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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】車両洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/46 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
B60S1/46 G
B60S1/46 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020043156
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021142896
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】外山 諒
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-055562(JP,A)
【文献】特開2019-018597(JP,A)
【文献】国際公開第2019/239660(WO,A1)
【文献】特開平05-221287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部に設けられた洗浄対象部(12)に付着した異物を検出する検出部(20)と、
洗浄液を前記洗浄対象部に向けて噴射させる洗浄液噴射部(32)と、
作動することで前記洗浄液を前記洗浄液噴射部側へ圧送するウォッシャポンプ(30)と、
前記洗浄対象部の表面を払拭する払拭部(28)と、
前記検出部によって検出された前記異物の除去の難易度を判断する判断部(18)と、前記判断部によって判断された前記異物の除去の難易度に基づいて前記洗浄液噴射部が噴射する前記洗浄液の噴射量を決定する決定部(18)と、を有し、前記ウォッシャポンプの作動を制御する洗浄制御部(18)と、
を備え、
前記決定部は、前記判断部によって判断された前記異物の除去の難易度に基づいて前記洗浄液噴射部から噴射される前記洗浄液の噴射範囲を決定し、
前記洗浄液噴射部は、前記払拭部と共に移動し、
前記払拭部は、第1位置(P1)と第2位置(P2)との間の範囲で往復移動可能とされ、
前記洗浄制御部は、前記払拭部が前記第2位置から前記第1位置へ向かう際の複数回及び前記払拭部が前記第1位置から前記第2位置へ向かう際の複数回において前記洗浄液噴射部から前記洗浄対象部へ向けて前記洗浄液が噴射されるように前記ウォッシャポンプを制御し、
前記決定部が決定する前記洗浄液の噴射量は、前記払拭部が前記第2位置から前記第1位置へ向かう際の複数回において前記洗浄液噴射部から前記洗浄対象部へ向けて噴射される前記洗浄液の噴射量と前記払拭部が前記第1位置から前記第2位置へ向かう際の複数回において前記洗浄液噴射部から前記洗浄対象部へ向けて噴射される前記洗浄液の噴射量との総量となっていると共に、前記払拭部が前記第2位置から前記第1位置へ向かう際の複数回及び前記払拭部が前記第1位置から前記第2位置へ向かう際の複数回のそれぞれにおける前記ウォッシャポンプの出力及び前記ウォッシャポンプへの通電時間と対応しており、
前記決定部が決定する前記洗浄液の噴射範囲は、前記払拭部が前記第2位置から前記第1位置へ向かう際の複数回及び前記払拭部が前記第1位置から前記第2位置へ向かう際の複数回のそれぞれにおける前記ウォッシャポンプへの通電時間と対応している車両洗浄装置(10)。
【請求項2】
前記判断部は、前記検出部によって検出された前記異物の種類及び付着範囲の少なくとも一方を予め記録されたデータから推定することによって前記異物の除去の難易度を判断する請求項1に記載の車両洗浄装置。
【請求項3】
前記判断部は、前記検出部によって検出された前記異物の中に雨滴が含まれるか否かを判断し、
前記判断部が前記異物の中に雨滴が含まれると判断した場合に、前記決定部は、前記洗浄液噴射部から噴射される前記洗浄液の噴射量を前記判断部が前記異物の中に雨滴が含まれないと判断した場合よりも少ない噴射量に決定する請求項1又は請求項2に記載の車両洗浄装置。
【請求項4】
前記判断部が前記異物の中に雨滴が含まれると判断した場合に、前記決定部は、前記判断部が前記異物の中に雨滴が含まれないと判断した場合の噴射量に対する差し引き量を決定し、
前記差し引き量は、前記判断部が前記異物の中に雨滴が含まれないと判断した場合の噴射量よりも少ない量となっている請求項3に記載の車両洗浄装置。
【請求項5】
前記洗浄対象部は、車両のウィンドシールドガラス(12)とされ、
前記検出部は、前記ウィンドシールドガラスを通じて車両の外側の状態及び前記ウィンドシールドガラスの表面の状態を検出する車載カメラ(20)とされ、
前記決定部は、車両が自動運転モードに設定されている場合に前記洗浄液噴射部から噴射される前記洗浄液の噴射範囲を前記車載カメラと対応する噴射範囲に決定する請求項4に記載の車両洗浄装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記判断部によって判断された前記異物の除去の難易度に基づいて前記払拭部による前記洗浄対象部の表面の払拭速度及び払拭範囲の少なくとも一方を決定する請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の車両洗浄装置。
