(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】楽音出力装置、電子楽器、楽音出力方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G10H 1/00 20060101AFI20231024BHJP
G10H 1/46 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G10H1/00 102Z
G10H1/46
(21)【出願番号】P 2019116102
(22)【出願日】2019-06-24
【審査請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏長
【審査官】菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-093800(JP,A)
【文献】特開平02-244092(JP,A)
【文献】特表2016-519448(JP,A)
【文献】YAMAHA DJX-II 取扱説明書,2000年,pp.10,14,16,29,32,56
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10H 1/00-7/12
G10K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
複数のコントロールデータから選択された一つのコントロールデータを取得し、
或る音楽的構成要素の出力音量を示す第1スタンダード音量データを含む第1楽音データと、前記或る音楽的構成要素の出力音量を示す第2スタンダード音量データを含む第2楽音データと、を前記入力装置へのユーザ操作に応じて重ね合わせて出力されるように制御する際に、
前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、
前記第1スタンダード音量データと、選択された前記一つのコントロールデータに含まれ
る前記或る音楽的構成要素に対応する第1音量データ
と、に従う音量で出力されるように制御するとともに、
前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、前記
第2スタンダード音量データと、選択された前記一つのコントロールデータに含まれ
る前記或る音楽的構成要素に対応する第2音量データ
と、に従う音量で出力されるように制御する、
楽音出力装置。
【請求項2】
前記或る音楽的構成要素は、少なくともバスドラムを示すキック、前記キックを除くドラム、パーカッション、ベース、メロディ、コードのいずれかを含む、
請求項1に記載の楽音出力装置。
【請求項3】
前記第1楽音データ及び前記第2楽音データは、前記或る音楽的構成要素を識別するためのタグデータをそれぞれ含む、
請求項1又は2に記載の楽音出力装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
第1オリジナル楽音データ及び第2オリジナル楽音データを読み込み、
読み込まれた前記第1オリジナル楽音データ及び前記第2オリジナル楽音データに前記タグデータをそれぞれ付与することにより、前記第1楽音データ及び前記第2楽音データを生成する、
請求項3に記載の楽音出力装置。
【請求項5】
前記入力装置には前記コントロールデータが対応付けられており、
前記プロセッサは、
前記入力装置への第1ユーザ操作に応じて、前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素と、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素と、をそれぞれ前記第1スタンダード音量データで示される音量と前記第2スタンダード音量データで示される音量とで重ね合わせて出力されるように制御し、
前記第1楽音データと前記第2楽音データとを重ね合わせて出力されている際の前記入力装置への第2ユーザ操作に応じて、前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素に対応する第1音量データに従う音量で出力されるように制御するとともに、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、前記コントロールデータに含まれる第2音量データであって、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素に対応する第2音量データに従う音量で出力されるように制御する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の楽音出力装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の楽音出力装置と、鍵盤と、を備える、
電子楽器。
【請求項7】
楽音出力装置のコンピュータ
が、
複数のコントロールデータから選択された一つのコントロールデータを取得し、
或る音楽的構成要素の出力音量を示す第1スタンダード音量データを含む第1楽音データと、前記或る音楽的構成要素の出力音量を示す第2スタンダード音量データを含む第2楽音データと、を入力装置への操作に応じて重ね合わせて出力
する際に、
前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、
前記第1スタンダード音量データと、選択された前記一つのコントロールデータに含まれ
る前記或る音楽的構成要素に対応する第1音量データ
と、に従う音量で出力
するように制御
するとともに、
前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、前記
