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  • 特許-荷受ホッパ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】荷受ホッパ
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/26 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
B65D88/26 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020052565
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021151881
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】身深 布沙子
(72)【発明者】
【氏名】升尾 智裕
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-163218(JP,A)
【文献】実開昭54-120079(JP,U)
【文献】実開平4-45291(JP,U)
【文献】中国実用新案第208813899(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する原料導入口を有するホッパ本体と、上記原料導入口の開口周縁における少なくとも一部領域に立設され、上記原料導入口に向けて上方から投入する原料を上記原料導入口へと案内する衝立とを備え、上記原料導入口を介して上記ホッパ本体内部に原料を導入するよう構成された荷受ホッパであって、
上記衝立の下部に形成され、下側縁部が荷受場床面に対応する高さに設定された1つ以上の第1開口部と、
該第1開口部の上側縁部から当該第1開口部の開口領域を覆うように上記衝立の内側下方に延びて上記第1開口部との間に散乱原料用通路を形成する仕切壁部と、
該仕切壁部の延出端と上記第1開口部の下側縁部との間で、且つ、上記原料導入口に対応する位置に形成され、上記散乱原料用通路に連通する第2開口部とを備えていることを特徴とする荷受ホッパ。
【請求項2】
請求項1に記載の荷受ホッパにおいて、
上記仕切壁部は、一端が上記第1開口部の上側縁部に連続する一方、他端に向かって斜め下方に傾斜して延びる傾斜壁部と、該傾斜壁部の他端から下方に直線状に延びる縦壁部とを備えていることを特徴とする荷受ホッパ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の荷受ホッパにおいて、
上記仕切壁部の延出端は、上記第1開口部の下端縁部と同じか、或いは、下端縁部よりも下方の位置に設定されていることを特徴とする荷受ホッパ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の荷受ホッパにおいて、
上記第1開口部と上記仕切壁部との間に設けられ、且つ、上記第1開口部の上側縁部に固定され、上記第1開口部の上側縁部から当該第1開口部の開口領域を塞ぐように下方に延びる可撓性シートを備えていることを特徴とする荷受ホッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カントリーエレベータ等の穀類乾燥調製施設における荷受場に配設された荷受ホッパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カントリーエレベータ等の穀類乾燥調製施設における荷受場には、施設に貯蔵する原料を荷受けする荷受ホッパが配設されている。該荷受ホッパは、一般的に、上方に開口する原料導入口を有するホッパ本体と、原料導入口の開口周縁における少なくとも一部領域に立設された衝立とを備え、原料導入口に向けて上方から投入する原料を衝立で案内しながら原料導入口を介してホッパ本体内部へと導入するとともに、当該ホッパ本体内部において施設下流側に運搬する前に一時的に貯留するようになっている。
【0003】
ところで、荷受作業時において、トラックの荷台やコンテナ等に積まれた原料を荷受ホッパの原料導入口へと投入する際、原料が勢い余って衝立の外側に飛散して荷受場床面に散乱してしまう場合がある。このような場合、散乱する原料を荷受作業者が塵取と箒とを用いて掻き集めた後、集めた原料を衝立の上方開口から原料導入口へと再投入しなければならないので、作業が煩雑であるという問題があった。また、荷受作業者による原料の再投入作業時には、荷受作業者が衝立の上方開口に接近するので、荷受ホッパの原料導入口へのトラックの荷台等からの原料の投入を停止させる必要があり、荷受作業の効率が低下するという問題もあった。