【請求項7】
前記判断部は、雪や霜が前記洗浄対象部の表面に固着しているか否かを判断し、
前記判断部が雪や霜が前記洗浄対象部の表面に固着していると判断した場合に、前記決定部は、前記払拭部による前記洗浄対象部の表面の払拭速度を前記判断部が雪や霜が前記洗浄対象部の表面に固着していないと判断した場合よりも速い払拭速度に決定する請求項6に記載の車両洗浄装置。
【請求項8】
前記払拭部は、前記洗浄対象部の表面を払拭する方向が反転されることにより該洗浄対象部の表面を往復して払拭可能とされ、
前記決定部は、前記検出部によって検出された前記異物と対応する位置で前記払拭部の払拭する方向が反転されるように前記払拭部による前記洗浄対象部の表面の払拭範囲を決定する請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の車両洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両が停止状態にあるときに、車両の窓ガラスに付着した異物を除去できる車両の窓ガラスの異物除去装置が開示されている。この文献に記載された車両の窓ガラスの異物除去装置では、車両が停止状態にあるときに、各種センサから得られる情報に基づいて車両の窓ガラスに付着した異物を検出する。そして、検出された異物の大きさが閾値以上である場合に、洗浄液を車両の窓ガラスへ向けて噴射させると共に、車両の窓ガラスをワイパによって払拭させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-55562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載された構成は、車両が停止状態にあるときに、車両の窓ガラスに付着した異物を除去するという点では有用な構成ではあるが、付着した異物の除去の難易度を考慮した構成とはなっていない。
【0005】
本開示は上記事実を考慮し、付着した異物の除去の難易度に応じて洗浄を行うことができる車両洗浄装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する車両洗浄装置(10)は、車両の外部に設けられた洗浄対象部(12)に付着した異物を検出する検出部(20)と、洗浄液を前記洗浄対象部に向けて噴射させる洗浄液噴射部(32)と、前記洗浄対象部の表面を払拭する払拭部(28)と、前記検出部によって検出された前記異物の除去の難易度を判断する判断部(18)と、前記判断部によって判断された前記異物の除去の難易度に基づいて前記洗浄液噴射部が噴射する前記洗浄液の噴射量を決定する決定部(18)と、を備えている。
【0007】
この様に構成することで、付着した異物の除去の難易度に応じて洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】車両のフロントウィンドシールドガラスを洗浄する車両洗浄装置の一部を模式的に示す平面図である。
図2図1に示された車両洗浄装置を模式的に示すブロック図である。
図3】第1の制御フローを示すフローチャートである。
図4】第1の制御フローにより作動されたワイパ装置のワイパブレードの位置の変化、及び第1の制御フローにより作動されたウォッシャポンプの出力の変化を示すグラフである。
図5】第2の制御フローを示すフローチャートである。
図6】第2の制御フローにより作動されたワイパ装置のワイパブレードの位置の変化、及び第2の制御フローにより作動されたウォッシャポンプの出力の変化を示すグラフである。
図7】第3の制御フローを示すフローチャートである。
図8】第4の制御フローを示すフローチャートである。
図9】第5の制御フローを示すフローチャートである。
図10】第5の制御フローにより作動されたワイパ装置のワイパブレードの位置の変化、及び第5の制御フローにより作動されたウォッシャポンプの出力の変化を示すグラフである。
図11】第6の制御フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び図2を用いて、本開示の実施形態に係る車両洗浄装置10について説明する。
【0010】
図1に示されるように、本実施形態の車両洗浄装置10は、洗浄対象部及びウィンドシールドガラスとしての車両のフロントウィンドシールドガラス12(以下「フロントガラス12」と呼ぶ)の表面を洗浄するための装置である。図1及び図2に示されるように、この車両洗浄装置10は、フロントガラス12の表面を払拭するワイパ装置14と、フロントガラス12の表面に洗浄液を噴射させるウォッシャ噴射装置16と、ワイパ装置14及びウォッシャ噴射装置16を制御する洗浄用ECU18と、を備えている。また、車両洗浄装置10は、フロントガラス12を通じて車両の前方の状態及びフロントガラス12の表面の状態を検出する検出部としての車載カメラ20と、車両に設けられた温度センサ等の各種車載センサ22と、を備えている。
【0011】
