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特許7371380硬貨認識装置、及び、その硬貨認識装置を用いる硬貨取扱装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】硬貨認識装置、及び、その硬貨認識装置を用いる硬貨取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 5/02 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
G07D5/02 101
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019137516
(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公開番号】P2021022093
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】三村 友則
【審査官】平野 貴也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-164758(JP,A)
【文献】特開2011-253463(JP,A)
【文献】特開2017-093654(JP,A)
【文献】特開2015-060564(JP,A)
【文献】特開平01-308950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 5/00 - 5/10
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取対象物が通る通路と、
前記読取対象物を搬送するための搬送ベルトと、
前記通路及び前記通路を通る前記読取対象物を撮像する2次元センサと、
画像に対して任意の処理を行う画像処理部と、
前記読取対象物の種類を判別する判別部と、
前記2次元センサによって事前に撮像された前記搬送ベルトが映っている事前ベルト撮像画像を予め記憶する記憶部と、を備え、
前記2次元センサは、任意のタイミングで前記搬送ベルトを連続して撮像して、現状の前記搬送ベルトが映っている現状ベルト撮像画像を連続して取得し、
前記画像処理部は、連続した前記現状ベルト撮像画像と前記事前ベルト撮像画像との差分をとることで、背景から前記搬送ベルトを排除した差分画像を連続して取得し、
前記判別部は、前記読取対象物として用いられる硬貨の中心よりも搬送方向の前側部分を先端部分とし、連続した前記差分画像の中から、前記硬貨の先端部分に相当する大きさと外形を有する部位を検知する
ことを特徴とする硬貨認識装置。
【請求項2】
読取対象物が通る通路と、
前記読取対象物を搬送するための搬送ベルトと、
前記通路及び前記通路を通る前記読取対象物を撮像する2次元センサと、
画像に対して任意の処理を行う画像処理部と、
前記読取対象物の種類を判別する判別部と、
前記2次元センサによって事前に撮像された前記搬送ベルトが映っている事前ベルト撮像画像を予め記憶する記憶部と、を備え、
前記2次元センサは、任意のタイミングで前記搬送ベルトを連続して撮像して、現状の前記搬送ベルトが映っている現状ベルト撮像画像を連続して取得し、
前記画像処理部は、連続した前記現状ベルト撮像画像から前記事前ベルト撮像画像の平均輝度値分の輝度を差し引くことで、背景の中の前記搬送ベルトが映っている部分の平均輝度値を低下させた差分画像を連続して取得し、
前記判別部は、前記読取対象物として用いられる硬貨の中心よりも搬送方向の前側部分を先端部分とし、連続した前記差分画像の中から、前記硬貨の先端部分に相当する大きさと外形を有する部位を検知する
ことを特徴とする硬貨認識装置。
【請求項3】
請求項2に記載の硬貨認識装置において、
前記判別部は、連続した前記現状ベルト撮像画像の平均輝度値と前記事前ベルト撮像画像の平均輝度値との差分を算出することで前記搬送ベルトの劣化を検知する
ことを特徴とする硬貨認識装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の硬貨認識装置において、
連続した前記現状ベルト撮像画像と前記事前ベルト撮像画像は、前記2次元センサで撮像された撮像画像のサイズである通常サイズよりもデータ量の少ない縮小画像である
ことを特徴とする硬貨認識装置。
【請求項5】
請求項4に記載の硬貨認識装置において、
連続した前記現状ベルト撮像画像と前記事前ベルト撮像画像から取得される連続した前記差分画像は、前記縮小画像となっており、
前記判別部は、前記縮小画像である連続した前記差分画像の中から予め定められた閾値以上の輝度値を有する画素部分を検知し、当該検知された画素部分が前記硬貨の先端部分に相当する大きさと外形を有する部位であるか否かを判定する
ことを特徴とする硬貨認識装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の硬貨認識装置において、
前記2次元センサで撮像された撮像画像の明るさを調整する輝度値調整部を有し、
前記判別部は、前記撮像画像の中に映る前記読取対象物の明るさが所望の範囲内に入るように、前記輝度値調整部に、前記撮像画像の明るさを調整させる
ことを特徴とする硬貨認識装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の硬貨認識装置において、
前記2次元センサの上方で前記2次元センサの周囲を囲むようにリング状に配置された照明と、
前記照明を制御する照明制御部と、
前記2次元センサで撮像された撮像画像の明るさを調整する輝度値調整部と、を有し、
前記照明制御部は、前記照明の一部分のみを点灯させ、
前記輝度値調整部は、前記撮像画像の明るさを調整する
ことを特徴とする硬貨認識装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の硬貨認識装置と、
前記読取対象物として用いられる硬貨が投入される入金部と、を備える
ことを特徴とする硬貨取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨認識装置、及び、その硬貨認識装置を用いる硬貨取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
硬貨を取り扱う硬貨取扱装置では、硬貨を認識(鑑別)する硬貨認識装置が用いられている。その硬貨認識装置には、搬送路を通過する硬貨を撮像する画像読取装置が用いられている。
【0003】
一般に、硬貨認識装置に用いられる画像読取装置は、物理的な検知センサ(位置センサ)で硬貨の位置を検知して、検知した硬貨を撮像する構成になっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
なお、硬貨認識装置に用いる画像読取装置として、CMOSイメージセンサの読取範囲を制御して硬貨の画像データを読み取り、読み取った硬貨の画像データに基づいて硬貨が読取部位に達したと判定する装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-284338号公報
【文献】特開2009-15499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の硬貨認識装置は、以下に説明するように、装置構成の簡略化を図るとともに、ゴミ等の異物を誤検知しないことが要望されていた。
【0007】
特許文献1に記載された従来の硬貨認識装置は、硬貨を検知するための物理的な検知センサ(走行路センサ等)を有しており、物理的な検知センサで硬貨がカメラ部の上に到来したことを検知して、硬貨の判別を開始する構成になっていた。しかしながら、物理的な検知センサや、物理的な検知センサと制御部との間を結ぶ配線は、装置の製造コストの低減を妨げる要因になっていた。
【0008】
また、特許文献1に記載された従来の硬貨認識装置は、物理的な検知センサ(位置センサ)で読取対象物を検知する際に、小さなゴミ等の異物と硬貨との区別ができないため、ゴミ等の異物を硬貨として誤検知してしまうことがあった。
【0009】
特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置は、イメージセンサの読取範囲を制限して読取対象物を検知するため、検知された物体が読取対象物としての硬貨であるのかゴミ等の異物であるのかが判別できず、ゴミ等の異物を硬貨として誤検知してしまうことがあった。つまり、特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置は、読取対象物の検知時に、硬貨の先端部分に相当する大きさと外形を有する部位を検知するものではなかった。
【0010】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、撮像画像を利用することで、装置構成の簡略化を実現するとともに、ゴミ等の異物の誤検知を抑制した硬貨認識装置、及び、その硬貨認識装置を用いる硬貨取扱装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、第1発明は、硬貨認識装置であって、読取対象物が通る通路と、前記読取対象物を搬送するための搬送ベルトと、前記通路及び前記通路を通る前記読取対象物を撮像する2次元センサと、画像に対して任意の処理を行う画像処理部と、前記読取対象物の種類を判別する判別部と、前記2次元センサによって事前に撮像された前記搬送ベルトが映っている事前ベルト撮像画像を予め記憶する記憶部と、を備え、前記2次元センサは、任意のタイミングで前記搬送ベルトを連続して撮像して、現状の前記搬送ベルトが映っている現状ベルト撮像画像を連続して取得し、前記画像処理部は、連続した前記現状ベルト撮像画像と前記事前ベルト撮像画像との差分をとることで、背景から前記搬送ベルトを排除した差分画像を連続して取得し、前記判別部は、前記読取対象物として用いられる硬貨の中心よりも搬送方向の前側部分を先端部分とし、連続した前記差分画像の中から、記硬貨の先端部分に相当する大きさと外形を有する部位を検知する構成とする。
