(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231024BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20231024BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20231024BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 F
B60W50/14
B60W40/04
(21)【出願番号】P 2020023508
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2022-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野山 直貴
(72)【発明者】
【氏名】福永 拓巳
(72)【発明者】
【氏名】桜田 伸
(72)【発明者】
【氏名】後藤 陽
(72)【発明者】
【氏名】山根 丈亮
(72)【発明者】
【氏名】金子 宗太郎
(72)【発明者】
【氏名】皆川 里桜
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-092669(JP,A)
【文献】特開2008-134841(JP,A)
【文献】特開2015-052902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30、30/00-60/00
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速車線を走行する第1の車両の本線における割り込み位置の後方を走行する第2の車両を特定することと、
(1)前記第1の車両へ、前記加速車線の先端において前記第1の車両の本線への合流を促す第1の案内を通知すること、又は、
(2)前記第1の車両へ前記第1の案内を通知すること、及び、前記第2の車両へ、前記第1の車両の本線への合流の支援を促す第2の案内を通知すること
、と、
を実行する制御部、
を備え、
前記制御部は、
前記第1の車両が前記加速車線の先端を含む合流エリアに進入したことを検出した場合に、前記第1の案内を通知し、
前記第1の車両が前記加速車線上の前記合流エリアの手前を走行している場合に、前記第1の車両へ、前記本線への合流の待機の案内を通知する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記本線における割り込み位置の前方を走行する第3の車両を特定することをさらに実行し、
前記第1の車両へ、前記第1の案内として、前記第3の車両の後方に続いて前記本線へ合流することと、前記第3の車両の外観に関する情報とを通知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1の車両へ、前記第1の案内として、前記第2の車両の前方において前記本線へ合流することと、前記第2の車両の外観に関する情報とを通知する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2の車両へ、前記第2の案内として、前記第1の車両を前記第2の車両の前方で前記本線へ合流させてあげることと、前記第1の車両の外観に関する情報とを通知する、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1の車両が前記加速車線において先頭を走行している場合に、前記第1の案内を通知する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記本線を含む所定区間の道路が渋滞していることが検出された場合に、前記第2の車両の前記特定、及び、前記第1の案内の通知又は前記第2の案内の通知の少なくともいずれか一方、を実行する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記加速車線及び前記本線付近に設置された路側装置であり、
前記制御部は、
前記加速車線の先端付近を含む撮像範囲を有する撮像装置による撮像画像から、前記第1の車両及び前記第2の車両を特定し、
路車間通信を通じて、前記第1の車両への前記第1の案内及び前記第2の車両への前記第2の案内の送信を行う、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
路車間通信によって、前記第1の車両及び前記第2の車両のそれぞれの、車両の外観に関する情報を受信することと、
前記撮像装置による撮像画像から前記第1の車両及び前記第2の車両が検出される間、前記車両の外観に関する情報を保持する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報処理装置は、車載装置であり、
前記制御部は、
前記車載装置が搭載されている車両が前記第1の車両に該当することを位置情報から検出することをさらに実行し、
前記車載装置が搭載されている車両が前記第1の車両に該当する場合に、前記第1の車両への前記第1の案内の通知として、前記車載装置が搭載されている車両に備えられる表示装置又はスピーカの少なくとも一方から、画像データ又は音声データを出力し、前記第2の車両への前記第2の案内の通知として、車車間通信による前記第2の車両への前記第2の案内の送信を行う、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
カメラと通信部とに接続するコンピュータが、
前記カメラの撮像画像から、加速車線を走行する第1の車両の本線における割り込み位置の後方を走行する第2の車両を特定することと、
(1)前記第1の車両へ、前記通信部を通じて、前記加速車線の先端において前記第1の車両の本線への合流を促す第1の案内を通知すること、又は、
(2)前記第1の車両へ前記第1の案内を通知すること、及び、前記第2の車両へ、前記通信部を通じて、前記第1の車両の本線への合流の支援を促す第2の案内を通知すること
、と、
を含む情報処理方法であって、
前記撮像画像から、前記第1の車両が前記加速車線の先端を含む合流エリアに進入した
ことを検出した場合に、前記第1の案内を通知し、
前記第1の車両が前記加速車線上の前記合流エリアの手前を走行している場合に、前記第1の車両へ、前記本線への合流の待機の案内を通知する、
情報処理方法。
【請求項11】
前記コンピュータが、
前記本線における割り込み位置の前方を走行する第3の車両を特定することをさらに含み、
前記第1の車両へ、前記第1の案内として、前記第3の車両の後方に続いて前記本線へ合流することと、前記第3の車両の外観に関する情報とを通知する、
請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記コンピュータが、
前記第1の車両へ、前記第1の案内として、前記第2の車両の前方において前記本線へ合流することと、前記第2の車両の外観に関する情報とを通知する、
請求項10又は11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記コンピュータが、
前記第2の車両へ、前記第2の案内として、前記第1の車両を前記第2の車両の前方で前記本線へ合流させてあげることと、前記第1の車両の外観に関する情報とを通知する、請求項10から12のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記コンピュータが、
前記第1の車両が前記加速車線において先頭を走行している場合に、前記第1の案内を通知する、
請求項10から13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記コンピュータが、
前記本線を含む所定区間の道路が渋滞していることが検出された場合に、前記第2の車両の前記特定、及び、前記第1の案内の通知又は前記第2の案内の通知の少なくともいずれか一方、を実行する、
請求項10から14のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータに、
加速車線を走行する第1の車両の本線における割り込み位置の後方を走行する第2の車両を特定することと、
(1)前記第1の車両へ、前記加速車線の先端において前記第1の車両の本線への合流を促す第1の案内を通知すること、又は、
(2)前記第1の車両へ前記第1の案内を通知すること、及び、前記第2の車両へ、前記第1の車両の本線への合流の支援を促す第2の案内を通知すること
、と、
を実行させ、
前記第1の車両が前記加速車線の先端を含む合流エリアに進入したことを検出した場合に、前記第1の案内を通知させ、
前記第1の車両が前記加速車線上の前記合流エリアの手前を走行している場合に、前記第1の車両へ、前記本線への合流の待機の案内を通知させる、
