含有量は、本発明の目的を損なわ
ない範囲内で適宜設定することが可能である。
【0024】
本発明の経口組成物の具体例としては、例えば、インスタント飲料;濃縮飲料;乳飲料
、ヨーグルト、チーズ等の乳製品;ゼリー、チョコレート、キャンディー、スナック、ビ
スケット、米菓等の菓子の飲食品が挙げられ、健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品
、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント等)、医薬品、医薬部外品とすることもで
きる。なお、インスタント飲料又は濃縮飲料とは、液体に希釈溶解して飲料として飲用に
供されるものをいい、液体は飲料に還元できれば特に限定されない。例えば、水、炭酸水
、牛乳、豆乳等が挙げられ、液体の温度は問わない。また、健康食品、医薬品、又は医薬
部外品である場合の剤型としては、例えば、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、散剤、丸剤、チ
ュアブル剤、トローチ剤等が挙げられる。中でも、経口組成物としては、固形経口組成物
又は濃縮液状経口組成物が好ましく、インスタント飲料、濃縮飲料、ゼリー食品、顆粒剤
、錠剤が好ましく、インスタント飲料、顆粒剤が更に好ましい。
【0025】
また、経口組成物がインスタント飲料である場合、例えば、瓶等に容器詰し飲用する際
にカップ1杯分をスプーン等で計量するもの、1杯分を収容したカップタイプ、カップ1
杯分毎に小分け包装したスティックタイプ等とすることができる。また、経口組成物が濃
縮飲料である場合、例えば、カップ1杯分毎に小分け包装したポーションタイプの希釈飲
料等が挙げられる。なお、カップの容量は30~320mLであることが好ましく、また
小分け包装の内容量はカップ容量に適合するように適宜設定することが可能である。中で
も、本発明の効果を享受しやすい点から、カップ1杯分毎に小分け包装したものが好まし
く、例えば、スティック包装したもの、ピロー包装したものを挙げることができる。小分
け包装は、アルミ蒸着フィルム等を材質とする包装材料で包装することができる。なお、
容器内及び包材内は窒素ガスを充填してもよく、また包材は酸素透過性の低いものが品質
維持の点で好ましい。
【0026】
本発明の経口組成物は、常法にしたがって製造することが可能であり、適宜の方法を採
り得る。例えば、成分(A)、成分(B)及び成分(C)、必要に応じて担体及び/又は
添加剤を、成分(A)の含有量、並びに成分(A)と成分(B)との質量比、及び成分(
A)と成分(C)との質量比が上記範囲内となるように混合して製造することができる。
成分(A)、成分(B)及び成分(C)の混合順序は特に限定されず、任意の順序で添加
しても、3者を同時に添加してもよい。混合方法としては、撹拌、震盪等の適宜の方法を
採用することが可能であり、混合装置を使用しても構わない。混合装置の混合方式は、容
器回転型でも、容器固定型でもよい。容器回転型として、例えば、水平円筒型、V型、ダ
ブルコーン型、立方体型等を採用することができる。また、容器固定型として、例えば、
リボン型、スクリュー型、円錐形スクリュー型、パドル型、流動層型、フィリップスブレ
ンダ-等を採用することができる。また、公知の造粒法により造粒物としてもよい。造粒
方法としては、例えば、噴霧造粒、流動層造粒、圧縮造粒、転動造粒、撹拌造粒、押出造
粒、粉末被覆造粒等が挙げられる。なお、造粒条件は、造粒方法により適宜選択すること
ができる。また、錠剤とする場合には、湿式打錠及び乾式打錠のいずれでもよく、公知の
圧縮成形機を使用することができる。更に、濃縮液状である場合、例えば、常圧にて溶媒
の蒸発を行う常圧濃縮法、減圧にて溶媒の蒸発を行う減圧濃縮法、膜分離により溶媒を除
去する膜濃縮法等の公知の濃縮方法を採用することができる。
【0027】
<飲食品>
本発明の飲食品は、上記経口組成物を添加したものである。
経口組成物が添加される飲食品は特に限定されないが、例えば、炭酸飲料、果汁飲料、
野菜ジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、コーヒー飲料、ココア飲料、茶飲料、
乳飲料、乳酸菌飲料、豆乳飲料等の飲料、ヨーグルト、ゼリー、プディング、ムース、水
羊羹等のデザート、アイスクリーム、ラクトアイス、アイスミルク、シャーベット等の冷
菓又は氷菓、ケーキ、チョコレート、クッキー、ビスケット、パイ、クラッカー、スナッ
ク、チューインガム、ハードキャンディー、ソフトキャンディー、ヌガー、ゼリービーン
ズ、グミ、饅頭、煎餅、かき餅、あられ、羊羹等の菓子、タレ、トマトケチャップ、ソー
ス、麺つゆ、シロップ等の調味料、クリーム、ジャム、パン、練り製品、食肉加工品、レ
トルト食品、缶詰、漬け物、佃煮、ふりかけ、冷凍食品等を挙げることができる。
経口組成物の添加方法としては特に制限はなく、例えば、経口組成物の飲食品への直接
添加や、水等の液体を用いて希釈してからの飲食品への添加、製品への被覆、フィリング
、製造工程中の生地への混練としての使用等が挙げられ、最終的に喫食する飲食品に経口
組成物が含有されていればよい。好適な添加方法としては、飲食品に直接ふりかけて喫食
する態様が挙げられる。
【0028】
経口組成物の添加量は飲食品の種類により適宜選択可能であるが、飲食品100質量部
に対し、経口組成物を固形分換算で通常0.01~30質量部、好ましくは0.03~2
0質量部、更に好ましくは0.05~15質量部、殊更に好ましくは0.1~10質量部
である。
【実施例】
【0029】
1.非重合体カテキン類の分析
