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特許7371275モジュール式キャンドルフィルターを接合するための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-20
(45)【発行日】2023-10-30
(54)【発明の名称】モジュール式キャンドルフィルターを接合するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/00 20060101AFI20231023BHJP
   B01D 46/24 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
B01D39/00 B
B01D46/24 Z
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022557997
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 US2021033557
(87)【国際公開番号】W WO2021237027
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】63/028,781
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520085268
【氏名又は名称】ユニフラックス アイ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】デッカー、イェンス
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0020561(US,A1)
【文献】米国特許第04504555(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0320013(US,A1)
【文献】米国特許第05849375(US,A)
【文献】米国特許第05580456(US,A)
【文献】米国特許第05223012(US,A)
【文献】特開2019-156895(JP,A)
【文献】特開昭60-058473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-35/04;35/08-37/08
B01D 39/00-41/04
B01D 46/00-46/90
C09J 1/00-1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式キャンドルフィルターを形成するためのシステムであって、このシステムは、
開放端を有する中空の第1のフィルタ部分と、
開放端を有する中空の第2のフィルタ部分と、
前記第1のフィルタ部分の前記開放端および前記第2のフィルタ部分の前記開放端内に嵌合するように構成されたスリーブと、
前記スリーブを前記第1のフィルタ部分および前記第2のフィルタ部分のそれぞれに結合するように構成された接着剤と、
を有し、
前記接着剤は、
液体結合剤と、
250℃を超える温度でのみ前記液体結合剤と反応する反応性充填剤と、
前記液体結合剤と反応しない非反応性充填剤と、
周囲温度で前記液体結合剤と反応する硬化成分と、
を有し、
前記液体結合剤は、リン酸塩含有酸性成分を含み、前記反応性充填剤はアルミナを含み、前記非反応性充填剤はシリカを含み、前記硬化成分はアルカリ土類金属酸化物を含むものである、システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記スリーブの長さは、前記第1のフィルタ部分と前記第2のフィルタ部分とを合わせた長さの1%~5%の間であるものである、システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記第1のフィルタ部分の前記開放端の内径は、前記第2のフィルタ部分の前記開放端の内径と等しく、
前記スリーブの外径は、前記第1のフィルタ部分の前記開放端の内径よりも1~8mm小さいものである、システム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、
前記第1のフィルタ部分または前記第2のフィルタ部分に接着されたフランジをさらに有し、前記フランジは、ムライト、炭化ケイ素、ジルコニア、アルミナ、および/またはアルミナ-チタニアを含むものである、システム。
【請求項5】
モジュール式キャンドルフィルターを形成する方法であって、
開放端を有する中空の第1のフィルタ部分を供給する工程と、
開放端を有する中空の第2のフィルタ部分を供給する工程と、
前記第1のフィルタ部分の前記開放端および前記第2のフィルタ部分の前記開放端内に嵌合するように構成されたスリーブを供給する工程と、
前記スリーブおよび前記第1のフィルタ部分の少なくとも一方に接着剤を塗布し、前記スリーブを前記第1のフィルタ部分の前記開放端に挿入する工程と、
前記接着剤を前記スリーブおよび前記第2のフィルタ部分の少なくとも一方に塗布し、前記スリーブを前記第2のフィルタ部分の前記開放端に挿入する工程と、
を有し、
前記接着剤が、
液体結合剤と、
250℃を超える温度でのみ前記液体結合剤と反応する反応性充填剤と、
前記液体結合剤と反応しない非反応性充填剤と、
周囲温度で前記液体結合剤と反応する硬化成分と、
を有し、
前記液体結合剤は、リン酸塩含有酸性成分を含み、前記反応性充填剤は、アルミナを含み、前記非反応性充填剤はシリカを含み、前記硬化成分はアルカリ土類金属酸化物を含むものである、方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法において、
前記スリーブおよび前記第1のフィルタ部分の少なくとも一方に前記接着剤を塗布する工程は、前記スリーブおよび前記第1のフィルタ部分の一方に前記液体結合剤と、前記反応性充填剤と、前記非反応性充填剤とを有する湿潤混合物を塗布する工程と、前記スリーブおよび前記第1のフィルタ部分の他方に前記硬化成分を塗布する工程と、前記スリーブを前記第1のフィルタ部分の前記開放端に挿入する工程と、を含み、
