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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】切替ユニット
(51)【国際特許分類】
   F25B 41/20 20210101AFI20231024BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20231024BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20231024BHJP
   F24F 1/32 20110101ALI20231024BHJP
【FI】
F25B41/20 Z
F25B13/00 S
F24F13/20 207
F24F1/32
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019189343
(22)【出願日】2019-10-16
(65)【公開番号】P2021063625
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 魁斗
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-047977(JP,A)
【文献】特開2013-117366(JP,A)
【文献】特開2017-216271(JP,A)
【文献】特開平06-021673(JP,A)
【文献】特開2014-025668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 41/20
F25B 13/00
F24F 13/20
F24F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が流れる複数の冷媒配管と、
前記複数の冷媒配管を開閉する複数の開閉弁と、
前記複数の開閉弁をそれぞれ駆動する複数のコイル部と、
前記複数の冷媒配管と前記複数の開閉弁とが配置される配管格納空間と、前記複数のコイル部が配置されるコイル部格納空間が内部に形成されるケースと
前記配管格納空間と前記コイル部格納空間とを隔てる仕切板と、
前記複数のコイル部を制御する制御回路が内部に配置される電装品箱とを備え、
前記ケースは、
前記コイル部格納空間の下面に配置される下面板と、
前記コイル部格納空間の上面に配置される上面板と、
前記コイル部格納空間の側面に配置される側面板とを有し、
前記下面板と前記上面板と前記側面板とには、それぞれ、前記複数のコイル部を冷却する空気が通過する複数の放熱孔が形成され
前記コイル部格納空間は、前記電装品箱が前記仕切板から離れた状態で、前記下面板と前記上面板と前記側面板と前記電装品箱と前記仕切板とに囲まれ
切替ユニット。
【請求項2】
前記電装品箱を前記仕切板に固定する電箱固定具
さらに備える請求項に記載の切替ユニット。
【請求項3】
前記下面板は、前記複数の放熱孔のうちの前記下面板に形成される複数の下面放熱孔と前記電箱固定具とが、前記下面板に沿う平面の法線方向に重ならないように、放熱孔不形成部分を有する
請求項に記載の切替ユニット。
【請求項4】
前記電箱固定具は、前記下面板にさらに固定される
請求項に記載の切替ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切替ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の室内機を備える多室形空気調和装置に設けられる切替ユニットが知られている。切替ユニットは、多室形空気調和装置の冷媒回路の一部を構成する複数の冷媒配管と複数の開閉弁とを備え、複数の開閉弁を制御することにより、室内機毎に冷房運転と暖房運転とを切り替える冷暖フリー運転を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-163657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
切替ユニットは、複数の開閉弁をそれぞれ駆動する複数のコイル部をさらに備えている。複数のコイル部は、複数の開閉弁を駆動するときに発熱し、切替ユニットは、複数のコイル部が適切に放熱されないときに、正常な動作を保証することが困難になることがある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、複数の開閉弁にそれぞれ設けられる複数のコイルを適切に放熱する切替ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による切替ユニットは、冷媒が流れる複数の冷媒配管と、前記複数の冷媒配管を開閉する複数の開閉弁と、前記複数の開閉弁をそれぞれ駆動する複数のコイル部と、前記複数の冷媒配管と前記複数の開閉弁とが配置される配管格納空間と、前記複数のコイル部が配置されるコイル部格納空間が内部に形成されるケースと、前記配管格納空間と前記コイル部格納空間とを隔てる仕切板と、前記複数のコイル部を制御する制御回路が内部に配置される電装品箱とを備えている。前記ケースは、前記コイル部格納空間の下面に配置される下面板と、前記コイル部格納空間の上面に配置される上面板と、前記コイル部格納空間の側面に配置される側面板とを有している。前記下面板と前記上面板と前記側面板とには、それぞれ、前記複数のコイル部を冷却する空気が通過する複数の放熱孔が形成されている。前記コイル部格納空間は、前記電装品箱が前記仕切板から離れた状態で、前記下面板と前記上面板と前記側面板と前記電装品箱と前記仕切板とに囲まれている。
【発明の効果】
【0007】
開示の切替ユニットは、複数の開閉弁にそれぞれ設けられる複数のコイルを適切に放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1の切替ユニットが設けられている多室形空気調和装置を示す概略図である。
図2図2は、実施例1の切替ユニットを示す冷媒回路図である。
図3図3は、実施例1の切替ユニットを示す斜視図である。
図4図4は、実施例1の切替ユニットを示す下側斜視図である。
