(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】再充填可能な薬剤分配装置を備えたコンピュータ化経口処方薬投与及び関連するシステム並びに方法
(51)【国際特許分類】
A61J 7/00 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
A61J7/00 E
(21)【出願番号】P 2022135281
(22)【出願日】2022-08-26
(62)【分割の表示】P 2020548946の分割
【原出願日】2019-03-14
【審査請求日】2022-08-26
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519255115
【氏名又は名称】バークシャー バイオメディカル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エム.ラウズ
(72)【発明者】
【氏名】スーザン ビー.オーウェン
(72)【発明者】
【氏名】クリスティー コーリー
(72)【発明者】
【氏名】カールトン チョウ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル テュリ
(72)【発明者】
【氏名】ラリー ビショッフ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ハートマン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ボイヤー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード クローネンバーグ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル クイン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ リンチ
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-516579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち使用のための大きさ及び形状を有するハウジングであって、生体認証センサと、貯蔵部を受け入れる大きさ及び形状を有する空洞とを備えるハウジングと、
前記ハウジングに結合されたマウスピースであって、凹部及び容量性センサアレイを備えるマウスピースと、
前記マウスピースに結合され、前記貯蔵部に結合可能なポンプと、
前記生体認証センサ、前記容量性センサアレイ、及び前記ポンプと通信するプロセッサと、を具備し、
前記プロセッサは、
前記生体認証センサからの生体認証データに基づいて、対象とするユーザの固有の生体認証属性が前記生体認証センサによって検出され、かつ、
前記容量性センサアレイからの歯列データに基づいて、前記対象とするユーザの固有の歯列が前記マウスピースの凹部内に配置されている、との判定に応答して、
前記ポンプが前記マウスピースを介して前記貯蔵部から前記対象とするユーザの口腔に物質を自動的に分配するように構成されている、物質分配装置。
【請求項2】
前記生体認証センサは指紋センサを含む、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項3】
前記生体認証センサからの生体認証データは指紋データを含み、前記対象とするユーザの固有の生体認証属性が前記生体認証センサによって検出されるかどうか
を判定するために、前記対象とするユーザの固有の生体認証属性に関連付けられた複数の所定の指紋モデルが前記生体認証センサから受信される、請求項2に記載の物質分配装置。
【請求項4】
前記対象とするユーザに関連付けられた複数の所定の指紋モデルのうちの所定の指紋モデルは、前記対象とするユーザに関連する許容可能な指紋モデル一致の範囲を規定する、請求項3に記載の物質分配装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、少なくとも1つの壁を備え、前記生体認証センサは、前記少なくとも1つの壁に結合される、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項6】
前記空洞は、液体を保持するように構成された投薬瓶を受け入れる大きさ及び形状を有する、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項7】
前記
投薬瓶は、前記
投薬瓶に含有される前記
液体の体積に基づいてサイズ決定される、請求項
6に記載の物質分配装置。
【請求項8】
前記物質がオピオイドである、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項9】
前記ポンプは前記ハウジング内に位置決めされる、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項10】
前記容量性センサアレイからの前記歯列データは容量性マップを含み、前記対象とするユーザの固有の歯列が前記マウスピースの凹部内に配置されているかどうかを判定
するために、前記対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた複数の所定の容量性マップが前記容量性センサアレイから受信される、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項11】
前記対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた複数の所定の容量性マップの所定の容量性マップは、前記対象とするユーザの固有の歯列に関連する許容可能な容量性マップ一致の範囲を規定する、請求項10に記載の物質分配装置。
【請求項12】
キャップをさらに具備し、前記ポンプは前記キャップを介して前記貯蔵部に結合可能である、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項13】
前記キャップはネジ山を具備し、
前記貯蔵部は、前記キャップと前記貯蔵部とを結合するためのネジ山を受容するように構成された溝を具備する、請求項12に記載の物質分配装置。
【請求項14】
前記キャップは、
弁と、
前記弁に結合された浸漬管と、を具備し、
前記弁は、前記貯蔵部から抽出されて前記ポンプに供給される前記物質の量を調節するように構成されている、請求項12に記載の物質分配装置。
【請求項15】
前記ハウジング
の少なくとも1つの壁は、
取り外し可能であるように、かつ前記貯蔵部を前記空洞内に
ロック可能に取り囲むように構成されている、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項16】
前記ポンプは、管状部材を介して前記マウスピースに結合されており、
前記対象とするユーザへの前記物質の流れを制御するように構成された弁をさらに具備する、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記生体認証センサからの前記生体認証データに基づいて、前記対象とするユーザを前記ハウジングに登録するように、かつ、
前記生体認証センサからの前記生体認証データを、前記ハウジングに結合されたメモリに記憶するように、さらに構成される、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記容量性センサアレイからの前記歯列データに基づいて、前記対象とするユーザを前記マウスピースに登録するように、さらに構成される、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、
メモリに前記対象とするユーザに関連付けられた処方箋の投薬量情報を記憶するように、さらに構成される、請求項1に記載の物質分配装置。
【請求項20】
前記物質が前記投薬量情報に基づいて分配される、請求項19に記載の物質分配装置。
【請求項21】
前記物質がオピオイドである、請求項20に記載の物質分配装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年3月16日に出願された米国仮特許出願第62/644,145号及び2018年4月20日に提出された米国非仮特許出願第15/958,809号の優先権と利益を主張する。両出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、医薬経口用量投与装置及びコンピュータ化経口処方薬投与(COPA)装置に概ね関する。例えば、静電容量センサ、環境センサ及び生体認証センサをCOPA装置に実装して、患者の歯列の位置を検出したり、いつCOPA装置が患者の口腔内にあるかを検出したり、及び/又は患者の生体認証属性を感知したりする。
【背景技術】
【0003】
薬理学の歴史は、処方薬の有効な利益及び相対的な費用を最大にすることへの継続的な探求にて、投与経路、医薬製剤、剤形及び投与装置の絶え間ない進化を生み出してきた。処方物質の投与を、例えば、医療施設で、あるいは患者の自宅にて医師によって、管理された医療環境で開始することができる。初期段階の製剤には、エリキシル剤、強壮剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、ひいては注射剤、静脈内(IV)剤及び硬膜外麻酔剤を含む、非経口(例えば血流中への)投与及び経腸(例えば胃腸への)投与用の液体形態が含まれ得る。初期段階の製剤は、例えば、機械化及び製剤研究によって、高度な形態を生み出すように開発することができる。初期段階の製剤、高度な形態並びに初期段階の製剤及び/又は高度な形態の患者による承諾などの追加の研究及び臨床試験は、投与経路、医薬製剤、剤形及び投与装置に寄与する可能性がある。
【0004】
緊急事態への短期の関与から、さらに長期の慢性疾患治療へと医療上の治療が移行するにつれて、管理された医療環境から患者が自己管理する環境へと移行して処方薬物投与の割合が高まる。訓練を受けた医療スタッフの管理を外れた患者の自己管理環境では、液体製剤の投与は、投薬指示が具体的でないために困難であることがある。小さじ及び/又は大さじでの測定に基づく投与はあいまいで変動する可能性がある。投与カップにはさまざまな測定フォーマットがある可能性があるため、患者の自己管理環境では混乱を引き起こす可能性がある。さらに、投与カップは初期投薬瓶から分離されることが多いため、誤った投与につながる可能性がある。
【0005】
機械的製造システム及び薬理学研究の進歩により、処方物質の患者の自己管理投与が液体製剤から丸剤(例えば、錠剤又はカプセル製剤)に移行することが可能になり、これにより品質保持期間が長くなり、患者の使いやすさ、投与の正確さ及び製造コストの削減を可能にしている。このように、患者の自己管理環境での経口薬の大部分が現在丸剤である。さらに、ペレット、顆粒、微粒子、小型錠剤などを含む微粒子製剤への関心が高まっている。しかし、幼児、高齢者又は障害のある患者など、錠剤又はカプセル製剤を飲み込むことができないか、飲み込むのが好ましくない患者には、患者の自己管理環境で注射器を介して経腸的経口液体処方を施すことができる。さらに、非経口液体製剤は、吸収速度が最も早く、所望の結果での最も好都合な成果を得られることが多く、局所投与、在庫管理、不正防止及び投与経路監査機能を向上させることができるため、非経口液体製剤は依然として管理された医療環境で投与されることが多い。
【0006】
薬物の投与を管理する主体に応じて、さまざまな形態の薬物が、さまざまな主体の期待、要望及び課題を満たすために開発される可能性がある。有効性と毒性に基づいていくつかの例外があるが、ほとんどの製薬会社が、さまざまな投与経路及び投薬経路を支持するために複数の製剤の薬剤を製造している。
【0007】
患者の自己制御環境での薬物投与を含む予防的又は結果的な治療計画に消費者が携わることが増えるにつれて、患者の自己制御環境又は自己管理環境での薬物投与に対する需要が高まっている。例えば、外来手術及び/又は1日の入院手術滞在が、重要な医療処置に対して一般的なものになってきている。これには、その後に患者の自宅での薬物投与を伴う可能性がある。さらに、高齢化が進むにつれて、処方薬管理の需要が高まっている。消費者が、複数の市販薬及び/又は処方された薬剤を毎日服用することがある。ここで、薬剤は丸剤の形態であることが多い。残念なことに、丸剤の使いやすさと、慢性的な患者管理治療計画に携わる消費者の増加は、多くの薬物分類の誤用と誤った管理をもたらしている。
【0008】
例えば、丸剤形態は、軽量で持ち運び可能であり、受取人を選ばず、在庫管理が困難であり、個人識別番号を持たず、品質保持期間が長く、製造コストが安い。このため、丸剤の摂取量又は使用量は、医療管理環境をいったん外れると制御が困難である。さらに、製造プロセスにて規模の経済性を達成するために、丸剤製造は、将来の需要に基づくのではなく、利用可能な機械、材料及び/又は原料の生産量の最大化に基づいて予定される。いくつかの例外はあるが、丸剤は長期間にわたって有効状態を維持することから、製造される丸剤のうち無駄になるものの量は最小である。丸剤は、われわれの社会で急増し、中毒や乱用へのルートとなってきた。
【0009】
処方薬の誤用及び誤った管理の影響を非常に受けやすいそのような患者が自己管理する治療法の1つに、オピオイド疼痛治療がある。例えば、米国食品医薬品局(FDA)によれば、米国(US)にて1年あたり約1億人が疼痛に苦しんでいる。約900万人~1200万人の疼痛患者が慢性又は持続性の疼痛を患っているが、残りの疼痛患者は怪我、病気又は医療処置による短期間の疼痛を患っている。2014年に、疾病管理予防センターは、米国の年間オピオイド処方薬の数が米国の人口の成人の数とほぼ等しいと報告した。疼痛患者は熟練した適切な疼痛管理から恩恵を受ける必要があると同時に、オピオイドの誤用又は中毒は管理される必要がある。FDAの首脳陣及び医師は、2つの補完的な原則を釣り合わせる、即ち、急性又は慢性の痛みを経験している人々の健康状態を保護しながら、オピオイドの誤用や中毒に積極的に対処することによってオピオイドの流行に対処しようとしている。しかし、オピオイドの誤用に対する改革、政策及び制限が実施されている地域の疼痛患者は、この釣り合いを経験しない可能性がある。いくつかの州では、処方する前に医療提供者がチェックしなければならない既知の常習者又は誤用者のデータベースをさらに装備している。しかし、医師は、システムを使用する負担のために処方する前にデータベースを確認しない可能性があり、及び/又は真の慢性疼痛患者によるアクセスを制限したいと望んでいない可能性がある。他の州では、オピオイド系から処方した医師を追跡するための報告及び監査証跡を実施している。しかし、監査の精査のための追加のステップ及び精査の可能性を避けるために、一部の医師は疼痛管理又は短期疼痛処方薬の提供を拒否することがあり、全症例を疼痛クリニックに委託することがある。
【0010】
患者教育の向上、ラベル付けの強化、制限的処方の試みは、医療提供者、患者、薬局、保険会社にとってはコストの増大、患者にとっては全体的な有効性の低下につながっている。結局、真の疼痛患者がオピオイドにアクセスするのに苦労するのに対し、オピオイドの誤用者は、導入された明白な監視体制にもかかわらず、利用可能なアクセス手段の操作を継続している。さまざまなレベルでの政策及び計画は成功しておらず、処方薬の誤用を管理するか軽減するのに充分なものではない。このため、薬物投与のための改良された装置、システム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
以下では、考察された技術の基本的な理解を提供するために本開示のいくつかの態様を要約する。この概要は、本開示の検討された全特徴の広範な概説ではなく、本開示の全態様のきわめて重要な要素又は必須の要素を特定することも、本開示のいずれかの態様又は全態様の範囲を描写することも意図しない。その唯一の目的は、後に提示されるさらに詳細な説明の前置きとして、本開示の1つ又は複数の態様のいくつかの概念を要約形式で提示することである。
【0012】
本開示は、容量性歯列感知、環境感知並びに補充及び投薬量管理を伴うコンピュータ化経口処方薬投与(COPA)装置、システム及び方法を提供する。このようなCOPA装置、システム及び方法は、対象とするユーザへの薬剤の制御された分配を容易にする。この点に関して、対象とするユーザの識別は、薬剤を分配する前のユーザの歯列の容量性マップに基づいて確認することができる。容量性マップは、対象とするユーザの口腔内に位置決めされたマウスピースに結合されるか埋め込まれた容量性センサアレイによって検出することができる。さらに、環境センサは、COPA装置が対象とするユーザの口腔内に位置決めされているかどうかを検出することができる。このほか、追加の検証装置、システム及び方法を使用して、対象とするユーザを認証してもよい。例えば、生体認証センサを使用して、対象とするユーザの指紋など、対象とするユーザの生体属性を検出し、対象とするユーザを認証してもよい。薬剤の分配に関連するパラメータ(例えば、薬剤療法、投薬量、タイミング、対象とするユーザの情報など)を、追跡し、COPA管理システムに保存し、及び/又は医療関係者、調剤関係者、患者、介護士及び/又は保険業者を含む健康管理業界の連携を通して伝達し、その結果、治療計画に対する患者のコンプライアンスを評価することができ、及び/又は治療計画の有効性を評価することができる。さらに、COPA管理システムは、通知、リマインダ及び/又は課題として役立つように、健康管理業界の連携の参加者に警告を送信することができる。
【0013】
一実施形態では、物質分配装置が提供される。この装置は、凹部と凹部に隣接する第1の容量性センサアレイとを有するマウスピースと、第1の容量性センサアレイと通信するプロセッサであって、プロセッサは、第1の容量性センサアレイから受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースの凹部内に位置決めされているかどうかを判定するように構成される、プロセッサと、プロセッサと通信するアクチュエータであって、アクチュエータは、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースの凹部内に位置決めされているとプロセッサが判定したことに応答して、貯蔵部から対象とするユーザの口腔に物質を分配するように構成される、アクチュエータと、を備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、マウスピースは、凹部に隣接する第1の外層と、第1の外層の下方に接触して位置決めされた第1の中間層と、第1の中間層の下方に接触して位置決めされた基層と、を有する第1の面を備える。いくつかの実施形態では、第1の外層は容量性材料を含む。いくつかの実施形態では、マウスピースは、マウスピースの第2の凹部に隣接する第2の外層と、第2の外層の下方に接触して位置決めされる第2の中間層とを有する第2の面をさらに備える。いくつかの実施形態では、第2の外層は容量性材料を含む。いくつかの実施形態では、マウスピースは、第2の凹部に隣接する第2の容量性センサアレイをさらに備え、第2の容量性センサアレイは基層内に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、第2の外層は第2の中間層に取り外し可能に結合される。いくつかの実施形態では、基層は第2の中間層の下方に接触して位置決めされ、基層は第1の中間層と第2の中間層との間に位置決めされる。いくつかの実施形態では、第1の外層は第1の中間層に取り外し可能に結合される。いくつかの実施形態では、第1の容量性センサアレイは基層内に埋め込まれる。
【0015】
いくつかの実施形態では、マウスピースは、凹部に隣接する第1の中間層と、第1の中間層に接続される基層とを有する第1の面を備える。いくつかの実施形態では、マウスピースの凹部は、複数のユーザの歯列を受容するような大きさ及び形状であり、複数のユーザの歯列は異なる大きさを備える。いくつかの実施形態では、第1の容量性センサアレイは1つ又は複数の容量性センサを備える。いくつかの実施形態では、プロセッサはマウスピース内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、プロセッサはマウスピースから離間している。いくつかの実施形態では、プロセッサは、マウスピースから離間した計算装置内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、アクチュエータはマウスピース内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、アクチュエータはマウスピースから離間している。いくつかの実施形態では、マウスピースはハウジングに結合され、アクチュエータはハウジング内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、貯蔵部はマウスピース内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、貯蔵部はマウスピースから離間している。いくつかの実施形態では、貯蔵部は投薬瓶である。
【0016】
一実施形態では、対象とするユーザに物質を分配する方法が提供される。この方法は、マウスピースの容量性センサアレイから入力を受信するステップと、受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースの凹部内に位置決めされているかどうかを判定するステップと、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースの凹部内に位置決めされているという判定に応答して、貯蔵部から対象とするユーザの口腔に物質を分配するステップと、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、容量性センサアレイから受信した入力に関連付けられた静電容量データを、対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた所定の静電容量データと比較する。いくつかの実施形態では、貯蔵部は口腔の外側に位置決めされ、物質は口腔の外側の貯蔵部から口腔に分配される。いくつかの実施形態では、貯蔵部は口腔の内側に位置決めされ、物質は口腔の内側の貯蔵部から口腔に分配される。
