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特許7371233ガス流を処理する方法及び三次元工作物を製造するための装置を作動する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】ガス流を処理する方法及び三次元工作物を製造するための装置を作動する方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/77 20210101AFI20231023BHJP
   B22F 12/00 20210101ALI20231023BHJP
【FI】
B22F10/77
B22F12/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022514543
(86)(22)【出願日】2020-09-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2020074423
(87)【国際公開番号】W WO2021043801
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】102019123637.1
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514298748
【氏名又は名称】エスエルエム ソルーションズ グループ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】SLM Solutions Group AG
【住所又は居所原語表記】Estlandring 4, 23560 Luebeck, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】マシュー シュルツ-シベラス
(72)【発明者】
【氏名】パトリック シャープ
(72)【発明者】
【氏名】イザベル ヒュービンガー
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102014207160(DE,A1)
【文献】特開2002-001033(JP,A)
【文献】特開2001-017815(JP,A)
【文献】特開2018-015758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00- 8/00
B22F 10/00-12/90
B29C 64/00-64/40
B01D 46/00-46/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性及び/又は反応性粒子(34)を含有するガス流(32)を処理する方法であって、前記方法が、
-分離機(36)によって前記ガス流(32)に含有される前記粒子(34)の少なくとも一部を前記ガス流(32)から分離するステップであって、前記分離機(36)は、フィルタ(38)であって、該フィルタ(38)へ導かれる前記ガス流(32)から前記粒子(34)をろ過するためのフィルタ(38)を備えており、前記フィルタ(38)は、前記分離機内での前記粒子(34)の好ましくない反応を防止するために、難燃性物質(57)でコーティングされている、分離するステップと、
-前記分離機(36)の前記フィルタ(38)によって前記ガス流(32)から分離された前記粒子(34)を収集容器(40)へ供給するステップと、
-前記収集容器(40)への前記粒子(34)の供給を中断するステップと、
-前記収集容器(40)の中に入っている前記粒子(34)上に難燃性物質(57)の被覆層を形成するように前記収集容器(40)へ難燃性物質(57)を供給するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
更に、
-前記収集容器へ前記難燃性物質(57)を供給した後、前記収集容器(40)を交換用収集容器(40)と交換するステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記収集容器(40)への前記粒子(34)の供給が、少なくとも前記収集容器(40)の充填レベルが第1設定値に達したとき中断される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記収集容器(40)の前記充填レベルが、少なくとも1つの充填レベルセンサ(48)及び/又はスケール(50)によって測定される、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更に、
-前記収集容器(40)への前記粒子(34)の供給の中断中、前記ガス流(32)に含有される前記粒子(34)の少なくとも一部の前記分離機(36)による前記ガス流(32)からの分離を継続するステップと、
-前記ガス流(32)から分離された前記粒子(34)を仮貯蔵容積(58)に一時的に貯蔵するステップと、
を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法
【請求項6】
前記仮貯蔵容積(58)が前記分離機(36)の中に与えられる、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記分離機(36)のフィルタ(38)が、前記フィルタ(38)上に前記難燃性物質(57)を噴霧することによって前記難燃性物質(57)でコーティングされ、特に、前記分離機(36)の前記フィルタ(38)をコーティングするために、前記難燃性物質(57)が、前記分離機(36)の上流の位置において前記分離機(36)へ供給される前記ガス流(32)の中へ導入される、
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記分離機(36)のフィルタ(38)の清掃時に、前記分離機(36)の中に入っている前記難燃性物質(57)の少なくとも一部が、前記分離機(36)から排出され、前記収集容器(40)へ供給される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
