(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】制御装置、プログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20231024BHJP
G09B 29/00 20060101ALN20231024BHJP
【FI】
G06Q50/06
G09B29/00 F
(21)【出願番号】P 2020185968
(22)【出願日】2020-11-06
【審査請求日】2022-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】柴野 巧
(72)【発明者】
【氏名】木村 和峰
【審査官】小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-135844(JP,A)
【文献】特開2011-155711(JP,A)
【文献】特開2003-256663(JP,A)
【文献】特開2020-155145(JP,A)
【文献】特開2014-204795(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0177458(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と通信可能に接続された制御装置であって、制御部を含み、前記制御部は、
仮想空間を設定し、
現実の特定の地域に属する複数ユーザに関連付けられた値に応じて、前記仮想空間における複数の候補地の中から1以上の仮想地点を選択し、
前記仮想空間において、選択された仮想地点に仮想の再生可能エネルギー発電所を設置し、
選択された前記仮想地点に対応する現実地点に設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、設置された前記仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて表示する画像情報を生成し、
前記画像情報を前記ユーザ端末に送信する、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
選択される前記1以上の仮想地点は、前記複数ユーザのうち前記関連付けられた値が最大であるユーザによって選択された仮想地点である、制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の制御装置において、
前記関連付けられた値は、前記複数ユーザによる環境に配慮した行動に応じて付与されたポイント、又は、前記複数ユーザからの出資の金額を含む、制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報は、前記現実の再生可能エネルギー発電所における発電量と、前記特定の地域に関連付けられて設置された現実の再生可能エネルギー発電所の数と、前記特定の地域に関連付けられて基準期間内に増設された現実の再生可能エネルギー発電所の数と、の少なくとも1つを含む、制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記特定の地域と関連付けられて設置された前記現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報と、別の地域と関連付けられて設置された別の現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報とを、前記ユーザ端末に送信する、制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記現実の再生可能エネルギー発電所への見学に関する情報、又は、前記現実の再生可能エネルギー発電所が属する地域への旅行に関する情報を前記ユーザ端末に送信する、制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記制御部は、前記再生可能エネルギー発電所に関する情報に応じて、前記特定の地域に関連付けられた値を変化させる、制御装置。
【請求項8】
ユーザ端末と通信可能に接続された制御装置としてのコンピュータに、
仮想空間を設定することと、
現実の特定の地域に属する複数ユーザに関連付けられた値に応じて、前記仮想空間における複数の候補地の中から1以上の仮想地点を選択することと、
前記仮想空間において、選択された仮想地点に仮想の再生可能エネルギー発電所を設置することと、
選択された前記仮想地点に対応する現実地点に設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、設置された前記仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて表示する画像情報を生成することと、
前記画像情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行させるプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
選択される前記1以上の仮想地点は、前記複数ユーザのうち前記関連付けられた値が最大であるユーザによって選択された仮想地点である、プログラム。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のプログラムにおいて、
前記関連付けられた値は、前記複数ユーザによる環境に配慮した行動に応じて付与されたポイント、又は、前記複数ユーザからの出資の金額を含む、プログラム。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報は、前記現実の再生可能エネルギー発電所における発電量と、前記特定の地域に関連付けられて設置された現実の再生可能エネルギー発電所の数と、前記特定の地域に関連付けられて基準期間内に増設された現実の再生可能エネルギー発電所の数と、の少なくとも1つを含む、プログラム。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記特定の地域と関連付けられて設置された前記現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報と、別の地域と関連付けられて設置された別の現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報とを、前記ユーザ端末に送信する動作を前記コンピュータに更に実行させるプログラム。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記現実の再生可能エネルギー発電所への見学に関する情報、又は、前記現実の再生可能エネルギー発電所が属する地域への旅行に関する情報を前記ユーザ端末に送信する動作を前記コンピュータに更に実行させるプログラム。