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SC
L-10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パッ
クドカラム(L-カラムTM ODS4.6mmφ×250mm、5μm:財団法人 化
学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度40℃にてグラジエント法により分析した
。非重合体カテキン類の標準品として、栗田工業製のものを使用し、検量線法で定量した
。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol
/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280
nmの条件で行った。なお、グラジエントの条件は、以下のとおりである。
【0030】
濃度勾配条件
時間(分) A液濃度(体積%) B液濃度(体積%)
0 97% 3%
5 97% 3%
37 80% 20%
43 80% 20%
43.5 0% 100%
48.5 0% 100%
49 97% 3%
60 97% 3%
【0031】
2.ルチン、アストラガリンの分析
試料2gを採取し、メタノール20mLを加えて5分間超音波抽出した後、25mLに
定容した。次いで、1mLを分取し、25mLに定容した後、高速液体クロマトグラフ(
型式LC-20 Prominence,島津製作所製)を用い、カラム(Cadenz
a CD-C18 3μm,4.6mmφ×150mm,Imtakt)を装着し、カラ
ム温度40℃にてグラジエント法により分析した。移動相C液は酢酸を0.05質量%含
有するアセトニトリル溶液、D液はアセトニトリル溶液とし、試料注入量は10μL、U
V検出器波長は360nmの条件で行った。なお、グラジエントの条件は、以下のとおり
である。
【0032】
濃度勾配条件
時間(分) C液濃度(体積%) D液濃度(体積%)
0 85% 15%
20 80% 20%
35 10% 90%
50 10% 90%
50.1 85% 15%
60 85% 15%
【0033】
ルチン、アストラガリンの標準品を用いて濃度既知の溶液を調製し、高速液体クロマト
グラフ分析に供することによりリテンションタイムの測定及び検量線を作成し、前記試料
溶液中のルチン、アストラガリンの定量を行った。
【0034】
3.バニリンの分析
試料10mLをGC用ヘッドスペースバイアル(20mL)に採取し、塩化ナトリウム
4gを添加した。バイアルに攪拌子を入れて密栓し、スターラーで30分間撹拌しながら
、SPMEファイバー(シグマアルドリッチ社製,50/30μm、DVB/CAR/P
DMS)に含有成分を吸着させた。吸着後、SPMEファイバーを注入口で加熱脱着し、
GC/MS測定を行った。分析機器は、Agilent 7890A/5975Cinert(アジレント・テクノ
ロジー社製)を使用した。
【0035】
分析条件は次のとおりである。
・カラム :TC―WAX(30m(長さ)、0.25mm(内径)、0.25μm(膜厚))
・カラム温度 :40℃ (3min)→ 20℃ /min→ 250℃
・カラム圧力 :定流量モード(31kPa)
・カラム流量 :lmL/min(He)
・注入口温度 :260℃
・注入方式 :スプリットレス
・検出器 :MS
・イオン源温度:230℃
・イオン化方法:EI(70eV)
・スキャン範囲:SCAN
【0036】
購入試薬をエタノールで溶解させて、段階希釈し、標品を調製した。所定濃度の標品を
試料に添加し、試料単体と同様にSPMEファイバーに吸着させ、GC/MS測定を行っ
た。なお、定量にはm/z151のイオンのピーク面積を用いた。
【0037】
本実施例で使用した試薬は、以下のとおりである。
・カテキン試薬I :Teavigo、太陽化学株式会社、非重合体カテキン類純度94質量%、
ガレート体率100%
・カテキン試薬II :カテキン水和物、Cayman Chemical Co.,Ltd.、非重合体カテキン
類純度98質量%、ガレート体率0%
・ルチン試薬 :富士フィルム和光純薬株式会社、ルチン純度95質量%
・アストラガリン試薬:Kaempferol 3-beta-D-glucopyranoside、シグマアルドリッチジ
ャパン社、アストラガリン純度97質量%
・賦形剤 :サンデック♯100、三和澱粉株式会社
【0038】
製造例1
緑茶粉末の製造
3番煎茶葉(宮崎県、鹿児島県産のブレンド)を石臼で挽き、平均粒子径20μmの緑
茶粉末を得た。得られた緑茶粉末の非重合体カテキン類の含有量は11.1質量%であっ
た。
【0039】
実施例1
カテキン試薬I 10質量部と、ルチン試薬0.20質量部と、アストラガリン試薬0
.010質量部とを加え、最後に賦形剤を全量が100質量部になるように添加し、均一
に混合した後、混合物1gをスティック包装してスティックインスタント飲料を得た。得
られたスティックインスタント飲料について分析を行い、下記の方法により官能評価を行
った。その結果を表1に示す。なお、得られたスティックインスタント飲料は、内容物の
固形分量が97.0質量%であった。
【0040】
実施例2~5
アストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は、実施例1と同様の操作によりス
ティックインスタント飲料を得た。得られた各スティックインスタント飲料について実施
例1と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、得られたスティ
ックインスタント飲料は、いずれも内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0041】