第2スタンダード音量データと、選択された前記一つのコントロールデータに含まれ
る前記或る音楽的構成要素に対応する第2音量データ
と、に従う音量で出力
するように制御
する、
楽音出力方法。
【請求項8】
楽音出力装置のコンピュータに、
複数のコントロールデータから選択された一つのコントロールデータを取得させ、
或る音楽的構成要素の出力音量を示す第1スタンダード音量データを含む第1楽音データと、前記或る音楽的構成要素の出力音量を示す第2スタンダード音量データを含む第2楽音データと、を入力装置への操作に応じて重ね合わせて出力されるように制御させる際に、
前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、
前記第1スタンダード音量データと、選択された前記一つのコントロールデータに含まれ
る前記或る音楽的構成要素に対応する第1音量データ
と、に従う音量で出力されるように制御させるとともに、
前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、前記
第2スタンダード音量データと、選択された前記一つのコントロールデータに含まれ
る前記或る音楽的構成要素に対応する第2音量データ
と、に従う音量で出力されるように制御させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽音出力装置、電子楽器、楽音出力方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、それぞれが所定の音声データに対応し、画面内を移動可能な歯車である複数の音声歯車の表示を制御する表示制御部と、複数の音声データの同期再生を制御する再生制御部とを含み、複数の音声歯車が直接又は間接的に噛み合わされた場合、表示制御部は、複数の音声歯車を回転させ、再生制御部は、複数の音声歯車に対応する複数の音声データを同期再生させる音声処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された音声処理装置によれば、画面に表示された音声歯車に対応する複数の音声データ同期再生させることができ、複数の音源の組み合わせを直感的に理解することができる。しかし、そもそもどのように音源を組み合わせれば良いのかを判断するためには音楽の専門的な知識及び機器の操作技術が必要であり、音源の組み合わせ方はユーザの知識及び技術に依存してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、ユーザの音楽知識又は機器の操作技術にかかわらず、容易に音源を組み合わせることを可能にする楽音出力装置、電子楽器、楽音出力方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る楽音出力装置の一態様は、
入力装置と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
複数のコントロールデータから選択された一つのコントロールデータを取得し、
或る音楽的構成要素の出力音量を示す第1スタンダード音量データを含む第1楽音データと、前記或る音楽的構成要素の出力音量を示す第2スタンダード音量データを含む第2楽音データと、を前記入力装置へのユーザ操作に応じて重ね合わせて出力されるように制御する際に、
前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、前記第1スタンダード音量データと、選択された前記一つのコントロールデータに含まれる前記或る音楽的構成要素に対応する第1音量データと、に従う音量で出力されるように制御するとともに、
前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、前記第2スタンダード音量データと、選択された前記一つのコントロールデータに含まれる前記或る音楽的構成要素に対応する第2音量データと、に従う音量で出力されるように制御する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの音楽知識又は機器の操作技術にかかわらず、容易に音源を組み合わせることを可能にする楽音出力装置、電子楽器、楽音出力方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る楽音出力装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1の楽音データの構成の例を示す図である。
【
図3】実施の形態1のコントロールデータの構成の例を示す図である。
【
図4】実施の形態1のコントロールデータの構成の別の例を示す図である。
【
図5】実施の形態1のコントロールデータの構成の別の例を示す図である
【
図6】実施の形態1の楽音出力処理のフローチャート。
【
図7】実施の形態3に係る楽音出力装置の構成を示すブロック図である。
【
図9】実施の形態5の(A)タグ付け前のオリジナル楽音データの構成の例及び(B)タグ付けされて生成された楽音データの構成の例を示す図である。
【
図10】実施の形態5の(A)タグ付け前のオリジナル楽音データの構成の別の例及び(B)タグ付けされて生成された楽音データの構成の別の例を示す図である。
【
図11】実施の形態5のタグ付け前のオリジナル楽音データの構成の別の例を示す図である。
【
図12】実施の形態5のタグ付けされて生成された楽音データの構成の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る楽音出力装置100について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0010】