【請求項14】
請求項8乃至13のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記再生可能エネルギー発電所に関する情報に応じて、前記特定の地域に関連付けられた値を変化させる動作を前記コンピュータに更に実行させるプログラム。
【請求項15】
ユーザ端末と通信可能に接続された制御装置による制御方法であって、
仮想空間を設定することと、
現実の特定の地域に属する複数ユーザに関連付けられた値に応じて、前記仮想空間における複数の候補地の中から1以上の仮想地点を選択することと、
前記仮想空間において、選択された仮想地点に仮想の再生可能エネルギー発電所を設置することと、
選択された前記仮想地点に対応する現実地点に設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、設置された前記仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて表示する画像情報を生成することと、
前記画像情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む制御方法。
【請求項16】
請求項15に記載の制御方法において、
選択される前記1以上の仮想地点は、前記複数ユーザのうち前記関連付けられた値が最大であるユーザによって選択された仮想地点である、制御方法。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の制御方法において、
前記関連付けられた値は、前記複数ユーザによる環境に配慮した行動に応じて付与されたポイント、又は、前記複数ユーザからの出資の金額を含む、制御方法。
【請求項18】
請求項15乃至17のいずれか一項に記載の制御方法において、
前記現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報は、前記現実の再生可能エネルギー発電所における発電量と、前記特定の地域に関連付けられて設置された現実の再生可能エネルギー発電所の数と、前記特定の地域に関連付けられて基準期間内に増設された現実の再生可能エネルギー発電所の数と、の少なくとも1つを含む、制御方法。
【請求項19】
請求項15乃至18のいずれか一項に記載の制御方法において、
前記特定の地域と関連付けられて設置された前記現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報と、別の地域と関連付けられて設置された別の現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報とを、前記ユーザ端末に送信することを更に含む制御方法。
【請求項20】
請求項15乃至19のいずれか一項に記載の制御方法において、
前記現実の再生可能エネルギー発電所への見学に関する情報、又は、前記現実の再生可能エネルギー発電所が属する地域への旅行に関する情報を前記ユーザ端末に送信することを更に含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、プログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、再生可能エネルギーを利用して発電を行う技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、地域単位で発電が行われるわけではない。このため、地域住民の環境意識を向上させるという観点で、改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、地域住民の環境意識を向上させることができる制御装置、プログラム及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、
ユーザ端末と通信可能に接続された制御装置であって、制御部を含み、前記制御部は、
仮想空間を設定し、
現実の特定の地域に属する複数ユーザに関連付けられた値に応じて、前記仮想空間における複数の候補地の中から1以上の仮想地点を選択し、
前記仮想空間において、選択された仮想地点に仮想の再生可能エネルギー発電所を設置し、
選択された前記仮想地点に対応する現実地点に設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、設置された前記仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて表示する画像情報を生成し、
前記画像情報を前記ユーザ端末に送信する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
ユーザ端末と通信可能に接続された制御装置としてのコンピュータに、
仮想空間を設定することと、
現実の特定の地域に属する複数ユーザに関連付けられた値に応じて、前記仮想空間における複数の候補地の中から1以上の仮想地点を選択することと、
前記仮想空間において、選択された仮想地点に仮想の再生可能エネルギー発電所を設置することと、
選択された前記仮想地点に対応する現実地点に設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、設置された前記仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて表示する画像情報を生成することと、
前記画像情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る制御方法は、
ユーザ端末と通信可能に接続された制御装置による制御方法であって、
仮想空間を設定することと、
現実の特定の地域に属する複数ユーザに関連付けられた値に応じて、前記仮想空間における複数の候補地の中から1以上の仮想地点を選択することと、
前記仮想空間において、選択された仮想地点に仮想の再生可能エネルギー発電所を設置することと、
選択された前記仮想地点に対応する現実地点に設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、設置された前記仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて表示する画像情報を生成することと、
