(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20231024BHJP
G01D 7/00 20060101ALI20231024BHJP
G01D 7/08 20060101ALI20231024BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20231024BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
G01D7/00 K
G01D7/08
B60R16/02 640Z
B60R11/02 C
(21)【出願番号】P 2018215565
(22)【出願日】2018-11-16
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 豊人
(72)【発明者】
【氏名】入方 恭子
(72)【発明者】
【氏名】亀井 雄一
(72)【発明者】
【氏名】崔 賢洛
(72)【発明者】
【氏名】中川 健太
(72)【発明者】
【氏名】河▲崎▼ 拓人
(72)【発明者】
【氏名】冨田 祐一
(72)【発明者】
【氏名】松下 祐輔
【審査官】糟谷 瑛
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-179240(JP,A)
【文献】国際公開第2015/190062(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00-37/06
G01D 7/00- 7/12
B60R 16/00-17/02
B60R 9/00-11/06
G09G 5/00- 5/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の表示パネルに表示される第1情報画像及び第2情報画像を含む複数のメータからなる表示形態を複数のパターンから選択可能な表示装置であって、
前記表示パネルに表示する前記表示形態を少なくとも、第1の表示形態と第2の表示形態とから選択可能な選択部と、
前記選択部によって選択された前記表示形態を前記表示パネルに表示する際に、先に表示されている前記表示形態から前記選択された表示形態へ遷移させて、前記第1情報画像及び前記第2情報画像の形状を変更する表示制御部と、を有し、
前記表示制御部は、前記第1の表示形態から前記第2の表示形態への遷移に際し、前記第1情報画像及び前記第2情報画像を消散させた後に、前記第1情報画像及び前記第2情報画像の中間画像を表示させつつ、前記第1情報画像及び前記第2情報画像の形状を変更させて表示させ、
前記第1情報画像の前記中間画像は、前記第1の表示形態から前記第2の表示形態への遷移に際し、所定の動きを伴って表示され、
当該所定の動きは、平面的な表示形態から立体的な表示形態へと変化させるものである表示装置。
【請求項2】
前記第1の表示形態において、
前記第1情報画像は、前記車両のアナログ表示形式での速度情報を示し、略半円をなす帯状に表示され、
前記第2情報画像は、前記車両のエンジン回転数を示し、前記第1情報画像に隣接させて表示されている請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1情報画像は、前記車両の速度の数字画像を有する第1情報画像本体と、第1指示部と、を有し、
前記第1の表示形態において、前記第1情報画像本体は、略半円をなす帯状の平面的な形態を有して表示され、
前記第2の表示形態において、前記第1情報画像本体は、前記表示パネルの幅方向の一方側に立体的な形態を有して表示されると共に、前記第1指示部は、少なくとも、前記第1情報画像本体が表示された後に表示される請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2情報画像は、エンジン回転数の数字画像を有する第2情報画像本体と、第2指示部と、を有し、
前記第1の表示形態において、前記第2情報画像本体は、前記第1情報画像本体の外側に隣接するように平面的な形態を有して表示され、
前記第2の表示形態において、前記第2情報画像本体は、前記表示パネルの幅方向の他方側に立体的な形態を有して表示されると共に、第2指示部は、少なくとも、前記第2情報画像本体が表示された後に表示される請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2情報画像の前記中間画像は、前記第1の表示形態から前記第2の表示形態への遷移に際し、所定の動きを伴って表示され、