楽音出力装置100は、2種類の楽音データを重ね合わせて出力する、即ち楽音データのミックスを行う装置である。
【0011】
図1は、楽音出力装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、実施の形態1に係る楽音出力装置100は、プロセッサ110と、入力装置120と、出力装置130と、RAM(Random Access Memory)140と、ROM(Read Only Memory)150と、を備える。
【0012】
プロセッサ110は、プログラムを実行することにより楽音出力装置100を制御する処理装置である。プロセッサ110は、ROM150に記憶されたプログラム及びデータを読み出し、RAM140を作業領域として用いる。プロセッサ110はCPU(Central Processing Unit)を含み得るが、これに限られるものではない。
【0013】
プロセッサ110が処理するデータについて説明する。楽音データは楽曲を構成する複数の音楽的構成要素を含み、それぞれの音楽的構成要素について出力する音量を示すスタンダード音量データを含む。楽音データは、スタンダード音量データの他にノートオフ又はノートオンの命令、音質・音色を示すデータを含む。音楽的構成要素は例えばキック(バスドラム)、キックを除くドラム、パーカッション、ベース、メロディ、コードに対応するが、これらに限られるものではない。
【0014】
楽音データには音楽的構成要素毎にタグが付与されている。例えば、キック、キックを除くドラム、パーカッション、ベース、メロディ、コードにはそれぞれKick、Drums、Percs、Bass、Melody、Chordのタグが付与されている。ここで、キックは例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)のドラムキットにおけるノートナンバー35又は36に対応する楽音であり、ドラムトラックに含まれるものである。
【0015】
図2は、楽音データの構成の例を示す図である。
図2に示すように、楽音データは、Percs、Drums、Kick、Bass、Melody、Chordのタグが付与されたパーカッション、キックを除くドラム、キック、ベース、メロディ、コードの音楽的構成要素に対応するスタンダード音量データを含む。
【0016】
プロセッサ110は、第1楽音データ及び第2楽音データの少なくとも二つの楽音データを処理する。第1楽音データ及び第2楽音データはROM150に記憶される。
【0017】
コントロールデータは、二つの楽音データに含まれる各音楽的構成要素について出力するかどうか、出力する場合の音量はいくらかを示すデータである。
図3,
図4及び
図5は、コントロールデータの構成を示す図である。
図3,
図4及び
図5に示すように、コントロールデータは、第1楽音データ及び第2楽音データのそれぞれの音楽的構成要素について、出力する場合はON、出力しない場合はOFFのデータを有する。ONの場合には、音量を示すデータをさらに有する。コントロールデータは、第1楽音データのON又はOFF及び音量を示すデータである第1音量データと、第2楽音データのON又はOFF及び音量を示すデータである第2音量データとを含む。音量は百分率で表され、楽音データで示された音量をコントロールデータで示された倍率で増幅して出力される。
【0018】
図3に示すコントロールデータAは、第1楽音データの音楽的構成要素が全てONかつ100%であり、第2楽音データの音楽的構成要素が全てOFFである。プロセッサ110がコントロールデータAに基づいて楽音データを出力させる場合、全ての音楽的構成要素について100%の音量で第1楽音データを出力させ、全ての音楽的構成要素について第2楽音データを出力させない。即ち、プロセッサ110は第1楽音データのみを出力させる。
【0019】
図4に示すコントロールデータBは、第1楽音データの音楽的構成要素が全てOFFであり、第2楽音データの音楽的構成要素が全てONかつ100%である。プロセッサ110がコントロールデータBに基づいて楽音データを出力させる場合、第1楽音データに含まれる全ての音楽的構成要素を出力させず、第2楽音データに含まれる全ての音楽的構成要素を100%の音量で出力させる。即ち、プロセッサ110は第2楽音データ音のみを出力させる。
【0020】
図5に示すコントロールデータCは、第1楽音データ及び第2楽音データのPercsがONかつ70%であり、第1楽音データのDrums、Melody、ChordがONかつ100%であり、第2楽音データのKick、BassがONかつ100%であり、第1楽音データ及び第2楽音データにおけるその他の音楽的構成要素はOFFである。プロセッサ110がコントロールデータCに基づいて楽音データを出力させる場合、第1楽音データ及び第2楽音データのPercsタグが付与された音楽的構成要素については70%の音量で第1楽音データと第2楽音データとを出力させ、Drums、Melody、Chordについては100%の音量で第1楽音データを出力させ、Kick、Bassについては100%の音量で、第2楽音データを出力させる。即ち、プロセッサ110は第1楽音データと第2楽音データとをコントロールデータに含まれる第1音量データと第2音量データとにそれぞれ基づいた音量に変更して重ね合わせて出力させる。
【0021】
図1に戻り、入力装置120は、ユーザによる操作を受け付け、操作内容を示す入力信号をプロセッサ110に伝達する装置である。入力装置120が受け受ける操作には、第1楽音データと第2楽音データとを重ね合わせて出力させる入力が含まれる。入力装置120は、ボタン、スライダ、マウス、タッチパッド、タッチパネル、コンピュータキーボード、鍵盤を含み得るが、これに限られるものではない。
【0022】