更に、
-前記分離機(36)のフィルタ(38)の清掃時に、前記分離機(36)の中に入っている難燃性物質(57)の量を前記分離機(36)から排出された難燃性物質(57)の量と比較することによって、前記分離機(36)の作動状態を監視するステップ、
を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
更に、
-前記分離機(36)によって前記ガス流(32)から分離され前記収集容器(40)へ供給された粒子(34)の量を測定するステップ、
を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
更に、
-前記収集容器(40)の前記充填レベルが第2設定値に達したとき前記収集容器(40)への前記粒子(34)の供給を中断するステップであって、前記第2設定値が前記第1設定値より小さい、ステップと、
-前記収集容器(40)の中に入っている前記粒子(34)上に難燃性物質(57)の中間層を形成するように前記収集容器(40)へ難燃性物質(57)を供給するステップと、
-難燃性物質(57)の前記中間層を形成した後、前記分離機(36)によって前記ガス流(32)から分離された前記粒子(34)の前記収集容器(40)への供給を再開するステップと、
含む、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項12】
電磁又は粒子放射で原材料粉末の層を照射することによって三次元工作物を製造するための装置(10)を作動する方法であって、前記方法が、
-前記装置(10)のプロセス室(12)へガス流(32)を供給するステップと、
-前記プロセス室(12)を通過するように前記ガス流(32)を導くステップであって、前記ガス流(32)が、前記プロセス室(12)を通過するように導かれるとき可燃性及び/又は反応性粒子(34)を吸収する、導くステップと、
-前記可燃性及び/又は反応性粒子(34)を含有する前記ガス流(32)を前記プロセス室(12)から排出するステップと、
-請求項1~7のいずれか1項に記載の方法にしたがって前記可燃性及び/又は反応性粒子(34)を含有する前記ガス流(32)を処理するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
更に、
-前記可燃性及び/又は反応性粒子(34)を含有する前記ガス流(32)を処理した後、前記ガス流(32)に含有される前記粒子(34)の少なくとも一部を前記ガス流(32)から分離する前記分離機(36)を出て行く純化されたガス流(32)を前記プロセス室(12)へ再循環するステップ、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記収集容器(40)への前記粒子(34)の供給が、前記三次元工作物の製造が完了したら中断される、
請求項12又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性及び/又は反応性粒子を含有するガス流を処理する方法に関する。更に、本発明は、電磁又は粒子放射で原材料粉末の層を照射することによって三次元工作物を製造するための装置を作動する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末床溶融は、粉状の、特に金属及び/又はセラミック原材料を複雑な形状の三次元工作物に加工できる加法的層状化プロセスである。このために、原材料粉末層がキャリアに塗布されて、製造される工作物の所望の形状に応じて現場での選択によりレーザー放射される。粉末層へ透過するレーザー放射は、熱を生じ、その結果、原材料粉末粒子の融解又は焼結を生じる。更なる原材料粉末層が、工作物が所望の形状及びサイズを持つまで、すでにレーザー処理されたキャリア上の層に順次塗布される。粉末床溶融は、CADデータに基づきプロトタイプ、ツール、交換品、高価なコンポーネント又は例えば、歯科又は整形外科用プロテーゼなどの医療用プロテーゼの製造又は修復のために採用できる。
【0003】
例えば特許文献1(欧州特許第2992942号明細書)において説明される粉末床溶融によって三次元工作物を製造するための好ましい装置は、キャリアに原材料粉末の層を順次塗布するための粉末塗布機を収めるプロセス室を備える。照射ユニットが、原材料粉末層全体にレーザービームを選択的に照射するために設置される。プロセス室は、ガスインレット及びガスアウトレットを備える。ガスインレットを介して、ガス、例えば不活性ガスが、プロセス室へ供給される。プロセス室内で、ガス流は、原材料粉末粒子などの粒状不純物及び溶接煙及び煤粒子などの燃焼生成物を吸収する。プロセス室から出て行くガス/粒子混合物は、プロセス室のガスアウトレットをプロセス室のガスインレットに接続する循環ラインを通過するように導かれる。循環ラインに配列されるサイクロン及び複数のフィルタは、ガス流がプロセス室の中へ再循環される前にガス流から粒状不純物を除去するために役立つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】欧州特許第2992942号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可燃性及び/又は反応性粒子を含有するガス流を処理する方法、及び、ガス流に含有される可燃性及び/又は反応性粒子を確実にかつ安全に取扱いできるようにする電磁又は粒子放射で原材料粉末の層を照射することによって三次元工作物を製造するための装置を作動する方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1において画定するガス流を処理する方法及び請求項13において画定する三次元工作物を製造するための装置を作動する方法によって達成される。
【0007】