比較例1
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作によりスティ
ックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例1と
同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、得られたスティックイ
ンスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0042】
参考例1
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様の操
作によりスティックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料につ
いて実施例1と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、得られ
たスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0043】
官能評価1
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたスティックインスタント飲料(内容物1
g)を、80℃の熱水100mLで希釈して各還元飲料を調製し、各還元飲料を飲用した
ときの「苦味」について、専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、各パネリス
トが「苦味」の評価基準を、下記の評価基準とすることに合意したうえで実施した。そし
て、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入
するものとする。
【0044】
苦味の評価基準
飲用試験では、参考例1の還元飲料を標準とする相対評価とし、下記の基準にしたがっ
て行った。
【0045】
苦味の評価基準
評点1:標準より苦味が強い
2:標準より苦味がやや強い
3:標準(参考例1)と同等の苦味である
4:標準より苦味がやや弱い
5:標準より苦味が弱い
【0046】
【0047】
実施例6
カテキン試薬Iの配合量を変化させたこと以外は、実施例1と同様の操作によりスティ
ックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例1と
同様に分析を行い、下記の方法により官能評価を行った。その結果を表2に示す。得られ
たスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0048】
実施例7
カテキン試薬Iの配合量を変化させたこと以外は、実施例2と同様の操作によりスティ
ックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例6と
同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表2に示す。得られたスティックインスタ
ント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0049】
実施例8
カテキン試薬Iの配合量を変化させたこと以外は、実施例3と同様の操作によりスティ
ックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例6と
同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表2に示す。得られたスティックインスタ
ント飲料は内容物の、固形分量が97.0質量%であった。
【0050】
比較例2
カテキン試薬Iの配合量を変化させたこと以外は、比較例1と同様の操作によりスティ
ックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例6と
同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表2に示す。得られたスティックインスタ
ント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0051】
参考例2
カテキン試薬Iの配合量を変化させたこと以外は、参考例1と同様の操作によりスティ
ックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例6と
同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表2に示す。得られたスティックインスタ
ント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0052】
官能評価2
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたスティックインスタント飲料を、官能評
価1と同様の方法で還元飲料を調製した。次いで、各還元飲料について、参考例2の還元
飲料を標準とする相対評価としたこと以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段
階で評価することを合意したうえで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求め
た。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。
【0053】
【0054】
実施例9
カテキン試薬I 7質量部と、ルチン試薬0.20質量部と、アストラガリン試薬0.