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両が交差点へ進入する際に、当該交差点に接近する他車両と衝突しないように案内を行う運転支援装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、車両が合流する他の一例として、高速道路において、加速車線から本線への合流がある。加速車線を走行する車両が各々のタイミングで本線に合流しようとすると、本線を走行する複数の車両に減速をさせる可能性があり、これが結果として渋滞の発生又は渋滞の悪化の一因となる可能性がある。なお、高速道路の合流地点に限定されず、合流地点を有する道路において同様の問題が発生する可能性がある。
【0005】
開示の態様の一つは、加速車線を走行する車両を本線へスムーズに合流させることができる情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様の一つは、
加速車線を走行する第1の車両の本線における割り込み位置の後方を走行する第2の車両を特定することと、
前記第1の車両へ、前記加速車線の先端において前記第1の車両の本線への合流を促す第1の案内を通知すること、又は、前記第2の車両へ、前記第1の車両の本線への合流の支援を促す第2の案内を通知すること、のうちの少なくともいずれか一方と、
を実行する制御部、
を備える情報処理装置である。
【0007】
本開示の他の態様の一つは、
加速車線を走行する第1の車両の本線における割り込み位置の後方を走行する第2の車両を特定することと、
前記第1の車両へ、前記加速車線の先端において前記第1の車両の本線への合流を促す第1の案内を通知すること、又は、前記第2の車両へ、前記第1の車両の本線への合流の支援を促す第2の案内を通知すること、のうちの少なくともいずれか一方と、
を含む情報処理方法である。
【0008】
本開示の他の態様の一つは、
コンピュータに、
加速車線を走行する第1の車両の本線における割り込み位置の後方を走行する第2の車両を特定することと、
前記第1の車両へ、前記加速車線の先端において前記第1の車両の本線への合流を促す第1の案内を通知すること、又は、前記第2の車両へ、前記第1の車両の本線への合流の支援を促す第2の案内を通知すること、のうちの少なくともいずれか一方と、
を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、加速車線を走行する車両を本線へスムーズに合流させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る合流案内システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、路側装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、車両のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、路側装置及び車両の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、路側装置の車両情報取得処理のフローチャートの一例である。
【
図6】
図6は、路側装置の合流案内処理のフローチャートの一例である。
【
図7】
図7は、車両の合流地点接近信号の受信時の処理のフローチャートの一例である。
【
図8】
図8は、車両の案内情報受信時の処理のフローチャートの一例である。
【
図9】
図9は、合流案内処理の具体例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る合流案内システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係る車両の機能構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る車両の合流地点通過時の処理の一例である。
【
図13A】
図13Aは、第2実施形態に係る車両の合流案内処理のフローチャートの一例である。
【
図13B】
図13Bは、第2実施形態に係る車両の合流案内処理のフローチャートの一例である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係る車両の合流案内処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例えば、高速道路では、渋滞抑制及び危険回避等の観点から、加速車線の先端での本線への合流が推奨されている。本線を走行する1台の車両に続いて加速車線の先頭の1台の車両が本線に合流していくように、本線を走行する車両と加速車線上の車両とが1台ずつ交互に合流する合流方法は、ジッパー法とも呼ばれている。本開示では、加速車線を走行する車両が加速車線の先端で本線に合流するように案内を行うことで、ジッパー法による合流が達成されるようにする。
【0012】
具体的には、本開示の態様の一つは、制御部を備える情報処理装置である。当該制御部は、加速車線を走行する第1の車両の本線における割り込み位置の後方を走行する第2の車両を特定することと、第1の車両へ、加速車線の先端において第1の車両の本線への合流を促す第1の案内を通知すること、又は、第2の車両へ、第1の車両の本線への合流の支援を促す第2の案内を通知すること、のうちの少なくともいずれか一方と、を実行する。
【0013】
情報処理装置は、例えば、加速車線及び本線の合流地点付近に設置された路側装置であってもよいし、第1の車両に該当する車両に搭載された車載装置であってもよい。また、情報処理装置は、サーバであってもよい。制御部は、例えば、これらの装置に備えられるCPU(Control Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプロセ
ッサである。第1の車両の本線への合流の支援を促すことは、例えば、第2の車両の前方
に第1の車両を合流させてあげるように提言することである。
【0014】
本開示の態様の一つによれば、加速車線を走行する第1の車両には、加速車線の先端での合流を促す案内がなされ、本線を走行する第2の車両には、第1の車両の本線への合流の支援を促す案内がなされる。このように、合流する側の第1の車両と、合流させる側の第2の車両との双方に案内が行われるので、第1の車両の本線への合流がよりスムーズに行われる可能性が高くなる。
【0015】
また、本開示の態様の一つでは、制御部は、本線における割り込み位置の前方を走行する第3の車両を特定することをさらに実行してもよい。この場合には、制御部は、第1の車両へ、第1の案内として、第3の車両の後ろに続いて本線へ合流することと、第3の車両の外観に関する情報とを通知してもよい。さらに、制御部は、第1の車両へ、第1の案内として、第2の車両の前方において本線へ合流することと、第2の車両の外観に関する情報とを通知するようにしてもよい。または、制御部は、第2の車両へ、第2の案内として、第1の車両を第2の車両の前方で本線へ合流させてあげることと、第1の車両の外観に関する情報を通知するようにしてもよい。
【0016】
第1の車両に、第3の車両の後ろに続いて本線へ合流することを通知することで、第1の車両の運転者が本線上のどの車両の後ろに入ればよいか、合流のタイミングをとりやすくなる。また、第1の車両に、第3の車両の外観に関する情報を通知することによって、第1の車両の運転者が第3の車両を特定しやすくなる。また、第1の車両に、本線への割り込み位置の後方を走行する第2の車両に関する情報を通知することで、第1の車両の運転者が本線上のどの位置で合流すればよいか、合流のタイミングをよりとりやすくなる。また、第2の車両へ、前方で本線に合流させてあげる第1の車両に関する情報を通知することで、第2の車両の運転者が第1の車両を本線へ合流させてあげるように支援することができ、第1の車両がよりスムーズに本線へ合流することができる。
【0017】
また、本開示の態様の一つでは、制御部は、第1の車両が加速車線の先端を含む合流エリアに進入したことを検出した場合に、第1の案内を通知するようにしてもよい。これによって、第1の車両が加速車線の先端で合流を行うようにより促すことができる。
【0018】
また、本開示の態様の一つでは、制御部は、第1の車両が加速車線において先頭を走行している場合に、第1の案内を通知するようにしてもよい。これによって、第1の車両が加速車線を走行する車両の先頭で合流を行うようにより促すことができる。
【0019】
また、本開示の態様の一つでは、制御部は、第1の車両が加速車線上の合流エリアの手前を走行している場合に、第1の車両へ、本線への合流の待機の案内を通知することをさらに実行するようにしてもよい。これによって、第1の車両が合流エリアの手前で本線に合流することを抑制することができる。