出力装置130は、楽音データを外部に出力する装置であり、例えば接続端子である。出力装置130は、スピーカ、イヤホン、ヘッドホンを含む外部の機器に接続され、機器に楽音データを出力する。出力装置130が出力する楽音データは電気信号、光信号の形式を取り得るが、これに限られるものではない。
【0023】
RAM140は、プロセッサ110が処理を実行するための作業領域として機能する揮発性メモリである。
【0024】
ROM150は、プロセッサ110が処理を実行するために用いるプログラム、及び楽音データ及びコントロールデータを含むデータを記憶する記憶装置である。ROM150は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)を含むが、これに限られるものではない。
【0025】
実施の形態1に係る楽音出力装置100が実行する楽音出力処理について説明する。
図6は、楽音出力処理のフローチャートである。楽音出力処理について、
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0026】
楽音出力装置100のプロセッサ110は、入力装置120を介して楽音出力処理の開始を示す操作入力を受け付け、楽音出力処理を開始する。
【0027】
プロセッサ110は、入力装置120を介してROM150に記憶された複数の楽音データから一つの楽音データを選択する入力を受け付け、選択された楽音データを第1楽音データとしてROM150から取得する(ステップS101)。
【0028】
第1楽音データを取得すると、プロセッサ110は、入力装置120を介してROM150に記憶された複数の楽音データから別の楽音データを選択する入力を受け付け、選択された楽音データを第2楽音データとしてROM150から取得する(ステップS102)。
【0029】
第2楽音データを取得すると、プロセッサ110は、入力装置120を介してROM150に記憶された複数のコントロールデータから一つのコントロールデータを選択する入力を受け付け、選択されたコントロールデータをROM150から取得する(ステップS103)。
【0030】
コントロールデータを取得すると、プロセッサ110は、或る音楽的構成要素について、第1楽音データと第2楽音データとを、コントロールデータに含まれる第1音量データと第2音量データとにそれぞれ従う音量で出力装置130を介して出力させる(ステップS104)。
【0031】
楽音データを出力させると、プロセッサ110は、第1楽音データ及び第2楽音データを全て出力したかどうかを判断する(ステップS105)。全て出力していないと判断した場合(ステップS105:NO)、ステップS104に戻る。全て出力したと判断した場合(ステップS105:YES)、楽音出力処理を終了する。
【0032】
以上の構成を備えることで、実施の形態1に係る楽音出力装置100はユーザの音楽知識又は機器の操作技術にかかわらず、容易に音源を組み合わせることを可能にできる。
【0033】
ユーザは、楽音データの組み合わせ方を示すコントロールデータを用いることで、専門的な音楽的知識がなくとも簡単かつ自然に音源を組み合わせて出力させることができる。用いるコントロールデータを変更すれば、楽音データのうち一方を強調したり、特定の音楽的構成要素を強調したりといったアレンジも容易に行うことができる。
【0034】
十分な音楽的知識を持つユーザの場合は、自らミックス調整を行わなくとも音源をミックスできるため、作業時間の短縮及び作業の効率化が可能になる。
【0035】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る楽音出力装置100について説明する。実施の形態2に係る楽音出力装置100は、ユーザの入力に従い、楽音データの重ね合わせ出力中にユーザの入力に応じてコントロールデータを用いた音量の制御を開始する。
【0036】
実施の形態2に係る楽音出力装置100のプロセッサ110は、入力装置120を介して楽音出力処理の開始を示す操作入力(第1ユーザ操作)を受け付けると、コントロールデータに基づかずに、第1楽音データと第2楽音データとをそれぞれ第1スタンダード音量データと第2スタンダード音量データとに基づく音量で重ね合わせて出力する。
【0037】
プロセッサ110は、重ね合わせ出力中に入力装置120を介してコントロールデータの使用開始を示す操作入力(第2ユーザ操作)を受け付けると、第1スタンダード音量データで示される音量と第2スタンダード音量データで示される音量とをコントロールデータに含まれる第1音量データと第2音量データとにそれぞれ基づいて変更し、重ね合わせて出力する。
【0038】
以上の構成を備えることで、実施の形態2に係る楽音出力装置100は、実施の形態1に係る楽音出力装置100と同様の効果を実現できる。実施の形態2に係る楽音出力装置100は、第1楽音データ及び第2楽音データそれぞれに応じた音を外部に聞こえるように出力中であっても、ユーザが所望する任意のタイミングのユーザ操作に基づいて、コントロールデータに従った第1楽音データ及び第2楽音データそれぞれの発音制御を可能とすることを利点とする。
【0039】
即ち、実施の形態2に係る楽音出力装置は、重ね合わせ出力中に入力装置120を介してコントロールデータの使用開始を示す操作入力(第2ユーザ操作)を受け付けることで、音楽のミックス再生中に容易な操作でのミックスの変更を可能にできる。
【0040】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る楽音出力装置100について、図面を参照して説明する。実施の形態3に係る楽音出力装置100は、ユーザの入力に従い、処理する楽音データ又はコントロールデータをユーザの入力に従い楽音出力中に切り換える。
【0041】