ワイパ装置14は、後述する洗浄用ECU18によって回転軸の回転角度、回転速度及び回転方向が制御されるワイパモータ24と、ワイパモータ24の回転軸に支持されたワイパアーム26と、ワイパアーム26に支持された払拭部としてのワイパブレード28と、を備えている。そして、ワイパモータ24の回転軸が回転して、ワイパアーム26が傾動することで、ワイパブレード28がフロントガラス12の表面を払拭するようになっている。なお、本実施形態では、一対のワイパブレード28及び一対のワイパアーム26によってフロントガラス12が払拭されるようになっている。ここで、一対のワイパブレード28は、単一のワイパモータ24とリンク機構によって互いに連動して傾動するように構成されていてもよいし、それぞれ独立して設けられた一対のワイパモータ24によって傾動するように構成されていてもよい。
【0012】
ウォッシャ噴射装置16は、洗浄液を圧送するウォッシャポンプ30と、洗浄液が噴射される洗浄液噴射部としてのノズル32と、ウォッシャポンプ30とノズル32とを接続する配管34と、を備えている。ここで、本実施形態では、一対のノズル32が一対のワイパブレード28の長手方向の中央部にそれぞれ固定されている。
【0013】
判断部及び決定部としての洗浄用ECU18は、マイコン36と、メモリ38と、を備えている。また、本実施形態の洗浄用ECU18は、ワイパモータ24の回転軸の回転数及び回転角度等を検出する回転センサ40、ワイパモータ24の制御を行うワイパ駆動回路42及びウォッシャポンプ30を制御するウォッシャ駆動回路44と一体に構成されている。そして、マイコン36は、メモリ38、回転センサ40、ワイパ駆動回路42及びウォッシャ駆動回路44や車両ECU46と電気的に接続されることで相互に通信可能となっている。また、本実施形態の洗浄用ECU18では、車載カメラ20や各種車載センサ22からの情報が車両ECU46を介して取得可能となっている。
【0014】
マイコン36は、中央演算処理ユニットであり、ワイパ駆動回路42やウォッシャ駆動回路44を介してワイパモータ24やウォッシャポンプ30を制御する。詳述すると、マイコン36は、後述する車両ECU46を介して得られた車載カメラ20や各種車載センサ22からの情報に基づいてフロントガラス12の状態を判断し、ワイパモータ24やウォッシャポンプ30を制御する制御プログラムを決定する。また、マイコン36は、この制御プログラムをメモリ38から読み出して実行することで、ワイパモータ24やウォッシャポンプ30を制御する。
【0015】
(第1の制御)
次に、洗浄用ECU18が第1の制御を行うことによる車両洗浄装置10の作用並びに効果について説明する。
【0016】
本実施形態の車両洗浄装置10を備えた車両が停車している際に又は走行している際に、洗浄用ECU18は、車載カメラ20や各種車載センサ22からの情報を車両ECU46を介して取得する。そして、図3に示されるように、洗浄用ECU18は、ステップ101において車載カメラ20からの情報に基づいてフロントガラス12に汚れがあるか否かを判断する。すなわち、フロントガラス12に異物が付着しているか否かを判断する。ステップ101において否定判断されると、洗浄用ECU18は処理を終了し、再びステップ101の処理を行う。
【0017】
これに対して、ステップ101において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ102において車載カメラ20によって検出された異物の除去の難易度が低いか否かを判断する。ここで、洗浄用ECU18は、車載カメラ20によって検出された異物の種類及び付着範囲の少なくとも一方を予めメモリ38に記録されたデータと照合することにより推定して、異物の除去の難易度を判断する。なお、異物の種類や付着範囲は、車載カメラ20によって検出された(すなわち、撮影された)異物の形状、寸法及び色彩等をメモリ38に記録されたデータと照合することにより推定する。
【0018】
例えば、洗浄用ECU18は、固着する前の鳥の糞がフロントガラス12の狭い範囲に付着している状態や泥や砂の含有量が少ない雨滴がフロントガラス12の広い範囲に付着している状態であると推定すると、異物の除去の難易度が低いと判断する。すなわち、洗浄用ECU18は、ステップ102において肯定判断する。ステップ102において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ103において洗浄液の噴射量を所定の量V1に決定すると共に噴射範囲を所定に範囲θ1に決定する。そして、洗浄用ECU18は、ステップ104においてワイパモータ24を作動させて、ステップ105においてステップ103で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0019】
ステップ102において否定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ106において車載カメラ20によって検出された異物の除去の難易度が中程度であるか否か又は中程度よりも低いか否かを判断する。なお、このステップで判断される異物の除去の難易度の中程度とは、ステップ102において判断される異物の除去の難易度よりも高い難易度である。例えば、洗浄用ECU18は、泥や黄砂等がフロントガラス12の広い範囲に付着している状態であると推定すると、異物の除去の難易度が中程度又は中程度よりも低いと判断する。すなわち、洗浄用ECU18は、ステップ106において肯定判断する。ステップ106において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ107において洗浄液の噴射量をV1よりも多い量であるV2に決定すると共に噴射範囲をθ1よりも広い範囲であるθ2に決定する。そして、洗浄用ECU18は、ステップ104においてワイパモータ24を作動させて、ステップ105においてステップ107で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0020】