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る合流案内システム100のシステム構成の一例を示す図である。合流案内システム100は、例えば、高速道路のインターチェンジからの本線への合流が加速車線の先端で行われるように、車両を案内するシステムである。合流案内システム100は、例えば、路側装置1を含む。路側装置1は、例えば、カメラを備え、当該カメラの撮像画像を解析することで、加速車線上の本線へ合流しようとしている車両2Aと、当該車両2Aを本線において前方に入れてあげる車両3Bとを特定し、双方に合流の
案内を行う。路側装置1と車両とは、例えば、路車間通信可能であり、当該通信を通じて案内が通知される。
【0022】
まず、ジッパー法による合流は、以下の通りである。例えば、加速車線を走行する車両は、加速車線の先端で、先頭車両から順に本線へと合流する。さらに、先頭車両が本線へと合流したら、次に1台本線上の車両を通過させた後に、加速車線上の後続の車両が本線に合流する。例えば、
図1に示される例では、車両2Aは、本線上の車両3Aと車両3Bとの間に入ることで本線に合流する。車両2Bは、車両2Aが本線へ合流した後に、加速車線の先端へと進み、車両3Bと車両3Cとの間に入ることで本線に合流する。路側装置1は、このようなジッパー法で合流するように、各車両を案内する。以降、加速車線上及び本線上の車両を区別せずに包括して扱う場合には、車両2と称する。
【0023】
第1実施形態では、路側装置1は、合流地点付近であることを示す情報を含む合流地点接近信号を所定の周期で発信している。合流地点接近信号は、例えば、マルチキャスト又はブロードキャストで発信される。合流地点接近信号は、ビーコンであってもよい。合流地点接近信号には、例えば、路側装置1の識別情報が含まれている。合流地点接近信号に含まれる路側装置1の識別情報は、例えば、路車間通信で用いられる路側装置1のアドレスである。
【0024】
車両2は、路側装置1から発信される合流地点接近信号を受信すると、車両2に関する車両情報を路側装置1へ送信する。車両情報には、例えば、車両2の識別情報と、車両2の外観に関する情報とが含まれている。車両2の識別情報は、例えば、路車間通信及び車車間通信で用いられるアドレスである。ただしこれに限定されない。車両2の外観に関する情報には、例えば、ナンバープレートに記載されている車両識別情報、車種、及び車体色等が含まれている。
【0025】
道路上では、加速車線の先端を含む所定範囲5Aは合流エリアとして設定されている。また、合流エリアよりも手前の加速車線上の所定範囲5Bは、合流待機エリアとして設定されている。
【0026】
路側装置1は、合流エリア5A、合流待機エリア5B、及び、合流エリア5Aと合流待機エリア5Bと隣接する本線上の所定範囲を撮像範囲に含むカメラを備えている。当該カメラの撮像範囲は、固定されているものとする。路側装置1は、当該カメラの撮像画像に対して画像認識処理を行い、各車両2の位置関係を特定する。車両2の識別は、例えば、各車両2から受信された車両の外観に関する情報に基づいて行われる。各車両2の位置関係を特定することで、例えば、合流エリア5A内の先頭車両2A、合流待機エリア5B内の車両2B及び車両2C、及び、先頭車両2Aが間に割り込む車両3A及び車両3Bを特定することができる。以降、加速車線上の車両が間に割り込む本線車線上の車両のうち、先頭車両に先行する車両を先行車両、先頭車両に後続することになる車両を後続車両と称する。すなわち、
図1に示される例では、車両2Aに対する先行車両は車両3A、後続車両は車両3Bである。先行車両は、「第3の車両」の一例である。後続車両は、「第2の車両」の一例である。
【0027】
路側装置1は、合流エリア5A内の先頭車両2Aへ、加速車線の先端で本線に合流することを示す合流案内情報を送信する。合流案内情報には、例えば、先行車両が車両3Aであることと、先行車両3Aの外観に関する情報と、が含まれてもよい。また、路側装置1は、後続車両3Bへ、加速車線上の車両を本線に入れてあげることを示す合流支援案内情報を送信する。合流支援案内情報には、例えば、合流させてあげる車両が車両2Aであることと、車両2Aの外観に関する情報とが含まれてもよい。また、第1実施形態では、路側装置1は、合流待機エリア5B内に位置する車両2B及び車両2Cへ、本線への合流の
待機を示す合流待機案内情報を送信する。合流案内情報は、「第1の案内」の一例である。合流支援案内情報は、「第2の案内」の一例である。合流待機案内情報は、「第3の案内」の一例である。
【0028】
各車両2の運転者が路側装置1からの案内情報に従った運転を行うことによって、例えば、渋滞時にはジッパー法に従った合流を達成させることができる。
【0029】
図2は、路側装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。路側装置1は、ハードウェア構成として、CPU 101、メモリ102、外部記憶装置103、通信部104、路車間通信部105、画像処理部106、及び、インタフェース107を備える。また、路側装置1は、インタフェース107を通じて、カメラ111と接続している。メモリ102および外部記憶装置103は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。路側装置1は、「情報処理装置」の一例である。
【0030】
外部記憶装置103は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してCPU 101が使用するデータを格納する。外部記憶装置103は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、及び/又は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)である。外部記憶装置103に保持されるプログラムには、例えば、オペレーティングシステム(OS)、合流案内制御プログラム、及び、その他様々なアプリケーションプログラムがある。合流案内制御プログラムは、合流地点付近の車両2に、加速車線の先端で先頭車両を本線に合流させるための案内の制御を行うためのプログラムである。
【0031】
メモリ102は、CPU 101に、外部記憶装置103に格納されているプログラムをロードする記憶領域及び作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする記憶装置である。メモリ102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)のような半導体メモリを含む。
【0032】
CPU 101は、外部記憶装置103に保持されたOS及び様々なアプリケーションプログラムをメモリ102にロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU 101は、1つに限られず、複数備えられてもよい。CPU 101は、「情報処理装置」の「制御部」の一例である。
【0033】
通信部104は、ネットワークとの情報の入出力を行うインタフェースである。通信部104は、例えば、有線又は無線のネットワークに接続し、当該ネットワークを通じてインターネット等の公衆回線網に接続する。通信部104が接続する有線のネットワークには、例えば、LAN(Local Area Network)、又は、通信事業者によって提供されるインターネットへのアクセスネットワークがある。通信部104が接続する無線のネットワークには、例えば、LTE(Long Term Evolution)、LTE-Advanced、及び、
5G(5th Generation)等の移動体通信方式、又は、WiFiがある。
【0034】
路車間通信部105は、車両2と通信を行う。路車間通信では、例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communications)が用いられる。なお、路車間通信に適用される通信方式は、これに限定されない。
【0035】
画像処理部106は、例えば、カメラ111によって所定のレートで撮像された画像に対して、画像処理を行う画像認識エンジンである。画像処理部106は、例えば、事前に設定された対象物を画像から検出する。第1実施形態では、例えば、車両2が検出対象として設定される。なお、画像処理部106が行う画像認識処理の方法は、既存の方法のいずれが用いられてもよい。画像処理部106の画像認識結果は、CPU 101へ出力される。
【0036】
インタフェース107は、路側装置1以外のハードウェア構成要素と路側装置1とを接続する。インタフェース107には、例えば、カメラ111が接続される。カメラ111は、例えば、合流エリア5A、合流待機エリア5B、及び、合流エリア5Aと合流待機エリア5Bとに隣接する本線を撮像範囲に含むように画角が設定されている。カメラ111は所定のレートで撮像を行い、撮像画像は画像処理部106へ出力される。なお、
