(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20231024BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2020069709
(22)【出願日】2020-04-08
【審査請求日】2022-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 丈亮
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】山本 涼介
(72)【発明者】
【氏名】奥田 佳緒莉
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-173783(JP,A)
【文献】再公表特許第2018/146762(JP,A1)
【文献】特開2014-006842(JP,A)
【文献】特開2014-048077(JP,A)
【文献】再公表特許第2016/001996(JP,A1)
【文献】特開2019-053467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動中の第1のユーザ端末から所定範囲内に存在し、前記第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末を検出
した前記第1のユーザ端末から送信される、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとするコミュニケーショングループの作成を要求するグループ作成要求を受信することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとする第1のコミュニケーショングループを作成することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末へ、前記第1のコミュニケーショングループが作成されたこと
の通知
と、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザが落ち合う場所を提案するメッセージと、を送信することと、
を実行する制御部、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
ユーザ端末のユーザの属性に関するユーザ属性情報と、前記ユーザがコミュニケーショングループのメンバに希望するユーザの属性に関する第1の条件と、を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のユーザについて、互いの属性情報が互いの第1の条件を満たしているか否かを判定し、
前記互いの属性情報が前記互いの第1の条件を満たしている場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成し、前記互いの属性情報が前記互いの第1の条件を満たしていない場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成しない、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
移動中の第1のユーザ端末から所定範囲内に存在し、前記第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末を検出した前記第1のユーザ端末から送信される、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとするコミュニケーショングループの作成を要求するグループ作成要求を受信することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとする第
1のコミュニケーショングループを作成することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末へ、前記第1のコミュニケーショングループが作成されたことを通知することと、
を実行する制御部と、
前記制御部に接続し、ユーザ端末のユーザの属性に関するユーザ属性情報と、前記ユーザがコミュニケーショングループのメンバに希望するユーザの属性に関する第1の条件と、を記憶する記憶部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のユーザについて、互いの属性情報が互いの第1の条件を満たしているか否かを判定し、
前記互いの属性情報が前記互いの第1の条件を満たしている場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成し、前記互いの属性情報が前記互いの第1の条件を満たしていない場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成しない、
情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、ユーザの嗜好に関する嗜好情報をさらに記憶し、
前記制御部は、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のユーザについて、互いの嗜好情報の少なくとも一部が共通するか否かを判定し、
前記互いの嗜好情報の少なくとも一部が共通する場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成し、前記互いの嗜好情報に共通する部分がない場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成しない、
請求項
2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末から、目的地に関する情報を取得し、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末の前記目的地が同じ方面であるか否かを判定し、
前記目的地が同じ方面である場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成し、前記目的地が同じ方面でない、又は、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末の少なくともいずれかから前記目的地に関する情報が取得されない場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成しない、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザが、すでに同じコミュニケーショングループに属しているか否かを判定し、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザが、同じコミュニケーショングループに属していない場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成し、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザが、すでに同じコミュニケーショングループに属している場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成しない、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末へ、前記第1のコミュニケーショングループの作成の許可を要求する許可要求を送信し、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれから、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザによる前記第1のコミュニケーショング
ループの作成許可を示す許可応答を受信した場合に、前記第1のコミュニケーショングループを作成し、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末の少なくともいずれかから、前記許可応答が受信されない場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成しない、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