その一方で、例えば、洗浄用ECU18は、霜や雪、塩化カルシウム等がフロントガラス12の広い範囲に固着している状態であると推定すると、異物の除去の難易度が中程度よりも高いと判断する。すなわち、洗浄用ECU18は、ステップ106において否定判断する。ステップ106において否定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ108において洗浄液の噴射量をV2よりも多い量であるV3に決定すると共に噴射範囲をθ2よりも広い範囲であるθ3に決定する。そして、洗浄用ECU18は、ステップ104においてワイパモータ24を作動させて、ステップ105においてステップ108で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0021】
ここで、図4には、ステップ103で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御された状態50A、ステップ107で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御された状態50B、ステップ108で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御された状態50Cの各状態のワイパ位置及びウォッシャポンプ30の出力を横軸を時間として並べたグラフが示されている。なお、図1及び図2に示されるように、ワイパ位置とは、フロントガラス12上におけるワイパブレード28の位置のことである。また、ウォッシャポンプ30の出力とは、ウォッシャポンプ30に印加される電圧と当該ウォッシャポンプ30を流れる電流との積算値のことである。
【0022】
ここで、各状態50A、50B、50Cにおけるワイパブレード28の動きについて説明する。図1及び図4に示されるように、先ず、フロントガラス12をワイパブレード28で払拭する必要のない状態では、ワイパブレード28は格納位置P0に配置される。そして、ワイパモータ24への通電がなされると、ワイパブレード28は、格納位置P0から上反転位置P1まで移動した後に当該位置で反転して、格納位置P0側へ移動する。格納位置P0側へ移動したワイパブレード28は、格納位置P0の手前である下反転位置P2まで移動した後に反転して、再び上反転位置P1側へ移動する。以後、ワイパブレード28は、上反転位置P1まで移動した後に反転して格納位置P0まで移動する。なお、上反転位置P1から下反転位置P2との間の範囲をワイパブレード28の払拭範囲とする。また、各状態50A、50B、50Cにおけるワイパブレード28の動きは上記に限定されるものではなく、要求されるフロントガラス12の洗浄性能等を考慮して適宜設定すればよい。
【0023】
また、各状態50A、50B、50Cでは、ワイパブレード28が下反転位置P2から上反転位置P1へ向かう際の2回及びワイパブレード28が上反転位置P1から下反転位置P2へ向かう際の2回の合計4回ノズル32からフロントガラス12へ向けて洗浄液が噴射されるようにウォッシャポンプ30が制御される。そして、この4回でノズル32からフロントガラス12へ噴射される洗浄液の総量が、ステップ103、ステップ107及びステップ108で決定された噴射量V1、V2、V3にそれぞれ対応する。また、ノズル32からフロントガラス12へ洗浄液が噴射されている際におけるワイパブレード28の移動軌跡と対応するワイパアーム26の傾動範囲が、ステップ103、ステップ107及びステップ108で決定された噴射範囲θ1、θ2、θ3にそれぞれ対応する。
【0024】
具体的には、ステップ103で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御された状態50Aでは、ウォッシャポンプ30の出力がW1とされると共にウォッシャポンプ30への1回の通電時間がt1とされる。また、ステップ107で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御された状態50Bでは、ウォッシャポンプ30の出力がW1よりも大きな出力であるW2とされると共にウォッシャポンプ30への1回の通電時間がt1よりも長い時間であるt2とされる。さらに、ステップ108で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御された状態50Cでは、ウォッシャポンプ30の出力がW2よりも大きな出力であるW3とされると共にウォッシャポンプ30への1回の通電時間がt2よりも長い時間であるt3とされる。
【0025】
以上説明したように、洗浄用ECU18が第1の制御でワイパモータ24及びウォッシャポンプ30を制御することにより、付着した異物の除去の難易度に応じてより適切な洗浄液の噴射量でフロントガラス12を洗浄することができる。