前記画像情報を前記ユーザ端末に送信することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による制御装置、プログラム及び制御方法によれば、地域住民の環境意識を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】ユーザDB(database)のデータ構造を示す図である。
【
図5】候補地となる仮想地点が示された仮想空間を示す図である。
【
図6】選択された仮想地点が示された仮想空間を示す図である。
【
図10】制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは、ネットワークNWを介して互いに通信可能に接続された制御装置1とユーザ端末2とを含む。ネットワークNWは、例えば移動体通信網とインターネットとを含む。
【0012】
図1では説明の簡便のため、制御装置1とユーザ端末2とは1つずつ図示される。しかし、制御装置1とユーザ端末2とのそれぞれの数はこれに限られない。例えば、本実施形態の制御装置1が実行する処理は、分散配置された複数の制御装置1によって実行されてよい。複数のユーザ端末2がユーザによって操作されてよい。
【0013】
本実施形態の制御装置1が実行する処理の概要が説明される。制御装置1は、仮想空間を設定し、現実の特定の地域に属する複数ユーザに関連付けられた値に応じて、仮想空間における複数の候補地の中から1以上の仮想地点を選択する。制御装置1は更に、仮想空間において、選択された仮想地点に仮想の再生可能エネルギー発電所を設置する。制御装置1は、選択された仮想地点に対応する現実地点に設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、設置された仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて表示する画像情報を生成する。制御装置1は、画像情報をユーザ端末2に送信する。この構成により制御装置1は、ユーザ端末2のユーザに対して、現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて示すことができる。もって制御装置1は、再生可能エネルギー発電所を設置すること及びその発電所に関する情報を確認することを、ゲームのような感覚で楽しくユーザに行わせることができる。このように制御装置1は地域住民の環境意識を向上させることができる。
【0014】
制御装置1は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータである。制御装置1は、データセンタなどの施設に設置されてよい。
【0015】
図2を参照して制御装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0016】
制御装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とを含む。制御装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0017】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。
【0018】
通信部12は、ネットワークNWに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークNWを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0019】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれるが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、制御装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。記憶部13は、後述するユーザDBと地域DBとを含む。
【0020】
ユーザ端末2は、ユーザによって操作される端末である。ユーザ端末2は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器である。ユーザ端末2は例えば、PCなどの汎用機器、又は専用機器であってよい。「PC」は、personal computerの略語である。
【0021】
図3を参照してユーザ端末2の内部構成が詳細に説明される。
【0022】
ユーザ端末2は、制御部21と通信部22と記憶部23と入出力部24とを含む。ユーザ端末2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0023】
ユーザ端末2の制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成は、制御装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0024】
入出力部24は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入出力部24は、ユーザ端末2の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入出力部24は、ユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の入力機器としてユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0025】
入出力部24は、更に、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。入出力部24は、ユーザ端末2の動作によって得られる情報を出力する。入出力部24は、ユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の出力機器としてユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0026】
以下、本実施形態の情報処理システムSで実行される処理が詳細に説明される。ここでは一例として特定の地域に居住する1以上のユーザが環境に配慮した行動を行って、その行動に応じたポイントを獲得する場面が説明される。特定の地域の運営会社等は、獲得されたポイントに応じて出資を行い、再生可能エネルギーの発電所を設置する。再生可能エネルギー発電所の設置に参加するユーザは、特定の地域に居住する全てのユーザであってよいし、希望したユーザだけであってよい。