【0018】
一実施形態では、対象とするユーザに物質分配装置を登録する方法が提供される。この方法は、マウスピースの容量性センサアレイから、マウスピースを噛んでいる対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた入力を受信するステップと、受信した入力に基づいて、対象とするユーザをマウスピースに登録するステップと、を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、方法は、物質分配装置に統合されたメモリに、受信した入力を保存するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、受信された入力は、対象とするユーザの固有の歯列の容量性マップを表す。いくつかの実施形態では、マウスピースを噛んでいる対象とするユーザの固有の歯列に関連する許容可能な一致の範囲を規定するために、複数の入力が受信される。
【0020】
一実施形態では、物質分配装置が提供される。この装置は、手持ち使用のための大きさ及び形状のハウジングであって、ハウジングは、少なくとも1つの壁と、少なくとも1つの壁に結合された生体認証センサとを有する、ハウジングと、生体認証センサと通信するプロセッサであって、プロセッサは、生体認証センサから受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の生体認証属性が生体認証センサによって検出されたかどうかを判定するように構成される、プロセッサと、プロセッサと通信するポンプであって、ポンプは、対象とするユーザの固有の生体属性が生体認証センサによって検出されたとプロセッサが判定したことに応答して、貯蔵部から対象とするユーザの口腔に物質を分配するように構成された、ポンプと、を備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、生体認証センサは少なくとも1つの壁の第1の表面に位置決めされる。いくつかの実施形態では、生体認証センサは、複数のユーザの生体認証属性を受容するような大きさ及び形状であり、複数のユーザの生体認証属性は異なる大きさを備える。いくつかの実施形態では、貯蔵部は液体を保持するように構成された投薬瓶である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの壁は、手持ち使用中にユーザがハウジングを握るのを容易にする表面テクスチャリング特徴を備える。いくつかの実施形態では、ハウジングの少なくとも1つの壁は、底壁と、底壁に結合された別の壁とを備える。
【0022】
いくつかの実施形態では、装置は、別の壁が底壁に結合されたときに底壁を別の壁に堅固に封止するように構成された係止機構をさらに備える。いくつかの実施形態では、ハウジングは、少なくとも1つの壁によって形成される空洞をさらに備える。いくつかの実施形態では、ポンプはハウジングの空洞内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、装置は貯蔵部をさらに備え、貯蔵部はハウジングの空洞内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、ハウジングは、貯蔵部の上方に接触して位置決めされたキャップと、ポンプをハウジングの外側に位置決めされたマウスピースに接続する管状部材とをさらに備え、キャップは接続部材を介してポンプに接続される。いくつかの実施形態では、プロセッサはマウスピースに結合される。いくつかの実施形態では、管状部材の遠位端がポンプの近位端に接続され、管状部材の近位端がマウスピースに接続される。
【0023】
いくつかの実施形態では、キャップはネジ山を備え、貯蔵部は、ネジ山を受容してキャップと貯蔵部を結合するように構成された溝を備える。いくつかの実施形態では、キャップ、接続部材又は管状部材のうちの少なくとも1つがハウジングの空洞内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、キャップは、弁と、弁の下方に接触して位置決めされた浸漬管とを備え、弁は、管状部材及び接続部材の内部に配置される物質の量を調節するように構成される。いくつかの実施形態では、浸漬管は、弁に接続された近位端から、貯蔵部の基部の上方で終端する遠位端まで延びる。いくつかの実施形態では、浸漬管の長さの実質的に全体が貯蔵部内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、接続部材の遠位端が弁の近位端に結合され、接続部材の近位端がポンプの遠位端に結合される。
【0024】
一実施形態では、対象とするユーザに物質を分配する方法が提供される。この方法は、生体認証センサから入力を受信するステップと、生体認証センサから受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の生体認証属性が生体認証センサによって検出されたかどうかを判定するステップと、環境センサから入力を受信するステップと、環境センサから受信した入力に基づいて、マウスピースがユーザの口腔内に位置決めされているかどうかを判定するステップと、マウスピースの容量性センサアレイから入力を受信するステップと、容量性センサアレイから受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースの凹部内に位置決めされているかどうかを判定するステップと、対象とするユーザの固有の生体認証属性が生体認証センサによって検出されたという判定に応答して、貯蔵部から対象とするユーザの口腔に物質を分配するステップと、を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、生体認証センサから受信した入力は、対象とするユーザの指紋モデルを表す。いくつかの実施形態では、生体認証センサから受信した入力に関連付けられた指紋モデルを、対象とするユーザの固有の生体認証属性に関連付けられた所定の指紋モデルと比較する。いくつかの実施形態では、方法は、マウスピースがユーザの口腔内に位置決めされているという判定に応答して、物質を貯蔵部から対象とするユーザの口腔に分配するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースの凹部内に位置決めされているという判定に応答して、物質を貯蔵部から対象とするユーザの口腔に分配するステップをさらに含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、方法は、生体認証センサから受信した入力に基づいて、対象とするユーザを、生体認証センサに結合されたハウジングに登録するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、生体認証センサから受信した入力を、ハウジングに結合されたメモリに保存するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、複数の入力を受信して、ハウジングに接触する対象とするユーザの固有の生体認証属性に関連する許容可能な一致の範囲を規定する。いくつかの実施形態では、方法は、マウスピースの容量性センサアレイから、マウスピース内にある対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた入力を受信するステップと、容量性センサアレイから受信した入力に基づいて、対象とするユーザをマウスピースに登録するステップと、をさらに含む。
【0027】
本開示の別の態様、特徴及び利点が、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示の例示的な実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【
図1】
図1は、本開示の実施形態によるコンピュータ化経口処方薬投与(COPA)装置の上面斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態によるCOPA装置の底面斜視図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、予めパッケージ化されたマイクロポンプユニットと結合されたCOPA装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による連結ステーションにて連結するように位置決めされたCOPA装置の斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態による連結ステーションに連結されたCOPA装置の斜視図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態による、結合のために位置決めされたCOPA装置と予めパッケージ化されたマイクロポンプユニットとの斜視図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態による、
図1の切断線7-7に沿ったCOPA装置の断面図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態によるマイクロポンプユニットの概略図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態によるハウジングの斜視図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施形態による、ハウジングに結合されたCOPA装置と、ハウジング内に位置決めされた予めパッケージ化されたマイクロポンプユニットとの斜視図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施形態による、ハウジングに結合されたCOPA装置と、COPA装置内で結合するために位置決めされ、予めパッケージ化されたマイクロポンプユニットとの斜視図である。
【
図12】
図12は、本開示の実施形態によるCOPA装置の斜視図である。
【
図13】
図13は、本開示の実施形態によるハウジングに結合されたCOPA装置の斜視図である。
【
図14】
図14は、本開示の実施形態によるハウジングの内部の斜視図である。
【
図15】
図15は、本開示の実施形態による
図14の切断線15-15に沿ったハウジングの断面図である。
【
図16】
図16は、本開示の実施形態による
図14の切断線15-15に沿ったハウジングの断面図である。
【
図17】
図17は、本開示の実施形態による
図14の切断線15-15に沿ったハウジングの断面図である。
【
図18】
図18は、本開示の実施形態による
図1の切断線18-18に沿ったCOPA装置の上面の断面図である。
【
図19】
図19は、本開示の実施形態による
図1の切断線18-18に沿ったCOPA装置の上面及び底面の断面図である。
【
図20】
図20は、本開示の実施形態による
図1の切断線18-18に沿ったCOPA装置の底面の断面図である。
【
図21】
図21は、本開示の実施形態による
図1の切断線18-18に沿ったCOPA装置の上面及び底面の断面図である。
【
図22】
図22は、本開示の実施形態による
図1の切断線18-18に沿ったCOPA装置の上面の断面図である。
【
図23】
図23は、本開示の実施形態による
図1の切断線18-18に沿った変形状態のCOPA装置の上面の断面図である。
【
図24】
図24は、本開示の実施形態による
図1の切断線18-18に沿った変形状態のCOPA装置の上面及び底面の断面図である。
【
図25A】
図25Aは、本開示の実施形態による
図1の切断線18-18に沿った変形状態のCOPA装置の上面の断面図である。
【
図25B】
図25Bは、本開示の実施形態による構造的特徴を有する上歯を備える、
図1の切断線18-18に沿った変形状態のCOPA装置の上面の断面図である。
【
図26】
図26は、本開示の実施形態によるCOPAシステムの概略図である。
【
図27】
図27は、本開示の実施形態による、対象とするユーザに物質を分配する方法の流れ図である。
【
図28】
図28は、本開示の実施形態による、対象とするユーザに物質分配装置を登録する方法の流れ図である。
【
図29】
図29は、本開示の実施形態による、対象とするユーザに物質を分配する方法の流れ図である。
【
図30】
図30は、本開示の実施形態による、物質分配装置を登録したり、及び/又はハウジングを対象とするユーザに登録したりする方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の原理の理解を促進するために、ここで図面に示した実施形態を参照し、特定の用語を用いて実施形態を説明する。それでもなお、本開示の範囲に対する限定が意図されていないことが理解される。記載された装置、システム及び方法に対するあらゆる変更及び追加の修正並びに本開示の原理のあらゆる追加の適用が、本開示が関連する当業者に通常想起されるように、全体的に検討され、本開示内に含まれる。
【0030】
本開示の実施形態では、集中管理システムに登録されたID固有の装置を介して腸内経口薬を投与するための機構が提供される。一実施形態では、物質分配装置(例えば、COPA装置)が、凹部と、凹部に隣接する容量性センサアレイとを備えるマウスピースを備える。マウスピースは、凹部内のさまざまな場所に位置決めされた複数の静電容量センサを備える容量性センサアレイを備えてもよい。マウスピースは、マウスピースの壁の表面に位置決めされた環境センサなど、マウスピースに結合された環境センサを備えてもよい。マウスピースは、プロセッサと、貯蔵部と、アクチュエータと、流路と、出口弁とを備えるマイクロポンプユニットを備えてもよい。貯蔵部は処方薬又は市販薬で満たされてもよい。プロセッサは、容量性センサアレイ及びアクチュエータと通信してもよい。薬剤を投与するために、患者はマウスピースを自身の口に挿入し、口を閉じてマウスピースを噛むようにしてもよい。容量性センサアレイは、ユーザの歯列と咬合に関連する静電容量を感知して測定してもよい。プロセッサは、測定された静電容量と、対象とする受取人の事前記録データとの間に一致がみられるかどうかを判定してもよい。プロセッサは、マウスピースが正しく位置決めされているかどうかを判定してもよい。環境センサは、マウスピースを取り巻く環境(例えば、温度)の属性を感知して測定してもよい。プロセッサは、マウスピースがユーザの口腔内にあるかどうかを判定してもよい。プロセッサは、一致した正しい位置決めと場所を検出すると、アクチュエータを作動させて、正確な用量の薬剤を流路及び出口弁を介して患者の口腔内に放出させて摂取させる。一実施形態では、集中管理システムは、マウスピースの作成及び準備、処方薬の充填及び/又はさまざまな識別機構による処方薬の投与又は分配を追跡してもよい。
【0031】
開示された実施形態はいくつかの利点を提供し得る。例えば、埋設プロセッサを備えた個別登録マウスピース及び集中管理システムの採用は、処方薬が対象とする受取人に送達されることを確実にすることができる。このため、開示された実施形態は処方薬の誤用及び誤った管理を回避し得る。さらに、開示された実施形態は、医療提供者及び保険会社が処方薬の投与をいっそう良好に追跡し、処方薬の利点、効果及び/又は結果をさらに正確に評価することを可能にする可能性がある。開示された実施形態は、正確な用量の処方薬を患者に送達し、特に、高齢の患者、障害のある患者、あるいは処方薬を自己投与する能力を制限し得る行動問題を有する患者に利益をもたらす可能性がある。開示された実施形態は、対象とするユーザに処方薬を一致させるための認証の形態として容量性マップを使用するという文脈で説明されるが、他の生物学的マーキング(指紋、網膜又は虹彩スキャン、DNA、音声認識など)がこのほか、容量性マップと組み合わせたり、及び/又は容量性マップの代わりに適用されるか使用されてもよい。さらに、容量性センサアレイの採用により、1つのマウスピースを複数のユーザが使用できるようにすることができる(一度にマウスピースに登録する対象とするユーザは1人だけである)。このため、開示された実施形態は、厄介な生産コストを回避する可能性がある。
【0032】
図1は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の上面斜視図である。COPA装置100は、腸内経口液剤、多粒子剤及び/又は他の形態の薬物を、対象とする患者又はユーザに、制御された投薬量で送達するために使用されてもよい。COPA装置100は、上面102を備えるマウスピースである。上面102は、上面を形成する1つ又は複数の層に容量性センサアレイを備えてもよい。1つ又は複数の層の例示的な配置を
図18~
図25Bに記載する。上面102の上面外層が実質的に平面であってもよい。これは、COPA装置100が、複数の異なる歯列を有する複数の異なる口腔内に適合することを可能にする可能性がある。いくつかの実施形態では、容量性センサアレイは、ユーザがCOPA装置100の上面102を噛んだときに容量性マップを検出してもよい。本明細書でさらに詳細に説明するように、容量性マップは、処方物質の対象とする受取人を識別するための照合の形態として、ユーザの歯列の所定の容量性マップと比較してもよい。
【0033】
COPA装置100はこのほか、前壁部分126及び後壁部分128を備えてもよい。前壁部分126及び後壁部分128は、COPA装置100から外側に延び、凹部110を形成する。いくつかの実施形態では、前壁部分126及び後壁部分128は、COPA装置100の上面外層の上面に直交してもよい。他の実施形態では、前壁部分126及び後壁部分128は、COPA装置100の上面外層の上面に対して角度を付けてもよい(即ち、直交していなくてもよい)。上面102は、ユーザの歯列の対応する第1の部分(例えば、ユーザの上歯)を受容するように構成されてもよい。このため、いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザの上歯を凹部110に設置してもよい。凹部110は、複数のユーザの歯列を受容するような大きさ及び形状であってもよく、複数のユーザの歯列は異なる大きさを備えてもよい。いくつかの実施形態では、COPA装置100はこのほか、別のユーザの別の口腔形状にさらに対応するために切り抜き部分130を備えてもよい。さらに、COPA装置100は、生体適合性の印象材料又はポリマーから構成されてもよい。
【0034】
COPA装置100は密封処方薬分配ユニット120をさらに備える。密封処方薬分配ユニット120はCOPA装置100の上部中央に位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、密封処方薬分配ユニット120はCOPA装置100に結合されなくてもよい。密封処方薬分配ユニット120は、COPA装置100に結合され得る外部ハウジング内に配置されてもよい。密封処方薬分配ユニット120は、密封スリーブ124と、密封スリーブ124の上面から処方薬分配ユニット120内に延びる複数のアクセスポート122とを備えてもよい。アクセスポート122は処方物質を受容するように構成されてもよい。例えば、臨床医又は薬剤師は、アクセスポートを介して、処方物質を処方薬分配ユニット120に充填してもよい。処方物質は、液体及び/又は多粒子などのさまざまな形態の製剤を含んでもよい。処方薬分配ユニット120は、本明細書でさらに詳細に説明するように、プロセッサ、チャンバ、流路、アクチュエータ(例えば、マイクロポンプ)及び出口弁などの他の部品を備えてもよい。
【0035】
COPA装置100は、容量性センサアレイによって検出されるような患者の容量性マップを介して患者識別機能を提供してもよい。例えば、各個人には、固有の容量性マップに対応する固有の歯の刻印がある。特定の歯が隆起し、成熟し、永久歯と交換される可能性がある年齢に応じて特定のパターンがあり、歯の種類の調整のための特定のパターンがあるが、設定、大きさ、角度、患者の口腔内の特定の点の間の距離及び結果としての咬合は患者によって異なる。さらに、損傷した歯、抜けた歯、詰め物をした歯、被せ物をした歯並びに歯冠、ブリッジ、部分的義歯及び総義歯などの補綴物は、異なる個人の口腔内の識別性又は独自性をさらに高める。このため、固有の容量性マップに対応する歯列刻印付きのCOPA装置100の使用は、特定の個人を識別するのに効果的である可能性がある。COPA装置100は、本明細書でさらに詳細に説明するように、マウスピースに結合された(例えば、密封処方薬分配ユニット120内に埋設された)プロセッサによって実装されるさまざまな患者照合機構を介して患者識別機能をさらに提供してもよい。
【0036】
COPA装置100は、密封処方薬分配ユニット120を介して、制御された処方薬投与機能をさらに提供する。例えば、プロセッサは容量性センサアレイと通信してもよく、COPA装置100が対象とするユーザの口腔内に正しく位置決めされているかどうかを判定するように構成されてもよい。プロセッサは、一致する容量性マップを検出すると、本明細書でさらに詳細に説明するように、密封処方薬分配ユニット120内の部品を制御して、正確な用量の処方物質を対象とするユーザの口腔内に放出するか送達してもよい。
【0037】
図2は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の底面斜視図である。底面104は、上面を形成する1つ又は複数の層に容量性センサアレイを備えてもよい。1つ又は複数の層の例示的な配置を
図12~