前記接着剤を前記スリーブおよび前記第2のフィルタ部分の少なくとも一方に塗布する工程は、前記湿潤混合物を前記スリーブおよび前記第2のフィルタ部分の一方に塗布し、前記硬化成分を前記スリーブおよび前記第2のフィルタ部分の他方に塗布し、前記スリーブを前記第2のフィルタ部分の前記開放端に挿入する工程を含み、
前記湿潤混合物および前記硬化成分は、反応して前記スリーブが前記第1のフィルタ部分および前記第2のフィルタ部分のそれぞれに接着するように構成されるものである、方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、
前記硬化成分は、前記第1のフィルタ部分の前記開放端に近接する内面と、前記第2のフィルタ部分の前記開放端に近接する内面とに塗布されるものである、方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
前記湿潤混合物は、前記スリーブの外面全体に塗布されるものである、方法。
【請求項9】
請求項6記載の方法において、
前記スリーブの長さは、前記第1のフィルタ部分と前記第2のフィルタ部分とを合わせた長さの1%~5%の間である、方法。
【請求項10】
請求項5記載の方法において、
前記中空の第1のフィルタ部分または前記中空の第2のフィルタ部分の開放端にフランジを接着する工程を有するものである、方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、
前記フランジは、ムライト、炭化ケイ素、ジルコニア、アルミナ、および/またはアルミナ-チタニアを有するものである、方法。
【請求項12】
請求項10記載の方法において、前記接着する工程は、接着剤を使用するものである、方法。
【請求項13】
キットであって、
開放端を有する中空の第1のフィルタ部分と、
開放端を有する中空の第2のフィルタ部分であって、この第2のフィルタ部分は、前記開放端に近接する内面に適用される硬化成分を有する、中空の第2のフィルタ部分と、
前記第1のフィルタ部分の前記開放端内に配置され、前記第1のフィルタ部分に接着されたスリーブであって、前記スリーブの少なくとも一部が前記第1のフィルタ部分から延在し、前記第2のフィルタ部分の前記開放端内に嵌合するように構成されたスリーブと、
前記硬化成分と反応し、前記スリーブを前記第2のフィルタ部分に接着するように構成された湿潤混合物と、
を有し、
前記湿潤混合物は、
液体結合剤と、
250℃を超える温度でのみ前記液体結合剤と反応する反応性充填剤と、
前記液体結合剤と反応しない非反応性充填剤と、
を有し、
前記硬化成分は、周囲温度で前記液体結合剤と反応し、
前記液体結合剤は、リン酸塩含有酸性成分を含み、前記反応性充填剤は、アルミナを含み、前記非反応性充填剤はシリカを含み、前記硬化成分はアルカリ土類金属酸化物を含むものである、キット。
【請求項14】
請求項13記載のキットにおいて、
前記スリーブの長さは、前記第1のフィルタ部分と前記第2のフィルタ部分とを合わせた長さの1%~5%の間である、キット。
【請求項15】
請求項13記載のキットにおいて、
前記中空の第1のフィルタ部分または前記中空の第2のフィルタ部分の外面に取り外し可能に取り付けられるように構成されたクランプをさらに有するものである、キット。
【請求項16】
請求項13記載のキットにおいて、
前記中空の第1のフィルタ部分または前記中空の第2のフィルタ部分の開放端に接着されたフランジをさらに有し、前記フランジは、ムライト、炭化ケイ素、ジルコニア、アルミナ、および/またはアルミナ-チタニアを含むものである、キット。
【請求項17】
モジュール式キャンドルフィルターをバグハウスに設置する方法であって、
中空の第1のフィルタ部分の下部を前記バッグハウスのセルプレートの開口部に挿入する工程であって、前記第1のフィルタ部分は、前記下部の反対側に開放端を有し、スリーブが前記開放端から突出するように前記スリーブが前記開放端に近接する前記第1のフィルタ部分の内面に接着される、挿入する工程と、
前記セルプレート上方で前記開放端に近接する前記第1のフィルタ部分の外面にクランプを固定する工程であって、前記クランプは、前記セルプレートの開口部の直径よりも大きい直径を有する、固定する工程と、
前記クランプを使用して、前記セルプレート上に前記第1のフィルタ部分を吊るす工程と、
開放端を有する中空の第2のフィルタ部分を供給する工程であって、前記スリーブは、前記第2のフィルタ部分の前記開放端内に嵌合するように構成される、供給する工程と、
前記スリーブおよび前記第2のフィルタ部分の少なくとも一方に接着剤を塗布し、前記スリーブを前記第2のフィルタ部分の前記開放端に挿入し、それによってモジュール式キャンドルフィルターを形成する工程と、
を有し、
前記接着剤は、
液体結合剤と、
250℃を超える温度でのみ前記液体結合剤と反応する反応性充填剤と、
前記液体結合剤と反応しない非反応性充填剤と、
周囲温度で前記液体結合剤と反応する硬化成分と、
を有し、
前記液体結合剤は、リン酸塩含有酸性成分を含み、前記反応性充填剤はアルミナを含み、前記非反応性充填剤はシリカを含み、前記硬化成分はアルカリ土類金属酸化物を含むものである、方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法において、
前記第2のフィルタ部分は、前記開放端とは反対側の第2の開放端に接着されたフランジを有し、前記フランジは、ムライト、炭化ケイ素、ジルコニア、アルミナ、および/またはアルミナ-チタニアを含むものである、方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、
クランプを取り外す工程と、
前記セルプレートの前記開口部を通して前記モジュール式キャンドルフィルターを下げ、前記フランジを使用して前記モジュール式キャンドルフィルターを吊り下げる工程と、
