(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-23
(45)【発行日】2023-10-31
(54)【発明の名称】物質検出システム及び物質検出方法
(51)【国際特許分類】
G01N 5/02 20060101AFI20231024BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G01N5/02 A
G01N1/00 101R
(21)【出願番号】P 2021524762
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(86)【国際出願番号】 JP2020020396
(87)【国際公開番号】W WO2020246276
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】P 2019103515
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】緒方 健治
(72)【発明者】
【氏名】松岡 慶太
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-244335(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0305191(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0210099(US,A1)
【文献】特表2001-507460(JP,A)
【文献】米国特許第05616827(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0031263(US,A1)
【文献】国際公開第2005/031300(WO,A2)
【文献】特表2009-509172(JP,A)
【文献】高野光雄,水晶振動子型においセンサを用いたバラの香りの測定,におい・かおり環境学会誌,日本,2005年,36巻6号,pp.345-355
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 5/02
G01N 1/00
G01N 19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の空間に設置され、対象物質を検出する物質センサと、
前記第1の空間よりも外部との通気性が低く、前記対象物質の濃度が高い第2の空間の気体を前記第1の空間に供給する気体供給部と、
を備え、
前記物質センサは、前記対象物質を付着する物質付着素子を備え、
前記気体供給部は、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に吹き出す吹き出し口を備え、
前記吹き出し口から吹き出された気体が、前記物質付着素子に直接当たるように、前記吹き出し口と前記物質付着素子とが互いに対向配置されて
おり、
前記気体供給部は、気体の供給と供給停止とを交互に繰り返す第1の時間と、気体の供給を停止する第2の時間とが繰り返されるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に間欠的に供給する、
物質検出システム。
【請求項2】
第1の空間に設置され、対象物質を検出する物質センサと、
前記第1の空間よりも前記対象物質の濃度が低い第2の空間の気体を前記第1の空間に供給する気体供給部と、
を備え、
前記物質センサは、前記対象物質を付着する物質付着素子を備え、
前記気体供給部は、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に吹き出す吹き出し口を備え、
前記吹き出し口から吹き出された気体が、前記物質付着素子に直接当たるように、前記吹き出し口と前記物質付着素子とが互いに対向配置されて
おり、
前記気体供給部は、気体の供給と供給停止とを交互に繰り返す第1の時間と、気体を供給する第2の時間とが繰り返されるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に間欠的に供給する、
物質検出システム。
【請求項3】
前記第2の空間が複数設けられ、
前記第2の空間毎に、前記気体供給部が設けられ、
前記第1の空間に気体を供給する前記気体供給部を切り換えつつ、複数の前記第2の空間についてそれぞれ順番に前記対象物質の検出を行う、
請求項
1に記載の物質検出システム。
【請求項4】
前記物質センサは、
前記物質付着素子を搭載して振動する振動子を備え、
前記振動子を振動させることにより、前記物質付着素子に付着した前記対象物質を脱離する、
請求項1に記載の物質検出システム。
【請求項5】
前記物質センサは、
前記振動子の周波数特性の変化に基づいて、前記物質付着素子への前記対象物質の付着又は除去を検出する、
請求項
4に記載の物質検出システム。
【請求項6】