図18Bに記載する。底面104の底面外層が実質的に平面であってもよい。これは、COPA装置100が、複数の異なる歯列を有する複数の異なる口腔内に篏合することを可能にする可能性がある。いくつかの実施形態では、容量性センサアレイは、ユーザがCOPA装置100の底面104を噛んだときに容量性マップを検出してもよい。処方薬分配ユニット120は、処方物質が放出され得る複数の出口弁222を底面104に備える。さらに、いくつかの実施形態では、前壁部分126及び後壁部分128(
図1)は、COPA装置100から外側に延び、凹部210を形成する。いくつかの実施形態では、前壁部分126及び後壁部分128は、COPA装置100の上面外層の上表面に直交してもよい。他の実施形態では、前壁部分126及び後壁部分128は、COPA装置100の上面外層の上表面に対して角度を付けてもよい(即ち、直交していなくてもよい)。底面104は、ユーザの歯列の対応する第2の部分(例えば、ユーザの下歯)を受容するように構成されてもよい。このため、いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザの下歯を凹部210に設置してもよい。凹部210は、複数のユーザの歯列を受容するような大きさ及び形状であってもよく、複数のユーザの歯列は異なる大きさを備えてもよい。
【0038】
上記で考察したように、
図1及び
図2は、凹部110、210並びに前壁部分126及び後壁部分128がユーザの上歯及び下歯の両方を受容するように構成されるCOPA装置100の実施形態を示す。しかし、いくつかの実施形態では、COPA装置100は凹部110のみを備える(
図18を参照)。例えば、前壁部分126及び後壁部分128は、ユーザの上歯が凹部110に受容されるときに、ユーザの上歯周りに篏合するように構成されてもよい。他の実施形態では、COPA装置100は凹部210のみを備える(
図20を参照)。例えば、前壁部分126及び後壁部分128は、ユーザの下歯が凹部210に受容されるときに、ユーザの下歯周りに篏合するように構成されてもよい。別の実施形態(例えば、
図1及び
図2に示す実施形態)では、COPA装置100は凹部110、210の両方を備える。例えば、前壁部分126及び後壁部分128は、ユーザの上歯及び下歯がそれぞれ凹部110及び210に受容されるときに、ユーザの上歯及び下歯周りに篏合するように構成されてもよい。
【0039】
図3は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の斜視図である。
図3は、処方薬分配ユニット120のさらに詳細な図を提供するために(
図1に示す)密封スリーブ124の上部が除去されたCOPA装置100を示す。図示のように、処方薬分配ユニット120はマイクロポンプユニット300を備える。アクセスポート122は、マイクロポンプユニット300と連通して、処方物質をマイクロポンプユニット300に充填することを可能にしてもよい。
【0040】
図4は、本開示の実施形態による連結ステーション400にて連結するために位置決めされたCOPA装置100の斜視図である。
図5は、本開示の実施形態による連結ステーション400に連結されたCOPA装置100の斜視図である。COPA装置100は、保管、充電及び/又は通信ネットワークを介した通信のために連結ステーション400内に位置決めされてもよい。連結ステーション400は、連結区画410、無線送受信機420、充電部品430、複数のインジケータ440及びCOPA装置感知部品450を備えてもよい。無線送受信機420、充電部品430、インジケータ440及びCOPA装置感知部品450は、図示のように、あるいは連結ステーション400上の任意の適切な構成にて配置されてもよい。
【0041】
連結区画410は、COPA装置100を収容するような大きさ及び形状であってもよい。本明細書でさらに詳細に説明するように、無線送受信機420は、COPA装置100が患者専用無線ネットワークを介して連結ステーション400に連結されている間にデータを送受信するように構成されてもよい。充電部品430は、(例えば、電池を充電するための)触覚充電部品を備えてもよく、COPA装置100が連結ステーション400に連結されている間にCOPA装置100を充電するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ、アクチュエータの動作、処方物質の放出は、電力に基づいて動作する。COPA装置感知部品450は、COPA装置100が正しく連結されているかどうかを検出するように構成されてもよい。例えば、COPA装置100の底面104は、連結ステーション感知部品をさらに備えてもよく、COPA装置100と連結ステーション400との間の位置合わせを、COPA装置感知部品450及び連結ステーション感知部品を介して検出してもよい。充電部品430は、位置合わせを検出した後、COPA装置100を充電し始めてもよい。さらに、COPA装置100は、本明細書でさらに詳細に説明するように、無線送受信機420を介してCOPA管理システムに処方管理活動をアップロードしてもよい。インジケータ440は発光ダイオード(LED)を備えてもよい。インジケータ440は、COPA装置100が充電及び無線通信のために連結区画410内に正しく位置決めされているかどうかを表示するように構成されてもよい。インジケータ440は、COPA装置100の充電状態(例えば、電源オン/オフ)及び/又は無線送受信機420の無線送信及び/又は受信活動を表示するようにさらに構成されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、連結ステーション400は、使用及び/又は保管のさまざまな段階でCOPA装置100の存在を感知して検出し、対応するフィードバック及び/又は警告をユーザ、介護者、医師及び/又は薬局に提供することができる閉ループ制御システムを提供する。例えば、インジケータ440は、COPA装置100が連結ステーション400の近傍にある状態、連結ステーション400内に適切に連結されている状態、連結ステーション400内に不適切に連結されている状態、充電中、充電完了、データ転送中、適切に動作中、不適切に動作中及び/又は他の状態表示を示すように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、連結ステーション400は、さまざまなトーン及び/又は振動を発生させて、COPA装置100の近接又は連結、充電活動及び/又は通信活動をはじめとする現在の状態を表示することができる音波発生部品(例えば、スピーカ)を備えてもよい。いくつかの実施形態では、連結ステーション400は、スマートフォン、タブレット又はコンピュータのような計算装置と(例えば、無線送受信機420又は有線接続を介して)通信することができ、フィードバック及び/又は警告(のほか、COPA装置100から得られた処方薬投与活動の記録)をCOPAスマートフォン又はタブレットアプリケーションに送信してもよい。
【0043】
COPA装置100は、必要に応じて(例えば、1日に複数回、毎日、毎晩、毎週など)、投薬と投薬の間に保管、充電及び/又は通信のために連結ステーション400に設置されてもよい。処方薬分配ユニット120を備えるCOPA装置100の充電及び/又は電力の必要量は、薬剤の投与に関連する操作に要する時間が典型的には短い(例えば、1分以下である)ため、最小であってもよい。連結ステーション400は、充電及び無線通信のほか、COPA装置100の紛失、置き忘れ又は損傷を防止するのに役立つ可能性がある。例えば、連結ステーション400は、対象とするユーザにCOPA装置100を適合させるための追加のプロトコルを提供するために、係止機構をさらに備えてもよい。一実施形態では、連結ステーション400は、対象とするユーザの拇印又は他の任意の生物学的マーキングに対する拇印照合に基づいてCOPA装置100を解除するか解放するように構成された拇印走査部品又は光学走査部品を備えてもよい。
【0044】
対象ではないユーザがCOPA装置100と充分に一致し、解除して、その後に処方薬を放出するのを防止するために、処方薬分配ユニット120内のプロセッサは、係止機構と協働して、処方薬放出のための起動時間を制限するようにさらに構成されてもよい。例えば、指定された時間に薬物を送達するか放出するために、充電済みCOPA装置100を患者の口腔内に挿入してもよい。薬剤の投与が時間によって特定されない場合、薬剤放出時間の制御は最初の使用後に開始してもよい。例えば、プロセッサは、最初の使用の時間を記録し、経過時間又は規定の投薬と投薬の間の間隔に基づいてその後の放出を制御するように構成されてもよい。プロセッサは、後続の送達のために、指定された時間又は指定された持続時間で薬物を放出するように構成されてもよい。
【0045】
図6は、本開示の実施形態による、結合のために位置決めされたCOPA装置100及びマイクロポンプユニット300の斜視図である。マイクロポンプユニット300は処方薬分配ユニット120の中核である。マイクロポンプユニット300は、プロセッサ310、貯蔵部320、アクチュエータ330及び複数の出口弁340を備える。プロセッサ310は、マイクロポンプユニット300を制御し、COPA装置100に関連する活動、例えば、投薬送達時間及び量、充電時間及び/又は無線通信活動を記録するように構成される。貯蔵部320は、処方物質を、例えば、マイクロポンプユニット300を介した送達用に調剤されたときに、保持するように構成される。アクチュエータ330は、作動時に正確な用量の処方物質を押圧するか送達するように構成される。出口弁340は、マイクロポンプユニット300の底部に位置決めされ、摂取のために処方物質を放出するように構成される。マイクロポンプユニット300のさらに詳細な図を
図9及び
図10に示す。マイクロポンプユニット300の部品間の相互作用を以下でさらに詳細に説明する。マイクロポンプユニット300は、本明細書でさらに詳細に説明するように、さまざまな機構を通して処方薬と共に予めパッケージ化されてもよい。図示のように、COPA装置100は、マイクロポンプユニット300を受容する大きさ及び形状の区画114を備えてもよい。例えば、予めパッケージ化されたマイクロポンプユニット300は、区画114内に位置決めされ、(
図1に示す)密封スリーブ124で覆って密封処方薬分配ユニット120を形成する。
【0046】
いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、マイクロポンプユニット300の外側に位置づけられてもよい。例えば、プロセッサ310は、マイクロポンプユニット300から取り外されても、マイクロポンプユニット300から離間しても、あるいはマイクロポンプユニット300の外側に結合されてもよい。他の実施形態では、プロセッサ310は、完全にCOPA装置100の外部に位置づけられてもよい。例えば、プロセッサ310は、COPA装置100から取り外されても、COPA装置100から離間しても、あるいはCOPA装置100の外部に結合されてもよい。例示的な実施形態では、プロセッサ310は、電話、タブレット、コンピュータ、サーバなどの計算装置又は任意の他の適切な計算装置に位置決めされてもよい。他の実施形態では、プロセッサ310はマイクロポンプユニット300内に位置づけられてもよい。例えば、プロセッサ310はマイクロポンプユニット300に結合されてもよい。他の実施形態では、プロセッサ310はCOPA装置100に結合されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、プロセッサ310は有線接続を介して生体認証センサ550(
図9)と通信してもよい。他の実施形態では、プロセッサ310は無線接続を介して生体認証センサ550と通信してもよい。プロセッサ310は生体認証センサ550から信号(例えば、入力)を受信してもよい。信号/入力は、生体認証センサ550とユーザの生体認証属性(例えば、ユーザの指紋)との間の物理的相互作用に基づいて生成されてもよい。これについて、
図9を参照してさらに詳細に考察する。
【0048】
いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、有線接続を介して環境センサ560(
図12)と通信してもよい。他の実施形態では、プロセッサ310は、無線接続を介して環境センサ560と通信してもよい。プロセッサ310は環境センサ560から信号(例えば、入力)を受信してもよい。信号/入力は、環境属性(例えば、温度)に基づいて生成されてもよい。これについて、
図12を参照してさらに詳細に考察する。
【0049】
いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、有線接続を介して上面容量性センサアレイ716(
図18)及び/又は底面容量性センサアレイ718(
図19)と通信してもよい。他の実施形態では、プロセッサ310は、無線接続を介して上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718と通信してもよい。プロセッサ310は、上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718から信号(例えば、入力)を受信してもよい。信号/入力は、COPA装置100の上面102及び/又は底面104の変形に基づいて生成されてもよい(
図23及び
図24を参照してさらに詳細に考察する)。
【0050】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ330はマイクロポンプユニット300の外側に位置づけられてもよい。例えば、アクチュエータ330は、マイクロポンプユニット300から取り外されても、マイクロポンプユニット300から離間しても、あるいはマイクロポンプユニット300の外側に結合されてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ330は、完全にCOPA装置100の外側に位置づけられてもよい。例えば、アクチュエータ330は、COPA装置100から取り外されても、COPA装置100から離間しても、あるいはCOPA装置100の外側に結合されてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ330はマイクロポンプユニット300内に位置づけられてもよい。例えば、アクチュエータ330はマイクロポンプユニット300に結合されてもよい。他の実施形態では、アクチュエータ330はCOPA装置100に結合されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、貯蔵部320はマイクロポンプユニット300の外側に位置づけられてもよい。例えば、貯蔵部320は、マイクロポンプユニット300から取り外されても、マイクロポンプユニット300から離間しても、マイクロポンプユニット300の外側に結合されてもよい。他の実施形態では、貯蔵部320は、完全にCOPA装置100の外側に位置づけられてもよい。例えば、貯蔵部320は、COPA装置100から取り外されても、COPA装置100から離間しても、COPA装置100の外側に結合されてもよい。他の実施形態では、貯蔵部320はマイクロポンプユニット300内に位置づけられてもよい。例えば、貯蔵部320はマイクロポンプユニット300に結合されてもよい。他の実施形態では、貯蔵部320はCOPA装置100に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、貯蔵部320は投薬瓶であってよい。例えば、貯蔵部320は、処方薬瓶、液体鎮痛薬瓶、あるいは処方薬又は市販薬を保持するための(市販されていてもよい)他の任意の適切な容器であってもよい。
【0052】
図7は、本開示の実施形態による、マイクロポンプユニット300の内部部品及び内部部品間の相互作用の詳細図を提供する。この点に関して、
図7は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の断面図である。断面図は
図1の切断線7-7に沿って取得された図である。マイクロポンプユニットは、COPA装置100の(
図6に示す)区画114内に位置決めされる。マイクロポンプユニット300は、(
図8に示す)充電部品360(例えば、電池)及びメモリ370をさらに備えてもよい。充電部品360はプロセッサ310及びアクチュエータ330と通信してもよい。
図5に示すように、COPA装置100が連結ステーション400に連結されると、充電部品360は、連結ステーション400の充電部品430に結合され、バッテリ充電又は無線充電を介してCOPA装置100(例えば、プロセッサ310及びアクチュエータ330)を充電するように構成されてもよい。メモリ370は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)及びその組み合わせを含む任意の適切なメモリタイプの揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、メモリ370はマイクロポンプユニット300に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、メモリ370は、物質分配装置(例えば、COPA装置100)内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、アクセス開口部134(
図1)は、COPA装置100を通って外面から内面まで延在し、ユーザの口腔内にあり得る出口開口部で終端してもよい。いくつかの実施形態では、出口開口部は、COPA装置100がユーザの口腔内にあるとき、ユーザの口腔内にあってもよい。他の実施形態では、COPA装置100がユーザの口腔の外にあるときなど、出口開口部はユーザの口腔の外にあってもよい。アクセス開口部134の壁は、中空の空洞を形成してもよく、アクセス開口部134は、円筒、直角プリズム又は任意の他の適切な形状であってもよい。
【0053】
プロセッサ310は、例えば、ワイヤ710を介して、上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718と通信することができ、アクチュエータ330と通信することができる。
図7には上面容量性センサアレイ716及びワイヤ710のみを示しているが、プロセッサ310が1つ又は複数のワイヤ(例えば、ワイヤ710及び/又は他のワイヤ)を介して底面容量性センサアレイ718と通信することができることが理解される。アクチュエータ330は、流路350を介して、貯蔵部320及び出口弁340と連通することができる。貯蔵部320は、(
図1に示す)アクセスポート122及び流路350と連通することができる。
【0054】
貯蔵部320は、1つ又は複数のチャンバ322、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又は任意の適切な数のチャンバ322を備えてもよい。チャンバ322は、処方物質720を保持するように構成されてもよい。この点に関して、チャンバ322の数及び大きさは、処方物質の数、処方物質の種類及び/又は使用される投薬量に基づいて選択することができる。チャンバ322は、さらに装置を患者の口腔内に位置決めすることを可能にする任意の大きさであることが可能である。いくつかの例では、チャンバ322は、COPA装置100に形成された対応するチャンバ又はチャネルと連通して、処方物質のための貯蔵容量を増大させることができる。チャンバ322はアクセスポート122と連通していてもよい。いくつかの実施形態では、各チャンバ322は、アクセスカニューレ730を介してアクセスポート122のうちの1つと連通している。
【0055】
臨床医又は薬剤師が、アクセスポート122を介して処方物質720を充填しても再充填してもよい。処方物質720は、液体製剤、粉末製剤、多粒子製剤又は他の任意の適切な製剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、チャンバ322はいずれも液体製剤で充填される。いくつかの他の実施形態では、1つのチャンバ322が液体製剤で充填され、別のチャンバ322が粉末製剤又は多粒子製剤で充填されてもよい。異なるチャンバ322内の処方物質720は、特定の製剤を形成するために同時に放出されても、処方物質720中の特定の活性成分が互いに反応するのを防ぐために異なる時間に放出されてもよい。この点に関して、各チャンバ322は、対象とするユーザのための異なる処方物質を含有してもよい。
【0056】
アクチュエータ330は、医薬製剤の送達に適したマイクロポンプであってもよい。アクチュエータ330は、プロセッサ310によって作動されるか起動されて、処方物質720を流路350を通して流し、カニューレ740から出して、出口弁340を介して解放してもよい。アクチュエータ330は、正確な投薬量の処方物質720を放出するために1回以上起動されてもよい。流路350は適切な管材料から構成されてもよい。出口弁340は、例えば、エラストマー膜を有し、ユーザの口腔内への処方物質720の漏出又はユーザの口腔内からCOPA装置100への処方物質720の逆流を防止するように構成された任意の適切な流量制御弁であってもよい。
【0057】
プロセッサ310は、患者の識別及び照合を実施する機能、静電容量感知を(例えば、上面及び/又は底面容量性センサアレイと協働して)実施する機能、アクチュエータ330に特定の用量の処方物質720を放出するように指示する機能、出口弁340の開口を制御する機能、対象とするユーザに対する投薬指示に従ってマイクロポンプユニット300の部品の動作を制御する機能、分配データを保存する機能などの機能をはじめ、本明細書に記載の機能を実施するように構成される任意の適切なマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサであってもよい。投薬指示は、対象とするユーザに物質を分配するための少なくとも投薬量とタイミングを含んでもよい。投薬指示はメモリ370に保存されてもよい。
【0058】
図8は、本開示の実施形態によるマイクロポンプユニット300の概略図である。