【0026】
なお、以上説明した例の他に、一例として、以下の表1に示された基準によってフロントガラス12に付着した異物の除去難易度を判断してもよい。以下の表1に示された例では、フロントガラス12や車載カメラ20の撮影範囲に対する泥、雪、霜の付着率を考慮して、フロントガラス12に付着した異物の除去難易度を判断している。例えば、泥の付着率が30%未満であれば、フロントガラス12に付着した異物の除去難易度が低いと判断している。また、泥の付着率が30~60%の範囲であれば、フロントガラス12に付着した異物の除去難易度が中程度と判断している。さらに、泥の付着率が70%以上であれば、フロントガラス12に付着した異物の除去難易度が高いと判断している。
【0027】
【表1】






【0028】
(第2の制御)
次に、洗浄用ECU18が第2の制御を行うことによる車両洗浄装置10の作用並びに効果について説明する。なお、第2の制御において前述の第1の制御と対応する部分の説明を省略することがある。
【0029】
図5に示されるように、第2の制御では、前述の第1の制御のステップ103、ステップ107及びステップ108にそれぞれ対応するステップ203、ステップ207及びステップ208においてワイパの払拭速度を決定することに特徴がある。ここで、図1及び図5に示されるように、ワイパの払拭速度とは、ワイパブレード28が所定の時間で所定の範囲を往復する回数のことをいう。例えば、ワイパブレード28が1分間で上反転位置P1と下反転位置P2との間を往復する回数のことをいう。なお、第2の制御におけるステップ201、ステップ202、ステップ206及びステップ205は、前述の第1の制御におけるステップ101、ステップ102、ステップ106及びステップ105と対応している。
【0030】
ステップ202において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ203において洗浄液の噴射量を所定の量V1に決定すると共に噴射範囲を所定に範囲θ1に決定することに加えて、ワイパの払拭速度をLoに決定する。そして、洗浄用ECU18は、ステップ204においてステップ203で決定したワイパの払拭速度となるようにワイパモータ24を作動させて、ステップ205においてステップ203で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0031】
ステップ206において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ207において洗浄液の噴射量をV1よりも多い量であるV2に決定すると共に噴射範囲をθ1よりも広い範囲であるθ2に決定することに加えて、ワイパの払拭速度をLoに決定する。そして、洗浄用ECU18は、ステップ204においてステップ207で決定したワイパの払拭速度となるようにワイパモータ24を作動させて、ステップ205においてステップ207で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0032】
ステップ206において否定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ208において洗浄液の噴射量をV2よりも多い量であるV3に決定すると共に噴射範囲をθ2よりも広い範囲であるθ3に決定することに加えて、ワイパの払拭速度をLoよりも高い速度であるHiに決定する。そして、洗浄用ECU18は、ステップ204においてステップ208で決定したワイパの払拭速度となるようにワイパモータ24を作動させて、ステップ205においてステップ208で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0033】
ここで、図6には、ステップ203で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御されると共にステップ203で決定されたワイパの払拭速度となるようにワイパモータ24が制御された状態60A、ステップ207で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御されると共にステップ207で決定されたワイパの払拭速度となるようにワイパモータ24が制御された状態60B、ステップ208で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御されると共にステップ208で決定されたワイパの払拭速度となるようにワイパモータ24が制御された状態60Cの各状態のワイパ位置、ウォッシャポンプ30の出力及びワイパの払拭速度を横軸を時間として並べた図4に対応するグラフが示されている。この図に示されるように、第2の制御でワイパモータ24及びウォッシャポンプ30を制御した例では、第1の制御でワイパモータ24及びウォッシャポンプ30を制御した場合と比べて、より適切なワイパの払拭速度でフロントガラス12を洗浄することができる。
【0034】
(第3の制御)
次に、洗浄用ECU18が第3の制御を行うことによる車両洗浄装置10の作用並びに効果について説明する。なお、第3の制御において前述の第1の制御と対応する部分の説明を省略することがある。
【0035】
