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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】半導体発光デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/022 20210101AFI20231024BHJP
   H01S 5/02253 20210101ALI20231024BHJP
【FI】
H01S5/022
H01S5/02253
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020571012
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(86)【国際出願番号】 JP2019047883
(87)【国際公開番号】W WO2020162023
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2019018059
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝口 由朗
(72)【発明者】
【氏名】本林 久良
(72)【発明者】
【氏名】宮原 宏之
(72)【発明者】
【氏名】村山 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】川西 秀和
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-091496(JP,A)
【文献】特開2013-084810(JP,A)
【文献】特開2018-101692(JP,A)
【文献】特開平07-086693(JP,A)
【文献】特開2008-015434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/022
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子を収容すると共に、少なくとも一方に前記発光素子と外部とを電気的に接続する配線構造を有する第1の収容部材および第2の収容部材と、
前記第1の収容部材と前記第2の収容部材とを接合すると共に、前記配線構造と電気的に接続されている導電性接合部とを備え、
前記第1の収容部材は、前記発光素子を収容する収容空間を形成する第1の凹部と、前記第1の凹部の底面を構成する第1の層と、前記第1の凹部の側面を構成する第2の層とを有し、
前記第1の層には、1または複数の第1のメタルパタンが形成され、
前記第2の層には、前記1または複数の第1のメタルパタンの少なくとも一部と電気的に接続される1または複数の第2のメタルパタンが形成されている
半導体発光デバイス。
【請求項2】
前記1または複数の第1のメタルパタンと、前記1または複数の第2のメタルパタンとは、前記第2の層を貫通する貫通ビアを介して電気的に接続されている、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項3】
前記第2の層は、前記第2の収容部材と接合される接合層と、前記接合層と前記第1の層との間に配置される中間層とを有し、
前記接合層および前記中間層には、それぞれ、前記1または複数の第2のメタルパタンが形成されている、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項4】
前記接合層に形成された前記1または複数の第2のメタルパタンの少なくとも一部が前記導電性接合部を構成している、請求項3に記載の半導体発光デバイス。
【請求項5】
前記接合層に形成された前記1または複数の第2のメタルパタンは、前記発光素子の電極と電気的に接続された電極取出部を含む、請求項3に記載の半導体発光デバイス。
【請求項6】
前記導電性接合部と前記電極取出部とは電気的に接続されている、請求項5に記載の半導体発光デバイス。
【請求項7】
前記第1の収容部材と前記第2の収容部材とははんだを介して接合され、
前記はんだが前記導電性接合部を構成している、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項8】
前記第2の収容部材は、前記発光素子を収容する収容空間を形成する第2の凹部を有する、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項9】
前記第2の収容部材は光透過性を有し、
前記発光素子から出射された光は、前記第2の収容部材を介して外部へ出力される、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項10】
前記第2の収容部材は、前記第1の収容部材との接合面とは反対側に光出射面を有し、
前記光出射面はレンズ形状を有する、請求項9に記載の半導体発光デバイス。
【請求項11】
前記第1の収容部材は、前記第1の凹部を構成する側面の少なくとも一部が光透過性を有し、
前記発光素子から出射された光は、前記側面を介して外部へ出射される、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項12】
前記発光素子から出射された光を反射する反射部材をさら有し、
前記反射部材は、前記発光素子と共に前記第1の凹部に収容されている、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項13】
サブマウントをさらに有し、
前記サブマウントは、前記発光素子と前記第1の収容部材との間に配置される、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項14】
前記サブマウントは導電性を有する、請求項13に記載の半導体発光デバイス。
【請求項15】
前記発光素子は、半導体レーザにより構成されている
請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項16】
前記半導体レーザは窒化ガリウム(GaN)系半導体を含む
請求項15に記載の半導体発光デバイス。
【請求項17】
互いに異なる波長の光を出射する前記発光素子を含む、請求項1に記載の半導体発光デバイス。
【請求項18】
前記反射部材はミラーにより構成されている、請求項12に記載の半導体発光デバイス。
【請求項19】
発光素子と、
前記発光素子を収容すると共に、少なくとも一方に前記発光素子と外部とを電気的に接続する配線構造を有する第1の収容部材および第2の収容部材と、
前記第1の収容部材と前記第2の収容部材とを接合すると共に、前記配線構造と電気的に接続されている導電性接合部とを備え、
前記第2の収容部材は光透過性を有すると共に、前記第1の収容部材との接合面とは反対側にレンズ形状を有する光出射面を有し、
前記発光素子から出射された光は、前記第2の収容部材を介して外部へ出力される
半導体発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、例えば半導体レーザ素子等の発光素子を有する半導体発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ素子等の複数の発光素子を含む発光装置の開発が進められている。半導体レーザ素子は、信頼性を確保するために、半導体レーザチップの部分をキャップ体にてパッケージされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-129711号公報
【発明の概要】
【0004】
このような発光デバイスでは、内部抵抗の改善が望まれている。
【0005】
内部抵抗を改善することが可能な半導体発光デバイスを提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施の形態に係る第1の半導体発光デバイスは、発光素子と、発光素子を収容すると共に、少なくとも一方に発光素子と外部とを電気的に接続する配線構造を有する第1の収容部材および第2の収容部材と、第1の収容部材と第2の収容部材とを接合すると共に、配線構造と電気的に接続されている導電性接合部とを備えたものであり、第1の収容部材は、発光素子を収容する収容空間を形成する第1の凹部と、第1の凹部の底面を構成する第1の層と、第1の凹部の側面を構成する第2の層とを有し、第1の層には、1または複数の第1のメタルパタンが形成され、第2の層には、1または複数の第1のメタルパタンの少なくとも一部と電気的に接続される1または複数の第2のメタルパタンが形成されている。本開示の一実施の形態に係る第2の半導体発光デバイスは、発光素子と、発光素子を収容すると共に、少なくとも一方に発光素子と外部とを電気的に接続する配線構造を有する第1の収容部材および第2の収容部材と、第1の収容部材と第2の収容部材とを接合すると共に、配線構造と電気的に接続されている導電性接合部とを備えたものであり、第2の収容部材は光透過性を有すると共に、第1の収容部材との接合面とは反対側にレンズ形状を有する光出射面を有し、発光素子から出射された光は、第2の収容部材を介して外部へ出力される
【0007】
本開示の一実施の形態に係る第1および第2の半導体発光デバイスでは、発光素子を収容する第1の収容部材と第2の収容部材とを接合する導電性接合部を、第1の収容部材および第2の収容部の少なくとも一方に設けられた配線構造と電気的に接続することにより、発光素子と外部とを電気的に接続する配線の断面積を大きくする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第1の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の一例を表す分解斜視図である。
図2図1に示した半導体発光デバイスの構成の一例を表す平面模式図である。
図3図1に示した収容部材の構成の一例を表す分解斜視図である。
図4A図1に示した半導体発光デバイスのI-I線における断面模式図である。
図4B図1に示した半導体発光デバイスのII-II線における断面模式図である。
図4C図1に示した半導体発光デバイスのIII-III線における断面模式図である。
図5図1に示した半導体発光デバイスを備えた発光装置の概略構成の一例を表す側面模式図である。
図6図5に示した発光装置の模式的な構成を表す分解斜視図である。
図7図5に示した半導体発光デバイスとレンズ保持部材の端子部との接続について説明するための斜視図である。
図8】本開示の第2の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の一例を表す平面模式図である。
図9図8に示した収容部材の構成の一例を表す分解斜視図である。