07質量部とを加え、最後に賦形剤を全量が100質量部になるように添加したこと以外
は、実施例1と同様の操作によりスティックインスタント飲料を得た。得られたスティッ
クインスタント飲料について実施例1と同様に分析を行い、下記の方法により官能評価を
行った。その結果を表3に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固形
分量が97.0質量%であった。
【0055】
比較例3
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例9と同様の操作によりスティ
ックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例9と
同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表3に示す。得られたスティックインスタ
ント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0056】
参考例3
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例9と同様の操
作によりスティックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料につ
いて実施例9と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表3に示す。得られたステ
ィックインスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0057】
官能評価3
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたスティックインスタント飲料を、官能評
価1と同様の方法で還元飲料を調製した。次いで、各還元飲料について、参考例3の還元
飲料を標準とする相対評価としたこと以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段
階で評価することを合意したうえで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求め
た。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。
【0058】
【0059】
実施例10
カテキン試薬I 20質量部と、ルチン試薬0.20質量部と、アストラガリン試薬0
.10質量部とを加え、最後に賦形剤を全量が100質量部になるように添加したこと以
外は、実施例1と同様の操作によりスティックインスタント飲料を得た。得られたスティ
ックインスタント飲料について実施例1と同様に分析を行い、下記の方法により官能評価
を行った。その結果を表4に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固
形分量が97.0質量%であった。
【0060】
実施例11、12
アストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は、実施例10と同様の操作により
スティックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施
例10と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表4に示す。得られたスティック
インスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0061】
比較例4
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例10と同様の操作によりステ
ィックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例1
0と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表4に示す。得られたスティックイン
スタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0062】
参考例4
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例10と同様の
操作によりスティックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料に
ついて実施例10と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表4に示す。得られた
スティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0063】
官能評価4
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたスティックインスタント飲料を、官能評
価1と同様の方法で還元飲料を調製した。次いで、各還元飲料について、参考例4の還元
飲料を標準とする相対評価としたこと以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段
階で評価することを合意したうえで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求め
た。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。
【0064】
【0065】
実施例13~16
ルチン試薬の配合量を変化させたこと以外は、実施例3と同様の操作によりスティック
インスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例3と同様
に分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3、比較例1及び参考例1の結果とと
もに表5に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0
質量%であった。
【0066】
比較例5
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例13と同様の操作によりステ
ィックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例3
と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3、比較例1及び参考例1の結
果とともに表5に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が9
7.0質量%であった。
【0067】
比較例6
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例14と同様の操作によりステ
ィックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例3
と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3、比較例1及び参考例1の結
果とともに表5に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が9
7.0質量%であった。
【0068】
比較例7
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例15と同様の操作によりステ
ィックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例3
と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3、比較例1及び参考例1の結
果とともに表5に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が9
7.0質量%であった。
【0069】
比較例8