【0004】
これらを回避するために、例えば、特許文献1のように、塵取を用いずに荷受場床面に散乱する原料を荷受ホッパに再投入することが考えられる。特許文献1の荷役ホッパにおけるホッパ本体の側壁下部には、水平方向に幅広の矩形状開口部が形成され、該開口部の下端縁部は、荷受場床面に対応する位置になっている。ホッパ本体内部の開口部寄りには、当該開口部の下端縁部に向かって下傾する底壁と、開口部の上端縁部からホッパ本体内部に向かって下傾する傾斜板とが配設され、該傾斜板は、当該傾斜板の上端縁部に沿って延びる回動杆周りに回動可能になっている。該回動杆の一端側は、ホッパ本体の側壁を貫通しており、その回動杆の一端には、開口部側から見て略L字状をなすフレームで構成されたペダルが取り付けられている。そして、トラックの荷台等により衝立の上方開口から投入する原料をホッパ本体内部に導入する際には、傾斜板が開口部を塞いでホッパ本体内部から開口部を介して原料がホッパ本体の外側に溢れ出てしまうのを防ぐ一方、ペダルを操作して傾斜板を上方に回動させると開口部がホッパ本体の内部に連通するようになっていて、この状態において荷受作業者が箒を用いて荷受場床面に散乱する原料を開口部からホッパ本体内部に掃き入れることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平2-163218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の如き原料の再投入用開口部を傾斜板の回動により開閉する構造は、複雑であって部品及び組立コストが嵩むとともに、装置が故障し易くなってしまうおそれがある。また、荷受場床面に散乱する原料を荷受ホッパに再投入するたびに傾斜板を回動させる必要があり、作業効率が悪いという問題もある。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、荷受作業時において荷受場床面に散乱する原料を簡単に、且つ、効率良く荷受ホッパに再投入することができ、しかも、使用を繰り返しても故障が発生し難い低コストな荷受ホッパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、荷受場床面に散乱する原料の再投入用開口部を荷受ホッパの衝立に形成するとともに、衝立内側の再投入用開口部に対応する位置に仕切壁部を設けるようにしたことを特徴とする。
【0009】
具体的には、上方に開口する原料導入口を有するホッパ本体と、上記原料導入口の開口周縁における少なくとも一部領域に立設され、上記原料導入口に向けて上方から投入する原料を上記原料導入口へと案内する衝立とを備え、上記原料導入口を介して上記ホッパ本体内部に原料を導入するよう構成された荷受ホッパを対象とし、次のような対策を講じた。
【0010】
すなわち、第1の発明では、上記衝立の下部に形成され、下側縁部が荷受場床面に対応する高さに設定された1つ以上の第1開口部と、該第1開口部の上側縁部から当該第1開口部の開口領域を覆うように上記衝立の内側下方に延びて上記第1開口部との間に飛散原料用通路を形成する仕切壁部と、該仕切壁部の延出端と上記第1開口部の下側縁部との間で、且つ、上記原料導入口に対応する位置に形成され、上記散乱原料用通路に連通する第2開口部とを備えていることを特徴とする。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、上記仕切壁部は、一端が上記第1開口部の上側縁部に連続する一方、他端に向かって斜め下方に傾斜して延びる傾斜壁部と、該傾斜壁部の他端から下方に直線状に延びる縦壁部とを備えていることを特徴とする。
【0012】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記仕切壁部の延出端は、上記第1開口部の下端縁部と同じか、或いは、下端縁部よりも下方の位置に設定されていることを特徴とする。