図8は、マイクロポンプユニット300のさらに詳細な図と、上面容量性センサアレイ716及び底面容量性センサアレイ718並びに連結ステーション400との相互作用を提供する。図示のように、マイクロポンプユニット300は無線送受信機380をさらに備えてもよい。無線送受信機380は任意の適切な無線通信プロトコルを実行してもよい。本明細書でさらに詳細に説明するように、無線送受信機380は、例えば、記録された活動をアップロードするため、あるいは修正された投薬指示又は新たな投薬指示をダウンロードするために、連結ステーション400と無線で通信してもよい。さらに、無線送受信機380は、対象とするユーザの通信装置(例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなど)を備える他の無線通信装置と無線で通信してもよい。この点に関して、マイクロポンプユニット300のプロセッサは、そのような警告又はリマインダを(例えば、可聴式インジケータ及び/又は視覚的インジケータを作動させることによって)発するように、対象とするユーザの通信装置を起動することによって(例えば、投薬指示の投薬タイミングに基づいて)ユーザに対する警告又はリマインダを開始するように構成することができる。同じように、マイクロポンプユニット300及び/又は連結ステーション400のプロセッサは、医療提供者の通信装置との通信を介して警告又はリマインダを開始するように構成することができる。例えば、マイクロポンプユニット300及び/又は連結ステーションは、投薬指示に従って物質を分配できなかった状態(例えば、患者が処方された通りに薬剤を服用していない状態)及び/又は対象とするユーザを認証しようと試みて複数回失敗した状態(例えば、対象とするユーザ以外の誰かが薬剤にアクセスしようとしているか、対象とするユーザが装置の使用に問題があることを示す状態)に基づいて医療提供者に警告してもよい。
【0059】
図9は、本開示の実施形態によるハウジング500の斜視図を提供する。ハウジング500は、上部510及び下部520を備えてもよい。ハウジング500は、手持ち操作にて使用するための大きさ及び形状であってもよい。例えば、ハウジング500は、ユーザの指と掌をハウジング500周りに置くことにより、ユーザが片手で把持するように構造的に構成されてもよい。ハウジング500は、円筒、直角プリズム、立方体又はその任意の組み合わせなどの任意の適切な形状であってもよい。いくつかの例では、ハウジング500は複数の壁から形成されてもよい。ハウジング500は、投薬瓶590、キャップ592、浸漬管594、弁596、ポンプ598、管状コネクタ580、管状部材540などの1つ又は複数の部品及び/又は他の任意の適切な部品を受容するための内部空洞を備えてもよい。内部空洞はハウジング500の壁によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング500は、ユーザの指のための対応する領域(例えば、窪み及び/又は隆起部分)を有するように輪郭形成されてもよい。例えば、ハウジング500は、ハウジング500の全体又は一部に配置されたグリップを有するように輪郭形成されてもよい。ハウジング500の外面には、粗面化特徴及び/又はテクスチャリング、ナーリング、テーピングなどの表面テクスチャリング特徴を備えることができる。ハウジング500は、ポリマー、プラスチック、金属、金属合金などの任意の適切な材料から作成することができる。例えば、ハウジング500の材料及び/又はハウジング500の外面は、高齢の患者など、手の強度が低下した患者をはじめとするユーザによる握りをさらに容易なものにするように構造的に配置されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、ハウジング500は、生体認証センサ550を備える。生体認証センサ550は、指紋スキャナ、光学スキャナ(例えば、網膜スキャナ、角膜スキャナ、虹彩認識スキャナなど)、DNAスキャナ(例えば、唾液スキャナ、汗スキャナ、皮脂(即ち、皮膚の油)スキャナ)、顔の特徴(特徴の大きさ、特徴の形状、特徴の間隔、静脈の間隔など)を検出するカメラ、声紋スキャナ、聴覚スキャナ、嗅覚スキャナ、ユーザの歩行及び/又は走行の足取りを検出するための振動スキャナ及び/又は他の適切な生物学的マーカを認識することができるスキャナであってもよい。生体認証センサ550は、例えば、可視光、赤外光及び/又は紫外光をはじめとする電磁放射を検出するためのカメラ、電磁センサ及び/又は光学センサ装置を備えることができる。電磁センサは、反射波、屈折波又は検出波(例えば、可視光波、赤外線波、紫外線波など)を感知してもよく、ユーザの解剖学的特徴などの1つ又は複数の特徴を検出するために使用されてもよい。いくつかの例では、ハウジング500は、例えば、可視光、赤外光及び/又は紫外光を提供するために、照明源などの1つ又は複数の電磁放射源を備えることができる。いくつかの例では、生体認証センサ550は、光学スキャナ、カメラ、デジタルスキャナ(例えば、容量性タッチスクリーン、抵抗性タッチスクリーンなど)及び/又はその任意の組み合わせなどの署名照合装置であってもよい。 署名照合装置は、例えば、光学スキャナ及び/又はカメラを使用して、ユーザの署名の画像を走査してもよい。他の例では、署名照合装置は、例えば、デジタルスキャナを使用してリアルタイムでユーザの署名を取得してもよい。ハウジング500は、1つの生体認証センサ550又は上記の異なるタイプの生体認証センサをはじめとする複数の生体認証センサを備えてもよい。
【0061】
例示的な実施形態では、生体認証センサ550は、光学センサ又は超音波センサを使用する指紋スキャナであってもよい。生体認証センサ550は、複数のユーザの指の寸法と一致する大きさ及び形状であってもよく、あるいは生体認証センサ550は、ユーザの指のうちの1本だけの寸法と一致する大きさ及び形状であってもよい。例えば、生体認証センサ550は、ユーザの右手親指、右手人差し指、右手中指、右手薬指、右手小指及び/又はユーザの左手のそれぞれ対応する指の寸法と一致する大きさ及び形状であってもよい。いくつかの例では、生体認証センサ550は実質的に円形であってもよい。他の例では、生体認証センサ550は実質的に楕円形であってもよい。生体認証センサ550は他の任意の適切な形状であってもよい。いくつかの実施形態では、生体認証センサ550は、ユーザの指紋全体が生体認証センサ550の外側の境界内に収まるような大きさ及び形状であってもよい。他の実施形態では、生体認証センサ550は、ユーザの指紋の一部のみが生体認証センサ550の外側の境界内に収まるような大きさ及び形状であってもよい。
【0062】
生体認証センサ550は、ユーザにとって人間工学的であるような方法でハウジング500上に位置づけられてもよい。例示的な実施形態では、対象とするユーザは、COPA装置100がハウジング500に結合されているため(
図10を参照)、COPA装置100が対象とするユーザの口腔内にある間、ハウジング500を保持する。このため、そのような実施形態では、ユーザの手、手首及び/又は腕への負担を軽減するために、ユーザがハウジング500を保持しているときに、生体認証センサ550を人間工学的位置に位置づけることがユーザにとって有益である。
【0063】
図9の実施形態では、生体認証センサ550はハウジング500の下部520に位置づけられる。他の実施形態では、生体認証センサ550はハウジング500の上部510に位置づけられてもよい。さらに、
図9の実施形態では、生体認証センサ550は、前壁524、即ち、ハウジング500の下部520の前面522に位置づけられる。例えば、生体認証センサ550は、前壁524に結合されても、前壁524の表面に位置決めされても、あるいは前壁524内に部分的又は全体的に位置決めされてもよい。前壁524はハウジングの底壁570(
図15)に結合されてもよい。ハウジング500の前面522は、ユーザが自身の手でハウジング500を把持して保持するときにユーザに面する表面であってもよい。この配置により、有利には、生体認証センサ550が、ユーザの手がハウジング500周りに位置決めされたときにユーザの親指を検出することを可能にしてもよい。他の実施形態では、生体認証センサ550は、ハウジング500の下部520の任意の他の面又は上部510の任意の面に位置づけられてもよい。例えば、生体認証センサ550はハウジング500の下部520の背面に位置づけられてもよい。この配置により、有利には、生体認証センサ550が、ユーザの手がハウジング500周りに位置決めされたときに、ユーザの人差し指を検出することを可能にしてもよい。他の例では、この配置によりこのほか、生体認証センサ550が、ユーザの手がハウジング500周りに位置決めされたときに、ユーザの中指、薬指及び/又は小指を検出することを可能にしてもよい。他の実施形態では、生体認証センサ550はハウジング500上に全く位置づけられていない。例えば、生体認証センサ550は、ハウジング500から取り外されても、あるいはハウジング500から離間してもよい。追加の例として、生体認証センサ550は、電話、タブレット又はコンピュータ上に位置づけられてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、対象とするユーザは、対象とするユーザの指紋を生体認証センサ550上に置いてもよい。次に、生体認証センサ550は、対象とするユーザの走査された指紋の指紋モデルを検出する。検出された指紋モデルは対象とするユーザに固有のものである。他の実施形態では、生体認証センサ550は、複数の入力に基づいて複数の指紋モデルを検出してもよい。例えば、対象とするユーザは、対象とするユーザの指紋を生体認証センサ550に異なる向き、方向及び/又は場所に置いてもよい。一例として、対象とするユーザは、対象とするユーザの指紋の50%~75%を生体認証センサ550上に置いてもよい。上記の割合の範囲は例示のみを目的として列挙される。対象とするユーザの指紋の50%未満及び対象とするユーザの指紋の75%を超える割合がこのほか、本開示によって検討される。生体認証センサ550は、対象とするユーザに関連する許容可能な指紋モデルの一致の範囲を規定するために、上記で考察した複数の入力に基づいて複数の指紋モデルを検出してもよい。これは、生体認証センサ550が複数の指紋モデルを検出するために、ユーザが生体認証センサ550に複数回ユーザの指紋を置くことを要求してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、ユーザは、投薬量分配サイクルの期間中、ユーザの指を生体認証センサ550上に維持することを要求されてもよい。他の実施形態では、ユーザは、生体認証センサ550がユーザの指紋モデルを検出した後であって投薬量分配サイクルの終了前に、生体認証センサ550からユーザの指を取り除くことができてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、生体認証センサ550から、生体認証センサ550によって検出されたそれぞれの生体認証属性に関連する入力を受信する。受信された入力は、検出された生体認証属性を表す電気信号であってもよい。プロセッサ310は、プロセッサ310が受信した入力に基づいて、検出された現在の生体認証属性が、対象とするユーザの保存された生体認証属性と一致するかどうかを判定してもよい。プロセッサ310は、一致する生体認証属性を検出すると、本明細書でさらに詳細に説明するように、投薬量分配プロセスを継続してもよい。
【0067】
図10は、ハウジング500に結合されたCOPA装置100の斜視図を提供する。いくつかの実施形態では、COPA装置100は連結ポート530を介してハウジング500に結合される。ハウジング500は上部510及び下部520を備えてもよい。
図10では、マイクロポンプユニット300はハウジング500の上部510内に位置決めされる。マイクロポンプユニット300の貯蔵部320は、いくつかの実施形態ではホース構造であり得る管状部材540を介してCOPA装置100に接続されてもよい。管状部材540は可撓性材料であってもよい。あるいは、管状部材540は硬質であってもよい。アクチュエータ330が作動するとき、アクチュエータ330は、正確な投薬量の処方物質(例えば、処方物質720)を、管状部材540を介して貯蔵部320から対象とするユーザの口腔に送達する。管状部材540は、連結ポート530を通って延び、対象とするユーザの口腔内の出口ポート532で終端して、処方物質を摂取のために対象とするユーザの口腔内に直接送達することができるようにする。いくつかの実施形態では、COPA装置100はアクセス開口部134(
図1及び
図7)を備えてもよい。管状部材540は、COPA装置100のアクセス開口部134を介して連結ポート530に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロポンプユニット300はハウジング500の下部520内に位置決めされてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、ハウジング500は、市販の処方薬瓶がハウジング500(例えば、
図14の投薬瓶590)内に収まることを可能にする大きさ及び形状である。このような実施形態では、処方薬瓶は、処方物質(例えば、液体、丸剤など)のための貯蔵部(例えば、貯蔵部320)を構成してもよい。処方物質(例えば、処方物質720)は、輸送チャネル(例えば、管状部材540)を介して、対象とするユーザの口腔内に直接送達されてもよい。マイクロポンプユニット300と同じように、アクチュエータ330は、作動すると、正確な投薬量の処方物質を処方薬瓶から対象とするユーザに送達してもよい。アクチュエータ330は、COPA装置100が対象とするユーザの口腔内にあるという指示に応答してプロセッサ310によって起動されてもよい。この指示は、本明細書で説明する1つ又は複数のプロセスによって判定される。他の実施形態では、ハウジング500内のアクチュエータ(例えば、アクチュエータ330とは異なるアクチュエータ)が、正確な投薬量の処方物質を処方薬瓶から対象とするユーザに送達してもよい。
【0069】
図11は、ハウジング500に結合されたCOPA装置100の斜視図を提供する。
図11の実施形態では、マイクロポンプユニット300は、COPA装置100の区画114内に位置決めされるように配置される。マイクロポンプユニット300は、使用中、COPA装置100内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、ハウジング500は、対象とするユーザが処方物質(例えば、処方物質720)を取得しようとしていることを確認するために、拇印又は光学走査部品(例えば、
図9を参照して上記で考察した生体認証センサ550)を備えてもよい。アクチュエータ330は、対象とするユーザを確認したときに、作動してもよい。他の実施形態では、アクチュエータ330は、上面容量性センサアレイ716(
図18)及び/又は底面容量性センサアレイ718(
図19)から受信した入力に基づいて、COPA装置100が対象とするユーザの口腔内にあるとプロセッサ310が判定した後にプロセッサ310によって起動される。
【0070】
図10を参照した上記の考察と同じように、いくつかの実施形態では、ハウジング500は、市販の処方薬瓶(例えば、
図14の投薬瓶590)がハウジング500内に収まることを可能にするように成形される。この実施形態では、処方薬瓶は、処方物質(例えば、液体、丸剤など)のための貯蔵部(例えば、貯蔵部320)を構成してもよい。処方物質(例えば、処方物質720)は、輸送チャネルを介して対象とするユーザの口腔内に直接送達されてもよい。マイクロポンプユニット300と同じように、アクチュエータ330は、作動すると、正確な投薬量の処方物質を処方薬瓶から対象とするユーザに送達してもよい。アクチュエータ330は、COPA装置100が対象とするユーザの口腔内にあるという指示に応答してプロセッサ310によって起動されてもよい。この指示は、本明細書で説明する1つ又は複数のプロセスによって判定される。他の実施形態では、ハウジング500内のアクチュエータ(例えば、アクチュエータ330とは異なるアクチュエータ)が、正確な投薬量の処方物質を処方薬瓶から対象とするユーザに送達してもよい。
【0071】
図12は、本開示の実施形態による環境センサ560を備えるCOPA装置100の斜視図を提供する。いくつかの実施形態では、環境センサ560は、COPA装置100に結合されたり、及び/又は統合されたりする。例えば、環境センサ560は、COPA装置100の壁に結合されても、COPA装置100の壁の表面に位置決めされても、あるいはCOPA装置100の壁内に部分的又は全体的に位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、環境センサ560は、COPA装置100の後壁部分128又は前壁部分126に結合される。他の実施形態では、環境センサ560は後壁部分128の外面129に結合されてもよく、あるいは環境センサ560は後壁部分128内に部分的又は全体的に位置決めされてもよい。別の実施形態では、環境センサ560は前壁部分126の外面127に結合されてもよく、あるいは環境センサ560は前壁部分126内に部分的又は全体的に位置決めされてもよい。
【0072】
COPA装置100は1つの環境センサ(例えば、環境センサ560)を備えてもよく、あるいはCOPA装置100は複数の環境センサを備えてもよく、環境センサのうちの1つは環境センサ560である。複数の環境センサはいずれも、環境センサ560の複製であってもよい。複数の環境センサは、さまざまな環境属性を検出するように構成することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、環境センサ560は、温度、湿度、二酸化炭素(CO2)、揮発性有機化合物(VOC)、気圧、唾液の存在のような1つ又は複数の環境属性及び/又は他の任意の適切な環境属性を検出するように構成されてもよい。他の実施形態では、環境センサ560は、ユーザのDNA(例えば、唾液)を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、環境センサ560から、環境センサ560によって検出されたそれぞれの環境属性に関連する入力を受信する。受信された入力は、検出された環境属性を表す電気信号であってもよい。プロセッサ310は、プロセッサ310が受信した入力に基づいて、COPA装置100がユーザの口腔内に位置決めされているかどうかを判定してもよい。
【0074】
例示的な実施形態では、環境センサ560は、環境センサ560を取り巻く空気の周囲温度を検出してもよい。このため、COPA装置100がユーザの口腔内に設置されると、環境センサ560はユーザの口腔内の空気の温度を検出する。次に、プロセッサ310は、環境センサ560によって検出された温度値を受信してもよい。プロセッサ310は、無線接続及び/又は有線接続によって温度値を受信してもよい。例示的な実施形態では、プロセッサ310は、メモリ370(
図7)に保存され得る所定の範囲の保存された温度値を備える。プロセッサ310が、環境センサ560から、所定の範囲の温度値内にある温度値を受信すると、プロセッサ310は、環境センサ560、ひいてはCOPA装置100がユーザの口腔内に位置決めされていると判定してもよい。所定の範囲の温度値内にある温度値には、華氏97度から華氏99度までの値が含まれる。上記の温度範囲は例示のみを目的として列挙される。華氏97度未満の温度及び華氏99度を超える温度がこのほか、本開示によって検討される。
【0075】
図12の実施形態が環境センサ560を1つのセンサとして表すのに対し、いくつかの実施形態では、環境センサ560は複数の環境センサであってもよい。例えば、COPA装置100は、別個の温度センサ、別個の湿度センサ、別個のCO
2センサなどを備えてもよく、上記のセンサのそれぞれは、COPA装置100上の異なるそれぞれの場所に位置づけられてもよい。例えば、温度センサはCOPA装置100の後壁部分128の外面129上に位置づけられてもよく、湿度センサはCOPA装置100の前壁部分126の外面127上に位置づけられてもよい。他の実施形態では、COPA装置100は環境センサ560の複製を備えてもよい。環境センサ560の複製のそれぞれは、COPA装置100上の異なるそれぞれの場所に位置づけられてもよい。例えば、1つの環境センサ560をCOPA装置100の後壁部分128の外面129に位置づけてもよく、別の環境センサをCOPA装置100の前壁部分126の外面127に位置づけてもよい。
【0076】
図13は、本開示の実施形態による、ハウジング500に結合されたCOPA装置100の斜視図を提供する。いくつかの実施形態では、COPA装置100は、ハウジング500に機械的に結合され、流体的に結合されてもよい。COPA装置100は、連結ポート530(
図10)を介してハウジング500に機械的に結合され、それにより、COPA装置100及びハウジング500は共に動く。COPA装置100は、管状部材540を介してハウジング500に流体的に結合され(あるいは流体連通し)、それにより、処方物質(例えば、処方物質720)が管状部材540を介してハウジング500からCOPA装置100に移動する。
図13に示す実施形態では、ハウジング500は生体認証センサ550(
図9)を備える。さらに、COPA装置100は環境センサ560(
図12)を備える。
【0077】
図14は、本開示の実施形態によるハウジング500の内部の斜視図を提供する。
図14に示す実施形態では、ハウジング500は、投薬瓶590、キャップ592、浸漬管594、弁596、ポンプ598、管状コネクタ580及び管状部材540(
図15を参照)を備える。投薬瓶590は貯蔵部320(
図6)であってもよい。ポンプ598はアクチュエータ330(
図6)であってもよく、弁596は出口弁340(
図6)とほぼ同じであってもよい。
【0078】