前記フランジを前記セルプレートに固定する工程と、
をさらに有するものである、方法。
【請求項20】
請求項17記載の方法において、
前記第2のフィルタ部分は、前記開放端とは反対側の第2の開放端で一体形成されたフランジを備えるものである、方法。
【請求項21】
請求項17記載の方法において、
前記クランプは、その中に前記第1のフィルタ部分を収容するように成形された保護スリーブを有し、
前記保護スリーブは、プラスチックまたはゴムを含むものである、
方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、
前記保護スリーブの内面は、隆起部またはテーパーを含むものである、方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2020年5月22日に出願された米国仮出願第63/028,781号に対する優先権を主張するものであり、その全文が本明細書に組み込まれる。
本開示は、モジュール式コンポーネントを接合してモジュール式キャンドルフィルターを形成するための方法および装置に関する。特に、モジュール式キャンドルフィルターは、米国特許出願公開第2017/0341004A1号および第2017/0320013A1号に記載されているもののような、高温ガス濾過(HGF)に使用されるキャンドルフィルターが可能であり、これらの開示全体は、ここで言及することにより本明細書に組み込まれる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第4,894,070号明細書
(特許文献2) 米国特許第2,615,235号明細書
(特許文献3) 米国特許第4,867,769号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2010/0126350号明細書
(特許文献5) 米国特許第6,447,596号明細書
(特許文献6) 米国特許第6,183,529号明細書
(特許文献7) 米国特許出願公開第2014/0020561号明細書
(特許文献8) 米国特許第4,504,555号明細書
(特許文献9) 米国特許出願公開第2017/0320013号明細書
(特許文献10) 米国特許第5,849,375号明細書
(特許文献11) 米国特許第5,580,456号明細書
(特許文献12) 米国特許第5,223,012号明細書
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1図1は、本開示の一実施形態によるモジュール式フィルタの斜視図である。
図2A図2Aは、本開示の一実施形態によるモジュール式フィルタの断面図である。
図2B図2Bは、図2Aに示されるモジュール式フィルタの上面図である。
図3A図3は、本開示の一実施形態によるモジュール式フィルタの断面および上面図である。
図3B図3は、本開示の一実施形態によるモジュール式フィルタの断面および上面図である。
図4A図4は、本開示の一実施形態による支持フランジの断面および上面図である。
図4B図4は、本開示の一実施形態による支持フランジの断面および上面図である。
図5図5は、本開示の一実施形態によるバッグハウスの上面図である。
図6A-6C】図6A~6Cは、本開示の一実施形態によるモジュール式フィルタ設備の断面図および詳細図である。
図7A図7Aおよび7Bは、本開示の一実施形態によるモジュール式フィルタ設備の断面および詳細図である。
図7B図7Aおよび7Bは、本開示の一実施形態によるモジュール式フィルタ設備の断面および詳細図である。
図8A図8Aは、本開示の一実施形態によるコネクタスリーブの斜視図である。
図8B図8Bは、図8Aに示されるコネクタスリーブの断面図である。
図8C図8Cは、図8Aに示されるコネクタスリーブの上面図である。
図9図9は、本開示の一実施形態によるモジュール式キャンドルフィルターセクションの斜視図である。
図10図10は、接着剤がその下側外部に塗布された状態の図8A~8Cのコネクタスリーブの斜視図である。
図11A図11Aおよび11Bは、図9のモジュール式キャンドルフィルターセクションに挿入された図10のコネクタスリーブの斜視図である。
図11B図11Aおよび11Bは、図9のモジュール式キャンドルフィルターセクションに挿入された図10のコネクタスリーブの斜視図である。
図12図12は、接着剤が塗布された状態の図11Aおよび11Bのコネクタスリーブの上部外側の斜視図である。
図13図13は、図12に示されるアセンブリに取り付けられた第2のモジュール式キャンドルフィルターセクションの斜視図である。
図14図14は、本開示の一実施形態によるモジュール式キャンドルフィルターセクションの接合部の斜視図である。
図15図15は、本開示の一実施形態で使用可能なクランプの斜視図である。
図16図16は、本開示の一実施形態による設置方法で使用されているクランプの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
図1を参照すると、本開示によるモジュール式フィルター10は、少なくとも2つの中空フィルター部分、上部フィルター部分12および下部フィルター部分11を含む。1つまたは複数の実施形態では、フィルター部分11、12は、接合部15で接合される。モジュール式フィルタ10は、3つ以上のフィルタ部分を含んでもよく、それぞれが接合部15と同様の接合部で接合されている。下部フィルタ部分11は、接合部15の反対側に閉鎖端11aを含んでもよい。1つまたは複数の実施形態では、上部フィルタ部分12は、接合部15の反対側に開放端12aを含むことができる。開放端12aは、真っ直ぐにすることができ、またはフランジ12bを含むことができる。
【0004】