【0012】
また、第2発明は、硬貨認識装置であって、読取対象物が通る通路と、前記読取対象物を搬送するための搬送ベルトと、前記通路及び前記通路を通る前記読取対象物を撮像する2次元センサと、画像に対して任意の処理を行う画像処理部と、前記読取対象物の種類を判別する判別部と、前記2次元センサによって事前に撮像された前記搬送ベルトが映っている事前ベルト撮像画像を予め記憶する記憶部と、を備え、前記2次元センサは、任意のタイミングで前記搬送ベルトを連続して撮像して、現状の前記搬送ベルトが映っている現状ベルト撮像画像を連続して取得し、前記画像処理部は、連続した前記現状ベルト撮像画像から前記事前ベルト撮像画像の平均輝度値分の輝度を差し引くことで、背景の中の前記搬送ベルトが映っている部分の平均輝度値を低下させた差分画像を連続して取得し、前記判別部は、前記読取対象物として用いられる硬貨の中心よりも搬送方向の前側部分を先端部分とし、連続した前記差分画像の中から、前記硬貨の先端部分に相当する大きさと外形を有する部位を検知する構成とする。
【0014】
また、第発明は、硬貨取扱装置であって、第1発明及び第2発明のいずれか1つの硬貨認識装置と、前記読取対象物として用いられる硬貨が投入される入金部と、を備える構成とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、撮像画像を利用することで、装置構成の簡略化を実現するとともに、ゴミ等の異物の誤検知を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1に係る硬貨認識装置を内蔵する硬貨取扱装置の一例としてのATM(現金自動預け払い機)の全体構成を示す斜視図である。
図2】実施形態1に係る硬貨認識装置の構成を示す説明図である。
図3】実施形態1に係る硬貨認識装置の構成を示す概略図である。
図4】読取対象物の通過位置を示す説明図である。
図5】撮像画像の例を示す概略図である。
図6】実施形態1における硬貨認識装置の動作を示すフローチャートである。
図7】読取対象物の通過位置を示す説明図である。
図8】画像の処理例を示す概略図(1)である。
図9】画像の処理例を示す概略図(2)である。
図10】画像の処理例を示す概略図(3)である。
図11】実施形態2における硬貨認識装置の動作を示すフローチャート(1)である。
図12A】実施形態2における硬貨認識装置の動作を示すフローチャート(2)である。
図12B】実施形態2における硬貨認識装置の動作を示すフローチャート(3)である。
図13】撮像画像の例を示す概略図(1)である。
図14】撮像画像の例を示す概略図(2)である。
図15】撮像画像の例を示す概略図(3)である。
図16】実施形態3における硬貨認識装置の動作を示すフローチャートである。
図17A】照明制御の一例を示す説明図(1)である。
図17B】照明制御の一例を示す説明図(2)である。
図18】グラデーション状の撮像画像の例を示す概略図である。
図19】実施形態4における硬貨認識装置の動作を示すフローチャートである。
図20】実施形態5における硬貨認識装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前記した特許文献1又は特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置には、以下のような課題があった。本発明は、以下の課題を解決することができる硬貨認識装置を提供することを意図している。以下の課題(1)から課題(3)については、後記する実施形態1乃至実施形態5で解決するものとする。また、以下の課題(4)については、後記する実施形態2及び実施形態4で解決するものとする。また、以下の課題(5)については、後記する実施形態3及び実施形態5で解決するものとする。
【0018】
課題(1)特許文献1に記載された従来の硬貨読取装置は、物理的な検知センサ(位置センサ)で読取対象物を検知するが、その物理的な検知センサや、物理的な検知センサと制御部との間を結ぶ配線が、装置の製造コストの低減を妨げる要因になっている、という課題があった。
【0019】
課題(2)特許文献1に記載された従来の硬貨読取装置は、物理的な検知センサ(位置センサ)で読取対象物を検知する際に、小さなゴミ等の異物と本来の読取対象物との区別ができないため、ゴミ等の異物を硬貨として誤検知してしまうことがある、という課題があった。つまり、特許文献1に記載された従来の硬貨読取装置は、小さなゴミ等の異物を判別し難いため、硬貨を検知してはいけないときにゴミ等の異物を硬貨として誤検知してしまい、動作が不安定になってしまうことがあった。
【0020】
課題(3)特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置は、イメージセンサの読取範囲を制限しているため、検知された物体が読取対象物としての硬貨であるのかゴミ等の異物であるのかが判別できず、ゴミ等の異物を硬貨として誤検知してしまうことがある、という課題があった。また、特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置は、イメージセンサの読取範囲を制限して読取対象物を検知するものであるが、短い間隔で撮像しないと読取対象物の先端部分を検知できない、という課題があった。このような特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置は、読取対象物が硬貨であるのかゴミ等の異物であるのかの判別や、硬貨の種類判別が困難なときがあった。また、硬貨の先端部分の検知が困難なため、硬貨がいつ通過したのかが検知できないことがあった。
【0021】
課題(4)特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置は、搬送ベルトの汚れや劣化により、撮像画像に映る搬送ベルトの部分の明るさ(平均輝度値)が明るく(高く)なり、搬送ベルトを読取対象物と誤って検知する、という課題があった。つまり、特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置は、硬貨の外形の判別が困難であり、検知されざるべきときに検知してしまい、ゴミ等の異物を硬貨として誤検知してしまうことがあった。
【0022】
課題(5)特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置は、読取対象物の材質や劣化等の影響で読取対象物の反射率が低下して、撮像画像が暗くなり、読取対象物の判別に支障が発生する、という課題があった。
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0024】
[実施形態1]
<硬貨取扱装置の構成>
以下、図1を参照して、本実施形態に係る硬貨認識装置を内蔵する硬貨取扱装置の構成について説明する。硬貨取扱装置は、硬貨を取り扱う装置である。図1は、硬貨取扱装置の一例としてのATM(Automatic Teller Machine:現金自動預け払い機)の全体構成を示す斜視図である。
【0025】
本実施形態では、硬貨取扱装置が金融機関や流通機関で用いられているATMとして構成されている場合を想定して説明する。ただし、硬貨取扱装置は、ATMだけでなく、金融機関や流通機関で用いられている硬貨自動入出金機、現金処理機、交通機関や流通機関で用いられている券売機、流通機関で用いられているキャッシュレジスター、自動販売機、その他の装置の形態であってもよい。
【0026】
図1に示すように、本実施形態1に係る硬貨取扱装置の一例としてのATM1は、媒体取扱部2と、表示操作部3と、通帳挿入排出口4と、紙幣入出金部5と、硬貨入出金部6と、を有している。
【0027】
媒体取扱部2は、カードやレシート等の各種媒体を取り扱う部位である。媒体取扱部2には、カードが挿入及び排出されるカード挿入排出口2aと、取引結果等が印字されたレシートが排出されるレシート排出口2bとが設けられている。
表示操作部3は、各種情報を表示するとともに、利用者による操作を受け付ける部位である。
【0028】
通帳挿入排出口4は、通帳が挿入及び排出される開口部である。
紙幣入出金部5は、紙幣が投入される入金部と紙幣が排出される出金部を兼ねた部位である。
硬貨入出金部6は、硬貨が投入される入金部と硬貨が排出される出金部を兼ねた部位である。ATM1は、硬貨入出金部6の下側の奥に、硬貨を読取対象物99として認識する硬貨認識装置10を有している。
【0029】
図2に示すように、硬貨認識装置10は、カメラ部15と、制御部clと、記憶部29と、を有している。
カメラ部15は、読取対象物99として硬貨の画像を読み取る画像読取装置である。
制御部clは、硬貨認識装置10の動作を制御する。制御部clは、マイクロコンピュータ等で構成されている。
記憶部29は、カメラ部15で撮像された撮像画像等を記憶するRAM等(random-access memory)等の記憶手段である。
【0030】
制御部clは、判別部cl1と、画像処理部cl2と、輝度値調整部cl3と、照明制御部cl4、を有している。
判別部cl1は、読取対象物99として用いられる硬貨の種類を判別(鑑別)する手段である。判別部cl1は、読取対象物99がカメラ部15の上に到来したことを検知する検知部を兼用する。
画像処理部cl2は、画像に対して任意の処理を行う手段である。画像処理部cl2は、カメラ部15のイメージセンサ21で撮像された通常サイズの撮像画像を記憶部29に記憶する。また、画像処理部cl2は、カメラ部15のイメージセンサ21で撮像された通常サイズの撮像画像を、通常サイズよりもデータ量の少ない縮小画像に変換して記憶部29に記憶する機能を有している。