投薬瓶590は、処方物質720であり得る処方物質を保持するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、処方物質720は液体形態であってもよい。例えば、処方物質720は、液体形態のオキシコドン塩酸塩、モルヒネ濃縮物、ロラゼパム、ゾロフト(Zoloft)セルトラリンHCL又は任意の他の適切な物質であってもよい。いくつかの例では、処方物質720は、上記に列挙された物質のいずれか、あるいは未だ生成も作成も開発も製造もされていないが、将来生成されるか、作成されるか、開発されるか、製造される可能性のある任意の物質であってもよい。処方物質720は、上記に列挙された物質のいずれかの組み合わせ、あるいは上記に列挙された物質と、未だ製造も作成も開発も製造もされていない物質又は他の任意の適切な物質との組み合わせであってもよい。他の実施形態では、投薬瓶590は、ペレット、顆粒、微粒子、ミニタブレット、粉末、錠剤などの形態の処方物質を備えてもよい。投薬瓶590は、対象とするユーザの投薬量情報に基づいて、処方物質の複数の(例えば、一日(数日)当たり、一週(数週)当たり、一カ月(数カ月)当たりなどの)用量を含有するような大きさであってもよい。いくつかの例では、投薬瓶590の容量は、15ml、30ml、60ml、90ml、120ml、180ml、240ml、360ml、480ml、あるいはそれ以上である。投薬瓶590の容量は、予想される投薬量の大きさ、予想される物質形態(例えば、液体、ペレット、顆粒、微粒子、ミニタブレット、粉末、丸剤など)及び/又はその組み合わせに基づいて決定されてもよい。
【0079】
ポンプ598は、COPA装置100を介して投薬瓶590から処方物質を分配し、管状コネクタ580及び管状部材540(
図10)を介して対象とするユーザの口腔内に分配することができる。この点に関して、ハウジング500の内部の部品は、上記のマイクロポンプユニット300(
図6~
図8)とほぼ同じであってもよい。いくつかの例では、管状コネクタ580は、管状部材540に置き換えられてもよく、その結果、管状部材540は、COPA装置100からポンプ598を通って延び、弁596に接続する。他の例では、管状部材540は、管状コネクタ580に置き換えられてもよく、その結果、管状コネクタ580は、弁596からポンプ598を通って延び、COPA装置100に接続する。
【0080】
いくつかの実施形態では、浸漬管594の遠位端600が投薬瓶590の基部591のすぐ上で終端するように、浸漬管594の遠位端600を投薬瓶590内に配置する。このため、浸漬管594の長さの実質的に全体が投薬瓶590内に位置決めされてもよい。これにより、処方物質720が浸漬管594の遠位端600に入り、中空管であり得る浸漬管594を通って流れることが可能になる可能性がある。浸漬管594の近位端602を弁596の遠位端604に接続してもよい。弁596の近位端606を管状コネクタ580の遠位端608に接続してもよい。管状コネクタ580の近位端610をポンプ598の遠位端612に接続してもよく、ポンプ598の近位端614を管状部材540の遠位端616に接続してもよい。管状部材540の近位端618がCOPA装置100内で終端してもよい。いくつかの実施形態では、管状部材540は、マイクロポンプユニット300の貯蔵部320(
図7)に接続し、次に、出口弁340(
図7)を介して処方物質720をユーザの口腔内に送達する。他の実施形態では、管状部材540はCOPA装置100を通って連結ポート530内に延び、処方物質720は連結ポート530内の出口ポート532を介してユーザの口腔内に送達される。さまざまな例では、管状部材540は、COPA装置100及び連結ポート530を通って延び、出口ポート532に接続する。次に、処方物質720は管状部材540を介してユーザの口腔内に送達される。上記の浸漬管594、弁596、管状コネクタ580、ポンプ598、管状部材540、連結ポート530、出口ポート532及び/又はCOPA装置100のうちの1つ又は複数の間の接続などのそれぞれの接続のいずれか1つが、雄/雌係合、スナップ嵌合、圧入、ねじ込み係合、接着接続、はんだ係合、締結係合、溶接接続、ろう付け接続、あるいは処方物質720の移動を容易にするための他の任意の適切な結合であってもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、管状部材540は、ポンプ598及びCOPA装置100それぞれと、物理的に結合されるなどの流体連通及び機械的連通の状態にあってもよい。他の実施形態では、浸漬管594は、弁596と物理的に結合されるなどの流体連通及び機械的連通の状態にあってもよい。
【0082】
図15は、投薬瓶590がハウジング500の外側に位置決めされた状態のハウジング500の詳細図を提供する。この点に関して、
図15は本開示の実施形態によるハウジング500の断面図である。断面図は、
図14の切断線15-15に沿って取得されたものである。
図15の実施形態では、投薬瓶590はハウジング500の外側に位置決めされ、投薬瓶590は処方物質720で満たされる。投薬瓶590は、薬剤師などの権限のある者のみが直接取り扱うものであってもよい。ユーザは、処方物質720への不正アクセスを防止するために、投薬瓶590を直接取り扱ってはならない。いくつかの例では、権限のある者が、供給業者から投薬瓶590を受け取った後、投薬瓶590の元のキャップを取り外し、元のキャップをキャップ592などの特注のキャップと交換してもよい。キャップ592は浸漬管594及び弁596を備えてもよい。さまざまな例では、キャップ592及び/又は投薬瓶590はネジ山を備えることができ、投薬瓶590及び/又はキャップ592は、ネジ山を受容するための対応する溝を備えることができる。このようにして、キャップ592及び投薬瓶590は螺合されてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、権限のある者は、キャップ592を投薬瓶590に取り付けた後、投薬瓶590をハウジング500に挿入してもよい。権限のある者は、投薬瓶590をハウジング500に挿入するために、最初にハウジング500の底壁570を取り外してもよい。次に、権限のある者は、投薬瓶590をハウジング500の下部520に挿入してもよい。権限のある者は、投薬瓶590を下部520に挿入した後、底壁570を交換し、底壁570を係止機構によって所定の位置に係止して、投薬瓶590への不正アクセスを防止するように底壁570をハウジング500に堅固に封止してもよい。いくつかの実施形態では、係止機構は、キーロック、磁気ロック、電子ロック、機械的ロック、迅速接続ロック又は任意の他の適切な係止機構であってもよい。いくつかの実施形態では、係止機構は、前壁524が底壁570に結合されているとき、底壁570を前壁524に堅固に封止してもよい。
【0084】
図16は、ハウジング500の内部に位置決めされた投薬瓶590を備えたハウジング500の詳細図を提供する。この点に関して、
図16は、本開示の実施形態によるハウジング500の断面図である。断面図は、
図14の切断線15-15に沿って取得されたものである。
図16の実施形態では、投薬瓶590はハウジング500内に位置決めされ、投薬瓶590は処方物質720で満たされる。いくつかの実施形態では、対象とするユーザの指紋が生体認証センサ550(
図9)によって走査されたとプロセッサ310が判定した後、(
図12を参照して上記で考察したように)COPA装置100が対象とするユーザの口腔内にあるとプロセッサ310が判定した後及び/又は対象とするユーザの口腔がCOPA装置100の凹部内にあるとプロセッサ310が判定した後(これについては、
図18~
図25Bを参照して本明細書でさらに詳細に考察する)、ポンプ598を利用して、処方物質720を投薬瓶590から対象とするユーザの口腔内に分配してもよい。いくつかの例では、処方物質720は、浸漬管594、弁596、管状コネクタ580、ポンプ598、管状部材540、連結ポート530及び出口ポート532を介して、投薬瓶590から対象とするユーザの口腔内に移動する。
【0085】
いくつかの実施形態では、弁596は、ある投薬量が対象とするユーザに送達された後、管状コネクタ580、ポンプ598及び管状部材540を空気で洗浄してもよい。例えば、弁596は、管状コネクタ580、ポンプ598及び管状部材540に空気を注入してもよい。空気の注入により、処方物質720の投薬量からの任意の残りの残留物が、管状コネクタ580、ポンプ598及び管状部材540から確実に除去される。いくつかの例では、弁596は、空気抜き弁、キャニスタ型空気抜き弁、逆止弁、ピンチ弁、ダイヤフラム弁、電磁弁、ボール弁又は他の任意の適切な弁であってもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ598は、投薬時間表及び/又は投薬スケジュールに従って、処方物質720の投薬を一度に1つずつ、対象とするユーザに提供し続けてもよい。所定の期間にわたって、所定の投与数だけ薬剤を送達し続けたり、及び/又は投薬瓶590内の所定の物質720の量がなくなるまで、薬剤を送達し続けてもよい。
【0086】
図17は、空の投薬瓶590がハウジング500の外側に位置決めされた状態のハウジング500の詳細図を提供する。この点に関して、
図17は、本開示の実施形態によるハウジング500の断面図である。断面図は、
図14の切断線15-15に沿って取得されたものである。
図17の実施形態では、投薬瓶590はハウジング500の外側に位置決めされ、投薬瓶590は空である(即ち、処方物質720の全部が投薬瓶590から除去される)。いくつかの例では、ユーザは、投薬瓶590が空になった後、ハウジング500を薬剤師などの権限のある者に持参してもよい。権限のある者がユーザからハウジング500を受け取ると、権限のある者は底壁570をハウジング500から取り外してもよい。権限のある者は、底壁570を取り外すために、底壁570をハウジング500から解除してもよい。次に、権限のある者は、空の投薬瓶590をハウジング500から取り出してもよい。いくつかの実施形態では、権限のある者は、投薬瓶590に処方物質720を補充し、投薬瓶590をハウジング500に戻してもよい。権限のある者は、投薬瓶590をハウジング500内に収容した後、底壁570をハウジング500に係止してもよい。
【0087】
他の実施形態では、権限のある者が空の投薬瓶590をハウジング500から取り出した後、権限のある者は、処方物質720で投薬瓶590を補充する必要がない場合がある。例えば、権限のある者は、ユーザの投薬スケジュールが完了したときに、投薬瓶590を補充する必要がない場合がある。ユーザの投薬スケジュールが完了した場合、権限のある者は、COPA装置100が取り付けられたハウジング500を消毒して、次のユーザが使用できる状態に維持してもよい。いくつかの実施形態では、権限の与えられたユーザは、投薬瓶が処方物質720で部分的に満たされている間に、投薬瓶590をハウジング500から取り外してもよい。例えば、投薬瓶590は、規定の期間が経過した後及び/又は規定の数の投薬が完了した後でも、部分的に満たされてもよい。
【0088】
権限のある者が投薬瓶590にアクセスするためにハウジング500の底壁570を解除して取り外してもよいことを、
図15~
図17を参照して上記で考察したが、投薬瓶590にアクセスするためにハウジング500の他のいずれかの壁を取り外してもよいことが理解される。例えば、権限のある者は、ハウジング500の後壁又は側壁を解除して取り外し、投薬瓶590にアクセスしてもよい。
【0089】
図18は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の上面102の詳細図を提供する。この点に関して、
図18は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の断面図である。断面図は、
図1の切断線18-18に沿って取得されたものである。上面102は、上面外層712、上面中間層706及び基層702を備える。上面外層712は上面中間層706に隣接しており、上面中間層706は基層702に隣接している。上面外層712は実質的に平面であってもよい。これは、COPA装置100が、複数の異なる歯列を有する複数の異なる口腔内に篏合することを可能にする可能性がある。
【0090】
いくつかの実施形態では、上面中間層706は、上面外層712の下方に接触して位置決めされてもよい。上面中間層706は上面外層712と直接接触してもよい。例えば、上面中間層706の上面が上面外層712の底面と接触していてもよい。いくつかの実施形態では、上面中間層706は上面外層712に接続されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、基層702は上面中間層706の下方に接触して位置決めされてもよい。基層702は上面中間層706と直接接触していてもよい。例えば、基層702の上面が上面中間層706の底面と接触していてもよい。いくつかの実施形態では、基層702は上面中間層706に接続されてもよい。
【0092】
さらに、上面容量性センサアレイ716を基層702内に埋め込んでもよい。上面容量性センサアレイ716は、上面中間層706に隣接する(例えば、上面中間層706の底面に隣接する)ように基層702内に位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、上面容量性センサアレイ716は複数の静電容量センサから構成されてもよい。複数の静電容量センサは直線状に配置されてもよい。他の実施形態では、複数の静電容量センサは数列の直線に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の静電容量センサは、湾曲パターン及び/又は非線形パターンをはじめとする任意の他の適切なパターンで配置されてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、上面外層712及び上面中間層706の両方は生体適合性の印象材料又はポリマーから作成される。基層702は、生体適合性の印象材料又はポリマーから作成されてもよく、あるいは基層702は、さらに硬質の材料から作成されてもよい。例えば、基層702は、独立気泡発泡体、非導電性ゲル、ゴム、紙、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、プラスチック、磁器、テフロン(登録商標)、セラミック、ガラス繊維又は他の任意の適切な材料から作成されてもよい。上面外層712及び上面中間層706は、ユーザがCOPA装置100を噛んだときに層が変形するように、変形可能であってもよい。
【0094】
上面容量性センサアレイ716の複数の静電容量センサは任意の適切なタイプの静電容量センサであってもよい。例えば、複数の静電容量センサは、物体検出センサ、レベル検出センサ、容量性変位センサ、容量性近接センサ、相互静電容量センサ、自己静電容量センサをはじめとする任意の適切な静電容量センサであってもよい。コンデンサは、絶縁体(例えば、誘電体)によって分離された2つの電極から構成される装置である。いくつかの例では、誘電体は、空気、雲母、マイラー(Mylar)、ゴム、紙、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、プラスチック、磁器、テフロン(登録商標)(Teflon)、セラミック、はんだマスク、ガラス繊維、ガラス又は他の任意の適切な絶縁材料(例えば、ガス、液体又は固体材料)であってもよい。いくつかの実施形態では、静電容量センサは集積コンデンサであってもよい。いくつかの例では、集積コンデンサは、平板/平坦電極、棒、管、購入されたセンサ、修正されたセンサ、特注のセンサ、あるいは相互作用して材料の静電容量を変更することができ、電界を生成する材料の任意の組み合わせの形態をとってもよい。いくつかの実施形態では、上面容量性センサアレイ716の静電容量センサは、歯列の位置決め、配置、形状をはじめとする任意の適切な歯列関連寸法を検出する。
【0095】
上面外層712は、容量性材料(例えば、導電性材料の少なくとも1つの層を含有する任意の適切な材料、あるいは帯電防止導電性発泡体などの導電性材料が含浸した任意の材料及び/又は導電性材料によって金属化された任意の材料)から作成されてもよい。いくつかの例では、上面中間層706は、圧力下で変形し、その後回復することになる非導電性材料から作成されてもよい。例えば、上面中間層706は、ゴム、非導電性ゲル、独立気泡発泡体又は他の任意の適切な材料から作成されてもよい。いくつかの実施形態では、上面外層712は上面中間層706に取り外し可能に結合されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、上面外層712は上面102から除去されてもよい。上面外層712は、ユーザの歯に充分な数の構造的特徴(例えば、歯冠、ブリッジ、金属充填物などの補綴物)をユーザが有するため、ユーザの歯列の充分な容量性マップが上面容量性センサアレイ716によって検出されることになる場合に除去されてもよい。
【0096】
図19は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の上面102及び底面104の詳細図を提供する。この点に関して、
図19は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の断面図である。断面図は、
図1の切断線18-18に沿って取得されたものである。
図1を参照して上記で考察したように、底面104は底面外層714及び底面中間層708を備える。底面外層714は底面中間層708に隣接しており、底面中間層708は基層702に隣接している。底面外層714は実質的に平面であってもよい。これは、COPA装置100が、複数の異なる歯列を有する複数の異なる口腔内に篏合することを可能にする可能性がある。
【0097】
いくつかの実施形態では、底面中間層708は底面外層714の下方に接触して位置決めされてもよい。底面中間層708は底面外層714と直接接触していてもよい。例えば、底面中間層708の上面が底面外層714の底面と接触していてもよい。いくつかの実施形態では、底面中間層708は底面外層714に接続されてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、基層702は底面中間層708の下方に接触して位置決めされてもよい。基層702は底面中間層708と直接接触していてもよい。例えば、基層702の底面が底面中間層708の底面と接触していてもよい。いくつかの実施形態では、基層702は底面中間層708に接続されてもよい。
【0099】
さらに、底面容量性センサアレイ718は基層702内に埋め込まれてもよい。底面容量性センサアレイ718は、底面中間層708に隣接する(例えば、底面中間層708の底面に隣接する)ように基層702内に位置決めされてもよい。
図19に示すように、上面容量性センサアレイ716及び底面容量性センサアレイ718の両方はそれぞれ、基層702内に埋め込まれてもよい。いくつかの実施形態では、底面容量性センサアレイ718は複数の静電容量センサから構成されてもよい。複数の静電容量センサは直線状に配置されてもよい。他の実施形態では、複数の静電容量センサは数列の直線に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の静電容量センサは、湾曲パターン及び/又は非線形パターンをはじめとする任意の他の適切なパターンで配置されてもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、底面外層714及び底面中間層708の両方は生体適合性の印象材料又はポリマーから作成される。例えば、基層702は、独立気泡発泡体、非導電性ゲル、ゴム、紙、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、プラスチック、磁器、テフロン(登録商標)(Teflon)、セラミック、ガラス繊維又は他の任意の適切な材料から作成されてもよい。底面外層714及び底面中間層708は、ユーザがCOPA装置100を噛んだときに層が変形するように変形可能であってもよい。
【0101】
底面容量性センサアレイ718の複数の静電容量センサは任意の適切なタイプの静電容量センサであってもよい。例えば、複数の静電容量センサは、物体検出センサ、レベル検出センサ、容量性変位センサ、容量性近接センサ、相互静電容量センサ、自己静電容量センサをはじめとする任意の適切な静電容量センサであってもよい。
図18を参照して上記で考察したように、コンデンサは、絶縁体(例えば、誘電体)によって分離された2つの電極から構成される装置である。いくつかの例では、誘電体は、空気、雲母、マイラー(Mylar)、ゴム、紙、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、プラスチック、磁器、テフロン(登録商標)(Teflon)、セラミック、はんだマスク、ガラス繊維、ガラス又は他の適切な絶縁材料(例えば、ガス、液体又は固体材料)であってもよい。いくつかの実施形態では、静電容量センサは集積コンデンサであってもよい。いくつかの例では、集積コンデンサは、平板/平坦電極、棒、管、購入されたセンサ、修正されたセンサ、特注のセンサ、あるいは相互作用して材料の静電容量を変更することができ、電界を生成する材料の組み合わせの形態をとってもよい。いくつかの実施形態では、底面容量性センサアレイ718の静電容量センサは、歯列の位置決め、配置、形状をはじめとする任意の適切な歯列関連寸法を検出する。
【0102】
底面外層714は、容量性材料(例えば、導電性材料の少なくとも1つの層を含有する任意の適切な材料、あるいは、例えば、帯電防止導電性発泡体などの導電性材料が含浸した任意の材料及び/又は導電性材料によって金属化された任意の材料)から作成されてもよい。いくつかの例では、底面中間層708は、圧力下で変形し、その後回復することになる非導電性材料から作成されてもよい。例えば、底面中間層708は、ゴム、非導電性ゲル、独立気泡発泡体又は任意の他の適切な材料から作成されてもよい。いくつかの実施形態では、底面外層714は底面中間層708に取り外し可能に結合されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、底面外層714は底面104から除去されてもよい。底面外層714は、ユーザの歯に充分な数の構造的特徴(例えば、歯冠、ブリッジ、金属充填物などの補綴物)をユーザが有するため、ユーザの歯列の充分な容量性マップを底面容量性センサアレイ718によって検出されることになる場合に、除去されてもよい。