図5図5は、ケースの内部を示す斜視図である。
図6図6は、外胴下が取り外された切替ユニットを示す下側斜視図である。
図7図7は、外胴上と右側仕切板と左側仕切板とを示す下側斜視図である。
図8図8は、電磁弁仕切板を示す斜視図である。
図9図9は、電箱固定具を示す斜視図である。
図10図10は、配管群を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかる切替ユニットについて、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0010】
実施例1の切替ユニット1は、図1に示されているように、多室形空気調和装置2に設けられている。図1は、実施例1の切替ユニット1が設けられている多室形空気調和装置2を示す概略図である。多室形空気調和装置2は、切替ユニット1と複数の室外機3-1~3-2と複数の室内機5-1~5-4と低圧ガス管6と高圧ガス管7と液管8とを備えている。複数の室外機3-1~3-2のうちの室外機3-1は、低圧ガス管6と高圧ガス管7と液管8とを介して切替ユニット1に接続されている。
【0011】
室外機3-1は、図示されていない圧縮機と室外熱交換器と四方弁とを備えている。圧縮機の一端は、低圧ガス管6に接続され、圧縮機の他端は、高圧ガス管7に接続されている。圧縮機は、低圧ガス管6を介して室外機3-1に供給される低圧気相冷媒を圧縮することにより高圧気相冷媒を生成し、高圧気相冷媒を高圧ガス管7に吐出する。室外熱交換器の一端は、液管8に接続され、室外熱交換器の他端は、四方弁に接続されている。四方弁は、高圧ガス管7と低圧ガス管6とに接続されている。四方弁は、第1モードと第2モードとに切り替えられる。四方弁は、第1モードに切り替えられたときに、低圧ガス管6を高圧ガス管7にも室内熱交換機にも接続せずに、高圧ガス管7を室内熱交換機に接続する。四方弁は、第2モードに切り替えられたときに、高圧ガス管7を低圧ガス管6にも室内熱交換機にも接続せずに、低圧ガス管6を室内熱交換機に接続する。複数の室外機3-1~3-2のうちの室外機3-1と異なる室外機3-2も、室外機3-1と同様に形成され、低圧ガス管6と高圧ガス管7と液管8とを介して切替ユニット1に接続されている。
【0012】
多室形空気調和装置2は、複数の室内機液管11-1~11-4と複数の室内機側ガス管12-1~12-4とをさらに備えている。複数の室内機液管11-1~11-4は、複数の室内機5-1~5-4に対応している。複数の室内機5-1~5-4のうちの室内機5-1は、複数の室内機液管11-1~11-4のうちの室内機5-1に対応する室内機液管11-1を介して切替ユニット1に接続されている。複数の室内機側ガス管12-1~12-4は、複数の室内機5-1~5-4に対応している。室内機5-1は、さらに、複数の室内機側ガス管12-1~12-4のうちの室内機5-1に対応する室内機側ガス管12-1を介して切替ユニット1に接続されている。
【0013】
室内機5-1は、図示されていない膨張弁と室内熱交換器とを備えている。膨張弁の一端は、室内機液管11-1に接続され、膨張弁の他端は、室内熱交換器の一端に接続されている。室内熱交換器の他端は、室内機側ガス管12-1に接続されている。複数の室内機5-1~5-4のうちの他の室内機も、室内機5-1と同様に形成され、複数の室内機液管11-1~11-4のうちの1つと複数の室内機側ガス管12-1~12-4のうちの1つとを介して切替ユニット1に接続されている。
【0014】
多室形空気調和装置2は、12台より多くの室内機を備えることがあり、このとき、他の切替ユニット14と低圧ガス管15と高圧ガス管16と液管17とをさらに備えている。切替ユニット14は、切替ユニット1と同様に、13台目以降の室内機に接続され、低圧ガス管15と高圧ガス管16と液管17とを介して切替ユニット1に接続されている。多室形空気調和装置2は、12台以下の室内機を備えているときに、切替ユニット14を備える必要がなく、切替ユニット14と低圧ガス管15と高圧ガス管16と液管17とが省略されてもよい。
【0015】
図2は、実施例1の切替ユニット1を示す冷媒回路図である。切替ユニット1は、室外機側低圧ガス管21と室外機側高圧ガス管22と室外機側液管23と複数の配管群24-1~24-12と複数の室内機側ガス管25-1~25-12と複数の室内機側液管26-1~26-12とを備えている。室外機側低圧ガス管21は、低圧ガス管6に接続されている。室外機側高圧ガス管22は、高圧ガス管7に接続されている。室外機側液管23は、液管8に接続されている。複数の室内機側ガス管25-1~25-12は、複数の配管群24-1~24-12に対応している。複数の室内機側液管26-1~26-12は、複数の配管群24-1~24-12に対応している。
【0016】
複数の配管群24-1~24-12のうちの配管群24-1は、複数の冷媒配管30と複数の開閉弁31~34と複数のキャピラリーチューブ35~36とを備えている。複数の開閉弁31~34と複数のキャピラリーチューブ35~36とは、複数の冷媒配管30を介して互いに接続されている。すなわち、複数の開閉弁31~34のうちの第1開閉弁31の一端は、室外機側低圧ガス管21に接続され、第1開閉弁31の他端は、複数の室内機側ガス管25-1~25-12のうちの配管群24-1に対応する室内機側ガス管25-1に接続されている。複数の開閉弁31~34のうちの第2開閉弁32の一端は、室外機側高圧ガス管22に接続され、第2開閉弁32の他端は、室内機側ガス管25-1に接続されている。複数の開閉弁31~34のうちの第3開閉弁33の一端は、室外機側低圧ガス管21に接続され、第3開閉弁33の他端は、第1キャピラリーチューブ35の一端に接続されている。複数の開閉弁31~34のうちの第4開閉弁34の一端は、室外機側高圧ガス管22に接続され、第4開閉弁34の他端は、第1キャピラリーチューブ35の一端に接続されている。第1キャピラリーチューブ35の他端は、室内機側ガス管25-1に接続されている。第2キャピラリーチューブ36の一端は、第1開閉弁31の一端に接続され、第2キャピラリーチューブ36の他端は、第1開閉弁31の他端に接続されている。
【0017】