【0027】
ここでの再生可能エネルギーは、非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用できると認められるものである。再生可能エネルギーは例えば次のうち少なくとも1つを含む。
・太陽光
・風力
・水力
・地熱
・太陽熱
・大気中の熱その他の自然界に存在する熱
・バイオマス(動植物に由来する有機物)
【0028】
図4に示されるように、ユーザDBでは、ユーザIDと地域IDとに関連付けて、ポイントが記憶される。ポイントはユーザID及び地域IDに関連付けられた値の一例である。地域IDは、ユーザが属する(例えば、居住する)地域の識別子である。
【0029】
制御装置1は、ユーザが環境に配慮した行動を行ったことを任意の方法で検出すると、その行動に応じたポイントをユーザDBに記憶する。このように制御装置1は、ユーザにポイントを付与する。代替例として、ユーザDBは任意の事業者によって作成されてよい。環境に配慮した行動は例えば次のものであってよい。
・リサイクル
・エコ製品の購入
・節電
・設置された再生可能エネルギー発電所で発電された再生可能エネルギーの利用
【0030】
制御装置1は任意の時点で、特定の地域に属する複数ユーザに関連付けられた値を判定する。例えば制御装置1は、特定の地域の合計ポイントが基準値に達したか否かを判定する。ここでは一例として、基準値は600ポイントである。
図4に示されるように、地域A01に関連付けられたポイントは、ユーザU01の100ポイントとユーザU02の500ポイントとの合計で、600ポイントである。制御装置1は、地域A01の合計ポイントが基準値に達したと判定する。
【0031】
代替例として制御装置1は、ポイントが基準値に達したか否かを判定する代わりに、特定の地域に居住する複数ユーザからの出資の金額の合計が基準値に達したか否かを判定してよい。この場合、複数ユーザからの出資の金額が、複数ユーザに関連付けられた値である。
【0032】
図5に示されるように、制御装置1は、仮想空間VSを設定する。仮想空間VSは、仮想のマップである。仮想のマップは、現実世界での地図と一致又は略一致する。ここでは一例として仮想空間VSは、日本国の地図であるが、これに限られない。例えば仮想空間VSは、ユーザ端末2でプレイされるゲーム内に設定されてよい。
【0033】
制御装置1は、仮想空間VSに、仮想の再生可能エネルギー発電所を設置する候補地として仮想地点VS01乃至VS05を示す。地域A01に属する任意のユーザのユーザ端末2は仮想空間VSを表示し、ユーザからの選択を受け付ける。ここでは、選択される地点の数は1つである。しかし代替例では、選択される地点の数は2以上であってよい。
【0034】
制御装置1は、地域A01に属する全てのユーザに選択権を付与してよいし、地域A01に属する全てのユーザのうち、関連付けられた値(ここではポイント)が最大であるユーザ(ここではユーザU02)にのみ選択権を付与してよい。代替例として、出資額の合計を基に再生可能エネルギー発電所を設置する場合は、制御装置1は、出資額が最多のユーザにのみ選択権を付与してよい。
【0035】
ここでは一例として仮想地点VS03が選択された場合を説明する。ユーザ端末2は、選択結果を制御装置1に送信する。制御装置1は、仮想地点VS03を選択する。
図6に示されるように、ユーザ端末2は、仮想空間VSにて仮想地点VS03が選択されたことを表示する。
【0036】
制御装置1は、電気事業者等に依頼して、仮想地点VS03に対応する現実地点RS01(
図7参照)に、現実の再生可能エネルギー発電所を設置させる。現実地点RS01は現実空間RSにおける地点である。設置のペースは、発電所1件あたり例えば1~2年であってよいが、これに限られない。
【0037】
現実の再生可能エネルギー発電所は、地域A01に関連付けられて設置される。制御装置1は、
図8に示されるように、地域IDに関連付けて、仮想地点IDと現実地点IDとを地域DBに記憶する。ここでは、地域A01に関連付けて、仮想地点VS03と現実地点RS01とが記憶される。
【0038】
制御装置1は、現実地点RS01に設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を電気事業者等から取得し、その情報が表示された画像情報を生成する。
図9に例示される画像情報は例えば次の情報を表示する。
・対応する仮想の再生可能エネルギー発電所が設置された仮想地点の識別子91
・現実の再生可能エネルギー発電所が設置された現実地点の識別子92
・現実地点RS01の現実の再生可能エネルギー発電所における発電量93
・地域A01に関連付けられて設置された現実の再生可能エネルギー発電所の合計数94
・現実地点RS01の現実の再生可能エネルギー発電所への見学を行うための手続きが掲載されたページへのリンク95
・現実地点RS01が属する地域へ旅行するための手続きが掲載されたページへのリンク96
【0039】
図9に示されるように、制御装置1は、画像情報において、現実地点RS01に設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、仮想地点VS03に設置された仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて表示する。
【0040】
追加的に、再生可能エネルギー発電所に関する情報は、地域A01に関連付けられて基準期間内に増設された現実の再生可能エネルギー発電所の数を含んでよい。基準期間はユーザが任意に設定可能である。
【0041】
制御装置1は、生成された画像情報をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は取得した画像情報を表示する。
【0042】
制御装置1は、地域A01と関連付けられて設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報に加えて、別の地域A02と関連付けられて設置された別の現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、地域A01及び地域A02に属するユーザのユーザ端末に送信してよい。ユーザ端末2は、受信した情報を表示する。これにより、地域A01と地域A02との間で、再生可能エネルギー発電所に関する情報を比較可能である。
【0043】
制御装置1は、発電量が多い地域、又は、設置した発電所の数が多い地域に、新たにポイントを付与してよい。制御装置1は、比較結果を、地域A01又は地域A02に属するユーザのユーザ端末に送信してよい。