【0103】
図20は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の底面104の詳細図を提供する。この点に関して、
図20は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の断面図である。断面図は、
図1の切断線18-18に沿って取得されたものである。いくつかの実施形態では、COPA装置は上面102(
図18)にのみ容量性センサアレイを備える。他の実施形態では、COPA装置は底面104(
図20)にのみ容量性センサアレイを備える。さらに他の実施形態では、COPA装置は上面102及び底面104の両方に容量性センサアレイを備える(
図19、
図21、
図24)。
【0104】
図21は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の上面102及び底面104の詳細図を提供する。この点に関して、
図21は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の断面図である。断面図は、
図1の切断線18-18に沿って取得されたものである。
図21に示す実施形態では、上面102は上面外層712及び上面中間層706を備える。
図19と比較して、
図21の実施形態では、底面容量性センサアレイ718及び底面外層714を省略している。基層702は上面容量性センサアレイ716のみを備え、底面104は底面中間層708のみを備える。
図21に示す実施形態では、
図21のCOPA装置100の層が、例えば、
図19のCOPA装置100の層よりも少ないため、COPA装置100の製造コストが低下する可能性がある。さらに、
図21に示すCOPA装置100の層が少なくなるため、ユーザの快適さが増大する可能性がある。
【0105】
図22は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の上面102の詳細図を提供する。この点に関して、
図22は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の断面図である。断面図は、
図1の切断線18-18に沿って取得されたものである。
図18と比較して、
図22の実施形態では、上面外層712を省略している。
図22に示す実施形態では、上面102は、上面中間層706及び(上面容量性センサアレイ716を備える)基層702のみを備える。
図22に示す実施形態では、
図22のCOPA装置100の層が、例えば、
図18のCOPA装置100の層よりも少ないため、COPA装置100の製造コストが低下する可能性がある。さらに、
図22に示すCOPA装置100の層が少なくなるため、ユーザの快適さが増大する可能性がある。
【0106】
COPA装置100は、本開示の実施形態に従って上記で考察したように、層及び容量性センサアレイの任意の組み合わせから形成することができる。COPA装置100はこのほか、層及び容量性センサアレイの任意の組み合わせであって、上記で考察しなかった可能性があるが適切な組み合わせであろう組み合わせから形成することができる。
【0107】
図23は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の上面102の詳細図を提供する。この点に関して、
図23は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の断面図である。断面図は、
図1の切断線18-18に沿って取得されたものである。
図22に示す実施形態では、上面102は変形した状態で描写される。上面102の変形は、ユーザの複数の上歯722によって引き起こされる。ユーザが上面102を噛んだとき、上面外層712及び上面中間層706は、上面外層712上の複数の上歯722によって付与される圧力により変形してもよい。いくつかの実施形態では、上面容量性センサアレイ716は、変形に基づいて信号/入力(例えば、容量性マップ)を生成する。次に、プロセッサ310は信号/入力を受信してもよい。
【0108】
図24は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の上面102及び底面104の詳細図を提供する。この点に関して、
図24は、本開示の実施形態によるCOPA装置100の断面図である。断面図は、
図1の切断線18-18に沿って取得されたものである。
【0109】
図24に示す実施形態では、上面102及び底面104はそれぞれ変形状態で描写される。上面102の変形はユーザの複数の上歯722によって引き起こされ、底面104の変形はユーザの複数の下歯724によって引き起こされる。ユーザが上面102を噛んだとき、上面外層712及び上面中間層706は、上面外層712上の複数の上歯722によって付与された圧力により変形してもよい。ユーザが底面104を噛んだとき、底面外層714及び底面中間層708は、底面外層714上の複数の下歯724によって付与された圧力により変形してもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、基層702は変形しなくてもよく、あるいはわずかな量だけ変形してもよい。基層702は、上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718が静電容量の任意の変化を正確に検出することを確実にするために、変形しなくてもよい。上面容量性センサアレイ716は、上面中間層706及び/又は上面外層712の変形に基づいて、静電容量の変化を検出してもよい。変形は、ユーザがCOPA装置100の上面102を噛むことによって引き起こされてもよい。静電容量の検出された変化は容量性マップの形態であってもよい。容量性マップには、ユーザの上歯の全部又は実質的に全部(例えば、複数の上歯722)の静電容量測定値が含まれる。上面静電容量センサアレイ716は、対象とするユーザに関連する許容可能な容量性マップの一致の範囲を規定するために、複数の入力(例えば、上面中間層706及び/又は上面外層712の変形)に基づいて複数の容量性マップを検出してもよい。これは、上面容量性センサアレイ716が複数の容量性マップを生成するために、ユーザがCOPA装置100の上面102を複数回噛むことを必要とする場合がある。
【0111】
底面容量性センサアレイ718は、底面中間層708及び/又は底面外層714の変形に基づいて、静電容量の変化を検出してもよい。変形は、COPA装置100の底面104をユーザが噛むことによって引き起こされてもよい。検出された静電容量の変化は容量性マップの形態であってもよい。容量性マップには、ユーザの下歯(例えば、複数の下歯724)の全部又は実質的に全部の静電容量測定値が含まれる。底面容量性センサアレイ718は、対象とするユーザに関連する許容可能な容量性マップの一致の範囲を規定するために、複数の入力(例えば、底面中間層708及び/又は底面外層714の変形)に基づいて複数の容量性マップを検出してもよい。これは、底面容量性センサアレイ718が複数の容量性マップを生成するために、ユーザがCOPA装置100の底面104を複数回噛むことを必要とする場合がある。
【0112】
図25Aは、本開示の実施形態によるCOPA装置100の上面102の詳細図を提供する。この点に関して、
図25Aは、本開示の実施形態によるCOPA装置100の断面図である。断面図は、
図1の切断線18-18に沿って取得されたものである。
図25Aに示す実施形態では、上面102が変形した状態で描写される。上面102の変形はユーザの複数の上歯722によって引き起こされる(
図24を参照)。
図25Aは、本開示の実施形態による、上面102の一部の変形を引き起こしている(複数の上歯722の一部であり得る)上歯726を示す。
図25Aの変形量を、上面容量性センサアレイ716の上面と上面外層712の底面との間の距離である距離Aによって図示する。
【0113】
図25Aに示す実施形態では、上面102は上面外層712を備える。これまでに考察したように、上面外層712は容量性材料から作成されてもよい。このため、上面外層712が変形したとき(例えば、ユーザが上面102を噛んだとき)、プロセッサ310は、変形に基づいて上面容量性センサアレイ716から入力を受信する。上面外層712は、上歯726がいかなる容量性構造的特徴(例えば、歯冠、ブリッジ、金属充填物などの補綴物)も有していないため、この実施形態では上面102に含まれる。上面外層712を有することにより、たとえ上歯726及び/又は上面中間層706自体が充分な静電容量を有していなくても、プロセッサ310によって静電容量を検出することが可能になる。上面外層712が含まれる場合、プロセッサ310は、上面外層712の変形に基づいて、上面容量性センサアレイ716から入力を受信することになる。
【0114】
図25Bは、本開示の実施形態によるCOPA装置100の上面102の詳細図を提供する。この点に関して、
図25Bは、本開示の実施形態によるCOPA装置100の断面図である。断面図は、
図1の切断線18-18に沿って取得されたものである。
図25Bに示す実施形態では、上面102は変形した状態で描写される。上面102の変形はユーザの複数の上歯722によって引き起こされる(
図24を参照)。
図25Bは、本開示の実施形態による、上面102の一部の変形を引き起こしている(複数の上歯722の一部であり得る)上歯726を示す。
図25Bの変形量を、上面容量性センサアレイ716の上面と上面中間層706の上面との間の距離である距離Bによって図示する。
【0115】
図25Aと比較して、
図25Bの実施形態では、上面外層712が省略されている。このため、
図25Bに示す実施形態では、上面102は上面中間層706及び(上面容量性センサアレイ716を備える)基層702のみを備える。しかし、この実施形態では、上歯726は、容量性材料から作成された構造的特徴728を備える。構造的特徴728は、歯冠、ブリッジ、金属充填物などの補綴物、あるいは容量性材料から作成された他の任意の歯科補綴物であってもよい。構造的特徴728は、ユーザが上面102を噛んだときに上面容量性センサアレイ716を始動させるのに充分な静電容量を提供する。いくつかの実施形態では、ユーザの歯のいくつかが構造的特徴(例えば、構造的特徴728とほぼ同じ構造的特徴)を有する場合、ユーザを識別するのに充分な容量性マップを上面容量性センサアレイ716によって検出してもよい。ユーザの歯の構造的特徴から検出された容量性マップがユーザを特定するのに充分である場合、(
図25Bに示すように)上面外層712は上面102から除去されてもよい。プロセッサ310は、ユーザの歯の構造的特徴から検出された容量性マップがユーザを特定するのに充分であるかどうかを判定してもよい。例えば、プロセッサが上面容量性センサアレイ716から入力を受信しない場合、プロセッサは、上面容量性センサアレイ716によって検出された容量性マップが、たとえあったとしても、ユーザを識別するには不充分であると判定してもよい。
【0116】
動作中、ユーザが、自身の指をハウジング500上の生体認証センサ550に置いてもよい。生体認証センサ550は指紋モデルを検出してもよく、プロセッサ310は指紋モデルをCOPA装置100のメモリ370に記録して保存してもよい。プロセッサ310は、現在のユーザの走査された指紋モデルが、対象とするユーザの保存された指紋モデルと一致するかどうかを判定してもよい。次に、COPA装置100は、ユーザがハウジング500を保持している間に、ユーザの口腔内に挿入されてもよい。環境センサは、ユーザの口腔内の環境属性とユーザの口腔外の環境属性との間の差を検出してもよい。例えば、環境センサ560は、ユーザの口腔外の温度よりもユーザの口腔内の温度の方が高いことを検出してもよい。プロセッサ310は、ユーザの口腔内の検出された環境属性に基づいて、COPA装置100がユーザの口腔内に位置決めされているかどうかを判定してもよい。次に、ユーザは、COPA装置100周りのユーザの口を閉じ、COPA装置100を噛み込んでもよい。これにより、上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718を、静電容量測定を実施するように始動させてもよい。プロセッサ310は、上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718によって検出された容量性マップに基づいて、COPA装置100がユーザの口腔内に正しく位置決めされているかどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、COPA装置100が作成されるときに、ユーザの口腔の容量性マップを記録し、メモリ370に保存してもよい。プロセッサ310は、現在の容量性マップを元の容量性マップと比較して、COPA装置100の現在のユーザとCOPA装置100の対象とするユーザとの間に一致があるかどうかを判定してもよい。プロセッサ310はこのほか、現在の容量性マップを元の容量性マップと比較して、COPA装置100が対象とするユーザの口腔内に正しく位置決めされているかどうかを判定してもよい。プロセッサ310は、COPA装置100(具体的には、上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718)及びハウジング500(具体的には、生体認証センサ550)のいずれか又は両方によって、対象とするユーザを確認してもよい。さらに、処方物質720は、(1)現在のユーザの走査された指紋モデルが、対象とするユーザの保存された指紋モデルと一致する状態、(2)COPA装置100がユーザの口腔内に位置決めされる状態及び/又は(3)現在のユーザの検出された容量性マップが、対象とするユーザの保存された容量性マップと一致する状態のうちのいずれか1つ、いずれか2つ又は全部の確認後、対象とするユーザに分配されてもよい。
【0117】
ユーザが対象とするユーザであることが確認され、COPA装置100が対象とするユーザの口腔内に正しく位置決めされると、プロセッサ310は、作動命令をアクチュエータ330に送信し、出口弁340を開いて、対象とするユーザのための投薬量指示に従ってマイクロポンプユニット300に保存された1つ以上の処方物質720を投与してもよい。アクチュエータ330の作動及び出口弁340の開放は、処方物質720が充填されたときにメモリ370に保存された投薬量指示又は処方に基づくものであってもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、COPA装置100は、COPA装置100が使用されているときにフィードバック及び/又は警告をユーザに提供することができる1つ又は複数のインジケータを備えてもよい。インジケータは、振動部品、音声発生部品(例えば、スピーカ)及び/又は視覚インジケータ部品を備えてもよい。例えば、振動部品は、COPA装置100を異なる脈動パターンで振動させて、COPA装置の異なる状況(例えば、適切なユーザ認証及び分配の開始を示す1つの振動、分配の完了を示す2つの振動、COPA装置などのエラーを示すためのパターン化振動又は反復振動)を表示する。同じように、音声発生部品は、COPA装置のさまざまな状況を表すさまざまなトーン及び/又はパターンを生成することができる。同じように、視覚インジケータ部品は、COPA装置の異なる状況を表すために異なる色及び/又はパターンを表示する1つ又は複数のLEDを備えることができる。COPA装置100の現在の状況は、プロセッサ310、生体認証センサ550、環境センサ560、上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718(例えば、COPA装置100の正しい位置決め又は正しくない位置決め)、物質の分配を監視するためのセンサ(例えば、体積及び/又は流量センサ)、連結ステーション400及び/又はCOPA装置100及び/又はCOPA装置100の状況を判定するための連結ステーション400に連動する他のセンサ又は監視装置からのフィードバックに基づいて判定されてもよい。
【0119】
図26は、本開示の実施形態によるシステム900の概略図である。システム900は、ネットワーク940を介して互いに通信するCOPA装置100、連結ステーション400、医師910、薬局920、患者/介護士ポータル930及び中央管理システム950を備える。いくつかの実施形態では、システム900はこのほか、連結ステーション400の代わりに、あるいは同連結ステーションに加えて、ハウジング500を備えてもよい。ハウジング500、医師910、薬局920、患者/介護士ポータル930及び中央管理システム950は、ネットワーク940を介して互いに通信してもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング500は、無線送受信機、ネットワークインターフェース装置及び/又は任意の他の適切な通信部品などのネットワーク通信部品を備えることができる。他の実施形態では、ハウジング500は、そのようなネットワーク通信部品を備える必要はない。ネットワーク940は、基幹ネットワーク又はインターネットに接続し得る1つ又は複数の無線アクセスネットワーク及び/又は1つ又は複数の有線ネットワークを備えてもよい。ネットワーク940は、患者のプライバシーを保護するためのネットワーク暗号化及びセキュリティポリシーを備えてもよい。ネットワーク940は、暗号化及びセキュリティポリシーに基づいてネットワーク940を介してデータを記憶して検索するためのクラウドストレージを備えてもよい。医師910は処方薬管理システムの登録医師であってもよい。薬局920は、承認された薬局及び/又はCOPA装置(例えば、マウスピース)製作者であってもよい。COPA製作者は、対象とする受取人の歯列のさまざまな個々の要素を捉える標準化歯科用印象(例えば、COPA装置100)の獲得にて訓練された個人又は組織であってもよい。システム900は、誤用及び誤操作を防止するために処方薬投与及び管理の経路を追跡するための識別システムを提供してもよい。
【0120】
高いレベルでは、医師910は患者に薬剤を処方し、薬局920は患者のためのマウスピースを作成し、医師910によって提供される処方薬によってマウスピースを充填してもよい。薬局920は、マウスピースのマイクロポンプユニットをプログラムして、正確な投薬量の処方薬及び/又は投薬量摂取時間を送達してもよい。この点に関して、患者のための服薬指導を、マイクロポンプユニットのメモリに保存してもよい。患者はマウスピースを患者の口腔内に挿入してもよく、マイクロポンプユニットは、ユーザが対象とする受取人であることを確認すると、プログラムされた通りに処方薬を分配することになる。患者は、マウスピースを使用していないときには、マウスピースを連結ステーションに連結してもよい。連結ステーションは、マウスピースを充電したり、及び/又は無線接続及び/又は有線接続を介して医師910及び/又は薬局920と通信したりしてもよい。医師910及び/又は薬局920は、連結ステーション400からの処方薬の分配に関連する情報を監視し検索してもよい。医師910は、監視情報及び/又は検索情報及び/又は患者の経過の評価に基づいて服薬指導を調整するための指示を提供してもよい。薬局920は、医師910からの指令に基づいて、マイクロポンプユニットのメモリに保存された服薬指導を調整するように指示を連結ステーション400に送信してもよい。例えば、マウスピースが連結ステーションに連結されると、それに応じて、メモリに保存されている服薬指導を更新するか再プログラムすることができる。これとは別に、メモリに保存された服薬指導は、薬局920にて更新するか再プログラムすることができる。同じように、医師910は、監視情報及び/又は検索情報及び/又は患者の経過の評価に基づいて新たな薬剤を処方してもよい。薬局920は、それに応じて、マイクロポンプユニット300を補充してもよい。いくつかの実施形態では、医師910及び/又は薬局920は、ハウジング500からの処方物質の分配に関連する情報を監視し検索してもよい。薬局920は、監視情報及び/又は検索情報及び/又は患者の経過の評価に基づいて、処方物質で満たされた投薬瓶によってハウジング500を補充してもよい。
【0121】
患者/介護士ポータル930は、ネットワーク940上のコンピュータサーバ又はクラウドストレージに保存されてもよい。管理システム950はネットワーク940をホストとしてもよい。管理システム950は、患者及び全COPA活動に関連する情報を保存するマスターデータベースを備えてもよい。例えば、管理システム950は、COPAプロセスに参加する医師(例えば、医師910)、組立技術者又は履行技術者、薬剤師(例えば、薬局920)及び任意の医療職員が、例えば、ログインに基づいてマスターデータベースの少なくとも一部にアクセスすることができるようにしてもよい。一実施形態では、人員ごとに異なるログインプロファイルを有してもよく、マスターデータベースへのアクセスはログインプロファイルに基づくものであってもよい。いくつかの実施形態では、患者/介護士ポータル930は、管理システム950をホストとしてもよく、マスターデータベースへの特定のアクセスを有してもよい。患者情報は、患者の識別、健康歴、処方歴、COPA装置100内のプロセッサ310の識別、COPA装置100が充電される連結ステーション400の識別などを含んでもよい。患者の識別には、患者の社会保障番号(SSN)又は他の固有の識別子が含まれてもよい。処方歴は、患者に薬剤を処方した医師(例えば、医師910)の識別、処方薬が充填されるか補充された薬局(例えば、薬局920)の識別、処方薬の識別及び薬剤が充填されたマイクロポンプユニット300内のプロセッサ310の識別を含んでもよい。処方歴はこのほか、管理システム950によって保存され管理されてもよい。医師の識別は、医師の国内プロバイダ識別子(NPI)を含んでもよい。NPIは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令(HIPPA)の対象となる医師の固有の識別番号である。薬局の識別は、印象技術者識別子(ID)、組立技術者ID及び登録薬局IDを含んでもよい。印象技術者IDは、患者用のCOPA装置100を作成した技術者を識別する。組立技術者IDは、COPA装置100のマイクロポンプユニット300に処方薬を組み込むか充填した技術者を識別する。薬局IDは、処方薬が充填された薬局を識別する。処方薬の識別は、COPA装置100のマイクロポンプユニット300に充填された各処方物質又は製剤を識別する投薬量IDを含んでもよい。