図10】本開示の第3の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の一例を表す平面模式図である。
図11図10に示した収容部材の構成の一例を表す分解斜視図である。
図12A】本開示の第4の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の一例を表す平面模式図である。
図12B図12Aに示したカバーの表面側の構成の一例を表す平面模式図である。
図12C図12に示したカバーの構成の一例を表す断面模式図である。
図13図12Aに示した収容部材の構成の一例を表す分解斜視図である。
図14A】本開示の第5の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の一例を表す平面模式図である。
図14B図14Aに示したカバーの構成の一例を表す断面模式図である。
図15図14Aに示した収容部材の構成の一例を表す分解斜視図である。
図16図15に示したメタルパタンの形状の一例を表す平面模式図である。
図17】本開示の第6の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の一例を表す平面模式図である。
図18図17に示した収容部材の構成の一例を表す分解斜視図である。
図19図17に示したメタルパタンの形状の一例を表す図である。
図20】本開示の第7の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の一例を表す平面模式図である。
図21】本開示の第8の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の一例を表す平面模式図である。
図22図21に示した収容部材の構成の一例を表す分解斜視図である。
図23】本開示の第9の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の一例を表す平面模式図である。
図24図23に示した収容部材の構成の一例を表す分解斜視図である。
図25A図23に示した半導体発光デバイスのVI-VI線における断面模式図である。
図25B図23に示した半導体発光デバイスのVII-VII線における断面模式図である。
図25C図23に示した半導体発光デバイスのVIII-VIII線における断面模式図である。
図26】本開示の第9の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の他の例を表す平面模式図である。
図27図26に示した半導体発光デバイスの断面模式図である。
図28】本開示の第10の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の一例を表す平面模式図である。
図29図28に示した半導体発光デバイスの断面模式図である。
図30図28に示した収容部材の構成の一例を表す分解斜視図である。
図31】本開示の第10の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の他の例を表す断面模式図である。
図32】本開示の第10の実施の形態に係る半導体発光デバイスの構成の他の例を表す断面模式図である。
図33】本開示の変形例に係る発光装置の構成の一例を表す分解斜視図である。
図34図1等に示した発光装置が適用された投射型表示装置の構成の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示における一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。また、本開示は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.第1の実施の形態(収容部材とカバーとの接合部材を導電経路として用いた例)
1-1.半導体発光デバイスの構成
1-2.発光装置の構成
1-3.作用・効果
2.第2の実施の形態(収容部材接合面のメタルパタンを電極取出部用と接合用とに分離した例)
3.第3の実施の形態(電極取出部用のメタルパタンと接合用メタルパタンとの境界にはんだ阻止帯を設けた例)
4.第4の実施の形態(カバーの上面に電極取出部を設けた例)
5.第5の実施の形態(カバー側に凹部を設けた例)
6.第6の実施の形態(発光素子とミラーとを同一平面上に配置した例)
7.第7の実施の形態(カバー側のはんだパタンを用いて電極取出し用のメタルパタンと接合用のメタルパタンとを電気的に接続した例)
8.第8の実施の形態(グラウンドパタンを設けた例)
9.第9の実施の形態(横方向に光を出射させた例)
10.第10の実施の形態(垂直共振器面発光レーザを用いた例)
11.変形例(表示装置の構成の他の例)
12.適用例(投射型表示装置の例)
【0010】
<1.第1の実施の形態>
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る半導体発光デバイス(半導体発光デバイス10A)の構成の一例を表した分解斜視図である。図2は、図1に示した半導体発光デバイス10Aの平面構成の一例を模式的に表したものである。半導体発光デバイス10Aは、パッケージ化された表面実装型デバイス(surface mount device;SMD)である。半導体発光デバイス10Aは、発光素子11、収容部材14およびカバー15を有する。収容部材14は凹部14Cを有し、この凹部14Cに発光素子11が収容されている。収容部材14とカバー15とは、接合部材16を介して接合されており、これによって、発光素子11は気密封止されている。この収容部材14が、本開示の「第1の収容部材」の一具体例に相当し、カバー15が、本開示の「第2の収容部材」の一具体例に相当する。
【0011】
(1-1.半導体発光デバイスの構成)
本実施の形態の半導体発光デバイス10Aは、収容部材14の凹部14Cに発光素子11が、例えばサブマウント12およびミラー13と共に収容されている。収容部材14は、接合部材16を介してカバー15と接合されており、カバー15と共に発光素子11、サブマウント12およびミラー13を封止している。収容部材14には、発光素子11と外部とを電気的に接続するための配線構造が設けられている。接合部材16は、この配線構造と電気的に接続されており、配線構造と共に、発光素子11と外部とを電気的に接続する導電経路を構成している。
【0012】
発光素子11は、例えば、LD(Laser Diode)等の半導体レーザ素子により構成されている。発光素子11は、例えば窒化ガリウム(GaN)系の半導体材料を含んでおり、青色波長域の光を出射する。発光素子11から出射された光の光路に蛍光体等の波長変換部材を配置するようにしてもよい。発光素子11は、例えば、ガリウム砒素(GaAs)系等の半導体材料を含んでいてもよい。発光素子11のアノードおよびカソードの一方(例えばアノード)は、例えばワイヤWを用いたワイヤボンディングにより、後述する収容部材14に設けられた配線構造に接続され、例えば電極取出部14E2に取り出されている。ワイヤWは、例えば金(Au)により構成されている。発光素子11のアノードおよびカソードの一方(例えばカソード)は、例えば、後述する導電性のサブマウント12を用いる場合にはワイヤWを用いずに、収容部材14に設けられた配線構造を介して、例えば電極取出部14E1に取り出されている。
【0013】
サブマウント12は、発光素子11を実装するためのものであり、発光素子11と収容部材14の凹部14Cの底面との間に設けられている。サブマウント12は例えば板状の部材であり、サブマウント12の厚み(図1のZ方向の大きさ)により、発光素子11の位置を調整するようにしてもよい。サブマウント12は、例えば、窒化アルミニウム(AlN),シリコン(Si),炭化シリコン(SiC),ダイアモンドまたは酸化ベリリウム(BeO)等の絶縁材料により構成されている。絶縁材料により構成されているサブマウント12を用いる場合には、サブマウント12上の(図示していない)メタルパタンからメタルパタン143M1もしくはメタルパタン141M1へワイヤ接続する。これにより、例えば電極取出部14E1と発光素子11とが電気的に接続される。
【0014】
サブマウント12は、例えば銅タングステン(Cu-W),銅モリブデン(Cu-Mo),銅ダイアモンドおよびグラファイト等の導電性材料を用いて構成するようにしてもよい。導電性のサブマウント12を用いることにより、発光素子11の電極の一方(例えば、カソード)を、サブマウント12を介して収容部材14内部の配線構造に導通させることができる。これにより、例えば、ワイヤWを用いて発光素子11のアノードおよびカソードの両方を電極取出部14Eと接続する場合と比較してワイヤWの数が減るので、半導体発光デバイス10Aの大きさを小さくすることが可能となる。
【0015】
発光素子11は、サブマウント12に例えばAuSn(金-錫)により共晶接合されており、サブマウント12は、収容部材14の凹部14Cの底面に例えばAuSnにより共晶接合されている。サブマウント12は、収容部材14の凹部14Cの底面に例えば、銀(Ag)ペースト,焼結金(Au)または焼結銀(Ag)等により接合されていてもよい。
【0016】
ミラー13は、発光素子11から出射された光を反射するためのものである。発光素子11から出射された光は、ミラー13により反射され、カバー15側から出射されるようになっている。ミラー13は、サブマウント12に実装された発光素子11と共に、収容部材14の凹部14Cに設けられている。凹部14C内には、例えば段差が設けられており、ミラー13は発光素子11よりも低い位置に配置されている。
【0017】
ミラー13は例えば傾斜面を有しており、この傾斜面が発光素子11の光出射面に対向して配置されている。ミラー13の傾斜面は、例えば、収容部材14の底面に対して45°傾斜している。これにより、ミラー13の傾斜面で反射された光を、収容部材14の底面に対して、垂直方向に取り出すことが可能となる。ミラー13の傾斜面の角度を調整することにより、光の取り出し方向を変えることも可能である。ミラー13は、例えば、ガラス、合成石英、シリコン、サファイア、銅およびアルミニウム等により構成されている。ミラー13の傾斜面には、例えば、金属膜または誘電体多層膜等の反射膜が設けられていてもよい。発光素子11から出射された光に対して、この反射膜は例えば90%以上の反射率を有している。反射膜は99%以上の反射率を有することが好ましい。
【0018】
図3は、図1に示した収容部材14の構成の一例を表した分解斜視図である。図4A図4Cは、図2に示したI-I線、II-II線およびIII-III線における収容部材14の断面構成を模式的に表したものである。収容部材14は、サブマウント12に実装された発光素子11およびミラー13を収容し、カバー15と共に封止している。即ち、収容部材14の凹部14Cとカバー15とによって、気密性を有する収容空間が構成されている。凹部14Cは、例えば矩形状の平面形状を有している。収容部材14は、例えば、ガラスやセラミックによって構成されており、例えば、窒化アルミニウム(AlN),酸化アルミニウム(アルミナ)または炭化シリコン(SiC)等の焼結体を含んでいる。