可燃性及び/又は反応性粒子を含有するガス流を処理する方法は、ガス流の中に含有される粒子の少なくとも一部分を分離機によってガス流から分離するステップを含む。処理対象であるガス流に含有される可燃性及び/又は反応性粒子は、電磁又は粒子放射で原材料粉末の層を照射することによって三次元工作物を製造するための装置において加工される原材料粉末の粒子を含有する可能性がある。あるいは、又はこれに加えて、可燃性及び/又は反応性粒子は、溶接煙及び/又は煤粒子及び金属濃縮物など、電磁又は粒子放射で原材料粉末の層を照射する際に生じた燃焼生成物を含有する可能性がある。具体的には、可燃性及び/又は反応性粒子は、1μm~100μmの粒度を有する粒子を含有する可能性があるが、>100μmの粒度を有する凝塊及び<1μmの粒度を有する粒子を含有する場合もある。
【0008】
分離機は、少なくとも1つのフィルタ及び/又は少なくとも1つのサイクロンを備えることができる。必要なのは、純化されたガス流即ち分離機へ入るガス流より少ない粒子を含有するガス流が分離機から出て行くように、分離機がガス流に含有される粒子をガス流から分離するのに適することだけである。ガス流は、不活性ガス流であることが好ましく、可燃性及び/又は反応性粒子の望ましくない酸化を防止するように、例えば、アルゴン又は窒素を含有する。具体的には、ガス流は、プロセス室内に不活性ガス環境を構築するため及びプロセス室から原材料粉末粒子、溶接煙及び/又は煤粒子などの粒状不純物を排出するために、電磁又は粒子放射で原材料粉末の層を照射することによって三次元工作物を製造するための装置のプロセス室を循環するガス流とすることができる。但し、ガス流は、装置の原材料粉末回路を通過して原材料粉末を運搬するために電磁又は粒子放射で原材料粉末の層を照射することによって三次元工作物を製造するための装置に使用されるガス流であることも想定される。
【0009】
分離機によってガス流から分離される粒子は、収集容器へ供給される。収集容器は、例えば分離機の1つのフィルタ又は1つのサイクロンなど1つのコンポーネントのみに接続できる。但し、複数のフィルタ及び/又はサイクロンから分離された粒子が共通の収集容器へ供給されることも想定できる。例えば、収集容器は、フィルタが周期的に例えば「バックフラッシュ」法によって清掃されるときに可燃性及び/又は反応性粒子を含有するガス流をフィルタを通過するよう案内する際にフィルタにおいて捕捉される粒状物質が収集容器の中へ導かれるように、少なくとも1つのフィルタに接続できる。
【0010】
収集容器への粒子の供給は中断される。収集容器への粒子の供給は、必要に応じて即ちいつでも中断できる。収集容器への粒子の供給の中断は、例えば、分離機を収集容器に接続する接続ラインに又は収集容器に配置される弁を自動的に又は手動で閉鎖することによって実施できる。収集容器への粒子の供給が自動的に中断される場合、充填レベルが第1設定値に達したことを示す信号を受け取ったら、接続ラインを介する分離機から収集容器への粒子の供給を中断するように弁へ閉鎖信号を出力する制御ユニットを採用できる。
【0011】
特に、収集容器への粒子の供給の中断後、収集容器の中の粒子に難燃性物質の被覆層を形成するように、難燃性物質が供給される。好ましくは、難燃性物質の供給は、収集容器へ供給される難燃性物質の量が、収集容器がしたがって粒子が空気又はその他の気体混合物、水、酸混合物などの酸化媒体に曝されたとき収集容器の中の可燃性及び/又は反応性粒子の反応特に酸化を確実に防止及び/又は制御する被覆層を形成するのに充分であるように、手動で又は自動的に制御される。その結果、可燃性及び/又は反応性粒子の安全で信頼できる取扱いが可能になる。
【0012】
好ましくは、難燃性物質を選択し、可燃性及び/又は反応性粒子への酸化媒体の分散が遅延するような量の難燃性物質を、収集容器へ供給できる。このようにして、可燃性及び/又は反応性粒子が酸化媒体に曝される速度は低下する。更に、難燃性物質を選択して、被覆層の存在にも拘らず生じる例えば酸化媒体による可燃性及び/又は反応性粒子の反応を遅らせる又は消滅させるような量の可燃性物質を収集容器へ供給できる。例えば、難燃性物質は、融解して燃焼粒子を包み込んで、粒子を酸化媒体から遮断して粒子から熱を取り除くことができる。その結果、反応速度は低下し、収集容器全体への火の拡散は防止されるか又は少なくとも遅延される。
【0013】
可燃性及び/又は反応性粒子の好ましくない反応を確実に防止及び/又は制御する被覆層を形成するために、難燃性物質を、少なくとも0.1g/cm2(収集容器内の可燃性及び/又は反応性粒子の層の表面積)、好ましくは、少なくとも0.5g/cm2(収集容器内の可燃性及び/又は反応性粒子の層の表面積)、収集容器へ供給できる。収集容器内の可燃性及び/又は反応性粒子の層の表面積は、典型的に、可燃性及び/又は反応性粒子の層の表面のレベルにおける収集容器の断面積に対応する。
【0014】
基本的に、難燃性物質は、外部難燃性物質供給源から収集容器へ供給できる。但し、収集容器の上部領域に配置できる例えば収集容器のカバーに取り付けできる内部内燃性物質容器を持つ収集容器を備えることも想定できる。収集容器の中の粒子に難燃性物質の被覆層を形成するように収集容器への難燃性物質の供給は、内部難燃性物質容器を開ける又は傷付けることによって例えばこれを穿孔することによって、実現できる。
【0015】
ガス流を処理する方法において、固定量の難燃性物資を収集容器へ供給できる。この場合、難燃性物質の量は、収集容器の中の粒子の上面に充分な厚みの被覆層が形成されるように、かつ可燃性及び/又は反応性粒子の反応が確実に防止されかつ/又は少なくとも遅延するために収集容器の中で難燃性物質と可燃性及び/又は反応性粒子の充分な全体比率が得られるようにするために、可燃性及び/又は反応性粒子の特性に応じて並びに収集容器の設計特に寸法に応じて、選択できる。好ましくは、収集容器への難燃性物質の供給は、5:1の難燃性物質と可燃性及び/又は反応性粒子の体積比率が収集容器の中で得られるように制御される。