当該所定の動きは、平面的な表示形態から立体的な表示形態へと変化させるものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記表示形態の遷移に際し、前記第1指示部と前記第2指示部とを略同時に表示させると共に、前記表示パネルの上下方向で見て、前記第1指示部と前記第2指示部とを略同一の高さ位置に表示させる請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第1の表示形態と前記第2の表示形態とで、前記第1情報画像に対する前記第2情報画像の相対位置を逆にする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車速メータや回転速度(回転数)メータなどを表示パネルに表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、車速メータや回転速度(回転数)メータなどをアナログ表示する表示パネルを備えた表示装置が知られている(特許文献1参照)。かかる表示装置では、各メータにおける指針の回動中心がオフセットされていると共に、オフセットした分だけ指針の全長が変更されている。これにより、指針で表示された部分が強調され、その結果、視認性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、表示パネルに表示する各メータの表示形態について、その視覚的な見せ方ないし見え方の多様性が求められているところ、上記した特許文献1の表示装置では、指針のオフセットや指針の長さ変更など局部的にデザインが変更されているに過ぎず、よって、視覚的な見せ方ないし見え方の多様性に関しては改善の余地があるものと考えられる。
【0005】
本発明の目的は、表示パネルに表示する複数のメータの表示形態について、その視覚的な見せ方ないし見え方の多様性に優れた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、本発明の表示装置は、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第1情報画像及び第2情報画像を消散させた後に第1情報画像及び第2情報画像の形状を変更させて表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示パネルに表示する複数のメータの表示形態について、その視覚的な見せ方ないし見え方の多様性に優れた表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】表示パネルに表示形態を表示するための制御回路のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「一実施形態の構成」
図1A、
図1D及び
図2に示すように、本実施形態の表示装置1は、例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車、ガソリン自動車など各種の車両に搭載され、当該車両の表示パネル2に、複数のメータ8,9,10,11を表示させることができる。表示パネル2は、例えば、運転席の正面(車両前方側)に配置され、各メータ8,9,10,11をカラー画像(動画、静止画)で表示させることができる。表示パネル2としては、例えば、液晶パネルや有機ELパネルを適用することができる。
【0010】
更に、表示装置1は、表示パネル2に表示する各メータ8,9,10,11及び指示部10b,11bの表示形態について、その自由なレイアウトが可能に構成されている。図面では、指示部10b,11bの一例として、指針が示されている。当該指針10b,11bは、各メータ8,9,10,11の指標(例えば、目盛り)を指し示すことが可能に構成されている。なお、これらの指示部10b,11bとしては、各メータ10,11の指標を指し示すことが可能であればよい。即ち、指示部10b,11bは、指針10b,11bに限定されることなく、例えば、矢印や三角形状の印などであってもよい。
【0011】
かかる構成を実現すべく、表示装置1は、制御ユニット3と、表示パネル2と、を有している。この場合、制御ユニット3によって、各メータ8,9,10,11及び指示部10b,11b(以下、指針と言う)の表示形態が、表示パネル2にレイアウトされて表示される。制御ユニット3には、生成部4と、記憶部5と、選択部6と、表示制御部7と、が含まれている。
【0012】
ここで、レイアウトとは、例えば、指針10b,11bを含む各メータ8,9,10,11の種類、位置、大きさ、形状(平面、立体)、色合いなどの構成要素を、表示パネル2の表示領域に亘って割り付けて構成させることを指す。表示領域は、表示パネル2の全体的な領域に亘って設定してもよいし、局部的な領域(例えば、中央領域、左右領域、上下領域)に点在させてもよい。なお、左右とは、表示パネル2に向かってこれを水平方向で見て、左側及び右側を指し、また、上下とは、水平方向に直交する方向で見て、上側及び下側を指す。
