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特許7371236SSZ-26/33ゼオライトを調製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】SSZ-26/33ゼオライトを調製する方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 39/48 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
C01B39/48
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022515834
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 IB2020053075
(87)【国際公開番号】W WO2021048640
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】16/567,752
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503148834
【氏名又は名称】シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ダン
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0232007(US,A1)
【文献】特表2010-504275(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0185610(US,A1)
【文献】米国特許第5653956(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 39/00
B01J 20/00
B01J 29/00
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトを合成する方法であって、前記方法は:
(a)以下を含む反応混合物を提供することと、
(1)シリカの供給源、
(2)三価元素(X)の酸化物の供給源であって、Xがアルミニウムであり
(3)第1族または第2族の金属(M)の供給源、
(4)1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンカチオンを含む構造指向剤(Q)、
(5)水酸化物イオンの供給源、
(6)水、及び
(7)Al-SSZ-33ゼオライトの種結晶、
(b)前記反応混合物を前記ゼオライトの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供することと、を含む、前記方法。
【請求項2】
前記反応混合物が、モル比に関して、以下のような組成を有する、請求項1に記載の方法。
【表1A】
【請求項3】
前記反応混合物が、モル比に関して、以下のような組成を有する、請求項1に記載の方法。
【表1B】
【請求項4】
前記アルミニウムの供給源が、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、アルカリ金属アルミン酸塩、アルミニウムアルコキシド、水溶性アルミニウム塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
ゼオライトYが前記反応混合物中の唯一のシリカ及びアルミニウムの供給源である、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記反応混合物が、0.01~10,000重量ppmの種結晶を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記結晶化条件が、125℃~200℃の範囲の温度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
その合成された形態で、その細孔内に1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンカチオンを含み、20~120の範囲のSiO /X のモル比を有し、Xがアルミニウムである、SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライト。
【請求項9】
SiO/Xのモル比が40~80の範囲にある、請求項に記載のゼオライト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、SSZ-26/33ゼオライトファミリーに属するゼオライトの合成に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼオライトSSZ-26及びSSZ-33は、ミクロポーラス結晶材料のファミリーのメンバーであり、ABAB...シーケンスまたはABCABC...シーケンスの層のスタッキングによって2つの端成分が形成される。ABAB...スタッキングシーケンスによって形成されたフレームワーク(多形A)は斜方晶対称であり、ABCABC...スタッキングシーケンスによって形成されたフレームワーク(多形B)は単斜晶対称である。これらの2つの端成分多形の間には、欠陥確率(p)によって特徴付けることができる材料のファミリーがある。p=0%及びp=100%の欠陥確率は、それぞれ端成分のポリモルフB及びポリモルフAを表す。アルミノケイ酸塩ゼオライトSSZ-26及びホウケイ酸塩ゼオライトSSZ-33は、それぞれ約15%及び約30%の欠陥確率を有するこの材料ファミリーのメンバーである。これらのゼオライトは、交差する10環と12環の細孔を含む3次元細孔システムを有している。