【0016】
但し、収集容器の充填レベルに応じて収集容器への粒子の供給と同様に収集容器への難燃性物質の供給を制御することも想定される。例えば、収集容器への難燃性物質の供給は、収集容器の難燃性物質の所望の充填レベルに達するまで難燃性物質の供給が継続するように制御できる。
【0017】
可燃性及び/又は反応性粒子上に難燃性物質の被覆層を形成するように収集容器へ難燃性物質を供給した後、収集容器は、交換用収集容器と交換できる。例えば、収集容器は、不活性ガス供給源例えばアルゴン源又は窒素源から分離するか、又は収集容器は真空源から分離できる。更に、収集容器は、接続ラインから外して、交換用収集容器を接続ラインに接続できる。交換ステップが完了した後、分離機から交換用収集容器へ粒子を供給できるように接続ライン又は収集容器に配置された弁を再び開放できる。
【0018】
上述のように、収集容器への粒子の供給は、必要に応じて即ちいつでも中断できる。但し、好ましくは、収集容器への粒子の供給は、少なくとも収集容器の充填レベルが第1設定値に達したときに中断される。例えば、第1設定値は、収集容器への粒子の供給を停止した後、収集容器の中の粒子の上面に充分な厚みの被覆層が形成されかつ収集容器の中で難燃性物質と可燃性及び/又は反応性粒子の充分な全体比率が得られるようにするのに充分な空間を収集容器に残すように、設定できる。
【0019】
収集容器の充填レベルは、少なくとも1つの充填レベルセンサによって測定できる。収集容器の中に均等に配分された一連の例えば3つの充填レベルセンサを採用することもできる。あるいは又はこれに加えて、収集容器の充填レベルを測定するためにスケールを使用できる。少なくとも1つの充填レベルセンサ及び/又はスケールは、収集容器における可燃性及び/又は反応性粒子のみの充填レベルを測定するために使用できる。但し、収集容器における難燃性物質及び/又は難燃性物質及び可燃性及び/又は反応性粒子の混合物の充填レベルを測定するために少なくとも1つの充填レベルセンサ及び/又はスケールを使用することも想定できる。充填レベルセンサは、レーザー充填レベルセンサ又は現場センサの形式で設計できる。スケールは、三点スケールの形式で設計できる。
【0020】
収集容器へ難燃性物質を供給するため及び/又は収集容器を交換用収集容器と交換するために収集容器への粒子の供給を中断する間、分離機へのガス流の供給も中断できる。但し、好ましくは、処理対象のガス流の分離機への供給及びガス流に含有される粒子の少なくとも一部を分離機によってガス流から分離するステップは、収集容器への粒子の供給の中断中、継続される。その結果、処理効率を強化できる。収集容器への粒子の供給の中断中にガス流から分離される粒子は、一時的に仮貯蔵容積に貯蔵できる。
【0021】
仮貯蔵容積は、分離機の中に与えることができる。例えば、ガス流から分離された粒子は、収集容器への粒子の供給の中断が終了するまで、分離機のフィルタの中に維持できる。但し、別個の貯蔵タンクを仮貯蔵容積として使用することも想定できる。例えば、別個の貯蔵タンクの形式で設計される仮貯蔵容積を、分離機と収集容器との間の接続ラインに与えることができる。
【0022】
ガス流を処理する方法の好ましい実施形態において、分離機は、難燃性物質を収容する。分離機に収容された難燃性物質は、収集容器の中に収集された粒子に被覆層を形成するように収集容器へ供給されるのと同じ難燃性物質とすることができる。但し、分離機において異なる難燃性物質を使用することも想定できる。例えば、分離機内での粒子の好ましくない(酸化)反応を防止するために難燃性物質を分離機のフィルタにコーティングできる。
【0023】
分離機のフィルタは、例えば、フィルタに難燃性物質を噴霧することによって難燃性物質でコーティングできる。ガス流を処理する方法の特に好ましい実施形態において、分離機のフィルタをコーティングするために、難燃性物質は、分離機の上流の位置で分離機へ供給されるガス流の中へ導入される。例えば、更なる難燃性物質源を、分離機の上流の位置において分離機へ導かれるガス流が流されるラインに接続できる。但し、収集容器及び分離機の両方へ難燃性物質を供給するために、単一の難燃性物質源が使用されることも想定できる。分離機へ導かれるガス流が流されるラインへの難燃性物質の導入は、適切な制御弁によって制御できる。
【0024】
分離機の中の難燃性物質の少なくとも一部は、分離機のフィルタを清掃するとき分離機から排出されて、収集容器へ供給できる。例えば、分離機のフィルタにコーティングされる難燃性物質の少なくとも一部は、フィルタが例えば「バックフラッシュ」法又は振動運動によって周期的に清掃されるとき、フィルタから除去できる。したがって、可燃性及び/又は反応性粒子を含有するガス流をフィルタを通過して案内するときフィルタに捕捉されフィルタを清掃するときフィルタから除去される粒状物質は、直ちに難燃性物質で希釈及び/又は被覆される。
【0025】
分離機の中の難燃性物質の少なくとも一部を分離機から排出した後、分離機に再び難燃性物質が供給されることが好ましい。特に、捕捉されたか可燃性及び/又は反応性粒子並びにフィルタから難燃性物質を除去するために分離機のフィルタを清掃した後に、フィルタは、例えば上述のように、難燃性物質で再びコーティングできる。
【0026】
フィルタの清掃時に分離機のフィルタから除去される粒状物質及び/又は難燃性物質は、直ちに収集容器へ供給できる。但し、最終的に収集容器へ供給する前に、粒状物質及び/又は難燃性物質を分離機の仮貯蔵容積に一時的に貯蔵することも想定できる。
【0027】
収集容器内で、フィルタの清掃時に分離機のフィルタから除去され、特定の量の可燃性及び/又は反応性粒子と混合できる難燃性物質は、既に収集容器に収容された粒子上に中間層又は被覆層の少なくとも一部を形成できる。
【0028】
