(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】通信システム、親ゲートウェイ、子ゲートウェイおよびアドレス割当プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 61/00 20220101AFI20231024BHJP
【FI】
H04L61/00
(21)【出願番号】P 2019172815
(22)【出願日】2019-09-24
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 隆昭
(72)【発明者】
【氏名】小林 史人
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和樹
【審査官】大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-014123(JP,A)
【文献】特開2001-308920(JP,A)
【文献】特開2000-316002(JP,A)
【文献】特開2018-174409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの親WAN側ポートおよび複数の親LAN側ポートを有する親ゲートウェイと、
1つの子WAN側ポートおよび複数の子LAN側ポートを有し、前記子WAN側ポートを介して前記複数の親LAN側ポートのいずれかに接続される複数の子ゲートウェイとを備え、
前記親ゲートウェイは、前記複数の子ゲートウェイからのアドレス配布要求に応じて、子WAN側の第1のIPアドレスと、前記第1のIPアドレスとは異なる
セグメントの子LAN側の第2のIPアドレスとを、当該子ゲートウェイに配布する親制御回路を有し、
前記複数の子ゲートウェイは、前記親ゲートウェイに前記アドレス配布要求を送信し、これに応じて前記親ゲートウェイから配布された前記第1のIPアドレスを、自己の子WAN側に割り当てるとともに、前記親ゲートウェイから配布された前記第2のIPアドレスを、自己の子LAN側に割り当てる子制御回路を有する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記親制御回路は、前記複数の子ゲートウェイからのアドレス配布要求に応じて、当該アドレス配布要求で通知された子ゲートウェイの機種識別子に基づき、当該子ゲートウェイが予め設定されている対応機種か否か判定し、当該子ゲートウェイが前記対応機種である場合には、前記第1および第2のIPアドレスを配布し、当該子ゲートウェイが前記対応機種でない場合には、前記第1のIPアドレスのみを配布することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の通信システムにおいて、
前記子制御回路は、前記複数の子LAN側ポートを介して複数の通信端末と接続し、前記親ゲートウェイからのアドレス配布前に、前記複数の通信端末からアドレス配布要求があった場合、当該通信端末に対して任意のIPアドレスを割り当てるとともに、当該IPアドレスのリース期間として、予め規定されている第1のリース期間より短い第2のリース期間を割り当てることを特徴とする通信システム。
【請求項4】
1つの親WAN側ポートおよび複数の親LAN側ポートと、親制御回路とを備え、
前記親制御回路は、前記複数の親LAN側ポートに接続された複数の子ゲートウェイからのアドレス配布要求に応じて、子WAN側の第1のIPアドレスと、前記第1のIPアドレスとは異なる
セグメントの子LAN側の第2のIPアドレスとを、当該子ゲートウェイに配布する
ことを特徴とする親ゲートウェイ。
【請求項5】
1つの子WAN側ポートおよび複数の子LAN側ポートと、子制御回路とを備え、
前記子制御回路は、前記子WAN側ポートを介して接続された親ゲートウェイに、アドレス配布要求を送信し、これに応じて前記親ゲートウェイから配布された第1のIPアドレスを、自己の子WAN側に割り当てるとともに、前記親ゲートウェイから配布された第2のIPアドレスを、自己の子LAN側に割り当てる
ことを特徴とする子ゲートウェイ。
【請求項6】
1つの親WAN側ポートおよび複数の親LAN側ポートを有する親ゲートウェイと、1つの子WAN側ポートおよび複数の子LAN側ポートを有し、前記子WAN側ポートを介して前記複数の親LAN側ポートのいずれかに接続される複数の子ゲートウェイとを備える通信システムで用いられるアドレス割当プログラムであって、
前記複数の子ゲートウェイが、前記親ゲートウェイにアドレス配布要求を送信する第1のステップと、
前記親ゲートウェイが、前記複数の子ゲートウェイからのアドレス配布要求に応じて、子WAN側の第1のIPアドレスと、前記第1のIPアドレスとは異なる
セグメントの子LAN側の第2のIPアドレスとを、当該子ゲートウェイに配布する第2のステップと、
前記複数の子ゲートウェイが、前記親ゲートウェイから配布された前記第1のIPアドレスを、自己の子WAN側に割り当てるとともに、前記親ゲートウェイから配布された前記第2のIPアドレスを、自己の子LAN側に割り当てる第3のステップと