図7は、実施の形態3に係る楽音出力装置100の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、実施の形態3に係る楽音出力装置100の入力装置120は、ROM150に記憶された複数の楽音データから第1楽音データとして選択するデータを決定する第1楽音データ決定部121と、第2楽音データとして選択するデータを決定する第2楽音データ決定部122と、ROM150に記憶された複数のコントロールデータから選択するデータを決定するコントロールデータ決定部123と、を備える。
【0042】
第1楽音データ決定部121はボタンを有し、ボタンがユーザによって押下されると第1楽音データ決定部121が操作されたことを示す信号をプロセッサ110に送信する。プロセッサ110は、第1楽音データ決定部121が操作されたことを示す信号を受信すると、第1楽音データとして選択されている楽音データとは別の楽音データをROM150から取得し、取得した楽音データを新たな第1楽音データとして設定する。
【0043】
第1楽音データ決定部121と同様に、第2楽音データ決定部122はボタンを有し、ボタンがユーザによって押下されると第2楽音データ決定部122が操作されたことを示す信号をプロセッサ110に送信する。プロセッサ110は、第2楽音データ決定部122が操作されたことを示す信号を受信すると、第2楽音データとして選択されている楽音データとは別の楽音データをROM150から取得し、取得した楽音データを新たな第2楽音データとして設定する。
【0044】
コントロールデータ決定部123はボタンを有し、ボタンがユーザによって押下されるとコントロールデータ決定部123が操作されたことを示す信号をプロセッサ110に送信する。プロセッサ110は、コントロールデータ決定部123が操作されたことを示す信号を受信すると、コントロールデータとして選択されているデータとは別のコントロールデータをROM150から取得し、取得したデータを新たなコントロールデータとして設定する。
【0045】
以上の構成を備えることで、実施の形態3に係る楽音出力装置100は、実施の形態1に係る楽音出力装置100と同様の効果を実現できる。実施の形態3に係る楽音出力装置100は、第1楽音データ、第2楽音データ及びコントロールデータを、それぞれユーザが任意に選択でき、組み合わせ可能であることを利点とする。
【0046】
即ち、実施の形態3に係る楽音出力装置は、ユーザによる入力装置120を介した第1楽音データ、第2楽音データ又はコントロールデータを変更する入力を受け付けることで、音楽のミックス再生中に容易な操作での楽曲又はミックスの変更を可能にできる。
【0047】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る楽音出力装置100について、図面を参照して説明する。実施の形態4に係る楽音出力装置100の入力装置120は鍵盤124を備え、ユーザの鍵盤124を介した入力に従い、処理する楽音データ又はコントロールデータをユーザの入力に従い楽音出力中に切り換える。
【0048】
実施の形態4に係る楽音出力装置100の入力装置120は、複数の鍵を含む鍵盤124を備える。
図8は、鍵盤124の構成を示す図である。
図8に示すように、鍵盤124は、ROM150に記憶された複数の楽音データから第1楽音データとして選択するデータを決定する第1楽音データ決定部121として機能する複数の鍵124Aと、第2楽音データとして選択するデータを決定する第2楽音データ決定部122として機能する複数の鍵124Bと、ROM150に記憶された複数のコントロールデータから選択するデータを決定するコントロールデータ決定部123として機能する複数の鍵124Cと、を含む。第1楽音データ及び第2楽音データのいずれか一方の各音楽的構成要素において、X,Y,Zのなかのいずれか一つに応じた音が外部に聞こえるように発音される。即ち、第1の楽音データを選択するための複数の鍵124Aに割り当てられている或る音楽的構成要素(例えば、Tag:Percs)のX,Y,Zのなかのいずれか二つ以上に応じた音は、同時に重ね合わせて発音されない。一方、複数の鍵124Aに含まれる或る音楽的構成要素(例えば、Tag:Percs)のX,Y,Zのなかの一つに応じた音と、複数の鍵124Aに含まれる別の音楽的構成要素(例えば、Tag:Kick)のX,Y,Zのなかの一つに応じた音と、は、それぞれ重ね合わせて発音できる。
【0049】
第1楽音データ決定部121として機能する複数の鍵124Aは、音楽的構成要素と楽音データとの組み合わせにそれぞれ対応し、鍵124Aが押下されると対応する音楽的構成要素及び楽音データを示す信号をプロセッサ110に送信する。プロセッサ110は、送信された信号が示す楽音データの当該音楽的構成要素を第1楽音データの当該音楽的構成要素として選択する。
【0050】
第2楽音データ決定部122として機能する複数の鍵124Bは、音楽的構成要素と楽音データとの組み合わせにそれぞれ対応し、鍵124Bが押下されると対応する音楽的構成要素及び楽音データを示す信号をプロセッサ110に送信する。プロセッサ110は、送信された信号が示す楽音データの当該音楽的構成要素を第2楽音データの当該音楽的構成要素として選択する。
【0051】
コントロールデータ決定部123として機能する複数の鍵124Cはコントロールデータにそれぞれ対応し、鍵124Cが押下されると対応するコントロールデータを示す信号をプロセッサ110に送信する。プロセッサ110は、送信された信号が示すデータをコントロールデータとして選択する。
【0052】