難燃性物質は、オイルベースの物質、不活性有機ミネラル又は物質の混合物、炭酸カルシウム、砂又はケイ酸ナトリウムを含有できる。具体的には、難燃性物質は、粒状物質好ましくはミネラル粒状物質及び特に気泡ガラスを含む又はこれから成ることが好ましい。難燃性物質は、>30μm、好ましくは>60μm、特に>100μmの粒度を有する粒子を含有できる。更に、難燃性物質は、<1mm、好ましくは500μm、特に<300μmの粒度を有する粒子を含有できる。難燃性物質の粒子は、30μm~1mm、特に60μm~500μm、好ましくは100μm~300μmの粒度を持つことができる。
【0029】
粒度の分布に応じて、難燃性物質のかさ密度は、>50kg/m3、特に>100kg/m3とすることができる。更に、難燃性物質のかさ密度は、<1000kg/m3、特に<700kg/m3とすることができる。難燃性物質のかさ密度は、50kg/m3~1000kg/m3、好ましくは100kg/m3~700kg/m3とすることができる。難燃性物質の軟化及び/又は融解温度は、>350℃、特に>500℃とすることができる。更に、難燃性物質の軟化及び/又は融解温度は、<1200℃、特に<1000℃とすることができる。難燃性物質の軟化及び/又は融解温度は、350℃~1200℃、特に500℃~1000℃とすることができる。
【0030】
ガス流を処理する方法において、分離機の作動状態は、分離機の中の難燃性物質の量を分離機のフィルタの清掃時に分離機から排出された難燃性物質の量を比較することによって監視できる。例えば、明確な作動状態テストを実施でき、このテストにおいて、第1段階において、規定量の難燃性物質が分離機へ供給され、分離機のフィルタにコーティングされる。第2段階において、難燃性物質は、粒状物質をろ過するためにフィルタを事前に使用することなく、フィルタを清掃することによって分離機から除去できる。
【0031】
分離機から除去された難燃性物質は、収集容器へ供給でき、収集容器へ供給された難燃性物質の量は、少なくとも1つの充填レベルセンサ及び/又はスケールによって測定できる。収集容器へ供給された難燃性物質の量は、その後、分離機の作動状態特に分離機のフィルタに施された難燃性物質のコーティングの作動状態を測定するために、分離機へ供給された難燃性物質の量と比較できる。
【0032】
上述の明確な作動状態テストは、分離機の作動を開始する前に、分離機の作動を完了した後に又は分離機の作動の中断中に、実施できる。但し、分離機へ供給され分離機のフィルタにコーティングされた難燃性物質の規定量を、分離機の正常作動中に分離機のフィルタを清掃することによって分離機から除去され収集容器へ供給される難燃性物質の推定量又は算定量と、比較することも想定できる。
【0033】
収集容器へ供給された難燃性物質の量は、分離機の作動中に収集容器へ供給された粒状物質の量が既知の場合に計算できる。分離機の作動中に収集容器へ供給された粒状物質の量が分からない場合、収集容器へ供給された難燃性物質の量は、少なくとも1つの充填レベルセンサ及び/又はスケールによって与えられるデータ及び分離機の作動中に収集容器へ供給された粒子の推定量に基づいて推定しなければならない。
【0034】
あるいは又はこれに加えて、分離機によってガス流から分離され収集容器へ供給された粒子の量を測定することも想定できる。例えば、収集容器の中身の容量及び/又は質量は、少なくとも1つの充填レベルセンサ及び/又はスケールによって測定でき、粒子の量は、充填レベルセンサ及び/又はスケールによって与えられた全体値から収集容器へ供給された難燃性物質の既知の容量及び/又は質量を差し引くことによって計算できる。
【0035】
ガス流を処理する方法は、収集容器の充填レベルが第1設定値より小さい第2設定値に達したとき収集容器への粒子の供給を中断する付加的ステップを含むことができる。難燃性物質は、その後、収集容器の中の粒子に難燃性物質の中間層を形成するように収集容器へ供給できる。難燃性物質の中間層を形成した後、分離機によってガス流から分離された粒子の収集容器への供給を、再開できる。収集容器における難燃性物質の1つ又は複数の中間層の形成は、特に、処理対象のガス流が例えばチタン微粒子などの高度に可燃性及び/又は高度に反応性の粒子を含有する場合に考慮できる。
【0036】
電磁又は粒子放射で原材料粉末の層を照射することによって三次元工作物を製造するための装置を作動する方法において、ガス流は、装置のプロセス室へ供給される。ガス流は、不活性ガス流であることが好ましく、例えばアルゴン又は窒素を含有できる。ガス流は、プロセス室内に制御されたガス環境特に制御された不活性ガス環境を確立するために、プロセス室の中を導かれる。プロセス室を導かれる間、ガス流は、例えば原材料粉末粒子、溶接煙及び煤粒子及び金属凝縮物などの可燃性及び/又は反応性粒子を吸収する。可燃性及び/又は反応性粒子を含有するガス流は、プロセス室から排出される。プロセス室内のガス環境を可能な限りきれいに維持することによって、粒状不純物による放射ビームの遮蔽がしたがって照射効率の減少が最小限に抑えられる。可燃性及び/又は反応性粒子を含有するガス流は、上述の方法に従って処理される。
【0037】
ガス流から粒子を分離するように可燃性及び/又は反応性粒子を含有するガス流を処理した後、ガス流に含有される粒子の少なくとも一部をガス流から分離する分離機から出て行く純化されたガス流は、装置のプロセス室へ再循環できる。
【0038】
三次元工作物を製造するための装置を作動する方法において、収集容器への粒子の供給は、必要に応じて即ちいつでも及び/又は収集容器の充填レベルが上述のように第1設定値に達したとき、中断できる。更に、収集容器への粒子の供給は、三次元工作物の製造が完了したとき即ち三次元工作物を製造するためのビルドプロセスが完了したとき、中断できる。収集容器へ難燃性物質の供給後、収集容器は、交換用収集容器と交換でき、その後のビルドプロセスを、交換用収集容器で開始できる。
【0039】
本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、装置のプロセス室の中をガス流を導くためのガス回路を備える、電磁又は粒子放射で原材料粉末の層を照射することによって三次元工作物を製造するための装置を示す。