1つまたは複数の実施形態において、上部フィルタ部分12および下部フィルタ部分11のそれぞれは、同じ材料で作られてもよい。例えば、フィルタ材料は、無機繊維および1つまたは複数の結合剤を含むことができ、フィルタ部分11、12は真空成形することができる。フィルタ部分11、12および材料を形成する方法は、米国特許出願公開第2017/0341004A1号および第2017/0320013A1号に開示されたものと同様であり得、これらはここに言及することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0005】
図2Aを参照すると、1つまたは複数の実施形態によれば、上部フィルタ部分12は、約110mm(すなわち、108~112mm)、80~140mm、90~130mm、または100~120mmの開放端12aでの内径212aを有することができる。1つまたは複数の実施形態では、モジュール式フィルタ10の上部フィルタ部分12の壁厚212dは、約20mm(すなわち、18~22mm)、10~30mm、または15~25mmであってもよい。したがって、1つまたは複数の実施形態によれば、上部フィルタ部分12は、約150mm(すなわち、149~151mm)、120~180mm、130~170mm、または140mm~160mmの開放端12aでの外径212bを有することができる。1つまたは複数の実施形態では、開放端12aは、壁から半径方向に延びるフランジ12bを含むことができる。フランジ12bは、モジュール式フィルター10の上部フィルター部分12と一体的に形成されてもよい。フランジ12bは、約30mm(すなわち、29~31mm)、20~40mm、または25~35mmの厚さ212e(モジュール式フィルター10の長さ方向で測定)を有してもよい。フランジ12bは、上部フィルタ部分12の壁から約22.5mm(すなわち、20~25mm)、5~40mm、10~35mm、または15~30mmの距離だけ延長し、それによりフランジの外径212cは、約195mm(すなわち、193~197mm)、165~225mm、175~215mm、または185~205mmになる。
【0006】
任意の実施形態において、下部フィルタ部分11および上部フィルタ部分12の壁厚は、モジュール式フィルタ10の全長に沿って均一であり得る。1つまたは複数の実施形態において、下部フィルタ部分11は、開放端12aで上部フィルタ部分12について上述したような、閉鎖端11aでの内径を有してもよい。1つまたは複数の実施形態では、モジュール式フィルタ10は、開放端12aから閉鎖端11aまで先細になっていてもよい。例えば、図2Bに示されるように、下部フィルタ部分11は、約95mm(すなわち、92~98mm)、70~120mm、80~110mm、または90~100mmの閉鎖端11aでの内径211aを有することができる。1つまたは複数の実施形態では、下部フィルタ部分11は、約135mm(すなわち、132~138mm)、110~160mm、120~150mm、または130~140mmの外径211bを閉鎖端11aで有してもよい。 1つまたは複数の実施形態では、閉鎖端11aは、丸みを帯びた角を有する平坦な中心を含み得、丸みを帯びた角は、例えば、30~60mm、40~50mm、または45mmの曲率半径211cを有し得る。
【0007】
1つまたは複数の実施形態では、モジュール式フィルタの長さ212fは、約3000mm(すなわち、2990~3010mm)、約6000mm(すなわち、5990~6010mm)、約9000mm(すなわち、8990~9010mm)、2000~10000mm、2000~8000mm、2500~7000mm、2500~6500mm、2500~3500mm、または 5500~6500mmであってもよい。任意の実施形態において、閉鎖端11aは、モジュール式フィルタ10の長さに沿った壁厚と同じ壁厚を有し得る。1つ以上の実施形態において、壁厚は先細りであり得る。
【0008】
図3を参照すると、1つ以上の実施形態によれば、モジュール式フィルター100は、閉鎖端110aを有する下部フィルター部分110と、開放端120aを有する上部フィルター部分120とを含み得る。モジュール式フィルター100の寸法は、モジュール式フィルター10について上述したものと同じであってもよい。1つまたは複数の実施形態では、開放端120aは真っ直ぐであり、一体的に形成されたフランジを含まない。 むしろ、モジュール式フィルタ100を支持するために、支持フランジ125を開放端120aに挿入し、モジュール式フィルタ10に固定してもよい。支持フランジ125は、以下に説明するような接着剤を使用して固定することができる。支持フランジ125は、約189mm(すなわち、186~192mm)、185~195mm、180~200mm、175~205mm、または170~210mmの長さ225kを有することができる。 フランジ125を含むモジュール式フィルタ100の長さは、上記の長さ212fについて説明した通りであり得る。
【0009】
支持フランジ125は、図4により詳細に示されている。1つまたは複数の実施形態では、支持フランジ125は、約30mm(すなわち、29~31mm)、20~40mm、または 25~35mmの厚さ225d(モジュール式フィルタ10の長さ方向で測定)を有するリップ125aを含むことができる。リップ125aは、約195mm(すなわち、193~197mm)、165~225mm、175~215mm、または185~205mmの外径225cと、約106mm(すなわち、103~109)、90~120mm、95~115mm、または100~110mmの内径を有してもよい。1つまたは複数の実施形態では、リップ125aの内径225aは、上部フィルタ部分120の内径と同一である。リップ125aの下では、支持フランジの外径225bは、上述した上部フィルタ120の外径と同じであってもよい。
【0010】