図2に示される路側装置1のハードウェア構成は一例であって、これに限定されない。
【0037】
図3は、車両2のハードウェア構成の一例を示す図である。車両2は、例えば、運転者による運転によって走行する自動車である。なお、
図3では、車両2のハードウェア構成のうち、第1実施形態において説明される処理に係るハードウェア構成が抽出されて示されている。車両2は、ハードウェア構成として、制御装置20、GPS受信部211、カメラ212、スピーカ216、及び、ディスプレイ217を備える。
【0038】
GPS受信部211は、地球の周囲を周回する複数の人工衛星(Global Positioning Satellite)から時刻信号の電波を受信し、例えば、制御装置20に出力する。GPS受信部211による検出信号に基づいて、例えば、位置情報として、地球上の位置である緯度及び経度が取得される。
【0039】
カメラ212は、例えば、所定の方向を撮像方向として車両2の外向きに設置されているカメラである。カメラ212は、車両2に複数備えられてもよい。例えば、カメラ212は、車両2の前方外向きを撮像方向とするもの、車両2の後方外向きを撮像方向とするもの、車両2の右側外向きを撮像方向とするもの、及び、車両2の左側外向きを撮像方向とするものが備えられてもよい。カメラ212は、例えば、ドライブレコーダー等の他の装置で使用されているものが併用されてもよいし、第1実施形態に係る処理専用に設けられてもよい。
【0040】
スピーカ216は、車両2内に向けて設置された音声出力装置である。スピーカ216は、制御装置20から入力された音声データを音声として出力する。ディスプレイ217は、車両2内に向けて設置されている。ディスプレイ217は、制御装置20から入力された画像データ及び動画像データを出力する。スピーカ216及びディスプレイ217は、例えば、カーナビゲーションシステム等の他の装置で使用されているものが併用されてもよいし、第1実施形態に係る処理専用に設けられてもよい。
【0041】
制御装置20は、例えば、データ通信装置又はECUである。ただし、制御装置20はこれらに限定されない。制御装置20は、ハードウェア構成として、CPU 201、メモリ202、外部記憶装置203、通信部204、V2X(Vehicle to X)間通信部205、画像処理部206、及び、インタフェース207を有する。メモリ202および外部記憶装置203は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0042】
CPU 201、メモリ202、外部記憶装置203、及び、画像処理部206は、路側装置1のCPU 101、メモリ102、外部記憶装置103、及び、画像処理部106と同様である。通信部204は、ネットワークとの情報の入出力を行うインタフェースである。通信部204は、例えば、LTE、LTE-Advanced、及び、5G等の移動体通信方式、又は、WiFiの通信を行い、インターネット等の公衆回線網に接続する。
【0043】
V2X間通信部205は、他の車両との車車間通信、及び、路側装置1との路車間通信を行う。V2X間通信部205が行う車車間通信及び路車間通信では、例えば、DSRCが用いられる。
【0044】
インタフェース207は、車両2内の制御装置20以外のハードウェア構成要素と制御装置20とを接続する。インタフェース207には、GPS受信部211、カメラ212、スピーカ216、及び、ディスプレイ217等が接続される。なお、
図3に示される車両2のハードウェア構成は一例であって、これに限定されない。
【0045】
図4は、路側装置1及び車両2の機能構成の一例を示す図である。車両2は、機能構成要素として、制御部21、路車通信部(road and vehicle communication unit)22、
及び、送信履歴記憶部23を備える。これらの機能構成要素は、車両2のCPU 201が所定のプログラムを実行することによって達成される。
【0046】
路車通信部22は、V2X間通信部205を通じて、路側装置1及び他の車両2と通信を行う際のインタフェースである。路車通信部22は、例えば、路側装置1からは、所定の周期で発信される合流地点接近信号と、合流に関する案内情報と、を受信する。路車通信部22は、路側装置1から受信されたデータを制御部21へ出力する。路車通信部22は、例えば、制御部21から入力される車両情報を路側装置1へ送信する。なお、第1実施形態では、車両2間の通信は発生しない。
【0047】
制御部21は、車両2側の合流案内に係る処理の制御を行う。制御部21は、路車通信部22から、路側装置1から受信された合流地点接近信号の入力を受けた場合には、車両2の車両情報を、路車通信部22を通じて、路側装置1へ送信する。車両情報には、例えば、車両2の識別情報、車両2の外観に関する情報が含まれている。車両情報は、例えば、ユニキャストで送信される。制御部21は、路側装置1への車両情報の送信の履歴情報を送信履歴記憶部23に登録する。当該履歴情報には、例えば、送信先に関する情報と送信時刻とが含まれる。
【0048】
制御部21は、送信履歴記憶部23に、路側装置1への車両情報の送信の履歴情報が記憶されている間は、当該路側装置1から合流地点接近信号が受信されても当該路側装置1へ車両情報を送信しない。制御部21は、送信履歴の削除条件が満たされた場合に、送信履歴記憶部23から、当該路側装置1への車両情報の送信の履歴情報を削除する。送信履歴の削除条件は、当該路側装置1への車両情報の送信から所定時間経過したこと、又は、当該路側装置1から合流地点接近信号が受信されなくなったこと、路側装置1から所定距離以上離れたこと等のいずれか又は複数である。送信履歴の削除条件が複数設定されている場合には、いずれか一つが満たされた場合に、送信履歴記憶部23から当該路側装置1への車両情報の送信の履歴情報が削除されてもよい。
【0049】
制御部21は、路車通信部22から、路側装置1から受信された案内情報の入力を受けた場合には、当該案内情報をスピーカ216又は/及びディスプレイ217から出力させる。スピーカ216又はディスプレイ217のいずれから案内情報が出力されるかは、案内情報のデータ形式に応じて決定される。
【0050】
送信履歴記憶部23は、車両情報の送信の履歴情報を記憶する。送信履歴記憶部23は、例えば、メモリ202の記憶領域に作成される。送信履歴記憶部23に記憶される車両情報の送信の履歴情報には、例えば、車両情報の送信先の情報と送信時刻とが含まれる。送信履歴記憶部23に記憶される車両情報の送信の履歴情報は、例えば、上述のようにして制御部21によって登録及び削除される。
【0051】
次に、路側装置1は、機能構成要素として、制御部11、車両通信部12、画像認識部13、及び、車両情報記憶部14を備える。これらの機能構成要素は、路側装置1のCPU 101が所定のプログラムを実行することによって達成される。
【0052】
車両通信部12は、路車間通信部105を通じて車両2と通信を行う際のインタフェースである。車両通信部12は、例えば、車両2から車両情報を受信する。車両通信部12は、例えば、制御部11から所定の周期で合流地点接近信号の入力を受けて、マルチキャスト又はブロードキャストで送信する。また、車両通信部12は、例えば、制御部11から案内情報の入力を受けて、指定の車両2へ送信する。
【0053】
制御部11は、路側装置1側の合流案内に係る処理の制御を行う。制御部11は、例えば、路側装置1が監視する合流地点を含む道路の区間が渋滞している場合に、所定の周期で、マルチキャスト又はブロードキャストで、合流地点接近信号を送信する。合流地点接近信号は車両通信部12を通じて送信される。合流地点接近信号には、例えば、路側装置1の識別情報が含まれている。路側装置1が監視する合流地点を含む道路の区間が渋滞していることは、例えば、通信部104を通じて、交通渋滞情報を管理するサーバから取得してもよいし、VICS(道路交通情報通信システム:登録商標)によって発信される情報を取得してもよい。
【0054】
制御部11は、路車間通信部105から、車両2から受信された車両情報の入力を受けた場合には、当該車両情報を後述の車両情報記憶部14に格納する。また、制御部11は、受信した車両情報に該当する車両2について、画像認識処理の開始を画像認識部13に指示する。
【0055】
制御部11は、所定のレートで画像認識部13から、カメラ111の撮像画像の車両の認識結果の入力を受ける。カメラ111の撮像画像の車両の認識結果には、例えば、撮像画像内において検出された車両2と、各車両2の位置情報とが含まれる。撮像画像から検出される車両2の位置情報には、例えば、位置する車線(加速車線又は本線)、合流エリア又は合流待機エリアに位置するか、及び、前後左右に位置する車両2等の情報が含まれる。
【0056】
制御部11は、カメラ111の撮像画像の車両の認識結果から、例えば、合流エリア内の車両2、合流待機エリア内の車両2、合流エリア内の各車両2について本線上の先行車両及び後続車両を特定する。制御部11は、例えば、