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例16と同様の操作によりステ
ィックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例3
と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3、比較例1及び参考例1の結
果とともに表5に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が9
7.0質量%であった。
【0070】
【0071】
実施例17、18
ルチン試薬の配合量を変化させたこと以外は、実施例8と同様の操作によりスティック
インスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例8と同様
に分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例8、比較例2及び参考例2の結果とと
もに表6に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0
質量%であった。
【0072】
比較例9
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例17と同様の操作によりステ
ィックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例8
と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例8、比較例2及び参考例2の結
果とともに表6に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が9
7.0質量%であった。
【0073】
比較例10
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例18と同様の操作によりステ
ィックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例8
と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を、実施例8、比較例2及び参考例2の結
果とともに表6に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が9
7.0質量%であった。
【0074】
【0075】
実施例19~22
バニリン試薬を更に配合したこと以外は、実施例3と同様の操作によりスティックイン
スタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例3と同様に分
析及び官能評価を行った。その結果を、実施例3、比較例1及び参考例1の結果とともに
表7に示す。得られたスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量
%であった。
【0076】
【0077】
実施例23~26
カテキン試薬Iに加え、更にカテキン試薬IIを配合して表8に示すガレート体率とした
こと以外は、実施例3と同様の操作によりスティックインスタント飲料を得た。得られた
スティックインスタント飲料について実施例3と同様に分析及び官能評価を行った。その
結果を表8に示す。得られたスティックインスタント飲料は内容物の、固形分量が97.
0質量%であった。
【0078】
比較例11~14
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例23~26と同様の操作によ
りスティックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実
施例3と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表8に示す。得られたスティック
インスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0079】
参考例5
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例26と同様の
操作によりスティックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料に
ついて実施例3と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表8に示す。得られたス
ティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0080】
【0081】
実施例27
カテキン試薬I 10質量部と、ルチン試薬0.20質量部と、アストラガリン試薬0
.010質量部と、ステアリン酸カルシウム2質量部とを加え、最後に賦形剤を全量が1
00質量部になるように添加し、均一に混合した。次いで、混合物を、単発式打錠機(R
IKEN社製)を用いて、穴径14mmのリング状杵で、質量1g/1錠にて打錠し、円
形の錠剤を得た。得られた錠剤について分析を行い、下記の方法により官能評価を行った
。その結果を表9に示す。なお、得られた錠剤は、固形分量が97.0質量%であった。
【0082】
比較例15
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例27と同様の操作により錠剤
を得た。得られた錠剤について実施例27と同様に分析及び官能評価を行った。その結果
を表9に示す。なお、得られた錠剤は、固形分量が97.0質量%であった。
【0083】
参考例6
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例27と同様の
操作により錠剤を得た。得られた錠剤について実施例27と同様に分析及び官能評価を行
った。その結果を表9に示す。なお、得られた錠剤は、固形分量が97.0質量%であっ
た。
【0084】
官能評価5
上記の実施例、比較例及び参考例で得られた錠剤1錠を水なしで口腔内に含んだ後、直
ちに噛み砕き、唾液により錠剤が口内で完全に消滅したときの「苦味」について、専門パ
ネル4名が官能試験を行った。官能試験では、参考例6の錠剤を標準とする相対評価とし
たこと以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段階で評価することを合意したう
えで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小
数第2位を四捨五入するものとする。
【0085】
【0086】
実施例28
製造例1で得られた緑茶粉末15質量部と、カテキン試薬I 8.2質量部と、ルチン
試薬0.18質量部と、アストラガリン試薬0.10質量部とを加え、最後に賦形剤を全
量が100質量部になるように添加したこと以外は、実施例1と同様の操作によりスティ
ックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例1と
同様に分析を行い、下記の方法により官能評価を行った。その結果を表10に示す。得ら
れたスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0087】
実施例29
バニリン試薬を更に配合したこと以外は、実施例28と同様の操作によりスティックイ
ンスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例28と同様
に分析及び官能評価を行った。その結果を表10に示す。得られたスティックインスタン
ト飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0088】
比較例16
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例28と同様の操作によりステ
ィックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料について実施例2