輝度値調整部cl3は、カメラ部15のイメージセンサ21で撮像された撮像画像の明るさ(平均輝度値)を調整する手段である。
照明制御部cl4は、LED23(照明)の明るさを調整する手段である。
制御部clは、CPU(central processing unit)がROM(read-only member)やRAM(random-access memory)等の記憶手段に予め格納された制御プログラムを実行することで、これらの各機能を実現する。
【0031】
<硬貨認識装置の構成>
以下、図2乃至図3を参照して、硬貨認識装置10の構成について説明する。図2は、硬貨認識装置10の構成を示す説明図である。図3は、硬貨認識装置10の構成を示す概略図である。
【0032】
図2に示すように、硬貨認識装置10は、搬送路11(通路)と、搬送ベルト12と、プーリー13と、ゲート14と、前記したカメラ部15(画像読取装置)と、前記した制御部clと、前記した記憶部29と、を備えている。
【0033】
搬送路11は、硬貨を含む各種の読取対象物99が通過する通路である。
搬送ベルト12は、読取対象物99を搬送する搬送手段である。搬送ベルト12は、搬送路11上に搬送路11に沿って配置されている。本実施形態では、搬送ベルト12の色が白色であるものとして説明する。
プーリー13は、搬送ベルト12を張架する部材であり、回転することで搬送ベルト12を走行させる。
ゲート14は、通過可能な読取対象物99の厚さ(高さ)を規制することで、読取対象物99を1枚ずつに分離させる分離手段である。ゲート14は、通過可能な読取対象物99の厚さ(高さ)として、取り扱うことが想定される最大の厚みを有する硬貨(例えば、日本では、500円硬貨)の1枚分の厚さ(高さ)に規制している。
【0034】
なお、本実施形態では、硬貨認識装置10は読取対象物99の搬送手段として搬送ベルト12とプーリー13とを有する構成になっている。しかしながら、硬貨認識装置10は、読取対象物99を落下させる構成にすることができる。この場合に、硬貨認識装置10は、読取対象物99の搬送手段としての搬送ベルト12とプーリー13を排除することができる。
【0035】
搬送路11の途中には、ガラス32が配置されており、ガラス32の下側にカメラ部15が配置されている。ガラス32は、カメラ部15のLED23(図3参照)から出射した光が透過することが可能な透明性を有している。ガラス32の配置エリアは、カメラ部15の撮像エリアに相当する。
【0036】
カメラ部15は、筒型の筐体31を備えている。本実施形態では、筐体31が円筒形状を呈しているものとして説明する。
【0037】
硬貨認識装置10は、プーリー13に張架された搬送ベルト12を走行させることで、ゲート14で読取対象物99を1枚ずつに分離しながら、搬送路11に沿って読取対象物99を下流側(矢印A99参照)に向けて搬送する。その際に、読取対象物99は、ガラス32及びカメラ部15の上を通過する。
【0038】
硬貨認識装置10は、前記した特許文献1に記載された従来の硬貨認識装置で用いられていた物理的な検知センサ(位置センサ)を排除するために、後記するように、連続して撮像画像を取得し、撮像画像を用いて読取対象物99がカメラ部15上に到来したことを検知する。カメラ部15は、ガラス32の下側から撮像して、読取対象物99が映り込んだ撮像画像を取得し、撮像画像を判別部cl1に出力する。判別部cl1は、撮像画像に基づいて、読取対象物99の種類の判別(鑑別)を行う。
【0039】
図3に示すように、カメラ部15(画像読取装置)は、イメージセンサ21と、レンズ22と、LED23(光源)と、を有している。
【0040】
イメージセンサ21は、搬送路11(通路)及び搬送路11を通る読取対象物99を撮像する撮像センサである。ここでは、イメージセンサ21がCMOSイメージセンサ等の2次元受光センサ(2次元センサ)であるものとして説明する。イメージセンサ21は、筐体31の内部の底面部に配置されている。
レンズ22は、光をイメージセンサ21に結像する部材である。レンズ22は、イメージセンサ21の上方に配置されている。
LED23は、搬送路11を通る読取対象物99に光を当てる照明である。LED23は、イメージセンサ21の上方で、イメージセンサ21の周囲を囲むようにリング状に複数個配置されている。LED23によって形成されるリングの直径は、読取対象物99として取り扱うことが想定される最大径の硬貨の直径(例えば、日本では、500円硬貨の直径である26.5mm)よりも大きい。
【0041】
<硬貨認識装置の動作>
以下、図4乃至図6を参照して、硬貨認識装置10の動作について説明する。図4は、読取対象物99の通過位置を示す説明図である。図5は、撮像画像の例を示す概略図である。図6は、硬貨認識装置10の動作を示すフローチャートである。
【0042】
図4は、1枚の読取対象物99が搬送路11に沿って矢印A99の方向に搬送される際に、通過位置P11,P12,P13を通過することを示している。通過位置P11は、ガラス32の配置エリア(カメラ部15の撮像エリア)よりも手前側の位置である。通過位置P12は、読取対象物99の先端部分がガラス32の配置エリア(カメラ部15の撮像エリア)に入っている位置である。通過位置P13は、読取対象物99全体がガラス32の配置エリア(カメラ部15の撮像エリア)の中央に入ってる位置である。通過位置P13は、読取対象物99の種類判別を行う際に最も良好な撮像画像を取得することができる位置(以下、「最適位置」と称する)である。
【0043】
図5は、左から順番に、撮像画像I11(読取対象物到来前撮像画像)と、撮像画像I12(読取対象物到来時撮像画像)と、判別用撮像画像I13と、を示している。読取対象物99は、予め定められた閾値以上の輝度値を有する物体として撮像画像の中に映り込む。
【0044】
撮像画像I11は、読取対象物99が通過位置P11(図4参照)を通過したときにカメラ部15によって取得された画像である。つまり、撮像画像I11は、読取対象物99がカメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)に到来する前の撮像画像である。撮像画像I11は、取得時に、画像処理部cl2によって通常サイズよりもデータ量の少ない縮小画像に変換されている。画像処理部cl2は、イメージセンサ21で撮像された通常サイズの撮像画像を所望のアルゴリズムに基づいて圧縮したりデータを間引いたりすることで、縮小画像としての撮像画像I11を作成する(以下、同様)。なお、本実施形態では、撮像画像I11等の縮小画像は、予め定めた閾値によって各画素の輝度値がハイとローとに区分された2値画像になっているものとして説明する。
【0045】
撮像画像I12は、読取対象物99が通過位置P12(図4参照)を通過したときにカメラ部15によって取得された画像である。つまり、撮像画像I12は、読取対象物99がカメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)に到来した時の撮像画像である。撮像画像I12は、取得時に、画像処理部cl2によって通常サイズよりもデータ量の少ない縮小画像に変換されている。
【0046】
判別用撮像画像I13は、読取対象物99が通過位置P13(図4参照)を通過したときにカメラ部15によって撮像された画像である。判別用撮像画像I13は、通常サイズ画像となっている。判別用撮像画像I13は、読取対象物99の種類を判別するための撮像画像として用いられる。
【0047】
これらの画像は、以下のようにして取得される。
例えば、硬貨認識装置10は、搬送ベルト12を走行させて読取対象物99の搬送を開始する。これと同時に、硬貨認識装置10は、カメラ部15を作動させて、ガラス32を介して搬送路11(通路)及び搬送路11を通る読取対象物99を連続して撮像する。これにより、硬貨認識装置10は、撮像画像を連続して取得する。
【0048】
その際に、撮像を開始してからカメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)への読取対象物99の到来(到達)が検知されるまでの期間(以下、「到来前の期間」と称する)において、硬貨認識装置10は、撮像画像として、縮小画像を連続して取得する。縮小画像は、通常サイズよりもデータ量の少ない画像である。縮小画像は、サイズを圧縮した画像であってもよいし、データが間引きされた画像であってもよい。図5に示す左から1番目と2番目の撮像画像I11,I12は、到来前の期間において、取得された縮小画像である。
【0049】
硬貨認識装置10は、到来前の期間において取得された連続した撮像画像(ここでは、撮像画像I11,I12等)の中から、読取対象物99として用いられる硬貨の先端部分に相当する大きさと外形を有する部位を判別部cl1で検知する。これによって、硬貨認識装置10は、カメラ部15の撮像エリアへの読取対象物99の到来検知を行う。このような硬貨認識装置10は、読取対象物99がカメラ部15の上に到来したことを検知する検知部として、判別部cl1を機能させることができる。このような硬貨認識装置10は、ゴミ等の異物を硬貨として誤検知することを抑制することができる。
【0050】
また、硬貨認識装置10は、通常サイズよりもデータ量の少ない縮小画像に基づいて読取対象物99の到来検知を行うことができる。そのため、硬貨認識装置10は、到来検知を高速に(つまり短い時間で)行うことができる。また、硬貨認識装置10は、イメージセンサ21の分解能よりも小さな塵埃等の異物を除外して演算することができる。これによっても、硬貨認識装置10は、さらに、ゴミ等の異物の誤検知を抑制することができる。
【0051】
一方、カメラ部15の撮像エリアに読取対象物99が到来した後の期間(以下、「到来後の期間」と称する)において、硬貨認識装置10は、硬貨認識装置10は、撮像画像として、通常サイズ画像(標準サイズ画像)を連続して取得する。通常サイズ画像は、読取対象物99の種類判別が可能な標準サイズ画像であってもよいし、標準サイズ画像よりも拡大された画像であってもよい。図5に示す右から1番目の判別用撮像画像I13は、到来後の期間において、取得された通常サイズ画像である。