支持フランジ125は、モジュール式フィルタ100の上部フィルタ部分120の上縁と係合するように構成された肩部125bを含む。1つまたは複数の実施形態によれば、肩部125bは、上部フィルタ10の上部フィルタ部分120の壁厚212dと一致する深さ225eを有する。1つまたは複数の実施形態では、肩部125bの深さ225eは、接着剤のためのスペースを確保するために、上部フィルタ部分120の壁厚よりも0.1~4mm、0.5~2.5mm、1~2mm、または1.5mm大きい。1つまたは複数の実施形態では、肩部125bは、リップ125aの下縁から、モジュール式フィルタ100の上部フィルタ部分120の長さ方向に、約59mm(すなわち、56~62mm)、45~75mm、50~70mm、または 55~65mmの距離225fだけ離れていてもよい。
【0011】
支持フランジ125は、モジュール式フィルター100の上部フィルター部分120の開放端120aに挿入するように構成された挿入部分125cをさらに含む。1つまたは複数の実施形態によれば、挿入部分125cの外径225gは、 上部フィルタ部分120の内径212aと同じで、締まりばめを提供する。1つまたは複数の実施形態によれば、挿入部分125cの外径225gは、挿入部分125cと上部フィルタ部分120との間に接着剤のための空間を与える。上部フィルタ部分120の内径212aよりも0.1~10mm、0.5~5mm、2~4mm、または3mm小さい。1つまたは複数の実施形態では、挿入部分125cは、約12mm(すなわち、10~14mm)、4~25mm、5~20mm、または8~16mmの厚さ225hを有することができる。1つまたは複数の実施形態では、挿入部分125cは、約100mm(すなわち、95~105mm)、75~125mm、80~120mm、85~115mm、または90~110mmの長さ225iを有する。挿入部分125cの挿入可能な長さ225jは、モジュール式フィルタ100の肩部125bと上部フィルタ部分12との間の接着剤のために、その長さ225iよりわずかに短くてもよい。例えば、挿入可能な長さ225jは、挿入部分125cの長さより0.1~3mm、0.5~2mm、1~2mm、または1.5mm短くあってもよい。
【0012】
支持フランジ125の内径は、上部領域(例えば、リップ125aの下)から挿入部分125cの内側部分に向かって先細になっていてもよい。図3に示すように、このような構成により、ベンチュリ206を支持フランジ125に挿入することができる。ベンチュリ206は、洗浄目的でモジュール式フィルタ100に加圧空気を押し込むように構成される。支持フランジ125のテーパーは、支持フランジ125とベンチュリ206との間にある程度のクリアランス225m、例えば、1~5mm、1~3mm、または2mmを許容するように構成され得る。1つまたは複数の実施形態では、支持フランジ125は、バッグハウス内の吊り下げ設置などによって、使用中にモジュール式フィルタ100をさらに支持するために、セラミック材料で作製することができる。
【0013】
1つまたは複数の実施形態では、支持フランジ125は硬質セラミック材料を含む。 例えば、いくつかの実施形態では、支持フランジ125は、1200℃に予備焼成されたコーディエライト含有耐火材料を含む。いくつかの実施形態では、支持フランジ125は、ムライト、炭化ケイ素、ジルコニア、アルミナ、および/またはアルミナ-チタニアを含む。1つまたは複数の実施形態では、支持フランジ125は、支持フランジ125が63kgの引張応力を受け、600℃に加熱され、再び63kgの引張応力を受ける剪断試験の間、その完全性を維持するように構成される。
【0014】
図5に示されるように、バッグハウス200は、その中に吊り下げられた複数のモジュール式フィルタ10,100を含み得る。いくつかの実施形態では、バッグハウス200は、2000以上のモジュール式フィルタ10,100を含むことができる。図5の単位はmmであり、モジュール式フィルタ10,100の間隔の非限定的な例を単に表している。
【0015】
図6A~6Cに示される実施形態によれば、モジュール式フィルタ10,100は、バッグハウス200のセルプレート202上に設置され得る。図6A~6Cでは、スペーサ203がセルプレート202とガスケット204との間に配置される。モジュール式フィルタ10,100のリップ部分がガスケット204の上に置かれ、クランププレート207がモジュール式フィルタ10,100の上に配置される。1つまたは複数の実施形態では、クランププレート207を適用する前に、ベンチュリ206をモジュール式フィルタ10,100に挿入することができる。ボルト201を、セルプレート202の下からセルプレート202、スペーサ203及びクランププレート207を通して挿入することができる。ボルト201はナット210によって固定することができ、ナット210とクランププレート207との間に1つまたは複数のワッシャー(例えば、ワッシャー208および/またはスプリングワッシャー209)を配置することができる。1つまたは複数の実施形態では、図7Aおよび7Bに示されるように、ボルト201は、セルプレート202にさらに溶接されてもよい。1つまたは複数の実施形態では、セルプレート202およびクランププレート207のそれぞれは、約10mm(すなわち、8~12mm)、5~20mm、または 5~15mm の厚さであってもよい。1つまたは複数の実施形態では、セルプレート202およびクランププレート207は、約36mm(すなわち、34~38mm)、25~45mm、または30~40mm離間され得る。
【0016】
図8Aを参照すると、本開示の実施形態によれば、上部フィルタ部分11および下部フィルタ部分12は、スリーブ130を使用して接合することができる。スリーブ130は、それぞれのフィルタ部分11、12間の接合面積を大幅に増加させる。各フィルタ部分は約8kgの重さであり、その上にさらに16kgのフィルターケーキを蓄積することができるので、接合部は24kgを保持できなければならない(すなわち、下部フィルター部分11は上部フィルター部分12から吊り下げられる)での、このことは重要である。さらに、ベンチュリ206は、モジュール式フィルタ10からフィルタケーキを除去するために使用される場合、約6バールまでの圧力を発生する可能性がある。そのため、接合部15は強く弾力的でなければならない。
【0017】