【0003】
ゼオライトSSZ-26の組成及び特徴的なX線回折パターンは、米国特許第4,910,006号に開示されており、これはまた、構造指向剤としてヘキサメチル[4.3.3.0]プロペラン-8,11-ジアンモニウムカチオンを使用するゼオライトの調製を記載している。
【0004】
ゼオライトSSZ-33の組成及び特徴的なX線回折パターンは、米国特許第4,963,337号に開示されており、これはまた、構造指向剤としてトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン第四級アンモニウムカチオンを使用するゼオライトの調製を記載している。
【0005】
米国特許第7,648,694号は、1,5-ビス(N,N-ジメチルシクロヘキシルアンモニウム)ペンタンジカチオン、1,4-ビス(N-シクロヘキシルピペリジニウム)ブタンジカチオン、及び1,4-ビス(N-シクロペンチルピペリジニウム)ブタンジカチオンから選択される構造指向剤を使用するSSZ-26/33ゼオライトを調製する方法を開示している。
【0006】
米国特許第7,837,978号は、シス-N,N-ジエチルデカヒドロキノリニウムカチオンまたはシス-N,N-ジエチルデカヒドロキノリニウムカチオンとトランス-N,N-ジエチルデカヒドロキノリニウムカチオンの混合物を含む構造指向剤を使用するSSZ-26を調製するためのプロセスを開示している。
【0007】
米国特許第8,647,601号は、構造指向剤として1,1’-(ペンタン-1,5-ジイル)ビス(3-メチルシクロヘキシル)ピペリジニウムジカチオンを使用するSSZ-33の合成を開示している。
【0008】
SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトを合成するための代替のより安価な構造指向剤を見つけることに大きな関心が寄せられている。
【0009】
本開示によれば、本明細書に記載の比較的単純なカチオンが、SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトの合成における構造指向剤として有効であり得ることが今や見出された。
【発明の概要】
【0010】
一態様では、ゼオライトのSSZ-26/33ファミリーのゼオライトを合成する方法が提供され、この方法は、(a)(1)シリカの供給源、(2)四価元素(X)の酸化物の供給源、(3)第1族または第2族の金属(M)の供給源、(4)1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンカチオンを含む構造指向剤(Q)、(5)水酸化物イオンの供給源、(6)水、及び(7)SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトの種結晶を含む反応混合物を提供することと、(b)SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に反応混合物を供することと、を含む。
【0011】
別の態様では、SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトが提供され、その合成された形態で、その細孔内に1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンカチオンを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1で合成されたままの合成ゼオライトの粉末X線回折(XRD)パターンを示す。
【0013】
図2】実施例1で合成されたままの合成ゼオライトの走査型電子顕微鏡写真(SEM)の画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
「合成されたままの」という用語は、本明細書では、結晶化後、構造指向剤を除去する前のその形態のゼオライトを指すために使用される。
【0015】
「無水」という用語は、本明細書では、物理的に吸着された水と化学的に吸着された水の両方を実質的に欠くゼオライトを指すために使用される。
【0016】
本明細書で使用される場合、周期表グループの番号付けスキームは、Chem. Eng. News 1985,63(5),26-27に開示される。
【0017】
ゼオライトの合成
SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトは、以下によって合成され得る:(a)以下を含む反応混合物を提供することと、(1)シリカの供給源、(2)三価元素(X)の酸化物の供給源、(3)第1族または第2族の金属(M)の供給源、(4)1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンカチオンを含む構造指向剤(Q)、(5)水酸化物イオンの供給源、(6)水、及び(7)SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトの種結晶、(b)SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に反応混合物を供することと。
【0018】
反応混合物は、モル比に関して、表1に示される範囲内の組成を有することができる。
【表1】
【0019】