【0052】
硬貨認識装置10は、到来後の期間において、連続した通常サイズ画像に基づいて、読取対象物99の種類を判別する。このような硬貨認識装置10は、通常サイズ画像に基づいて種類判別を行うため、読取対象物99の種類を正確に判別することができる。
【0053】
以下、図6を参照して、硬貨認識装置10の動作の一例について説明する。硬貨認識装置10は、硬貨取扱装置であるATM1(図1参照)から読取対象物99の種類判別指示を受けることで動作を開始する。
【0054】
図6に示すように、まず、硬貨認識装置10の制御部clは、照明(LED23)を点灯し(S105)、搬送ベルト12を走行させて読取対象物99の搬送を開始する(S110)。読取対象物99は、ゲート14を通過する際に、1枚ずつに分離された搬送される。
【0055】
次に、硬貨認識装置10のカメラ部15は、イメージセンサ21で搬送路11を連続して撮像する。そして、硬貨認識装置10の画像処理部cl2は、撮像された画像を記憶部29に記憶する。その際に、硬貨認識装置10の画像処理部cl2は、撮像された画像を縮小画像に変換することで、搬送路11の縮小画像を連続して取得し(S115)、取得された縮小画像を記憶部29に記憶する。図5に示す左から1番目と2番目の撮像画像I11,I12は、このとき取得された縮小画像の一例である。
【0056】
次に、硬貨認識装置10の判別部cl1は、連続した縮小画像の中に、予め定められた閾値以上の平均輝度値を有する予め定められたサイズ以上の物体があるか否かを判定する(S120)。S120の判定で、該当物体があると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理はS125に進む。一方、該当物体がないと判定された場合(“No”の場合)に、処理はS115に戻る。
【0057】
次に、硬貨認識装置10の判別部cl1は、連続した縮小画像の中に映る該当物体の先端位置(最先端個所の位置)・大きさ・外形を検出する(S125)。ここで、読取対象物99が硬貨である場合に、読取対象物99の先端部分は、以下の条件を満たす。
(1)読取対象物99の先端部分は、予め定められた閾値以上の輝度値を有している。
(2)読取対象物99の先端部分は、先端(最先端個所)がカメラ部15の撮像エリアに入ってから搬送方向(図2に示す矢印A99参照)に向けて搬送されるにつれて、硬貨の先端部分に相当する大きさと外形とを有する部位となっている。
【0058】
そこで、硬貨認識装置10は、S125からS135の処理を行うことで、該当物体がこのような条件を満たすか否かを判定する。これにより、硬貨認識装置10は、該当物体が硬貨の先端部分であるか否かを判定して、該当物体が硬貨の先端部分であると判定される場合に、硬貨がカメラ部15の撮像エリアに到来(到達)したと判定する。
【0059】
S125の後、硬貨認識装置10の判別部cl1は、該当物体の大きさが閾値以上であるか否か判定する(S130)。この閾値は、読取対象物99として取り扱うことが想定される最小径の硬貨(例えば、日本では、1円硬貨)の大きさ(最先端個所からの広がり具合)に応じて予め定められたものである。ここで、「最先端個所からの広がり具合」とは、物体の最先端個所がカメラ部15の撮像エリアに入ってから搬送方向(図2に示す矢印A99参照)に向けて任意の距離(例えば、1mm)だけ搬送されたときの、撮像画像に映る物体の左右方向の長さを意味している。
【0060】
S130の判定で、該当物体の大きさが閾値以上であると判定された場合(“Yes”の場合)に、硬貨認識装置10の判別部cl1は、該当物体の形状が円弧形状であるか否かを判定する(S135)。
【0061】
S130の判定で、該当物体の大きさが閾値以上でないと判定された場合(“No”の場合)に、硬貨認識装置10の判別部cl1は、該当物体を異物として判定する(S140)。また、S135の判定で、該当物体の形状が円弧形状でないと判定された場合(“No”の場合)に、硬貨認識装置10の判別部cl1は、該当物体を異物として判定する(S140)。
【0062】
S135の判定で、該当物体の形状が円弧形状であると判定された場合(“Yes”の場合)に、硬貨認識装置10の判別部cl1は、該当物体が硬貨であり、硬貨がカメラ部15の撮像エリアに到来(到達)したと判定する(S150)。
【0063】
S150の後、硬貨認識装置10のカメラ部15は、イメージセンサ21で搬送路11を連続して撮像する。そして、硬貨認識装置10の画像処理部cl2は、搬送路11の通常サイズ画像を連続して取得して(S155)、取得された縮小画像を記憶部29に記憶する。図5に示す右から1番目の判別用撮像画像I13は、このとき連続して取得された通常サイズ画像の中の1つであり、かつ、読取対象物99が最適位置である通過位置P13に到来した時に取得された画像(以下、「最適位置到来時の判別用撮像画像」と称する場合がある)である。
【0064】
硬貨認識装置10は、搬送路11の連続した通常サイズ画像の中のどの画像が最適位置到来時の判別用撮像画像であるのかを特定するために、以下のS160の処理を行う。すなわち、S155の後、硬貨認識装置10の判別部cl1は、最適位置への読取対象物99としての硬貨の到来時間Tを算出する(S160)。なお、硬貨の到来時間Tは、以下の式(1)に基づいて算出することができる。
T=((L+r)/S) …(1)
【0065】
ここで、「T」は硬貨の到来時間である。
「L」は、ガラス32の配置エリアの端部から中央までの距離である(図4参照)。
「r」は、読取対象物99の半径である(図4参照。
「S」は、読取対象物99の搬送速度(搬送ベルト12の搬送速度)である。
なお、読取対象物99の半径rは、読取対象物99の外形の広がり具合から判別される。
【0066】
硬貨認識装置10は、読取対象物99の先端(最先端個所)がカメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)に入った直後(又は直前)に撮像された通常サイズ画像を基準の画像として、基準の画像の取得時から硬貨の到来時間経過した時に取得された通常サイズ画像を、最適位置到来時の判別用撮像画像として処理することができる。
【0067】
S160の後、硬貨認識装置10の判別部cl1は、最適位置到来時の判別用撮像画像(図5に示す例では、判別用撮像画像I13)に基づいて、読取対象物99の外形を検出する。そして、硬貨認識装置10の判別部cl1は、最適位置到来時の判別用撮像画像(図5に示す例では、判別用撮像画像I13)の読取対象物99の内側部分に基づいて、読取対象物99としての硬貨の種類を判別(鑑別)する(S165)。
【0068】
S165の後、硬貨認識装置10の制御部clは、全ての読取対象物99の搬送が終了したか否かを判定する(S170)。S170の判定で、全ての読取対象物99の搬送が終了していないと判定された場合(“No”の場合)に、処理はS115に戻る。一方、全ての読取対象物99の搬送が終了したと判定された場合(“Yes”の場合)に、硬貨認識装置10の制御部clは、照明(LED23)を消灯し(S175)、搬送ベルト12を停止させて読取対象物99の搬送を終了する(S180)。これにより、一連のルーチンの処理が終了する。
【0069】
<硬貨認識装置の主な特徴>
(1)本実施形態1に係る硬貨認識装置10は、読取対象物99の種類判別時に、イメージセンサ21で搬送路11及び搬送路11の上を通過する読取対象物99を連続して撮像する。硬貨認識装置10の判別部cl1は、イメージセンサ21によって連続して撮像された搬送路11の撮像画像の中から、予め定められた閾値以上の輝度値を有する画素で構成された部位で、かつ、読取対象物99として用いられる硬貨の先端部分に相当する大きさと外形を有する部位を検知する。これによって、硬貨認識装置10は、読取対象物99(硬貨)がカメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)に到来したことを検知する。このような硬貨認識装置10は、読取対象物99がカメラ部15の上に到来したことを検知する検知部として、判別部cl1を用いる構成になっている。
【0070】
前記した特許文献1に記載された従来の硬貨認識装置は、読取対象物を検知するための物理的な検知センサ(位置センサ)を用いていた。これに対して、本実施形態1に係る硬貨認識装置10は、そのような物理的な検知センサを排除することができるため、装置の製造コストを低減することができる。したがって、本実施形態1に係る硬貨認識装置10は、撮像画像を利用することで、装置構成の簡略化を実現することができる。
【0071】
また、前記した特許文献1に記載された従来の硬貨認識装置は、読取対象物を検知するための物理的な検知センサ(位置センサ)を用いていたため、検知センサが異物等の影響を受けて、本来、読取対象物を検知しないときに、読取対象物を誤検知することがあった。また、特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置は、イメージセンサの読取範囲を制限している。そのため、特許文献2に記載された従来の硬貨認識装置は、検知された物体が読取対象物としての硬貨であるのかゴミ等の異物であるのかが判別できず、ゴミ等の異物を硬貨として誤検知してしまうことがあった。これに対して、本実施形態1に係る硬貨認識装置10は、読取対象物99として用いられる硬貨の先端部分に相当する大きさと外形を有する部位を検知するため、ゴミ等の異物を硬貨として誤検知することを抑制することができる。
【0072】
しかも、本実施形態1に係る硬貨認識装置10は、通常サイズよりもデータ量の少ない縮小画像に基づいて読取対象物99の到来検知を行うため、イメージセンサ21の分解能よりも小さな塵埃等の異物を除外して演算することができる。これによっても、硬貨認識装置10は、さらに、ゴミ等の異物を硬貨として誤検知することを抑制することができる。