【0019】
収容部材14は、凹部14Cの底面を構成する第1層141と、凹部14Cの側面を構成する第2層142とから構成されている。第2層142は、カバーと接合される接合層144と、第1層141と接合層144との間に配置される中間層143とから構成されている。第1層141および第2層142(具体的には、中間層143および接合層144)には、それぞれ、メタルパタン141M,143M,144Mが形成されており、適宜電気的に接続されている。メタルパタン141M,143M,144Mは、例えば金(Au)等を含んでいる。この第1層141が、本開示の「第1の層」の一具体例に相当し、第2層142が本開示の「第2の層」の一具体例に相当する。
【0020】
第1層141は、上記のように、凹部14Cの底面を構成するものである。第1層141は、例えば、矩形状の平面形状を有する板状部材あり、互いに対向する上面141S1および下面141S2を有している。この上面141S1が凹部14Cの底面の一部を構成しており、下面141S2が収容部材14の裏面14S2を構成している。上面141S1には、メタルパタン141M1が設けられている。メタルパタン141M1は、例えばミラー13の実装に用いられるものであり、例えば平面(XY平面)視において、一部が、後述する中間層143に設けられた開口143Hに対応するように設けられている。具体的には、開口143H内にメタルパタン141M1が露出するように設けられている。これにより、ミラー13の放熱を効率的に行うことができ、また、ミラー13とのはんだ接合を容易にすることができる。
【0021】
第1層141の下面141S2には、後述するベースプレート31への実装用のメタルパタン141M2が設けられていている。このメタルパタン141M2は、放熱部材としても機能し、発光素子11で発生した熱をベースプレート31に効率的に放熱することもできる。即ち、収容部材14の裏面14S2にメタルパタン141M2を設けることにより、半導体発光デバイス10Aとベースプレート31との電気的および熱的な接続を行うことができる。
【0022】
中間層143は、上記のように、凹部14Cの側面の一部を構成するものであり、第1層141と接合層144との間に配置されている。中間層143は、例えば、矩形状の平面形状を有する板状部材あり、互いに対向する上面143S1および下面143S2を有している。この上面143S1が、第1層141の上面141S1と共に、凹部14Cの底面を構成している。中間層143には、ミラー13が配置される開口143Hが設けられている。開口143H内には、第1層141の上面に設けられたメタルパタン141M1が露出しており、ミラー13はメタルパタン141M1を介して実装されている。
【0023】
中間層143の上面143S1には、互いに独立したメタルパタン143M1およびメタルパタン143M2が設けられている。メタルパタン143M1は、例えばサブマウント12の実装に用いられるものであり、例えば平面視において、第1層141に設けられたメタルパタン141M1および後述する接合層144に設けられたメタルパタン144M1の少なくともどちらか一方と少なくとも一部が重複するようにパターニングされている。また、メタルパタン143M1は、一部が接合層144に設けられた開口144H内に露出するように設けられており、サブマウント12が実装されている。これにより、サブマウント12の放熱を効率的に行うことができ、また、サブマウント12とのはんだ接合を容易にすることができる。メタルパタン143M2は、例えば平面視において、接合層144に設けられたメタルパタン144M2と少なくとも一部が重複するようにパターニングされている。
【0024】
中間層143には、さらに、中間層143をZ軸方向に貫通するビアV1が設けられている。ビアV1は、メタルパタン143M1と第1層141上のメタルパタン141M1との重複位置に設けられており、メタルパタン141M1とメタルパタン143M1とを接続している。このビアV1を設けることにより、後述する金メッキ処理において電解メッキ処理が容易となる。また、ビアV1を設けることにより、サブマウント12に絶縁材料を用いる場合に、サブマウント12上の(図示していない)メタルパタンからメタルパタン141M1へワイヤ接続することにより、例えば電極取出部14E1と発光素子11とを電気的に接続することができる。
【0025】
接合層144は、上記のように、凹部14Cの側面の一部を構成すると共に、カバー15と接合されるものである。接合層144は、例えば、矩形状の平面形状を有する板状部材あり、互いに対向する上面144S1および下面144S2を有している。この上面144S1が収容部材14のカバー15との接合面14S1を構成している。接合層144には、サブマウント12が配置される開口144Hが設けられている。開口144H内には、中間層143の上面に設けられたメタルパタン143M1およびメタルパタン143M2の一部が露出しており、サブマウント12はメタルパタン143M1を介して実装されている。メタルパタン143M2は、サブマウント12に実装された発光素子11の一方の電極(例えばアノード)と、ワイヤWを介して電気的に接続されている。また、開口144Hは、中間層143に設けられた開口143Hを内包している。即ち、凹部14Cは、開口143Hと開口144Hとから構成されており、これにより、凹部14Cの底面は段差を有している。
【0026】
接合層144の上面144S1には、開口144Hを縁状に囲むと共に、一部が縁の外側に張り出したメタルパタン144M1が設けられている。この縁状の部分(メタルパタン14MC)はカバー15(具体的には、後述のはんだパタン151M)との接合に用いられている。張り出し部分(メタルパタン14ME)はカバー15から露出され、発光素子11と外部とを電気的に接続する電極取出部14E1を構成している。即ち、メタルパタン144M1は、メタルパタン14MCとメタルパタン14MEとを有する。接合層144の上面144S1には、さらに、メタルパタン144M1と独立したメタルパタン144M2が、例えばメタルパタン144M1の張り出し部分(メタルパタン14ME)の隣に設けられている。メタルパタン144M2は、メタルパタン14MEと共にカバー15から露出され、発光素子11と外部とを電気的に接続する電極取出部14E2を構成している。電極取出部14E1および電極取出部14E2は、発光素子11のアノードおよびカソードから電極が引き出されている部分である。
【0027】
接合層144には、さらに、接合層144をZ軸方向に貫通する例えば3つのビアV2および1つのビアV3が設けられている。3つのビアV2は、メタルパタン144M1と中間層143上のメタルパタン143M1との重複位置に設けられている。具体的には、3つのビアV2のうち、2つのビアV2はメタルパタン14MCの直下に設けられており、1つのビアV2はメタルパタン14MEの直下に設けられている。即ち、メタルパタン14MCは2つのビアV2でメタルパタン143M1と接続されており、メタルパタン14MEは1つのビアV2でメタルパタン143M1と接続されている。1つのビアV3は、メタルパタン144M2と中間層143上のメタルパタン143M2との重複位置に設けられており、メタルパタン143M2とメタルパタン144M2とを接続している。
【0028】
以上により、発光素子11のアノードおよびカソードは、第1層141および第2層142に設けられたメタルパタン141M,143M,144MおよびビアV1,V2,V3を介してカバー15から露出した電極取出部14E1および電極取出部14E2に引き出されるようになっている。具体的には、発光素子11のカソードは、例えば、メタルパタン141M1、ビアV1、メタルパタン143M1および1つのビアV2を介して、また、メタルパタン141M1、ビアV1、メタルパタン143M1、2つのビアV2およびメタルパタン14MCを介して電極取出部14E1に引き出されている。発光素子11のアノードは、例えば、ワイヤW、メタルパタン143M2およびビアV3を介して電極取出部14E2に引き出されている。
【0029】
カバー15は、発光素子11から出射された光が取り出されるようになっている。カバー15は、例えば、矩形状の平面形状を有する板状部材あり、互いに対向する上面15S1および下面15S2を有している。カバー15は、少なくとも収容部材14の凹部14Cを覆っている。カバー15の下面15S2には、クロム(Cr),チタン(Ti),金(Au)等からなる密着層を介してはんだパタン151Mが塗布されている。このはんだパタン151Mは、例えば、収容部材14の接合面14S1に形成された接合用のメタルパタン14MC部分と略同じ平面形状を有している。具体的には、はんだパタン151Mは、凹部14Cを囲む額縁状の形状を有しており、はんだパタン151Mの幅は、収容部材14の上面に形成された接合用のメタルパタン144MCと略同じかそれ以下の幅を有する。はんだパタン151Mは、例えば、SnAgCu(錫-銀-銅)系等のはんだを用いて形成されている。はんだパタン151Mには、AuSn(金-錫)系,Sn(錫)系またはIn(インジウム)系等を用いるようにしてもよい。このようなはんだ接合等を用いることにより、収容部材14とカバー15との間で、発光素子11等は気密封止(ハーメチックシール)される。カバー15は、少なくとも凹部14Cを覆う部分が光透過性を有する材料によって構成されている。具体的には、カバー15は、例えばガラス等により構成されている。
【0030】
接合部材16は、収容部材14とカバー15とを接合するためのものである。接合部材16は、例えば、収容部材14の接合面14S1に設けられたメタルパタン14MCと、カバー15の下面15S2に設けられたはんだパタン151Mとから構成されている。メタルパタン14MCは、メタルパタン144M1の一部であり、メタルパタン144M1は、メタルパタン14MCの他に電極取出部14E1を構成するメタルパタン14MEを有する。換言すると、メタルパタン14MCおよびメタルパタン14MEは、同一メタルパタン(メタルパタン144M1)に形成されており、互いに電気的に接続されている。また、メタルパタン14MCは、2つのビアV2を介してメタルパタン143M1と接続されている。メタルパタン143M1は、例えばサブマウント12を介して発光素子11の例えばカソードと電気的に接続されている。即ち、メタルパタン14MCは、発光素子11の例えばカソードと電極取出部14E1との導電経路の一部を構成している。これにより、発光素子11と外部(例えば電極取出部14E1)とを電気的に接続する導電経路の断面積が大きくなり、内部抵抗が低減される。