【0013】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、上記第1開口部と上記仕切壁部との間に設けられ、且つ、上記第1開口部の上側縁部に固定され、上記第1開口部の上側縁部から当該第1開口部の開口領域を塞ぐように下方に延びる可撓性シートを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明では、下端縁部が荷受場床面に対応する高さである第1開口部が衝立の下部に形成されているので、荷受作業者は、荷受場床面に散乱した原料を箒で集めながら第1開口部を介して衝立の内方に掃き入れることができるようになる。第1開口部を介して衝立の内方に掃き入れられた原料は、仕切壁部の外側面に案内されながら散乱原料用通路を下方に移動するとともに第2開口部を通過し、その後、原料導入口を介してホッパ本体内部に導入される。このように、荷受場床面に散乱する原料の再投入作業に塵取を用いる必要が無くなるので、荷受作業時における荷受場床面に散乱する原料のホッパ本体内部への再投入を簡単に行うことができる。また、トラックの荷台等により衝立の上方開口から原料を投入してホッパ本体内部に導入する際には、衝立の内方に投入された原料は、仕切壁部の内側面に案内されながら原料導入口を介してホッパ本体内部に導入されるようになる。このように、衝立の内側に位置する原料が第1開口部から荷受ホッパの外側に出てしまうのを仕切壁部により防ぐことができる。さらに、荷受場床面に散乱する原料のホッパ本体内部への再投入作業時において、特許文献1の如き傾斜板を回動させるといった箒で掃く作業以外の荷受作業者の動作が無くなるので、荷受作業者は効率良く散乱原料の再投入作業を行うことができる。それに加えて、特許文献1の如き原料を荷受ホッパに再投入する部分の構造が可動部分を有するものでは無いので、部品及び組立コストを下げることができるとともに、使用を繰り返しても装置の故障の発生を少なくすることができる。
【0015】
第2の発明では、衝立の上方から投入する原料が傾斜壁部の傾斜面によってスムーズに原料導入口まで案内されるようになる。したがって、衝立の上方から投入する原料のスムーズな移動を傾斜壁部が妨げたり、或いは、傾斜壁部によって原料が跳ね返って衝立の外側に飛散してしまうといったことを防ぐことができる。また、傾斜壁部に連続する縦壁部が上下に直線状に延びる形状をなしているので、散乱原料用通路を必要最小限の空間にしながら衝立内側の原料導入口までの散乱原料用通路を除く領域が十分に広い空間になり、衝立の上方から投入する原料を効率良くホッパ本体内部に導入することができる。
【0016】
第3の発明では、衝立の上方から投入する原料が仕切壁部の延出端を通過するときの原料の進行方向に対して第1開口部が後側に位置する状態になるので、衝立の上方から投入する原料が第1開口部から荷受ホッパの外側へと不意に飛び出してしまうのを防ぐことができる。
【0017】
第4の発明では、箒で集めた荷受場床面の原料を第1開口部へと移動させると、可撓性シートが散乱原料用通路側に撓んで当該散乱原料用通路に原料が入り込むようになる。一方、通常の荷受作業時には、可撓性シートが第1開口部を塞いでいるので、衝立の上方開口から投入する原料が第1開口部から荷受ホッパの外側に出てしまうのを確実に防ぐことができる一方、荷受場床面に散乱するゴミ等が第1開口部を介して衝立内側に入り込んでしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態1に係る荷受ホッパを示す斜視図である。
図2図1のII-II線における断面図である。
図3】本発明の実施形態2に係る図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0020】
《発明の実施形態1》
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係る荷受ホッパ1を示す。該荷受ホッパ1は、例えば、カントリーエレベータ等の穀類乾燥調製施設において原料10を受け入れる荷受場に配設された設備であり、荷受場床面F1のピットP1に埋設された略直方体形状の金属製ホッパ本体2と、該ホッパ本体2の上方に設けられた金属製衝立3とを備え、ホッパ本体2の後方には、バケットエレベーター(図示せず)が設置されている。
【0021】
ホッパ本体2の上部には、上方に開口する長方形状をなす原料導入口2bが設けられている。該原料導入口2bは、その内方に格子状に延びる金属フレーム2cが組み付けられ、ホッパ本体2の内部に設けられた貯留部2aに原料10を導入するようになっている。
【0022】
衝立3は、原料導入口2bの開口周縁における設備前方の長辺部分に沿って立設された第1壁部5と、原料導入口2bの開口周縁における設備側方の両短辺部分に沿って立設された一対の第2壁部6とを備え、第1壁部5と両第2壁部6とで原料導入口2bの上方の空間S1を平面視で略U字状に囲っている。