図1に示される例でいうところの、合流エリア内の先頭車両2A、車両2Aに対する後続車両3B、合流待機エリア内の車両2B及び2Cに対して、それぞれに応じた案内情報等を生成し、車両通信部12を通じて送信する。
【0057】
制御部11は、合流エリア内の先頭車両2Aには、例えば、加速車線の先端において本線と合流することを示す合流案内情報を送信する。合流案内情報には、例えば、先行車両が車両3Aであることと、車両2Aに対する先行車両3Aの外観に関する情報とが含まれる。合流案内情報は、実際には、上述の情報を含むメッセージである。具体的には、合流案内情報としてのメッセージは、「車線の先端で、<車体色>の<車種>に続いて合流してください」等である。ただし、これに限定されない。例えば、合流案内情報としてのメッセージは、先行車両が車両3Aであることと、車両2Aに対する先行車両3Aの外観に関する情報とが含まれていない、「車線の先端で、本線上の前方の車両に続いて合流してください」等であってもよい。
【0058】
また、制御部11は、後続車両3Bへ、加速車線上の車両を本線に入れてあげることを示す合流支援案内情報を送信する。合流支援案内情報には、例えば、合流させる車両が車両2Aであることと、車両2Aの外観に関する情報とが含まれる。合流支援案内情報は、実際には、上述の情報を含むメッセージである。具体的には、合流支援案内情報としてのメッセージは、「<車体色>の<車種>を合流させてください」等である。ただし、これ
に限定されない。例えば、合流支援案内情報としてのメッセージは、合流させる車両が車両2Aであることと、車両2Aの外観に関する情報とが含まれていない、「加速車線上の先頭車両を合流させてください」等であってもよい。
【0059】
また、制御部11は、合流待機エリア5B内に位置する車両2B及び車両2Cへ、本線への合流の待機を示す合流待機案内情報を送信する。合流待機案内情報は、実際には、上述の情報を含むメッセージである。具体的には、合流待機案内情報としてのメッセージは、「現地点での合流はお控えください」等である。ただし、これに限定されない。
【0060】
制御部11は、例えば、カメラ111の撮像画像から認識されなくなった車両2に関する車両情報を車両情報記憶部14から削除する。なお、車両情報記憶部14から車両情報の削除のタイミングはこれに限定されない。
【0061】
画像認識部13は、例えば、画像処理部106に相当する。画像認識部13は、例えば、制御部11から入力される車両情報に合致する車両2をカメラ111の撮像画像から検出し、検出された車両2の位置情報を取得する。画像認識部13は、検出された車両2の識別情報と位置情報とを認識結果として制御部11に出力する。
【0062】
車両情報記憶部14は、車両2から受信された車両情報を記憶する。車両情報記憶部14は、例えば、メモリ102の記憶領域に作成される。車両情報記憶部14に記憶される車両情報は、上述の通り制御部11によって登録及び削除される。車両情報記憶部14には、車両情報とともに対応する車両へ案内が行われたこと及びその案内の種類も記録されてもよい。
【0063】
なお、路側装置1及び車両2の機能構成要素は一例であって、
図4に示される例に限定されない。また、路側装置1及び車両2の各機能構成要素が実行する処理は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって達成されてもよい
。
【0064】
<処理の流れ>
図5は、路側装置1の車両情報取得処理のフローチャートの一例である。
図5に示される処理は、例えば、路側装置1が対象とする合流地点を含む道路上の区間において渋滞が発生していることが検出されている間、繰り返し実行される。なお、
図5に示される車両情報取得処理とともに、合流地点接近信号の定期送信も開始される。
図5に示される処理の主体はCPU 101であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。以降のフローチャートについても同様である。
【0065】
OP101では、制御部11は、いずれかの車両2から車両情報が受信されたか否かを判定する。車両情報が受信された場合には(OP101:YES)、処理がOP102に進む。車両情報が受信されていない場合には(OP101:NO)、
図5に示される処理が終了する。
【0066】
OP102では、制御部11は、受信された車両情報は新規であるか否かを判定する。OP102の処理は、例えば、受信された車両情報と同じ情報が車両情報記憶部14にすでに格納されているか否かを判定することで行われる。受信された車両情報が新規である場合には(OP102:YES)、処理がOP103に進む。受信された車両情報が新規でない場合には(OP102:NO)、
図5に示される処理が終了する。
【0067】
OP103では、制御部11は、受信した車両情報を車両情報記憶部14に格納する。OP104では、制御部11は、受信した車両情報に該当する車両2の検出の開始を画像
認識部13に指示する。
【0068】
OP105では、制御部11は、カメラ111の撮像画像から、当該車両2が検出されているか否かを判定する。カメラ111の撮像画像から当該車両2が検出されている場合には(OP105:YES)、OP105の処理が繰り返される。カメラ111の撮像画像から当該車両2が検出されない場合には(OP105:NO)、処理がOP106に進む。
【0069】
OP106では、制御部11は、当該車両2の検出の終了を画像認識部13に指示し、当該車両2の車両情報を車両情報記憶部14から削除する。これによって、例えば、当該車両2が走行によりカメラ111の撮像範囲から退出した場合には、カメラ111の撮像画像からの当該車両2の検出が停止される。その後、
図5に示される処理が終了する。
【0070】
図6は、路側装置1の合流案内処理のフローチャートの一例である。
図6に示される処理は、例えば、路側装置1が対象とする合流地点を含む道路上の区間において渋滞が発生していることが検出されている間、所定の周期で繰り返し実行される。例えば、
図6に示される処理は、カメラ111のフレームレートに合わせて実行されてもよい。
【0071】
OP201では、制御部11は、カメラ111の撮像画像の認識処理の結果を画像認識部13から取得する。制御部11は、取得した撮像画像の認識結果をバッファする。OP202では、制御部11は、撮像画像の認識結果から、合流エリア5A内に存在する車両2を特定する。
【0072】
OP203では、制御部11は、1つ前の処理時の撮像画像の認識結果とOP201で取得した撮像画像の認識結果とを比較し、合流エリア内の車両2に変化があるか否かを判定する。合流エリア内の車両2の変化には、例えば、新たな車両2の追加、先頭車両の変化等が含まれる。合流エリア内の車両2に変化がある場合には(OP203:YES)、処理がOP204に進む。合流エリア内の車両2に変化がない場合には(OP203:NO)、
図6に示される処理が終了する。
【0073】
OP204では、制御部11は、撮像画像の認識結果から、合流エリア内の未案内の車両2について、当該車両2に対する先行車両及び後続車両を特定する。制御部11は、特定した先行車両及び後続車両を、例えば、車両情報記憶部14に、当該車両2の車両情報と対応付けて格納する。また、未案内の車両2とは、合流案内情報がまだ送信されていない車両2のことであり、合流案内情報が送信済みであるか否かは、例えば、車両情報記憶部14に記録されている。
【0074】
OP205では、制御部11は、加速車線の先頭車両へ、合流案内情報を送信する。O
P206では、制御部11は、加速車線の先頭車両に対応する本線上の後続車両へ、合流支援案内情報を送信する。OP207では、制御部11は、OP205及びOP206で各車両に案内情報を送信したことを車両情報記憶部14に記録する。
【0075】
OP208では、制御部11は、撮像画像の認識結果から、合流待機エリア内の車両2を特定する。OP209では、制御部11は、合流待機エリア内の車両2へ合流待機案内情報を送信する。その後、
図6に示される処理が終了する。
【0076】
図6に示される処理では、OP203及びOP207等の処理によって、同じ車両2に同じ案内情報が重複して送信されることが抑制される。何度も繰り返し同じ案内がなされると、車両2の運転者にわずらわしさを感じさせてしまうためである。また、路側装置1の処理負荷、及び、ネットワークの負荷を増やすことを抑制することもできる。
【0077】
図7は、車両2の合流地点接近信号の受信時の処理のフローチャートの一例である。
図7に示される処理は、例えば、車両2の制御装置20が稼働中繰り返し実行されてもよいし、例えば、カーナビゲーションシステム経由で走行中の道路に渋滞が発生していることが取得されている間繰り返し実行されてもよい。
【0078】