8と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表10に示す。得られたスティックイ
ンスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0089】
参考例7
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例28と同様の
操作によりスティックインスタント飲料を得た。得られたスティックインスタント飲料に
ついて実施例28と同様に分析及び官能評価を行った。その結果を表10に示す。得られ
たスティックインスタント飲料は、内容物の固形分量が97.0質量%であった。
【0090】
官能評価6
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたスティックインスタント飲料を、官能評
価1と同様の方法で還元飲料を調製した。次いで、各還元飲料について、参考例7の還元
飲料を標準とする相対評価としたこと以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段
階で評価することを合意したうえで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求め
た。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。
【0091】
【0092】
実施例30
ホワイトチョコレート(株式会社 明治、明治ホワイトチョコレート)97.3質量部
、カテキン試薬I 2.1質量部と、ルチン試薬0.036質量部と、アストラガリン試
薬0.024質量部を1Lの容器に入れ、60℃の温水にて温浴させ均一に混合した。次
に、ゴムベラで混合しながら33℃の温水で温浴させながらチョコレートを徐冷した。チ
ョコレートの温度が34℃になったところでシード剤(不二製油株式会社、チョコシード
A)を0.49質量部添加して混合し、最後にチョコレートの型にチョコレートを注ぎ、
15℃の恒温室で静置させてチョコレートを固めた。得られたチョコレートについて分析
を行い、下記の方法により官能評価を行った。その結果を表11に示す。なお、得られた
チョコレートは、固形分量が99.0質量%であった。
【0093】
実施例31
アストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は、実施例30と同様の操作により
チョコレートを得た。得られたチョコレートについて実施例30と同様に分析及び官能評
価を行った。その結果を表11に示す。得られたチョコレートは、固形分量が99.0質
量%であった。
【0094】
比較例17
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例30と同様の操作によりチョ
コレートを得た。得られたチョコレートについて実施例30と同様に分析及び官能評価を
行った。その結果を表11に示す。得られたチョコレートは、固形分量が99.0質量%
であった。
【0095】
参考例8
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例30と同様の
操作によりチョコレートを得た。得られたチョコレートについて実施例30と同様に分析
及び官能評価を行った。その結果を表11に示す。得られたチョコレートは、固形分量が
99.0質量%であった。
【0096】
官能評価7
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたチョコレート5gを口腔内に含んだ後、
唾液により口内で溶かし、完全に消滅したときの「苦味」について、専門パネル4名が官
能試験を行った。官能試験では、参考例8のチョコレートを標準とする相対評価としたこ
と以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段階で評価することを合意したうえで
実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第
2位を四捨五入するものとする。
【0097】
【0098】
実施例32
カテキン試薬I、ルチン試薬及びアストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は
、実施例30と同様の操作によりチョコレートを得た。得られたチョコレートについて実
施例30と同様に分析を行い、下記の方法により官能評価を行った。その結果を表12に
示す。得られたチョコレートは、固形分量が99.0質量%であった。
【0099】
比較例18
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例32と同様の操作によりチョ
コレートを得た。得られたチョコレートについて実施例32と同様に分析及び官能評価を
行った。その結果を表12に示す。得られたチョコレートは、固形分量が99.0質量%
であった。
【0100】
参考例9
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例32と同様の
操作によりチョコレートを得た。得られたチョコレートについて実施例32と同様に分析
及び官能評価を行った。その結果を表12に示す。得られたチョコレートは、固形分量が
99.0質量%であった。
【0101】
官能評価8
参考例9のチョコレートを標準とする相対評価としたこと以外は、官能評価7と同様に
して評価を行った。
【0102】
【0103】
実施例33
下記に示す分量の原材料を用い、下記の方法により焼き菓子を調製した。
1)ショートニング16.8質量部、上白糖15.8質量部、食塩0.50質量部、カテ
キン試薬I 2.6質量部、ルチン試薬0.049質量部、アストラガリン試薬0.03
6質量部を秤量後、ミキサー(Hobart社製 N50 MIXER(5コートミキサー))に
入れ、中速にて比重が0.70になるまで撹拌し、シュガーバッターを調製した。
2)上記1)で得られたシュガーバッターを中速で撹拌しながら、全卵3.2質量部と水
8.2質量部を混合した卵水を75秒間かけて少しづつ加えた。
3)上記2)で得られた混合物に薄力粉52.6質量部を入れ、低速で30秒、次いで中
速で15秒撹拌をし、生地を調製した。
4)上記3)で得られた生地を型ぬき(直径約3.5mm、生地厚4mm)を用いてビス
ケット生地を調製した。
5)ビスケット生地をオーブン(上火200℃/下火180℃)で9分間焼成を行った。
6)焼成後、オーブンから取り出し網の上に載せ、室温下で10分間冷却した後、チャッ
ク付きポリエチレン袋に入れ、20℃の恒温室にて1晩放置し、ビスケットを得た。
得られたビスケットについて分析を行い、下記の方法により官能評価を行った。その結
果を表13に示す。なお、得られたビスケットは、固形分量が98.9質量%であった。
【0104】
実施例34
アストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は、実施例33と同様の操作により
ビスケットを得た。得られたビスケットについて実施例33と同様に分析及び官能評価を
行った。その結果を表13に示す。得られたビスケットは、固形分量が98.9質量%で
あった。
【0105】
比較例19
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例33と同様の操作によりビス
ケットを得た。得られたビスケットについて実施例33と同様に分析及び官能評価を行っ
た。その結果を表13に示す。得られたビスケットは、固形分量が98.9質量%であっ
た。
【0106】
参考例10
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例33と同様の
操作によりビスケットを得た。得られたビスケットについて実施例33と同様に分析及び
官能評価を行った。その結果を表13に示す。得られたビスケットは、固形分量が98.
9質量%であった。
【0107】
官能評価9
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたビスケットを口腔内に含み噛み砕き、唾