【0073】
以上の通り、本実施形態1に係る硬貨認識装置10によれば、撮像画像を利用することで、装置構成の簡略化を実現するとともに、ゴミ等の異物の誤検知を抑制することができる。
【0074】
[実施形態2]
本実施形態2は、撮像画像の中から搬送ベルト12の部分を排除することで、読取対象物99の判別精度を向上させた硬貨認識装置10A(図示せず)を提供する。本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)は、実施形態1に係る硬貨認識装置10(図2及び図3参照)と同じ構成のものであり、動作のみが異なっている。
【0075】
以下、図7乃至図12Bを参照して、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)の動作について説明する。図7は、読取対象物99の通過位置を示す説明図である。図8図9、及び図10は、画像の処理例を示す概略図である。図11図12A、及び図12Bは、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)の動作を示すフローチャートである。
【0076】
図7は、1枚の読取対象物99が搬送ベルト12によって搬送されて搬送路11に沿って矢印A99の方向に搬送される際に、通過位置P11,P12,P13を通過することを示している。通過位置P11は、ガラス32の配置エリア(カメラ部15の撮像エリア)よりも手前側の位置である。通過位置P12は、読取対象物99の先端部分がガラス32の配置エリア(カメラ部15の撮像エリア)に入ってる位置である。通過位置P13は、読取対象物99全体がガラス32の配置エリア(カメラ部15の撮像エリア)の中央に入ってる位置である。通過位置P13は、最適位置(すなわち、読取対象物99の種類判別を行う際に最も良好な撮像画像を取得することができる位置)である。
【0077】
図8は、左から順番に、事前ベルト撮像画像I20(補正用画像)と、現状ベルト撮像画像I21と、差分画像I21a(判別用撮像画像)と、を示している。搬送ベルト12は、各画像の中に映り込む。
【0078】
事前ベルト撮像画像I20は、取引の間に、事前にイメージセンサ21によって撮像された撮像画像である。事前ベルト撮像画像I20は、読取対象物99を搬送しない状態で撮像されている。事前ベルト撮像画像I20は、少なくとも搬送ベルト12の全周分が連続して撮影されている。事前ベルト撮像画像I20は、縮小画像となっている。事前ベルト撮像画像I20は、連続して取得された撮影画像を積算して各画素毎に平均した画像、又は、最大値の画像が用いられるようにしてもよい。事前ベルト撮像画像I20は、読取対象物99が存在しない状態で、搬送ベルト12が映っている。事前ベルト撮像画像I20は、現状ベルト撮像画像I21に対して搬送ベルト12が映る部分の補正を行うための補正用画像として用いられる。事前ベルト撮像画像I20は、記憶部29に予め記憶される。
【0079】
現状ベルト撮像画像I21は、読取対象物99を搬送しない状態で撮像されている。現状ベルト撮像画像I21は、少なくとも搬送ベルト12の全周分が連続して撮影されている。現状ベルト撮像画像I21は、縮小画像となっている。
【0080】
差分画像I21aは、現状ベルト撮像画像I21と事前ベルト撮像画像I20との差分をとった画像である。現状ベルト撮像画像I21と事前ベルト撮像画像I20との差分は、例えば、搬送ベルト12の所定位置に任意のマークを付しておき、そのマークが撮像画像の中に映り込むタイミングで、各撮像画像を同期させることで行うことができる(以下、同様)。なお、現状ベルト撮像画像I21と事前ベルト撮像画像I20との差分は、マークの代わりに、プーリー13の回転位相を基準にして、各撮像画像を同期させることで行うこともできる。差分画像I21aは、縮小画像となっている。差分画像I21aは、読取対象物99の背景部分から搬送ベルト12を排除した構成になっている。
【0081】
図9は、左から順番に、前記した事前ベルト撮像画像I20と、現状ベルト撮像画像I22と、差分画像I22aと、を示している。
【0082】
現状ベルト撮像画像I22は、読取対象物99が通過位置P12を通過しているときにイメージセンサ21によって撮像された撮像画像である。現状ベルト撮像画像I22は、縮小画像となっている。現状ベルト撮像画像I22は、読取対象物99が通過位置P12(図7参照)を通過したときの現状の搬送ベルト12が映っている。
【0083】
差分画像I22aは、現状ベルト撮像画像I22と事前ベルト撮像画像I20との差分をとった画像である。差分画像I22aは、縮小画像となっている。差分画像I22aは、読取対象物99の背景部分から搬送ベルト12を排除するとともに、読取対象物99の先端部分に隠れていた搬送ベルト12を顕在化させた構成になっている。差分画像I22aは、読取対象物99の到来位置を検出するための位置検出用撮像画像として用いられる。
【0084】
なお、現状ベルト撮像画像I22等の撮像画像は、読取対象物99が映っている部分の平均輝度値が高くなることで、搬送ベルト12が隠れた状態になっている。本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)では、現状ベルト撮像画像I22と事前ベルト撮像画像I20との差分をとって、差分画像I22aを作成することで、読取対象物99の先端部分に隠れていた搬送ベルト12を顕在化させている。
【0085】
図10は、左から順番に、事前ベルト撮像画像I20aと、判別用撮像画像I23と、差分画像I23aと、を示している。
【0086】
事前ベルト撮像画像I20aは、事前ベルト撮像画像I20と同様に、取引の間に、事前にイメージセンサ21によって撮像された撮像画像である。事前ベルト撮像画像I20aは、読取対象物99を搬送しない状態で撮像されている。事前ベルト撮像画像I20は、少なくとも搬送ベルト12の全周分が連続して撮影されている。事前ベルト撮像画像I20aは、通常サイズ画像となっている。事前ベルト撮像画像I20aは、読取対象物99が存在しない状態で、搬送ベルト12が映っている。事前ベルト撮像画像I20aは、現状ベルト撮像画像I21に対して搬送ベルト12が映る部分の補正を行うための補正用画像として用いられる。事前ベルト撮像画像I20aは、記憶部29に予め記憶される。
【0087】
判別用撮像画像I23は、読取対象物99が通過位置P13を通過しているときにイメージセンサ21によって撮像された撮像画像である。判別用撮像画像I23は、読取対象物99を搬送しない状態で撮像されている。判別用撮像画像I23は、通常サイズ画像となっている。判別用撮像画像I23は、読取対象物99が通過位置P13(図7参照)を通過したときの現状の搬送ベルト12が映っている。
【0088】
差分画像I23aは、判別用撮像画像I23と事前ベルト撮像画像I20aとの差分をとった画像である。差分画像I23aは、通常サイズ画像となっている。差分画像I23aは、読取対象物99の背景部分から搬送ベルト12を排除するとともに、読取対象物99の先端部分に隠れていた搬送ベルト12を顕在化させた構成になっている。差分画像I23aは、読取対象物99の種類を判別するための判別用撮像画像として用いられる。
【0089】
図9及び図10に示すように、撮像画像中において、搬送ベルト12が映る部分と読取対象物99が映る部分とは、異なる輝度値を有している。したがって、搬送ベルト12と読取対象物99とが一緒に映っている撮像画像は、輝度分布を有している。
【0090】
図11に示すように、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)の処理は、実施形態1に係る硬貨認識装置10の処理(図6参照)と比較すると、S125の処理とS165の処理がサブルーチン化されている点で相違している。
【0091】
図12Aに示すように、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)では、S125で、以下の処理が行われる。
【0092】
まず、硬貨認識装置10A(図示せず)の判別部cl1(又は、画像処理部cl2)は、読取対象物99の搬送中に連続して撮像された撮像画像(例えば、図8に示す現状ベルト撮像画像I21や図9に示す現状ベルト撮像画像I22等)と事前ベルト撮像画像I20aとの差分をとる。これによって硬貨認識装置10A(図示せず)の判別部cl1(又は、画像処理部cl2)は、連続した差分画像(例えば、図8に示す差分画像I21aや図9に示す差分画像I22a等)を作成する(S125a)。次に、硬貨認識装置10A(図示せず)の判別部cl1は、差分画像に基づいて、該当物体の先端位置(最先端個所の位置)・大きさ・外形を検出する(S125b)。
【0093】
図12Bに示すように、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)では、S165で、以下の処理が行われる。
【0094】
まず、硬貨認識装置10A(図示せず)の判別部cl1(又は、画像処理部cl2)は、読取対象物99の搬送中に連続して撮像された撮像画像(例えば、図10に示す判別用撮像画像I23等)と事前ベルト撮像画像I20aとの差分をとる。これによって硬貨認識装置10A(図示せず)の判別部cl1(又は、画像処理部cl2)は、連続した差分画像(例えば、図10に示す差分画像I23a等)を作成する(S165a)。次に、硬貨認識装置10A(図示せず)の判別部cl1は、図11のS160で算出された最適位置への読取対象物99としての硬貨の到来時間に基づいて、最適位置到来時の差分画像(例えば、図10に示す差分画像I23a)を特定する(S165b)。次に、硬貨認識装置10A(図示せず)の判別部cl1は、最適位置到来時の差分画像に基づいて、読取対象物99の外形を検出する。そして、硬貨認識装置10A(図示せず)は、最適位置到来時の差分画像の読取対象物99の内側部分に基づいて、読取対象物99としての硬貨の種類を判別(鑑別)する(S165c)。
