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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】エンジンの吸気装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 26/17 20160101AFI20231024BHJP
【FI】
F02M26/17
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020077668
(22)【出願日】2020-04-24
(65)【公開番号】P2021173226
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 広信
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-157802(JP,A)
【文献】特開2011-80394(JP,A)
【文献】特開2017-133413(JP,A)
【文献】特開2017-141689(JP,A)
【文献】特開2019-183726(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0205071(US,A1)
【文献】特開2000-87807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気筒列方向に延びるサージタンクと、前記サージタンクから分岐し、前記気筒列方向に並べた状態でシリンダヘッドに連結される複数の吸気管と、を有する吸気マニホールドと、
前記サージタンクの前記気筒列方向の一端部の上面に取り付けられたスロットル装置と、
前記シリンダヘッドの前記気筒列方向の一端部に取り付けられたEGRバルブと、
前記EGRバルブにおける前記吸気マニホールド側の側面であって、前記シリンダヘッドの上端より上側に設けられた排気ガス出口と、
前記吸気マニホールドの上面に設けられた排気ガス入口と、
前記排気ガス出口と前記排気ガス入口とを連絡するEGR配管と、を備えるエンジンの吸気装置であって、
前記EGR配管は、
前記排気ガス出口に連結される上流側管部と、
前記上流側管部に対して前記気筒列方向に偏倚して配置され、前記排気ガス入口に連結される下流側管部と、
前記上流側管部と前記下流側管部とを連絡する中間管部と、を有し、
前記中間管部が前記上流側管部と前記下流側管部とに直交して連絡されるように、前記スロットル装置の周辺に沿ってクランク状に屈曲して形成されており、
前記中間管部の通路断面の面積は、前記上流側管部および前記下流側管部の通路断面より大きいことを特徴とするエンジンの吸気装置。
【請求項2】
前記中間管部は、上下方向に延びる接合面で接合された第1の部材と第2の部材とからなり、
前記第1の部材に前記上流側管部が連結され、前記第2の部材に前記下流側管部が連結されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気装置。
【請求項3】
前記中間管部の内部の通路は、幅方向のサイズよりも高さ方向のサイズが大きい断面形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンの吸気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエンジンの吸気装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のエンジンの吸気装置は、排気管から吸気マニホールドに排気ガスを還流させるEGRガス還流通路と、EGRガスの流量を調整するEGRバルブ(EGRコントロール弁)とを有する排気ガス還流装置を備えている。この排気ガス還流装置のEGRバルブは、シリンダヘッドの端部に連結されるハウジングに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-87807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、EGRガスの導入によるエンジンの吸気温度の上昇とエンジン出力の低下を回避するためには、EGR還流装置にEGRクーラを設けてEGRを冷却することが望ましい。EGR還流装置にEGRクーラを設ける場合、EGRバルブを高い位置に配置し、EGRバルブの下方にEGRクーラを設置することが望ましい。EGRクーラの大きさや設置姿勢の自由度を高めることができ、EGRガスの冷却性能を確保できるからである。
【0005】
しかしながら、従来のエンジンの吸気装置にあっては、EGRクーラの設置のために、EGRバルブをその上端がシリンダヘッドの上端よりも上方に位置するように高い位置に設置する場合、EGRバルブがその下端部の周辺だけで支持されるため、EGRバルブの振動が増加するおそれがあった。
【0006】