【0013】
「制御ユニット3」
生成部4は、予め設定したレイアウトに沿って複数のメータ8,9,10,11が配置された表示形態を複数パターン生成する。
図1A及び
図1Dには一例として、2つのパターンに係る表示形態(即ち、第1の表示形態、第2の表示形態)が示されている。ここで、表示形態を表示パネル2に表示する仕様には、静的な表示形態と動的な表示形態の双方が含まれる。
【0014】
「第1の表示形態」
図1Aに示すように、第1の表示形態では、複数のメータ及びこれに含まれる第1~第4メータ8,9,10,11が平面的にレイアウトされ、当該レイアウトにおいて、各メータ8,9,10,11は、第1メータ8を中心にほぼ同心円状に集中させて表示される。
【0015】
第1メータ8は、デジタル表示形式での車速メータであり、車両の速度情報(即ち、走行速度)が、離散的な数値の変化として表現される。第1メータ8(デジタル車速メータ)は、表示パネル2の略中央部において、後述するように、円周方向に沿って配置される各種メータ(例えば、第3メータ10、第4メータ11)の略中心に位置付けられて表示される。なお、後述において、第3メータ10は、第1情報画像と称され、第4メータ11は、第2情報画像と称される場合がある。
【0016】
第2メータ9は、燃費に関する情報を示すメータを含み、帯状のスケール9aで連続的に増減表示される。これにより、走行距離に対する燃費が物理量の変化として視認される。図面では一例として、第2メータ9は、第1メータ8を中心に時計回りで見て、7時から9時の範囲(即ち、中心角が略0度からマイナス54度の範囲)に配置(表示)されている。別の捉え方をすると、第2メータ9は、後述する第3メータ10の一端部近傍に配置(表示)されている。
【0017】
第3メータ(第1情報画像)10は、アナログ表示形式での車速メータであり、車両の速度情報(即ち、走行速度)が、連続的な数値の変化として表現される。第3メータ10(アナログ車速メータ)は、第3メータ本体(第1情報画像本体)10aと、第3指針10bと、を有している。第3メータ本体10aは、車両の速度(即ち、車速)の指標(例えば、数字画像)を有している。第3メータ本体10aは、第1メータ8(デジタル車速メータ)を囲むように、略半円をなす帯状の平面的な形態を有して表示される。図面では一例として、第3メータ本体10aは、第1メータ8を中心に時計回りで見て、9時から5時の範囲(即ち、中心角が略0度~216度の範囲)に亘って延在(表示)されている。
【0018】
また、第3指針10bは、第3メータ本体10aに沿って移動(往復動)可能に表示される。ここで、第3メータ本体10aを静止させつつ、その静止した第3メータ本体10aに沿って第3指針10bを移動させる。これにより、車両の走行速度が、連続的な変化量として表現される。
【0019】
第4メータ(第2情報画像)11は、アナログ表示形式での回転速度(エンジン回転数)メータである。第4メータ11(アナログ回転数メータ)は、第4メータ本体(第2情報画像本体)11aと、第4指針11bと、を有している。第4メータ本体11aは、エンジン回転数の指標(例えば、数字画像)を有している。第4メータ本体11aは、上記した円弧状の第3メータ本体10aの外側(外周)に隣接させるように、平面的な形態を有して同心円状に表示される。図面では一例として、第4メータ本体11aは、第1メータ8を中心に時計回りで見て、2時から4時の範囲(即ち、中心角が略144度から207度の範囲)に亘って延在(表示)されている。
【0020】
また、第4指針11bは、第4メータ本体11aに沿って移動(往復動)可能に表示される。即ち、第4メータ本体11aを静止させつつ、その静止した第4メータ本体11aに沿って第4指針11bを移動させる。これにより、車両走行時におけるエンジン(モータ)の回転速度(エンジン回転数)が、連続的な変化量として表現される。なお、本明細書において、エンジン回転数と記載した場合、当該エンジン回転数には、モータ回転数の概念も含まれることとする。
【0021】
この場合、第4指針11bの移動方向は、常に、上記した第3指針10bの移動方向とは反対向きになる。例えば、速度を上げる際、第3指針10bは、時計回りに回転移動するのに対して、第4指針11bは、反時計回りに回転移動する。一方、速度を下げる際、第3指針10bは、反時計回りに回転移動するのに対して、第4指針11bは、時計回りに回転移動する。これにより、車両の走行速度、並びに、エンジン(モータ)の回転速度(回転数)の視覚的な見せ方ないし見え方が相反する向きとなる。この結果、第3メータ10及び第4メータ11の表示形態が視認し易くなると同時に、双方のメータ10,11の表示内容が一見しただけで正確に把握し易くなる。