OP301では、制御部21は、路車通信部22を通じて、合流地点接近信号が受信されたか否かを判定する。合流地点接近信号が受信された場合には(OP301:YES)、処理がOP302に進む。合流地点接近信号が受信されていない場合には(OP301:NO)、
図7に示される処理が終了する。
【0079】
OP302では、制御部21は、合流地点接近信号の送信元である路側装置1への車両情報の送信履歴があるか否かを判定する。OP302の処理は、送信履歴記憶部23に車両情報の送信先として路側装置1の識別情報が格納されているか否かを判定することで行われる。路側装置1への車両情報の送信履歴がある場合には(OP302:YES)、処理がOP305に進む。路側装置1への車両情報の送信履歴がない場合には(OP302:NO)、処理がOP303に進む。
【0080】
OP303では、制御部21は、合流地点接近信号の送信元である路側装置1へ車両情報を送信する。OP304では、制御部21は、当該路側装置1の識別情報と車両情報の送信時刻とを、車両情報の送信の履歴情報として、送信履歴記憶部23に格納する。
【0081】
OP305では、制御部21は、送信履歴の削除条件が満たされたか否かを判定する。送信履歴の削除条件は、当該路側装置1への車両情報の送信から所定時間経過したこと、又は、当該路側装置1から合流地点接近信号が受信されなくなったこと、路側装置1から所定距離以上離れたこと等のいずれか又は複数である。送信履歴の削除条件が満たされた場合には(OP305:YES)、処理がOP306に進む。
【0082】
OP306では、制御部21は、該当する路側装置1への車両情報の送信の履歴情報を送信履歴記憶部23から削除する。その後、
図7に示される処理が終了する。車両情報の送信履歴を保持することによって、同じ路側装置1から複数回合流地点接近信号を受信したとしても、当該路側装置1へ車両情報を送信するのは合流地点接近信号の初回受信時のみとなる。これによって、車両2及び路側装置1に係る処理負荷の増大、及び、ネットワークの帯域使用を抑制することができる。
【0083】
図8は、車両2の案内情報受信時の処理のフローチャートの一例である。
図8に示される処理は、例えば、車両2の制御装置20の稼働中、又は、合流地点接近信号を受信後から受信しなくなるまでの間、繰り返し実行される。
【0084】
OP401では、制御部21は、案内情報を受信したか否かを判定する。案内情報が受信された場合には(OP401:YES)、処理がOP402に進む。案内情報が受信されていない場合には(OP401:NO)、
図8に示される処理が終了する。
【0085】
OP402では、制御部21は、案内情報の送信元の路側装置1への車両情報の送信の履歴情報が送信履歴記憶部23に格納されているか否かを判定する。当該路側装置1への車両情報の送信履歴がある場合には(OP402:YES)、処理がOP403に進む。当該路側装置1への車両情報の送信履歴がない場合には(OP402:NO)、
図8に示される処理が終了する。
【0086】
OP403では、制御部21は、受信した案内情報をスピーカ216又は/及びディス
プレイ217に出力する。その後、
図8に示される処理が終了する。
【0087】
図9は、合流案内処理の具体例を示す図である。
図9に示される道路上の範囲は、路側装置1から発信される合流地点接近信号の到達範囲内であるとする。したがって、
図9に示される例における各車両は、路側装置1からの合流地点接近信号を受信しており、路側装置1へ車両情報を送信済みであるものとする。また、路側装置1も、
図9に示される例における各車両の車両情報をすでに保持していることとする。
【0088】
路側装置1のカメラ111の撮像範囲は、合流エリア5A、合流待機エリア5B、及び、合流エリア5A及び合流待機エリア5Bに隣接する本線上の所定範囲を含む。路側装置1は、カメラ111の撮像画像から合流エリア5A内に車両2Aが位置することを検出する(
図6、OP202)。路側装置1は、車両2Aの本線への割り込み位置として、車両3Aと車両3Bとの間を特定する。すなわち、路側装置1は、車両2Aに対する先行車両を車両3A、及び、後続車両を車両3Bと特定する(
図6、OP204)。
【0089】
路側装置1は、車両2Aへ、先行車両3Aの後ろに続いて本線に合流することと、先行車両3Aの外観に関する情報とを含む合流案内情報を送信する(OP205)。例えば、合流案内情報として、「<車両3A>の後ろに続いて合流してください」というメッセージが車両2Aへ送信され、車両2Aのディスプレイ217に表示される、又は、スピーカ216から出力される。当該メッセージ内の<車両3A>には、例えば、車両3Aの車体色、車種、及び車両識別番号のうちの少なくともいずれかを示す情報が含まれる。
【0090】
また、路側装置1は、車両2Aに対する後続車両3Bへ、先頭車両2Aを入れてあげることと、車両2Aの外観に関する情報とが含まれる合流支援案内情報を送信する(
図6、OP206)。例えば、合流支援案内情報として、「<車両2A>を合流させてください」とういメッセージが車両3Bのディスプレイ217に表示される、又は、スピーカ216から出力される。当該メッセージ内の<車両2A>には、例えば、車両2Aの車体色、車種、及び車両識別番号のうちの少なくともいずれかを示す情報が含まれる。
【0091】
また、路側装置1は、合流待機エリア5B内に位置する車両2B及び2Cを特定する(
図6、OP208)。路側装置1は、車両2B及び2Cへ、合流待機案内情報を送信する(
図6、OP209)。合流待機案内情報として、例えば、「現地点での合流はお控えください」というメッセージが車両2B及び2Cのディスプレイ217に表示される、又は、スピーカ216から出力される。
【0092】
なお、合流案内情報として、後続車両の前方で合流することと、後続車両の外観に関する情報とが通知されてもよい。具体的には、
図9において、車両2Aに通知される合流案内情報として、「<車両3B>の前で本線へ合流してください」というメッセージが送信されてもよい。または、合流案内情報として、先行車両と後続車両との両者に関する情報が通知されてもよい。具体的には、
図9において、車両2Aに通知される合流案内情報として、「<車両3A>と<車両3B>の間で本線へ合流してください」というメッセージが送信されてもよい。これらのメッセージ内の<車両3A>及び<車両3B>には、例えば、車両3A及び車両3Bの車体色、車種、及び車両識別番号のうちの少なくともいずれかを示す情報が含まれる。
【0093】
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態では、加速車線上から本線へ合流する車両、及び、当該車両の本線上の後方を走行する車両の双方に対して合流についての案内情報が送信されるので、スムーズに合流させることができる。また、路側装置1が合流地点付近を走行する各車両にジッパー法での合流が行われるように案内情報を送信する。これによって、加速車線から本線への
合流によって渋滞が発生又は悪化することを抑制することができる。
【0094】
また、加速車線上から本線へ合流する車両には、当該車両の本線上の前方を走行する車両の外観に関する情報が通知され、当該本線上の車両には加速車線上から本線へ合流する車両の外観に関する情報が通知される。これによって、案内情報を受けた車両の運転者が、続いて本線に合流する車両又は自車両の前に加速車線から本線へ合流させる車両を特定することを補助することができる。
【0095】
また、第1実施形態では、合流待機エリアに位置する車両には、本線への合流の待機を示す合流待機案内情報が送信される。これによって、加速車線上の先端付近に到達していない車両が本線に合流することを抑制することができる。
【0096】
また、第1実施形態では、渋滞の発生時に、上述のような合流案内処理が行われる。これによって、路側装置1及び車両2の合流案内処理の稼働時間を低減させることができ、路側装置1及び車両2の処理負荷及びリソースの使用を低減することができる。
【0097】
<第2実施形態>
図10は、第2実施形態に係る合流案内システムのシステム構成の一例を示す図である。第2実施形態では、路側装置1のような第3者的な立ち位置の装置を介せずに、車両が自律的に合流案内処理を実行する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と共通する説明は省略される。
【0098】
図10では、各車両2は、車車間通信可能であり、合流地点を含む所定範囲に進入すると、合流地点接近信号の送信を開始し、互いの車両情報の交換を行う。第2実施形態に係る合流地点接近信号には、例えば、車両2の識別情報、及び、車両2の外観に関する情報が含まれている。
【0099】
車両2は、自身の位置情報から、自身が合流エリア5A、合流待機エリア5B、合流エリア5A及び合流待機エリア5Bに隣接する本線上の所定範囲、又は、それ以外のいずれに位置するかを判定し、自身の位置に応じた案内情報を生成して、出力する。例えば、車両2が合流エリア5Aに位置し、車線の先頭であることを判定した場合(