【0031】
半導体発光デバイス10Aは、例えば、以下のようにして製造する。具体的には、第1層141の上面141S1および下面141S2にメタルパタン141Mおよびメタルパタン141M2を形成する。次に、第2層142を形成する。まず、中間層143に凹部14Cを構成する開口143HおよびビアV1用の貫通孔(図示せず)を形成する。続いて、貫通孔に例えばタングステンペーストや、銅(Cu)あるいは銀(Ag)を埋設してビアV1を形成したのち、中間層143の上面143S1にメタルパタン143M1およびメタルパタン143M2を形成する。次に、接合層144に凹部14Cを構成する開口144HおよびビアV2,V3用の貫通孔(図示せず)を形成する。続いて、貫通孔に例えばタングステンペーストや、銅(Cu)あるいは銀(Ag)を埋設してビアV2,V3を形成したのち、接合層144の上面144S1にメタルパタン144M1およびメタルパタン144M2を形成する。その後、焼結し、露出部分への金メッキ処理を行った後に個片化し、収容部材14が形成される。次に、収容部材14の凹部14Cに、サブマウント12、発光素子11およびミラー13を配置したのち、発光素子11の例えばアノードとメタルパタン143M2とを、例えば金ワイヤ(ワイヤW)を用いたワイヤボンディングにより接続する。また、サブマウント12に絶縁材料を用いる場合には、サブマウント12上の(図示していない)メタルパタンからメタルパタン143M1もしくはメタルパタン141M1へワイヤ接続する。これにより、例えば電極取出部14E1と発光素子11とが電気的に接続される。最後に、収容部材14にカバー15を接合する。これにより、発光素子11が気密封止され、半導体発光デバイス10Aが完成する。
【0032】
上記半導体発光デバイス10Aの製造工程では、ミラー13の実装、発光素子11およびサブマウント12の実装および収容部材14とカバー15との接合の3つの工程における接合剤の溶融温度が重要となる。例えば、ミラー13は、接合剤としてAuSnはんだまたはシンタリングAgペーストを用いて接合することが好ましい。発光素子11およびサブマウント12は、接合剤としてAuSnはんだを用いて接合することが好ましい。収容部材とカバー15との接合には、接合剤としてSnAgCuはんだを用いることが好ましい。上記組み合わせにより、各工程での接合剤の再溶融が回避され、実装精度を担保することができる。なお、ミラー13の実装にAuSnはんだを用いる場合には、ミラー13の実装時にAuSnはんだが溶融した際に収容部材14の、例えば凹部14C内に露出されたメタルパタンに施された金めっきを取り込み溶融温度が上昇する虞がある。これは、発光素子11およびサブマウント12の実装時のAuSnはんだの溶融温度を適切に設定することで再溶融を防止できる。
【0033】
半導体発光デバイス10Aでは、例えば、以下のようにして光が取り出される。発光素子11から出射された光(例えば、青色波長域の光)はミラー13で反射され、カバー15を透過し、半導体発光デバイス10Aから取り出される。
【0034】
(1-2.発光装置の構成)
図5は、図1に示した半導体発光デバイス10Aを備えた発光装置(発光装置1)の模式的な側面の構成を表したものであり、図6は、図5に示した発光装置1の分解斜視図である。発光装置1は、半導体発光デバイス10A、ベースプレート31、レンズ保持部材32およびアレイレンズ33を有している。アレイレンズ33は、各々の半導体発光デバイス10Aに対応するレンズ331を有している。
【0035】
ベースプレート31は、半導体発光デバイス10Aを載置するための部材である。ベースプレート31は、例えば平板状の部材であり、互いに対向する表面31Aおよび裏面31Bを有している。表面31Aには、複数の半導体発光デバイス10Aが設けられており、裏面31Bは例えばヒートシンク等(図示せず)と熱的に接続されている。
【0036】
ベースプレート31は、例えば、セラミック材料または金属材料等により構成されている。金属材料により構成されたベースプレート31では、放熱性を高めることが可能となる。金属材料としては、例えば、鉄(Fe)、鉄合金、銅(Cu)、アルミニウム(Al)および銅合金等が挙げられる。銅合金としては、例えば銅タングステン(Cu-W)等が挙げられる。セラミック材料としては、例えば窒化アルミニウム(AlN)等が挙げられる。ベースプレート31には、冷却用の水路が設けられていてもよい。
【0037】
ベースプレート31には、半導体発光デバイス10Aを載置するための凹部が設けられていてもよい。ベースプレート31の凹部に半導体発光デバイス10Aを設けることにより、半導体発光デバイス10Aを保護することができる。
【0038】
ベースプレート31の表面31Aには、複数の半導体発光デバイス10Aが載置されている。複数の半導体発光デバイス10Aは、例えば、ベースプレート31の表面31Aにマトリクス状に配置されている(図6のX方向およびY方向)。例えば、マトリクス状に配置された半導体発光デバイス10Aの一部が抜けていてもよい。この一部の半導体発光デバイス10Aの抜けは、例えば、不良品の除去または面内の一部のパワー密度を下げる目的等のためである。半導体発光デバイス10Aの配置は、例えば、略六角形状または千鳥状等、他の配置であってもよい。
【0039】
ベースプレート31の表面31Aにマトリクス状に配置された、複数の半導体発光デバイス10Aの間隔は、例えば、θ⊥方向の間隔よりもθ//方向の間隔の方が小さくなっている。θ//方向のFFP(Far Field Pattern)半値幅は、θ⊥方向のFFP半値幅よりも狭いため、θ//方向の半導体発光デバイス10Aの間隔を小さくすることが可能となる。これにより、光密度を向上させることが可能となる。複数の半導体発光デバイス10Aを一列に配置するようにしてもよい。
【0040】
ベースプレート31とアレイレンズ33との間に設けられたレンズ保持部材32は、例えば、ベースプレート31の表面31Aに載置された複数の半導体発光デバイス10Aを囲む枠状の形状を有している(図6)。即ち、枠状のレンズ保持部材32の内側に、複数の半導体発光デバイス10Aが設けられている。レンズ保持部材32の平面形状は、例えば、四角形状である。このレンズ保持部材32は、例えば、四角形の枠形状を有する保持部321と、この保持部321の内側および外側に拡張して設けられた拡張部322とを有している。拡張部322は、例えば、四角形の保持部321の対向する2辺に設けられている。レンズ保持部材32は、ベースプレート31の全周にわたって設けられていなくてもよく、例えば、四角形状のベースプレート31の3辺に設けられていてもよい。あるいは、四角形状のベースプレート31の対向する2辺にレンズ保持部材32を設けるようにしてもよい。
【0041】
レンズ保持部材32は、例えば、ネジ等(図示せず)を用いてベースプレート31に固定されている。レンズ保持部材32をベースプレート31に固定する方法は、どのような方法であってもよく、例えば接着剤を用いてレンズ保持部材32をベースプレート31に固定するようにしてもよい。接着剤は、例えば樹脂材料により構成されている。あるいは、レンズ保持部材32およびベースプレート31は、インサートモールド工程等を用いて一括成形されていてもよい。
【0042】
保持部321の厚み(図6のZ方向の大きさ)は、例えば、拡張部322の厚みよりも大きくなっている。この保持部321は、ベースプレート31およびアレイレンズ33に接している。したがって、保持部321の厚みにより、各々の半導体発光デバイス10Aとレンズ331との距離の大きさが調整されるようになっている。保持部321の厚みは、カバー15とアレイレンズ33との間、およびベースプレート31とアレイレンズ33との間に、気体流動可能な大きさの空間を維持できる程度の大きさであることが好ましい。気体流動可能な大きさとは、例えば、メカによる加工公差程度の0.01mmあるいは、樹脂成形での公差0.5mm程度である。カバー15とアレイレンズ33とが接近し過ぎていると、接着剤等に起因する脱離物がこれらの間に滞留する。この脱離物が光と反応し、カバー15またはアレイレンズ33に吸着すると、光学特性が低下する。カバー15とアレイレンズ33との間に気体流動可能な大きさの空間を設けることにより、このような光学特性の低下を抑えることができる。保持部321の厚みは、例えば1mm~30mm程度である。保持部321の厚みは、例えば、レンズ331の焦点距離および半導体発光デバイス10A内の光路長等に応じて調整すればよい。保持部321は、例えば樹脂材料により構成されている。
【0043】
拡張部322には、例えば、端子部322Eが設けられている。この端子部322Eは、例えば、配線WAを介して半導体発光デバイス10A(発光素子11)と外部とを電気的に接続するためのものであり、拡張部322の内側から外側にわたって複数設けられている。端子部322Eは、例えばアルミニウム(Al)等の導電性金属材料により構成されている。端子部322E以外の部分の拡張部322は、例えば、保持部321と同じ樹脂材料により構成されている。拡張部322と保持部321とを、異なる樹脂材料により構成するようにしてもよい。
【0044】
保持部321および拡張部322は、個々にベースプレート31に固定されていてもよい。また、保持部321および拡張部322は、拡張部322に保持部321が固定されていてもよい。例えば、保持部321を樹脂や金属で構成し、拡張部322および端子部322EをPCB(Printed Circuit Board)で構成することで、保持部321をUV接着剤やはんだを使用してベースプレート31もしくは拡張部322へ接着することができる。また、アレイレンズ33と保持部321とは、インサートモールド成形法を用いて一体成型してもよい。レンズ保持部材32は、アルミニウム(Al)、SUS(Steel Use Stainless)、鉄(Fe)および銅(Cu)等の金属材料により構成するようにしてもよい。あるいは、レンズ保持部材32は、セラミック材料等により構成するようにしてもよい。レンズ保持部材32の形状は、切削加工等の機械加工により形成されていてもよく、あるいは、ダイキャストまたは焼結等により形成されていてもよい。端子部322Eを含むレンズ保持部材32は、例えば一体成形によって一体化された1つの部品により構成されていることが好ましい。これにより、コストを抑えることが可能となる。
【0045】