【0122】
一実施形態では、医師910は患者を検査し、代替療法が患者にとって有益であり得るかどうかを判定してもよい。医師910が特定の薬剤療法を患者が必要としていると判定した場合、例えば、COPA投与選択肢に基づく製剤のガイドラインに従って、医師は患者のための処方薬を注文してもよい。医師910は、例えば、データのHIPPA保護基準及び電子医療記録(EMR)フォーマットに従って、処方箋をネットワーク940を介して薬局920に電子的に送信してもよい。
【0123】
COPA製造業者では、技術者が、例えば、COPAガイドライン及び指示に従って、COPA装置100用の型を作成してもよい。型は、密封スリーブ124とほぼ同じ密封スリーブを備えてもよい。例えば、技術者は、型を作成するために、生体に優しいポリマーで充填された歯科用トレイを使用してもよい。COPA公認の歯科医、衛生士及び/又は他の訓練を受けた職業人(例えば、COPA装置組立技術者)が、COPA装置100のための型の作成を完了してもよい。
【0124】
組立技術者が、予めパッケージ化されたマイクロポンプユニット300を準備してもよい。各マイクロポンプユニット300は、マイクロポンプユニット300内に埋設されたプロセッサ310のIDに基づいて識別されてもよい。組立技術者は、管理システム950にマイクロポンプユニット300のIDを記録してもよい。例えば、組立技術者は、IDを管理システム950に入力し、COPA装置(例えば、COPA装置100)のIDを保存して追跡する管理システム950のCOPA装置IDデータベースに問い合わせ、患者用に作成されたCOPA装置100のための新たなレコードを作成してもよい。組立技術者は、例えば、無線でマイクロポンプユニット300内のプロセッサ310を起動してもよい。起動は、医師910から受け取った指令に従ってプロセッサ310をプログラミングするステップを含んでもよい。プログラミングは、患者に対する服薬指導(例えば、各処方薬に対する投薬量及び投薬タイミング)を含んでもよい。上記のように、チャンバ322ごとに異なる製剤で充填されてもよい。このため、プログラミングは、放出順序、特定の放出時間及び/又は異なる製剤ごとの放出期間及び/又は放出と放出の間の間隔を含んでもよい。例えば、いくつかの製剤が即時放出(IR)用にプログラムされ、いくつかの製剤が持続放出(ER)用にプログラムされてもよい。
【0125】
組立技術者は、マイクロポンプユニット300又はプロセッサ310を起動させた後、起動されたマイクロポンプユニット300を、密封スリーブが位置決めされている型の上部中央に設置してもよい。マイクロポンプユニット300は、アクセスカニューレ730がアクセスポート122を通って密封スリーブの外側に延び、出口カニューレ740が型の基部を通って延びるように位置決めされてもよい。組立技術者は、上面容量性センサアレイ716をCOPA装置100の基層702内に設置してもよい。組立技術者はこのほか、COPA装置100の後壁部分128の外面129上に環境センサ560を設置してもよい。組立技術者は、加圧空気がアクセスカニューレ730を通ってマイクロポンプユニット300内にポンプで送り込まれて、型の充填中に流路350が圧縮されないことを確実にするように、エアコンプレッサから型上部のアクセスポート122にホースを取り付けてもよい。組立技術者は、液体ポリマーを型にポンプで注入し、液体ポリマーを硬化させることができるようにしてもよい。液体ポリマーが硬化した後、COPA装置100は完成する。
【0126】
COPA装置100が完成すると、COPA装置100は薬局920に移動させることができる。薬局920では、薬局の職員(例えば、COPA履行技術者)が、COPA装置100を、充填のためにマイクロポンプユニット300へのアクセスを可能にするように構成された台座又は他の構造体に設置してもよい。台座は、COPA装置を台座上に設置する前に毎回滅菌スリーブによって覆われてもよい。薬局職員は、例えば、ネットワーク940を介してCOPA管理システム950から、COPA装置100内のプロセッサ310のIDに基づいてCOPA装置100の記録を検索してもよい。薬局職員は、医師910から受け取った指令で指定された投薬量に基づいて薬品製造業者から薬剤を(例えば、小瓶、小袋、ボトルなどの形態で)調達してもよい。薬局職員は、COPA装置100の記録を更新してもよい。薬局職員は、アクセスポート122を介して調合処方薬(例えば、処方物質720)を貯蔵部320の1つ又は複数のチャンバ322に注入するか堆積させるために、アクセスポート122で制御弁を起動するか開口してもよい。薬局職員は、充填終了後に制御弁を閉じてもよい。薬局職員は、貯蔵部320内の他のチャンバ322を充填するために同じプロセスを繰り返してもよい。その後、調合処方薬の放出は、上記のように対象とする受取人の歯とCOPA装置100との一致に基づくものである。いくつかの実施形態では、薬局920とCOPA製造業者は同じ事業体であり得ることに留意されたい。
【0127】
他の実施形態では、薬局920にて、薬局職員(例えば、COPA履行技術者)がCOPA装置100をハウジング500上に設置して、充填のための投薬瓶590へのアクセスを可能にしてもよい。薬局職員は、例えば、ネットワーク940を介してCOPA管理システム950から、COPA装置100内のプロセッサ310のIDに基づいてCOPA装置100の記録を検索してもよい。薬局職員は、医師910から受け取った指令で指定された投薬量に基づいて薬品製造業者から薬剤を(例えば、小瓶、小袋、ボトルなどの形態で)調達してもよい。薬局職員は、COPA装置100の記録を更新してもよい。薬局職員は、ハウジング500の1つ又は複数の壁(例えば、底壁570)を開いて、調合処方薬(例えば、処方物質720)を含有する投薬瓶590を挿入してもよい。薬局職員は、挿入が完了した後、取り外されたハウジングの壁を再び取り付けてもよい。その後、調合処方薬の放出は、上記のように、対象とする受取人の指紋モデルと現在検出されている指紋モデルとの一致、所定の範囲内の環境属性の検出及び/又は対象とする受取人の容量性マップと現在検出されている容量性マップとの一致のうちのいずれか1つ、いずれか2つ又は全部に基づくものである。
【0128】
COPA装置100用に作成された(例えば、プロセッサ310の)初期IDは、COPA装置100用の恒久的なIDとすることができる。充填された処方薬に関連する情報は、COPA装置100のIDに関連し、管理システム950及び/又は薬局920の内部追跡システムに記録されてもよい。このため、COPA装置100は、作成及び準備経路を通じて全体的に追跡可能である。さらに、COPA装置100を製作するのに使用される型は、型IDを割り当てられてもよく、プロセッサ310のIDと関連付けて管理システム950に保存されてもよい。保存された型を使用するためのプロトコルが文書化され、その後のマウスピースの記録が管理システム950に関連して保存されてもよい。このため、誤用又は不正は管理システム950を介して追跡されてもよい。
【0129】
薬局職員は、COPA装置100を連結ステーション400と一組にしてもよい。薬局職員は、管理システム950のCOPA装置100に関連して連結ステーション400のIDを記録してもよい。連結ステーション400の無線送受信機420は、COPA装置100に埋設されたプロセッサ310への遠隔アクセスのために管理システム950に記録され登録されてもよい。例えば、有効成分が消耗する前に患者がマウスピースを薬局920に返却することなく、薬局職員が無線送受信機420を介してプロセッサ310にアクセスすることによって、処方医師910の指示又は指令に基づいて充填処方薬の投薬量を調整してもよい。調整は、例えば、放出ごとの投薬量、放出のタイミング及び/又はチャンバ322のうちの1つ又は複数の一時停止に対する少数の修正を可能にしてもよい。
図26の実施形態は、COPA装置100に連動する連結ステーション400を図示するが、他の実施形態では、ハウジング500はCOPA装置100に連動してもよい。例えば、薬局職員は、COPA装置100をハウジング500と一組にしてもよく、薬局職員は、管理システム950のCOPA装置100に関連付けてハウジング500のIDを記録してもよい。
【0130】
患者は薬局920からCOPA装置100及び連結ステーション400を受け取り、薬局職員は患者に使用法の指示を提供してもよい。患者は、COPA装置100を自身の口腔内に挿入し、口を閉じてCOPA装置100を噛み、それにより、処方薬分配ユニット120又はマイクロポンプユニット300が摂取のために処方薬を放出してもよい。患者は、使用後に、COPA装置100を洗浄し、COPA装置100を連結ステーション400に連結してもよい。
【0131】
患者及び/又は介護士は、例えば、ネットワーク940を介して管理システム950をホストとしているオンラインCOPAアカウントにアクセスしてもよい。無線送受信機420は、マウスピースによって記録された活動(例えば、各薬剤の投薬量及び投薬タイミング)などのデータを検出し、管理システム950に送信してもよい。患者は、COPA装置100の各チャンバ322に充填された薬剤の記録を閲覧してもよい。患者は、初期処方薬及びその後の任意の修正を含む、COPA装置100に充填されている薬剤の投与経路の記録を閲覧してもよい。患者は、治療が反復する治療である場合には、もう1つの充填済みCOPA装置(例えば、COPA装置100)を受け取り、使い切ったCOPA装置を置いていくための予想枯渇スケジュールの記録を閲覧してもよい。
【0132】
一実施形態では、COPA装置100の補充プロセスは、今日の薬品補充方針とほぼ同じ方針を用いてもよい。COPA装置100は長期治療計画で使用されてもよい。処方医師910が、患者から観察された治療結果に基づいて処方薬を調整して修正してもよい。医師910は修正された処方薬を薬局920に電子的に転送してもよい。薬局職員又は履行技術者は、連結ステーション400の無線送受信機420を介して、修正された指示を無線でプロセッサ310に送信してもよい。管理システム950は全修正の記録全体を収容してもよい。対象とする受取人が、計画されたように、あるいは修正されたようにCOPAを使い切った場合、COPA装置100は、例えば、処方医師910によって指示されるように、補給のために薬局920に戻されてもよい。薬局職員は、アクセスポート122を介して食塩水をCOPA装置100の中に流し込み、密封処方薬分配ユニット120の中に流し込み、出口弁222から出してもよい。薬局職員は、COPA装置100を洗い流した後、医師910から受け取った指令に基づいてCOPA装置100を補充してもよく、管理システム950内の記録を更新してもよい。例えば、処方薬を3回補充することについて記載されている場合、その記録には、COPA装置100のプロセッサ310のID及び以前の投与IDに関連して3回の投与IDが表示されるであろう。COPA装置100に関連する全情報を記録することによって、患者が治療計画中に提供者又は薬局を変更するときをはじめ、いつでも管理システム950内の患者と投薬量の情報を検索してもよい。
【0133】
一実施形態では、例えば、治療計画の終了時又は治療計画の変更時に、COPA装置100がもはや必要ではなくなった場合、COPA装置100を停止させ、管理システム950は更新されてCOPA装置100の停止を表示してもよい。いくつかの実施形態では、COPA装置100の停止時間が特定の制限時間内、例えば、Xカ月以内である場合、組立技術者が元の印象を再利用して新たなCOPA装置100を構築してもよい。新COPA装置100内のプロセッサ310のIDは、旧COPA装置100の旧IDと関連付けて管理システム950に保存されてもよい。一実施形態では、受取人の歯列の実際の変化のためにCOPA装置100を鋳直す必要がある場合には、上記の作成及び準備のプロセスを繰り返してもよい。新たな型に関連する情報を、患者及び処方薬に関連付けて管理システム950に保存してもよい。特定の患者又は特定の処方薬に関連する全COPA装置100を追跡することによって、対象としないユーザが処方薬にアクセスすること、あるいは対象とするユーザが処方物質の誤用について誤った情報を提供することは起こりにくい。
【0134】
図27は、本開示の実施形態による、対象とするユーザに物質を分配する方法1000の流れ図である。方法1000は、
図23及び
図24を参照してさらに充分に理解することができる。図示のように、方法1000は、いくつかの列挙されたステップを含むが、方法1000の実施形態は、列挙されたステップの前後及びステップ中に追加のステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、列挙されたステップの1つ又は複数を省略するか異なる順序で実施してもよい。
【0135】
ステップ1002では、方法1000は、マウスピースの容量性センサアレイから入力を受け取るステップを含む。容量性センサアレイは、上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718であってもよい。マウスピースはCOPA装置100であってもよい。いくつかの実施形態では、入力は上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718によって生成されてもよく、次いで、入力はプロセッサ310によって受信されてもよい。
【0136】
ステップ1004では、方法1000は、受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースの凹部内に位置決めされているかどうかを判定するステップを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピース(例えば、COPA装置100)の凹部(例えば、凹部110)内に位置決めされているかどうかを判定してもよい。例えば、プロセッサ310は、入力に関連付けられた容量性マップを、対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた所定の容量性マップと比較して、COPA装置100の現在のユーザとCOPA装置100の対象とするユーザとの間に一致があるかどうかを判定してもよい。
【0137】
ステップ1006では、方法1000は、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースの凹部内に位置決めされているという判定に応答して、物質を貯蔵部から対象とするユーザの口腔内に分配するステップを含む。いくつかの実施形態では、貯蔵部(例えば、貯蔵部320)は、口腔外に位置決めされてもよい。このため、物質は口腔外から分配されてもよい。他の実施形態では、貯蔵部(例えば、貯蔵部320)は口腔内に位置決めされてもよい。このため、物質は口腔内から分配されてもよい。
【0138】
図28は、対象とするユーザに対して物質分配装置を登録する方法1100の流れ図である。方法1100は、
図3、
図23及び
図24を参照してさらに充分に理解することができる。図示のように、方法1100は、いくつかの列挙されたステップを含むが、方法1100の実施形態は、列挙されたステップの前後及びステップ中に追加のステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、列挙されたステップのうちの1つ又は複数を省略するか異なる順序で実施してもよい。
【0139】
ステップ1102では、方法1100は、マウスピースの容量性センサアレイから、マウスピースを噛んでいる対象とするユーザの固有の歯列に関連する入力を受信するステップを含む。容量性センサアレイは上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718であってもよい。マウスピースはCOPA装置100であってもよい。いくつかの実施形態では、受信された入力は、対象とするユーザの固有の歯列の容量性マップを表す。このため、例示的な実施形態では、方法1100は、マウスピースの容量性センサアレイから、対象とするユーザの固有の歯列の容量性マップを受信するステップを含んでもよい。ここで、容量性マップは、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースに噛み合うことに基づいて生成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた許容可能な一致の範囲を規定するために、複数の入力を受信してもよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、方法1100は、物質分配装置に統合されたメモリに、受信した入力を保存するステップをさらに含んでもよい。メモリはメモリ370であってもよい(これは、
図7を参照して上記でさらに詳細に考察した)。
【0141】
ステップ1104では、方法1100は、受信した入力に基づいて、対象とするユーザをマウスピースに登録するステップを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、対象とするユーザをマウスピース(例えば、COPA装置100)に登録してもよい。いくつかの実施形態では、対象とするユーザをマウスピースに登録するステップは、マウスピースが製造された後に実施される最初の行動であってもよい。他の実施形態では、対象とするユーザは、マウスピースが製造された後にマウスピースを着用する最初の人であってもよい。
【0142】
図29は、本開示の実施形態による、対象とするユーザに物質を分配する方法1200の流れ図である。方法1200は、
図9、
図12、
図23及び
図24を参照してさらに充分に理解することができる。図示のように、方法1200は、いくつかの列挙されたステップを含むが、方法1200の実施形態は、列挙されたステップの前後及びステップ中に追加のステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、列挙されたステップの1つ又は複数を省略しても、異なる順序で実施してもよい。
【0143】
ステップ1202では、方法1200は、生体認証センサから入力を受信するステップを含む。生体認証センサは生体認証センサ550であってもよい。いくつかの実施形態では、入力は、生体認証センサ550によって生成されてもよく、その後、入力はプロセッサ310によって受信されてもよい。いくつかの例では、入力は、対象とするユーザが対象とするユーザの指のうちの少なくとも1つを生体認証センサ550上に置くと、受信されてもよい。
【0144】
ステップ1204では、方法1200は、生体認証センサから受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の生体認証属性が生体認証センサによって検出されたかどうかを判定するステップを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、対象とするユーザの固有の指紋モデルがハウジング500の生体認証センサ(例えば、生体認証センサ550)上に位置決めされているかどうかを判定してもよい。例えば、プロセッサ310は、入力に関連付けられた指紋モデルを対象とするユーザに関連付けられた所定の指紋モデルと比較して、ハウジング500の現在のユーザとハウジング500の対象とするユーザとの間に一致があるかどうかを判定してもよい。いくつかの例では、ユーザの固有の生体認証属性は、ユーザの固有の生体認証属性が生体認証センサ550上に位置決めされると、生体認証センサ550によって検出される。他の例では、ユーザの固有の生体認証属性は、ユーザの固有の生体認証属性が生体認証センサ550から離間しているときに、生体認証センサ550によって検出される。
【0145】
ステップ1206では、方法1200は、環境センサから入力を受信するステップを含む。環境センサは環境センサ560であってもよい。いくつかの実施形態では、入力は環境センサ560によって生成されてもよく、その後、入力はプロセッサ310によって受信されてもよい。
【0146】
ステップ1208では、方法1200は、マウスピースがユーザの口腔内に位置決めされているかどうかを、環境センサから受信した入力に基づいて判定するステップを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、マウスピース(例えば、COPA装置100)がユーザの口腔内に位置決めされているかどうかを判定してもよい。例えば、プロセッサ310は、入力に関連付けられた環境属性を所定の範囲の環境属性と比較して、現在の環境属性が所定の範囲の環境属性内にあるかどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、現在の環境属性が所定の環境属性の範囲内にある場合、プロセッサ310は、マウスピース(例えば、COPA装置100)がユーザの口腔内に位置決めされていると判定してもよい。
【0147】