【0022】
なお、第1の表示形態において、第1メータ8(デジタル車速メータ)の下方側、例えば、第1メータ8を中心に時計回りで見て、6時前後の範囲(即ち、中心角が略270度前後の範囲)には、トランスミッションのレンジ表示領域12が設けられ、例えば、パーキング「P」、リバース「R」、ニュートラル「N」、ドライブ「D」が切替表示される。
【0023】
「第2の表示形態」
図1Dに示すように、第2の表示形態では、上記した第1の表示形態とは異なるレイアウトに沿って、複数のメータ8,9,10,11が配置される。即ち、上記した第1メータ8(デジタル車速メータ)の周囲に沿って、複数のメータ(例えば、第2~第4メータ9,10,11)を、第1の表示形態とは異なる形態に変態させて表示させる。
【0024】
第2の表示形態において、第1メータ8(デジタル車速メータ)と、第2メータ9(アナログ平均距離メータ)は、それぞれ、第1の表示形態及び第2の表示形態の相互で同一の構成(見せ方、見え方)で表示される。ここで、双方の表示形態(
図1A及び
図1D参照)を比較すると、第1の表示形態から第2の表示形態へ遷移する際、例えば、予め設定された第1方向(即ち、表示パネル2の上下方向)に沿って、第1メータ8(デジタル車速メータ)を直線状に移動させた状態において、当該第1メータ8の移動前の表示領域K(換言すると、移動後の表示領域)に、第2メータ9(燃費メータ)が表示される。これにより、第1メータ8を目で追う一連の過程において、その視界の範囲内に第2メータ9を出現させることが可能となる。
【0025】
この場合、第1及び第2メータ8,9以外の複数のメータ(例えば、上記した第3~第4メータ10,11)を、第1メータ8(デジタル車速メータ)を中心に分散させて表示させてもよいし、或いは、第1メータ8(デジタル車速メータ)の両側に、複数のメータ(例えば、第3~第4メータ10,11)を立体的な形態に変態させて表示させてもよい。
【0026】
ここでは一例として、第2の表示形態において、第1メータ8(デジタル車速メータ)の両側に、ドラム式の立体的なメータ(例えば、第3メータ10、第4メータ11)が配置(表示)される。この場合、各メータ10,11は、第1メータ8を中心に左右対称にレイアウトされる。別の捉え方をすると、第3メータ10と第4メータ11とは、第2メータ9を基準として、左右対称に配置(表示)される。換言すると、第3メータ10と第4メータ11との間に、第1メータ8及び第2メータ9が表示される。
【0027】
第2の表示形態に係る第3メータ10は、第1の表示形態(
図1A参照)に係るアナログ車速メータを立体的な形態に変態させたものである。第3メータ10は、上記した第1メータの一方側(即ち、図中向かって右側)に配置(表示)され、第3メータ本体10aと、第3指針10bと、を有している。
【0028】
また、第2の表示形態に係る第4メータ11は、第1の表示形態(
図1A参照)に係るアナログ回転速度(エンジン回転数)メータを立体的な形態に変態させたものである。第4メータ11は、上記した第1メータの他方側(即ち、図中向かって左側)に配置(表示)され、第4メータ本体11aと、第4指針11bと、を有している。
【0029】
ところで、上記した第1の表示形態(
図1A参照)では、第3メータ本体10a(第4メータ本体11a)を静止させつつ、その静止した第3メータ本体10a(第4メータ本体11a)に沿って第3指針10b(第4指針11b)が移動する。一方、第2の表示形態(
図1D参照)では、第3指針10b(第4指針11b)を静止させつつ、その静止した第3指針10b(第4指針11b)に対して第3メータ本体10a(第4メータ本体11a)が回転することで、所定の速度(エンジン回転数)が表示される。このとき、表示パネル2の上下方向で見て、第3指針10bと第4指針11bとを、互いに対向させつつ、略同一の高さ位置に表示させる。
【0030】
この場合、第2の表示形態(
図1D参照)において、第3及び第4メータ10,11(具体的には、第3メータ本体10a、第4メータ本体11a)は、第1メータ8の両側に立体的な形態を有して表示される。図面では一例として、第3メータ本体10a及び第4メータ本体11aは、上記した第1方向(即ち、表示パネル2の上下方向)に直交する方向に沿って延びる回転軸(図示しない)を中心に回転可能に表示される。
【0031】