アレイレンズ33は、複数の半導体発光デバイス10Aを間にしてベースプレート31に対向している。このアレイレンズ33は、例えば中央部のアレイ部33Aと、このアレイ部33Aを囲む枠部33Fとを有している。アレイ部33Aでは、各々の半導体発光デバイス10Aに対向する位置に複数のレンズ331が設けられている。各々のレンズ331は、例えば、平面視で発光素子11およびミラー13に重なる位置に配置されている。レンズ331は、例えば凸レンズにより構成されている。レンズ331は、平凸レンズ、両凸レンズおよびメニスカスレンズ等により構成されていてもよい。各々の半導体発光デバイス10Aのカバー15を透過した光が、レンズ331を通過することにより、コリメートされるようになっている。アレイレンズ33は、下面(例えば、ベースプレート31との対向面)側と上面側とで、互いに異なる構成を有していてもよい。例えば、アレイレンズ33の一方の面側がFAC(Fast Axis Collimator)機能を有し、他方の面側がSAC(Slow Axis Collimator)機能を有していてもよい。このときのアレイレンズ33は、例えば、レンチキュラーレンズが互いに直交する方向で配置されており、例えば両凸形状の1枚レンズや平凸レンズ2枚を平面同士で貼り合わせ一体化したもので構成される。あるいは、アレイレンズ33は、平凸レンズ2枚の平面側が半導体発光デバイス10A側を向くように揃え、アレイレンズ33の枠部33Fで保持し一体化したもので構成される。
【0046】
アレイ部33Aの周囲の枠部33Fは、例えば、四角形状の平面形状を有しており、この枠部33Fがレンズ保持部材32の保持部321に、例えば接着剤等(図示せず)により固定されている。この接着剤としてはUV(Ultra Violet)硬化性樹脂等の光硬化性樹脂等を用いることができる。光硬化によって樹脂が収縮すると、アレイレンズ33とレンズ保持部材32との間で位置ずれが生じやすいので、例えば数%程度以下の硬化収縮量を有する樹脂材料を用いることが好ましく、1%以下の硬化収縮量を有する樹脂材料を用いることがより好ましい。アレイレンズ33は、例えばネジ等によりレンズ保持部材32に固定されていてもよい。あるいは、アレイレンズ33とレンズ保持部材32とが、インサートモールド工程等により一括成形されていてもよい。上述のように、アレイ部33Aとベースプレート31との間、およびアレイ部33Aと半導体発光デバイス10Aとの間には、気体流動可能な大きさの空間が設けられている。アレイレンズ33は、例えばホウケイ酸ガラス等により構成されている。
【0047】
図7は、図1に示した半導体発光デバイス10Aを、レンズ保持部材32の端子部322Eと共に表したものである。複数の半導体発光デバイス10A各々の上面に設けられた電極取出部14E1および電極取出部14E2は、例えば、ワイヤ(配線WA)を介して、互いに接続されている。レンズ保持部材32の端子部322Eに最も近い位置に配置された半導体発光デバイス10Aの電極取出部14E2が、配線WAを介して端子部322Eに接続されている。これにより、外部と、半導体発光デバイス10Aの発光素子11とを接続することができる。なお、図7では、カバー15を省略して示している。
【0048】
また、隣り合う半導体発光デバイス10Aの裏面(収容部材14の裏面14S2)に設けられたメタルパタン141M2は、例えば銀ペーストを介して連続させてもよい。これにより、隣り合う半導体発光デバイス10Aのメタルパタン141M2が熱的に接続され、放熱経路が広がる。
【0049】
発光装置1では、例えば、以下のようにして光が取り出される。ベースプレート31に載置された各々の半導体発光デバイス10Aから取り出された光は、例えば、各々の半導体発光デバイス10Aに対応する位置のレンズ331を通り、コリメート光となる。したがって、各々のレンズ331を通過した光の進行方向は互いに平行となり、発光装置1から取り出される。
【0050】
(1-3.作用・効果)
半導体発光デバイス10Aでは、収容部材14とカバー15とを接合する接合部材16(例えばメタルパタン14MC)が発光素子11の電極と電極取出部14Eとを電気的に接続する導電経路として用いられている。これにより、発光素子11と外部とを電気的に接続する配線の断面積が大きくなり、内部抵抗を低減することが可能となる。以下、この作用効果について説明する。
【0051】
半導体レーザ素子により構成された発光素子を駆動すると、大気中のシロキサンが発光点近傍で光と反応し、発光素子の端面に反応物が堆積しやすい。この反応物が端面反射率の変化を引き起こし、光特性の低下および発光素子の破壊が生じる虞がある。特に、例えば、500nm以下の短波長を出射する青色半導体レーザ素子では、この大気中のシロキサンに起因した不具合が発生しやすい。このため、半導体レーザ素子等を気密封止することにより、この大気中のシロキサンに起因した不具合の発生を抑えることが可能となる。
【0052】
ところで、半導体レーザ素子の気密封止に用いられるSMDパッケージの本体は、ガラスやセラミックを構成部材としている。パッケージの本体には、半導体レーザ素子のアノードおよびカソードと外部電極とを電気的に接続するためのメタライズパタンが形成されているが、製法上の制限により、リード端子の埋め込み焼成や、例えば1mm以下、数百μm程度の厚みのメタライズパタンを形成することが難しい。このため、電気抵抗(内部抵抗)が増大し、ジュール発熱および損失が大きくなり、電力効率の低下および半導体レーザ素子の性能の低下が発生する。
【0053】
これに対し、本実施の形態では、半導体発光デバイス10Aでは、収容部材14に設けられた配線構造と、収容部材14の接合面14S1に設けられたメタルパタン14MCとを電気的に接続し、発光素子11の電極と電極取出部14Eとを電気的に接続する導電経路として用いるようにした。
【0054】
例えば、半導体発光デバイス10Aでは、収容部材14の接合面14S1(具体的には、接合層144の上面144S1)に、カバー15との接合に用いられるメタルパタン14MCおよび電極取出部14E1を構成するメタルパタン14MEを含むメタルパタン144M1を設けるようにした。更に、このメタルパタン144M1と収容部材14内の配線構造(例えば、メタルパタン143M1)とをビアV2を介して電気的に接続するようにした。これにより、カバー15との接合に用いられるメタルパタン14MCを、発光素子11と外部との導通経路として用いることが可能となる。具体的には、発光素子11の例えばカソードと、外部電極(例えば、電極取出部14E1)との導通経路が、ビアV2を介したメタルパタン143M1と電極取出部14E1を構成するメタルパタン14MEとの導通経路と、2つのビアV2を介したメタルパタン143M1とメタルパタン14MCとの2つとなる。よって、カソード側の電気抵抗が低減される。
【0055】
以上のように、本実施の形態では、収容部材14とカバー15とを接合する接合部材16と、収容部材14に形成された配線構造とを電気的に接続して導電経路として用いるようにしたので、発光素子11と外部とを電気的に接続する配線の断面積が大きくなる。よって、内部抵抗を低減することが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態では、収容部材14の接合面14S1に電極取出部14Eを設けるようにしたので、例えば、隣り合う半導体発光デバイス10Aの裏面(収容部材14の裏面14S2)に設けられたメタルパタン141M2を、例えば銀ペーストを介して連続させることで、隣り合う半導体発光デバイス10Aのメタルパタン141M2を熱的に接続することが可能となる。よって、半導体発光デバイス10Aの裏面の放熱経路が広がり、放熱特性を向上させることが可能となる。
【0057】
以下、上記第2~第10の実施の形態および変形例ならびに適用例について説明するが、以降の説明において上記第1の実施の形態と同一構成部分については同一符号を付してその説明は適宜省略する。
【0058】
<2.第2の実施の形態>
図8は、本開示の第2の実施の形態に係る半導体発光デバイス(半導体発光デバイス10B)の平面構成の一例を模式的に表したものである。図9は、図8に示した収容部材14の構成の一例を表した分解斜視図である。本実施の形態の半導体発光デバイス10Bは、収容部材14の接合面14S1に設けられたメタルパタン14MCと、メタルパタン14MEとを分離形成した点が上記第1の実施の形態とは異なる。
【0059】
なお、本実施の形態では、中間層143上のメタルパタン143M1は、開口143Hを囲むように形成されており、メタルパタン143M1とメタルパタン14MCを構成するメタルパタン141M1Aとは、4つのビアV2を介して電気的に接続されている。メタルパタン143M1とメタルパタン14MEとは1つのビアV2を介して電気的に接続されている。よって、メタルパタン14MCとメタルパタン14MEとは、ビアV2およびメタルパタン143M1を介して電気的に接続されている。
【0060】
このように、メタルパタン14MCと、メタルパタン14MEとを独立して形成することにより、上記第1の実施の形態における効果に加えて、カバー15に設けられたはんだパタン151Mの電極取出部14E1への流れ込みを防ぐことが可能となるという効果を奏する。
【0061】
<3.第3の実施の形態>
図10は、本開示の第3の実施の形態に係る半導体発光デバイス(半導体発光デバイス10C)の平面構成の一例を模式的に表したものである。図11は、図10に示した収容部材14の構成の一例を表した分解斜視図である。本実施の形態の半導体発光デバイス10Cは、収容部材14の接合面14S1に設けられたメタルパタン144M1の接合部材16として用いられるメタルパタン14MCと、電極取出部14E1として用いられるメタルパタン14MEとの境界にはんだ阻止帯17を形成した点が上記第1の実施の形態とは異なる。はんだ阻止帯17は、例えば誘電体材料によるメタルパタン144M1の表面コート膜である。誘電体材料の一例としては、例えば窒化アルミニウム(AlN),酸化アルミニウム(Al23),酸化シリコン(SiO2)および窒化シリコン(SiN)等が挙げられる。
【0062】
このように、メタルパタン14MCとメタルパタン14MEとの境界にはんだ阻止帯17を設けることにより、上記第1の実施の形態における効果に加えて、カバー15に設けられたはんだパタン151Mの電極取出部14E1への流れ込みを防ぐことが可能となるという効果を奏する。
【0063】
<4.第4の実施の形態>
図12Aは、本開示の第4の実施の形態に係る半導体発光デバイス(半導体発光デバイス10D)の平面構成の一例を模式的に表したものである。図12Bは、図12Aに示したカバー15の上面15S1側から見た平面模式図である。図12Cは、図12Aに示したIV-IV線における断面構成を模式的に表したものである。本実施の形態の半導体発光デバイス10Dは、上記第1の実施の形態において収容部材14の表面に設けた電極取出部14E1,14E2をカバー15の上面15S1に設けた点が上記第1の実施の形態とは異なる。
【0064】