をコンピュータに実行させるアドレス割当プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段接続された各ゲートウェイに対してIPアドレスを割り当てるためのアドレス割当技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インターネットなどの通信網に対して複数の通信端末を接続する場合、ゲートウェイを階層的に多段接続した通信システムを構築する。このような通信システムで用いられるゲートウェイは、ルータ機能を有しており、1つのWAN側ポートと複数のLAN側ポートとの間、およびLAN側ポート間を、相互に中継接続する。したがって、上位の親ゲートウェイのLAN側ポートに、下位の子ゲートウェイのWAN側ポートを接続することにより、全体としてツリー構造をなす通信システムを構築できる。
【0003】
これにより、例えば、通信網からのIP電話回線に複数のIP電話端末を接続する場合、親ゲートウェイのWAN側ポートにIP電話網からのIP電話回線を接続するとともに、子ゲートウェイのLAN側ポートにIP電話端末を接続すれば、IP電話回線を用いた外線通話サービスに加えて、IP電話端末間の内線通話サービスを容易に提供することができる。また、子ゲートウェイでメタル電話回線にプロトコル変換すれば、IP電話端末に代えてメタル電話端末にも同様の通話サービスを提供できる。また、同様の接続形態で、通信網から配信される映像コンテンツを、配下の映像端末へ配信する映像配信サービスも容易に提供することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような通信システムでゲートウェイを接続する際、親ゲートウェイが配下の子ゲートウェイの各アドレスを動的に決定するDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)というプロトコルが用いられる(例えば、特許文献1など参照)。DHCPでは、クライアントからの要求に応じて、クライアントで用いるIPアドレスをサーバーが決定して通知するものとなっている。
【0006】
一方、ゲートウェイは、親ゲートウェイおよび子ゲートウェイのいずれにも使用できる兼用タイプであるため、工場出荷時、いずれのゲートウェイとして運用されるか決まっていないため、ゲートウェイのLAN側IPアドレスは、装置の初期値が固定的に設定されている。このため、現場での設置時において、このような工場出荷時の状態で親子接続すると、子ゲートウェイにおいて、親ゲートウェイからDHCPで割り当てられたWAN側のアドレスと、子ゲートウェイのLAN側のアドレスの初期値とが、同じネットワークセグメントとなって通信不可となる場合がある。
【0007】
このようなアドレスの重複が発生すると、正常な通信ができなくなるため、現場での設置作業において、設定PCから子ゲートウェイにログインして、LAN側のアドレスを異なるアドレスに変更するという、アドレス変更が必要となる。実際には、38台の子ゲートウェイを接続できるゲートウェイもあるため、アドレス変更に起因する設置作業負担が膨大となる場合もある。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、ゲートウェイ設置時におけるアドレス重複に起因する作業負担を削減できるアドレス割当技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、本発明にかかる通信システムは、1つの親WAN側ポートおよび複数の親LAN側ポートを有する親ゲートウェイと、1つの子WAN側ポートおよび複数の子LAN側ポートを有し、前記子WAN側ポートを介して前記複数の親LAN側ポートのいずれかに接続される複数の子ゲートウェイとを備え、前記親ゲートウェイは、前記複数の子ゲートウェイからのアドレス配布要求に応じて、子WAN側の第1のIPアドレスと、前記第1のIPアドレスとは異なるセグメントの子LAN側の第2のIPアドレスとを、当該子ゲートウェイに配布する親制御回路を有し、前記複数の子ゲートウェイは、前記親ゲートウェイに前記アドレス配布要求を送信し、これに応じて前記親ゲートウェイから配布された前記第1のIPアドレスを、自己の子WAN側に割り当てるとともに、前記親ゲートウェイから配布された前記第2のIPアドレスを、自己の子LAN側に割り当てる子制御回路を有するものである。
【0010】
また、本発明にかかる上記通信システムの一構成例は、前記親制御回路が、前記複数の子ゲートウェイからのアドレス配布要求に応じて、当該アドレス配布要求で通知された子ゲートウェイの機種識別子に基づき、当該子ゲートウェイが予め設定されている対応機種か否か判定し、当該子ゲートウェイが前記対応機種である場合には、前記第1および第2のIPアドレスを配布し、当該子ゲートウェイが前記対応機種でない場合には、前記第1のIPアドレスのみを配布するようにしたものである。
【0011】