液により口内で溶かして完全に消滅したときの「苦味」について、専門パネル4名が官能
試験を行った。官能試験では、参考例10のビスケットを標準とする相対評価としたこと
以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段階で評価することを合意したうえで実
施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2
位を四捨五入するものとする。
【0108】
【0109】
実施例35
カテキン試薬I、ルチン試薬及びアストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は
、実施例33と同様の操作によりビスケットを得た。得られたビスケットについて実施例
33と同様に分析を行い、下記の方法により官能評価を行った。その結果を表14に示す
。得られたビスケットは、固形分量が98.9質量%であった。
【0110】
比較例20
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例35と同様の操作によりビス
ケットを得た。得られたビスケットについて実施例35と同様に分析及び官能評価を行っ
た。その結果を表14に示す。得られたビスケットは、固形分量が98.9質量%であっ
た。
【0111】
参考例11
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例35と同様の
操作によりビスケットを得た。得られたビスケットについて実施例35と同様に分析及び
官能評価を行った。その結果を表14に示す。得られたビスケットは、固形分量が98.
9質量%であった。
【0112】
官能評価10
参考例11のビスケットを標準とする相対評価としたこと以外は、官能評価9と同様に
して評価を行った。
【0113】
【0114】
実施例36
下記の方法によりキャンディーを調製した。
1)水飴47.3質量部、グラニュー糖26質量部、クエン酸三ナトリウム1.5質量部
、レモン香料(長谷川香料株式会社)0.20質量部、カテキン試薬I 1.8質量部、
ルチン試薬0.030質量部、アストラガリン試薬0.020質量部を水22.8質量部
に70℃で加熱溶解し、液状キャンディー生地を調製した。
2)上記1)で得られた液状キャンディー生地を70℃で加熱し続け、水分がほとんどな
くなるまで煮詰めた。
3)上記2)で得られた液状キャンディーを型に入れ成形し、室温で冷却をしてキャンデ
ィーを得た。
得られたキャンディーについて分析を行い、下記の方法により官能評価を行った。その
結果を表15に示す。なお、得られたキャンディーは、固形分量が99.0質量%であっ
た。
【0115】
実施例37
アストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は、実施例36と同様の操作により
キャンディーを得た。得られたキャンディーについて実施例36と同様に分析及び官能評
価を行った。その結果を表15に示す。得られたキャンディーは、固形分量が99.0質
量%であった。
【0116】
比較例21
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例36と同様の操作によりキャ
ンディーを得た。得られたキャンディーについて実施例36と同様に分析及び官能評価を
行った。その結果を表15に示す。得られたキャンディーは、固形分量が99.0質量%
であった。
【0117】
参考例12
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例36と同様の
操作によりキャンディーを得た。得られたキャンディーについて実施例36と同様に分析
及び官能評価を行った。その結果を表15に示す。得られたキャンディーは、固形分量が
99.0質量%であった。
【0118】
官能評価11
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたキャンディーを口腔内に含み、舌の上で
唾液により口内で少しずつ溶かしている間に感じる「苦味」について、専門パネル4名が
官能試験を行った。官能試験では、参考例12のキャンディーを標準とする相対評価とし
たこと以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段階で評価することを合意したう
えで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小
数第2位を四捨五入するものとする。
【0119】
【0120】
実施例38
カテキン試薬I、ルチン試薬及びアストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は
、実施例36と同様の操作によりキャンディーを得た。得られたキャンディーについて実
施例36と同様に分析を行い、下記の方法により官能評価を行った。その結果を表16に
示す。得られたキャンディーは、固形分量が99.0質量%であった。
【0121】
比較例22
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例38と同様の操作によりキャ
ンディーを得た。得られたキャンディーについて実施例38と同様に分析及び官能評価を
行った。その結果を表16に示す。得られたキャンディーは、固形分量が99.0質量%
であった。
【0122】
参考例13
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例38と同様の
操作によりキャンディーを得た。得られたキャンディーについて実施例38と同様に分析
及び官能評価を行った。その結果を表16に示す。得られたキャンディーは、固形分量が
99.0質量%であった。
【0123】
官能評価12
参考例13のキャンディーを標準とする相対評価としたこと以外は、官能評価11と同
様にして評価を行った。
【0124】
【0125】
実施例39
下記の方法によりグミを調製した。
1)ゼラチン7.6質量部、水飴40質量部、グラニュー糖26質量部、クエン酸三ナト
リウム1.5質量部、レモン香料(長谷川香料株式会社)0.20質量部、カテキン試薬
I 2.1質量部、ルチン試薬0.037質量部、アストラガリン試薬0.026質量部
を水22.8質量部に70℃で加熱溶解し、液状グミ生地を調製した。
2)上記1)で得られた液状グミ生地を型に入れ成形し、常温で1時間放冷した。
3)上記2)で得られた液状グミ生地を、5℃で一晩冷却してグミを得た。
得られたグミについて分析を行い、下記の方法により官能評価を行った。その結果を表
17に示す。なお、得られたグミは、固形分量が80.0質量%であった。
【0126】
実施例40
アストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は、実施例39と同様の操作により
グミを得た。得られたグミについて実施例39と同様に分析及び官能評価を行った。その
結果を表17に示す。得られたグミは、固形分量が80.0質量%であった。
【0127】
比較例23
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例39と同様の操作によりグミ
を得た。得られたグミについて実施例39と同様に分析及び官能評価を行った。その結果
を表17に示す。得られたグミは、固形分量が80.0質量%であった。
【0128】
参考例14
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例39と同様の
操作によりグミを得た。得られたグミについて実施例39と同様に分析及び官能評価を行
った。その結果を表17に示す。得られたグミは、固形分量が80.0質量%であった。
【0129】
官能評価12
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたグミを口腔内に含み、唾液とよく混ぜ合
わせながら噛み砕いている間に感じられる「苦味」について、専門パネル4名が官能試験
を行った。官能試験では、参考例14のグミを標準とする相対評価としたこと以外は、専