図7に示されるように、第3の制御では、前述の第1の制御のステップ101、ステップ102、ステップ103、ステップ106、ステップ107及びステップ108にそれぞれ対応するステップ301、ステップ302、ステップ303、ステップ306、ステップ307及びステップ308の後に、雨滴の量を判断して洗浄液の噴射量を調節する。
【0036】
具体的には、ステップ303、ステップ307及びステップ308のいずれかのステップを経た後に、洗浄用ECU18は、ステップ309においてフロントガラス12に付着した異物の中に雨滴が含まれるか否かを判断する。ステップ309において否定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ304においてワイパモータ24を作動させて、ステップ305においてステップ303、ステップ307及びステップ308のいずれかのステップで決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0037】
ステップ309において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ310においてフロントガラス12に付着した雨滴の量が少量であるか否かを判断する。ステップ310において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ311において洗浄液の差し引き量を一例として10%に決定する。次に、洗浄用ECU18は、ステップ304においてワイパモータ24を作動させて、ステップ305においてステップ303、ステップ307及びステップ308のいずれかのステップで決定した洗浄液の噴射量からステップ311で決定した差し引き量を差し引いた噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0038】
ステップ310において否定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ312においてフロントガラス12に付着した雨滴の量が中程度であるか否か又は中程度よりも少ないか否かを判断する。なお、このステップで判断される雨滴の量の中程度とは、ステップ310において判断される雨滴の量よりも多い量である。ステップ312において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ313において洗浄液の差し引き量を一例として20%に決定する。次に、洗浄用ECU18は、ステップ304においてワイパモータ24を作動させて、ステップ305においてステップ303、ステップ307及びステップ308のいずれかのステップで決定した洗浄液の噴射量からステップ313で決定した差し引き量を差し引いた噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0039】
その一方で、 ステップ312において否定判断されると、すなわち、フロントガラス12に付着した雨滴の量が中程度よりも多いと判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ314において洗浄液の差し引き量を一例として30%に決定する。次に、洗浄用ECU18は、ステップ304においてワイパモータ24を作動させて、ステップ305においてステップ303、ステップ307及びステップ308のいずれかのステップで決定した洗浄液の噴射量からステップ314で決定した差し引き量を差し引いた噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0040】
以上説明したように、第3の制御でワイパモータ24及びウォッシャポンプ30を制御した例では、第1の制御でワイパモータ24及びウォッシャポンプ30を制御した場合と比べて、洗浄液の余分な使用を抑制することができる。
【0041】
(第4の制御)
次に、洗浄用ECU18が第4の制御を行うことによる車両洗浄装置10の作用並びに効果について説明する。なお、第4の制御において前述の第1の制御と対応する部分の説明を省略することがある。
【0042】
図8に示されるように、第4の制御では、前述のステップ103、ステップ107及びステップ108にそれぞれ対応するステップ403、ステップ407及びステップ408において洗浄液の噴射量のみを決定する。また、第4の制御では、ステップ403、ステップ407及びステップ408の後に、車両が自動運転モードとなっているか否かを判断して、洗浄液の噴射範囲を決定する。
【0043】
具体的には、洗浄用ECU18は、ステップ403を経た後に、ステップ409において車両ECU46からの情報に基づいて車両が自動運転モードで有るか否かを判断する。ステップ409において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ410において洗浄液の噴射範囲を車載カメラ20の画角と対応する範囲に決定する。これに対して、ステップ409において否定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ411において洗浄液の噴射範囲を所定に範囲θ1に決定する。そして、洗浄用ECU18は、ステッ404においてワイパモータ24を作動させて、ステップ405においてステップ403及びステップ410又はステップ411で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0044】