移動中に、自装置である第1のユーザ端末から所定範囲内に存在し、前記第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末を検出することと、
所定のサーバへ、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとするコミュニケーショングループの作成を要求するグループ作成要求を送信することと、
前記所定のサーバから、前記グループ作成要求の応答として、前記コミュニケーショングループが作成されたことの通知と、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザが落ち合う場所を提案するメッセージと、を受信することと、
前記コミュニケーショングループが作成されたこと
及び前記メッセージを前記第1のユーザ端末のユーザに報知することと、
を実行する制御部、
を備える情報処理装置。
【請求項9】
移動中の第1のユーザ端末から
所定範囲内に存在し、前記第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末
を検出した前記第1のユーザ端末から送信される、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとするコミュニケーショングループの作成を要求するグループ作成要求を受信することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとする第1のコミュニケーショングループを作成することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末へ、前記第1のコミュニケーショングループが作成されたこと
の通知
と、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザが落ち合う場所を提案するメッセージと、を送信することと、
を実行する第1の制御部、
を備えるサーバと、
移動中に、前記第2のユーザ端末を検出することと、
前記サーバへ、前記グループ作成要求を送信することと、
前記サーバから、前記第1のコミュニケーショングループが作成されたことの通知
と、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザが落ち合う場所を提案するメッセージと、を受信することと、
前記第1のコミュニケーショングループが作成されたこと
及び前記メッセージをユーザに報知することと、
を実行する第2の制御部、
を備えるユーザ端末と、
を含む情報処理システム。
【請求項10】
ユーザ端末のユーザの属性に関するユーザ属性情報と、前記ユーザがコミュニケーショングループのメンバに希望するユーザの属性に関する第1の条件と、を記憶する記憶部をさらに備え、
前記第1の制御部は、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のユーザについて、互いの属性情報が互いの第1の条件を満たしているか否かを判定し、
前記互いの属性情報が前記互いの第1の条件を満たしている場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成し、前記互いの属性情報が前記互いの第1の条件を満たし
ていない場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成しない、
請求項
9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
移動中の第1のユーザ端末から所定範囲内に存在し、前記第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末を検出した前記第1のユーザ端末から送信される、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとするコミュニケーショングループの作成を要求するグループ作成要求を受信することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとする第1のコミュニケーショングループを作成することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末へ、前記第1のコミュニケーショングループが作成されたことを通知することと、
を実行する第1の制御部と、
前記第1の制御部に接続し、ユーザ端末のユーザの属性に関するユーザ属性情報と、前記ユーザがコミュニケーショングループのメンバに希望するユーザの属性に関する第1の条件と、を記憶する記憶部と、
を備えるサーバと、
移動中に、前記第2のユーザ端末を検出することと、
前記サーバへ、前記グループ作成要求を送信することと、
前記サーバから、前記第1のコミュニケーショングループが作成されたことの通知を受信することと、
前記第1のコミュニケーショングループが作成されたことをユーザに報知することと、を実行する第2の制御部、
を備えるユーザ端末と、
を備え、
前記第1の制御部は、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のユーザについて、互いの属性情報が互いの第1の条件を満たしているか否かを判定し、
前記互いの属性情報が前記互いの第1の条件を満たしている場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成し、前記互いの属性情報が前記互いの第1の条件を満たしていない場合には、前記第1のコミュニケーショングループを作成しない、
情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータを、
請求項1から
7のいずれか一項に記載の情報処理装置として動作させるための、プログラム。
【請求項13】
コンピュータを、
請求項
8に記載の情報処理装置として動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのプロフィールと一致する属性を持つコミュニティを、ユーザに推薦するサービスが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、移動中に、周辺のユーザとのコミュニケーショングループを作ることができる情報処理システム、情報処理方法、を提供することを課題とする。
【0005】
本開示の態様の一つは、
移動中の第1のユーザ端末から所定範囲内に存在し、前記第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末を検出することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとする第1のコミュニケーショングループを作成することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末へ、前記第1のコミュニケーショングループが作成されたことを通知することと、
を実行する制御部、
を備える情報処理装置である。
【0006】
本開示の他の態様の一つは、
移動中に、自装置である第1のユーザ端末から所定範囲内に存在し、前記第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末を検出することと、
所定のサーバへ、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとするコミュニケーショングループの作成を要求するグループ作成要求を送信することと、
前記所定のサーバから、前記グループ作成要求の応答として、前記コミュニケーショングループが作成されたことの通知を受信することと、
前記コミュニケーショングループが作成されたことを前記第1のユーザ端末のユーザに報知することと、
を実行する制御部、
を備える情報処理装置である。
【0007】
本開示の他の態様の一つは、
移動中の第1のユーザ端末から、前記第1のユーザ端末から所定範囲内に存在し、前記第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末とのコミュニケーショングループの作成を要求するグループ作成要求を受信することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとするコミュニケーショングループを作成することと、
前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末へ、前記コミュニケーショングループが作成されたことを通知することと、