スリーブ130は、開いた上端131および開いた下端132を有する円筒形状を有することができる。図8Bおよび8Cを参照すると、1つまたは複数の実施形態では、スリーブ130は、約140mm(すなわち、135~145mm)、40~240mm、60~220mm、80~200mm、100~180mm、または 120~160mmの長さ130aを有することができる。スリーブ130の長さ130aは、結合される各フィルタ部分11、12の長さに基づいて適切に調整され得る。例えば、等しいサイズのフィルタ部分11、12を仮定すると、スリーブ130の半分がフィルタ部分のそれぞれに挿入され、挿入可能な長さ(ここでは、スリーブ130の長さ130aの半分)はフィルター部分の長さの0.5~10%、1~8%、3~8%、4~6%、2~5%、1~2%、または 2~3%であり得る。1つ以上の実施形態では、例えばフィルタ部分11、12の長さが等しくない場合、それぞれのフィルタ部分11、12に挿入されるスリーブ130の長さは等しくなくてもよい。1つまたは複数の実施形態では、スリーブは、約12mm(すなわち、10~14mm)、4~18mm、6~18mm、または8~16mmの壁厚130bを有することができる。壁厚130bは、スリーブ130の外径130cに基づいて(すなわち、より小さいまたはより大きいモジュール式フィルタと共に使用するために)増加または減少することができる。例えば、スリーブ130の壁厚130bに対するスリーブ130の外径130cの比は、5-10、6-9、7-8、または7.5に設定されてもよい。スリーブ130の外径130cは、結合されるフィルタ部分11、12のそれぞれにスリーブ130が少なくとも部分的に挿入され得るように設定されなければならない。1つまたは複数の実施形態では、スリーブ130の外径130cは、約95mm(すなわち、93~97mm)、70~120mm、80~110mm、または90~100mmであってもよい。1つまたは複数の実施形態では、外径130cは、スリーブ130とフィルタ部分11、12との間に接着剤を収容するために、フィルタ部分11、12の内径212aよりも0.5~8mm、1~7mm、2~6mm、2~4mm、または3~5mm小さい。1つまたは複数実施形態では、スリーブ130は一定の直径を有さず、代わりに一方の端131から他方の端132まで先細になる。
【0018】
1つまたは複数の実施形態では、スリーブ130は、1100℃に予備焼成された低膨張コーディエライト含有耐火物を含む。いくつかの実施形態では、スリーブ130は、ムライト、炭化ケイ素、ジルコニア、アルミナ、および/またはアルミナ-チタニアを含む。膨張が小さいため、スリーブ130は非常に熱衝撃に強く、接合部15 での熱応力を最小限に抑えることができます。モジュール式フィルタ10,100は、500℃から1000℃の間で作動し、通常のエアブロー (Venturi206を介して)を使用してフィルターケーキ蓄積を除去することができる。そのため、熱衝撃に強いカップリングは長時間使用するために重要である。1つまたは複数の実施形態では、スリーブは、1000℃で、0.2%の可逆熱膨張、最大0.8%、最大0.6%、最大0.5%、最大0.4%、または最大0.3%の可逆熱膨張を有する。スリーブ130は、800℃で少なくとも16MPa、少なくとも12MPa、または少なくとも14MPaの高温破断係数を有することが可能である。スリーブ130は、800℃で焼成した後、少なくとも70MPa、少なくとも60MPa、または少なくとも50MPaの冷間圧壊強度を有することができる。
【0019】
スリーブ130は、800℃で1~1.5ワット/メートル・ケルビン(W/mK)、1.1~1.4W/mK、1.2~1.3W/mK、1.22W/mK、または2W/mKの熱伝導率を有することができる。スリーブ130の密度は、1900~3000kg/m 、1900~2200kg/m、1950~2150kg/m、2000~2100kg/m、2080kg/m、または3000kg/mであってもよい。スリーブ130は、10~40%、15~30%、または20%の気孔率(ASTM C20による)を有することができる。
【0020】
スリーブ130は、接着剤を使用してフィルタ部分11、12に結合されてもよい。いくつかの実施形態によれば、接着剤は、例えば、15分未満、12分未満、10分未満、5~10分、8分未満、または5分未満で硬化する速硬化性接着剤である。バッグハウスに数百個のフィルターを設置する必要がある場合でも、高速設定により高い設置率が可能である。バッグハウスの高さ制限により、フィルタ部分11、12は別々にチューブシートに下げられ、その後結合されてもよい。いくつかの実施形態では、このプロセスには約5~7分かかることがあり、接着剤はこの時間範囲内で硬化し、十分な強度を発揮するはずである。さらに、接着剤は、機械的振動と、圧縮空気によるフィルターのクリーニングによる最大6バールの背圧に耐えるのに十分な強度がなければならない。また、フィルタケーキの蓄積により、下部フィルタ部分11の重量が約8kgから24kgまで増加することが予想される。最後に、モジュール式フィルター10は、典型的には約500~1000℃で動作する高温ガスフィルターとして使用することができる。接着剤は、この温度範囲にわたって完全性と完全な強度を維持する必要があります。
【0021】