図8に示すように、第1楽音データ決定部121として機能する複数の鍵124Aの鍵は、楽音データXのPercsタグ、楽音データYのPercsタグ、楽音データZのPercsタグ、楽音データXのKickタグ、…、楽音データZのChordタグ、に対応する。例えば、左端の鍵(C1)が押下されたことを示す信号を受領すると、プロセッサ110は、楽音データXに含まれるPercsタグが付与された楽音データを第1楽音データとして出力させ、他の楽音データは第1楽音データとして出力させない。複数の鍵124Aのうちの他の鍵、及び鍵124Bの鍵についても同様である。
【0053】
コントロールデータ決定部123として機能する複数の鍵124Cのうち、
図8の左に配置されている鍵、即ち第1楽音データ決定部121として機能する鍵124Aに近い鍵であるほど、第1楽音データの音量を大きくするコントロールデータに対応する。
図8の右に配置されている鍵、即ち第2楽音データ決定部122として機能する鍵124Bに近い鍵であるほど、第2楽音データの音量を大きくするコントロールデータに対応する。
【0054】
例として、コントロールデータ決定部123として機能する複数の鍵124Cのうち最も左に配置されている鍵は、第1楽音データの全ての音楽的構成要素をONにし第2楽音データの全ての音楽的構成要素をOFFにするコントロールデータに対応する。コントロールデータ決定部123として機能する複数の鍵124Cのうち最も右に配置されている鍵は、第1楽音データの全ての音楽的構成要素をOFFにし第2楽音データの全ての音楽的構成要素をONにするコントロールデータに対応する。
【0055】
以上の構成を備えることで、実施の形態4に係る楽音出力装置100は、実施の形態1及び実施の形態3に係る楽音出力装置100と同様の効果を実現できる。実施の形態4に係る楽音出力装置100は、第1楽音データとしての複数の楽音データそれぞれの各音楽的構成要素、第2楽音データとしての複数の楽音データそれぞれの各音楽的構成要素及び複数のコントロールデータは、鍵盤124に含まれる複数の鍵にそれぞれ対応付けられており、ユーザは複数の楽音データ内の各音楽的構成要素を直感的にユーザが希望するようにミックス可能であることを利点とする。
【0056】
即ち、ユーザは鍵盤124を介して入力を受け付けることで、楽曲の演奏に用いる装置を楽曲のミックスのための入力装置として利用することができ、装置数又は部品数を削減することができる。
【0057】
また、タグが付与された音楽的構成要素毎に出力する楽音データを切り換えることで、より複雑な楽曲のアレンジを実現することができる。
【0058】
コントロールデータ決定部123として機能する鍵124Cを、第1楽音データ決定部121として機能する鍵124Aに近い鍵であるほど第1楽音データの音量を大きくするコントロールデータに対応し、第2楽音データ決定部122として機能する鍵124Bに近い鍵であるほど第2楽音データの音量を大きくするコントロールデータに対応するという配置にすることで、ユーザに鍵盤124の位置からミックスの傾向を把握させることができ、ユーザによるより直感的な操作を可能にすることができる。
【0059】
(実施の形態5)
実施の形態5に係る楽音出力装置100について、図面を参照して説明する。実施の形態5に係る楽音出力装置100は、オリジナル楽音データにタグを付与して楽音データを生成する。その他の実施の形態に係る楽音出力装置100においても、このようなタグが付与された第1の楽音データ及び第2の楽音データを用いている。各楽音データに含まれる各音楽的構成要素は、トラック単位で管理せずに、発明者が付与したタグ単位で管理している。これにより本願発明は、特に、複数のダンスミュージックのミックスを良好に行うことができる点を利点とする。例えば、ダンスミュージックにおいて特に重要なパートであるキックのパートは、スタンダードドラムのトラックのなかから抽出し、楽音出力装置100のコンピュータが、すぐにキックのパートを識別できるようにタグを付与して管理している。
【0060】
オリジナル楽音データは、楽曲を構成する複数の音楽的構成要素を含み、それぞれの音楽的構成要素についてノートオフ又はノートオンの命令、音量・音質・音色を示すデータを含む。オリジナル楽音データは例えばスタンダードMIDIファイルであるが、これに限られるものではない。オリジナル楽音データはROM150に記憶されている。
【0061】
プロセッサ110は、ユーザによる、オリジナル楽音データに含まれる音楽的構成要素に対して適切だと考えるタグを付与させる入力装置120を介した入力に従い、オリジナル楽音データの音楽的構成要素にタグ付けを行う。
【0062】
図9(A)は、タグ付け前のオリジナル楽音データAの構成を示す図であり、
図9(B)は、オリジナル楽音データAにタグ付けされて生成された楽音データAの構成を示す図である。
図9(A)に示すように、オリジナル楽音データAは、トラック名がそれぞれPerc.、Drums、Bass、Chord1、Chord2である複数のトラックを有する。
図9(B)に示すように、プロセッサ110は、Perc.トラック、Bassトラック、Chord1トラック、Chord2トラックに、それぞれPercs、Bass、Melody、Chordのタグを付与する。プロセッサ110は、Drumsトラックに含まれる楽音のうちノートナンバーが35又は36である楽音にKickのタグを付与し、ノートナンバーが35及び36でない楽音にDrumsのタグを付与する。上記のようにタグを付与することで、プロセッサ110はタグ付けされていないオリジナル楽音データAから楽音データAを生成する。
【0063】
図10(A)は、タグ付け前のオリジナル楽音データBの構成を示す図であり、
図10(B)は、オリジナル楽音データBにタグ付けされて生成された楽音データBの構成を示す図である。
図10(A)に示すように、オリジナル楽音データBは、トラック名がそれぞれPerc.、Kick、Drums、Bass、Chord1、Chord2である複数のトラックを有する。