更に、第2の表示形態において、第3メータ(第1情報画像)10に対する第4メータ(第2情報画像)11の相対位置が、第1の表示形態とは逆にして表示される。即ち、第1の表示形態(
図1A参照)において、第4メータ11は、図中向かって第3メータ10の右方に表示される。逆に、第2の表示形態(
図1D参照)において、第4メータ11は、図中向かって第3メータ10の左方に表示される。
【0032】
更に、第2の表示形態において、第3指針10b(第4指針11b)は、少なくとも、第3メータ本体10a(第4メータ本体11a)が立体的に表示された後に表示される。この場合、例えば、第3指針10b(第4指針11b)を、第1の表示形態から第2の表示形態に遷移させる全てのメータ(例えば、上記した第1~第4メータ8,9,10,11)が表示パネル2に表示された後に表示させてもよい。換言すると、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第3指針10b(第4指針11b)を最後に表示させてもよい。
【0033】
このように、第3メータ10(アナログ車速メータ)によれば、車両の走行速度が、連続的な変化量として表現される。また、第4メータ11(アナログ回転速度(回転数)メータ)によれば、車両走行時におけるエンジン(モータ)の回転速度(回転数)が、連続的な変化量として表現される。
【0034】
なお、上記した生成部4によって生成された複数パターンの表示形態(
図1A及び
図1D参照)は、その全てが記憶部5に記憶される。なお、記憶部5は、表示装置1に新たに増設してもよいし、制御ユニット3に内蔵されたROM(図示しない)を適用してもよい。
【0035】
そして、選択部6は、記憶部5に記憶された複数パターンの表示形態の中から表示パネル2に表示する表示形態を選択する。このとき、表示制御部7は、選択部6によって選択された表示形態(例えば、上記した第1の表示形態、第2の表示形態)を表示パネル2に表示する。同時に、表示制御部7は、当該表示パネル2に表示された第1の表示形態(
図1A参照)を、第2の表示形態(
図1D参照)に遷移させる。
【0036】
第1の表示形態を第2の表示形態に遷移させるタイミングとしては、例えば、ユーザ(運転者、乗員)のニーズや用途、或いは、乗車当日のユーザの気分や、車室(キャビン)内の明るさなどに応じて設定することができる。また、走行モードを、例えば、通常走行モードからスポーツ走行モードに切り替える際に、第1の表示形態を第2の表示形態に遷移させてもよい。
【0037】
「表示形態の遷移」
車両には、切替スイッチ13が設けられ、例えば、車両の停止時において、切替スイッチ13を操作する。切替スイッチ13から出力されたスイッチ情報は、表示装置1に設けられたスイッチ情報取得部14で取得される。このとき、表示制御部7(制御ユニット3)は、スイッチ情報に基づいて、表示パネル2の表示形態を切り替える。例えば、表示パネル2に表示された第1の表示形態(
図1A参照)を、第2のレイアウトに沿った他方の表示形態(
図1D参照)に遷移させる。
【0038】
かかる表示形態の遷移に際し、例えば、第1メータ8を常に表示させつつ直線状に移動させると共に、第2~第4メータ9,10,11を連続的に消散させる。ここで、第2~第4メータ9,10,11を連続的に消散させた後に、第1メータ8を直線状に移動させてもよい。これによれば、第1メータ8の移動が顕著に把握でき、第2の表示形態において、第1メータ8をユーザに対して強く認識させることが可能となる。
【0039】
第3メータ10(第3メータ本体10a、第3指針10b)、及び、第4メータ11(第4メータ本体11a、第4指針11b)については、例えば、第1メータ8の移動中に、第1メータ8の両側に立体的な形態に変態させて表示させてもよい。
このとき、各メータ本体10a,11a、及び、各指針10b,11bを略同時に表示させてもよい。また、各メータ本体10a,11aを表示させた後に、各指針10b,11bを略同時に表示させてもよい。同時に、上記した第2メータ9及び各指針10b,11bを略同時に表示させてもよいし、第2メータ9を表示させた後に、各指針10b,11bを第2メータ9の両側に略同時に表示させてもよい。
【0040】
更に、表示形態の遷移に際し、第1の表示形態(
図1A参照)において、各指針10b,11bを一方側から他方側に向けて徐々に消散させると共に、第2の表示形態(
図1D参照)において、各指針10b,11bを他方側から一方側に向けて徐々に出現させてもよい。このとき、表示パネル2の上下方向で見て、各指針10b,11bを、互いに対向させつつ略同一の高さ位置に表示させてもよい。
【0041】