図10中の車両2Aである場合)には、車両2Aは、合流案内情報を出力する。例えば、車両2が合流待機エリア5Bに位置することを判定した場合には(
図10中の車両2Bである場合)、車両2Bは、合流待機案内情報を出力する。例えば、車両2が合流エリア5A及び合流待機エリア5Bに隣接する本線上の所定の範囲を走行している車両である場合(
図10中の車両3Bである場合)には、車両3Bは、合流支援案内情報を出力する。
【0100】
図11は、第2実施形態に係る車両2の機能構成の一例を示す図である。第2実施形態に係る車両2のハードウェア構成は、第1実施形態と同様である。すなわち、第2実施形態に係る車両2の制御装置20は、「情報処理装置」の一例である。第2実施形態に係る車両2は、機能構成要素として、制御部21、路車通信部22、位置情報取得部24、画像認識部25、車両情報記憶部26、及び、道路情報データベース(DB)27を備える。
【0101】
路車通信部22は、第2実施形態では、V2X間通信部205による車車間通信を通じて他の車両2と通信を行う際のインタフェースである。位置情報取得部24は、例えば、所定の周期で、GPS受信部211から位置情報を取得し、制御部21に出力する。
【0102】
画像認識部25は、所定の周期で、カメラ212の撮像画像から車両を検出するための画像認識処理を行う。画像認識部25は、例えば、制御部21から車両情報の入力を受け
て、当該車両情報を用いて、カメラ212の撮像画像に対して画像認識を行う。画像認識部25による画像認識結果として、例えば、検出された車両、自車両と検出された車両との位置関係、自車両及び他の車両が走行している車線の種類(加速車線及び本線等)等が取得される。画像認識部25は、画像認識結果を制御部21に出力する。
【0103】
車両情報記憶部26は、例えば、車両2の制御装置20のメモリ202の記憶領域に生成される。車両情報記憶部26には、他の車両2から受信された車両情報が格納される。車両情報記憶部26に記憶される車両情報の登録及び削除は、制御部21によって行われる。
【0104】
道路情報DB 27は、道路に関する情報を保持するデータベースである。道路に関する情報には、合流地点の位置情報、及び、各合流地点における合流エリア及び合流待機エリアの設定が含まれる。また、道路に関する情報には、各地点における車線の位置情報及び種類が含まれてもよい。
【0105】
制御部21は、第2実施形態に係る合流案内処理の制御を行う。制御部21は、位置情報取得部24から位置情報の入力を受ける。制御部21は、道路情報DB 27を参照して、位置情報から、合流地点から所定範囲内に進入したことを検出した場合には、路車通信部22を通じて、合流地点接近信号の発信を開始する。合流地点接近信号は、マルチキャスト又はブロードキャストで所定の周期で送信される。合流地点接近信号には、例えば、車両2の車両情報が含まれる。また、車両2が合流地点から所定範囲内に進入したことを検出した場合には、制御部21は、画像認識部25に画像認識処理の開始を指示する。
【0106】
合流地点接近信号の発信及び画像認識処理は、例えば、所定の終了条件が満たされると停止される。合流地点接近信号の発信及び画像認識処理の終了条件は、例えば、合流地点から所定の範囲外に退出したこと、又は、開始から所定時間経過したことのいずれか又は両方である。なお、合流地点接近信号の発信及び画像認識処理の終了条件は、それぞれ異なっていてもよい。
【0107】
制御部21は、他の車両2から発信される合流地点接近信号を受信した場合には、受信した合流地点接近信号に含まれる車両情報を車両情報記憶部26に格納する。また、所定の終了条件が満たされた場合には、車両情報記憶部26から当該車両情報を削除する、又は、車両情報記憶部26をリフレッシュする。終了条件は、例えば、車両2が合流地点から所定の範囲外に退出したこと、又は、合流地点接近信号の発信及び画像認識処理の開始から所定時間経過したこと、いずれの車両からも合流地点接近信号が受信されなくなったこと、のいずれか又は複数である。
【0108】
制御部21は、道路情報DB 27を参照して、位置情報から、車両2が合流エリア内に存在することを検出した場合には、車両2が加速車線上の先頭車両であるか否かを判定する。制御部21は、車両2が合流エリアにおいて先頭を走行している場合に、合流案内情報を出力する。
【0109】
車両2が加速車線上の先頭車両であるか否かは、例えば、車両2の前方外向けに設置されたカメラ212の撮像画像の画像認識結果において、車両2の前に位置する他の車両が検出されているか否かを判定することによって判定される。車両2が加速車線上の先頭車両である場合には、制御部21は、本線上を走行している車両から、車両2に対する先行車両と後続車両とを特定する。例えば、先行車両には、本線上の車両2よりも前方を走行している直近の車両が特定される。例えば、後続車両には、本線上の車両2よりも後方を走行している直近の車両が特定される。なお、先行車両及び後続車両の特定方法はこれらに限定されない。
【0110】
制御部21は、道路情報DB 27を参照して、位置情報から、車両2が合流待機エリア内に存在することを検出した場合には、合流待機案内情報を出力する。
【0111】
制御部21は、道路情報DB 27を参照して、位置情報から、車両2が本線上に存在することを検出した場合には、画像認識結果から、加速車線上の車両が検出されるか否かを判定する。画像認識結果から加速車線上の車両が検出された場合には、制御部21は、合流支援案内情報を出力する。なお、この場合の合流支援案内情報は、例えば、特定の車両の情報を含まず、単に、加速車線上の車両を本線に入れてあげることを示すものであってもよい。
【0112】
また、制御部21は、車両2が合流エリア内の先頭車両である場合に、後続車両に対して、合流依頼を送信する。合流依頼は、本線への合流のための割り込みの依頼である。合流依頼には、例えば、送信元の車両の車両情報が含まれている。合流依頼を受信した場合には、制御部21は、合流支援案内情報を出力する。合流支援案内情報には、合流依頼とともに受信された車両情報も含まれている。合流依頼を他の車両2へ送信することは、「第2の車両へ第2の案内を通知すること」の一例である。
【0113】
図12は、第2実施形態に係る車両2の合流地点通過時の処理の一例である。
図12に示される処理は、例えば、走行中の道路の区間において渋滞が発生していることが検出される間、繰り返し実行される。ただし、これに限られず、
図12に示される処理は、渋滞の有無にかかわらず、繰り返し実行されてもよい。
【0114】
OP601では、制御部21は、道路情報DB 27を参照し、位置情報に基づいて、合流地点付近であるか否かを判定する。例えば、合流地点から所定範囲内である場合には、OP601が肯定判定となる。車両2が合流地点付近に進入したことを検出した場合には(OP601:YES)、処理がOP602に進む。車両2が合流地点付近を走行していない場合には(OP601:NO)、
図12に示される処理が終了する。
【0115】
OP602では、制御部21は、合流地点接近信号の周期的な送信を開始する。OP603では、制御部21は、画像認識部25に画像認識処理の開始を指示する。
【0116】
OP604では、制御部21は、合流地点接近信号の送信及び画像認識処理の終了条件が満たされているか否かを判定する。合流地点接近信号の送信及び画像認識処理の終了条件が満たされている場合には(OP604:YES)、処理がOP605に進む。合流地点接近信号の送信及び画像認識処理の終了条件が満たされていない場合には(OP604:NO)、当該終了条件が満たされるまで、OP604の処理が繰り返し実行される。
【0117】
OP605では、制御部21は、合流地点接近信号の送信を停止する。OP606では、制御部21は、画像認識部25に画像認識処理の停止を指示する。OP607では、制御部21は、車両情報記憶部26をリフレッシュする。その後、
図12に示される処理が終了する。
【0118】
なお、
図12では、合流地点接近信号の送信及び画像認識処理の終了条件、及び、車両情報記憶部26のリフレッシュの条件は同じである場合の例が示されているが、これに限定されない。
【0119】
図13A及び
図13Bは、第2実施形態に係る車両2の合流案内処理のフローチャートの一例である。
図13A及び
図13Bに示される処理は、例えば、走行中の道路の区間において渋滞が発生していることが検出される間、繰り返し実行される。
【0120】
OP701では、制御部21は、車両2が合流待機エリア内に位置するか否かを判定する。車両2が合流待機エリア内に位置する場合には(OP701:YES)、処理がOP702に進む。OP702では、制御部21は、合流待機案内情報を出力する。その後、
図13Aに示される処理が終了する。
【0121】