シリカの適切な供給源にとしては、ヒュームドシリカ、コロイド状シリカ、沈降シリカ、アルカリ金属ケイ酸塩、及びテトラアルキルオルトケイ酸塩が挙げられ得る。三価元素Xの適切な供給源は、選択される元素Xに依存し得る。Xがアルミニウムを含むかまたはアルミニウムである実施形態において、アルミニウムの適切な供給源としては、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、アルカリ金属アルミン酸塩、アルミニウムアルコキシド(例えば、アルミニウムトリイソプロポキシド)、及び水溶性アルミニウム塩(例えば、硝酸アルミニウム)が挙げられ得る。アルミニウムとシリカの組み合わせた供給源を追加的または代替的に使用することができ、粘土または処理された粘土(例えば、メタカオリン)、及びアルミノケイ酸塩ゼオライト(例えば、ゼオライトY)を挙げることができる。いくつかの態様において、ゼオライトYは、SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトを形成するための唯一のシリカ及びアルミニウムの供給源であり得る。
【0020】
第1族または第2族の金属(M)は、結晶化プロセスに有害ではない任意のM含有化合物であり得、使用することができる。第1族または第2族の金属は、ナトリウムまたはカリウムであってよい。第1族または第2族の金属の供給源としては、金属水酸化物、金属酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、及び金属カルボン酸塩が挙げられ得る。本明細書で使用される場合、「第1族または第2族の金属」という語句は、第1族の金属と第2族の金属が代替として使用されることを意味するのではなく、1つ以上の第1族の金属を単独で、または1つ以上の第2族の金属と組み合わせて使用できること、及び1つ以上の第2族の金属を単独で、または1つ以上の第1族の金属と組み合わせて使用できることを意味する。
【0021】
構造指向剤(Q)は、1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンカチオンを含み、次の構造(1)で表される:
【化1】
【0022】
Qの適切な供給源は、第四級アンモニウム化合物の水酸化物及び/または他の塩である。
【0023】
反応混合物はまた、SSZ-26またはSSZ-33などのSSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトの種結晶を、望ましくは反応混合物の0.01~10,000重量ppm(例えば、100~5000重量ppm)の量で含む。シーディングは、完全な結晶化が起こるのに必要な時間を短縮するのに有利であり得る。さらに、シーディングにより、SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトの核形成及び/または形成を望ましくない相で促進することによって得られる生成物の純度を高めることができる。
【0024】
反応混合物成分は、1つを超える供給源から供給され得る。追加的または代替的に、2つ以上の反応混合物成分を1つの供給源によって提供することができる。
【0025】
反応混合物は、バッチ式または連続的に調製することができる。本明細書に記載のゼオライトの結晶サイズ、形態、及び結晶化時間は、反応混合物の性質及び結晶化条件によって変化し得る。
【0026】
上述の反応混合物からのゼオライトの結晶化は、例えばポリプロピレンジャーまたはテフロン(登録商標)で裏打ちされたかまたはステンレス鋼のオートクレーブなどの適切な反応器容器内で、静的、転倒、または攪拌条件下で、125℃~200℃(例えば、150℃~180℃)の温度で、使用される温度で結晶化が起こるのに十分な時間、例えば、48~500時間、実施することができる。結晶化は通常オートクレーブ内で行われるため、反応混合物は自生圧力を受ける。
【0027】
所望のゼオライト結晶が形成されたら、遠心分離または濾過などの標準的な機械的分離技術によって、固体生成物を反応混合物から分離することができる。結晶を水洗してから乾燥させて、合成されたままのゼオライト結晶を得ることができる。乾燥ステップは、高温(例えば、75℃~150℃)で数時間(例えば、4~24時間)実施することができる。乾燥ステップは、真空下または大気圧下で実施することができる。
【0028】
結晶化プロセスの結果として、回収された結晶性ゼオライト生成物は、その細孔内に、合成に使用される構造指向剤の少なくとも一部を含む。
【0029】
合成されたままのゼオライトは、その合成に使用される構造指向剤の一部または全部を除去するための処理に供することができる。構造指向剤の除去は、合成されたままのゼオライトを構造指向剤の一部または全部を除去するのに十分な温度で加熱する熱処理(例えば、焼成)によって実施することができる。熱処理には大気圧以下の圧力を使用することができるが、利便性のために大気圧が望ましい。熱処理は、少なくとも370℃の温度で少なくとも1分間、一般に20時間以内(例えば、1~12時間)で実施することができる。熱処理は、最高925℃の温度で実施することができる。例えば、熱処理は、酸素含有ガスの存在下、400℃~600℃の温度で約1~8時間実施することができる。追加的または代替的に、構造指向剤は、オゾンで処理することによって除去することができる。
【0030】
ゼオライト中の任意の余分なフレームワークの第1族または第2族の金属カチオンは、イオン交換による当該技術分野でよく知られている技術に従って他のカチオンと置き換えることができる。カチオンの置換としては、金属イオン(例えば、希土類金属及び周期表の第2族から第15属の金属)、水素イオン、水素前駆体イオン(例えば、アンモニウムイオン)、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0031】