を実行する第1の制御部、
を備えるサーバと、
移動中に、前記第2のユーザ端末を検出することと、
前記サーバへ、前記グループ作成要求を送信することと、
前記サーバから、前記コミュニケーショングループが作成されたことの通知を受信することと、
前記コミュニケーショングループが作成されたことをユーザに報知することと、
を実行する第2の制御部、
を備えるユーザ端末と、
を含む情報処理システムである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、移動中に、周辺のユーザとのコミュニケーショングループを作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るグループ自動作成システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、センタサーバのハードウェア構成の一例である。
【
図3】
図3は、車両及び車載装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、センタサーバ及び車載装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、車載装置の並走状態監視テーブルの一例である。
【
図7】
図7は、メンバ属性希望条件情報テーブルの一例である。
【
図8】
図8は、車載装置のグループ作成要求の送信処理のフローチャートの一例である。
【
図9】
図9は、センタサーバのグループ作成処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例えば、バイクでツーリング、一人でドライブ、又は、公共交通機関で一人旅をする場合には、休憩所又は目的地等で、その場で出会った人と交流することも楽しみの一つである。しかしながら、全く知らない他人に声をかけたりすることに困難を感じる人も多い。そこで、本開示では、例えば、バイク又は自動車で並走しているユーザ同士、又は、電車に同乗しているユーザ同士など、同じ方面に移動しているユーザ同士でコミュニケーショングループを作成することで、当該ユーザ間の交流を促進させる。
【0011】
具体的には、本開示の態様の一つは、制御部を備える情報処理装置である。情報処理装置は、例えば、サーバである。制御部は、例えば、CPU(Control Processing Unit)
等の、プロセッサである。制御部は、移動中の第1のユーザ端末から所定範囲内に存在し、第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末を検出する。制御部は、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとする第1のコミュニケーショングループを作成する。次に、制御部11は、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末へ、第1のコミュニケーショングループが作成されたことを通知する。
【0012】
ユーザ端末は、例えば、車両に搭載されている車載装置、スマートフォン、タブレット端末、又は、持ち運び可能なPC(Personal Computer)である。車載装置が搭載されて
いる車両は、例えば、自動車、又は、二輪車等である。
【0013】
本開示の態様の一つによれば、第1のユーザ端末と第2のユーザ端末とが互いの距離が
所定範囲内で同じ方向に移動することで、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとするコミュニケーショングループが作成される。これによって、例えば、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末がいずれも車載装置であることを想定する場合に、同じ目的地に到着した際に、第1のユーザ端末と第2のユーザ端末とのメンバ同士で、コミュニケーショングループの作成を契機として、交流を促進することができる。
【0014】
また、本開示の態様の一つでは、制御部は、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末へ、それぞれのユーザが落ち合う場所を提案するメッセージを送信することをさらに実行するようにしてもよい。これによって、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末のそれぞれのユーザの合流をより潤滑にすることができる。
【0015】
また、本開示の態様の一つでは、情報処理装置は、ユーザに関するユーザ情報と、ユーザがコミュニケーショングループのメンバに希望するユーザの属性に関する第1の条件と、を記憶する記憶部をさらに備えてもよい。制御部は、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末のユーザについて、互いの属性が互いの第1の条件を満たしているか否かを判定するようにしてもよい。互いの属性が互いの第1の条件を満たしている場合には、制御部は、第1のコミュニケーショングループを作成する。互いの属性が互いの第1の条件を満たしていない場合には、制御部は、第1のコミュニケーショングループを作成しない。ユーザの属性には、例えば、性別、年代、居住地域、及び、関連付く車両の種類等がある。これによって、ユーザが希望する属性のユーザと第1のコミュニケーショングループが作成され、交流に対してより積極的になることができる。
【0016】
本開示の態様の一つでは、ユーザ情報は、ユーザの嗜好に関する嗜好情報を含んでもよい。この場合に、制御部は、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末のユーザについて、互いの嗜好情報の少なくとも一部が一致するか否かを判定してもよい。互いの嗜好情報の少なくとも一部が一致する場合には、制御部は、第1のコミュニケーショングループを作成する。互いの嗜好情報の少なくとも一部が一致しない場合には、制御部は、第1のコミュニケーショングループを作成しない。これによって、嗜好の少なくとも一部が共通するユーザ同士でコミュニケーショングループが作成されるので、共通の話題を持つことができ、交流を促進することができる。
【0017】
本開示の態様の一つでは、制御部は、第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末から、移動の目的地に関する情報を取得し、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末の移動の目的地が同じ方面であるか否かを判定してもよい。移動の目的地が同じ方面である場合には、制御部は、第1のコミュニケーショングループを作成する。移動の目的地が同じ方面でない、又は、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末の少なくともいずれかから移動の目的地に関する情報が取得されない場合には、制御部は、第1のコミュニケーショングループを作成しない。これによって、余計にコミュニケーショングループが作成されることを抑制することができる。
【0018】
本開示の態様の一つでは、制御部は、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末のそれぞれのユーザが、すでに同じコミュニケーショングループに属しているか否かを判定してもよい。第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末のそれぞれのユーザが、同じコミュニケーショングループに属していない場合には、第1のコミュニケーショングループを作成し、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末のそれぞれのユーザが、すでに同じコミュニケーショングループに属している場合には、制御部は、第1のコミュニケーショングループを作成しない。これによって、余計にコミュニケーショングループが作成されることを抑制することができる。
【0019】