また、本発明にかかる上記通信システムの一構成例は、前記子制御回路が、前記複数の子LAN側ポートを介して複数の通信端末と接続し、前記親ゲートウェイからのアドレス配布前に、前記複数の通信端末からアドレス配布要求があった場合、当該通信端末に対して任意のIPアドレスを割り当てるとともに、当該IPアドレスのリース期間として、予め規定されている第1のリース期間より短い第2のリース期間を割り当てるようにしたものである。
【0012】
また、本発明にかかる親ゲートウェイは、1つの親WAN側ポートおよび複数の親LAN側ポートと、親制御回路とを備え、前記親制御回路は、前記複数の親LAN側ポートに接続された複数の子ゲートウェイからのアドレス配布要求に応じて、子WAN側ポート用の第1のIPアドレスと、前記第1のIPアドレスとは異なるセグメントの子LAN側ポート用の第2のIPアドレスとを、当該子ゲートウェイに配布するようにしたものである。
【0013】
また、本発明にかかる子ゲートウェイは、1つの子WAN側ポートおよび複数の子LAN側ポートと、子制御回路とを備え、前記子制御回路は、前記子WAN側ポートを介して接続された親ゲートウェイに、アドレス配布要求を送信し、これに応じて前記親ゲートウェイから配布された第1のIPアドレスを、自己の子WAN側ポートに割り当てるとともに、前記親ゲートウェイから配布された第2のIPアドレスを、自己の子LAN側に割り当てるようにしたものである。
【0014】
また、本発明にかかるアドレス割当プログラムは、1つの親WAN側ポートおよび複数の親LAN側ポートを有する親ゲートウェイと、1つの子WAN側ポートおよび複数の子LAN側ポートを有し、前記子WAN側ポートを介して前記複数の親LAN側ポートのいずれかに接続される複数の子ゲートウェイとを備える通信システムで用いられるアドレス割当プログラムであって、前記複数の子ゲートウェイが、前記親ゲートウェイにアドレス配布要求を送信する第1のステップと、前記親ゲートウェイが、前記複数の子ゲートウェイからのアドレス配布要求に応じて、子WAN側の第1のIPアドレスと、前記第1のIPアドレスとは異なるセグメントの子LAN側の第2のIPアドレスとを、当該子ゲートウェイに配布する第2のステップと、前記複数の子ゲートウェイが、前記親ゲートウェイから配布された前記第1のIPアドレスを、自己の子WAN側に割り当てるとともに、前記親ゲートウェイから配布された前記第2のIPアドレスを、自己の子LAN側に割り当てる第3のステップとをコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、子ゲートウェイの子LAN側ポートには、子WAN側ポートと異なるIPアドレスが割り当てられることになり、子ゲートウェイにおいて、親ゲートウェイから割り当てられたWAN側ポートのアドレスと、子ゲートウェイのLAN側ポートのアドレスの初期値との重複を回避することができる。このため、ゲートウェイとして、親ゲートウェイおよび子ゲートウェイのいずれにも使用できる兼用タイプを用いる場合でも、現場での設置作業において、設定PCから子ゲートウェイにログインして、LAN側ポートのアドレスを異なるアドレスに変更するという、アドレス変更が不要となる。したがって、ゲートウェイ設置時におけるアドレス重複に起因する作業負担を大幅に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】通信システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかるIPアドレス割当動作を示すシーケンス図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかるIPアドレス割当動作を示すシーケンス図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかるIPアドレス割当の一例である。
【
図6】第2の実施の形態にかかるIPアドレス割当動作を示すシーケンス図である。
【
図7】第2の実施の形態にかかるIPアドレス割当動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる通信システム1について説明する。
図1は、通信システムの構成を示すブロック図である。
この通信システム1は、複数のゲートウェイを階層的に多段接続することにより、インターネットなどの通信網NWに対して複数の通信端末30を接続する通信システムである。
図1に示すように、通信システム1は、1つの親ゲートウェイ10と、親ゲートウェイ10の配下に接続されたn(nは2以上の整数)個の子ゲートウェイ20とから構成されている。
【0018】
本実施の形態にかかる通信システム1では、ゲートウェイとして2種類のゲートウェイが存在するが、これら親ゲートウェイ10および子ゲートウェイ20は、元々、1種類の共通したゲートウェイ、すなわち共通ゲートウェイGWからなる。したがって、予め親ゲートウェイ10および子ゲートウェイ20という機器が、別個に用意されているわけではなく、共通ゲートウェイGW間の接続関係によりそれぞれが親ゲートウェイ10や子ゲートウェイ20として動作する。
【0019】