カバー15の上面15S1には、電極取出部15Eを構成するメタルパタン151M2が設けられている。メタルパタン151M2は、例えば矩形状の平面形状を有するカバー15の四隅のうちの3つに、それぞれ、独立して設けられている。この3つのメタルパタン151M2は、例えば矩形形状を有し、3つのメタルパタン151M2のうち、2つが例えばカソード用の電極取出部15E1、1つが例えばアノード用の電極取出部15E2となっている。
【0065】
カバー15の下面15S2には、収容部材14の接合面14S1に形成された接合用のメタルパタン14MC部分と略同じ平面形状を有するはんだパタン151M1Aと、はんだパタン151M1Aの内側に設けられた、例えば円形状のはんだパタン151M1Bとが設けられている。はんだパタン151M1Bは、カバー15の上面15S1に設けられた例えばアノード用の電極取出部15E2と対応する位置に設けられている。
【0066】
カバー15には、さらに、カバー15をZ軸方向に貫通する2つのビアV4および1つのビアV5が設けられている。2つのビアV4は、例えばカソード用の電極取出部15E1と、はんだパタン151M1Aとを接続している。1つのビアV5は、例えばアノード用の電極取出部15E2と、はんだパタン151M1Bとを接続している。
【0067】
図13は、図12Aに示した収容部材14の構成の一例を表した分解斜視図である。本実施の形態では、開口144Hを縁状に囲むメタルパタン144M1の内側にメタルパタン144M2が設けられている。第1層141および中間層143に設けられたメタルパタン141M1、143M1および143M2ならびにビアV1,V2,V3は、それぞれ、メタルパタン144M1およびメタルパタン144M2と対応するようにパターニングされている。
【0068】
これにより、発光素子11の例えばカソードは、例えば、メタルパタン141M1、ビアV1、メタルパタン143M1、2つのビアV2、メタルパタン144M1、はんだパタン151M1AおよびビアV4を介して電極取出部15E1に引き出されるようになっている。発光素子11の例えばアノードは、例えば、ワイヤW、メタルパタン143M2、ビアV3、メタルパタン144M2、はんだパタン151M1BおよびビアV5を介して電極取出部15E2に引き出されるようになっている。また、サブマウント12に絶縁材料を用いる場合には、サブマウント12上の(図示していない)メタルパタンからメタルパタン143M1もしくはメタルパタン141M1へワイヤ接続する。これにより、例えば電極取出部15E1と発光素子11とが電気的に接続される。
【0069】
このように、カバー15の上面15S1に電極取出部15Eを設けることにより、上記第1の実施の形態と比較して、発光素子11と電極取出部15Eとの導通経路が短くなるため、内部抵抗をさらに低減することが可能となる。
【0070】
また、本実施の形態では、2つの電極取出部15E1および1つの電極取出部E2をL字状に配置するようにしたので、例えば発光装置1において複数の半導体発光デバイス10Dを直列に接続する際に、横方向あるいは縦方向のアレイを形成することが可能となる。よって、レイアウトの自由度が向上する。
【0071】
更に、本実施の形態では、カバー15の上面15S1に電極取出部15Eを設けるようにしたので、上記第1の実施の形態と比較して、小型化することが可能となる。よって、例えば発光装置1のコストを抑えることが可能となる。また、発光装置1に、より密に半導体発光デバイス10Dを載置することが可能となる。更に、半導体発光デバイス10Dの大きさが小さくなると、収容部材14とカバー15との接合領域が小さくなり、接合領域への応力の集中に起因した収容部材14等の割れおよび短絡の発生を抑えることができる。
【0072】
<5.第5の実施の形態>
図14Aは、本開示の第5の実施の形態に係る半導体発光デバイス(半導体発光デバイス10E)の平面構成の一例を模式的に表したものである。図14Bは、図14Aに示したV-V線におけるカバー15の断面構成を模式的に表したものである。図15は、図14Aに示した収容部材14の構成の一例を表した分解斜視図である。図16は、図15に示した第2層142の上面142S1に設けられたメタルパタン142M1の平面形状の一例を模式的に表したものである。本実施の形態の半導体発光デバイス10Eは、カバー15の下面15S2側に発光素子11等を収容する凹部15Cが設けられ、収容部材14が第1層141と第2層142とからなる点が上記第1の実施の形態とは異なる。
【0073】
本実施の形態では、第1層141の上面141S1には、それぞれ独立した2つのメタルパタン141M1Aおよびメタルパタン141M1Bが設けられている。第2層142には、ミラー13が配置される開口142Hが設けられている。第2層142の上面142S1には、例えば図16に示した平面形状を有するメタルパタン142M1が設けられている。メタルパタン142M1には、接合に用いられるメタルパタン14MCおよび電極取出部14E1を構成するメタルパタン14MEに加えて、サブマウント12が実装されるメタルパタン14MMを有する。メタルパタン14MMは、縁状のメタルパタン14MCの内側に設けられており、メタルパタン14MMの両側には、それぞれ、開口14MH1,14MH2が設けられている。開口14MH1は、例えば、開口142Hを内包するように設けられている。第2層142の上面142S1には、メタルパタン142M2として、メタルパタン14MEの隣にメタルパタン142M2Aが、開口14MH2の内側にメタルパタン142M2Bが設けられている。メタルパタン14MCとメタルパタン14MEとの境界、メタルパタン14MCとメタルパタン14MMとの境界には、それぞれ、はんだ阻止帯17A,17B,17Cが形成されている。第2層142には、さらに、Z軸方向に貫通する1つのビアV6および2つのビアV7が設けられている。1つのビアV6は、メタルパタン141M1Aとメタルパタン142M1のメタルパタン14MCとを接続している。2つのビアV7は、それぞれ、メタルパタン141M1Bとメタルパタン142M2Aおよびメタルパタン142M2Bとを接続している。
【0074】
このように、カバー15側に凹部15Cを設けることにより、上記第1の実施の形態の効果に加えて薄型化を実現することが可能となる。
【0075】
<6.第6の実施の形態>
図17は、本開示の第6の実施の形態に係る半導体発光デバイス(半導体発光デバイス10F)の平面構成の一例を模式的に表したものである。図18は、図17に示した収容部材14の構成の一例を表した分解斜視図である。図19は、図18に示したメタルパタン142M1の平面形状の一例を模式的に表したものである。本実施の形態の半導体発光デバイス10Fは、発光素子11が実装されたサブマウント12と、ミラー13とが同一平面(第2層142の上面142S1)上に実装されている点が、上記第5の実施の形態とは異なる。
【0076】
本実施の形態では、第1層141の上面141S1には、メタルパタン141M1Bが設けられている。第2層142の上面142S1には、例えば図19に示した平面形状を有するメタルパタン142M1が設けられている。メタルパタン142M1には、接合に用いられるメタルパタン14MCおよび電極取出部14E1を構成するメタルパタン14MEに加えて、サブマウント12が実装されるメタルパタン14MM1とミラー13が実装されるメタルパタン14MM2を有する。メタルパタン14MM1およびメタルパタン14MM2は、縁状のメタルパタン14MCの内側に設けられている。メタルパタン14MM1とメタルパタン14MM2との間には、開口14MH3が設けられている。また、縁状のメタルパタン14MCの内側には、上記第5の実施の形態と同様に、開口14MH2が設けられている。第2層142の上面142S1には、メタルパタン142M2として、メタルパタン14MEの隣にメタルパタン142M2Aが、開口14MH2の内側にメタルパタン142M2Bが設けられている。
メタルパタン14MCとメタルパタン14MEとの境界、メタルパタン14MCとメタルパタン14MM1およびメタルパタン14MM2との境界には、それぞれ、はんだ阻止帯17A,17B,17Cが形成されている。メタルパタン141M1Bとメタルパタン142M2Aおよびメタルパタン142M2Bとは2つのビアV7を介してそれぞれ接続している。
【0077】
このように、凹部14Cの底面は平坦面であってもよく、ミラー13と、発光素子11が実装されたサブマウント12とが、同一面上に配置されていてもよい。サブマウント12およびミラー13を同一メタルパタン(メタルパタン142M1)上に実装することにより、上記第1の実施の形態や第5の実施の形態等と比較して、各実装面となるメタルパタンの積層ズレを防ぐことが可能となる。よって、上記第1の実施の形態および第5の実施の形態の効果に加えて、実装精度を向上させることが可能となる。
【0078】
<7.第7の実施の形態>
図20は、本開示の第7の実施の形態に係る半導体発光デバイス(半導体発光デバイス10G)の平面構成の一例を模式的に表したものである。本実施の形態の半導体発光デバイス10Gは、収容部材14の接合面14S1に設けられたメタルパタン14MCと、メタルパタン14MEとを分離形成されており、メタルパタン14MCと、メタルパタン14MEとがはんだパタン151Mによって電気的に接続されている点が上記第2の実施の形態とは異なる。
【0079】
このように、メタルパタン14MCとメタルパタン14MEとの接続は、カバー15側に設けられる接合部材16(はんだパタン151M)を用いて行うようにしてもよい。
【0080】
<8.第8の実施の形態>
図21は、本開示の第8の実施の形態に係る半導体発光デバイス(半導体発光デバイス10H)の平面構成の一例を模式的に表したものである。図22は、図21に示した収容部材14の構成の一例を表した分解斜視図である。本実施の形態の半導体発光デバイス10Hは、収容部材14の接合面14S1に、収容部材14の接合面14S1に設けられたメタルパタン14MC、電極取出部14E1および電極取出部14E2を構成するメタルパタンが分離形成されると共に、メタルパタン14MCを構成するメタルパタン144M3がグラウンド(GND)パタンとして用いられている点が、上記第1の実施の形態とは異なる。
【0081】