複数の配管群24-1~24-12のうちの配管群24-1と異なる他の配管群は、配管群24-1と同様に形成されている。たとえば、複数の配管群24-1~24-12のうちの配管群24-12は、複数の開閉弁31~34と複数のキャピラリーチューブ35~36とを備えている。配管群24-12は、複数の室内機側ガス管25-1~25-12のうちの配管群24-12に対応する室内機側ガス管25-12に接続されている。
【0018】
複数の室内機側ガス管25-1~25-12は、複数の室内機5-1~5-4に対応している。たとえば、複数の室内機側ガス管25-1~25-12のうちの室内機5-1に対応する室内機側ガス管25-1は、室内機側ガス管12-1に接続され、室内機側ガス管12-1を介して室内機5-1に接続されている。複数の室内機側ガス管25-1~25-12のうちの室内機5-2に対応する室内機側ガス管25-2は、室内機側ガス管12-2に接続され、室内機側ガス管12-2を介して室内機5-2に接続されている。複数の室内機側ガス管25-1~25-12のうちの室内機5-3に対応する室内機側ガス管25-3は、室内機側ガス管12-3に接続され、室内機側ガス管12-3を介して室内機5-3に接続されている。複数の室内機側ガス管25-1~25-12のうちの室内機5-4に対応する室内機側ガス管25-4は、室内機側ガス管12-4に接続され、室内機側ガス管12-4を介して室内機5-4に接続されている。
【0019】
複数の室内機側液管26-1~26-12は、それぞれ、室外機側液管23に接続されている。複数の室内機側液管26-1~26-12は、複数の室内機5-1~5-4に対応している。たとえば、複数の室内機側液管26-1~26-12のうちの室内機5-1に対応する室内機側液管26-1は、室内機液管11-1に接続され、室内機液管11-1を介して室内機5-1に接続されている。複数の室内機側液管26-1~26-12のうちの室内機5-2に対応する室内機側液管26-2は、室内機液管11-2に接続され、室内機液管11-2を介して室内機5-2に接続されている。複数の室内機側液管26-1~26-12のうちの室内機5-3に対応する室内機側液管26-3は、室内機液管11-3に接続され、室内機液管11-3を介して室内機5-3に接続されている。複数の室内機側液管26-1~26-12のうちの室内機5-4に対応する室内機側液管26-4は、室内機液管11-4に接続され、室内機液管11-4を介して室内機5-4に接続されている。
【0020】
切替ユニット1の室外機側低圧ガス管21は、多室形空気調和装置2が他の切替ユニットを備えているときに、低圧ガス管15に接続され、低圧ガス管15を介して切替ユニット14の室外機側低圧ガス管21に接続されている。このとき、切替ユニット1の室外機側高圧ガス管22は、高圧ガス管16に接続され、高圧ガス管16を介して切替ユニット14の室外機側高圧ガス管22に接続されている。切替ユニット1の室外機側液管23は、液管17に接続され、液管17を介して切替ユニット14の室外機側液管23に接続されている。すなわち、切替ユニット14の室外機側低圧ガス管21と室外機側高圧ガス管22と室外機側液管23とは、切替ユニット1を介して、低圧ガス管6と高圧ガス管7と液管8とにそれぞれ接続されている。切替ユニット14は、さらに、切替ユニット1と同様に、複数の室内機側ガス管25-1~25-12と複数の室内機側液管26-1~26-12とを介して13台目以降の室内機に接続されている。
【0021】
図3は、実施例1の切替ユニット1を示す斜視図である。図4は、実施例1の切替ユニット1を示す下側斜視図である。切替ユニット1は、底面が長方形である直四角柱状に概ね形成され、ケース41と電装品箱42とをさらに備えている。ケース41は、外胴上43と外胴下44とを備えている。外胴上43は、上面板45と前面板46と右側面板47と左側面板48とを備えている。外胴下44は、下面板49を備えている。ケース41は、切替ユニット1の直四角柱の2つの底面に上面板45と下面板49とがそれぞれ沿うように、形成されている。ケース41は、さらに、前面板46と右側面板47と左側面板48とが切替ユニット1の直四角柱の3つの側面に沿うように、かつ、右側面板47の面が左側面板48の面の反対側の面を形成するように、形成されている。
【0022】
電装品箱42は、直方体状に概ね形成されている。電装品箱42の内部には、図示されていない制御回路が配置されている。制御回路は、多室形空気調和装置2に設けられる各部を制御する。電装品箱42は、切替ユニット1の直四角柱のうちの前面板46が形成する側面の反対側の側面を形成するように、配置され、ケース41に固定されている。
【0023】
上面板45には、図3に示されているように、右側注入口51と複数の右側空気抜き孔52と中央注入口53と複数の中央空気抜き孔54と左側注入口55と複数の左側空気抜き孔56とが形成されている。上面板45には、複数の上面放熱孔61がさらに形成されている。複数の上面放熱孔61は、上面板45のうちの電装品箱42に近い側の領域に形成されている。右側面板47には、複数の右側面放熱孔62が形成されている。複数の右側面放熱孔62は、右側面板47のうちの電装品箱42に近い側の領域に形成されている。
【0024】
外胴上43の左側面板48には、右側面板47と同様に、図4に示されているように、複数の左側面放熱孔63が形成されている。複数の左側面放熱孔63は、左側面板48のうちの電装品箱42に近い側の領域に形成されている。外胴下44の下面板49には、複数の下面放熱孔64が形成されている。複数の下面放熱孔64は、下面板49のうちの電装品箱42に近い側の領域に形成されている。切替ユニット1は、使用時に、上面板45と下面板49とが水平面に沿うように、かつ、上面板45が下面板49より鉛直上側に配置されるように、かつ、前面板46と右側面板47と左側面板48とが鉛直線に沿うように、配置される。
【0025】