このため、共通ゲートウェイGWは、以下で説明する親ゲートウェイ10と子ゲートウェイ20の両方の機能を備えている。本発明では、理解を容易とするため、便宜上、共通ゲートウェイGWのうち、通信網NW側の上位層に接続されたものを親ゲートウェイ10と呼び、通信端末30側の下位層に接続されたものを子ゲートウェイ20という。
【0020】
[親ゲートウェイ]
親ゲートウェイ10は、主な回路構成として、1つの親WAN側ポート11と、n個の親LAN側ポート(#1~#n)12と、親制御回路13とを備えている。
親WAN側ポート11は、通信回線L1を介して通信網NWと接続するためのポートである。親LAN側ポート12は、通信回線L2を介して子ゲートウェイ20のそれぞれと接続するためのポートである。親制御回路13は、CPUとメモリ回路を有するコンピュータであり、CPUとメモリ回路に格納されているアドレス割当プログラム等のプロクラムとを協働させることにより、親ゲートウェイ10における各種の処理機能を実現するよう構成されている。
【0021】
親制御回路13は、主な処理機能として、親WAN側ポート11を介して接続された通信網NWと、親LAN側ポート12を介して接続された子ゲートウェイ20とを中継接続する機能と、子ゲートウェイ20からのアドレス配布要求に応じて、DHCPなどのプロトコルに基づき、子WAN側ポート用の第1のIPアドレスと、第1のIPアドレスとは異なる値からなる子LAN側ポート用の第2のIPアドレスとを生成して、要求元の子ゲートウェイ20に配布する機能と、これらIPアドレスの貸し出しを許可する期間を示すリース期間として、予め規定されている規定リース期間(第1のリース期間)を要求元の子ゲートウェイ20に割り当てる機能とを有している。
【0022】
また、親制御回路13は、主な処理機能として、IPアドレスを配布する際、アドレス配布要求の要求元の子ゲートウェイ20のMACアドレスに基づき、当該子ゲートウェイ20が予め設定されている対応機種、すなわちLAN側IPアドレスの設定機能に対応している対応機種か否か判定する機能と、要求元の子ゲートウェイ20が対応機種である場合には、第1および第2のIPアドレスを配布し、要求元の子ゲートウェイ20が対応機種ではなく未対応機種である場合には、第1のIPアドレスのみを配布する機能とを有している。配布の際、第1のIPアドレスについては、DHCPフレームのクライアントIPアドレス欄に格納すればよく、第2のIPアドレスについては、DHCPフレームのオプション欄に格納すればよい。
【0023】
図2は、アドレス生成例を示す説明図である。各子ゲートウェイ20に対して、LAN側IPアドレスを配布する場合、各子ゲートウェイ20で共通の1つのセグメントに属するIPアドレスを生成してもよいが、子ゲートウェイ20ごとに個別のセグメントを割り当て、それぞれのセグメントに属するIPアドレスを生成してもよい。本発明では、IPアドレスを構成する、上位アドレス側から、第1、第2、第3、および第4の4つのセグメントアドレスのうち、第1~第3セグメントアドレスで特定されるアドレス空間をセグメントと呼ぶ。
【0024】
図2の例では、子ゲートウェイのLAN側に対して、セグメント「192.168.110」が割り当てられる。これにより、例えば、LAN側のポートに8台の通信機器が接続される場合、子ゲートウェイのLAN側のIPアドレスとして、セグメント「192.168.110」に属する8個のIPアドレス「192.168.110.2」~「192.168.110.9」が生成される。子ゲートウェイ20ごとに個別のセグメントを割り当てる場合には、子ゲートウェイのLAN側に対して互いに異なるセグメント、例えば、8台の子ゲートウェイに対して、「192.168.110」~「192.168.180」が各子ゲートウェイのLAN側に割り当てられる。
【0025】
[子ゲートウェイ]
子ゲートウェイ20は、主な回路構成として、1つの子WAN側ポート21と、n個の子LAN側ポート(#1~#n)22と、子制御回路23とを備えている。
子WAN側ポート21は、通信回線L2を介して親ゲートウェイ10と接続するためのポートである。子LAN側ポート22は、通信回線L3を介して通信端末30のそれぞれと接続するためのポートである。子制御回路23は、CPUとメモリ回路を有するコンピュータであり、CPUとメモリ回路に格納されているアドレス割当プログラム等のプロクラムとを協働させることにより、親ゲートウェイ10における各種の処理機能を実現するよう構成されている。なお、
図1では、子ゲートウェイ20のn個の子LAN側ポート(#1~#n)22のぞれぞれ通信端末30が接続されているが、子ゲートウェイ20の1つのLAN側ポートに複数の通信端末30がハブ接続されるように構成してもよい。
【0026】
子制御回路23は、主な処理機能として、子WAN側ポート21を介して接続された親ゲートウェイ10と、子LAN側ポート22を介して接続された通信端末30とを中継接続する機能と、親ゲートウェイ10への接続時あるいは電源投入時などの通信開始時に、親ゲートウェイ10にアドレス配布要求を送信する機能と、送信したアドレス配布要求に応じて親ゲートウェイ10から配布された第1のIPアドレスを、自己の子WAN側ポート21に割り当てるとともに、親ゲートウェイ10から配布された第2のIPアドレスを、自己の子LAN側に割り当てる機能とを有している。