前記気体供給部は、ポンプである、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項7】
前記第1の空間と前記第2の空間とのいずれかに、気体を排出する排出手段が設けられている、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の物質検出システム。
【請求項8】
第1の空間よりも外部との通気性が低く、対象物質の濃度が高い第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に気体供給部によって供給する第1のステップと、
前記第1の空間に配置された物質センサによって前記対象物質を検出する第2のステップと、
を含み、
前記第1のステップでは、
前記対象物質を付着する前記物質センサに設けられた物質付着素子に対向配置され、前記気体供給部に設けられた吹き出し口から、前記物質付着素子に直接当たるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に吹き出
し、
前記気体供給部は、気体の供給と供給停止とを交互に繰り返す第1の時間と、気体の供給を停止する第2の時間とが繰り返されるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に間欠的に供給する、
物質検出方法。
【請求項9】
第1の空間よりも対象物質の濃度が低い第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に気体供給部によって供給する第1のステップと、
前記第1の空間に配置された物質センサによって前記対象物質を検出する第2のステップと、
を含み、
前記第1のステップでは、
前記対象物質を付着する前記物質センサに設けられた物質付着素子に対向配置され、前記気体供給部に設けられた吹き出し口から、前記物質付着素子に直接当たるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に吹き出
し、
前記気体供給部は、気体の供給と供給停止とを交互に繰り返す第1の時間と、気体を供給する第2の時間とが繰り返されるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に間欠的に供給する、
物質検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質検出システム及び物質検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物質付着素子の重量の変化によって、その物質付着素子に付着した匂い物質を検知する匂いセンサが開示されている。この種の匂いセンサでは、物質付着素子に付着可能な匂い物質の付着量に限界がある。匂い物質の付着量が限界に達すると、物質付着素子はそれ以上匂い物質を付着することができず、飽和状態となって匂い物質の検出精度が低下する。そこで、匂いセンサでは、物質付着素子から匂い物質を一旦脱離する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の匂いセンサでは、チャンバー内にサンプルガスを導入し、300秒間放置した後、空気を300秒間導入するというサイクルで、サンプルガスを順次導入している。空気を300秒間導入することで、チャンバー内のサンプルガスを追い出し、リフレッシュさせている(段落0170)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の匂いセンサでは、物質付着素子から匂い物質を脱離するために、チャンバー内のサンプルガスを空気で追い出さなければならない。しかしながら、匂いセンサが、測定対象となるサンプルガスを追い出すことができない環境(例えば、絶えずサンプルガスが発生するような環境)下にある場合には、匂い物質の脱離が不十分となって、匂い物質の検出精度が低下するという不都合がある。
【0006】
本発明は、上記実情の下になされたものであり、対象物質の検出精度の低下を抑制することができる物質検出システム及び物質検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る物質検出システムは、
第1の空間に設置され、対象物質を検出する物質センサと、
前記第1の空間よりも外部との通気性が低く、前記対象物質の濃度が高い第2の空間の気体を前記第1の空間に供給する気体供給部と、
を備え、
前記物質センサは、前記対象物質を付着する物質付着素子を備え、
前記気体供給部は、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に吹き出す吹き出し口を備え、
前記吹き出し口から吹き出された気体が、前記物質付着素子に直接当たるように、前記吹き出し口と前記物質付着素子とが互いに対向配置されており、
前記気体供給部は、気体の供給と供給停止とを交互に繰り返す第1の時間と、気体の供給を停止する第2の時間とが繰り返されるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に間欠的に供給する。