1つまたは複数の実施形態によれば、接着剤は、液体結合剤、反応性充填剤、非反応性充填剤、および硬化成分を含む。液体結合剤は、一塩基リン酸アルミニウム(以下、MAP)および/またはリン酸などのリン酸塩含有酸性成分を含むことができる。液体結合剤は、水などの溶媒をさらに含んでもよい。液体結合剤がMAPを含む場合、液体結合剤中のMAPの濃度は、例えば、30~70重量%、40~60重量%、または45~55重量%が可能である。結合剤がリン酸を含む場合、液体結合剤中のリン酸の濃度は、例えば、20~75重量%、30~70重量%、40~60重量%、または50重量%であり得る。反応性充填剤は、高温(250℃以上)で液体結合剤と反応する任意の成分であり得る。例えば、液体結合剤がMAPを含む場合、反応性充填剤は、アルミナ(例えば、焼成アルミナおよび/または板状アルミナ)および/またはムライトを含み得る。反応性充填剤は、モジュール式フィルター10が使用された後(上記のように、約500~1000℃の温度範囲が可能)、接合部15で結合に追加の強度を提供する。非反応性充填剤は、1000℃までの温度で液体結合剤と非反応性である。1つまたは複数の実施形態では、非反応性充填剤は高表面積微粒子を含む。例えば、液体結合剤がMAPを含む場合、非反応性充填剤はマイクロシリカを含み得る。硬化成分は、周囲温度(例えば、0~50℃または20~30℃)で液体結合剤と反応する。例えば、液体結合剤がMAPを含む場合、硬化成分は、酸化マグネシウム(例えば、焼成酸化マグネシウム)などのアルカリ土類金属酸化物を含むことができる。
【0022】
一実施形態によれば、接着剤は、48%MAPである液体結合剤、反応性充填剤として焼成アルミナおよび板状アルミナ、非反応性充填剤としてマイクロシリカ、硬化成分として焼成酸化マグネシウムを含んでもよい。周囲温度での硬化反応は、次のように記述可能である。
【0023】
(数1)
2MgO + Al(HPO→ 2MgHPO・3HO + AlPO・nHO (1)
接着強度は、250℃以上の温度でさらに増加し、過剰なMAPとアルミナとの重縮合反応が次のように起こる。
【0024】
(数2)
Al(HPO + Al → 3AlPO・nHO (2)
1つ以上の実施形態では、液体結合剤はリン酸を含み、硬化成分は酸化マグネシウムを含む。 周囲温度での硬化反応は、次のように記述可能である。
【0025】
(数3)
MgO + 2HPO→ Mg(HPO + HO (3)
本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、接着剤は、乾燥成分(すなわち、反応性充填剤、非反応性充填剤、および硬化成分、以下「乾燥混合物」)を所定の比率で混合し、次いで、乾燥混合物への液体結合剤に追加する。これは、接着剤を調製する乾式混合法と呼ぶことができる。反応性充填剤の量は、乾燥混合物の総重量に基づいて、例えば、60~95重量%、70~90重量%、または80~85重量%であり得る。非反応性充填剤の量は、乾燥混合物の総重量に基づいて、例えば、1~30重量%、5~20重量%、または5~15重量%であり得る。硬化成分の量は、乾燥混合物の総重量に基づいて、例えば、1~20重量%、4~12重量%、または6~10重量%であり得る。一実施形態によれば、乾燥混合物は、82重量%のアルミナ、10重量%のシリカ、および8重量%の酸化マグネシウムを含む。
【0026】
乾燥混合物に添加される液体結合剤の量は完全には限定されず、乾燥混合物に対する液体結合剤の重量比は、例えば、0.1~2、0.25~1.5、0.5~1、または0.40~0.6であり得る。1つまたは複数の実施形態では、所望のテクスチャーが得られるまで液体結合剤を添加して、接着剤の塗布を容易にする。液体結合剤を添加すると、直ちに発熱反応が起こり、硬化が短時間(例えば、15分未満、12分未満、10分未満、5~10分、8分未満、または5分未満)で起こる。この方法は、小さなバッチ、つまり硬化時間内に使用できる量の接着剤で最も効果的である。これは、例えば、単一の接合部15のための接着剤の量であり得る。
【0027】
他の実施形態では、周囲温度で非反応性である接着剤の成分(すなわち、液体結合剤、反応性充填剤、および非反応性充填剤、以下「湿式混合物」)を一緒に混合し、次いで硬化成分を湿潤混合物に別々に導入します。これは、接着剤を調製する湿式混合法と呼ぶことができる。湿潤混合物は周囲温度で硬化しないため、上記の乾式混合法と比較して、より多くのバッチを使用できます。1つまたは複数の実施形態では、反応性充填剤の量は、湿潤混合物の総重量に基づいて、50~80重量%、60~75重量%、または65~70重量%である。1つまたは複数の実施形態では、非反応性充填剤の量は、湿潤混合物の総重量に基づいて、1~15重量%、2~12重量%、または5~10重量%である。1つまたは複数の実施形態では、湿潤混合物の総重量に基づく液体結合剤の量は、10~50重量%、20~40重量%、または25~35重量%である。
【0028】
図9~14は、湿潤混合法の例を示している。図9に示されるように、スリーブ130を下部フィルタ部分11に接着するために、反応層140が下部フィルタ部分11の内面に適用される。反応層140は硬化成分を含む。反応層140は、フィルタ部分11、12への反応層140の適用を助ける溶媒または結合剤をさらに含んでもよい。結合剤は、サッカリドなどの溶解可能な炭化水素を含んでもよい。1つまたは複数の実施形態では、反応層140は、水と酸化マグネシウムの混合物として適用され、任意に乾燥されて粉末になる。反応層140内の硬化成分の量は、接着剤の適切な硬化を保証するのに十分である必要がある。
【0029】
図10に示されるように、湿潤混合物141は、スリーブ130の外面に適用される。図示の実施形態では、湿潤混合物141は、フィルタ下部11に挿入されるスリーブ130の部分にのみ適用される。図11Aおよび11Bに示されるように、湿潤混合物141が塗布されたスリーブ130の部分が下部フィルタ11に挿入され、スリーブ130の一部が露出され、フィルタ下部11から延在する。上部フィルタ部分12を適用する前に、スリーブ130と下部フィルタ部分11との間の接着剤を硬化させることができる。
図12に示すように、湿潤混合物141がスリーブ130の露出部分に塗布される。図13に示すように、内面に反応層140が塗布された上部フィルタ部分12が、スリーブ130の露出部分の上に配置される。
【0030】