【0027】
また、子制御回路23は、主な処理機能として、通信端末30からアドレス配布要求があった場合、DHCPなどのプロトコルに基づき、要求元の通信端末30用の第3のIPアドレスを生成して、要求元の通信端末30に配布する機能と、第3のIPアドレスの貸し出しを許可する期間を示すリース期間として、予め規定されている規定リース期間(第1のリース期間)を要求元の通信端末30に割り当てる機能とを有している。配布の際、第3のIPアドレスについては、DHCPフレームのクライアントIPアドレス欄に格納すればよく、リース期間については、DHCPフレームのオプション欄に格納すればよい。
【0028】
[共通ゲートウェイ]
次に、共通ゲートウェイGWについて説明する。前述したように、本実施の形態にかかる親ゲートウェイ10および子ゲートウェイ20は、元々、1種類の共通したゲートウェイ、すなわち共通ゲートウェイGWからなる。したがって、予め親ゲートウェイ10および子ゲートウェイ20という機器が、別個に用意されているわけではなく、共通ゲートウェイGW間の接続関係によりそれぞれが親ゲートウェイ10または子ゲートウェイ20として動作する。
【0029】
このため、共通ゲートウェイGWは、前述した親ゲートウェイ10と子ゲートウェイ20の両方の機能を備えている。具体的には、1つのWAN側ポート(11,21)と、n個のLAN側ポート#1~#n(12,22)と、制御回路(13,23)とを備えている。工場出荷時(設置時)において、WAN側ポートのIPアドレスは割り当てられていないものとし、LAN側ポートのIPアドレスは、初期値(固定値)「192.168.100.1」が割り当てられているものとする。
【0030】
共通ゲートウェイGWが、下位層から受信したアドレス配布要求の要求元が、LAN側IPアドレスのアドレス割当機能に対応している対応機種か、アドレス割当機能を有していない未対応機種かで、自己が親ゲートウェイ10であるか否か判定できる。具体的には、アドレス配布要求に含まれている要求元の機器の種別を示す識別子により、対応機種か否か判定できる。この際、メーカーと機種で対応機種が特定できるのであれば、要求元の機器のMACアドレスに基づき、対応機種か否か判定できる。
【0031】
具体的には、共通ゲートウェイGWの制御回路は、配下の機器からのアドレス配布要求の要求元に応じて、まず、要求元機器の識別子に基づき、要求元機器がアドレス割当機能を有している対応機種か否か判定する。子ゲートウェイ20からのアドレス配布要求である場合、要求元機器は対応機種と判定されるため、WAN側ポートとLAN側ポートのIPアドレスを配布する。一方、子ゲートウェイ20以外の機器からのアドレス配布要求である場合、要求元機器が通信端末30などの未対応機種であると判定されるため、一般的なアドレス配布動作と同様にLANIPアドレスを配布する。
【0032】
これにより、共通ゲートウェイGWを、子ゲートウェイ20に対してWAN側ポートとLAN側ポートのIPアドレスを配布する親ゲートウェイ10と、通信端末30に対してLANIPアドレスを配布する子ゲートウェイ20の両方として兼用できる。
【0033】
[第1の実施の形態の動作]
次に、
図3、
図4を参照して、本実施の形態にかかる通信システム1の動作について説明する。
図3、
図4は、第1の実施の形態にかかるIPアドレス割当動作を示すシーケンス図である。当該シーケンスにおける各ステップは、親制御回路13、子制御回路23のCPUとメモリ回路に格納されているアドレス割当プログラム等のプロクラムとを協働させることにより実行することができる。
子ゲートウェイ20の子制御回路23は、通信回線L2を介して親ゲートウェイ10に接続された場合(ステップS100)、親ゲートウェイ10に対してアドレス配布要求を送信する(ステップS101)。
【0034】
この際、共通ゲートウェイGWで説明したように、子ゲートウェイ20において、子WAN側ポート21のIPアドレスは未設定であり、LAN側のIPアドレスとしては、初期値(固定値)「192.168.100.1」が割り当てられているものとする。なお、親ゲートウェイ10の親WAN側ポート11のIPアドレスは、通信網NWから配布されたグローバルIPアドレスが設定されており、LAN側のIPアドレスとして、上記と同様に初期値(固定値)「192.168.100.1」が割り当てられているものとする。
【0035】
親ゲートウェイ10の親制御回路13は、子ゲートウェイ20からのアドレス配布要求に応じて、要求元機器の機種を確認する(ステップS102)。ここで、要求元機器が子ゲートウェイ20である場合、アドレス割当機能を有している対応機種であると判定される。これにより、親制御回路13は、当該子ゲートウェイ20に配布するIPアドレスのリース期間として予め規定されている規定リース期間を選択するとともに(ステップS103)、当該子ゲートウェイ20の子WAN側および子LAN側ポートのIPアドレスを生成し(ステップS104)、当該子ゲートウェイ20に配布する(ステップS105)。
【0036】