また、本発明の第2の観点に係る物質検出システムは、
第1の空間に設置され、対象物質を検出する物質センサと、
前記第1の空間よりも前記対象物質の濃度が低い第2の空間の気体を前記第1の空間に供給する気体供給部と、
を備え、
前記物質センサは、前記対象物質を付着する物質付着素子を備え、
前記気体供給部は、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に吹き出す吹き出し口を備え、
前記吹き出し口から吹き出された気体が、前記物質付着素子に直接当たるように、前記吹き出し口と前記物質付着素子とが互いに対向配置されており、
前記気体供給部は、気体の供給と供給停止とを交互に繰り返す第1の時間と、気体を供給する第2の時間とが繰り返されるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に間欠的に供給する。
【0009】
前記第2の空間が複数設けられ、
前記第2の空間毎に、前記気体供給部が設けられ、
前記第1の空間に気体を供給する前記気体供給部を切り換えつつ、複数の前記第2の空間についてそれぞれ順番に前記対象物質の検出を行う、
こととしてもよい。
【0011】
前記物質センサは、
前記物質付着素子を搭載して振動する振動子を備え、
前記振動子を振動させることにより、前記物質付着素子に付着した前記対象物質を脱離する、
こととしてもよい。
【0012】
前記物質センサは、
前記振動子の周波数特性の変化に基づいて、前記物質付着素子への前記対象物質の付着又は除去を検出する、
こととしてもよい。
【0013】
前記気体供給部は、ポンプである、
こととしてもよい。
【0015】
前記第1の空間と前記第2の空間とのいずれかに、気体を排出する排出手段が設けられている、
こととしてもよい。
【0016】
本発明の第3の観点に係る物質検出方法は、
第1の空間よりも外部との通気性が低く、対象物質の濃度が高い第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に気体供給部によって供給する第1のステップと、
前記第1の空間に配置された物質センサによって前記対象物質を検出する第2のステップと、
を含み、
前記第1のステップでは、
前記対象物質を付着する前記物質センサに設けられた物質付着素子に対向配置され、前記気体供給部に設けられた吹き出し口から、前記物質付着素子に直接当たるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に吹き出し、
前記気体供給部は、気体の供給と供給停止とを交互に繰り返す第1の時間と、気体の供給を停止する第2の時間とが繰り返されるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に間欠的に供給する。
本発明の第4の観点に係る物質検出方法は、
第1の空間よりも対象物質の濃度が低い第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に気体供給部によって供給する第1のステップと、
前記第1の空間に配置された物質センサによって前記対象物質を検出する第2のステップと、
を含み、
前記第1のステップでは、
前記対象物質を付着する前記物質センサに設けられた物質付着素子に対向配置され、前記気体供給部に設けられた吹き出し口から、前記物質付着素子に直接当たるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に吹き出し、
前記気体供給部は、気体の供給と供給停止とを交互に繰り返す第1の時間と、気体を供給する第2の時間とが繰り返されるように、前記第2の空間に存在する気体を前記第1の空間に間欠的に供給する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、気体供給部で、物質センサが配置された第1の空間に、第1の空間とは対象物質の濃度が異なる第2の空間の気体を供給することにより、対象物質を検出する物質センサの周囲における対象物質の濃度を、対象物質の検出時には高くし、対象物質の脱離時には低くするように調整する。これにより、物質センサにおける対象物質の付着量が飽和しないようにすることができるので、対象物質の検出精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る物質検出システムの構成を示す模式図である。
【
図2】物質センサのヘッダ部の構成を示す図である。
【
図3】
図1の物質検出システムの制御系の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る物質検出方法を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る物質検出システムの動作その1を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る物質検出システムの動作その2を示す模式図である。