また、吸気マニホールドに連結するスロットル装置を、吸気流れ方向が上向きになる姿勢でEGRバルブと隣接して配置する場合、EGRバルブと吸気マニホールドとを連絡するEGR配管を、スロットル装置との干渉を避けるために複雑に曲げて形成する必要があるため、EGR配管における圧損の増加によりEGRガスの流量が低下するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、EGRバルブの上端がシリンダヘッドの上端よりも上方の位置になるように、EGRバルブを、シリンダヘッドの気筒列方向の端部の位置に配置する場合であっても、EGRガスの流量の低下を防止でき、EGRバルブの振動を抑制できるエンジンの吸気装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、気筒列方向に延びるサージタンクと、前記サージタンクから分岐し、前記気筒列方向に並べた状態でシリンダヘッドに連結される複数の吸気管と、を有する吸気マニホールドと、前記サージタンクの前記気筒列方向の一端部の上面に取り付けられたスロットル装置と、前記シリンダヘッドの前記気筒列方向の一端部に取り付けられたEGRバルブと、前記EGRバルブにおける前記吸気マニホールド側の側面であって、前記シリンダヘッドの上端より上側に設けられた排気ガス出口と、前記吸気マニホールドの上面に設けられた排気ガス入口と、前記排気ガス出口と前記排気ガス入口とを連絡するEGR配管と、を備えるエンジンの吸気装置であって、前記EGR配管は、前記排気ガス出口に連結される上流側管部と、前記上流側管部に対して前記気筒列方向に偏倚して配置され、前記排気ガス入口に連結される下流側管部と、前記上流側管部と前記下流側管部とを連絡する中間管部と、を有し、前記中間管部が前記上流側管部と前記下流側管部とに直交して連絡されるように、前記スロットル装置の周辺に沿ってクランク状に屈曲して形成されており、前記中間管部の通路断面の面積は、前記上流側管部および前記下流側管部の通路断面より大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このように上記の本発明によれば、EGRバルブの上端がシリンダヘッドの上端よりも上方の位置になるように、EGRバルブを、シリンダヘッドの気筒列方向の端部の位置に配置する場合であっても、EGRガスの流量の低下を防止でき、EGRバルブの振動を抑制できるエンジンの吸気装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施例に係る吸気装置を備えるエンジンの左側面図である。
図2図2は、本発明の一実施例に係る吸気装置を備えるエンジンの平面図である。
図3図3は、本発明の一実施例に係る吸気装置を備えるエンジンの背面図である。
図4図4は、図2に示すエンジンのIV-IV方向の矢視断面図である。
図5図5は、図3に示すエンジンのV-V方向の矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施の形態に係るエンジンの吸気装置は、気筒列方向に延びるサージタンクと、サージタンクから分岐し、気筒列方向に並べた状態でシリンダヘッドに連結される複数の吸気管と、を有する吸気マニホールドと、サージタンクの気筒列方向の一端部の上面に取り付けられたスロットル装置と、シリンダヘッドの気筒列方向の一端部に取り付けられたEGRバルブと、EGRバルブにおける吸気マニホールド側の側面であって、シリンダヘッドの上端より上側に設けられた排気ガス出口と、吸気マニホールドの上面に設けられた排気ガス入口と、排気ガス出口と排気ガス入口とを連絡するEGR配管と、を備えるエンジンの吸気装置であって、EGR配管は、排気ガス出口に連結される上流側管部と、上流側管部に対して気筒列方向に偏倚して配置され、排気ガス入口に連結される下流側管部と、上流側管部と下流側管部とを連絡する中間管部と、を有し、中間管部が上流側管部と下流側管部とに直交して連絡されるように、スロットル装置の周辺に沿ってクランク状に屈曲して形成されており、中間管部の通路断面の面積は、上流側管部および下流側管部の通路断面より大きいことを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係るエンジンの吸気装置は、EGRバルブの上端がシリンダヘッドの上端よりも上方の位置になるように、EGRバルブを、シリンダヘッドの気筒列方向の端部の位置に配置する場合であっても、EGRガスの流量の低下を防止でき、EGRバルブの振動を抑制できる。
【実施例
【0012】
以下、本発明の一実施例に係るエンジンの吸気装置について、図面を用いて説明する。図1から図5は、本発明の一実施例に係るエンジンの吸気装置を示す図である。図1から図5において、上下前後左右方向は、車両に横置きで設置された状態のエンジンの上下前後左右方向とし、前後方向に対して直交する方向が左右方向、エンジンの高さ方向が上下方向である。
【0013】
まず、構成を説明する。図1において、エンジン1はエンジン本体1Aを備えている。エンジン本体1Aは、シリンダブロック3と、シリンダブロック3の上部に連結されたシリンダヘッド2と、シリンダヘッド2の上部に設けられたヘッドカバー4と、シリンダブロック3の下部に連結されたオイルパン5とを備えている。また、エンジン本体1は、シリンダブロック3およびシリンダヘッド2の右端部に、図示しないタイミングチェーンを覆うチェーンカバー8(図3参照)を備えている。
【0014】
シリンダブロック3には、図示しないピストンを上下動自在に収容する図示しない複数(3つ)の気筒が形成されている。シリンダブロック3には、ピストンの上下運動を回転運動に変換するクランク軸11が収容されており、クランク軸11は左右方向に延びている。複数の気筒は、クランク軸11の延伸する左右方向(以下、気筒列方向ともいう)に並んで配置されている。