なお、表示パネル2に複数のメータ8,9,10,11が表示されている状態において、車両に搭載されたECU15からは、例えば、車速、エンジン回転数などの車両情報が出力される。かかる車両情報は、表示装置1に設けられた車両情報取得部16で取得された後、表示制御部7(制御ユニット3)によって、各メータ8,9,10,11を介して視認可能に表示される。
【0042】
「中間表示形態」
加えて、表示形態の遷移に際し、第1の表示形態(
図1A参照)と第2の表示形態(
図1D参照)との間に中間表示形態(
図1B及び
図1C参照)を表示させてもよい。この場合、当該中間表示形態において、予め設定された演出表示17(所定の動き)を行うことが好ましい。なお、演出表示17は、上記した表示制御部7によって行われる。
【0043】
当該演出表示17では、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第3メータ(第1情報画像)10及び第4メータ(第2情報画像)11の中間画像を表示させつつ、当該第3メータ及び第4メータの形状を変更させて表示させる。
演出表示17(所定の動き)としては、例えば、平面的な表示形態を徐々に立体的に変化(変更)させるプロセスを視覚的に演出したり、或いは、立体的な表示形態を徐々に平面的に変化(変更)させるプロセスを視覚的に演出したりする。
図1B及び
図1Cでは一例として、平面的な表示形態を立体的な表示形態に遷移させる際の中間画像が、視覚的に演出表示されている。
【0044】
当該演出表示17において、中間画像には、先行中間画像10s,11s、及び、後行中間画像10p,11pが含まれている。これら双方の中間画像10s,11s及び10p,11pは、第1の表示形態(
図1A参照)及び第2の表示形態(
図1D参照)とは異なる形態を有して表示される。
【0045】
ここで、先行中間画像10s,11sは、第1の表示形態よりも時間的に遅れて演出表示される。更に、後行中間画像10p,11pは、先行中間画像10s,11sよりも時間的に遅れて演出表示される。そして、第2の表示形態は、後行中間画像10p,11pよりも時間的に遅れて演出表示される。即ち、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第1の表示形態における情報画像、先行中間画像10s,11s、後行中間画像10p,11p及び第2の表示形態における情報画像が順に表示される。この場合、時間的に遅れた演出表示には、例えば、間欠的に演出表示されるバリエーションや、連続的に演出表示されるバリエーションが含まれる。
【0046】
図1B及び
図1Cの例において、先行中間画像10s,11sは、第1の表示形態に係る演出表示の後に間欠的に演出表示される。即ち、先行中間画像10s,11sは、第1の表示形態の第1メータ8及び第2メータ9、或いは、第3メータ(第1情報画像)10及び第4メータ(第2情報画像)11、又は、第3指針(第1指示部)10b及び第4指針11bを消散させた後、予め設定されたタイミングで演出表示される。なお、予め設定されたタイミングは、表示装置1の使用環境や使用目的に応じて設定されるため、特に数値限定はしない。
【0047】
更に、
図1B及び
図1Cの例において、後行中間画像10p,11pは、先行中間画像10s,11sに係る演出表示の後に連続的に演出表示される。そして、第2の表示形態は、後行中間画像10p,11pに係る演出表示の後に連続的に演出表示される。即ち、上記した第1の表示形態を消散させた後、先行中間画像10s,11sから後行中間画像10p,11pを経て、第2の表示形態に至る表示形態は、相互に途切れること無く連続的に変形(変態)しつつ演出表示される。
【0048】
ここで、第3メータ(第1情報画像)10及び第4メータ(第2情報画像)11に着目すると、先ず、第1の表示形態(
図1A参照)において、平面的に表示された当該メータ10,11が、予め設定されたタイミングで消散される。このとき、双方のメータ10,11を同時に消散させてもよいし、或いは、別個に消散させてもよい。別個の消散では、例えば、第3メータ10を消散させた後、第4メータ11を消散させる。逆に、第4メータ11を消散させた後、第3メータ10を消散させる。
【0049】
次に、第3及び第4メータ10,11が消散された真っ暗な表示領域に、2つの先行中間画像10s,11sを演出表示させる(
図1B参照)。この場合、一方の先行中間画像10sは、第3メータ10が消散する際の残像現象に起因した残像効果を狙って表示される。同様に、他方の先行中間画像11sは、第4メータ11が消散する際の残像現象に起因した残像効果を狙って表示される。
図1Bの例において、2つの先行中間画像10s,11sは、平面的な形態(例えば、玉子形、楕円形)を有している。