また、洗浄用ECU18は、ステップ407を経た後に、ステップ412において車両ECU46からの情報に基づいて車両が自動運転モードで有るか否かを判断する。ステップ412において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ413において洗浄液の噴射範囲を車載カメラ20の画角と対応する範囲に決定する。これに対して、ステップ412において否定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ414において洗浄液の噴射範囲を所定に範囲θ2に決定する。そして、洗浄用ECU18は、ステッ404においてワイパモータ24を作動させて、ステップ405においてステップ407及びステップ413又はステップ414で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0045】
また、洗浄用ECU18は、ステップ408を経た後に、ステップ415において車両ECU46からの情報に基づいて車両が自動運転モードで有るか否かを判断する。ステップ415において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ416において洗浄液の噴射範囲を車載カメラ20の画角と対応する範囲に決定する。これに対して、ステップ415において否定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ417において洗浄液の噴射範囲を所定に範囲θ3に決定する。そして、洗浄用ECU18は、ステッ404においてワイパモータ24を作動させて、ステップ405においてステップ408及びステップ416又はステップ417で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0046】
以上説明したように、第4の制御でワイパモータ24及びウォッシャポンプ30を制御した例では、第1の制御でワイパモータ24及びウォッシャポンプ30を制御した場合と比べて、車両の自動運転時における洗浄液の余分な使用を抑制することができる。
【0047】
(第5の制御)
次に、洗浄用ECU18が第5の制御を行うことによる車両洗浄装置10の作用並びに効果について説明する。なお、第5の制御において前述の第1の制御と対応する部分の説明を省略することがある。
【0048】
図9に示されるように、第5の制御では、前述の第1の制御のステップ103、ステップ107及びステップ108にそれぞれ対応するステップ503、ステップ507及びステップ508においてワイパの反転位置を決定することに特徴がある。なお、第5の制御におけるステップ501、ステップ502、ステップ506及びステップ505は、前述の第1の制御におけるステップ101、ステップ102、ステップ106及びステップ105と対応している。
【0049】
ステップ502において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ503において洗浄液の噴射量を所定の量V1に決定すると共に噴射範囲を所定に範囲θ1に決定することに加えて、ワイパの反転位置をP1に決定する。なお、この反転位置P1は、図1に示された位置のことである。そして、洗浄用ECU18は、ステップ504においてステップ303で決定したワイパの反転位置となるようにワイパモータ24を作動させて、ステップ505においてステップ503で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0050】
ステップ506において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ507において洗浄液の噴射量をV1よりも多い量であるV2に決定すると共に噴射範囲をθ1よりも広い範囲であるθ2に決定することに加えて、ワイパの反転位置をP1に決定する。そして、洗浄用ECU18は、ステップ504においてステップ507で決定したワイパの反転位置となるようにワイパモータ24を作動させて、ステップ505においてステップ507で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。
【0051】
ステップ506において否定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ508において洗浄液の噴射量をV2よりも多い量であるV3に決定すると共に噴射範囲をθ2よりも広い範囲であるθ3に決定することに加えて、ワイパの折返位置を汚れ付着位置P3に決定する。ここで、「汚れ付着位置P3」とは、車載カメラ20によって検出された異物のフロントガラス12上における位置のことであり、上反転位置P1と下反転位置P2との間における異物の付着位置のことである。そして、洗浄用ECU18は、ステップ504においてステップ508で決定したワイパの反転位置となるようにワイパモータ24を作動させて、ステップ505においてステップ508で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。すなわち、この場合のワイパブレード28の払拭範囲が、汚れ付着位置P3から下反転位置P2との間の範囲となる。