図5は、ケース41の内部を示す斜視図である。ケース41の内部には、複数の配管群24-1~24-12が配置されている。室外機側低圧ガス管21は、棒状に形成されている。室外機側低圧ガス管21の両端は、ケース41の外部に配置され、室外機側低圧ガス管21の中央は、ケース41の内部に配置されている。室外機側高圧ガス管22は、棒状に形成されている。室外機側高圧ガス管22の両端は、ケース41の外部に配置され、室外機側高圧ガス管22の中央は、ケース41の内部に配置されている。室外機側液管23は、棒状に形成されている。室外機側液管23の両端は、ケース41の外部に配置され、室外機側液管23の中央は、ケース41の内部に配置されている。
【0026】
図6は、外胴下44が取り外された切替ユニット1を示す下側斜視図である。切替ユニット1は、電磁弁仕切板71と右側仕切板72と左側仕切板73とをさらに備えている。電磁弁仕切板71は、板状に形成され、前面板46が沿う平面に平行である他の平面に沿うように、配置され、ケース41に固定されている。電磁弁仕切板71は、ケース41の内部をコイル部格納空間74と配管格納空間75とに分割している。コイル部格納空間74は、上面板45と右側面板47と左側面板48と電磁弁仕切板71と電装品箱42とに囲まれている。配管格納空間75は、上面板45と前面板46と右側面板47と左側面板48と下面板49と電磁弁仕切板71とに囲まれている。すなわち、電磁弁仕切板71は、コイル部格納空間74と配管格納空間75とを隔てている。
【0027】
室外機側低圧ガス管21は、室外機側低圧ガス管21の中央が配管格納空間75に配置されるように、かつ、室外機側低圧ガス管21の両端がケース41の外部に配置されるように、右側面板47と左側面板48とを貫通している。室外機側高圧ガス管22は、室外機側高圧ガス管22の中央が配管格納空間75に配置されるように、かつ、室外機側高圧ガス管22の両端がケース41の外部に配置されるように、右側面板47と左側面板48とを貫通している。室外機側液管23は、室外機側液管23の中央が配管格納空間75に配置されるように、かつ、室外機側液管23の両端がケース41の外部に配置されるように、右側面板47と左側面板48とを貫通している。
【0028】
図7は、外胴上43と右側仕切板72と左側仕切板73とを示す下側斜視図である。右側仕切板72は、右側面板47または左側面板48が沿う平面と平行である他の平面に沿うように、配置され、ケース41に固定されている。左側仕切板73は、右側面板47または左側面板48が沿う平面と平行であるさらに他の平面に沿うように、配置され、ケース41に固定されている。右側仕切板72と左側仕切板73とは、配管格納空間75を右側配管格納空間76と中央配管格納空間77と左側配管格納空間78とに分割している。右側配管格納空間76は、上面板45と前面板46と右側面板47と下面板49と電磁弁仕切板71と右側仕切板72とに囲まれている。中央配管格納空間77は、上面板45と前面板46と下面板49と電磁弁仕切板71と右側仕切板72と左側仕切板73とに囲まれている。左側配管格納空間78は、上面板45と前面板46と左側面板48と下面板49と電磁弁仕切板71と左側仕切板73とに囲まれている。すなわち、右側仕切板72は、右側配管格納空間76と中央配管格納空間77とを隔てている。左側仕切板73は、中央配管格納空間77と左側配管格納空間78とを隔てている。
【0029】
右側配管格納空間76には、図6に示されているように、複数の配管群24-1~24-12のうちの4つの配管群24-1~24-4が配置されている。複数の室内機側ガス管25-1~25-12のうちの4つの室内機側ガス管25-1~25-4の各々は、一端が配管格納空間75の外部に配置されるように、かつ、他端が配管格納空間75に配置されるように、前面板46を貫通している。複数の室内機側液管26-1~26-12のうちの4つの室内機側液管26-1~26-4の各々は、一端が配管格納空間75の外部に配置されるように、かつ、他端が配管格納空間75に配置されるように、前面板46を貫通している。
【0030】
中央配管格納空間77には、複数の配管群24-1~24-12のうちの4つの配管群24-5~24-8が配置されている。複数の室内機側ガス管25-1~25-12のうちの4つの室内機側ガス管25-5~25-8の各々は、一端が配管格納空間75の外部に配置されるように、かつ、他端が配管格納空間75に配置されるように、前面板46を貫通している。複数の室内機側液管26-1~26-12のうちの4つの室内機側液管26-5~26-8の各々は、一端が配管格納空間75の外部に配置されるように、かつ、他端が配管格納空間75に配置されるように、前面板46を貫通している。
【0031】
左側配管格納空間78には、複数の配管群24-1~24-12のうちの4つの配管群24-9~24-12が配置されている。複数の室内機側ガス管25-1~25-12のうちの4つの室内機側ガス管25-9~25-12の各々は、一端が配管格納空間75の外部に配置されるように、かつ、他端が配管格納空間75に配置されるように、前面板46を貫通している。複数の室内機側液管26-1~26-12のうちの4つの室内機側液管26-9~26-12の各々は、一端が配管格納空間75の外部に配置されるように、かつ、他端が配管格納空間75に配置されるように、前面板46を貫通している。
【0032】
このとき、右側配管格納空間76は、上面板45の右側注入口51と複数の右側空気抜き孔52とを介して、ケース41の外部に接続されている。複数の右側空気抜き孔52は、上面板45のうちの右側配管格納空間76に露出する四角の領域の四隅にそれぞれ配置されている。中央配管格納空間77は、中央注入口53と複数の中央空気抜き孔54とを介して、ケース41の外部に接続されている。複数の中央空気抜き孔54は、上面板45のうちの中央配管格納空間77に露出する四角の領域の四隅にそれぞれ配置されている。左側配管格納空間78は、左側注入口55と複数の左側空気抜き孔56とを介して、ケース41の外部に接続されている。複数の左側空気抜き孔56は、上面板45のうちの左側配管格納空間78に露出する四角の領域の四隅にそれぞれ配置されている。
【0033】