車両2が合流待機エリア内に位置していない場合には(OP701:NO)、処理がOP703に進む。OP703では、制御部21は、車両2が合流エリア内に位置するか否かを判定する。車両2が合流エリア内に位置する場合には(OP703:YES)、処理がOP704に進む。車両2が合流エリアに位置していない場合には(OP703:NO)、処理が
図13BのOP801に進む。
【0122】
OP704では、制御部21は、車両2が先頭車両であるか否かを判定する。車両2が先頭車両である場合には(OP704:YES)、処理がOP705に進む。車両2が先頭車両でない場合には(OP704:NO)、車両2が先頭車両となるまでOP704の処理が繰り返される。
【0123】
OP705では、制御部21は、カメラ212の撮像画像の画像認識結果から、車両2に対する本線上の先行車両と後続車両とを特定する。OP706では、制御部21は、車車間通信で、後続車両へ合流依頼を送信する。OP707では、制御部21は、合流案内情報を出力する。合流案内情報には、OP705で特定された先行車両の外観に関する情報が含まれている。先行車両の外観に関する情報は、当該先行車両から発信される合流地点接近信号を受信することで取得されている。その後、
図13Aに示される処理が終了する。
【0124】
図13Bに示される処理は、車両2が合流待機エリアにも合流エリアにも位置していない場合の処理である。OP801では、制御部21は、車両2は、合流エリア及び合流待機エリアに隣接する本線上に位置しているか否かを判定する。車両2が合流エリア及び合流待機エリアに隣接する本線上に位置している場合には(OP801:YES)、処理がOP802に進む。車両2が合流エリア及び合流待機エリアに隣接する本線上に位置していない場合には(OP801:NO)、
図13Bに示される処理が終了する。
【0125】
OP802では、制御部21は、他の車両2から合流依頼が受信されたか否かを判定する。他の車両2から合流依頼が受信された場合には(OP802:YES)、処理がOP804に進む。他の車両2から合流依頼が受信されていない場合には(OP802:NO)、処理がOP803に進む。
【0126】
OP803では、制御部21は、カメラ212の撮像画像の画像認識結果から、加速車線上の車両が検出されたか否かを判定する。カメラ212の撮像画像の画像認識結果から、加速車線上の車両が検出された場合には(OP803:YES)、処理がOP804に進む。カメラ212の撮像画像の画像認識結果から、加速車線上の車両が検出されていない場合には(OP803:NO)、
図13Bに示される処理が終了する。
【0127】
OP804では、制御部21は、合流支援案内情報を出力する。なお、合流依頼が受信されている場合には、合流支援案内情報には、送信元の車両の車両情報が含まれている。カメラ212の撮像画像の画像認識結果から加速車線上の車両が検出されている場合には、合流支援案内情報には、特定の車両の車両情報が含まれていなくてもよい。その後、
図13Bに示される処理が終了する。
【0128】
第2実施形態によれば、車両2同士が車車間通信可能で互いの情報を交換し合える場合
に、車両2自身が合流案内を行うことができる。
【0129】
<第3実施形態>
第3実施形態では、車車間通信の機能を備えていない車両2が単体で合流案内を行う。第3実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態と共通する説明は省略される。
【0130】
第3実施形態に係る車両2のハードウェア構成は、第1実施形態に係る車両2において、V2X通信部を備えていない点以外は同様である。また、第3実施形態に係る車両2の機能構成は、車両情報記憶部26を備えていない点以外は、
図11に示される第2実施形態に係る車両2の機能構成と同様である。
【0131】
第3実施形態では、車両2は車車間通信ができないので、他の車両2から当該他の車両2の車両情報を取得することができない。その為、車両2は、他の車両2の車両情報をカメラ212の撮像画像の画像認識処理によって取得する。また、他の車両2に対して車車間通信で合流依頼を行うこともしない。この2点について、第3実施形態の車両2の処理は第2実施形態と異なる。
【0132】
図14は、第3実施形態に係る車両2の合流案内処理のフローチャートの一例である。
図14に示される処理は、例えば、走行中の道路の区間において渋滞が発生していることが検出される間、繰り返し実行される。ただし、これに限られず、
図14に示される処理は、渋滞の有無にかかわらず、繰り返し実行されてもよい。
【0133】
OP901では、制御部21は、車両2が合流待機エリア内に位置するか否かを判定する。車両2が合流待機エリア内に位置する場合には(OP901:YES)、処理がOP902に進む。OP902では、制御部21は、合流待機案内情報を出力する。その後、
図14に示される処理が終了する。
【0134】
車両2が合流待機エリア内に位置していない場合には(OP901:NO)、処理がOP903に進む。OP903では、制御部21は、車両2が合流エリア内に位置するか否かを判定する。車両2が合流エリア内に位置する場合には(OP903:YES)、処理がOP904に進む。車両2が合流待機エリアにも合流エリアにも位置していない場合には(OP903:NO)、処理がOP907に進む。
【0135】
OP904では、制御部21は、車両2が先頭車両であるか否かを判定する。車両2が先頭車両である場合には(OP904:YES)、処理がOP905に進む。車両2が先頭車両でない場合には(OP904:NO)、車両2が先頭車両となるまでOP904の処理が繰り返される。
【0136】
OP905では、制御部21は、カメラ212の撮像画像の画像認識結果から、車両2に対する本線上の先行車両と後続車両とを特定する。OP906では、制御部21は、合流案内情報を出力する。合流案内情報には、OP905で特定された先行車両の外観に関する情報が含まれている。先行車両の外観に関する情報は、OP905における画像認識処理によって取得される。その後、
図14に示される処理が終了する。
【0137】
OP907からOP909の処理は、車両2が合流待機エリアにも合流エリアにも位置していない場合の処理である。OP907では、制御部21は、車両2は、合流エリア及び合流待機エリアに隣接する本線上に位置しているか否かを判定する。車両2が合流エリア及び合流待機エリアに隣接する本線上に位置している場合には(OP907:YES)、処理がOP908に進む。車両2が合流エリア及び合流待機エリアに隣接する本線上に位置していない場合には(OP907:NO)、
図14に示される処理が終了する。
【0138】
OP908では、制御部21は、カメラ212の撮像画像の画像認識結果から、加速車線上の車両が検出されたか否かを判定する。カメラ212の撮像画像の画像認識結果から、加速車線上の車両が検出された場合には(OP908:YES)、処理がOP909に進む。カメラ212の撮像画像の画像認識結果から、加速車線上の車両が検出されていない場合には(OP908:NO)、
図14に示される処理が終了する。
【0139】
OP909では、制御部21は、合流支援案内情報を出力する。カメラ212の撮像画像の画像認識結果から検出された加速車線上の車両から車両情報を受信することができないため、合流支援案内情報には、特定の車両の車両情報が含まれていなくてもよい。または、合流支援案内情報には、カメラ212の撮像画像から取得される車種、車体色等の車両の外観に関する情報が含まれていてもよい。その後、
図14に示される処理が終了する。
【0140】
第3実施形態によれば、車両2が車車間通信可能を行わなくても、車両2自身が合流案内を行うことができる。
【0141】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
【0142】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0143】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0144】
本発明は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0145】
1 :路側装置
2 :車両
11 :制御部
12 :車両通信部
13 :画像認識部
14 :車両情報記憶部
20 :制御装置
21 :制御部
22 :路車通信部
23 :送信履歴記憶部
24 :位置情報取得部
25 :画像認識部
26 :車両情報記憶部
100 :合流案内システム
102 :メモリ
103 :外部記憶装置
104 :通信部
105 :路車間通信部
106 :画像処理部
107 :インタフェース
111 :カメラ
202 :メモリ
203 :外部記憶装置
204 :通信部
205 :V2X間通信部
206 :画像処理部
207 :インタフェース
211 :GPS受信部
212 :カメラ
216 :スピーカ
217 :ディスプレイ