【0050】
このとき、双方の先行中間画像10s,11sを同時に表示させてもよいし、或いは、別個に表示させてもよい。別個の表示では、例えば、一方の先行中間画像10sを表示させた後、他方の先行中間画像11sを表示させる。逆に、他方の先行中間画像11sを表示させた後、一方の先行中間画像10sを表示させる。
【0051】
続いて、上記した先行中間画像10s,11sを連続的に変形させつつ、視覚的に途切れること無く、2つの後行中間画像10p,11pを演出表示させる(
図1C参照)。この場合、一方の後行中間画像10pは、遷移ガイド10gによって案内されつつ、立体的な形状(形態)に変更される。同様に、他方の後行中間画像11pは、遷移ガイド11gによって案内されつつ、立体的な形状(形態)に変更される。
【0052】
このとき、双方の後行中間画像10p,11pを同時に変更表示させてもよいし、或いは、別個に変更表示させてもよい。別個の変更表示では、例えば、一方の後行中間画像10pを変更表示させた後、他方の後行中間画像11pを変更表示させる。逆に、他方の後行中間画像11pを変更表示させた後、一方の後行中間画像10pを変更表示させる。
【0053】
図1Cの例において、2つの後行中間画像10p,11pは、平面的な先行中間画像10s,11s(
図1B参照)を立体的な第3及び第4メータ10,11(第2の表示形態(
図1D参照))に変更表示させる際の残像現象に起因した残像効果を狙って表示される。
【0054】
このとき、2つの立体的なメータ10,11を同時に表示させてもよいし、或いは、別個に表示させてもよい。別個の表示では、例えば、第3メータ10を表示させた後、第4メータ11を表示させる。逆に、第4メータ11を表示させた後、第3メータ10を表示させる。
【0055】
「一実施形態の効果」
本実施形態によれば、第1の表示形態(
図1A参照)から第2の表示形態(
図1D参照)への遷移に際し、第3メータ(第1情報画像)10及び第4メータ(第2情報画像)11を消散させた後、これらのメータ10,11の形状を変更して表示させる。これにより、表示形態の遷移をユーザに強く認識させることができる。この結果、例えば、遷移後に表示される情報を的確に把握することができる。
【0056】
本実施形態によれば、第1の表示形態と第2の表示形態とで、第3メータ(第1情報画像)10に対する第4メータ(第2情報画像)11の相対位置を逆にする。これにより、表示形態の遷移をユーザに印象付け易くすることができる。この結果、遷移後に表示される情報の認識度を向上させることができる。
【0057】
本実施形態によれば、表示形態の遷移に際し、第1の表示形態(
図1A参照)と第2の表示形態(
図1D参照)との間に中間表示形態(
図1B及び
図1C参照)を表示させ、予め設定された演出表示17を行う。これにより、車両の表示パネル2に表示する複数のメータ8,9,10,11の表示形態について、その視覚的な見せ方ないし見え方の多様性を格段に向上させることができる。
【0058】
ここで、本実施形態においては、第1情報画像及び第2情報画像各々の中間画像は、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、平面的な表示形態から立体的な表示形態へと変化される。このように、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第1情報画像及び第2情報画像各々の中間画像を、後に表示される第2の表示形態に徐々に合わせるように変化させることにより、表示形態の遷移をユーザに段階的に意識させることができ、表示形態の遷移に際しての違和感を低減することが可能となる。
【0059】
本実施形態によれば、表示パネル2に表示する複数のメータ8,9,10,11の表示形態について、そのレイアウトの自由度を高めることができる。これにより、第2の表示形態において、各メータ8,9,10,11を、第1の表示形態とは異なるレイアウトに沿って配置させることができる。
【0060】
本実施形態によれば、表示パネル2に表示する複数のメータ8,9,10,11の表示形態について、その視覚的な見せ方ないし見え方の多様性に優れた表示装置1を実現することができる。これにより、第2の表示形態において、各メータ8,9,10,11を、第1の表示形態とは異なる形態に変態させて表示させることができる。
【符号の説明】
【0061】
1…表示装置、2…表示パネル、3…制御ユニット、4…生成部、5…記憶部、
6…選択部、7…表示制御部、8…第1メータ、9…第2メータ、
10…第3メータ(第1情報画像)、11…第4メータ(第2情報画像)、
12…レンジ領域、13…切替スイッチ、17…演出表示。