この際、具体的には、当該子ゲートウェイ20の子WAN側ポート21のIPアドレスとして、親ゲートウェイ10のLAN側ポート(#1~#n)12のIPアドレスと同一セグメント「192.168.100」で、当該セグメント内で未使用であるユニークなIPアドレス、例えば「192.168.100.2」が生成される。また、
図2に示したように、当該子ゲートウェイ20の子LAN側に対して、親ゲートウェイ10の配下で未使用であるユニークなセグメント、例えば「192.168.110」が割り当てられ、子LAN側のIPアドレスとして、当該セグメント内で未使用であるユニークなIPアドレス、例えば「192.168.110.1」が生成される。
【0037】
子制御回路23は、送信したアドレス配布要求に応じて親ゲートウェイ10から配布されたIPアドレスを取得し、自己の子WAN側のIPアドレスとして「192.168.100.2」を割り当て、子LAN側のIPアドレスとして、「192.168.110.1」を割り当てる(ステップS106)。また、これらIPアドレスのリース期間として、子ゲートウェイ20から配布された規定リース期間を設定する(ステップS107)。これにより、通信回線L2を介して親ゲートウェイ10と子ゲートウェイ20との間で、データ通信が開始される。
【0038】
なお、ステップS102において、アドレス配布要求の要求元機器がアドレス割当機能を有していない未対応機種であると判定された場合、親制御回路13は、当該要求元機器の子WAN側のIPアドレスとして、親ゲートウェイ10のLAN側のIPアドレスと同一セグメント「192.168.100」で、当該セグメント内で未使用であるユニークなIPアドレス、例えば「192.168.100.2」を生成し、規定リース期間とともに、当該要求元機器へ配布する。
【0039】
この後、
図4に示すように、子ゲートウェイ20の子LAN側ポート22のうち、例えばLAN側ポート#1に対し、通信回線L3を介して通信端末30が接続されて(ステップS110)、通信端末30からアドレス配布要求が送信された場合(ステップS111)、子制御回路23は、要求元の通信端末30の機種を確認する(ステップS112)。ここで、要求元機器が通信端末30である場合、アドレス割当機能を有していない未対応機種であると判定される。これにより、子制御回路23は、当該通信端末30に配布するIPアドレスのリース期間として予め規定されている規定リース期間を選択するとともに(ステップS113)、当該通信端末30のLANIPアドレスのみを生成し(ステップS114)、当該通信端末30に配布する(ステップS115)。
【0040】
この際、具体的には、当該通信端末30のLANIPアドレスとして、子ゲートウェイ20の子LAN側のIPアドレスと同一セグメント「192.168.110」で、当該セグメント内で未使用であるユニークなIPアドレス、例えば「192.168.110.2」が生成され、当該通信端末30に配布される。
【0041】
通信端末30は、送信したアドレス配布要求に応じて子ゲートウェイ20から配布されたIPアドレスを取得し、自己のLANIPアドレスとして「192.168.110.2」を割り当てる(ステップS116)。また、当該IPアドレスのリース期間として、子ゲートウェイ20から配布された規定リース期間を設定する(ステップS117)。これにより、通信回線L3を介して子ゲートウェイ20と通信端末30との間で、データ通信が開始される。以上のようなIPアドレス割当動作の結果、
図5のようにIPアドレスが割り当てられた状態となる。
【0042】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、親ゲートウェイ10が、子ゲートウェイ20からのアドレス配布要求に応じて、子WAN側の第1のIPアドレスと、第1のIPアドレスとは異なる値からなる子LAN側の第2のIPアドレスとを、当該子ゲートウェイ20に配布し、子ゲートウェイ20が、これに応じて親ゲートウェイ10から配布された第1のIPアドレスを、自己の子WAN側に割り当てるとともに、親ゲートウェイ10から配布された第2のIPアドレスを、自己の子LAN側に割り当てるようにしたものである。
【0043】
これにより、子ゲートウェイ20の子LAN側には、子WAN側と異なるIPアドレスが割り当てられることになり、子ゲートウェイ20において、親ゲートウェイ10からDHCPフレームで割り当てらたれWAN側ポートのアドレスと、子ゲートウェイ20のLAN側のアドレスの初期値との重複を回避することができる。このため、ゲートウェイとして、親ゲートウェイ10および子ゲートウェイ20のいずれにも使用できる兼用タイプを用いる場合でも、現場での設置作業において、設定PCから子ゲートウェイ20にログインして、LAN側ポートのアドレスを異なるアドレスに変更するという、アドレス変更が不要となる。したがって、ゲートウェイ設置時におけるアドレス重複に起因する作業負担を大幅に削減することが可能となる。
【0044】