図8は、電磁弁仕切板71を示す斜視図である。電磁弁仕切板71は、複数の電磁弁用貫通孔81が形成されている。切替ユニット1は、複数の電箱固定具82-1~82-3をさらに備えている。複数の電箱固定具82-1~82-3のうちの電箱固定具82-1は、屈曲した帯状に形成されている。電箱固定具82-1は、コイル部格納空間74のうちの下面板49に近い側の領域に配置され、下面板49に近い側の領域のうちの右側面板47に近い側に配置されている。複数の電箱固定具82-1~82-3のうちの電箱固定具82-2と電箱固定具82-3とは、それぞれ、電箱固定具82-1と同様に、屈曲した帯状に形成されている。電箱固定具82-2は、コイル部格納空間74のうちの下面板49に近い側の領域に配置され、下面板49に近い側の領域のうちの左側面板48に近い側に配置されている。電箱固定具82-3は、コイル部格納空間74のうちの下面板49に近い側の領域に配置され、電箱固定具82-1と電箱固定具82-2との間に配置されている。
【0034】
図9は、電箱固定具82-1を示す斜視図である。電箱固定具82-1は、仕切板固定部分111と下面板固定部分112と中間部分113とを備えている。仕切板固定部分111は、電箱固定具82-1の一端を形成している。下面板固定部分112は、電箱固定具82-1の他端を形成している。中間部分113は、仕切板固定部分111と下面板固定部分112との間に形成されている。電箱固定具82-1は、中間部分113に沿う平面が仕切板固定部分111に沿う平面に対して垂直になるように、かつ、下面板固定部分112に沿う平面が中間部分113に沿う平面に対して垂直になるように、屈曲している。仕切板固定部分111は、複数のボルト83を介して電磁弁仕切板71に固定されている。下面板固定部分112は、複数のボルト84を介して外胴下44の下面板49に固定されている。複数の電箱固定具82-1~82-3のうちの電箱固定具82-1と異なる電箱固定具も、電箱固定具82-1と同様に、屈曲し、電磁弁仕切板71に固定され、外胴下44に固定されている。
【0035】
下面板49は、複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3を備えている。複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3は、複数の電箱固定具82-1~82-3に対応している。複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3のうちの電箱固定具82-1に対応する放熱孔不形成部分85-1は、下面板49のうちの電箱固定具82-1の下側に配置される領域を形成している。すなわち、下面板49に沿う投影面に放熱孔不形成部分85-1を正射影した図形は、電箱固定具82-1をその投影面に正射影した図形と重なる。このとき、下面板49は、放熱孔不形成部分85-1に複数の下面放熱孔64が形成されないように、形成されている。放熱孔不形成部分85-1は、放熱孔不形成部分85-1と中間部分113とに挟まれた空間に空気が流れるように、中間部分113から十分に離れている。すなわち、電箱固定具82-1は、放熱孔不形成部分85-1と中間部分113とに挟まれた空間に空気が流れるように、配置され、ケース41に固定されている。
【0036】
複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3のうちの電箱固定具82-2に対応する放熱孔不形成部分85-2も、放熱孔不形成部分85-1と同様に、電箱固定具82-2の下側に配置されている。複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3のうちの電箱固定具82-3に対応する放熱孔不形成部分85-3も、放熱孔不形成部分85-1と同様に、電箱固定具82-3の下側に配置されている。このとき、下面板49は、複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3に複数の下面放熱孔64が形成されないように、形成されている。すなわち、下面板49は、下面板49に沿う投影面に複数の下面放熱孔64を正射影した図形が、複数の電箱固定具82-1~82-3をその投影面に正射影した図形と重ならないように、形成されている。さらに、複数の電箱固定具82-1~82-3の中間部分113と複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3との間には、空気が流れる空間が形成されている。
【0037】
電装品箱42は、図示されていない複数のボルトを介して複数の電箱固定具82-1~82-3に固定されている。すなわち、電装品箱42は、複数の電箱固定具82-1~82-3を介して電磁弁仕切板71に固定され、電磁弁仕切板71を介してケース41に固定されている。電装品箱42は、さらに、外胴上43の上面板45と右側面板47と左側面板48とに固定されている。
【0038】
外胴上43のうちの電装品箱42に近い側の端は、複数の上面放熱孔61と複数の右側面放熱孔62と複数の左側面放熱孔63とが形成されていることにより、外胴上43のうちの他の部分に比較して、強度が弱く、変形しやすい。外胴下44のうちの電装品箱42に近い側の端は、複数の下面放熱孔64が形成されていることにより、外胴下44のうちの他の部分に比較して、強度が弱く変形しやすい。切替ユニット1は、電装品箱42が複数の電箱固定具82-1~82-3を介してケース41に固定されていることにより、ケース41のうちの電装品箱42に近い側の端が電装品箱42により変形されることを防止することができる。
【0039】
切替ユニット1は、図10に示されているように、配管群24-1に対して、複数のシャフト86-1~86-4と複数のコイル部87-1~87-4とをさらに備えている。図10は、配管群24-1を示す側面図である。複数のシャフト86-1~86-4は、複数の開閉弁31~34に対応している。複数のコイル部87-1~87-4は、複数の開閉弁31~34に対応している。複数のシャフト86-1~86-4のうちの第1シャフト86-1は、棒状に形成され、電磁弁仕切板71の複数の電磁弁用貫通孔81のうちの1つを貫通し、移動可能に第1開閉弁31に支持されている。複数のコイル部87-1~87-4のうちの第1コイル部87-1は、コイル部格納空間74に配置され、電磁弁仕切板71に固定されている。第1コイル部87-1は、制御回路により通電されることにより、第1シャフト86-1を移動させる。第1開閉弁31は、第1シャフト86-1の移動に応じて、室外機側低圧ガス管21と室内機側ガス管25-2との間を接続したり遮断したりする。