図2図2は、図1の装置のガス回路に配置された分離機の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、加法的層状化プロセスによって三次元工作物を製造するための装置10を示す。装置は、キャリア14とキャリア14上に原材料粉末を塗付するための粉末塗布機16とを収めるプロセス室12を備える。プロセス室12は、周囲環境即ちプロセス室12を取り囲む環境に対して密封可能である。装置10は、更に、キャリア14上に塗布された原材料粉末を電磁又は粒子放射で選択的に照射するための照射機器18を備える。
【0042】
プロセス室12内に制御されたガス環境を確立するようにガス回路20が与えられる。ガス回路20は、ガス源22を含む。ガス源22は、特に、不活性ガス源の形式で例えばアルゴン又は窒素源の形式で設計される。プロセス室12は、プロセス室12へガスを供給するためのガスインレット24を備える。ガスアウトレット26は、プロセス室12からガスを排出する役割を果たす。循環ライン28は、ガスアウトレット26をガスインレット24に接続する。更に、循環ライン28は、ガス源22に接続される。搬送機30は、循環ライン28を通過してガス流を搬送する役割を果たす。
【0043】
プロセス室12を通過するように導かれると、ガスインレット24を介してプロセス室12へ供給されたガス流32は、原材料粉末粒子、溶接煙及び/又は煤粒子などの可燃性及び/又は反応性粒子34を吸収する。ガスアウトレット26を介してプロセス室12を出て行くガス/粒子混合物は、循環ライン28及びガスインレット24を介してプロセス室12へ再循環される前に処理される。特に、ガス流32に含有される粒子34は、循環ライン28において搬送機30の上流に配置される分離機36によってガス流32から分離される。分離機36から出て行く純化されたガス流32は、循環ライン28及びガスインレット24を介してプロセス室12へ再循環される。
【0044】
分離機36の詳細図を図2に示す。図に示す実施形態において、分離機36は、ガス流32から粒子34をろ過するためのフィルタ38を備える。但し、分離機36が複数のフィルタ及び/又は1つ又は複数のサイクロンを備えることも想定できる。フィルタ38へ導かれるガス流32に含有される粒子の望ましくない(酸化)反応を防止するために、フィルタ38は、難燃性物質57でコーティングされる。例えば、フィルタ38は、図2に略図的に示すように消炎効果を持つ難燃性物質57でコーティングされる。
【0045】
分離機36は、接続ライン42を介して収集容器40に接続される。収集容器40は、ガス流32がフィルタ38の中を導かれるとき分離機36のフィルタ38に捕捉され例えばフィルタ38の振動運動を誘発することによって連続的又は周期的にフィルタ38を清掃する際フィルタ38から除去される粒状物質34を収容するのに役立つ。収集容器40内に、難燃性物質57の基礎層が与えられる。難燃性物質57は、この場合も消炎効果を持つ難燃性物質である。
【0046】
分離機36から収集容器40への粒子34の供給は、接続ライン42に配置される弁44によって制御される。弁44の作動は、電子制御ユニット46によって制御される。但し、弁44が手動制御弁の形式で設計されることも想定できる。収集容器40の充填レベルは、充填レベルセンサ48及びスケール50によって制御される。スケール50は、三点スケールの形式で設計される。充填レベルセンサ48及びスケール50によって出力される信号は、電子制御ユニット46へ送られる。
【0047】
又、難燃性物質源52が設置される。図示する実施形態において、難燃性物質源52は、難燃性物質57を収容し収集容器40内に配置されるバッグ54を備える。バッグ54は、収集容器40のカバーに取り付けられ、固定量の難燃性物質57即ちバッグ54の中身をバッグ54から収集容器40内部へ排出するように適切な装置(図示せず)によって穿孔できる。但し、難燃性物質源52から収集容器40への難燃性物質57の制御された供給を可能にする別の弁56を難燃性物質源に備えることも想定できる。
【0048】
フィルタ38を難燃性物質57でコーティングするために、別の難燃性物質源59が分離機36の上流の位置で循環ライン28に接続される。難燃性物質源59から循環ライン28へのしたがって循環ライン28を介して分離機36へ供給されるガス流32への難燃性物質57の供給は、制御弁60によって制御される。フィルタ38を難燃性物質57でコーティングしなければならない場合、制御弁60は開放されて、難燃性物質57はガス流32へ導入される。難燃性物質57は、ガス流32と一緒に運ばれて、フィルタ38上へ噴霧される。
【0049】
本明細書において説明する好ましい実施形態において、難燃性物質57は、30μm~1mm、特に60μm~500μm、好ましくは100μm~300μmの粒度を有する粒子を含有する気泡ガラスから成る。難燃性物質57のかさ密度は、50kg/m3~1000kg/m3、好ましくは100kg/m3~700kg/m3である。難燃性物質57の軟化及び/又は融解温度は、350℃~1200℃、特に500℃~1000℃である。
【0050】
ガス流を処理する方法において、分離機36によってガス流32から分離される粒子34は、収集容器40へ供給される。収集容器40への粒子34の供給は、制御ユニット46の制御を受けて行われ、弁44を開放することによって開始できる。粒子34は、収集容器40の充填レベルが連続的に充填レベルセンサ48及びスケール50によって監視される間、連続的に又は周期的に収集容器40へ供給できる。
【0051】
収集容器40への粒子34の供給は、必要に応じていつでも、例えば三次元工作品の製造が完了したときに中断できる。但し、少なくとも充填レベルセンサ48及びスケール50によって測定された収集容器40の粒子34の充填レベルが第1設定値に達したとき、収集容器40への粒子34の供給は中断される。特に、収集容器40への粒子34の供給の相互作用は、充填レベルセンサ48及びスケール50から制御ユニット46へ送られた信号に反応して制御ユニット46の制御を受けて弁44を閉鎖することによって、得られる。