本開示の態様の一つでは、制御部は、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末へ、第1のコミュニケーショングループの作成の許可を要求する許可要求を送信してもよい。第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末のそれぞれから、第1のコミュニケーショングループの作成許可を示す許可応答を受信した場合に、制御部は、第1のコミュニケーショングループを作成する。第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末の少なくともいずれかから、許可応答が受信されない場合には、制御部は、第1のコミュニケーショングループを作成しない。これによって、余計にコミュニケーショングループが作成されることを抑制することができる。
【0020】
本開示の他の態様の一つは、制御部を備える情報処理装置である。当該情報処理装置は、第1のユーザ端末でもある。制御部は、移動中に、自装置である第1のユーザ端末から所定範囲内に存在し、第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末を検出する。制御部は、所定のサーバへ、第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末のそれぞれのユーザをメンバとするコミュニケーショングループの作成を要求するグループ作成要求を送信する。制御部は、所定のサーバから、グループ作成要求の応答として、コミュニケーショングループが作成されたことの通知を受信し、コミュニケーショングループが作成されたことを前記第1のユーザ端末のユーザに報知する。
【0021】
本開示の他の態様の一つでは、制御部は、中継装置を介さない通信方式で、第2のユーザ端末から所定の周期で送信される第1の信号を受信し、第2のユーザ端末から第1の信号が継続的に受信されている継続時間を計測してもよい。当該継続時間が所定の時間長以上である場合に、制御部は、グループ作成要求を所定のサーバへ送信するようにしてもよい。第1の信号は、マルチキャストで所定の周期で送信される。これによって、第1の信号を受信し、処理するユーザ端末を、当該マルチキャストを受信可能なユーザ端末に限定することができる。当該マルチキャストを受信可能なユーザ端末は、例えば、同じ方面に移動しているユーザ同士でコミュニケーショングループを作成するサービスに登録されているユーザ端末である。
【0022】
本開示の態様の一つでは、制御部は、第1の信号とともに第1のユーザ端末のユーザの識別情報を送信してもよい。制御部は、第2のユーザ端末から第1の信号とともに受信された第2のユーザ端末のユーザの識別情報と、第1のユーザ端末のユーザの識別情報とに基づいて、いずれがグループ作成要求を所定のサーバへ送信するかを判定してもよい。第2のユーザ端末も、同様に、第1のユーザ端末から第1の信号とともに受信された第1のユーザ端末のユーザの識別情報と、第2のユーザ端末のユーザの識別情報とに基づいて、いずれがグループ作成要求を所定のサーバへ送信するかを判定する。第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末は、同じ判定基準を用いて当該判定を行う。これによって、第1のユーザ端末と第2のユーザ端末とが重複して所定のサーバへグループ作成要求を送信することを抑制することができる。
【0023】
なお、本開示の他の態様の一つとして、上記情報処理装置と、ユーザ端末とを含むシステムを挙げることができる。
【0024】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0025】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るグループ自動作成システム100のシステム構成の一例を示す図である。グループ自動作成システム100は、所定の条件が満たされる場合に、並走する2台の車両それぞれに関連付くユーザをメンバとするコミュニケーショングループを自動で作成するシステムである。コミュニケーショングループは、所定のSNS(Soci
al Networking Service)内で用いられるグループである。グループに含まれるユーザは
、メンバと称される。
【0026】
グループ自動作成システム100は、センタサーバ1及び車両20に搭載されている複数の車載装置2を含む。
図1では、便宜上、車両20Aに搭載されている車載装置2Aと、車両20Bに搭載されている車載装置2Bとが示されている。車両20Aは自動車である。車両20Bは二輪車である。なお、車両20A及び車両20B、及び、車載装置2A及び車載装置2Bを区別しない場合には、それぞれ、車両20、及び、車載装置2と表記する。
【0027】
車載装置2は、グループ自動作成システム100によって提供されるサービスを受けることを登録しているユーザに関連付く車載装置である。当該ユーザは、例えば、車両20の乗員又は所有者である。車両の乗員には、運転者も含まれる。以降、グループ自動作成システム100によって提供されるサービスを、グループ自動作成サービスと称する。
【0028】
車載装置2には、グループ自動作成サービスを受けるためのクライアントアプリケーションと、所定のSNSのアプリケーションと、がインストールされている。また、第1実施形態では、車載装置2は、車車間通信の機能を備えることとする。
【0029】
図1では、車両20Aと車両20Bとは、高速道路、幹線道路、又は山間道路等を、左右に隣合わせで、又は、前後に並んで、同じ方向に向かって走行している。複数の車両20が、左右に隣合わせで、又は、前後に並んで、同じ方向に向かって走行している状態を、以降並走状態、と称する。車載装置2A及び車載装置2Bは、それぞれ、グループ自動作成サービスに登録する他のユーザに関連付く車載装置2に自身の存在を示すためのメンバ募集信号を所定の間隔で送信している。メンバ募集信号は、例えば、グループ自動作成サービスに用いられるマルチキャストアドレス宛てへ送信される。メンバ募集信号の送信間隔は、例えば、0.1~3秒の間で設定される。メンバ募集信号は、例えば、車車間通信で送信される。メンバ募集信号とともに、送信元の車載装置2に関連付くユーザのユーザ識別情報も送信される。ユーザ識別情報は、例えば、グループ自動作成システム100において各ユーザに割り当てられる識別情報である。メンバ募集信号は、「第1の信号」の一例である。
【0030】
車載装置2Aは、車載装置2Bから送信されるメンバ募集信号が所定時間継続して受信される場合に、車両20Aと車載装置2Bが搭載されている車両20Bとが並走状態であることを検出する。この場合には、車載装置2Aはセンタサーバ1へ、車載装置2Aに関連付くユーザAと、車両20Aと並走状態にある車両20Bの乗員、すなわち、車載装置2Bに関連付くユーザBと、をメンバとするコミュニケーショングループの作成を要求する、グループ作成要求を送信する。以下、コミュニケーショングループを、単に、グループと称する。グループ作成要求とともに、車両20Aの位置情報と、送信元の車載装置2Aに関連付くユーザAのユーザ識別情報と、メンバ募集信号とともに車載装置2Bから受信されたユーザBのユーザ識別情報と、もセンタサーバ1へ送信される。
【0031】
なお、車載装置2Bも車載装置2Aからのメンバ募集信号を受信し、車両20Bと車載装置2Bが搭載されている車両20Bとが並走状態であることを検出する。しかしながら、車載装置2Bもメンバ募集信号を送信すると、センタサーバ1に同じメンバでのグループの作成を要求するグループ作成要求が重複して届いてしまう。したがって、第1実施形態では、例えば、ユーザ識別情報に基づいて、車載装置2A及び車載装置2B間の親子関係が決定され、親に相当する方の車載装置2Aがグループ作成要求をセンタサーバ1へ送信する。
【0032】
センタサーバ1は、車載装置2Aからグループ作成要求を受信すると、グループ作成要求とともに受信されるユーザA及びユーザBのユーザ識別情報に基づいて、ユーザA及びユーザBが所定の条件を満たすか否かを判定する。所定の条件は、互いの属性情報が互いのメンバの属性に対する希望を示すメンバ属性希望条件に合致することと、互いの嗜好情報の少なくとも一部が共通することと、目的地の方面が同じであることと、ユーザA及びユーザBがすでに同じグループに属していないことと、を含む。
【0033】
ユーザA及びユーザBが所定の条件を満たす場合には、センタサーバ1は、ユーザAとユーザBとをメンバとするグループを作成し、SNSサーバ3へ当該グループを登録する。また、車載装置2A及び車載装置2Bへ、ユーザAとユーザBとをメンバとするグループが新たに作成されたことを通知する。センタサーバ1は、当該通知とともに、例えば、車両20A及び車両20Bの位置から目的地のある方向に位置する休憩所又は駐車場等の合流地点へ車両20A及び車両20Bを誘導するメッセージも送信する。