また、本実施の形態において、親ゲートウェイ10が、子ゲートウェイ20からのアドレス配布要求に応じて、当該アドレス配布要求で通知された子ゲートウェイの機種識別子に基づき、当該子ゲートウェイが予め設定されている対応機種か否か判定し、当該子ゲートウェイが対応機種である場合には、第1および第2のIPアドレスを配布し、当該子ゲートウェイが対応機種でない場合には、第1のIPアドレスのみを配布するようにしてもよい。これにより、アドレス配布要求の要求元である要求元機器に関する、LAN側IPアドレスの設定機能への対応状況に応じて、IPアドレスを過不足なく適切に配布することが可能となる。したがって、対応機種と未対応機種のいずれにも対応でき、対応機種と未対応機種が混在して配下に接続される場合にも対応することが可能となる。
【0045】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる通信システム1について説明する。
第1の実施の形態では、子ゲートウェイ20に対して親ゲートウェイ10から子LAN側のIPアドレスが配布された後、通信端末30からアドレス配布要求が届いた場合を例として説明した。本実施の形態では、親ゲートウェイ10から子LAN側のIPアドレスが配布される前に、通信端末30からアドレス配布要求が届いた場合について説明する。
【0046】
子ゲートウェイ20を親ゲートウェイ10に接続する前に、通信端末30が子ゲートウェイ20に接続された場合、親ゲートウェイ10から子LAN側のIPアドレスが配布されるアドレス配布前に、通信端末30からアドレス配布要求が届くことになる。この際、子ゲートウェイ20の子LAN側のIPアドレスは初期値のままであるため、親ゲートウェイ10からのIPアドレス配布により、子LAN側ポート22のIPアドレスが変更される可能性が高い。
【0047】
親ゲートウェイ10からのIPアドレスの配布により子LAN側のIPアドレスが変更された場合、通信端末30とのデータ通信を正常に継続するためには、通信端末30に配布するLANIPアドレスを変更する必要が出てくる。特に、子ゲートウェイ20に対してそれまでとは異なる新たなセグメントが割り当てられた場合、新たなセグメントに属するIPアドレスに、早めに、通信端末30のWAN側ポートのIPアドレスを変更する必要がある。
【0048】
本実施の形態では、DHCPでは、配布したアドレスの貸し出しを許可する期間を示すリース期間に合わせて、リース期間の更新が行われることに着目し、親ゲートウェイ10からのアドレス配布前に、通信端末30に対して暫定用IPアドレスを配布する場合、そのリース期間として予め規定されている規定リース時間(第1のリース期間)より短い、暫定用リース期間(第2のリース期間)を設定するようにしたものである。これにより、親ゲートウェイ10からのアドレス配布に応じて、早めに、通信端末30のLANIPアドレスを変更することが可能となる。
【0049】
DHCPでは、規定リース期間としては、一般的に8日が使用されているが、実際には、通信端末30を子ゲートウェイ20に接続してから、子ゲートウェイ20を親ゲートウェイ10に接続するまでのタイムラグは、数時間以下であると想定されるため、例えば、3時間程度を暫定用リース期間として用いればよい。なお、子ゲートウェイ20と通信端末30との間のトラヒックや、子ゲートウェイ20や通信端末30の処理能力に余裕がある場合、暫定用リース期間を例えば1分前後としてもよい。これにより、親ゲートウェイ10からのIPアドレス配布に応じて、直ちに、通信端末30のLANIPアドレスを変更することが可能となる。
【0050】
本実施の形態において、子ゲートウェイ20の子制御回路23は、親ゲートウェイ10からのアドレス配布前に、通信端末30からアドレス配布要求があった場合、当該通信端末30に対して暫定用の任意のIPアドレスを割り当てるとともに、当該IPアドレスのリース期間として、予め規定されている規定リース時間(第1のリース期間)より短い、暫定用リース期間(第2のリース期間)を割り当てる機能を有している。
本実施の形態におけるその他の構成について、
図1と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0051】
[第2の実施の形態の動作]
次に、
図6、
図7を参照して、本実施の形態にかかる通信システム1の動作について説明する。
図6、
図7は、第2の実施の形態にかかるIPアドレス割当動作を示すシーケンス図である。当該シーケンスにおける各ステップは、親制御回路13、子制御回路23のCPUとメモリ回路に格納されているアドレス割当プログラム等のプロクラムとを協働させることにより実行することができる。
子ゲートウェイ20の子LAN側ポート22のうち、例えばLAN側ポート#1に対し、通信回線L3を介して通信端末30が接続されて(ステップS200)、通信端末30からアドレス配布要求が送信された場合(ステップS201)、子ゲートウェイ20の子制御回路23は、要求元機器の機種を確認する(ステップS202)。
【0052】