門パネル4名が官能評価1と同一の5段階で評価することを合意したうえで実施した。そ
して、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五
入するものとする。
【0130】
【0131】
実施例41
下記の方法によりガムを調製した。
1)市販ガム(クラシエホールディングス株式会社 歯磨きガム 固形分量98.0質量
%)を温水(300cc 50℃)に浸し、温水中で生地を100回練った後、表面の水
分を軽くふきとりガム生地を調製した。
2)ガム生地に対し、カテキン試薬、ルチン試薬、アストラガリン試薬を下記の用量で均
一に練り、ガムを得た。
・市販ガム:97.3質量部、
・カテキン試薬I 2.0質量部、
・ルチン試薬0.034質量部、
・アストラガリン試薬0.024質量部
得られたガムについて分析を行い、下記の方法により官能評価を行った。その結果を表
18に示す。
【0132】
実施例42
アストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は、実施例41と同様の操作により
ガムを得た。得られたガムについて実施例41と同様に分析及び官能評価を行った。その
結果を表18に示す。
【0133】
比較例24
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例41と同様の操作によりガム
を得た。得られたガムについて実施例41と同様に分析及び官能評価を行った。その結果
を表18に示す。
【0134】
参考例15
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例41と同様の
操作によりガムを得た。得られたガムについて実施例41と同様に分析及び官能評価を行
った。その結果を表18に示す。
【0135】
官能評価13
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたガムを口腔内に含み、上下の奥歯が毎回
しっかり噛み合わさるように60回咀嚼している間に感じる「苦味」について、専門パネ
ル4名が官能試験を行った。官能試験では、参考例15のガムを標準とする相対評価とし
たこと以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段階で評価することを合意したう
えで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小
数第2位を四捨五入するものとする。
【0136】
【0137】
実施例43
青汁粉末(山本漢方製薬株式会社 大麦若葉 粉末100% 非重合体カテキン類:0
.54質量% ルチン:N.D アストラガリン:N.D 固形分量87.7質量%)9
0質量部、カテキン試薬I 8.3質量部、ルチン試薬0.18質量部と、アストラガリ
ン試薬0.010質量部とを加え、最後に賦形剤を全量が100質量部になるように配合
し、均一に混合し、混合物3gの青汁粉末を得た。得られた青汁粉末について分析を行い
、下記の方法により官能評価を行った。その結果を表19に示す。なお、得られた青汁粉
末は、内容物の固形分量が90.9質量%であった。
【0138】
実施例44
アストラガリン試薬の配合量を変化させたこと以外は、実施例43と同様の操作により
青汁粉末を得た。得られた青汁粉末について実施例43と同様に分析及び官能評価を行っ
た。その結果を表19に示す。なお、得られた青汁粉末は、内容物の固形分量が90.9
質量%であった。
【0139】
比較例25
アストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例43と同様の操作により青汁
粉末を得た。得られた青汁粉末について実施例43と同様に分析及び官能評価を行った。
その結果を表19に示す。なお、得られた青汁粉末は、内容物の固形分量が90.9質量
%であった。
【0140】
参考例16
ルチン試薬及びアストラガリン試薬を配合しなかったこと以外は、実施例43と同様の
操作により青汁粉末を得た。得られた青汁粉末について実施例43と同様に分析及び官能
評価を行った。その結果を表19に示す。なお、得られた青汁粉末は、内容物の固形分量
が90.9質量%であった。
【0141】
官能評価14
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られた青汁粉末3gを、20℃の水100mL
で希釈して各飲料を調製し、各飲料を飲用したときの「苦味」について、専門パネル4名
が官能試験を行った。官能試験では、参考例16の飲料を標準とする相対評価としたこと
以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段階で評価することを合意したうえで実
施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2
位を四捨五入するものとする。
【0142】
【0143】
実施例45
実施例3で得られた経口組成物1gを、ヨーグルト(株式会社 明治、明治ブルガリア
ヨーグルトLB81 プレーン)30gに振り掛け、乳食品を得た。得られた乳食品について
下記の方法により官能評価を行った。その結果を表20に示す。
【0144】
比較例26
比較例1で得られた経口組成物1gを用いたこと以外は、実施例45と同様の操作によ
り乳食品を得た。得られた乳食品について実施例45と同様に官能評価を行った。その結
果を表20に示す。
【0145】
参考例17
参考例1で得られた経口組成物1gを用いたこと以外は、実施例45と同様の操作によ
り乳食品を得た。得られた乳食品について実施例45と同様に官能評価を行った。その結
果を表20に示す。
【0146】
官能評価15
上記の実施例、比較例及び参考例で得られた乳食品を、それぞれ小さじのスプーンで3
gすくい取った後、口腔内に含み、舌で唾液と混ぜて完全に消滅したときの「苦味」につ
いて、参考例17の乳製品を標準とする相対評価としたこと以外は、専門パネル4名が官
能評価1と同一の5段階で評価することを合意したうえで実施した。そして、専門パネル
の評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする
。
【0147】
【0148】
実施例46
実施例3で得られた経口組成物1gを、お茶漬けの素(お茶づけ海苔、株式会社永谷園
)6gに混合し、お茶漬けの素を得た。得られたお茶漬けの素について下記の方法により
官能評価を行った。その結果を表21に示す。
【0149】
比較例27
比較例1で得られた経口組成物1gを用いたこと以外は、実施例31と同様の操作によ
りお茶漬けの素を得た。得られたお茶漬けの素について実施例46と同様に官能評価を行
った。その結果を表21に示す。
【0150】
参考例18
参考例1で得られた経口組成物1gを用いたこと以外は、実施例31と同様の操作によ
りお茶漬けの素を得た。得られたお茶漬けの素について実施例46と同様に官能評価を行
った。その結果を表21に示す。
【0151】
官能評価16
上記の実施例、比較例及び参考例で得られたお茶漬けの素6gを白米100gに均一に
ふりかけた後、60℃の温水150mLをかけて喫食したときの「苦味」について、専門
パネル4名が官能試験を行った。官能試験では、参考例18のお茶漬けの素を標準とする
相対評価としたこと以外は、専門パネル4名が官能評価1と同一の5段階で評価すること
を合意したうえで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の
平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。
【0152】
【0153】
表1~19から、非重合体カテキン類とルチンとを特定の量比で含有する経口組成物に
、アストラガリンを非重合体カテキン類に対して一定の量比で含有させることで、非重合
体カテキン類とルチンを高含有しながらも、非重合体カテキン類の苦味を低減できること
がわかる。また、表20、21から、本発明の経口組成物を飲食品に添加しても飲食品本
来の風味を損なわないことから、食品添加剤としても使用できることがわかる。