【0052】
ここで、図10には、ステップ503で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御されると共にステップ503で決定されたワイパの反転位置となるようにワイパモータ24が制御された状態70A、ステップ507で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御されると共にステップ507で決定されたワイパの反転位置となるようにワイパモータ24が制御された状態70B、ステップ508で決定された噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30が制御されると共にステップ508で決定されたワイパの反転位置となるようにワイパモータ24が制御された状態70Cの各状態のワイパ位置、ウォッシャポンプ30の出力及びワイパの払拭速度を横軸を時間として並べた図4に対応するグラフが示されている。この図に示されるように、第5の制御でワイパモータ24及びウォッシャポンプ30を制御した例では、第1の制御でワイパモータ24及びウォッシャポンプ30を制御した場合と比べて、ワイパブレード28の方向が切り替わる際の当該ワイパブレード28の動きによって、除去難易度が高い汚れを除去することができる。
【0053】
(第6の制御)
次に、洗浄用ECU18が第6の制御を行うことによる車両洗浄装置10の作用並びに効果について説明する。
【0054】
図11に示されるように、洗浄用ECU18は、ステップ601においてフロントガラス12に異物が付着しているか否かを判断する。ステップ601において否定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ602においてウォッシャ作動回数N=0に決定し、処理を終了する。そして、洗浄用ECU18は、再びステップ601の処理を行う。
【0055】
これに対して、ステップ601において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ606においてウォッシャ作動回数N=N+1に決定する。具体的には、ステップ601においてフロントガラス12に異物が付着していることが初めて判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ606においてウォッシャ作動回数N=1に決定する。
【0056】
次に、洗浄用ECU18は、ステップ607においてステップ606で決定されたウォッシャ作動回数Nが所定の回数より少ないか否かを判断する。ステップ607において肯定判断されると、洗浄用ECU18は、ステップ603において洗浄液の噴射量及び噴射範囲を「通常ウォッシャ作動の噴射量及び噴射範囲」に決定する。なお、「通常ウォッシャ作動の噴射量及び噴射範囲」とは、一例として第1の制御のステップ103において決定された洗浄液の噴射量V1及び噴射範囲θ1のことである。
【0057】
次に、洗浄用ECU18は、ステップ604においてワイパモータ24を作動させて、ステップ605においてステップ603で決定した洗浄液の噴射量及び噴射範囲となるようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。そして、洗浄用ECU18は、ステップ601からの処理を繰り返し行う。
【0058】
ここで、ステップ607において否定判断されるに至るということは、ステップ604にけるワイパモータ24を作動及びステップ605におけるウォッシャポンプ30の作動を所定の回数繰り返し行ったとしても、フロントガラス12に付着した異物が除去できなかったということである。この場合、洗浄用ECU18は、ステップ608において洗浄液の噴射量及び噴射範囲をそれぞれ増加させることを決定する。次に、洗浄用ECU18は、ステップ604においてワイパモータ24を作動させて、ステップ605において洗浄液の噴射量及び噴射範囲がそれぞれ増加及び拡大するようにウォッシャポンプ30を作動させて、処理を終了する。そして、洗浄用ECU18は、ステップ601からの処理を繰り返し行う。
【0059】
以上説明した第6の制御でワイパモータ24及びウォッシャポンプ30を制御した例では、フロントガラス12に付着した異物の除去が困難な場合に、洗浄液の噴射量及び噴射範囲をそれぞれ増加及び拡大させることができる。
【0060】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。例えば、洗浄対象部としてのセンサ(例えばLiDERと呼ばれるセンサ)を洗浄するための車両洗浄装置に本開示の構成を適用することもできる。
【符号の説明】
【0061】
10 車両洗浄装置、12 フロントウィンドシールドガラス(洗浄対象部、ウィンドシールドガラス)、18 洗浄用ECU(判断部、決定部)、20 車載カメラ(検出部)、28 ワイパブレード(払拭部)、32 ノズル(洗浄液噴射部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11