【
図7A】本発明の実施の形態1に係る物質検出システムの動作を示す第1のタイミングチャートである。
【
図7B】本発明の実施の形態1に係る物質検出システムの動作を示す第2のタイミングチャートである。
【
図8】第2の空間が複数ある場合の物質検出システムの構成を示す模式図である。
【
図9】本発明の実施の形態2に係る物質検出システムの動作その1を示す模式図である。
【
図10】本発明の実施の形態2に係る物質検出システムの動作その2を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。各図面においては、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。なお、本実施の形態で、「空間」とは、匂いが漂う気体が満たされる立体領域、例えば容器、部屋等の内部のことをいう。
【0020】
実施の形態1
図1に示すように、本実施の形態に係る物質検出システム1は、気体中に含まれる対象物質Mを検出する物質センサ2と、気体供給部としてのポンプ3とを備える。対象物質Mには、例えば匂いの元となる匂い物質がある。
【0021】
本実施の形態に係る物質検出システム1は、2つの空間を必要とする。第1の空間10及び第2の空間20である。第1の空間10と、第2の空間20とは、壁30で仕切られている。物質センサ2は、第1の空間10に設置される。ポンプ3は、第2の空間20に存在する気体を第1の空間10に供給する。
【0022】
なお、
図1では、図示のため、第1の空間10と第2の空間20が、各辺が1点鎖線で示す直方体として表されている。しかしながら、実際には、第1の空間10と第2の空間20とは、それ以上の広がりを持つ空間であってもよい。
【0023】
第1の空間10は、例えば住居の屋根裏であり、第2の空間20は、例えば住居の居住空間である。第1の空間10と第2の空間20とを比較すると、第1の空間10の方が、外部との通気性が高くなっており、第2の空間20の方が、密閉性が高くなっている。したがって、第1の空間10に検出対象となる物質が送られてきたとしても、その物質は第1の空間10の外部へ排出又は拡散しやすくなっており、第2の空間20では、対象物質Mがその空間内にとどまり易くなっている。
【0024】
本実施の形態では、第2の空間20が検出対象であり、この第2の空間20に対象物質Mが存在する可能性がある。この対象物質Mは、第2の空間20から第1の空間10に送られて検出されるため、第2の空間20に対象物質Mが存在する場合、第1の空間10における対象物質Mの濃度は、第2の空間20における濃度よりも低くなっている(望ましくは濃度0%)必要がある。
【0025】
なお、第1の空間10及び第2の空間20に対象物質Mが存在しない場合には、第1の空間10における対象物質Mの濃度は同じ0%であってもよい。すなわち、第1の空間10及び第2の空間20の少なくとも一方に対象物質Mが存在する場合に、第1の空間10と第2の空間20とで、対象物質Mの濃度が異なっていればよい。
【0026】
本実施の形態に係る物質検出システム1は、第1の空間10に配置された物質センサ2を用いて、第2の空間20の気体中に含まれる対象物質Mを検出する。対象物質Mの検出のため、ポンプ3は、第2の空間20に存在する気体を、第2の空間20から第1の空間10に送っている。
【0027】
物質検出システム1の構成についてより詳細に説明する。物質センサ2は、ヘッダ部2aと、センサ本体2bと、を備える。ヘッダ部2aには、貫通孔2cが設けられている。この貫通孔2cの中を、気体が通過可能となっている。
【0028】
ヘッダ部2aは、対象物質Mに感度がある素子を有する。センサ本体2bは、対象物質Mが付着しているか否かを示す情報をヘッダ部2aから検出し、その情報を信号として出力可能な信号回路と、ヘッダ部2aの素子を制御する制御回路と、を有している。
【0029】
図2に示すように、ヘッダ部2aは、物質付着素子5aと、振動子5bと、ヘッダ本体部5cと、を備える。物質付着素子5aには、空気中に含まれる対象物質Mが付着する。振動子5bは、片持ち梁の板状の部材である。振動子5bには、電圧印加により面方向に伸縮可能な駆動用圧電素子6aが片面に形成されている。駆動用圧電素子6aの伸縮により、振動子5bが振動する。また、振動子5bには、その振動変位を検出する検出用圧電素子6bも片面に形成されている。
【0030】
物質付着素子5aは、振動子5b上に形成されている。物質付着素子5aに対象物質Mが付着すると、物質付着素子5aの重量が変化し、結果的に振動子5b全体の重量が変化する。この重量変化により、振動子5bの周波数特性が変化する。物質センサ2は、振動子5bの周波数特性の変化を監視することにより、対象物質Mを検出する。振動子5bの周波数特性の変化は、検出用圧電素子6bから出力される電圧信号(振動子5bの振動周波数(例えば共振周波数又は固有振動数))の変化により観測される。