ゼオライトの特性評価
合成されたままの無水形態では、本発明のゼオライトは、モル比に関して、表2に示される範囲内の化学組成を有することができる:
【表2】
【0032】
本発明のゼオライトの合成されたままの形態は、合成されたままの形態を調製するために使用される反応混合物の反応物のモル比とは異なるモル比を有し得ることに留意されたい。この結果は、(反応混合物から)形成された結晶への反応混合物の100%の反応物の不完全な取り込みが原因で発生し得る。
【0033】
表3及び4の粉末X線回折線は、それぞれ合成されたままのSSZ-26及びSSZ-33タイプのゼオライトを表している。
【表3】

【表4】
【0034】
表5及び6の粉末X線回折線は、それぞれ焼成されたSSZ-26及びSSZ-33タイプのゼオライトを表している。
【表5】

【表6】
【0035】
本明細書に提示される粉末X線回折パターンは、標準的な技術によって収集された。放射線はCuKα線であった。ピークの高さ及び位置は、2θの関数として、θはブラッグ角度であり、ピークの相対強度(バックグラウンドを調整)から読み取られ、記録された線に対応する平面間の間隔であるdを計算できる。
【0036】
回折パターンのわずかな変動は、格子定数の変化による特定の試料のフレームワーク種のモル比の変動に起因する可能性がある。さらに、十分に小さい結晶はピークの形状と強度に影響を及ぼし、大幅なピークの広がりをもたらす。回折パターンのわずかな変動は、調製に使用される有機化合物の変動からも生じる可能性がある。焼成はまた、XRDパターンに小さなシフトを引き起こす可能性がある。これらの小さな摂動にもかかわらず、基本的な結晶格子構造は変化しない。
本発明に関連して、以下の内容を更に開示する。
[1]
SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトを合成する方法であって、前記方法は:
(a)以下を含む反応混合物を提供することと、
(1)シリカの供給源、
(2)三価元素(X)の酸化物の供給源、
(3)第1族または第2族の金属(M)の供給源、
(4)1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンカチオンを含む構造指向剤(Q)、
(5)水酸化物イオンの供給源、
(6)水、及び
(7)SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライトの種結晶、
(b)前記反応混合物を前記ゼオライトの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供することと、を含む、前記方法。
[2]
前記反応混合物が、モル比に関して、以下のような組成を有する、[1]に記載の方法。
【表1A】

[3]
前記反応混合物が、モル比に関して、以下のような組成を有する、[1]に記載の方法。
【表1B】

[4]
前記三価元素(X)がアルミニウムを含む、[1]に記載の方法。
[5]
前記アルミニウムの供給源が、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、アルカリ金属アルミン酸塩、アルミニウムアルコキシド、水溶性アルミニウム塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、[4]に記載の方法。
[6]
ゼオライトYが前記反応混合物中の唯一のシリカ及びアルミニウムの供給源である、[4]に記載の方法。
[7]
前記反応混合物が、0.01~10,000重量ppmの種結晶を含む、[1]に記載の方法。
[8]
前記結晶化条件が、125℃~200℃の範囲の温度を含む、[1]に記載の方法。
[9]
その合成された形態で、その細孔内に1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンカチオンを含む、SSZ-26/33ゼオライトファミリーのゼオライト。
[10]
20~120の範囲のSiO /X のモル比を有し、式中、Xが三価元素である、[9]に記載のゼオライト。
[11]
SiO /X のモル比が40~80の範囲にある、[10]に記載のゼオライト。
[12]
前記三価元素(X)がアルミニウムを含む、[10]に記載のゼオライト。

【実施例
【0037】
以下の例示的な実施例は、非限定的であることが意図される。
【0038】
実施例1
3.95gの脱イオン水、0.19gの45%KOH溶液、1.05gの21%1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン水酸化物溶液、0.04gの50%Reheis F-2000水酸化アルミニウム乾燥ゲル、2.00gのLUDOX(登録商標)AS-30コロイダルシリカ(30wt%水中懸濁液)、及び0.12gのAl-SSZ-33シードをTeflonライナーで一緒に混合した。得られたゲルを均一になるまで攪拌した。次いで、ライナーに蓋をして、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブを、43rpmでタンブリングしながら170℃で4日間加熱したオーブンに入れた。固体生成物を、遠心分離によって冷却された反応器から回収し、脱イオン水で洗浄し、そして95℃で乾燥させた。
【0039】