【0015】
シリンダヘッド2の底部には、図示しない複数の燃焼室が設けられている。燃焼室は各気筒の上部に設けられている。本実施例では、シリンダヘッド2には、3つの燃焼室が左右方向に一列に並んで設けられている。シリンダヘッド2の前部には図面に表れない排気出口が設けられており、排気出口は排気ガスを排出する。
【0016】
図1において、エンジン1は吸気マニホールド20を備えている。吸気マニホールド20はシリンダヘッド2の後方の側面に取り付けられており、図示しないエアクリーナを通過した空気をシリンダヘッド2の図示しない複数(本実施例では3つ)の吸気ポートに分配している。エンジン1は、吸気ポートから取入れた空気と燃料とからなる混合気を図示しない点火プラグによって点火して燃焼させ、燃焼後の排気ガスを排気出口から排出する。
【0017】
吸気マニホールド20は、空気を一時的に貯留するサージタンク21と、空気をサージタンク21からシリンダヘッド2の各吸気ポートに分配する多岐部22とを備えている。サージタンク21は気筒列方向に延びている。多岐部22は、3つの吸気管23、24、25からなる。
【0018】
吸気管23、24、25は、サージタンク21から分岐し、気筒列方向に並べた状態でシリンダヘッド2に連結される。サージタンク21の気筒列方向の一端部(左端部)の上面には空気の流量を制御するスロットル装置7が取り付けられている。スロットル装置7は、図示しないエアクリーナを通過して濾過された空気を吸気マニホールド20に供給している。
【0019】
エンジン本体1Aの前方には、排気ガスが通過する排気管10が設けられている。図1において、排気管10は排気ガスを浄化する触媒装置からなる。
【0020】
エンジン本体1Aの左方には、排気管10を通過する排気ガスの一部を吸気経路に還流するEGR配管12A、12B、EGRクーラ13が設けられている。EGRクーラ13は、EGR配管12AとEGR配管12A、12Bの間に設けられており、冷却水との熱交換により排気ガスを冷却する。
【0021】
EGR配管12Bの下流端にはEGRバルブ14が設けられており、EGRバルブは排気ガスの流量を制御する。EGRバルブ14は、シリンダヘッド2の気筒列方向の一端部(左端部)に取り付けられている。言い換えれば、EGRバルブ14は、シリンダヘッド2の気筒列方向のスロットル装置7側の端部に取り付けられている。このため、EGRバルブ14は、スロットル装置7と隣接している。
【0022】
排気管10を通過する排気ガスの一部は、EGR配管12A、EGRクーラ13、EGR配管12BおよびEGRバルブ14を通過した後に、吸気経路に還流される。
【0023】
EGRバルブ14には排気ガス出口14Aが設けられている。排気ガス出口14Aは、EGRバルブ14における吸気マニホールド20側の側面であって、シリンダヘッド2の上端より上側に設けられている。
【0024】
EGRバルブ14には排気ガス出口14Aが設けられている。排気ガス出口14Aは、EGRバルブ14における吸気マニホールド20側の側面であって、シリンダヘッド2の上端より上側に設けられている。したがって、EGRバルブ14は、その上端がシリンダヘッド2の上端よりも上方に位置する高い位置に配置されている。
【0025】
エンジン1はEGR配管40を備えており、EGRバルブ14の排気ガス出口14Aと後述する添加ガス供給管30の排気ガス入口38とを連絡している。
【0026】
図2図3において、吸気マニホールド20には添加ガス供給管30が設けられており、添加ガス供給管30は、吸気管23、24、25内を流れる空気に添加ガス(排気ガス)を導入する。添加ガス供給管30は、吸気マニホールド20の上面に設けられており、排気管10から導入した添加ガスを吸気マニホールド20の各吸気管23、24、25に分配および供給している。
【0027】
図2図3において、添加ガス供給管30は、上側と下側のそれぞれの部材を接合したものからなる。添加ガス供給管30は、まず吸気管23への経路と他の経路とに二股に分岐し、その後に他の経路が吸気管24への経路と吸気管25への経路とに二股に分岐する構造を有している。このように、添加ガス供給管30は、トーナメント表に類似する構造を有している。
【0028】
詳しくは、添加ガス供給管30は、添加ガスとしての排気ガスを取り入れる排気ガス入口38と、排気ガス入口38から気筒列方向に延びる第1管部31と、第1管部31の下流端から気筒列方向と交差する交差方向に延びる第2管部32と、第2管部32の下流端から気筒列方向で互いに反対側に延びる第1分岐管部34および第2分岐管部35と、を有している。
【0029】
排気ガス入口38の周囲にはボス形状のフランジ部38Aが設けられており、このフランジ部38Aには添加ガス供給用の図示しない配管が接続される。添加ガス供給管30は吸気マニホールド20の上面に配置されているため、排気ガス入口38は吸気マニホールド20の上面に配置されている。
【0030】
添加ガス供給管30は、第2分岐管部35の下流端に連結された第3管部33と、第3管部33の下流端から互いに反対側に延びる第3分岐管部36および第4分岐管部37とを有している。
【0031】
第1分岐管部34の下流端には、吸気管23と連通する第1連通口34Aが設けられている。第3分岐管部36の下流端には、吸気管24と連通する第2連通口36Aが設けられている。第4分岐管部37の下流端には、吸気管25と連通する第3連通口37Aが設けられている。