【0031】
図1に戻り、本実施の形態では、ポンプ3は、吸入口3aと、ポンプ本体3bと、吹き出し口3cと、を備える。吸入口3aは、第2の空間20に設置されており、ポンプ本体3bは、圧力の作用により、吸入口3aから吸入した気体を、吹き出し口3cに送る。吹き出し口3cは、物質センサ2のヘッダ部2aに直接気体を吹きつけるように配置されている。より具体的には、吹き出し口3cは、物質付着素子5aに対向して配置されており、吹き出し口3cから吹き出された気体が、物質付着素子5aに直接当たるように配置されている。
【0032】
また、上述のように、物質センサ2は、物質付着素子5aに対象物質Mが付着することによる振動子5bの周波数特性の変化で、対象物質Mの存在を検出する。しかしながら、物質付着素子5aの対象物質Mの付着量には限界があり、ある量で飽和状態となる。物質付着素子5aが飽和状態となると、対象物質Mはそれ以上物質付着素子5aに付着せず、対象物質Mを測定することができなくなる。
【0033】
そこで、本実施の形態では、対象物質Mの検出後、一定期間、物質付着素子5aに付着した対象物質Mを脱離する。物質付着素子5aによる対象物質Mの脱離は、物質付着素子5aへの気体の吹き出しを停止しつつ、振動子5bを振動させることにより行われる。物質付着素子5aから対象物質Mが脱離すると振動子5bの周波数特性が変化するため、物質センサ2は、対象物質Mが除去されたことも検出可能である。
【0034】
図3に示すように、物質検出システム1は、制御部50を備える。制御部50は、物質センサ2及びポンプ3を制御する。制御部50は、物質センサ2の駆動用圧電素子6aに電圧を印加することにより、振動子5bを振動させる。物質センサ2は、検出用圧電素子6bの出力に基づいて、振動子5bの振動周波数を検出する。物質センサ2は、この検出信号を制御部50に出力する。制御部50は、その出力に基づいて、振動子5bの周波数特性の変化を検出する。
【0035】
さらに、制御部50は、ポンプ3のオンオフ制御を行う。具体的には、制御部50は、ポンプ3をオンして第2の空間20から第1の空間10に気体を送る。制御部50は、ポンプ3をオンした状態で、対象物質Mの検出を行う。以下では、ポンプ3をオンしつつ振動子5bを振動させる動作を、対象物質Mの検出動作ともいう。
【0036】
制御部50がポンプ3をオフすると、第2の空間20から第1の空間10への気体の供給が停止する。気体の供給が停止すると、物質付着素子5aの周辺の対象物質Mの濃度が低下する。このとき、対象物質Mが物質付着素子5aから脱離する。以下では、ポンプ3をオフする動作を、対象物質Mの脱離動作ともいう。
【0037】
このように、制御部50は、ポンプ3をオンオフして、対象物質Mの検出動作と、対象物質Mの脱離動作とを繰り返す間欠制御を行う。
【0038】
次に、本発明の実施の形態に係る物質検出システム1の動作について説明する。この方法では、まず、
図4に示すように、第1の空間10及び第2の空間20の少なくとも一方に対象物質Mが存在する場合に、第1の空間10とは対象物質Mの濃度が異なる第2の空間20に存在する気体を第1の空間10に供給する(ステップS1;第1のステップ)。続いて、第1の空間10に配置された物質センサ2によって、対象物質Mを検出する(ステップS2;第2のステップ)。これにより、第2の空間20に含まれる対象物質Mの検出が行われる。
【0039】
また、
図5に示すように、対象物質Mの検出動作においては、制御部50は、ポンプ3をオンする。これによりポンプ3が動作して、第2の空間20に存在する気体が、第1の空間10に供給される。これにより、ポンプ3の吹き出し口3cから対象物質Mを含む気体が吹き出し、物質センサ2の物質付着素子5aに対象物質Mが付着する。対象物質Mが付着すると、振動子5bの周波数特性が変化する。制御部50は、駆動用圧電素子6aに電圧を印加し、振動子5bを振動させて、検出用圧電素子6bで、振動子5bの振動周波数を監視する。物質センサ2は、この振動周波数の変化により、対象物質Mを検出する。
【0040】
さらに、
図6に示すように、対象物質Mの脱離動作においては、制御部50は、ポンプ3をオフする。これにより、第2の空間20に存在する気体の第1の空間10への供給が停止し、ポンプ3の吹き出し口3cからの対象物質Mを含む気体の吹き出しが停止し、物質センサ2の物質付着素子5aの周囲に対象物質Mが存在しなくなる。この結果、物質付着素子5aから対象物質Mが脱離し、物質付着素子5aは、対象物質Mが付着していない初期状態に戻る。制御部50は、駆動用圧電素子6aに電圧を印加し、振動子5bを振動させて、物質付着素子5aからの対象物質Mの脱離を促進する。
【0041】
図7Aに示すように、制御部50は、時間Taだけポンプ3をオンした後、時間Tbだけポンプ3をオフする処理を周期Tで繰り返す。時間Ta、Tbは、例えば2~3秒とすることができる。
【0042】