1つまたは複数の実施形態によれば、モジュール式フィルタ10は、キットとして輸送されてもよく、キットは、第1のフィルタ部分、第2のフィルタ部分、および湿潤混合物141を含む。第1のフィルタ部分は、接着剤を使用してその中に取り付けられたスリーブ130を含む。ここで、スリーブ130の一部が露出され、第1のフィルタ部分から延びている。第1のフィルタ部分は、下部フィルタ部分11または上部フィルタ部分12とすることができる。第2のフィルタ部分は、その一端の内面に塗布された反応層140を含む。第2のフィルタ部分は、下部フィルタ部分11及び上部フィルタ部分12の他方である。キットを受け取った後、使用者は湿潤混合物141をスリーブ130の露出部分に適用し、次にスリーブ130の露出部分を、反応層140が適用された第2のフィルタの端部に適合させることができる。
【0031】
図15に示すように、モジュール式フィルタ10,100の設置を補助するためにクランプ300を使用することができる。クランプ300は、ラチェットベルトなどの締め付け機構302を備える。クランプは、下部フィルタ部分11を収容するように成形された保護スリーブ304をさらに備える。いくつかの実施形態では、保護スリーブ304はヒンジで留められてもよい。保護スリーブ304を形成する材料は特に限定されず、例えば、ゴムおよび/またはプラスチックを含むことができる。いくつかの実施形態では、保護スリーブ304は、3D印刷されたプラスチックから形成される。いくつかの実施形態では、保護スリーブ304の内面は、下部フィルタ部分11の外面を把持するのを助けるために、テーパー、隆起部、または他の構造を含む。
【0032】
図16は、モジュール式フィルタ10,100をバッグハウス200に設置するのを助けるために使用されるクランプ300を示す。実際には、下部フィルタ部分11は、セルプレート202の開口部を通して部分的に下げられ、その一部がセルプレート202の上に延在する。次いで、クランプ300を下部フィルタ部分11に固定し、下部フィルタ部分11を、クランプ300がセルプレート202上に載るまでさらに下げることができる。クランプ300は、下部フィルタ部分11をセルプレート202から吊り下げるための一時的なフランジとして機能する。したがって、クランプ300は、セルプレート202の開口部の直径よりも大きい直径を有する。いくつかの実施形態では、セルプレート202の開口部に挿入する前に、クランプ300を下部フィルタ部分11に固定することができる。クランプ300がバッグハウス200内の下部フィルタ部分をしっかりと吊るすと、上部フィルタ部分12は、上述の方法のいずれかに従って取り付けることができる。モジュール式フィルタ10,100が組み立てられ、接着剤が硬化した後、クランプ300を取り外すことができる。次に、モジュール式フィルター10,100は、フランジ12b、125がセルプレート202上に置かれるようにバッグハウス200内に完全に下降され、モジュール式フィルター10,100は、上述のように所定の位置に固定することができる。
【0033】
モジュール式フィルタ10,100が3つ以上のフィルタ部分を含む実施形態では、上述のようにクランプ300を使用してフィルタ部分の第1の対を結合することができる。その後、クランプ300を使用して結合されたフィルタ部分の対をセルプレート202から吊り下げ、第3のフィルタ部分が対と結合されるようにすることができる。このプロセスは、必要に応じて繰り返すことができる。
【0034】
本開示の範囲から逸脱することなく、上記に変更を加えることができることが理解される。1つまたは複数の実施形態において、開示された様々な実施形態の要素および教示は、開示された実施形態の一部またはすべてにおいて全体または一部を組み合わせることができる。さらに、開示された様々な実施形態の要素および教示のうちの1つまたは複数は、少なくとも部分的に省略されてもよく、または開示された様々な実施形態の他の要素および教示のうちの1つまたは複数と少なくとも部分的に組み合わされてもよい。
【0035】
たとえば、「上部」、「下部」、「上」、「下」、「間」、「底部」、「垂直」、「水平」、「角度」、「上向き」、「下向き」、「横に」、「左から右に」、「左に」、「右に」、「右から左に」、「上から下に」、「下から上に」、「トップ」、「ボトム」、「ボトムアップ」、「トップダウン」などは、説明のみを目的としており、上記の構造の特定の方向または位置を限定するものではない。
【0036】
1つまたは複数の実施形態では、異なる工程、プロセス、および手順が別個の行為のように説明されているが、工程の1つまたは複数、プロセスの1つまたは複数、または手順の1つまたは複数は、異なる順序で、または同時に、または順次に実行されてもよい。1つまたは複数の実施形態では、ステップ、プロセス、または手順を、1つまたは複数のステップ、プロセス、または手順に統合することができる。1つまたは複数の実施形態では、各実施形態における1つまたは複数の操作ステップを省略してもよい。さらに、いくつかの例では、本開示のいくつかの特徴は、他の特徴の対応する使用なしで採用され得る。
【0037】
いくつかの実施形態が上記で詳細に開示されたが、開示された実施形態は限定的ではなく、当業者は、本開示の新規の教示および利点から実質的に逸脱することなく、開示された実施形態において多くの他の修正、変更、および置換が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、そのようなすべての修正、変更、および置換は、以下の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲内に含まれることが意図されている。特許請求の範囲において、ミーンズ・プラス・ファンクション句は、列挙された機能を実行するものとして本明細書に記載された構造をカバーし、構造的同等物だけでなく同等の構造もカバーすることを意図している。 さらに、本明細書の請求項のいずれかの限定について、請求項が関連する機能と共に「手段」という言葉を明示的に使用している場合以外は、35U.S.C.§112(f)を呼び出さないことは、出願人の明示的な意図である。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A-6C】
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16