【0034】
車載装置2A及び車載装置2Bは、ユーザAとユーザBとをメンバとするグループが新たに作成されたことの通知と、合流地点への誘導メッセージとをディスプレイに出力する。これを認識し、車両20AのユーザA及び車両20BのユーザBが合流場所へ到着した場合に、ユーザAとユーザBとが互いを認識することで、ユーザAとユーザBとが交流するきっかけを作ることができる。
【0035】
以降、説明の便宜上、車両20A及び車載装置2Aを、それぞれ、エゴ車両20A及びエゴ車載装置2Aとして、車両20に関する処理の中心として説明する。そのため、車両20及び車載装置2自身を示す場合には、エゴ車両20A及びエゴ車載装置2Aと表現する。また、車両20B及び車載装置2Bを、それぞれ、エゴ車両20A及び車載装置2Aに対する他の車両20B及び他の車載装置2Bとして説明する。ただし、車両20A及び車載装置2Aに対する他の車両を車両20Bに限定するものではない。また、エゴ車両も車両20A及び車載装置2Aに限定するものではない。
【0036】
図2は、センタサーバ1のハードウェア構成の一例である。センタサーバ1は、ハードウェア構成として、CPU 101、メモリ102、外部記憶装置103、及び、通信部104を備える。メモリ102および外部記憶装置103は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。センタサーバ1は、「情報処理装置」、「所定のサーバ」、及び、「サーバ」の一例である。
【0037】
外部記憶装置103は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してCPU 101が使用するデータを格納する。外部記憶装置103は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)やハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)である。外部記憶装置103に保持されるプログラムには、例えば、オペレーティングシステム(OS)、グループ自動作成システムの制御プログラム、及び、その他様々なアプリケーションプログラムを保持する。
【0038】
メモリ102は、CPU 101に、外部記憶装置103に格納されているプログラムをロードする記憶領域および作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする記憶装置である。メモリ102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random
Access Memory)のような半導体メモリを含む。
【0039】
CPU 101は、外部記憶装置103に保持されたOSや様々なアプリケーションプログラムをメモリ102にロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU 101は、1つに限られず、複数備えられてもよい。CPU 101は、「情報処理装置」の「制御部」、又は「第1の制御部」の一例である。
【0040】
通信部104は、例えば、LAN(Local Area Network)や専用線等の有線のネットワークカードであり、当該LAN等のアクセスネットワークを通じてインターネット等の公衆回線網に接続する。なお、センタサーバ1のハードウェア構成は、
図2に示されるものに限定されない。
【0041】
図3は、車両20及び車載装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、
図3では、車両20のハードウェア構成のうち、グループ自動作成サービスに用いられるハードウェア構成が抽出されて示されている。車両20は、グループ自動作成サービスに用いられるハードウェア構成として、車載装置2、GPS(Global Positioning System)
受信部211、タッチパネルディスプレイ212、及び、スピーカ213を備える。
【0042】
GPS受信部211は、地球の周囲を周回する複数の人工衛星(Global Positioning Satellite)から時刻信号の電波を受信し、当該検出信号から、車両20の位置情報として、例えば、緯度と経度を算出する。
【0043】
タッチパネルディスプレイ212は、例えば、センタサーバ1からの通知を表示する。スピーカ213は、例えば、センタサーバ1からの通知を音声で出力する。
【0044】
次に、車載装置2は、ハードウェア構成として、CPU 201、メモリ202、外部記憶装置203、通信部204、車車間通信部205、及び、インタフェース206を有する。メモリ202および外部記憶装置203は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。車載装置2は、「情報処理装置」、及び、「ユーザ端末」の一例である。
【0045】
CPU 201、メモリ202、及び、外部記憶装置203は、それぞれ、CPU 101、メモリ102、及び、外部記憶装置203と同様である。外部記憶装置203は、例えば、オペレーティングシステム(OS)、グループ自動作成サービスのクライアントプログラム、所定のSNSのアプリケーション、及び、その他様々なアプリケーションプログラムを保持する。CPU 201は、ユーザ端末に相当する「情報処理装置」の「制御部」の一例である。また、CPU 201は、「ユーザ端末」の「第2の制御部」の一例である。
【0046】
通信部204は、ネットワークとの情報の入出力を行うインタフェースである。通信部204は、無線のネットワークと接続するインタフェースである。通信部204は、例えば、5G(5th Generation)、LTE(Long Term Evolution)、及び、3G(3rd Generation)等の移動体通信方式、または、WiFi等の無線通信規格に基づく通信を行う。
【0047】
車車間通信部205は、他の車両20Bとの直接通信を行う。直接通信とは、中継装置を介さない通信を示す。車車間通信部205は、例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communications)等の車車間通信向けの無線通信方式に従って通信を行う。
【0048】
インタフェース206は、車両20内の車載装置2以外のハードウェア構成要素と車載装置2とを接続する。インタフェース206には、GPS受信部211、タッチパネルディスプレイ212、及び、スピーカ213等が接続される。なお、車両20のハードウェア構成は、
図3に示されるものに限定されない。
【0049】
図4は、センタサーバ1及び車載装置2の機能構成の一例を示す図である。車載装置2は、機能構成要素として、制御部21、端末通信部22、及び、サーバ通信部23を備える。これらの機能構成要素は、例えば、車載装置2のCPU 201がグループ自動作成サービスのクライアントプログラムを実行することによって達成される機能構成要素であ
る。なお、グループ自動作成システム100に含まれる車載装置2は同じ機能構成を有するが、便宜上、車載装置2を代表して、エゴ車載装置2Aについて説明する。
【0050】
端末通信部22は、車車間通信部205とのインタフェースである。端末通信部22は、他の車載装置2Bとのインタフェースとも言える。端末通信部22は、制御部21から入力される情報を車車間通信部205へ出力する。端末通信部22は、車車間通信部205から入力される情報を制御部21へ出力する。
【0051】
サーバ通信部23は、通信部104とのインタフェースである。サーバ通信部23は、ネットワーク上のサーバとのインタフェースともいえる。サーバ通信部23は、制御部21から入力される情報を通信部104へ出力する。サーバ通信部23は、通信部104から入力される情報を制御部21へ出力する。
【0052】
制御部21は、並走状態にある他の車両20Bを検出し、センタサーバ1へグループ作成要求を送信する処理を制御する。制御部21は、端末通信部22を通じて、例えば、マルチキャストで、メンバ募集信号と、ユーザ識別情報と、を送信する。また、制御部21は、端末通信部22を通じて、他の車載装置2Bから送信されたメンバ募集信号とユーザ識別情報とを受信し、当該他の車載装置2Bから受信されるメンバ募集信号を監視する。
【0053】