時間Taが、対象物質Mの検出動作を行う時間となる。この時間Taにおいて、制御部50は、ポンプ3をオンするとともに、振動子5bを振動させて、駆動用圧電素子6aに電圧を印加して、振動子5bを振動させつつ、検出用圧電素子6bの出力を監視し、振動子5bの振動周波数の変化を検出する。時間Taでは、物質付着素子5aに対象物質Mが付着して、振動子5bの振動周波数が次第に低くなる。この振動周波数の変化により、対象物質Mの存在が検出される。
【0043】
そして、次の時間Tbが、対象物質Mの脱離動作を行う時間となる。この時間Tbにおいて、制御部50は、ポンプ3をオフする。すると、物質付着素子5aの周囲における対象物質Mの濃度が低下して、物質付着素子5aから対象物質Mが脱離する。このときも、制御部50は、駆動用圧電素子6aに電圧を印加して、振動子5bを振動させる。この振動により、物質付着素子5aから対象物質Mがさらに脱離しやすくなる。この状態で、検出用圧電素子6bの電圧信号の出力を監視した場合、
図7Aに示すように、物質付着素子5aから対象物質Mが脱離して、振動子5bの振動周波数が上昇する。
【0044】
なお、本実施の形態では、物質付着素子5aに対象物質Mが付着すると、振動子5bの振動周波数が下がり、脱離すると振動子5bの振動周波数が上がる場合について説明しているが、本発明はこれには限られない。物質付着素子5aに対象物質Mが付着したか否かについては、振動子5bの振幅レベルでも判定可能である。例えば、物質付着素子5aに対象物質Mが付着した場合に振動子5bの振幅レベルが下がり、物質付着素子5aから対象物質Mが脱離した場合に振動子5bの振幅レベルが上がる構成であれば、振幅レベルの違いにより、物質センサ2は、対象物質Mが付着したか否かを判定できる。
【0045】
制御部50は、このようにして、対象物質Mの検出動作と、対象物質Mの脱離動作とを繰り返す。これにより、物質検出システム1では、物質付着素子5aによる対象物質Mの付着量を飽和させることなく、長期間の対象物質Mの検出動作が可能となる。
【0046】
また、本実施の形態では、第1の空間10から、対象物質Mが排出されにくくなっている場合には、第1の空間10から気体を排出する排出手段としての排出ポンプをさらに設けるようにしてもよい。
【0047】
なお、本実施の形態では、第1の空間10を、住居の屋根裏とし、第2の空間20を、住居の居室空間としたが、本発明はこれには限られない。例えば、第1の空間10を住居の軒下としてもよい。第1の空間10及び第2の空間20を建築物によって構成される空間としてもよいし、ある設備又は装置によって構成される空間としてもよい。
【0048】
また、本実施の形態に係る物質検出システム1では、対象物質Mの検出のインターバル動作が可能である。
図7Bに示すように、時間T1では、時間Taの対象物質Mの検出動作と時間Tbの脱離動作とを繰り返し行い、その後の時間T2では、対象物質Mの検出動作と脱離動作とを停止させることができる。このようにすれば、時間T1において、物質付着素子5aに付着する対象物質Mが残留していた場合でも、その対象物質Mを脱離させる余裕を時間T2で作り出すことができる。時間T2において、物質付着素子5aから対象物質Mをさらに脱離しやすくするために、制御部50は、駆動用圧電素子6aに電圧を印加して、振動子5bを振動させてもよい。
【0049】
このように、本実施の形態では、第2の空間20に含まれる対象物質Mの検出を行わない余裕の時間T2を設けることが可能である。この場合、
図8に示すように、第2の空間20を複数設け、それぞれにポンプ3を設け、複数の第2の空間20について順番に対象物質Mの検出を行うようにしてもよい。すなわち、
図7Bに示すように、時間T2で、一方の第2の空間20での対象物質Mの検出を行わない場合には、第1の空間10に気体を供給するポンプ3を切り替えて、その時間T2において、他方の第2の空間20での対象物質Mの検出を行うようにしてもよい。このような制御は、第2の空間20が3つ以上有る場合でも適用可能である。
【0050】
なお、時間Ta、Tbとしては、対象物質Mの検出及び脱離に十分な時間を設定する必要がある。また、本実施の形態に係る物質検出システム1では、検出を行わない時間T2は必須ではない。特に、危険性の高い対象物質Mを検出する物質検出システム1では、対象物質Mの検出を常時行うようにしておくのが望ましい。
【0051】
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態に係る物質検出システム1の構成は、第2の空間20でなく、第1の空間10に存在する対象物質Mを検出する。
【0052】
本実施の形態に係る物質検出システム1は、物質センサ2と、気体供給部としてのポンプ3とを備える点は上記実施の形態と同じである。物質センサ2は、第1の空間10に設置される。ポンプ3は、第2の空間20に存在する気体を第1の空間10に供給する。物質センサ2及びポンプ3の詳細な構成も上記実施の形態1と同じである。また、制御部50によって、物質センサ2及びポンプ3が制御される点も上記実施の形態1と同じである。