本実施の形態では、第1層141の上面141S1全面にメタルパタン141M1が設けられている。中間層143の上面143S1には、上記第1の実施の形態と同様のメタルパタン143M1,143M2が設けられている。また、中間層143には、第1層141に設けられたメタルパタン141M1と、接合層144の上面144S1に設けられたメタルパタン144M3とを電気的に接続するビアV8が形成される2つの貫通孔143Hvが設けられている。接合層144の上面144S1には、電極取出部14E1,14E2を構成するメタルパタン144M1,144M2と、GNDパタンとして用いられるメタルパタン144M3とが互いに独立して設けられている。メタルパタン144M3は、接合層144に設けられた開口144Hを縁状に囲むように設けられており、カバー15(具体的には、はんだパタン151M)との接合用のメタルパタン14MCを構成している。また、メタルパタン144M3は、一部がメタルパタン144M1とメタルパタン144M2との間に引き出されており、例えば外部電極(GND電極)と接続されている(メタルパタン14MG)。メタルパタン14MCとメタルパタン14MGとの境界には、はんだ阻止帯17が形成されている。メタルパタン143M1とメタルパタン144M1とは、ビアV2を介して電気的に接続され、メタルパタン143M2とメタルパタン144M2とは、ビアV3を介して電気的に接続されている。メタルパタン144M3は、上記のように、中間層143および接合層144を貫通するビアV8によってメタルパタン141M1と電気的に接続されている。
【0082】
このように、発光素子11を収容する凹部14Cを囲むと共に、カバー15との接合に用いられるメタルパタン14MCをGNDパタンとして用いるようにしてもよい。これにより、上記第1の実施の形態の効果に加えて、例えば、発光素子11を高周波駆動した際のEMIを低減することが可能となるという効果を奏する。また、ノイズに敏感な高周波デバイスを混載することが可能となる。
【0083】
<9.第9の実施の形態>
図23は、本開示の第9の実施の形態に係る半導体発光デバイス(半導体発光デバイス10I)の平面構成の一例を模式的に表したものである。図24は、図23に示した収容部材14の構成の一例を表した分解斜視図である。図25A図25Cは、図23に示したVI-VI線、VII-VII線およびVIII-VIII線における収容部材14の断面構成を模式的に表したものである。本実施の形態の半導体発光デバイス10Iは、発光素子11の光を横方向に取り出した点が上記第1の実施の形態とは異なる。
【0084】
本実施の形態の収容部材14は、側面に接合部材19を介して光透過性を有するカバー18が設けられており、収容部材14の凹部14Cに載置された発光素子11から出射された光は、このカバー18を介して取り出されるようになっている。このため、収容部材14の接合面14S1と接合されるカバー15は、必ずしも光透過性を有していなくてもよく、例えば金属板を用いることができる。これにより、カバー15本体を導電経路として用いることができる。
【0085】
また、本実施の形態では、第2層142は、2つの中間層(中間層143および中間層145)および接合層144がこの順に積層された3層構造を有する。中間層143には、その平面形状をU字状にする切り欠き143Xが設けられている。上面143S1には、例えば、上記第1の実施の形態と同様のメタルパタン143M1,143M2が設けられている。中間層143には、さらに、Z軸方向に貫通するビアV1が設けられており、メタルパタン143M1と第1層141のメタルパタン141M1とが電気的に接続されている。中間層145には、中間層143と同様に、その平面形状をU字状にする切り欠き145Xが設けられている。中間層145の切り欠き145Xは、中間層143の切り欠き143Xよりも深く、例えば、切り欠き145Xの側面は、接合層144に設けられた開口144Hの一部と同一側面を形成している。本実施の形態では、この切り欠き145X内のメタルパタン143M1上にサブマウント12が実装されている。また、中間層145には、メタルパタン143M1とメタルパタン144M1とを接続する2つのビアV2およびメタルパタン143M2とメタルパタン144M2とを接続する1つのビアV3が貫通する貫通孔145H1,145H2,145H3が設けられている。接合層144の上面144S1には、例えば、上記第1の実施の形態と同様のメタルパタン144M1,144M2が設けられており、メタルパタン144M1のメタルパタン14MCとメタルパタン14MEとの境界には、はんだ阻止帯17が形成されている。
【0086】
このように、発光素子11から出射された光を横方向から取り出すことにより、カバー15として金属板を用いることができる。これにより、発光素子11と外部(例えば、電極取出部14E1)とを電気的に接続する配線の断面積をさらに大きくすることが可能となり、内部抵抗をさらに低減することが可能となる。
【0087】
また、半導体発光デバイス10Iは、以下のような構成としてもよい。図26は、半導体発光デバイス10Iの平面構成の他の例を模式的に表したものである。図27は、図26に示したIX-IX線における半導体発光デバイス10Iの断面構成を模式的に表したものである。中間層143の切り欠き部143Xには、例えば、レンズ23を配置してもよい。このレンズ23は、例えばコリメートレンズである。本実施の形態の半導体発光デバイス10Iのように、発光素子11から出射される光を横方向から取り出す場合、放射角が大きいとケラレが発生する虞がある。このため、レンズ23を実装することにより、放射角が小さくない、ケラレの発生を防ぐことが可能となる。
【0088】
<10.第10の実施の形態>
図28は、本開示の第10の実施の形態に係る半導体発光デバイス(半導体発光デバイス10J)の平面構成の一例を模式的に表したものである。図29は、図28に示したX-X線における半導体発光デバイス10Jの断面構成を模式的に表したものである。図30は、図28に示した収容部材14の構成を表した分解斜視図である。本実施の形態の半導体発光デバイス10Jは、発光素子21として垂直共振器面発光レーザを用いた点が上記第1の実施の形態とは異なる。
【0089】
本実施の形態では、第1層141の上面141S1には、それぞれ独立した2つのメタルパタン141M1Aおよびメタルパタン141M1Bが設けられている。第2層142は、開口142Hを有する。上面142S1には、例えば、上記第1の実施の形態におけるメタルパタン144M1,144M2と同様のメタルパタン142M1,142M2が設けられている。メタルパタン142M1は、接合用のメタルパタン14MCおよび電極取出部14E1を構成するメタルパタン14MEを有し、メタルパタン14MCとメタルパタン14MEとの境界には、はんだ阻止帯17が形成されている。メタルパタン141M1Aとメタルパタン142M1とはビアV1を介して電気的に接続され、メタルパタン141M1Bとメタルパタン142M2とはビアV2を介して電気的に接続されている。発光素子21は、開口142H内にサブマウント12を介して実装されている。
【0090】
また、半導体発光デバイス10Jでは、図31に示したように、カバー15の上面15S1側にレンズ153を設けるようにしてもよい。これにより、発光素子21から出射された光の放射角を制御することが可能となる。なお、レンズ153は、カバー15の下面15S2側に設けるようにしてもよい。あるいは、カバー15の上面15S1側および下面15S2側の両方に設けるようにしてもよい。但し、図31に示したように、カバー15の上面15S1側にレンズ153を設けることにより、カバー15の下面15S2側にレンズ153を設けた場合と比較して小型化することができる。
【0091】
更に、半導体発光デバイス10Jでは、図32に示したように、カバー15の上面15S1側に回折素子154を設けるようにしてもよい。回折素子154を設けることにより、発光素子21から出射された光をランダムドットパタン等の所望の出力に変換することが可能となる。
【0092】
<11.変形例>
(変形例1)
図33は、本開示の変形例1に係る発光装置(発光装置2)の要部の模式的な分解斜視図である。この発光装置2は、ベースプレート31、半導体発光デバイス(例えば、半導体発光デバイス10A)およびアレイレンズ33をこの順に有している。即ち、発光装置2には、レンズ保持部材(例えば、図5のレンズ保持部材32)が設けられていない。発光装置2のベースプレート31は、例えば、プレート部311、保持部312および端子部313Eを有している。この点を除き、本変形例の発光装置2は、上記第1の実施の形態の発光装置1と同様の構成を有し、その作用および効果も同様である。
【0093】
ベースプレート31のプレート部311は、例えば四角形状の平面形状を有する板状部材である。このプレート部311に複数の半導体発光デバイス10Aが、例えばマトリクス状に載置されている。
【0094】
保持部312は、プレート部311の中央部に配置された複数の半導体発光デバイス10Aを囲む四角形の枠状の平面形状を有している。保持部312は、プレート部311およびアレイレンズ33(枠部33F)に接しており、保持部312の厚みの大きさにより、各々の半導体発光デバイス10Aとレンズ331との間の距離の大きさが調整されるようになっている。
【0095】
端子部313Eは、例えば、一方向(図33のY方向)に延びる帯状の平面形状を有しており、プレート部311上に設けられている。この端子部313Eは、保持部312の内側から外側にかけて延在している。この端子部313Eに半導体発光デバイス10Aの電極取出部14E1,14E2が電気的に接続されることにより、発光素子11と外部とが電気的に接続されるようになっている。
【0096】
プレート部311、保持部312および端子部313Eは、例えば一体化されている。プレート部311は例えばアルミニウム、保持部312は例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、端子部313Eは、金属材料により構成されている。プレート部311および保持部312は、例えば、インサート・インジェクションモールド成形等により一括成形されている。プレート部311を、例えば、アルミニウム(Al),銅(Cu),銅タングステン(Cu-W)または窒化アルミニウム(AlN)等により構成し、保持部312を、例えば、アルミナ,窒化アルミニウムまたはコバール等により構成するようにしてもよい。このとき、プレート部311および保持部312と端子部313Eとは、例えば、低融点ガラス等により絶縁される。
【0097】
(変形例2)
ベースプレート31に載置された複数の半導体発光デバイス10A(発光素子11)各々から出射される光の波長域が、複数存在していてもよい。ベースプレート31に載置された複数の半導体発光デバイス10Aが、例えば、赤色波長域の光を出射する発光素子11を含む半導体発光デバイス10Aと、青色波長域の光を出射する発光素子11を含む半導体発光デバイス10Aと、緑波長域の光を出射する発光素子11を含む半導体発光デバイス10Aとを有していてもよい。視感度曲線および出力(mW,Im)から各色の半導体発光デバイス10Aの比率および配置を調整する。これにより、発光装置1から白色光を取り出すことができる。このとき、例えば、発光装置1は、拡散板等を有し、半導体発光デバイス10Aから出射された光が、レンズ331および拡散板等を通過するようになっている。
【0098】