制御部21は、他の車載装置2Bからメンバ募集信号を所定時間以上継続して受信していることを検出した場合には、センタサーバ1へ、グループ作成要求を送信するか否かを判定する。当該所定時間は、例えば、10分から60分の範囲内で設定される。グループ作成要求とともに、位置情報と、グループのメンバ候補のユーザのユーザ識別情報として、エゴ車載装置2Aに関連付くユーザ識別情報と、メンバ募集信号とともに受信されたユーザ識別情報と、も送信される。他の車載装置2Bからメンバ募集信号を所定時間以上継続して受信していることを検出することは、例えば、「移動中の第1のユーザ端末から所定範囲内に存在し、前記第1のユーザ端末と同じ方面に移動中の、少なくとも1台の第2のユーザ端末を検出すること」の一例である。「所定範囲」は、例えば、車車間通信の電波の到達可能範囲である。以下、エゴ車載装置2Aに関連付くユーザをユーザA、他の車両に関連付くユーザをユーザBとする。
【0054】
例えば、制御部21は、エゴ車載装置2Aに関連付くユーザAのユーザ識別情報と、他の車載装置2Bから受信されたユーザBのユーザ識別情報と、に基づいて、親子関係を判定し、エゴ車載装置2Aが親となる場合に、サーバ通信部23を通じて、センタサーバ1へ、グループ作成要求を送信する。エゴ車載装置2Aと他の車載装置2Bとの親子関係は、例えば、ユーザ識別情報が大きい又は小さい、等で決められる。
【0055】
グループ作成要求に対する応答として、制御部21は、センタサーバ1からサーバ通信部23を通じて、グループ作成成功応答、又は、グループ作成失敗応答を受信する。グループ作成成功応答は、グループ作成要求とともに送信されたグループのメンバ候補のユーザA及びユーザBをメンバとするグループが作成されたことを示す。グループ作成失敗応答は、グループ作成要求とともに送信されたグループのメンバ候補のユーザA及びユーザBをメンバとするグループが作成されなかったことを示す。
【0056】
グループ作成成功応答が受信された場合には、制御部11は、並走状態にある他の車両20BのユーザBと新たにグループが作成されたことをタッチパネルディスプレイ212に表示して、エゴ車両20AのユーザAに報知する。また、グループ作成成功応答とともに、メンバとなったユーザとの合流場所への誘導メッセージが受信された場合には、当該誘導メッセージもタッチパネルディスプレイ212に表示される。
【0057】
図5は、エゴ車載装置2Aの並走状態監視テーブルの一例である。並走状態監視テーブルは、他の車載装置2Bからのメンバ募集信号の受信の継続時間を監視するためのテーブルである。並走状態監視テーブルは、例えば、エゴ車載装置2Aのメモリ202の記憶領域に格納される。
図5に示される並走状態監視テーブルには、ユーザID、初回タイムスタンプ、最新タイムスタンプ、及び、並走継続時間のフィールドが含まれている。
【0058】
ユーザIDのフィールドには、他の車両20Bからメンバ募集信号とともに受信されるユーザBのユーザ識別情報が格納される。初回タイムスタンプのフィールドには、例えば、エゴ車両20Aにおける、最初にメンバ募集信号が受信された日時が格納される。最新タイムスタンプのフィールドには、例えば、エゴ車両20Aにおける、最後に受信されたメンバ募集信号の受信日時が格納される。なお、タイムスタンプは、送信元である他の車両20Bによってメンバ募集信号に付与されたものが用いられてもよい。
【0059】
並走継続時間のフィールドには、最新タイムスタンプのフィールドの値から初回タイムスタンプのフィールドの値を差し引いた値、すなわち、他の車載装置2Bからメンバ募集信号が受信されている継続時間が格納される。他の車載装置2Bからメンバ募集信号が受信されている継続時間は、エゴ車両20Aと他の車両20Bとの並走状態が継続されている時間を示す。
【0060】
制御部21は、他の車載装置2Bからメンバ募集信号を受信した際に、並走状態監視テーブルに当該メンバ募集信号とともに受信したユーザBのユーザ識別情報が登録されていない場合には、ユーザBのユーザ識別情報に対応するエントリを作成する。また、制御部21は、新たに作成したエントリの初回タイムスタンプの値を格納する。
【0061】
並走状態監視テーブルに当該メンバ募集信号とともに受信したユーザBのユーザ識別情報がすでに登録されている場合には、制御部11は、該当エントリの最新タイムスタンプと並走継続時間とのフィールドの値を更新する。また、制御部11は、最新タイムスタンプのフィールドが示す時刻から所定時間経過しても、該当エントリのユーザIDのフィールドの値が示すユーザBのユーザ識別情報を伴うメンバ募集信号が受信されない場合には、当該エントリを削除する。なお、並走状態監視テーブルに含まれる情報は、
図5に示される例に限定されない。
【0062】
図4に戻って、センタサーバ1は、機能構成として、制御部11とユーザ情報記憶部12とを含む。これらの機能構成要素は、例えば、センタサーバ1のCPU 101がグループ自動作成システムの制御プログラムを実行することによって達成される機能構成要素である。
【0063】
制御部11は、エゴ車載装置2Aからグループ作成要求を受信する。グループ作成要求とともに、例えば、エゴ車載装置2Aの位置情報、及び、メンバ候補の2ユーザ(ユーザA及びユーザB)のユーザ識別情報も受信される。制御部11は、エゴ車載装置2Aからグループ作成要求を受信すると、メンバ候補の2ユーザについて、以下の条件(1)-(4)を満たすか否かを判定する。
【0064】
(1)当該2ユーザの属性情報が、互いのメンバの属性に対する希望を示すメンバ属性希望条件に合致すること。ユーザの属性情報及びメンバ属性希望条件は、後述のユーザ情報記憶部12から取得される。
(2)当該2ユーザ間で嗜好情報の少なくとも一部が共通すること。ユーザの嗜好情報は後述のユーザ情報記憶部12から取得される。
【0065】
(3)当該2ユーザの目的地の方面が同じであること。ユーザの目的地の情報は、例え
ば、制御部11が、エゴ車載装置2A及び他の車載装置2Bへ、目的地取得要求を送信して取得する。車載装置2は、例えば、カーナビゲーションシステムに目的地が設定されている場合に、当該目的地を応答としてセンタサーバへ送信する。なお、カーナビゲーションシステムに目的地が設定されていない場合や、車両20にカーナビゲーションを備える装置が搭載されていない場合には、目的地の情報は取得されない。
【0066】
(4)2ユーザがすでに同じグループに属していないこと。当該2ユーザが同じグループに属しているか否かを示す情報は、例えば、SNSサーバ3へ問い合わせることによって取得される。2ユーザがすでに同じグループに属している場合には、当該2ユーザが互いに面識がある可能性が高いため、新たに知り合うためのグループを作成する必要がないためである。
【0067】
上記条件(1)-(4)のすべてが満たされた場合には、制御部11は、当該2ユーザをメンバとするグループを生成し、当該グループをSNSサーバ3へ登録する。また、制御部11は、グループ作成要求とともに受信されたユーザ識別情報が示すユーザをメンバとするグループが作成されたことを示すグループ作成成功応答を当該グループのメンバであるユーザAに対応するエゴ車載装置2Aに送信する。グループ作成成功応答は、グループ作成要求の送信元でない、グループのメンバであるユーザBに関連付く他の車載装置2Bへも送信される。また、制御部11は、グループ作成要求とともに受信されたエゴ車載装置2Aの位置情報が示す位置から目的地の方面に位置する休憩所又は駐車場等を合流地点とし、当該合流地点への誘導メッセージを、エゴ車載装置2A及び他の車載装置2Bのそれぞれに送信する。
【0068】
なお、他の車載装置2Bは、グループ作成成功応答を受信するとユーザBと、他の車両20Bと並走するエゴ車両20AのユーザAとのグループが作成されたことをタッチパネルディスプレイ212に表示させる。
【0069】
上記条件(1)-(4)の少なくとも一つが満たされない場合には、制御部11は、当該2ユーザをメンバとするグループを生成しないことを判定し、グループ作成要求の送信元のエゴ車載装置2Aへグループ作成失敗応答を送信する。なお、グループが作成される条件は、上記(1)-(4)に限定されない。
【0070】
ユーザ情報記憶部12は、センタサーバ1の外部記憶装置103の記憶領域に作成される。ユーザ情報記憶部12は、ユーザに関する情報を格納するデータベースである。
【0071】
図6は、ユーザ情報テーブルの一例である。ユーザ情報テーブルは、ユーザに関する情報を保持するテーブルである。ユーザ情報テーブルは、ユーザ情報記憶部12に格納されている。