ステップ1210では、方法1200はマウスピースの容量性センサアレイから入力を受信するステップを含む。容量性センサアレイは上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718であってもよい。マウスピースはCOPA装置100であってもよい。いくつかの実施形態では、入力は、上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718によって生成されてもよく、次いで、入力は、プロセッサ310によって受信されてもよい。
【0148】
ステップ1212では、方法1200は、容量性センサアレイから受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースの凹部内に位置決めされているかどうかを判定するステップを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、対象とするユーザの固有の歯列がマウスピース(例えば、COPA装置100)の凹部(例えば、凹部110)内に位置決めされているかどうかを判定してもよい。例えば、プロセッサ310は、入力に関連付けられた容量性マップを、対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた所定の容量性マップと比較して、COPA装置100の現在のユーザとCOPA装置100の対象とするユーザとの間に一致があるかどうかを判定してもよい。
【0149】
ステップ1214では、方法1200は、対象とするユーザの固有の生体認証属性が生体認証センサによって検出される状態、マウスピースがユーザの口腔内に位置決めされている状態及び/又は対象とするユーザの固有の歯列がマウスピースの凹部内に位置決めされている状態の判定に応答して、貯蔵部から対象とするユーザの口腔内に物質を分配するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法1200は、上記のステップのうちのいずれか1つ、いずれか2つ及び/又は全部を含むことができる。このため、ステップ1214は、ステップ1202/1204、ステップ1206/1208及び/又はステップ1210/1212の任意の組み合わせによって実施されてもよい。いくつかの実施形態では、貯蔵部(例えば、貯蔵部320)は口腔外に位置決めされてもよい。このため、物質は口腔外から分配されてもよい。他の実施形態では、貯蔵部(例えば、貯蔵部320)は口腔内に位置決めされてもよい。このため、物質は口腔内から分配されてもよい。
【0150】
図30は、対象とするユーザに物質分配装置及び/又はハウジングを登録する方法1300の流れ図である。方法1300は、
図3、
図9、
図23及び
図24を参照してさらに充分に理解することができる。図示のように、方法1300は、いくつかの列挙されたステップを含むが、方法1300の実施形態は、列挙されたステップの前後及びステップ中に追加のステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、列挙されたステップのうちの1つ又は複数を省略しても、異なる順序で実施してもよい。
【0151】
ステップ1302では、方法1300は、ハウジングの生体認証センサから、ハウジングに接触する対象とするユーザの固有の生体認証属性に関連する入力を受信するステップを含む。生体認証センサは生体認証センサ550であってもよく、ハウジングはハウジング500であってもよい。いくつかの実施形態では、受信された入力は、対象とするユーザの固有の指紋モデルを表す。このため、例示的な実施形態では、方法1300は、ハウジングの生体認証センサから対象とするユーザの指紋モデルを受信するステップを含んでもよい。ここで、対象とするユーザの指紋モデルは、生体認証センサに接触する対象とするユーザの指紋に基づいて生成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、生体認証センサからの複数の入力を受信して、対象とするユーザの固有の指紋モデルに関連する許容可能な一致の範囲を規定してもよい。いくつかの実施形態では、方法1300は、生体認証センサから受信した入力を、ハウジングに統合されたメモリに保存するステップをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、生体認証属性はハウジング500と接触していなくてもよい。
【0152】
ステップ1304では、方法1300は、生体認証センサから受信した入力に基づいて、対象とするユーザをハウジングに登録するステップを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、対象とするユーザをハウジング(例えば、ハウジング500)に登録してもよい。いくつかの実施形態では、対象とするユーザをハウジングに登録するステップは、ハウジングが製造された後に実施される最初の行動であってもよい。他の実施形態では、対象とするユーザは、ハウジングが製造された後、生体認証センサに接触する最初の人であってもよい。
【0153】
ステップ1306では、方法1300は、マウスピースの容量性センサアレイから、マウスピースを噛んでいる対象とするユーザの固有の歯列に関連する入力を受信するステップを含む。容量性センサアレイは上面容量性センサアレイ716及び/又は底面容量性センサアレイ718であってもよい。マウスピースはCOPA装置100であってもよい。いくつかの実施形態では、受信された入力は、対象とするユーザの固有の歯列の容量性マップを表す。このため、例示的な実施形態では、方法1300は、マウスピースの容量性センサアレイから、対象とするユーザの固有の歯列の容量性マップを受信するステップを含んでもよい。ここで、容量性マップは、マウスピースと噛み合う対象とするユーザの固有の歯列に基づいて生成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた許容可能な一致の範囲を規定するために、複数の入力を受信してもよい。いくつかの実施形態では、マウスピースの容量性センサアレイから受信した入力は、マウスピース内にある対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられている。
【0154】
いくつかの実施形態では、方法1300は、物質分配装置に統合されたメモリに受信した入力を保存するステップをさらに含んでもよい。メモリはメモリ370であってもよい(これは、
図7を参照して上記でさらに詳細に考察している)。
【0155】
ステップ1308では、方法1300は、容量性センサアレイから受信した入力に基づいて、対象とするユーザをマウスピースに登録するステップを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ310は、対象とするユーザをマウスピース(例えば、COPA装置100)に登録してもよい。いくつかの実施形態では、対象とするユーザをマウスピースに登録するステップは、マウスピースが製造された後に実施される最初の行動であってもよい。他の実施形態では、対象とするユーザは、マウスピースが製造された後にマウスピースを着用する最初の人であってもよい。さらに他の例では、対象とするユーザをマウスピースに登録するステップは、対象とするユーザをハウジングに登録するステップと同時に実施されてもよい。さまざまな他の例では、対象とするユーザをマウスピースに登録するステップは、対象とするユーザをハウジングに登録するステップとは別に実施されてもよい。例えば、方法1300は、ステップ1302/1304を実施し、その後、ステップ1306/1308を実施するステップを含んでもよい。他の例では、方法1300は、ステップ1306/1308を実施し、その後、ステップ1302/1304を実施するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、対象とするユーザをマウスピースに登録するステップ及び対象とするユーザをハウジングに登録するステップは、
図29を参照して上記で考察した、患者に薬物を処方するプロセスの一部として実施されてもよい。
【0156】
次の表に、参照番号と対応する参照名を列挙する。
【表1-1】
【表1-2】
【0157】
当業者であれば、上記の装置、システム及び方法をさまざまな方法で修正することができることを認識するであろう。このため、当業者であれば、本開示に含まれる実施形態が、上記の特定の例示的な実施形態に限定されないことを理解するであろう。その点に関して、例示的な実施形態を示して説明してきたが、前述の開示では、広範囲の修正、変更及び置換が検討されている。そのような変形は、本開示の範囲から逸脱することなく、前述のものに対して実施され得ることが理解される。このため、添付の特許請求の範囲は、広く解釈されるとともに、本開示と一致する方法で解釈されることが適切である。
なお、本開示は、以下の実施形態を含む。
[形態1]
凹部と、前記凹部に隣接する第1の容量性センサアレイとを有するマウスピースと、
前記第1の容量性センサアレイと通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、前記第1の容量性センサアレイから受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の歯列が前記マウスピースの前記凹部内に位置決めされているかどうかを判定するように構成される、プロセッサと、
前記プロセッサと通信するアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記対象とするユーザの固有の歯列が前記マウスピースの前記凹部内に位置決めされていると前記プロセッサが判定したことに応答して、貯蔵部から前記対象とするユーザの口腔に物質を分配するように構成される、アクチュエータと、を具備する、物質分配装置。
[形態2]
前記マウスピースは、第1の面であって、
前記凹部に隣接する第1の外層と、
前記第1の外層の下方に接触して位置決めされた第1の中間層と、
前記第1の中間層の下方に接触して位置決めされた基層と、を有する第1の面を具備する、形態1に記載の物質分配装置。
[形態3]
前記第1の外層は容量性材料を含む、形態2に記載の物質分配装置。
[形態4]
前記マウスピースは、第2の面であって、
前記マウスピースの第2の凹部に隣接する第2の外層と、
前記第2の外層の下方に接触して位置決めされた第2の中間層と、を有する第2の面をさらに具備する、形態2に記載の物質分配装置。
[形態5]
前記第2の外層は容量性材料を含む、形態4に記載の物質分配装置。
[形態6]
前記マウスピースは前記第2の凹部に隣接する第2の容量性センサアレイをさらに具備し、前記第2の容量性センサアレイは前記基層内に埋め込まれる、形態4に記載の物質分配装置。
[形態7]
前記第2の外層が前記第2の中間層に取り外し可能に結合される、形態4に記載の物質分配装置。
[形態8]
前記基層は前記第2の中間層の下方に接触して位置決めされ、前記基層は前記第1の中間層と前記第2の中間層との間に位置決めされる、形態4に記載の物質分配装置。
[形態9]
前記第1の外層は前記第1の中間層に取り外し可能に結合される、形態2に記載の物質分配装置。
[形態10]
前記第1の容量性センサアレイは前記基層内に埋め込まれる、形態2に記載の物質分配装置。
[形態11]
前記マウスピースは、第1の面であって、
前記凹部に隣接する第1の中間層と、
前記第1の中間層に接続された基層と、を有する第1の面を具備する、形態1に記載の物質分配装置。
[形態12]
前記マウスピースの前記凹部は、複数のユーザの歯列を受容するような大きさ及び形状であり、前記複数のユーザの歯列は異なる大きさを具備する、形態1に記載の物質分配装置。
[形態13]
前記第1の容量性センサアレイは1つ又は複数の容量性センサを含む、形態1に記載の物質分配装置。
[形態14]
前記プロセッサは前記マウスピース内に位置決めされる、形態1に記載の物質分配装置。
[形態15]
前記プロセッサは前記マウスピースから離間している、形態1に記載の物質分配装置。
[形態16]
前記プロセッサは前記マウスピースから離間した計算装置内に位置決めされる、形態15に記載の物質分配装置。
[形態17]
前記アクチュエータは前記マウスピース内に位置決めされる、形態1に記載の物質分配装置。
[形態18]
前記アクチュエータは前記マウスピースから離間している、形態1に記載の物質分配装置。
[形態19]
前記マウスピースがハウジングに結合され、前記アクチュエータは前記ハウジング内に位置決めされる、形態18に記載の物質分配装置。
[形態20]
前記貯蔵部は前記マウスピース内に位置決めされる、形態1に記載の物質分配装置。
[形態21]
前記貯蔵部は前記マウスピースから離間している、形態1に記載の物質分配装置。
[形態22]
前記貯蔵部は投薬瓶である、形態21に記載の物質分配装置。
[形態23]
対象とするユーザに物質を分配する方法であって、前記方法は、
マウスピースの容量性センサアレイから入力を受信するステップと、
受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の歯列が前記マウスピースの凹部内に位置決めされているかどうかを判定するステップと、
前記対象とするユーザの固有の歯列が前記マウスピースの前記凹部内に位置決めされているという判定に応答して、物質を貯蔵部から前記対象とするユーザの口腔に分配するステップと、を含む、方法。
[形態24]
前記対象とするユーザの固有の歯列が前記マウスピースの前記凹部内に位置決めされているかどうかを判定する前記ステップは、前記容量性センサアレイから受信した前記入力に関連付けられた静電容量データを、前記対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた所定の静電容量データと比較するステップを含む、形態23に記載の方法。
[形態25]
前記貯蔵部は前記口腔の外側に位置決めされ、前記物質を前記貯蔵部から前記対象とするユーザの前記口腔に分配する前記ステップは、前記物質を前記口腔の外側から分配するステップを含む、形態23に記載の方法。
[形態26]
前記貯蔵部は前記口腔の内側に位置決めされ、前記物質を前記貯蔵部から前記対象とするユーザの前記口腔に分配する前記ステップは、前記物質を前記口腔の内側から分配するステップを含む、形態23に記載の方法。
[形態27]
物質分配装置を、対象とするユーザに登録する方法であって、前記方法は、
マウスピースの容量性センサアレイから、前記マウスピースを噛んでいる対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた入力を受信するステップと、
受信した入力に基づいて、前記対象とするユーザを前記マウスピースに登録するステップと、を含む、方法。
[形態28]
前記物質分配装置に統合されたメモリに前記受信した入力を保存するステップをさらに含む、形態27に記載の方法。
[形態29]
前記受信された入力は前記対象とするユーザの固有の歯列の容量性マップを表す、形態27に記載の方法。
[形態30]
入力を受信する前記ステップは、複数の入力を受信して、前記マウスピースを噛んでいる前記対象とするユーザの固有の歯列に関連する許容可能な一致の範囲を規定するステップを含む、形態27に記載の方法。
[形態31]
手持ち使用のための大きさ及び形状のハウジングであって、前記ハウジングは、少なくとも1つの壁と、前記少なくとも1つの壁に結合された生体認証センサとを有する、ハウジングと、
前記生体認証センサと通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、前記生体認証センサから受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の生体認証属性が前記生体認証センサによって検出されたかどうかを判定するように構成される、プロセッサと、
前記プロセッサと通信するポンプであって、前記ポンプは、前記対象とするユーザの固有の生体属性が前記生体認証センサによって検出されたと前記プロセッサが判定したことに応答して、貯蔵部から前記対象とするユーザの口腔に物質を分配するように構成された、ポンプと、を具備する、物質分配装置。
[形態32]
前記生体認証センサは前記少なくとも1つの壁の第1の面に位置決めされる、形態31に記載の物質分配装置。
[形態33]
前記生体認証センサは、複数のユーザの生体認証属性を受容するような大きさ及び形状であり、前記複数のユーザの前記生体認証属性は異なる大きさを備える、形態31に記載の物質分配装置。
[形態34]
前記貯蔵部は液体を保持するように構成された投薬瓶である、形態31に記載の物質分配装置。
[形態35]
前記少なくとも1つの壁は、前記手持ち使用中の前記ハウジングのユーザの握りを容易にする表面テクスチャリング特徴を具備する、形態31に記載の物質分配装置。
[形態36]
前記ハウジングの前記少なくとも1つの壁は、底壁と、前記底壁に結合された別の壁とを具備する、形態31に記載の物質分配装置。
[形態37]
前記別の壁が前記底壁に結合されたときに、前記底壁を前記別の壁に堅固に封止するように構成された係止機構をさらに具備する、形態36に記載の物質分配装置。
[形態38]
前記ハウジングは前記少なくとも1つの壁によって形成された空洞をさらに具備する、形態31に記載の物質分配装置。
[形態39]
前記ポンプは前記ハウジングの前記空洞内に位置決めされる、形態38に記載の物質分配装置。
[形態40]
前記貯蔵部をさらに具備し、前記貯蔵部は前記ハウジングの前記空洞内に位置決めされる、形態39に記載の物質分配装置。
[形態41]
前記ハウジングは、
前記貯蔵部の上方に接触して位置決めされたキャップと、
前記ポンプを前記ハウジングの外側に位置決めされたマウスピースに接続する管状部材と、をさらに具備し、
前記キャップは接続部材を介して前記ポンプに接続される、形態40に記載の物質分配装置。
[形態42]
前記プロセッサは前記マウスピースに結合される、形態41に記載の物質分配装置。
[形態43]
前記管状部材の遠位端が前記ポンプの近位端に接続され、前記管状部材の近位端が前記マウスピースに接続される、形態41に記載の物質分配装置。
[形態44]
前記キャップはネジ山を具備し、
前記貯蔵部は、前記キャップと前記貯蔵部とを結合するためのネジ山を受容するように構成された溝を具備する、形態41に記載の物質分配装置。
[形態45]
前記キャップ、前記接続部材又は前記管状部材のうちの少なくとも1つが、前記ハウジングの前記空洞内に位置決めされる、形態41に記載の物質分配装置。
[形態46]
前記キャップは、
弁と、
前記弁の下方に接触して位置決めされる浸漬管と、を具備し、
前記弁は、前記管状部材及び前記接続部材内に配置された物質の量を調節するように構成される、形態41に記載の物質分配装置。
[形態47]
前記浸漬管は、前記弁に接続された近位端から、前記貯蔵部の基部の上方で終端する遠位端まで延びる、形態46に記載の物質分配装置。
[形態48]
前記浸漬管の長さの実質的に全体が前記貯蔵部内に位置決めされる、形態47に記載の物質分配装置。
[形態49]
前記接続部材の遠位端が前記弁の近位端に結合され、前記接続部材の近位端が前記ポンプの遠位端に結合される、形態46に記載の物質分配装置。
[形態50]
対象とするユーザに物質を分配する方法であって、前記方法は、
生体認証センサから入力を受信するステップと、
前記生体認証センサから受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の生体認証属性が前記生体認証センサによって検出されたかどうかを判定するステップと、
環境センサから入力を受信するステップと、
前記環境センサから受信した入力に基づいて、マウスピースがユーザの口腔内に位置決めされているかどうかを判定するステップと、
前記マウスピースの容量性センサアレイから入力を受信するステップと、
前記容量性センサアレイから受信した入力に基づいて、対象とするユーザの固有の歯列が前記マウスピースの凹部内に位置決めされているかどうかを判定するステップと、
前記対象とするユーザの固有の生体認証属性が前記生体認証センサによって検出されたという判定に応答して、貯蔵部から前記対象とするユーザの口腔に物質を分配するステップと、を含む、方法。
[形態51]
前記生体認証センサから受信した入力は、前記対象とするユーザの指紋モデルを表す、形態50に記載の方法。
[形態52]
前記対象とするユーザの固有の生体認証属性が前記生体認証センサによって検出されるかどうかを判定するステップは、前記生体認証センサから受信した入力に関連付けられた指紋モデルを、前記対象とするユーザの固有の生体認証属性に関連付けられた所定の指紋モデルと比較するステップを含む、形態51に記載の方法。
[形態53]
物質を分配する前記ステップは、前記マウスピースが前記ユーザの口腔内に位置決めされているという判定に応答して、前記物質を前記貯蔵部から前記対象とするユーザの前記口腔に分配するステップをさらに含む、形態50に記載の方法。
[形態54]
物質を分配する前記ステップは、前記対象とするユーザの固有の歯列が前記マウスピースの前記凹部内に位置決めされているという判定に応答して、前記物質を前記貯蔵部から前記対象とするユーザの前記口腔に分配するステップをさらに含む、形態53に記載の方法。
[形態55]
前記生体認証センサから受信した入力に基づいて、前記対象とするユーザを前記生体認証センサに結合されたハウジングに登録するステップをさらに含む、形態50に記載の方法。
[形態56]
前記生体認証センサから受信した入力を、前記ハウジングに結合されたメモリに保存するステップをさらに含む、形態55に記載の方法。
[形態57]
前記生体認証センサから入力を受信する前記ステップは、前記ハウジングに接触する前記対象とするユーザの固有の生体認証属性に関連する許容可能な一致の範囲を規定する複数の入力を受信するステップを含む、形態55に記載の方法。
[形態58]
マウスピースの容量性センサアレイから、前記マウスピース内にある対象とするユーザの固有の歯列に関連付けられた入力を受信するステップと、
前記容量性センサアレイから受信した入力に基づいて、前記対象とするユーザを前記マウスピースに登録するステップと、をさらに含む、形態50に記載の方法。