このように、互いに異なる波長域の光を出射する半導体発光デバイス10A(発光素子11)は、所望の比率および所望の配置で、容易にベースプレート31に載置することができる。よって、全体の光バランスを容易に調整することができる。
【0099】
発光素子11は、LED(Light Emitting Diode)等により構成することも可能であるが、半導体レーザ素子により構成された発光素子11では、LEDにより発光素子11を構成する場合に比べて、より光強度を強め、より遠い位置での光の認識が可能となる。
【0100】
<12.適用例>
上記第1の実施の形態および変形例で説明した発光装置1,2は、例えば投射型表示装置に適用することができる。
【0101】
図34は、光源として発光装置1,2が適用された投射型表示装置(投射型表示装置200)の構成例を示す図である。この投射型表示装置200は、例えばスクリーンに画像を投射する表示装置である。投射型表示装置200は、例えばPC等のコンピュータや各種画像プレーヤ等の外部の画像供給装置にI/F(インターフェイス)を介して接続されており、このI/Fに入力される画像信号に基づいて、スクリーン等への投影を行うものである。なお、以下に説明する投射型表示装置200の構成は一例であり、本技術に係る投射型表示装置は、このような構成に限定されるものではない。
【0102】
投射型表示装置200は、発光装置1,2、マルチレンズアレイ212、PBSアレイ213、フォーカスレンズ214、ミラー215a,215c~215e、ダイクロイックミラー216、217、光変調素子218a~218c、ダイクロイックプリズム219、および投写レンズ220を備える。
【0103】
発光装置1,2では、発光素子11から出射された光が、アレイレンズ33を通過し、コリメート光として取り出される。この光は、マルチレンズアレイ212に入射するようになっている。マルチレンズアレイ212は、複数のレンズ素子がアレイ状に設けられた構造であり、発光装置1,2から出射された光を集光する。PBSアレイ213は、マルチレンズアレイ212によって集光された光を、所定の偏光方向の光、例えばP偏光波に偏光する。フォーカスレンズ214は、PBSアレイ213によって所定の偏光方向の光に変換された光を集光する。
【0104】
ダイクロイックミラー216は、フォーカスレンズ214、ミラー215eを介して入射してきた光のうちの赤色光Rを透過し、緑色光G、青色光Bを反射する。ダイクロイックミラー216によって透過された赤色光Rは、ミラー215aを介して光変調素子218aに導かれる。
【0105】
ダイクロイックミラー217は、ダイクロイックミラー216によって反射された光のうちの青色光Bを透過し、緑色光Gを反射する。ダイクロイックミラー217によって反射された緑色光Gは、光変調素子218bに導かれる。一方、ダイクロイックミラー217によって透過された青色光Bは、ミラー215dとおよびミラー215cを介して光変調素子218cに導かれる。
【0106】
光変調素子218a~218cの各々は、入射された各色光を光変調し、光変調された各色光をダイクロイックプリズム219に入射する。ダイクロイックプリズム219は、光変調されて入射してきた各色光を1つの光軸に合成する。合成された各色光は、投写レンズ220を介してスクリーン等に投影される。
【0107】
投射型表示装置200では、色の3原色である赤、緑、青の3色に対応した3つの光変調素子218a~218cが組み合わされ、あらゆる色が表示される。即ち、投射型表示装置200は、いわゆる3板式の投射型表示装置である。
【0108】
以上、第1~第10の実施の形態および変形例ならびに適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態等において例示した発光装置1,2の構成要素、配置および数等は、あくまで一例であり、全ての構成要素を備える必要はなく、また、他の構成要素を更に備えていてもよい。
【0109】
また、上記第1の実施の形態等では、接合部材16を発光素子11のカソードと電極取出部14E1との導電経路として用いた例を示したが、これに限らない。例えば、接合部材16は、発光素子11のアノードと電極取出部14E2との導電経路として用いるようにしてもよい。また、上記第1の実施の形態等では、凹部14C内に1つの発光素子11を収容した例を示したが、2つ以上、さらには、互いに異なる波長の発光素子11を収容するようにしてもよい。
【0110】
更に、上記発光装置1,2では、発光素子11と外部とを電気的に接続するための端子部322E,313Eをレンズ保持部材32またはベースプレート31に設ける場合について説明したが、レンズ保持部材32およびベースプレート31とは別に、端子部を設けるようにしてもよい。
【0111】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であってこれに限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0112】
なお、本技術は、以下のような構成をとることも可能である。以下の構成の本技術によれば、発光素子を収容する第1の収容部材と第2の収容部材とを接合する導電性接合部を、第1の収容部材に設けられた配線構造と電気的に接続するようにしたので、発光素子と外部とを電気的に接続する配線の断面積が大きくなる。よって、内部抵抗を低減することが可能となる。
(1)
発光素子と、
前記発光素子を収容すると共に、少なくとも一方に前記発光素子と外部とを電気的に接続する配線構造を有する第1の収容部材および第2の収容部材と、
前記第1の収容部材と前記第2の収容部材とを接合すると共に、前記配線構造と電気的に接続されている導電性接合部とを備え、
前記第1の収容部材は、前記発光素子を収容する収容空間を形成する第1の凹部と、前記第1の凹部の底面を構成する第1の層と、前記第1の凹部の側面を構成する第2の層とを有し、
前記第1の層には、1または複数の第1のメタルパタンが形成され、
前記第2の層には、前記1または複数の第1のメタルパタンの少なくとも一部と電気的に接続される1または複数の第2のメタルパタンが形成されている
半導体発光デバイス
(2)
前記1または複数の第1のメタルパタンと、前記1または複数の第2のメタルパタンとは、前記第2の層を貫通する貫通ビアを介して電気的に接続されている、前記(1)に記載の半導体発光デバイス。
(3)
前記第2の層は、前記第2の収容部材と接合される接合層と、前記接合層と前記第1の層との間に配置される中間層とを有し、
前記接合層および前記中間層には、それぞれ、前記1または複数の第2のメタルパタンが形成されている、前記(1)または(2)に記載の半導体発光デバイス。
(4)
前記接合層に形成された前記1または複数の第2のメタルパタンの少なくとも一部が前記導電性接合部を構成している、前記(3)に記載の半導体発光デバイス。
(5)
前記接合層に形成された前記1または複数の第2のメタルパタンは、前記発光素子の電極と電気的に接続された電極取出部を含む、前記(3)または(4)に記載の半導体発光デバイス。
(6)
前記導電性接合部と前記電極取出部とは電気的に接続されている、前記(5)に記載の半導体発光デバイス。
(7)
前記第1の収容部材と前記第2の収容部材とははんだを介して接合され、
前記はんだが前記導電性接合部を構成している、前記(1)乃至(6)のうちのいずれかに記載の半導体発光デバイス。
(8)
前記第2の収容部材は、前記発光素子を収容する収容空間を形成する第2の凹部を有する、前記(1)乃至(7)のうちのいずれかに記載の半導体発光デバイス。
(9)
前記第2の収容部材は光透過性を有し、
前記発光素子から出射された光は、前記第2の収容部材を介して外部へ出力される、前記(1)乃至(8)のうちのいずれかに記載の半導体発光デバイス。
(10)
前記第2の収容部材は、前記第1の収容部材との接合面とは反対側に光出射面を有し、
前記光出射面はレンズ形状を有する、前記(9)に記載の半導体発光デバイス。
(11)
前記第1の収容部材は、前記第1の凹部を構成する側面の少なくとも一部が光透過性を有し、
前記発光素子から出射された光は、前記側面を介して外部へ出射される、前記(1)乃至(10)のうちのいずれかに記載の半導体発光デバイス。
(12)
前記発光素子から出射された光を反射する反射部材をさら有し、
前記反射部材は、前記発光素子と共に前記第1の凹部に収容されている、前記(1)乃至(11)のうちのいずれかに記載の半導体発光デバイス。
(13)
サブマウントをさらに有し、
前記サブマウントは、前記発光素子と前記第1の収容部材との間に配置される、前記(1)乃至(12)のうちのいずれかに記載の半導体発光デバイス。
(14)
前記サブマウントは導電性を有する、前記(13)に記載の半導体発光デバイス。
(15)
前記発光素子は、半導体レーザにより構成されている、前記(1)乃至(14)のうちのいずれかに記載の半導体発光デバイス。
(16)
前記半導体レーザは窒化ガリウム(GaN)系半導体を含む、前記(15)に記載の半導体発光デバイス。
(17)
互いに異なる波長の光を出射する前記発光素子を含む、前記(1)乃至(16)のうちのいずれかに記載の半導体発光デバイス。
(18)
前記反射部材はミラーにより構成されている、前記(12)乃至(17)のうちのいずれかに記載の半導体発光デバイス。
(19)
発光素子と、
前記発光素子を収容すると共に、少なくとも一方に前記発光素子と外部とを電気的に接続する配線構造を有する第1の収容部材および第2の収容部材と、
前記第1の収容部材と前記第2の収容部材とを接合すると共に、前記配線構造と電気的に接続されている導電性接合部とを備え、
前記第2の収容部材は光透過性を有すると共に、前記第1の収容部材との接合面とは反対側にレンズ形状を有する光出射面を有し、
前記発光素子から出射された光は、前記第2の収容部材を介して外部へ出力される
半導体発光デバイス。
【0113】
本出願は、日本国特許庁において2019年2月4日に出願された日本特許出願番号2019-018059号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容を参照によって本出願に援用する。
【0114】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
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図20
図21
図22
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図25B
図25C
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図30
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図34