【0072】
図6に示されるユーザ情報テーブルには、ユーザID、連絡先、アカウント名、属性情報、及び、嗜好情報のフィールドが含まれる。ユーザIDのフィールドには、グループ自動作成システム100において割り当てられるユーザ識別情報が格納される。連絡先のフィールドには、ユーザIDのフィールドの値が示すユーザと関連付く車載装置2の連絡先の情報が格納される。車載装置2の連絡先は、例えば、車載装置2のIPアドレス、電子メールアドレス等である。ただし、これに限定されない。アカウント名のフィールドには、ユーザIDのフィールドの値が示すユーザの所定のSNSのアカウント名が格納される。
【0073】
属性情報のフィールドには、性別、年代、居住地域、及び、車両のサブフィールドが含まれる。性別、年代、及び、居住地域のサブフィールドには、それぞれのフィールド名に
対応する情報が格納される。居住地域は、例えば、都道府県名又は地方名であってもよい。車両のサブフィールドには、車両20の型式が格納される。車両の型式によって、例えば、自動車の場合には、車名、車両形状、及びモデル等の情報が示される。
【0074】
嗜好情報のフィールドには、趣味#1、趣味#2、...のサブフィールドが含まれる。
趣味のサブフィールドには、趣味のジャンルを示す文言が格納される。
【0075】
図7は、メンバ属性希望条件情報テーブルの一例である。メンバ属性希望条件情報テーブルは、メンバの属性に対する希望を示すメンバ属性希望条件を格納するテーブルである。メンバ属性希望条件情報テーブルは、ユーザ情報記憶部12に格納されている。メンバ属性希望条件は、「第1の条件」の一例である。
【0076】
図7に示されるメンバ属性希望条件情報テーブルには、ユーザID、性別、年代、居住地域、及び、車両のフィールドが含まれている。性別、年代、居住地域、及び、車両のフィールドは、
図6に示されるユーザ情報テーブルの属性情報のサブフィールドに対応して設けられる。
【0077】
性別、年代、居住地域、及び、車両のフィールドには、ユーザIDのフィールドの値が示すユーザが、グループのメンバとなるユーザに対して希望する属性を示す値が格納される。これらのフィールドの値がユーザによって特に指定されない場合には「不問」を示す値が格納される。また、これらのフィールドの値としてユーザが「不問」を指定する場合もある。
【0078】
ユーザ情報テーブル及びメンバ属性希望情報テーブルに格納される情報は、例えば、グループ自動作成サービスへのユーザ登録の際に設定される。また、ユーザからの要求に応じて、各フィールドの値は変更可能である。なお、ユーザ情報テーブルに格納される情報は、
図6に示されるものに限定されない。メンバ属性希望情報テーブルに格納される情報は、
図7に示されるものに限定されない。
【0079】
<処理の流れ>
図8は、車載装置2のグループ作成要求の送信処理のフローチャートの一例である。
図8に示される処理は、例えば、車載装置2の起動中、所定の周期で実行される。
図8に示される処理の実行主体は、車載装置2のCPU 201であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。以下のフローチャートについても同様である。
図8では、処理の主体となる車載装置2をエゴ車載装置2Aとする。
【0080】
OP101では、制御部21は、エゴ車載装置2Aが移動中であるか否かを判定する。エゴ車載装置2Aが移動中であるか否かは、例えば、位置情報の変化、又は、エゴ車両20Aに備えられる加速度センサ等のセンサの検知値等に基づいて検出される。エゴ車載装置2Aが移動中である場合には(OP101:YES)、処理がOP102に進む。エゴ車載装置2Aが移動中でない場合には(OP101:NO)、
図8に示される処理が終了する。
【0081】
OP102では、制御部21は、端末通信部22を通じて、他の車載装置2Bから発信されているメンバ募集信号を受信したか否かを判定する。他の車載装置2Bからのメンバ募集信号を受信した場合には(OP102:YES)、処理がOP103へ進む。他の車載装置2Bからのメンバ募集信号を受信していない場合には(OP102:NO)、
図8に示される処理が終了する。
【0082】
OP103では、制御部21は、メンバ募集信号とともに受信されたユーザBのユーザ
識別情報が新規のユーザ識別情報か否かを判定する。すなわち、制御部21は、メンバ募集信号とともに受信されたユーザBのユーザ識別情報が、並走状態監視テーブルに登録されているか否かを判定する。メンバ募集信号とともに受信されたユーザBのユーザ識別情報が新規のユーザ識別情報である場合には(OP103:YES)、処理がOP104ヘ進む。OP104では、制御部21は、受信したメンバ募集信号とユーザBのユーザ識別情報とに対応する並走状態監視テーブルのエントリを作成する。その後、
図8に示される処理が終了する。
【0083】
メンバ募集信号とともに受信されたユーザBのユーザ識別情報が新規のユーザ識別情報でない場合には(OP103:NO)、処理がOP105に進む。OP105では、制御部21は、受信したメンバ募集信号とユーザBのユーザ識別情報とに対応する並走状態監視テーブルのエントリの最新タイムスタンプのフィールドの値を、OP102で受信した日時に書き換えて記録する。
【0084】
OP106では、制御部21は、エゴ車両20Aと、メンバ募集信号の送信元である車載装置2Bが搭載されている車両20Bとの並走状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。当該判定は、例えば、他の車両20Bに関連付くユーザBのユーザ識別情報に対応する並走状態監視テーブルの並走継続時間のフィールドの値に基づいて行われる。エゴ車両20Aと他の車両20Bとの並走状態が所定時間以上継続している場合には(OP106:YES)、処理がOP107に進む。エゴ車両20Aと他の車両20Bとの並走状態が所定時間以上継続していない場合には(OP106:NO)、
図8に示される処理が終了する。
【0085】
OP107では、制御部21は、エゴ車載装置2Aと他の車載装置2Bとの間の親子関係を判定し、エゴ車載装置2Aが親であるか否かを判定する。エゴ車載装置2Aと他の車載装置2Bとの間の親子関係は、例えば、ユーザA及びユーザBのユーザ識別情報に基づいて判定されてもよいし、例えば、メンバ募集信号とともに車載装置2の固有識別情報も送信されるようにして、当該固有識別情報の大小に基づいて判定されてもよい。エゴ車載装置2Aが親である場合には(OP107:YES)、処理がOP108へ進む。エゴ車載装置2Aが子である場合には(OP107:NO)、処理がOP109へ進む。
【0086】
OP108では、制御部21は、サーバ通信部23を通じて、センタサーバ1へ、グループ作成要求を送信する。グループ作成要求とともに、グループのメンバの候補としてユーザA及びユーザBのユーザ識別情報も送信される。
【0087】
OP109では、制御部21は、サーバ通信部23を通じて、センタサーバ1から、グループ作成成功応答を受信したか否かを判定する。グループ作成成功応答とともに、他の車両20Bとの合流地点への誘導メッセージも受信されることがある。グループ作成成功応答が受信された場合には(OP109:YES)、処理がOP110へ進む。グループ作成失敗応答が受信された場合には(OP109:NO)、
図8に示される処理が終了する、すなわち、グループは作成されない。
【0088】
OP110では、制御部21は、ユーザAと、エゴ車両20Aと並走する他の車両20BのユーザBとのグループが作成されたこととを、例えば、タッチパネルディスプレイ212に表示する。また、グループ作成成功応答とともに、他の車両20Bとの合流地点への誘導メッセージが受信されている場合には、当該誘導メッセージもタッチパネルディスプレイ212に表示される。なお、ユーザAと、エゴ車両20Aと並走する他の車両20BのユーザBとのグループが作成されたこと、及び、誘導メッセージは、スピーカ213から音声で出力されてもよい。その後、
図8に示される処理が終了する。
【0089】
図9は、センタサーバ1のグループ作成処理のフローチャートの一例である。
図9に示される処理は、例えば、センタサーバ1の稼働中、繰り返し実行される。
図9についても、グループ作成要求の送信元をエゴ車載装置2A、エゴ車載装置2Aが受信したメンバ募集信号の送信元を他の車載装置2Bとして説明される。
【0090】