【0095】
このような本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)は、読取対象物99が存在しない状態で撮像された搬送ベルト12の事前ベルト撮像画像I20,I20a(図8図9図10参照)を補正用画像として予め用意しておく。そして、硬貨認識装置10A(図示せず)は、読取対象物99の検知(監視)用に連続して取得された現状ベルト撮像画像I21,I22と事前ベルト撮像画像I20との差分をとって差分画像I21a,I22aを作成する(図8図9参照)。また、硬貨認識装置10A(図示せず)は、読取対象物99の種類判別用の取得された判別用撮像画像I23と事前ベルト撮像画像I20との差分をとって差分画像I23aを作成する(図10参照)。
【0096】
硬貨認識装置10A(図示せず)は、差分画像I21a,I22a,I23a(図8図9図10参照)を取得することで、読取対象物99の背景部分に映り込む搬送ベルト12を排除したり、読取対象物99の先端部分に隠れている搬送ベルト12を顕在化させることができる。
【0097】
そして、硬貨認識装置10A(図示せず)は、連続して取得された差分画像I21a,I22a(図8図9参照)に基づいて、判別部cl1でカメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)への読取対象物99の到来の有無を検知(監視)する。差分画像I21a,I22a(図8図9参照)は、搬送ベルト12の影響を受けない縮小画像(つまり、搬送ベルト12が映っている部分がノイズとして誤って検知される可能性の低い縮小画像)である。硬貨認識装置10A(図示せず)は、このような差分画像I21a,I22aを用いることで、搬送ベルト12の影響を受けずに判別部cl1で読取対象物99の外形を検出することができる。そのため、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)は、実施形態1に係る硬貨認識装置10よりも、カメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)への読取対象物99の到来の有無を良好に検知(監視)することができる。
【0098】
また、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)は、差分画像I23a(図10参照)に基づいて、判別部cl1で読取対象物99の外形を検出する。差分画像I23a(図10参照)は、搬送ベルト12の影響を受けない通常サイズ画像(つまり、搬送ベルト12が映っている部分がノイズとして誤って検知される可能性の低い通常サイズ画像)である。したがって、硬貨認識装置10A(図示せず)は、搬送ベルト12の影響を受けずに読取対象物99の外形を検出することができる。そして、硬貨認識装置10A(図示せず)は、読取対象物99の外形を検出できれば、差分画像I23a(図10参照)の読取対象物99の内側部分に基づいて、読取対象物99としての硬貨の種類を判別(鑑別)することができる。そのため、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)は、実施形態1に係る硬貨認識装置よりも、読取対象物99としての硬貨の種類の判別精度を向上させることができる。
【0099】
このような本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)は、実施形態1に係る硬貨認識装置と同様に、従来の硬貨認識装置で用いられていた物理的な検知センサを排除することができるため、装置の製造コストを低減することができる。したがって、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)は、実施形態1に係る硬貨認識装置10と同様に、撮像画像を利用することで、装置構成の簡略化を実現するとともに、ゴミ等の異物の誤検知を抑制することができる。
【0100】
また、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)は、読取対象物99が存在しない状態で搬送ベルト12の撮像画像を連続して取得して補正データ(例えば、補正用画像としての事前ベルト撮像画像I20,I20a(図8乃至図10参照))を作成することにより搬送ベルト12の劣化の影響を受けずに硬貨の検出が可能となる。また、読取対象物99が存在しない状態で搬送ベルト12の撮像画像を連続して取得してチェックすることで、物理的な検知センサを用いることなく、搬送ベルト12の極端な劣化や異常を検出することができる。例えば、搬送ベルト12の劣化個所や異常個所は光の反射率が高くなる。そこで、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)は、搬送ベルト12が映っている撮像画像(現状ベルト撮像画像I21,I22等)を連続して取得し、取得された撮像画像の中から、画素の輝度値が予め定めた閾値を超える個所を検知する。このような個所は、搬送ベルト12の反射率が高くなっている個所であり、搬送ベルト12の劣化個所や異常個所に相当する。硬貨認識装置10A(図示せず)は、このような個所を検知することで、搬送ベルト12の劣化個所や異常個所として検知することができる。
【0101】
なお、搬送ベルト12の劣化個所や異常個所の検知は、ATM1(図1参照)の運用時ではなく、ATM1(図1参照)の点検・保守時にテストモードとして行うようにしてもよい。また、搬送ベルト12の劣化個所や異常個所の検知は、画像同士の比較ではなく、閾値を超えるか否かの判別で行うことで、検知を高速に(つまり短い時間で)行うことができる。
【0102】
以上の通り、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)によれば、実施形態1に係る硬貨認識装置10と同様に、撮像画像を利用することで、装置構成の簡略化を実現するとともに、ゴミ等の異物の誤検知を抑制することができる。
しかも、本実施形態2に係る硬貨認識装置10A(図示せず)によれば、実施形態1に係る硬貨認識装置10よりも、読取対象物99としての硬貨の判別精度を向上させることができる。
【0103】
[実施形態3]
読取対象物99は、劣化すると、色が黒ずんだり傷が付いたりして、反射率が低下する傾向にあるため、カメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)への到来検知や種類判別の精度を低下させてしまう可能性がある。そこで、本実施形態3は、読取対象物99が劣化している場合であっても、カメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)への読取対象物99の到来検知や読取対象物99の種類判別を良好に行うことができる硬貨認識装置10B(図示せず)を提供する。本実施形態3に係る硬貨認識装置10B(図示せず)は、実施形態1に係る硬貨認識装置10(図2及び図3参照)と同じ構成のものであり、動作のみが異なっている。
【0104】
以下、図13乃至図16を参照して、本実施形態3における硬貨認識装置10B(図示せず)の動作について説明する。図13図14、及び図15は、撮像画像の例を示す概略図である。図16は、本実施形態3に係る硬貨認識装置10B(図示せず)の動作を示すフローチャートである。
【0105】
本実施形態3に係る硬貨認識装置10B(図示せず)は、照明制御部cl4によって照明(LED23)の一部分のみを点灯させたり消灯させたりすることができる構成になっている。
【0106】
図13は、画像の明るさを判断するための、例えば輝度ヒストグラムの明るい方の数割の平均輝度値(以降の説明の「平均輝度値」はすべて同じ意味であるものとする。)が予め定められた上限閾値を超えた状態(すなわち、明る過ぎる状態)になっている撮像画像の一例を示している。図13は、左から順番に、撮像画像I211,I212と、判別用撮像画像I213と、を示している。撮像画像I211,I212は、それぞれ、読取対象物99が通過位置P11,P12(図4参照)を通過したときにカメラ部15によって撮像された画像である。撮像画像I211,I212は、縮小画像となっている。判別用撮像画像I213は、読取対象物99が通過位置P13(図4参照)を通過したときにカメラ部15によって撮像された画像である。判別用撮像画像I213は、通常サイズ画像となっている。
【0107】
図14は、明るさ(平均輝度値)が予め定められた下限閾値を下まわる状態(すなわち、暗過ぎる状態)になっている撮像画像の一例を示している。図14は、左から順番に、撮像画像I221,I222と、判別用撮像画像I223と、を示している。撮像画像I221,I222は、それぞれ、読取対象物99が通過位置P11,P12(図4参照)を通過したときにカメラ部15によって撮像された画像である。撮像画像I221,I222は、縮小画像となっている。判別用撮像画像I223は、読取対象物99が通過位置P13(図4参照)を通過したときにカメラ部15によって撮像された画像である。判別用撮像画像I223は、通常サイズ画像となっている。
【0108】
図15は、明るさ(平均輝度値)が予め定められた下限閾値から上限閾値までの範囲内に入っている状態(すなわち、最適な状態)になっている撮像画像の一例を示している。図15は、左から順番に、撮像画像I231,I232と、判別用撮像画像I233と、を示している。撮像画像I231,I232は、それぞれ、読取対象物99が通過位置P11,P12(図4参照)を通過したときにカメラ部15によって撮像された画像である。撮像画像I231,I232は、縮小画像となっている。判別用撮像画像I233は、読取対象物99が通過位置P13(図4参照)を通過したときにカメラ部15によって撮像された画像である。判別用撮像画像I233は、通常サイズ画像となっている。