【0053】
本実施の形態では、第1の空間10が検出対象であり、この第1の空間10に対象物質Mが存在する可能性がある。第2の空間20における気体は、物質付着素子5aに付着した対象物質Mを除去するために第1の空間10に送られるため、第1の空間10に対象物質Mが存在する場合、第2の空間20における対象物質Mの濃度は、第1の空間10における濃度よりも低くなっている(望ましくは濃度0%)必要がある。
【0054】
なお、本実施の形態でも、第1の空間10及び第2の空間20に対象物質Mが存在しない場合には、第1の空間10における対象物質Mの濃度は同じ0%であってもよい。すなわち、第1の空間10及び第2の空間20の少なくとも一方に対象物質Mが存在する場合に、第1の空間10と第2の空間20とで、対象物質Mの濃度が異なっていればよい。
【0055】
本実施の形態に係る物質検出システム1は、第1の空間10に配置された物質センサ2を用いて、第1の空間10の気体中に含まれる対象物質Mを検出する。すなわち、第1の空間10が測定対象の空間となり、この点、第2の空間20を測定対象とする上記実施の形態1とは逆になる。
【0056】
本実施の形態でも、制御部50は、駆動用圧電素子6aに電圧を印加することにより、振動子5bを振動させるとともに、検出用圧電素子6bの出力に基づいて、振動子5bの振動周波数を検出する。制御部50は、その出力に基づいて、振動子5bの周波数特性の変化を検出する。
【0057】
さらに、本実施の形態でも、制御部50は、ポンプ3のオンオフ制御を行う。具体的には、制御部50は、ポンプ3をオフした状態で、対象物質Mの検出を行う。以下では、ポンプ3をオフしつつ振動子5bを振動させる動作を、対象物質Mの検出動作ともいう。
【0058】
制御部50がポンプ3をオンすると、第2の空間20から第1の空間10へ気体が供給される。この気体には、第1の空間10よりも濃度が低い対象物質Mが含まれているため、気体の供給が開始されると、物質付着素子5aの周辺の対象物質Mの濃度が低下する。このとき、対象物質Mが物質付着素子5aから脱離する。以下では、ポンプ3をオンし振動子5bを振動させる動作を、対象物質Mの脱離動作ともいう。
【0059】
このように、本実施の形態でも、制御部50は、対象物質Mの検出動作と、対象物質Mの脱離動作とを繰り返す間欠制御を行う。
【0060】
次に、本発明の実施の形態に係る物質検出システム1の動作について説明する。
【0061】
より詳細には、
図9に示すように、対象物質Mの検出動作においては、ポンプ3が停止して、第2の空間20に存在する気体の第1の空間10への供給が停止し、ポンプ3の吹き出し口3cから気体の吹き出しが停止している。この状態では、第1の空間10内に存在する物質センサ2の物質付着素子5aに対象物質Mが付着する。対象物質Mが付着すると、振動子5bの周波数特性が変化する。制御部50は、駆動用圧電素子6aに電圧を印加し、振動子5bを振動させて、検出用圧電素子6bで、振動子5bの振動周波数を監視する。物質センサ2は、この振動周波数の変化により、対象物質Mを検出する。
【0062】
図10に示すように、対象物質Mの脱離動作においては、ポンプ3が動作して、第2の空間20に存在する気体を、第1の空間10に供給する。これにより、ポンプ3の吹き出し口3cから低い濃度の対象物質Mを含む気体が吹き出し、物質センサ2の物質付着素子5aの周辺における対象物質Mの濃度が低下する。この結果、物質付着素子5aから対象物質Mが脱離する。制御部50は、駆動用圧電素子6aに電圧を印加し、振動子5bを振動させて、物質付着素子5aからの対象物質Mの脱離を促進する。
【0063】
制御部50は、このようにして、対象物質Mの検出動作と、対象物質Mの脱離動作とを繰り返す。これにより、本実施の形態に係る物質検出システム1においても、物質付着素子5aによる対象物質Mの付着量を飽和させることなく、連続して対象物質Mの検出動作が可能となる。
【0064】
なお、本実施の形態では、物質センサ2の周囲に第2の空間20からの気体が、一定時間供給されるだけでよい。第2の空間20から気体が供給される時間は、物質付着素子5aの対象物質Mが脱離するのに十分な時間が確保される。
【0065】
以上詳細に説明したように、上記各実施の形態によれば、ポンプ3で、物質センサ2が配置された第1の空間10に、第1の空間10とは対象物質Mの濃度が異なる第2の空間20の気体を供給することにより、対象物質Mを検出する物質センサ2の周囲における対象物質Mの濃度を、対象物質Mの検出時には高くし、対象物質Mの脱離時には低くするように調整する。これにより、物質センサ2における対象物質Mの付着量が飽和しないようにすることができるので、対象物質Mの検出精度の低下を抑制することができる。
【0066】
上記各実施の形態に係る物質検出システム1では、ポンプ3をオン又はオフにして、時間を置くことにより、物質付着素子5aから物質を脱離させることができるため、例えば、窒素ガスを物質付着素子5aに与えて対象物質Mを脱離させるような特別な機構が不要となる。