【0052】
その後、難燃性物質57は、収集容器40の中の粒子34上に難燃性物質57の被覆層を形成するように収集容器40へ供給される。難燃性物質57は、バッグ54から収集容器40へ難燃性物質57を供給できるように別の弁56を開放することによって、難燃性物質源52から収集容器40の中へ導入される。収集容器40の中の難燃性物質57の被覆層が所望の厚みに達し、収集容器40において難燃性物質57と可燃性及び/又は反応性粒子の所望の体積比、例えば5:1に達したとき、収集容器40への難燃性物質57の供給は、別の弁56を閉鎖することによって中断される。所望の被覆層を形成するための収集容器40への難燃性物質57の供給は、収集容器40の充填レベルを示し充填レベルセンサ48及びスケール50から制御ユニット46へ与えられる信号に応じて、制御ユニット46によって制御される。
【0053】
被覆層は、収集容器40が次のステップにおいて接続ライン42から外され、不活性ガス回路20からの切断のせいで周囲環境に曝されたとき又はシステムに漏出があるとき、粒子34の非制御(酸化)反応を防止する。充満した収集容器40は、交換用収集容器40aと交換される。具体的には、交換用収集容器40aは、収集容器40の代わりに接続ライン42に接続される。接続ライン42から切断された後に、充満した収集容器40は、カバー(図示せず)によって閉鎖できる。
【0054】
ガス流32に含有される粒子34が高度に可燃性及び/又は反応性である場合、収集容器40の充填レベルが第1設定値より小さい第2設定値に達したとき、収集容器40への粒子34の供給を中断する更なる任意のステップを含む。例えば、収集容器40の粒子34の供給は、収集容器40が約50%しか充填されない場合でも中断できる。難燃性物質57は、収集容器40の中の粒子34上に難燃性物質57の中間層を形成するように収集容器40へ供給できる。難燃性物質57の中間層を形成した後に、分離機36によってガス流32から分離された粒子34の供給を再開できる。
【0055】
収集容器40への粒子34の供給の中断中、分離機36を通過する粒子を帯びたガス流の流れ及び分離機36の作動は継続する。収集容器40への粒子34の供給の中断中でも、分離機36は引き続き、ガス流32から粒子34を分離する。これらの粒子34は、一時的に、図示するように分離機36内部に与えられる又は別個の容器に与えられる仮貯蔵容積58に貯蔵される。特に、収集容器40への粒子34の供給の中断中にガス流32から分離される粒子34は、分離機36のフィルタ38に維持される。したがって、装置10の連続的作動が可能になる。
【0056】
分離機36のフィルタ38が、例えば「バックフラッシュ」法又は振動運動によって周期的に清掃されたら、分離機36の中の難燃性物質57の少なくとも一部は、即ち分離機36のフィルタ38にコーティングされた難燃性物質57の少なくとも一部は、フィルタ38から除去される。したがって、フィルタ38の清掃時にフィルタ38から除去される可燃性及び/又は反応性粒子34は、直ちに難燃性物質57で希釈及び/又は被覆される。
【0057】
フィルタ38から除去された後、可燃性及び/又は反応性粒子34は、難燃性物質57と一緒に直ちに収集容器40へ供給できる。但し、最終的に収集容器40へ供給する前に、粒状物質34及び/又は難燃性物質57を一時的に分離機36の仮貯蔵容積58に貯蔵することも想定できる。収集容器40内で、フィルタ38の清掃時にフィルタ38から除去され、特定量の可燃性及び/又は反応性粒子34と混合できる難燃性物質57は、既に収集容器40の中にある粒子34上に中間層又は少なくとも被覆層の一部を形成できる。
【0058】
分離機36の中の難燃性物質57の少なくとも一部を分離機36から排出した後、分離機36には、再び別の難燃性物質源59から難燃性物質57が供給される。特に、フィルタ38の清掃後、フィルタ38は、制御弁60を開放することによって及び上述のように別の難燃性物質源59からガス流32の中へ難燃性物質57を供給することによって、難燃性物質57で再びコーティングされる。
【0059】
分離機36の作動を開始する前に、分離機36の作動完了後に、又は分離機36の作動の中断時に、分離機36の作動状態特に分離機36のフィルタ38への難燃性物質57のコーティングの作動状態を測定するために、明確な作動状態テストを実施できる。この作動状態テストは、分離機36の中の難燃性物質57の量を分離機36のフィルタ38を清掃する際分離機36から排出された難燃性物質57の量と比較することを含む。
【0060】
第1ステップにおいて、規定量の難燃性物質57が分離機36に供給され、例えば上述のように分離機36のフィルタ38上にコーティングされる。第2ステップにおいて、難燃性物質57は、粒状物質をろ過するために事前にフィルタ38を使用することなくフィルタ38を清掃することによって分離機36から除去される。分離機36から除去された難燃性物質57は、収集容器40へ供給されて、収集容器40へ供給された難燃性物質57の量は、充填レベルセンサ48及び/又はスケール50によって測定される。収集容器40へ供給された難燃性物質57の量は、その後、分離機36へ供給された難燃性物質57の量と比較される。
【0061】
分離機36の作動状態特に分離機36の正常作動時に分離機36のフィルタ38に塗布された難燃性物質57のコーティングの作動状態を監視することが好ましい場合、分離機36へ供給され分離機36のフィルタ38にコーティングされた難燃性物質57の規定量を、分離機36の正常作動時にフィルタ38を清掃することによって分離機36から除去され収集容器40へ供給される難燃性物質57の推定値又は算定値と比較することも可能である。
【0062】