ここで、要求元機器が通信端末30である場合、アドレス割当機能を有していない対応機種であると判定される。これにより、子制御回路23は、親ゲートウェイ10から子LAN側のIPアドレスが配布される前であるため、当該通信端末30に配布するIPアドレスのリース期間として、暫定用リース期間(第2のリース期間)を選択するとともに(ステップS203)、当該通信端末30の暫定用LANIPアドレスを生成して(ステップS204)、当該通信端末30に配布する(ステップS205)。
【0053】
この際、共通ゲートウェイGWで説明したように、子ゲートウェイ20において、子WAN側のIPアドレスは未割当であり、子LAN側のIPアドレスとして、「192.168.100.2」~「192.168.100.n」が割り当てられるものとする。したがって、具体的には、当該通信端末30の子WAN側のIPアドレスとして、子ゲートウェイ20の子LAN側のIPアドレスと同一セグメント「192.168.100」で、当該セグメント内で未使用であるユニークなIPアドレス、例えば「192.168.100.2」が生成され、当該通信端末30に配布される。
【0054】
通信端末30は、子ゲートウェイ20から配布されたIPアドレスを取得し、自己のLANIPアドレスとして「192.168.100.2」を割り当てる(ステップS206)。また、当該IPアドレスのリース期間として、子ゲートウェイ20から配布された暫定用リース期間を設定する(ステップS207)。これにより、通信回線L3を介して子ゲートウェイ20と通信端末30との間で、データ通信が開始される。
【0055】
次に、
図7に示すように、親ゲートウェイ10から子ゲートウェイ20に対して、子LAN側のIPアドレスが配布されて、子LAN側のIPアドレス「192.168.110.1」が割り当てされた後において、通信端末30で暫定用リース期間の更新タイミングが到来した場合、通信端末30から子ゲートウェイ20に対して、リース期間更新要求が送信される(ステップS210)。
【0056】
子ゲートウェイ20は、通信端末30からのリース期間更新要求に応じて、要求元の通信端末30の機種を確認する(ステップS211)。ここで、要求元機器が通信端末30である場合、アドレス割当機能を有していない未対応機種であると判定される。この際、親ゲートウェイ10からのLAN側IPアドレス配布後であるため、子制御回路23は、当該通信端末30に配布するIPアドレスのリース期間として予め規定されている規定リース期間を選択するとともに(ステップS212)、当該通信端末30のLANIPアドレスのみを生成して(ステップS213)、当該通信端末30に配布する(ステップS214)。
【0057】
この際、通信機器のLANIPアドレスとしては、「192.168.110.2」~「192.168.110.n」が割り当てられる。具体的には、当該通信端末30の子WAN側のIPアドレスとして、子ゲートウェイ20の子LAN側のIPアドレスと同一セグメント「192.168.110」で、当該セグメント内で未使用であるユニークなIPアドレス、例えば「192.168.110.2」が生成される。
【0058】
通信端末30は、送信したアドレス配布要求に応じて子ゲートウェイ20から配布されたIPアドレスを取得し、自己のLANIPアドレスとして「192.168.110.2」を割り当てる(ステップS215)。また、当該IPアドレスのリース期間として、子ゲートウェイ20から配布された規定リース期間を設定する(ステップS216)。これにより、通信回線L3を介して子ゲートウェイ20と通信端末30との間で、データ通信が継続される。
【0059】
なお、ステップS210において、通信端末30からリース期間更新要求が届いた時点で、親ゲートウェイ10からのアドレス配布前であった場合、通信端末30のIPアドレスを変更する必要はないため、子制御回路23は、暫定用リース期間に基づくリース期間の更新を通信端末30に通知する。これにより、通信端末30は、現在使用中のIPアドレスと暫定用リース期間の使用を継続する。
【0060】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、子ゲートウェイ20において、親ゲートウェイ10からのアドレス配布前に、通信端末30からアドレス配布要求があった場合、当該通信端末30に対して暫定用の任意のIPアドレスを割り当てるとともに、当該IPアドレスのリース期間として、予め規定されている規定リース時間(第1のリース期間)より短い、暫定用リース期間(第2のリース期間)を割り当てるようにしたものである。
【0061】
これにより、親ゲートウェイ10からのアドレス配布前に配布した暫定用のIPアドレスが、規定リース時間より短い暫定用リース期間で、見直されることになる。したがって、親ゲートウェイ10からのIPアドレス配布に応じて、規定リース時間より短いタイミングで、早めに、通信端末30のLANIPアドレスを変更することが可能となる。
【0062】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0063】
1…通信システム、10…親ゲートウェイ、11…親WAN側ポート、12…親LAN側ポート、13…親制御回路、20…子ゲートウェイ、21…子WAN側ポート、22…子LAN側ポート、23…子制御回路、30…通信端末、L1,L2,L3…通信回線、NW…通信網。