【0040】
複数のシャフト86-1~86-4のうちの第2シャフト86-2は、棒状に形成され、電磁弁仕切板71の複数の電磁弁用貫通孔81のうちの1つを貫通し、移動可能に第2開閉弁32に支持されている。複数のコイル部87-1~87-4のうちの第2コイル部87-2は、コイル部格納空間74に配置され、電磁弁仕切板71に固定されている。第2コイル部87-2は、制御回路により通電されることにより、第2シャフト86-2を移動させる。第2開閉弁32は、第2シャフト86-2の移動に応じて、室外機側高圧ガス管22と室内機側ガス管25-3との間を接続したり遮断したりする。
【0041】
複数のシャフト86-1~86-4のうちの第3シャフト86-3は、棒状に形成され、電磁弁仕切板71の複数の電磁弁用貫通孔81のうちの1つを貫通し、移動可能に第3開閉弁33に支持されている。複数のコイル部87-1~87-4のうちの第3コイル部87-3は、コイル部格納空間74に配置され、電磁弁仕切板71に固定されている。第3コイル部87-3は、制御回路により通電されることにより、第3シャフト86-3を移動させる。第3開閉弁33は、第3シャフト86-3の移動に応じて、室外機側低圧ガス管21と第1キャピラリーチューブ35との間を接続したり遮断したりする。
【0042】
複数のシャフト86-1~86-4のうちの第4シャフト86-4は、棒状に形成され、電磁弁仕切板71の複数の電磁弁用貫通孔81のうちの1つを貫通し、移動可能に第4開閉弁34に支持されている。複数のコイル部87-1~87-4のうちの第4コイル部87-4は、コイル部格納空間74に配置され、電磁弁仕切板71に固定されている。第4コイル部87-4は、制御回路により通電されることにより、第4シャフト86-4を移動させる。第4開閉弁34は、第4シャフト86-4の移動に応じて、室外機側高圧ガス管22と第1キャピラリーチューブ35との間を接続したり遮断したりする。
【0043】
すなわち、複数のコイル部87-1~87-4は、配管群24-1の複数の開閉弁31~34が開閉するように、複数のシャフト86-1~86-4を介して複数の開閉弁31~34をそれぞれ駆動する。切替ユニット1は、複数の配管群24-1~24-12のうちの配管群24-1と異なる他の配管群に対しても、複数のシャフト86-1~86-4と複数のコイル部87-1~87-4とをさらに備えている。すなわち、切替ユニット1は、複数の配管群24-1~24-12毎に、複数のシャフト86-1~86-4と複数のコイル部87-1~87-4とをさらに備えている。
【0044】
切替ユニット1は、図示されていない複数の発泡断熱材をさらに備えている。複数の発泡断熱材は、配管格納空間75に充填され、すなわち、右側配管格納空間76と中央配管格納空間77と左側配管格納空間78とに充填されている。
【0045】
複数の発泡断熱材は、配管格納空間75に充填されることにより、複数の配管群24-1~24-12が備える複数の冷媒配管30を被覆し、複数の冷媒配管30が空気に接触することを防止する。切替ユニット1は、複数の冷媒配管30が空気に接触することが複数の発泡断熱材により防止されることにより、複数の冷媒配管30の表面が結露することを防止することができ、複数の冷媒配管30を適切に断熱することができる。
【0046】
[多室形空気調和装置2の動作]
切替ユニット1は、室内機5-1に冷房運転を行わせるときに、室内機5-1に対応する配管群24-1の第1開閉弁31を開放し、配管群24-1の第2開閉弁32を閉鎖することにより、低圧ガス管6を室内機側ガス管12-1に接続する。このとき、液管8を流れる高圧液相冷媒は、室内機液管11-1を介して室内機5-1に供給され、室内機5-1から室内機側ガス管12-1を介して流出される低圧気相冷媒は、低圧ガス管6に供給される。切替ユニット1は、室内機5-1に暖房運転を行わせるときに、配管群24-1の第1開閉弁31を閉鎖し、配管群24-1の第2開閉弁32を開放することにより、高圧ガス管7を室内機側ガス管12-1に接続する。このとき、高圧ガス管7を流れる高圧気相冷媒は、室内機側ガス管12-1を介して室内機5-1に供給され、室内機5-1から室内機液管11-1を介して流出される低圧二相冷媒は、液管8に供給される。
【0047】
配管群24-1の第3開閉弁33と第4開閉弁34とは、第1開閉弁31と第2開閉弁32とが開閉するときに配管群24-1を流れる冷媒の圧力が均圧されるように、すなわち、第1開閉弁31と第2開閉弁32とが適切に開閉されるように、開閉される。切替ユニット1は、複数の室内機5-1~5-4のうちの室内機5-1と異なる他の室内機に冷房運転または暖房運転を行わせるときに、配管群24-1と同様に、複数の配管群24-1~24-12を動作させる。
【0048】
室内機5-1は、切替ユニット1から室内機液管11-1を介して高圧液相冷媒が供給されることにより、冷房運転が行われる。このとき、室内機5-1の膨張弁は、室内機液管11-1を介して供給される高圧液相冷媒を膨張させ、高圧液相冷媒から液リッチ状態の低圧二相冷媒を生成する。室内機5-1の室内熱交換器は、凝縮器として機能する。すなわち、室内熱交換器は、低圧二相冷媒と室内の空気とを熱交換することにより、室内の空気を冷却し、低圧二相冷媒の圧力が一定のまま低圧二相冷媒の乾き度を上げ、低圧二相冷媒から過熱状態の低圧気相冷媒を生成する。
【0049】
室内機5-1は、切替ユニット1から室内機側ガス管12-1を介して高圧気相冷媒が供給されることにより、暖房運転が行われる。このとき、室内機5-1の室内熱交換器は、凝縮器として機能する。すなわち、室内熱交換器は、高圧気相冷媒と室内の空気とを熱交換することにより、室内の空気を加熱し、高圧気相冷媒の圧力が一定のまま高圧気相冷媒を冷却し、高圧気相冷媒の乾き度を下げ、高圧液相冷媒を生成する。室内機5-1の膨張弁は、高圧液相冷媒を膨張させ、高圧液相冷媒から液リッチ状態の低圧二相冷媒を生成する。
【0050】
複数の室内機5-1~5-4のうちの室内機5-1と異なる他の室内機も、室内機5-1と同様に、冷房運転が行われたり、暖房運転が行われたりする。