フィルタ38の清掃を含めて分離機36の作動時に収集容器40へ供給された粒状物質34の量が分かっている場合、フィルタ38の清掃時に収集容器40へ供給された難燃性物質57の量を計算できる。但し、粒状物質34の量が分かっていない場合、収集容器40へ供給された難燃性物質57の量は、充填レベルセンサ48及び/又はスケール50によって与えられたデータ及びフィルタ38の清掃を含めて分離機36の作動時に収集容器40へ供給された粒子34の推定値に基づいて、推定できる。
【0063】
あるいは又はこれに加えて、分離機36によってガス流32から分離され収集容器40へ供給された粒子34の量を測定することも可能である。例えば、収集容器40の内容物の体積及び/又は質量は、充填レベルセンサ48及びスケール50によって測定でき、粒子34の量は、充填レベルセンサ48及び/又はスケール50によって与えられた全体値から収集容器40へ供給された難燃性物質57の既知の体積及び/又は質量を差し引くことによって計算できる。
なお、本開示の態様には以下のものも含まれる。
〔態様1〕
可燃性及び/又は反応性粒子(34)を含有するガス流(32)を処理する方法であって、前記方法が、
-分離機(36)によって前記ガス流(32)に含有される前記粒子(34)の少なくとも一部を前記ガス流(32)から分離することと、
-前記分離機(36)によって前記ガス流(32)から分離された前記粒子(34)を収集容器(40)へ供給することと、
-前記収集容器(40)への前記粒子(34)の供給を中断することと、
-前記収集容器(40)の中に入っている前記粒子(34)上に難燃性物質(57)の被覆層を形成するように前記収集容器(40)へ難燃性物質(57)を供給することと、
を含む、方法。
〔態様2〕
更に、
-前記収集容器へ前記難燃性物質(57)を供給した後、前記収集容器(40)を交換用収集容器(40)と交換すること、
を含む、態様1に記載の方法。
〔態様3〕
前記収集容器(40)への前記粒子(34)の供給が、少なくとも前記収集容器(40)の充填レベルが第1設定値に達したとき中断される、
態様1又は2に記載の方法。
〔態様4〕
前記収集容器(40)の前記充填レベルが、少なくとも1つの充填レベルセンサ(48)及び/又はスケール(50)によって測定される、
態様3に記載の方法。
〔態様5〕
更に、
-前記収集容器(40)への前記粒子(34)の供給の中断中、前記ガス流(32)に含有される前記粒子(34)の少なくとも一部の前記分離機(36)による前記ガス流(32)からの分離を継続することと、
-前記ガス流(32)から分離された前記粒子(34)を仮貯蔵容積(58)に一時的に貯蔵することと、
を含む、態様1~4のいずれか1つに記載の方法、
〔態様6〕
前記仮貯蔵容積(58)が前記分離機(36)の中に与えられる、
態様5に記載の方法。
〔態様7〕
前記分離機(36)が、難燃性物質(57)を収容する、
態様1~6のいずれか1つに記載の方法。
〔態様8〕
前記分離機(36)のフィルタ(38)が、前記フィルタ(38)上に前記難燃性物質(57)を噴霧することによって前記難燃性物質(57)でコーティングされ、特に、前記分離機(36)の前記フィルタ(38)をコーティングするために、前記難燃性物質(57)が、前記分離機(36)の上流の位置において前記分離機(36)へ供給される前記ガス流(32)の中へ導入される、
態様7に記載の方法。
〔態様9〕
前記分離機(36)のフィルタ(38)の清掃時に、前記分離機(36)の中に入っている前記難燃性物質(57)の少なくとも一部が、前記分離機(36)から排出され、前記収集容器(40)へ供給される、
態様7又は8に記載の方法。
〔態様10〕
更に、
-前記分離機(36)のフィルタ(38)の清掃時に、前記分離機(36)の中に入っている難燃性物質(57)の量を前記分離機(36)から排出された難燃性物質(57)の量と比較することによって、前記分離機(36)の作動状態を監視するステップ、
を含む、態様7~9のいずれか1つに記載の方法。
〔態様11〕
更に、
-前記分離機(36)によって前記ガス流(32)から分離され前記収集容器(40)へ供給された粒子(34)の量を測定するステップ、
を含む、態様1~10のいずれか1つに記載の方法。
〔態様12〕
更に、
-前記収集容器(40)の前記充填レベルが第2設定値に達したとき前記収集容器(40)への前記粒子(34)の供給を中断するステップであって、前記第2設定値が前記第1設定値より小さい、ステップと、
-前記収集容器(40)の中に入っている前記粒子(34)上に難燃性物質(57)の中間層を形成するように前記収集容器(40)へ難燃性物質(57)を供給するステップと、
-難燃性物質(57)の前記中間層を形成した後、前記分離機(36)によって前記ガス流(32)から分離された前記粒子(34)の前記収集容器(40)への供給を再開するステップと、
含む、態様1~11のいずれか1つに記載の方法。
〔態様13〕
電磁又は粒子放射で原材料粉末の層を照射することによって三次元工作物を製造するための装置(10)を作動する方法であって、前記方法が、
-前記装置(100)のプロセス室(12)へガス流(32)を供給することと、
-前記プロセス室(12)を通過するように前記ガス流(32)を導くことであって、前記ガス流(32)が、前記プロセス室(12)を通過するように導かれるとき可燃性及び/又は反応性粒子(34)を吸収する、導くことと、
-前記可燃性及び/又は反応性粒子(34)を含有する前記ガス流(32)を前記プロセス室(12)から排出することと、
-態様1~8のいずれか1つに記載の方法にしたがって前記可燃性及び/又は反応性粒子(34)を含有する前記ガス流(32)を処理することと、
を含む、方法。
〔態様14〕
更に、
-前記可燃性及び/又は反応性粒子(34)を含有する前記ガス流(32)を処理した後、前記ガス流(32)に含有される前記粒子(34)の少なくとも一部を前記ガス流(32)から分離する前記分離機(36)を出て行く純化されたガス流(32)を前記プロセス室(12)へ再循環すること、
を含む、態様13に記載の方法。
〔態様15〕
前記収集容器(40)への前記粒子(34)の供給が、前記三次元工作物の製造が完了したら中断される、
態様13又は14に記載の方法。
図1
図2