【0044】
代替例として制御装置1は、2以上の地域のそれぞれによって設置された再生可能エネルギー発電所に関する情報につき、地域間のランキングを算出してよい。制御装置1は、ランキング情報を、2以上の地域に属する各ユーザのユーザ端末に送信してよい。
【0045】
制御装置1は、再生可能エネルギー発電所に関する情報に応じて、特定の地域に関連付けられた値を変化させてよい。例えば制御装置1は、ランキングにおいて上位に入った所定数の地域に関連付けられたポイントを増加させてよい。ポイントが基準値に達すれば、新たな再生可能エネルギー発電所を設置可能である。
【0046】
図10を参照して、本実施形態の制御装置1による制御方法が説明される。
【0047】
ステップS1にて制御装置1は、任意の時点で仮想空間VSを設定する。
【0048】
ステップS2にて制御装置1は、現実の特定の地域に属する複数ユーザに関連付けられた値を判定する。
【0049】
ステップS3にて制御装置1は、複数ユーザに関連付けられた値に応じて、仮想空間VSにおける複数の候補地から1以上の仮想地点を選択する。
【0050】
ステップS4にて制御装置1は、選択された仮想地点に、仮想の再生可能エネルギー発電所を設置する。
【0051】
ステップS5にて制御装置1は、選択された仮想地点に対応する現実地点に設けられた現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を任意のデータベースから取得する。
【0052】
ステップS6にて制御装置1は、取得した情報を、設置された仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて表示する画像情報を生成する。
【0053】
ステップS7にて制御装置1は、生成した画像情報をユーザ端末2に送信する。
【0054】
以上述べたように本実施形態によれば、制御装置1は、仮想空間を設定し、現実の特定の地域に属する複数ユーザに関連付けられた値に応じて、仮想空間における複数の候補地の中から1以上の仮想地点を選択する。制御装置1は、仮想空間において、選択された仮想地点に仮想の再生可能エネルギー発電所を設置し、選択された仮想地点に対応する現実地点に設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、設置された仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて表示する画像情報を生成し、画像情報をユーザ端末に送信する。この構成により制御装置1は、ユーザ端末2のユーザに対して、現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報を、仮想の再生可能エネルギー発電所に関連付けて示すことができる。もって制御装置1は、再生可能エネルギー発電所を設置すること及びその発電所に関する情報を収集することを、ゲームのような感覚で楽しくユーザに行わせることができる。このように制御装置1は地域住民の環境意識を向上させることができる。
【0055】
また本実施形態によれば、選択される1以上の仮想地点は、複数ユーザのうち関連付けられた値が最大であるユーザによって選択された仮想地点である。この構成により制御装置1は、最大の貢献をしたユーザに対してインセンティブを与え、貢献を加速させることができる。
【0056】
また本実施形態によれば、関連付けられた値は、複数ユーザによる環境に配慮した行動に応じて付与されたポイント、又は、複数ユーザからの出資の金額を含む。この構成により制御装置1は、様々な指標を利用して選択を行うことができるので、様々な場面で地域住民の環境意識を向上させることができる。
【0057】
また本実施形態によれば、現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報は、現実の再生可能エネルギー発電所における発電量と、特定の地域に関連付けられて設置された現実の再生可能エネルギー発電所の数と、特定の地域に関連付けられて基準期間内に増設された現実の再生可能エネルギー発電所の数と、の少なくとも1つを含む。この構成により制御装置1は、ユーザの貢献度合いを数値化してユーザに通知することができるので、ユーザは自身の貢献度合いを容易に認識することができる。
【0058】
また本実施形態によれば、制御装置1は、特定の地域と関連付けられて設置された現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報と、別の地域と関連付けられて設置された別の現実の再生可能エネルギー発電所に関する情報とを、ユーザ端末2に送信する。この構成によりユーザ端末2のユーザは、自身が属する特定の地域と別の地域とを比較することができるので、ゲーム感覚で勝負を楽しむことができる。
【0059】
また本実施形態によれば、制御装置1は、現実の再生可能エネルギー発電所への見学に関する情報、又は、現実の再生可能エネルギー発電所が属する地域への旅行に関する情報をユーザ端末2に送信する。この構成により制御装置1は、ユーザ端末2のユーザが現実の再生可能エネルギー発電所又はその地域を訪れることを可能にする。もって制御装置1は、バーチャル(仮想)での体験のみならずリアル(現実)での体験をユーザに提供することができる。
【0060】
また本実施形態によれば、制御装置1は、再生可能エネルギー発電所に関する情報に応じて、特定の地域に関連付けられた値を変化させる。この構成により制御装置1は例えば、再生可能エネルギー発電所に関する情報が優れていれば、その地域に関連付けられた値を増加させることができる。もって制御装置1は、再生可能エネルギー発電所に関する情報を向上させるインセンティブをユーザに与えることができ、貢献を一層加速させることができる。
【0061】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0062】
例えば、上記の実施形態において、制御装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0063】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0064】
S 情報処理システム
NW ネットワーク
1 制御装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
2 ユーザ端末
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 入出力部