【0051】
複数の室外機3-1~3-2のうちの室外機3-1の四方弁は、冷房運転が行われる室内機に利用される冷媒の量が、暖房運転が行われる室内機に利用される冷媒の量より多いときに、第1モードに切り替えられる。このとき、低圧ガス管6を流れる低圧気相冷媒は、圧縮機に供給され、室外機3-1の圧縮機により圧縮された高圧気相冷媒は、高圧ガス管7に供給され、四方弁を介して室外熱交換器に供給される。室外機3-1の室外熱交換器は、凝縮器として動作する。すなわち、室外熱交換器は、室外機3-1の圧縮機から四方弁を介して供給された高圧気相冷媒と外気とを熱交換することにより、高圧気相冷媒の圧力が一定のまま高圧気相冷媒を冷却し、高圧気相冷媒の乾き度を下げ、高圧液相冷媒を生成する。高圧液相冷媒は、液管8に供給される。圧縮機は、低圧ガス管6を流れる低圧気相冷媒を圧縮し、低圧気相冷媒から過熱状態の高圧気相冷媒を生成する。
【0052】
複数の室外機3-1~3-2のうちの室外機3-1の四方弁は、暖房運転が行われる室内機に利用される冷媒の量が、冷房運転が行われる室内機に利用される冷媒の量より多いときに、第2モードに切り替えられる。このとき、低圧ガス管6を流れる低圧気相冷媒と、室外熱交換器により生成された低圧気相冷媒とは、圧縮機に供給され、室外機3-1の圧縮機により圧縮された高圧気相冷媒は、四方弁を介して室外熱交換器に供給される。室外機3-1の室外熱交換器は、蒸発器として動作する。すなわち、室外熱交換器は、液管8を流れる低圧二相冷媒と室内の空気とを熱交換することにより、低圧二相冷媒の圧力が一定のまま低圧二相冷媒の乾き度を上げ、低圧二相冷媒から過熱状態の低圧気相冷媒を生成する。圧縮機は、四方弁から供給された低圧気相冷媒と低圧ガス管6を流れる低圧気相冷媒とを圧縮し、低圧気相冷媒から過熱状態の高圧気相冷媒を生成し、高圧気相冷媒を高圧ガス管7に供給する。
【0053】
複数の室外機3-1~3-2のうちの室外機3-1と異なる他の室外機も、室外機3-1と同様に、動作する。
【0054】
第1コイル部87-1と第2コイル部87-2と第3コイル部87-3と第4コイル部87-4とは、通電されることにより、発熱する。切替ユニット1は、第1コイル部87-1と第2コイル部87-2と第3コイル部87-3と第4コイル部87-4との熱により、不具合が発生することがある。不具合としては、複数の開閉弁31~34が適切に動作しなくなること、複数の冷媒配管30が加熱されること、電装品箱42の内部の制御回路が加熱されることが例示される。
【0055】
切替ユニット1は、ケース41に複数の上面放熱孔61と複数の右側面放熱孔62と複数の左側面放熱孔63と複数の下面放熱孔64とが形成されていることにより、ケース41の外部の空気をより多くコイル部格納空間74に流入させることができる。切替ユニット1は、コイル部格納空間74に外部の空気が流入することにより、第1コイル部87-1と第2コイル部87-2と第3コイル部87-3と第4コイル部87-4とを適切に放熱させることができる。切替ユニット1は、第1コイル部87-1と第2コイル部87-2と第3コイル部87-3と第4コイル部87-4とが適切に放熱することにより、不具合が発生することを防止しすることができる。
【0056】
複数の電箱固定具82-1~82-3と複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3とが、下面板49に沿う平面の法線方向に重なるように配置されていることにより、下面板49が水平面に沿うように配置されているときに、複数の電箱固定具82-1~82-3は、複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3の鉛直上側に配置される。複数の電箱固定具82-1~82-3は、複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3の鉛直上側に配置されることにより、複数の下面放熱孔64から外気が流入することを妨げることがない。切替ユニット1は、複数の電箱固定具82-1~82-3が外気の流入を妨げないことにより、より多くの空気をコイル部格納空間74に流入させることができる。切替ユニット1は、多くの空気がコイル部格納空間74に流入することにより、第1コイル部87-1と第2コイル部87-2と第3コイル部87-3と第4コイル部87-4とを適切に放熱することができる。
【0057】
[実施例1の切替ユニット1の効果]
実施例1の切替ユニット1は、複数の冷媒配管30と複数の開閉弁31~34と複数のコイル部87-1~87-4とケース41とを備えている。複数の冷媒配管30には、複数の室外機3-1~3-2と複数の室内機5-1~5-4とを循環する冷媒が流れる。複数の開閉弁31~34は、複数の冷媒配管30を開閉する。複数のコイル部87-1~87-4は、複数の開閉弁31~34をそれぞれ駆動する。ケース41の内部には、複数のコイル部87-1~87-4が配置されるコイル部格納空間74が内部に形成されている。ケース41は、コイル部格納空間74の下側に配置される下面板49と、コイル部格納空間74の上側に配置される上面板45と、コイル部格納空間74の水平方向に配置される右側面板47と左側面板48とを備えている。下面板49と上面板45と右側面板47と左側面板48とには、複数のコイル部87-1~87-4を冷却する空気が通過するための複数の下面放熱孔64と複数の上面放熱孔61と複数の右側面放熱孔62と複数の左側面放熱孔63とがそれぞれ形成されている。切替ユニット1は、コイル部格納空間74の四方に放熱孔が形成されていることにより、コイル部格納空間74に多くの空気を流すことができ、複数のコイル部87-1~87-4を適切に高効率に放熱することができる。
【0058】
また、実施例1の切替ユニット1は、複数のコイル部87-1~87-4を制御する制御回路が内部に配置される電装品箱42をさらに備えている。コイル部格納空間74は、ケース41と電装品箱42とに囲まれている。切替ユニット1は、電装品箱42がケース41から取り外されることより、コイル部格納空間74を容易に開放することができ、複数のコイル部87-1~87-4のメンテナンスを容易にすることができる。実施例1の切替ユニット1は、コイル部格納空間74の一方が電装品箱42により囲まれている場合でも、コイル部格納空間74に多くの空気が流れることにより、複数のコイル部87-1~87-4を適切に高効率に放熱することができる。