【0023】
すなわち、衝立3は、原料導入口2bの開口周縁における少なくとも一部領域に立設されていて、原料導入口2bに向けて衝立3の上方から投入する原料10を原料導入口2bへと案内するようになっている。
【0024】
第1壁部5の下部には、衝立3の内方に連通する矩形状をなす第1開口部5aが水平方向に複数並設され、該各第1開口部5aの下端縁部は、荷受場床面F1に対応する高さに設定されている。
【0025】
第1壁部5の内面には、第1開口部5aの開口領域を覆うように仕切壁部7が固定されている。
【0026】
該仕切壁部7は、一端が第1開口部5aの上側縁部に連続する一方、他端に向かって斜め下方に傾斜して延びる傾斜壁部7aと、該傾斜壁部7aの他端から下方に直線状に延びる縦壁部7bと、傾斜壁部7aの各側方縁部から下方に直線状に延びるとともに、第1開口部5aの各側方縁部と縦壁部7bの各側方縁部とをそれぞれ繋いでなる一対の側壁部7cとを備え、仕切壁部7の延出端7dは、第1開口部5aの下側縁部と略同じ位置になっている。
【0027】
すなわち、仕切壁部7は、第1開口部5aの上側縁部から第1壁部5の内側下方に延びて第1開口部5aとの間に散乱原料用通路R1を形成しており、仕切壁部7の延出端7dと第1開口部5aの下側縁部との間で、且つ、原料導入口2bに対応する位置には、散乱原料用通路R1に連通する第2開口部8が設けられている。
【0028】
バケットエレベーター(図示せず)は、当該バケットエレベーター(図示せず)における上流側のハウジング部分が原料導入口2bの開口周縁における設備後方の長辺部分に沿うように配設されている。
【0029】
バケットエレベーター(図示せず)は、その内部がホッパ本体2の貯留部2aに連通しており、原料導入口2bを介して貯留部2aに導入された原料10を施設下流側へと運搬するようになっている。
【0030】
次に、本発明の実施形態1の荷受ホッパ1への荷受作業について詳述する。
【0031】
例えば、原料10を荷台に積んだトラック(図示せず)が荷受場に到着すると、荷台を傾ける等して原料10を荷受ホッパ1における衝立3の上方開口に投入する。すると、衝立3の内方に投入された原料10は、衝立3に案内されながら原料導入口2bを介してホッパ本体2の内部に導入されるようになる。このとき、仕切壁部7は、その内側面が原料10を原料導入口2bに案内する一方、第1開口部5aを覆っているので、衝立3の内側に位置する原料10が第1開口部5aから荷受ホッパ1の外側に出てしまうのを仕切壁部7により防ぐことができる。
【0032】
また、仕切壁部7の傾斜壁部7aは、斜め下方に傾斜して延びる形状をなしているので、衝立3の上方から投入された原料10は、傾斜壁部7aの傾斜面に沿ってスムーズに原料導入口2bまで案内されるようになる。したがって、衝立3の上方から投入する原料10のスムーズな移動を傾斜壁部7aが妨げたり、或いは、傾斜壁部7aによって原料10が跳ね返って衝立3の外側に飛散してしまうといったことを防ぐことができる。
【0033】
また、傾斜壁部7aに連続する縦壁部7bは、上下に直線状に延びる形状をなしているので、上述した散乱原料用通路R1を必要最小限の空間にしながら衝立3内方の原料導入口2bまでの散乱原料用通路R1を除く領域が十分に広い空間になり、衝立3の上方から投入する原料を効率良くホッパ本体2の内部に導入することができる。
【0034】
さらに、仕切壁部7の延出端7dは、第1開口部5aの下側縁部と略同じ位置になっているので、衝立3の上方から投入する原料10が仕切壁部7の延出端7dを通過するときの原料10の進行方向に対して第1開口部5aが後側に位置する状態になる。したがって、衝立3の上方から投入する原料10が第1開口部5aから荷受ホッパ1の外側へと不意に飛び出してしまうのを防ぐことができる。
【0035】
次に、本発明の実施形態1の荷受ホッパ1への荷受作業時において荷受場床面F1に散乱した原料10の荷受ホッパ1への再投入作業について詳述する。
【0036】