【0109】
図13図14図15に示す撮像画像I211,I221,I231は、それぞれ、撮像画像I212,I222,I232の補正用画像である。本実施形態3に係る硬貨認識装置10B(図示せず)は、例えば、図16に示すように動作する。
【0110】
図16に示すように、硬貨認識装置10B(図示せず)の照明制御部cl4は、読取対象物99の種類判別を行う場合に、反射率の低下した読取対象物99であっても一定以上の明るさで撮像画像の中に映り込む程度に、最初にLED23(照明)を明るく点灯(発光)させる(S305)。S305の処理は、例えば図6に示す例では、S105の処理時に行われる。
【0111】
なお、最初にLED23(照明)を明るく点灯(発光)させる理由は、仮にLED23(照明)を暗く点灯(発光)させると、カメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)への読取対象物99の到来を検知できなくなる可能性があるからである。つまり、最初にLED23(照明)を明るく点灯(発光)させる理由は、反射率の低い読取対象物99であっても、カメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)への読取対象物99の到来を確実に検知するためである。
【0112】
S305の後、硬貨認識装置10B(図示せず)のカメラ部15は、イメージセンサ21でガラス32及びカメラ部15の上を通過する読取対象物99を連続して撮像する。そして、硬貨認識装置10B(図示せず)の画像処理部cl2は、撮像された画像を記憶部29に記憶する。これにより、硬貨認識装置10B(図示せず)は、読取対象物99が通過位置P12に到来したときに取得された、読取対象物99が映り込んでいる撮像画像I212(図13参照)を取得する(S310)。
【0113】
次に、硬貨認識装置10B(図示せず)の判別部cl1は、撮像画像I212(図13参照)に映り込んでいる読取対象物99の部分の明るさ(平均輝度値)を演算する(S315)。読取対象物99の部分の明るさ(平均輝度値)には、下限値と上限値とが予め定められている。下限値と上限値とは記憶部29(図2参照)に記憶されている。硬貨認識装置10B(図示せず)の判別部cl1は、読取対象物99の部分の明るさ(平均輝度値)が予め定められた下限値から上限値までの範囲(以下、「適正な範囲」と称する)内であるか否かを判定する(S320)。
【0114】
S320の判定で、読取対象物99の部分の明るさ(平均輝度値)が不適正であると判定された場合(“No”の場合)に、硬貨認識装置10B(図示せず)の照明制御部cl4は、読取対象物99が通過位置P13に到達する前に、LED23(照明)の明るさを変更する(S325)。この後、処理は、S310に戻る。
【0115】
例えば、S320の判定で、撮像画像I212(図13参照)のように読取対象物99の部分の明るさ(平均輝度値)が明る過ぎる(高過ぎる)場合に、硬貨認識装置10B(図示せず)の照明制御部cl4は、LED23(照明)の明るさを暗くする(下げる)。
【0116】
なお、S325の処理で、仮に、LED23(照明)の明るさを暗くし過ぎた(下げ過ぎた)とする。この場合に、S310で、硬貨認識装置10B(図示せず)のカメラ部15は、撮像画像I222(図14参照)のように読取対象物99の部分の明るさ(平均輝度値)が暗過ぎる撮像画像を取得する。なお、撮像画像I222(図14参照)は、明るさ(平均輝度値)が暗過ぎるため、判別部cl1が読取対象物99の位置を検知できない可能性がある。しかしながら、前回の撮像画像(LED23(照明)の明るさを変更する前の撮像画像)から読取対象物99の通過位置を推測できるため、判別部cl1は、推測された通過位置に読取対象物99が到達しているものとみなして、読取対象物99の部分の明るさ(平均輝度値)を確認することができる。そして、硬貨認識装置10B(図示せず)は、読取対象物99が通過位置P13に到達する前に、再度S325で、照明制御部cl4によって、LED23(照明)の明るさを変更する。これにより、S310で、硬貨認識装置10B(図示せず)は、撮像画像I232(図15参照)のように読取対象物99の部分の明るさ(平均輝度値)が適正な撮像画像を取得することができる。
【0117】
一方、S320の判定で、読取対象物99の部分の明るさ(平均輝度値)が適正であると判定された場合(“Yes”の場合)に、硬貨認識装置10B(図示せず)の判別部cl1は、判別用撮像画像I233(図15参照)に基づいて、読取対象物99の外形を検出する。そして、硬貨認識装置10の判別部cl1は、判別用撮像画像I233(図15参照)の読取対象物99の内側部分に基づいて、読取対象物99としての硬貨の種類を判別する(S330)。判別用撮像画像I233は、読取対象物99が最適位置である通過位置P13を通過するタイミングで取得された通常サイズ画像である。S330では、硬貨認識装置10B(図示せず)は、照明(LED23)の明るさを変化させることなく連続して通常サイズ画像を撮像し、その中から、通過位置P13を通過するタイミングで取得された画像を、判別用撮像画像I233として用いる。S330の処理は、例えば図6に示す例では、S155からS165までの処理に相当する。
【0118】
本実施形態3における硬貨認識装置10B(図示せず)は、読取対象物99が通過位置P13に到達する前までに、LED23(照明)の明るさを読取対象物99としての硬貨の種類判別に最適な明るさに調整することができる。そのため、硬貨認識装置10B(図示せず)は、判別用撮像画像I233(図15参照)のような通常サイズ画像を取得することができる。判別用撮像画像I233(図15参照)のような通常サイズ画像は、読取対象物99の反射率の影響を受けない画像であり、読取対象物99としての硬貨の種類判別に最適な画像である。
【0119】
このような本実施形態3における硬貨認識装置10B(図示せず)は、LED23(照明)を比較的明るくした状態で取得された撮像画像に基づいて最適な明るさに調節することで、読取対象物99の経年変化等による劣化による反射率の変化や読取対象物99の素材の違いによる反射率の変化による影響を低減することができる。そのため、硬貨認識装置10B(図示せず)は、読取対象物99の位置の検知(監視)や読取対象物99の種類の判別を良好に行うことができる。
【0120】
本実施形態3では、硬貨認識装置10B(図示せず)は、最初にLED23(照明)を明るく点灯(発光)させた状態で読取対象物99の明るさ(反射率)を演算している。しかしながら、LED23(照明)を明るく点灯(発光)させた状態で撮像画像を取得した場合に、明る過ぎる撮像画像が取得されることで、撮像画像の明るさ(平均輝度値)が飽和するため、LED23(照明)を暗くして撮像画像を再度取得する。このような撮像画像を再度取得する処理を排除するために、硬貨認識装置10B(図示せず)は、図17A及び図17Bに示すようにリング状に配置されたLED23(照明)の一部分を点灯させたり消灯させたりする。図17Aは、読取対象物99の搬送方向に対して左側のLED23(照明)を全て発光させ、右側のLED23(照明)を全て消灯させた状態を示している。図17Bは、読取対象物99の搬送方向に対して左側のLED23(照明)を全て発光させるとともに、右側のLED23(照明)を中央付近から右端部に進むにつれて明るさ(発光量)を落とした状態を示している。このような硬貨認識装置10B(図示せず)は、図18に示すようなグラデーション状の撮像画像I242を取得することができる。硬貨認識装置10B(図示せず)は、グラデーション画像の事前に演算しておいたLED23(照明)と読取対象物99の通過位置における光の減衰率との関係により、読取対象物99が最適位置である通過位置P13で取得された撮像画像I242が最適な明るさになるように、LED23(照明)の各部位の明るさ(発光量)を算出することも可能である。
【0121】
以上の通り、本実施形態3に係る硬貨認識装置10B(図示せず)によれば、他の実施形態に係る硬貨認識装置10,10Aと同様に、撮像画像を利用することで、装置構成の簡略化を実現するとともに、ゴミ等の異物の誤検知を抑制することができる。
しかも、本実施形態3に係る硬貨認識装置10B(図示せず)によれば、LED23(照明)の各部位の明るさ(発光量)を変化させることができる。そのため、他の実施形態に係る硬貨認識装置10,10Aに比べて、読取対象物99が劣化している場合であっても、カメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)への読取対象物99の到来検知や読取対象物99の種類判別を良好に行うことができる。
【0122】
[実施形態4]
本実施形態4は、判別部cl1で搬送ベルト12の劣化を判別することができる硬貨認識装置10C(図示せず)を提供する。本実施形態4に係る硬貨認識装置10C(図示せず)は、実施形態1に係る硬貨認識装置10(図2及び図3参照)と同じ構成のものであり、動作のみが異なっている。
【0123】
以下、図19を参照して、本実施形態4に係る硬貨認識装置10C(図示せず)の動作について説明する。図19は、本実施形態4に係る硬貨認識装置10C(図示せず)の動作を示すフローチャートである。
【0124】
図19に示すように、本実施形態4に係る硬貨認識装置10C(図示せず)の処理は、実施形態1に係る硬貨認識装置10の処理(図6参照)と比較すると、S105の処理とS110の処理の間でS405からS420の処理を行う点、S115の後にS435の処理を行う点、S160の後にS445の処理を行う点で相違している。
【0125】