【0059】
また、実施例1の切替ユニット1は、電磁弁仕切板71と複数の電箱固定具82-1~82-3とをさらに備えている。電磁弁仕切板71は、ケース41の内部のうちの複数の冷媒配管30と複数の開閉弁31~34とが配置される配管格納空間75と、コイル部格納空間74とを隔てている。複数の電箱固定具82-1~82-3は、電装品箱42を電磁弁仕切板71に固定している。ケース41のうちの電装品箱42に近い側の端は、複数の放熱孔が形成されることにより、変形しやすくなっている。電装品箱42は、ケース41のうちの電装品箱42に近い側の端に固定されるときに、ケース41のうちの電装品箱42に近い側の端が変形するように、ケース41に負荷を与えることがある。切替ユニット1は、電装品箱42が電磁弁仕切板71に固定されることにより、電装品箱42からケース41に加わる負荷を低減することができる。実施例1の切替ユニット1は、ケース41のうちの複数の放熱孔が形成される部分に電装品箱42から加わる負荷が低減されることにより、その部分が変形することを防止することができる。実施例1の切替ユニット1は、電装品箱42からケース41に加わる負荷が低減されることにより、さらに、複数の放熱孔を大きくすることができ、複数のコイル部87-1~87-4を適切に高効率に放熱することができる。
【0060】
また、実施例1の切替ユニット1の下面板49は、複数の下面放熱孔64と複数の電箱固定具82-1~82-3とが下面板49の法線方向に重ならないように、複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3を備えている。切替ユニット1は、複数の電箱固定具82-1~82-3が複数の下面放熱孔64が塞がれることを防止し、コイル部格納空間74の内部の空気の流れを確保することができる。また、複数の電箱固定具82-1~82-3は、屈曲していることにより、複数の電箱固定具82-1~82-3と複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3との間に、空気が流れる空間を形成することができる。実施例1の切替ユニット1は、複数の電箱固定具82-1~82-3と複数の放熱孔不形成部分85-1~85-3との間に空気が流れることにより、コイル部格納空間74の内部の空気の流れをより確保することができる。実施例1の切替ユニット1は、コイル部格納空間74の内部の空気の流れが確保されることにより、複数のコイル部87-1~87-4を適切に放熱することができる。
【0061】
また、実施例1の切替ユニット1の複数の電箱固定具82-1~82-3は、下面板49にさらに固定されている。切替ユニット1は、複数の電箱固定具82-1~82-3が下面板49に固定されることにより、複数の電箱固定具82-1~82-3を強固にケース41に固定することができ、電装品箱42をケース41に適切に固定することができる。
【0062】
ところで、既述の実施例1の切替ユニット1の複数の電箱固定具82-1~82-3は、下面板49に固定されているが、下面板49に固定されなくてもよい。切替ユニット1は、複数の電箱固定具82-1~82-3が下面板49に固定されない場合でも、電装品箱42をケース41に適切に固定することができ、電装品箱42からケース41に加わる負荷を低減することができる。
【0063】
ところで、既述の実施例1の切替ユニット1は、複数の下面放熱孔64と複数の電箱固定具82-1~82-3とが下面板49の法線方向に重ならないように下面板49が形成されているが、複数の下面放熱孔64と複数の電箱固定具82-1~82-3とが重なっていてもよい。この場合でも、切替ユニット1は、コイル部格納空間74の四方に放熱孔が形成されていることにより、複数のコイル部87-1~87-4を適切に放熱することができる。
【0064】
ところで、既述の実施例1の切替ユニット1は、複数の電箱固定具82-1~82-3が設けられているが、複数の電箱固定具82-1~82-3が省略されてもよい。切替ユニット1は、複数の電箱固定具82-1~82-3が省略された場合でも、コイル部格納空間74の四方に放熱孔が形成されていることにより、複数のコイル部87-1~87-4を適切に放熱することができる。
【0065】
なお、既述の実施例1の切替ユニット1は、複数の室外機3-1~3-2を備える多室形空気調和装置2に設けられているが、1つの室外機を備える多室形空気調和装置に設けられてもよい。切替ユニット1は、1つの室外機を備える多室形空気調和装置に設けられた場合でも、複数の冷媒配管30を適切に断熱することができる。
【0066】
以上、実施例を説明したが、上述した内容により実施例が限定されるものではない。また、上述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0067】
1 :切替ユニット
2 :多室形空気調和装置
3-1~3-2:複数の室外機
5-1~5-4:複数の室内機
24-1~24-12:複数の配管群
30 :複数の冷媒配管
31~34:複数の開閉弁
41 :ケース
42 :電装品箱
45 :上面板
46 :前面板
47 :右側面板
48 :左側面板
49 :下面板
51 :右側注入口
52 :複数の右側空気抜き孔
53 :中央注入口
54 :複数の中央空気抜き孔
55 :左側注入口
56 :複数の左側空気抜き孔
61 :複数の上面放熱孔
62 :複数の右側面放熱孔
63 :複数の左側面放熱孔
64 :複数の下面放熱孔
71 :電磁弁仕切板
72 :右側仕切板
73 :左側仕切板
74 :コイル部格納空間
75 :配管格納空間
76 :右側配管格納空間
77 :中央配管格納空間
78 :左側配管格納空間
82-1~82-3:複数の電箱固定具
85-1~85-3:複数の放熱孔不形成部分
87-1~87-4:複数のコイル部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10