例えば、原料10を荷受ホッパ1における衝立3の上方開口に投入する際に、原料10が勢い余って衝立3の外側に飛散して荷受場床面F1に散乱してしまう場合がある。このようなとき、荷受作業者は、荷受場床面F1に散乱した原料10を箒で集めるとともに、図2の矢印X1に示すように、集めた原料10を第1開口部5aに向かって移動させる。すると、第1開口部5aの下端縁部が荷受場床面F1に対応する高さで衝立3の下部に形成されているので、集めた原料10が第1開口部5aを介して衝立3の内方に掃き入れられる。第1開口部5aを介して衝立3の内方に掃き入れられた原料10は、仕切壁部7の外側面に案内されながら散乱原料用通路R1を下方に移動するとともに第2開口部8を通過し、その後、原料導入口2bを介してホッパ本体2の内部に導入される。このように、荷受場床面F1に散乱する原料10の再投入作業に塵取を用いる必要が無くなるので、荷受作業時における荷受場床面F1に散乱する原料10のホッパ本体2の内部への再投入を簡単に行うことができる。
【0037】
以上より、本発明の実施形態1によると、荷受作業時において荷受場床面F1に散乱する原料10を簡単に荷受ホッパ1に再投入することができる。
【0038】
また、荷受場床面F1に散乱する原料10のホッパ本体2内部への再投入作業時において、特許文献1の如き傾斜板を回動させるといった箒で掃く作業以外の荷受作業者の動作が無くなるので、荷受作業者は効率良く散乱原料10の再投入作業を行うことができる。
【0039】
さらに、本発明の実施形態1の荷受ホッパ1は、特許文献1の如き原料を荷受ホッパに再投入する部分の構造が可動部分を有するといったものでは無いので、部品及び組立コストを下げることができるとともに、使用を繰り返しても装置の故障の発生を少なくすることができる。
【0040】
《発明の実施形態2》
図3は、本発明の実施形態2の荷受ホッパ1を示す。この実施形態2は、衝立3の第1開口部5a周りの構造が実施形態1と異なっている以外は実施形態1と同様であるので、実施形態1と同様の部分には同じ符号を付し、その他、異なる部分のみを説明する。
【0041】
実施形態2における第1開口部5aと仕切壁部7との間には、第1開口部5aの上側縁部に固定されるとともに、第1開口部5aの上側縁部から当該第1開口部5aの開口領域を塞ぐよう下方に延びるゴム材からなる可撓性シート9が設けられている。したがって、箒で集めた荷受場床面F1の原料10を第1開口部5aへと移動させると、図3の矢印Y1に示すように、可撓性シート9が散乱原料用通路R1側に撓んで当該散乱原料用通路R1に原料が入り込むようになる。一方、通常の荷受作業時には、可撓性シート9が第1開口部5aを塞いでいるので、衝立3の上方開口から投入する原料10が第1開口部5aから荷受ホッパ1の外側に出てしまうのを確実に防ぐことができる一方、荷受場床面F1に散乱するゴミ等が第1開口部5aを介して衝立3の内側に入り込んでしまうことを防ぐことができる。
【0042】
尚、本発明の実施形態1,2では、第1開口部5aが衝立3の第1壁部5に設けられているが、衝立3の第2壁部6に設けるようにしてもよい。
【0043】
また、本発明の実施形態1,2では、衝立3に複数の第1開口部5aを設けているが、第1開口部5aを1つだけ設けるようにしてもよい。
【0044】
また、本発明の実施形態1,2では、衝立3に形成した第1開口部5aが矩形状をなしているが、衝立3の内部に連通するのであればその他の開口形状であってもよい。
【0045】
また、本発明の実施形態1,2では、仕切壁部7の延出端7dが、第1開口部5aの下端縁部と略同じ位置になっているが、第1開口部5aの下端縁部よりも下方の位置に設定される構成であってもよい。
【0046】
また、本発明の実施形態1,2では、仕切壁部7の断面形状が、傾斜する傾斜壁部7aと上下に延びる縦壁部7bとからなるへの字形状になっているが、これに限らず、例えば、第1開口部5aの上側縁部から延出端7dまで斜め下方に直線状に傾斜して延びる形状であってもよいし、第1開口部5aの上側縁部から延出端7dまで緩やかに湾曲する形状であってもよく、第1開口部5aと仕切壁部7との間に散乱原料用通路R1が形成されるのであれば、その他の形状であってもよい。
【0047】
また、本発明の実施形態2では、可撓性シート9がゴム材で形成されているが、これに限らず、例えば、樹脂材で形成されていてもよく、可撓性を有する材料で製造されたものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、例えば、カントリーエレベータ等の穀類乾燥調製施設における荷受場に配設された荷受ホッパに適している。
【符号の説明】
【0049】
1 荷受ホッパ
2 ホッパ本体
2b 原料導入口
3 衝立
5a 第1開口部
7 仕切壁部
7a 傾斜壁部
7b 縦壁部
7d 仕切壁部の延出端
8 第2開口部
9 可撓性シート
10 原料
F1 荷受場床面
R1 散乱原料用通路
図1
図2
図3