得られた生成物を粉末XRD及びSEMによって分析した。粉末X線回折パターンを図1に示す。材料がSSZ-26/33ファミリーのメンバーであることを示す。生成物のSEM画像を図2に示す。結晶の均一なフィールドを示す。
【0040】
誘導結合プラズマ(ICP)元素分析によると、この生成物のSiO/Alモル比は44.1である。
【0041】
実施例2
4.39gの脱イオン水、0.12gの45%KOH溶液、0.52gの21%1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン水酸化物溶液、0.04gの50%Reheis F-2000水酸化アルミニウム乾燥ゲル、2.00gのLUDOX(登録商標)AS-30コロイダルシリカ、及び0.12gのAl-SSZ-33シードをTeflonライナーで一緒に混合した。得られたゲルをそれが均一になるまで攪拌した。次いで、ライナーに蓋をして、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブを、43rpmでタンブリングしながら160℃で15日間加熱したオーブンに入れた。固体生成物を、遠心分離によって冷却された反応器から回収し、脱イオン水で洗浄し、そして95℃で乾燥させた。
【0042】
得られた生成物は、粉末XRD及びSEMによってSSZ-26/33ファミリーのメンバーとして識別された。
【0043】
ICP元素分析によると、この生成物のSiO/Alモル比は43.2であった。
【0044】
実験例3
2.20gの脱イオン水、0.06gの45%KOH溶液、0.26gの21%1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン水酸化物溶液、0.01gの50%Reheis F-2000水酸化アルミニウム乾燥ゲル、1.00gのLUDOX(登録商標)AS-30コロイダルシリカ、及び0.06gのAl-SSZ-33シードをTeflonライナーで一緒に混合した。得られたゲルをそれが均一になるまで攪拌した。次いで、ライナーに蓋をして、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブを、43rpmでタンブリングしながら160℃で8日間加熱したオーブンに入れた。固体生成物を、遠心分離によって冷却された反応器から回収し、脱イオン水で洗浄し、そして95℃で乾燥させた。
【0045】
得られた生成物は、粉末XRD及びSEMによってSSZ-26/33ファミリーのメンバーとして識別された。
【0046】
ICP元素分析によると、この生成物のSiO/Alモル比は74.6である。
【0047】
実験例4
2.20gの脱イオン水、0.08gの50%NaOH溶液、0.26gの21%1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン水酸化物溶液、0.01gの50%Reheis F-2000水酸化アルミニウム乾燥ゲル、1.00gのLUDOX(登録商標)AS-30コロイダルシリカ、及び0.06gのAl-SSZ-33シードをTeflonライナーで一緒に混合した。得られたゲルをそれが均一になるまで攪拌した。次いで、ライナーに蓋をして、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブを、43rpmでタンブリングしながら160℃で6日間加熱したオーブンに入れた。固体生成物を、遠心分離によって冷却された反応器から回収し、脱イオン水で洗浄し、そして95℃で乾燥させた。
【0048】
得られた生成物は、粉末XRD及びSEMによってSSZ-26/33ファミリーのメンバーとして識別された。
【0049】
ICP元素分析によると、この生成物のSiO/Alモル比は71.3である。
【0050】
実験例5
4.36gの脱イオン水、0.10gの50%NaOH溶液、0.85gの21%1-ベンジル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン水酸化物溶液、0.50gのCBV 780 Y-ゼオライト粉末(Zeolyst International、SiO/Alモル比=80)、及び0.10gのAl-SSZ-33シードをテフロン(登録商標)ライナーで一緒に混合した。得られたゲルをそれが均一になるまで攪拌した。次いで、ライナーに蓋をして、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブを、タンブリングすることなく170℃で6日間加熱したオーブンに入れた。固体生成物を、遠心分離によって冷却された反応器から回収し、脱イオン水で洗浄し、そして95℃で乾燥させた。
【0051】
得られた生成物は、粉末XRD及びSEMによってSSZ-26/33ファミリーのメンバーとして識別された。
【0052】
ICP元素分析によると、この生成物のSiO/Alモル比は72.7である。
【0053】
実施例6
実施例1からの合成されたままのゼオライト生成物を、マッフル炉内で、1℃/分の速度で540℃に加熱され、540℃で5時間保持された空気流下で焼成し、冷却し、次いで粉末XRDによって分析した。粉末XRDデータは、構造指向剤を除去するための焼成後も材料が安定したままであることを示した。
【0054】
実施例7
実施例4からの焼成された材料を、10mL(ゼオライト1gあたり)の1N硝酸アンモニウム溶液で、95℃で2時間処理した。溶液を冷却し、デカントして取り除き、同じプロセスを繰り返した。
【0055】
乾燥後の生成物を、吸着質としてNを使用し、BET法を介してミクロポア体積分析に供した。ゼオライトは、0.18cm/gのミクロポア体積を示した。
図1
図2