図10(B)に示すように、プロセッサ110は、Perc.トラック、Kickトラック、Drumsトラック、Bassトラック、Chord1トラック、Chord2トラックに、それぞれPercs、Kick、Drums、Bass、Melody、Chordのタグを付与し、楽音データBを生成する。
【0064】
プロセッサ110は、
図9(B)に示す楽音データAの例のように、一つのトラックに複数のタグを付与しても良い。
図10(B)に示すオリジナル楽音データBの例のように、トラックと一対一で対応するタグを付与しても良い。図示は省略するが、複数のトラックに対して一つのタグを付与しても良い。
【0065】
タグ付け前のオリジナル楽音データとタグ付けされて生成された楽音データの具体的な構成について説明する。
図11は、タグ付け前のオリジナル楽音データCの構成を示す図である。
図11に示すように、オリジナル楽音データCは、Organ 3 Lead、Organ 3 Harmony、Std Drumsという名前のトラックを含む。Std Drumsトラックはノートナンバー35であるキックに対応するデータを含む。オリジナル楽音データCは上記の三つのトラック以外のトラックも含むが、図示は省略する。
【0066】
図12は、オリジナル楽音データCにタグ付けされて生成された楽音データCの構成を示す図である。なお、下線は強調のために記載したものであって、データに下線が含まれると限るものではない。
図12に示すように、楽音データCでは、Organ 3 LeadトラックにMelodyタグ、Organ 3 HarmonyトラックにChordタグがそれぞれ付与されている。楽音データCでは、Std Drumsトラックのうちノートナンバー35であるデータが抜粋され、新たなトラックが生成されてKickタグが付与されている。Std Drumsトラックのうちノートナンバー35でないデータを含むトラックには、Drumsタグが付与されている。
【0067】
以上の構成を備えることで、実施の形態5に係る楽音出力装置100は、実施の形態1に係る楽音出力装置100と同様の効果を実現できる。
【0068】
オリジナル楽音データにタグを付与して楽音データを生成することで、任意の楽曲を用いてミックスを行うことができる。また、タグを付与する音楽的構成要素をユーザに選択させることで、ユーザが強調させたい音楽的構成要素を選択して強調することができ、ユーザの表現に合ったミックスを実現することが可能になる。
【0069】
(変形例)
以上に本発明の実施の形態について説明したが、この実施の形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施の形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0070】
プロセッサ110は、楽音データに含まれる全ての音楽的構成要素について楽音データを出力するとしたが、これに限られるものではない。楽音データに含まれる少なくとも一つの或る音楽的構成要素について楽音データを出力すれば良い。
【0071】
出力装置130は楽音を示す信号を出力する装置であるとしたが、これに限られるものではない。出力装置130は、楽音を音として出力する装置であっても良い。出力装置130はスピーカ、イヤホン、ヘッドホンを含み得るが、これに限られるものではない。
【0072】
コントロールデータは、楽音を出力する場合はON、出力しない場合はOFFのデータを有するとしたが、これに限られるものではない。ON及びOFFのデータを有さず、音量を0%とすることで楽音を出力しないことを表しても良い。
【0073】
実施の形態4に係る楽音出力装置100は鍵盤124を備えるとしたが、鍵盤124は第1楽音データ決定部121と、第2楽音データ決定部122と、コントロールデータ決定部123としての機能を有するのみでなく、楽音出力装置100が出力する楽音を直接入力する機能を有していても良い。即ち、楽音出力装置100は、鍵盤124を有する電子楽器(電子鍵盤楽器)であっても良い。
【0074】
実施の形態5において、プロセッサ110は、ユーザによる入力に従いタグ付けを行うとしたが、これに限られるものではない。プロセッサ110が、オリジナル楽音データに含まれる音楽的構成要素に対して適切だと判断するタグを付与しても良い。例えば、音楽的構成要素の楽音数を音楽的構成要素の拍数で割った値を指標とし、第1楽音データと第2楽音データとの間で指標が近い音楽的構成要素同士に同じタグを付与するようにしても良い。
【0075】
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた楽音出力装置100として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の楽音出力装置100を、本発明に係る楽音出力装置100として機能させることもできる。すなわち、実施の形態及び変形例で例示した楽音出力装置100による機能を実現させるためのプログラムを、既存の楽音出力装置100を制御するCPU等が実行できるように適用することで、本発明に係る楽音出力装置100として機能させることができる。また、本発明に係る方法は、楽音出力装置100を用いて実施できる。
【0076】
また、このようなプログラムの適用方法は任意である。プログラムを、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信しても良い。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成しても良い。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0078】
(付記1)