OP201では、制御部11は、エゴ車載装置2Aからグループ作成要求を受信したか否を判定する。エゴ車載装置2Aからは、グループ作成要求とともに、エゴ車載装置2Aの位置情報、及び、ユーザA及びユーザBのユーザ識別情報も受信される。エゴ車載装置2Aからグループ作成要求が受信された場合には(OP201:YES)、処理がOP202へ進む。エゴ車載装置2Aからグループ作成要求が受信されていない場合には(OP201:NO)、
図9に示される処理が終了する。
【0091】
OP202では、制御部11は、グループ作成要求とともに受信されたユーザ識別情報が示すユーザA及びユーザBが、所定のSNSにおいて、同じグループに所属しているか否かを判定する。この判定は、例えば、各ユーザのユーザ識別情報からSNSのアカウント名を取得し、SNSサーバ3へ当該アカウント名について属するグループについて問い合わせて行われる。ユーザA及びユーザBが、所定のSNSにおいて、同じグループに所属している場合には(OP202:YES)、処理がOP209へ進む。ユーザA及びユーザBが、所定のSNSにおいて、同じグループに所属していない場合には(OP202:NO)、処理がOP203へ進む。
【0092】
OP203では、制御部11は、エゴ車載装置2A及び他の車載装置2Bから、それぞれ、車両20A及び車両20Bの目的地の情報を取得する。目的地の情報は、例えば、目的地情報の取得要求を車載装置2へ送信し、その応答として取得される。なお、車載装置2が目的地の情報を保持しているか否かは、例えば、カーナビゲーションシステム等に目的地が設定されているか否かに依る。また、各車載装置2の連絡先は、ユーザ情報テーブルから取得される。
【0093】
OP204では、制御部11は、エゴ車載装置2A及び他の車載装置2Bのそれぞれの目的地の方面が同じであるか否かを判定する。エゴ車載装置2A及び他の車載装置2Bのそれぞれの目的地が同じ方面である場合には(OP204:YES)、処理がOP205へ進む。エゴ車載装置2A及び他の車載装置2Bのそれぞれの目的地が同じ方面でない場合には(OP204:NO)、処理がOP209へ進む。なお、エゴ車載装置2A及び他の車載装置2Bの少なくとも一方から目的地の情報が取得されない場合には、OP204は否定判定となる。
【0094】
OP205では、制御部11は、ユーザA及びユーザBの属性情報が、互いのメンバ属性希望条件を満たすか否かを判定する。ユーザの属性情報は、例えば、ユーザ情報テーブルから取得される。メンバ属性希望条件は、例えば、メンバ属性希望条件情報テーブルから取得される。ユーザA及びユーザBの属性情報が、互いのメンバ属性希望条件を満たす場合には(OP205:YES)、処理がOP206へ進む。ユーザAの属性情報がユーザBのメンバ属性希望条件を満たさない場合、ユーザBの属性情報がユーザAのメンバ属性希望条件を満たさない場合、又は、その両方である場合には(OP205:NO)、処理がOP209へ進む。
【0095】
OP206では、制御部11は、ユーザA及びユーザBについて、嗜好情報の少なくとも一部が共通するか否かを判定する。ユーザの嗜好情報は、例えば、ユーザ情報テーブルから取得される。ユーザA及びユーザBについて、嗜好情報の少なくとも一部が共通する場合には(OP206:YES)、処理がOP207ヘ進む。ユーザA及びユーザBについて、嗜好情報で共通する部分がない場合には(OP206:NO)、処理がOP209
へ進む。
【0096】
OP207では、制御部11は、ユーザA及びユーザBをメンバとするグループを新たに作成し、SNSサーバ3へ登録する。また、エゴ車載装置2Aの位置情報から目的地の方面に存在する休憩所又は駐車場等から車両20Aと車両20Bとの合流地点を決定し、当該合流地点への誘導メッセージを作成する。OP208では、制御部11は、エゴ車載装置2A及び車載装置2Bへ、グループ作成成功応答と誘導メッセージとを送信する。その後、
図9に示される処理が終了する。
【0097】
OP209では、制御部11は、ユーザA及びユーザBをメンバとするグループを新たに作成せず、グループ作成失敗応答をエゴ車載装置2Aへ送信する。その後、
図9に示される処理が終了する。
【0098】
なお、センタサーバ1の処理は
図9に示される例に限定されない。例えば、OP202、OP204、OP205、及びOP206の判定処理は、どのような順序で行われてもよい。また、OP202、OP204、OP205、及びOP206の判定処理は、少なくとも一つが行われるのであってもよい。
【0099】
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態では、車両20Aと車両20Bとが所定時間並走すると、ユーザAとユーザBとをメンバとするコミュニケーショングループが作成される。これによって、たまたまドライブ中に並走した人との接点が生まれ、両者の交流を促進することができる。また、第1実施形態では、誘導メッセージで合流場所へと車両20A及び車両20Bを誘導するので、ユーザAとユーザBとはより合流しやすい。
【0100】
また、第1実施形態では、ユーザは、グループのメンバへ希望する属性の条件を登録することができ、当該条件を満たす他のユーザがメンバとなる。これによって、ユーザがグループのメンバに希望する条件に柔軟に対応することができる。
【0101】
また、第1実施形態では、共通の嗜好情報を有するユーザ同士がグループのメンバとなるため、話題を見つけやすく、よりユーザ間の交流を促進させることができる。
【0102】
また、第1実施形態では、目的地が異なる方面である場合、及び、互いに同じグループにすでに属している場合には、当該ユーザをメンバとするグループは作成されない。これによって、余計にコミュニケーショングループが作成されることを抑制することができる。
【0103】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
【0104】
第1実施形態において、センタサーバ1は、例えば、ユーザAとユーザBとをメンバとするグループを作成する前(
図9、OP207の前)に車載装置2A及び車載装置2Bへ、グループ作成の許可要求を送信し、ユーザAとユーザBとの許可を取るようにしてもよい。この場合には、車載装置2A及び車載装置2Bから許可応答が受信されると、センタサーバ1は、ユーザAとユーザBとをメンバとするグループを作成する。
【0105】
また、第1実施形態では、ユーザAとユーザBとが同じグループに属しているか否かの判定をセンタサーバ1が行うが、この判定をエゴ車載装置2Aが行ってもよい。エゴ車載装置2Aには、所定のSNSアプリケーションがインストールされているので、SNSサ
ーバ3へアクセス可能である。また、この場合には、例えば、車載装置2は、メンバ募集信号とともに所定のSNSのアカウント名も送信するようにする。これによって、エゴ車載装置2AがユーザBのアカウント名を取得でき、ユーザBが所属するグループの情報を取得することができる。
【0106】
第1実施形態では、車両20は自動車又は二輪車であるが、車両20は電車であってもよい。また、移動は、車両20によるものに限定されず、歩行によるものであってもよい。車載装置2の代わりにスマートフォン等のユーザ端末が用いられてもよい。スマートフォン等が用いられる場合には、メンバ募集信号は、車車間通信ではなく、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の無線PAN(Personal Area Network)通信が用いら
れる。
【0107】
第1実施形態では、並走する2車両についてグループが作成されたが、これに限定されず、並走状態にある3台以上の車両のユーザによるグループが作成されてもよい。
【0108】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0109】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0110】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0111】
1 :センタサーバ
2 :車載装置
3 :SNSサーバ
11 :制御部
12 :ユーザ情報記憶部
20 :車両
21 :制御部
22 :端末通信部
23 :サーバ通信部
100 :グループ自動作成システム
101 :CPU
102 :メモリ
103 :外部記憶装置
104 :通信部
201 :CPU
202 :メモリ
203 :外部記憶装置
204 :通信部
205 :車車間通信部
206 :インタフェース