【0067】
また、上記各実施の形態によれば、ポンプ3は、物質付着素子5aに第2の空間20に存在する気体を間欠的に供給することとした。このようにすれば、物質付着素子5aが対象物質Mに常に暴露されて対象物質Mの付着状態が飽和するのを防止することができる。
【0068】
なお、間欠制御は、一定時間で行われたがこれには限られない。検出結果を監視して、振動子5bの振動周波数が予め定められた範囲に収束してきたら、検出動作を停止して、対象物質Mの脱離動作を行うようにしてもよい。
【0069】
また、上記各実施の形態によれば、ポンプ3の吹き出し口3cから吹き出される気体の流路上に物質センサ2の物質付着素子5aが配置されることとした。このようにすれば、物質付着素子5aに付着する対象物質Mの付着量を増やすことができるので、その検出精度を高めることができる。
【0070】
また、上記各実施の形態では、振動子5bを振動させることにより、物質付着素子5aに付着した対象物質Mを脱離した。このようにすれば、より確実かつ短時間に、物質付着素子5aから対象物質Mを脱離することが可能である。
【0071】
また、上記各実施の形態に係る物質検出システム1では、梁状の振動子5bを振動させ、その振動子5bの周波数特性を検出するものであった。しかしながら、本発明はこれには限られない。例えば、水晶振動子を振動させるものであってもよい。また、物質センサ2は振動子5bを有するものにも限られない。物質センサ2は、対象物質Mを検出するものであれば適用が可能である。
【0072】
なお、上記各実施の形態では、振動子5bを片持ち梁の板状の部材としたが、本発明はこれには限られない。振動子5bは、両持ち梁の板状の部材であってもよいし、3つ以上の固定端部を有する梁状の部材であってもよい。また、駆動用圧電素子6a及び検出用圧電素子6bは、梁の片側でなく、両側に設けられていてもよい。
【0073】
また、上記各実施の形態では、気体供給部は、ポンプ3であった。ポンプ3を用いることにより、物質付着素子5aへの気体の供給及び停止を俊敏に行うことができる。しかしながら、本発明はこれには限られない。第2の空間20から第1の空間10への送風を行う送風ファンであってもよい。
【0074】
上記各実施の形態に係る対象物質Mには様々なものがある。例えば、居住空間の生活臭、ペットの匂い、香水、料理の匂い、ゴミの匂い、ものが焼ける匂いなどがある。物質検出システム1の動作は、検出対象となる対象物質Mの種類又は検出の目的に応じて適宜調整することができる。時間Ta、Tb、T1、T2は、その最たる例である。
【0075】
なお、上記各実施の形態に係る物質検出システム1は、対象物質Mを検出し、その対象物質Mの発生を監視するものであった。しかしながら、本発明はこれには限られない。例えば、検出結果を用いて機器を制御するようにしてもよい。例えば、対象物質Mが検出されれば、換気扇を回して、第2の空間20を換気するようにしてもよいし、ものが燃焼したときに発生する対象物質Mを検出して、火事の発生を報知するようにしてもよい。
【0076】
なお、上記各実施の形態では、第1の空間10と第2の空間20とは、壁30で仕切られていたが、本発明はこれには限られない。第1の空間10と第2の空間20とが十分に離れているか、それぞれの気体が混合するおそれがなければ、壁30はなくてもよい。基本的には、第1の空間10と第2の空間20とでは、対象物質Mの濃度が異なっていればよい。より望ましくは、第1の空間10と第2の空間20とは、少なくとも一方に対象物質Mが存在すればよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、対象物質Mを1種類としたが、本発明はこれには限られない。対象物質Mは、複数種類あってもよい。この場合、対象物質M毎に物質センサ2を設けるようにすればよい。物質検出システム1は、複数種類の対象物質Mによって構成される匂いを検出するようにしてもよい。
【0078】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【0079】
なお、本願については、2019年6月3日に出願された日本国特許出願2019-103515号を基礎とする優先権を主張し、本明細書中に日本国特許出願2019-103515号の明細書、請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、匂い物質など、空気中に漂う物質や様々なガスを対象物質として、その対象物質の検出に適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 物質検出システム、2 物質センサ、2a ヘッダ部、2b センサ本体、2c 貫通孔、3 ポンプ(気体供給部)、3a 吸入口、3b ポンプ本体、3c 吹き出し口、5a 物質付着素子、5b 振動子、5c ヘッダ本体部、6a 駆動用圧電素子、6b 検出用圧電素子、10 第1の空間、20 第2の空間、30 壁、50 制御部、M 対象物質