入力装置と、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、或る音楽的構成要素の出力音量を示す第1スタンダード音量データを含む第1楽音データと、前記或る音楽的構成要素の出力音量を示す第2スタンダード音量データを含む第2楽音データと、を前記入力装置へのユーザ操作に応じて重ね合わせて出力されるように制御する際に、前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、コントロールデータに含まれる第1音量データであって、前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素に対応する第1音量データに従う音量で出力されるように制御するとともに、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、前記コントロールデータに含まれる第2音量データであって、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素に対応する第2音量データに従う音量で出力されるように制御する、
楽音出力装置。
【0079】
(付記2)
前記或る音楽的構成要素は、少なくともバスドラムを示すキック、前記キックを除くドラム、パーカッション、ベース、メロディ、コードのいずれかを含む、
付記1に記載の楽音出力装置。
【0080】
(付記3)
前記第1楽音データ及び前記第2楽音データは、前記或る音楽的構成要素を識別するためのタグデータをそれぞれ含む、
付記1又は2に記載の楽音出力装置。
【0081】
(付記4)
前記プロセッサは、
第1オリジナル楽音データ及び第2オリジナル楽音データを読み込み、
読み込まれた前記第1オリジナル楽音データ及び前記第2オリジナル楽音データに前記タグデータをそれぞれ付与することにより、前記第1楽音データ及び前記第2楽音データを生成する、
付記3に記載の楽音出力装置。
【0082】
(付記5)
前記入力装置には前記コントロールデータが対応付けられており、
前記プロセッサは、
前記入力装置への第1ユーザ操作に応じて、前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素と、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素と、をそれぞれ前記第1スタンダード音量データで示される音量と前記第2スタンダード音量データで示される音量とで重ね合わせて出力されるように制御し、
前記第1楽音データと前記第2楽音データとを重ね合わせて出力されている際の前記入力装置への第2ユーザ操作に応じて、前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素に対応する第1音量データに従う音量で出力されるように制御するとともに、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、前記コントロールデータに含まれる第2音量データであって、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素に対応する第2音量データに従う音量で出力されるように制御する、
付記1から4のいずれか一つに記載の楽音出力装置。
【0083】
(付記6)
付記1から5のいずれか一つに記載の楽音出力装置と、鍵盤と、を備える、
電子楽器。
【0084】
(付記7)
楽音出力装置のコンピュータに、
或る音楽的構成要素の出力音量を示す第1スタンダード音量データを含む第1楽音データと、前記或る音楽的構成要素の出力音量を示す第2スタンダード音量データを含む第2楽音データと、を入力装置への操作に応じて重ね合わせて出力させる際に、前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、コントロールデータに含まれる第1音量データであって、前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素に対応する第1音量データに従う音量で出力されるように制御させるとともに、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、前記コントロールデータに含まれる第2音量データであって、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素に対応する第2音量データに従う音量で出力されるように制御させる、
楽音出力方法。
【0085】
(付記8)
楽音出力装置のコンピュータに、
或る音楽的構成要素の出力音量を示す第1スタンダード音量データを含む第1楽音データと、前記或る音楽的構成要素の出力音量を示す第2スタンダード音量データを含む第2楽音データと、を入力装置への操作に応じて重ね合わせて出力されるように制御させる際に、前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、コントロールデータに含まれる第1音量データであって、前記第1楽音データにおける前記或る音楽的構成要素に対応する第1音量データに従う音量で出力されるように制御させるとともに、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素は、前記コントロールデータに含まれる第2音量データであって、前記第2楽音データにおける前記或る音楽的構成要素に対応する第2音量データに従う音量で出力されるように制御させる、
プログラム。
【符号の説明】
【0086】
100…楽音出力装置、110…プロセッサ、120…入力装置、121…第1楽音データ決定部、122…第2楽音データ決定部、123…コントロールデータ決定部、124…鍵盤、124A,124B,124C…鍵、130…出力装置、140…RAM、150…ROM