具体的には、本実施形態4に係る硬貨認識装置10C(図示せず)の制御部clは、S105の後に、搬送ベルト12を走行させる(S405)。同時に、硬貨認識装置10C(図示せず)のカメラ部15は、イメージセンサ21で搬送路11及び搬送ベルト12を連続して撮像する。その際に、硬貨認識装置10の画像処理部cl2は、撮像された画像を縮小画像に変換することで、ベルト画像(現状ベルト撮像画像I21,I22等)を連続して取得し(S410)、取得された縮小画像を記憶部29に記憶する。この後、硬貨認識装置10C(図示せず)の判別部cl1は、取得された各ベルト画像の平均輝度値(明るさ)を演算し(S415)、搬送ベルト12の劣化の有無を判別する(S420)。搬送ベルト12の劣化個所は、予め定められた上限閾値を超える明るさを有している。硬貨認識装置10C(図示せず)の判別部cl1は、搬送ベルト12の全周分の連続したベルト画像に対して、このような予め定めた上限閾値を超える明るさを有する個所の有無を判別することで、搬送ベルト12の劣化の有無を判別することができる。
【0126】
また、本実施形態4に係る硬貨認識装置10C(図示せず)の画像処理部cl2は、S115の後に、連続したベルト画像(現状ベルト撮像画像I21,I22等(図8及び図9参照))から補正用画像(事前ベルト撮像画像I20(図8及び図9参照)))の平均輝度値分の輝度を差し引くことで、輝度値の差し引き処理を行う(S435)。これにより、硬貨認識装置10C(図示せず)は、背景の中の搬送ベルト12が映っている部分の平均輝度値(明るさ)を低下させた差分画像(差分画像I21a,I22a等(図8及び図9参照))を連続して取得する。
【0127】
また、本実施形態4に係る硬貨認識装置10C(図示せず)の画像処理部cl2は、S160の後に、連続したベルト画像(判別用撮像画像I23等(図10参照))から補正用画像(事前ベルト撮像画像I20a(図10参照)))の平均輝度値分の輝度を差し引くことで、輝度値の差し引き処理を行う(S445)。これにより、硬貨認識装置10C(図示せず)は、背景の中の搬送ベルト12が映っている部分の平均輝度値(明るさ)を低下させた差分画像(差分画像I23a等(図10参照))を連続して取得する。
【0128】
S445の後、硬貨認識装置10C(図示せず)は、S165で、連続した差分画像(差分画像I23a等(図10参照))の中から、読取対象物99としての硬貨の先端部分に相当する大きさと外形を有する部位を検知する。
【0129】
このような本実施形態4に係る硬貨認識装置10C(図示せず)によれば、他の実施形態に係る硬貨認識装置10,10A,10Bと同様に、撮像画像を利用することで、装置構成の簡略化を実現するとともに、ゴミ等の異物の誤検知を抑制することができる。
しかも、本実施形態4に係る硬貨認識装置10C(図示せず)によれば、LED23(照明)の各部位の明るさ(発光量)を変化させることができる。そのため、他の実施形態に係る硬貨認識装置10,10A,10Bに比べて、判別部cl1で搬送ベルト12の劣化を判別することができる。
【0130】
[実施形態5]
本実施形態5は、前記した実施形態3に係る硬貨認識装置10B(図示せず)と同様に、読取対象物99が劣化している場合であっても、カメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)への読取対象物99の到来検知や読取対象物99の種類判別を良好に行うことができる硬貨認識装置10D(図示せず)を提供する。本実施形態5に係る硬貨認識装置10D(図示せず)は、実施形態1に係る硬貨認識装置10(図2及び図3参照)と同じ構成のものであり、動作のみが異なっている。
【0131】
以下、図20を参照して、本実施形態5に係る硬貨認識装置10D(図示せず)の動作について説明する。図20は、本実施形態5に係る硬貨認識装置10D(図示せず)の動作を示すフローチャートである。
【0132】
図20に示すように、本実施形態5に係る硬貨認識装置10D(図示せず)の処理は、実施形態1に係る硬貨認識装置10の処理(図6参照)と比較すると、S120の判定で、連続した縮小画像の中に、予め定められた閾値以上の平均輝度値(明るさ)を有する予め定められたサイズ以上の物体があると判定された場合(“Yes”)に、S505とS510の処理を行う点、S160の後にS520の処理を行う点で相違している。
【0133】
具体的には、本実施形態5に係る硬貨認識装置10D(図示せず)の判別部cl1は、S120の判定で、連続した縮小画像の中に、予め定められた閾値以上の平均輝度値(明るさ)を有する予め定められたサイズ以上の物体があると判定された場合(“Yes”)に、物体が映る部分の最大輝度値を演算する(S505)。物体が映る部分の最大輝度値は、読取対象物99の反射率の変化に応じて変化する。読取対象物99の反射率は、例えば読取対象物99の素材が劣化したり読取対象物99に傷が付いたりすることで、低下する。そこで硬貨認識装置10D(図示せず)の輝度値調整部cl3は、物体が映る部分の最大輝度値が予め定められた下限値から上限値の範囲内に入るように、撮像画像の平均輝度値(明るさ)の調整を行う(S510)。
【0134】
また、本実施形態5に係る硬貨認識装置10D(図示せず))の輝度値調整部cl3は、S160の後に、撮像画像の平均輝度値(明るさ)の調整を行う(S520)。
【0135】
このような本実施形態5に係る硬貨認識装置10D(図示せず)によれば、他の実施形態に係る硬貨認識装置10,10A,10B,10Cと同様に、撮像画像を利用することで、装置構成の簡略化を実現するとともに、ゴミ等の異物の誤検知を抑制することができる。
しかも、本実施形態5に係る硬貨認識装置10D(図示せず)によれば、実施形態3に係る硬貨認識装置10B(図示せず)と同様に、読取対象物99が劣化している場合であっても、カメラ部15の撮像エリア(ガラス32の配置エリア)への読取対象物99の到来検知や読取対象物99の種類判別を良好に行うことができる。
【0136】
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0137】
例えば、前記した実施形態は、本発明の要旨を分かり易く説明するために詳細に説明したものである。そのため、本発明は、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、本発明は、ある構成要素に他の構成要素を追加したり、一部の構成要素を他の構成要素に変更したりすることができる。また、本発明は、一部の構成要素を削除することもできる。
【0138】
また、例えば、本発明は、硬貨を取り扱う硬貨取扱装置であれば、ATM(現金自動預け払い機)だけでなく、金融機関や流通機関で用いられている硬貨自動入出金機、現金処理機、交通機関や流通機関で用いられている券売機、流通機関で用いられているキャッシュレジスター、自動販売機、その他の装置に利用することができる。
【0139】
例えば、前記した本実施形態2では、硬貨認識装置10A(図示せず)は、事前に搬送ベルト12の補正用画像(事前ベルト撮像画像I20,I20a)を準備している。そして、硬貨認識装置10A(図示せず)は、到来検知用撮像画像(現状ベルト撮像画像I21,I22)との差分画像I21a,I22aや判別用撮像画像(判別用撮像画像I23)との差分画像I23aを取得することで、搬送ベルト12の影響を回避した。しかしながら、硬貨認識装置10A(図示せず)は、到来検知用撮像画像(現状ベルト撮像画像I21,I22)の全体や判別用撮像画像(判別用撮像画像I23)の全体から、単純に搬送ベルト12の平均輝度値(明るさ)を演算して、演算された平均輝度値分の明るさを一律に引くようにしてもよい。つまり、硬貨認識装置10A(図示せず)は、搬送ベルト12の影響を受けない程度に、到来検知用撮像画像(現状ベルト撮像画像I21,I22)の全体や判別用撮像画像(判別用撮像画像I23)の全体の平均輝度値から、各画像の中の一番明るい部分の平均輝度値分を一律に引くことで、搬送ベルト12を消す調整を行うことができる。このような画像処理は、搬送ベルト12がバラついてしまって上手く差分が取れない場合に、有効である。
【0140】
例えば、前記した本実施形態3では、硬貨認識装置10B(図示せず)は、LED23(照明)の明るさ(発光量)を変化させて、撮像画像の明るさ(平均輝度値)を最適な明るさに調整している。しかしながら、硬貨認識装置10B(図示せず)は、イメージセンサ21のシャッタ速度や図示せぬアンプのゲイン等を調整して、最適な明るさ(平均輝度値)の撮像画像を取得するようにしてもよい。シャッタ速度は露光時間に関連する。シャッタ速度が速ければ暗くなり、遅くすれば明るくなる。ただし、シャッタ速度を遅くし過ぎると、画像が流れる(ぶれる)現象が発生する。図示せぬアンプのゲインはアナログで入ってきた信号を増幅する際に利用する。多少暗い画像であっても、図示せぬアンプのゲインを増幅することで明るくすることができる。
【符号の説明】
【0141】
1 ATM(硬貨取扱装置)
2 媒体取扱部
2a カード挿入排出口
2b レシート排出口
3 表示操作部
4 通帳挿入排出口
5 紙幣入出金部
6 硬貨入出金部(入金部)
10 硬貨認識装置
11 搬送路(通路)
12 搬送ベルト
13 プーリー
14 ゲート
15 カメラ部(画像読取装置)
21 イメージセンサ(2次元センサ)
22 レンズ
23 LED(照明)
29 記憶部
31 筐体
32 ガラス
99 読取対象物
cl 制御部
cl1 判別部(検知部)
cl2 画像処理部
cl3 輝度値調整部
cl4 照明制御部
I11,I12,I211,I212,I221,I222,I231,I232,I242 撮像画像(縮小画像)
I13,I23,I213,I223,I233 判別用撮像画像(通常サイズ画像)
I20,I20a 事前ベルト撮像画像(縮小画像)
I21,I22 現状ベルト撮像画像(縮小画像)
I21a,I22a 差分画像(縮小画像)
I23a 差分画像(通常サイズ画像)
P11,P12,P13 通過位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20