【0032】
図2において、EGR配管40は、排気ガス出口14Aに連結される上流側管部41と、上流側管部41に対して気筒列方向に偏倚(オフセット)して配置され、排気ガス入口38に連結される下流側管部42と、上流側管部41と下流側管部42とを連絡する中間管部43と、を有している。EGR配管40は、全体として、下流側ほど低くなるように、上方から下方に向かって延びている。
【0033】
EGR配管40は、中間管部43が上流側管部41と下流側管部42とに直交して連絡されるように、スロットル装置7の周辺に沿ってクランク状に屈曲して形成されている。中間管部43の通路断面の面積は、上流側管部41および下流側管部42の通路断面より大きくされている。
【0034】
図2図5において、中間管部43は、上下方向に延伸する接合面43Cで接合された第1の部材43Aと第2の部材43Bとからなる。第1の部材43Aに上流側管部41が連結され、第2の部材43Bに下流側管部42が連結されている。
【0035】
言い換えれば、中間管部43は、上下方向に延びる接合面43Cを分割面として第1の部材43Aと第2の部材43Bとに分割されており、第1の部材43Aと第2の部材43Bとを接合したものからなる。つまり、EGR配管40は、断面積が一定の直管を曲げ加工したものではなく、上流側管部41と第1の部材43Aとを構成する部材と、下流側管部42と第2の部材43Bとを構成する部材とを、接合面43Cで接合したものからなる。EGR配管40は、例えばダイカスト等の手法により製作することができる。
【0036】
図4図5において、中間管部43の内部の通路は、幅方向(接合面43Cの直交方向)のサイズよりも高さ方向(接合面43Cの延伸方向)のサイズが大きい断面形状に形成されている。つまり、中間管部43の内部の通路は、縦長の形状に形成されている。
【0037】
以上説明したように、本実施例では、EGR配管40は、排気ガス出口14Aに連結される上流側管部41と、上流側管部41に対して気筒列方向に偏倚(オフセット)して配置され、排気ガス入口38に連結される下流側管部42と、上流側管部41と下流側管部42とを連絡する中間管部43と、を有している。
【0038】
また、EGR配管40は、中間管部43が上流側管部41と下流側管部42とに直交して連絡されるように、スロットル装置7の周辺に沿ってクランク状に屈曲して形成されている。そして、中間管部43の通路断面の面積は、上流側管部41および下流側管部42の通路断面より大きくされている。
【0039】
これにより、中間管部43の通路断面の面積を上流側管部41および下流側管部42よりも大きくしたことで、EGRバルブ14からの外力が集中する中間管部43の剛性を向上でき、EGR配管40の曲げやねじりに対する剛性を向上できる。また、中間管部43の通路断面の面積を大きくすることで、EGR配管40が曲がった場合であってもEGRガスの流量を確保できる。
【0040】
この結果、EGRバルブ14の上端がシリンダヘッド2の上端よりも上方の位置になるように、EGRバルブ14を、シリンダヘッド2の気筒列方向の端部の位置に配置する場合であっても、EGRガスの流量の低下を防止でき、EGRバルブ14の振動を抑制できる。
【0041】
また、本実施例では、中間管部43は、上下方向に延伸する接合面43Cで接合された第1の部材43Aと第2の部材43Bとからなる。また、第1の部材43Aに上流側管部41が連結され、第2の部材43Bに下流側管部42が連結されている。
【0042】
これにより、中間管部43を第1の部材と第2の部材を接合して形成したことで、中間管部43を所望の剛性を得る内部通路形状および断面積に設計および製造しやすくなるので、EGR配管40の剛性をさらに向上でき、EGRバルブ14の振動を抑制できる。
【0043】
また、本実施例では、中間管部43の内部の通路は、幅方向(接合面43Cの直交方向)のサイズよりも高さ方向(接合面43Cの延伸方向)のサイズが大きい断面形状に形成されている。
【0044】
これにより、上流側管部41から中間管部43に連続する部位の剛性、および中間管部43から下流側管部42に連続する部位の剛性を確保することができる。
【0045】
また、本実施例のようにEGR配管40を上方から下方に向かって延びる形状に形成する場合、EGR配管40の上下方向への曲げを直交方向(水平方向)よりも緩やかに形成でき、直管を曲げ加工する場合よりも圧損を少なくできる。
【0046】
これに加え、EGRバルブ14の振動方向に対して、特に中間管部43の上下方向へのねじれを抑制できる。したがって、EGRバルブ14の振動をより一層抑制できる。
【0047】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0048】
1...エンジン、1A...エンジン本体、2...シリンダヘッド、7...スロットル装置、14...EGRバルブ、14A...排気ガス出口、20...吸気マニホールド、21...サージタンク、23,24,25...吸気管、38...排気ガス入口、40...EGR配管、41...上流側管部、42...下流側管部、43...中間管部、43A...第1の部材、43B...第2の部材、43C...接合面
図1
図2
図3
図4
図5